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特許7404643車両通信管理装置、車両通信管理システム、車両通信管理方法および車両通信管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】車両通信管理装置、車両通信管理システム、車両通信管理方法および車両通信管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20231219BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20231219BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G08G1/00 A
G08G1/09 F
G08G1/16 D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019074138
(22)【出願日】2019-04-09
(65)【公開番号】P2020173538
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2022-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】黒田 伸介
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-198162(JP,A)
【文献】国際公開第2017/026400(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報を取得する制御情報取得部と、
対象車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記制御情報取得部によって取得された前記制御情報、および前記位置情報取得部によって取得された前記位置情報に基づいて、前記対象車両と前記対象車両の外部における1または複数の外部装置との通信を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記対象車両から前記外部装置への方向の上り通信を制限する場合、前記対象車両による前記外部装置へのデータの送信を制御し、
前記制御部は、前記外部装置から前記対象車両への方向の下り通信を制限する場合、前記外部装置による前記対象車両へのデータの送信を制御し、
前記制御部は、前記対象車両について、前記上り通信の優先度の設定、および前記下り通信の優先度の設定を別個に行うことが可能である、車両通信管理装置。
【請求項2】
前記外部装置は、車両の走行状況を解析する解析装置であり、
前記制御部は、前記対象車両と前記解析装置との通信を制御する、請求項1に記載の車両通信管理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記交通機器に対する前記対象車両の位置に応じて前記対象車両に対して、前記上り通信の優先度の設定、および前記下り通信の優先度の設定を別個に行い、
前記制御部は、前記対象車両と前記外部装置との前記上り通信および前記下り通信を、設定した前記上り通信の優先度および前記下り通信の優先度に従ってそれぞれ制御する、請求項1または請求項2に記載の車両通信管理装置。
【請求項4】
交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報を取得する制御情報取得部と、
対象車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記制御情報取得部によって取得された前記制御情報、および前記位置情報取得部によって取得された前記位置情報に基づいて、前記対象車両と前記対象車両の外部における1または複数の外部装置との通信を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記対象車両から前記外部装置への方向の通信を制限する場合、前記対象車両による前記外部装置へのデータの送信を制御し、
前記制御部は、前記外部装置から前記対象車両への方向の通信を制限する場合、前記外部装置による前記対象車両へのデータの送信を制御し、
前記制御部は、前記交通機器に対する前記対象車両の位置に応じて前記対象車両に通信の優先度を設定し、前記対象車両と前記外部装置との通信を、設定した前記優先度に従って制御し、
前記制御部は、前記対象車両が、前記交通機器の手前において走行中であるか、前記交通機器の手前において停止中であるか、または前記交通機器を通過したかに応じて、異なる前記優先度を設定する、車両通信管理装置。
【請求項5】
車両通信管理装置と、
対象車両に搭載される車載装置とを備え、
前記車両通信管理装置は、交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報を取得し、
前記車載装置は、自己が搭載される前記対象車両の位置情報を前記車両通信管理装置へ送信し、
前記車両通信管理装置は、取得した前記制御情報、および前記対象車両から受信した前記位置情報に基づいて、前記車載装置と前記対象車両の外部における1または複数の外部装置との通信を制御し、
前記車両通信管理装置は、前記対象車両から前記外部装置への方向の上り通信を制限する場合、前記対象車両による前記外部装置へのデータの送信を制御し、
前記車両通信管理装置は、前記外部装置から前記対象車両への方向の下り通信を制限する場合、前記外部装置による前記対象車両へのデータの送信を制御し、
前記車両通信管理装置は、前記対象車両について、前記上り通信の優先度の設定、および前記下り通信の優先度の設定を別個に行うことが可能である、車両通信管理システム。
【請求項6】
車両通信管理装置における車両通信管理方法であって、
交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報を取得するステップと、
対象車両の位置情報を取得するステップと、
取得した前記制御情報および前記位置情報に基づいて、前記対象車両と前記対象車両の外部における1または複数の外部装置との通信を制御するステップとを含み、
前記通信を制御するステップにおいては、前記対象車両から前記外部装置への方向の上り通信を制限する場合、前記対象車両による前記外部装置へのデータの送信を制御し、前記外部装置から前記対象車両への方向の下り通信を制限する場合、前記外部装置による前記対象車両へのデータの送信を制御し、
前記通信を制御するステップにおいては、前記対象車両について、前記上り通信の優先度の設定、および前記下り通信の優先度の設定を別個に行う、車両通信管理方法。
【請求項7】
車両通信管理装置と、対象車両に搭載される車載装置とを備える車両通信管理システムにおける車両通信管理方法であって、
前記車両通信管理装置が、交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報を取得するステップと、
前記車載装置が、自己が搭載される前記対象車両の位置情報を前記車両通信管理装置へ送信するステップと、
前記車両通信管理装置が、取得した前記制御情報、および前記対象車両から受信した前記位置情報に基づいて、前記車載装置と前記対象車両の外部における1または複数の外部装置との通信を制御するステップとを含み、
前記通信を制御するステップにおいては、前記車両通信管理装置は、前記対象車両から前記外部装置への方向の上り通信を制限する場合、前記対象車両による前記外部装置へのデータの送信を制御し、前記外部装置から前記対象車両への方向の下り通信を制限する場合、前記外部装置による前記対象車両へのデータの送信を制御し、
前記通信を制御するステップにおいては、前記車両通信管理装置は、前記対象車両について、前記上り通信の優先度の設定、および前記下り通信の優先度の設定を別個に行う、車両通信管理方法。
【請求項8】
車両通信管理装置において用いられる車両通信管理プログラムであって、
コンピュータを、
交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報を取得する制御情報取得部と、
対象車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記制御情報取得部によって取得された前記制御情報、および前記位置情報取得部によって取得された前記位置情報に基づいて、前記対象車両と前記対象車両の外部における1または複数の外部装置との通信を制御する制御部、
として機能させるためのプログラムであり、
前記制御部は、前記対象車両から前記外部装置への方向の上り通信を制限する場合、前記対象車両による前記外部装置へのデータの送信を制御し、
前記制御部は、前記外部装置から前記対象車両への方向の下り通信を制限する場合、前記外部装置による前記対象車両へのデータの送信を制御し、
前記制御部は、前記対象車両について、前記上り通信の優先度の設定、および前記下り通信の優先度の設定を別個に行うことが可能である、車両通信管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両通信管理装置、車両通信管理システム、車両通信管理方法および車両通信管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の車両から走行データを収集し、収集した走行データを分析して運転支援に利用するシステムが知られている。
