(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】5’-イノシン酸二ナトリウムの分離方法
(51)【国際特許分類】
C12P 19/32 20060101AFI20231218BHJP
C07H 19/20 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
C12P19/32 Z
C07H19/20
(21)【出願番号】P 2022519180
(86)(22)【出願日】2020-09-14
(86)【国際出願番号】 KR2020012364
(87)【国際公開番号】W WO2021075734
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-03-25
(31)【優先権主張番号】10-2019-0129324
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513178894
【氏名又は名称】シージェイ チェイルジェダン コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ジュン ファ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】オ,チャン ヨプ
(72)【発明者】
【氏名】リム,ファ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジュン ウ
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ジェ フン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ソク ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ユ シン
(72)【発明者】
【氏名】キム,イル チュル
【審査官】松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/105789(WO,A1)
【文献】特開昭58-111695(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0007985(KR,A)
【文献】特開平07-138281(JP,A)
【文献】米国特許第3409505(US,A)
【文献】英国特許出願公開第1168800(GB,A)
【文献】米国特許第3150058(US,A)
【文献】英国特許出願公開第965350(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12P 1/00- 41/00
C07H 1/00- 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
5’-イノシン酸
を生産
する微生物を培養する段階と、
前記培養により得られた微生物の培養液にNaOHを添加する段階と、
NaOHが添加された微生物の前記培養液から前記微生物を除去する段階と、
前記微生物が除去された前記培養液を濃縮する段階と、
濃縮された前記
培養液のpHを、7.4ないし8.0に調整する段階と、
pHが調整された
前記培養液を
、有機溶媒を使用しないで濃縮し、5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を形成する段階と、
前記5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を含む前記培養液から、5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を分離する段階と、
前記5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を
、C
1
-C
5
アルコールである親水性有機溶媒と接触させ、前記結晶を洗浄する段階と、
を含
み、微生物の前記培養液においてイオン交換クロマトグラフィが行われない、5’-イノシン酸二ナトリウムの分離方法。
【請求項2】
前記培養により得られた微生物
の前記培養液は、前記培養液の総重量基準で、5ないし20重量%の5’-イノシン酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記微生物は、Corynebacterium属バクテリアまたはEscherichia属バクテリアである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
pHが調整された前記培養液を前記濃縮する段階は、減圧濃縮を行う、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
