(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】オン・デマンド・メモリ・ページ・サイズ
(51)【国際特許分類】
G11C 11/22 20060101AFI20231218BHJP
G06F 12/06 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
G11C11/22 218
G06F12/06 521H
(21)【出願番号】P 2022182204
(22)【出願日】2022-11-15
(62)【分割の表示】P 2020510110の分割
【原出願日】2018-08-21
【審査請求日】2022-11-15
(32)【優先日】2017-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】ミルズ,デュアン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ファッケントホール,リチャード イー.
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-95889(JP,A)
【文献】特開2000-353381(JP,A)
【文献】特開平6-314494(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0017434(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 11/22
G06F 12/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の強誘電体メモリセルを含むメモリアレイについての可変メモリページサイズを示すメモリアクセスコマンドを受信することと、
前記メモリアクセスコマンドに少なくとも部分的に基づいてワード線をアクティブ化することであって、前記ワード線は、前記複数の強誘電体メモリセルのうちの強誘電体メモリセルの行に結合される、ことと、
前記可変メモリページサイズに少なくとも部分的に基づいて、強誘電体メモリセルの前記行に結合された複数のプレート線のうちの1つのプレート線に電圧バイアスを印加することであって、前記プレート線は、強誘電体メモリセルの前記行のうちの少なくとも強誘電体メモリセルのサブセットに結合される、ことと、
前記ワード線をアクティブ化すると共に前記電圧バイアスを前記プレート線に印加することに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリアレイに記憶されているデータにアクセスすることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記データにアクセスすることは、前記電圧バイアスを前記プレート線に印加することに少なくとも部分的に基づいて、強誘電体メモリセルの前記サブセットに記憶された前記データにアクセスすること、を含み、
前記可変メモリページサイズは、強誘電体メモリセルの前記サブセットにおける強誘電体メモリセルの数量に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記メモリアクセスコマンドは、アクセス動作の対象となる前記データを示し、かつ、前記メモリアレイについての前記可変メモリページサイズを表すパラメータのセットを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
パラメータの前記セットは、前記可変メモリページサイズを決定するビットの数量を含み、
前記方法は、ビットの前記数量によって表される値に少なくとも部分的に基づいて、前記可変メモリページサイズを決定すること、を更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
パラメータの前記セットは前記メモリアレイの指示を含み、
前記データにアクセスすることは、前記メモリアレイの前記指示に少なくとも部分的に基づく、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
パラメータの前記セットは、前記データに関連付けられたアドレスを含み、
前記方法は、前記アドレスに少なくとも部分的に基づいて前記可変メモリページサイズを決定すること、を更に含み、
前記データにアクセスすることは、前記可変メモリページサイズを決定することに少なくとも部分的に基づく、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記データの前記アドレスに関連付けられた設定済みのメモリページサイズに少なくとも部分的に基づいて、前記可変メモリページサイズを決定すること、を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記メモリアクセスコマンドは1つ以上の書き込み命令を含み、
前記方法は、前記メモリアクセスコマンドを介して前記データの指示を受信すること、を更に含み、
前記データにアクセスすることは、前記可変メモリページサイズ及び前記1つ以上の書き込み命令に少なくとも部分的に基づいて前記データを前記メモリアレイに書き込むこと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記メモリアクセスコマンドは1つ以上の読み取り命令を含み、
前記データにアクセスすることは、前記可変メモリページサイズ及び前記1つ以上の読み取り命令に少なくとも部分的に基づいて、前記データを前記メモリアレイから読み取ること、を含み、
前記方法は、前記データを読み取ることに少なくとも部分的に基づいて、前記データの指示をシステムメモリコントローラへ送信すること、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記可変メモリページサイズとは異なる第2の可変メモリページサイズを表す第2のメモリアクセスコマンドを受信することと、
前記第2のメモリアクセスコマンドに少なくとも部分的に基づいて、前記複数のプレート線のうちの前記プレート線及び第2のプレート線に前記電圧バイアスを印加することであって、前記第2のプレート線は、強誘電体メモリセルの前記サブセットとは異なる、強誘電体メモリセルの前記行のうちの強誘電体メモリセルの第2のサブセットに結合される、ことと、
前記第2の可変メモリページサイズと、前記プレート線及び前記第2のプレート線に前記電圧バイアスを印加することとに少なくとも部分的に基づいて、強誘電体メモリセルの前記サブセットと、強誘電体メモリセルの前記第2のサブセットとに記憶されている第2のデータにアクセスすることと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
強誘電体メモリセルの行を含むメモリアレイと、
強誘電体メモリセルの前記行のうちの各々の強誘電体メモリセルに結合されたワード線と、
各々が強誘電体メモリセルの前記行のうちの1つ以上の強誘電体メモリセルに結合された複数のプレート線と、
前記メモリアレイ、前記ワード線、及び前記複数のプレート線に結合されたコントローラと、
を備える装置であって、
前記コントローラは、
前記メモリアレイについての可変メモリページサイズを示すメモリアクセスコマンドを受信することと、
前記メモリアクセスコマンドに少なくとも部分的に基づいて前記ワード線をアクティブ化することと、
前記可変メモリページサイズに少なくとも部分的に基づいて、前記複数のプレート線のうちの1つのプレート線に電圧バイアスを印加することと、
前記電圧バイアスを前記プレート線に印加することに少なくとも部分的に基づいて、強誘電体メモリセルの前記行のうちの少なくとも強誘電体メモリセルのサブセットに記憶されているデータにアクセスすることと、
を行うように動作可能である、装置。
【請求項12】
強誘電体メモリセルの前記行は、
前記プレート線に結合された強誘電体メモリセルの前記サブセットと、
強誘電体メモリセルの前記サブセットとは異なり、かつ、前記複数のプレート線のうちの第2のプレート線に結合された、強誘電体メモリセルの第2のサブセットと、
を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記コントローラは、
前記プレート線及び前記第2のプレート線に前記電圧バイアスを印加することと、
前記プレート線及び前記第2のプレート線に前記電圧バイアスを印加することに少なくとも部分的に基づいて、強誘電体メモリセルの前記サブセット及び強誘電体メモリセルの前記第2のサブセットに記憶されている前記データにアクセスすることと、
を行うように動作可能である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記メモリアクセスコマンドは、アクセス動作の対象となる前記データを示し、かつ、前記メモリアレイについての前記可変メモリページサイズを表すパラメータのセットを含み、
パラメータの前記セットは、前記可変メモリメージサイズを決定するビットの数量、前記メモリアレイの指示、又は、前記データに関連付けられたアドレス、或いはそれらのいずれかの組み合わせ、のうちの1つ以上を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記メモリアレイの各強誘電体メモリセルは、
前記複数のプレート線のそれぞれのプレート線に結合された第1の端子を備えた強誘電体キャパシタと、
前記強誘電体キャパシタの第2の端子と、前記メモリアレイの複数のデジット線のそれぞれのデジット線とに結合された選択コンポーネントであって、前記ワード線をアクティブ化することに少なくとも部分的に基づいてアクティブ化されるように動作可能である選択コンポーネントと、
