(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】情報分電盤
(51)【国際特許分類】
H05K 5/02 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
H05K5/02 H
(21)【出願番号】P 2019139887
(22)【出願日】2019-07-30
【審査請求日】2022-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】592236371
【氏名又は名称】サン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180149
【氏名又は名称】庄司 修
(74)【代理人】
【識別番号】100066821
【氏名又は名称】庄司 建治
(72)【発明者】
【氏名】工藤 太一
(72)【発明者】
【氏名】浦部 祥行
(72)【発明者】
【氏名】新藤 昌和
(72)【発明者】
【氏名】三上 尚人
(72)【発明者】
【氏名】松原 寛至
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-071257(JP,A)
【文献】特開2000-139581(JP,A)
【文献】登録実用新案第3155832(JP,U)
【文献】実開昭62-094685(JP,U)
【文献】特開2017-092065(JP,A)
【文献】特開2017-157188(JP,A)
【文献】実公昭37-013704(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/02
A47B 67/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直に配置される板状の盤本体と、その盤本体下部
が前記盤本体からつづいて一体的に形成された第1の載置棚及び
引き出し状の第2の載置棚を備えた載置棚と、その載置棚の上部から盤本体を覆うカバーとから成ること、
前記盤本体には、インフラ機器が着脱自在であること、
前記載置棚の第1の載置棚には、側方へのはみ出しを防止する側壁が設けられていると共に、前記第1の載置棚の下側は、引出し可能な第2の載置棚が設けられた二重構造とされていること、
前記二重構造の載置棚をな
す第2の載置棚は、その後方開口部が前記第1の載置棚の前方開放部に対し嵌り込んでスライド移動自在に構成され、かつ前面と両サイドに壁となる部分があり下側に引き出し自在に形成されており、当該第2の載置棚を引き出すことによって、
その第2の載置棚に
キャリア機器やユーザー機器が搭載自在に構成されていること、
を特徴とする情報分電盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ受信用の分配増幅器とインターネットのLAN配線用のHUBや電話回線の端子台などのインフラ機器及び、光インターネットの通信機器等のキャリア機器(例えば、ONU)やユーザー機器(例えば、LAN)を、効率よくコンパクト収納し、必要に応じて機器設置スペースを広く確保する情報分電盤の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の新築住宅では、保守・点検や改修工事などを行い易いようにテレビ受信システム機器とインターネットなどの通信機器を同一のボックスの中に配置した情報分電盤の設置が一般化してきている。
しかし、大きな情報分電盤を設置すれば、様々な機器を設置することはできるが、広いスペースを必要とし、コスト高にもなる。一方、小型サイズの情報分電盤では、光インターネット回線が時代の変化に伴い高速化に対応するため、発熱量の大きいONUに変更されたり、HEMS機器を追加されたりして、情報分電盤の中に入らないという問題がある。
【0003】
