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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20231218BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20231218BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/1335
G02F1/13357
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022205499
(22)【出願日】2022-12-22
(62)【分割の表示】P 2019077909の分割
【原出願日】2019-04-16
(65)【公開番号】P2023024662
(43)【公開日】2023-02-16
【審査請求日】2022-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中岡 知球
(72)【発明者】
【氏名】加邉 正章
【審査官】堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-068705(JP,A)
【文献】特開2008-197664(JP,A)
【文献】特開2007-011313(JP,A)
【文献】特開平10-319217(JP,A)
【文献】米国特許第06487017(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333
G02F 1/1335
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を備えた表示部と、前記表示部を囲む非表示部と、を備えた表示パネルと、
前記表示パネルを照明する照明装置と、
前記表示パネルと前記照明装置との間に設けられた色分離素子と、を備え、
前記表示パネルは、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に位置する液晶層と、を備え、
前記第1基板は、前記色分離素子と前記第2基板との間に配置され、
前記第2基板は、遮光層と、前記非表示部において前記遮光層に形成された開口部と、を備え、
前記開口部は、スリット状に形成され、
前記色分離素子は、前記画素に重畳する第1素子と、前記第1素子とともに設けられ前記開口部に重畳する第2素子と、を備え、
前記第1素子及び前記第2素子は、前記第1基板と向かい合う側に形成され、
前記第1素子は、周期的な凹凸形状を有する回折素子であり、
前記第2素子は、前記第1素子の少なくとも1周期分の単位要素と同一の凹凸形状を有する回折素子であり、
前記第1素子は、前記照明装置からの照明光を複数の色の光に分離して前記画素に照射し、
前記第2素子は、前記照明装置からの照明光を複数の色の光に分離して前記開口部に照射する、表示装置。
【請求項2】
前記色分離素子と前記第1基板とを接着する接着材と、
前記色分離素子と前記第1基板との間に設けられた偏光板と、を備え、
前記偏光板は、前記第1基板に接着され、
前記接着材の厚さは、前記偏光板の厚さより大きい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記色分離素子と前記第1基板とを接着する接着材と、
偏光板と、を備え、
前記色分離素子は、前記偏光板と前記第1基板との間に設けられ、
前記偏光板は、前記色分離素子に接着されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1基板は、前記第2素子と前記開口部との間において遮光部材を含まない、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記色分離素子は、透明基材と、前記透明基材に積層された樹脂層と、を備え、
前記第1素子及び前記第2素子は、前記樹脂層に形成されている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記色分離素子は、透明基材を備え、
前記第1素子及び前記第2素子は、前記透明基材の同一面側に形成されている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2素子は、前記第1素子の周囲において、複数個所に設けられている、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、液晶表示装置において、一対の基板は、双方に形成されたアライメントマークに基づいて位置合わせされた後、互いに貼合される。この際、双方のアライメントマークは、焦点深度方向に離れているため、双方を同時に観察しながら数ミクロンオーダの誤差で位置合わせを行うことが困難である。
このような課題に対して、一例として、アライメントマークが形成された第1基板と、集光レンズが設けられた第2基板と、を備えた表示装置が提案されている。このような表示装置によれば、入射光が集光レンズによってアライメントマークに集光され、アライメントマークの目盛り線に集光像が形成され、集光像とアライメントマークとを観察しながら位置合わせが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-149110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、表示品位の低下を抑制することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、複数の画素を備えた表示部と、前記表示部を囲む非表示部と、を備えた表示パネルと、前記表示パネルを照明する照明装置と、前記表示パネルと前記照明装置との間に設けられた色分離素子と、を備え、前記表示パネルは、前記非表示部に開口部を備え、前記色分離素子は、前記画素に重畳する第1素子と、前記開口部に重畳する第2素子と、を備え、前記第1素子は、前記照明装置からの照明光を複数の色の光に分離して前記画素に照射し、前記第2素子は、前記照明装置からの照明光を複数の色の光に分離して前記開口部に照射する、表示装置が提供される。