pHが調整された前記培養液を前記濃縮する段階は、前記培養液中において、5’-イノシン酸の濃度が、400ないし550g/Lになるまで遂行する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記pHを調整する段階前、前記培養液を濃縮する段階は、前記培養液中において、5’-イノシン酸の濃度が、150ないし360g/Lになるまで遂行する、請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
前記pHを調整する段階前、前記培養液を濃縮する段階は、減圧濃縮を行う、請求項
1に記載の方法。
【請求項8】
pHが調整された前記培養液の前記濃縮
によって形成された
前記5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を冷却させる段階を
さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記冷却は、25ないし30℃に冷却する、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノールからなる群のうちから選択された少なくとも1以上である、請求項
1に記載の方法。
【請求項11】
前記親水性有機溶媒は、エタノールである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記親水性有機溶媒の濃度は、50ないし70%(v/v)である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記親水性有機溶媒の体積は、形成された結晶含有試料の総体積の20ないし50%である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記洗浄された結晶を、水性溶媒中において活性炭と接触させ、発色物質を除去する段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物培養物から5’-イノシン酸二ナトリウムを分離する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イノシン酸二ナトリウム(IMP 2Na:disodium 5’-inosinate)のようなプリン誘導体ヌクレオチドは、医薬部門において、代謝障害の予防治療剤、生長促進剤、抗癌剤などの原料として使用され、食品分野においては、調味料のような食品添加物として使用される重要な物質である。イノシン酸二ナトリウムは、肉類、魚類などに天然に存在する物質であるイノシン酸(IMP:inosinic acid)の魚肉抽出法、RNA酵素分解法、微生物発酵法、発酵法と合成法との組み合わせ、RNA化学分解と合成との組み合わせのようなものを介して製造される。
【0003】
イノシン酸二ナトリウムを製造するための前物質であるイノシン酸製造方法につき、多くの研究が進められ、食品添加物として使用されうる品質の5’-イノシン酸二ナトリウムを得るためには、イノシン酸を精製し、不純物を除去しなければならない。
【0004】
微生物を培養し、その培養物から5’-イノシン酸二ナトリウムを生産する方法につき、結晶化段階において、有機溶媒を使用することができるが、該有機溶媒を多く使用しなければならず、それにより、防爆設備、及び作業者のための設備が要求される。また、有機溶媒を除去するためには、蒸溜工程が必要にもなり、それによる設備が要求されるが、それに対する代案が必要となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、5’-イノシン酸の生産微生物を培養する段階と、前記微生物培養液のpHを、7.4ないし8.0に調整する段階と、前記pHが調整された培養液を濃縮し、5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を形成する段階と、前記5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を含む前記培養液から、5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を分離する段階と、分離された5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を親水性有機溶媒と接触させ、前記結晶を洗浄する段階と、を含む、5’-イノシン酸二ナトリウムの分離方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書において、「5’-イノシン酸(inosinic acid)」は、イノシン一リン酸(IMP:inosine monophosphate)ともいうヌクレオシドモノホスフェートである。「5’-イノシン酸」と「その塩」は、交換可能に使用される。前記塩は、「5’-イノシネート」または5’-イノシン酸二ナトリウムを含む。
【0007】
本明細書において、「培養物(culture)」は、微生物を培養して得られた結果物を示す。前記培養物は、前記微生物細胞、またはその代謝産物を含むものでもあり得る。前記代謝産物は、細胞内に存在するか、あるいは細胞外に存在しうる。前記代謝産物は、核酸代謝産物でもあり得る。前記核酸代謝産物は、5’-イノシン酸、またはその塩でもあり得る。
【0008】