この点、例えば下記特許文献1には、情報端末装置の情報伝送配線に接続される各種機器を収納する機器収納装置であって、前方側に開口面を有する箱状の本体と、後方側に前記本体の開口面と合わさる開口面を有する開閉自在な箱状の蓋体と、からなるキャビネットと、前記本体の後方壁面に設けられ、前方側の面に機器を取り付け可能な機器取付板と、前記機器取付板に取り付けられた機器よりも前方寄りで、前記機器に接触しない位置に別の機器を設置可能な機器載置部材と、を有し、前記キャビネットは、前記機器取付板、前記機器取付板に設置される機器、前記機器載置部材及び前記機器載置部材に設置される前記別の機器を収容可能な奥行きを有しており、前記機器載置部材は、前記本体に固定され、前記機器載置部材の先端部が、前記本体の開口面よりも前方に位置していることを特徴とする、機器収納装置(同文献の請求項1)が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、建造物内に設置され前面が開放された盤本体を有し、 前記盤本体は、前記建造物の外部から引き込まれた先行配線に接続されるインフラ機器を収納するインフラ収納部と、電気通信事業者によって管理されるキャリア機器を収納するキャリア収納部とが別々に設けられており、前記盤本体は、前記インフラ収納部の前面を覆う内カバーを有しており、当該内カバーの前方に前記インフラ機器と前記キャリア機器との少なくとも一方に接続されるユーザー機器を収納するユーザー機器収納部を有することを特徴とするマルチメディア情報盤(同文献の請求項1)が記載されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、箱状の盤本体の前面開放部に前面カバーを備え、前面カバーの一部が倒伏姿勢となりその上面に機器を設置可能となって収納容量が増加することを特徴とする情報盤(同文献の請求項1)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5288547号公報
【文献】特許第5616772号公報
【文献】特許第6199943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1のインフラ機器とキャリア機器を盤本体に取り付けた情報分電盤では、盤本体が横方向に大きくなり、クローゼットなどの横方向の寸法が狭いところには設置できないという問題があった。
【0008】
特許文献2のインフラ機器とキャリア機器とを前後方向に重ねた情報分電盤は、本体が箱型形状になっており、インフラ機器への配線の取り付けがやりにくく、この点が解決すべき課題とされている。また、ユーザーがスマートホンなどの無線LANへの設定を行う為、情報分電盤に搭載したユーザー機器を操作する目的で、カバーを開ける際に、キャリア機器やユーザー機器が落下してケーブルが断線もしくは抜けてしまうといった問題もある。
【0009】
特許文献3のキャリア機器を増設する場合は、すでに盤本体内部に設置されているキャリア機器の接続をはずし盤本体から機器を移動させてから前面カバーを載置棚として設置した後、再びはずした機器の設置や再設定をやり直す必要があって手間がかかるという問題があった。
【0010】
したがって、本発明の目的は、コンパクト設計でありながら、インフラ機器を効率よく設置できる上、家屋の完成後にキャリア機器やユーザー機器等の各種機器の数量に応じて、内蔵している棚を引き出すことにより、多くの機器を設置できて便利な情報分電盤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明の情報分電盤は、垂直に配置される板状の盤本体1と、その盤本体下部10が前記盤本体1からつづいて一体的に形成された第1の載置棚2A及び引き出し状の第2の載置棚2Bを備えた載置棚2と、その載置棚2の上部から盤本体1を覆うカバー3とから成ること、
前記盤本体1には、インフラ機器Aが着脱自在であること、
前記載置棚2の第1の載置棚2Aには、側方へのはみ出しを防止する側壁27が設けられていると共に、前記第1の載置棚2Aの下側は、引出し可能な第2の載置棚2Bが設けられた二重構造とされていること、
前記二重構造の載置棚2をなす第2の載置棚2Bは、その後方開口部が前記第1の載置棚2Aの前方開放部に対し嵌り込んでスライド移動自在に構成され、かつ前面と両サイドに壁となる部分があり下側に引き出し自在に形成されており、当該第2の載置棚2Bを引き出すことによって、その第2の載置棚2Bにキャリア機器Bやユーザー機器Cが搭載自在に構成されていること、
を特徴とする。
【0014】