【0003】
たとえば、特許文献1(特開2018-112838号公報)には、以下のような走行データ収集システムが開示されている。すなわち、走行データ収集システムは、車両に搭載され、前記車両の走行によって得られるデータである走行データを取得するデータ取得部(27)と、前記データ取得部で取得した前記走行データを送信する走行データ送信部(241)とを備える車載端末(2)と、複数の前記車両の前記車載端末から送信される前記走行データを収集する収集部(312)を備える走行データ収集センタ(3)とを含み、前記走行データ収集センタは、複数の前記車両の道路区間別の走行頻度に応じて、前記車両から前記走行データを収集する道路区間を、前記車両別に決定する収集対象決定部(36)と、前記収集対象決定部で前記車両別に決定した前記道路区間においてそれぞれの車両の前記車載端末で前記走行データを取得させるための取得用情報を、それぞれの車両の前記車載端末へ送信する取得用情報送信部(311)とを備える。
【0004】
また、特許文献2(特開2006-344037号公報)には、以下のようなプローブ情報収集システムが開示されている。すなわち、プローブ情報収集システムは、車両に搭載されている車載機器や車載センサから自車位置を取得して自車位置を表す位置情報などを含むプローブ情報をプローブ情報収集センターへ送信するFCD車載機と、前記FCD車載機から送信されたプローブ情報を受信するプローブ情報収集センターとを備えてなるプローブ情報収集システムであって、前記プローブ情報収集センターは、特異エリアを前記FCD車載機へ通知し、前記FCD車載機は、車載機器や車載センサから取得された自車位置が前記プローブ情報収集センターから通知された特異エリア内であるか特異エリア外であるかを判定し、自車位置が特異エリア外である旨を検出した場合には自車位置を表す位置情報などを含むプローブ情報を前記プローブ情報収集センターへ送信し、自車位置が特異エリア内である旨を検出した場合には自車位置を表す位置情報などを含むプローブ情報を前記プローブ情報収集センターへ送信しないことを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-112838号公報
【文献】特開2006-344037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような特許文献1および2に記載の技術を超えて、車両の通信をより適切に制御することが可能な技術が望まれる。
【0007】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、車両の通信をより適切に制御することが可能な車両通信管理装置、車両通信管理システム、車両通信管理方法および車両通信管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の車両通信管理装置は、交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報を取得する制御情報取得部と、対象車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記制御情報取得部によって取得された前記制御情報、および前記位置情報取得部によって取得された前記位置情報に基づいて、前記対象車両と前記対象車両の外部における1または複数の外部装置との通信を制御する制御部とを備える。
【0009】
本開示の車両通信管理システムは、車両通信管理装置と、対象車両に搭載される車載装置とを備え、前記車両通信管理装置は、交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報を取得し、前記車載装置は、自己が搭載される前記対象車両の位置情報を前記車両通信管理装置へ送信し、前記車両通信管理装置は、取得した前記制御情報、および前記対象車両から受信した前記位置情報に基づいて、前記車載装置と前記対象車両の外部における1または複数の外部装置との通信を制御する。
【0010】
本開示の車両通信管理方法は、車両通信管理装置における車両通信管理方法であって、交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報を取得するステップと、対象車両の位置情報を取得するステップと、取得した前記制御情報および前記位置情報に基づいて、前記対象車両と前記対象車両の外部における1または複数の外部装置との通信を制御するステップとを含む。
【0011】
本開示の車両通信管理方法は、車両通信管理装置と、対象車両に搭載される車載装置とを備える車両通信管理システムにおける車両通信管理方法であって、前記車両通信管理装置が、交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報を取得するステップと、前記車載装置が、自己が搭載される前記対象車両の位置情報を前記車両通信管理装置へ送信するステップと、前記車両通信管理装置が、取得した前記制御情報、および前記対象車両から受信した前記位置情報に基づいて、前記車載装置と前記対象車両の外部における1または複数の外部装置との通信を制御するステップとを含む。
【0012】
本開示の車両通信管理プログラムは、車両通信管理装置において用いられる車両通信管理プログラムであって、コンピュータを、交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報を取得する制御情報取得部と、対象車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記制御情報取得部によって取得された前記制御情報、および前記位置情報取得部によって取得された前記位置情報に基づいて、前記対象車両と前記対象車両の外部における1または複数の外部装置との通信を制御する制御部、として機能させるためのプログラムである。
【0013】
本開示の一態様は、車両通信管理装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得る。また、本開示の一態様は、車両通信管理システムの一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得る。また、本開示の一態様は、車両通信管理システムにおける処理のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現され得る。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、車両の通信をより適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本開示の実施の形態に係る車両通信管理システムの構成を示す図である。
図2図2は、本開示の実施の形態に係る対象車両における車載システムの構成を示す図である。
図3図3は、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置の構成を示す図である。
図4図4は、本開示の実施の形態に係る集約解析部における走行状況の解析の一例を示す図である。
図5図5は、本開示の実施の形態に係る車両通信管理システムにおいて、対象車両に搭載されたカメラによる計測結果の一例を示す図である。
図6図6は、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置において、集約解析部により生成される解析情報に含まれる撮像画像の一例を示す図である。
図7図7は、本開示の実施の形態に係る集約解析部における走行状況の解析の他の例を示す図である。
図8図8は、本開示の実施の形態に係る車両通信管理システムにおいて、対象車両に搭載されたカメラによる計測結果の一例を示す図である。
図9図9は、本開示の実施の形態に係る通信制御部が行う通信制御の一例を示す図である。
図10図10は、本開示の実施の形態に係る通信制御部における優先度の設定の一例を示す図である。
図11図11は、本開示の実施の形態に係る車両通信管理システムにおいて車両通信管理装置が車載システムおよび集約解析部における上り通信を制御する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図12図12は、本開示の実施の形態に係る車両通信管理システムにおいて車両通信管理装置が車載システムおよび集約解析部における下り通信を制御する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図13図13は、本開示の実施の形態に係る車両通信管理システムにおける通信制御処理のシーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
【0017】
(1)本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置は、交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報を取得する制御情報取得部と、対象車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記制御情報取得部によって取得された前記制御情報、および前記位置情報取得部によって取得された前記位置情報に基づいて、前記対象車両と前記対象車両の外部における1または複数の外部装置との通信を制御する制御部とを備える。
