IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社半導体エネルギー研究所の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20231218BHJP
   G09G 3/3225 20160101ALI20231218BHJP
   G09G 3/3266 20160101ALI20231218BHJP
   G09G 3/3275 20160101ALI20231218BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20231218BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20231218BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/3225
G09G3/3266
G09G3/3275
G09G3/20 680H
G09G3/20 642B
G09G3/20 611A
G09G3/20 670J
G09F9/30 308Z
G09F9/00 366G
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022070644
(22)【出願日】2022-04-22
(62)【分割の表示】P 2021021589の分割
【原出願日】2014-07-15
(65)【公開番号】P2022097552
(43)【公開日】2022-06-30
【審査請求日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】P 2013150588
(32)【優先日】2013-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】池田 寿雄
(72)【発明者】
【氏名】木村 肇
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-272205(JP,A)
【文献】特開2010-282181(JP,A)
【文献】特開2011-118082(JP,A)
【文献】特開2011-048124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
G09F 9/30
G09F 9/00
H10K 50/10
H05B 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み可能な情報処理装置であって、
可撓性を有する基板上に設けられた表示部と、
前記基板上に設けられ、且つ前記表示部の外に配置された、第1のゲートドライバ及び第2のゲートドライバと、
前記表示部の外形の状態を識別する機能を有する検知部と、
前記第1のゲートドライバ及び前記第2のゲートドライバに画像情報を供給する機能を有する演算部と、
前記演算部に実行させるプログラムを記憶する機能を有する記憶部と、を有し、
前記表示部は、第1のトランジスタと、前記第1のトランジスタと電気的に接続された発光素子とを有し、
前記第1のゲートドライバは、第2のトランジスタを有し、
前記第2のゲートドライバは、第3のトランジスタを有し、
前記検知部、前記表示部が展開される第1の形態、または前記表示部が折り畳まれる第2の形態検知する機能を有し
前記第2の形態において、前記表示部は、視認者側に位置する第1の領域と、前記第1の領域の裏側に位置する部分を有する第2の領域と、前記第1の領域と前記第2の領域との間に位置し、且つ湾曲した第3の領域と、を有し、
前記第2の形態において、前記第1のゲートドライバは湾曲せず、且つ前記第2のゲートドライバは湾曲した領域を有し、
前記第2の形態において、前記演算部は、前記第2の領域に表示を行わず、且つ前記第3の領域において前記第1の領域から前記第2の領域にむかって輝度が段階的に変化するプログラムを実行する機能を有する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物、方法、または、製造方法に関する。または、本発明は、プロセス、マシ
ン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。特
に、本発明は、例えば、ヒューマンインターフェース、半導体装置、表示装置、発光装置
、照明装置、蓄電装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法に関する。特に、
本発明は、例えば、画像情報の処理および表示方法、プログラムおよびプログラムが記録
された記録媒体を有する装置に関する。特に、本発明は、例えば、表示部を備える情報処
理装置に処理された情報を含む画像を表示する画像情報の処理、表示方法および表示部を
備える情報処理装置に処理された情報を含む画像を表示させるプログラム並びに当該プロ
グラムが記録された記録媒体を有する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報伝達手段に係る社会基盤が充実されている。これにより、多様で潤沢な情報を職場
や自宅だけでなく外出先でも情報処理装置を用いて取得、加工または発信できるようにな
っている。
【0003】
このような背景において、携帯可能な情報処理装置が盛んに開発されている。
【0004】
例えば、携帯可能な情報処理装置の一例として、フィルム基板上に、スイッチング素子
であるトランジスタや有機EL素子を備えたフレキシブルなアクティブマトリクス型の発
光装置が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-174153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
大きな画面を備え、多くの情報を表示することができる表示装置は、一覧性に優れる。
よって、情報処理装置に好適である。
【0007】
一方で、大きな画面を備える表示装置は、小さな画面を備えるものに比べて可搬性が劣
る。また、大きな画面を備える表示装置は、小さな画面を備えるものに比べて、消費電力
が高い。
【0008】
また、表示装置において、表示品位が低下する場合がある。例えば、表示装置として、
発光素子を用いた場合、発光強度や発光時間に応じて、発光素子の発光特性が劣化してく
る。そのため、発光強度や発光時間が画素ごとに異なる場合、発光素子の劣化状態が異な
るため、表示ムラとして観察されるため表示品位が低下してしまう。
【0009】
上記課題に鑑み、本発明の一態様は、一覧性に優れた情報処理装置などを提供すること
を課題の一つとする。または、可搬性に優れた情報処理装置などを提供することを課題の
一つとする。または、消費電力が少ない情報処理装置などを提供することを課題の一つと
する。または、表示品位が高い情報処理装置などを提供することを課題の一つとする。ま
たは、表示ムラの少ない情報処理装置などを提供することを課題の一つとする。または、
新規な情報処理装置などを提供することを課題の一つとする。
【0010】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の
一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課
題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、
図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、可撓性を有する表示部と、表示部の外周に配置される複数の駆動回
路部と、表示部の外形の状態を識別する検知部と、駆動回路部に画像情報を供給する演算
部と、演算部に実行させるプログラムを記憶する記憶部と、を有し、検知部によって、表
示部が展開される第1の形態、または表示部が折り畳まれる第2の形態が検知され、プロ
グラムが第1の形態または第2の形態に応じて、輝度調整処理を行うことを特徴とする情
報処理装置である。
【0012】
また、本発明の一態様の情報処理装置が記憶するプログラムは、外形の形態を特定する
第1のステップと、第1の形態の場合に第5のステップに進み、且つ第1の形態以外の場
合に第3のステップに進む第2のステップと、第2の形態の場合に第4のステップに進み
、且つ第2の形態以外の場合に第1のステップに進む第3のステップと、輝度調整処理を
行う第4のステップと、終了する第5のステップと、を有し、輝度調整処理が、表示領域
と非表示領域を決定する第6のステップと、少なくとも1つの駆動回路部を休止する第7
のステップと、非表示領域の一部を発光させる第8のステップと、輝度調整処理を解除す
る場合に第10のステップに進み、且つ輝度調整処理を解除しない場合に第8のステップ
に進む第9のステップと、輝度調整処理から復帰する第10のステップと、を有する。
【0013】
このように、本発明の一態様の情報処理装置においては、プログラムが第1の形態また
は第2の形態に応じて、輝度調整処理を行うことによって、表示部の表示ムラを抑制し、
且つ消費電力を抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、一覧性に優れた情報処理装置を提供できる。または、可搬性
に優れた情報処理装置を提供できる。または、消費電力が少ない情報処理装置を提供でき
る。または、表示品位が高い情報処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】情報処理装置の構成を説明するブロック図及び上面模式図。
図2】情報処理装置の構成を説明する上面模式図及び断面図。
図3】情報処理装置の構成を説明する上面模式図及び断面図。
図4】情報処理装置の演算部に実行させるプログラムを説明するフロー図。
図5】情報処理装置の演算部に実行させるプログラムを説明するフロー図。
図6】情報処理装置の構成を説明する上面模式図及び断面図。
図7】情報処理装置の構成を説明する上面模式図。
図8】画素の回路構成を説明する図。
図9】表示装置の回路構成を説明する図。
図10】表示装置の回路構成を説明する図。
図11】表示装置の回路構成を説明する図。
図12】表示装置の回路構成を説明する図。
図13】表示装置の回路構成を説明する図。
図14】表示装置の回路構成を説明する図。
図15】表示装置の回路構成を説明する図。
図16】表示装置の回路構成を説明する図。
図17】表示装置の回路構成を説明する図。
図18】情報処理装置の構成を説明する断面図。
図19】情報処理装置の一態様を説明する斜視図。
図20】情報処理装置に用いることのできる発光パネルを説明する上面図及び断面図。
図21】情報処理装置に用いることのできる発光パネルを説明する断面図。
図22】情報処理装置に用いることのできる発光パネルを説明する断面図。
図23】情報処理装置に用いることのできる発光パネルを説明する断面図。
図24】情報処理装置に用いることのできる発光パネルの作製方法を説明する断面図。
図25】情報処理装置に用いることのできる発光パネルの作製方法を説明する断面図。
図26】情報処理装置に用いることのできる発光パネルを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一態様の情報処理装置について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明
は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及
び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以
下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明す
る発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図