本実施形態によれば、複数の画素を備えた表示部と、前記表示部を囲む非表示部と、を備えた表示パネルと、前記表示パネルを照明する照明装置と、前記表示パネルと前記照明装置との間に設けられた色分離素子と、を備え、前記表示パネルは、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に位置する液晶層と、を備え、前記第1基板は、前記色分離素子と前記第2基板との間に配置され、前記第2基板は、遮光層と、前記遮光層に形成された開口部と、を備え、前記開口部は、スリット状に形成され、前記色分離素子は、前記画素に重畳する第1素子と、前記第1素子とともに設けられ前記開口部に重畳する第2素子と、を備え、前記第1素子及び前記第2素子は、前記第1基板と向かい合う側に形成され、前記第1素子は、周期的な凹凸形状を有する回折素子であり、前記第2素子は、前記第1素子の少なくとも1周期分の単位要素と同一の凹凸形状を有する回折素子であり、前記第1素子は、前記照明装置からの照明光を複数の色の光に分離して前記画素に照射し、前記第2素子は、前記照明装置からの照明光を複数の色の光に分離して前記開口部に照射する、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態の表示装置DSPの一構成例を示す図である。
図2図2は、第1構成例の表示装置DSPを示す断面図である。
図3図3は、色分離素子100の第1素子110による色分離の概念を説明するための図である。
図4図4は、表示パネルPNLと色分離素子100との位置合わせの手法を説明するための図である。
図5図5は、色分離素子100の第2素子120による色分離の概念を説明するための図である。
図6図6は、開口部OPを観察した際に観察されるパターンの一例を示す図である。
図7図7は、第2構成例の表示装置DSPを示す断面図である。
図8図8は、第3構成例の表示装置DSPを示す断面図である。
図9図9は、第4構成例の表示装置DSPを示す断面図である。
図10図10は、第5構成例の表示装置DSPを示す断面図である。
図11図11は、第6構成例の表示装置DSPを示す断面図である。
図12図12は、第7構成例の表示装置DSPを示す断面図である。
図13図13は、第8構成例の表示装置DSPを示す断面図である。
図14図14は、第9構成例の表示装置DSPを示す断面図である。
図15図15は、第10構成例の色分離素子100を示す断面図である。
図16図16は、第11構成例の色分離素子100及び表示パネルPNLを示す平面図である。
図17図17は、図16に示した第2素子120及び開口部OPを拡大した平面図である。
図18図18は、第12構成例の色分離素子100及び表示パネルPNLを示す平面図である。
図19図19は、図18に示した第2素子120及び開口部OPを拡大した平面図である。
図20図20は、第13構成例の第2素子120を示す図である。
図21図21は、第14構成例の第2素子120を示す図である。
図22図22は、第15構成例の第2素子120を示す図である。
図23図23は、第16構成例の開口部OPを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの一構成例を示す図である。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、表示装置DSPの主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。
【0009】
表示装置DSPは、表示パネルPNLと、照明装置ILと、色分離素子100と、を備えている。照明装置IL、色分離素子100、及び、表示パネルPNLは、この順に第3方向Zに沿って配置されている。つまり、色分離素子100は、照明装置ILと表示パネルPNLとの間に設けられている。
【0010】
表示パネルPNLは、例えば液晶パネルである。表示パネルPNLは、画像を表示する表示部DAと、表示部DAを囲む額縁状の非表示部NDAと、を備えている。表示部DAは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。
図1において拡大して示すように、各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。共通電極CEは、複数の画素電極PEに対して共通に設けられている。液晶層LCは、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって駆動される。容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極と、画素電極PEと同電位の電極との間に形成される。
【0011】
照明装置ILは、表示パネルPNLを照明するように構成されている。照明装置ILは、第3方向Zに沿ってほぼ平行な照明光LWを色分離素子100に向けて出射する。照明光LWは、例えば白色光である。
