IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図1
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図2
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図3
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図4
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図5
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20231219BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019103790
(22)【出願日】2019-06-03
(65)【公開番号】P2020197918
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
【審査官】山崎 雄司
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-323447(JP,A)
【文献】特開2001-331598(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0104759(KR,A)
【文献】韓国登録特許第1983529(KR,B1)
【文献】特開2002-063381(JP,A)
【文献】特開2016-085609(JP,A)
【文献】特開2011-081628(JP,A)
【文献】特開2002-358374(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正当性判断の対象である著作物をユーザが利用する端末装置から受信する受信手段と、
正当性判断に用いられる判断基準情報と前記対象の著作物とを比較することで前記対象の著作物の正当性を判断する判断手段と、
前記判断手段の判断結果が付された前記対象の著作物を、前記端末装置に送信する送信手段と、
を有し、
既に正当性が判断された著作物の属性情報が前記判断基準情報に含まれており、
前記判断手段は、前記対象の著作物を構成するタイトル、文章及び図形と、既に正当性が判断された著作物を構成するタイトル、文章及び図形と、を比較することで、前記対象の著作物の内容と同じ内容を有する別の著作物を特定し、前記対象の著作物の内容と同じ内容を有する別の著作物の属性情報が、前記判断基準情報に含まれていない場合、前記対象の著作物が正当であると判断する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記受信手段が、前記判断結果が付された前記著作物を受信した場合、前記判断手段は、前記判断結果が付される前の前記著作物を前記判断手段に送信したユーザと、前記判断結果が付された前記著作物を前記判断手段に送信したユーザと、が同じである場合、前記著作物は正当であると判断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受信手段が受信した前記著作物は、次の正当性判断に用いられる前記判断基準情報に含まれる、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータを、
正当性判断の対象である著作物をユーザが利用する端末装置から受信する受信手段、
正当性判断に用いられる判断基準情報と前記対象の著作物とを比較することで前記対象の著作物の正当性を判断する判断手段、
前記判断手段の判断結果が付された前記対象の著作物を、前記端末装置に送信する送信手段、
として機能させ、
既に正当性が判断された著作物の属性情報が前記判断基準情報に含まれており、
前記判断手段は、前記対象の著作物を構成するタイトル、文章及び図形と、既に正当性が判断された著作物を構成するタイトル、文章及び図形と、を比較することで、前記対象の著作物の内容と同じ内容を有する別の著作物を特定し、前記対象の著作物の内容と同じ内容を有する別の著作物の属性情報が、前記判断基準情報に含まれていない場合、前記対象の著作物が正当であると判断する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
著作物の正当性が判断される場合がある。
【0003】
特許文献1には、コンテンツが著作権に抵触しているか否かについての判定の対象となるコンテンツを抽出するシステムが記載されている。
【0004】
特許文献2には、ユーザが閲覧しているウェブページ内のコンテンツの著作権侵害を調べて、発見された著作権侵害をサーバに通知するシステムが記載されている。
【0005】
特許文献3には、コンテンツに著作権情報が埋め込まれていることが検出された場合、通知先に通知する装置が記載されている。
【0006】
特許文献4には、著作権確認対象コンテンツから特徴データを抽出し、同じ特徴を有するコンテンツが検出された場合、著作権確認対象コンテンツの転送を不可と判断する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2009-217661号公報
【文献】特開2002-366531号公報
【文献】特開2003-30359号公報
【文献】特開2008-217572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、著作物を利用する度に、著作物の正当性を判断する団体等の判断手段に著作物を送信して著作物の正当性を判断し、その判断結果が得られてから著作物の利用を許可することが考えられる。しかし、著作物を利用する度に、著作物を判断手段に送信して正当性を判断することになると、著作物の利用までに時間がかかる。
【0009】
本発明の目的は、正当性が既に判断されている著作物について、著作物の正当性の判断を簡易な手順で確認できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