を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
メモリアクセスコマンドを受信するように構成されたメモリデバイスであって、
複数の強誘電体メモリセルを含むメモリアレイと、
前記メモリアレイに結合されたローカルメモリコントローラと、
を備え、
前記ローカルメモリコントローラは、
前記メモリアレイについての可変メモリページサイズを示すメモリアクセスコマンドを受信することと、
前記メモリアクセスコマンドに少なくとも部分的に基づいてワード線をアクティブ化することであって、前記ワード線は、前記複数の強誘電体メモリセルのうちの強誘電体メモリセルの行に結合される、ことと、
前記可変メモリページサイズに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリアレイに結合された複数のプレート線のうちの1つのプレート線に電圧バイアスを印加することと、
前記ワード線及び前記プレート線をアクティブ化することに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリアレイに記憶されているデータにアクセスすることと、
を行うように動作可能である、メモリデバイス。
【請求項17】
強誘電体メモリセルの前記行は、
前記プレート線に結合された強誘電体メモリセルの第1のサブセットと、
強誘電体メモリセルの前記第1のサブセットとは異なり、かつ、前記複数のプレート線のうちの第2のプレート線に結合された、強誘電体メモリセルの第2のサブセットと、
を含む、請求項16に記載のメモリデバイス。
【請求項18】
前記データにアクセスするように動作可能な前記ローカルメモリコントローラは、強誘電体メモリセルの前記第1のサブセットに結合された前記プレート線に前記電圧バイアスを印加することに少なくとも部分的に基づいて、強誘電体メモリセルの前記第1のサブセットに記憶されている前記データにアクセスする、ように更に動作可能であり、
前記可変メモリページサイズは、強誘電体メモリセルの前記第1のサブセットにおける強誘電体メモリセルの数量に対応する、請求項17に記載のメモリデバイス。
【請求項19】
前記メモリアクセスコマンドを受信するように動作可能な前記ローカルメモリコントローラは、前記メモリアクセスコマンドを介して、アクセス動作の対象となる前記データの指示と、前記メモリアレイについての前記可変メモリページサイズを表すパラメータのセットとを受信する、ように更に動作可能であり、
パラメータの前記セットは、前記可変メモリページサイズを決定するビットの数量、前記メモリアレイの指示、又は、前記データに関連付けられたアドレス、或いは、それらのいずれかの組み合わせ、のうちの1つ以上を含む、請求項16に記載のメモリデバイス。
【請求項20】
前記メモリアレイの各強誘電体メモリセルは、
前記複数のプレート線のそれぞれのプレート線に結合された第1の端子を備えた強誘電体キャパシタと、
前記強誘電体キャパシタの第2の端子と、前記メモリアレイの複数のデジット線のそれぞれのデジット線とに結合された選択コンポーネントであって、前記ワード線をアクティブ化することに少なくとも部分的に基づいて作動される選択コンポーネントと、
を含む、請求項16に記載のメモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[クロス・リファレンス]
本特許出願は、各々が本出願の譲受人に譲渡され、各々が参照によりその全体が本明細書に明確に組み込まれる、2017年8月23日に出願された「On Demand Memory Page Size」という名称の、Millsらによる米国特許出願第15/684,792号の優先権を主張する、2018年8月21日に出願された「On Demand Memory Page Size」という名称の、Millsらによる、PCT出願第PCT/US2018/047328号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
以下は、一般にメモリ・システムに関し、より詳しくはオン・デマンド・メモリ・ページ・サイズに関する。
【0003】
メモリ・システムは、コンピュータ、ワイヤレス通信デバイス、インターネット・オブ・シングス、カメラ、およびデジタル表示装置などの数多くの電子デバイスにおける情報を管理するために1つまたは複数のバスを介して接続される様々な種類のメモリ・デバイスおよびコントローラを含み得る。バスは、メモリ・デバイスおよびコントローラが、あるプロトコルにより情報を交換することを可能にすることができる。メモリ・デバイスは、そのような電子デバイスに情報を記憶するのに広く使用される。情報は、メモリ・セルの異なる状態をプログラムすることによって記憶される。例えば、2値メモリ・セルは、しばしば論理「1」または論理「0」で表される2つの状態を有する。2つよりも多くの状態は、メモリ・セルに記憶することができる。
【0004】
磁気ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期型ダイナミックRAM(SDRAM)、強誘電体RAM(FeRAM:ferroelectric RAM)、磁気RAM(MRAM)、抵抗変化型RAM(RRAM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、および相変化メモリ(PCM)などを含む、様々なタイプのメモリ・デバイスが存在する。メモリ・デバイスは、揮発性または不揮発性でもよい。不揮発性メモリ・セル、例えば、FeRAMセルは、外部電源がない場合でもそれらの記憶した論理状態を長期間維持することができる。揮発性メモリ・セル、例えば、DRAMセルは、外部電源によって定期的にリフレッシュされない限り、時間とともにそれらの記憶した状態を失う場合がある。FeRAMは、揮発性メモリと同様のメモリ・デバイス・アーキテクチャを使用することができるが、他の不揮発性および揮発性メモリ・デバイスに比較して改善された性能を有することができる。
【発明の概要】
【0005】
メモリ・システムを改善することは、一般に、システム消費電力を低減すること、メモリ・システム容量を増加させること、読み書き速度を改善すること、永続メイン・メモリの使用によって不揮発性を提供すること、または他の指標の中で、ある性能ポイントにおいて製造コストを低減することなど、メモリ・システム性能を高めることを含むことができる。メモリ・アレイ・ページ・サイズに対する制限、またはページ・サイズ調整に対する制約は、前述の指標を改善する性能または能力に影響する場合がある。
【0006】
本明細書における本開示は、以下の図を参照し、それらを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の実施形態によるオン・デマンド・メモリ・ページ・サイズをサポートするシステムを示す略図である。
【
図2】本開示の実施形態によるオン・デマンド・メモリ・ページ・サイズをサポートする非線形電気特性の例を示すグラフである。
【
図3】本開示の実施形態によるオン・デマンド・メモリ・ページ・サイズをサポートする回路の例を示す図である。
【
図4】本開示の実施形態によるオン・デマンド・メモリ・ページ・サイズをサポートする例示的なシステムを示す図である。
【
図5】本開示の実施形態によるオン・デマンド・メモリ・ページ・サイズを動作させるための方法を示す流れ図である。
【
図6】本開示の実施形態によるオン・デマンド・メモリ・ページ・サイズを動作させるための方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
メモリ・システムが、オン・デマンドまたは可変メモリ・ページ・サイズをサポートすることができ、それにより、システムの柔軟性および消費電力などを改善することができる。オン・デマンドまたは可変ページ・サイズは、メモリ・システムの性能を改善するのに有利である場合があるが、固定ページ・サイズ、例えば、2048バイトは、メモリ・システムが固定ページ・サイズよりも少量のデータを操作する必要があるとき、結果として不必要なエネルギー消費となる場合がある。さらに、可変ページ・サイズは、メモリ・システムが、固定された小さなページ・サイズとともに動作するように構成される場合、複数のページのデータを操作する際に不必要な不利益を回避するのに有利である場合がある。したがって、オン・デマンド・メモリ・ページ・サイズは、メモリ・システムの性能を改善するのに利点をもたらすことができる。
【0009】
例として、メモリ・システムは、バス・プロトコルによる1つまたは複数のバスを介してシステム・メモリ・コントローラと通信する様々なタイプのメモリ・デバイスを含み得る。バス・プロトコルは、様々なサイズのデータにアクセスするのに使用することができる。メモリ・システムにおけるデータのサイズは、例えば、64バイト、512バイト、2048バイトなど、ページ・サイズと称することができる。例えば、バス・プロトコルは、メモリのページにアクセスし、ページ・サイズを示すコマンドを含むことができる。DRAMなどのいくつかのタイプのメモリは、例えば、Page Activateコマンドを用いてアクセス可能な、2048バイトの固定ページ・サイズを有することができる。いくつかの場合において、DRAMを利用するメモリ・システムが、メモリ・システムが作り出すデータの正味容量が2048バイトよりも小さい可能性があるとき、Page Activateコマンドの間、固定ページ・サイズのデータを作動させる(アクティブにする)ことに関連付けられたある量のエネルギーを費やす場合がある。そのような不必要なエネルギー消費は、操作するべきデータの正味容量によりオン・デマンドまたは可変メモリ・ページ・サイズをサポートするように構成されたメモリ・デバイスを利用するメモリ・システムにおいて低減することができる。さらに、バス・プロトコルは、アクセス動作を行いながら、使用するべきメモリ・デバイスのメモリ・ページ・サイズの決定を容易にすることができる。データのサイズ、メモリ・デバイスの開始および終了アドレス、または所定のメモリ・ページ・サイズ選択肢のうちの1つに関連付けられたアドレスなどを含むメモリ・ページ・サイズを示すのに様々なパラメータ使用することができる。