本明細書において、「培養液(culture broth)」とは、培養物から微生物細胞を除去した液体部分を示す。前記培養液は、微生物から排出されるか、あるいはそれに由来する産物を含むものでもあり得る。前記培養液は、溶解性産物を含んでもよい。前記培養液は、5’-イノシン酸、またはその塩を含んでもよい。
【0009】
本発明の一態様は、5’-イノシン酸の生産微生物を培養する段階と、前記微生物培養液のpHを、7.4ないし8.0に調整する段階と、前記pHが調整された培養液を濃縮し、5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を形成する段階と、前記5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を含む前記培養液から、5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を分離する段階と、分離された5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を親水性有機溶媒と接触させ、前記結晶を洗浄する段階と、を含む、5’-イノシン酸二ナトリウムの分離方法を提供する。
【0010】
前記方法は、5’-イノシン酸を含む微生物培養物から細胞体を除去し、培養液を得る段階を含んでもよい。
【0011】
前記培養液を得る段階において、前記微生物は、5’-イノシン酸を生産する微生物でもあり得る。前記微生物は、5’-イノシン酸生産能が増大されるように、遺伝子組み換えされたものでもあり得る。前記微生物は、バクテリアでもあり得る。前記微生物は、グラム陽性バクテリアまたはグラム陰性バクテリアでもあり得る。前記バクテリアは、Corynebacterium属バクテリアまたはEscherichia属バクテリアでもあり得る。前記バクテリアは、C.glutamicum、C.ammoniagenesまたはE.coliでもあり得る。前記微生物は、5’-イノシン酸を細胞外に排出するものでもあり得る。
【0012】
前記微生物培養物は、培地中において5’-イノシン酸を生産させる条件において、前記微生物を培養して得られるものでもあり得る。前記微生物培養物は、5’-イノシン酸を含むものでもあり得る。前記培地は、5’-イノシン酸を発酵させるのに使用される公知の培地でもあり得る。前記培地は、炭素源、窒素源及び微量元素を含んでもよい。前記培地は、糖蜜またはとうもろこし浸漬液を含むものでもあり得る。前記培地は、LB培地でもあり得る。前記培地は、蒸溜水1L当たり、ブドウ糖46g、果糖30g、酵母抽出物10g、KH2PO4 18g、K2HPO4 42g、尿素6g、MgSO4・7H2O 10g、ビオチン30μg及びチアミン塩酸塩5mgを含むものでもあり得る。
【0013】
前記微生物培養物は、培養物総重量基準で、0.5ないし20重量%、1.0ないし20重量%、2.5ないし20重量%、5ないし20重量%、または5ないし10重量%の5’-イノシン酸を含むものでもあり得る。前記5’-イノシン酸は、細胞以外の培地中に存在するものでもあり得る。前記微生物培養物は、pH6ないし9を有するものでもあり得る。前記微生物培養物は、イオン交換クロマトグラフィまたは有機溶媒、例えば、メタノール晶析が行われないのでもあり得る。
【0014】
細胞体の除去は、培養物内において、液体成分から、細胞または細胞分解物(debris)を除去するものでもあり得る。該細胞体の除去は、公知の方法によっても行われる。該細胞体の除去は、濾過、遠心分離、またはその組み合わせを遂行するものでもあり得る。
【0015】
前記方法は、前記培養液のpHを、7.4ないし8.0に調整する段階を含んでもよい。pH調整は、前記培養液に、酸または塩基を添加しても行われる。前記酸は、塩酸でもあり得る。前記塩基は、NaOHでもあり得る。前記pHは、pH7.4ないし8.0、pH7.6ないし8.0、pH7.8ないし8.0、pH7.4ないし7.8、またはpH7.4ないし7.6でもあり得る。
【0016】
前記方法は、前記pHが調整された培養液を濃縮し、5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を形成する段階を含んでもよい。該段階は、培養液を濃縮し、5’-イノシン酸を5’-イノシン酸二ナトリウム結晶に転換させる結晶化過程でもあり得る。本結晶化過程は、単に前記培養液を濃縮し、培養液内において、5’-イノシン酸濃度を上昇させて遂行されるものであり、有機溶媒を使用しないものでもあり得る。使用しない前記有機溶媒は、親水性有機溶媒でもあり得る。使用しない前記親水性有機溶媒は、C1-C5アルコール、または水とC1-C5アルコールとの混合物でもあり得る。前記アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、及びそれらの混合物からなる群のうちから選択された少なくとも1以上でもあり得る。使用しない前記親水性有機溶媒は、エタノールでもあり得る。前記エタノールの濃度は、体積基準で、水内において、50ないし70%でもあり得る。
【0017】