請求項1に係る発明は、正当性判断の対象である著作物をユーザが利用する端末装置から受信する受信手段と、正当性判断に用いられる判断基準情報と前記対象の著作物とを比較することで前記対象の著作物の正当性を判断する判断手段と、前記判断手段の判断結果が付された前記対象の著作物を、前記端末装置に送信する送信手段と、を有し、既に正当性が判断された著作物の属性情報が前記判断基準情報に含まれており、前記判断手段は、前記対象の著作物を構成するタイトル、文章及び図形と、既に正当性が判断された著作物を構成するタイトル、文章及び図形と、を比較することで、前記対象の著作物の内容と同じ内容を有する別の著作物を特定し、前記対象の著作物の内容と同じ内容を有する別の著作物の属性情報が、前記判断基準情報に含まれていない場合、前記対象の著作物が正当であると判断する、情報処理装置である。
【0028】
請求項に係る発明は、前記受信手段が、前記判断結果が付された前記著作物を受信した場合、前記判断手段は、前記判断結果が付される前の前記著作物を前記判断手段に送信したユーザと、前記判断結果が付された前記著作物を前記判断手段に送信したユーザと、が同じである場合、前記著作物は正当であると判断する、ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置である。
【0029】
請求項に係る発明は、前記受信手段が受信した前記著作物は、次の正当性判断に用いられる前記判断基準情報に含まれる、ことを特徴とする請求項又は請求項に記載の情報処理装置である。
【0031】
請求項4に係る発明は、コンピュータを、正当性判断の対象である著作物をユーザが利用する端末装置から受信する受信手段、正当性判断に用いられる判断基準情報と前記対象の著作物とを比較することで前記対象の著作物の正当性を判断する判断手段、前記判断手段の判断結果が付された前記対象の著作物を、前記端末装置に送信する送信手段、として機能させ、既に正当性が判断された著作物の属性情報が前記判断基準情報に含まれており、前記判断手段は、前記対象の著作物を構成するタイトル、文章及び図形と、既に正当性が判断された著作物を構成するタイトル、文章及び図形と、を比較することで、前記対象の著作物の内容と同じ内容を有する別の著作物を特定し、前記対象の著作物の内容と同じ内容を有する別の著作物の属性情報が、前記判断基準情報に含まれていない場合、前記対象の著作物が正当であると判断する、プログラムである。
【発明の効果】
【0032】
請求項1,4に係る発明によれば、正当性が既に判断されている著作物について、著作物の正当性の判断を簡易な手順で確認できる。
【0033】
請求項に係る発明によれば、正当性が既に判断されている著作物については、判断結果が付される前とは異なる判断プロセスによって正当性を判断することできる。
【0042】
請求項に係る発明によれば、受信手段が受信した著作物を用いて、別の著作物の正当性を判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る判断装置の構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
図4】画面を示す図である。
図5】画面を示す図である。
図6】画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図1には、本実施形態に係る情報処理システムの構成の一例が示されている。
【0045】
本実施形態に係る情報処理システムは、判断装置10と、1又は複数の端末装置12とを含む。情報処理システムは、これら以外の装置を含んでもよい。
【0046】
判断装置10及び端末装置12は、通信経路Nを介して他の装置と通信してもよい。通信経路Nは、例えば、LAN(Local Area Network)等のネットワークやインターネット等である。通信経路Nは、有線通信によって構築されてもよいし、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信によって構築されてもよい。判断装置10及び端末装置12は、例えば、無線通信又は有線通信を利用して通信経路Nに接続し、通信経路Nを介して他の装置と通信する。判断装置10及び端末装置12は、通信経路Nを介さずに近距離無線通信等を利用して他の装置と通信してもよい。近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)やRFID(Radio Frequency Identifier)やNFC等である。
【0047】
判断装置10は、著作物データの正当性を判断するように構成されている装置である。例えば、判断対象の著作物データが端末装置12から判断装置10に送信されると、判断装置10は、当該判断対象の著作物データを受信し、当該判断対象の著作物データの正当性を判断し、当該判断結果を示す情報を当該端末装置12に送信する。判断装置10は、当該判断結果を示す情報を当該判断対象の著作物データに付し、当該判断結果を示す情報が付された当該判断対象の著作物データを当該端末装置12に送信してもよい。判断装置10は、端末装置12から著作物データを受信し、当該著作物データの適用性を判断し、当該判断結果を示す情報を当該端末装置12に送信するように構成されている情報処理装置の一例に相当する。判断装置10は、サーバであってもよい。また、判断装置10は、端末装置12から判断装置10に送信された著作物データを記憶してもよい。
【0048】
判断装置10は、例えば、著作物データを管理する団体や、著作物データを提供する団体等に設けられる。具体的には、判断装置10は、著作物データが正当に利用されているか否かを判断する団体に設けられてもよいし、著作物データの不当な利用を監視する団体に設けられてもよいし、著作権に関する紛争を処理する団体に設けられてもよいし、著作物データの利用に対する対価を取得する団体に設けられてもよいし、著作物データの配信や販売等を行う団体に設けられてもよいし、公的機関(例えば行政機関等)に設けられてもよいし、プラットフォーム事業者に設けられてもよい。判断装置10による正当性の判断は、上記の団体にて実行される。
