(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法、および電子機器
(51)【国際特許分類】
H04N 25/70 20230101AFI20231218BHJP
H04N 25/76 20230101ALI20231218BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
H04N25/70
H04N25/76
H01L27/146 D
(21)【出願番号】P 2022100171
(22)【出願日】2022-06-22
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】520510612
【氏名又は名称】ゼタテクノロジーズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】520510623
【氏名又は名称】広東京之映科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】弁理士法人アテンダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊介
(72)【発明者】
【氏名】寺中 直
(72)【発明者】
【氏名】野房 勇希
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-015984(JP,A)
【文献】特開2017-108281(JP,A)
【文献】特開2009-157198(JP,A)
【文献】特開2018-201015(JP,A)
【文献】特開2016-139988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/70
H04N 25/76
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換部を含む複数の画素がアレイ状に配置された画素部を有し、
前記画素部においては、
隣接する複数の同色画素を含む複数の画素ユニットにより形成される通常画素群と、
焦点機能を制御するための位相差情報を検出するための位相差検出画素群と、が混載され、
前記位相差検出画素群は、
前記通常画素群の前記画素ユニットを形成する画素の数より多い数の同色の位相差検出画素を含んで形成され、
少なくとも2つの位相差検出画素の光電変換部に光を入射する少なくとも一つの共有型マイクロレンズを含む
固体撮像装置。
【請求項2】
前記位相差検出画素群は、
前記通常画素群に隣接して配置されている少なくとも2つの前記画素ユニットを第1方向および前記第1方向に直交する第2方向の少なくともいずれか一方の方向に延設するようにして形成されている
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記位相差検出画素群において、
前記少なくとも2つの画素ユニットは、同色の画素ユニットとして形成されている
請求項2記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記画素部において、
前記画素間の境界部には不要な光の入射を防止する遮光膜が形成され、
前記位相差検出画素
と通常画素の境界部、前記位相差検出画素群内の画素境界部のうちの少なくともいずれかで遮光膜幅が他の領域より厚く形成されている
請求項2記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記共有型マイクロレンズは、
画素ピッチより小さく形成されている
請求項2記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記位相差検出画素群には、
前記位相差検出画素群を形成するすべての前記位相差検出画素の光電変換部に光を入射する一つの共有型マイクロレンズを含む
請求項3記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記通常画素群の通常画素の画素信号、並びに、前記位相差検出画素群の前記位相差検出画素による位相差情報を全て加算して読み出し可能な読み出し部を含む
請求項6記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記位相差検出画素群においては、
前記位相差検出画素群を形成する位相差検出画素領域が複数の分割位相差検出領域に分割され、
前記分割位相差検出領域のそれぞれには、複数の前記位相差検出画素の光電変換部に光を入射する共有型マイクロレンズが配置されている
請求項3記載の固体撮像装置。
【請求項9】
所定の2つの分割位相差検出領域間には、感度補正用画素ユニットとして前記位相差検出画素に代えて前記通常画素群に適用される画素ユニットが配置されている
請求項8記載の固体撮像装置。
【請求項10】
通常画素群に適用される画素ユニットの色画素として選定される画素の色は
、画素アレイの画素配列に準じた画素の色である
請求項9記載の固体撮像装置。
【請求項11】
前記位相差検出画素群には、
隣接する複数の前記位相差検出画素の光電変換部ごとに光を入射する複数の共有型マイクロレンズを含む
請求項3記載の固体撮像装置。
【請求項12】
前記位相差検出画素群において、
前記第1方向または前記第2方向に隣接する前記共有型マイクロレンズはピッチをずらして配置されている
請求項11記載の固体撮像装置。
【請求項13】
前記位相差検出画素群内において前記共有型マイクロレンズを共用する相手のない位相差検出画素は、当該位相差検出画素群に隣接する通常画素群内の通常画素と共有型マイクロレンズを共用するように形成されている
請求項12記載の固体撮像装置。
【請求項14】
前記画素部において、
前記通常画素群は、
第1の同色画素ユニット、第2の同色画素ユニット、第3の同色画素ユニット、および第4の同色画素ユニットの4つが、
第1方向に、前記第1の同色画素ユニットと前記第2の同色画素ユニットが隣接するとともに、前記第3の同色画素ユニットと前記第4の同色画素ユニットが隣接し、
前記第1方向に直交する第2方向に、前記第1の同色画素ユニットと前記第3の同色画素ユニットが隣接するとともに、前記第2の同色画素ユニットと前記第4の同色画素ユニットが隣接するように正方配列され、
前記第1の同色画素ユニット、前記第2の同色画素ユニット、前記第3の同色画素ユニット、および前記第4の同色画素ユニットのそれぞれは、
画素ユニットを形成する複数の同色の通常画素が、q×q(qは2以上の正の整数)のマトリクス状に配列され、
前記通常画素ごとに、当該通常画素の光電変換部に光を入射する個別型マイクロレンズがそれぞれ形成されている
請求項3、4,5,6,7または11記載の固体撮像装置。
【請求項15】
前記通常画素群の前記第1の同色画素ユニットおよび前記第4の同色画素ユニットを形成する通常画素、並びに、前記位相差検出画素群内の位相差検出画素ユニットを形成する位相差検出画素は、同色の画素により形成されている
請求項14記載の固体撮像装置。
【請求項16】
光電変換部を含む複数の画素がアレイ状に配置された画素部を有し、
前記画素部においては、
隣接する複数の同色画素を含む複数の画素ユニットにより形成される通常画素群と、
焦点機能を制御するための位相差情報を検出するための位相差検出画素群と、が混載されている固体撮像装置の製造方法であって、
前記位相差検出画素群においては、
前記通常画素群の前記画素ユニットを形成する画素の数より多い数の同色の位相差検出画素を含んで形成し、
少なくとも2つの位相差検出画素の光電変換部に光を入射する少なくとも一つの共有型マイクロレンズを形成する
固体撮像装置の製造方法。
【請求項17】
固体撮像装置と、
前記固体撮像装置に被写体像を結像する光学系と、を有し、
前記固体撮像装置は、
光電変換部を含む複数の画素がアレイ状に配置された画素部を有し、
前記画素部においては、
隣接する複数の同色画素を含む複数の画素ユニットにより形成される通常画素群と、
焦点機能を制御するための位相差情報を検出するための位相差検出画素群と、が混載され、
前記位相差検出画素群は、
前記通常画素群の前記画素ユニットを形成する画素の数より多い数の同色の位相差検出画素を含んで形成され、
少なくとも2つの位相差検出画素の光電変換部に光を入射する少なくとも一つの共有型マイクロレンズを含む
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法、および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光を検出して電荷を発生させる光電変換素子を用いた固体撮像装置(イメージセンサ)として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサが実用に供されている。
【0003】
CMOSイメージセンサは、一般的に、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色フィルタやシアン、マゼンタ、イエロー、グリーンの4色補色フィルタを用いてカラー画像を撮像する。
【0004】
一般的に、CMOSイメージセンサにおいて、画素(ピクセル)は個別にカラーフィルタを備えている。フィルタとしては、主として赤色光を透過させる赤(R)フィルタ、主として緑色光を透過させる緑(Gr,Gb)フィルタ、および主として青色光を透過させる青(B)フィルタを含む。
各カラーフィルタを含む画素ユニットが正方配列されて1つの画素群が形成され、複数の画素群が2次元状に配列されて画素部の画素アレイが形成される。
このカラーフィルタ配列としては、ベイヤ配列が広く知られている。また、たとえば各画素に対してマイクロレンズが形成されている。
また、高感度化や高ダイナミックレンジ化を図るために、ベイヤ配列の各画素ユニットを複数の同色画素により形成したCMOSイメージセンサも提案されている(たとえば特許文献1、2参照)。
【0005】
このようなCMOSイメージセンサは、デジタルカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ、医療用内視鏡、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話等の携帯端末装置(モバイル機器)等の各種電子機器の一部として広く適用されている。