【0010】
不揮発性メモリ・デバイスをメモリ・システムに採用することができ、不揮発性メモリ・デバイスは、オン・デマンド・メモリ・ページ・サイジングをサポートすることができる。このタイプのメモリ・システムは、高システム性能、高面密度、および低システム消費電力を含む揮発性メモリ・アレイを採用したものよりも利点をもたらすことができる。様々なタイプの不揮発性メモリ・デバイスをFeRAM、フラッシュ・メモリ、または3次元クロスポイント・メモリ(3D XPoint(登録商標)メモリ)などのメモリ・システムに使用することができる。不揮発性メモリ・デバイスは、DRAMデバイスと異なり、複数の異なるページ・サイズとともに動作するように構成することができる。例えば、FeRAM技術は、64、128、256、512、1024、または2048バイトを含む複数のページ・サイズをサポートするように構成されたメモリ・デバイスを可能にすることができる。特定の動作において使用するべきページ・サイズは、メモリ・コマンドと、コマンドに関連付けられたデータとの様々な特性に依存する場合がある。例えば、ページ・サイズは、レガシーDRAMのような動作をサポートするために2048バイト、または少量のデータを効果的に操作するために2048バイトよりもずっと小さい、例えば、64バイトであると決定することができる。したがって、複数の異なるページ・サイズをサポートすることができる不揮発性メモリ・デバイスを利用するメモリ・システムは、ページ・サイズがメモリ・コマンド、例えば、Page Activateコマンドを用いて指定されることを可能にすることができるプロトコルを実施することができる。これにより、メモリ・システムは、少量のデータが必要とされるときにデータの小さなページが開かれ、大量のデータが要求されたときにデータの大きなページが開かれるように要求することが可能になることができる。
【0011】
例えば、本開示は、複数の異なるページ・サイズをサポートすることができる1つまたは複数のメモリ・デバイスを含むメモリ・システムにシステム・メモリ・コントローラを含む。各メモリ・デバイスは、システム・メモリ・コントローラと連携して、メモリ・コマンドを用いて指定された異なるページ・サイズとともに動作するローカル・メモリ・コントローラを含むことができる。本開示は、FeRAM技術を使用してメモリ・アレイを使用する実施例を含むが、複数の異なるページ・サイズをサポートすることができる任意のメモリ・デバイス、例えば、3D XPoint(登録商標)メモリ・アレイを利用することができる。本明細書に開示するメモリ・システムまたはサブシステムは、消費電力が重要な設計要素である場合があるモバイル環境において様々な電子装置をサポートすることができる。
【0012】
以下に詳細に説明するように、メモリ・システムは、メモリ・デバイスによって提供されるオン・デマンド・ページ・サイズ機能を利用した様々な代替選択肢を利用することができる。例えば、メモリ・システムは、構成(コンフィギュレーション)レジスタを通じて異なるページ・サイズを有するようにメモリ・アレイにおける異なる記憶場所を構成することができる。したがって、メモリ・システムは、大きなページ・サイズを有するように構成される記憶場所において典型的には順次アクセスされる大きなブロックのデータを記憶することができる。別の実施例において、メモリ・システムは、特定のページ・サイズを指定することなくデータのサイズを示すことができ、したがって、ローカル・メモリ・コントローラは、使用するべき最適ページ・サイズを、データを処理するように構成することができる。別の実施例において、メモリ・システムは、メモリ・コマンドと組み合わせて、ある数のビットを含むことができ、ビットの組合せは、使用するべきローカル・メモリ・コントローラの特定のページ・サイズの指示として使用することができる。
【0013】
前述の説明は、本開示の概要を提供する。上記に紹介した機構および技法は、メモリ・システムまたはサブシステム・アーキテクチャおよび関連したプロトコルの文脈で以下にさらに説明する。次いで、具体的な実施例を、オン・デマンド・メモリ・ページ・サイズをサポートするコントローラおよびバス・プロトコルと組み合わせたメモリ・システムまたはサブシステムについて説明する。本開示のこれらのおよび他の機構は、オン・デマンド・メモリ・ページ・サイズに関連した装置の略図、システムの略図、および流れ図を参照してさらに示し、説明する。
【0014】
図1は、本開示の実施形態によるオン・デマンド・メモリ・ページ・サイズをサポートするシステム100の略図を示す。システム100は、デバイス105を含むことができる。デバイス105は、プロセッサ130と、システム・メモリ・コントローラ120と、様々なメモリ・デバイス170、175、および180とを含むことができる。デバイス105は、入出力コントローラ135と、基本入出力システム(BIOS:basic input/output system)構成要素125と、ボード・サポート・パッケージ(BSP:board support package)126と、周辺構成要素140と、ダイレクト・メモリ・アクセス・コントローラ(DMAC:direct memory access controller)160とを含むこともできる。デバイス105の構成要素(コンポーネント)は、バス110を通じて相互に電子通信してもよい。
【0015】
デバイス105は、コンピューティング・デバイス、電子デバイス、モバイル・コンピューティング・デバイス、またはワイヤレス・デバイスでもよい。デバイス105は、携帯用電子デバイスでもよい。デバイス105は、コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、携帯電話、ウェアラブル・デバイス、またはインターネット接続デバイスなどでもよい。いくつかの実施例において、デバイス105は、基地局またはアクセス・ポイントを介して双方向ワイヤレス通信用に構成される。いくつかの実施例において、デバイス105は、マシン・タイプ通信(MTC)、マシン・ツー・マシン(M2M)通信、デバイス・ツー・デバイス(D2D)通信ができる。デバイス105は、ユーザ機器(UE)、局(STA)、またはモバイル端末などと称することができる。
【0016】
プロセッサ130は、直接またはシステム・メモリ・コントローラ120を介してのいずれかで、様々なメモリ・デバイス170、175、180、またはそれらの任意の組合せとともに動作するように構成することができる。いくつかの場合において、プロセッサ130は、システム・メモリ・コントローラ120の機能を行うことができる。プロセッサ130は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理回路、個別ハードウェア構成要素でもよく、またはこれらのタイプの構成要素の組合せでもよい。
【0017】
システム・メモリ・コントローラ120は、プロセッサ130とともに動作するように構成することができる。システム・メモリ・コントローラ120は、様々なメモリ・デバイス170、175、180、またはそれらの任意の組合せとともに動作するように構成することもできる。
【0018】
メモリ・デバイス170は、それぞれ、デジタル情報を記憶するためにメモリ・セルの1つのアレイまたは複数のアレイを含むことができる。メモリ・デバイス170は、プロセッサ130またはシステム・メモリ・コントローラ120とともに動作するように構成することができる。いくつかの実施例において、メモリ・デバイス170は、プロセッサ130またはシステム・メモリ・コントローラ120のバッファ・メモリまたはメモリ・バンクとして働くように構成することができる。いくつかの実施例において、1つまたは複数のメモリ・デバイス170は、デバイス105内に存在することができる。
【0019】
メモリ・デバイス175は、2つ以上の層に構造化されたメモリ・セルのアレイとともに動作するように構成されたローカル・メモリ・コントローラを含むことができる。メモリ・デバイス175のローカル・メモリ・コントローラは、プロセッサ130とともに動作するように構成することもできる。メモリ・デバイス175のローカル・メモリ・コントローラは、プロセッサ130とともに効率的に動作するためにメモリ・セルの異なる特性を処理するように構成することができる。いくつかの実施例において、第1層メモリ・セルは、様々な作業負荷を処理するために短い応答時間により、毎秒多数の入出力動作(IOPS)を提供することができる3D XPoint(登録商標)メモリでもよい。いくつかの実施例において、第2層メモリ・セルは、第1層メモリ・セルよりも相対的に低いコストで、高い容量をデータ記憶に提供することができる3次元Not-AND(NAND)メモリでもよい。メモリ・デバイス175は、いくつかの場合において、メモリ・アレイの他のタイプまたは組合せを含むことができる。
【0020】