色分離素子100は、照明光LWを複数の色に分離するように構成されている。一例では、色分離素子100は、照明光LWを、青色光LB、緑色光LG、及び、赤色光LRに分離し、表示パネルPNLに向けて出射する。分離された青色光LB、緑色光LG、及び、赤色光LRは、例えば、第1方向Xに並び、それぞれ第2方向Yに沿った線状に集光される。
【0012】
〔第1構成例〕
図2は、第1構成例の表示装置DSPを示す断面図である。表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、液晶層LCと、を備えている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、非表示部NDAにおいてシールSLによって接着されている。液晶層LCは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に位置し、シールSLによって封止されている。このような表示パネルPNLは、表示部DAにおいて、画素PXとして、例えば、赤色を表示する画素PXR、緑色を表示する画素PXG、及び、青色を表示する画素PXBを備えている。画素PXR、PXG、PXBは、第1方向Xに並んでいる。表示パネルPNLは、非表示部NDAにおいて、開口部OPを備えている。
【0013】
図2に示した例では、第1基板SUB1を構成する透明基板10のみを図示しているが、第1基板SUB1は、画素PXR、PXG、PXBの各々において、図1に示した走査線G、信号線S、スイッチング素子SW、画素電極PEなどを備えている。また、第1基板SUB1は、透明基板10と液晶層LCとの間に、図示しない透明絶縁膜や配向膜を備えている。第2基板SUB2は、透明基板20と、カラーフィルタCFR、CFG、CFBと、遮光層BMと、を備えている。また、第2基板SUB2は、透明基板20と液晶層LCとの間に、図示しない配向膜を備えている。透明基板10及び20は、ガラス基板やプラスチック基板などの絶縁基板である。赤色のカラーフィルタCFRは画素PXRに設けられ、緑色のカラーフィルタCFGは画素PXGに設けられ、青色のカラーフィルタCFBは画素PXBに設けられている。遮光層BMは、表示部DAにおいて、隣接するカラーフィルタCFR、CFG、CFBの間に設けられている。また、遮光層BMは、非表示部NDAにも設けられている。開口部OPは、シールSLよりも外側の遮光層BMに形成された貫通孔である。図2に示した例では、開口部OPは、第1開口部OP1と、第2開口部OP2と、第3開口部OP3と、を備えている。第1乃至第3開口部OP1乃至OP3は、第1方向Xに並んでいる。
【0014】
色分離素子100は、照明装置ILと第1基板SUB1との間に設けられている。また、第1基板SUB1は、色分離素子100と第2基板SUB2との間に設けられている。色分離素子100は、第1素子110と、第2素子120と、を備えている。第1素子110は、第3方向Zにおいて、画素PXR、PXG、PXBと重畳するように設けられている。第2素子120は、第3方向Zにおいて、開口部OPの第1乃至第3開口部OP1乃至OP3と重畳するように設けられている。第1基板SUB1は、第2素子120と開口部OPとの間において、金属配線や電極などの遮光部材を含まない。
【0015】
第1素子110及び第2素子120の各々は、第3方向Zに凹凸形状を有する回折素子である。第1素子110及び第2素子120は、例えば色分離素子100において、同一面側に形成されており、図2に示した例では、第1基板SUB1と向かい合う側に形成されている。このような色分離素子100は、接着材ADにより第1基板SUB1に接着されている。接着材AD及びシールSLが不透明である場合、あるいは、光散乱性を有する場合、第1素子110及び第2素子120は、第3方向ZにおいてシールSL及び接着材ADのいずれにも重畳しないように設けられる。図2に示した例では、第2素子120は、第1方向Xにおいて接着材ADとシールSLとの間に設けられている。
【0016】
偏光板PL1は、色分離素子100と第1基板SUB1との間に設けられ、第1基板SUB1に接着されている。偏光板PL1は、表示部DAに亘って設けられ、第3方向Zにおいて第1素子110に重畳している。接着材ADの厚さT1は、偏光板PL1の厚さT2より大きい。このため、第1素子110は、第1素子110から離間している。
偏光板PL2は、表示部DAに亘って設けられ、第2基板SUB2に接着されている。なお、偏光板PL1及びPL2は、第3方向Zにおいて第2素子120と重畳しないように設けられている。
【0017】
このような表示装置DSPにおいて、照明装置ILからの照明光LWは、第1素子110及び第2素子120において回折され、図1に示したように複数の色の光に分離される。第1素子110は、複数の色の光、例えば図1に示した青色光LB、緑色光LG、及び、赤色光LRをそれぞれ、青色の画素PXB、緑色の画素PXG、及び、赤色の画素PXRに照射する。第2素子120は、複数の色の光をそれぞれ開口部OPの第1乃至第3開口部OP1乃至OP3に照射する。これらの詳細については、後述する。
【0018】
図3は、色分離素子100の第1素子110による色分離の概念を説明するための図である。第1素子110は、一方向に並んだ複数の単位要素UEを備えている。複数の単位要素UEが並ぶ方向は、例えば上記の第1方向Xである。単位要素UEの各々は、同一の凹凸形状を有している。換言すると、第1素子110は、周期的な凹凸形状を有し、その一周期分が単位要素UEを構成している。単位要素UEは、照明装置ILから照明光LWが色分離素子100に対してほぼ垂直に入射した場合に、照明光LWを、青色光LB、緑色光LG、及び、赤色光LRに分離する機能を有するものである。第1単位要素UE1、第2単位要素UE2、及び、第3単位要素UE3は、1/3周期分ずれて配置された単位要素に相当する。第1単位要素UE1は、照明光LWのうち、主として赤色波長の赤色光LRを回折して集光する。第2単位要素UE2は、照明光LWのうち、主として緑色波長の緑色光LGを回折して集光する。第3単位要素UE3は、照明光LWのうち、主として青色波長の青色光LBを回折して集光する。なお、これらの第1乃至第3単位要素UE1乃至UE3は、主波長の光のみならず、他の波長の光も回折することは言うまでもない。