面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0017】
また、図面におけるブロック図の各ブロックの配置は、説明のため位置関係を特定する
ものであり、異なるブロックで別々の機能を実現するよう示していても、実際の回路や領
域においては同じ回路や同じ領域内で別々の機能を実現しうるように設けられている場合
もある。また図面におけるブロック図の各ブロックの機能は、説明のため機能を特定する
ものであり、一つのブロックとして示していても、実際の回路や領域においては一つのブ
ロックで行う処理を、複数のブロックで行うよう設けられている場合もある。
【0018】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の情報処理装置の構成について、図1乃至図18
用いて以下説明する。
【0019】
図1(A)は本発明の一態様の情報処理装置100の構成を説明するブロック図である
【0020】
図1(A)に示す情報処理装置100は可撓性を有する表示部102と、表示部102
の外周に配置される複数の駆動回路部104と、表示部102の外形の状態を識別する検
知部106と、駆動回路部104に画像情報を供給する演算部108と、演算部108に
実行させるプログラムを記憶する記憶部110と、を有する。
【0021】
また、図1(A)においては、表示部102と駆動回路部104によって、表示パネル
105を構成する。なお、表示パネル105は、表示部102のみを有する構成、または
表示部102と、検知部106、演算部108、記憶部110等を組み合わせる構成でも
良い。
【0022】
なお、図1(A)に示すように、可撓性を有する表示部102と駆動回路部104によ
って、表示パネル105を構成することで、駆動回路部104も可撓性を有する。ただし
、駆動回路部104は、表示パネル105と異なる基板に作製し可撓性を有さない構成と
してもよい。
【0023】
図1(A)に示す本発明の一態様の情報処理装置100は、可撓性を有する表示部10
2の外形を変形することが可能であることから、一覧性の優れた機能と可搬性に優れた機
能を両立させることができる。例えば、表示部102が展開される場合は、一覧性の優れ
た情報処理装置100として、表示部102が折り畳まれる形態の場合、可搬性に優れた
情報処理装置100とすることができる。
【0024】
ここで、図1(A)に示す各構成について、以下詳細に説明を行う。
【0025】
<表示部>
表示部102は、外形を変形することが可能な基板、例えば可撓性を有する基板または
可撓性を有するフィルム上に形成される。
【0026】
<駆動回路部>
駆動回路部104は、表示部102の外周に配置される。また、駆動回路部104から
表示部102に信号を供給する。駆動回路部104としては、表示部102を駆動させる
ことができればよく、例えば、表示部102にマトリクス状に画素が配置される場合、画
素を選択する信号(走査信号)を出力する回路(ゲートドライバ)と、画素の表示素子を
駆動するための信号(データ信号)を供給するための回路(ソースドライバ)を用いるこ
とができる。
【0027】
また、駆動回路部104の一部または全部は、表示部102と同一基板上に、同一工程
で形成されていることが好ましい。特に、折り曲げる付近には、同一基板上に、同一工程
で形成しやすいゲートドライバを設けることが好ましい。ゲートドライバは、動作周波数
が低いため、表示部102と同一基板上に、同一工程で形成しやすい。これにより、部品
数や端子数を減らすことが可能となる。また、表示部102と同一工程で形成された素子
を用いることとなるため、駆動回路部104の一部または全部も、可撓性を有することが
出来る。そのため、表示部102に対して、任意の場所で折り曲げることが出来る。その
ため、情報処理装置100は割れにくく、丈夫な装置とすることが出来る。ただし、駆動
回路部104の構成はこれに限定されず、例えば、表示部102と同一基板上に形成され
ていない構成としてもよい。この場合、駆動回路部104の一部または全部は、COGや
TABによって、実装することができる。COGやTABによって実装する場合には、表
示部102が設けられた基板を折り曲げる場合、折り目となる領域には、COGやTAB
によって設けられたICまたはLSI等を設けないようにすることが好ましい。これによ
り、表示部102が設けられた基板を折り曲げることが出来る。
【0028】
なお、駆動回路部104としては、保護回路、制御回路、電源回路、信号生成回路等を
含む機能を有する構成としてもよい。
【0029】
また、駆動回路部104として、電源回路を複数有する構成とし、さらに該電源回路を
独立して制御する構成とすることで、表示部102を分割して駆動させる構成としてもよ
い。または、分割された表示部102の各部に、電源電圧の供給をそれぞれ制御できるよ
うな構成としてもよい。また、上述した電源回路の一部、あるいは電源回路とは別に表示
部102に設けられる発光素子に流れる電流量をモニターする機能を有する回路を設けて
もよい。発光素子に流れる電流量をモニターすることで、表示部102の消費電力を計測
することが可能となる。例えば、電流量のモニターとしては、表示部102に用いられる
発光素子のアノード-カソード間の電流量をモニターすればよい。
【0030】
<演算部>
演算部108は、駆動回路部104に画像情報を供給する機能を有する。
【0031】
<検知部>
検知部106は、表示部102の外形の状態を識別することが可能な機能を有する。例
えば、表示部102が展開される第1の形態、または表示部102が折り畳まれる第2の
形態を検知する。検知部106としては、表示部102の外形の状態を識別することが出
来ればよく、例えばスイッチ、MEMS圧力センサ、加速度センサ、赤外線センサ、磁気
センサ、または感圧センサ等を用いて構成することができる。
【0032】
<記憶部>
記憶部110は、演算部108に実行させるプログラムを記憶する。該プログラムは、
検知部106からの情報に応じて異なる処理を演算部108に実行させる。
【0033】
次に、図1(A)に示す表示パネル105の具体的な構成の一例について、以下説明を
行う。
【0034】
図1(B)は、表示パネル105の構成を説明する上面模式図である。
【0035】
図1(B)に示す表示パネル105は、破線α-α間及び破線β-β間にて折
り畳むことができる。なお、図1(B)に示す構成の場合、表示パネル105は、3つ折
りにすることができる。ただし、表示パネル105の構成はこれに限定されず、1つ、ま
たは3つ以上の箇所で折り畳まれる構成としてもよい。なお、折り目である破線α-α
間と、破線β-β間とは、平行に配置されているが、本発明の一態様はこれに限定
されない。折り目は、平行ではない配置でもよいし、交差した状態で設けられていてもよ
い。
【0036】
また、図1(B)に示す表示パネル105は、表示部102と、表示部102の外周に
駆動回路部104として、第1のゲートドライバ104g_1と、第2のゲートドライバ
104g_2と、第1のソースドライバ104s_1と、第2のソースドライバ104s
_2と、を有する。なお、第1のゲートドライバ104g_1、第1のソースドライバ1
04s_1、及び第2のソースドライバ104s_2は、折り畳まれない領域にそれぞれ
独立に形成されている。
【0037】
このとき、第2のゲートドライバ104g_2は折りたたまれる領域に配置されている
が、表示部102と同一基板上に、同一工程で形成された構成とすることで、問題なく動
作させることが出来る。ただし、本発明の一態様はこれに限定されず、例えば、図7(A
)に示すように、表示部102の両側にゲートドライバ(ゲートドライバ104g_1A
とゲートドライバ104g_1B、ゲートドライバ104g_2Aとゲートドライバ10
4g_2B、ゲートドライバ104g_2Cとゲートドライバ104g_2Dなど)が設
けられていてもよいし、ソースドライバは1つだけ配置されていてもよい。または、図1
(B)におけるゲートドライバの位置にソースドライバを配置し、図1(B)におけるソ
ースドライバの位置にゲートドライバを配置してもよい。または、折りたたまれる領域に
は第2のゲートドライバ104g_2を配置せず、図7(A)のゲートドライバ104g
_2Aとゲートドライバ104g_2C、または、ゲートドライバ104g_2Bとゲー
トドライバ104g_2Dのように、折り目には回路を配置しないようにしてもよい。こ
れにより、表示パネルの信頼性を向上させることが出来る。または、COGやTABで実
装させることが出来る。
【0038】
または、図7(B)に示すように、ゲートドライバとソースドライバとが同じ辺に配置
されていてもよい。図7(B)では、第1のゲートドライバ104g_3、第2のゲート
ドライバ104g_4、第1のソースドライバ104s_3、および、第2のソースドラ
イバ104s_4が、片側に配置されている。そして、第1のゲートドライバ104g_
3と第2のゲートドライバ104g_4とは、表示部102の周囲を囲うような形で配置
された配線を介して接続されている。このような配置とすることにより、表示部102を
折り曲げる位置を自由に変更することが出来る。また、駆動回路が折り曲げられないため
、トランジスタに圧力が加わらないため、信頼性を向上させることが出来る。なお、図7
(B)では、ゲートドライバをソースドライバ側に配置して、ゲート線までの配線を大き
く迂回させて配置していたが、本発明の一態様はこれに限定されない。ゲートドライバ側
にソースドライバを配置して、ソース線までの配線を大きく迂回させて配置してもよい。
【0039】
次に、図1(B)に示す表示パネル105の表示部102が展開される状態(第1の形
態)の表示状態について、図2(A)、(B)を用いて説明を行う。
【0040】
図2(A)は表示パネル105の表示部102が展開される状態(第1の形態)の場合
の上面模式図であり、図2(B)は図2(A)に示す一点鎖線A-B間の切断面の断面図
に相当する。
【0041】
図2(A)、(B)に示す表示部102の場合、第1のゲートドライバ104g_1と
、第2のゲートドライバ104g_2と、第1のソースドライバ104s_1と、第2の
ソースドライバ104s_2と、を使用することで、表示部102の全面に画像を表示さ
せることができる。
【0042】
次に、図1(B)に示す表示パネル105の表示部102が折り畳まれる状態(第2の
形態)の表示状態について、図3(A)、(B)、(C)を用いて説明を行う。
【0043】
図3(A)は表示部102が折り畳まれる状態(第2の形態)の場合の上面模式図であ
り、図3(B)は図3(A)に示す一点鎖線A-B間の切断面の断面図に相当する。なお
図3(C)は、図3(B)と異なる態様の表示状態とした際の断面図である。
【0044】
図3(A)に示す表示部102の場合、第1のゲートドライバ104g_1と、第2の
ゲートドライバ104g_2と、第1のソースドライバ104s_1と、第2のソースド
ライバ104s_2と、を使用すると図3(B)に示すように、表示部102の全面に画
像が表示される。しかしながら、折り込まれた箇所に位置する領域120については、視
認者から直接観察することができない。したがって、図3(C)に示すように、表示部1
02を表示部102aと表示部102bに分割し、視認者から観察することのできる表示
部102aの画像のみ表示させて、視認者から観察することのできない表示部102bの
画像を表示させない構成とすることで、表示部102の消費電力を低減させることができ
る。
【0045】
このように、表示部102bに、画像を表示させないようにするためには、様々な方法
を用いることが出来る。例えば、表示部102bの画素には、黒(輝度や階調数が最少)
の画像を表示させるようにする。つまり、表示部102bに供給される映像信号を制御す
ることにより、黒画像を表示させるようにする。これにより、表示部102bでは、発光
されないため、実質的に画像を表示させないことと同等とすることが出来る。
【0046】
