(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】ネットワークスライシングのための機械学習アーキテクチャの決定
(51)【国際特許分類】
H04W 4/50 20180101AFI20231218BHJP
H04W 28/24 20090101ALI20231218BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20231218BHJP
【FI】
H04W4/50
H04W28/24
H04W88/18
(21)【出願番号】P 2022522930
(86)(22)【出願日】2019-10-31
(86)【国際出願番号】 US2019059094
(87)【国際公開番号】W WO2021086369
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジービン
(72)【発明者】
【氏名】スタウファー,エリク・リチャード
【審査官】中元 淳二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0367036(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装
置によって実行される方
法であって、
第1の要求されたサービス品質レベ
ルに関連付けられた第1のアプリケーションを実行するこ
とと、
前記第1の要求されたサービス品質レベ
ルに基づいて、第1の機械学習アーキテクチャを選択するこ
とと、
前記第1の機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第1の機械学習アーキテクチャ要求メッセー
ジを、無線ネットワークのネットワーク-スライスマネージ
ャに送信するこ
とと、
第1のネットワークスライ
スに基づいて、前記第1の機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与する第1の機械学習アーキテクチャ応答メッセー
ジを、前記ネットワーク-スライスマネージ
ャから受信することとを備え、前記第1の機械学習アーキテクチャは、前記第1のネットワークスライ
スに関連付けられた少なくとも1つの第1のエンドツーエンド機械学習アーキテクチ
ャの一部を形成し、前記少なくとも1つの第1のエンドツーエンド機械学習アーキテクチ
ャは、無線通信信号を処理するように構成され、かつ、前記ユーザ装
置によって実装される前記第1の機械学習アーキテクチャと、基地
局によって実装される機械学習アーキテクチャと、コアネットワー
クのエンティティによって実装される機械学習アーキテクチャとによって形成される分散機械学習アーキテクチャであり、前記方
法はさらに、
前記第1の機械学習アーキテクチャを使用して、前記第1のアプリケーション用のデータを無線通信するこ
とを備え、前記第1の機械学習アーキテクチャは、前記ユーザ装
置によって決定される係数を用いて、入力に基づいて出力を計算するように構成されている、方
法。
【請求項2】
前記第1の機械学習アーキテクチャを選択するこ
とは、
前記第1のネットワークスライ
スに関連付けられた利用可能な機械学習アーキテクチャを特定する利用可能な機械学習アーキテクチャメッセー
ジを、前記ネットワーク-スライスマネージ
ャから受信することと、
前記利用可能な機械学習アーキテクチャから、前記第1の機械学習アーキテクチャを選択することとを含む、請求項1に記載の方
法。
【請求項3】
前記第1の機械学習アーキテクチャを選択するこ
とは、
1つ以上の選択規
則を含む機械学習アーキテクチャ選択メッセー
ジを、前記ネットワーク-スライスマネージ
ャから受信することと、
前記1つ以上の選択規
則を実行して、前記第1の機械学習アーキテクチャを決定することとを含む、請求項1または2に記載の方
法。
【請求項4】
第2の機械学習アーキテクチャを選択することと、
前記第2の機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第2の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、前記ネットワーク-スライスマネージ
ャに送信することと、
第2のネットワークスライ
スに基づいて、前記第2の機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与する第2の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、前記ネットワーク-スライスマネージ
ャから受信することとをさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の方
法。
【請求項5】
前記第2の機械学習アーキテクチャを使用して、前記第1のアプリケーション用の他のデータを無線通信することをさらに備え、
前記第2の機械学習アーキテクチャを選択することは、前記第1の要求されたサービス品質レベ
ルに基づき、
前記第2の機械学習アーキテクチャを選択することは、
前記ユーザ装
置が、異なる基地
局または異なるトラッキングエリアに関連付けられた地理的な位置に移動すること、または
前記ユーザ装
置が、ホームネットワークと移動先のネットワークとの間でローミングを行うこととのうちの少なくとも1つに応答
して生じる、請求項4に記載の方
法。
【請求項6】
第2の要求されたサービス品質レベルに関連付けられた第2のアプリケーションを実行することと、
前記第2の要求されたサービス品質レベルに基づいて、第2の機械学習アーキテクチャを選択することと、
前記第2の機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第2の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、前記ネットワーク-スライスマネージ
ャに送信することと、
前記第1のネットワークスライ
スまたは第2のネットワークスライ
スに基づいて、前記第2の機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与する第2の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、前記ネットワーク-スライスマネージ
ャから受信することとをさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の方
法。
【請求項7】
前記第2の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを受信することに応答して、前記第2の機械学習アーキテクチャを使用して、前記第2のアプリケーション用の他のデータを無線通信することをさらに備え、
前記第2の機械学習アーキテクチャを選択することは、前記第2の要求されたサービス品質レベルに基づき、
前記第2のアプリケーションを実行することは、前記第1のアプリケーションが実行される時間の少なくとも重複する部分の間に生じ、
前記第1の機械学習アーキテクチャの使用および前記第2の機械学習アーキテクチャの使用は両方とも、前記時間の少なくとも重複する部分の間に生じる、請求項6に記載の方
法。
【請求項8】
第3の要求されたサービス品質レベルに関連付けられた第3のアプリケーションを実行することと、
前記第3の要求されたサービス品質レベルに基づいて、第3の機械学習アーキテクチャを選択することと、
前記第3の機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第3の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、前記ネットワーク-スライスマネージ
ャに送信することと、
前記第3の機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与しない第3の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、前記ネットワーク-スライスマネージ
ャから受信することと、
前記第3の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを受信することに応答して、デフォルトの機械学習アーキテクチャを選択することと、
前記デフォルトの機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第4の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、前記ネットワーク-スライスマネージ
ャに送信することと、
第3のネットワークスライ
スに基づいて、前記デフォルトの機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与する第4の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、前記ネットワーク-スライスマネージ
ャから受信することと、
前記デフォルトの機械学習アーキテクチャを使用して、前記第3のアプリケーション用の追加のデータを無線通信することとをさらに備える、請求項1~7のいずれか1項に記載の方
法。
【請求項9】
無線周波数トランシー
バと、
請求項1~8のいずれか1項に記載の方
法を実行するように構成された第1のプロセッサおよび第1のメモリシステ
ムとを備える、ユーザ装
置。
【請求項10】
ネットワーク-スライスマネージ
ャによって実行される方
法であって、
第1のサービス品質レベルをサポートするために、第1のネットワークスライ
スを作成するこ
とと、
前記第1のネットワークスライ
スを、前記第1のサービス品質レベルを満たすことが可能な少なくとも1つの利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチ
ャに関連付けることとを備え、前記少なくとも1つの利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチ
ャの各々は、無線通信信号を処理するように構成され、かつ、ユーザ装
置によって実装される機械学習アーキテクチャと、基地
局によって実装される機械学習アーキテクチャと、コアネットワー
クのエンティティによって実装される機械学習アーキテクチャとによって形成される分散機械学習アーキテクチャであり、前記方
法はさらに、
第1の機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第1の機械学習アーキテクチャ要求メッセー
ジを、前記ユーザ装
置から受信することを備え、前記第1の機械学習アーキテクチャは、無線通信信号を処理するように構成され、前記方
法はさらに、
前記第1の機械学習アーキテクチャが前記第1のネットワークスライ
スに関連付けられた前記少なくとも1つの利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチ
ャの一部を形成するかどうかを判断するこ
とと、
前記第1の機械学習アーキテクチャが前記第1のネットワークスライ
スに関連付けられた前記少なくとも1つの利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチ
ャの前記一部を形成すると判断することに応答して、前記第1の機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与する第1の機械学習アーキテクチャ応答メッセー
ジを、前記ユーザ装
置に送信するこ
ととを備える、方
法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチャを特定する利用可能な機械学習アーキテクチャメッセー
ジを、前記ユーザ装
置に送信することをさらに備える、請求項10に記載の方
法。
【請求項12】
前記ユーザ装
置が前記第1の機械学習アーキテクチャを決定することを可能にする1つ以上の選択規
則を含む機械学習アーキテクチャ選択メッセー
ジを、前記ユーザ装
置に送信することをさらに備える、請求項10または11に記載の方
法。
【請求項13】
第2のネットワークスライ
スを作成することと、
第2の機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第2の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、前記ユーザ装
置から受信することと、
前記第2の機械学習アーキテクチャが前記第2のネットワークスライ
スのいずれの第2のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャにも関連付けられていないと判断することと、
前記第2の機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与しない第2の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、前記ユーザ装
置に送信することとをさらに備える、請求項10~12のいずれか1項に記載の方
法。
【請求項14】
前記第2の機械学習アーキテクチャ応答メッセージは、前記第2のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャのうちの少なくとも1つに関連付けられた第3の機械学習アーキテクチャを含む、請求項13に記載の方
法。
【請求項15】
請求項10~14のいずれか1項に記載の方
法を実行するように構成されたプロセッ
サおよびメモリシステ
ムを備える、ネットワーク-スライスマネージ
ャ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