【0019】
表示パネルPNLは、色分離素子100によって各色の光が集光される位置の近傍に配置されている。表示パネルPNLは、一方向に並んだ複数の主画素MPを備えている。主画素MPの各々は、一方向に並んだ画素PXR、PXG、PXBを備えている。画素PXR、PXG、PXBが並ぶ方向は、単位要素UEが並ぶ方向と同一である。主画素MPは、1つの単位要素UEに重畳するように配置されている。集光された赤色光LRは、画素PXRに照射される。集光された緑色光LGは、画素PXGに照射される。集光された青色光LBは、画素PXBに照射される。
【0020】
次に、第2素子120について説明する。第2素子120は、表示パネルPNLと色分離素子100とを接着する際の位置合わせに利用されるものである。ここでは、まず、位置合わせの手法の一例について説明する。
【0021】
図4は、表示パネルPNLと色分離素子100との位置合わせの手法を説明するための図である。色分離素子100は、支持具210によって支持されている。支持具210は、第2素子120に重畳する貫通孔TH1を有している。表示パネルPNLは、支持具220によって支持されている。支持具220は、開口部OPに重畳する貫通孔TH2を有している。
位置合わせの際には、色分離素子100と表示パネルPNLとが離間した状態で、第1素子110及び第2素子120が表示パネルPNLと向かい合っている。支持具210がその下方(色分離素子100を支持している側とは反対側)から参照光L0で照明されると、参照光L0は貫通孔TH1を透過し、第2素子120に入射する。参照光L0は、上記の照明光LWと同様に、平行光であり、例えば白色光である。第2素子120は、参照光L0を複数の色に分離し、集光する。
一方で、表示パネルPNLの開口部OPは、図中の矢印Aで示す方向から、貫通孔TH2を介して、顕微鏡等で観察される。第2素子120によって分離された各色の光が開口部OPの所定の位置に集光されるように、表示パネルPNLと色分離素子100とが位置合わせされる。そして、位置合わせが完了した後に、表示パネルPNLと色分離素子100とを接近させ、接着材ADによって双方を接着する。
【0022】
図5は、色分離素子100の第2素子120による色分離の概念を説明するための図である。第2素子120は、例えば、図3に示した第1素子110の1個の単位要素UE(1周期分)と同一形状を有している。なお、第2素子120は、1個以上(1周期分以上)の単位要素UEと同一形状を有していてもよい。第2素子120は、参照光L0を、青色光LB、緑色光LG、及び、赤色光LRに分離し、集光する。
表示パネルPNLと色分離素子100との位置合わせが完了した際には、表示パネルPNLにおいて、集光された赤色光LRは、第1開口部OP1に照射される。集光された緑色光LGは、第2開口部OP2に照射される。集光された青色光LBは、第3開口部OP3に照射される。つまり、第2素子120の焦点は、第1乃至第3開口部OP1乃至OP3の近傍に設定されている。
【0023】
図6は、開口部OPを観察した際に観察されるパターンの一例を示す図である。なお、実際には、表示パネルPNLの遮光層BMは、開口部OPを除いて非表示部NDAのほぼ全域に設けられているが、ここでは、説明の便宜上、遮光層BMの一部を図示している。
赤色光LR、緑色光LG、及び、青色光LBは、それぞれ第2方向Yに沿った線状に集光される。第1開口部OP1、第2開口部OP2、及び、第3開口部OP3は、それぞれ第2方向Yに延びたスリット状(あるいは長方形状)に形成されている。
位置合わせが完了した状態では、集光された赤色光LRは、第1開口部OP1のほぼ中央において直線状の集光像として観察される。同様に、集光された緑色光LGは第2開口部OP2のほぼ中央において直線状の集光像として観察され、集光された青色光LBは第3開口部OP3のほぼ中央において直線状の集光像として観察される。
【0024】
表示パネルPNLと色分離素子100との位置合わせに際して、例えば、表示パネルPNLの第1基板SUB1に設けられたアライメントマークと、色分離素子100に設けられたアライメントマークとを顕微鏡で観察する場合を想定する。この場合、これらのアライメントマークは、第1基板SUB1の厚さと同等以上の距離だけ焦点深度方向に離れている。このため、双方のアライメントマークを同時に観察することが困難である。
【0025】
本実施形態によれば、色分離素子100によって参照光L0を複数の色の光に分離し、各色の光を表示パネルPNLの開口部OPに集光している。このため、開口部OPに顕微鏡の焦点を合わせることにより、開口部OPに重なる集光像を観察しながら位置合わせを行うことができる。つまり、焦点深度方向に離れた色分離素子100と表示パネルPNLとの位置合わせが、単焦点の顕微鏡で観察しながら実現できる。
また、位置合わせ用の第2素子120は、画素PXR、PXG、PXBの各々に所望の色の光を集光する第1素子110の単位要素UEと同一形状を有している。このため、第2素子120は、画素ピッチと同等の間隔で複数の色の光をそれぞれ集光することができる。これにより、ミクロンオーダの許容範囲内で精度よく位置合わせを行うことができる。