【0049】
端末装置12は、著作物データを判断装置10に送信するときに用いられる装置である。一例として、端末装置12は、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する)、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話、又は、その他の装置(例えば、スキャナやプリンタ等を有する複合機)である。もちろん、これらの装置は端末装置12の一例に過ぎない。なお、端末装置12は、著作物データを判断装置10に送信し、当該著作物データの正当性の判断結果を示す情報を判断装置10から受信するように構成されている情報処理装置の一例に相当する。
【0050】
著作物データは、例えば、文書データ(例えばテキストデータ等)、画像データ(例えば静止画像データや動画像データ等)、音楽データ、音声データ、又は、これらのデータの組み合わせ等であり、その種類や内容については特に限定はない。例えば、著作権法に例示されている著作物が、本実施形態に係る著作物の概念の範疇に含まれる。例えば、言語の著作物(例えば小説や脚本や論文等)や、音楽の著作物や、舞踏の著作物や、美術の著作物(例えば絵画や版画や彫刻や美術工芸品等)や、建築の著作物や、図形の著作物(例えば地図や図面等)や、映画の著作物(例えば映画やテレビやテレビゲーム等)や、写真の著作物や、プログラムの著作物や、これらの二次的著作物等が、本実施形態に係る著作物の概念の範疇に含まれる。もちろん、これら以外の著作物が、本実施形態に係る著作物の概念の範疇に含まれてもよい。
【0051】
著作物データには、当該著作物データの属性を示す属性情報が付帯している。著作物データに付帯する属性情報は、当該著作物データの属性を示す情報である。属性情報は、例えば、著作物データの内容を示す内容情報と、著作物データが作成された日である作成日を示す作成日情報とを含む。著作物データの内容は、著作物データそのものであってもよいし、著作物データの特徴であってもよいし、著作物データの概要であってもよい。作成日は、著作物データが創作された日である。作成日情報は、著作物データが作成された日時である作成日時を示す情報であってもよい。属性情報は、更に、著作物データのタイトルを示すタイトル情報、著作物データが更新された日である更新日を示す更新日情報、及び、著作者名を示す著作者情報等を含んでもよい。更新日情報は、著作物データが更新された日時である更新日時を示す情報であってもよい。もちろん、これら以外の情報(例えば著作権者を示す情報等)が属性情報に含まれてもよい。
【0052】
著作物データが、非電子の著作物の原作を表すデータ(例えば文書データや画像データ)である場合、その原作が作成された日である原作作成日を示す情報や、その原作が作成された日時である原作作成日時を示す情報や、その原作の著作者名を著作者情報も、属性情報に含まれてもよい。非電子の著作物とは、電子化(つまりデータ化)されていない著作物である。例えば、原作であり電子化されていない書籍を表す画像データが著作物データとして作成された場合、当該著作物データの属性情報には、当該書籍の原作作成日や原作作成日時を示す情報と、当該書籍を表す画像データの作成日や作成日時を示す情報と、当該書籍の著作者を示す著作者情報が含まれる。例えば、電子化されていない書籍をスキャンすることで当該書籍を表す画像データが著作物データとして生成された場合、当該書籍に記載されている作成日が原作作成日として用いられ、当該著作物データが作成された日が当該著作物データの作成日として用いられる。なお、書籍をスキャンすることで、当該書籍に記載されている作成日を示す情報が取得されて属性情報に含まれてもよい。
【0053】
著作物データが正当であるとは、著作物データが法律や命令や規則や契約等に反しないことである。例えば、著作権法等の法律や契約に反して複製されることで生成された著作物データは、正当な著作物データではなく、不当な著作物データ(例えば法律に反する違法な著作物データや契約に反する著作物データ)である。著作物データの正当性の概念の範疇には、著作物データの利用の正当性が含まれてもよい。著作物データの利用が正当であるとは、著作物データの利用が法律や命令や規則や契約等に反しないことである。例えば、著作権法等の法律や契約に反する利用は、正当な利用ではなく、不当な利用(例えば法律に反する違法な利用や契約に反する利用)である。
【0054】
以下、図2を参照して、判断装置10の構成について詳しく説明する。図2には、判断装置10の構成の一例が示されている。
【0055】
通信部14は通信インターフェースであって、他の装置に情報を送信する機能、及び、他の装置から情報を受信する機能を有する。通信部14は、無線通信機能を有していてもよいし、有線通信機能を有していてもよい。通信部14は、無線通信又は有線通信を利用することで通信経路Nを介した他の装置と通信してもよいし、近距離無線通信等を利用することで通信経路Nを介さずに他の装置と通信してもよい。
【0056】
通信部14は、送信手段及び受信手段の一例に相当する。正当性の判断対象となる著作物データが端末装置12から判断装置10に送信されると、通信部14は、当該判断対象の著作物データを受信する。著作物データには属性情報が付帯しているため、通信部14は、当該属性情報も受信する。端末装置12から判断装置10に判断対象の著作物データが送信されず、判断対象の著作物データに付帯する属性情報のみが送信されてもよい。この場合、通信部14は、当該属性情報を受信する。
【0057】
また、通信部14は、判断部20の判断結果を示す情報を端末装置12に送信する。判断結果を示す情報が判断対象の著作物データに付された場合、通信部14は、判断結果を示す情報が付された著作物データを端末装置12に送信する。
【0058】