メモリ・デバイス180は、それぞれ、メモリ・アレイ182とともに動作するように構成されたローカル・メモリ・コントローラ181を含むことができる。メモリ・デバイス180のローカル・メモリ・コントローラ181は、プロセッサ130またはシステム・メモリ・コントローラ120とともに動作するように構成することもできる。いくつかの実施例において、メモリ・アレイ182は、不揮発性もしくは揮発性メモリ・セル、または不揮発性および揮発性メモリ・セルの両方の組合せを含むことができる。いくつかの実施例において、メモリ・デバイス180のローカル・メモリ・コントローラ181は、メモリ・アレイの可変ページ・サイズを処理するように構成することができ、メモリ・アレイ182は、不揮発性メモリ・セル、例えば、FeRAMセルを含む。FeRAM技術は、メモリ・デバイスが64、128、256、512、1024、または2048バイトを含む複数のページ・サイズをサポートすることを可能にすることができる。いくつかの実施例において、ページ・サイズは、メモリ・アレイに対してあるサイズに固定することができ、メモリ・アレイは、揮発性メモリ・セル、例えば、レガシーDRAMセルを含む。いくつかの実施例において、1つまたは複数のメモリ・デバイス180は、デバイス105内に存在することができる。
【0021】
DMAC160は、プロセッサ130がメモリ・デバイス170、175、または180に対してダイレクト・メモリ・アクセスを行うことを可能にすることができる。例えば、DMAC160は、プロセッサがシステム・メモリ・コントローラ120の関与または動作なしでメモリ・デバイス170、175、または180に直接アクセスするのをサポートすることができる。
【0022】
周辺構成要素140は、デバイス105に統合することができる任意の入力もしくは出力デバイス、またはそのようなデバイスのインターフェースでもよい。例には、ディスク・コントローラ、サウンド・コントローラ、グラフィックス・コントローラ、イーサネット(登録商標)・コントローラ、モデム、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)コントローラ、シリアルもしくはパラレル・ポート、または周辺構成要素相互接続(PCI)またはアクセラレイティッド・グラフィックス・ポート(AGP)スロットなどの周辺機器カード・スロットが含まれ得る。周辺構成要素140は、当業者によって周辺機器として理解される他の構成要素でもよい。
【0023】
BIOS構成要素125またはボード・サポート・パッケージ(BSP)126は、システム100の様々なハードウェア構成要素を初期化し、起動することができる、ファームウェアとして動作される基本入出力システム(BIOS)を含むソフトウェア構成要素でもよい。BIOS構成要素125またはBSP126は、プロセッサ130と様々な構成要素、例えば、周辺構成要素140、入出力コントローラ135などとの間のデータの流れを管理することもできる。BIOS構成要素125またはBSP126は、読出し専用メモリ(ROM)、フラッシュ・メモリ、または任意の他の不揮発性メモリに記憶されたプログラムまたはソフトウェアを含むことができる。
【0024】
入出力コントローラ135は、プロセッサ130と周辺構成要素140、入力デバイス145、または出力デバイス150との間のデータ通信を管理することができる。入出力コントローラ135は、デバイス105に統合されない周辺機器を管理することもできる。いくつかの場合において、入出力コントローラ135は、外部周辺機器への物理接続またはポートを表すことができる。
【0025】
入力145は、デバイス105またはその構成要素に入力を提供する、デバイス105の外部のデバイスまたは信号を表すことができる。これは、他のデバイスとの、または他のデバイス間のユーザ・インターフェースまたはインターフェースを含んでよい。いくつかの場合において、入力145は、周辺構成要素140を介してデバイス105とインターフェースする周辺機器でもよく、または入出力コントローラ135によって管理することができる。
【0026】
出力150は、デバイス105またはその構成要素のうちのいずれかからの出力を受け取るように構成された、デバイス105の外部のデバイスまたは信号を表すことができる。出力150の例には、表示装置、音声スピーカ、印刷デバイス、または印刷回路板上の別のプロセッサなどが含まれ得る。いくつかの場合において、出力150は、周辺構成要素140を介してデバイス105とインターフェースする周辺機器でもよく、または入出力コントローラ135によって管理することができる。
【0027】
デバイス105の構成要素は、それらの機能を実行するように設計された回路で構成することができる。これは、本明細書に説明する機能を実行するように構成された様々な回路要素、例えば、導電線、トランジスタ、コンデンサ(キャパシタ)、誘導子(インダクタ)、抵抗器、増幅器、または他の能動もしくは受動素子を含み得る。
【0028】
いくつかの場合において、システムが、システム・メモリ・コントローラと、システム・メモリ・コントローラと電子通信しているローカル・メモリ・コントローラとを含むことができ、ローカル・メモリ・コントローラは、メモリ・アレイに接続され、メモリ・アレイのメモリ・ページ・サイズを決定するように構成される。いくつかの実施例において、システムは、システム・メモリ・コントローラおよびローカル・メモリ・コントローラと電子通信しているプロセッサと、プロセッサと電子通信している1つまたは複数の構成要素とを含むことができ、プロセッサは、1つまたは複数の構成要素を動作させるためにシステム・メモリ・コントローラおよびローカル・メモリ・コントローラを介してメモリ・アレイにアクセスするように構成され、1つまたは複数の構成要素は、入力および出力(I/O)コントローラ、周辺構成要素、または基本入出力システム(BIOS)構成要素のうちの少なくとも1つを含む。
【0029】
いくつかの場合において、プロセッサは、システム・メモリ・コントローラにメモリ・ページ・サイズを示すパラメータの第一の組を含むメモリ・アクセス要求を送るように動作可能である。いくつかの場合において、プロセッサは、ローカル・メモリ・コントローラからデータを受け取るように動作可能である。いくつかの場合において、プロセッサは、ローカル・メモリ・コントローラにデータを送るように動作可能である。いくつかの場合において、システム・メモリ・コントローラは、メモリ・ページ・サイズを示すパラメータの第一の組を含むメモリ・アクセス要求をプロセッサから受け取るように動作可能である。いくつかの場合において、システム・メモリ・コントローラは、メモリ・アクセス要求を受け取ることに少なくとも部分的に基づいてメモリ・アクセス・コマンドを構成するように動作可能であり、メモリ・アクセス・コマンドは、メモリ・アレイのメモリ・ページ・サイズおよび識別を示すパラメータの第二の組を含み、パラメータの第二の組は、少なくとも部分的にパラメータの第一の組に基づく。いくつかの場合において、システム・メモリ・コントローラは、パラメータの第二の組を有するメモリ・アクセス・コマンドをローカル・メモリ・コントローラに送るように動作可能である。
【0030】
図2は、本開示の実施形態によるオン・デマンド・メモリ・ページ・サイズをサポートするメモリ・セルの電気特性の例を示す。グラフ200が、本明細書に説明する機構および技法をサポートする特性の例を示すために提供される。他の特性および材料特性が、これらの機構または同様の機構をサポートすることができる。グラフ200-aは、強誘電材料(強誘電体材料)を使用するコンデンサのヒステリシス曲線の例を示す。グラフ200-bは、線形材料250または常誘電材料(常誘電体材料)240を使用するコンデンサの分極の例を示す。グラフ200は、強誘電材料、線形材料、またはパラリニア材料を利用するメモリ・セルのコンデンサに蓄積された電荷Qを、コンデンサの両端間の電圧差Vの関数として示す。
【0031】
強誘電材料は、自発電気分極を特徴とし、すなわち、強誘電材料は、電界なしで非ゼロ電気分極を維持する。対照的に、線形または常誘電材料は、外部電界の存在下でのみ分極を示す。強誘電材料における電気分極は、外部から印加された電界なしで、相対的に長時間、より適切に言えば無限に、維持することができるので、例えば、DRAMアレイに採用される常誘電体コンデンサと比較して、電荷漏洩が大幅に減少する場合がある。したがって、強誘電メモリ・セルは、DRAMセルと比較したとき、リフレッシュ動作を行うべき要件を低減または除去することができる。
【0032】
グラフ200-aに示すように、強誘電材料は、ゼロ電圧差で正または負電荷を維持し、結果として荷電状態205と荷電状態210との2つの可能な帯電状態となることができる。
図2の実施例によれば、荷電状態205は、論理0を表し、荷電状態210は論理1を表す。いくつかの実施例において、それぞれの荷電状態の論理値は、逆にすることができる。荷電状態205および210は、残留分極(Pr)値、すなわち、外部バイアス(例えば、電圧)除去時の残存分極(したがって電荷)と称することもできる。本明細書に説明する強誘電は、ハウニウム、ジルコニウム、または酸素、またはそれらの任意の組合せを含む化合物でもよい。例えば、それは酸化ハウニウムまたはジルコニアを含むことができる。強誘電材料を利用するメモリ・セルは、外部バイアス/電圧なしで、蓄積電荷を維持するので、強誘電メモリ・セルは、「不揮発性メモリ」と呼ぶことができる。
【0033】
グラフ200-bは、線形材料250および常誘電材料240の分極曲線の例を示す。図示するように、線形材料250の電荷Qは、印加電圧Vにつれて線形である。常誘電材料240は、電圧につれて非線形電荷を示す。しかし、グラフ200-aに示す強誘電材料と比較すると、線形材料250および常誘電材料240の両方は、ゼロ電圧においてゼロ電荷を有する。異なる論理状態は、線形材料250または常誘電材料240を利用するコンデンサに非ゼロ電圧を印加することによって記憶することができる。例えば、正電圧270に対応する荷電状態205-bおよび205-cは、それぞれ、常誘電材料240および線形材料250に対して論理0を表すことができる。負電圧も使用することができる。ゼロの電荷(荷電状態260)は、線形材料250および常誘電材料240に対して論理1を表すことができる。線形またはパラリニア・コンデンサは、充電されたとき、コンデンサ両端間に非ゼロ電圧を有するので、電子がコンデンサから漏れ出るのはエネルギー的に有利である可能性がある。したがって、線形またはパラリニア・コンデンサに蓄積された電荷がもはや論理0とみなされないレベルに達し、記憶した論理状態が破損または消失するまで、蓄積電荷が漏洩する場合がある。したがって、線形材料250または常誘電材料240のいずれかを利用するメモリ・セルは、「揮発性メモリ」と呼ぶことができる。