無線通信ネットワークの進化は、ユーザのニーズの変化または要求されるサービス品質(quality-of-service:QoS)レベルに起因することが多い。サービス品質レベルは、レイテンシ、スループット、信頼性またはエラーレートといった、1つ以上のサービス品質パラメータによって定義される。無線通信ネットワークは、時とともに、音声通話に関連付けられたサービス品質レベルを満たすものから、さらにウェブアクセスおよびビデオストリーミングに関連付けられたサービス品質レベルを満たすものに進化してきた。アプリケーションの量が増え、ユーザ装置(user equipment:UE)の能力が異なるため、単一の無線通信ネットワークで要求される多様なサービス品質レベルを満たすのは困難な場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
概要
ネットワークスライシングのための機械学習(machine-learning:ML)アーキテクチャを決定する技術および装置が説明される。ユーザ装置(UE)およびネットワーク-スライスマネージャは、機械学習(ML)アーキテクチャを決定するために互いに通信し、その後、UEはアプリケーション用のデータを無線通信するために機械学習アーキテクチャを採用する。特に、UEは、アプリケーションが要求するサービス品質レベルを提供する機械学習アーキテクチャを選択する。ネットワーク-スライスマネージャは、アプリケーションが要求するサービス品質レベルをサポートするネットワークスライスに関連付けられた1つ以上の利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチャに基づいて、要求を受け付ける、または拒否する。UEおよびネットワーク-スライスマネージャは、協働することにより、アプリケーションに関連付けられたサービス品質レベルを満たし、かつ、アプリケーションが要求するサービス品質レベルを満たすエンドツーエンド機械学習アーキテクチャの一部を形成する、適切な機械学習アーキテクチャを決定することができる。
【課題を解決するための手段】
【0003】
以下に説明する態様は、ネットワークスライシングのための機械学習アーキテクチャを決定するためにユーザ装置によって実行される方法を含む。方法は、第1の要求されたサービス品質レベルに関連付けられた第1のアプリケーションを実行することと、第1の要求されたサービス品質レベルに基づいて、第1の機械学習アーキテクチャを選択することとを備える。方法はさらに、第1の機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第1の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、無線ネットワークのネットワーク-スライスマネージャに送信することを備える。方法はさらに、第1のネットワークスライスに基づいて、第1の機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与する第1の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、ネットワーク-スライスマネージャから受信することを備える。方法はさらに、第1の機械学習アーキテクチャを使用して、第1のアプリケーション用のデータを無線通信することを備える。
【0004】
UEによって実装される機械学習アーキテクチャ、基地局によって実装される機械学習アーキテクチャ、および5Gコアネットワーク(5GC)のエンティティによって実装される機械学習アーキテクチャは、エンドツーエンド機械学習アーキテクチャを形成するために一緒に動作可能である。機械学習インターフェイスは、機械学習アーキテクチャの間で情報を渡す。このように、エンドツーエンド機械学習アーキテクチャは、単一の分散型機械学習アーキテクチャとして機能してもよく、UEと、少なくとも1つの基地局と、5GCのエンティティとの間のインターフェイスを提供してもよい。
【0005】
機械学習アーキテクチャは、1つ以上のレイヤの特定の構造と、これらのレイヤ間の接続とを表し得る。
【0006】
ネットワークスライシングは、異なるサービス品質レベルを満たす、1つ以上の並列かつ独立したネットワークをインスタンス化し得る。
【0007】
サービス品質レベルは、レイテンシ、スループット、信頼性またはエラーレートといった、1つ以上のサービス品質パラメータによって定義され得る。
【0008】
第1の機械学習アーキテクチャを選択することは、第1のネットワークスライスに関連付けられた利用可能な機械学習アーキテクチャを特定する利用可能な機械学習アーキテクチャメッセージを、ネットワーク-スライスマネージャから受信することを含み得る。第1の機械学習アーキテクチャを選択することはさらに、利用可能な機械学習アーキテクチャから、第1の機械学習アーキテクチャを選択することを含み得る。
【0009】
第1の機械学習アーキテクチャを選択することは、1つ以上の選択規則を含む機械学習アーキテクチャ選択メッセージを、ネットワーク-スライスマネージャから受信することを含み得る。第1の機械学習アーキテクチャを選択することはさらに、1つ以上の選択規則を実行して、第1の機械学習アーキテクチャを決定することを含み得る。
【0010】
方法はさらに、第2の機械学習アーキテクチャを使用して、第1のアプリケーション用の他のデータを無線通信することを備え得る。第2の機械学習アーキテクチャを選択することは、第1の要求されたサービス品質レベルに基づき得る。第2の機械学習アーキテクチャを選択することは、ユーザ装置が、異なる基地局に関連付けられた地理的な位置に移動することに応答し得る。第2の機械学習アーキテクチャを選択することは、ユーザ装置が、異なるトラッキングエリアに関連付けられた地理的な位置に移動することに応答し得る。第2の機械学習アーキテクチャを選択することは、ユーザ装置が、ホームネットワークと移動先のネットワークとの間でローミングを行うことに応答し得る。
【0011】
ホームネットワークは、UEが登録されているネットワークでもよい。移動先のネットワークは、UEが登録されていないネットワークでもよい。
【0012】
方法はさらに、第2の要求されたサービス品質レベルに関連付けられた第2のアプリケーションを実行することを備え得る。方法はさらに、第2の要求されたサービス品質レベルに基づいて、第2の機械学習アーキテクチャを選択することを備え得る。方法はさらに、第2の機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第2の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、ネットワーク-スライスマネージャに送信することを備え得る。方法はさらに、第1のネットワークスライスまたは第2のネットワークスライスに基づいて、第2の機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与する第2の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、ネットワークスライスマネージャから受信することを備え得る。
【0013】
方法はさらに、第2の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを受信することに応答して、第2の機械学習アーキテクチャを使用して、第2のアプリケーション用の他のデータを無線通信することを備え得る。第2の機械学習アーキテクチャを選択することは、第2の要求された第2のサービス品質レベルに基づき得る。第2のアプリケーションを実行することは、第1のアプリケーションが実行される時間の少なくとも重複する部分の間に生じ得る。第1の機械学習アーキテクチャの使用および第2の機械学習アーキテクチャの使用は両方とも、時間の少なくとも重複する部分の間に生じ得る。
【0014】
方法はさらに、第3の要求されたサービス品質レベルに関連付けられた第3のアプリケーションを実行することを備え得る。方法はさらに、第3の要求されたサービス品質レベルに基づいて、第3の機械学習アーキテクチャを選択することを備え得る。方法はさらに、第3の機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第3の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、ネットワーク-スライスマネージャに送信することを備え得る。方法はさらに、第3の機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与しない第3の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、ネットワーク-スライスマネージャから受信することを備え得る。方法はさらに、第3の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを受信することに応答して、デフォルトの機械学習アーキテクチャを選択することを備え得る。方法はさらに、デフォルトの機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第4の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、ネットワーク-スライスマネージャに送信することを備え得る。方法はさらに、第3のネットワークスライスに基づいて、デフォルトの機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与する第4の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、ネットワーク-スライスマネージャから受信することを備え得る。方法はさらに、デフォルトの機械学習アーキテクチャを使用して、第3のアプリケーション用の追加のデータを無線通信することを備え得る。
【0015】
以下に記載する態様は、無線周波数トランシーバを有するユーザ装置を備える。ユーザ装置はさらに、説明した方法のいずれかを実行するように構成された第1のプロセッサおよび第1のメモリシステムを備える。
【0016】
以下に記載する態様は、ネットワークスライシングのための機械学習アーキテクチャを決定するために、ネットワーク-スライスマネージャによって実行される方法を備える。方法は、第1のネットワークスライスを作成することを備える。方法はさらに、第1の機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第1の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、ユーザ装置から受信することを備える。方法はさらに、第1の機械学習アーキテクチャが第1のネットワークスライスの少なくとも1つの第1のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャに関連付けられていると判断することを備える。方法はさらに、第1の機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与する第1の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、ユーザ装置に送信することを備える。
【0017】
方法はさらに、第1のネットワークスライスを少なくとも1つの利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチャに関係付ける情報を格納することを備え得る。第1の機械学習アーキテクチャが少なくとも1つの第1のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャに関連付けられていると判断することは、第1の機械学習アーキテクチャが少なくとも1つの利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチャの一部を形成すると判断することを含み得る。
【0018】
方法はさらに、少なくとも1つの利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチャを特定する利用可能な機械学習アーキテクチャメッセージを、ユーザ装置に送信することを備え得る。
【0019】
方法はさらに、ユーザ装置が第1の機械学習アーキテクチャを決定することを可能にする1つ以上の選択規則を含む機械学習アーキテクチャ選択メッセージを、ユーザ装置に送信することを備え得る。
【0020】
方法はさらに、第2のネットワークスライスを作成することを備え得る。方法はさらに、第2の機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第2の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、ユーザ装置から受信することを備え得る。方法はさらに、第2の機械学習アーキテクチャが第2のネットワークスライスのいずれの第2のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャにも関連付けられていないと判断することを備え得る。方法はさらに、第2の機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与しない第2の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、ユーザ装置に送信することを備え得る。
【0021】
第2の機械学習アーキテクチャ応答メッセージは、第2のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャのうちの少なくとも1つに関連付けられた第3の機械学習アーキテクチャを含み得る。