受付部16は、正当性の判断対象となる著作物データを受け付けるように構成されている。通信部14が判断対象の著作物データを受信すると、受付部16は、当該判断対象の著作物データを受け付ける。著作物データには属性情報が付帯しているため、受付部16は、当該属性情報も受け付ける。端末装置12から判断装置10に著作物データが送信されず、判断対象の著作物データに付帯する属性情報のみが送信されてもよい。この場合、受付部16は、当該属性情報を受け付ける。
【0059】
記憶部18は、各種の情報を記憶する1又は複数の記憶領域である。各記憶領域は、例えば、判断装置10に設けられている1又は複数の記憶装置(例えばハードディスクドライブやメモリ等の物理ドライブ)によって構成されている。
【0060】
記憶部18には判断基準情報が記憶されている。判断基準情報は、著作物データの正当性を判断するための情報である。例えば、判断部20によって既に正当性が判断された著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれる。この場合、判断基準情報は、判断装置10によって既に正当性が判断された著作物データの属性情報を管理するための情報であるといえる。また、正当性の判断の実行を指示したユーザを識別するためのユーザ識別情報や、判断対象の著作物データを判断装置10に送信した端末装置12を識別するための装置識別情報が、判断基準情報に含まれてもよい。ユーザ識別情報は、例えば、ユーザの氏名やIDやアカウントや電子メールアドレス等を示す情報である。端末識別情報は、例えば、MACアドレスやIPアドレス等を示す情報である。なお、判断装置10によって既に正当性が判断された著作物データそのものが、判断基準情報に含まれてもよい。
【0061】
著作物記憶部に記憶されている著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれてもよい。この場合、判断基準情報は、著作物記憶部に記憶されている著作物データの属性情報を管理するための情報であるといえる。著作物記憶部は、1又は複数の記憶装置(例えばハードディスクドライブやメモリ等の物理ドライブ)によって構成されている。著作物記憶部は、判断装置10に設けられてもよいし、サーバ等の別の装置に設けられてもよい。また、著作物データを著作物記憶部に記憶させたユーザを識別するためのユーザ識別情報や、著作物データを著作物記憶部に送信した端末装置12を識別するための端末識別情報が、判断基準情報に含まれてもよい。なお、著作物記憶部に記憶されている著作物データそのものが、判断基準情報に含まれてもよい。
【0062】
判断部20は、判断基準情報に基づいて著作物データの正当性を判断するように構成されている。判断部20は、例えば、判断対象の著作物データの属性情報と、判断基準情報に含まれている属性情報とに基づいて、当該著作物データの正当性を判断する。
【0063】
通信部14は、判断部20による判断結果を示す情報を、正当性の判断を指示したユーザが利用する端末装置12に送信する。例えば、判断結果を示す情報は、当該端末装置12に表示される。
【0064】
また、判断部20は、判断結果を示す情報を判断対象の著作物データに付してもよい。この場合、通信部14は、判断結果を示す情報が付された著作物データを端末装置12に送信する。判断部20は、判断結果を示す情報を付帯情報として著作物データに付してもよいし、判断結果を示す情報を著作物データ自体に埋め込んでもよい。
【0065】
例えば、判断対象の著作物データの内容と同じ内容を有する別の著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれていない場合、判断部20は、判断対象の著作物データが正当であると判断する。当該別の著作物データの属性情報が判断基準情報に含まれていないということは、当該別の著作物データの正当性が判断部20によって判断されていない、又は、当該別の著作物データが著作物記憶部に記憶されていないことを意味する。つまり、これは、判断対象の著作物データの正当性が、当該別の著作物データよりも先に判断部20によって判断された、又は、判断対象の著作物データが、当該別の著作物データよりも先に著作物記憶部に記憶されたことを意味する。この場合、判断対象の著作物データは、オリジナルの著作物データであると推測される。つまり、判断部20は、判断対象の著作物データをオリジナルの著作物データであると判断する。オリジナルの著作物データは、元の著作物データであって、当該オリジナルの著作物データの内容と同じ内容を有する別の著作物データよりも先に作成された著作物データである。つまり、判断対象の著作物データの内容と同じ内容を有する別の著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれていない場合、判断対象の著作物データは、不当に作成された著作物データではないと推測される。判断対象の著作物データが正当であることを示す情報が、判断装置10から端末装置12に送信されて端末装置12に表示される。判断対象の著作物データが正当であることを示す情報が当該著作物データに付されてもよい。この場合、判断対象の著作物データが正当であることを示す情報が付された著作物データが、判断装置10から端末装置12に送信される。
【0066】
判断対象の著作物データの内容と同じ内容を有する別の著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれている場合、判断部20は、これらの著作物データの中で作成日が最も早い著作物データがオリジナルの著作物データであると判断する。つまり、これらの著作物データの中で作成日が最も早い著作物データが、最初に作成された著作物データであると推測される。作成日が遅い著作物データは、後から作成された著作物データであると推測される。
【0067】