【0026】
次に、他の構成例について説明する。以下の第2乃至第7構成例については、表示パネルPNLの第1基板SUB1、色分離素子100、及び、偏光板PL1に着目して説明する。
【0027】
〔第2構成例〕
図7は、第2構成例の表示装置DSPを示す断面図である。図7に示す第2構成例は、図2に示した第1構成例と比較して、色分離素子100が偏光板PL1と第1基板SUB1との間に設けられた点で相違している。色分離素子100は、接着材ADにより第1基板SUB1に接着されている。色分離素子100において、第1素子110及び第2素子120は、第1基板SUB1と向かい合う側に形成されている。色分離素子100は、第1素子110及び第2素子120とは反対側に、平面100Aを有している。
偏光板PL1は、照明装置ILと色分離素子100との間に位置し、色分離素子100の平面100Aに接着されている。第2構成例では、偏光板PL1は、平面100Aの全面に設けられている。
このような第2構成例においても、上記したのと同様の効果が得られる。
【0028】
〔第3構成例〕
図8は、第3構成例の表示装置DSPを示す断面図である。図8に示す第3構成例は、図7に示した第2構成例と比較して、偏光板PL1が平面100Aのうち表示部DAと重畳する領域に設けられた点で相違している。また、偏光板PL1は、第3方向Zにおいて第2素子120とは重畳しない。
このような第3構成例においても、上記したのと同様の効果が得られる。また、第2素子120が偏光板PL1と重畳しないため、第2素子120に向かう光の一部が偏光板PL1によって吸収されることを抑制できる。
【0029】
〔第4構成例〕
図9は、第4構成例の表示装置DSPを示す断面図である。図9に示す第4構成例は、図2に示した第1構成例と比較して、色分離素子100において、第1素子110及び第2素子120が第1基板SUB1と向かい合う側の反対側に形成されている点で相違している。つまり、第1素子110及び第2素子120は、照明装置IL側を向くように設けられている。偏光板PL1は、色分離素子100と第1基板SUB1との間に設けられている。図9に示した例では、偏光板PL1は、透明基板10に接着されているが、色分離素子100に接着されていてもよい。
色分離素子100において、平面100Aは、偏光板PL1と向かい、透明な接着材AD1により偏光板PL1に接着されている。保護材30は、照明装置ILと色分離素子100との間に設けられ、接着材AD2により色分離素子100に接着されている。保護材30は、ガラス基板やプラスチック基板などの透明基板である。保護材30は、第1素子110及び第2素子120から離間し、第1素子110及び第2素子120と向かい合うように設けられ、第1素子110及び第2素子120を保護している。照明装置ILは、保護材30に接着されていてもよい。
【0030】
このような第4構成例においても、上記したのと同様の効果が得られる。また、照明装置ILが保護材30に接着されることにより、照明装置ILと表示パネルPNLとを近接して配置することができる。また、照明装置ILと表示パネルPNLとが近接する場合であっても、保護材30によって、第1素子110及び第2素子120の損傷を抑制することができる。
【0031】
〔第5構成例〕
図10は、第5構成例の表示装置DSPを示す断面図である。図10に示す第5構成例は、図9に示した第4構成例と比較して、保護材30を省略した点で相違している。
このような第5構成例においても、上記したのと同様の効果が得られる。また、部品点数を削減することができ、コストを削減することができる。このような第5構成例は、例えば、照明装置ILが色分離素子100から離間して配置される場合に好適である。
【0032】
〔第6構成例〕
図11は、第6構成例の表示装置DSPを示す断面図である。図11に示す第6構成例は、図9に示した第4構成例と比較して、色分離素子100が偏光板PL1と第1基板SUB1との間に設けられた点で相違している。色分離素子100は、接着材AD1により第1基板SUB1に接着されている。偏光板PL1は、照明装置ILと色分離素子100との間に位置し、接着材AD2により色分離素子100に接着されている。
換言すると、偏光板PL1は、第4構成例で説明した保護材30と置換されている。偏光板PL1は、第1素子110及び第2素子120から離間し、第1素子110及び第2素子120と向かい合うように設けられ、第1素子110及び第2素子120を保護している。なお、偏光板PL1は、表示部DAと重畳する領域において色分離素子100から離間しており、変形による光学特性の劣化等を抑制する観点で、高い剛性を有することが望ましい。
このような第6構成例においても、上記したのと同様の効果が得られる。
【0033】
〔第7構成例〕
図12は、第7構成例の表示装置DSPを示す断面図である。図12に示す第7構成例は、図11に示した第6構成例と比較して、色分離素子100が透明基板10の下面10Aに直接形成された樹脂層102を備えた点で相違している。第1素子110及び第2素子120は、樹脂層102に形成されている。偏光板PL1は、接着材AD2により樹脂層102に接着されている。
このような第7構成例においても、上記したのと同様の効果が得られる。また、色分離素子100を薄型化することができる。
【0034】
〔第8構成例〕
図13は、第8構成例の表示装置DSPを示す断面図である。図13に示す第8構成例は、図2に示した第1構成例と比較して、第1基板SUB1が金属層MLを備え、開口部OPが金属層MLに形成された貫通孔である点で相違している。金属層MLは、いずれの配線及び電極にも接続されていない島状に形成されていてもよいし、所定の電位の配線と電気的に接続されていてもよい。金属層MLは、モリブデン等の比較的低反射率の金属材料で形成されていることが望ましい。