さらに、別の手法を用いることもできる。その場合、画素の回路構成によって異なる場
合がある。または、ソースドライバとゲートドライバの配置場所によって、異なる場合が
ある。
【0047】
そこでまず、画素回路の一例を図8(A)、(B)に示す。なお、図8(A)、(B)
では、トランジスタを用いたアクティブマトリックス型の場合の画素を示すが、本発明の
一態様は、これに限定されない。トランジスタなどを用いないパッシブマトリクス型の画
素でもよい。または、画素が配置されておらず、全面で発光するような照明装置でもよい
【0048】
画素909は、トランジスタ901、トランジスタ903、容量素子902、発光素子
904を有している。配線906、配線905、配線907、配線908を介して、各画
素が電気的に接続されている。
【0049】
配線906は、映像信号や初期化信号やプリチャージ信号などを供給することができる
機能を有している。よって、配線906は、ソース信号線、映像信号線などの機能を有し
ている。配線905は、選択信号などを供給することができる機能を有している。よって
、配線905は、ゲート信号線などの機能を有している。配線907は、発光素子904
または、トランジスタ903に電流を供給する機能、またはトランジスタ903の電流を
補正するための信号を供給する機能を有している。よって、配線907は、アノード線、
電流供給線、電源線、電圧供給線などの機能を有している。配線908は、陰極線、共通
電極、などの機能を有している。
【0050】
トランジスタ901は、映像信号や初期化信号などを供給するか否か、または、画素を
選択するか否か、などを制御することができる機能を有している。よって、トランジスタ
901は、選択用トランジスタとしての機能を有している。容量素子902は、映像信号
や、トランジスタの閾値電圧などを保持することができる機能を有している。トランジス
タ903は、発光素子904に流れる電流の大きさを制御することができる機能を有して
いる。トランジスタ903は、容量素子902に保持された電圧に応じて、電流の大きさ
を制御することが出来る。つまり、トランジスタ903は、駆動トランジスタとしての機
能を有している。したがって、図8(A)では、トランジスタ903は、Pチャネル型が
望ましく、図8(B)では、Nチャネル型が望ましい。ただし、本発明の一態様は、これ
に限定されない。
【0051】
なお、画素回路は、様々な構成を採用することができる。したがって、本発明の一態様
は、図8(A)、(B)の構成に限定されない。
【0052】
図9(A)、(B)には、図8(A)の画素回路がマトリクス状に配置された図を示す
図9(A)では、配線907と平行に折り目が設けられた場合を示し、図9(B)では
、配線905と平行に折り目が設けられた場合を示す。
【0053】
図10に、図9(A)の場合に、配線907の導通状態を制御する回路911が設けら
れた場合のブロック図を示す。配線906は、ソースドライバ回路912と電気的に接続
されている。配線907は、回路911と電気的に接続されている。回路911は、複数
の配線907のうち、どの配線に電圧を供給し、どの配線に電圧を供給しないかを制御す
ることが出来る。これにより、折り畳んだ時に、非発光領域を構成することができ、消費
電力を低減することが出来る。
【0054】
図11(A)、(B)には、回路911の内部の回路構成の一例を示す。図11(A)
では、1つ目の折り目である破線α-α間よりも左側の領域では、配線918Aを使
用し、1つ目の折り目である破線α-α間よりも右側の領域では、配線918Bを使
用している。1つ目の折り目である破線α-α間よりも左側の領域は、折り畳んだと
きでも表示される領域であり、1つ目の折り目である破線α-α間よりも右側の領域
は、折り畳んだときには、表示しない領域である。ここで、配線907A、配線907B
などは、配線918Aに接続され、配線907C、配線907D、配線907E、配線9
07F、などは、配線918Bに接続される。このような構成とすることにより、折り畳
んだときには、配線918Aには電圧を供給することによって、配線907A、配線90
7Bなどを介して、各画素のトランジスタ903や発光素子904に電流が供給されて、
発光することが出来る。一方、配線918Bには電圧を供給せずにフローティング状態に
することによって、または、発光素子904が発光しないような電圧を供給することによ
って、各画素のトランジスタ903や発光素子904には電流が供給されず、発光しない
ようにすることが出来る。
【0055】
なお、図11(A)では、1つ目の折り目である破線α-α間を境にして、配線9
18Aと配線918Bとに分けて各画素のトランジスタ903や発光素子904に接続さ
せるようにしたが、本発明の一態様は、これに限定されない。1つ目の折り目である破線
α-α間の右側の領域でも、折り畳んだときに発光できるようにするため、図11
B)に示すように、配線907Cと配線918Aを接続させてもよい。
【0056】
なお、ソースドライバ回路912や回路911は、複数のICチップに分けることによ
り、折り目と重なる領域には、ICチップを配置しないようにして、COGやTABでも
実装できるようにしてもよい。
【0057】
なお、図11(A)、(B)では、配線918Aと配線918Bとを用いて、折り畳ん
だときに発光する領域と発光しない領域とを制御できるようにしたが、本発明の一態様は
、これに限定されない。配線918Aと配線918Bとを1本にまとめて、そのかわりに
、スイッチを配置することにより、発光を制御できるようにしてもよい。図12(A)は
、1つ目の折り目である破線α-α間の左側の領域では、配線907A、配線907
Bなどは、スイッチを介さずに、配線918と接続されている。そのため、折りたたみの
有無にかかわらず、発光させることが出来る。一方、1つ目の折り目である破線α-α
間の右側の領域では、配線907C、配線907D、配線907E、配線907Fなど
は、スイッチ917C、スイッチ917D、スイッチ917E、スイッチ917Fなどを
介して、配線918と接続されている。そのため、折り畳んだ時には、これらのスイッチ
をオフにすることにより、画素を非発光とすることが出来る。
【0058】
なお、スイッチの有無により、領域によって抵抗値が変わってしまう場合には、図12
(B)に示すように、1つ目の折り目である破線α-α間の左側の領域でも、配線9
07A、配線907Bなどをスイッチ917A、スイッチ917Bなどを介して配線91
8と接続させてもよい。
【0059】
次に、図9(B)の場合に、領域によって発光を制御できるようにした構成について、
図13(A)に示す。図13(A)に示すように、1つ目の折り目である破線α-α
間の下側の領域では、各画素のトランジスタ903や発光素子904にゲートドライバ9
13Bが接続され、1つ目の折り目である破線α-α間の上側の領域では、各画素の
トランジスタ903や発光素子904にゲートドライバ913Aが接続されている。1つ
目の折り目である破線α-α間の下側の領域では、折り畳んだときにも、発光できる
ようにゲートドライバ913Bが動作され、1つ目の折り目である破線α-α間の上
側の領域では、折り畳んだときには、発光しないように、画素が選択されないように、ゲ
ートドライバ913Aが動作する。例えば、ゲートドライバ913AがL信号を出力する
。これにより、ゲートドライバ913Aが実質的にスキャン動作しないため、消費電力を
低減することが出来る。なお、図3(C)は、図13(A)の場合に相当する。
【0060】
図3(C)に示す表示部102の場合、例えば、第1のゲートドライバ104g_1と
、第1のソースドライバ104s_1と、第2のソースドライバ104s_2と、を使用
し、第2のゲートドライバ104g_2からは、選択信号を出力しない(例えば、L信号
のみを出力させる)ようにして、実質的にスキャン動作をさせないようにすることで、表
示部102aのみ表示させることが可能となる。
【0061】
なお、図13(B)に示すように、ゲートドライバ914の出力部に、回路915を設
けることにより、選択信号が出力されるか否かを制御できるようにしてもよい。図14
、回路915の例を示す。配線920の電位をH信号とすることにより、ゲートドライバ
914の出力が、AND回路919によって制御されて、配線905に出力される。一方
、配線920の電位をL信号とすることにより、配線905は、常に、L信号が供給され
るようになる。これにより、画素への選択信号の供給を止めることが出来るため、消費電
力を低減することが出来る。
【0062】
なお、ゲートドライバ914、回路915、ゲートドライバ913Aなどは、複数のI
Cチップに分けることにより、折り目と重なる領域には、ICチップを配置しないように
して、COGやTABでも実装できるようにしてもよい。
【0063】
次に、図8(B)の画素回路がマトリクス状に配置された図を、図15(A)、(B)
に示す。図15(A)では、配線906と平行に折り目が設けられた場合を示し、図15
(B)では、配線905と平行に折り目が設けられた場合を示す。
【0064】
図16(A)、(B)では、図13(A)と同様に、領域に応じて、別々の駆動回路を
配置した場合を示す。なお、配線905を駆動するための回路と、配線907を駆動する
ための回路とが設けられている場合があるが、図16(A)では、配線907を駆動する
ための回路として、回路916Aと回路916Bとがそれぞれ設けられている。一方、図
16(B)では、配線905を駆動するための回路913が領域に応じて分割せずに設け
られている。つまり、配線905を駆動するための回路と配線907を駆動するための回
路を、領域ごとに分ける構成、または分けない構成とすることが出来る。
【0065】
また、図13(B)の回路915と同様に、回路921を、回路916の出力部に設け
た場合の例を、図17(A)に示す。回路921の具体例を図17(B)に示す。配線9
23の電位を制御することにより、AND回路922によって、配線907の電位が制御
される。
【0066】
このように、様々な方式により、領域に応じて発光状態を制御することが出来る。
【0067】
しかしながら、図3(C)に示す表示部102のように、表示部102aのみ画像を表
示させる構成で駆動回路部104を駆動させた後に、図2(A)、(B)に示す表示パネ
ル105の表示部102が展開される状態(第1の形態)で表示部102の全面に画像を
表示させると、図3(C)に示す表示部102aと表示部102bの輝度が異なる現象が
生じうる。
【0068】
例えば、表示部102として発光素子を用いた場合、表示部102aのみ画像を表示さ
せる構成とすることで、表示部102aの領域の発光素子が劣化しうる。したがって、表
示部102が展開される第1の形態の際に表示部102の面内で輝度等がばらつき、表示
ムラとして認識される。特に、表示部102aと表示部102bの境界で輝度変化が大き
くなるために、視認者から表示部102aと表示部102bの境界が認識されてしまう。
【0069】
そこで、本発明の一態様の情報処理装置100においては、表示部102が展開される
第1の形態、または表示部102が折り畳まれる第2の形態に応じて、プログラムが輝度
調整処理を行い、駆動方法を制御することによって、表示部102の表示ムラ、とくに表
示部102aと表示部102bの境界の輝度の差を低減させることを可能とする。したが
って、表示品位の高い情報処理装置を提供することができる。
【0070】
ここで、図4及び図5を用いて、上述したプログラム、及び駆動方法について説明を行
う。
【0071】
<プログラム>
図4は、図1(A)に示す情報処理装置100の記憶部110が有するプログラムのフ
ローチャートである。
【0072】
第1のステップにおいて、表示部102の外形の状態を検知部106からの情報により
特定する(ステップS1)。
【0073】
第2のステップにおいて、表示部102が展開される形態(第1の形態)か判断する(
ステップS2)。第1の形態の場合に第5のステップに進み、第1の形態以外の場合に第