前記pHが調整された培養液を濃縮する段階は、培養液の水分含量を低減させるものでもあり得る。前述の濃縮する段階は、前記培養液に熱を加えて水分を蒸発させるものでもあり得る。前述の濃縮する段階は、培養液を、50℃以上、60℃以上、70℃以上、80℃以上、90℃以上、50ないし90℃、50ないし80℃、50ないし70℃、50ないし60℃、60ないし90℃、60ないし80℃、60ないし70℃、または60ないし65℃で行われるものでもあり得る。前述の濃縮する段階は、減圧濃縮を行うものでもあり得る。前述の濃縮する段階は、培養液中において、5’-イノシン酸濃度を上昇させ、5’-イノシン酸二ナトリウム結晶が形成されるまで遂行するものでもあり得る。前述の濃縮する段階は、培養液中において、5’-イノシン酸の濃度が、380ないし600g/L、400ないし550g/L、400ないし500g/L、400ないし475g/L、または425ないし475g/Lになるまで遂行するものでもあり得る。前述の濃縮する段階は、5’-イノシン酸二ナトリウム結晶が形成され、培養液が、結晶を含むスラリー形状を有するまで遂行するものでもあり得る。以下、結晶を含むスラリー溶液を「結晶スラリー(crystal slurry)」とも言う。本明細書において、「スラリー(slurry)」は、液体一般において、水中に懸濁された、比重(specific gravity)1より大きい固体、例えば、結晶の混合物を示す。前記結晶の大きさは、20ないし400μmの粒子サイズを有することができる。
【0018】
前記方法は、培養液のpHを調整する段階前、前記培養液を濃縮する段階をさらに含んでもよい。該濃縮段階は、培養液中の5’-イノシン酸二ナトリウム結晶が形成されないか、あるいは実質的に形成されないものでもあり得る。前述の濃縮する段階は、培養液の水分含量を低減させるものでもあり得る。前述の濃縮する段階は、前記培養液に熱を加え、水分を蒸発させるものでもあり得る。前述の濃縮する段階は、培養液中において、5’-イノシン酸の濃度が、150ないし360g/Lになるまで遂行するものでもあり得る。前記濃縮段階において、5’-イノシン酸の濃度は、150ないし360g/L、200ないし300g/L、220ないし280g/L、または240ないし280g/Lでもあり得る。前述の濃縮する段階は、培養液を、50℃以上、60℃以上、70℃以上、80℃以上、90℃以上、50ないし90℃、50ないし80℃、50ないし70℃、50ないし60℃、60ないし90℃、60ないし80℃、60ないし70℃、または60ないし65℃にして遂行されるものでもあり得る。前述の濃縮する段階は、減圧濃縮を行うものでもあり得る。
【0019】
前記方法は、前述の濃縮する段階後に形成された結晶を含む前記培養液を冷却させる段階をさらに含んでもよい。前記冷却は、25ないし45℃、25ないし40℃、25ないし35℃、または25ないし30℃に冷却するものでもあり得る。前述の冷却させる段階は、結晶スラリーを一定速度で冷却するものでもあり得る。前記冷却は、1.0ないし3.0時間、例えば、1.5ないし2.5時間、または2時間、前記冷却温度で冷却を行うものでもあり得る。前記一定冷却速度は、8.0ないし17.0℃/hr、例えば、10.0ないし15.0℃/hr、1.0ないし14。0℃/hr、2.0ないし13.0℃/hr、または約12.5℃/hrでもあり得る。前記冷却は、形成された結晶スラリーをジャケット型ガラス結晶管に導入し、撹拌しながら行うものでもあり得る。低い温度で冷却するとき、溶解度が低くなり、結晶をさらに回収することができる。また、均一な速度で冷却するとき、さらにしっかりして高品質の結晶を得ることができる。
【0020】
前記方法は、冷却完了後、前記スラリーを前記冷却温度でインキュベーションし、結晶を熟成する段階をさらに含んでもよい。前記インキュベーションは、1ないし5時間、1ないし4時間、1ないし3時間、1.5ないし2.5時間、または約2時間行うものでもあり得る。前記インキュベーションは、結晶スラリーをジャケット型ガラス結晶管に入れ、撹拌しながら行うものでもあり得る。
【0021】
前記方法は、形成された5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を含む前記培養液から、5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を分離する段階をさらに含んでもよい。
【0022】
前述の結晶を分離する段階は、本発明の目的を外れない範囲内において、公知の結晶分離方法を遂行するものでもあり得る。前述の結晶を分離する段階は、例えば、遠心分離、濾過、またはその組み合わせを遂行するものでもあり得る。前記遠心分離は、回転速度100gないし1,000g、100gないし800g、100gないし500g、300gないし1,000g、または500gないし1,000gで行われるものでもあり得る。前記遠心分離は、回転時間10ないし30分間行われるものでもあり得る。
【0023】
前記方法は、分離された5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を親水性有機溶媒と接触させ、結晶を洗浄する段階を含んでもよい。