【0006】
特に近年、携帯電話等の携帯端末装置(モバイル機器)に搭載するイメージセンサの小型化・多画素化が進み、画素サイズも1μmを切るサイズが主流となりつつある。
多画素化、微細化による高解像度化を維持し、かつ、画素ピッチ縮小による感度やダイナミックレンジの低下を抑制するため、隣接した複数の同色画素をたとえば4画素ずつ配置し、解像度を追求する際には個別の画素信号を読み出し、高感度やダイナミックレンジ性能を必要とする局面では同色の画素の信号を加算して読み出す手法が一般的に採用されている。
そして、このCMOSイメージセンサは、たとえば画素ユニットの隣接する複数(2、4または9)の同色画素で一つのマイクロレンズを共有する。
【0007】
この複数の同色画素で一つのマイクロレンズを共有する固体撮像装置(CMOSイメージセンサ)では、画素に距離情報が存在し、PDAF(Phase Detection Auto Focus)機能を持つことが可能である。
なお、このCMOSイメージセンサにおいては、画素アレイに、PDAF(位相検出オートフォーカス)画素が同色で形成されていることから、通常の撮影モードでは、これらのPDAF画素の感度等を補正する必要がある。
【0008】
図1は、4つの同色画素で一つのマイクロレンズを共有し、かつ、PDAF機能を有する固体撮像装置(CMOSイメージセンサ)の画素アレイの画素群の一例を示す図である(たとえば特許文献3参照)。
【0009】
図1の画素群1は、Gr画素の画素ユニットPU1、R画素の画素ユニットPU2、B画素の画素ユニットPU3、およびGb画素の画素ユニットPU4がベイヤ配列されている。
画素ユニットPU1は、隣接する複数、たとえば2×2の同色(Gr)の4画素PXGrA、PXGrB,PXGrC,PXGrDが配置されている。画素ユニットPU1において、4画素PXGrA、PXGrB,PXGrC,PXGrDに対して1つのマイクロレンズMCL1が配置されている。
画素ユニットPU2は、隣接する複数、たとえば2×2の同色(R)の4画素PXRA、PXRB,PXRC,PXRDが配置されている。画素ユニットPU2において、4画素PXRA、PXRB,PXRC,PXRDに対して1つのマイクロレンズMCL2が配置されている。
画素ユニットPU3は、隣接する複数、たとえば2×2の同色(B)の4画素PXBA、PXBB,PXBC,PXBDが配置されている。画素ユニットPU3において、4画素PXBA、PXBB,PXBC,PXBDに対して1つのマイクロレンズMCL3が配置されている。
画素ユニットPU4は、隣接する複数、たとえば2×2の同色(Gb)の4画素PXGbA、PXGbB,PXGbC,PXGbDが配置されている。画素ユニットPU4において、4画素PXGbA、PXGbB,PXGbC,PXGbDに対して1つのマイクロレンズMCL4が配置されている。
【0010】
この第1の固体撮像装置は、隣接する2つの画素が同時にPDAFピクセルとして機能するため、低照度のPDAFパフォーマンスが高くなる。
【0011】
図2は、2つの同色画素で一つのマイクロレンズを共有し、かつ、PDAF機能を有する固体撮像装置(CMOSイメージセンサ)の画素アレイの画素群の一例を示す図である(たとえば特許文献4参照)。
【0012】
図2の画素群1aは、
図1と同様に、Gr画素の画素ユニットPU1、R画素の画素ユニットPU2、B画素の画素ユニットPU3、およびGb画素の画素ユニットPU4がベイヤ配列されている。
画素ユニットPU1は、隣接する複数、たとえば2×2の同色(Gr)の4画素PXGrA、PXGrB,PXGrC,PXGrDが配置されている。画素ユニットPU1において、4画素PXGrA、PXGrB,PXGrC,PXGrDに対してそれぞれマイクロレンズMCL01,MCL02,MCL03,MCL04が配置されている。
画素ユニットPU2は、隣接する複数、たとえば2×2の同色(R)の4画素PXRA、PXRB,PXRC,PXRDが配置されている。画素ユニットPU2において、4画素PXRA、PXRB,PXRC,PXRDに対してそれぞれマイクロレンズMCL11,MCL12,MCL13,MCL14が配置されている。
【0013】
画素ユニットPU3は、隣接する複数、同色(B)の4画素PXBA、PXBB,PXBC,PXBDのうちB画素PXBBに代えてG画素PXGBが配置されている。そして、画素ユニットPU3において、3画素PXBA、PXBC,PXBDに対してそれぞれ1つのマイクロレンズMCL20,MCL22,MCL23が配置されている。
画素ユニットPU4は、隣接する複数、2×2の同色(Gb)の4画素PXGbA、PXGbB,PXGbC,PXGbDが配置されている。画素ユニットPU4において、3画素PXGbB,PXGbC,PXGbDに対してそれぞれ1つのマイクロレンズMCL31,MCL32,MCL33が配置されている。
【0014】
そして、
図2の第2の固体撮像装置においては、画素ユニットPU3の画素PXGBと画素ユニットPU4の画素PXGbAに対し画素ユニットをまたがってマイクロレンズMCL34が配置され、PDAF機能を持つように構成されている。
【0015】
この第2の固体撮像装置においては、PDAF画素として機能するのは1画素のみであるため、低照度PDAFのパフォーマンスは低くなる傾向にあるが、光学中心の遮光面積が小さいため、周辺部の遮光特性や感度比特性が高くなる。
【0016】
また、第3の固体撮像装置として、各画素ユニットにおいては各画素に対してそれぞれマイクロレンズが配置され、画素配列中の特定の画素ユニット、たとえばB画素4つに代えてG画素4つを有する画素ユニットにおいて4画素に対して1つのマイクロレンズが配置され、PDAF機能を持つように構成されたものが知られている(たとえば特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】特開平11-298800号公報
【文献】特許第5471117号
【文献】US 9793313 B2
【文献】US 10249663 B2
【文献】US 9807294 B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、
図1の固体撮像装置においては、隣接する2つの画素が同時にPDAF画素として機能するため、低照度のPDAFパフォーマンスが高くなるが、光学中心の遮光面積が広いため、周辺部の遮光特性や感度比特性が低くなるという不利益がある。
【0019】
また、
図2の固体撮像装置においては、PDAF画素として機能するのは1画素のみであるため、低照度PDAFのパフォーマンスは低くなる傾向にあるが、光学中心の遮光面積が小さいため、周辺部の遮光特性や感度比特性が高くなるものの、この構造は2種類の異なるレンズ形状が必要なため、感度のばらつきが大きくなるという不利益がある。
【0020】
また、上記第3の固体撮像装置においては、隣接する2つの画素が同時にPDAF画素として機能するため、低照度のPDAFパフォーマンスが高くなり、光学中心の遮光面積が小さいため、周辺部の遮光特性や感度比特性が高いという利点があるものの、以下の不利益がある。
この構成は2種類の異なるレンズ形状が必要なため、感度のばらつきが大きくなる。
また、PDAF画素部分が青(B)から緑(G)に置き換わるため、色補正が必要になり、青(B)の解像度が低下してしまう。
【0021】
さらに、画素サイズの小型化、微細化に伴う課題について考察する。
前述したように、近年、スマートフォンなどのカメラセットの小型化に伴い、画素サイズの小型化が進んでいる。感度劣化を改善するためには、同一色の複数の画素が隣接する画素配列が主流となっている。
一方、カメラセットのオートフォーカスの手法は、合焦速度の速いPDAF方式が主流となっている。スマートフォン用の微細画素では、隣接する2つ、または4つのピクセル上に共通のマイクロレンズを形成することで位相差検出機能を付与している。
【0022】
ところが、上記の従来の方式では、オートフォーカスに使える画素の数はせいぜい1画素か2画素であり、画素の微細化に伴いオートフォーカス時の感度の低下が課題となってきている。
【0023】
また、この合焦時の感度改善のため、該当位相差画素に比較的近い他の位相差画素の信号を信号処理時に加算する手法も開発されているが、加算処理によるフレームレートの低下や、位相差画素の物理的な距離が離れることによる位相差性能が低下するデメリットも併せ持つ。
【0024】
本発明は、微細化画素においても位相差画素の感度低下を抑制することができ、入射光量の低い撮影シーンにおいても高速かつ良好な合焦性能を持つ高い位相差性能を実現することが可能な固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法、および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の第1の観点の固体撮像装置は、光電変換部を含む複数の画素がアレイ状に配置された画素部を有し、前記画素部においては、隣接する複数の同色画素を含む複数の画素ユニットにより形成される通常画素群と、焦点機能を制御するための位相差情報を検出するための位相差検出画素群と、が混載され、前記位相差検出画素群は、前記通常画素群の前記画素ユニットを形成する画素の数より多い数の同色の位相差検出画素を含んで形成され、少なくとも2つの位相差検出画素の光電変換部に光を入射する少なくとも一つの共有型マイクロレンズを含む。
【0026】
本発明の第2の観点は、光電変換部を含む複数の画素がアレイ状に配置された画素部を有し、前記画素部においては、隣接する複数の同色画素を含む複数の画素ユニットにより形成される通常画素群と、焦点機能を制御するための位相差情報を検出するための位相差検出画素群と、が混載されている固体撮像装置の製造方法であって、前記位相差検出画素群においては、前記通常画素群の前記画素ユニットを形成する画素の数より多い数の同色の位相差検出画素を含んで形成し、少なくとも2つの位相差検出画素の光電変換部に光を入射する少なくとも一つの共有型マイクロレンズを形成する。
【0027】