【0022】
以下に記載する態様はさらに、記載した方法のいずれかを実行するように構成されたプロセッサおよびメモリシステムを含むネットワーク-スライスマネージャを備える。
【0023】
以下に説明する態様は、ユーザ装置とネットワーク-スライスマネージャとを含むシステムを備える。
【0024】
以下に説明する態様はさらに、機械学習アーキテクチャを決定する手段を有するシステムを備える。
【0025】
記載された方法は、コンピュータ読取可能記憶媒体に命令として格納されてもよい。
ネットワークスライシングのための機械学習アーキテクチャを決定する装置および技術について、以下の図面を参照して説明する。同様の特徴および構成要素を参照するために、図面全体にわたって同じ番号が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】ネットワークスライシングのための機械学習アーキテクチャの決定が実施され得る、無線ネットワーク環境の例を示す図である。
【
図2】ネットワークスライシングのためのエンドツーエンド機械学習アーキテクチャの例を示す図である。
【
図3】ネットワークスライシングのための機械学習アーキテクチャの特性の例を示す図である。
【
図4】ネットワーク-スライスマネージャによって作成されるネットワークスライスの例を示す図である。
【
図5】ネットワークスライシングのための機械学習アーキテクチャを決定するためのユーザ装置および基地局のデバイス図の例を示す図である。
【
図6】ネットワークスライシングのための機械学習アーキテクチャを決定するためのネットワーク-スライスマネージャのデバイス図の例を示す図である。
【
図7】ネットワークスライシングのための機械学習アーキテクチャを決定するさまざまな態様が実装され得る無線ネットワークスタックモデルのブロック図の例を示す図である。
【
図8】ネットワークスライシングのための機械学習アーキテクチャを決定するためのユーザ装置とネットワーク-スライスマネージャとの間のメッセージングトランザクションの例を示す図である。
【
図9】ネットワークスライシングのための機械学習アーキテクチャを決定するためにユーザ装置によって実行される方法の例を示す図である。
【
図10】ネットワークスライスシングのための機械学習アーキテクチャを決定するためにネットワーク-スライスマネージャによって実行される方法の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
詳細な説明
概略
ネットワークスライシングによって、無線通信ネットワークが多様なサービス品質(QoS)レベルを満たすことが可能になる。特に、ネットワークスライシングによって、無線通信ネットワークのインフラをダイナミックに分割し共有して、異なるサービス品質フローを提供することが可能になる。一般的に、ネットワークスライシングは、異なるサービス品質レベルを満たす1つ以上の並列かつ独立した仮想ネットワークをインスタンス化する。サービス品質レベルは、レイテンシ、スループット、信頼性またはエラーレートといった、1つ以上のサービス品質パラメータによって定義される。
【0028】
アプリケーションに関連付けられている、要求されたサービス品質レベルを実現するために、ネットワークスライシングのための機械学習(ML)アーキテクチャを決定する技術および装置が説明される。ユーザ装置(UE)およびネットワーク-スライスマネージャは、機械学習(ML)アーキテクチャを決定するために互いに通信し、その後、UEはアプリケーション用のデータを無線通信するために機械学習アーキテクチャを採用する。特に、UEは、アプリケーションが要求するサービス品質レベルを提供する機械学習アーキテクチャを選択する。ネットワーク-スライスマネージャは、アプリケーションが要求するサービス品質レベルをサポートするネットワークスライスに関連付けられた1つ以上の利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチャに基づいて、要求を受け付ける、または拒否する。UEおよびネットワーク-スライスマネージャは、協働することにより、アプリケーションに関連付けられたサービス品質レベルを満たし、かつ、アプリケーションが要求するサービス品質レベルを満たすエンドツーエンド機械学習アーキテクチャの一部を形成する、適切な機械学習アーキテクチャを決定することができる。
【0029】
環境の例
図1は、UE111、UE112、およびUE113として図示される複数のユーザ装置110(UE110)を含む、環境100の例を示す図である。各UE110は、無線リンク131および132として図示される1つ以上の無線通信リンク130(無線リンク130)を介して、基地局120(基地局121および122として図示)と通信することができる。簡潔にするために、UE110はスマートフォンとして実装されるが、モバイル通信デバイス、モデム、携帯電話、ゲームデバイス、ナビゲーションデバイス、メディアデバイス、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマート家電、車両ベースの通信システム、またはセンサもしくはアクチュエータなどのIoT(Internet-of-Things)デバイス等の任意の好適なコンピューティングまたは電子デバイスとして実装することができる。基地局120(たとえば、Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network Node B,E-UTRAN Node B,evolved Node B,eNodeB,eNB,Next Generation Evolved Node B,ng-eNB,次世代ノードB,gNode B,gNBまたはng-eNBなど)は、マクロセル、マイクロセル、小型セル、ピコセルなど、またはそれらの任意の組合わせで実装されてもよい。
【0030】
基地局120は、任意の好適なタイプの無線リンクとして実装され得る無線リンク131および132を使用して、UE110と通信する。無線リンク131および132は、基地局120からUE110に通信されるデータおよび制御情報のダウンリンク、UE110から基地局120に通信される他のデータおよび制御情報のアップリンク、またはその両方などの制御およびデータ通信を含む。無線リンク130は、3GPP(登録商標) LTE(3rd Generation Partnership Project Long-Term Evolution)、eLTE(Enhanced Long-Term Evolution)、5G NR(Fifth-Generation New Raio)、4G(4th-Generation)標準などの任意の好適な通信プロトコルもしくは標準、または通信プロトコルもしくは標準の組合わせを使用して実装された1つ以上の無線リンク(たとえば無線リンク)またはベアラを含んでもよい。複数の無線リンク130は、UE110に対してより高いデータレートを提供するために、キャリアアグリゲーションで集約されてもよい。複数の基地局120からの複数の無線リンク130は、UE110とのCoMP(Coordinated Multipoint)通信用に構成されてもよい。
【0031】
基地局120は集合的に、無線アクセスネットワーク140(たとえば、RAN、Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network、E-UTRAN、5G NR RAN、またはNR RAN)である。RAN140の基地局121および122は、5Gコアネットワーク(5GC)150に接続されている。基地局121および122は、それぞれ102および104において、制御プレーンシグナリング用のNG2インターフェイスを介して、およびユーザプレーンデータ通信用のNG3インターフェイスを使用して、5GC150に接続する。基地局121および122は、106において、Xnインターフェイスを介してXnアプリケーションプロトコル(XnAP)を使用して、またはX2インターフェイスを介してX2アプリケーションプロトコル(X2AP)を使用して通信して、ユーザプレーンデータおよび制御プレーンデータを交換することができる。図示しないが、UE110は、5GC150を介して、インターネットなどの公衆ネットワークに接続して、リモートサービスと相互作用してもよい。
【0032】
5GC150は、5G NRネットワークにおける複数のUE110の登録および認証、認可、ならびにモビリティ管理等の制御プレーン機能を提供するアクセス・モビリティ管理機能152(AMF152)を含む。AMF152は、RAN140内の基地局120と通信し、基地局120を使用して、複数のUE110と通信する。
【0033】
また、5GC150は、ネットワーク-スライスマネージャ190を含む。ネットワーク-スライスマネージャ190は、5GC150のサーバによって実装され得る。一般的に、ネットワーク-スライスマネージャ190は、ネットワークスライシングを使用して、無線通信ネットワークを通じて異なるサービス品質フローを提供する(たとえば、少なくとも1つのUE110と、少なくとも1つの基地局120と、5GC150との間で異なるサービス品質フローを提供する)。
【0034】
各サービス品質フローは、UE110上のアプリケーションが要求するサービス品質レベルをサポートするネットワークスライスによって提供される。場合によっては、ネットワークスライスは、複数のサービス品質フローを提供する。上述したように、サービス品質レベルは、レイテンシ、スループット(たとえば、帯域幅もしくはデータレート)、信頼性、またはエラーレート(たとえば、ビットエラーレート)といった、1つ以上のサービス品質パラメータを指定する。他のサービス品質パラメータの例には、可用性、パケット損失、またはジッタが含まれる。サービス品質レベルに加えて、ネットワークスライスは、暗号化により特定のセキュリティレベルを提供することができる。サービス品質レベルを提供するために、ネットワーク-スライスマネージャ190は、
図2に関してさらに説明するように、各ネットワークスライスを、サービス品質レベルを満たすことが可能な1つ以上のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャに関連付ける。
【0035】
図2は、ネットワークスライシングのためのエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200の例を示す図である。一般に、エンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200は、UE110と、少なくとも1つの基地局120と、5GCのエンティティ150との間のインターフェイスを提供する。5GCのエンティティは、サーバ、または5GCにおいてユーザプレーン機能を提供するエンティティを含み得る。特に、UE110によって実装される機械学習アーキテクチャ210、基地局120によって実装される機械学習アーキテクチャ220、および5GC150のエンティティによって実装される機械学習アーキテクチャ230は、エンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200を形成するために一緒に動作する。機械学習インターフェイス240は、機械学習アーキテクチャ210と、機械学習アーキテクチャ220と、機械学習アーキテクチャ230との間で情報を渡す。このように、エンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200は、単一の分散型機械学習アーキテクチャとして機能する。図示されていないが、エンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200は、エッジコンピューティングのための5GC150に近接したアプリケーションサーバも含み得る。
【0036】
機械学習アーキテクチャ210、機械学習アーキテクチャ220、および機械学習アーキテクチャ230は、無線通信システムで使用される複雑な機能性などの複雑な処理に対する解決策を提供する。機械学習アーキテクチャ210,220および230は、無線通信信号のエンドツーエンド処理で使用される従来の処理ブロックの一部または全部を置き換えること、個々の処理チェーンブロックを置き換えることといった、さまざまな方法で、従来の複雑な機能性を置き換えることが可能である。一例として、機械学習アーキテクチャ210,220および230の各々は、チャネル符号化、チャネル復号、変調、復調、信号処理(たとえば、ノイズキャンセル)、暗号化、または復号などの機能のうちの1つ以上を実行可能である。
図3に関してさらに詳細に説明するように、機械学習アーキテクチャは、1つ以上のレイヤの特定の構造、およびこれらのレイヤ間の接続を表す。これらの機械学習アーキテクチャの設計は、それぞれのエンティティの能力に基づいて調整可能である。これらの能力は、利用可能なメモリ、利用可能な電力、および計算能力を含み得る。一般に、より大量の利用可能なメモリ、より大量の利用可能な電力、および/またはより高いレベルの計算能力により、より大きく、より複雑な機械学習アーキテクチャを実装することが可能になる。
【0037】
場合によっては、UE110、基地局120、および/または5GC150のエンティティは、さまざまな異なる機械学習アーキテクチャを使用することができる。UE110は、たとえば、機械学習アーキテクチャ211,212および213を実装することができる。同様に、基地局120は、機械学習アーキテクチャ221,222および223を実装することができ、5GC150のエンティティは、機械学習アーキテクチャ231,232および233を実装することができる。これらのさまざまな機械学習アーキテクチャの設計は、