【0018】
このような構成により、交通機器による制御内容に応じた対象車両の走行環境の変化を把握して対象車両および外部装置間の通信の必要性をより適確に判断することができるため、各車両が用いる通信リソースをより有効に活用することができる。したがって、車両の通信をより適切に制御することができる。
【0019】
(2)好ましくは、前記外部装置は、車両の走行状況を解析する解析装置であり、
前記制御部は、前記対象車両と前記解析装置との通信を制御する。
【0020】
このような構成により、対象車両から解析装置への、解析装置における解析に必要な情報の送信と、解析装置から対象車両への解析結果の送信とを制御することができるため、各車両の走行状況の解析をより安定して行うことができる。
【0021】
(3)好ましくは、前記制御部は、前記対象車両による前記外部装置へのデータの送信、および前記外部装置による前記対象車両へのデータの送信を別個に制御する。
【0022】
このような構成により、対象車両から外部装置への方向の通信、および外部装置から対象車両への方向の通信の各々の必要性に応じたより適切な通信制御を行うことができる。
【0023】
(4)好ましくは、前記制御部は、前記交通機器に対する前記対象車両の位置に応じて前記対象車両に通信の優先度を設定し、前記対象車両と前記外部装置との通信を、設定した前記優先度に従って制御する。
【0024】
このような構成により、交通機器に対する対象車両の位置に応じて対象車両および外部装置間の通信の必要性をより適確に判断することができる。
【0025】
(5)好ましくは、前記制御部は、前記対象車両が、前記交通機器の手前において走行中であるか、前記交通機器の手前において停止中であるか、または前記交通機器を通過したかに応じて、異なる前記優先度を設定する。
【0026】
このような構成により、交通機器に対する対象車両の位置に応じたより適切な優先度の設定が可能となる。
【0027】
(6)本開示の実施の形態に係る車両通信管理システムは、車両通信管理装置と、対象車両に搭載される車載装置とを備え、前記車両通信管理装置は、交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報を取得し、前記車載装置は、自己が搭載される前記対象車両の位置情報を前記車両通信管理装置へ送信し、前記車両通信管理装置は、取得した前記制御情報、および前記対象車両から受信した前記位置情報に基づいて、前記車載装置と前記対象車両の外部における1または複数の外部装置との通信を制御する。
【0028】
このような構成により、交通機器による制御内容に応じた対象車両の走行環境の変化を把握して対象車両および外部装置間の通信の必要性をより適確に判断することができるため、各車両が用いる通信リソースをより有効に活用することができる。したがって、車両の通信をより適切に制御することができる。
【0029】
(7)本開示の実施の形態に係る車両通信管理方法は、車両通信管理装置における車両通信管理方法であって、交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報を取得するステップと、対象車両の位置情報を取得するステップと、取得した前記制御情報および前記位置情報に基づいて、前記対象車両と前記対象車両の外部における1または複数の外部装置との通信を制御するステップとを含む。
【0030】
このような方法により、交通機器による制御内容に応じた対象車両の走行環境の変化を把握して対象車両および外部装置間の通信の必要性をより適確に判断することができるため、各車両が用いる通信リソースをより有効に活用することができる。したがって、車両の通信をより適切に制御することができる。
【0031】
(8)本開示の実施の形態に係る車両通信管理方法は、車両通信管理装置と、対象車両に搭載される車載装置とを備える車両通信管理システムにおける車両通信管理方法であって、前記車両通信管理装置が、交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報を取得するステップと、前記車載装置が、自己が搭載される前記対象車両の位置情報を前記車両通信管理装置へ送信するステップと、前記車両通信管理装置が、取得した前記制御情報、および前記対象車両から受信した前記位置情報に基づいて、前記車載装置と前記対象車両の外部における1または複数の外部装置との通信を制御するステップとを含む。
【0032】
このような方法により、交通機器による制御内容に応じた対象車両の走行環境の変化を把握して対象車両および外部装置間の通信の必要性をより適確に判断することができるため、各車両が用いる通信リソースをより有効に活用することができる。したがって、車両の通信をより適切に制御することができる。
【0033】
(9)本開示の実施の形態に係る車両通信管理プログラムは、車両通信管理装置において用いられる車両通信管理プログラムであって、コンピュータを、交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報を取得する制御情報取得部と、対象車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記制御情報取得部によって取得された前記制御情報、および前記位置情報取得部によって取得された前記位置情報に基づいて、前記対象車両と前記対象車両の外部における1または複数の外部装置との通信を制御する制御部、として機能させるためのプログラムである。
【0034】
このような構成により、交通機器による制御内容に応じた対象車両の走行環境の変化を把握して対象車両および外部装置間の通信の必要性をより適確に判断することができるため、各車両が用いる通信リソースをより有効に活用することができる。したがって、車両の通信をより適切に制御することができる。
【0035】
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0036】
[車両通信管理システム]
図1は、本開示の実施の形態に係る車両通信管理システムの構成を示す図である。
【0037】
図1を参照して、車両通信管理システム300は、車両通信管理装置10と、車載システム50A,50B,50Cとを備える。車載システム50A,50B,50Cは、対象車両40A,40B,40Cにそれぞれ搭載される。以下、対象車両40A,40B,40Cの各々を対象車両40とも称し、車載システム50A,50B,50Cの各々を車載システム50とも称する。
【0038】
車両通信管理装置10は、たとえばサーバである。車両通信管理装置10は、対象車両40の外部における外部装置の一例であり、かつ、解析装置の一例である。
【0039】
対象車両40は、車両通信管理装置10と通信可能である。より詳細には、対象車両40における車載システム50は、無線基地局装置20を介して車両通信管理装置10と無線通信を行う。以下、車載システム50から対象車両40外への方向の通信を上り通信と称し、対象車両40外から車載システム50への方向の通信を下り通信と称する。
【0040】
車載システム50は、自己が搭載される対象車両40の位置情報を車両通信管理装置10へ送信する。
【0041】
より詳細には、車載システム50は、たとえば所定周期で、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波に基づいて自己の対象車両40の現在位置を取得し、取得した現在位置を示す位置情報を生成する。車載システム50は、生成した位置情報を、無線基地局装置20経由で車両通信管理装置10へ送信する。
【0042】
車両通信管理装置10は、交通機器たとえば信号灯器60による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報を取得する。
【0043】
たとえば、信号制御装置61は、信号灯器60の点灯状態たとえば点灯色を制御するための点灯制御情報を信号灯器60へ送信する。
【0044】
信号灯器60は、点灯制御情報を受信し、受信した点灯制御情報に従って点灯することにより、車両の交通の流れを制御する。
【0045】
車両通信管理装置10は、制御情報として、たとえば上記点灯制御情報を取得する。
【0046】
より詳細には、信号制御装置61は、たとえば所定周期で、点灯制御情報および自己のIDを含むITS(Intelligent Transport System)無線信号を、無線基地局装置20経由で車両通信管理装置10へ送信する。
【0047】
車両通信管理装置10は、無線基地局装置20を介して受信した上記ITS無線信号から点灯制御情報を取得する。
【0048】
車両通信管理装置10は、取得した点灯制御情報、および対象車両40から受信した位置情報に基づいて、車載システム50と対象車両40の外部における1または複数の外部装置との通信を制御する。
【0049】
たとえば、車両通信管理装置10は、点灯制御情報および位置情報に基づいて、車載システム50と外部装置である自己との通信を制御する。
【0050】