本発明の第3の観点の電子機器は、固体撮像装置と、前記固体撮像装置に被写体像を結像する光学系と、を有し、前記固体撮像装置は、光電変換部を含む複数の画素がアレイ状に配置された画素部を有し、前記画素部においては、隣接する複数の同色画素を含む複数の画素ユニットにより形成される通常画素群と、焦点機能を制御するための位相差情報を検出するための位相差検出画素群と、が混載され、前記位相差検出画素群は、前記通常画素群の前記画素ユニットを形成する画素の数より多い数の同色の位相差検出画素を含んで形成され、少なくとも2つの位相差検出画素の光電変換部に光を入射する少なくとも一つの共有型マイクロレンズを含む。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、微細化画素においても位相差画素の感度低下を抑制することができ、入射光量の低い撮影シーンにおいても高速かつ良好な合焦性能を持つ高い位相差性能を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】4つの同色画素で一つのマイクロレンズを共有し、かつ、PDAF機能を有する固体撮像装置(CMOSイメージセンサ)の画素アレイの画素群の一例を示す図である。
【
図2】2つの同色画素で一つのマイクロレンズを共有し、かつ、PDAF機能を有する固体撮像装置(CMOSイメージセンサ)の画素アレイの画素群の一例を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る画素アレイを形成する画素群の一例を抽出して示す図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素群の4つの画素で1つのフローティングディフュージョンを共有する画素ユニットの一例を示す回路図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【
図8】本発明の第3の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【
図9】本発明の第4の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【
図10】本発明の第5の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【
図11】本発明の第6の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【
図12】本発明の第7の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【
図13】本発明の第8の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【
図14】本発明の第9の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【
図15】本発明の第10の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【
図16】本発明の第11の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【
図17】本発明の第12の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【
図18】本発明の第13の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【
図19】本発明の第14の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【
図20】本発明の第15の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【
図21】本発明の第16の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【
図22】本発明の実施形態に係る固体撮像装置が適用される電子機器の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
【0031】
(第1の実施形態)
図3は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
本実施形態において、固体撮像装置10は、たとえばCMOSイメージセンサにより構成される。
【0032】
この固体撮像装置10は、
図3に示すように、画素アレイを含む画素部20、垂直走査回路(行走査回路)30、読み出し回路(カラム読み出し回路)40、水平走査回路(列走査回路)50、およびタイミング制御回路60を主構成要素として有している。
また、これらの構成要素のうち、たとえば垂直走査回路30、読み出し回路40、水平走査回路50、およびタイミング制御回路60により画素信号の読み出し駆動制御部70が構成される。
【0033】
本第1の実施形態の固体撮像装置10において、
図4に示すように、画素部20は、光電変換部(PD)を含む複数の画素PXがアレイ状(マトリクス状)に配置されて形成されている。
本第1の実施形態の画素部20においては、隣接する複数(本例では4つ)の同色画素PXを含む複数(本例では4)の画素ユニットPUにより形成される画素群PXG11,PXG112,PXG13,PXG14が2×2のマトリクス状に配置されている。
より具体的には、本第1の実施形態の画素部20においては、隣接する複数(本例では4つ)の同色画素PXを含む複数(本例では4)の画素ユニットPUにより形成される通常画素群NPXGと、焦点機能を制御するための位相差情報を検出するための位相差検出画素群PDXGと、が混載されて構成されている。
【0034】
図4の例では、後述するように、画素群PXG11,PXG12,PXG14が通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14として適用され、画素群PXG13の一部が位相差検出画素群PDXG10として援用されている。
【0035】
位相差検出画素群PDXG10は、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14の画素ユニットPUを形成する画素NPXの数(4)より多い数(5以上、本例では8)の同色(本例では緑色(G))の位相差検出画素PDPXを含んで形成されている。
【0036】
さらに、本第1の実施形態の通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14においては、各画素ユニットPUを形成する各画素NPXに対して平面視して略円形をなすように形成された1つの個別型マイクロレンズPMCL1が配置されている。
これに対して、位相差検出画素群PDXG10は、位相差検出画素群を形成するすべて位相差検出画素PDPXの光電変換部に光を入射する平面視して長円形(楕円形)をなすように形成された1つの共有型マイクロレンズCMCL10が配置されている。
【0037】
位相差検出画素群PDXG10は、たとえば、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14に隣接して配置されている2つの画素ユニットPU211,PU212を第1方向および前記第1方向に直交する第2方向の少なくともいずれか一方の方向に延設するようにして形成されている。
【0038】
これによると、位相差検出画素群PDXG10は、たとえば、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14に隣接して配置されている2つの画素ユニットPU211,PU212を第1方向(X方向)に延設するようにして形成されている。
【0039】
そして、2つの画素ユニットPU211,PU212は、同色(G)の画素ユニットとして形成されている。
【0040】
以上のように、本実施形態では、画素部20において、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14は、第1の同色画素ユニットPU111、第2の同色画素ユニットPU112、第3の同色画素ユニットPU113、および第4の同色画素ユニットの4つが、第1方向に、第1の同色画素ユニットPU111と第2の同色画素ユニットPU112が隣接するとともに、第3の同色画素ユニットPU113と第4の同色画素ユニットPU114が隣接し、第1方向に直交する第2方向に、第1の同色画素ユニットPU111と第3の同色画素ユニットPU113が隣接するとともに、第2の同色画素ユニットPU112と第4の同色画素ユニットPU114が隣接するように正方配列されている。
そして、第1の同色画素ユニットPU111、第2の同色画素ユニットPU112、第3の同色画素ユニットPU113、および第4の同色画素ユニットPU114のそれぞれは、画素ユニットPUを形成する複数の同色の通常画素NPXが、q×q(qは2以上の正の整数)のマトリクス状に配列され、通常画素NPXごとに、通常画素NPXの光電変換部に光を入射する個別型マイクロレンPMCL1がそれぞれ形成されている。
あるいは、第1の同色画素ユニットPU111、第2の同色画素ユニットPU112、第3の同色画素ユニットPU113、および第4の同色画素ユニットPU114のそれぞれは、画素ユニットPUを形成する複数の同色の通常画素NPXが、q×q(qは2以上の正の整数)のマトリクス状に配列され、各画素ユニットの4通常画素NPXに対して1つの共有型のマイクロレンズCMCL20が配置されていてもよい。
【0041】
また、本実施形態では、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14の第1の同色画素ユニットPU111および第4の同色画素ユニットPU114を形成する通常画素NPX、並びに、位相差検出画素群PDXG10内の位相差検出画素ユニットPU211,PU212を形成する位相差検出画素PDPXは、同色の画素(たとえば緑色(G))により形成されている。
【0042】
また、本実施形態では、混色やブルーミングを抑制するために、位相差検出画素PDPXと通常画素NPXの境界部、位相差検出画素群PDXG10内の画素境界部のうちの少なくともいずれ一方で遮光膜SLDFの幅が他の領域より太く形成されている。
【0043】