図13に示した例では、開口部OPは、第1開口部OP1と、第2開口部OP2と、第3開口部OP3と、を備えている。第2素子120は、第3方向Zにおいて、開口部OPに重畳するように設けられている。第1基板SUB1は、第2素子120と開口部OPとの間において、金属配線や電極などの遮光部材を含まない。
このような第8構成例においても、上記したのと同様の効果が得られる。
【0035】
〔第9構成例〕
図14は、第9構成例の表示装置DSPを示す断面図である。図14に示す第9構成例は、図13に示した第8構成例と比較して、第2基板SUB2が開口部OPに重畳していない点で相違している。
このような第9構成例においても、上記したのと同様の効果が得られる。また、開口部OPは、第2基板SUB2を介することなく観察することができる。
【0036】
〔第10構成例;色分離素子100〕
図15は、第10構成例の色分離素子100を示す断面図である。
図15の(A)に示した例では、色分離素子100は、透明基材101と、透明な樹脂層102とを備えている。樹脂層102は、透明基材101に積層されている。第1素子110及び第2素子120は、樹脂層102に形成されている。
図15の(B)に示した例では、色分離素子100は、透明基材101を備えている。第1素子110及び第2素子120は、透明基材101の同一面側に形成されている。
図15の(A)及び(B)に示した各色分離素子100は、上記の第1乃至第9構成例にそれぞれ適用可能である。
【0037】
色分離素子100が第1基板SUB1に接着される上記の各構成例においては、熱膨張による色分離素子100及び第1基板SUB1の変形を抑制する観点で、色分離素子100の透明基材101の熱膨張係数は、第1基板SUB1の透明基板10の熱膨張係数と同等であることが望ましい。
【0038】
〔第11構成例〕
図16は、第11構成例の色分離素子100及び表示パネルPNLを示す平面図である。図16の(A)は、色分離素子100を示している。第2素子120は、第1素子110の周囲において、複数個所に設けられている。図16に示した例では、第1素子110は、長方形状の領域に亘って設けられている。第2素子120は、第1素子110の4つの角部の近傍にそれぞれ設けられている。第1素子110は、第2方向Yに沿って、2つの第2素子120の間に位置している。
図16の(B)は、表示パネルPNLを示している。表示部DAは、第1素子110と重畳する領域に亘って設けられている。開口部OPは、第2素子120と重畳する領域に設けられ、非表示部NDAにおいて、複数個所に設けられている。例えば、開口部OPの個数は、第2素子120の個数と同数である。色分離素子100及び表示パネルPNLが重なった際には、図2等で説明したように、第2素子120の各々が開口部OPに重畳する。
【0039】
このように、色分離素子100及び表示パネルPNLの位置合わせは、複数個所に設けられた第2素子120及び開口部OPに基づいて行われる。このため、第1方向X及び第2方向Yのみならず、X-Y平面内の回転方向(θ方向)についても精度よく位置合わせを行うことができる。なお、図16では、4個の第2素子120が設けられる例について説明したが、精度よく位置合わせを行う観点で、少なくとも2つの第2素子120が第1素子110の対角線方向に設けられることが望ましい。
【0040】
図17は、図16に示した第2素子120及び開口部OPを拡大した平面図である。図17の(A)は、第1素子110の一部及び第2素子120を示している。第1素子110は、第1方向Xに並んだ複数の単位要素UEを備えている。単位要素UEにおける凹凸部C1は、第2方向Yに沿って延出している。第2素子120は、第1素子110の単位要素UEと同一直線上に設けられている。すなわち、第2素子120における凹凸部C2は、第2方向Yに沿って延出している。凹凸部C1及びC2は、第2方向Yに沿った同一線上に設けられ、同一形状を有している。このため、第1素子110を形成する際に、第2素子120を容易に形成することができる。なお、図17の(A)に示した例では、第1素子110及び第2素子120は第2方向Yに離間しているが、第1素子110及び第2素子120が連続的に形成されていてもよい。
【0041】
図17の(B)は、画素PXR、PXG、PXB及び開口部OPを示している。画素PXR、PXG、PXBは、第1方向Xに並び、それぞれ遮光層BMによって区画されている。開口部OPにおいて、第1開口部OP1、第2開口部OP2、及び、第3開口部OP3は、第1方向Xに並んでいる。第1開口部OP1及び画素PXRは、第2方向Yに沿った同一直線上に設けられている。第2開口部OP2及び画素PXGは、第2方向Yに沿った同一直線上に設けられている。第3開口部OP3及び画素PXBは、第2方向Yに沿った同一直線上に設けられている。
【0042】
このような第11構成例における表示パネルPNLと色分離素子100との位置合わせは、複数の開口部OPの各々において、第1開口部OP1に赤色光LRの集光像が重なり、第2開口部OP2に緑色光LGの集光像が重なり、第3開口部OP3に青色光LBの集光像が重なるように行われる。つまり、表示パネルPNLと色分離素子100との位置合わせが完了した際には、すべての開口部OPにおいて、赤色光LR、緑色光LG、及び、青色光LBが第1方向Xにこの順に並ぶように観察される。一方、表示パネルPNLと色分離素子100とがずれている場合には、一部の開口部OPにおいて、観察される色の順序が異なる。