より詳細には、車載システム50は、自己の対象車両40に搭載されたカメラおよびLiDAR(Light Detection and Ranging)などのセンサによる計測結果を含む計測情報を、無線基地局装置20経由で車両通信管理装置10へ送信する。
【0051】
車両通信管理装置10は、車載システム50から計測情報を受信し、受信した計測情報を解析した結果を示す解析情報を、無線基地局装置20経由で車載システム50へ送信する。
【0052】
車載システム50は、解析情報を受信すると、受信した解析情報を用いて、自己が搭載された対象車両40の運転支援または走行支援に用いる支援情報を生成する。
【0053】
たとえば、車両通信管理装置10は、点灯制御情報および位置情報に基づいて、車載システム50および自己間における上り通信および下り通信を制御する。
【0054】
より詳細には、車両通信管理装置10は、点灯制御情報および位置情報に基づいて、車載システム50による自己へのセンサデータの送信、および自己による車載システム50への解析情報の送信の少なくともいずれか一方を制御する。
【0055】
[車載システム]
図2は、本開示の実施の形態に係る対象車両における車載システムの構成を示す図である。
【0056】
図2を参照して、車載システム50は、通信部51と、送信制御部52と、現在位置取得部53と、計測情報生成部54と、自車解析部55と、運転支援部56とを備える。車載システム50における当該各ユニットは、たとえば、ECU(Electronic Control Unit)などの1または複数の車載装置によって実現される。
【0057】
通信部51は、たとえば、TCU(Telematics Communication Unit)であり、LTE(Long Term Evolution)、3Gまたは5Gなどの通信規格に従って無線基地局装置20と電波を用いた無線通信を行うことが可能である。
【0058】
通信部51は、無線基地局装置20から受信した無線信号に含まれる対象車両40外からの情報を車載システム50における各ユニットへ出力する。また、通信部51は、車載システム50における各ユニットから受けた対象車両40外への情報を含む無線信号を無線基地局装置20へ送信する。
【0059】
現在位置取得部53は、たとえば所定周期で、GPS衛星からの電波に基づいて自己の対象車両40の現在位置を取得し、取得した現在位置を示す位置情報を生成する。現在位置取得部53は、生成した位置情報を、計測情報生成部54へ出力するとともに、通信部51および無線基地局装置20経由で車両通信管理装置10へ送信する。
【0060】
計測情報生成部54は、たとえば所定周期で、自己の対象車両40に搭載されたLiDARおよびカメラなどのセンサによる計測結果を示すセンサデータを取得する。
【0061】
LiDARは、たとえば、レーザ光を照射するためのレーザ機器、および物体によるレーザ光の散乱光を受光するための受光素子などの機器を含む。LiDARは、たとえば対象車両40のフロントグリルに設けられ、所定周期で、レーザ光を用いて対象車両40の前方を計測し、計測結果を示すセンサデータを計測情報生成部54へ送信する。
【0062】
カメラは、たとえば対象車両40のフロントグリルに設けられ、所定周期で、対象車両40の前方を計測し、計測結果である撮像画像を示すセンサデータを計測情報生成部54へ送信する。以下、LiDARおよびカメラなどのセンサの各々を「車載センサ」とも称する。
【0063】
計測情報生成部54は、車載センサから受信したセンサデータおよび現在位置取得部53から受けた位置情報を含む計測情報を生成し、生成した計測情報を自車解析部55へ出力する。また、計測情報生成部54は、センサデータと、位置情報と、車載センサの計測領域を示す領域情報と、自己の対象車両40のID(Identifier)とを含む計測情報を作成し、作成した計測情報を送信制御部52へ出力する。
【0064】
送信制御部52は、計測情報生成部54から受けた計測情報を、通信部51および無線基地局装置20経由で車両通信管理装置10へ送信する。
【0065】
自車解析部55は、計測情報生成部54から計測情報を受けると、受けた計測情報に基づいて、自己の対象車両40の走行状況を解析する。
【0066】
より詳細には、自車解析部55は、計測情報に含まれるセンサデータに基づいて、自己の対象車両40に搭載された車載センサの計測領域における歩行者または他の車両の有無、および当該歩行者または当該他の車両の位置情報たとえば緯度および経度を含む検知情報を生成する。自車解析部55は、生成した検知情報を運転支援部56へ出力する。以下、車載センサにより検知される歩行者および他の車両などの物体を「検知対象物」とも称する。
【0067】
なお、自車解析部55は、計測情報に含まれるセンサデータの一部または全部を含む検知情報を生成してもよい。たとえば、対象車両40に搭載されたカメラが、撮像画像を計測情報生成部54へ送信する。計測情報生成部54は、受信した撮像画像を含む計測情報を生成して自車解析部55へ出力する。自車解析部55は、計測情報生成部54から受けた計測情報に含まれる撮像画像の一部または全部を含む検知情報を運転支援部56へ出力する。
【0068】
また、自車解析部55は、無線基地局装置20および通信部51経由で車両通信管理装置10から解析情報を受信する。
【0069】
より詳細には、車両通信管理装置10は、1または複数の対象車両40から受信した計測情報を用いて、対象車両40における運転支援または走行支援のために各対象車両40に送信すべき解析情報を対象車両40ごとに生成し、生成した解析情報を無線基地局装置20経由で対応の対象車両40へ送信する。
【0070】
自車解析部55は、車両通信管理装置10から受信した解析情報に基づいて、たとえば自己の対象車両40に搭載された車載センサの計測領域外の領域を対象とする検知情報を生成する。自車解析部55は、生成した検知情報を運転支援部56へ出力する。
【0071】
運転支援部56は、自車解析部55から受けた検知情報に基づいて、運転支援または走行支援を行う。より詳細には、運転支援部56は、検知対象物の位置を示す情報を車内の表示部に表示させたり、検知対象物との衝突を避けるために自己の対象車両40の走行速度を自動的に低下させたりする。
【0072】
送信制御部52は、無線基地局装置20および通信部51経由で車両通信管理装置10から送信可否情報を受信し、受信した送信可否情報に従って、車載システム50から車両通信管理装置10への計測情報の送信を制御する。
【0073】
より詳細には、送信制御部52は、車両通信管理装置10から計測情報の送信を許可しない旨を示す送信可否情報を受信した場合、送信可否情報で指定された時間または所定時間、車載システム50から車両通信管理装置10への計測情報の送信を行わない。具体的には、送信制御部52は、送信可否情報で指定された時間または所定時間、計測情報生成部54から受けた計測情報の通信部51への出力を停止する。
【0074】
[車両通信管理装置]
図3は、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置の構成を示す図である。
【0075】
図3を参照して、車両通信管理装置10は、通信部11と、位置情報取得部12と、制御情報取得部13と、帯域情報取得部14と、通信制御部15と、集約解析部16と、記憶部17とを備える。
【0076】
記憶部17は、たとえば不揮発性メモリである。記憶部17は、たとえば地図情報を記憶している。
【0077】
再び図1を参照して、車両通信管理装置10は、有線伝送路または無線伝送路を介して無線基地局装置20と接続されている。通信部11は、無線基地局装置20と有線通信または無線通信を行う。
【0078】
位置情報取得部12は、対象車両40の位置情報を取得する。
【0079】
より詳細には、通信部11は、対象車両40から位置情報を受信すると、受信した位置情報を位置情報取得部12へ出力する。
【0080】
位置情報取得部12は、通信部11から受けた位置情報を通信制御部15および集約解析部16へ出力する。
【0081】
制御情報取得部13は、交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報たとえば点灯制御情報を取得する。
【0082】
より詳細には、通信部11は、1または複数の信号制御装置61から点灯制御情報を受信すると、受信した点灯制御情報を制御情報取得部13へ出力する。
【0083】
制御情報取得部13は、通信部11から受けた点灯制御情報を通信制御部15へ出力する。
【0084】
帯域情報取得部14は、たとえば、無線基地局装置20における通信帯域の利用状況を示す帯域情報を取得する。
【0085】
より詳細には、無線基地局装置20は、たとえば所定周期で、自己の通信エリアにおける周波数帯域の使用率および自己のIDを含む帯域情報を生成し、生成した帯域情報を無線基地局装置20経由で車両通信管理装置10へ送信する。
【0086】
たとえば、無線基地局装置20は、対象車両40から無線基地局装置20への無線信号の送信に用いられる周波数帯域の使用率と、無線基地局装置20から対象車両40への無線信号の送信に用いられる周波数帯域の使用率とを含む帯域情報を、車両通信管理装置10へ送信する。
【0087】