【0034】
図3は、本開示の実施形態によるオン・デマンド・メモリ・ページ・サイズをサポートする回路の例を示す図である。回路300が、本明細書に説明する機構および技法をサポートする特性の例を示すために提供される。他の回路構成が、これらの機構または同様の機構をサポートすることができる。回路300-aは、オン・デマンド・ページ・サイズ・メモリ・システムのバス・プロトコルをサポートする強誘電メモリ・セルを有する強誘電メモリ・アレイの列(行)を表すことができる。回路300-bは、レガシーDRAMアレイの線形/パラリニア電気メモリ・セルを有する揮発性メモリ・アレイの列(行)を表すことができる。回路300は、
図1を参照して説明したメモリ・アレイの態様または一部を示すことができる。
【0035】
回路300-aは、強誘電メモリ・セル310-aと、ワード線340-aと、ビット線350-aと、プレート線360-aとの列(行)を含むことができる。各強誘電メモリ・セル310-aは、選択構成要素(選択コンポーネント)330-aおよび強誘電コンデンサ320-aを含むことができる。いくつかの実施例において、選択構成要素330-aは、電界効果トランジスタ(FET)でもよい。強誘電コンデンサを有するメモリ・セル310-aは、FeRAMセルと称することができる。いくつかの実施例において、プレート線360-aは、いくつかの電気的に絶縁されたプレート線(図示せず)に分割することができ、各プレート線は、アクセス動作の間、選択的にバイアスをかけることができる。例として、共通のワード線340-a(例えば、4つのうちの2つのメモリ・セル)を共有するメモリ・セルのサブセットにアクセスすることができるように、プレート線360-aは、2つの電気的に絶縁されたプレート線(例えば、回路300-aにおいて一方のプレート線は2つの左端のコンデンサに接続され、他方のプレート線は2つの右端のコンデンサに接続される)を有するように構成することができる。強誘電メモリ・セルの2次元アレイが、メモリ・セルの複数の列に共通の延長ビット線350-aを用いて回路300-aの複数の列(行)を反復することによって構成することができることを当業者によって理解されたい。
【0036】
回路300-bは、線形/パラリニア・メモリ・セル310-bと、ワード線340-bと、ビット線350-bとの列を含むことができる。各線形/パラリニア・メモリ・セルは、選択構成要素330-bおよび線形/パラリニア・コンデンサ320-bを含むことができる。いくつかの実施例において、選択構成要素330-bは、電界効果トランジスタ(FET)でもよい。線形またはパラリニア・コンデンサを有するメモリ・セル310-bは、DRAMセルと称することができる。線形/パラリニア・コンデンサの端子が、接地または仮想接地360-bに接続される。線形/パラリニア・メモリ・セルの2次元アレイが、メモリ・セルの複数の列に共通の延長ビット線350-bを用いて回路300-bの複数の列を反復することによって構成することができることを当業者によって理解されたい。
【0037】
メモリ・アクセス動作の間、列(行)に関連付けられたワード線を作動させる(アクティブ化する)ことによってメモリ・セルの列(行)を作動させる(アクティブ化する)ことができる。回路300-bにおけるDRAMセルの列が作動されたとき、各選択構成要素330-bが作動され、DRAMコンデンサ320-bの端子をビット線350-bに接続し、その一方で、DRAMコンデンサ320-bの他方の端子が接地または仮想接地される。したがって、DRAMコンデンサ320-bに蓄積された電荷が「流れ」、そのような流れまたはその欠如(すなわち、DRAMコンデンサ320-bに電荷が何も蓄積されていないとき)は、各ビット線350-bによって検出されなければならない。したがって、ワード線に接続されたDRAMセルのそれぞれは、ワード線が作動されたとき感知される必要がある。DRAMページ・サイズは、少なくとも部分的にこのDRAM動作の性質に基づいて決定することができる。データの相対的に小さな塊を感知すること、ラッチすること、および制御することを行うデジタル論理回路を反復することに関連付けられた不合理なオーバーヘッドを回避するために、典型的なDRAMページ・サイズが、かなり大きくなる傾向がある。例えば、典型的なDRAMページ・サイズは、2048バイトでもよい。
【0038】
反対に、回路300-aにおけるFeRAMセルの列が作動されたとき、各選択構成要素330-aが作動され、強誘電コンデンサ320-aの端子をビット線350-aに接続し、その一方で、強誘電コンデンサ320-aの他方の端子がプレート線360-aに接続される。コンデンサ320-aのプレート間の強誘電材料の性質と連動したプレート線360-aにより、コンデンサ320-aがビット線350-aとの接続時に放電するのを防止される可能性がある。プレート線360-aに対する電圧を変動させることによるFeRAMセル310-aの動作は、「セル・プレートを動かす」と称することができる。いくつかの実施例において、プレート線360-aは、いくつかの電気的に絶縁されたプレート線(図示せず)に分割することができ、各プレート線は、アクセス動作の間、選択的にバイアスをかけることができる。異なる数のプレート線360-aを同時に動作させることによって、メモリ・アクセス動作の間、異なる数のメモリ・セル、例えば、異なるページ・サイズにアクセスすることができる。したがって、ワード線340-aに接続されたすべてのFeRAMセルを感知しなくても、ワード線340-aに接続されたFeRAMセルのサブセットを一度に感知することができる。典型的なDRAMページ・サイズよりも小さいページ・サイズをFeRAMに提供するために、そのようなFeRAMセル動作の性質を利用することができる。例えば、典型的なFeRAMページ・サイズは、64バイトでもよい。より小さいページ・サイズにより、DRAMセルの動作よりも大きい電力を通常必要とするFeRAMセルの効率的な動作が可能になることができる。関連した情報の変化が小さいときFeRAMアレイのほんの一部だけが作動される必要がある場合があるので、より小さいページ・サイズにより、FeRAMデバイスの動作の間、効果的なエネルギーの使用が容易になることができる。さらに、FeRAM動作を利用するデータおよびコマンドの性質により、FeRAMセルのアレイのページ・サイズを変動させることができる。
【0039】
DRAMを含むいくつかのメモリ・デバイス・アーキテクチャにおいて、メモリ・セルは、外部電源によって定期的にリフレッシュされない限り、時間とともにそれらの記憶した状態を失う場合がある。例えば、線形/パラリニア材料を有する、充電されたコンデンサが、漏洩電流を通じて時間とともに放電され、結果として、記憶した情報の消失となる場合がある。これらの揮発性メモリ・デバイスのリフレッシュ・レートは、相対的に高く、例えば、DRAMアレイでは毎秒数十回のリフレッシュ動作である場合があり、それは結果としてかなりのシステム消費電力となる場合がある。次第に大きくなるメモリ・アレイにより、消費電力の増加は、特に電池などの有限の電源に頼るモバイル・デバイスでは、メモリ・システムまたはサブシステム内のメモリ・アレイの配備または動作(例えば、電力供給、発熱、材料限界など)を抑制する恐れがある。
【0040】
上記に説明したように、強誘電メモリ・デバイスは、それらのエネルギー効率の良い可変ページ・サイズ動作と、リフレッシュ動作の欠如によるほぼゼロの待機電力などの強誘電コンデンサの不揮発性とにより、利点をもたらすことができ、それによって、電池寿命が増加し、待機または無給電(例えば、「オフ」)状態に続く瞬時オン動作、または、システム消費電力が低い、より高い面記憶密度などの機構が可能になることができる。不揮発性メモリ・システムまたはサブシステムのそのような機構は、例えば、消費電力が重要な設計要素である可能性があるモバイル環境において様々な電子装置をサポートすることができる。
【0041】
図4は、本開示の実施形態によるオン・デマンド・メモリ・ページ・サイズをサポートする例示的なシステム400を示す。システム400は、
図1を参照して説明したシステム100の実施例でもよく、デバイス405を含むことができる。デバイス405は、
図1を参照して説明したデバイス105の実施例でもよい。デバイス405は、プロセッサ430と、システム・メモリ・コントローラ420と、メモリ・デバイス480とを含むことができる。プロセッサ430は、バス410-aを介してシステム・メモリ・コントローラ420とともに動作するように構成することができる。システム・メモリ・コントローラ420は、バス410を介してプロセッサ430およびメモリ・デバイス480とともに動作するように構成することができる。プロセッサ430は、
図1を参照して説明したプロセッサ130の実施例でもよい。システム・メモリ・コントローラ420は、
図1を参照して説明したシステム・メモリ・コントローラ120の実施例でもよい。メモリ・デバイス480は、
図1を参照して説明したメモリ・デバイス180の実施例でもよい。バス410は、
図1を参照して説明したバス110の実施例でもよい。
【0042】
いくつかの実施例において、メモリ・デバイス480は、ローカル・メモリ・コントローラ481およびメモリ・アレイ482を含むことができる。ローカル・メモリ・コントローラ481は、
