(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】ホスホジエステラーゼ阻害剤の使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4545 20060101AFI20231219BHJP
A61P 9/04 20060101ALI20231219BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
A61K31/4545
A61P9/04
A61K45/00
(21)【出願番号】P 2021553378
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(86)【国際出願番号】 CN2020078215
(87)【国際公開番号】W WO2020182076
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-03-11
(31)【優先権主張番号】201910174522.6
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910235722.8
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520070459
【氏名又は名称】トランステラ サイエンシーズ (ナンジン), インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TRANSTHERA SCIENCES (NANJING),INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】シェン, ゼジュアン
(72)【発明者】
【氏名】ウー, フランク
【審査官】三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-506739(JP,A)
【文献】特開2001-192385(JP,A)
【文献】国際公開第2017/019723(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/019724(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/009899(WO,A1)
【文献】特表2005-511575(JP,A)
【文献】特表2005-511619(JP,A)
【文献】Nature,2015年,Vol.519,pp.472-476,METHODS、Extended Data Figure 1-9、Extended Data Table 1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/33-33/44
A61P 1/00-43/00
A61K 45/00
C07D201/00-521/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物における心不全疾患を治療するための医薬の製造への、一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物
、その薬学的に許容される塩、
立体異性体、互変異性体、
又は重水素化合物の使用。
【化1】
[式中、X
1及びX
4はCHであり、X
2はNであり、X
3はCR
3であり、
R
3は、出現する毎に、水素、重水素、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、及びC
1~6アルキルカルボニルから独立に選択され、
ここで、前記C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、及びC
1~6アルキルカルボニルは、置換されていないか、又は1個または複数個のヒドロキシル基で任意選択で置換されており、
Lは、結合であり、
環Aは、
【化2】
であり、
各R
1は、水素、重水素、C
1~6アルキル、及びC
1~6アルコキシから独立に選択され、
mは、0、1、2又は3であり、
R
2は、水素である。]
【請求項2】
哺乳動物における心不全疾患を治療するための医薬の製造における、下記の構造によって表される化合物
、その薬学的に許容される塩、
立体異性体、互変異性体、又は重水素化合物の使用。
【化3】
【請求項3】
心不全疾患を治療するための前記医薬が、第2又は複数の種類の治療剤をさらに含む、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
心不全疾患を治療するための前記医薬が、薬学的に許容される医薬担体と一緒に任意の薬学的に許容される医薬調製物を製造することができる、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項5】
心不全疾患を治療するための前記医薬が、経口、非経口、経皮的、直腸、経鼻、肺、埋込、
又は局所投与によって
治療を必要としている患者又は対象に投与される
ものである、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項6】
前記心不全疾患が、左心不全、右心不全、及び両心不全;急性心不全、慢性心不全、及び非代償性心不全;収縮期及び拡張期心不全
;難治性末期心不全;ニューヨーク心臓協会(NYHA)による心臓機能に従ってI度、II度、III度、及びIV度の心不全;並びに低下した左室駆出率を有する心不全、中間域の左室駆出率を有する心不全、及び保持された左室駆出率を有する心不全を含めた、異なる分類基準下の様々な心不全である、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項7】
前記心不全疾患が、虚血性心疾患によってもたらされる心不全、毒性損傷によってもたらされる心不全、免疫介在性心不全、及び炎症性損傷によってもたらされる心不全、浸潤性病変によってもたらされる心不全、代謝性障害によってもたらされる心不全、遺伝子異常によってもたらされる心不全、異常な負荷によってもたらされる心不全、及び不整脈によってもたらされる心不全から選択される、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項8】
前記心不全疾患が、収縮期心不全
又は拡張期心不全から選択される、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項9】
前記哺乳動物が、ヒト
又は非ヒト哺乳動物である、請求項1に記載の使用。
【請求項10】
請求項1に記載された一般式(I)によって表される化合物
もしくは請求項2に記載された前記構造によって表される化合物、
又はその薬学的に許容される塩、
立体異性体、互変異性体もしくは重水素化合物が、PDE9の活性を阻害し、環状グアノシン一リン酸のレベルを増加させることによって心不全の治療において効果を発揮する、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項11】
請求項1に記載された一般式(I)によって表される化合物
もしくは請求項2に記載された前記構造によって表される化合物、
又はその薬学的に許容される塩、
立体異性体、互変異性体もしくは重水素化合物が、心不全を有する患者又は対象の心臓機能を改善させ、且つ心不全を有する患者又は対象の心筋リモデリングを逆転させることによって、心不全の治療において効果を発揮する、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項12】
キットであって、(a)一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、その薬学的に許容される塩、
立体異性体、互変異性体、又は重水素化合物と、(b)哺乳動物における心不全疾患の治療における前記化合物、又はその前記薬学的に許容される塩
、立体異性体、互変異性体もしくは重水素化合物の使用のための説明書とを含む、キット。
【化4】
[式中、X
1及びX
4はCHであり、X
2はNであり、X
3はCR
3であり、
R
3は、出現する毎に、水素、重水素、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、及びC
1~6アルキルカルボニルから独立に選択され、
ここで、前記C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、及びC
1~6アルキルカルボニルは、置換されていないか、又は1個または複数個のヒドロキシル基で任意選択で置換されており、
Lは、結合であり、
環Aは、
【化5】
であり、
各R
1は、水素、重水素、C
1~6アルキル、及びC
1~6アルコキシから独立に選択され、
mは、0、1、2又は3であり、
R
2は、水素である。]
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は、医薬品の技術分野に属し、特に、哺乳動物における心不全疾患を治療するための医薬の製造における、一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物の使用に関する。
【0002】
[背景技術]
心不全は臨床的な症候群であり、これは、頚静脈圧上昇、肺のラッセル音、及び末梢浮腫などの徴候がまた付随して起こり得る、呼吸困難、足首の浮腫、疲労、並びに他の病的状態及び生理学的状態によって特性決定され、異常な心臓構造及び/又は機能による安静時又はストレス下の心拍出量の減少及び/又は心臓内圧力の増加によってもたらされる。指標、例えば、左室駆出率(LVEF)の測定、ナトリウム利尿ペプチドのレベル、及び異常な心臓機能によると、心不全は、保持された駆出分画を有する心不全(HFpEF、LVEF>50%)、中間域の駆出分画を有する心不全(HFmrEF、LVEF40%~49%)及び低下した駆出分画を有する心不全(HFrEF、LVEF<40%)に分類される。ニューヨーク心臓協会(NYHA)によって、心不全の時間経過又は重症度によると、心不全は、急性心不全、慢性心不全、非代償性心不全、前心不全、前臨床心不全、臨床心不全及び難治性末期心不全にさらに分類され;心臓機能によると、これはI度、II度、III度、及びIV度の心不全などに分類される。心不全の発症は、異常な負荷(高血圧、弁及び心筋の構造の欠陥、心臓周囲及び心内膜の心筋症、拍出量の多い状態、容積過負荷、肺疾患)、心筋症(虚血性心疾患、毒性損傷、免疫媒介及び炎症性損傷、心筋の浸潤性病変、内分泌及び代謝性疾患、遺伝的又はストレス誘発性心筋症など)、並びに不整脈(頻拍、徐脈)、並びに感染、貧血、妊娠、出産、不整脈、肺塞栓症、糖尿病と関連し、心臓機能を阻害する薬物を摂取することは、心不全を悪化し得る。先進国において、心不全の発生率は、成人人口の約1%~2%であり、70歳超の人において10%超に上昇する。55歳での心不全の生涯リスクは、男性について33%、女性について28%である。
【0003】
調査によると、神経内分泌系の活性化によってもたらされる心筋リモデリング(例えば、心筋肥大、心臓拡張、心臓壁の薄層化など)は、心不全の発生及び進展をもたらす重要な要因である。最初に、心筋リモデリングは、心臓機能を部分的に償うことができるが、心筋リモデリングの増加に伴って、心臓機能は、代償から代償不全へと徐々に変化し、より明らかな症状及び徴候をもたらす。したがって、心臓リモデリングをどのように予防又は逆転させるのかは、慢性心不全の主要な治療のゴールの1つとなってきた。(Heart Failure Group of Chinese Society of Cardiology, EditorialBoard of Chinese Journal of Cardiology, Heart Failure Professional Committee ofChinese Medical Doctor Association. Chinese Heart Failure Diagnosis andTreatment Guidelines 2018 [J]. Chinese Journal of Cardiology, 2018, 46 (10):760~789. DOI: 10.3760/cma.j.issn.0253~3758.2018.10.004)
【0004】
現在、病徴を軽減するために心不全の治療の大部分において医薬が使用されているが、心臓機能を相当に改善させることができない。同時に、現存する治療医薬の大部分は特定の副作用を有する。一方、多くの現存する治療は、HFpEFを有する患者の予後を改善させることもできず、死亡率を減少させることもできなかった。HFpEFタイプの心不全は、心不全全体の約50%を占める。
【0005】
ホスホジエステラーゼ(PDE)は、体内の重要なセカンドメッセンジャーであるcGMP(環状グアノシン一リン酸)及びcAMP(環状アデノシン一リン酸)を選択的に分解し、それによって、生理学的過程、例えば、代謝、神経伝達、細胞成長及び分化に関与し得るプロテアーゼの1タイプである。遺伝子の配列相同性、及びcGMP又はcAMPに対する選択性によると、PDEは、11のメンバー(PDE1からPDE11)に分類することができる。PDE9は、PDEファミリーの重要なメンバーであり、精巣、脳、小腸、骨格筋、心臓、肺、胸腺及び膵臓において広範に発現している。近年に至って研究業績における進展を伴って、多くの文献報告及び臨床データは、PDE9阻害剤を使用して、中枢神経系障害、例えば、アルツハイマー病及び統合失調症、及び脳の神経変性疾患によってもたらされる認知機能低下に関する疾患を治療することができることを証明してきた。
【0006】
文献調査によると、心筋細胞において、cGMPの増加は、タンパク質キナーゼG(PKG)を活性化することができ、このタンパク質は、心筋保護において役割を果たし得る。したがって、この経路は、心不全を治療するときに重要なシグナル伝達経路である。PDE9はcGMPを選択的に加水分解し、それによって、PKGの心保護的効果を低減し得る。同時に、PDE9の発現は、心不全の間に、特に、HFpEFにおいて相当に増加し、そのため、心保護的能力は、非常に弱まる。したがって、心不全を有する患者においてPDE9を阻害することによって、心臓を保護することができる。本発明者らは、心不全の治療におけるその使用を探究することを目指して、PDE9の生物学的機能に対するさらなる研究を行ってきた。
【0007】
[発明の概要]
本発明は、心不全の分野におけるPDE9阻害剤の使用を研究し、研究において本発明のPDE9阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体及び重水素化合物が、心不全の治療に対してかなりの効果を有することが見出される。したがって、本発明の目的は、心不全の治療におけるPDE9阻害剤の新規な使用を提供することである。
【0008】
本発明において使用される技術的解決法は、下記の通りである。
哺乳動物における心不全疾患を治療するための医薬の製造における、一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物の使用
【化1】
[式中、X
1、X
2、X
3及びX
4は、CR
3又はNからそれぞれ独立に選択され、Nヘテロ原子は、
【化2】
に任意選択で酸化されてもよく、
R
3は、出現する毎に、水素、重水素、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、ハロC
1~6アルキル、ハロC
1~6アルコキシ、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、C
1~6アルキルスルホニル、C
1~6アルキルチオ、C
3~6シクロアルキル、4~6員ヘテロシクリル、C
1~6アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C
1~6アルキルアミノカルボニル、(C
1~6アルキル)
2アミノカルボニル、4~6員ヘテロシクリルカルボニル及び5~6員ヘテロアリール-オキシから独立に選択され、ここで、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、ハロC
1~6アルコキシ、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、C
1~6アルキルスルホニル、C
1~6アルキルチオ、C
3~6シクロアルキル、4~6員ヘテロシクリル、C
1~6アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C
1~6アルキルアミノカルボニル、(C
1~6アルキル)
2アミノカルボニル、4~6員ヘテロシクリルカルボニル及び5~6員ヘテロアリール-オキシは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルコキシC
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、C
1~6アルキルカルボニルアミノ、C
1~6アルキルスルホニルアミノ、C
1~6アルキルカルボニルオキシ、C
3~6シクロアルキル、C
2~8アルキニル、ハロC
1~6アルキル、C
2~8アルケニル、ハロC
1~6アルコキシ、置換されていないか若しくは置換基で任意選択で置換されている4~6員ヘテロシクリル、及び置換されていないか若しくは置換基で任意選択で置換されているヘテロアリールから独立に選択される1個からそれ超の基で任意選択で置換されており;
置換基で任意選択で置換されている上記の4~6員ヘテロシクリル及び置換基で任意選択で置換されているヘテロアリールの置換基は、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル及びC
1~6アルコキシから選択され;
Lは、結合及び-NH-(CH
2)t-であり、tは、0、1、2又は3であり;
環Aは、3~12員ヘテロシクリル、アリール、5~10員ヘテロアリール、3~12員シクロアルキル、及び3~12員シクロアルケニルであり、ここで、3~12員ヘテロシクリルのヘテロ原子は、O、S、及びNの1つ又はこれらの任意の組合せから選択され、S原子は、S(O)又はS(O)
2に任意選択で酸化されてもよく、C原子は、C(O)に任意選択で酸化されてもよく、Nヘテロ原子は、
【化3】
に任意選択で酸化されてもよく、
5~10員ヘテロアリールのヘテロ原子は、O、S及びNの1つ又はこれらの任意の組合せから選択され;
各R
1は、水素、重水素、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、ハロC
1~6アルキル、ハロC
1~6アルコキシ、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、C
1~6アルキルスルホニル、C
1~6アルキルチオ、3~12員シクロアルキル、3~12員シクロアルケニル、3~12員ヘテロシクリル、アリール及び5~10員ヘテロアリールからそれぞれ独立に選択され、ここで、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、ハロC
1~6アルキル、ハロC
1~6アルコキシ、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、C
1~6アルキルスルホニル、C
1~6アルキルチオ、3~12員シクロアルキル、3~12員シクロアルケニル、3~12員ヘテロシクリル、アリール及び5~10員ヘテロアリールは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルコキシC
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、C
1~6アルキルカルボニルアミノ及びC
1~6アルキルスルホニルアミノから選択される基で任意選択で置換されており;
mは、0、1、2又は3であり;
R
2は、水素、C
1~6アルキル、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、及びハロC
1~6アルキルから選択される]。
【0009】
一実施形態では、X1、X2及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3である。
【0010】
一実施形態では、X1及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X2は、Nであり、X3は、CR3である。
【0011】
一実施形態では、X1及びX2は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3であり、X4は、Nである。
【0012】
一実施形態では、X1、X2、X3及びX4は、同時にCR3ではない。
【0013】
別の実施形態では、哺乳動物における心不全疾患を治療するための医薬の製造における、一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物の使用を提供する
[式中、X1、X2、X3、及びX4は、CR3又はNからそれぞれ独立に選択され、X1、X2、X3、及びX4は、同時にCR3ではなく;
ここで、
R3は、出現する毎に、水素、重水素、アミノ、シアノ、ハロゲン、カルボキシル、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルアミノ、(C1~4アルキル)2アミノ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~4アルキルカルボニル、C1~4アルキルアミノカルボニル、(C1~6アルキル)2アミノカルボニル、C1~4アルキルスルホニル、C1~4アルキルチオ、アミノカルボニル、シクロプロピル、アゼチジニル、モルホリニル及びピペラジニルから独立に選択され、ここで、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルアミノ、(C1~4アルキル)2アミノ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~4アルキルカルボニル、C1~4アルキルアミノカルボニル、(C1~6アルキル)2アミノカルボニル、C1~4アルキルスルホニル、C1~4アルキルチオ、アミノカルボニル、シクロプロピル、アゼチジニル、モルホリニル及びピペラジニルは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、シアノ、ハロゲン、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルアミノ、(C1~4アルキル)2アミノ、シクロプロピル、C1~4アルキルカルボニルオキシ、及び置換されていないか若しくはC1~4アルキルで置換されている4~6員ヘテロシクリルから独立に選択される1個からそれ超の基で任意選択で置換されており;
環Aは、3~12員ヘテロシクリルであり、3~12員ヘテロシクリルのヘテロ原子は、O、S及びNの1つ又はこれらの任意の組合せから選択され、S原子は、S(O)又はS(O)2に任意選択で酸化されてもよく;
各R1は、水素、重水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ及び5~6員ヘテロアリールからそれぞれ独立に選択され、ここで、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ及び5~6員ヘテロアリールは、置換されていないか、又はヒドロキシルで置換されており;
mは、0、1又は2であり;
R2は、水素又はC1~6アルキルから選択される]。
【0014】
一実施形態では、X1及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X2は、Nであり、X3は、CR3である。
【0015】
一実施形態では、X1及びX2は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3であり、X4は、Nである。
【0016】
一実施形態では、Aは、3~12員ヘテロシクリル、好ましくは、4~7員ヘテロシクリルである。
【0017】
一実施形態では、Aは、3~12員ヘテロシクリル、好ましくは、7~12員スピロヘテロシクリルである。
【0018】
別の実施形態では、哺乳動物における心不全疾患を治療するための医薬の製造における、一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物の使用を提供する
[式中、X
1、X
2、X
3、及びX
4は、CR
3又はNからそれぞれ独立に選択され、X
1、X
2、X
3、及びX
4は、同時にCR
3ではなく;
R
3は、出現する毎に、水素、重水素、ハロゲン、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
2~6アルケニル、C
1~4アルキルカルボニル、シクロプロピル、C
1~4アルキルアミノカルボニル及びアミノカルボニルから独立に選択され、ここで、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
2~6アルケニル、C
1~4アルキルカルボニル、C
1~4アルキルアミノカルボニル及びアミノカルボニルは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、シクロプロピル、C
1~4アルキルアミノ、(C
1~4アルキル)
2アミノ、及び置換されていないか若しくはC
1~4アルキルで置換されている4~6員ヘテロシクリルから独立に選択される1個からそれ超の基で任意選択で置換されており;
Lは、結合であり;
環Aは、
【化4】
であり、
各R
1は、水素、重水素、C
1~4アルキル及びC