なお、本実施形態においては、読み出し駆動制御部70の制御の下、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14の通常画素NPXの画素信号、並びに、位相差検出画素群PDXG10の位相差検出画素PDPXによる位相差情報を全て加算して読み出し可能に構成されている。
【0044】
以下、固体撮像装置10の画素部20、並びに、画素部20における複数の同色画素(本例では同色の4画素)を含む画素ユニット、通常画素群、位相差検出画素群等の具体的な構成、配置等、並びに、各部の構成および機能の概要について説明する。
【0045】
(画素部20の画素アレイ200、画素群PXG、画素ユニットPUの構成)
図4は、本発明の第1の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る画素アレイを形成する画素群の一例を抽出して示す図である。
【0046】
なお、本実施形態において、第1方向は、たとえば複数の画素が行列状に配列される画素部20の列方向(水平方向、X方向)または行方向(垂直方向、Y方向)または斜め方向である、
以下の説明では、一例として、第1方向は列方向(水平方向、X方向)とする。これに伴い第2方向は行方向(垂直方向、Y方向)とする。
【0047】
画素部20は、フォトダイオード(光電変換部)と画素内アンプとを含む複数の画素PXが2次元の行列状(マトリクス状)に配列されて画素アレイ200が形成されている。
【0048】
上述したように、画素部20は、
図4に示すように、光電変換を行う複数の同色画素(PX)を含む画素ユニット(PU)がアレイ状(
図4の例ではマトリクス状)に配置されて形成されている。
画素部20においては、隣接する複数(本例では4つ)の同色画素PXを含む複数(本例では4)の画素ユニットPUにより形成される画素群PXG11,PXG12,PXG13,PXG14が2×2のマトリクス状に配置されている。
より具体的には、画素部20は、隣接する複数(本例では4つ)の同色画素PXを含む複数(本例では4)の画素ユニットPUにより形成される通常画素群NPXGと、焦点機能を制御するための位相差情報を検出するための位相差検出画素群PDXG10と、が混載されて構成されている。
【0049】
図4の例では、後述するように、画素群PXG11,PXG12,PXG14が通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14として適用され、画素群PXG13の一部が位相差検出画素群PDXG10として援用されている。
【0050】
画素PXは、基本的には、フォトダイオードと複数の画素トランジスタを含んで構成される。複数の画素トランジスタとしては、たとえば転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅機能を有するソースフォロワトランジスタ、選択トランジスタを含む。
ただし、本第1の実施形態では、一例として、
図5および
図6に示すように、画素ユニットPUの4つの同色画素PXで1つのフローティングディフュージョンFD(Floating Diffusion;浮遊拡散層)を共有する4画素共有構成が採用されている。
具体的には、後で詳述するように、4つの色画素フローティングディフュージョンFD11、リセットトランジスタRST11-Tr、ソースフォロワトランジスタSF11-Tr、および選択トランジスタSEL11-Trが共有されている。
また、共有されるフローティングディフュージョンFD11は、たとえば任意の画素の感度値の補正の際に、補正で参照する同じ画素ユニットPUの複数の画素から読み出す画素信号の加算部として機能する。
【0051】
本第1の実施形態の画素アレイ200は、隣接した複数(本第1の実施形態では4)の同色画素PXを、q×q(qは2以上の整数、本第1の実施形態では2×2)の正方配列にして画素ユニットPUが形成されて、隣接する4つの画素ユニットPUにより画素群PXGが形成され、複数の画素群PXGがマトリクス状に配列されて画素アレイ200が構成されている。
【0052】
図4の例では、図面の簡単化のため、4つの画素群PXG11,PXG12,PXG13,PXG14が2×2のマトリクス状に配置された画素アレイ200が示されている。
【0053】
(画素群PXGおよび画素ユニットPUの構成)
図4において、画素群PXG11は、G(Gb)画素の画素ユニットPU111、B画素の画素ユニットPU112、R画素の画素ユニットPU113、およびG(Gr)画素の画素ユニットPU114がベイヤ配列されている。画素群PXG11は通常画素群NPXG11として形成されている。
【0054】
画素群PXG12は、G(Gb)画素の画素ユニットPU121、B画素の画素ユニットPU122、R画素の画素ユニットPU123、およびG(Gr)画素の画素ユニットPU124がベイヤ配列されている。画素群PXG12は通常画素群NPXG12として形成されている。
【0055】
画素群PXG13は、G(Gb)画素の画素ユニットPU131、G画素の画素ユニットPU132、R画素の画素ユニットPU133、およびG(Gr)画素の画素ユニットPU134がベイヤ配列されている。
画素群PXG13は、通常画素群NPXG13として形成する場合にはB画素が適用される画素ユニットPU132の画素が画素ユニットPU131(または画素ユニットPU134)と同色のG画素により形成されている。
そして、画素群PXG13の一部が位相差検出画素群PDXG10として援用されている。
具体的には、G画素の画素ユニットPU131を位相差検出用の画素ユニットPU211として、画素ユニットPU131に対してX方向に隣接して延設するように接続されたG画素の画素ユニット132を位相差検出用の画素ユニットPU212として援用して、位相差検出画素群PDXG10が形成されている。
【0056】
そして、位相差検出画素群PDXG10は、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14の画素ユニットPUを形成する画素NPXの数(4)より多い数(5以上、本例では2×4=8)の同色(本例では緑色(G))の位相差検出画素PDPXを含んで形成されている。
これにより、固体撮像装置10は、微細化画素においても位相差画素の感度低下を抑制することができ、入射光量の低い撮影シーンにおいても高速かつ良好な合焦性能を持つ高い位相差性能を実現することが可能となることを実現している。
【0057】
画素群PXG14は、G(Gr)画素の画素ユニットPU141、B画素の画素ユニットPU142、R画素の画素ユニットPU143、およびG(Gr)画素の画素ユニットPU144がベイヤ配列されている。画素群PXG14は通常画素群NPXG14として形成されている。
【0058】
また、本実施形態では、混色やブルーミングを抑制するために、位相差検出画素PDPXと通常画素NPXの境界部、位相差検出画素群PDXG10内の画素境界部のうちの少なくともいずれ一方で遮光膜SLDFの幅が他の領域より厚く(太く、広く)形成されている。
【0059】
さらに、本第1の実施形態の通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14においては、各画素ユニットPUを形成する各画素NPXに対して平面視して略円形をなすように形成された1つの個別型マイクロレンズPMCL1が配置されている。
これに対して、位相差検出画素群PDXG10は、位相差検出画素群を形成するすべての位相差検出画素PDPXの光電変換部に光を入射する平面視して長円形(楕円形)をなすように形成された1つの共有型マイクロレンズCMCL20が配置されている。
【0060】
位相差検出画素群PDXG10は、たとえば、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14に隣接して配置されている2つの画素ユニットPU211,PU212を第1方向および第1方向に直交する第2方向の少なくともいずれか一方の方向に延設するようにして形成されている。
【0061】
これによると、位相差検出画素群PDXG10は、たとえば、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14に隣接して配置されている2つの画素ユニットPU211,PU212を第1方向(X方向)に延設するようにして形成されている。
【0062】
そして、2つの画素ユニットPU211,PU212は、同色(G)の画素ユニットとして形成されている。
【0063】
なお、各画素ユニットPU211~PU212において、各同色画素としての2画素PX-A~PX-Bは、光電変換領域PD(1,2)の光入射部分において、バックサイド分離部としてのバックサイドメタルBSMにより2つに分離されている。
また、光電変換領域PDにおいて、バックサイドメタルBSMと光電変換領域PDの深さ方向に重なるように、トレンチ型バックサイド分離としてのバックサイドディープトレンチアイソレーション(BDTI)が形成されている。
これにより、同色画素PX-Aは第1の光電変換領域を含み、同色画素PX-Bは第2の光電変換領域を含んでいる。
また、色が異なる画素ユニット間も、BSM、あるいはBSMとBDTIにより分離されている。
【0064】
そして、本実施形態では、上述したように、混色やブルーミングを抑制するために、位相差検出画素PDPXと通常画素NPXの境界部、位相差検出画素群DPXG10内の画素境界部のうちの少なくともいずれ一方で遮光膜SLDF幅が他の領域より厚く(太く、広く)形成されている。
【0065】
上述したように、本第1の実施形態では、
図6に示すように、画素ユニットの4つの同色画素で1つのフローティングディフュージョンFDを共有する4画素共有構成が採用されていてもよい。
ここで、画素ユニットの4つの同色画素で1つのフローティングディフュージョンFDを共有する4画素共有の一構成例について説明する。
【0066】
(画素ユニットの4画素共有の構成例)
図6は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素群の4つの画素で1つのフローティングディフュージョンを共有する画素ユニットの一例を示す回路図である。
【0067】