図3に関してさらに説明するように、レイヤの量、レイヤの種類、レイヤの順序、およびレイヤ間の接続の点で異なり得る。機械学習アーキテクチャの設計の違いは、
図4に関してさらに説明するように、エンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200を使用して実現可能なサービス品質レベルに影響を与え得る。
【0038】
ネットワーク-スライスマネージャ190は、UE110、基地局120、および5GC150のエンティティと通信して、適切な機械学習アーキテクチャを選択する。このように、ネットワーク-スライスマネージャ190は、機械学習アーキテクチャ210、機械学習アーキテクチャ220、および機械学習アーキテクチャ230の異なる組合わせによって、異なるエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200を選択的に起動することができる。機械学習アーキテクチャ210、機械学習アーキテクチャ230、および機械学習アーキテクチャ230の一般的な特性は、
図3に関してさらに説明される。
【0039】
図3は、
図2の機械学習アーキテクチャ210,220または230などの機械学習アーキテクチャのブロック
図300の例を示す図である。機械学習アーキテクチャ210,220または230は、ソフトウェア、ハードウェア、および/またはファームウェアの任意の組合せを用いて実装することができる。一般的に、機械学習アーキテクチャ210,220または230は、以下でさらに説明するように、1つ以上のレイヤの構造およびこれらのレイヤ間の接続(たとえば、ノード接続またはレイヤ接続)を定義する。機械学習アーキテクチャ210,220および230は、機械学習アーキテクチャ210,220および230の動作または性能に影響を与えるパラメータ構成を定義または指定しない。パラメータ構成の例には、係数(たとえば、重みもしくはバイアス)、カーネルサイズまたはパラメータ、活性化関数、およびストライド/プーリング構成が含まれる。また、パラメータ構成は、利用されるノードまたはスキップされるレイヤを特定することができる。訓練または適応学習でさまざまなパラメータ構成を変更することで、変化する動作条件に適応する能力が提供される。パラメータ構成が変更しても、機械学習アーキテクチャ210,220および230は同じままである。言い換えれば、機械学習アーキテクチャ210,220および230は、パラメータ構成と区別されると考えられる。
【0040】
各機械学習アーキテクチャ210,220または230は、少なくとも1つのレイヤ310(たとえば、レイヤ311,312および313)を含む。レイヤ310は、1つ以上のノード(たとえば、ニューロンおよび/またはパーセプトロン)を含む。各ノードは、入力を受け付け、入力に基づいて出力を計算する。出力を計算する際に、ノードは、1つ以上の係数を使用することができる。
【0041】
各機械学習アーキテクチャ210,220または230内では、レイヤ310の量は、機械学習アーキテクチャ210,220または230が実装する機能の複雑さに応じて変化し得る。また、機械学習アーキテクチャ210,220または230は、異なるタイプの計算を実行する(たとえば、異なるアルゴリズムまたは活性化関数を実行する)ノードを有する異なるタイプのレイヤ310を含み得る。場合によっては、機械学習アーキテクチャ210,220または230は、入力層、出力層、および少なくとも1つの隠れ層を有するディープニューラルネットワークを実装する。他のタイプのレイヤ310は、たとえば、畳み込み層、プーリング層、整流線形単位層、損失層、またはフィルタ層を含む。
【0042】
機械学習アーキテクチャ210,220および230は、レイヤ310間の1つ以上の接続320も指定する。これらの接続320は、さまざまな機械学習アーキテクチャの間で異なり得る。接続320のタイプの例は、完全接続321または部分接続322を含み、これらは、2つのレイヤ310の間で接続されているノードの割合の点で異なる。例として、第1のレイヤ311は、第1のレイヤ311と第2のレイヤ312との両方におけるノードのすべてが一緒に接続されるように、第2のレイヤ312に完全接続されている(321)。言い換えれば、第1のレイヤ311内の各ノードは、第2のレイヤ312内の少なくとも1つの他のノードに接続されている。別の例として、第2のレイヤ312は、第3のレイヤ313に部分的に接続されている(322)。特に、第2のレイヤ312内のノードの部分集合は、第3のレイヤ313内のノードの部分集合に接続されている。
【0043】
接続320は、レイヤ310が接続されている方向または順序を指定することもできる。フィードフォワード接続323は、たとえば、出力に向かって順方向に情報を伝搬させる。一例として、フィードフォワード接続323は、第1のレイヤ311と第2のレイヤ312とを接続し、第2のレイヤ312と第3のレイヤ313とを接続する。これに対して、フィードバック接続324は、前のレイヤに対して逆方向に情報を伝搬する。一例として、フィードバック接続324は、第3のレイヤ313の少なくとも1つのノードを第1のレイヤ311の別のノードに接続する。フィードバック接続324を使用して、機械学習アーキテクチャ210,220または230は、長短記憶(long short-term memory:LSTM)ニューラルネットワークなどのリカレントニューラルネットワークを実装することができる。
【0044】
機械学習アーキテクチャ210,220または230の入力および出力は、実装される機能に応じて異なり得る。一例として、入力は、UE110で受信されるダウンリンク信号のサンプルまたは基地局120で受信されるアップリンク信号のサンプルといった、信号のサンプルを含み得る。
【0045】
出力は、信号の修正されたサンプルをみ得る。回帰モデルを実装するために、機械学習アーキテクチャ210,220または230は、1つ以上の連続値を出力するように設計されている。または、分類モデルを実装するために、機械学習アーキテクチャ210,220または230は、1つ以上の離散値を出力するように設計されている。
【0046】
機械学習アーキテクチャ210,220または230によって使用される係数を決定するために、さまざまな異なる訓練技術を使用することができる。これらの訓練技術には、教師あり学習、教師なし学習、または強化学習が含まれる。一般的に、ネットワーク-スライスマネージャ190は、
図4に関してさらに説明するように、各機械学習アーキテクチャ210,220および230を1つ以上のネットワークスライスに関連付ける。
【0047】
図4は、ネットワーク-スライスマネージャ190によって作成されるネットワークスライス400の例を示す図である。ネットワーク-スライスマネージャ190は、1つ以上のアプリケーションに関連付けられたサービス品質レベル410を満たすように、ネットワークスライス400を設計する。したがって、各ネットワークスライス400は、異なるアプリケーションまたは使用事例によって指定されるように、異なるサービス品質レベル410を満たすことができる。
【0048】
一般的に、各アプリケーションは、アプリケーションタイプおよびサービス品質クラス識別子(QCI)に関連付けられている。例として、Hulu(登録商標)、Netflix(登録商標)、またはYouTube(登録商標)のアプリケーションの例は、ビデオストリーミングアプリケーションタイプに関連付けることができ、サービス品質識別子は、4,6,8または9を含み得る。Skype(登録商標)、Facetime(登録商標)、またはGoogle Hangouts(登録商標)の他のアプリケーション例は、ビデオ会議アプリケーションタイプに関連付けることができ、サービス品質識別子は、2または7を含み得る。Minecraft(登録商標)またはPUBG Mobile(登録商標)などのアプリケーションのさらに他の例は、ゲームアプリケーションの種類に関連付けることができ、サービス品質識別子は、3または7を含み得る。
【0049】
図4において、ネットワーク-スライスマネージャ190は、第1のネットワークスライス401と、第2のネットワークスライス402と、第3のネットワークスライス403とを作成する。ネットワークスライス401,402および403の各々は、無線通信ネットワークを通じて少なくとも1つのサービス品質フローを提供する。状況によっては、ネットワークスライス401,402および403のうちの2つ以上は、時間の重複する部分の間に並行して生じる。
【0050】
ネットワークスライス401,402および403は、異なる使用事例またはアプリケーションに関連付けることができる異なるサービス品質レベル410を満たすように設計されている。たとえば、第1のネットワークスライス401は、低遅延を提供し、超高信頼低遅延通信(ultra-reliable low-latency communication:URLLC)に関連付けられ、工場自動化、自律走行、または遠隔手術に使用され得る。一方、第2のネットワークスライス402は、高いスループットを提供し、拡張モバイルブロードバンド(enhanced mobile broadband:eMBB)に関連付けられている。一例として、第2のネットワークスライス402は、高精細ビデオストリーミングを処理する。対照的に、第3のネットワークスライス403は、大量のマシンツーマシン通信をサポートするために、大量のUE110を処理するように設計されている。他のタイプのネットワークスライス400は、オンラインゲーム、一方向ストリーミング、または双方向ストリーミング(たとえば、ビデオ会議)に関連付けることができる。
【0051】
ネットワーク-スライスマネージャ190は、ネットワークスライス400がサービス品質レベル410を満たすことを可能にする少なくとも1つのエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200(
図2)を決定する。ネットワーク-スライスマネージャ190は、決定されたエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200をネットワークスライス400に関連付ける(たとえば、関連させるまたはマッピングする)。一例として、ネットワーク-スライスマネージャ190は、ネットワーク-スライス400を、第1のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ201、第2のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ202、およびデフォルトのエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ203に関連付ける。第1のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ201は、
図2の機械学習アーキテクチャ211、機械学習アーキテクチャ221、および機械学習アーキテクチャ231を含む。図示しないが、第2のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ202は、たとえば、
図2の機械学習アーキテクチャ212、機械学習アーキテクチャ222、および機械学習アーキテクチャ232を含む。デフォルトのエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ203は、機械学習アーキテクチャ213、機械学習アーキテクチャ223、および機械学習アーキテクチャ233を含む。機械学習アーキテクチャ211、機械学習アーキテクチャ222、および機械学習アーキテクチャ233を含むエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200などの他のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200も可能である。
【0052】
エンドツーエンド機械学習アーキテクチャ201,202および203は性能の点で異なり得るが、エンドツーエンド機械学習アーキテクチャ201,202および203は少なくとも、ネットワークスライス400がサービス品質レベル410を満たすことを可能にする。サービス品質レベル410が高水準の信頼性を指定する例を考察する。デフォルトのエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ203は、中レベルのレイテンシ、中レベルのスループット、および高レベルの信頼性といった、初級レベルの性能を提供することができる。エンドツーエンド機械学習アーキテクチャ201および202の性能は、デフォルトのエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ203と同様でもよく、またはそれよりも優れていてもよい。たとえば、第1のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ201は、中レベルのレイテンシの代わりに低レベルのレイテンシを提供し、同様に中レベルのスループットと高レベルの信頼性とを提供する。これに対して、第2のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ202は、中レベルのスループットの代わりに高レベルのスループットを提供し、同様に、中レベルのレイテンシと高レベルの信頼性とを提供する。
【0053】