【0024】
前述の洗浄する段階において、前記接触は、前記結晶を親水性有機溶媒と混合することを含んでもよい。前記洗浄は、前記結晶から不純物を除去し、不純物含量を低減させるものでもあり得る。前記親水性有機溶媒は、C1-C5アルコール、または水とC1-C5アルコールとの混合物でもあり得る。前記アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、またはそれらの混合物でもあり得る。前記親水性有機溶媒は、体積基準で、水中において、50ないし70%、60ないし70%、55.0ないし65.0%、または60%の濃度でもあり得る。前記親水性有機溶媒は、エタノール、または水とエタノールとの混合物でもあり得る。前記エタノールは、価格が廉価であり、有害性が低いという点において、有利でもあり得る。前記親水性有機溶媒は、体積基準で形成された結晶含有試料の10ないし50%、例えば、20ないし50%、15ないし40%、20ないし40%、25ないし40%、25ないし35%、または25ないし50%でもあり得る。
【0025】
前記方法において、結晶を分離する段階と、結晶を洗浄する段階は、同時に遂行されるものでもあり得る。また、結晶を分離する段階と、結晶を洗浄する段階は、別個に遂行されるものでもあり得る。
【0026】
前記本発明の方法は、洗浄された結晶を、水性溶媒内において活性炭と接触させ、発色物質を除去する段階をさらに含んでもよい。前記接触は、前記洗浄された結晶を、水性溶媒内において活性炭と混合し、インキュベーションするものでもあり得る。前記水性溶媒は、水でもあり得る。
【0027】
前記発色物質を除去する段階は、前記洗浄された結晶を、250ないし500g/L濃度になるように、水に溶解させる段階、及び結晶含有水溶液に、5’-イノシン酸の重量基準で、0.1ないし10%の活性炭を添加する段階を含むものでもあり得る。前記接触は、40ないし80℃で遂行されるものでもあり得る。
【発明の効果】
【0028】
本発明による5’-イノシン酸二ナトリウムの分離方法によれば、5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を効率的に分離することができる。特に、前記方法によれば、有機溶媒は、洗浄段階でのみ使用され、その使用量が少ない。前記方法によれば、分離された5’-イノシン酸二ナトリウム結晶は、その分離収率が高く、純度が高い。
【0029】
具体的には、前記培養液のpHを調整する段階により、5’-イノシン酸二ナトリウム結晶の分離収率を顕著に上昇させることができる。また、分離された5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を親水性有機溶媒と接触させ、結晶を洗浄する段階により、水で洗浄する場合に比べ、収率低下が防止され、形成された結晶の色が改善されながら、結晶内有害有機溶媒含量が顕著に低減されるが、経済性確保が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明について、実施例を介してさらに詳細に説明する。しかし、該実施例は、本発明について例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲は、該実施例によって限定されるものではない。
【0031】
実施例:IMP発酵、及び培養物からのIMP分離
1.IMP生産及び微生物の培養
コリネバクテリウムグルタミカム(Corynebacterium glutamicum)を、培地18Lを含む30L発酵培養器に接種し、31℃で140時間培養し、培養物において、5’-イノシン酸(IMP)を生成した。前記5’-イノシン酸は、細胞外に分泌され、培養液中に存在した。前記培地は、初期pHは、pH7.2であり、蒸溜水1L当たり、ブドウ糖46g、果糖30g、酵母抽出物10g、KH2PO4 18g、K2HPO4 42g、尿素6g、MgSO4・7H2O 10g、ビオチン30μg及びチアミン塩酸塩5mgを含んでいる。最終生成された培養物のpHは、6.8であった。
【0032】
生成された培養物に、50w/w%含量のNaOHを添加し、pHを10.5に調整した後、マイクロフィルタを介して濾過し、菌体を除去し、上澄み液を得た。上澄み液内において、5’-IMPは、HPLCを使用し、その濃度を測定した。前記上澄み液は、140g/Lの5’-IMPを含んでいる。
【0033】
2.5’-イノシン酸二ナトリウム結晶の形成
前記濾過液2Lを、ロータリ蒸発器(rotary evaporator)(N-1110V、東京理化器械株式会社(EYELA))に入れ、濾過液中の水分を蒸発させ、5’-IMPの濃度が260g/Lになるまで濾過液を濃縮した。該蒸発は、真空制御器NVC-2200を使用し、蒸発器内部圧力120mmHg、容器温度65℃及び蒸発速度1L/hrにして進めた。このとき、容器内部濾過液の温度は、55℃であった。該濃縮過程を、以下、「一次濃縮」という。
【0034】
その結果、得られた濃縮された濾過液は、pH9.0であり、温度は55℃であった。最初濾過液のpHが10.5から9.0に変更されたのは、蒸発過程において、アンモニアが除去されたためであると見られる。