図1を参照して説明したローカル・メモリ・コントローラ181の実施例でもよい。メモリ・アレイ482は、
図1を参照して説明したメモリ・アレイ182の実施例でもよい。いくつかの実施例において、メモリ・アレイ482は、FeRAMセル、または、FeRAMとは異なる不揮発性メモリ技術を採用する他の種類の不揮発性メモリ・セルを含むことができる。上記に説明したように、FeRAMアレイは、特に、電池の消費電力が考慮するべき主な要因のうちの1つである可能性があるモバイル・システムにおいて、エネルギー効率の良い可変ページ・サイズ動作および強誘電コンデンサの不揮発性により、DRAMアレイよりも利点をもたらすことができる。いくつかの実施例において、ローカル・メモリ・コントローラ481は、メモリ・コマンドおよびメモリ・コマンドに含まれるデータの特性に関する可変ページ・サイズを処理するように構成することができる。ローカル・メモリ・コントローラ481は、メモリ・アレイ482とともに動作するように構成することができる。さらに、ローカル・メモリ・コントローラ481は、バス410-bを介してシステム・メモリ・コントローラ420とともに動作するように構成することができる。
【0043】
いくつかの場合において、システムは、プロセッサと、メモリ・アレイに関連付けられたローカル・メモリ・コントローラと、プロセッサおよびローカル・メモリ・コントローラと電子通信しているシステム・メモリ・コントローラとを含むことができ、システム・メモリ・コントローラは、メモリ・ページ・サイズを示すパラメータの第一の組を含むメモリ・アクセス要求をプロセッサから受け取ることと、メモリ・アクセス要求を受け取ることに少なくとも部分的に基づいてメモリ・アクセス・コマンドを構成することであって、メモリ・アクセス・コマンドは、メモリ・アレイのメモリ・ページ・サイズおよび識別を示すパラメータの第二の組を含み、パラメータの第二の組は、少なくとも部分的にパラメータの第一の組に基づく、構成することと、パラメータの第二の組を有するメモリ・アクセス・コマンドをローカル・メモリ・コントローラに送ることとを行うように動作可能であり、ローカル・メモリ・コントローラは、少なくとも部分的にパラメータの第二の組に基づいてメモリ・ページ・サイズを決定するように構成される。
【0044】
いくつかの場合において、パラメータの第一の組は、アクセス動作のデータおよびデータのサイズの指示を含み、パラメータの第二の組は、メモリ・アレイの識別と、メモリ・アレイに関連付けられたアドレスと、データのサイズとを含む。いくつかの場合において、パラメータの第一の組は、メモリ・アレイの開始アドレスおよび終了アドレスを含み、パラメータの第二の組は、メモリ・アレイの識別と、メモリ・アレイに関連付けられた開始アドレスと終了アドレスとを含む。いくつかの場合において、パラメータの第一の組は、アクセスするべきデータの場所を示すアドレスと、メモリ・ページ・サイズを決定するビットの数とを含み、パラメータの第二の組は、メモリ・アレイの識別と、メモリ・アレイに関連付けられたアドレスと、ローカル・メモリ・コントローラのメモリ・ページ・サイズとを含む。いくつかの場合において、パラメータの第一の組は、ビットの内容とメモリ・ページ・サイズとの関係のインジケータを含む。いくつかの場合において、パラメータの第一の組は、所定のメモリ・ページ・サイズに関連付けられたアドレスを含み、パラメータの第二の組は、メモリ・アレイの識別と、メモリ・アレイに関連付けられたアドレスと、ローカル・メモリ・コントローラの所定のメモリ・ページ・サイズとを含む。いくつかの場合において、所定のメモリ・ページ・サイズは、少なくとも部分的にアドレスに基づいて複数のメモリ・ページ・サイズから選択され、パラメータの第一の組は、アドレスと所定のメモリ・ページ・サイズとの関係の指示を含む。
【0045】
いくつかの場合において、システムが、システム・メモリ・コントローラと、メモリ・アレイに関連付けられたローカル・メモリ・コントローラと、システム・メモリ・コントローラおよびローカル・メモリ・コントローラと電子通信しているプロセッサとを含むことができ、プロセッサは、メモリ・ページ・サイズを示すパラメータの第一の組を含むメモリ・アクセス要求を、メモリ・アレイのメモリ・ページ・サイズを決定するように構成されたローカル・メモリ・コントローラに接続されるシステム・メモリ・コントローラに送り、メモリ・アクセス要求に従って1つまたは複数の動作を行うように動作可能である。いくつかの場合において、メモリ・アクセス要求は、1つまたは複数の読取り命令を含み、1つまたは複数の動作は、ローカル・メモリ・コントローラからデータを受け取ることを含む。いくつかの場合において、メモリ・アクセス要求は、1つまたは複数の書込み命令を含み、1つまたは複数の動作は、ローカル・メモリ・コントローラにデータを送ることを含む。
【0046】
いくつかの実施形態において、装置を説明する。装置は、メモリ・ページ・サイズを示すパラメータの第一の組を含むメモリ・アクセス要求をプロセッサから受け取る手段と、メモリ・アクセス要求を受け取ることに少なくとも部分的に基づいてメモリ・アクセス・コマンドを構成する手段であって、メモリ・アクセス・コマンドは、メモリ・ページ・サイズを示すパラメータの第二の組と、メモリ・アレイの識別とを含み、パラメータの第二の組は、少なくとも部分的にパラメータの第一の組に基づく、構成する手段と、パラメータの第二の組を有するメモリ・アクセス・コマンドをローカル・メモリ・コントローラに送る手段であって、ローカル・メモリ・コントローラは、少なくとも部分的にパラメータの第二の組に基づいてメモリ・ページ・サイズを決定するように構成される、送る手段とを含むことができる。
【0047】
いくつかの実施形態において、装置を説明する。装置は、メモリ・ページ・サイズを示すパラメータの第一の組を含むメモリ・アクセス要求を、メモリ・アレイのメモリ・ページ・サイズを決定するように構成されたローカル・メモリ・コントローラに接続されるシステム・メモリ・コントローラに送る手段と、メモリ・アクセス要求に従って1つまたは複数の動作を行う手段とを含むことができる。
【0048】
いくつかの実施形態において、装置を説明する。装置は、1つまたは複数の構成要素を動作させるためにシステム・メモリ・コントローラおよびローカル・メモリ・コントローラを介してメモリ・アレイにアクセスする手段を含むことができ、1つまたは複数の構成要素は、入力および出力(I/O)コントローラ、周辺構成要素、または基本入出力システム(BIOS)構成要素のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの場合において、装置は、メモリ・ページ・サイズを示すパラメータの第一の組を含むメモリ・アクセス要求をシステム・メモリ・コントローラに送る手段をさらに含むことができる。いくつかの場合において、装置は、ローカル・メモリ・コントローラからデータを受け取る手段をさらに含むことができる。いくつかの場合において、装置は、ローカル・メモリ・コントローラにデータを送る手段をさらに含むことができる。
【0049】
いくつかの場合において、装置は、メモリ・ページ・サイズを示すパラメータの第一の組を含むメモリ・アクセス要求をプロセッサから受け取る手段をさらに含むことができる。いくつかの場合において、装置は、メモリ・アクセス要求を受け取ることに少なくとも部分的に基づいてメモリ・アクセス・コマンドを構成する手段をさらに含むことができ、メモリ・アクセス・コマンドは、メモリ・アレイのメモリ・ページ・サイズおよび識別を示すパラメータの第二の組を含み、パラメータの第二の組は、少なくとも部分的にパラメータの第一の組に基づく。いくつかの場合において、装置は、パラメータの第二の組を有するメモリ・アクセス・コマンドをローカル・メモリ・コントローラに送る手段をさらに含むことができる。
【0050】
図5は、本開示の実施形態によるオン・デマンド・メモリ・ページ・サイズを動作させるための方法500を示す流れ図を示す。方法500の動作は、他のデバイスの中でも本明細書に説明するコントローラまたはその構成要素によって実施することができる。例えば、方法500の動作は、
図1を参照して説明したシステム・メモリ・コントローラ120または
図4を参照して説明したシステム・メモリ・コントローラ420によって行うことができる。いくつかの実施例において、システム・メモリ・コントローラが、以下に説明する機能を行うようにデバイスの機能要素を制御するためにコードの組を実行することができる。さらに、または代替案として、システム・メモリ・コントローラは、専用ハードウェアを使用して、以下に説明する機能の態様を行うことができる。
【0051】
ブロック505において、システム・メモリ・コントローラは、メモリ・ページ・サイズを示すパラメータの第一の組を含むメモリ・アクセス要求をプロセッサから受け取ることができる。ブロック505の動作は、
図1から4までを参照して説明した方法により行うことができる。
【0052】
ブロック510において、システム・メモリ・コントローラは、メモリ・アクセス要求を受け取ることに少なくとも部分的に基づいてメモリ・アクセス・コマンドを構成することができ、メモリ・アクセス・コマンドは、メモリ・アレイのメモリ・ページ・サイズおよび識別を示すパラメータの第二の組を含み、パラメータの第二の組は、少なくとも部分的にパラメータの第一の組に基づく。ブロック510の動作は、
図1から4までを参照して説明した方法により行うことができる。
【0053】
ブロック515において、システム・メモリ・コントローラは、パラメータの第二の組を有するメモリ・アクセス・コマンドをローカル・メモリ・コントローラに送ることができ、ローカル・メモリ・コントローラは、少なくとも部分的にパラメータの第二の組に基づいてメモリ・ページ・サイズを決定するように構成される。ブロック515の動作は、