1~4アルコキシからそれぞれ独立に選択され;
mは、0、1又は2である]。
【0019】
一実施形態では、X1及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X2は、Nであり、X3は、CR3である。
【0020】
一実施形態では、X1及びX2は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3であり、X4は、Nである。
【0021】
別の実施形態では、哺乳動物における心不全疾患を治療するための医薬の製造における、一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、及びその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物の使用を提供する
[式中、X
1、X
2、X
3、及びX
4は、CR
3又はNからそれぞれ独立に選択され、X
1、X
2、X
3、及びX
4は、同時にCR
3ではなく;
R
3は、出現する毎に、水素、重水素、シアノ、アミノ、ハロゲン、カルボキシル、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
2~6アルケニル、C
1~4アルキルカルボニル、C
2~6アルキニル、C
1~4アルキルアミノ、(C
1~4アルキル)
2アミノ、C
1~4アルキルアミノカルボニル、C
1~4アルキルチオ、C
1~4アルキルスルホニル、シクロプロピル、アゼチジニル、モルホリニル、及びピペラジニルから独立に選択され、ここで、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
2~6アルケニル、C
1~4アルキルカルボニル、C
2~6アルキニル、C
1~4アルキルアミノ、(C
1~4アルキル)
2アミノ、C
1~4アルキルアミノカルボニル、C
1~4アルキルチオ、C
1~4アルキルスルホニル、シクロプロピル、アゼチジニル、モルホリニル、ピペラジニルは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、ハロゲン、C
1~4アルキル、C
1~4アルキルアミノ、(C
1~4アルキル)
2アミノ、シクロプロピル、及びC
1~4アルキルカルボニルオキシから独立に選択される1個からそれ超の基で任意選択で置換されており;
Lは、結合であり;
環Aは、
【化5】
から選択され、
mは、0である]。
【0022】
一実施形態では、X1及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X2は、Nであり、X3は、CR3である。
【0023】
一実施形態では、X1及びX2は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3であり、X4は、Nである。
【0024】
哺乳動物における心不全疾患の治療において使用するための、一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物
[式中、X
1、X
2、X
3及びX
4は、CR
3又はNからそれぞれ独立に選択され、Nヘテロ原子は、
【化6】
に任意選択で酸化されてもよく、
R
3は、出現する毎に、水素、重水素、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、ハロC
1~6アルキル、ハロC
1~6アルコキシ、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、C
1~6アルキルスルホニル、C
1~6アルキルチオ、C
3~6シクロアルキル、4~6員ヘテロシクリル、C
1~6アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C
1~6アルキルアミノカルボニル、(C
1~6アルキル)
2アミノカルボニル、4~6員ヘテロシクリルカルボニル及び5~6員ヘテロアリール-オキシから独立に選択され、ここで、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、ハロC
1~6アルコキシ、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、C
1~6アルキルスルホニル、C
1~6アルキルチオ、C
3~6シクロアルキル、4~6員ヘテロシクリル、C
1~6アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C
1~6アルキルアミノカルボニル、(C
1~6アルキル)
2アミノカルボニル、4~6員ヘテロシクリルカルボニル及び5~6員ヘテロアリール-オキシは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルコキシC
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、C
1~6アルキルカルボニルアミノ、C
1~6アルキルスルホニルアミノ、C
1~6アルキルカルボニルオキシ、C
3~6シクロアルキル、C
2~8アルキニル、ハロC
1~6アルキル、C
2~8アルケニル、ハロC
1~6アルコキシ、置換されていないか若しくは置換基で任意選択で置換されている4~6員ヘテロシクリル、及び置換されていないか若しくは置換基で任意選択で置換されているヘテロアリールから独立に選択される1個からそれ超の基で任意選択で置換されており;
置換基で任意選択で置換されている上記の4~6員ヘテロシクリル及び置換基で任意選択で置換されているヘテロアリールの置換基は、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル及びC
1~6アルコキシから選択され;
Lは、結合及び-NH-(CH
2)t-であり、tは、0、1、2又は3であり;
環Aは、3~12員ヘテロシクリル、アリール、5~10員ヘテロアリール、3~12員シクロアルキル、及び3~12員シクロアルケニルであり、ここで、3~12員ヘテロシクリルのヘテロ原子は、O、S、及びNの1つ又はこれらの任意の組合せから選択され、S原子は、S(O)又はS(O)
2に任意選択で酸化されてもよく、C原子は、C(O)に任意選択で酸化されてもよく、Nヘテロ原子は、
【化7】
に任意選択で酸化されてもよく、
5~10員ヘテロアリールのヘテロ原子は、O、S及びNの1つ又はこれらの任意の組合せから選択され;
各R
1は、水素、重水素、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、ハロC
1~6アルキル、ハロC
1~6アルコキシ、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、C
1~6アルキルスルホニル、C
1~6アルキルチオ、3~12員シクロアルキル、3~12員シクロアルケニル、3~12員ヘテロシクリル、アリール及び5~10員ヘテロアリールからそれぞれ独立に選択され、ここで、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、ハロC
1~6アルキル、ハロC
1~6アルコキシ、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、C
1~6アルキルスルホニル、C
1~6アルキルチオ、3~12員シクロアルキル、3~12員シクロアルケニル、3~12員ヘテロシクリル、アリール及び5~10員ヘテロアリールは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルコキシC
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、C
1~6アルキルカルボニルアミノ及びC
1~6アルキルスルホニルアミノから選択される基で任意選択で置換されており;
mは、0、1、2又は3であり;
R
2は、水素、C
1~6アルキル、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、及びハロC
1~6アルキルから選択される]。
【0025】
一実施形態では、X1、X2及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3である。
【0026】
一実施形態では、X1及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X2は、Nであり、X3は、CR3である。
【0027】
一実施形態では、X1及びX2は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3であり、X4は、Nである。
【0028】
一実施形態では、X1、X2、X3及びX4は、同時にCR3ではない。
【0029】
別の実施形態では、哺乳動物における心不全疾患の治療において使用するための、一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物を提供する
[式中、X1、X2、X3、及びX4は、CR3又はNからそれぞれ独立に選択され、X1、X2、X3、及びX4は、同時にCR3ではなく;
ここで、
R3は、出現する毎に、水素、重水素、アミノ、シアノ、ハロゲン、カルボキシル、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルアミノ、(C1~4アルキル)2アミノ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~4アルキルカルボニル、C1~4アルキルアミノカルボニル、(C1~6アルキル)2アミノカルボニル、C1~4アルキルスルホニル、C1~4アルキルチオ、アミノカルボニル、シクロプロピル、アゼチジニル、モルホリニル及びピペラジニルから独立に選択され、ここで、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルアミノ、(C1~4アルキル)2アミノ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~4アルキルカルボニル、C1~4アルキルアミノカルボニル、(C1~6アルキル)2アミノカルボニル、C1~4アルキルスルホニル、C1~4アルキルチオ、アミノカルボニル、シクロプロピル、アゼチジニル、モルホリニル及びピペラジニルは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、シアノ、ハロゲン、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルアミノ、(C1~4アルキル)2アミノ、シクロプロピル、C1~4アルキルカルボニルオキシ、及び置換されていないか若しくはC1~4アルキルで置換されている4~6員ヘテロシクリルから独立に選択される1個からそれ超の基で任意選択で置換されており;
環Aは、3~12員ヘテロシクリルであり、3~12員ヘテロシクリルのヘテロ原子は、O、S及びNの1つ又はこれらの任意の組合せから選択され、S原子は、S(O)又はS(O)2に任意選択で酸化されてもよく;
各R1は、水素、重水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ及び5~6員ヘテロアリールからそれぞれ独立に選択され、ここで、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ及び5~6員ヘテロアリールは、置換されていないか、又はヒドロキシルで置換されており;
mは、0、1又は2であり;
R2は、水素又はC1~6アルキルから選択される]。
【0030】
一実施形態では、X1及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X2は、Nであり、X3は、CR3である。
【0031】
一実施形態では、X1及びX2は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3であり、X4は、Nである。
【0032】
一実施形態では、Aは、3~12員ヘテロシクリル、好ましくは、4~7員ヘテロシクリルである。
【0033】
一実施形態では、Aは、3~12員ヘテロシクリル、好ましくは、7~12員スピロヘテロシクリルである。
【0034】
別の実施形態では、哺乳動物における心不全疾患の治療において使用するための、一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物を提供する
[式中、X
1、X
2、X
3、及びX
4は、CR
3又はNからそれぞれ独立に選択され、X
1、X
2、X
3、及びX
4は、同時にCR
3ではなく;
R
3は、出現する毎に、水素、重水素、ハロゲン、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
2~6アルケニル、C
1~4アルキルカルボニル、シクロプロピル、C
1~4アルキルアミノカルボニル及びアミノカルボニルから独立に選択され、ここで、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
2~6アルケニル、C
1~4アルキルカルボニル、C
1~4アルキルアミノカルボニル及びアミノカルボニルは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、シクロプロピル、C
1~4アルキルアミノ、(C
1~4アルキル)
2アミノ、及び置換されていないか若しくはC
1~4アルキルで置換されている4~6員ヘテロシクリルから独立に選択される1個からそれ超の基で任意選択で置換されており;
Lは、結合であり;
環Aは、
【化8】
であり、
各R
1は、水素、重水素、C
1~4アルキル及びC
1~4アルコキシからそれぞれ独立に選択され;
mは、0、1又は2である]。
【0035】
一実施形態では、X1及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X2は、Nであり、X3は、CR3である。
【0036】
一実施形態では、X1及びX2は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3であり、X4は、Nである。
【0037】
別の実施形態では、哺乳動物における心不全疾患の治療において使用するための、一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物を提供する
[式中、X
1、X
2、X
3、及びX
4は、CR
3又はNからそれぞれ独立に選択され、X
1、X
2、X
3、及びX
4は、同時にCR
3ではなく;
R
3は、出現する毎に、水素、重水素、シアノ、アミノ、ハロゲン、カルボキシル、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
2~6アルケニル、C
1~4アルキルカルボニル、C
2~6アルキニル、C
1~4アルキルアミノ、(C
1~4アルキル)
2アミノ、C
1~4アルキルアミノカルボニル、C
1~4アルキルチオ、C
1~4アルキルスルホニル、シクロプロピル、アゼチジニル、モルホリニル、及びピペラジニルから独立に選択され、ここで、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
2~6アルケニル、C
1~4アルキルカルボニル、C
2~6アルキニル、C
1~4アルキルアミノ、(C
1~4アルキル)
2アミノ、C
1~4アルキルアミノカルボニル、C
1~4アルキルチオ、C
1~4アルキルスルホニル、シクロプロピル、アゼチジニル、モルホリニル、ピペラジニルは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、ハロゲン、C
1~4アルキル、C
1~4アルキルアミノ、(C
1~4アルキル)
2アミノ、シクロプロピル、及びC
1~4アルキルカルボニルオキシから独立に選択される1個からそれ超の基で任意選択で置換されており;
Lは、結合であり;
環Aは、
【化9】
から選択され、
mは、0である]。
【0038】
一実施形態では、X1及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X2は、Nであり、X3は、CR3である。
【0039】
一実施形態では、X1及びX2は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3であり、X4は、Nである。
【0040】
一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物を、患者又は対象に投与することを含む、哺乳動物において心不全疾患を治療するための方法
[式中、X
1、X
2、X
3及びX
4は、CR
3又はNからそれぞれ独立に選択され、Nヘテロ原子は、
【化10】
に任意選択で酸化されてもよく、
R
3は、出現する毎に、水素、重水素、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、ハロC
1~6アルキル、ハロC
1~6アルコキシ、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、C
1~6アルキルスルホニル、C
1~6アルキルチオ、C
3~6シクロアルキル、4~6員ヘテロシクリル、C
1~6アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C
1~6アルキルアミノカルボニル、(C
1~6アルキル)
2アミノカルボニル、4~6員ヘテロシクリルカルボニル及び5~6員ヘテロアリール-オキシから独立に選択され、ここで、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、ハロC
1~6アルコキシ、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、C
1~6アルキルスルホニル、C
1~6アルキルチオ、C
3~6シクロアルキル、4~6員ヘテロシクリル、C
1~6アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C
1~6アルキルアミノカルボニル、(C
1~6アルキル)
2アミノカルボニル、4~6員ヘテロシクリルカルボニル及び5~6員ヘテロアリール-オキシは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルコキシC
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、C
1~6アルキルカルボニルアミノ、C
1~6アルキルスルホニルアミノ、C
1~6アルキルカルボニルオキシ、C
3~6シクロアルキル、C
2~8アルキニル、ハロC
1~6アルキル、C
2~8アルケニル、ハロC
1~6アルコキシ、置換されていないか若しくは置換基で任意選択で置換されている4~6員ヘテロシクリル、及び置換されていないか若しくは置換基で任意選択で置換されているヘテロアリールから独立に選択される1個からそれ超の基で任意選択で置換されており;
置換基で任意選択で置換されている上記の4~6員ヘテロシクリル及び置換基で任意選択で置換されているヘテロアリールの置換基は、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル及びC
1~6アルコキシから選択され;
Lは、結合及び-NH-(CH
2)t-であり、tは、0、1、2又は3であり;
環Aは、3~12員ヘテロシクリル、アリール、5~10員ヘテロアリール、3~12員シクロアルキル、及び3~12員シクロアルケニルであり、ここで、3~12員ヘテロシクリルのヘテロ原子は、O、S、及びNの1つ又はこれらの任意の組合せから選択され、S原子は、S(O)又はS(O)
2に任意選択で酸化されてもよく、C原子は、C(O)に任意選択で酸化されてもよく、Nヘテロ原子は、
【化11】
に任意選択で酸化されてもよく、
5~10員ヘテロアリールのヘテロ原子は、O、S及びNの1つ又はこれらの任意の組合せから選択され;
各R
1は、水素、重水素、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、ハロC
1~6アルキル、ハロC
1~6アルコキシ、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、C
1~6アルキルスルホニル、C
1~6アルキルチオ、3~12員シクロアルキル、3~12員シクロアルケニル、3~12員ヘテロシクリル、アリール及び5~10員ヘテロアリールからそれぞれ独立に選択され、ここで、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、ハロC
1~6アルキル、ハロC
1~6アルコキシ、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、C
1~6アルキルスルホニル、C
1~6アルキルチオ、3~12員シクロアルキル、3~12員シクロアルケニル、3~12員ヘテロシクリル、アリール及び5~10員ヘテロアリールは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルコキシC
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、C
1~6アルキルカルボニルアミノ及びC
1~6アルキルスルホニルアミノから選択される基で任意選択で置換されており;
mは、0、1、2又は3であり;
R
2は、水素、C
1~6アルキル、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、及びハロC
1~6アルキルから選択される]。
【0041】
一実施形態では、X1、X2及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3である。
【0042】
一実施形態では、X1及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X2は、Nであり、X3は、CR3である。
【0043】
一実施形態では、X1及びX2は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3であり、X4は、Nである。
【0044】
一実施形態では、X1、X2、X3及びX4は、同時にCR3ではない。
【0045】
別の実施形態では、一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物を、患者又は対象に投与することを含む、哺乳動物において心不全疾患を治療するための方法を提供する
[式中、X1、X2、X3、及びX4は、CR3又はNからそれぞれ独立に選択され、X1、X2、X3、及びX4は、同時にCR3ではなく;
ここで、
R3は、出現する毎に、水素、重水素、アミノ、シアノ、ハロゲン、カルボキシル、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルアミノ、(C1~4アルキル)2アミノ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~4アルキルカルボニル、C1~4アルキルアミノカルボニル、(C1~6アルキル)2アミノカルボニル、C1~4アルキルスルホニル、C1~4アルキルチオ、アミノカルボニル、シクロプロピル、アゼチジニル、モルホリニル及びピペラジニルから独立に選択され、ここで、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルアミノ、(C1~4アルキル)2アミノ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~4アルキルカルボニル、C1~4アルキルアミノカルボニル、(C1~6アルキル)2アミノカルボニル、C1~4アルキルスルホニル、C1~4アルキルチオ、アミノカルボニル、シクロプロピル、アゼチジニル、モルホリニル及びピペラジニルは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、シアノ、ハロゲン、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルアミノ、(C1~4アルキル)2アミノ、シクロプロピル、C1~4アルキルカルボニルオキシ、及び置換されていないか若しくはC1~4アルキルで置換されている4~6員ヘテロシクリルから独立に選択される1個からそれ超の基で任意選択で置換されており;
環Aは、3~12員ヘテロシクリルであり、3~12員ヘテロシクリルのヘテロ原子は、O、S及びNの1つ又はこれらの任意の組合せから選択され、S原子は、S(O)又はS(O)2に任意選択で酸化されてもよく;
各R1は、水素、重水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ及び5~6員ヘテロアリールからそれぞれ独立に選択され、ここで、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ及び5~6員ヘテロアリールは、置換されていないか、又はヒドロキシルで置換されており;
mは、0、1又は2であり;
R2は、水素又はC1~6アルキルから選択される]。
【0046】
一実施形態では、X1及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X2は、Nであり、X3は、CR3である。
【0047】
一実施形態では、X1及びX2は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3であり、X4は、Nである。
【0048】
一実施形態では、Aは、3~12員ヘテロシクリル、好ましくは、4~7員ヘテロシクリルである。