図6の画素部20において、画素群PXGの画素ユニットPUは、4つの画素(本実施形態では色画素、ここではG画素)、すなわち、第1色画素PX11、第2色画素PX12、第3色画素PX13、および第4色画素PX14が2×2の正方に配置されている。
【0068】
第1色画素PX11は、第1光電変換領域により形成されるフォトダイオードPD11、および転送トランジスタTG11-Trを含んで構成されている。
【0069】
第2色画素PX12は、第2光電変換領域により形成されるフォトダイオードPD12、および転送トランジスタTG12-Trを含んで構成されている。
【0070】
第3色画素PX13は、第3光電変換領域により形成されるフォトダイオードPD13、および転送トランジスタTG13-Trを含んで構成されている。
【0071】
第4色画素PX14は、第4光電変換領域により形成されるフォトダイオードPD14、および転送トランジスタTG14-Trを含んで構成されている。
【0072】
そして、画素群PXGを形成する画素ユニットPUは、4つの色画素PX11,PX12,PX13,PX14で、フローティングディフュージョンFD11、リセットトランジスタRST11-Tr、ソースフォロワトランジスタSF11-Tr、および選択トランジスタSEL11-Trが共有されている。
【0073】
このような4画素共有構成において、たとえば第1色画素PX11、第2色画素PX12、第3色画素PX13、第4色画素PX14が、同色、たとえばG(Gr,Gb(緑))画素として形成される。
たとえば、第1色画素PX11のフォトダイオードPD11が第1の緑色(G)光電変換部として機能し、第2色画素PX12のフォトダイオードPD12が第2の緑色(G)光電変換部として機能し、第3色画素PX13のフォトダイオードPD13が第3の緑色(G)光電変換部として機能し、第4色画素PX14のフォトダイオードPD14が第4の緑色(G)光電変換部として機能する。
【0074】
フォトダイオードPD11、PD12、PD13、PD14としては、たとえば埋め込みフォトダイオード(PPD)が用いられる。
フォトダイオードPD11,PD12,PD13,PD14を形成する基板表面にはダングリングボンドなどの欠陥による表面準位が存在するため、熱エネルギーによって多くの電荷(暗電流)が発生し、正しい信号が読み出せなくなってしまう。
埋め込みフォトダイオード(PPD)では、フォトダイオードPDの電荷蓄積部を基板内に埋め込むことで、暗電流の信号への混入を低減することが可能となる。
【0075】
フォトダイオードPD11,PD12,PD13,PD14は、入射光量に応じた量の信号電荷(ここでは電子)を発生し、蓄積する。
以下、信号電荷は電子であり、各トランジスタがn型トランジスタである場合について説明するが、信号電荷がホールであったり、各トランジスタがp型トランジスタであっても構わない。
【0076】
転送トランジスタTG11-Trは、フォトダイオードPD11とフローティングディフュージョンFD11の間に接続され、制御信号TG11により導通状態が制御される。
転送トランジスタTG11-Trは、読み出し制御系の制御の下、制御信号TG11が所定レベルのハイレベル(H)の期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPD11で光電変換され蓄積された電荷(電子)をフローティングディフュージョンFD11に転送する。
【0077】
転送トランジスタTG12-Trは、フォトダイオードPD12とフローティングディフュージョンFD11の間に接続され、制御信号TG12により導通状態が制御される。
転送トランジスタTG12-Trは、読み出し制御系の制御の下、制御信号TG12が所定レベルのハイレベル(H)の期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPD12で光電変換され蓄積された電荷(電子)をフローティングディフュージョンFD11に転送する。
【0078】
転送トランジスタTG13-Trは、フォトダイオードPD13とフローティングディフュージョンFD11の間に接続され、制御信号TG13により導通状態が制御される。
転送トランジスタTG13-Trは、読み出し制御系の制御の下、制御信号TG13が所定レベルのハイレベル(H)の期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPD13で光電変換され蓄積された電荷(電子)をフローティングディフュージョンFD11に転送する。
【0079】
転送トランジスタTG14-Trは、フォトダイオードPD14とフローティングディフュージョンFD11の間に接続され、制御信号TG14により導通状態が制御される。
転送トランジスタTG14-Trは、読み出し制御系の制御の下、制御信号TG14が所定レベルのハイレベル(H)の期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPD14で光電変換され蓄積された電荷(電子)をフローティングディフュージョンFD11に転送する。
【0080】
リセットトランジスタRST11-Trは、
図6に示すように、電源線VDD(または電源電位)とフローティングディフュージョンFD11の間に接続され、制御信号RST11により導通状態が制御される。
リセットトランジスタRST11-Trは、読み出し制御系の制御の下、たとえば読み出しスキャン時に、制御信号RST11がHレベルの期間に選択されて導通状態となり、フローティングディフュージョンFD11を電源線VDD(またはVRst)の電位にリセットする。
【0081】
ソースフォロワトランジスタSF11-Trと選択トランジスタSEL11-Trは、電源線VDDと垂直信号線LSGNの間に直列に接続されている。
ソースフォロワトランジスタSF11-TrのゲートにはフローティングディフュージョンFD11が接続され、選択トランジスタSEL11-Trは制御信号)SEL11により導通状態が制御される。
選択トランジスタSEL11-Trは、制御信号SEL11がHレベルの期間に選択されて導通状態となる。これにより、ソースフォロワトランジスタSF11-TrはフローティングディフュージョンFD11の電荷を電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換した列出力の読み出し電圧(信号)VSL(PIXOUT)を垂直信号線LSGNに出力する。
【0082】
このような構成において、画素ユニットPUの各画素PX11、PX12、PX13、PX14の転送トランジスタTG11-Tr,TG12-Tr,TG13-Tr,TG14-Trを個別にオン、オフさせ、フォトダイオードPD11、PD12、PD13、PD14で光電変換されて蓄積された電荷を順次共通フローティングディフュージョンFD11に転送させた場合、画素単位の画素信号VSLが垂直信号線LSGNに送出され、カラム読み出し回路40に入力される。
【0083】
一方、各画素PX11、PX12、PX13、PX14の転送トランジスタTG11-Tr,TG12-Tr,TG13-Tr,TG14-Trの複数を同時にオン、オフさせ、TG12-Tr,TG13-Tr,TG14-Trを個別にオン、オフさせ、フォトダイオードPD11、PD12、PD13、PD14で光電変換されて蓄積された電荷を共通フローティングディフュージョンFD11に同時並列的に転送させた場合、フローティングディフュージョンFD11は加算部として機能する。
この場合、画素ユニットPU内の複数、すなわち、2,3、または4画素の画素信号を加算した加算信号が垂直信号線LSGNに送出され、カラム読み出し回路40に入力される。
【0084】
垂直走査回路30は、タイミング制御回路60の制御に応じてシャッター行および読み出し行において行走査制御線を通して画素の駆動を行う。
また、垂直走査回路30は、アドレス信号に従い、信号の読み出しを行うリード行と、フォトダイオードPDに蓄積された電荷をリセットするシャッター行の行アドレスの行選択信号を出力する。
【0085】
通常のピクセル読み出し動作においては、読み出し制御系の垂直走査回路30による駆動により、シャッタースキャンが行われ、その後、読み出しスキャンが行われる。
【0086】
読み出し回路40は、画素部20の各列出力に対応して配置された複数の列信号処理回路(図示せず)を含み、複数の列信号処理回路で列並列処理が可能に構成されてもよい。
【0087】
読み出し回路40は、相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling)回路やADC(アナログデジタルコンバータ;AD変換器)、アンプ(AMP,増幅器)、サンプルホールド(S/H)回路等を含んで構成可能である。
【0088】
水平走査回路50は、読み出し回路40のADC等の複数の列信号処理回路で処理された信号を走査して水平方向に転送し、信号処理回路に出力する。
【0089】
タイミング制御回路60は、画素部20、垂直走査回路30、読み出し回路40、水平走査回路50等の信号処理に必要なタイミング信号を生成する。
【0090】
以上説明したように、本第1の実施形態においては、画素部20は、光電変換部(PD)を含む複数の画素PXがアレイ状に配置されて形成されている。
画素部20においては、隣接する複数(本例では4つ)の同色画素PXを含む複数(本例では4)の画素ユニットPUにより形成される画素群PXG11,PXG112,PXG13,PXG14が2×2のマトリクス状に配置されている。本第1の実施形態の画素部20においては、隣接する複数(本例では4つ)の同色画素PXを含む複数(本例では4)の画素ユニットPUにより形成される通常画素群NPXGと、焦点機能を制御するための位相差情報を検出するための位相差検出画素群PDXGと、が混載され、画素群PXG11,PXG12,PXG14が通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14として適用され、画素群PXG13の一部が位相差検出画素群PDXG10として援用されている。
そして、位相差検出画素群PDXG10は、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14の画素ユニットPUを形成する画素NPXの数(4)より多い数(5以上、本例では2×4=8)の同色(本例では緑色(G))の位相差検出画素PDPXを含んで形成されている。