3のステップに進む。
【0074】
第3のステップにおいて、表示部102が折り畳まれる形態(第2の形態)か判断する
(ステップS3)。第2の形態の場合に第4のステップに進み、第2の形態以外の場合に
第1のステップ(ステップS1)に進む。
【0075】
第4のステップにおいて、輝度調整処理を行う(ステップS4)。
【0076】
第5のステップにおいて、終了する(ステップS5)。
【0077】
ここで、第4のステップ(ステップS4)の輝度調整処理について、図5に示すフロー
チャートを用いて説明を行う。
【0078】
<輝度調整処理>
第6のステップにおいて、表示領域と非表示領域を決定する(ステップV6)。とくに
、視認者から認識できる表示領域の境界から非表示領域とすると好ましい。
【0079】
第7のステップにおいて、例えば、少なくとも1つの駆動回路部を休止する(ステップ
V7)。なお、その他にも、既に述べたように、様々な非発光領域を制御する様々な方法
を採用することが出来る。
【0080】
少なくとも1つの駆動回路部を休止することなどで、表示部102が折り畳まれる形態
(第2の形態)の視認者から観察されない領域の画像を非表示とさせることが可能となる
ため、低消費電力の情報処理装置100とすることが可能となる。
【0081】
第8のステップにおいて、非表示領域の一部を発光させる(ステップV8)。
【0082】
第9のステップにおいて、輝度調整処理を解除するか判断する(ステップV9)。輝度
調整処理を解除する場合に第10のステップに進み、輝度調整処理を解除しない場合に第
8のステップに進む。
【0083】
第10のステップにおいて、輝度調整処理から復帰する(ステップV10)。
【0084】
ここで、上述した輝度調整処理の具体的な方法について、図6を用いて説明を行う。
【0085】
図6(A)、(C)は、表示パネル105の構成を説明する上面模式図である。また、
図6(B)は、図6(A)に示す一点鎖線A-B間の切断面の断面図に相当する。また、
図6(D)は、図6(B)に示す一点鎖線A-B間の切断面の断面図に相当する。
【0086】
なお、図6(A)、(B)は、表示部102が展開される形態(第1の形態)の上面模
式図及び断面図であり、図6(C)、(D)は、図6(A)、(B)に示す表示パネル1
05の表示部102が折り畳まれる形態(第2の形態)の上面模式図及び断面図である。
【0087】
また、図6(A)に示す表示パネル105は、図1(B)に示す表示パネル105と同
様に破線α-α間及び破線β-β間にて表示パネル105を折り畳むことができ
る。
【0088】
図6(A)、(B)、(C)、(D)に示す表示パネル105は、表示部102と、表
示部102の外周に駆動回路部104として、第1のゲートドライバ104g_1と、第
2のゲートドライバ104g_2と、第1のソースドライバ104s_1と、第2のソー
スドライバ104s_2と、を有する。なお、第1のゲートドライバ104g_1、第1
のソースドライバ104s_1、及び第2のソースドライバ104s_2は、折り畳まれ
ない領域にそれぞれ独立に形成されている。
【0089】
また、図6(D)において、図3(C)に示す表示部102と同様に、表示部102を
表示部102aと表示部102bに分割し、視認者から観察することのできる表示部10
2aのみ表示させて、視認者から観察することのできない表示部102bの画像を表示さ
せない構成としている。
【0090】
また、図6(D)の表示部102bにおいては、表示部102aとの境界から第1の発
光領域131、第2の発光領域132、及び第3の発光領域133からなる発光領域13
0が形成されている。
【0091】
発光領域130は、上述のプログラムが実行する第8のステップ(ステップV8)によ
って発光される。
【0092】
発光領域130は、第1の発光領域131の輝度>第2の発光領域132の輝度>第3
の発光領域の輝度の関係が満たされる。これは、各領域の画素の映像信号を制御すること
により実現できる。
【0093】
このように、表示部102aから段階的に輝度が変化する発光領域を設けることによっ
て、表示部102aと表示部102bの境界の輝度がなだらかに変化する。例えば、表示
部102として発光素子を用いた場合、表示部102aのみ発光させると表示部102a
の領域の発光素子のみ劣化する。しかしながら、表示部102aから段階的に輝度が変化
する発光領域を設けることによって、表示部102aから表示部102bにかけて発光素
子の劣化が緩やかになる。したがって、視認者が表示部102aと表示部102bの境界
を認識することができなくなるため、表示品位の高い情報処理装置を提供することができ
る。
【0094】
なお、図6(A)、(B)は、理解の簡単のために図示しており、発光領域130は、
図6(C)、(D)に示す表示部102が折り畳まれる形態(第2の形態)の時に、発光
すればよい。
【0095】
したがって、例えば、発光領域130は、表示部102bではなく、表示部102aの
領域に含まれる、と考えてもよい。例えば、図6(D)に対応するものとして、図18
A)に示すように、表示部102aを側面部にも設けて、第1の発光領域131、第2の
発光領域132、及び第3の発光領域133は、完全に隠れるようにしてもよい。これに
より、見える領域では、通常の輝度で見えるため、適切な表示を行なうことが出来る。ま
たは、図18(B)に示すように、表示部102aを平坦な領域にのみ限定して、曲がっ
た部分に、第1の発光領域131、第2の発光領域132、及び第3の発光領域133を
設けてもよい。曲がった部分は、歪んで見えるため、正確な表示には適さない。よって、
その領域をグラデーション表示にすることにより、劣化の影響を視認しづらくすることが
出来る。
【0096】
または、図18(B)、図6(D)、図18(A)のような状態を、所定の期間ごとに
切り替えてもよい。または、図18(B)から、境界が徐々に変化して、図6(D)にな
り、さらに境界が徐々に変化して、図18(A)になり、その後、同様に、また、図6
D)を経て、図18(B)に戻っていくようにしてもよい。このように、発光領域を変化
させることにより、さらに劣化の影響を視認しづらくさせることが出来る。
【0097】
また、表示部102b内の発光領域の始点を変える、あるいは表示部102b内の発光
領域の位置または輝度を変えても良い。例えば、表示部102を複数回折り畳む場合、1
回目の折り畳み時においては、第1の発光領域131のみ発光させる。2回目の折り畳み
時においては、第1の発光領域131と第2の発光領域132を発光させる。3回目の折
り畳み時においては、第1の発光領域131の始点を変えて発光させる。このような発光
パターンも表示部102aと表示部102bの境界での輝度差を低減させるには、有効な
駆動方法の一つである。
【0098】
また、図6(A)、(B)、(D)において、発光領域130は、第1の発光領域13
1、第2の発光領域132、及び第3の発光領域133の3つの発光領域からなる構成に
ついて例示したがこれに限定されない。
【0099】
例えば、発光領域130は、第1の発光領域131、第2の発光領域132、及び第3
の発光領域133のような領域を設けなくてもよい。その場合、図18(C)、図3(C
)、図18(D)のような状態を、所定の期間ごとに切り替えてもよい。または、図18
(C)から、境界が徐々に変化して、図3(C)になり、さらに境界が徐々に変化して、
図18(D)になり、その後、同様に、また、図3(C)を経て、図18(C)に戻って
いくようにしてもよい。このように、発光領域を変化させることにより、さらに劣化の影
響を視認しづらくさせることが出来る。
【0100】
また、情報処理装置150が充電されているときのみに発光領域130が発光するとい
うプログラムを別途実行する構成としてもよい。
【0101】
また、発光領域130は、駆動回路部104と異なる回路で独立して制御してもよい。
例えば、発光領域130は、画像を表示する必要がないため、発光素子のアノードとカソ
ードをショートさせる構成とする。この場合、表示部102に設けられる発光素子は、駆
動回路部104で駆動させるとよい。
【0102】
また、発光領域130の第1の発光領域131、第2の発光領域132、及び第3の発
光領域133のそれぞれの輝度は、表示部102aに流れる電流を電流モニター回路で計
測し、該電流モニター回路の電流値を読み取ることで設定される。
【0103】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができ
る。
【0104】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の情報処理装置の一例について、図19を用いて説
明する。
【0105】
図19(A)に表示部が展開される形態(第1の形態)の情報処理装置150を示す。
図19(B)に表示部が展開される形態(第1の形態)または表示部が折り畳まれる形態
(第2の形態)の一方から他方に変化する途中の形態の情報処理装置150を示す。図1
9(C)に表示部が折り畳まれる形態(第2の形態)の情報処理装置150を示す。
【0106】
図19(A)、(B)、(C)に示す情報処理装置150は、可撓性を有する表示部を
含む表示パネル152を有する。情報処理装置150は、さらに複数の支持パネル153
aと、複数の支持パネル155aと、複数の支持パネル155bとを有する。
【0107】
支持パネル153aとしては、例えば、表示パネル152もよりも可撓性の低い材料で
形成する。また、支持パネル155a、155bとしては、例えば、支持パネル153a
よりも可撓性の低い材料で形成する。図19(A)、(B)、(C)に示すように、表示
パネル152の外周、及び表示パネル152の表示部と対向する面に支持パネルを有する
と、表示パネル152の機械的強度を高め、破損しにくい構造となり好ましい。
【0108】
また、支持パネル153a、155a、155bが遮光性を有する材料で形成されると
、表示パネル152が有する駆動回路部に外光が照射されることを抑制できる。これによ
り、駆動回路部に用いるトランジスタ等の光劣化を抑制できるため好適である。
【0109】
また、図19(A)、(B)、(C)において図示しないが、情報処理装置150が有
する演算部、記憶部、検知部等は、表示パネル152と支持パネル155bとの間に配置
することができる。
【0110】
支持パネル153a、155a、155bに用いることのできる材料としては、プラス
チック、金属、合金、ゴム等を用いて形成できる。プラスチックやゴム等を用いることで
、軽量であり、破損しにくい支持パネルを得られるため好ましい。例えば、支持パネル1
53a、155a、155bとして、シリコーンゴム、ステンレス、またはアルミニウム
を用いればよい。
【0111】
また、情報処理装置150において、可撓性を有する表示部を含む表示パネル152は
、内曲げ、外曲げのいずれで折りたたむこともできる。情報処理装置150を使用しない
際に、表示パネル152の表示部が内側になるように曲げることで、表示部にキズや汚れ
がつくことを抑制できる。
【0112】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができ
る。
【0113】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の情報処理装置に用いることのできる、発光パネル
について図20図25を用いて説明する。
【0114】
<具体例1>
図20(A)に発光パネルの上面図を示し、図20(A)における一点鎖線A1-A2
間の切断面の断面図の一例を図20(B)に示す。
【0115】
図20(B)に示す発光パネルは、素子層180、接着層185、基板181を有する
。素子層180は、基板201、接着層203、絶縁層205、複数のトランジスタ、導
電層254、絶縁層207、絶縁層209、複数の発光素子、絶縁層211、封止層21