判断対象の著作物データの内容と同じ内容を有する別の著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれている場合において、判断対象の著作物データの作成日が、当該別の著作物データの作成日よりも早い場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当であると判断する。つまり、判断対象の著作物データはオリジナルの著作物データであると推測されるため、判断部20は、判断対象の著作物データは正当であると判断する。当該別の著作物データが著作物記憶部に記憶されている場合、制御部24は、当該別の著作物データを著作物記憶部から削除してもよい。
【0068】
判断対象の著作物データの内容と同じ内容を有する別の著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれている場合において、判断対象の著作物データの作成日が、当該別の著作物データの作成日よりも遅い場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当ではないと判断する。つまり、判断対象の著作物データはオリジナルの著作物データではないと推測されるため、判断部20は、判断対象の著作物データは正当ではないと判断する。判断対象の著作物データが正当ではないことを示す情報が、判断装置10から端末装置12に送信されて端末装置12に表示される。判断対象の著作物データが正当ではないことを示す情報が当該著作物データに付されてもよい。この場合、判断対象の著作物データが正当ではないことを示す情報が付された著作物データが、判断装置10から端末装置12に送信される。
【0069】
判断対象の著作物データの内容と同じ内容を有する別の著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれている場合において、判断対象の著作物データの作成日と、当該別の著作物データの作成日とが同じである場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当ではないと判断してもよいし、判断対象の著作物データは正当であると判断してもよい。正当又は不当は、ユーザや管理者等によって設定されてもよい。判断部20は、これらの著作物データのそれぞれの作成日時を比較し、作成日時が最も早い著作物データをオリジナルの著作物データであると判断してもよい。判断対象の著作物データの作成日時が、当該別の著作物データの作成日時よりも早い場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当であると判断する。判断対象の著作物データの作成日時が、当該別の著作物データの作成日時よりも遅い場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当ではないと判断する。これらの著作物データの作成日時が同じである場合、判断部20は、判断対象の著作物データは適用ではないと判断してもよいし、判断対象の著作物データは正当であると判断してもよい。正当又は不当は、ユーザや管理者等によって設定されてもよい。
【0070】
また、判断対象の著作物データの内容と同じ又は類似する内容を有する別の著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれていない場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当であると判断してもよい。つまり、判断対象の著作物データの内容の類似範囲に含まれる別の著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれていない場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当であると判断する。判断対象の著作物データの内容と同じ又は類似する内容を有する別の著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれていない場合、判断対象の著作物データは、オリジナルの著作物データであると推測される。
【0071】
判断対象の著作物データの内容と同じ又は類似する内容を有する別の著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれている場合、判断部20は、これらの著作物データの中で作成日が最も早い著作物データをオリジナルの著作物データであると判断する。
【0072】
ある著作物データの内容と別の著作物データの内容とが類似するとは、これらの著作物データの内容が一致する程度が、予め定められた閾値以上となることである。例えば、ある著作物データと別の著作物データとを対象として、各著作物データを構成するタイトルや文章や図や色や音や画像等の各要素や、これらの要素の組み合わせや、各要素の相対的な関係(例えば位置関係や大小関係や色関係等)等を比較することで、これらの著作物データ間の類似度が算出される。その類似度が閾値以上である場合、これらの著作物データの内容は互いに類似していると判定される。この処理は、判断部20によって行われてもよいし、サーバ等の装置によって行われてもよい。もちろん、公知の技術を用いて類似が判定されてもよい。例えば、画像や文書や音等の類似度を算出する公知のアルゴリズムが用いられてもよい。
【0073】
判断対象の著作物データの内容と同じ又は類似する内容を有する別の著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれている場合において、判断対象の著作物データの作成日が、当該別の著作物データの作成日よりも早い場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当であると判断する。つまり、判断対象の著作物データはオリジナルの著作物データであると推測されるため、判断部20は、判断対象の著作物データは正当であると判断する。
【0074】