【0049】
一実施形態では、Aは、3~12員ヘテロシクリル、好ましくは、7~12員スピロヘテロシクリルである。
【0050】
別の実施形態では、一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物を、患者又は対象に投与することを含む、哺乳動物において心不全疾患を治療するための方法を提供する
[式中、X
1、X
2、X
3、及びX
4は、CR
3又はNからそれぞれ独立に選択され、X
1、X
2、X
3、及びX
4は、同時にCR
3ではなく;
R
3は、出現する毎に、水素、重水素、ハロゲン、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
2~6アルケニル、C
1~4アルキルカルボニル、シクロプロピル、C
1~4アルキルアミノカルボニル及びアミノカルボニルから独立に選択され、ここで、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
2~6アルケニル、C
1~4アルキルカルボニル、C
1~4アルキルアミノカルボニル及びアミノカルボニルは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、シクロプロピル、C
1~4アルキルアミノ、(C
1~4アルキル)
2アミノ、及び置換されていないか若しくはC
1~4アルキルで置換されている4~6員ヘテロシクリルから独立に選択される1個からそれ超の基で任意選択で置換されており;
Lは、結合であり;
環Aは、
【化12】
であり、
各R
1は、水素、重水素、C
1~4アルキル及びC
1~4アルコキシからそれぞれ独立に選択され;
mは、0、1又は2である]。
【0051】
一実施形態では、X1及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X2は、Nであり、X3は、CR3である。
【0052】
一実施形態では、X1及びX2は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3であり、X4は、Nである。
【0053】
別の実施形態では、一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物を、患者又は対象に投与することを含む、哺乳動物において心不全疾患を治療するための方法を提供する
[式中、X
1、X
2、X
3、及びX
4は、CR
3又はNからそれぞれ独立に選択され、X
1、X
2、X
3、及びX
4は、同時にCR
3ではなく;
R
3は、出現する毎に、水素、重水素、シアノ、アミノ、ハロゲン、カルボキシル、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
2~6アルケニル、C
1~4アルキルカルボニル、C
2~6アルキニル、C
1~4アルキルアミノ、(C
1~4アルキル)
2アミノ、C
1~4アルキルアミノカルボニル、C
1~4アルキルチオ、C
1~4アルキルスルホニル、シクロプロピル、アゼチジニル、モルホリニル、及びピペラジニルから独立に選択され、ここで、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
2~6アルケニル、C
1~4アルキルカルボニル、C
2~6アルキニル、C
1~4アルキルアミノ、(C
1~4アルキル)
2アミノ、C
1~4アルキルアミノカルボニル、C
1~4アルキルチオ、C
1~4アルキルスルホニル、シクロプロピル、アゼチジニル、モルホリニル、ピペラジニルは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、ハロゲン、C
1~4アルキル、C
1~4アルキルアミノ、(C
1~4アルキル)
2アミノ、シクロプロピル、及びC
1~4アルキルカルボニルオキシから独立に選択される1個からそれ超の基で任意選択で置換されており;
Lは、結合であり;
環Aは、
【化13】
から選択され、
mは、0である]。
【0054】
一実施形態では、X1及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X2は、Nであり、X3は、CR3である。
【0055】
一実施形態では、X1及びX2は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3であり、X4は、Nである。
【0056】
哺乳動物における心不全疾患の治療において使用するための、(a)一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物を含む医薬組成物。
【0057】
(a)一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物と、(b)哺乳動物における心不全疾患の治療における化合物、並びにその薬学的に許容される塩又は異性体又は重水素化合物の使用のための医薬用説明書とを含む、キット。
【0058】
医薬組成物及びキットが関与する実施形態では、一般式(I)を提供する
[式中、X
1、X
2、X
3及びX
4は、CR
3又はNからそれぞれ独立に選択され、Nヘテロ原子は、
【化14】
に任意選択で酸化されてもよく、
R
3は、出現する毎に、水素、重水素、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、ハロC
1~6アルキル、ハロC
1~6アルコキシ、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、C
1~6アルキルスルホニル、C
1~6アルキルチオ、C
3~6シクロアルキル、4~6員ヘテロシクリル、C
1~6アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C
1~6アルキルアミノカルボニル、(C
1~6アルキル)
2アミノカルボニル、4~6員ヘテロシクリルカルボニル及び5~6員ヘテロアリール-オキシから独立に選択され、ここで、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、ハロC
1~6アルコキシ、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、C
1~6アルキルスルホニル、C
1~6アルキルチオ、C
3~6シクロアルキル、4~6員ヘテロシクリル、C
1~6アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C
1~6アルキルアミノカルボニル、(C
1~6アルキル)
2アミノカルボニル、4~6員ヘテロシクリルカルボニル及び5~6員ヘテロアリール-オキシは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルコキシC
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、C
1~6アルキルカルボニルアミノ、C
1~6アルキルスルホニルアミノ、C
1~6アルキルカルボニルオキシ、C
3~6シクロアルキル、C
2~8アルキニル、ハロC
1~6アルキル、C
2~8アルケニル、ハロC
1~6アルコキシ、置換されていないか若しくは置換基で任意選択で置換されている4~6員ヘテロシクリル、及び置換されていないか若しくは置換基で任意選択で置換されているヘテロアリールから独立に選択される1個からそれ超の基で任意選択で置換されており;
置換基で任意選択で置換されている上記の4~6員ヘテロシクリル及び置換基で任意選択で置換されているヘテロアリールの置換基は、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル及びC
1~6アルコキシから選択され;
Lは、結合及び-NH-(CH
2)t-であり、tは、0、1、2又は3であり;
環Aは、3~12員ヘテロシクリル、アリール、5~10員ヘテロアリール、3~12員シクロアルキル、及び3~12員シクロアルケニルであり、ここで、3~12員ヘテロシクリルのヘテロ原子は、O、S、及びNの1つ又はこれらの任意の組合せから選択され、S原子は、S(O)又はS(O)
2に任意選択で酸化されてもよく、C原子は、C(O)に任意選択で酸化されてもよく、Nヘテロ原子は、
【化15】
に任意選択で酸化されてもよく、
5~10員ヘテロアリールのヘテロ原子は、O、S及びNの1つ又はこれらの任意の組合せから選択され;
各R
1は、水素、重水素、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、ハロC
1~6アルキル、ハロC
1~6アルコキシ、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、C
1~6アルキルスルホニル、C
1~6アルキルチオ、3~12員シクロアルキル、3~12員シクロアルケニル、3~12員ヘテロシクリル、アリール及び5~10員ヘテロアリールからそれぞれ独立に選択され、ここで、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、ハロC
1~6アルキル、ハロC
1~6アルコキシ、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、C
1~6アルキルスルホニル、C
1~6アルキルチオ、3~12員シクロアルキル、3~12員シクロアルケニル、3~12員ヘテロシクリル、アリール及び5~10員ヘテロアリールは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシ、C
1~6アルコキシC
1~6アルコキシ、C
1~6アルキルアミノ、(C
1~6アルキル)
2アミノ、C
1~6アルキルカルボニルアミノ及びC
1~6アルキルスルホニルアミノから選択される基で任意選択で置換されており;
mは、0、1、2又は3であり;
R
2は、水素、C
1~6アルキル、C
2~8アルケニル、C
2~8アルキニル、及びハロC
1~6アルキルから選択される]。
【0059】
一実施形態では、X1、X2及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3である。
【0060】
一実施形態では、X1及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X2は、Nであり、X3は、CR3である。
【0061】
一実施形態では、X1及びX2は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3であり、X4は、Nである。
【0062】
一実施形態では、X1、X2、X3及びX4は、同時にCR3ではない。
【0063】
別の実施形態では、本発明は、哺乳動物における心不全疾患の治療において使用するための、(a)一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物を含む医薬組成物に関する。
【0064】
別の実施形態では、(a)一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物と、(b)哺乳動物における心不全疾患の治療における化合物、並びにその薬学的に許容される塩又は異性体又は重水素化合物の使用のための医薬用説明書とを含むキットを提供する。
【0065】
医薬組成物及びキットが関与する実施形態では、一般式(I)を提供する
[式中、X1、X2、X3、及びX4は、CR3又はNからそれぞれ独立に選択され、X1、X2、X3、及びX4は、同時にCR3ではなく;
ここで、
R3は、出現する毎に、水素、重水素、アミノ、シアノ、ハロゲン、カルボキシル、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルアミノ、(C1~4アルキル)2アミノ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~4アルキルカルボニル、C1~4アルキルアミノカルボニル、(C1~6アルキル)2アミノカルボニル、C1~4アルキルスルホニル、C1~4アルキルチオ、アミノカルボニル、シクロプロピル、アゼチジニル、モルホリニル及びピペラジニルから独立に選択され、ここで、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルアミノ、(C1~4アルキル)2アミノ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~4アルキルカルボニル、C1~4アルキルアミノカルボニル、(C1~6アルキル)2アミノカルボニル、C1~4アルキルスルホニル、C1~4アルキルチオ、アミノカルボニル、シクロプロピル、アゼチジニル、モルホリニル及びピペラジニルは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、シアノ、ハロゲン、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルアミノ、(C1~4アルキル)2アミノ、シクロプロピル、C1~4アルキルカルボニルオキシ、及び置換されていないか若しくはC1~4アルキルで置換されている4~6員ヘテロシクリルから独立に選択される1個からそれ超の基で任意選択で置換されており;
環Aは、3~12員ヘテロシクリルであり、3~12員ヘテロシクリルのヘテロ原子は、O、S及びNの1つ又はこれらの任意の組合せから選択され、S原子は、S(O)又はS(O)2に任意選択で酸化されてもよく;
各R1は、水素、重水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ及び5~6員ヘテロアリールからそれぞれ独立に選択され、ここで、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ及び5~6員ヘテロアリールは、置換されていないか、又はヒドロキシルで置換されており;
mは、0、1又は2であり;
R2は、水素又はC1~6アルキルから選択される]。
【0066】
一実施形態では、X1及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X2は、Nであり、X3は、CR3である。
【0067】
一実施形態では、X1及びX2は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3であり、X4は、Nである。
【0068】
一実施形態では、Aは、3~12員ヘテロシクリル、好ましくは、4~7員ヘテロシクリルである。
【0069】
一実施形態では、Aは、3~12員ヘテロシクリル、好ましくは、7~12員スピロヘテロシクリルである。
【0070】
別の実施形態では、本発明は、哺乳動物における心不全疾患の治療において使用するための、(a)一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物を含む医薬組成物に関する。
【0071】
別の実施形態では、(a)一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物と、(b)哺乳動物における心不全疾患の治療における化合物、並びにその薬学的に許容される塩又は異性体又は重水素化合物の使用のための医薬用説明書とを含むキットを提供する。
【0072】
医薬組成物及びキットが関与する実施形態では、一般式(I)を提供する
[式中、X
1、X
2、X
3、及びX
4は、CR
3又はNからそれぞれ独立に選択され、X
1、X
2、X
3、及びX
4は、同時にCR
3ではなく;
R
3は、出現する毎に、水素、重水素、ハロゲン、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
2~6アルケニル、C
1~4アルキルカルボニル、シクロプロピル、C
1~4アルキルアミノカルボニル及びアミノカルボニルから独立に選択され、ここで、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
2~6アルケニル、C
1~4アルキルカルボニル、C
1~4アルキルアミノカルボニル及びアミノカルボニルは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、シクロプロピル、C
1~4アルキルアミノ、(C
1~4アルキル)
2アミノ、及び置換されていないか若しくはC
1~4アルキルで置換されている4~6員ヘテロシクリルから独立に選択される1個からそれ超の基で任意選択で置換されており;
Lは、結合であり;
環Aは、
【化16】
であり、
各R
1は、水素、重水素、C
1~4アルキル及びC
1~4アルコキシからそれぞれ独立に選択され;
mは、0、1又は2である]。
【0073】
一実施形態では、X1及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X2は、Nであり、X3は、CR3である。
【0074】
一実施形態では、X1及びX2は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3であり、X4は、Nである。
【0075】
別の実施形態では、本発明は、哺乳動物における心不全疾患の治療において使用するための、(a)一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物を含む医薬組成物に関する。
【0076】
別の実施形態では、(a)一般式(I)によって表されるホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害剤化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体、及び重水素化合物と、(b)哺乳動物における心不全疾患の治療における化合物、並びにその薬学的に許容される塩又は異性体又は重水素化合物の使用のための医薬用説明書とを含むキットを提供する。
【0077】
医薬組成物及びキットが関与する実施形態では、一般式(I)を提供する
[式中、X
1、X
2、X
3、及びX
4は、CR
3又はNからそれぞれ独立に選択され、X
1、X
2、X
3、及びX
4は、同時にCR
3ではなく;
R
3は、出現する毎に、水素、重水素、シアノ、アミノ、ハロゲン、カルボキシル、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
2~6アルケニル、C
1~4アルキルカルボニル、C
2~6アルキニル、C
1~4アルキルアミノ、(C
1~4アルキル)
2アミノ、C
1~4アルキルアミノカルボニル、C
1~4アルキルチオ、C
1~4アルキルスルホニル、シクロプロピル、アゼチジニル、モルホリニル、及びピペラジニルから独立に選択され、ここで、C
1~4アルキル、C
1~4アルコキシ、C
2~6アルケニル、C
1~4アルキルカルボニル、C
2~6アルキニル、C
1~4アルキルアミノ、(C
1~4アルキル)
2アミノ、C
1~4アルキルアミノカルボニル、C
1~4アルキルチオ、C
1~4アルキルスルホニル、シクロプロピル、アゼチジニル、モルホリニル、ピペラジニルは、置換されていないか、又はヒドロキシル、アミノ、ハロゲン、C
1~4アルキル、C
1~4アルキルアミノ、(C
1~4アルキル)
2アミノ、シクロプロピル、及びC
1~4アルキルカルボニルオキシから独立に選択される1個からそれ超の基で任意選択で置換されており;
Lは、結合であり;
環Aは、
【化17】
から選択され、
mは、0である]。
【0078】
一実施形態では、X1及びX4は、それぞれ独立に、CHであり、X2は、Nであり、X3は、CR3である。
【0079】
一実施形態では、X1及びX2は、それぞれ独立に、CHであり、X3は、CR3であり、X4は、Nである。
【0080】
別の実施形態では、異性体は、立体異性体及び互変異性体を指す。
【0081】
本発明の一実施形態では、一般式(I)におけるR
2が水素であるとき、異性体は、式(I’)において示される互変異性体である。
【化18】
の互変異性体は、
【化19】
である。
【0082】
本発明の一実施形態では、一般式(I)によって表される化合物の重水素化合物の構造における水素原子は、1個からそれ超の重水素原子によって任意に重水素化し得る。
【0083】
別の実施形態では、哺乳動物は、ヒト及び動物である。
【0084】
本発明の一実施形態では、本発明の一般式(I)によって表される化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体及び重水素化合物は、表1において示す構造から選択される。
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
本発明の一実施形態では、本発明の一般式(I)によって表される化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体及び重水素化合物は、下記の構造
【化20】
から選択される。
【0096】
本発明の一実施形態では、本発明の一般式(I)によって表される化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体及び重水素化合物は、下記の構造
【化21】
から選択される。
【0097】
心不全を有する哺乳動物は、哺乳動物が、心不全を経験しているか、若しくは患ってきているか、又は哺乳動物が、心不全の影響を受けやすい哺乳動物であることを意味する。心不全のタイプ及び病因は、本発明において記述した任意の1つ若しくは複数である。
【0098】
本発明の別の実施形態では、心不全疾患は、これらに限定されないが、左心不全、右心不全、及び両心不全;急性心不全、慢性心不全、及び非代償性心不全;収縮期及び拡張期心不全;前心不全、前臨床心不全、臨床心不全及び難治性末期心不全;ニューヨーク心臓協会(NYHA)による心臓機能に従ってI度、II度、III度、及びIV度の心不全など;並びに低下した左室駆出率を有する心不全、中間域の左室駆出率を有する心不全、及び保持された左室駆出率を有する心不全を含めた、異なる分類基準下の様々な心不全である。
【0099】
本発明の別の実施形態では、心不全疾患は、これらに限定されないが、虚血性心疾患によってもたらされる心不全、毒性損傷によってもたらされる心不全、免疫介在性心不全、及び炎症性損傷によってもたらされる心不全、浸潤性病変によってもたらされる心不全、代謝性障害によってもたらされる心不全、遺伝子異常によってもたらされる心不全、異常な負荷によってもたらされる心不全、及び不整脈によってもたらされる心不全から選択される。
【0100】
本発明の別の実施形態では、心不全疾患は、虚血性心疾患によってもたらされる心不全である。
【0101】
本発明の別の実施形態では、心不全疾患は、収縮期心不全及び拡張期心不全から選択される。
【0102】
収縮期心不全には、これらに限定されないが、下記の特徴の少なくとも1つを有するものが含まれる:心筋の収縮機能の低下;左室駆出率の低減;心室又は心臓の収縮期及び/又は拡張末期容積の増加;試験によって示されるような心筋線維症;心室又は心臓の肥厚、それに続くこれらの菲薄化(例えば、拡張型肥大型心筋症)並びに他の特徴。
【0103】
拡張期心不全には、これらに限定されないが、下記の特徴の少なくとも1つを有するものが含まれる:低下した心筋の拡張機能;低下した左室駆出率;保持された左室駆出率;中間域の左室駆出率;心臓塊の増加又は心肥大;障害された又は無秩序に配置された心筋細胞並びに他の特徴。
【0104】
本発明の別の実施形態では、一般式(I)によって表される化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体及び重水素化合物は、PDE9の活性を阻害し、環状グアノシン一リン酸のレベルを増加させることによって、心不全の治療において効果を発揮する。
【0105】
本発明の別の実施形態では、一般式(I)によって表される化合物、並びにその薬学的に許容される塩、異性体及び重水素化合物は、心不全を有する患者又は対象の心臓機能を改善させ、且つ心不全を有する患者又は対象の心筋リモデリングを逆転させることによって、心不全の治療において効果を発揮する。
【0106】
本発明の別の実施形態では、心不全疾患を治療するための医薬は、第2又はそれ超の治療剤をさらに含む。
【0107】
本発明の別の実施形態では、心不全疾患を治療するための医薬は、医薬担体を有する任意の薬学的に許容される医薬調製物へと製造することができる。本発明の医薬担体は、ヒトに適した1種若しくは複数の固体又は液体添加剤でよい。医薬担体は好ましくは、十分な純度及び十分な低毒性を有し、活性成分の有効性を相当に低減させることなしに本発明の活性成分と適合性である。例えば、医薬担体は、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、水性溶媒又は非水性溶媒などでよい。
【0108】
本発明の医薬調製物は、任意の薬学的に許容される剤形へと製造することができ、投与の任意の適切なモードで、例えば、経口、非経口、経皮的、直腸、経鼻、肺、埋込、及び局所投与によってこのような治療を必要としている患者又は対象に投与される。経口投与のために使用されるとき、医薬調製物は、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、乳剤、懸濁剤などへと製造することができる。非経口投与のために使用されるとき、医薬調製物は、注射剤、注射のための無菌散剤、ゲル剤、坐剤などへと製造することができる。
【0109】
本発明の別の実施形態では、医薬調製物は好ましくは、単位剤形である。この形態で、調製物は、適当な量の活性成分を含有する単位用量へと細分類される。単位剤形は、別個の量の調製物を含有するパッケージ化形態、例えば、パッケージ化錠剤、パッケージ化カプセル剤、又はバイアル若しくはアンプル中の散剤へとパッケージ化することができる。
【0110】