このように、複数の第2素子120及び複数の開口部OPに基づいて位置合わせを行うことにより、第1素子110と画素PXR、PXG、PXBとの位置合わせを精度良く行うことができる。
【0043】
〔第12構成例〕
図18は、第12構成例の色分離素子100及び表示パネルPNLを示す平面図である。図18の(A)は、色分離素子100を示している。第12構成例の色分離素子100は、第11構成例の色分離素子100と比較して、第2素子120が第1素子110に対して第1方向Xにずれた点で相違している。第1素子110は、第2方向Yに並んだ2つの第2素子120の間には位置していない。
図18の(B)は、表示パネルPNLを示している。表示部DAは、第1素子110と重畳する領域に亘って設けられている。開口部OPは、第2素子120と重畳する領域に設けられている。
【0044】
図19は、図18に示した第2素子120及び開口部OPを拡大した平面図である。図19の(A)は、第1素子110の一部及び第2素子120を示している。第1素子110において、複数の単位要素UEは、第1方向Xに沿ってピッチpで並んでいる。第2素子120は、第1素子110に対して、第1方向Xに沿ってp*nの距離だけ離れた位置に設けられている。なお、nは正の整数である。nがゼロの場合は、図17に示した第11構成例に対応する。
図19の(B)は、画素PXR、PXG、PXB及び開口部OPを示している。画素PXR、PXG、PXBは、第1方向Xに並んでいる。また、同一色を表示する画素、例えば赤色の画素PXRは、第1方向Xに沿ってピッチpで並んでいる。他の色の画素PXG及びPXBも、画素PXRと同一のピッチpで並んでいる。第1開口部OP1は、画素PXRに対して、第1方向Xに沿ってp*nの距離だけ離れた位置に設けられている。第2開口部OP2と画素PXGとの距離、及び、第3開口部OP3と画素PXBとの距離も、第1開口部OP1と画素PXRとの距離と同一である。
このような第12構成例においても、上記の第11構成例と同様の効果が得られる。
【0045】
〔第13構成例;第2素子120〕
図20は、第13構成例の第2素子120を示す図である。
図20の(A)は、第2素子120の平面図である。この第2素子120は、図3に示した第1素子110の1周期分の単位要素UEを備えている。
図20の(B)は、第2素子120の断面図である。この第2素子120は、例えば、図3に示した第2単位要素UE2と同一形状を有するものであり、主として緑色光LGを回折して集光する。なお、第2単位要素UE2は、図3を参照して説明したように、第1単位要素UE1の一部を含むため、赤色光LRを回折して集光する。また、第2単位要素UE2は、第3単位要素UE3の一部を含むため、青色光LBを回折して集光する。但し、第2単位要素UE2によって集光される赤色光LRの強度は、第1単位要素UE1と比較して小さい。また、第2単位要素UE2によって集光される青色光LBの強度は、第3単位要素UE3と比較して小さい。
図20の(C)は、開口部OPにおける集光像を示す図である。第2開口部OP2において、緑色光LGの集光像はクリアに観察される。一方で、第1開口部OP1における赤色光LRの集光像、及び、第3開口部OP3における青色光LBの集光像は、光強度が弱いため、緑色光LGの集光像ほどクリアには観察されない。以上のように、赤色光LR、緑色光LG、青色光LBのうち1色の光でアライメントマークを観察することも可能である。
【0046】
〔第14構成例;第2素子120〕
図21は、第14構成例の第2素子120を示す図である。
図21の(A)は、第2素子120の平面図である。この第2素子120は、図3に示した第1素子110の1周期分の単位要素UEに加えて、2/3周期分の単位要素UEを備えている。つまり、第2素子120は、第1単位要素UE1の全部、第2単位要素UE2の全部、及び、第3単位要素UE3の全部を備えている。
図21の(B)は、第2素子120の断面図である。この第2素子120は、第1単位要素UE1において主として赤色光LRを回折して集光し、第2単位要素UE2において主として緑色光LGを回折して集光し、第3単位要素UE3において主として青色光LBを回折して集光する。このため、第2素子120によって集光される赤色光LR、緑色光LG、及び、青色光LBのそれぞれの強度は、最大となる。
図20の(C)は、開口部OPにおける集光像を示す図である。第1開口部OP1における赤色光LRの集光像、第2開口部OP2における緑色光LGの集光像、及び、第3開口部OP3における青色光LBの集光像は、いずれもクリアに観察される。
【0047】
〔第15構成例;第2素子120〕
図22は、第15構成例の第2素子120を示す図である。
図22の(A)は、第2素子120及び開口部OPを示す平面図である。この第2素子120は、図3に示した第1素子110の3周期分の単位要素UEを備えている。表示パネルPNLにおいては、第2素子120に対応して、3個(あるいは3周期分)の開口部OPが形成されている。第2素子120が複数周期の単位要素UEを備える場合、表示パネルPNLにおいても開口部OPは、第2素子120と同様の周期分形成されることが望ましい。表示パネルPNLと色分離素子100との位置合わせが完了した際には、すべての開口部OPにおいて、赤色光LR、緑色光LG、及び、青色光LBが第1方向Xにこの順に並ぶように観察される。
一方、表示パネルPNLと色分離素子100とが第1方向Xに1周期分ずれている場合には、図22の(B)に示すように、一部の開口部OPにおいては集光像が観察されない。これにより、たとえ、赤色光LR、緑色光LG、及び、青色光LBが第1方向Xにこの順に並ぶように観察されたとしても、周期分のずれが生じているか否かを判断することができる。