以下、対象車両40から無線基地局装置20への無線信号の送信に用いられる周波数帯域の使用率を、「上り帯域使用率」とも称し、無線基地局装置20から対象車両40への無線信号の送信に用いられる周波数帯域の使用率を、「下り帯域使用率」とも称する。
【0088】
通信部11は、無線基地局装置20から帯域情報を受信すると、受信した帯域情報を帯域情報取得部14へ出力する。
【0089】
帯域情報取得部14は、通信部11から受けた帯域情報を通信制御部15へ出力する。
【0090】
集約解析部16は、たとえば、車両の走行状況を解析する。
【0091】
より詳細には、通信部11は、対象車両40から計測情報を受信すると、受信した計測情報を集約解析部16へ出力する。
【0092】
集約解析部16は、通信部11から受けた計測情報に基づいて、当該計測情報に含まれる領域情報が示す計測領域を対象とする検知情報を生成する。
【0093】
たとえば、集約解析部16は、複数の対象車両40から送信された各計測情報に含まれるセンサデータに基づいて、各対象車両40に搭載された車載センサの計測領域を統合した領域である広域計測領域における、歩行者または他の車両の有無、および当該歩行者または当該他の車両の位置情報たとえば緯度および経度を含む検知情報を生成する。
【0094】
集約解析部16は、生成した検知情報を用いて、対象車両40における運転支援または走行支援のために対象車両40に送信すべき解析情報を対象車両40ごとに生成する。
【0095】
より詳細には、集約解析部16は、記憶部17から地図情報を取得し、取得した地図情報および位置情報取得部12から受けた対象車両40の位置情報に基づいて、生成した検知情報の少なくとも一部を含む解析情報を対象車両40へ送信する。
【0096】
たとえば、集約解析部16は、地図情報および対象車両40の位置情報に基づいて、当該対象車両40の現在位置の周囲の領域を対象とする検知情報を含む解析情報を生成する。
【0097】
たとえば、集約解析部16は、対象車両40の現在位置の周囲の領域として、対象車両40の後方の領域、対象車両40の運転手の死角となる領域および対象車両40に搭載された車載センサの計測領域外の領域を対象とする検知情報を含む解析情報を生成する。
【0098】
集約解析部16は、対象車両40ごとに解析情報を生成し、生成した解析情報を、無線基地局装置20および通信部51経由で対応の対象車両40へ送信する。
【0099】
図4は、本開示の実施の形態に係る集約解析部における走行状況の解析の一例を示す図である。
【0100】
図4を参照して、たとえば、対象車両40Aが交差点を左折しようとしている状況において、左折後の進路上であって対象車両40Aの運転手の死角となる領域に歩行者M1が歩いており、歩行者M1の現在位置が、交差点の手前で停止中の対象車両40Bのカメラの計測領域E1に含まれている場合を想定する。
【0101】
図5は、本開示の実施の形態に係る車両通信管理システムにおいて、対象車両に搭載されたカメラによる計測結果の一例を示す図である。
【0102】
図5を参照して、図4に示される状況において、対象車両40Bのカメラの撮像画像に歩行者M1が写っている。
【0103】
対象車両40Bにおける計測情報生成部54は、上記撮像画像を示すセンサデータを含む計測情報を生成し、生成した計測情報を無線基地局装置20経由で車両通信管理装置10へ送信する。
【0104】
車両通信管理装置10における集約解析部16は、対象車両40Bから無線基地局装置20および通信部11経由で上記計測情報を受信すると、当該計測情報に基づいて検知情報を生成する。
【0105】
集約解析部16は、生成した検知情報を用いて、たとえば歩行者M1の現在位置の緯度および経度を含む解析情報を生成し、生成した解析情報を通信部11および無線基地局装置20経由で対象車両40Aへ送信する。
【0106】
なお、集約解析部16は、対象車両40Bのカメラの撮像画像の一部または全部を含む解析情報を対象車両40Aへ送信してもよい。
【0107】
図6は、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置において、集約解析部により生成される解析情報に含まれる撮像画像の一例を示す図である。
【0108】
図6を参照して、集約解析部16は、対象車両40Bから受信した計測情報に含まれる撮像画像の一部を含む解析情報を通信部11および無線基地局装置20経由で対象車両40Aへ送信する。
【0109】
図7は、本開示の実施の形態に係る集約解析部における走行状況の解析の他の例を示す図である。
【0110】
図7を参照して、たとえば、対象車両40Cが交差点を右折しようとしている状況において、右折後の進路上であって対象車両40Cの運転手の死角となる領域に歩行者M2が歩いており、歩行者M2の現在位置が、交差点を走行中の対象車両40Dのカメラの計測領域E2および交差点の手前で停止中の対象車両40Eのカメラの計測領域E3に含まれている場合を想定する。
【0111】
図8は、本開示の実施の形態に係る車両通信管理システムにおいて、対象車両に搭載されたカメラによる計測結果の一例を示す図である。
【0112】
図8を参照して、図7に示される状況において、対象車両40Dのカメラの撮像画像、および対象車両40Eのカメラの撮像画像には歩行者M2が写っている。
【0113】
対象車両40Dにおける計測情報生成部54および対象車両40Eにおける計測情報生成部54は、それぞれ、上記撮像画像を含む計測情報を生成し、生成した計測情報を無線基地局装置20経由で車両通信管理装置10へ送信する。
【0114】
車両通信管理装置10における集約解析部16は、対象車両40D,40Eから無線基地局装置20および通信部11経由で上記各計測情報を受信すると、当該各計測情報に基づいて検知情報を生成する。
【0115】
集約解析部16は、生成した検知情報を用いて、たとえば歩行者M2の現在位置の緯度および経度を含む解析情報を生成し、生成した解析情報を通信部11および無線基地局装置20経由で対象車両40Cへ送信する。
【0116】
通信制御部15は、制御情報取得部13によって取得された点灯制御情報、および位置情報取得部12によって取得された位置情報に基づいて、対象車両と対象車両の外部における1または複数の外部装置との通信を制御する。
【0117】
より詳細には、通信制御部15は、点灯制御情報および位置情報に基づいて、対象車両40と車両通信管理装置10との通信を制限する。
【0118】
たとえば、通信制御部15は、対象車両40による車両通信管理装置10へのデータたとえば計測情報の送信、および車両通信管理装置10による対象車両40へのデータたとえば解析情報の送信を別個に制御する。
【0119】
より詳細には、通信制御部15は、上り通信を制限する場合、たとえば、上り通信を停止すべき時間を示す送信可否情報を対象車両40へ送信する。
【0120】
当該送信可否情報を受信した対象車両40における送信制御部52は、送信可否情報が示す時間、車両通信管理装置10への計測情報の送信を行わない。
【0121】
また、通信制御部15は、下り通信を制限する場合、対象車両40の解析情報の生成を停止すべき旨および当該対象車両のIDを示す解析停止情報を生成し、生成した解析停止情報を集約解析部16へ出力する。
【0122】
集約解析部16は、通信制御部15から受けた解析停止情報から対象車両40のIDを取得し、取得したIDの対象車両40に送信すべき解析情報の生成を停止する。
【0123】
たとえば、通信制御部15は、交通機器たとえば信号灯器60に対する対象車両40の位置に応じて対象車両40に通信の優先度を設定し、対象車両40と自己の車両通信管理装置10との通信を、設定した優先度に従って制御する。
【0124】
たとえば、通信制御部15は、対象車両40と信号灯器60との距離に応じて上記優先度を設定する。具体的には、通信制御部15は、信号灯器60との距離が近い対象車両40には高い優先度を設定し、信号灯器60との距離が遠い対象車両40には低い優先度を設定する。
【0125】
あるいは、たとえば、通信制御部15は、対象車両40が、信号灯器60の手前において走行中であるか、信号灯器60の手前において停止中であるか、または信号灯器60を通過したかに応じて、異なる優先度を設定する。
【0126】
図9は、本開示の実施の形態に係る通信制御部が行う通信制御の一例を示す図である。
【0127】
図9を参照して、たとえば、交差点に進入しようとする対象車両40Aが青信号の信号灯器60の手前の領域EA1において走行中であり、対象車両40B,40Cが赤信号の信号灯器60の手前の領域EB1において停止中であり、対象車両40Dが信号灯器60および交差点を通過して領域EC1を走行中であり、対象車両40Eが信号灯器60を通過して交差点内である領域EE1において右折しようとしている場合を想定する。
【0128】
図10は、本開示の実施の形態に係る通信制御部における優先度の設定の一例を示す図である。図10において、優先順位P1は上り通信の優先順位を示し、優先順位P2は下り通信の優先順位を示す。
【0129】
図10を参照して、通信制御部15は、対象車両40における通信の優先度として、上り通信の優先順位および下り通信の優先順位を別個に設定可能である。また、通信制御部15は、信号灯器60に対する対象車両40の位置に応じて優先順位を設定する。
【0130】