医薬の投与量は、患者の年齢、体重及び状態、並びに投与経路を含めた様々な要因によって決まる。投与される正確な用量は、主治医の判断をもとに決定する。通常、活性化合物を投与するための投与量は、例えば、1日当たり約1mg~約1000mg、約5mg~約1000mgでよい。望ましい投与量はまた、使用される特定の化合物、疾患の重症度、投与経路、患者の体重及び健康状態、並びに主治医の判断によって決まる。恐らく、用量の選択を支援するデータが存在する限り、用量は特定の場合では、所与の用量範囲を超える。
【0111】
本発明の別の実施形態では、医薬は、経口、非経口、経皮的、直腸、経鼻、肺、埋込、及び局所投与によって治療を必要としている患者又は対象に投与される。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【
図1】ヒトPDE9A2及びナトリウム利尿ペプチドタンパク質受容体1(NPR1)を二重トランスフェクトされたHEK293T細胞中のcGMP含量に対する化合物102のアップレギュレーション効果。
【
図2】心房性ナトリウム利尿因子によって刺激された新生仔ラットの初代心筋細胞におけるcGMPに対する化合物102の効果。
【
図3】心不全を有するラットにおける左室駆出率に対する化合物の効果。
【
図4】心不全を有するラットにおける短縮率に対する化合物の効果。
【
図5】心不全を有するラットにおける左心室収縮期容積に対する化合物の効果。
【
図6】心不全を有するラットにおける左心室拡張期容積に対する化合物の効果。
【
図7】心不全を有するラットにおけるHRに対する化合物の効果。
【
図8】様々な群におけるラットの心臓の梗塞周囲ゾーンの線維症染色。
【0113】
本発明の「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など、好ましくは、フッ素及び塩素を指す。
【0114】
本発明の「ハロ」は、置換基中の任意の水素原子が、1個若しくは複数の同一若しくは異なるハロゲン原子で置換されていてもよい。「ハロゲン」は上記で定義されている通りであることを意味する。
【0115】
本発明の「C1~6アルキル」は、そこから1個の水素原子を除去することによって、1~6個の炭素原子を含有する炭化水素部分に由来する直鎖状又は分岐状アルキル、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、2-メチルブチル、ネオ-ペンチル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、イソヘキシル、4-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2-メチルペンチル、1-メチルペンチル、3,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル及び1-メチル-2-メチルプロピルを指す。「C1~4アルキル」は、1~4個の炭素原子を含有する上記の例を指す。
【0116】
本発明の「C2~8アルケニル」は、そこから1個の水素原子を除去することによって、炭素-炭素二重結合を含有する2~8個の炭素原子のアルケン部分に由来する直鎖状又は分岐状又は環状アルキレン、例えば、ビニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、1,3-ブタジエニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、1,3-ペンタジエニル、1,4-ペンタジエニル、1-ヘキセニル、及び1,4-ヘキサジエニルを指す。
【0117】
本発明の「C2~8アルキニル」は、そこから1個の水素原子を除去することによって、炭素-炭素三重結合を含有する2~8個の炭素原子のアルキン部分に由来する直鎖状又は分岐状アルキニル、例えば、エチニル、プロピニル、2-ブチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-メチル-2-ペンチニル、2-ヘキシニル、及び3-ヘキシニルを指す。
【0118】
本発明の「C1~6アルコキシ」は、上で定義した「C1~6アルキル」と親分子とを酸素原子を介して接続することによって形成される基、すなわち、「C1~6アルキル-O-」基、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、ネオペンチルオキシ及びn-ヘキシルオキシを指す。「C1~4アルコキシ」は、1~4個の炭素原子を含有する上記の例、すなわち、「C1~4アルキル-O-」基を指す。
【0119】
本発明の「C1~6アルキルアミノ」、「(C1~6アルキル)2アミノ」、「C1~6アルキルカルボニルアミノ」、「C1~6アルキルスルホニルアミノ」、「C1~6アルキルアミノカルボニル」、「(C1~6アルキル)2アミノ-カルボニル」、「C1~6アルコキシ-カルボニル」、「C1~6アルキルスルホニル」、「C1~6アルキルチオ」、及び「C1~6アルキルカルボニル」は、それぞれ、C1~6アルキル-NH-、(C1~6アルキル)(C1~6アルキル)N-、C1~6アルキル-C(O)-NH-、C1~6アルキル-S(O)2-NH2-、C1~6アルキル-NH-C(O)-、(C1~6アルキル)(C1~6アルキル)N-C(O)-、C1~6アルキル-O-C(O)-、C1~6アルキル-S(O)2-、C1~6アルキル-S-、及びC1~6アルキル-C(O)-を指す。「C1~6アルキル」は上記で定義されている通りであり、好ましくは、「C1~4アルキル」である。
【0120】
本発明の「縮合環」は、2個若しくはそれより多い環構造をオルト縮合様式で接続することによって、又はスピロ又は架橋連結によって形成される多環式構造を指す。オルト縮合環は、2個の隣接する環原子を共有する(すなわち、結合を共有する)2個若しくはそれより多い環構造によって形成される縮合環構造を指す。架橋環は、2個の隣接していない環原子を共有する2個若しくはそれより多い環構造によって形成される縮合環構造を指す。スピロ環は、1個の環原子を互いに共有している2個若しくはそれより多い環構造によって形成される縮合環構造を指す。
【0121】
本発明の「3~12員シクロアルケニル」は、他に特定しない限り、単環式環及び縮合環の全ての可能な実例(オルト縮合様式で、又はスピロ若しくは架橋連結によって縮合されたものを含めた)、例えば、3~8員単環式オレフィン、7~11員スピロ環式オレフィン、7~11員オルト縮合環オレフィン、及び6~11員架橋環式オレフィンを含む。
【0122】
本発明のシクロアルキルは、単環式環及び縮合環の全ての可能な実例(オルト縮合様式で、又はスピロ若しくは架橋連結によって縮合されたものを含めた)を含む;例えば、「3~12員シクロアルキル」は、単環式、二環式又は多環式シクロアルキル系(縮合環系とまた称される)でよい。他に特定しない限り、単環式環系は、3~8個の炭素原子を含有するシクロアルキル基である。3~8員シクロアルキルの例には、これらに限定されないが、シクロプロパニル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが含まれる。縮合環シクロアルキルは、オルト縮合環シクロアルキル、架橋シクロアルキル、及びスピロシクロアルキルを含む。オルト縮合環シクロアルキルは、6~11員オルト縮合環シクロアルキル、及び7~10員オルト縮合環シクロアルキルでよく、その代表例には、これらに限定されないが、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.1]ノナン及びビシクロ[4.2.1]ノナンが含まれる。スピロシクリルは、7~12員スピロシクリル又は7~11員スピロシクリルでよく、スピロシクリルの例には、これらに限定されないが、
【化22】
が含まれる。架橋シクリルは、6~11員架橋シクリル、及び7~10員架橋シクリルでよく、架橋シクリルの例には、これらに限定されないが、
【化23】
が含まれる。
【0123】
本発明の「ヘテロシクリル」は、少なくとも1個の環炭素原子が、O、S、及びNから選択されるヘテロ原子、好ましくは、酸化することができる炭素原子、窒素原子及び硫黄原子をさらに含む1~3個のヘテロ原で置き換えられている、3~12員非芳香族環式基を指す。
【0124】
「3~12員ヘテロシクリル」は、飽和及び部分飽和ヘテロシクリルを含むが、芳香族環を含まない、単環式ヘテロシクリル系、二環式ヘテロシクリル系又は多環式ヘテロシクリル系(また縮合環系の称される)を指す。他に特定しない限り、「3~12員ヘテロシクリル」は、単環式環、縮合環の全ての可能な実例(オルト縮合様式で、又はスピロ若しくは架橋連結によって縮合されたものを含めた)、飽和及び部分飽和環を含む。
【0125】
モノヘテロシクリルは、3~8員ヘテロシクリル、3~8員飽和ヘテロシクリル、3~6員ヘテロシクリル、4~7員ヘテロシクリル、5~7員ヘテロシクリル、5~6員ヘテロシクリル、5~6員酸素含有ヘテロシクリル、3~8員窒素含有ヘテロシクリル、5~6員窒素含有ヘテロシクリル、5~6員飽和ヘテロシクリルなどでよい。「3~8」員飽和ヘテロシクリルの例には、これらに限定されないが、アジリジン基、オキサシクロプロパン基、チアシクロプロパン基、アゼチジニル、オキセタニル、チアシクロブタン基、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロチエニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、1,2-オキサゾリジニル、1,3-オキサゾリジニル、1,2-チアゾリジニル、1,3-チアゾリジニル、テトラヒドロ-2H-ピラニル、テトラヒドロ-2H-チオピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、1,4-ジオキサニル、及び1,4-オキサチアン基が含まれる。「3~8」員部分飽和ヘテロシクリルの例には、これらに限定されないが、4,5-ジヒドロイソオキサゾリル、4,5-ジヒドロオキサゾリル、2,5-ジヒドロオキサゾリル、2,3-ジヒドロオキサゾリル、3,4-ジヒドロ-2H-ピロリル、2,3-ジヒドロ-1H-ピロリル、2,5-ジヒドロ-1H-イミダゾリル、4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾリル、4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾリル、4,5-ジヒドロ-3H-ピラゾリル、4,5-ジヒドロチアゾリル、2,5-ジヒドロチアゾリル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、2H-チオピラニル、4H-チオピラニル、2,3,4,5-テトラヒドロピリジル、1,2-イソオキサジニル、1,4-イソオキサジニル又は6H-1,3-オキサジニルなどが含まれる。縮合複素環式環は、飽和、部分的飽和又は不飽和であり得るが、芳香族ではない、オルト縮合ヘテロシクリル、スピロヘテロシクリル、及び架橋ヘテロシクリルを含む。縮合ヘテロシクリルは、ベンゼン環に縮合した5~6員単環式ヘテロシクリル環、5~6員単環式シクロアルキル、5~6員単環式シクロアルケニル、5~6員単環式ヘテロシクリル又は5~6員単環式ヘテロアリールである。オルト縮合ヘテロシクリルは、6~12員オルト縮合シクリル、7~10員オルト縮合シクリル、6~10員オルト縮合シクリル、6~12員飽和オルト縮合シクリルでよく、代表例には、これらに限定されないが、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキシル、3,6-ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタニル、3,8-ジアザビシクロ[4.2.0]オクチル、3,7-ジアザビシクロ[4.2.0]オクチル、オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロリル、オクタヒドロピロロ[3,4-b]ピロリル、オクタヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジニル、オクタヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジル、2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル、2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル、ジヒドロインドリン-1-イル、ジヒドロインドリン-2-イル、ジヒドロインドリン3-イル、2,3-ジヒドロベンゾチオフェン-2イル、オクタヒドロ-1H-インドリル、及びオクタヒドロベンゾフラニルが含まれる。スピロヘテロシクリルは、6~12員スピロヘテロシクリル、7~11員スピロヘテロシクリル、及び6~12員飽和スピロシクリルでよく、スピロヘテロシクリルの例には、これらに限定されないが、
【化24】
が含まれる。
【0126】
架橋ヘテロシクリルは、6~12員架橋ヘテロシクリル、7~11員架橋ヘテロシクリル、及び6~12員飽和架橋シクリルでよく、架橋ヘテロシクリルの例には、これらに限定されないが、
【化25】
が含まれる。
【0127】
本発明の「アリール」は、フェニル、ナフタレン、フェナントレンなどを含めた6~14個の炭素原子を含有する環状芳香族基を指す。
【0128】
本発明のヘテロアリールは、全ての可能な単環式環、縮合環、形成し得る全ての芳香族及び部分芳香族の実例を含む。例えば、「5~10員ヘテロアリール」は、芳香族環式基を指し、ここでは、炭素原子及び硫黄原子が同時に酸化されており、例えば、炭素原子がC(O)で置き換えられており、硫黄原子がS(O)及びS(O)
2で置き換えられており、窒素原子
【化26】
が、
【化27】
で置き換えることができる実例を含めて、少なくとも1個の環炭素原子は、O、S、及びNから選択されるヘテロ原子、好ましくは、1~3個のヘテロ原子で置き換えられている。ヘテロアリールは、モノヘテロアリール及び縮合ヘテロアリールを含む;他に特定しない限り、モノヘテロアリールは、5~7員ヘテロアリール及び5~6員ヘテロアリールでよい;モノヘテロアリールの例には、これらに限定されないが、フリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピロリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チエニル、トリアゾリル及びトリアジニルが含まれる。ある特定の実施形態では、縮合ヘテロアリールは、単環式ヘテロアリール環をフェニル、シクロアルケニル、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルに縮合することによって形成される基を指し、縮合ヘテロアリールは、8~12員オルト縮合ヘテロアリール及び9~10員オルト縮合ヘテロアリールでよく、例には、これらに限定されないが、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアソリル、ベンゾチアゾリル、シンノリニル、5,6-ジヒドロキノリン-2-イル、5,6-ジヒドロイソキノリン-1-イル、フロピリジル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、イソキノリニル、ナフチリジニル、プリニル、キノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-イル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-4-イル、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリン-1-イル、チエノピリジル、4,5,6,7-テトラヒドロ[c][1,2,5]オキサジアゾリル及び6,7-ジヒドロ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4(5H)ケトが含まれる。
【0129】
本発明の「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容される酸及び塩基の付加塩、又はその溶媒和物を指す。このような薬学的に許容される塩は、酸、例えば:塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸、亜硫酸、ギ酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、ヨウ化水素酸、及びアルカン酸(例えば、酢酸及びHOOC-(CH2)n-COOH(式中、nは、0~4である))の塩を含む。このような薬学的に許容される塩は、塩基の塩、例えば:ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、及びアンモニウム塩を含む。当業者は、種々の無毒性の薬学的に許容される付加塩を承知している。
【0130】
本発明の「異性体」は、立体異性体及び互変異性体を指す。
【0131】
立体異性体は、化合物が不斉原子を有するとき、エナンチオマーが生じ得;化合物が二重結合又は環状構造を有するとき、シストランス異性体が生じ得ることを意味し;式(I)の化合物の全てのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ異性体、シストランス異性体、幾何異性体、エピマー及びこれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。
【0132】
「互変異性体」は、分子における2つの位置における原子の急速な動きによって生じる官能基異性体を指し、互変異性体は、特別な官能基異性体である。例えば、α-Hを含有するカルボニル化合物の互変異性体は、特に、下記の通りである。
【化28】
他のプロトン転位互変異性体、例えば、フェノール-ケト互変異性体、ニトロソ-オキシム互変異性体、及びイミン-エナミン互変異性体が存在する。
【0133】
T、T1、及びT2は、それぞれ独立に、化合物の結合原則に従う任意の基である。
【0134】
本発明の化合物は、ラクタム構造を含有し、
【化29】
互変異性体を有する。本発明の化合物に言及するとき、化合物の互変異性体がまた同時に記述されることをこれは意味する。本発明の合成実施形態は、任意のタイプの互変異性体を合成し、これは、別の互変異性体配置が同時に得られ、これらの両方は、互いに急速に変換されることができ、動的平衡状態にあることを意味する。
【0135】
本発明の「C原子」は、C(O)によって置き換えることができ;「S原子」は、S(O)及びS(O)2によって置き換えることができる。
【0136】
本発明の用語「重水素化」は、重水素による化合物又は基における1個若しくは複数の水素の置換えを指す。
【0137】
本発明の「哺乳動物」は、肺を介して吸気し、乳腺を介して乳を分泌して子に授乳する、脊椎動物亜門哺乳綱における温血脊椎動物の1種を指し、ヒト及び動物に分類することができる。哺乳動物の例には、これらに限定されないが、タイガー、ヒョウ、オオカミ、シカ、キリン、ミンク、サル、オランウータン、バク、キツネ、ナマケモノ、クマ、コアラ、シロクマ、ゾウ、ジャコウウシ、サイ、マナティー、ライオン、アカパンダ、パンダ、イボイノシシ、アンテロープ、コアラ、オオヤマネコ、センザンコウ、アリクイ、カワウソ、イルカ、セイウチ、アザラシ、クジラ、カモノハシ、ハリネズミ、カンガルー、カバ、イタチ、アナグマ、ベンガルヤマネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ラバ、ロバ、イヌ、ラット、ネコ、及びウサギが含まれる。
【0138】
本発明の優れた効果
PDE9酵素の活性を阻害することによって、本発明のPDE9阻害剤化合物は、cGMPの分解を効果的に阻害し、cGMPのレベルを増加させ、次いで、タンパク質キナーゼG(PKG)を活性化し、それによって、心不全の治療において効果を発揮する。研究は、本発明の化合物が、PDE9酵素に対して効果的に作用し、心筋細胞におけるcGMP含量を増加させ、動物モデルにおいて心臓機能を効果的に改善させ、心筋リモデリングを逆転させることができ、それによって、心不全の治療における効果を発揮することを示してきた。
【0139】
臨床的に、非急性心不全の疑いを有する患者について、これは主に、心不全を除外又は診断するのに、患者の病歴、症状、身体検査、心電図検出、ナトリウム利尿ペプチドのレベル、及び心エコー図をベースとする。特に、心エコー図は、心室容積、拡張機能、心室壁厚、弁機能及び肺高血圧の即時の情報を提供することができ、したがって、心不全の疑いを有する患者の検出において広範に使用されている。臨床的に、急性心不全を有する患者の最初の診断のために、心エコー図をまた使用して、状態をさらに確認する。
【0140】
動物モデルにおいて、動物における心不全は、活気の低下、元気がないこと、食事の減少、加速された呼吸、ばらばらの毛皮、チアノーゼ、腹水、下肢の浮腫、肝臓のうっ滞及び血腫などによって特性決定されることが多い。評価指標は、心電図、心エコー図及び心臓カテーテルの検査による、並びに心筋生検の病理学的分析などを用いた、左心室末期容積(EDV/ESV)、左心室収縮期圧(LVSP)、左心室拡張末期圧(LVEDP)、左心室1回心仕事量(SW)、1回拍出量(SV)、左心室からの圧力変化の率(±dp/dtmax)、心拍出量(CO)、左室駆出率(LVEF)、左心室塊/容積比などの決定である。一般に使用されるモデルは、圧力過負荷HFモデル、容積過負荷HFモデル、弱まった心筋収縮性HFモデル、in vitroでのHFモデル、及び遺伝子工学HFモデルである。心筋梗塞に起因する心不全モデルは、弱まった心筋収縮性を有する心不全モデルに属する。同時に、この動物モデルは、臨床的心筋梗塞に起因する心不全を有する患者と相対的に高い類似性を有し、このタイプの患者は心不全の集団の中で代表的なものである。
【0141】
本発明を、実施形態と併せて下記で説明する。しかし、これらの実施形態は、本発明の範囲を決して限定することを意味しない。
【0142】
実施形態の詳細な説明
本明細書において使用する略語である「DMF」は、ジメチルホルムアミドを指し;「DIPEA」は、N,N-ジイソプロピルエチルアミンを指し;「EA」は、酢酸エチルを指し;「PE」は、石油エーテルを指し;「THF」は、テトラヒドロフランを指し;「DCM」は、ジクロロメタンを指し;「HATU」は、2-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートを指し;「AD-ミックス-β」は、0.0016molの(DHQD)2PHAL(ヒドロキニジン1,4-(2,3-ジアザナフタレン)ジエーテル)、0.4988molの炭酸カリウム粉末及び0.4988molのフェリシアン化カリウム及び0.0007molのオスミウム酸カリウム二水和物を含有する混合物を指し;「EDCI」は、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩を指し;「NBS」は、N-ブロモスクシンイミドを指し;「AIBN」は、アゾジイソブチロニトリルを指し;「TEA」は、トリエチルアミンを指す。
【0143】
調製例1:中間体4,6-ジクロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
ステップ1:6-クロロ-2H-ピリド[3,4-d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオンの合成
【化30】
5-アミノ-2-クロロイソニコチン酸(30g、0.1738mol、1.0当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(300mL)に溶解し、N,N’-カルボニルジイミダゾール(48g、0.2955mol、1.7当量)を0℃にてバッチ式で加え、反応溶液を室温へと一晩ゆっくりと温めた。LC-MSは、反応が完了したことを示したが、室温に冷却し、次のステップのために処理なしで直接使用する。
【0144】
ステップ2:6-クロロ-4-ヒドロキシル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化31】
上記の反応溶液に、トリエチルアミン(35.182g、0.3478mol、2当量)及びシアノ酢酸エチル(19.665g、0.1738mol)を反応のために150℃にて3時間加えた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。反応溶液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。水(200mL)を加えた。pH値を塩酸(1mol/L)で1に調節した。反応溶液を15分間撹拌し、吸引によって濾過した。濾過ケークをEAで2回洗浄し、40℃にて乾燥させ、生成物を明るい赤レンガ色の固体(25.655g、収率:66%)として得た。
【0145】
ステップ3:4,6-ジクロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化32】
6-クロロ-4-ヒドロキシル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(5.0g、0.0226mol、1当量)及びオキシ塩化リン(15mL)を、反応フラスコに加えた。反応フラスコを、反応のために約6分間、100℃に既に加熱した油浴中に置いた。固体はゆっくりと溶解し始め、色は淡黄色から徐々に濃くなった。TLC検出は、反応が完了したことを示し、室温に冷却した。適当な量のDCMを、フラスコに加えた。反応溶液を氷冷水(100mL)中に注ぎ、10分間撹拌し、吸引によって濾過した。濾過ケークをメチルtert-ブチルエーテルで洗浄し、液体を切り、真空中で40℃にて乾燥させ、生成物を淡黄色の固体として得た。材料を5つのバッチで供給し、全部で25.655g(0.1157mol)の6-クロロ-4-ヒドロキシル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルを供給し、19.486gの生成物(収率:70.1%)を得た。