請求項4に記載した発明は、請求項1~3のいずれか一に記載した情報分電盤の前記第1の載置棚2Aの側壁27の上部が、第2の載置棚2Bの側壁20を係止しつつスライド移動自在にするリブ24付きスライド係止溝23に形成され、前記第2の載置棚2Bの側壁20の先端には、第1の載置棚2Aの側壁27の前記リブ24に係止して落下を防ぐ突起20aが形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載した発明は、請求項1~4のいずれか一に記載した情報分電盤の内部に設けられる電源コンセント9、30のうち、屋内配線工事で電力線4が接続されるコンセント9が盤本体1に固定され、且つ前記電力線4が接続される側と反対側となる接続端子90に電線5が接続され、第1の載置棚2A又は第2の載置棚2B上の所望位置に移動自在なコンセント30が、前記電線5の先端に接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のコンパクト設計の情報分電盤によれば、必要最小限のスペースを確保して、キャリア機器やユーザー機器を前後につづけて簡単かつ安全に載置棚の上に設置でき、狭い部分にも取り付けられる自在性に優れている。インフラ機器が取り付けられた盤本体周辺は平らな状態であり、各部屋から多数来ている配線をインフラ機器に楽に取り付けることができる。
また、板状の盤本体は、カバーと分離できるため、情報分電盤の製作工程であらかじめ盤本体に取り付けられる、ブースタ、分配器、電話端子、HUB、電源コンセント等の取り付けが容易で使い勝手に優れる上、生産コストの低減化が達成される。
そして、本発明は、コンパクト設計でありながら、テレビ共同受信用の増幅器や各部屋にテレビ信号を分配する分配器と各部屋のLAN端子に信号を送るHUBや電話端子台などのインフラ機器を内蔵しており、さらにユーザーが希望に応じて設置する光ONU(Optical Network Unit)や無線LANなどのキャリア機器を搭載できる第1の載置棚が盤本体の下部に一体的に形成されている。この棚の下部には第2の載置棚が前記載置棚の下側に引き出し自在に形成されている。この第2の載置棚は前面と両サイドに壁となる部分があり、第1の載置棚と一体に収まる寸法になっている。また、第1の載置棚の上部から盤本体を覆うカバーがあり、コンパクトで一体となった情報分電盤となっている。
将来インターネットの光回線が高速になり10Gbps対応ONUに変更する必要が生じ、あわせて高速無線LANルータなどを導入する場合、これらの機器は発熱が多く盤の内部に設置することは禁止されているものもある。このような場合、盤本体の載置棚の下側に取り付けられている第2の載置棚を前方に引き出せば、棚に搭載できる量は約2倍になり、また、引き出された棚の部分は本体カバーの外側となり空間にむき出しとなるため、この部分に光高速10GbpsONUや高速無線LANルータを設置すれば大きな発熱があっても十分な放熱をすることができる。すなわち、家屋の完成後にユーザーが追加設置する、光インターネット通信機器などのキャリア機器やユーザー機器を、既設機器の再設定や再接続を行うことなく、広いスペースを確保して安全に設置できる使い勝手に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の情報分電盤の盤本体を示した斜視図である。
【
図2】(A)は盤本体への第2の載置棚の取付け状態を示した斜視図、(B)は(A)の部分拡大図である。
【
図4】カバーの取付け要領を後方から示した斜視図である。
【
図5】盤本体へ第2の載置棚を押し込んだ状態で、各種機器を搭載した状態を示した斜視図である。
【
図7】盤本体から第2の載置棚を引き出した状態でキャリア機器やユーザー機器を搭載した状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の情報分電盤の好適な実施形態を、以下図面にしたがって説明する。
この情報分電盤は、概要、垂直に配置される板状の盤本体1と、その盤本体下部10に形成された第1の載置棚2Aと同載置棚2Aから対し引き出し自在な第2の載置棚2Bを備えた載置棚2と、その載置棚2の上部から盤本体1を覆うカバー3とで構成されている。前記載置棚2の第1の載置棚2Aには、側方へのはみ出しを防止する側壁27が設けられていると共に、前記第1の載置棚2Aの下側は、引出し可能な第2の載置棚2Bが設けられた二重構造となっており、前記第2の載置棚2Bを引き出すことによって、当該第2の載置棚2Bにも各種機器が搭載自在に成っている。詳細説明は後述する。