より詳細には、通信制御部15は、上り通信について、交差点内の領域EE1における対象車両40、赤色を点灯している信号灯器60の手前の領域EB1,EB2における対象車両40、青色を点灯している信号灯器60の手前の領域EA1,EA2における対象車両40、および青色を点灯している信号灯器60の後方の領域EC1,EC2,EC3,EC4における対象車両40の順に、高い優先順位P1を設定する。
【0131】
また、通信制御部15は、下り通信について、交差点内の領域EE1における対象車両40、青色を点灯している信号灯器60の手前の領域EA1,EA2における対象車両40、赤色を点灯している信号灯器60の手前の領域EB1,EB2における対象車両40、および青色を点灯している信号灯器60の後方の領域EC1,EC2,EC3,EC4における対象車両40の順に、高い優先順位P2を設定する。
【0132】
そして、通信制御部15は、無線基地局装置20における周波数帯域の使用率に応じて、対象車両40と車両通信管理装置10との通信を制限する。
【0133】
たとえば、通信制御部15は、周波数帯域の使用率と、周波数帯域の使用率に関する1または複数のしきい値とを比較し、比較結果に応じて、対象車両40および集約解析部16間における優先度の低い通信を制限する。
【0134】
より詳細には、記憶部17は、周波数帯域の使用率に関するしきい値として、上り帯域使用率に関するしきい値Th1と、下り帯域使用率に関するしきい値Th2とを記憶している。
【0135】
通信制御部15は、通信部11および帯域情報取得部14経由で無線基地局装置20から帯域情報を受信すると、受信した帯域情報に含まれる上り帯域使用率と、記憶部17におけるしきい値とを比較する。
【0136】
たとえば、通信制御部15は、上り帯域使用率がしきい値Th1以下である場合、上り通信を制限することなく、すべての対象車両40による車両通信管理装置10への計測情報の送信を許可する。一方、通信制御部15は、上り帯域使用率がしきい値Th1より大きい場合、一部または全部の対象車両40による車両通信管理装置10への計測情報の送信を制限する。
【0137】
たとえば、図9および図10に示す例において、通信制御部15は、優先順位の低い対象車両40である、領域EC1における対象車両40Dおよび領域EA1における対象車両40Aによる車両通信管理装置10への計測情報の送信を制限する。そして、通信制御部15は、たとえば、上り通信を停止すべき時間を示す送信可否情報を対象車両40A,40Dへ送信する。
【0138】
また、通信制御部15は、下り帯域使用率がしきい値Th2以下である場合、下り通信を制限することなく、車両通信管理装置10によるすべての対象車両40への解析情報の送信を許可する。
【0139】
一方、通信制御部15は、下り帯域使用率がしきい値Th2より大きい場合、車両通信管理装置10による一部または全部の対象車両40への解析情報の送信を制限する。
【0140】
たとえば、図9および図10に示す例において、通信制御部15は、集約解析部16による、優先順位の低い対象車両40である、領域EC1における対象車両40Dおよび領域EB1における対象車両40B,40C宛の解析情報の生成を制限する。そして、通信制御部15は、対象車両40B,40C,40DのIDを含む解析停止情報を集約解析部16へ出力する。
【0141】
[動作の流れ]
車両通信管理システム300における各装置は、メモリを含むコンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートおよびシーケンスの各ステップの一部または全部を含むプログラムを当該メモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0142】
図11は、本開示の実施の形態に係る車両通信管理システムにおいて車両通信管理装置が車載システムおよび集約解析部における上り通信を制御する際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0143】
図11を参照して、まず、車両通信管理装置10は、車載システム50が搭載された1または複数の対象車両40の位置情報を取得する(ステップS102)。
【0144】
次に、車両通信管理装置10は、信号灯器60の点灯状態を制御するための点灯制御情報を取得する(ステップS104)。
【0145】
次に、車両通信管理装置10は、取得した位置情報および点灯制御情報に基づいて、対象車両40に、対象車両40および車両通信管理装置10における上り通信の優先順位を設定する(ステップS106)。
【0146】
次に、車両通信管理装置10は、無線基地局装置20における通信帯域の利用状況を示す帯域情報を取得する(ステップS108)。
【0147】
次に、車両通信管理装置10は、取得した帯域情報に含まれる、上り帯域使用率と、しきい値Th1とを比較する(ステップS110)。
【0148】
次に、車両通信管理装置10は、上り帯域使用率がしきい値Th1以下である場合(ステップS112でYES)、対象車両40による上り通信を制限することなく、所定時間経過後に、対象車両40の位置情報の取得(ステップS102)、点灯制御情報の取得(ステップS104)、および上り通信の優先順位の設定(ステップS106)を行う。
【0149】
一方、車両通信管理装置10は、上り帯域使用率がしきい値Th1より大きい場合(ステップS112でNO)、上り通信を停止すべき時間を示す送信可否情報を優先順位の低い対象車両40へ送信する(ステップS114)。
【0150】
車両通信管理装置10は、送信可否情報を優先順位の低い対象車両40へ送信した後、所定時間経過後に、対象車両40の位置情報の取得(ステップS102)、点灯制御情報の取得(ステップS104)、および上り通信の優先順位の設定(ステップS106)を行う。
【0151】
なお、上記ステップS102,S104,S106とS108との順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
【0152】
図12は、本開示の実施の形態に係る車両通信管理システムにおいて車両通信管理装置が車載システムおよび集約解析部における下り通信を制御する際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0153】
図12を参照して、まず、車両通信管理装置10は、車載システム50が搭載された1または複数の対象車両40の位置情報を取得する(ステップS202)。
【0154】
次に、車両通信管理装置10は、信号灯器60の点灯状態を制御するための点灯制御情報を取得する(ステップS204)。
【0155】
次に、車両通信管理装置10は、取得して位置情報および点灯制御情報に基づいて、対象車両40に、対象車両40および車両通信管理装置10における下り通信の優先順位を設定する(ステップS206)。
【0156】
次に、車両通信管理装置10は、無線基地局装置20における通信帯域の利用状況を示す帯域情報を取得する(ステップS208)。
【0157】
次に、車両通信管理装置10は、取得した帯域情報に含まれる、下り帯域使用率と、しきい値Th2とを比較する(ステップS210)。
【0158】
次に、車両通信管理装置10における集約解析部16は、下り帯域使用率がしきい値Th2以下である場合(ステップS212でYES)、すべての対象車両40について、対象車両40ごとの解析情報を生成し、生成した各解析情報を対応の対象車両40へ送信する(ステップS214)。
【0159】
一方、車両通信管理装置10は、下り帯域使用率がしきい値Th2より大きい場合(ステップS210でNO)、優先順位の高い対象車両40について、対象車両40ごとの解析情報を生成し、生成した各解析情報を対応の対象車両40へ送信する一方で、優先順位の低い対象車両40については解析情報を生成しない(ステップS216)。
【0160】
車両通信管理装置10は、解析情報を対象車両40へ送信した後、所定時間経過後に、対象車両40の位置情報の取得(ステップS202)、点灯制御情報の取得(ステップS204)、および下り通信の優先順位の設定(ステップS206)を行う。
【0161】
なお、上記ステップS202,S204,S206とS208との順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
【0162】
図13は、本開示の実施の形態に係る車両通信管理システムにおける通信制御処理のシーケンスの一例を示す図である。
【0163】
図13を参照して、まず、対象車両40A,40B,40Cにそれぞれ搭載された3つの車載システム50は、対象車両40A,40B,40Cの位置情報をそれぞれ車両通信管理装置10へ送信する(ステップS302)。
【0164】
次に、車両通信管理装置10は、信号灯器60の点灯状態を制御するための点灯制御情報を信号制御装置61から取得する(ステップS304)。
【0165】
次に、車両通信管理装置10は、各対象車両40から受信した位置情報および信号制御装置61から受信した点灯制御情報に基づいて、各対象車両40の、上り通信の優先順位および下り通信の優先順位を設定する。ここでは、車両通信管理装置10は、上り通信について、対象車両40A、対象車両40Bおよび対象車両40Cの順に高い優先順位を設定し、下り通信について、対象車両40C、対象車両40Bおよび対象車両40Aの順に高い優先順位を設定したものとする(ステップS306)。