【0091】
さらに、本第1の実施形態の通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14においては、各画素ユニットPUを形成する各画素NPXに対して平面視して略円形をなすように形成された1つの個別型マイクロレンズCMCL1が配置されている。
これに対して、位相差検出画素群PDXG10は、位相差検出画素群PDXG10を形成するすべて(8個)の位相差検出画素PDPXの光電変換部に光を入射する平面視して長円形(楕円形)をなすように形成された1つの共有型マイクロレンズCMCL20が配置されている。
位相差検出画素群PDXG10は、たとえば、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14に隣接して配置されている2つの同色(G)の画素ユニットPU211,PU212を第1方向(X方向)に延設するようにして形成されている。
【0092】
したがって、本第1の実施形態によれば、微細化画素においても位相差画素の感度低下を抑制することができ、入射光量の低い撮影シーンにおいても高速かつ良好な合焦性能を持つ高い位相差性能を実現することが可能となる。
【0093】
また、本第1の実施形態によれば、位相差検出画素と通常画素の境界部、位相差検出画素群DPXG10内の画素境界部のうちの少なくともいずれ一方で遮光膜幅が他の領域より厚く(太く、広く)形成されていることから、混色やブルーミングを効率よく抑制することが可能となる。
【0094】
また、本第1の実施形態によれば、より優れた低照度PDAF(位相検出オートフォーカス)性能とより優れた遮光性能を同時に実現することが可能で、ひいてはより精度の高い画質を実現することが可能となる。
【0095】
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【0096】
本第2の実施形態の画素部20Aが、上述した第1の実施形態の画素部20と異なる点は、次の通りである。
【0097】
第1の実施形態においては、画素群PXG13の一部が位相差検出画素群PDXG10Aとして援用されている。
具体的には、G画素の画素ユニットPU131を位相差検出用の画素ユニットPU211として、画素ユニットPU131に対してX方向に隣接して延設するように接続されたG画素の画素ユニット132を位相差検出用の画素ユニットPU212として援用して、位相差検出画素群PDXG10が形成されている。
そして、位相差検出画素群PDXG10は、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14の画素ユニットPUを形成する画素NPXの数(4)より多い数(5以上、本例では2×4=8)の同色(本例では緑色(G))の位相差検出画素PDPXを含んで形成されている。
そして、位相差検出画素群PDXG10は、位相差検出画素群PDXG10を形成するすべて(8個)の位相差検出画素PDPXの光電変換部に光を入射する平面視して楕円形をなすように形成された1つの共有型マイクロレンズCMCL20が配置されている。
【0098】
これに対して、本第2の実施形態においては、画素群PXG13の一部および画素群PXG14の一部が位相差検出画素群PDXG10Aとして援用されている。
具体的には、画素群PXG13のG画素の画素ユニットPU131を位相差検出用の画素ユニットPU211として、画素ユニットPU131に対してX方向に隣接して延設するように接続されたG画素の画素ユニット132を位相差検出用の画素ユニットPU212として、画素ユニットPU132に対してX方向に隣接して延設するように接続された画素群PXG14のG画素の画素ユニット141を位相差検出用の画素ユニットPU213として援用して、位相差検出画素群PDXG10Aが形成されている。
そして、位相差検出画素群PDXG10Aは、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14の画素ユニットPUを形成する画素NPXの数(4)より多い数(5以上、本例では2×6=12)の同色(本例では緑色(G))の位相差検出画素PDPXを含んで形成されている。
そして、位相差検出画素群PDXG10Aは、位相差検出画素群PDXG10Aを形成するすべて(12個)の位相差検出画素PDPXの光電変換部に光を入射する平面視して長円形(楕円形)をなすように形成された1つの共有型マイクロレンズCMCL21が配置されている。
【0099】
本第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
すなわち、本第2の実施形態によれば、微細化画素においても位相差画素の感度低下を抑制することができ、入射光量の低い撮影シーンにおいても高速かつ良好な合焦性能を持つ高い位相差性能を実現することが可能となる。
【0100】
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態に係画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【0101】
本第3の実施形態の画素部20Bが、上述した第2の実施形態の画素部20Aと異なる点は、次の通りである。
【0102】
第2の実施形態においては、画素群PXG13のG画素の画素ユニットPU131を位相差検出用の画素ユニットPU211として、画素ユニットPU131に対してX方向に隣接して延設するように接続されたG画素の画素ユニット132を位相差検出用の画素ユニットPU212として、画素ユニットPU132に対してX方向に隣接して延設するように接続された画素群PXG14のG画素の画素ユニット141を位相差検出用の画素ユニットPU213として援用して、位相差検出画素群PDXG10Aが形成されている。
そして、位相差検出画素群PDXG10Aは、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14の画素ユニットPUを形成する画素NPXの数(4)より多い数(5以上、本例では2×6=12)の同色(本例では緑色(G))の位相差検出画素PDPXを含んで形成されている
【0103】
これに対して、本第3の実施形態では、第1の方向に縦続接続された3つの画素ユニット211、212,213のうち、両端の画素ユニット211,213はG画素の画素ユニットのままとし、真ん中の画素ユニット212BをB画素の画素ユニットとして起用している。
【0104】
具体的には、本第3の実施形態においては、画素群PXG13のG画素の画素ユニットPU131を位相差検出用の画素ユニットPU211として、画素ユニットPU131に対してX方向に隣接して延設するように接続されたB画素の画素ユニット132を位相差検出用の画素ユニットPU212Bとして、画素ユニットPU132に対してX方向に隣接して延設するように接続された画素群PXG14のG画素の画素ユニット141を位相差検出用の画素ユニットPU213として援用して、位相差検出画素群PDXG10Bが形成されている。
位相差検出画素群PDXG10Bは、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14の画素ユニットPUを形成する画素NPXの数(4)より多い数(5以上、本例では2×6=12)のG画素が8個、B画素が4個の位相差検出画素PDPXを含んで形成されている。
そして、B画素の画素ユニットPU212Bは、たとえば感度補正用画素ユニットとして、位相差検出画素群PDXG10Bに適用されている。
【0105】
なお、感度補正用画素ユニット212Bを形成する画素の色は、画素アレイ200の画素配列に準じた画素の色である。
【0106】
本第3の実施形態によれば、上述した第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
すなわち、本第3の実施形態によれば、微細化画素においても位相差画素の感度低下を抑制することができ、入射光量の低い撮影シーンにおいても高速かつ良好な合焦性能を持つより高い位相差性能を実現することが可能となる。
【0107】
(第4の実施形態)
図9は、本発明の第4の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【0108】
本第4の実施形態の画素部20Cが、上述した第1の実施形態の画素部20と異なる点は、次の通りである。
【0109】
第1の実施形態においては、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14においては、各画素ユニットPUを形成する各画素NPXに対して平面視して略円形をなすように形成された1つの個別型マイクロレンズMCL10が配置されている。
そして、位相差検出画素群PDXG10は、たとえば、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14に隣接して配置されている2つの同色(G)の画素ユニットPU211,PU212を第1方向(X方向)に延設するようにして形成されており、位相差検出画素群PDXG10を形成するすべて(8個)の位相差検出画素PDPXの光電変換部に光を入射する平面視して楕円形をなすように形成された1つの共有型マイクロレンズCMCL20が配置されている。
【0110】
これに対して、本第4の実施形態では、位相差検出画素群PDXG10Cにおいては、位相差検出画素群PDXG10Cを形成する位相差検出画素領域が複数(本例では2)の分割位相差検出領域DPDR1,DPDR2に分割され(区分けされ)、分割位相差検出領域DPDR1,DPDR2のそれぞれには、複数の位相差検出画素の光電変換部に光を入射する平面視して円形の共有型マイクロレンズMCL21,MCL22が配置されている。
本第4の実施形態では、分割位相差検出領域DPDRとしては画素ユニットPU211、PU212単位で区分けされ、各画素ユニット211,212の4つの同色画素PXの光電変換部に光を入射する共有型マイクロレンズCMCL21,CMCL22が配置されている。
【0111】
本第4の実施形態によれば、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0112】