3、絶縁層261、着色層259、遮光層257、及び絶縁層255を有する。
【0116】
導電層254は、接続体215を介してFPC186と電気的に接続する。
【0117】
発光素子230は、下部電極231、EL層233、及び上部電極235を有する。下
部電極231は、トランジスタ240のソース電極又はドレイン電極と電気的に接続する
。下部電極231の端部は、絶縁層211で覆われている。発光素子230はトップエミ
ッション構造である。上部電極235は透光性を有し、EL層233が発する光を透過す
る。
【0118】
発光素子230と重なる位置に、着色層259が設けられ、絶縁層211と重なる位置
に遮光層257が設けられている。着色層259及び遮光層257は絶縁層261で覆わ
れている。発光素子230と絶縁層261の間は封止層213で充填されている。
【0119】
発光パネルは、光取り出し部182及び駆動回路部184に、複数のトランジスタを有
する。トランジスタ240は、絶縁層205上に設けられている。絶縁層205と基板2
01は接着層203によって貼り合わされている。また、絶縁層255と基板181は接
着層185によって貼り合わされている。絶縁層205や絶縁層255に透水性の低い膜
を用いると、発光素子230やトランジスタ240に水等の不純物が侵入することを抑制
でき、発光パネルの信頼性が高くなるため好ましい。接着層203は、接着層185と同
様の材料を用いることができる。
【0120】
具体例1では、耐熱性の高い作製基板上で絶縁層205やトランジスタ240、発光素
子230を作製し、該作製基板を剥離し、接着層203を用いて基板201上に絶縁層2
05やトランジスタ240、発光素子230を転置することで作製できる発光パネルを示
している。また、具体例1では、耐熱性の高い作製基板上で絶縁層255、着色層259
及び遮光層257を作製し、該作製基板を剥離し、接着層185を用いて基板181上に
絶縁層255、着色層259及び遮光層257を転置することで作製できる発光パネルを
示している。
【0121】
基板に、透水性が高く耐熱性が低い材料(樹脂など)を用いる場合、作製工程で基板に
高温をかけることができないため、該基板上にトランジスタや絶縁膜を作製する条件に制
限がある。本実施の形態の作製方法では、耐熱性の高い作製基板上でトランジスタ等の作
製を行えるため、信頼性の高いトランジスタや十分に透水性の低い絶縁膜を形成すること
ができる。そして、それらを基板181や基板201へと転置することで、信頼性の高い
発光パネルを作製できる。これにより、本発明の一態様では、軽量又は薄型であり、且つ
信頼性の高い情報処理装置を実現できる。
【0122】
基板181及び基板201には、それぞれ、靱性が高い材料を用いることが好ましい。
これにより、耐衝撃性に優れ、破損しにくい表示装置を実現できる。例えば、基板181
を有機樹脂基板とし、基板201を厚さの薄い金属材料や合金材料を用いた基板とするこ
とで、基板にガラス基板を用いる場合に比べて、軽量であり、破損しにくい発光パネルを
実現できる。
【0123】
金属材料や合金材料は熱伝導性が高く、基板全体に熱を容易に伝導できるため、発光パ
ネルの局所的な温度上昇を抑制することができ、好ましい。金属材料や合金材料を用いた
基板の厚さは、10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下であ
ることがより好ましい。
【0124】
また、基板201に、熱放射率が高い材料を用いると発光パネルの表面温度が高くなる
ことを抑制でき、発光パネルの破壊や信頼性の低下を抑制できる。例えば、基板201を
金属基板と熱放射率の高い層(例えば、金属酸化物やセラミック材料を用いることができ
る)の積層構造としてもよい。
【0125】
<具体例2>
図21(A)に発光パネルにおける光取り出し部182の別の例を示す。図21(A)
の発光パネルは、タッチ操作が可能な発光パネルである。なお、以下の各具体例では、具
体例1と同様の構成については説明を省略する。
【0126】
図21(A)に示す発光パネルは、素子層180、接着層185、基板181を有する
。素子層180は、基板201、接着層203、絶縁層205、複数のトランジスタ、絶
縁層207、絶縁層209、複数の発光素子、絶縁層211、絶縁層217、封止層21
3、絶縁層261、着色層259、遮光層257、複数の受光素子、導電層281、導電
層283、絶縁層291、絶縁層293、絶縁層295、及び絶縁層255を有する。
【0127】
具体例2では、絶縁層211上に絶縁層217を有する。絶縁層217を設けることで
、基板181と基板201の間隔を調整することができる。
【0128】
図21(A)では、絶縁層255及び封止層213の間に受光素子を有する例を示す。
基板201側の非発光領域(例えばトランジスタ240や配線が設けられた領域)に重ね
て受光素子を配置することができるため、画素(発光素子)の開口率を低下させることな
く発光パネルにタッチセンサを設けることができる。
【0129】
発光パネルが有する受光素子には、例えば、pn型又はpin型のフォトダイオードを
用いることができる。本実施の形態では、受光素子として、p型半導体層271、i型半
導体層273、及びn型半導体層275を有するpin型のフォトダイオードを用いる。
【0130】
なお、i型半導体層273は、含まれるp型を付与する不純物及びn型を付与する不純
物がそれぞれ1×1020cm-3以下の濃度であり、暗伝導度に対して光伝導度が10
0倍以上である。i型半導体層273には、周期表第13族もしくは第15族の不純物元
素を有するものもその範疇に含む。すなわち、i型の半導体は、価電子制御を目的とした
不純物元素を意図的に添加しないときに弱いn型の電気伝導性を示すので、i型半導体層
273は、p型を付与する不純物元素を、成膜時或いは成膜後に、意図的もしくは非意図
的に添加されたものをその範疇に含む。
【0131】
遮光層257は、発光素子230よりも上方でかつ受光素子と重なる。受光素子と封止
層213との間に位置する遮光層257によって、発光素子230の発する光が受光素子
に照射されることを抑制できる。
【0132】
導電層281及び導電層283は、それぞれ受光素子と電気的に接続する。導電層28
1は、受光素子に入射する光を透過する導電層を用いることが好ましい。導電層283は
、受光素子に入射する光を遮光する導電層を用いることが好ましい。
【0133】
光学式タッチセンサを基板181と封止層213の間に有すると、発光素子230の発
光の影響を受けにくく、S/N比を向上させることができるため、好ましい。
【0134】
<具体例3>
図21(B)に発光パネルにおける光取り出し部182の別の例を示す。図21(B)
の発光パネルは、タッチ操作が可能な発光パネルである。
【0135】
図21(B)に示す発光パネルは、素子層180、接着層185、基板181を有する
。素子層180は、基板201、接着層203、絶縁層205、複数のトランジスタ、絶
縁層207、絶縁層209a、絶縁層209b、複数の発光素子、絶縁層211、絶縁層
217、封止層213、着色層259、遮光層257、複数の受光素子、導電層280、
導電層281、及び絶縁層255を有する。
【0136】
図21(B)では、絶縁層205及び封止層213の間に受光素子を有する例を示す。
受光素子を絶縁層205及び封止層213の間に設けることで、トランジスタ240を構
成する導電層や半導体層と同一の材料、同一の工程で、受光素子と電気的に接続する導電
層や受光素子を構成する光電変換層を作製できる。したがって、作製工程を大きく増加さ
せることなく、タッチ操作が可能な発光パネルを作製できる。
【0137】
<具体例4>
図22(A)に発光パネルの別の例を示す。図22(A)の発光パネルは、タッチ操作
が可能な発光パネルである。
【0138】
図22(A)に示す発光パネルは、素子層180、接着層185、基板181を有する
。素子層180は、基板201、接着層203、絶縁層205、複数のトランジスタ、導
電層253、導電層254、絶縁層207、絶縁層209、複数の発光素子、絶縁層21
1、絶縁層217、封止層213、着色層259、遮光層257、絶縁層255、導電層
272、導電層274、絶縁層276、絶縁層278、導電層294及び導電層296を
有する。
【0139】
図22(A)では、絶縁層255及び封止層213の間に静電容量式のタッチセンサを
有する例を示す。静電容量式のタッチセンサは、導電層272及び導電層274を有する
【0140】
導電層253及び導電層254は、接続体215を介してFPC186と電気的に接続
する。導電層294及び導電層296は、導電性粒子292を介して導電層274と電気
的に接続する。したがって、FPC186を介して静電容量式のタッチセンサを駆動する
ことができる。
【0141】
<具体例5>
図22(B)に発光パネルの別の例を示す。図22(B)の発光パネルは、タッチ操作
が可能な発光パネルである。
【0142】
図22(B)に示す発光パネルは、素子層180、接着層185、基板181を有する
。素子層180は、基板201、接着層203、絶縁層205、複数のトランジスタ、導
電層253、導電層254、絶縁層207、絶縁層209、複数の発光素子、絶縁層21
1、絶縁層217、封止層213、着色層259、遮光層257、絶縁層255、導電層
270、導電層272、導電層274、絶縁層276、及び絶縁層278を有する。
【0143】
図22(B)では、絶縁層255及び封止層213の間に静電容量式のタッチセンサを
有する例を示す。静電容量式のタッチセンサは、導電層272及び導電層274を有する
【0144】
導電層253及び導電層254は、接続体215aを介してFPC186aと電気的に
接続する。導電層270は、接続体215bを介してFPC186bと電気的に接続する
。したがって、FPC186aを介して発光素子230やトランジスタ240を駆動し、
FPC186bを介して静電容量式のタッチセンサを駆動することができる。
【0145】
<具体例6>
図23(A)に発光パネルにおける光取り出し部182の別の例を示す。
【0146】
図23(A)に示す光取り出し部182は、基板181、接着層185、基板202、
絶縁層205、複数のトランジスタ、絶縁層207、導電層208、絶縁層209a、絶
縁層209b、複数の発光素子、絶縁層211、封止層213、及び着色層259を有す
る。
【0147】
発光素子230は、下部電極231、EL層233、及び上部電極235を有する。下
部電極231は、導電層208を介してトランジスタ240のソース電極又はドレイン電
極と電気的に接続する。下部電極231の端部は、絶縁層211で覆われている。発光素
子230はボトムエミッション構造である。下部電極231は透光性を有し、EL層23
3が発する光を透過する。
【0148】
発光素子230と重なる位置に、着色層259が設けられ、発光素子230が発する光
は、着色層259を介して基板181側に取り出される。発光素子230と基板202の
間は封止層213で充填されている。基板202は、前述の基板201と同様の材料を用
いて作製できる。
【0149】
<具体例7>
図23(B)に発光パネルの別の例を示す。
【0150】
図23(B)に示す発光パネルは、素子層180、接着層185、基板181を有する
。素子層180は、基板202、絶縁層205、導電層310a、導電層310b、複数
の発光素子、絶縁層211、導電層212、及び封止層213を有する。
【0151】
導電層310a及び導電層310bは、発光パネルの外部接続電極であり、FPC等と
電気的に接続させることができる。
【0152】
発光素子230は、下部電極231、EL層233、及び上部電極235を有する。下
部電極231の端部は、絶縁層211で覆われている。発光素子230はボトムエミッシ
ョン構造である。下部電極231は透光性を有し、EL層233が発する光を透過する。
導電層212は、下部電極231と電気的に接続する。
【0153】