判断対象の著作物データの内容と同じ又は類似する内容を有する別の著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれている場合において、判断対象の著作物データの作成日が、当該別の著作物データの作成日よりも遅い場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当ではないと判断する。つまり、判断対象の著作物データはオリジナルの著作物データではないと推測されるため、判断部20は、判断対象の著作物データは正当ではないと判断する。
【0075】
判断対象の著作物データの内容と同じ又は類似する内容を有する別の著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれている場合において、判断対象の著作物データの作成日と、当該別の著作物データの作成日とが同じである場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当ではないと判断してもよいし、判断対象の著作物データは正当であると判断してもよい。正当又は不当は、ユーザや管理者等によって設定されてもよい。判断部20は、これらの著作物データのそれぞれの作成日時を比較し、作成日時が最も早い著作物データをオリジナルの著作物データであると判断してもよい。この場合において、判断対象の著作物データの作成日時が、当該別の著作物データの作成日時よりも早い場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当であると判断する。判断対象の著作物データの作成日時が、当該別の著作物データの作成日時よりも遅い場合、判断部20は、判断対象の著作物データは適用ではないと判断する。これらの著作物データの作成日時が同じである場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当ではないと判断してもよいし、判断対象の著作物データは正当であると判断してもよい。正当又は不当は、ユーザや管理者等によって設定されてもよい。
【0076】
著作物データの作成日や作成日時が不明である場合、判断部20は、著作物データの最新の更新日や更新日時に基づいて正当性を判断してもよい。更新日や更新日時を示す情報は、著作物データの属性情報に含まれている。
【0077】
著作物データの内容が更新された場合、判断部20は、更新後の内容に応じて判断結果を変える。例えば、判断対象の著作物データの内容が更新されている場合、判断部20は、その更新された内容と同じ内容を有する別の著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれているか否かに応じて判断結果を変える。その更新された内容と同じ内容を有する別の著作物データの属性情報が判断基準情報に含まれていない場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当であると判断する。その更新された内容と同じ内容を有する別の著作物データの属性情報が判断基準情報に含まれている場合において、判断対象の著作物データの更新日が、当該別の著作物データの作成日よりも早い場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当であると判断する。当該別の著作物データの内容が更新されている場合において、判断対象の著作物データの更新日が、当該別の著作物データの更新日よりも早い場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当であると判断してもよい。判断対象の著作物データの更新日が、当該別の著作物データの作成日よりも遅い場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当ではないと判断する。判断対象の著作物データの更新日が、当該別の著作物データの更新日よりも遅い場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当ではないと判断してもよい。判断部20は、判断対象の著作物データの更新された内容と類似する内容を有する著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれているか否かに応じて判断結果を変えてもよい。この場合も、上記の判断処理と同じ処理が行われる。
【0078】
管理部22は、判断部20によって正当性が判断された著作物データの属性情報を管理するように構成されている。具体的には、判断部20によって正当性が判断された著作物データの属性情報を判断基準情報に登録する。こうすることで、正当性が判断された著作物データは、次の正当性の判断(つまり別の著作物データの正当性の判断)に用いられる。管理部22は、正当であると判断された著作物データの属性情報を判断基準情報に登録し、正当ではないと判断された著作物データの属性情報を判断基準情報に登録しなくてもよい。もちろん、管理部22は、正当ではないと判断された著作物データの属性情報を判断基準情報に登録してもよい。
【0079】
管理部22は、著作物記憶部に記憶されている著作物データの属性情報を判断基準情報に登録してもよい。例えば、著作物データが著作物記憶部に記憶されると、管理部22は、当該著作物データの属性情報を判断基準情報に登録する。例えば、判断部20によって正当であると判断された著作物データが、著作物記憶部に送信されて著作物記憶部に記憶される。
【0080】
制御部24は、判断装置10の各部の動作を制御するように構成されている。制御部24は、例えば、判断部20による判断結果を示す情報を、正当性の判断の実行を指示したユーザが利用する端末装置12に表示させる。具体的には、判断結果を示す情報は、制御部24の制御の下、判断装置10から端末装置12に送信されて、端末装置12に表示される。
【0081】
以下、図3を参照して、端末装置12の構成について詳しく説明する。図3には、端末装置12の構成の一例が示されている。ここでは一例として、端末装置12は、PC、タブレットPC、スマートフォン又は携帯電話であるものとする。
【0082】