【0166】
次に、車両通信管理装置10は、無線基地局装置20における通信帯域の利用状況を示す帯域情報を取得する(ステップS308)。
【0167】
次に、車両通信管理装置10は、取得した帯域情報に含まれる周波数帯域の使用率としきい値とを比較する。たとえば、車両通信管理装置10は、上り帯域使用率としきい値Th1とを比較し、下り帯域使用率としきい値Th2とを比較する(ステップS310)。
【0168】
次に、車両通信管理装置10における通信制御部15は、上り帯域使用率としきい値Th1との比較結果に応じて、たとえば、上り通信を停止すべき時間を示す送信可否情報を対象車両40Cへ送信する(ステップS312)。
【0169】
次に、対象車両40A,40Bは、計測情報を生成して車両通信管理装置10へ送信する(ステップS314)。
【0170】
次に、車両通信管理装置10は、対象車両40A,40Bから受信した計測情報を用いて、解析情報を生成する。ここでは、車両通信管理装置10は、下り帯域使用率としきい値Th2との比較結果に応じて、たとえば、対象車両40B,40Cへ送信すべき解析情報をそれぞれ生成する(ステップS316)。
【0171】
次に、車両通信管理装置10における集約解析部16は、生成した2つの解析情報を対象車両40B,40Cへそれぞれ送信する(ステップS318)。
【0172】
なお、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置10の機能の一部または全部が、クラウドコンピューティングによって提供されてもよい。すなわち、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置10が、複数のクラウドサーバ等によって構成されてもよい。
【0173】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置10では、制御情報取得部13は、交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報として、信号灯器60の点灯色を制御するための点灯制御情報を取得する構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御情報取得部13は、たとえば踏切の遮断機の昇降を制御するための昇降制御情報などの、点灯制御情報以外の制御情報を取得する構成であってもよい。
【0174】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置10では、制御情報取得部13は、信号制御装置61から点灯制御情報を取得する構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御情報取得部13は、たとえば交通管制センターから、点灯制御情報などの制御情報を取得する構成であってもよい。
【0175】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置10では、通信制御部15は、制御情報取得部13によって取得された制御情報、位置情報取得部12によって取得された位置情報、および帯域情報取得部14によって取得された帯域情報に基づいて、対象車両40と車両通信管理装置10との通信を制限する構成であるとしたが、これに限定するものではない。通信制御部15は、制御情報および位置情報のみに基づいて上記通信を制御する構成であってもよい。
【0176】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置10では、通信制御部15は、帯域情報取得部14によって取得された帯域情報が示す周波数帯域の使用率に応じて、対象車両40と車両通信管理装置10との通信を制限する構成であるとしたが、これに限定するものではない。通信制御部15は、周波数帯域の使用率に代えて、たとえば車両通信管理装置10における負荷状況に応じて上記通信を制限する構成であってもよい。
【0177】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置10では、通信制御部15は、対象車両40と、解析装置の一例である車両通信管理装置10との通信を制御する構成であるとしたが、これに限定するものではない。通信制御部15は、対象車両40と、車両通信管理装置10以外の解析装置との通信を制御する構成であってもよい。また、通信制御部15は、対象車両40と、解析装置以外の外部装置との通信を制御する構成であってもよい。
【0178】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置10では、通信制御部15は、上り通信を停止すべき時間を示す送信可否情報を対象車両40へ送信することによって対象車両40と車両通信管理装置10との通信を制御する構成であるとしたが、これに限定するものではない。通信制御部15は、上り通信を行うべき時間を示す送信可否情報を対象車両40へ送信する構成であってもよいし、上り通信におけるデータ量の上限の指定を含む送信可否情報を対象車両40へ送信する構成であってもよい。
【0179】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置10では、集約解析部16は、通常状態において解析情報の生成を行い、生成した解析情報を無線基地局装置20および通信部51経由で対応の対象車両40へ送信し、通信制御部15は、対象車両40の解析情報の生成を停止すべき旨を示す解析停止情報を集約解析部16へ出力することによって対象車両40と車両通信管理装置10との通信を制御する構成であるとしたが、これに限定するものではない。集約解析部16は、通常状態において解析情報の生成を行わず、通信制御部15は、対象車両40の解析情報の生成を行うべき旨を示す情報を集約解析部16へ出力することによって対象車両40と車両通信管理装置10との通信を制御する構成であってもよい。また、通信制御部15は、対象車両40宛の解析情報のデータ量の上限の指定を含む情報を集約解析部16へ出力することによって対象車両40と車両通信管理装置10との通信を制御する構成であってもよい。
【0180】
また、通信制御部15は、対象車両40による車両通信管理装置10への計測情報の送信、および車両通信管理装置10による対象車両40への解析情報の送信を別個に制御する構成であるとしたが、これに限定するものではない。通信制御部15は、対象車両40による車両通信管理装置10への計測情報の送信、および車両通信管理装置10による対象車両40への解析情報の送信を共通して制御する構成であってもよい。
【0181】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置10では、通信制御部15は、信号灯器60に対する対象車両40の位置に応じて対象車両40に通信の優先度を設定し、対象車両40と車両通信管理装置10との通信を、設定した優先度に従って制御する構成であるとしたが、これに限定するものではない。
【0182】
たとえば、通信制御部15は、対象車両40の車載センサの仕様に関する情報を取得し、高精度の車載センサが搭載された対象車両40には高い優先順位を設定するなど、車載センサの仕様に応じて対象車両40に通信の優先度を設定する構成であってもよい。また、たとえば、通信制御部15は、対象車両40における通信遅延およびスループットなどの通信環境に関する情報を取得し、たとえばスループットが低い対象車両40または通信遅延が生じている対象車両40には低い優先順位を設定するなど、通信環境に応じて対象車両40に通信の優先度を設定する構成であってもよい。
【0183】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置10では、通信制御部15は、対象車両40が、信号灯器60の手前において走行中であるか、信号灯器60の手前において停止中であるか、または信号灯器60を通過したかに応じて、異なる優先度を設定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。通信制御部15は、信号灯器60の手前において走行中の対象車両40、信号灯器60の手前において停止中の対象車両40、および信号灯器60を通過した対象車両40のうちの少なくともいずれか2つの対象車両40に同じ優先度を設定する構成であってもよい。
【0184】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置10では、通信制御部15は、図9および図10に示すように、赤信号の信号灯器60の手前の領域EB1において停止中の対象車両40B,40Cに同じ優先順位を設定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。通信制御部15は、たとえば、領域EB1において停止中の対象車両40B,40Cのうち、先頭の対象車両40Bに対象車両40Cよりも高い優先順位を設定する構成であってもよい。