図1から4までを参照して説明した方法により行うことができる。
【0054】
方法500を行うための装置を説明する。装置は、メモリ・ページ・サイズを示すパラメータの第一の組を含むメモリ・アクセス要求をシステム・メモリ・コントローラにおいてプロセッサから受け取る手段であって、システム・メモリ・コントローラは、プロセッサと、メモリ・アレイに関連付けられたローカル・メモリ・コントローラとに接続される、受け取る手段と、メモリ・アクセス要求を受け取ることに少なくとも部分的に基づいてメモリ・アクセス・コマンドを構成する手段であって、メモリ・アクセス・コマンドは、メモリ・アレイのメモリ・ページ・サイズおよび識別を示すパラメータの第二の組を含み、パラメータの第二の組は、少なくとも部分的にパラメータの第一の組に基づく、構成する手段と、パラメータの第二の組を有するメモリ・アクセス・コマンドをローカル・メモリ・コントローラに送る手段であって、ローカル・メモリ・コントローラは、少なくとも部分的にパラメータの第二の組に基づいてメモリ・ページ・サイズを決定するように構成される、送る手段とを含むことができる。
【0055】
方法500を行うための別の装置を説明する。装置は、プロセッサと電子通信しているシステム・メモリ・コントローラと、メモリ・アレイに関連付けられたローカル・メモリ・コントローラとを含むことができ、システム・メモリ・コントローラは、メモリ・ページ・サイズを示すパラメータの第一の組を含むメモリ・アクセス要求をプロセッサから受け取ることと、メモリ・アクセス要求を受け取ることに少なくとも部分的に基づいてメモリ・アクセス・コマンドを構成することであって、メモリ・アクセス・コマンドは、メモリ・アレイのメモリ・ページ・サイズおよび識別を示すパラメータの第二の組を含み、パラメータの第二の組は、少なくとも部分的にパラメータの第一の組に基づく、構成することと、パラメータの第二の組を有するメモリ・アクセス・コマンドをローカル・メモリ・コントローラに送ることとを行うように動作可能であることができ、ローカル・メモリ・コントローラは、少なくとも部分的にパラメータの第二の組に基づいてメモリ・ページ・サイズを決定するように構成される。
【0056】
本明細書に説明する方法500および装置のいくつかの実施例において、パラメータの第一の組は、アクセス動作のデータおよび該データのサイズの指示を含むことができ、パラメータの第二の組は、メモリ・アレイの識別と、メモリ・アレイに関連付けられたアドレスと、データのサイズとを含むことができる。本明細書に説明する方法500および装置のいくつかの実施例において、パラメータの第一の組は、メモリ・アレイの開始アドレスおよび終了アドレスを含むことができ、パラメータの第二の組は、メモリ・アレイの識別と、メモリ・アレイに関連付けられた開始アドレスと終了アドレスとを含むことができる。本明細書に説明する方法500および装置のいくつかの実施例において、パラメータの第一の組は、アクセスするべきデータの場所を示すアドレスと、メモリ・ページ・サイズを決定するビットの数とを含むことができ、パラメータの第二の組は、メモリ・アレイの識別と、メモリ・アレイに関連付けられたアドレスと、ローカル・メモリ・コントローラのメモリ・ページ・サイズとを含むことができる。本明細書に説明する方法500および装置のいくつかの実施例において、パラメータの第一の組は、ビットの内容とメモリ・ページ・サイズとの関係のインジケータを含むことができる。本明細書に説明する方法500および装置のいくつかの実施例において、パラメータの第一の組は、所定のメモリ・ページ・サイズに関連付けられたアドレスを含むことができ、パラメータの第二の組は、メモリ・アレイの識別と、メモリ・アレイに関連付けられたアドレスと、ローカル・メモリ・コントローラの所定のメモリ・ページ・サイズとを含むことができる。本明細書に説明する方法500および装置のいくつかの実施例において、所定のメモリ・ページ・サイズは、少なくとも部分的にアドレスに基づいて複数のメモリ・ページ・サイズから選択することができ、パラメータの第一の組は、アドレスと所定のメモリ・ページ・サイズとの関係の指示を含むことができる。
【0057】
図6は、本開示の実施形態によるオン・デマンド・メモリ・ページ・サイズを動作させるための方法600を示す流れ図を示す。方法600の動作は、他のデバイスの中でも本明細書に説明するプロセッサまたはその構成要素によって実施することができる。例えば、方法600の動作は、
図1を参照して説明したプロセッサ130または
図4を参照して説明したプロセッサ430によって行うことができる。いくつかの実施例において、プロセッサは、以下に説明する機能を行うようにデバイスの機能要素を制御するためにコードの組を実行することができる。さらに、または代替案として、プロセッサは、専用ハードウェアを使用して、以下に説明する機能の態様を行うことができる。
【0058】
ブロック605において、プロセッサは、メモリ・ページ・サイズを示すパラメータの第一の組を含むメモリ・アクセス要求をシステム・メモリ・コントローラに送ることができ、システム・メモリ・コントローラは、プロセッサと、メモリ・アレイに関連付けられたローカル・メモリ・コントローラとに接続され、ローカル・メモリ・コントローラは、メモリ・アレイのメモリ・ページ・サイズを決定するように構成される。ブロック605の動作は、
図1から4までを参照して説明した方法により行うことができる。
【0059】
ブロック610において、プロセッサは、メモリ・アクセス要求に従って1つまたは複数の動作を行うことができる。ブロック610の動作は、
図1から4までを参照して説明した方法により行うことができる。
【0060】
方法600を行うための装置を説明する。装置は、メモリ・ページ・サイズを示すパラメータの第一の組を含むメモリ・アクセス要求をプロセッサからシステム・メモリ・コントローラに送る手段であって、システム・メモリ・コントローラは、プロセッサと、メモリ・アレイに関連付けられたローカル・メモリ・コントローラとに接続され、ローカル・メモリ・コントローラは、メモリ・アレイのメモリ・ページ・サイズを決定するように構成される、送る手段と、メモリ・アクセス要求に従って1つまたは複数の動作を行う手段とを含むことができる。
【0061】
方法600を行うための別の装置を説明する。装置は、メモリ・アレイに関連付けられたローカル・メモリ・コントローラに接続されるシステム・メモリ・コントローラと電子通信しているプロセッサを含むことができ、ローカル・メモリ・コントローラは、メモリ・アレイのメモリ・ページ・サイズを決定するように構成され、プロセッサは、メモリ・ページ・サイズを示すパラメータの第一の組を含むメモリ・アクセス要求をシステム・メモリ・コントローラに送り、メモリ・アクセス要求に従って1つまたは複数の動作を行うように動作可能であることができる。
【0062】
本明細書に説明する方法600および装置のいくつかの実施例において、メモリ・アクセス要求は、1つまたは複数の読取り命令を含むことができ、1つまたは複数の動作は、ローカル・メモリ・コントローラからデータを受け取ることを含むことができる。本明細書に説明する方法600および装置のいくつかの実施例において、メモリ・アクセス要求は、1つまたは複数の書込み命令を含むことができ、1つまたは複数の動作は、ローカル・メモリ・コントローラにデータを送ることを含むことができる。
【0063】
上記に説明した方法が、可能な実装例を説明していること、動作およびステップを再構成することができ、または他のやり方で変更することができること、および他の実装例が可能であることに留意されたい。さらに、方法のうちの2つ以上からの機構は組み合わせることができる。
【0064】
本明細書に説明した情報および信号は、様々な異なる技術および技法のうちのいずれかを使用して表すことができる。例えば、上記の説明の全体にわたって参照することができるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界もしくは磁性粒子、光学場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せで表すことができる。いくつかの図面は、複数の信号を単一の信号として示すことができるが、しかし、信号は信号のバスを表すことができ、バスは様々なビット幅を有することができることが当業者によって理解されよう。
【0065】
本明細書では、「仮想接地(virtual ground)」という用語は、ほぼゼロボルト(0V)の電圧で維持されるが、接地に直接接続されない電気回路のノードを表す。したがって、仮想接地の電圧は、一時的に変動し、定常状態でほぼ0Vに復帰する場合がある。仮想接地は、演算増幅器および抵抗器からなる電圧分配器などの様々な電子回路要素を使用して実施することができる。他の実装例も可能である。「仮想接地すること(virtual grounding)」または「仮想的に接地されている(virtually grounded)」は、ほぼ0Vに接続されていることを意味する。
【0066】
「電子通信(electronic communication)」および「接続される(coupled)」という用語は、構成要素間の電子流をサポートする構成要素間の関係を表す。これは、構成要素間の直接接続を含むことができ、または中間構成要素を含むことができる。電子通信している構成要素または相互に接続された構成要素は、電子または信号を能動的に交換している可能性があり(例えば、通電回路において)、または電子または信号を能動的に交換していない可能性がある(例えば、非通電回路において)が、回路が通電され次第、電子または信号を交換するように構成し、動作可能であることができる。例として、スイッチ(例えば、トランジスタ)を介して物理的に接続された2つの構成要素が、スイッチの状態(すなわち、開路または閉路)にかかわらず電子通信し、または接続することができる。