通信部26は通信インターフェースであって、他の装置に情報を送信する機能、及び、他の装置から情報を受信する機能を有する。通信部26は、無線通信機能を有していてもよいし、有線通信機能を有していてもよい。通信部26は、無線通信又は有線通信を利用することで通信経路Nを介した他の装置と通信してもよいし、近距離無線通信等を利用することで通信経路Nを介さずに他の装置と通信してもよい。
【0083】
通信部26は、送信手段及び受信手段の一例に相当する。通信部26は、正当性の判断対象となる著作物データを判断装置10に送信する。また、正当性の判断結果を示す情報が判断装置10から端末装置12に送信されると、通信部26は、当該判断結果を示す情報を受信する。判断結果を示す情報が付された著作物データが、判断装置10から端末装置12に送信されると、通信部26は、判断結果を示す情報が付された著作物データを受信する。
【0084】
UI部28はユーザインターフェースであって、表示部と操作部とを含む。表示部は、液晶ディスプレイ等の表示装置である。操作部は、キーボードや入力キーや操作パネル等の入力装置である。UI部28は、表示部と操作部とを兼ね備えたタッチパネル等のUI部であってもよい。
【0085】
記憶部30は、各種の情報を記憶する1又は複数の記憶領域である。各記憶領域は、例えば、端末装置12に設けられている1又は複数の記憶装置(例えばハードディスクドライブやメモリ等の物理ドライブ)によって構成されている。
【0086】
処理部32は、著作物データに対して処理を実行するように構成されている。処理は、例えば、外部装置への著作物データの送信(例えばアップロード)、著作物データの複製、著作物データの閲覧、又は、著作物データの変更(例えば編集や加工等)、又は、著作物データの削除等である。
【0087】
許可部34は、正当性の判断対象の著作物データについての正当性の判断結果に応じて、当該著作物データに対する処理部32による処理の実行を許可するように構成されている。許可部34は、判断装置10から端末装置12に送信された、判断結果を示す情報に基づいて、処理の実行を許可するか否かを判断する。
【0088】
判断対象の著作物データが正当であると判断された場合、許可部34は、当該著作物データに対する処理部32による処理の実行を許可する。つまり、処理の実行は禁止されない。この場合に、ユーザによって処理の実行が指示された場合、処理部32は、当該指示に従って、正当であると判断された著作物データに対して処理を実行する。
【0089】
判断対象の著作物データが正当ではないと判断された場合、許可部34は、当該著作物データに対する処理部32による処理の実行を制限する。処理の実行を制限するとは、正当ではないと判断された著作物データに対する全ての処理の実行が禁止されることであってもよいし、実行可能な複数の処理の中の一部の処理の実行が禁止され、他の一部の処理の実行が許可されることであってもよいし、処理能力が低下した状態で処理の実行が許可されることであってもよいし、料金を支払うことで処理の実行が許可されることであってもよい。
【0090】
一部の処理の実行が禁止される場合の一例として、許可部34は、外部装置への著作物データの送信、及び、著作物データの複製の中の少なくとも1つの処理の実行を制限する。著作物データの送信や複製が禁止されてもよいし、送信の回数や複製の回数に上限が設定されてもよいし、送信や複製を実行するために料金が発生してもよい。
【0091】
処理能力が低下することとは、処理の速度が低下することや、処理の回数に上限が設定されること等である。実行が禁止された処理の実行がユーザによって指示された場合、処理部32は、正当ではないと判断された著作物データに対して当該処理を実行しない。
【0092】
許可部34は、正当性の判断対象の著作物データについての正当性の判断が行われる前は、当該著作物データに対する処理部32による処理の実行を制限してもよい。つまり、許可部34は、正当性の判断結果が得られていない著作物データに対する処理部32による処理の実行を制限する。
【0093】
許可部34は、正当ではないと判断された著作物データに対する処理の実行が制限されていても、当該著作物データの削除を許可してもよい。例えば、ユーザが当該著作物データの削除を指示した場合、処理部32は、当該著作物データを削除する。
【0094】
通知部36は、処理部32による処理の結果を判断装置10に通知するように構成されている。
【0095】
制御部38は、端末装置12の各部の動作を制御するように構成されている。例えば、正当性の判断結果を示す情報が、判断装置10から端末装置12に送信されてきた場合、制御部38は、当該判断結果を示す情報をUI部28の表示部に表示させる。
【0096】
なお、判断部20は端末装置12に設けられていてもよい。この場合、端末装置12にて判断部20による処理が実行されてもよい。
【0097】
以下、実施例1,2について説明する。
【0098】
(実施例1)
実施例1においては、判断装置10によって著作物データの正当性が判断されると、その判断結果を示す情報は著作物データに付されずに、判断装置10から端末装置12に送信される。例えば、判断結果を示す情報は、端末装置12のUI部28の表示部に表示される。
【0099】
また、実施例1においては、処理部32によって著作物データに処理が実行される前に、端末装置12の通信部26は、当該著作物データを判断装置10に送信する。例えば、ユーザがUI部28を操作して著作物データに対する処理の実行を指示すると、通信部26は、当該処理が実行される前に、当該著作物データを判断装置10に送信する。判断装置10によって当該著作物データの正当性が判断され、その判断結果を示す情報が判断装置10から端末装置12に送信される。著作物データが正当であり、当該処理の実行が許可される場合、処理部32は、当該処理を実行する。著作物データが正当ではなく、当該処理の実行が制限される場合、処理部32は、当該処理を実行しない、又は、処理能力が低下した状態で当該処理を実行する。
【0100】