【0035】
次に、得られた濃縮された濾過液1077mLに、1L当たり4.5mLの35%(v/v)塩酸を添加し、pHを7.4に調整し、温度55℃に維持されるように保温した。以下、該過程を「pH調整過程」という。
【0036】
pHが調整された前述の濃縮された濾過液1,082mLを、前記ロータリ蒸発器に入れ、前述のところと同一条件で、濾過液中において、5’-IMPの濃度460g/Lの結晶と液体とが混合された過飽和溶液、すなわち、スラリー状態になるまで濃縮した。ここで、5’-IMPの濃度「460g/L」は、溶解された5’-IMPと、5’-IMP 2Na結晶とのいずれもの量を指す。その結果、前記過飽和溶液608mLにおいて、5’-IMPと2Na+イオンとが5’-イノシン酸二ナトリウム(以下、「5’-IMP 2Na」ともする)結晶として析出され、前述の濃縮された濾過液は、固体相の結晶と、液体相の濾過液とが混合された粘性の懸濁液になった(以下、「スラリー」ともする)。結晶化が終わった直後、得られたスラリーの温度は、55℃でありpHは、8.0であった。該過程を、以下、「二次濃縮過程及び結晶化過程」という。すなわち、前記二次濃縮過程及び結晶化過程により、5’-IMP 2Na結晶が形成されたが、それは、有機溶媒を使用せずとも、濃縮により、5’-IMPが5’-IMP 2Na結晶に転換されうるということを示す。それは、通常の技術者が予期しえない顕著な効果である。
【0037】
前記スラリー608mLを、ジャケット型ガラス結晶管に導入し、上部にオーバーヘッドステーラ(東京理化器械株式会社(EYELA)、zz-2121)を設け、200rpmで撹拌しながら、2時間30℃まで12.5℃/hrの冷却速度で冷却した。ジャケット型ガラス結晶管は、一定速度でスラリーを冷却させるために使用した。冷却完了後、前記スラリーを含むジャケット型ガラス結晶管を撹拌しながら、30℃で2時間インキュベーションした。該過程は、結晶成長を持続させるための熟成過程に該当する。以下、該過程を「冷却過程及び熟成過程」と称する。
【0038】
3.5’-イノシン酸二ナトリウム結晶の回収
得られた熟成されたスラリーから、5’-IMP 2Na結晶を分離した。具体的には、得られた熟成されたスラリー608mLを、バスケット分離器H-110F((株)コクサン)に入れ、340xgで20分間遠心分離した。前記H-110F遠心分離機は、その内部に孔があいたバスケット(perforated basket)が設けられており、該バスケットは、外部回転駆動器(external rotation supply)に連結されている。孔があいたバスケットは、ポリアミドマルチフィラメント纎維フィルタ纎維材(polyamide multi filament fiber filter fabric)によってなっており、フィルタの空気透過度は、2mbarで250L/m2/sである。前記遠心分離結果、スラリーから液体が除去されたIMP 2Na結晶を含むケーキ(cake)300gを得た。
【0039】
次に、そこに、60%(v/v)エタノール水溶液150mlを噴射し、IMP 2Na結晶を洗浄した(以下、「エタノール洗浄」とも言う)。洗浄結果、272gの5’-IMP 2Na結晶を回収し、常温で24時間乾燥させ、乾燥された柱状型の5’-IMP 2Na結晶265gを得た。該5’-IMP 2Na結晶は、5’-IMP 2Na結晶7.5水和物とも言う。
【0040】
得られた乾燥された5’-IMP 2Na結晶につき、純度及び透過度を測定した。その結果、乾燥された5’-IMP 2Na結晶は、収率94.6%、純度95.7%及び透過も86.10%であった。前記収率及び前記純度は、次の数式1によって計算した。
【0041】
【0042】
純度を決定するために、前記乾燥された5’-IMP 2Na結晶及び標準5’-IMP 2Na結晶(Sigma、≧9.0%(HPLC))1.0gを三次蒸溜水1Lに溶かし、それぞれ1.0g/L濃度の実験群及び標準品の溶液を製造した。該実験群及び該標準品の溶液5μLを、Agilent 1260 Infinity Quaternary LC(Agilent Technology Inc.)システム中のカラムにローディングした。前記カラムは、Shiseido CAPCELL PAK C18 ACR(150mmx4.6mm、3μm)であった。次に、前記カラムに、アセトニトリル2%(v/v)/フォスフェートバッファ(pH2.4)98%(v/v)を1ml/minの流速で流しながら、流れ出る溶出液につき、254nmにおける吸光度を測定した。前記フォスフェートバッファは、リン酸アンモニウム2g/L、テトラブチルアンモニウムホスフェート0.2g/L及びリン酸0.82g/Lを含む。このとき、温度は、35℃であった。該HPLC条件は、濾過液中の5’-IMP濃度を測定するときも使用した。その結果、該純度は、下記数式2によって計算した。
【0043】
【0044】
また、透過度測定のために、前記実験群を、5(w/v)%濃度で、水中に溶解させて得た溶液を、CARY 100 UV-VIS(Agilent Technology Inc.)機器の四角形セルに入れ、420nmで透過度を測定した。