実装によっては、ネットワーク-スライスマネージャ190は、オフラインの異なるネットワークスライス400と異なるエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200との関係を決定する。ネットワーク-スライスマネージャ190は、後の参照用に、この関係を記述する情報を格納する。一例として、ネットワーク-スライスマネージャ190は、各ネットワークスライス400を1つ以上のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200にマッピングする1つ以上のリストまたはテーブルを格納することができる。関連して、この関係マッピングは、エンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200を形成する個々の機械学習アーキテクチャ210,220および230にも及ぶ。
【0054】
ネットワークスライス400を2つ以上のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200に関連付けることにより、ネットワークスライス400を、異なる能力を有するさまざまなエンティティのために実装することができる。これらのエンティティは、異なるUE110、異なる基地局120、または5GC150の異なるエンティティを含む。たとえば、計算能力が制限されている第1のUE111は、機械学習アーキテクチャ211で動作することができるが、機械学習アーキテクチャ212で動作することはできない。そのため、ネットワークスライス400に関連付けられたサービス品質レベル410を満たすために、エンドツーエンド機械学習アーキテクチャ202の代わりに、第1のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ201をネットワーク-スライスマネージャ190によって作動させることができる。別の例では、利用可能な電力が制限されている第2のUE112は、機械学習アーキテクチャ212で動作することができるが、機械学習アーキテクチャ211で動作することはできない。そのため、エンドツーエンド機械学習アーキテクチャ201の代わりに第2のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ202をネットワーク-スライスマネージャ190によって起動し、ネットワークスライス400に関連付けられたサービス品質レベル410を同様に満足させることが可能である。エンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200、より具体的には機械学習アーキテクチャ210の選択については、
図8に関してさらに説明する。
【0055】
デバイスの例
図5は、UE110および基地局120の装置
図500の例を示す図である。UE110および基地局120は、分かりやすくするために
図5から省略されている追加の機能およびインターフェイスを含んでもよい。UE110は、アンテナ502、無線周波数(RF)フロントエンド504(RFフロントエンド504)、LTEトランシーバ506、ならびに5G RAN141および/またはE-UTRAN142内の基地局120と通信するための5G NRトランシーバ508を含む。UE110のRFフロントエンド504は、LTEトランシーバ506および5G NRトランシーバ508をアンテナ502に結合または接続して、さまざまな種類の無線通信を容易にすることができる。UE110のアンテナ502は、互いに類似するまたは異なるように構成された複数のアンテナのアレイを含んでもよい。アンテナ502およびRFフロントエンド504は、3GPP LTEおよび5G NR通信規格によって定義され、LTEトランシーバ506、および/または5G NRトランシーバ508によって実装される1つ以上の周波数帯に同調することができる、および/または、同調可能である。さらに、アンテナ502、RFフロントエンド504、LTEトランシーバ506、および/または5G NRトランシーバ508は、基地局120との通信の送信および受信用のビームフォーミング(たとえば、アナログもしくはデジタル)、二重動作(たとえば、全二重もしくは半二重動作)、または同相および直交(I/Q)動作(たとえば、I/Q変調もしくは復調動作)をサポートするよう構成されてもよい。一例であってこれに限定されるものではないが、アンテナ502およびRFフロントエンド504は、3GPP LTEおよび5G NR通信規格によって定義されるサブギガヘルツバンド、サブ6GHZバンド、および/または約6~500GHzの周波数を有する周波数帯での動作のために実装され得る。場合によっては、アンテナ502およびRFフロントエンド504は、超高周波数スペクトルでの動作のために実装され得る(たとえば、約54~500GHzの周波数の場合)。
【0056】
UE110はまた、プロセッサ(複数可)510と、コンピュータ読取可能記憶媒体512(CRM512)とを含む。プロセッサ510は、シリコン、ポリシリコン、高誘電体および銅などのさまざまな材料で構成されたシングルコアプロセッサまたはマルチコアプロセッサでもよい。本明細書で説明するコンピュータ読取可能記憶媒体は、伝搬信号を除外する。CRM512は、UE110のデバイスデータ514を格納するために使用可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、不揮発性RAM(NVRAM)、読取専用メモリ(ROM)、またはフラッシュメモリといった、任意の好適なメモリまたはストレージデバイスを含んでもよい。デバイスデータ514は、ユーザデータ、マルチメディアデータ、ビームフォーミングコードブック、アプリケーション、および/またはUE110のオペレーティングシステムを含み、これらは、ユーザプレーン通信、制御プレーンシグナリング、およびUE110とのユーザ対話を可能にするためにプロセッサ(複数可)510によって実行可能である。
【0057】
CRM512はまた、機械学習マネージャ516を含む、またはそれに関連する命令を格納する。代替的または追加的に、機械学習マネージャ516は、全体または一部が、UE110の他の構成要素と統合された、もしくはそれらとは別のハードウェアロジックまたは回路として実装されてもよい。少なくともいくつかの態様において、機械学習マネージャ516は、基地局120との通信のために、LTEトランシーバ506または5G NRトランシーバ508を構成する。このように、機械学習マネージャ516は、
図8に関してさらに説明するように、基地局120を通じてネットワーク-スライスマネージャ190にメッセージを送信する、または基地局120を通じてネットワーク-スライスマネージャ190からメッセージを受信することが可能である。
【0058】
CRM512はさらに、UE110の能力に基づいて実装することができる少なくとも1つの機械学習アーキテクチャ210(
図2)を含む。機械学習マネージャ516は、
図8に関してさらに説明するように、アプリケーションに関連付けられた1つ以上のサービス品質レベルに基づいて、機械学習アーキテクチャ210を選択する。機械学習マネージャ516はまた、機械学習アーキテクチャ210を使用した無線通信を可能にするために適用される、係数を決定する学習手順を開始することができる。
【0059】
図5に示す基地局120の装置図は、単一のネットワークノード(たとえば、gNode B)を含む。基地局120の機能は、複数のネットワークノードまたはデバイスに分散されてもよく、本明細書に記載される機能を実行するのに適した任意の態様で分散されてもよい。基地局120は、UE110と通信するためのアンテナ552、無線周波数(RF)フロントエンド554(RFフロントエンド554)、1つ以上のLTEトランシーバ556、および/または1つ以上の5G NRトランシーバ558を含む。基地局120のRFフロントエンド554は、LTEトランシーバ556および5G NRトランシーバ558をアンテナ552に結合または接続して、さまざまなタイプの無線通信を容易にすることができる。基地局120のアンテナ552は、互いに類似するまたは異なるように構成された複数のアンテナのアレイを含んでもよい。アンテナ552およびRFフロントエンド554は、3GPP LTEおよび5G NR通信規格によって定義され、LTEトランシーバ556、および/または5G NRトランシーバ558によって実装される1つ以上の周波数帯に同調することができる、または同調可能である。さらに、アンテナ552、RFフロントエンド554、LTEトランシーバ556、および/または5G NRトランシーバ558は、UE110との通信の送信および受信用に、Massive-MIMOなどのビームフォーミングをサポートするように構成されてもよい。
【0060】
基地局120はまた、プロセッサ(複数可)560とコンピュータ読取可能記憶媒体562(CRM562)とを含む。プロセッサ560は、シリコン、ポリシリコン、高誘電体および銅などのさまざまな材料で構成されたシングルコアプロセッサまたはマルチコアプロセッサでもよい。CRM562は、基地局120のデバイスデータ564を格納するために使用可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、不揮発性RAM(NVRAM)、読取専用メモリ(ROM)、またはフラッシュメモリといった、任意の好適なメモリまたはストレージデバイスを含んでもよい。デバイスデータ564は、ネットワークスケジューリングデータ、無線リソース管理データ、ビームフォーミングコードブック、アプリケーション、および/または基地局120のオペレーティングシステムを含み、これらは、UE110との通信を可能にするためにプロセッサ(複数可)560によって実行可能である。
【0061】
CRM562はまた、機械学習(ML)マネージャ566を含む、またはそれに関する命令を格納する。代替的または追加的に、機械学習マネージャ566は、全体または一部が、基地局120の他の構成要素と統合された、またはそれとは別のハードウェア論理または回路として実装されてもよい。少なくともいくつかの態様において、機械学習マネージャ566は、UE110との通信のためにLTEトランシーバ556および5G NRトランシーバ558を構成する。このように、機械学習マネージャ566は、
図8に関してさらに説明したように、UE110からネットワーク-スライスマネージャ190にメッセージを転送し得る、またはネットワーク-スライスマネージャ190からUE110にメッセージを転送し得る。
【0062】
CRM562はさらに、基地局120の能力に基づいて実装することができる(
図2の)少なくとも1つの機械学習アーキテクチャ220を含む。実装によっては、機械学習マネージャ566は、
図8に関してさらに説明するように、ネットワークスライス400に関連付けられた利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200に基づいて、機械学習アーキテクチャ220を選択する。機械学習マネージャ566はまた、訓練手順を開始する、または機械学習アーキテクチャ220に係数を提供することができる。
【0063】
基地局120は、基地局120のUE110との通信を管理するために、基地局マネージャ(図示せず)が別の基地局120間でユーザプレーンデータおよび制御プレーンデータを交換するように構成する、Xnおよび/またはX2インターフェイスなどの基地局間インターフェイス568を含む。基地局120はまた、機械学習マネージャ566が、ネットワーク-スライスマネージャ190などのコアネットワーク機能およびエンティティと情報を交換するように構成するコアネットワークインターフェイス570を含む。このように、機械学習マネージャ566は、ネットワーク-スライスマネージャ190に情報を提供する、またはネットワーク-スライスマネージャ190から情報を取得することができる。ネットワーク-スライスマネージャ、UE110の機械学習マネージャ516、および基地局120の機械学習マネージャ566は、共に、本明細書に記載されるようなネットワークスライシングのための機械学習アーキテクチャを少なくとも部分的に決定することが可能である。ネットワーク-スライスマネージャ190は、
図3に関してさらに説明される。
【0064】
図6は、ネットワークスライシングのための機械学習アーキテクチャを決定するためのネットワーク-スライスマネージャ190の装置
図600の例を示す図である。図示された構成では、ネットワーク-スライスマネージャ190は、プロセッサ602と、コンピュータ読取可能記憶媒体(CRM)604とを含む。CRM512およびCRM562と同様に、CRM604は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、不揮発性RAM(NVRAM)、読取専用メモリ(ROM)、またはフラッシュメモリといった、任意の好適なメモリまたはストレージデバイスを含んでもよい。
【0065】
CRM604は、少なくとも1つのネットワークスライス400に関連付けられた1つ以上の利用可能な機械学習アーキテクチャ606を格納する。利用可能な機械学習アーキテクチャ606は、ネットワークスライス400のサービス品質レベル410を満たすエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200および/または個々の機械学習アーキテクチャ(たとえば、機械学習アーキテクチャ210、機械学習アーキテクチャ220、および/または機械学習アーキテクチャ230)を指定する。
【0066】
また、CRM604は、機械学習アーキテクチャ選択規則608を格納する。機械学習アーキテクチャ選択規則608は、UE110が実行するアプリケーションに基づいて適切な機械学習アーキテクチャ210をUE110が選択することを可能にする命令を提供する。場合によっては、機械学習アーキテクチャ選択規則608は、UE110が、アプリケーションの所与の性能要件から要求されたサービス品質レベルを導出することを可能にする命令を含む。機械学習アーキテクチャ選択規則608は、UE110、基地局120、または5GC150のエンティティが、利用可能な機械学習アーキテクチャ606に基づいて適切な機械学習アーキテクチャを選択することを可能にする命令も含み得る。