【0146】
調製例2:中間体6-エチル-4クロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル及び2,4-ジクロロ-6-エチル-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
ステップ1:メチル6-エチル-3-(シアノアセトアミド)-1-ピリジン-4-カルボキシレートの合成
【化33】
中間体メチル6-エチル-3-アミノ-1-ピリジン-4-カルボキシレート(131g、727.13mmol、1.0当量)を、ジクロロメタン(1.31L)に溶解した。シアノ酢酸(74.22g、872.56mmol、1.2当量)を、氷浴条件下で加えた。EDCI(209.07g、1090.70mmol、1.5当量)を、反応のために25℃にて2時間バッチ式で加えた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。H
2O(1.5L)を、反応溶液に加えた。液体を分離した。有機相をH
2O(2×800mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、吸引によって濾過した。濾液を濃縮した。粗生成物をメチルtert-ブチルエーテル(500mL)上でスラリー化し、生成物(165g、収率:91.78%)を得た。
【0147】
ステップ2:6-エチル-4-ヒドロキシル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化34】
中間体メチル6-エチル-3-(シアノアセトアミド)-1-ピリジン-4-カルボキシレート(165g、667.34mmol、1.0当量)を、エタノール(1.65L)に溶解した。ナトリウムエトキシド(136.24g、2002.62mmol、3.0当量)を、氷浴条件下でバッチ式で加え、添加の後で25℃にて2時間反応させた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。反応溶液を濃縮し、H
2O(1.5L)を加えた。pH値を氷浴条件下で濃塩酸で4又はそれ未満に調節した。大量の淡黄色の固体が沈殿した。反応溶液を吸引によって濾過した。濾過ケークを乾燥させ、生成物(138g、収率:96.09%)を得た。
【0148】
ステップ3:6-エチル-4クロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル及び2,4-ジクロロ-6-エチル-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化35】
中間体6-エチル-4-ヒドロキシル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(605g、2.81mol、1.0当量)をアセトニトリル(3L)に溶解し、オキシ塩化リンを氷浴下で加え(1723g、11.24mol、4.0当量)、100℃にて2時間反応させた。反応溶液を冷却し、濃縮した。アセトニトリル(1L)を分散化剤として加えた。このように得られた液体を、氷冷水中に注いだ。pH値を、飽和水酸化ナトリウム溶液で約5~6に調節した。大量の黄色の固体が沈殿した。残りの液体を吸引によって濾過し、乾燥させ、粗生成物を得た。粗生成物をn-ヘプタン/酢酸エチル(3L/0.6L)と共にスラリー化した。混合物を吸引によって濾過し、6-エチル-4クロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(510g、収率:78%)を得た。
【0149】
濾液を濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EA=10:1)上で精製し、2,4-ジクロロ-6-エチル-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(50g、収率:7%)を得た。
【実施例】
【0150】
実施例1
6-イソプロピル-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(化合物91)の合成
ステップ1:6-クロロ-2H-ピリド[3,4-d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオンの合成
【化36】
5-アミノ-2-クロロイソニコチン酸(30g、0.1738mol、1.0当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(300mL)に溶解し、N,N’-カルボニルジイミダゾール(48g、0.2955mol、1.7当量)をバッチ式で0℃にて加え、反応溶液を室温へと一晩ゆっくりと温めた。LC-MSは、反応が完了したことを示したが、室温に冷却し、次のステップのために処理をせずに直接使用する。
【0151】
ステップ2:6-クロロ-4-ヒドロキシル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化37】
上記の反応溶液に、トリエチルアミン(35.182g、0.3478mol、2当量)及びシアノ酢酸エチル(19.665g、0.1738mol)を反応のために150℃にて3時間加えた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。反応溶液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。水(200mL)を加えた。pH値を、塩酸(1mol/L)で1に調節した。反応溶液15分間撹拌し、吸引によって濾過した。濾過ケークをEAで2回洗浄し、40℃にて乾燥させ、生成物を明るい赤レンガ色の固体(25.655g、収率:66%)として得た。
【0152】
ステップ3:4,6-ジクロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化38】
6-クロロ-4-ヒドロキシル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(5.0g、0.0226mol、1当量)及びオキシ塩化リン(15mL)を、反応フラスコに加えた。反応フラスコを既に100℃に加熱した油浴中に反応のために約6分間置いた。固体はゆっくりと溶解し始め、色は淡黄色から徐々に濃くなった。TLC検出は、反応が完了したことを示し、室温に冷却した。適当な量のDCMを、フラスコに加えた。反応溶液を氷冷水(100mL)中に注ぎ、10分間撹拌し、吸引によって濾過した。濾過ケークをメチルtert-ブチルエーテルで洗浄し、液体を切り、真空中で40℃にて乾燥させ、生成物を淡黄色の固体として得た。材料を5つのバッチで供給し、全部で25.655g(0.1157mol)の6-クロロ-4-ヒドロキシル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルを供給し、19.486gの生成物(収率:70.1%)を得た。
【0153】
ステップ4:6-クロロ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化39】
中間体4,6-ジクロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(2.0g、8.33mmol、1.0当量)をDMF(10mL)に溶解し、DIPEA(6.45g、50mmol、6.0当量)及び4-メトキシ-4-メチルピペリジントリフルオロアセテート(2.2g、9.16mmol、1.1当量)を加え、80℃にて2時間反応させた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。水(10mL)を加え、ジクロロメタン(10mL×3)を抽出のために使用した。有機相を水(10mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮し、生成物を黄色の固体(2.7gの粗製物)として得た。
【0154】
ステップ5:4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-6-(プロパ-1-エン-2-イル)-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化40】
中間体6-クロロ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(500mg、1.5mmol、1.0当量)を、1,4-ジオキサン(5mL)及びH
2O(1mL)に溶解した。トリフルオロ(プロパ-1-エン-2-イル)カリウムボレート(668mg、4.5mmol、3.0当量)及び炭酸セシウム(1.466g、4.5mmol、3.0当量)を加えた。[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(110mg、0.15mmol、0.1当量)を窒素保護下で加え、100℃にて12時間反応させた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。水(20mL)を加えた。酢酸エチル(20mL×3)を抽出のために使用した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=50:1)上で精製し、生成物(390mg、収率:76.9%)を得た。
【0155】
ステップ6:6-イソプロピル-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化41】
中間体4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-6-(プロパ-1-エン-2-イル)-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(390mg、1.15mmol、1.0当量)を、メタノール(10mL)に溶解した。Pd/C(100mg)を加え、水素下で12時間反応させた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。反応溶液を吸引によって濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物をメチルtert-ブチルエーテルと共にスラリー化した。このように得られた溶液を吸引によって濾過した。次いで、粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(DCM:MeOH=15:1)上で分離し、生成物(100mg、収率:25.6%)を得た。
1HNMR(400MHz,DMSO-d
6)δ(ppm):11.82(s,1H),8.61(s,1H),7.38(s,1H),3.60-3.61(m,4H),3.19(s,3H),3.06-3.13(m,1H),1.90-1.93(m,2H),1.75-1.82(d,2H),1.26(s,9H).
分子式:C
19H
24N
4O
2、分子量:340.43LC-MS(Pos,m/z)=341.19[M+H]
+.
【0156】
実施例2
4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-6-ビニル-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(化合物70)の合成
【化42】
中間体6-クロロ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(20.1g、60.40mmol、1.0当量)を、1,4-ジオキサン(600mL)及びH
2O(150mL)に溶解した。トリフルオロ(ビニル)カリウムボレート(12.14g、90.6mmol、1.5当量)、炭酸セシウム(58g、181.2mmol、3.0当量)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(4.4g、6.04mmol、1.0当量)を加え、窒素保護下で100℃にて8時間反応させた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。水(20mL)を加えた。ジクロロメタン(30mL×3)を抽出のために使用した。有機相を水(10mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=50:1)上で精製し、生成物(14.63g、収率:74%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ(ppm):12.03(s,1H),8.64(s,1H),7.56(s,1H),6.89-6.96(m,1H),6.15-6.19(m,1H),5.39-5.42(m,1H),3.61-3.64(m,4H),3.19(s,3H),1.77-1.93(m,4H),1.21(s,3H).
分子式:C
18H
20N
4O
2、分子量:324.38LC-MS(Pos,m/z)=325.16 [M+H]
+.
【0157】
実施例3
6-(1-ヒドロキシエチル)-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(化合物63)の合成
ステップ1:6-(1,2-ジヒドロキシエチル)-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化43】
中間体4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-6-ビニル-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(500mg、1.542mmol、1.0当量)を、第三級ブタノール(10mL)及び水(10mL)に溶解した。メタンスルホンアミド(147mg、1.542mmol、1.0当量)及びAD-ミックス-β(6.0g)を加え、通常の温度にて12時間反応させた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。水(10mL)を加えた。ジクロロメタン(30mL×3)を抽出のために使用した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、生成物(552mg、収率:100%)を得た。
【0158】
ステップ2:6-ホルミル-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化44】
中間体6-(1,2-ジヒドロキシエチル)-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(552mg、1.542mmol、1.0当量)を、テトラヒドロフラン(10mL)及び水(2mL)に溶解した。過ヨウ素酸ナトリウム(650mg、3.084mmol、2.0当量)を加え、4時間反応させた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。水(10mL)を加えた。酢酸エチル(20mL×3)を抽出のために使用した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=60:1)上で精製し、生成物を黄色の固体(160g、2ステップ収率:32%)として得た。
【0159】
ステップ3:6-(1-ヒドロキシエチル)-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化45】
中間体6-ホルミル-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(160mg、0.49mmol、1.0当量)を、テトラヒドロフラン(5mL)に溶解した。メチルマグネシウムクロリド(1mL)を0℃にて滴下で加え、1時間反応させた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。水(10mL)を加えた。酢酸エチル(20mL×3)を抽出のために使用した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=40:1)上で精製し、生成物(108mg、収率:64%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ(ppm):11.93(s,1H),8.58(s,1H),7.72(s,1H),5.48-5.49(d,1H),4.75-4.81(m,1H),3.56-3.65(m,4H),3.20(s,3H),1.91-1.95(m,2H),1.73-1.79(m,2H),1.38-1.40(d,3H),1.23(s,3H).
分子式:C
18H
22N
4O
3、分子量:342.40LC-MS(Pos,m/z)=343.17 [M+H]
+.
【0160】
0.3925gの化合物63を、メタノールに溶解し、2mg/mlの濃度を伴う溶液を形成させ、Shimadzu LC-20ADを使用して、エナンチオマーの分離のための液相を調製した。分離条件は、下記の通りである。6分及び12分で対応する構成要素から得た化合物をそれぞれ収集した。6分で対応する構成要素から得た化合物は、化合物Aであり、12分で対応する構成要素から得た化合物は、化合物Bであった。溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、それぞれ、0.1814gの化合物A及び0.1984gの化合物Bを得た。化合物A及びBは、エナンチオマーであり、化合物Aが、構造の1つであり、化合物Bが他方であるとき、その構造は下記の通りである。
【化46】
【0161】
実施例4
6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(化合物64)の合成
ステップ1:6-アセチル-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化47】
中間体6-(1-ヒドロキシエチル)-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(187mg、0.55mmol、1.0当量)を乾燥ジクロロメタン(5mL)に溶解し、0~5℃に冷却した。Dess-martinペルヨージナン(463.5mg、1.10mmol、2.0当量)を加え、室温へと自然に温め、添加の後で2時間反応させた。TLCを使用して、反応の完了をモニターした。反応溶液を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(MeOH:DCM=1:100~1:50)上で精製し、生成物(185.8mg、収率:100%)を得た。
【0162】
ステップ2:6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化48】
中間体6-アセチル-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(185.8mg、0.55mmol、1.0当量)を、N,N-ジメチルアセトアミド(3mL)に溶解し、-10~0℃に冷却した。3mol/Lのメチルマグネシウムクロリドテトラヒドロフラン溶液(0.6mL、3.0当量)を窒素保護下で滴下で加え、室温へと自然に温め、添加の後で一晩撹拌した。TCL検出は、大量の原料が残存していることを示した。3mol/Lのメチルマグネシウムクロリドテトラヒドロフラン溶液(0.6mL、3.0当量)をさらに加え、3時間反応させ、次いで、3mol/Lのメチルマグネシウムクロリドテトラヒドロフラン溶液(0.6mL、3.0当量)を再び加え、2時間反応させた。反応物を0~10℃に冷却した。pH値を、酢酸で5~6に調節した。反応物を濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(MeOH:DCM=1:100~1:70)上で精製し、生成物(63.9mg、収率:32.8%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ(ppm):11.91(s,1H),8.59(s,1H),7.89(s,1H),5.35(s,1H),3.62-3.60(m,4H),3.20(s,3H),1.95-1.92(m,2H),1.80-1.73(m,2H),1.45(s,6H),1.23(s,3H).
分子式:C
19H
24N
4O
3、分子量:356.43LC-MS(Pos,m/z)=357.25 [M+H]
+.
【0163】
実施例5
6-(シクロプロピル(ヒドロキシル)メチル)-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(化合物68)の合成
【化49】
中間体6-ホルミル-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(500mg、1.53mmol、1.0当量)を、乾燥テトラヒドロフラン(20mL)に溶解し、窒素保護下で-10℃に冷却した。シクロプロピルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン(4.6mL、4.60mmol、3当量)溶液(1mol/L)を滴下で加え、添加の後で0℃にて3時間反応させた。LC-MS検出は、20%の原料が残存していることを示した。次いで、シクロプロピルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン(3mL、3mmol、2当量)溶液(1mol/L)を加え、2~3時間反応させた。LC-MS検出は、10%の原料が残存していることを示した。約5~6のpHまで酢酸を滴下で加えた。減圧下濃縮を行った。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(MeOH:DCM=1:100~1:40)上で精製し、生成物(225.7mg、収率:40.0%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ(ppm):11.93(s,1H),8.59(s,1H),7.68(s,1H),5.42-5.40(d,1H),4.24-4.22(m,1H),3.63-3.60(m,4H),3.19(s,3H),1.95-1.91(m,2H),1.79-1.72(m,2H),1.23(s,3H),1.23(s,1H),0.42(m,4H).
分子式:C
20H
24N
4O
3、分子量:368.44LC-MS(Pos,m/z)=369.40 [M+H]
+.
【0164】
実施例6
3-シアノ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-N-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミド(化合物69)の合成
ステップ1:3-シアノ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-6-カルボン酸の合成
【化50】
中間体6-ホルミル-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(681mg、2.09mmol、1.0当量)を、ギ酸(5mL)に溶解し、-5~0℃に冷却した。30%過酸化水素(1.32mL、10.44mmol、5当量)を加え、添加の後で0℃にて12時間反応させた、次いで、30%過酸化水素(1.32mL、10.44mmol、5当量)をさらに加え、室温にて2~3時間反応させた。TLCを使用して、反応の完了をモニターした。反応溶液をメチルtert-ブチルエーテル(50mL)溶液中に注いだ。淡黄色の固体が沈殿し、このように得られた反応溶液を濾過した。濾過ケークを乾燥させ、生成物(300mg、収率:42.0%)を得た。
【0165】
ステップ2:3-シアノ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-N-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの合成
【化51】
中間体3-シアノ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-6-カルボン酸(300mg、0.88mmol、1.0当量)を、無水N,N-ジメチルアセトアミド(3mL)に溶解した。DIPEA(565.8mg、4.38mmol、5.0当量)を加え、添加の完了後に0℃に冷却した。HATU(499.7mg、1.31mmol、1.5当量)を加え、室温にて0.5~1時間撹拌した。次いで、メチルアミン塩酸塩(118.2mg、1.75mmol、2.0当量)を加え、室温にて1時間反応させた。固体が沈殿した。TLCを使用して、反応の完了をモニターした。水(50mL)を加え、5分間撹拌した。このように得られた溶液を濾過した。濾過ケークを水で点滴洗浄し、酢酸エチル(10mL)に加え、1時間加熱還流した。溶液がまだ温かい間に濾過を行い、濾過ケークを乾燥させ、生成物(199mg、収率:63.8%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ(ppm):12.21(s,1H),8.74-8.73(s,1H),8.64(s,1H),8.27(s,1H),3.64-3.62(m,4H),3.20(s,3H),2.84-2.83(d,3H),1.96(m,1H),1.93(m,1H),1.79-1.77(m,2H),1.24(s,3H).