【0185】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理システム300では、車両通信管理装置10が、信号制御装置61から点灯制御情報などの制御情報を取得する構成であるとしたが、これに限定するものではない。車両通信管理システム300において、車載システム50が、信号制御装置61からの点灯制御情報などの制御情報を含む無線信号を無線基地局装置20から受信し、当該制御情報を車両通信管理装置10へ送信する構成であってもよい。
【0186】
ところで、車両の通信をより適切に制御することが可能な技術が望まれる。
【0187】
これに対して、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置10では、制御情報取得部13は、信号灯器60による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な点灯制御情報を取得する。位置情報取得部12は、対象車両40の位置情報を取得する。通信制御部15は、制御情報取得部13によって取得された点灯制御情報、および位置情報取得部12によって取得された位置情報に基づいて、対象車両40と対象車両40の外部における1または複数の外部装置との通信を制御する。
【0188】
このような構成により、信号灯器60による制御内容に応じた対象車両40の走行環境の変化を把握して対象車両40および外部装置間の通信の必要性をより適確に判断することができるため、各車両が用いる通信リソースをより有効に活用することができる。
【0189】
したがって、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置10では、車両の通信をより適切に制御することができる。
【0190】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置10では、外部装置は、車両の走行状況を解析する車両通信管理装置10である。通信制御部15は、対象車両40と車両通信管理装置10との通信を制御する。
【0191】
このような構成により、対象車両40から車両通信管理装置10への、車両通信管理装置10における解析に必要な情報の送信と、車両通信管理装置10から対象車両40への解析結果の送信とを制御することができるため、各車両の走行状況の解析をより安定して行うことができる。
【0192】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置10では、通信制御部15は、対象車両40による外部装置へのデータの送信、および外部装置による対象車両40へのデータの送信を別個に制御する。
【0193】
このような構成により、対象車両40から外部装置への方向の通信、および外部装置から対象車両40への方向の通信の各々の必要性に応じたより適切な通信制御を行うことができる。
【0194】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置10では、通信制御部15は、信号灯器60に対する対象車両40の位置に応じて対象車両40に通信の優先度を設定し、対象車両40と外部装置との通信を、設定した優先度に従って制御する。
【0195】
このような構成により、信号灯器60に対する対象車両40の位置に応じて対象車両40および外部装置間の通信の必要性をより適確に判断することができる。
【0196】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理装置10では、通信制御部15は、対象車両40が、信号灯器60の手前において走行中であるか、信号灯器60の手前において停止中であるか、または信号灯器60を通過したかに応じて、異なる優先度を設定する。
【0197】
このような構成により、信号灯器60に対する対象車両40の位置に応じたより適切な優先度の設定が可能となる。
【0198】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理システム300は、車両通信管理装置10と、対象車両40に搭載される通信部51とを備える。車両通信管理装置10は、信号灯器60による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な点灯制御情報を取得する。通信部51は、自己が搭載される対象車両40の位置情報を車両通信管理装置10へ送信する。車両通信管理装置10は、取得した点灯制御情報、および対象車両40から受信した位置情報に基づいて、通信部51と対象車両40の外部における1または複数の外部装置との通信を制御する。
【0199】
このような構成により、信号灯器60による制御内容に応じた対象車両40の走行環境の変化を把握して対象車両40および外部装置間の通信の必要性をより適確に判断することができるため、各車両が用いる通信リソースをより有効に活用することができる。
【0200】
したがって、本開示の実施の形態に係る車両通信管理システム300では、車両の通信をより適切に制御することができる。
【0201】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理方法は、車両通信管理装置10における車両通信管理方法である。この車両通信管理方法では、まず、車両通信管理装置10が、信号灯器60による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な点灯制御情報を取得する。次に、車両通信管理装置10が、対象車両40の位置情報を取得する。次に、車両通信管理装置10が、取得した点灯制御情報および位置情報に基づいて、対象車両40と対象車両40の外部における1または複数の外部装置との通信を制御する。
【0202】
このような方法により、信号灯器60による制御内容に応じた対象車両40の走行環境の変化を把握して対象車両40および外部装置間の通信の必要性をより適確に判断することができるため、各車両が用いる通信リソースをより有効に活用することができる。
【0203】
したがって、本開示の実施の形態に係る車両通信管理方法では、車両の通信をより適切に制御することができる。
【0204】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理方法は、車両通信管理装置10と、対象車両40に搭載される通信部51とを備える車両通信管理システム300における車両通信管理方法である。この車両通信管理方法では、まず、車両通信管理装置10が、信号灯器60による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な点灯制御情報を取得する。次に、通信部51が、自己が搭載される対象車両40の位置情報を車両通信管理装置10へ送信する。次に、車両通信管理装置10が、取得した制御情報、および対象車両40から受信した位置情報に基づいて、通信部51と対象車両40の外部における1または複数の外部装置との通信を制御する。
【0205】
このような方法により、信号灯器60による制御内容に応じた対象車両40の走行環境の変化を把握して通信部51および外部装置間の通信の必要性をより適確に判断することができるため、各車両が用いる通信リソースをより有効に活用することができる。
【0206】
したがって、本開示の実施の形態に係る車両通信管理方法では、車両の通信をより適切に制御することができる。
【0207】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0208】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報を取得する制御情報取得部と、
対象車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、
無線基地局装置における周波数帯域の使用率を示す帯域情報を取得する帯域情報取得部と、
前記制御情報取得部によって取得された前記制御情報、前記位置情報取得部によって取得された前記位置情報、および前記帯域情報取得部によって取得された前記帯域情報に基づいて、前記対象車両と前記対象車両の外部における1または複数の外部装置との通信を制御する制御部とを備える、車両通信管理装置。
【0209】
[付記2]
車両通信管理装置と、
対象車両に搭載される車載装置とを備え、
前記車両通信管理装置は、交通機器による車両の交通の流れの制御内容を認識可能な制御情報、および無線基地局装置における周波数帯域の使用率を示す帯域情報を取得し、
前記車載装置は、自己が搭載される前記対象車両の位置情報を前記車両通信管理装置へ送信し、
前記車両通信管理装置は、取得した前記制御情報および前記帯域情報、ならびに前記対象車両から受信した前記位置情報に基づいて、前記車載装置と前記対象車両の外部における1または複数の外部装置との通信を制御する、車両通信管理システム。
【符号の説明】
【0210】
10 車両通信管理装置
11 通信部
12 位置情報取得部
13 制御情報取得部
14 帯域情報取得部
15 通信制御部
16 集約解析部
17 記憶部
20 無線基地局装置
40 対象車両
50 車載システム
51 通信部
52 送信制御部
53 現在位置取得部
54 計測情報生成部
55 自車解析部
56 運転支援部
60 信号灯器
61 信号制御装置
300 車両通信管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13