【0067】
ネットワーク-スライスマネージャ190はまた、ネットワーク-スライスマネージャ190が基地局120と情報を交換するように構成する基地局インターフェイス610を含み得る。このように、ネットワーク-スライスマネージャ190は、基地局120に直接情報を提供する、または基地局120から情報を取得することができる。
【0068】
ユーザプレーンおよび制御プレーンシグナリング
図7は、無線ネットワークスタックモデル700(スタック700)のブロック
図700の例を示す図である。スタック700は、ネットワークスライシングのための機械学習アーキテクチャを決定するさまざまな態様が実装され得る、環境100の例のための通信システムを特徴付ける。スタック700は、ユーザプレーン702および制御プレーン704を含む。ユーザプレーン702および制御プレーン704の上位レイヤは、スタック700において共通の下位レイヤを共有する。UE110または基地局120などの無線デバイスは、レイヤについて定義されたプロトコルを使用して別のデバイスと通信するためのエンティティとして、各レイヤを実装する。たとえば、UE110は、パケットデータコンバージェンスプロトコル(Packet Data Convergence Protocol:PDCP)エンティティを使用して、PDCPを使用して基地局120内のピアPDCPエンティティに対して通信を行う。
【0069】
共有される下位レイヤは、物理(PHY)レイヤ706、メディアアクセス制御(MAC)レイヤ708、無線リンク制御(RLC)レイヤ710、およびPDCPレイヤ712を含む。PHYレイヤ706は、互いに通信を行うデバイスのハードウェア仕様を提供する。このように、PHYレイヤ706は、デバイスが互いにどのように接続するかを確立し、デバイス間で通信リソースがどのように共有されるかを管理すること等を支援する。
【0070】
MACレイヤ708は、データがデバイス間でどのように転送されるかを指定する。一般に、MACレイヤ708は、伝送されるデータパケットが伝送プロトコルの一部としてビットに符号化および復号される方法を提供する。
【0071】
RLCレイヤ710は、スタック700内のより上位のレイヤにデータ転送サービスを提供する。一般に、RLCレイヤ710は、エラー訂正、パケット分割および再組み立て、ならびに確認済みモード、未確認モード、または透過モード等のさまざまなモードでのデータ転送の管理を提供する。
【0072】
PDCPレイヤ712は、スタック700の上位レイヤにデータ転送サービスを提供する。一般に、PDCPレイヤ712は、ユーザプレーン702データおよび制御プレーン704データの転送、ヘッダ圧縮、暗号化、および完全性保護を提供する。
【0073】
PDCPレイヤ712の上で、スタックはユーザプレーン702と制御プレーン704とに分かれる。ユーザプレーン702のレイヤは、オプションのSDAP(Service Data Adaptation Protocol)レイヤ714、インターネットプロトコル(IP)レイヤ716、伝送制御プロトコル/ユーザデータグラムプロトコル(TCP/UDP)レイヤ718、および無線リンク106を使用してデータを転送するアプリケーションレイヤ720を含む。オプションのSDAPレイヤ714は、5G NRネットワークに存在する。SDAPレイヤ714は、データ無線ベアラごとにサービス品質フローをマッピングし、パケットデータセッションごとにアップリンクおよびダウンリンクデータパケットにおけるサービス品質フロー識別子をマークする。IPレイヤ716は、アプリケーションレイヤ720からのデータがどのように宛先ノードに転送されるかを指定する。TCP/UDPレイヤ718は、アプリケーションレイヤ720によるデータ転送のためにTCPまたはUDPのいずれかを使用して、宛先ノードに転送することを意図したデータパケットが宛先ノードに到達したことを確認するために使用される。実装によっては、ユーザプレーン702は、ウェブブラウジングコンテンツ、ビデオコンテンツ、画像コンテンツ、オーディオコンテンツ、またはソーシャルメディアコンテンツを含むIPパケットなどのアプリケーションデータを転送するためのデータ転送サービスを提供するデータサービスレイヤ(図示せず)も含んでもよい。
【0074】
制御プレーン704は、無線リソース制御(RRC)レイヤ724と非アクセス層(Non-Access Stratum:NAS)レイヤ726とを含む。RRCレイヤ724は、接続および無線ベアラを確立ならびに解放し、システム情報をブロードキャストする、または電力制御を実行する。また、RRCレイヤ724は、UE110のリソース制御状態を制御し、リソース制御状態に従ってUE110に動作を実行させる。リソース制御状態の例には、接続状態(たとえば、RRC接続状態)または非アクティブ状態(たとえば、RRC非アクティブ状態)もしくはアイドル状態(たとえば、RRCアイドル状態)などの切断状態が含まれる。一般に、UE110が接続状態である場合、基地局120との接続はアクティブである。非アクティブ状態の場合、基地局120との接続は中断される。UE110がアイドル状態である場合、基地局120との接続は解除される。一般に、RRCレイヤ724は、7GPPアクセスをサポートするが、非3GPPアクセス(たとえば、WLAN通信)はサポートしない。
【0075】
NASレイヤ726は、UE110と、5GC150のAMF152等のコアネットワーク内のエンティティまたは機能との間のモビリティ管理(たとえば、5GMM(5th-Generation Mobility Management)レイヤ728を使用して)およびパケットデータベアラコンテキスト(たとえば、5GSM(登録商標)(5th-Generation Session Management)レイヤ730を使用して)についてサポートを提供する。NASレイヤ726は、3GPPアクセスと非3GPPアクセスとの両方をサポートする。
【0076】
UE110において、スタック700のユーザプレーン702と制御プレーン704との両方における各レイヤは、基地局120内の対応するピアレイヤまたはエンティティ、コアネットワークのエンティティまたは機能、および/またはリモートサービスと対話して、RAN140におけるUE110のユーザアプリケーションをサポートし、動作を制御する。
【0077】
ネットワークスライシングのための機械学習アーキテクチャの決定
図8は、ネットワークスライシングのために機械学習アーキテクチャ210を決定するための、UE110とネットワーク-スライスマネージャ190との間のメッセージングトランザクション800の例を示す図である。図示されていないが、基地局120は、ネットワーク-スライスマネージャ190からUE110へのメッセージの転送を支援、またはUE110からネットワーク-スライスマネージャ190へのメッセージの転送を支援し得る。
【0078】
805で、UE110は、上述したアプリケーションのいずれかなどのアプリケーションを実行する。一般に、アプリケーションは、UE110がデータを無線通信する能力に依存する。アプリケーションは、要求されたサービス品質レベル806に関連付けられている。
【0079】
810で、ネットワーク-スライスマネージャ190は、サービス品質レベル410をサポートするネットワークスライス400を作成する。サービス品質レベル410は、
図4に関して上述したように、アプリケーションに関連付けられている、要求されたサービス品質レベル806を満たす。場合によっては、ネットワーク-スライスマネージャ190は、UE110から、インデックス(5QI)などの、要求されたサービス品質レベル806の指示を受信する。指示に基づいて、ネットワーク-スライスマネージャ190は、適切なネットワークスライス400を選択することができる。
【0080】
815で、ネットワーク-スライスマネージャ190は、利用可能な機械学習アーキテクチャメッセージ816をUE110に送信する。利用可能な機械学習アーキテクチャメッセージ816は、
図6に関して上述したように、ネットワークスライス400に関連付けられた利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200の一部を形成する利用可能な機械学習アーキテクチャ606(たとえば、利用可能な機械学習アーキテクチャ210)を特定する。この情報をUE110と共有することにより、ネットワーク-スライスマネージャ190およびUE110は、アプリケーションの要求されたサービス品質レベル806を満たし、要求されたサービス品質レベル806を満たすエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200(たとえば、
図2および
図3の機械学習アーキテクチャ210)の一部を形成する適切な機械学習アーキテクチャ210を効率的に決定することができる。利用可能な機械学習アーキテクチャメッセージ816は、NASメッセージとして実装することができる。
【0081】
上記の例では、利用可能な機械学習アーキテクチャメッセージ816は、ネットワークスライス400が作成された後に送信される。または、ネットワーク-スライスマネージャ190は、ネットワークスライス400を作成する前に、利用可能な機械学習アーキテクチャメッセージ816を送信する。この場合、利用可能な機械学習アーキテクチャメッセージ816は、複数のネットワークスライス400(たとえば、
図4のネットワークスライス401,402および403)に関連付けられた利用可能な機械学習アーキテクチャ606を特定する。
【0082】
820で、ネットワーク-スライスマネージャ190は、機械学習アーキテクチャ選択メッセージ822をUE110に送信する。機械学習アーキテクチャ選択メッセージ822は、UE110がアプリケーションに基づいて機械学習アーキテクチャを選択する(たとえば、
図2の機械学習アーキテクチャ210のうちの1つを選択する)ことを可能にする(
図6の)機械学習アーキテクチャ選択規則608を含む。利用可能な機械学習アーキテクチャメッセージ816と同様に、機械学習アーキテクチャ選択メッセージ822は、NASメッセージとして実装することも可能である。一般的に、ステップ815および820の各々は、825より前のいつでも、またはネットワーク-スライスマネージャ190が特定の機械学習アーキテクチャ210を使用するUE110の要求を拒否することに応答して、以下でさらに説明するように生じ得る。
【0083】
825で、UE110は、要求されたサービス品質レベル806に基づいて、機械学習アーキテクチャ210を選択する。UE110は、UE110がその現在の能力に基づいて実装することができる可能な機械学習アーキテクチャのセットから、機械学習アーキテクチャ210を選択することができる。場合によっては、UE110は、機械学習アーキテクチャ選択規則608を適用して、アプリケーションの性能要件から要求されたサービス品質レベル806を導出し、適切な機械学習アーキテクチャ210を選択する。他の場合では、UE110は、機械学習アーキテクチャ選択規則608を適用して、利用可能な機械学習アーキテクチャ606から機械学習アーキテクチャ210を選択する。
【0084】
830で、UE110は、(
図2および
図3の)選択された機械学習アーキテクチャ210を使用する許可を要求する機械学習アーキテクチャ要求メッセージ832を、ネットワーク-スライスマネージャ190に送信する。
【0085】
835で、ネットワーク-スライスマネージャ190は、要求を受け付けるか拒否するかを決定する。特に、ネットワーク-スライスマネージャ190は、選択された機械学習アーキテクチャ210が、ネットワークスライス400のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200のうちの1つに関連付けられているか否かを判断する。たとえば、ネットワーク-スライスマネージャ190は、ネットワークスライス400に関連付けられた利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200のうちの1つが、選択された機械学習アーキテクチャ210を用いて形成可能であるか否かを判断する。
【0086】
840で、ネットワーク-スライスマネージャ190は、選択された機械学習アーキテクチャ210を使用する許可を付与するか付与しないかを決定する機械学習アーキテクチャ応答メッセージ842を、UE110に送信する。ネットワーク-スライスマネージャ190が、選択された機械学習アーキテクチャ210が、ネットワークスライス400に関連付けられた利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200のいずれにも関連付けられていないと判断した場合、機械学習アーキテクチャ応答メッセージ842は、UE110に選択された機械学習アーキテクチャ210を使用する許可を付与しない。時には、ネットワーク-スライスマネージャ190は、UE110の要求を拒否することに応答して、利用可能な機械学習アーキテクチャメッセージ816および/または機械学習アーキテクチャ選択メッセージ822を送信する(図示せず)。
【0087】
許可が付与されない場合、UE110は、デフォルトのエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ203に関連付けられた機械学習アーキテクチャ(たとえば、
図2の機械学習アーキテクチャ213)を選択し、機械学習アーキテクチャ213を使用してアプリケーション用のデータを無線通信することができる。または、プロセスは、UE110が第2の機械学習アーキテクチャ210を選択するように、825で繰返すことができる。
【0088】