基板181は、光取り出し構造として、半球レンズ、マイクロレンズアレイ、凹凸構造
が施されたフィルム、光拡散フィルム等を有していてもよい。例えば、樹脂基板上に上記
レンズやフィルムを、該基板又は該レンズもしくはフィルムと同程度の屈折率を有する接
着剤等を用いて接着することで、光取り出し構造を形成することができる。
【0154】
導電層212は必ずしも設ける必要は無いが、下部電極231の抵抗に起因する電圧降
下を抑制できるため、設けることが好ましい。また、同様の目的で、上部電極235と電
気的に接続する導電層を絶縁層211上に設けてもよい。
【0155】
導電層212は、銅、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジ
ム、スカンジウム、ニッケル、アルミニウムから選ばれた材料又はこれらを主成分とする
合金材料を用いて、単層で又は積層して形成することができる。導電層212の膜厚は、
0.1μm以上3μm以下とすることができ、好ましくは、0.1μm以上0.5μm以
下である。
【0156】
上部電極235と電気的に接続する導電層の材料にペースト(銀ペーストなど)を用い
ると、該導電層を構成する金属が粒状になって凝集する。そのため、該導電層の表面が粗
く隙間の多い構成となり、EL層233が該導電層を完全に覆うことが難しく、上部電極
と導電層との電気的な接続をとることが容易になり好ましい。
【0157】
<材料の一例>
次に、発光パネルに用いることができる材料等を説明する。なお、本実施の形態中で先
に説明した構成については説明を省略する。
【0158】
素子層180は、少なくとも発光素子を有する。発光素子としては、自発光が可能な素
子を用いることができ、電流又は電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んで
いる。例えば、発光ダイオード(LED)、有機EL素子、無機EL素子等を用いること
ができる。上記の中でも発光効率や作製方法の観点より、有機EL素子がとくに好ましい
【0159】
素子層180は、発光素子を駆動するためのトランジスタや、タッチセンサ等をさらに
有していてもよい。
【0160】
発光パネルが有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、スタガ型のトラ
ンジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート
型又はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。トランジスタに用いる
半導体材料は特に限定されず、例えば、シリコン、ゲルマニウム等が挙げられる。または
、In-Ga-Zn系金属酸化物などの、インジウム、ガリウム、亜鉛のうち少なくとも
一つを含む酸化物半導体を用いてもよい。
【0161】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、
結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領
域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トラン
ジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0162】
発光パネルが有する発光素子は、一対の電極(下部電極231及び上部電極235)と
、該一対の電極間に設けられたEL層233とを有する。該一対の電極の一方は陽極とし
て機能し、他方は陰極として機能する。
【0163】
発光素子は、トップエミッション構造、ボトムエミッション構造、デュアルエミッショ
ン構造のいずれであってもよい。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を
用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが
好ましい。
【0164】
可視光を透過する導電膜は、例えば、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO:
Indium Tin Oxide)、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添
加した酸化亜鉛などを用いて形成することができる。また、金、銀、白金、マグネシウム
、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、もし
くはチタン等の金属材料、これら金属材料を含む合金、又はこれら金属材料の窒化物(例
えば、窒化チタン)等も、透光性を有する程度に薄く形成することで用いることができる
。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウ
ムの合金とITOの積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。
また、グラフェン等を用いてもよい。
【0165】
可視光を反射する導電膜は、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、タング
ステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、もしくはパラジウム等の金属材料、又
はこれら金属材料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料や合金に、ラン
タン、ネオジム、又はゲルマニウム等が添加されていてもよい。また、アルミニウムとチ
タンの合金、アルミニウムとニッケルの合金、アルミニウムとネオジムの合金等のアルミ
ニウムを含む合金(アルミニウム合金)や、銀と銅の合金、銀とパラジウムと銅の合金、
銀とマグネシウムの合金等の銀を含む合金を用いて形成することができる。銀と銅を含む
合金は、耐熱性が高いため好ましい。さらに、アルミニウム合金膜に接する金属膜又は金
属酸化物膜を積層することで、アルミニウム合金膜の酸化を抑制することができる。該金
属膜、金属酸化物膜の材料としては、チタン、酸化チタンなどが挙げられる。また、上記
可視光を透過する導電膜と金属材料からなる膜とを積層してもよい。例えば、銀とITO
の積層膜、銀とマグネシウムの合金とITOの積層膜などを用いることができる。
【0166】
電極は、それぞれ、蒸着法やスパッタリング法を用いて形成すればよい。そのほか、イ
ンクジェット法などの吐出法、スクリーン印刷法などの印刷法、又はメッキ法を用いて形
成することができる。
【0167】
下部電極231及び上部電極235の間に、発光素子の閾値電圧より高い電圧を印加す
ると、EL層233に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入さ
れた電子と正孔はEL層233において再結合し、EL層233に含まれる発光物質が発
光する。
【0168】
EL層233は少なくとも発光層を有する。EL層233は、発光層以外の層として、
正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物
質、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い
物質)等を含む層をさらに有していてもよい。
【0169】
EL層233には低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無
機化合物を含んでいてもよい。EL層233を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸
着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することがで
きる。
【0170】
素子層180において、発光素子は、一対の透水性の低い絶縁膜の間に設けられている
ことが好ましい。これにより、発光素子に水等の不純物が侵入することを抑制でき、発光
装置の信頼性の低下を抑制できる。
【0171】
透水性の低い絶縁膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の窒素と珪素を
含む膜や、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。また、
酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
【0172】
例えば、透水性の低い絶縁膜の水蒸気透過量は、1×10-5[g/m・day]以
下、好ましくは1×10-6[g/m・day]以下、より好ましくは1×10-7
g/m・day]以下、さらに好ましくは1×10-8[g/m・day]以下とす
る。
【0173】
基板181は透光性を有し、少なくとも素子層180が有する発光素子の発する光を透
過する。基板181は可撓性を有していてもよい。また、基板181の屈折率は、大気の
屈折率よりも高い。
【0174】
ガラスに比べて有機樹脂は重量が軽いため、基板181として有機樹脂を用いると、ガ
ラスを用いる場合に比べて発光装置を軽量化でき、好ましい。
【0175】
可撓性及び可視光に対する透過性を有する材料としては、例えば、可撓性を有する程度
の厚さのガラスや、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート
(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメ
チルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PE
S)樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミ
ド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。特に、熱膨張係数の低い材料を用いること
が好ましく、例えば、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、PET等を好適に用いる
ことができる。また、ガラス繊維に有機樹脂を含浸した基板や、無機フィラーを有機樹脂
に混ぜて熱膨張係数を下げた基板を使用することもできる。
【0176】
基板181としては、上記材料を用いた層が、発光装置の表面を傷などから保護するハ
ードコート層(例えば、窒化シリコン層など)や、押圧を分散可能な材質の層(例えば、
アラミド樹脂層など)等と積層されて構成されていてもよい。また、水分等による発光素
子の寿命の低下等を抑制するために、前述の透水性の低い絶縁膜を有していてもよい。
【0177】
接着層185は、透光性を有し、少なくとも素子層180が有する発光素子の発する光
を透過する。また、接着層185の屈折率は、大気の屈折率よりも高い。
【0178】
接着層185には、二液混合型の樹脂などの常温で硬化する硬化樹脂、光硬化性の樹脂
、熱硬化性の樹脂などの樹脂を用いることができる。例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹
脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が
低い材料が好ましい。
【0179】
また、上記樹脂に乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸
化カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用い
ることができる。または、ゼオライトやシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を
吸着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、水分などの不純物が発光素子に