【0045】
また、対照群1実験として、前述の「5’-イノシン酸二ナトリウム結晶の回収」において、洗浄過程において、60%(v/v)エタノール水溶液を使用しないことを除いては(以下、「無洗浄」とも言う)、同一方法で、5’-IMP 2Na結晶を回収した。その結果、得られた5’-IMP 2Naの精製された結晶は、乾燥重量が266gであり、収率95%、純度86.40%、透過度40.48%であった。
【0046】
また、対照群2実験として、前述の「5’-イノシン酸二ナトリウム結晶の回収」において、洗浄過程において、60%(v/v)エタノール水溶液の代わりに、5’-IMP 2Na結晶スラリー体積対比で、25%含量の脱イオン水を使用したことを除いては、同一方法で、5’-IMP 2Na結晶を回収した(以下、「水洗浄」とも言う)。その結果、得られた5’-IMP 2Naの精製された結晶は、乾燥重量が240gであり、収率85.7%、純度94.64%、透過度72.72%であった。
【0047】
【0048】
表1は、実験群、対照群1及び対照群2で得られた5’-IMP 2Na結晶の乾燥重量、収率、純度及び透過度を示す。表1に示されているように、結晶の分離過程において、60%(v/v)エタノール水溶液を使用した場合、洗浄を行わない場合や、水で洗浄した場合に比べ、結晶の純度及び透過度が同時に改善された。具体的には、該実験群は、対照群1及び対照群2に比べ、純度が、10.8%及び1.1%上昇し、透過度が、112.7%及び18.4%上昇した。そのような純度及び透過度の上昇は、従来技術から予期しえない顕著な効果である。特に、透過度が、112.7%及び18.4%上昇したということは、生成された5’-IMP 2Na結晶が、容易に食品用規格を満足させることができるという長所がある。具体的には、食品用規格に合うためには、透過度98%レベルではなければならないが、対照群1,2は、2回以上の再結晶化を行わなければならない一方、該実験群は、追加1回の遂行でも、食品用規格に達するのである。また、対照群1,2を実験群レベルで合わせようとすれば、水洗量増加が必要であり、回収率が下落してしまう。
【0049】
4.結晶化段階におけるpHの影響
本節においては、結晶化段階における溶液のpHが、5’-IMPの結晶化に及ぼす影響を確認した。
【0050】
具体的には、前述の「2.5’-イノシン酸二ナトリウム結晶の形成」において、「一次濃縮」後、得られた濃縮された濾過液(pH9.0)2,000mLに、35%(v/v)塩酸を添加し、pHを7.2に調整し、温度55℃が維持されるように保温した。
【0051】
そのようにpHが調整された前記濃縮された濾過液2,000mLを、前記ロータリ蒸発器に入れ、前述のところと同一条件において、濾過液中において、5’-IMPの濃度400g/Lの結晶と、液体とが混合された過飽和溶液、すなわち、スラリー状態になるまで濃縮した。ここで、5’-IMPの濃度「400g/L」は、溶解された5’-IMP、及び5’-IMP 2Na結晶のいずれもの量を意味する。その結果、前記過飽和溶液608mLにおいて、5’-IMPと2Na+イオンとが5’-IMP 2Na結晶として析出され、前記濃縮された濾過液は、固体相の結晶と、液体相の濾過液とが混合された粘性の懸濁液になった(以下、「スラリー」とも言う)。結晶化が終わった直後、得られたスラリーの温度は、55℃であり、pHは8.0であった。
【0052】
前記スラリー608mLを、ジャケット型ガラス結晶管に導入し、上部に、オーバーヘッドステーラ(東京理化器械株式会社(EYELA)、zz-2121)を設け、200rpmで撹拌しながら、2時間30℃まで12.5℃/hrの冷却速度で冷却した。ジャケット型ガラス結晶管は、一定速度でスラリーを冷却するために使用した。冷却完了後、前記スラリーを含むジャケット型ガラス結晶管を撹拌しながら、30℃で2時間インキュベーションした。該過程は、結晶成長を持続させるための熟成過程に該当する。以下、該過程を「冷却過程及び熟成過程」と称する。
【0053】
冷却された濾過液608mLに、35%(v/v)塩酸及び50% NaOH溶液を使用し、pHが7.4ないし9.0になるようにした。各pHの濾過液の上澄み液を、前述のように、HPLCにローディングして溶出させ、濾過液中における5’-IMPの濃度を測定した。表2は、pHによる濾過液中における5’-IMP濃度を示す。
【0054】
【0055】
表2に示されているように、5’-IMPの濃度は、pH7.4ないし8.0において、最も低かった。表2において、pH7.4ないし8.0において、溶解度が低いということは、該pH範囲において、5’-IMP 2Na結晶が良好に生成されるということを意味する。
【0056】
5.5’-イノシン酸二ナトリウム結晶の分離で使われた有機溶媒、濃度及び含量の影響
本節においては、前述の「3.5’-イノシン酸二ナトリウム結晶の回収」において、60%(v/v)エタノール水溶液の代わりに、有機溶媒、濃度が異なり、含量を異ならせた場合、5’-IMPの溶解度、5’-IMP 2Na結晶の色、及び5’-IMP 2Na結晶の純度、水分含量及び吸光度に及ぼす影響を確認した。