【0019】
図1に示した本実施形態の盤本体1は、横方向の幅寸が530mm程度、縦が380mm程度の合成樹脂製で成り、ブースタ14や電話端子台15、電源コンセント9などを取り付けられる穴が開いているので、決まった位置に誰でも容易に取り付けることができる。
【0020】
前記盤本体1は、凹状のネジ止め穴12(
図2B参照)が多数形成された合成樹脂製で成形し、インフラ機器Aを前記ネジ止め穴12を用いて当該盤本体1にネジ止めする形態も好適に実施される。また、コストを低減するために、インフラ機器Aを取り付けるスペース周辺の当該樹脂製盤本体1の表面に、凹状のネジ止め穴12の加工を施しておけば(
図2B参照)、樹脂製の当該盤本体1に直接インフラ機器Aをネジ止めできて便利である。このように、ネジ止め穴12を多数形成しておけば、機器が変更になった場合や、取り付け位置が変更になった場合にも即座に対応できる。
【0021】
当該情報分電盤において、インフラ機器Aへの配線ケーブル(図示は省略)は、基本的に
図1に示した盤本体1の上部間隙のケーブル入線口16から入線する仕組になっている。電話ケーブルや光ファイバー、テレビ用のケーブルは、盤左上に符号17で図示した管を使用して入線される。盤中央には、機器の取り付けがなくスペース11が設けられている。
【0022】
また、盤本体1の上側には、屋内配線工事で接続される電力線4の取込み口18があり、盤本体1の上部に設置されている3個の電源コンセント9は、右、左どちらも結線できる構造になっている。電源コンセント9のプラグ差し込み口を、横型や縦型のものを組み合わせれば、インフラ機器Aやユーザー機器Cの大型のコンセント差し込み型の電源は、その構造に応じて縦型、横型のコンセント9を選んで差し込むことができ、盤本体1からはみ出さないように設置できる(図示は省略)。
前記の電力線4が接続される側と反対側となる接続端子90に、載置棚2まで届く長さの電線5が接続され、第1の載置棚2A又は第2の載置棚2B(後述)上の所望位置に移動自在なコンセント30が、前記電線5の先端に接続されている。よって、この電源コンセント30は、後日増設されるキャリア機器Bやユーザー機器Cの電源用として使用するのに自在に移動でき、接続するプラグの形状にも対応することができる。
【0023】
すなわち、インフラ機器Aへの電力を供給するとともに、ユーザーの希望により後日設置されるキャリア機器Bやユーザー機器Cへ電力を供給する必要が生じうる。載置棚2を大きくすれば搭載できる機器の数も増え、必要となるコンセントの数も増加してくる。コンセント1つの寸法は概略決まっているため、一列に並べた場合、情報分電盤の筐体寸法を大きくせざるを得ない。また、コンセントに直接接続するACアダプタなどの大きさによっては、隣りのコンセントとの離隔距離を広くする必要もあり、さらに筐体寸法を大きくすることとなってしまう。そこで、本実施形態のように、一定数量のコンセント9を連続接続して固定し、最後のコンセントの接続端子90に丁度良い長さの前記電線5を接続し、その先端に電源コンセントを接続する構成として、増設される機器B、C等の電源形態に柔軟に対応している。
【0024】
図2に示した本実施形態の載置棚2について説明する。
この載置棚2は、第1の載置棚2Aと第2の載置棚2Bを備えている。上述した前記盤本体1の下部10に、第1の載置棚2Aが設けられている。この第1の載置棚2Aは、盤本体1と一体に成型しても、別体で作成して盤本体1にビス等で固定しても良い。この第1の載置棚2Aの下側に、第2の載置棚2Bがスライドできる構造で係止されている。
【0025】
第1の載置棚2Aは、幅寸が524mm程度、奥行が159mm程度で、下面部26の両側に高さ100mm程度の側壁27が立設されて形成されている。前記下面部26の上に、キャリア機器Bやユーザー機器C等の各種機器を搭載することができる。
第2の載置棚2Bは、幅寸が511mm程度、奥行が173mm程度の下面部21の手前に、高さが100mm程度の前壁22が設けられていると共に、前記