侵入することを抑制でき、発光装置の信頼性が向上するため好ましい。
【0180】
また、上記樹脂に屈折率の高いフィラー(酸化チタン等)を混合することにより、発光
素子からの光取り出し効率を向上させることができ、好ましい。
【0181】
また、接着層185には、光を散乱させる散乱部材を有していてもよい。例えば、接着
層185には、上記樹脂と上記樹脂と屈折率が異なる粒子との混合物を用いることもでき
る。該粒子は光の散乱部材として機能する。
【0182】
樹脂と、該樹脂と屈折率の異なる粒子は、屈折率の差が0.1以上あることが好ましく
、0.3以上あることがより好ましい。具体的には樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリ
ル樹脂、イミド樹脂、シリコーン等を用いることができる。また粒子としては、酸化チタ
ン、酸化バリウム、ゼオライト等を用いることができる。
【0183】
酸化チタンおよび酸化バリウムの粒子は、光を散乱させる性質が強く好ましい。またゼ
オライトを用いると、樹脂等の有する水を吸着することができ、発光素子の信頼性を向上
させることができる。
【0184】
絶縁層205、絶縁層255には、無機絶縁材料を用いることができる。特に、前述の
透水性の低い絶縁膜を用いると、信頼性の高い発光パネルを実現できるため好ましい。
【0185】
絶縁層207は、トランジスタを構成する半導体への不純物の拡散を抑制する効果を奏
する。絶縁層207としては、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム
膜などの無機絶縁膜を用いることができる。
【0186】
絶縁層209、絶縁層209a、及び絶縁層209bとしては、それぞれ、トランジス
タ起因等の表面凹凸を低減するために平坦化機能を有する絶縁膜を選択するのが好適であ
る。例えば、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂等の有機材
料を用いることができる。また、上記有機材料の他に、低誘電率材料(low-k材料)
等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜や無機絶縁膜を複数積
層させてもよい。
【0187】
絶縁層211は、下部電極231の端部を覆って設けられている。絶縁層211の上層
に形成されるEL層233や上部電極235の被覆性を良好なものとするため、絶縁層2
11の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となることが好ましい。
【0188】
絶縁層211の材料としては、樹脂又は無機絶縁材料を用いることができる。樹脂とし
ては、例えば、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、シロキサン系樹
脂、エポキシ系樹脂、又はフェノール樹脂等を用いることができる。特に、絶縁層211
の作製が容易となるため、ネガ型の感光性樹脂、あるいはポジ型の感光性樹脂を用いるこ
とが好ましい。
【0189】
絶縁層211の形成方法は、特に限定されないが、フォトリソグラフィ法、スパッタ法
、蒸着法、液滴吐出法(インクジェット法等)、印刷法(スクリーン印刷、オフセット印
刷等)等を用いればよい。
【0190】
絶縁層217は、無機絶縁材料、有機絶縁材料、又は金属材料等を用いて形成すること
ができる。例えば、有機絶縁材料としては、ネガ型やポジ型の感光性樹脂、非感光性樹脂
などを用いることができる。また、金属材料としては、チタン、アルミニウムなどを用い
ることができる。絶縁層217に導電材料を用い、絶縁層217と上部電極235とを電
気的に接続させる構成とすることで、上部電極235の抵抗に起因した電位降下を抑制で
きる。また、絶縁層217は、順テーパ形状であっても逆テーパ形状であってもよい。
【0191】
絶縁層276、絶縁層278、絶縁層291、絶縁層293、絶縁層295は、それぞれ
、無機絶縁材料又は有機絶縁材料を用いて形成できる。特に絶縁層278や絶縁層295
は、センサ素子起因の表面凹凸を低減するために平坦化機能を有する絶縁層を用いること
が好ましい。
【0192】
封止層213には、二液混合型の樹脂などの常温で硬化する硬化樹脂、光硬化性の樹脂
、熱硬化性の樹脂などの樹脂を用いることができる。例えば、PVC(ポリビニルクロラ
イド)樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(
ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等を用いることが
できる。封止層213に乾燥剤が含まれていてもよい。また、封止層213を通過して発
光素子230の光が発光パネルの外に取り出される場合は、封止層213に屈折率の高い
フィラーや散乱部材を含むことが好ましい。乾燥剤、屈折率の高いフィラー、散乱部材に
ついては、接着層185に用いることができる材料と同様の材料が挙げられる。
【0193】
導電層253、導電層254、導電層294、及び導電層296は、それぞれ、トラン
ジスタ又は発光素子を構成する導電層と同一の材料、同一の工程で形成できる。また、導
電層280は、トランジスタを構成する導電層と同一の材料、同一の工程で形成できる。
【0194】
例えば、上記導電層は、それぞれ、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングス
テン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらの元素を含む
合金材料を用いて、単層で又は積層して形成することができる。また、上記導電層は、そ
れぞれ、導電性の金属酸化物を用いて形成しても良い。導電性の金属酸化物としては酸化
インジウム(In等)、酸化スズ(SnO等)、酸化亜鉛(ZnO)、ITO、
インジウム亜鉛酸化物(In-ZnO等)又はこれらの金属酸化物材料に酸化シリ
コンを含ませたものを用いることができる。
【0195】
また、導電層208、導電層212、導電層310a及び導電層310bも、それぞれ
、上記金属材料、合金材料、又は導電性の金属酸化物等を用いて形成できる。
【0196】
導電層272及び導電層274、並びに、導電層281及び導電層283は、透光性を
有する導電層である。例えば、酸化インジウム、ITO、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜
鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛等を用いることができる。また、導電層270は導電層
272と同一の材料、同一の工程で形成できる。
【0197】
導電性粒子292は、有機樹脂またはシリカなどの粒子の表面を金属材料で被覆したも
のを用いる。金属材料としてニッケルや金を用いると接触抵抗を低減できるため好ましい
。またニッケルをさらに金で被覆するなど、2種類以上の金属材料を層状に被覆させた粒
子を用いることが好ましい。
【0198】
接続体215としては、熱硬化性の樹脂に金属粒子を混ぜ合わせたペースト状又はシー
ト状の材料を用い、熱圧着によって異方性の導電性を示す材料を用いることができる。金
属粒子としては、例えばニッケル粒子を金で被覆したものなど、2種類以上の金属が層状
となった粒子を用いることが好ましい。
【0199】
着色層259は特定の波長帯域の光を透過する有色層である。例えば、赤色の波長帯域
の光を透過する赤色(R)のカラーフィルタ、緑色の波長帯域の光を透過する緑色(G)
のカラーフィルタ、青色の波長帯域の光を透過する青色(B)のカラーフィルタなどを用
いることができる。各着色層は、様々な材料を用いて、印刷法、インクジェット法、フォ
トリソグラフィ法を用いたエッチング方法などでそれぞれ所望の位置に形成する。
【0200】
また、隣接する着色層259の間に、遮光層257が設けられている。遮光層257は
隣接する発光素子から回り込む光を遮光し、隣接画素間における混色を抑制する。ここで
、着色層259の端部を、遮光層257と重なるように設けることにより、光漏れを抑制
することができる。遮光層257は、発光素子の発光を遮光する材料を用いることができ
、金属材料や顔料や染料を含む樹脂材料などを用いて形成することができる。なお、図2
0(A)に示すように、遮光層257を駆動回路部184などの光取り出し部182以外
の領域に設けると、導波光などによる意図しない光漏れを抑制できるため好ましい。
【0201】
また、着色層259と遮光層257を覆う絶縁層261を設けると、着色層259や遮
光層257に含まれる顔料などの不純物が発光素子等に拡散することを抑制できるため好
ましい。絶縁層261は透光性の材料を用い、無機絶縁材料や有機絶縁材料を用いること
ができる。絶縁層261に前述の透水性の低い絶縁膜を用いてもよい。
【0202】
<作製方法例>
次に、発光パネルの作製方法を図24及び図25を用いて例示する。ここでは、具体例
1(図20(B))の構成の発光パネルを例に挙げて説明する。
【0203】
まず、作製基板301上に剥離層303を形成し、剥離層303上に絶縁層205を形
成する。次に、絶縁層205上に複数のトランジスタ、導電層254、絶縁層207、絶
縁層209、複数の発光素子、及び絶縁層211を形成する。なお、導電層254が露出
するように、絶縁層211、絶縁層209、及び絶縁層207は開口する(図24(A)
)。
【0204】
また、作製基板305上に剥離層307を形成し、剥離層307上に絶縁層255を形
成する。次に、絶縁層255上に遮光層257、着色層259、及び絶縁層261を形成
する(図24(B))。
【0205】
作製基板301及び作製基板305としては、それぞれ、ガラス基板、石英基板、サフ
ァイア基板、セラミック基板、金属基板などを用いることができる。
【0206】
また、ガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラ
ス、バリウムホウケイ酸ガラス等のガラス材料を用いることができる。後の加熱処理の温
度が高い場合には、歪み点が730℃以上のものを用いるとよい。なお、酸化バリウム(
BaO)を多く含ませることで、より実用的な耐熱ガラスが得られる。他にも、結晶化ガ
ラスなどを用いることができる。
【0207】
作製基板にガラス基板を用いる場合、作製基板と剥離層との間に、酸化シリコン膜、酸
化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の絶縁膜を形成すると、ガラ
ス基板からの汚染を防止でき、好ましい。
【0208】
剥離層303及び剥離層307としては、それぞれ、タングステン、モリブデン、チタ
ン、タンタル、ニオブ、ニッケル、コバルト、ジルコニウム、亜鉛、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、シリコンから選択された元素、該元素を含む
合金材料、又は該元素を含む化合物材料からなり、単層又は積層された層である。シリコ
ンを含む層の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれでもよい。
【0209】
剥離層は、スパッタリング法、プラズマCVD法、塗布法、印刷法等により形成できる
。なお、塗布法は、スピンコーティング法、液滴吐出法、ディスペンス法を含む。
【0210】
剥離層が単層構造の場合、タングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブ
デンの混合物を含む層を形成することが好ましい。また、タングステンの酸化物もしくは
酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物もしくは酸化窒化物を含む層、又はタングステ
ンとモリブデンの混合物の酸化物もしくは酸化窒化物を含む層を形成してもよい。なお、
タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相
当する。
【0211】
また、剥離層として、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含む層の積層構
造を形成する場合、タングステンを含む層を形成し、その上層に酸化物で形成される絶縁
膜を形成することで、タングステン層と絶縁膜との界面に、タングステンの酸化物を含む
層が形成されることを活用してもよい。また、タングステンを含む層の表面を、熱酸化処
理、酸素プラズマ処理、亜酸化窒素(NO)プラズマ処理、オゾン水等の酸化力の強い
溶液での処理等を行ってタングステンの酸化物を含む層を形成してもよい。またプラズマ
処理や加熱処理は、酸素、窒素、亜酸化窒素単独、あるいは該ガスとその他のガスとの混
合気体雰囲気下で行ってもよい。上記プラズマ処理や加熱処理により、剥離層の表面状態
を変えることにより、剥離層と後に形成される絶縁膜との密着性を制御することが可能で
ある。
【0212】
なお、絶縁層205又は絶縁層255と剥離層との間に絶縁層を設け、後の工程で該絶
縁層と絶縁層205又は絶縁層255との界面で剥離を行うこともできる。該絶縁層とし
ては、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、又は窒化酸化シリコン膜等を、単層又は多
層で形成することが好ましい。
【0213】
各絶縁層は、スパッタリング法、プラズマCVD法、塗布法、印刷法等を用いて形成す
ることが可能であり、例えば、プラズマCVD法によって成膜温度を250℃以上400
℃以下として形成することで、緻密で非常に透水性の低い膜とすることができる。
【0214】
その後、作製基板305の着色層259等が設けられた面又は作製基板301の発光素
子230等が設けられた面に封止層213となる材料を塗布し、封止層213を介して該
面同士を貼り合わせる(図24(C))。
【0215】
そして、作製基板301を剥離し、露出した絶縁層205と基板201を、接着層20
3を用いて貼り合わせる。また、作製基板305を剥離し、露出した絶縁層255と基板
181を、接着層185を用いて貼り合わせる。図25(A)では、基板181が導電層
254と重ならない構成としたが、導電層254と基板181が重なっていてもよい。
【0216】
なお、剥離工程は、様々な方法を適宜用いることができる。例えば、剥離層として、被
剥離層と接する側に金属酸化膜を含む層を形成した場合は、当該金属酸化膜を結晶化によ
り脆弱化して、被剥離層を作製基板から剥離することができる。また、耐熱性の高い作製
基板と被剥離層の間に、剥離層として水素を含む非晶質珪素膜を形成した場合はレーザ光
の照射又はエッチングにより当該非晶質珪素膜を除去することで、被剥離層を作製基板か
ら剥離することができる。また、剥離層として、被剥離層と接する側に金属酸化膜を含む
層を形成し、当該金属酸化膜を結晶化により脆弱化し、さらに剥離層の一部を溶液やNF
、BrF、ClF等のフッ化ガスを用いたエッチングで除去した後、脆弱化された
金属酸化膜において剥離することができる。さらには、剥離層として窒素、酸素や水素等
を含む膜(例えば、水素を含む非晶質珪素膜、水素含有合金膜、酸素含有合金膜など)を
用い、剥離層にレーザ光を照射して剥離層内に含有する窒素、酸素や水素をガスとして放
出させ被剥離層と基板との剥離を促進する方法を用いてもよい。また、被剥離層が形成さ
れた作製基板を機械的に削除又は溶液やNF、BrF、ClF等のフッ化ガスによ
るエッチングで除去する方法等を用いることができる。この場合、剥離層を設けなくとも
よい。
【0217】
また、上記剥離方法を複数組み合わせることでより容易に剥離工程を行うことができる
。つまり、レーザ光の照射、ガスや溶液などによる剥離層へのエッチング、鋭いナイフや
メスなどによる機械的な削除を行い、剥離層と被剥離層とを剥離しやすい状態にしてから
、物理的な力(機械等による)によって剥離を行うこともできる。
【0218】
また、剥離層と被剥離層との界面に液体を浸透させて作製基板から被剥離層を剥離して
もよい。また、剥離を行う際に水などの液体をかけながら剥離してもよい。
【0219】
その他の剥離方法としては、剥離層をタングステンで形成した場合は、アンモニア水と
過酸化水素水の混合溶液により剥離層をエッチングしながら剥離を行うとよい。
【0220】
なお、作製基板と被剥離層の界面で剥離が可能な場合には、剥離層を設けなくてもよい
。例えば、作製基板としてガラスを用い、ガラスに接してポリイミド等の有機樹脂を形成
し、有機樹脂上に絶縁膜やトランジスタ等を形成する。この場合、有機樹脂を加熱するこ
とにより、作製基板と有機樹脂の界面で剥離することができる。又は、作製基板と有機樹
脂の間に金属層を設け、該金属層に電流を流すことで該金属層を加熱し、金属層と有機樹
脂の界面で剥離を行ってもよい。
【0221】
最後に、絶縁層255及び封止層213を開口することで、導電層254を露出させる
図25(B))。なお、基板181が導電層254と重なる構成の場合は、基板181
及び接着層185も開口する(図25(C))。開口の手段は特に限定されず、例えばレ
ーザアブレーション法、エッチング法、イオンビームスパッタリング法などを用いればよ
い。また、導電層254上の膜に鋭利な刃物等を用いて切り込みを入れ、物理的な力で膜
の一部を引き剥がしてもよい。
【0222】
以上により、発光パネルを作製することができる。
【0223】
以上に示したように、本実施の形態の発光パネルは、基板181と、基板201又は基
板202と、の2枚の基板で構成される。さらにタッチセンサを含む構成であっても、2
枚の基板で構成することができる。基板の数を最低限とすることで、光の取り出し効率の
向上や表示の鮮明さの向上が容易となる。
【0224】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0225】
(実施の形態4)
本実施の形態では、情報処理装置に用いることのできる、発光パネルについて図26
用いて説明する。
【0226】
図26に示す発光パネルは、基板401、トランジスタ240、発光素子230、絶縁
層207、絶縁層209、絶縁層211、絶縁層217、空間405、絶縁層261、遮
光層257、着色層259、受光素子(p型半導体層271、i型半導体層273、及び
n型半導体層275を有する)、導電層281、導電層283、絶縁層291、絶縁層2
93、絶縁層295、及び基板403を有する。
【0227】
該発光パネルは、基板401及び基板403の間に、発光素子230及び受光素子を囲
むように枠状に配置された接着層(図示しない)を有する。該接着層、基板401及び基
板403によって、発光素子230は封止されている。
【0228】
本実施の形態の発光パネルでは、基板403が透光性を有する。発光素子230の発す
る光は、着色層259、基板403等を介して、大気に取り出される。
【0229】
本実施の形態の発光パネルは、タッチ操作が可能な発光パネルである。具体的には、受
光素子を用いて、基板403の表面への被検出物の近接又は接触を検知できる。
【0230】
光学式タッチセンサは、被検出物が接触する表面に傷等がついても検出精度に影響が無
いため、耐久性が高く好ましい。また、光学式タッチセンサは、非接触によるセンシング
が可能である、表示装置に適用しても画像の鮮明さが低下しない、大型の発光パネルや表
示装置への適用が可能である等の利点もある。
【0231】
光学式タッチセンサを基板403と空間405の間に有すると、発光素子230の発光
の影響を受けにくく、S/N比を向上させることができるため、好ましい。
【0232】
遮光層257は、発光素子230よりも上方でかつ受光素子と重なる。遮光層257に
よって、発光素子230の発する光が受光素子に照射されることを抑制できる。
【0233】
基板401及び基板403に用いる材料に特に限定はない。発光素子からの光を取り出
す側の基板には該光を透過する材料を用いる。例えば、ガラス、石英、セラミック、サフ
ァイア、有機樹脂などの材料を用いることができる。発光を取り出さない側の基板は、透
光性を有していなくてもよいため、上記に挙げた基板の他に、金属材料や合金材料を用い
た金属基板等を用いることもできる。また、基板401及び基板403には、先の実施の
形態で例示した基板の材料も用いることができる。
【0234】
発光パネルの封止方法は限定されず、例えば、固体封止であっても中空封止であっても
よい。例えば、ガラスフリットなどのガラス材料や、二液混合型の樹脂などの常温で硬化
する硬化樹脂、光硬化性の樹脂、熱硬化性の樹脂などの樹脂材料を用いることができる。
空間405は、窒素やアルゴンなどの不活性な気体で充填されていてもよく、封止層21
3と同様の樹脂等で充填されていてもよい。また、樹脂内に前述の乾燥剤、屈折率の高い
フィラー、又は散乱部材が含まれていてもよい。
【0235】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0236】
100 情報処理装置
102 表示部
102a 表示部
102b 表示部
104 駆動回路部
104g_1 ゲートドライバ
104g_1A ゲートドライバ
104g_1B ゲートドライバ
104g_2 ゲートドライバ
104g_2A ゲートドライバ
104g_2B ゲートドライバ
104g_2C ゲートドライバ
104g_2D ゲートドライバ
104g_3 ゲートドライバ
104g_4 ゲートドライバ
104s_1 ソースドライバ
104s_2 ソースドライバ
104s_3 ソースドライバ
104s_4 ソースドライバ
105 表示パネル
106 検知部
108 演算部
110 記憶部
120 領域
130 発光領域
131 発光領域
132 発光領域
133 発光領域
150 情報処理装置
152 表示パネル
153a 支持パネル
155a 支持パネル
155b 支持パネル
180 素子層
181 基板
182 光取り出し部
184 駆動回路部
185 接着層
186 FPC
186a FPC
186b FPC
201 基板
202 基板
203 接着層
205 絶縁層
207 絶縁層
208 導電層
209 絶縁層
209a 絶縁層
209b 絶縁層
211 絶縁層
212 導電層
213 封止層
215 接続体
215a 接続体
215b 接続体
217 絶縁層
230 発光素子
231 下部電極
233 EL層
235 上部電極
240 トランジスタ
253 導電層
254 導電層
255 絶縁層
257 遮光層
259 着色層
261 絶縁層
270 導電層
271 p型半導体層
272 導電層
273 i型半導体層
274 導電層
275 n型半導体層
276 絶縁層
278 絶縁層
280 導電層
281 導電層
283 導電層
291 絶縁層
292 導電性粒子
293 絶縁層
294 導電層
295 絶縁層
296 導電層
301 作製基板
303 剥離層
305 作製基板
307 剥離層
310a 導電層
310b 導電層
401 基板
403 基板
405 空間
901 トランジスタ
902 容量素子
903 トランジスタ
904 発光素子
905 配線
906 配線
907 配線
907A 配線
907B 配線
907C 配線
907D 配線
907E 配線
907F 配線
908 配線
909 画素
911 回路
912 ソースドライバ回路
913 回路
913A ゲートドライバ
913B ゲートドライバ
914 ゲートドライバ
915 回路
916 回路
916A 回路
916B 回路
917A スイッチ
917B スイッチ
917C スイッチ
917D スイッチ
917E スイッチ
917F スイッチ
918 配線
918A 配線
918B 配線
919 AND回路
920 配線
921 回路
922 AND回路
923 配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26