分子式:C
18H
21N
5O
3、分子量:355.40LC-MS(Pos,m/z)=356.26 [M+H]
+.
【0166】
実施例7
N-(2-アミノエチル)-3-シアノ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-6-カルボキサミド(化合物74)塩酸塩の合成
ステップ1:(2-(3-シアノ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-6-カルボキサミド)エチル)tert-ブチルカルバメートの合成
【化52】
中間体3-シアノ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-6-カルボン酸(200mg、0.58mmol、1.0当量)、HATU(333mg、0.88mmol、1.5当量)及びDIPEA(376mg、1.76mmol、3.0当量)を、DMAC(2mL)に溶解し、通常の温度にて30分間撹拌した。次いで、(2-アミノエチル)tert-ブチルカルバメート(281mg、1.76mmol、2.0当量)を加え、通常の温度にて1時間反応させた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。水(10mL)を加えた。ジクロロメタン(10mL×3)を抽出のために使用した。有機相を水(10mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=30:1)上で精製し、生成物(220mg、収率:78.3%)を得た。
【0167】
ステップ2:N-(2-アミノエチル)-3-シアノ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-6-カルボキサミド塩酸塩の合成
【化53】
中間体(2-(3-シアノ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-6-カルボキサミド)エチル)tert-ブチルカルバメート(220mg、0.45mmol、1.0当量)を、メタノール(3mL)に溶解した。塩化水素エタノール溶液(25%、2mL)を加え、通常の温度にて2時間反応させた。TLC検出は、反応が完了したことを示した。固体が沈殿した。このように得られた溶液を濾過した。濾過ケークを乾燥させ、生成物(150mg、収率:79%)を得た。
1HNMR(400MHz,DMSO-d
6)δ(ppm):12.28(s,1H),9.01-9.03(m,1H),8.68(s,1H),8.29(s,1H),7.91(s,3H),3.55-3.64(m,6H),3.21(s,3H),3.00-3.02(m,2H),1.94-1.97(d,2H),1.73-1.80(d,2H),1.24(s,3H).
分子式:C
19H
24N
6O
3、分子量:384.44LC-MS(Pos,m/z)=385.19 [M+H]
+.
【0168】
実施例8
3-シアノ-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミド(化合物75)の合成
【化54】
中間体3-シアノ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-6-カルボン酸(200mg、0.58mmol、1.0当量)、HATU(333mg、0.88mmol、1.5当量)及びDIPEA(226mg、1.76mmol、3.0当量)を、DMAC(2mL)に溶解し、通常の温度にて30分間撹拌した。次いで、N,N-ジメチルエチレンジアミン(103mg、1.16mmol、2.0当量)を加え、通常の温度にて1時間反応させた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。水(10mL)を加えた。ジクロロメタン(10mL×3)を抽出のために使用した。有機相を水(10mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=20:1)上で精製し、生成物(86mg、収率:36%)を得た。
1HNMR(400MHz,DMSO-d
6)δ(ppm):12.20(s,1H),8.79(s,1H),8.66(s,1H),8.28(s,1H),3.62-3.64(d,4H),3.50-3.51(d,2H),3.21(s,3H),2.76(s,2H),2.44(s,6H),1.94-1.97(d,2H),1.74-1.81(m,2H),1.25(s,3H).
分子式:C
21H
28N
6O
3、分子量:412.49LC-MS(Pos,m/z)=413.22 [M+H]
+.
【0169】
実施例9
3-シアノ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-N-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-6-カルボキサミド(化合物76)の合成
【化55】
中間体3-シアノ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-6-カルボン酸(200mg、0.58mmol、1.0当量)、HATU(333mg、0.88mmol、1.5当量)及びDIPEA(226mg、1.76mmol、3.0当量)を、DMAC(2mL)に溶解し、通常の温度にて30分間撹拌した。次いで、2-(ピロリジン-1-イル)エタン-1-アミン(134mg、1.16mmol、2.0当量)を加え、通常の温度にて1時間反応させた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。水(10mL)を加えた。ジクロロメタン(10mL×3)を抽出のために使用した。有機相を水(10mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=20:1)上で精製し、生成物(106mg、収率:41%)を得た。
1HNMR(400MHz,DMSO-d
6)δ(ppm):12.26(s,1H),9.08-9.11(m,1H),8.67(s,1H),8.30(s,1H),3.63-3.64(d,8H),3.06-3.20(m,6H),1.73-1.98(m,9H),1.25(s,3H).
分子式:C
23H
30N
6O
3、分子量:438.53LC-MS(Pos,m/z)=439.24[M+H]
+.
【0170】
実施例10
3-シアノ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-N-((1-メチルピペリジン-4-イル)メチル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-6-カルボキサミド(化合物77)トリフルオロアセテートの合成
【化56】
中間体3-シアノ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-6-カルボン酸(200mg、0.58mmol、1.0当量)を、無水N,N-ジメチルアセトアミド(2mL)に溶解した。DIPEA(226.3mg、1.75mmol、3.0当量)及びHATU(333.1mg、0.88mmol、1.5当量)を加え、室温にて0.5~1時間撹拌した。(1-メチルピペリジン-4-イル)メチルアミン(150mg、1.17mmol、2.0当量)を加え、室温にて1時間反応させた。LC-MS検出は、原料が残存していることを示した。(1-メチルピペリジン-4-イル)メチルアミン(150mg、1.17mmol、2.0当量)をさらに加え、反応を2時間続けた。粗生成物を分取HPLC(0.1%トリフルオロ酢酸水溶液:アセトニトリル=70:30)上で精製し、生成物(68.8mg、収率:20.7%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ(ppm):12.22(s,1H),9.00-8.99(s,1H),8.95-8.94(s,1H),8.65(s,1H),8.28(s,1H),3.63-3.62(m,4H),3.43-3.40(m,2H),3.23(s,3H),2.95-2.83(m,2H),2.75-2.74(m,2H),1.97-1.94(m,2H),1.85-1.80(m,2H),1.78-1.75(m,3H),1.24(s,3H).
分子式:C
24H
32N
6O
3、分子量:452.56LC-MS(Pos,m/z)=453.45 [M+H]
+.
【0171】
実施例11
3-シアノ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-N-(1-メチルアゼチジン-3-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-6-カルボキサミド(化合物78)トリフルオロアセテートの合成
【化57】
中間体3-シアノ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-6-カルボン酸(200mg、0.58mmol、1.0当量)を、無水N,N-ジメチルアセトアミド(2mL)に溶解した。DIPEA(226.3mg、1.75mmol、3.0当量)及びHATU(333.1mg、0.88mmol、1.5当量)を加え、室温にて0.5~1時間撹拌した。1-メチルアゼチジン-3-アミン(100.6mg、1.17mmol、2.0当量)を加え、室温にて12時間反応させた。粗生成物を分取HPLC(0.1%トリフルオロ酢酸水溶液:アセトニトリル=70:30)上で精製し、生成物(113.13mg、収率:37.1%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ(ppm):12.27(s,1H),9.59-9.53(s,2H),8.68(s,1H),8.27(s,1H),4.90-4.86(m,1H),4.45(m,2H),4.16(m,2H),3.63-3.62(m,4H),3.20(s,3H),2.91(s,3H),1.96-1.93(m,2H),1.79-1.72(m,2H),1.24(s,3H).
分子式:C
21H
26N
6O
3、分子量:410.48LC-MS(Pos,m/z)=411.40 [M+H]
+.
【0172】
実施例12
3-シアノ-N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミド(化合物80)の合成
【化58】
中間体3-シアノ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-6-カルボン酸(200mg、0.58mmol、1.0当量)を、無水N,N-ジメチルアセトアミド(2mL)に溶解した。DIPEA(226.3mg、1.75mmol、3.0当量)及びHATU(333.1mg、0.88mmol、1.5当量)を加え、室温にて0.5~1時間撹拌した。3-アミノプロパン-1,2-ジオール(106.4mg、1.17mmol、2.0当量)を加え、室温にて12時間反応させた。粗生成物を分取HPLC(0.1%トリフルオロ酢酸水溶液:アセトニトリル=70:30)上で精製し、凍結乾燥させ、生成物(93.79mg)を得た。試料を水に溶解した。pHを炭酸水素ナトリウム水溶液で8に調節した。N-ブチルアルコール(20mL×5)を抽出のために使用し、有機相を濃縮し、生成物(47.2mg、収率:19.4%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ(ppm):8.42-8.39(s,1H),8.36(s,1H),8.08(s,1H),4.96(s,1H),4.66(s,1H),3.49(m,1H),3.47-3.45(m,6H),3.25-3.23(m,2H),3.19(s,3H),1.91-1.88(m,2H),1.75-1.70(m,2H),1.23(s,3H).
分子式:C
20H
25N
5O
5、分子量:415.45LC-MS(Neg,m/z)=414.34 [M-H]
-.
【0173】
実施例13
3-シアノ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-N,N-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミド(化合物90)の合成
【化59】
中間体3-シアノ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-6-カルボン酸(200mg、0.58mmol、1.0当量)、HATU(333mg、0.88mmol、1.5当量)及びDIPEA(376mg、1.76mmol、3.0当量)を、DMAC(2mL)に溶解し、通常の温度にて30分間撹拌した。ジメチルアミン塩酸塩(95mg、1.16mmol、2.0当量)を加え、通常の温度にて1時間反応させた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。水(10mL)を加えた。ジクロロメタン(10mL×3)を抽出のために使用した。有機相を水(10mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=50:1)上で精製し、生成物(120mg、収率:55%)を得た。
1HNMR(400MHz,DMSO-d
6)δ(ppm):12.16(s,1H),8.61(s,1H),7.83(s,1H),3.61-3.63(m,4H),3.19(s,3H),3.03-3.05(d,6H),1.90-1.93(d,2H),1.71-1.78(m,2H),1.22(s,3H).
分子式:C
19H
23N
5O
3、分子量:369.18LC-MS(Pos,m/z)=370.43 [M+H]
+.
【0174】
実施例14
4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2-メトキシエトキシ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(化合物81)の合成
ステップ1:メチル2-(2-メトキシエトキシ)-5-ニトロイソニコチネートの合成
【化60】
原料であるエチレングリコールモノメチルエーテル(3.5g、46.17mmol、1.0当量)を、テトラヒドロフラン(50mL)に溶解し、0℃に冷却した。水素化ナトリウム(3.7g、92.34mmol、2.0当量)を加え、1時間反応させ、次いで、メチル2-クロロ-5-ニトロイソニコチネート(10.0g、46.17mmol、1.0当量)を加えた。TLC(PE:EA=5:1)検出は、反応が完了したことを示した。反応溶液を氷冷水(100mL)中に注ぎ、クエンチした。水相を酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EA=5:1)上で精製し、生成物を淡黄色の油(1.8g、収率:15%)として得た。
【0175】
ステップ2:メチル5-アミノ-2-(2-メトキシエトキシ)イソニコチネートの合成
【化61】
中間体メチル2-(2-メトキシエトキシ)-5-ニトロイソニコチネート(1.8g、7.02mmol、1.0当量)をメタノール(10mL)に溶解し、10%パラジウム担持カーボン(500mg)を加え、水素を導入し、室温にて一晩反応させた。TLC(PE:EA=3:1)検出は、反応が完了したことを示した。反応溶液を濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EA=5:1)上で精製し、生成物を淡黄色の固体(1.2g、収率:75%)として得た。
【0176】
ステップ3:メチル5-(2-シアノアセトアミノ)-2-(2-メトキシエトキシ)イソニコチネートの合成
【化62】
中間体メチル5-アミノ-2-(2-メトキシエトキシ)イソニコチネート(1.2g、5.3mmol、1.0当量)及びシアノ酢酸(901mg、10.6mmol、2.0当量)を、ジクロロメタン(20mL)に溶解した。EDCI(3.04g、15.9mmol、3.0当量)を加え、室温にて2時間反応させた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。反応溶液を氷冷水(30mL)中に注ぎ、クエンチした。水相をジクロロメタン(30mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、濃縮した。粗生成物をメチルtert-ブチルエーテル上でスラリー化し、生成物を淡黄色の固体(1.2g、収率:77%)として得た。
【0177】
ステップ4:4-ヒドロキシル-6-(2-メトキシエトキシ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化63】
中間体メチル5-(2-シアノアセトアミノ)-2-(2-メトキシエトキシ)イソニコチネート(1.2g、4.09mmol、1.0当量)を、テトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。水素化ナトリウム(327mg、8.18mmol、2.0当量)を加え、80℃へと温め、4時間反応させた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。反応溶液を約0℃に冷却した。pHを2mol/Lの塩酸水溶液で2に調節した。固体が沈殿した。このように得られた溶液を濾過した。濾過ケークを周囲圧力下にて50℃にて乾燥させ、生成物を黄色の固体(800mg、収率:75%)として得た。
【0178】
ステップ5:4-クロロ-6-(2-メトキシエトキシ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化64】
中間体4-ヒドロキシル-6-(2-メトキシエトキシ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(800mg、3.06mmol、1.0当量)を、オキシ塩化リン(8mL)に溶解し、100℃に温め、1時間反応させた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。反応溶液を氷冷水(20mL)中に注ぎ、クエンチした。水相をジクロロメタン(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、濃縮した。粗生成物をメチルtert-ブチルエーテル上でスラリー化し、生成物を淡黄色の固体(180mg、収率:21%)として得た。
【0179】
ステップ6:4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2-メトキシエトキシ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化65】
中間体4-クロロ-6-(2-メトキシエトキシ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(180mg、0.64mmol、1.0当量)を、N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(332mg、2.58mmol、4.0当量)及び4-メトキシ-4-メチルピペリジン(110mg、0.97mmol、1.0当量)を加え、80℃に温め、2時間反応させた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。反応溶液を氷冷水(20mL)中に注ぎ、クエンチした。水相をジクロロメタン(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=15:1)上で精製し、生成物を淡黄色の油(60mg、収率:25%)として得た。
1HNMR(400MHz,DMSO-d
6)δ(ppm):11.78(s,1H),8.28(s,1H),6.94(s,1H),4.37(m,2H),3.67(m,2H),3.56-3.58(m,4H),3.30(s,3H),3.18(s,3H),1.88-1.91(m,2H),1.75-1.80(m,2H),1.21(s,3H).
分子式:C
19H
24N
4O
4、分子量:372.43LC-MS(Pos,m/z)=373.3[M+H]
+
【0180】
実施例15
4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(化合物87)の合成
【化66】
中間体6-クロロ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(1.3g、3.91mmol、1.0当量)、炭酸セシウム(3.8g、11.73mmol、3.0当量)及びトリメチルボロキシン(THF溶液中50%、3.9g、15.62mmol、4.0当量)を、1,4-ジオキサン(20mL)に溶解した。添加の後、混合物を窒素による置換えに3回供した。次いで、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(286mg、0.39mmol、0.1当量)を加えた。添加の後、混合物を窒素による置換えに3回供し、12時間加熱還流した。TLC検出は、原料が残存していることを示した。次いで、トリメチルボロキシン(THF溶液中50%、3.9g、15.62mmol、4.0当量)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(286mg、0.39mmol、0.1当量)を加え、還流を4時間続けた。TLC検出は、原料が存在しないことを示した。反応物を室温に冷却した。水(50mL)及びジクロロメタン(100mL)を加え、5分間撹拌した。固体が沈殿し、濾過した。濾過ケークをジクロロメタンで点滴洗浄した。液体を分離した。水相をジクロロメタン(100mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。溶液を減圧下で濃縮した。粗生成物を第一にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(MeOH:DCM=1:100~1:50)上で精製し、生成物(309.9mg、収率:25.4%)を得た。
1HNMR(400MHz,DMSO-d
6)δ(ppm):11.88(s,1H),8.55(s,1H),7.42(s,1H),3.61-3.59(m,4H),3.19(s,3H),2.53(s,3H),1.92-1.89(m,2H),1.82-1.75(m,2H),1.22(s,3H).
分子式:C
17H
20N
4O
2、分子量:312.37LC-MS(Pos,m/z)=313.25 [M+H]
+.