または、ネットワーク-スライスマネージャ190が、選択された機械学習アーキテクチャ210を使用して、ネットワークスライス400に関連付けられたエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200のうちの1つを形成できると判断した場合、機械学習アーキテクチャ応答メッセージ842は、UE110に、選択された機械学習アーキテクチャ210を使用する許可を付与する。
【0089】
許可が付与された場合、UE110は、選択された機械学習アーキテクチャ210を使用して、アプリケーション用のデータを無線通信する。たとえば、UE110は、選択された機械学習アーキテクチャ210を使用して、基地局120と無線通信を行う。
【0090】
選択された機械学習アーキテクチャ210を使用する許可をUE110に付与した後、ネットワーク-スライスマネージャ190は、選択された機械学習アーキテクチャ210を含む利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200を選択することができる。選択されたエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200に基づいて、ネットワーク-スライスマネージャ190は、基地局120および/または5GC150のエンティティに、選択されたエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200に関連付けられた機械学習アーキテクチャ220および機械学習アーキテクチャ230をそれぞれ使用するように、指示することができる。
【0091】
状況によっては、UE110は複数のアプリケーションを並行して実行することができ、ネットワーク-スライスマネージャ190は複数のネットワークスライス400を作成して、1つ以上のUE110を処理することができる。したがって、UE110(または別のUE110)が第2のアプリケーションを実行し、ネットワーク-スライスマネージャ190が第2のネットワークスライス400を作成、または第1のネットワークスライス400を使用して別のサービス品質フローを提供できるように、プロセスを805で繰返すことができる。
【0092】
UE110が異なる基地局120または5GC150の異なるエンティティに接続する場合、サービス品質レベル410を満たす利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200が変化することがある。この変化は、現在の基地局120または現在のエンティティが、5GC150の以前の基地局または以前のエンティティと比較して異なる能力を有する場合に生じ得る。能力が異なるために、現在の基地局120が実装できる機械学習アーキテクチャ220の第1のセットは、以前の基地局が実装できる機械学習アーキテクチャ220の第2のセットと異なる。同様に、現在のエンティティが実装できる機械学習アーキテクチャ230の第1のセットは、以前のエンティティが実装できる機械学習アーキテクチャ230の第2のセットと異なることがある。このように、利用可能な機械学習アーキテクチャ606は、現在の基地局120によってサポートされる機械学習アーキテクチャ220および現在のエンティティによってサポートされる機械学習アーキテクチャ230を使用して実現可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200によって決まり得る。
【0093】
利用可能な機械学習アーキテクチャ606に対する変更は、さまざまな異なる状況に応答して生じ得る。たとえば、これらの変更は、UE110が異なる場所またはトラッキングエリアに移動した場合に生じ得る。他の例では、これらの変更は、UE110がホームネットワーク(たとえば、UE110が登録されているネットワーク)と移動先のネットワーク(たとえば、UE110が登録されていないネットワーク)との間でローミングする場合に生じる。ネットワーク-スライスマネージャ190は、ネットワークスライス400に関連付けられた最新の利用可能な機械学習アーキテクチャ606をUE110に通知するために、第2の利用可能な機械学習アーキテクチャメッセージ816を送信し得る。
【0094】
基地局121が機械学習アーキテクチャ221を実装することが可能である例について考える。この例では、UE110は、基地局121との通信から基地局122との通信に切り替わる。しかしながら、基地局122の能力は、基地局122が機械学習アーキテクチャ221を実装することを可能にしない。そのため、(
図2の)エンドツーエンド機械学習アーキテクチャ201は、ネットワークスライス400のサービス品質レベル410を満たすための実行可能な選択肢ではなくなっている。関連して、機械学習アーキテクチャ211もまた、もはや利用可能ではない。ネットワーク-スライスマネージャ190は、利用可能な機械学習アーキテクチャ606への更新をUE110に通知するため、利用可能な機械学習アーキテクチャメッセージ816を送信する。この更新に基づいて、UE110は、エンドツーエンド機械学習アーキテクチャ202に関連付けられた機械学習アーキテクチャ212を選択する。この場合、機械学習アーキテクチャ212は、エンドツーエンド機械学習アーキテクチャ202の実装で、要求されたサービス品質レベル806を満足させることを可能にする。
【0095】
場合によっては、825における選択プロセスは、UE110がトラッキングエリア更新(TAU)手順を実行することに応答して生じる。TAU手順は、どのトラッキングエリアがUE110の現在位置に対応するかを無線ネットワークに通知する。
【0096】
UE110に関して説明したが、ネットワーク-スライスマネージャ190と、基地局120または5GC150のエンティティといった、無線通信ネットワーク内の他のエンティティとの間でも、同様の動作が起こり得る。これらの場合、エンティティおよびネットワーク-スライスマネージャ190は、エンティティの能力、要求されたサービス品質レベル806、および利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200に基づいて、適切な機械学習アーキテクチャを決定する。
【0097】
方法の例
図9は、ネットワークスライシングのための機械学習アーキテクチャを決定するために、UE110によって実行される方法900の例を示す図である。方法900は、実行される一連の動作(または行為)として示されているが、必ずしも動作が図示されている順序または組合わせに限定されるものではない。さらに、1つ以上の動作のいずれかを繰返し、組合わせ、再編成し、スキップし、またはリンクして、幅広い追加方法および/または代替方法を提供することができる。以下の議論の一部において、
図1の環境100および
図2に詳述されているエンティティが参照される場合があるが、これらの参照は例示のためにのみなされる。本技術は、1つのデバイス上で動作する1つのエンティティまたは複数のエンティティによる実行に限定されない。
【0098】
902で、UEは、要求されたサービス品質レベルに関連付けられた第1のアプリケーションを実行する。たとえば、UE110は、
図8の805で上述したように、要求されたサービス品質レベル806に関連付けられた第1のアプリケーションを実行する。
【0099】
904で、UEは、要求されたサービス品質レベルに基づいて、第1の機械学習アーキテクチャを選択する。たとえば、UE110は、要求されたサービス品質レベル806に基づいて、機械学習アーキテクチャ210を選択する。機械学習アーキテクチャ210は、
図2の機械学習アーキテクチャ211,212または213のうちの1つなど、UE110が実装可能な機械学習アーキテクチャ210のうちの1つであり得る。
【0100】
906で、UEは、第1の機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第1の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、無線ネットワークのネットワーク-スライスマネージャに送信する。たとえば、UE110は、機械学習アーキテクチャ210を使用する許可を要求する機械学習アーキテクチャ要求メッセージ832を、ネットワーク-スライスマネージャ190に送信する。
【0101】
機械学習アーキテクチャ要求メッセージ832の受信に応答して、ネットワーク-スライスマネージャ190は、UE110が要求する機械学習アーキテクチャ210が、
図4のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ201,202または203のうちの1つといった、ネットワークスライス400の少なくとも1つのエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200に関連付けられているか否かを判断する。エンドツーエンド機械学習アーキテクチャ201,202および203が、それぞれ機械学習アーキテクチャ211,212および213を含む例を考える。この場合、ネットワーク-スライスマネージャ190は、機械学習アーキテクチャ210がネットワークスライス400に関連付けられた機械学習アーキテクチャ211,212または213のうちの1つである場合、UE110に機械学習アーキテクチャ210を使用する許可を付与する。しかしながら、機械学習アーキテクチャ210が機械学習アーキテクチャ211,212および213のいずれにも関連付けられていない場合、ネットワーク-スライスマネージャ190は、UE110に、機械学習アーキテクチャ210を使用する許可を付与しない。ネットワーク-スライスマネージャ190は、機械学習アーキテクチャ応答メッセージ842をUE110に送信して、許可が付与されているか否かを伝達する。
【0102】
908で、UEは、第1のネットワークスライスに基づいて、第1の機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与する第1の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、ネットワーク-スライスマネージャから受信する。たとえば、UE110は、
図8の840で示されるような機械学習アーキテクチャ応答メッセージ842を、ネットワーク-スライスマネージャ190から受信する。この例では、機械学習アーキテクチャ応答メッセージ842は、ネットワークスライス400に基づいて(たとえば、機械学習アーキテクチャ210が、ネットワークスライス400に関連付けられたエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200のうちの1つ以上の一部を形成することに基づいて)、機械学習アーキテクチャ210を使用する許可をUE110に付与する。他の例では、機械学習アーキテクチャ応答メッセージ842は、機械学習アーキテクチャ210を使用する許可をUE110に付与しない。
【0103】
910で、UEは、第1の機械学習アーキテクチャを使用して、第1のアプリケーション用のデータを無線通信する。たとえば、UE110は、機械学習アーキテクチャ210を使用して、第1のアプリケーション用のデータを無線通信する。機械学習アーキテクチャは、たとえば、チャネル符号化、チャネル復号、変調、復調、暗号化、または復号を実行することができる。
【0104】
図10は、ネットワークスライシングのための機械学習アーキテクチャを決定するために、ネットワーク-スライスマネージャ190によって実行される方法1000の例を示す図である。方法1000は、実行される一連の動作(または行為)として示されているが、必ずしも動作が図示されている順序または組合わせに限定されるものではない。さらに、1つ以上の動作のいずれかを繰返し、組合わせ、再編成し、スキップし、またはリンクして、幅広い追加の方法および/または代替的な方法を提供することができる。以下の議論の一部において、
図1の環境100および
図3に詳述されているエンティティを参照することができるが、これらの参照は例のためにのみなされる。本技術は、1つのデバイス上で動作する1つのエンティティまたは複数のエンティティによる実行に限定されない。
【0105】
1002で、ネットワーク-スライスマネージャは、第1のネットワークスライスを作成する。たとえば、ネットワーク-スライスマネージャ190は、
図8の810で、ネットワークスライス400を作成する。
【0106】
1004で、ネットワーク-スライスマネージャは、第1の機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第1の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、UEから受信する。たとえば、ネットワーク-スライスマネージャ190は、
図8の830で示されるような機械学習アーキテクチャ要求メッセージ832を、UE110から受信する。機械学習アーキテクチャ要求メッセージ832は、UE110が機械学習アーキテクチャ210を使用する許可を要求する。
【0107】
1006で、ネットワーク-スライスマネージャは、第1の機械学習アーキテクチャが第1のネットワークスライスの少なくとも1つの第1のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャに関連付けられていると判断する。たとえば、ネットワーク-スライスマネージャ190は、機械学習アーキテクチャ210が、
図8の835で上述したように、ネットワークスライス400のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200のうちの少なくとも1つに関連付けられていると判断する。
【0108】