【0067】
本明細書に説明した1つのトランジスタまたは複数のトランジスタは、電界効果トランジスタ(FET)を表すことができ、ソース、ドレイン、およびゲートを含む3つの端子のデバイスを含む。端子は、導体材料、例えば、金属を通じて他の電子的要素に接続することができる。ソースおよびドレインは、導電性であってもよく、高濃度にドープされた、例えば、縮退した、半導体領域を含むことができる。ソースおよびドレインは、低濃度にドープされた半導体領域またはチャネルによって分離することができる。チャネルがn型である(すなわち、多数キャリアが電子である)場合、FETは、n型FETと称することができる。チャネルがp型である(すなわち、多数キャリアがホールである)場合、FETは、p型FETと称することができる。チャネルは、絶縁ゲート酸化物で蓋をかぶせることができる。チャネル導電率は、電圧をゲートに印加することによって制御することができる。例えば正電圧または負電圧をそれぞれn型FETまたはp型FETに印加すると、結果としてチャネルが導電性となる可能性がある。トランジスタの閾値電圧以上の電圧がトランジスタのゲートに印加されたとき、トランジスタは、「オン」になり、または「作動される」可能性がある。トランジスタの閾値電圧未満の電圧がトランジスタのゲートに印加されたとき、トランジスタは「オフ」になり、または「動作が停止される」可能性がある。
【0068】
添付の図面に関連して本明細書に示した説明は、構成の実施例を説明しており、実施することができる、または特許請求の範囲内にあるすべての実施例を表しているわけではない。本明細書に使用した「例示的な(exemplary)」という用語は、「実施例、実例、または例示として働くこと」を意味し、「好ましい(preferred)」”または「他の実施例よりも有利(advantageous over other examples)」”であることを意味しない。詳細な説明は、説明した技法の理解をもたらすための具体的な詳細を含む。しかし、これらの技法は、これらの具体的な詳細なしで実施することができる。いくつかの実例において、説明した実施例の概念をあいまいにすることを回避するために、よく知られた構造およびデバイスをブロック図の形で示す。
【0069】
添付の図において、同様の構成要素または機構は、同じ参照ラベルを有することができる。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、引き出し線により参照ラベルに、および同様の構成要素を区別する第二のラベルに従うことによって区別することができる。第一の参照ラベルだけが本明細書に使用されている場合、説明は、第二の参照ラベルに関係なく、同じ第一の参照ラベルを有する同様の構成要素のうちの任意の1つに適用可能である。
【0070】
本明細書に説明する情報および信号は、様々な異なる技術および技法のうちのいずれかを使用して表すことができる。例えば、上記の説明の全体にわたって参照することができるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界もしくは磁性粒子、光学場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せで表すことができる。
【0071】
本明細書における本開示に関連して説明した様々な例示的なブロックおよびモジュールは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGAもしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理回路、個別ハードウェア構成要素、または本明細書に説明した機能を行うように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実施しまたは行うことができる。汎用プロセッサは、マイクロ・プロセッサでもよいが、選択的に、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロ・コントローラ、または状態マシンでもよい。プロセッサは、コンピューティング・デバイスの組合せ(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)とマイクロ・プロセッサとの、複数のマイクロ・プロセッサの、DSPコアと連動した1つまたは複数のマイクロ・プロセッサの、または任意の他のそのような構成の組合せ)として実施することもできる。
【0072】
本明細書に説明した機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実施することができる。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実施された場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令またはコードとして記憶または伝送することができる。他の実施例および実装例は、本開示および添付の特許請求の範囲内にある。例えば、ソフトウェアの性質により、上記に説明した機能は、プロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、配線、またはこれらのうちのいずれかの組合せによって実行されるソフトウェアを使用して実施することができる。機能を実施する機構は、機能の一部が、異なる物理的場所において実施されるように配分されることを含む、様々な位置に物理的に配置することもできる。また、本明細書では、特許請求の範囲において項目のリストに使用されたときの「または(or)」(例えば、「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」または「のうちの1つ以上(one or more of)」などの語句によって前置きされた項目のリスト)を含むことは、例えば、A、B、またはCのうちの少なくとも1つの一覧表がAまたはBまたはCまたはABまたはACまたはBCまたはABC(すなわち、AおよびBおよびC)を意味するように、包括リストを示す。また、本明細書では、「に基づいて(based on)」という語句は、条件の閉じた組への参照と解釈しないものとする。例えば、「条件Aに基づいて(based on condition A)」と説明される例示的なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件Aおよび条件Bの両方に基づくことができる。言い換えれば、本明細書では、「に基づいて(based on)」という語句は、「に少なくとも部分的に基づいて(based at least in part on)」という語句と同じように解釈するものとする。
【0073】
コンピュータ可読媒体は、非一時的なコンピュータ記憶媒体および一方の場所から別の場所へのコンピュータ・プログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体の両方を含む。非一時的な記憶媒体は、汎用または専用コンピュータによってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体でもよい。限定ではなく例として、非一時的なコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)、コンパクト・ディスク(CD)ROMもしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形で所望のプログラム・コード手段を搬送もしくは記憶するのに使用することができ、汎用もしくは専用コンピュータ、または汎用もしくは専用プロセッサによってアクセスすることができる任意の他の非一時的な媒体を含むことができる。また、任意の接続は、適正にコンピュータ可読媒体と呼ばれる。例えば、ソフトウェアが同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、撚り対線、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線通信、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモート・ソースから伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、撚り対線、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線通信、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。ディスク(disk)およびディスク(disc)には、本明細書では、CD、レーザ・ディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピ・ディスクおよびブルーレイ・ディスクが含まれ、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再現するが、ディスク(disc)はレーザを用いてデータを光学的に再現する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0074】
本明細書における説明は、当業者が本開示を製作または使用することを可能にするために提供される。本開示の様々な変更形態が当業者には容易に明らかであり、本明細書において明確にした一般原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用することができる。したがって、本開示は、本明細書に説明した実施例および設計に限定されないが、本明細書に開示した原理および新規の特徴に合致した最も広い範囲が与えられるものとする。