(第5の実施形態)
図10は、本発明の第5の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【0113】
本第5の実施形態の画素部20Dが、上述した第2の実施形態の画素部20Aと異なる点は、次の通りである。
【0114】
第2の実施形態の画素部20Aにおいては、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14においては、各画素ユニットPUを形成する各画素NPXに対して平面視して長円形(略円形)をなすように形成された1つの個別型マイクロレンズPMCL1が配置されている。
そして、位相差検出画素群PDXG10は、たとえば、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14に隣接して配置されている3つの同色(G)の画素ユニットPU211,PU212、PU213が第1方向(X方向)に延設するようにして形成されており、位相差検出画素群PDXG10Aを形成するすべて(12個)の位相差検出画素PDPXの光電変換部に光を入射する平面視して長円形(楕円形)をなすように形成された1つの共有型マイクロレンズCMCL21が配置されている。
【0115】
これに対して、本第5の実施形態では、位相差検出画素群PDXG10Dにおいては、位相差検出画素群PDXG10Dを形成する位相差検出画素領域が複数(本例では3)の分割位相差検出領域DPDR1,DPDR2,DPDR3に分割され(区分けされ)、分割位相差検出領域DPDR1,DPDR2,DPDR3のそれぞれには、複数の位相差検出画素の光電変換部に光を入射する平面視して円形の共有型マイクロレンズCMCL21,CMCL22,CMCL23が配置されている。
本第5の実施形態では、分割位相差検出領域DPDRとして画素ユニットPU211、PU212,PU213単位で第1方向(X方向)に区分けされ、各画素ユニットPU211,PU212,PU213の4つの同色画素PXの光電変換部に光を入射する共有型マイクロレンズCMCL21,CMCL22,CMCL23が配置されている。
【0116】
本第5の実施形態によれば、上述した第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0117】
(第6の実施形態)
図11は、本発明の第6の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【0118】
本第6の実施形態の画素部20Eが、上述した第5の実施形態の画素部20Dと異なる点は、次の通りである。
【0119】
本第6の実施形態の画素部20Eにおいては、2つの共有型マイクロレンズMCL21,MCL22の配置を、第5の実施形態の画素部20Dの正位置から第1方向(X方向)に画素ユニットの半ピッチ分ずらした位置に配置されている。
【0120】
マイクロレンズMCL21は画素PUユニット211の右側半分と画素ユニットPU212の左半分にまたがるようにして配置されている。
マイクロレンズMCL212は画素ユニット212の左側半分と右隣の画素群の画素ユニットPU213の左半分にまたがるようにして配置されている。
【0121】
このような構成においても、十分な位相差情報を得ることができる。
本第6の実施形態によれば、上述した第5の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0122】
(第7の実施形態)
図12は、本発明の第7の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【0123】
本第7の実施形態の画素部20Fが、上述した第5の実施形態の画素部20Dと異なる点は、次の通りである。
【0124】
第5の実施形態においては、分割位相差検出領域DPDRとして画素ユニットPU211、PU212,PU213単位で第1方向(X方向)に区分けされ、各画素ユニットPU211,PU212,PU213の4つの同色画素PXの光電変換部に光を入射する共有型マイクロレンズCMCL21,CMCL22,CMCL23が配置されている。
【0125】
これに対して、本第7の実施形態の画素部20Fにおいては、分割位相差検出領域DPDRとして画素ユニットPU211、PU212,PU213単位で第1方向(X方向)に区分けされ、かつ、画素ユニットPU214、PU212,PU215単位で第2方向(Y方向)に区分けされ、各画素ユニットPU211,PU212,PU213,PU214,PU215の4つの同色画素PXの光電変換部に光を入射する共有型マイクロレンズCMCL21,CMCL22,CMCL23,CMCL24,CMCL25が配置されている。
【0126】
このような構成においては、第1方向(X方向)および第2方向(Y方向)の十分な位相差情報を得ることができる。
そして、本第7の実施形態によれば、上述した第5の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0127】
(第8の実施形態)
図13は、本発明の第8の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【0128】
本第8の実施形態の画素部20Gが、上述した第5の実施形態の画素部20Dと異なる点は、次の通りである。
【0129】
第5の実施形態においては、分割位相差検出領域DPDR2としてのG画素の画素ユニット212に対して、4つの同色画素PXの光電変換部に光を入射する共有型マイクロレンズMCL22が配置されている。
これに対して、本第8の実施形態においては、画素ユニットPU212を形成する各画素に対して平面視して略円形をなすように形成された1つの個別型マイクロレンズPMCL1~PMCL4が配置されている。
【0130】
このような構成においても、十分な位相差情報を得ることができる。
そして、本第8の実施形態によれば、上述した第5の実施形態と同様の効果を得ることができることはもとより、位相差画素の感度補正、欠陥補正、および感度シェーディング補正の精度を向上させることが可能となる。
【0131】
(第9の実施形態)
図14は、本発明の第9の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【0132】
本第9の実施形態の画素部20Hが、上述した第7の実施形態の画素部20Fと異なる点は、次の通りである。
【0133】
第7の実施形態においては、分割位相差検出領域DPDR2としてのG画素の画素ユニット212に対して、4つの同色画素PXの光電変換部に光を入射する共有型マイクロレンズCMCL22が配置されている。
これに対して、本第9の実施形態においては、画素ユニットPU212を形成する各画素に対して平面視して略円形をなすように形成された1つの個別型マイクロレンズPMCL11~PMCL14が配置されている。
【0134】
このような構成においては、第1方向(X方向)および第2方向(Y方向)の十分な位相差情報を得ることができる。
そして、本第9の実施形態によれば、上述した第7の実施形態と同様の効果を得ることができることはもとより、位相差画素の感度補正、欠陥補正、および感度シェーディング補正の精度を向上させることが可能となる。
【0135】
(第10の実施形態)
図15は、本発明の第10の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【0136】
本第10の実施形態の画素部20Iが、上述した第8の実施形態の画素部20Gと異なる点は、次の通りである。
【0137】
第8の実施形態においては、分割位相差検出領域DPDR2としての位相差検出画素であるG画素の画素ユニット212を形成する各画素に対して平面視して略円形をなすように形成された1つの個別型マイクロレンズPMCL1~PMCL4が配置されている。
これに対して、本第10の実施形態においては、画素ユニットPU212を通常画素群に適用されるB画素の画素ユニットにより形成し、各B画素に対して平面視して略円形をなすように形成された1つの個別型マイクロレンズPMCL11~MCL14が配置されている。
【0138】
なお、ここで、通常画素群に適用される画素ユニットPU212の色画素として選定される画素の色B(青)は、画素アレイ200Iの画素配列に準じた画素の色に相当するからである。
【0139】
このような構成においても、十分な位相差情報を得ることができる。
そして、本第10の実施形態によれば、上述した第8の実施形態と同様の効果を得ることができることはもとより、PDAF画素領域の色補正がさらに容易になる。
【0140】
(第11の実施形態)
図16は、本発明の第11の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【0141】
本第11の実施形態の画素部20Jが、上述した第9の実施形態の画素部20Hと異なる点は、次の通りである。
【0142】
第9の実施形態においては、分割位相差検出領域DPDR2としての位相差検出画素であるG画素の画素ユニット212を形成する各画素に対して平面視して略円形をなすように形成された1つの個別型マイクロレンズPMCL1~PMCL4が配置されている。
これに対して、本第11の実施形態においては、画素ユニットPU212を通常画素群に適用されるB画素の画素ユニットにより形成し、各B画素に対して平面視して略円形をなすように形成された1つの個別型マイクロレンズPMCL11~PMCL14が配置されている。
【0143】
なお、ここで、通常画素群に適用される画素ユニットPU212の色画素として選定される画素の色B(青)は、画素アレイ200Jの画素配列に準じた画素の色に相当するからである。
【0144】
このような構成においては、第1方向(X方向)および第2方向(Y方向)の十分な位相差情報を得ることができる。
そして、本第11の実施形態によれば、上述した第9の実施形態と同様の効果を得ることができることはもとより、PDAF画素領域の色補正がさらに容易になる。
【0145】
(第12の実施形態)
図17(A)および(B)は、本発明の第12の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