1008で、ネットワーク-スライスマネージャは、判断に基づいて、第1の機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与する第1の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、UEに送信する。たとえば、ネットワーク-スライスマネージャ190は、
図8の840で、機械学習アーキテクチャ応答メッセージ842をUE110に送信する。この例では、機械学習アーキテクチャ応答メッセージ842は、機械学習アーキテクチャ210を使用する許可をUE110に付与する。ネットワーク-スライスマネージャ190は、基地局120または5GCのエンティティに、機械学習アーキテクチャ210を含むエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200に関連付けられた機械学習アーキテクチャを使用するように指示することもできる。別の例では、機械学習アーキテクチャ応答メッセージ842は、機械学習アーキテクチャ210を使用する許可をUE110に付与しない。
【0109】
UE110およびネットワーク-スライスマネージャ190は、協働することにより、アプリケーションに関連付けられている、要求されたサービス品質レベル806を満たし、要求されたサービス品質レベル806を満たすエンドツーエンド機械学習アーキテクチャ200の一部を形成する適切な機械学習アーキテクチャ210を決定することが可能である。
【0110】
結論
ネットワークスライシングのための機械学習アーキテクチャを決定する技術は、特徴および/または方法に特有の言い回しで説明されてきたが、添付の請求項の主題は、必ずしも説明された特定の特徴または方法に限定されないことが理解されるべきである。むしろ、特定の特徴および方法は、ネットワークスライシングのための機械学習アーキテクチャを決定する実装例として開示されている。
【0111】
以下でいくつかの例について説明する。
例1:ユーザ装置によって実行される方法であって、ユーザ装置が、
第1の要求されたサービス品質レベルに関連付けられた第1のアプリケーションを実行することと、
第1の要求されたサービス品質レベルに基づいて、第1の機械学習アーキテクチャを選択することと、
第1の機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第1の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、無線ネットワークのネットワーク-スライスマネージャに送信することと、
第1のネットワークスライスに基づいて、第1の機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与する第1の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、ネットワーク-スライスマネージャから受信することと、
第1の機械学習アーキテクチャを使用して、第1のアプリケーション用のデータを無線通信することとを備える、方法。
【0112】
例2:第1の機械学習アーキテクチャを選択することは、
第1のネットワークスライスに関連付けられた利用可能な機械学習アーキテクチャを特定する利用可能な機械学習アーキテクチャメッセージを、ネットワーク-スライスマネージャから受信することと、
利用可能な機械学習アーキテクチャから、第1の機械学習アーキテクチャを選択することとを含む、例1に記載の方法。
【0113】
例3:第1の機械学習アーキテクチャを選択することは、
1つ以上の選択規則を含む機械学習アーキテクチャ選択メッセージを、ネットワーク-スライスマネージャから受信することと、
1つ以上の選択規則を実行して、第1の機械学習アーキテクチャを決定することとを含む、例1または2に記載の方法。
【0114】
例4:第2の機械学習アーキテクチャを選択することと、
第2の機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第2の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、ネットワーク-スライスマネージャに送信することと、
第2のネットワークスライスに基づいて、第2の機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与する第2の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、ネットワーク-スライスマネージャから受信することとをさらに備える、先行する例のいずれか1つに記載の方法。
【0115】
例5:第2の機械学習アーキテクチャを使用して、第1のアプリケーション用の他のデータを無線通信することをさらに備え、
第2の機械学習アーキテクチャを選択することは、第1の要求されたサービス品質レベルに基づき、
第2の機械学習アーキテクチャを選択することは、
ユーザ装置が、異なる基地局または異なるトラッキングエリアに関連付けられた地理的な位置に移動すること、または
ユーザ装置が、ホームネットワークと移動先のネットワークとの間でローミングを行うこととのうちの少なくとも1つに応答する、例4に記載の方法。
【0116】
例6:第2の要求されたサービス品質レベルに関連付けられた第2のアプリケーションを実行することと、
第2の要求されたサービス品質レベルに基づいて、第2の機械学習アーキテクチャを選択することと、
第2の機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第2の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、ネットワーク-スライスマネージャに送信することと、
第1のネットワークスライスまたは第2のネットワークスライスに基づいて、第2の機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与する第2の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、ネットワークスライスマネージャから受信することとをさらに備える、例1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0117】
例7:第2の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを受信することに応答して、第2の機械学習アーキテクチャを使用して、第2のアプリケーション用の他のデータを無線通信することをさらに備え、
第2の機械学習アーキテクチャを選択することは、第2の要求されたサービス品質レベルに基づき、
第2のアプリケーションを実行することは、第1のアプリケーションが実行される時間の少なくとも重複する部分の間に生じ、
第1の機械学習アーキテクチャの使用および第2の機械学習アーキテクチャの使用は両方とも、時間の少なくとも重複する部分の間に生じる、例6に記載の方法。
【0118】
例8:トラッキングエリア更新プロシージャを実行することをさらに備え、
第2の機械学習アーキテクチャを選択することは、トラッキング更新プロシージャを実行することに応答して生じる、先行する例のいずれか1つに記載の方法。
【0119】
例9:第3の要求されたサービス品質レベルに関連付けられた第3のアプリケーションを実行することと、
第3の要求されたサービス品質レベルに基づいて、第3の機械学習アーキテクチャを選択することと、
第3の機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第3の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、ネットワーク-スライスマネージャに送信することと、
第3の機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与しない第3の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、ネットワーク-スライスマネージャから受信することと、
第3の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを受信することに応答して、デフォルトの機械学習アーキテクチャを選択することと、
デフォルトの機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第4の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、ネットワーク-スライスマネージャに送信することと、
第3のネットワークスライスに基づいて、デフォルトの機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与する第4の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、ネットワーク-スライスマネージャから受信することと、
デフォルトの機械学習アーキテクチャを使用して、第3のアプリケーション用の追加のデータを無線通信することとをさらに備える、先行する例のいずれか1つに記載の方法。
【0120】
例10:少なくとも1つの第1のサービス品質レベルは、
レイテンシレベル、
スループットレベル、または
信頼性レベルのうちの少なくとも1つを含む、先行する例のいずれか1つに記載の方法。
【0121】
例11:第1の機械学習アーキテクチャは、
多くのレイヤ、
1つ以上のタイプのレイヤ、
1つ以上のタイプのレイヤの順序、または
レイヤ間の1つ以上のタイプの接続、のうちの少なくとも1つを指定する、先行する例のいずれか1つに記載の方法。
【0122】
例12:無線周波数トランシーバと、
例1~11のいずれか1つに記載の方法を実行するように構成された第1のプロセッサおよび第1のメモリシステムを備える、ユーザ装置。
【0123】
例13:ネットワーク-スライスマネージャによって実行される方法であって、
第1のネットワークスライスを作成することと、
第1の機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第1の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、ユーザ装置から受信することと、
第1の機械学習アーキテクチャが第1のネットワークスライスの少なくとも1つの第1のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャに関連付けられていると判断することと、
第1の機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与する第1の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、ユーザ装置に送信することとを備える、方法。
【0124】
例14:第1のネットワークスライスを少なくとも1つの利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチャに関連付ける情報を格納することをさらに備え、
第1の機械学習アーキテクチャが少なくとも1つの第1のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャに関連付けられていると判断することは、第1の機械学習アーキテクチャが少なくとも1つの利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチャの一部を形成すると判断することを含む、例13に記載の方法。
【0125】
例15:少なくとも1つの利用可能な機械学習アーキテクチャは、少なくとも1つのエンドツーエンド機械学習アーキテクチャを含み、少なくとも1つのエンドツーエンド機械学習アーキテクチャは、第1のユーザ装置機械学習アーキテクチャを含む、例14に記載の方法。
【0126】
例16:少なくとも1つの利用可能なエンドツーエンド機械学習アーキテクチャを特定する利用可能な機械学習アーキテクチャメッセージを、ユーザ装置に送信することをさらに備える、例14または例15に記載の方法。
【0127】
例17:利用可能な機械学習アーキテクチャメッセージは、非アクセス層メッセージを含む、例16に記載の方法。
【0128】
例18:ユーザ装置が第1の機械学習アーキテクチャを決定することを可能にする1つ以上の選択規則を含む機械学習アーキテクチャ選択メッセージを、ユーザ装置に送信することをさらに備える、例13~17のいずれか1つに記載の方法。
【0129】
例19:第2のネットワークスライスを作成することと、
第2の機械学習アーキテクチャを使用する許可を要求する第2の機械学習アーキテクチャ要求メッセージを、ユーザ装置から受信することと、
第2の機械学習アーキテクチャが第2のネットワークスライスのいずれの第2のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャにも関連付けられていないと判断することと、
第2の機械学習アーキテクチャを使用する許可を付与しない第2の機械学習アーキテクチャ応答メッセージを、ユーザ装置に送信することとをさらに備える、例13~18のいずれか1つに記載の方法。
【0130】
例20:第2の機械学習アーキテクチャ応答メッセージは、第2のエンドツーエンド機械学習アーキテクチャのうちの少なくとも1つに関連付けられた第3の機械学習アーキテクチャを含む、例19に記載の方法。
【0131】
例21:例12~20のいずれか1つに記載の方法を実行するように構成されたプロセッサおよびメモリシステムを備える、ネットワーク-スライスマネージャ。
【0132】
例22:例12に記載のユーザ装置と、
例21に記載のネットワーク-スライスマネージャとを備え、ネットワーク-スライスマネージャのプロセッサおよびメモリシステムは、第2のプロセッサおよび第2のメモリシステムを含む、システム。