【0181】
実施例16
6-シクロプロピル-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(化合物92)の合成
ステップ1:エチル2-クロロ-5-ニトロイソニコチネートの合成
【化67】
2-クロロ-5-ニトロイソニコチン酸(20.0g、98.74mmol、1.0当量)を、オルトギ酸トリエチル(43.9g、296.20mmol、3.0当量)に溶解し、120℃にて3時間反応させた。TLC検出は、原料が存在することを示した。このように得られた溶液を減圧下で濃縮し、黄色の油性液体を得た。石油エーテル(150mL)を加え、12時間撹拌し、濾過した。濾過ケークを室温にて乾燥させ、生成物(11.0g、収率:51.6%)を得た。
【0182】
ステップ2:エチル2-シクロプロピル-5-ニトロイソニコチネートの合成
【化68】
エチル2-クロロ-5-ニトロイソニコチネート(11.0g、47.70mmol、1.0当量)、シクロプロピルボロン酸(10.2g、119.25mmol、2.5当量)及びリン酸カリウム(35.4g、166.95mmol、3.5当量)を、水(27.5mL)及びトルエン(275mL)の混合溶媒に溶解した。トリフェニルホスフィン(2.5g、9.54mmol、0.2当量)及び酢酸パラジウム(1.1g、4.77mmol、0.1当量)を、窒素保護下で加えた。混合物を窒素による置換えに3回供し、還流させながら24時間反応させた。TLC検出は、反応が完了したことを示した。反応溶液を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA:PE=1:30)上で精製し、生成物(6.18g、収率:55%)を得た。
【0183】
ステップ3:エチル5-アミノ-2-シクロプロピルイソニコチネートの合成
【化69】
中間体エチル2-シクロプロピル-5-ニトロイソニコチネート(6.18g、26.16mmol、1.0当量)を、無水エタノール(60mL)に溶解した。鉄粉(5.86g、104.64mmol、4.0当量)を加えた。混合物を加熱還流させた。酢酸(9.4g、156.96mmol、6.0当量)を滴下で加え、還流させながら3時間反応させた。TLC検出は、反応が完了したことを示した。酢酸エチル(100mL)を、反応溶液に加えた。溶液がまだ温かい間に濾過を行った。濾過ケークを酢酸エチルで点滴洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。水(50mL)及び酢酸エチル(100mL)を加え、氷水浴において冷却した。炭酸水素ナトリウム固体を加え、pH値を約8に調節した。液体を分離した。水相を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、生成物(4.77g、収率:90%)を得た。
【0184】
ステップ4:エチル5-(2-シアノアセトアミド)-2-シクロプロピルイソニコチネートの合成
【化70】
中間体エチル5-アミノ-2-シクロプロピルイソニコチネート(4.77g、23.13mmol、1.0当量)を、ジクロロメタン(60mL)に溶解した。1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(8.7g、46.25mmol、2.0当量)及びシアノ酢酸(3g、34.69mmol、1.5当量)を加え、室温にて16時間撹拌した。TLCによるモニタリングは、原料が存在しないことを示した。ジクロロメタン(40mL)を加え、水(50mL×2)で洗浄した。有機相を飽和炭酸ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、生成物(5.6g、収率:100%)を得て、これを理論量によって次のステップに移した。
【0185】
ステップ4:6-シクロプロピル-4-ヒドロキシル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化71】
中間体エチル5-(2-シアノアセトアミド)-2-シクロプロピルイソニコチネート(5.6g、20.51mmol、1.0当量)を、無水エタノール(100mL)に溶解し、10分間撹拌した。ナトリウムエトキシド(4.7g、69.39mmol、3.0当量)を加え、室温にて1時間撹拌した。TLC検出は、原料が残存していることを示した。ナトリウムエトキシド(4.7g、69.39mmol、3.0当量)を加え、室温にて2時間撹拌した。TLC検出は、原料が存在しないことを示した。反応物を減圧下で濃縮した。水(200mL)を加え、メチルtert-ブチルエーテル(100mL×2)で抽出した。水相を氷冷水で冷却した。pH値を濃塩酸で1~2に調節した。固体が沈殿した。このように得られた溶液を濾過した。濾過ケークを水で点滴洗浄し、乾燥させ、生成物(3.95g、収率:84.84%)を得た。
【0186】
ステップ5:2,4-ジクロロ-6-シクロプロピル-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化72】
中間体6-シクロプロピル-4-ヒドロキシル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(1g、4.4mmol、1.0当量)を、無水アセトニトリル(15mL)に溶解した。オキシ塩化リン(1.35g、8.8mmol、2.0当量)を加え、80℃に温め、1時間反応させた。TLC検出は、原料の大部分が残存していることを示した。オキシ塩化リン(1.35g、8.8mmol、2.0当量)を加え、90℃に加熱した。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。反応物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。アセトニトリル(10mL)を加え、氷冷水で冷却した。pH値を水酸化ナトリウム溶液で8~9に調節した。黄色の固体が沈殿した。このように得られた溶液を濾過した。濾過ケークを水で点滴洗浄し、生成物(1.5gの粗製物)を得て、これを理論量によって次のステップに移した。
【0187】
ステップ6:4-クロロ-6-シクロプロピル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化73】
中間体2,4-ジクロロ-6-シクロプロピル-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(1.16gの粗製物、4.40mmol、1.0当量)を、トリフルオロ酢酸(10mL)及び水(2.5mL)の混合溶媒に溶解し、60℃に加熱し、18時間反応させ、0℃に冷却した。水(20mL)を加えた。pH値を、水酸化ナトリウム固体で8~9に調節した。黄色の固体が沈殿した。このように得られた溶液を濾過した。濾過ケークを水で点滴洗浄し、乾燥させた。酢酸エチル(10mL)を加え、60℃に加熱し、1時間撹拌した。溶液がまだ温かい間に濾過を行った。濾過ケークを乾燥させ、生成物(660mg、2ステップ収率:61%)を得た。
【0188】
ステップ7:2-クロロ-6-シクロプロピル-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化74】
中間体4-クロロ-6-シクロプロピル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(200mg、0.81mmol、1.0当量)を、N,N-ジメチルアセトアミド(2mL)に溶解した。DIPEA(420.5mg、3.26mmol、4.0当量)及び4-メトキシ-4-メチルピペリジン塩酸塩(188.8mg、1.14mmol、1.4当量)を加え、80℃に温め、1時間反応させた。TLC検出は、原料が存在することを示した。反応溶液を室温に冷却し、氷冷水(20mL)中に注ぎ、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、水(50mL×2)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物をメチルtert-ブチルエーテル(5mL)と共に1時間スラリー化し、このように得られた溶液を吸引によって濾過した。濾過ケークを乾燥させ、生成物(182mg、収率:66%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ(ppm):11.85(s,1H),8.51(d,1H),7.45(s,1H),3.61-3.60(d,4H),3.19(s,3H),2.27-2.21(m,1H),1.93-1.90(m,2H),1.84-1.80(m,2H),1.22(s,3H),0.95(m,2H),0.85(m,2H).
分子式:C
19H
22N
4O
2、分子量:338.17LC-MS(Pos,m/z)=339.13 [M+H]
+.
【0189】
実施例17
6-エチル-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(化合物102)の合成
ステップ1:6-クロロ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化75】
中間体4,6-ジクロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(2.0g、8.33mmol、1.0当量)を、DMF(10mL)に溶解し、DIPEA(6.45g、50mmol、6.0当量)及び4-メトキシ-4-メチルピペリジントリフルオロアセテート(2.2g、9.16mmol、1.1当量)を加え、80℃にて2時間反応させた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。水(10mL)を加え、ジクロロメタン(10mL×3)を抽出のために使用した。有機相を水(10mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮し、生成物を黄色の固体(2.7gの粗製物)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ(ppm):12.11(s,1H),8.45(s,1H),7.61(s,1H),3.61-3.59(m,4H),3.18(s,3H),1.91-1.88(m,2H),1.81-1.76(m,2H),1.21(s,3H).
分子式:C
16H
17N
4O
2Cl、分子量:332.79LC-MS(Pos,m/z)=333.7 [M+H]
+
【0190】
ステップ2:4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-6-ビニル-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化76】
中間体6-クロロ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(2.7gの粗生成物、8.11mmol、1.0当量)を、1,4-ジオキサン(20mL)及びH
2O(5mL)に溶解した。ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(1.63g、12.17mmol、1.5当量)、炭酸セシウム(3.965g、12.17mmol、1.5当量)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(297mg、0.41mmol、0.05当量)を加え、窒素保護下で100℃にて8時間反応させた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。水(20mL)を加えた。ジクロロメタン(30mL×3)を抽出のために使用した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=70:1)上で精製し、生成物を黄色の固体(1.15g、収率:43%)として得た。
【0191】
ステップ3:6-エチル-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化77】
中間体4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-6-ビニル-1,2-ジヒドロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(150mg、0.46mmol、1.0当量)を、メタノール(5mL)に溶解した。Pd/C(100mg)を加えた。混合物を水素との3回の置換えに供し、水素雰囲気下にて1時間反応させた。LC-MS検出は、反応が完了したことを示した。このように得られた溶液を吸引によって濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、生成物(120mg、収率:80%)を得た。
1HNMR(400MHz,DMSO-d
6)δ(ppm):11.89(s,1H),8.59(s,1H),7.41(s,1H),3.60-3.62(m,4H),3.19(s,3H),2.79-2.84(m,2H),1.89-1.93(m,2H),1.75-1.82(m,2H),1.22-1.27(m,6H).
分子式:C
18H
22N
4O
2、分子量:326.40LC-MS(Pos,m/z)=327.26 [M+H]
+.
【0192】
実施例18
6-アセチル-2-ヒドロキシル-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(化合物114の互変異性体)の合成
ステップ1:6-(1-ブロモエチル)-2,4-ジクロロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化78】
四塩化炭素(600.00mL)、2,4-ジクロロ-6-エチル-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(30.00g、119.00mmol、1当量)、NBS(42.36g、238.00mmol、2当量)及びAIBN(15.00g)を、1Lの一口フラスコ中に加えた。混合物を90℃にて2時間反応させた。LC-MSは、反応が完了したことを示した。反応溶液を10~15℃に冷却し、吸引によって濾過した。濾液を濃縮乾固し、PE及びEAで再結晶化し、生成物6-(1-ブロモエチル)-2,4-ジクロロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(35g)を得た。
【0193】
ステップ2:6-(1-ブロモエチル)-2-クロロ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化79】
1Lの一口フラスコ中へと、エタノール(400.00mL)、6-(1-ブロモエチル)-2,4-ジクロロ-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(20.00g、60.40mmol、1当量)、4-メトキシ-4-メチルピペリジン塩酸塩(11.00g、66.44mmol、1.1当量)及びトリエチルアミン(13.45g、132.88mmol、2.2当量)を加えた。混合物を90℃にて2時間反応させた。LC-MSは、反応が完了したことを示した。反応溶液を室温に冷却し、減圧下で濃縮乾固した。400mLの水を加え、1時間撹拌し、吸引によって濾過した。濾過ケークをエタノールで再結晶化し、生成物6-(1-ブロモエチル)-2-クロロ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(20g)を得た。
【0194】
ステップ3:2-ヒドロキシル-6-(1-ヒドロキシエチル)-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化80】
250mLの一口フラスコ中へと、酢酸(60.00mL)、水(30.00mL)及び6-(1-ブロモエチル)-2-クロロ-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(15.00g)を加え、100℃にて6時間反応させた。LC-MSは、反応が完了したことを示した。反応物を室温に冷却した。反応溶液を減圧下で濃縮乾固した。100mLの水を加えた。pHを7~8に調節した。酢酸エチルを抽出のために使用した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、吸引によって濾過した。濾液を減圧下で濃縮乾固し、粗生成物を得た。粗生成物を加熱しながら第一にEAと共にスラリー化し、次いで、エタノールで再結晶化し、生成物2-ヒドロキシル-6-(1-ヒドロキシエチル)-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(6g)を得た。
【0195】
ステップ4:6-アセチル-2-ヒドロキシル-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化81】
250mLの一口フラスコ中へと、DCM(90.00mL)、2-ヒドロキシル-6-(1-ヒドロキシエチル)-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(4.50g、13.15mmol、1当量)、及びdess-martinペルヨージナン(6.14g、1.1当量、14.47mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。LC-MSは、反応が完了したことを示した。60mLの水及び30mLの飽和チオ硫酸ナトリウム溶液を加え、1時間撹拌した。液体を分離した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引によって濾過した。濾液を減圧下で濃縮乾固し、粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィーによって精製し、生成物6-アセチル-2-ヒドロキシル-4-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(0.7g)を得た。
1HNMR(400MHz,DMSO)δ(ppm):12.33(s,1H),8.70(s,1H),8.19(s,1H),3.62-3.64(d,4H),3.20(s,3H),2.63(s,3H),1.92-1.96(m,2H),1.76-1.78(m,2H),1.24(s,3H).
分子式:C
18H
20N
4O
3、分子量:340.38、LC-MS(Pos,m/z)=341.21 [M+H
+].
【0196】
実施例19
6-エチル-2-ヒドロキシル-4-(4-(メトキシ-d
3)-4-メチルピペリジン-1-イル)-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(化合物115の互変異性体)の合成
ステップ1:tert-ブチル4-ヒドロキシル-4-メチルピペリジン-1-カルボキシレートの合成
【化82】
原料であるtert-ブチル4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(5.0g、25mmol、1.0当量)を、テトラヒドロフラン(25mL)に溶解した。メチルマグネシウムクロリド試薬(9mL、27mmol、1.1当量)を、窒素保護下で0℃にて加えた。反応の2時間後、TLC検出は、反応が完了したことを示した。希塩酸を加え、pHを4に調節した。次いで、水(30mL)を加えた。酢酸エチル(30mL×3)を抽出のために使用した。有機相を乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EA=5:1)上で精製し、生成物(5.2g、収率:96%)を得た。
【0197】
ステップ2:tert-ブチル4-(メトキシ-d
3)-4-メチルピペリジン-1-カルボキシレートの合成
【化83】
100mLの一口フラスコ中へと、窒素を置き換えた。Tert-ブチル4-ヒドロキシル-4-メチルピペリジン-1-カルボキシレート(2.70g、12.55mmol、1当量)、及びTHF(27.00mL)を加えた。水素化ナトリウム(60%、0.76g、1.5当量)をバッチ式で加え、室温にて0.5時間反応させた。CD
3I(4.00g、27.62mmol、2.2当量)を滴下で加え、添加の後で30℃にて一晩反応させた。TLCは、反応が完了したことを示した。反応溶液を減圧下で濃縮乾固した。100mLのEAを加えた。液体を分離した。有機相を水で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、吸引によって濾過した。濾液を減圧下で濃縮乾固し、生成物tert-ブチル4-(メトキシ-d
3)-4-メチルピペリジン-1-カルボキシレート(4.3g)を得た。
【0198】
ステップ3:4-(メトキシ-d
3)-4-メチルピペリジン塩酸塩の合成
【化84】
500mLの一口フラスコ中へと、窒素を置き換えた。Tert-ブチル4-(メトキシ-d
3)-4-メチルピペリジン-1-カルボキシレート(4.30g)を加え、塩化水素エタノール(8.60mL)及びエタノール(8.60mL)を加えた。反応物を30℃にて2時間反応させた。TLCは、反応が完了したことを示した。反応溶液を減圧下で濃縮乾固した。30mLのEAを加え、0.5時間撹拌し、吸引によって濾過し、生成物4-(メトキシ-d
3)-4-メチルピペリジン塩酸塩(1.20g)を得た。
【0199】
ステップ4:6-エチル-2-ヒドロキシル-4-(4-(メトキシ-d
3)-4-メチルピペリジン-1-イル)-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリルの合成
【化85】
100mLの一口フラスコ中へと、4-クロロ-6-エチル-2-ヒドロキシル-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(1.50g、6.47mmol、1当量)、4-(メトキシ-d
3)-4-メチルピペリジン塩酸塩(1.20g、7.12mmol、1.1当量)、エタノール(15.00mL)及びTEA(1.44g、14.23mmol、2.2当量)を加え、90℃にて1時間反応させた。LC-MSは、反応が完了したことを示した。反応物を冷却した。反応溶液を減圧下で濃縮乾固した。50mLの水を加え、0.5時間撹拌し、吸引によって濾過し、粗生成物を得た。粗生成物をエタノールで再結晶化し、生成物6-エチル-2-ヒドロキシル-4-(4-(メトキシ-d
3)-4-メチルピペリジン-1-イル)-1,7-ジアザナフタレン-3-カルボニトリル(2.03)を得た。
1HNMR(400MHz,DMSO)δ(ppm):11.91(s,1H),8.58(s,1H),7.40(s,1H),3.60-3.61(d,4H),2.78-2.84(q,2H),1.89-1.92(m,2H),1.77-1.82(m,2H),1.26(s,6H).
分子式:C
18H
19D
3N
4O
2、分子量:329.42、LC-MS(Pos,m/z)=330.21 [M+H
+].