【0057】
(1)有機溶媒による5’-IMPの溶解度及び結晶が溶解された溶液の吸光度
前述の「2.5’-イノシン酸二ナトリウム結晶の形成」で得られた熟成されたスラリー608mlを、表3に示した有機溶媒1,000mlに入れ、25℃で1時間撹拌し、前記スラリー中の5’-IMPを有機溶媒に溶解させた。該溶液を、1,500rpmで10分間遠心分離し、上澄み液を得た。
【0058】
その後、HPLCを利用し、前記上澄み液の5’-IMPの濃度を測定した。結晶は、「3.5’-イノシン酸二ナトリウム結晶の回収」に記載されたところによって分離させて水に溶解し、5(w/v)%水溶液を作り、420nmにおける吸光度を測定した。結晶の主要不純物は、黄色・茶色を呈しているが、それら色相の物質含量を測定するために、吸光度420nmを選択した。該吸光度は、CARY 100 UV-VIS(Agilent Technology Inc.)機器を使用して測定した。
【0059】
表3は、有機溶媒の種類及び濃度による5’-IMPの溶解度を示す。表3及び表4において、%は体積/体積基準である。
【0060】
【0061】
表4は、有機溶媒の種類及び濃度を異にして得られた5’-IMP 2Na結晶を水に溶解させて得られた溶液の吸光度を示す。
【0062】
【0063】
表3及び表4に示されているように、親水性有機溶媒の濃度を、50ないし70%にしたとき、母液中において、5’-IMPの濃度が低く、同時に、洗浄された結晶の吸光度が低いということを確認した。
【0064】
(2)有機溶媒含量による結晶の特性
前述の「3.5’-イノシン酸二ナトリウム結晶の回収」で使用された60%(v/v)エタノール水溶液の量を、スラリー体積対比で0ないし40%(v/v)に異ならせたことを除いては、同一過程によって5’-IMP 2Na結晶を分離し、結晶純度、結晶水分及び吸光度を測定した。該結晶水分は、オーブンで125℃で3時間、乾燥前後の重量を測定する方法であるドライオーブン法によって測定した。結晶純度及び吸光度は、前述のところによって測定した。
【0065】
【0066】
表5に示されているように、洗浄溶液である60%(v/v)エタノール水溶液は、結晶スラリー体積対比で、25%以上、例えば、25%ないし35%使用したとき、結晶純度、結晶水分及び吸光度が共に改善された。
本発明は、例えば以下の実施形態を包含する:
[1]5’-イノシン酸の生産微生物を培養する段階と、
前記微生物培養液のpHを、7.4ないし8.0に調整する段階と、
前記pHが調整された培養液を濃縮し、5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を形成する段階と、
前記5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を含む前記培養液から、5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を分離する段階と、
前記5’-イノシン酸二ナトリウム結晶を親水性有機溶媒と接触させ、前記結晶を洗浄する段階と、を含む、5’-イノシン酸二ナトリウムの分離方法。
[2]前記微生物培養液は、前記培養液の総重量基準で、5ないし20重量%の5’-イノシン酸を含む、[1]に記載の方法。
[3]前記微生物は、Corynebacterium属バクテリアまたはEscherichia属バクテリアである、[1]に記載の方法。
[4]前記濃縮する段階は、減圧濃縮を行う、[1]に記載の方法。
[5]前記濃縮する段階は、前記培養液中において、5’-イノシン酸の濃度が、400ないし550g/Lになるまで遂行する、[1]に記載の方法。
[6]前記pHを調整する段階前、さらに前記培養液を濃縮する段階を含む、[1]に記載の方法。
[7]前記pHを調整する段階前、前記培養液を濃縮する段階は、前記培養液中において、5’-イノシン酸の濃度が、150ないし360g/Lになるまで遂行する、[6]に記載の方法。
[8]前記pHを調整する段階前、前記培養液を濃縮する段階は、減圧濃縮を行う、[6]に記載の方法。
[9]前記濃縮する段階後、形成された結晶を冷却させる段階を含む、[1]に記載の方法。
[10]前記冷却は、25ないし30℃に冷却する、[9]に記載の方法。
[11]前記親水性有機溶媒は、C
1
-C
5
アルコールである、[1]に記載の方法。
[12]前記アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノールからなる群のうちから選択された少なくとも1以上である、[11]に記載の方法。
[13]前記親水性有機溶媒は、エタノールである、[1]に記載の方法。
[14]前記親水性有機溶媒の濃度は、50ないし70%(v/v)である、[1]に記載の方法。
[15]前記親水性有機溶媒の体積は、形成された結晶含有試料の総体積の20ないし50%である、[1]に記載の方法。
[16]洗浄された結晶を、水性溶媒中において活性炭と接触させ、発色物質を除去する段階をさらに含む、[1]に記載の方法。