前壁22の両側に高さ84mm程度の側壁20が設けられた構成となっており、その後方開口部が、前記第1の載置棚2Aの前方開放部に対し、嵌り込んでスライド移動自在に構成されている。
すなわち、
図2Bに拡大して示したように、前記第1の載置棚2Aの側壁27の上部が、前記第2の載置棚2Bの側壁20を係止しつつスライド移動自在にするリブ24付きのコ字状のスライド係止溝23に形成されている。そして、前記第2の載置棚2Bにおける側壁20の第1の載置棚2A方向の先端には、第1の載置棚2Aの側壁27の前記リブ24に係止して落下を防ぐ突起20aが形成されている。
【0026】
したがって、第2の載置棚2Bを盤本体1から引き出した際、その第2の載置棚2Bが載置棚2(第1の載置棚2A)から落下しない構造となっている。また、
図7に示したように、第1の載置棚2Aから引き出して第2の載置棚2B上に機器B、Cが設置された状態で、第2の載置棚2B棚を締める方向に力が加わった場合に動かないように、第1の載置棚2Aと第2の載置棚2Bとをネジ止め穴12にビス29等で固定する実施形態も採用可能な構造となっている(
図2B参照)。
なお、前記第2の載置棚2Bの下面部21は、リブなどを形成してキャリア機器Bを載せた際に撓まないように強度を増加させている。また、第2の載置棚2Bの側壁20は、当該第2の載置棚2Bの下面部21から分離して撓む構造になっており、盤本体1から容易に取り外すことができ、インフラ機器の配線工事を楽に行うことができる。
かくして、上述した載置棚2の第2の載置棚2Bを、
図5に示したように、第1の載置棚2Aに収納されている状態から手前に引き出すことによって、載置棚2は略2倍の搭載容量となる。よって、前記第1の載置棚2Aや第2の載置棚2Bに、キャリア機器Bやユーザー機器Cその他の各種機器を搭載する広いスペースが確保される(
図2、
図7参照)。
【0027】
図3に示した本実施形態のカバー3は、縦×横×奥行が280×530×197mm程度の一般的な蓋体構造である。上記した盤本体1の縦×横と同じ寸法で、上記載置棚2と、同載置棚2に載置される各種機器を覆うに必要最小限の奥行で構成され、載置棚2の上部から盤本体1にぴったりと合わさって取り付けられる。また、
図4に示したように、当該カバー3には上部端に係止爪31が設けられ、この係止爪31が盤本体1の上部被係止部19に係止されることで落下しなくなる。と共に、前方から、盤本体1に押し付けることにより、側面に設けられた可動係止片32が、対応する盤本体1の側面の側部被係止部11に留められることによりカバー3は固定される。
【0028】
図3は、第2の載置棚2Bを第1の載置棚2Aに押し込んでカバー3を取り付けた状態の情報分電盤の斜視図を示している。この状態で内部には
図5、
図6に示したようにインフラ機器Aと一般的なキャリア機器Bやユーザー機器Cは十分納まっている。
また、
図7と
図8に示したように、第2の載置棚2Bを引き出した状態で、同第2の載置棚2B上に、発熱の大きい10Gbpsの光ONUなどのキャリア機器Bや高速無線ルータなどのユーザー機器Cを設置した場合、前記機器B、Cは、カバー3で仕切られた第1の載置棚2Aの外となるため、十分な放熱が行われる状態で設置可能となる。
【0029】
なお、インフラ機器Aの配置は、HUB13を盤本体1の右上角に、接続コネクタ部が内向きになるように固定し、ブースタ14(インフラ機器A)は左端に固定し出力コネクタを上向きに、入力コネクタを内向きになるようにしている。かくして、中央部に前記配線スペース11が設けられた配置となっているので、各機器への配線をスムーズに行うことができる。また、後日設置されるインターネット回線の機器であるONUなどのキャリア機器Bとの接続も容易である。
【0030】
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
【符号の説明】
【0031】
A インフラ機器
B キャリア機器
C ユーザー機器
1 盤本体
10 盤本体下部
11 被係止片
2 載置棚
2A 第1の載置棚
2B 第2の載置棚
20 側壁
20a 突起
21 下面部
22 前壁
23 スライド係止溝
24 リブ
26 下面部
27 側壁
29 ビス
3 カバー
30 コンセント
31 係止爪
32 可動係止片
4 電力線
5 電線
9 コンセント
90 接続端子