【0200】
下記の実験例によって、本発明は、よりよく理解することができる。しかし、実験例において記載されている内容は、本発明を例示するために使用されるのみであり、特許請求の範囲において詳細に記載する本発明を限定すべきではなく、限定しないことを当業者は容易に理解することができる。
【0201】
実験例1:酵素的方法によるPDE9の評価
試験物質:本発明の化合物を、本発明の対応する実施形態から製造する。
【0202】
1.実験材料及び機器
PDE9A2酵素(BPS、カタログ番号60090)
384ウェルプレート(Perkin Elmer、カタログ番号6007279)
【0203】
2.試験ステップ
化合物の調製:DMSOを使用して、長期の貯蔵のために化合物を、化合物の10mMのストック溶液へと配合した。DMSOを100倍で希釈し、100μMの化合物の作業溶液を得て、次いで、化合物の作業溶液をDMSOで3回希釈し、全部で8~10の濃度勾配の化合物の希釈溶液(100×)を得た。
【0204】
処理を伴うインキュベーション:化合物の希釈溶液を、非常に少量の液体をピペットで移すためのシステムであるEchoを使用して、384ウェルプレートへとピペットで移した;200nLの化合物の希釈溶液及び10μLのPDE9A2酵素溶液を各化合物ウェルに加え、1000rpmにて1分間遠心分離した後、室温にて15分間インキュベートした。次いで、10μLの基質混合物を加え、1000rpmにて1分間遠心分離した後、室温にて30分間振盪しながらインキュベートした。最終的に、停止液を加えて、反応系を終了させ、これらを室温にて60分間振盪しながらインキュベートした。最大読み取りホール(Max)において、化合物を溶媒と置き換えた;最小読み取りホール(Min)において、化合物及び酵素溶液を溶媒と置き換えた。
検出:マイクロプレートリーダーを使用して、480nm/535nmにて蛍光読み取り値(F)を検出した。
計算:阻害率を下記の式によって計算し、GraphPad Prism5.0を使用して、IC
50をフィットさせた。
【数1】
【0205】
3.試験結果は、下記の表2において示す通りである。
【0206】
【0207】
表2から、本発明の化合物は、非常に良好なPDE9酵素阻害活性を有し、潜在的な臨床適用値を有することを見ることができる。
【0208】
実験例2.過渡的にトランスフェクトされたHEK293T細胞におけるcGMP含量に対する本発明の化合物の効果の試験
試験物質:本発明における化合物102の構造について、本明細書における表1における化合物番号102の構造を参照されたい。
【0209】
略語:
FBS ウシ胎仔血清
ANF 心房性ナトリウム利尿因子
B0 最大結合
cGMP 3,5-環状グアノシン一リン酸
ELISA 酵素連結免疫吸着アッセイ
NPR1 ナトリウム利尿ペプチド受容体1
NSB 非特異的結合
PDE9 ホスホジエステラーゼ9
WB ウエスタンブロッティング
TA 総活性
GAPDH グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ
【0210】
材料及び機器
【0211】
【0212】
細胞系
細胞名:ヒト胎児腎細胞HEK293T
【0213】
実験方法:
1.細胞プレーティング及びトランスフェクション
1.1 細胞プレーティング
HEK293T細胞を、6ウェルプレートに2×106個の細胞/ウェルで蒔き、6時間培養し、細胞の付着を可能とした。
【0214】
1.2 トランスフェクション
各ウェルの培地を、1.5mLのDMEM完全培地に変更した;
トランスフェクトされたウェル:0.333μgのNPR1及び0.333μgのPDE9プラスミドを、それぞれ100μLのFBS非含有DMEM飢餓培地に加え、ピペットで均一にブレンドし、次いで、20μLのPolyFectトランスフェクション試薬を加え、ピペットで均一にブレンドし、10分間静置した後、600μLのDMEM完全培地を加え、ピペットで均一にブレンドした。700μLの混合物をウェル中にゆっくりと滴下で加え、18時間インキュベートした。それぞれのトランスフェクトされたウェルについての方法は、上記と同じである。
トランスフェクトされていないウェル:等しい容量のDMEM完全培地(700μLのDMEM完全培地)を、トランスフェクトされていないウェルに加えた。
【0215】
2.投与刺激
DMSO中の化合物の50mM溶液を取り出し、完全培地で3mM、1mM、333μM、111μM、37μM、及び12μM(100×作業溶液)の一連の勾配濃度の化合物の溶液へと希釈した。トランスフェクトされた培養プレート中の培地を、1mLのDMEM完全培地で置き換え、次いで、異なる濃度を有する10μLの上記の100×作業溶液を、各ウェルに加え、30μM、10μM、3.33μM、1.11μM、0.37μM及び0.12μM(最終濃度)の一連の勾配濃度の化合物の溶液を得た。インキュベーター中で30分間インキュベートした後、3μLの326μMのANFを、1μMの最終濃度まで各ウェルに加え、次いで、医薬と共に30分間共インキュベートした。
【0216】
3.cGMP含量検出(操作のためにcGMP ELISAキット説明書を参照されたい)
1.1 細胞収集
培地を、各ウェルから吸引した。細胞をPBSで1回洗浄し、250μLの0.5Mの過塩素酸を加えた。
【0217】
細胞スクレーパーで細胞を収集し、1.5mLの遠心分離管中へ移した。ボルテックスによって均質に混合した後、細胞を4℃にて6000gで20分間遠心分離した。200μLの上清を取り出し、4MのKOHでpHを中性に調節した。
【0218】
トランスフェクトされていないウェル中の細胞及びトランスフェクトされたウェルの細胞を、さらに取り出した。プロテアーゼ阻害剤及びホスファターゼ阻害剤を含有するRIPA溶解緩衝液を加えた。トランスフェクションの検証のためのWB試験のために細胞を収集した。
【0219】
1.2 cGMP含量決定
30~0.23pmol/mLの濃度範囲でcGMP標準を配合した後(2倍勾配希釈)、試料を下記の表によって加え、4℃にて18時間インキュベートした。
【0220】
【0221】
プレートを徹底的に5回洗浄し、次いで、200μLのエルマン試薬を各ウェルに加えた。プレートを密封し、暗中振盪し、60分間発色させ、次いで、412nmでの吸光度値について検出した。
【0222】
1.3 cGMP含量決定
第一に、非特異的結合(各ウェルの読み取り値マイナスNSBウェルの読み取り値)を減算し、次いで、B/B0、すなわち、試料又は標準物質の結合と最大結合の比を計算し、下記の式によって変換し、次いで、得られたロジット(B/B0)及びlg(化合物濃度)を線状回帰分析に供し、標準曲線を得た。
ロジット(B/B0)=ln[B/B0/(1-B/B0)]
【0223】
試料のB/B0値をロジット(B/B0)値に変換し、試料中のcGMP含量を、標準曲線によって計算した。
【0224】
2.ウエスタンブロッティング(WB)を使用したトランスフェクションの検証
ウエスタンブロッティング方法は、プラスミドFlagタグタンパク質の発現を検出するために使用したが、発現は、成功したトランスフェクションを意味する。試験結果を
図1に示す。
【0225】
図1において、左上の図解は、ウエスタンブロッティングによるトランスフェクションの検証を意味する。記号Nは、トランスフェクトされていないHEK293T細胞を表し;Tは、hNPR及びhPDE9Aを同時トランスフェクトされたHEK293T細胞を表す。
【0226】
図1に示すように、ヒトNPR1及びPDE9を同時トランスフェクトされたHEK293T構築細胞において、ANFは、細胞内のcGMPの発現を相当に誘発することができる。本発明の化合物は、細胞レベルでPDE9を阻害することによってANFによって誘発されるcGMPレベルを相当に増加させることができ、心不全の治療において相対的に良好な適用の可能性を有する。
【0227】
実験例3.RNCMにおけるcGMP含量に対する本発明の化合物の効果の試験
試験物質:本発明における化合物102の構造について、本明細書における表1における化合物番号102の構造を参照されたい。
【0228】
略語
ANF 心房性ナトリウム利尿因子
cGMP 3,5-環状グアノシン一リン酸
ELISA 酵素連結免疫吸着アッセイ
RNCM 新生仔ラットの初代心筋細胞
【0229】
試薬及び消耗品:
1.実験機器及び試薬
【0230】
【0231】
2.SD新生仔ラットの初代心筋細胞の調製
2.1 試薬の調製
2.1.1 1%ゼラチン溶液
新生仔ラットの初代心筋細胞を培養するとき、1%ゼラチンを使用して、培養皿をコーティングする。1gのゼラチンを秤量し、100mLの脱イオン水に溶解し、使用前に0.2%の濃度まで希釈した;
2.1.2 有糸分裂阻害剤
10mMのノコダゾールDMSO溶液を取り出し、1mMまでDMSOで希釈し、20000×溶液を得て、使用するとき、これを培養培地で1×の最終濃度まで希釈した;
2.1.3 L-グルタミン
2.92gのL-グルタミンを取り出し、100mLの脱イオン水に溶解し、200mMの溶液を得た;
2.1.4 新生仔ラットの初代心筋細胞培養液
150mLの低糖DMEM培地、50mLのM199培地、10mLのGibcoウシ胎仔血清、20mLのウマ血清、2mLのL-グルタミン、2.34mLの2重抗生物質を取り出し、配合の後に濾過した;
2.1.5 10×ADS緩衝液
6.8gのNaCl、120mgのNa2HPO4・2H2O、400mgのKCl、197mgのMgSO4・7H2O、1gのグルコース、及び4.8gのHepesを秤量し、90mLの脱イオン水で溶解した。pHを7.4に調節し、次いで、後の使用のために混合物を100mLまで希釈し、使用するとき1×まで希釈した。
2.2 新生仔ラットの初代心筋細胞の培養及び抽出
2.2.1 SDラットの生まれたばかりの新生仔ラット(2~5日)の心臓を取り出し、事前冷却した1×ADS緩衝液中に置いた;
2.2.2 心房を第一に切除し、次いで、心臓の外側の血管組織をはがし、最終的に、心室を穏やかに切断し、次いで、数回剪断した;
2.2.3 1.5mlのEPチューブを取り出し、900μLの1×ADS緩衝液と共に加え、次いで、3~5匹の新生仔ラット心室をEPチューブに加え、次いで、10μLの100×IIコラゲナーゼを加えた;
2.2.4 サーモスタット発振器において37℃及び1100rpmにて15分間温浸を行い、温浸溶液を取り出し、次いで、1mLの心筋細胞培養液を加えた;
2.2.5 中和の後、1500gで5分間遠心分離を行い、上清を廃棄し、2mLの心筋細胞培養液を加えた;
2.2.6 振盪、温浸及び遠心分離を2回繰り返し、6mLの初代心筋細胞懸濁液(全部で3回温浸)を得た;
2.2.7 6mLの初代心筋細胞懸濁液を、50mLの遠心分離管に移し、次いで、細胞培養液を加え、均質に混合し、ここで平均して10匹の新生仔ラットの心臓毎に10mLの細胞培養液が存在した;
2.2.8 10mLの初代心筋細胞懸濁液を培養皿に加え、通常の培養のために細胞インキュベーター中に入れた;
2.2.9 45分間後、細胞培養液を注意深く取り出し、通常の培養のために新たな培養皿に加えた;
2.2.10 45分後、細胞培養液を注意深く取り出し、1500gで5分間遠心分離し、初代心筋細胞を得た;
2.2.11 培養プレートを0.2%ゼラチンでコーティングし、インキュベーター中に少なくとも30分間置いた;
2.2.12 再懸濁の後、トリパンブルー染色法を計数のために使用し、1×106個の細胞を6ウェルプレートの各ウェルに加え、有糸分裂阻害剤であるノコダゾールを1:20000の比で加えた;
2.2.13 細胞を0.2%ゼラチンコーティングした培養プレート上に30分間蒔き、3時間培養し、次いで、通常の心筋細胞培養液で置き換えた;
2.2.14 細胞を翌日に観察したが、初代心筋細胞は周期的拍動を示したことを見出すことができ、これをそれに続く検出のために貯蔵した。
【0232】
実験方法:
1.化合物を含有する培養プレートの調製
DMSO中の化合物の50mM溶液を取り出し、第一にDMSOで30mM、10mM、3.3mM、1.1mM及び0.37mMの一連の勾配濃度の化合物の溶液へと希釈し、次いで、培地で3mM、1mM、333μM、111μM及び37μM(100×作業溶液)の一連の勾配濃度の化合物の溶液へと希釈した。
【0233】
2.実験ステップ
上記の方法によると、SD新生仔ラットの初代心筋細胞(RNCM)を抽出し、6ウェルプレートに蒔いた。RNCMを壁上に付着させ、伸展させ、拍動させた後、RNCMを、24時間を飢餓状態にした。投与の前に培地を新鮮な完全培地(1mL/ウェル)で置き換えた。異なる濃度の化合物の10μLの100×作業溶液を各ウェルに加え、30μM、10μM、3.33μM、1.11μM、及び0.37μM(最終濃度)の一連の勾配濃度の化合物の溶液を得た。投与及び30分間のインキュベーションの後、ANFを1μMの最終濃度まで加えた。30分間のさらなる共インキュベーションの後、各ウェル中の細胞を収集した。
【0234】
3.cGMP含量検出(操作のためにcGMP ELISAキット説明書を参照されたい)
3.1 細胞収集
培地を、各ウェルから吸引した。細胞をPBSで1回洗浄し、250μLの0.5Mの過塩素酸を加えた。
【0235】
細胞スクレーパーで細胞を収集し、1.5mLの遠心分離管に移した。ボルテックスによって均質に混合した後、細胞を4℃にて6000gで20分間遠心分離した。200μLの上清を取り出し、pHを4MのKOHで中性に調節した。
【0236】
トランスフェクトされていないウェル中の細胞及びトランスフェクトされたウェル中の細胞を、さらに取り出した。プロテアーゼ阻害剤及びホスファターゼ阻害剤を含有するRIPA溶解緩衝液を加えた。トランスフェクションの検証のためのWB試験のために細胞を収集した。
【0237】
3.2 cGMP含量決定
cGMP標準を30~0.23pmol/mLの濃度範囲で配合した後(2倍勾配希釈)、試料を下記の表によって加え、4℃にて18時間インキュベートした。
【0238】
【0239】
プレートを徹底的に5回洗浄し、次いで、200μLのエルマン試薬を各ウェルに加えた。プレートを密封し、暗中振盪し、60分間発色させ、次いで、412nmでの吸光度値について検出した。
【0240】
3.3 cGMP含量決定
第一に、非特異的結合(各ウェルの読み取り値マイナスNSBウェルの読み取り値)を減算し、次いで、B/B0、すなわち、試料又は標準物質の結合と最大結合の比を計算し、下記の式によって変換し、次いで、得られたロジット(B/B0)及びlg(化合物濃度)を線状回帰分析に供し、標準曲線を得た。
ロジット(B/B0)=ln[B/B0/(1-B/B0)]
【0241】
試料のB/B0値をロジット(B/B0)値に変換し、標準曲線によって試料中のcGMP含量を計算した。
【0242】
【0243】
図2に示すように、ANFは、新生仔ラットの初代心筋細胞中のcGMPの発現を相当に誘発することができ、本発明の化合物は、ラットの初代心筋細胞中のPDE9を阻害することによってcGMPのレベルを増加させることができる。これは、本発明の化合物が、心筋のcGMPを増加させる能力を有し、且つ心不全の治療において相対的に良好な臨床適用の可能性を有することを示す。
【0244】
実験例4:冠動脈結紮によって誘発されるラットの心不全モデル
本明細書において使用される略語において、「bid」は、1日2回の投与を指し;「LVEF」は、左室駆出率を指し;「EDV」は、左心室拡張末期容積を指し;「ESV」は、左心室収縮末期容積を指し;「DMSO」は、ジメチルスルホキシドを指し;「MC」は、メチルセルロースを指し;「p.o」は、経口投与を指し;「mpk」は、mg/kgを指し;「SD」は、Sprague-Dawleyラットを指す。「S.E.M」は、標準誤差を指す。「PEG400」は、ポリエチレングリコール400を指し;「captisol」は、スルホブチル-ベータシクロデキストリンを指す。「FS」は、左心室短縮率を指し;「HR」は、心拍数を指す。
【0245】
機器
小動物人工呼吸器
Powerlab8/35信号収集処理システム;
Millarカテーテル
Vevo小動物超音波イメージングシステム
化学天秤;
【0246】
試験医薬
化合物102、投与量30mg/kg、投与のためのビヒクル5%DMSO+10%PEG400+85%(水中の20%Captisol+0.5%MC)
【0247】
実験動物
Sprague-Dawleyラット(SDラット)、雄性、モデリングの間に約220gの体重。
【0248】
実験方法
手術の前に、動物をペントバルビタールナトリウム注入の腹腔内注射によって麻酔し、アトロピンを腹腔内注射し、痰を除去した。ラットを麻酔し、仰臥位で固定した後、人工呼吸器を補助された呼吸のために使用し、胸部の第3及び第4肋骨の間を切開し、冠動脈左前下行枝を5-0縫合針で結紮した。結紮が完了した後、胸腔を閉じ、皮膚を縫合し、ラットを回復のために断熱毛布中に入れた。絹糸結紮術手術を除いて同じ手術をシャム群で行った。手術の後で、ラットに疼痛緩和のためのメロキシカムの筋肉内注射、感染を排除するためのゲンタマイシン硫酸塩注入の腹腔内注射、及び心室細動を予防するためのリドカインの腹腔内注射を行った。動物が手術から回復した1週間後、モデルラットをモデル群及び治療薬群(化合物102群)に分類し、経管栄養法によってビヒクル及び化合物102をそれぞれ連続4週間の間1日2回投与した。実験の間に、動物の生きている状態を観察し、異常な状態を記録し、化合物の安全性を評価し;投与を28日間行った。最後の投与後の2日目に動物をペントバルビタールナトリウムの腹腔内注射によって麻酔し、心エコーの検出及び血行動態検出を行い、心臓の収縮機能及び心室容積に対する化合物の効果を評価した。実験の終わりの後に、エンドポイント治療を行い、心臓をcGMP及びタンパク質発現についてのそれに続く関連する調査のための材料収集のために取り出した。
【0249】
動物が手術から回復した1週間後、ラットをイソフルランで麻酔し、小動物超音波イメージングシステムであるVevoを使用して、モデルラットの左心室機能を検査した。LVEF%が30%低減する場合、モデルは成功であると考えた。シャム群を除いて、LVEF%及び体重によって動物を2群にランダムに分類した。各群における動物の数及び投与方法は、下記の通りであった:
【0250】
【0251】
実験の終わりに、ラットを屠殺し、梗塞心臓組織を4%ホルムアルデヒドで固定し、脱水し、パラフィン中に包埋し、切開した。コラーゲン沈着状況を、シリウスレッド染色を使用することによって顕微鏡下で観察し、Leica aperioデジタルスライススキャニングシステムをスキャニング分析のために使用した。
【0252】
検出指標
主要な評価指標は、LVEF%(左室駆出率)、FS(左心室短縮率)、ESV(左心室収縮末期容積)、EDV(左心室拡張末期容積)、及び心拍数(HR)である。実験の終わりに、梗塞周囲ゾーンにおけるシリウスレッドの割合を定量化して、コラーゲン沈着状況を評価した。
【0253】
データ統計
データを平均±S.E.Mによって表し、GraphPad Prism5.0を統計的マッピングのために使用した。統計解析はT検定で行った。P<0.05は、差異が統計的に有意であることを示す。
【0254】
調査結果:
30mpkでのbidによる28日の連続的投与の後、ラットは良好な状況である。シャム群と比較して、体重に関して異常はないが、これは、化合物が相対的に安全であることを示す。
【0255】
図3~4から、モデル群ラットのLVEF及びFSは、それぞれ、36.0±1.86%及び18.3±1.03%であったが、これは、72.2±1.40%及び43.0±1.29%であるシャム群のそれらより相当に低く、これは統計的に有意である(P<0.001)ことを見ることができる。
図5~6から、シャム群におけるラットと比較して、モデル群ラットの心臓のEDV及びESVはかなり増加し、これは統計的に有意である(P<0.001)ことを見ることができる。したがって、モデル群における左心室収縮機能は、有意に低減し、心筋リモデリングは有意に変化したが、モデルが首尾よく確立されることを示す。化合物102は、心不全を有するラットにおいてLVEF及びFSの低減を改善させることができ、これは、モデル群と比較して有意な統計的差異(P<0.001)を有する。同時に、化合物102は、心不全によってもたらされる心臓のEDV及びESVの増加に対して有意な改善効果を有する(P<0.05、P<0.01)。したがって、化合物は、心不全を有するラットにおいて収縮機能及び心筋リモデリングを有意に改善させることができる。
【0256】
図7から、シャム群におけるラットと比較して、心拍数の変化はモデル群及び化合物投与群において観察されないことを見ることができる。
【0257】
【0258】
図8及び表3に示すように、シャム群におけるコラーゲン沈着の百分率は、0.121±0.017%であり、一方、モデル群ラットの左心室の梗塞周囲ゾーンにおけるコラーゲン沈着の百分率は、28.9±1.35%であり、これは、シャム群におけるものより有意に高い。統計的差異は、極度に有意(P<0.001)である。モデル群において、心筋梗塞は、梗塞周囲ゾーンにおいてコラーゲン沈着をもたらし、それによって、心臓線維症がもたらされることを見ることができる。モデル群と比較して、化合物102は、梗塞周囲ゾーンにおけるコラーゲン沈着を有意に低減させることができ(P<0.001)、それによって、心不全モデルによってもたらされる心臓線維症を効果的に改善する。
【0259】
結論:要約すれば、化合物102は、心不全を有するラットの心臓機能を改善させ、心不全によってもたらされる心筋リモデリングを逆転させ、梗塞周囲ゾーンにおける線維症を低減させることができ、それによって、心不全の治療において優れた臨床適用の可能性を有する。