【0048】
〔第16構成例;開口部OP〕
図23は、第16構成例の開口部OPを示す図である。
図23の(A)は、開口部OPを示す平面図である。開口部OPは、第1方向Xに並んだ第1開口部OP1、第2開口部OP2、及び、第3開口部OP3を備えている。第1乃至第3開口部OP1乃至OP3のそれぞれの第2方向Yの長さは、互いに異なる。図23に示した例では、第2開口部OP2は第1開口部OP1より長く、第3開口部OP3は第2開口部OP2より長い。
図23の(B)は、開口部OPにおける集光像を示す図である。第1開口部OP1における赤色光LRの集光像、第2開口部OP2における緑色光LGの集光像、及び、第3開口部OP3における青色光LBの集光像のそれぞれの第2方向Yの長さは、互いに異なる。このため、各色の集光像の視認性を向上することができる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態によれば、表示品位の低下を抑制することが可能な表示装置を提供することができる。
【0050】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0051】
本明細書にて開示した構成から得られる表示装置の一例を以下に付記する。
(1)
複数の画素を備えた表示部と、前記表示部を囲む非表示部と、を備えた表示パネルと、
前記表示パネルを照明する照明装置と、
前記表示パネルと前記照明装置との間に設けられた色分離素子と、を備え、
前記表示パネルは、前記非表示部に開口部を備え、
前記色分離素子は、前記画素に重畳する第1素子と、前記開口部に重畳する第2素子と、を備え、
前記第1素子は、前記照明装置からの照明光を複数の色の光に分離して前記画素に照射し、
前記第2素子は、前記照明装置からの照明光を複数の色の光に分離して前記開口部に照射する、表示装置。
(2)
前記第1素子及び前記第2素子の各々は、凹凸形状を有する回折素子である、(1)に記載の表示装置。
(3)
前記表示パネルは、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に位置する液晶層と、を備え、
前記第1基板は、前記色分離素子と前記第2基板との間に設けられ、
前記第1素子及び前記第2素子は、前記色分離素子において、前記第1基板と向かい合う側に形成されている、(1)または(2)に記載の表示装置。
(4)
前記色分離素子と前記第1基板とを接着する接着材と、
前記色分離素子と前記第1基板との間に設けられた偏光板と、を備え、
前記偏光板は、前記第1基板に接着され、
前記接着材の厚さは、前記偏光板の厚さより大きい、(3)に記載の表示装置。
(5)
前記色分離素子と前記第1基板とを接着する接着材と、
偏光板と、を備え、
前記色分離素子は、前記偏光板と前記第1基板との間に設けられ、
前記偏光板は、前記色分離素子に接着されている、(3)に記載の表示装置。
(6)
前記表示パネルは、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に位置する液晶層と、を備え、
前記第1基板は、前記色分離素子と前記第2基板との間に設けられ、
前記第1素子及び前記第2素子は、前記色分離素子において、前記第1基板と向かい合う側の反対側に形成されている、(1)または(2)に記載の表示装置。
(7)
前記色分離素子と前記第1基板との間に設けられた偏光板を備えている、(6)に記載の表示装置。
(8)
偏光板と、を備え、
前記色分離素子は、前記偏光板と前記第1基板との間に設けられている、(6)に記載の表示装置。
(9)
前記第2基板は、遮光層を備え、
前記開口部は、前記遮光層に形成された貫通孔である、(3)乃至(8)のいずれか1つに記載の表示装置。
(10)
前記第1基板は、金属層を備え、
前記開口部は、前記金属層に形成された貫通孔である、(3)乃至(8)のいずれか1つに記載の表示装置。
(11)
前記第1基板は、前記第2素子と前記開口部との間において遮光部材を含まない、(9)または(10)に記載の表示装置。
(12)
前記色分離素子は、透明基材と、前記透明基材に積層された樹脂層と、を備え、
前記第1素子及び前記第2素子は、前記樹脂層に形成されている、(1)乃至(11)のいずれか1つに記載の表示装置。
(13)
前記色分離素子は、透明基材を備え、
前記第1素子及び前記第2素子は、前記透明基材の同一面側に形成されている、(1)乃至(11)のいずれか1つに記載の表示装置。
(14)
前記第2素子は、前記第1素子の周囲において、複数個所に設けられている、(1)乃至(13)のいずれか1つに記載の表示装置。
(15)
前記第1素子は、周期的な凹凸形状を有し、
前記第2素子は、前記第1素子の少なくとも1周期分の単位要素と同一の凹凸形状を有している、(1)乃至(14)のいずれか1つに記載の表示装置。
(16)
前記開口部は、第1方向に並んだ第1開口部及び第2開口部を備え、
前記第1開口部の前記第1方向に交差する第2方向の長さは、前記第2開口部の前記第2方向の長さとは異なる、(1)乃至(15)のいずれか1つに記載の表示装置。
【符号の説明】
【0052】
DSP…表示装置
PNL…表示パネル OP…開口部
SUB1…第1基板 SUB2…第2基板 LC…液晶層
100…色分離素子 110…第1素子 120…第2素子
IL…照明装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図19
図20
図21
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