図17(A)は画素ユニットが4個の同色画素を2×2に配列して構成した例を、
図17(B)は画素ユニットが9個の同色画素を3×3に配列して構成した例を示している。
【0146】
本第12の実施形態の画素部20K1,20K2が、上述した第5の実施形態の画素部20Dと異なる点は、次の通りである。
【0147】
第5の実施形態においては、分割位相差検出領域DPDRとして画素ユニットPU211、PU212,PU213単位で第1方向(X方向)に区分けされ、各画素ユニットPU211,PU212,PU213の4つの同色画素PXの光電変換部に光を入射する共有型マイクロレンズCMCL21,CMCL22,CMCL23が配置されている。
【0148】
これに対して、本第12の実施形態の画素部20Kにおいては、分割位相差検出領域DPDRとして画素ユニットPU211、PU212,PU213単位で第1方向(X方向)に区分けされ、各画素ユニットPU211,PU212,PU213の隣接する2つの同色画素PXの光電変換部に光を入射する共有型マイクロレンズCMCL201,CMCL202,CMCL203,CMCL204,CMCL205,CMCL206(
図17(A)が配置されている(
図17(B)の例ではCMCL201~CMCL212)。
【0149】
位相差検出画素群は、分割位相差検出領域DPDRとして画素ユニットPU211、PU212,PU213単位で、複数のいわゆる2in1オンチップレンズが並べて配置されている。
【0150】
すなわち、本第12の実施形態においては、位相差検出画素群PDXG10Kには、隣接する複数の(2つの)位相差検出画素の光電変換部ごとに光を入射する複数の共有型マイクロレンズが並べて配置されている。
【0151】
このような構成においては、十分な位相差情報を得ることができる。
そして、本第12の実施形態によれば、上述した第5の実施形態と同様の効果を得ることができることはもとより、レンズを再現性よく作製することが可能となる。
【0152】
(第13の実施形態)
図18(A)および(B)は、本発明の第13の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
図18(A)は画素ユニットが4個の同色画素を2×2に配列して構成した例を、
図18(B)は画素ユニットが9個の同色画素を3×3に配列して構成した例を示している。
【0153】
本第13の実施形態の画素部20Lが、上述した第12の実施形態の画素部20Kと異なる点は、次の通りである。
【0154】
第12の実施形態の画素部20Kにおいて、位相差検出画素群PDXG10Kは、分割位相差検出領域DPDRとして画素ユニットPU211、PU212,PU213単位で、複数のいわゆる2in1オンチップレンズが並べて配置されている。
すなわち、第12の実施形態においては、位相差検出画素群には、隣接する複数の(2つの)位相差検出画素PDPXの光電変換部ごとに光を入射する複数の共有型マイクロレンズが並べて配置されている。
【0155】
これに対して、本第13の実施形態においては、位相差検出画素群PDXG10Lにおいて、第1方向(X方向)または第2方向(方向)に隣接する共有型マイクロレンズはピッチをずらして配置されている。
本例では、隣接する共有型マイクロレンズの光学中心を半ピッチHPTずらして配置されている。
【0156】
このような構成においては、十分な位相差情報を得ることができる。
そして、本第13の実施形態によれば、上述した第5の実施形態と同様の効果を得ることができることはもとより、レンズを再現性よく作製することが可能となり、オンチップレンズ間のデッドスペースの発生を解消でき、しかも感度向上を図ることが可能となる。
【0157】
(第14の実施形態)
図19(A)および(B)は、本発明の第14の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
図19(A)は画素ユニットが4個の同色画素を2×2に配列して構成した例を、
図19(B)は画素ユニットが9個の同色画素を3×3に配列して構成した例を示している。
【0158】
本第14の実施形態の画素部20Mが、上述した第13の実施形態の画素部20Lと異なる点は、次の通りである。
【0159】
第13の実施形態の画素部20Lにおいては、位相差検出画素群PDXG10L内において共有型マイクロレンズを共用する相手のない位相差検出画素PDPXは、そのままの状態で何も接続されていない。
これに対して、本第14の実施形態の画素部20Mでは、その位相差検出画素群PDXG10Mに隣接する通常画素群NPXG内の通常画素NPXと共有型マイクロレンズを共用するように形成されている。
【0160】
このような構成においては、十分な位相差情報を得ることができる。
そして、本第14の実施形態によれば、上述した第5の実施形態と同様の効果を得ることができることはもとより、レンズを再現性よく作製することが可能となり、オンチップレンズ間のデッドスペースの発生を解消でき、しかも感度向上を図ることが可能となる。
【0161】
(第15の実施形態)
図20(A)および(B)は、本発明の第15の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【0162】
本第15の実施形態の画素部20Nが、上述した第1の実施形態の画素部20と異なる点は、次の通りである。
【0163】
第1の実施形態においては、位相差検出画素群PDXG10Aを形成するすべて(12個)の位相差検出画素PDPXの略全面的に光電変換部に光を入射する平面視して長円形(楕円形)をなすように形成された1つの共有型マイクロレンズCMCL20が配置されている。
【0164】
これに対して、本第15の実施形態において、共有型マイクロレンズCMCL20Nがブルーミングや混色を抑制するために、画素ピッチより小さく形成されている。
【0165】
本第15の実施形態によれば、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができることはもとより、ブルーミングや混色を確実に抑制することが可能となる。
【0166】
(第16の実施形態)
図21は、本発明の第16の実施形態に係る画素部における画素アレイの形成例を示す図である。
【0167】
本第16の実施形態の画素部20Oが、上述した第1の実施形態の画素部20と異なる点は、次の通りである。
【0168】
第1の実施形態においては、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14においては、各画素ユニットPUを形成する各画素NPXに対して平面視して略円形をなすように形成された1つの個別型マイクロレンズPMCL1が配置されている。
【0169】
これに対して、本第16の実施形態では、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14においては、各画素ユニットPUを形成する4つの同色画素PXの光電変換部に光を入射する共有型マイクロレンズCMCL21が配置されている。
【0170】
本第16の実施形態によれば、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0171】
以上説明した固体撮像装置10,10A~10Oは、デジタルカメラやビデオカメラ、携帯端末、あるいは監視用カメラ、医療用内視鏡用カメラなどの電子機器に、撮像デバイスとして適用することができる。
【0172】
図22は、本発明の実施形態に係る固体撮像装置が適用されるカメラシステムを搭載した電子機器の構成の一例を示す図である。
【0173】
本電子機器800は、
図22に示すように、本実施形態に係る固体撮像装置10,10A~10Oが適用可能なCMOSイメージセンサ810を有する。
さらに、電子機器800は、このCMOSイメージセンサ810の画素領域に入射光を導く(被写体像を結像する)光学系(レンズ等)820を有する。
電子機器800は、CMOSイメージセンサ810の出力信号を処理する信号処理回路(PRC)830を有する。
【0174】
信号処理回路830は、CMOSイメージセンサ810の出力信号に対して所定の信号処理を施す。
信号処理回路830で処理された画像信号は、液晶ディスプレイ等からなるモニタに動画として映し出し、あるいはプリンタに出力することも可能であり、またメモリカード等の記録媒体に直接記録する等、種々の態様が可能である。
【0175】
上述したように、CMOSイメージセンサ810として、前述した固体撮像装置10,10A~10Oを搭載することで、高性能、小型、低コストのカメラシステムを提供することが可能となる。
そして、カメラの設置の要件に実装サイズ、接続可能ケーブル本数、ケーブル長さ、設置高さなどの制約がある用途に使われる、たとえば、監視用カメラ、医療用内視鏡用カメラなどの電子機器を実現することができる。
【符号の説明】
【0176】
10,10A~10O・・・固体撮像装置、20,20A~20O・・・画素部、200,200A~200O・・・画素アレイ、PX・・・画素、PDPX・・・位相差検出画素、PXG・・・画素群、NPXG・・・通常画素群、PDXG・・・位相差検出画素群、PU・・・画素ユニット、MCL・・・マイクロレンズ、30・・・垂直走査回路、40・・・読み出し回路、50・・・水平走査回路、60・・・タイミング制御回路、70・・・読み出し駆動制御部、800・・・電子機器、810・・・CMOSイメージセンサ、820・・・光学系、830・・・信号処理回路(PRC)。
【要約】
【課題】微細化画素においても位相差画素の感度低下を抑制でき、入射光量の低い撮影シーンにおいても高速かつ良好な合焦性能を持つ高い位相差性能を実現することが可能な固体撮像装置、その製造方法および電子機器を提供する。
【解決手段】画素部20は、隣接する複数(本例では4つ)の同色画素PXを含む複数(本例では4)の画素ユニットPUにより形成される通常画素群NPXGと、焦点機能を制御するための位相差情報を検出するための位相差検出画素群PDXGと、が混載され、位相差検出画素群PDXG10は、通常画素群NPXG11,NPXG12,NPXG14の画素ユニットPUを形成する画素NPXの数(4)より多い数(5以上)の同色(G)の位相差検出画素PDPXを含んで形成されている。
【選択図】
図4