実施例1においては、著作物データの正当性が過去に判断された場合であっても、当該著作物データに処理部32によって処理が実行される場合、通信部26は、当該著作物データを判断装置10に送信してもよい。このように、著作物データに対して処理が実行されようとしている度に、当該著作物データが端末装置12から判断装置10に送信され、判断装置10によって当該著作物データの正当性が判断されてもよい。
【0101】
端末装置12の通信部26が、判断対象の著作物データについての正当性の判断結果を示す情報を受信した場合、制御部38は、当該判断結果に応じて当該著作物データに対して実行が許可される処理を示す情報をUI部28の表示部に表示させてもよい。実行が許可される処理は、許可部34によって許可される処理である。例えば、一部の処理の実行が許可されており、他の一部の処理の実行が禁止されている場合、当該一部の処理を示す情報が、UI部28の表示部に表示される。もちろん、制御部38は、実行が禁止された処理を示す情報もUI部28の表示部に表示させてもよい。この場合、制御部38は、実行が許可された処理を示す情報には、実行が許可されたことを示す情報を紐付け、実行が禁止された処理を示す情報には、実行が禁止されたことを示す情報を紐付け、各情報をUI部28の表示部に表示させる。
【0102】
(実施例2)
実施例2においては、判断装置10によって著作物データの正当性が判断されると、その判断結果を示す情報が付された著作物データが、判断装置10から端末装置12に送信される。例えば、判断結果を示す情報は、端末装置12のUI部28の表示部に表示される。
【0103】
著作物データに付されている判断結果を示す情報を参照することで、当該著作物データの正当性の判断結果が確認される。例えば、処理部32によって著作物データに処理が実行される前に、端末装置12の制御部38は、当該著作物データに付されている判断結果を示す情報に基づいて、当該著作物データの正当性の判断結果を確認する。著作物データが正当であり、当該処理の実行が許可される場合、処理部32は、当該処理を実行する。著作物データが正当ではなく、当該処理の実行が許可されない場合、処理部32は、当該処理を実行しない、又は、処理能力が低下した状態で当該処理を実行する。
【0104】
実施例2においては、正当性の判断結果を示す情報が著作物データに付されているため、当該著作物データに処理が実行されようとしている度に、当該著作物データを判断装置10に送信して判断装置10による判断を行わなくても、端末装置12にて、当該著作物データの正当性の判断結果が確認される。このように、著作物データの正当性の判断結果を簡易に確認することができる。
【0105】
正当性の判断結果を示す情報が付された著作物データが端末装置12から判断装置10に送信された場合、判断部20は、当該判断結果が付される前とは異なる判断プロセスによって正当性を判断してもよい。その判断結果を示す情報は、判断装置10から端末装置12に送信される。判断部20は、当該異なる判断プロセスによる判断結果を示す情報を判断対象の著作物データに付してもよい。この場合、当該異なる判断プロセスによる判断結果を示す情報が付された著作物データが、判断装置10から端末装置12に送信される。当該異なる判断プロセスによる判断結果を示す情報が判断対象の著作物データに付された場合、判断部20は、当該判断対象の著作物データに既に付されていた判断結果を示す情報を削除してもよい。もちろん、判断部20は、当該判断対象の著作物データに既に付されていた判断結果を示す情報を削除しなくてもよい。
【0106】
上記の異なる判断プロセスは、判断結果を示す情報が付される前の著作物データを判断装置10に送信したユーザと、当該判断結果を示す情報が付された当該著作物データを判断装置10に送信したユーザとが同じユーザであるか否かを判断することである。
【0107】
両ユーザが同じユーザである場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当であると判断する。両ユーザが異なるユーザである場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当ではないと判断する。また、両ユーザが異なるユーザである場合、判断部20は、警告を通知すると判断してもよい。この場合、警告を示す情報が、判断装置10から端末装置12に送信され、端末装置12に表示される。
【0108】
詳しく説明すると、判断対象の著作物データの内容と同じ内容を有する別の著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれている場合において、上記の両ユーザが同じユーザである場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当であると判断する。判断対象の著作物データの内容と同じ内容を有する別の著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれている場合において、上記の両ユーザが異なるユーザである場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当ではないと判断する。判断対象の著作物データの内容と同じ内容を有する著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれていない場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当であると判断する。
【0109】
例えば、正当性の判断の実行を指示したユーザを識別するためのユーザ識別情報が、判断対象の著作物データと共に端末装置12から判断装置10に送信される。管理部22は、ユーザ識別情報を著作物データの属性情報に紐付けて判断基準情報に登録する。判断対象の著作物データの内容と同じ内容を有する別の著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれている場合において、当該別の著作物データの属性情報に、判断対象の著作物データを判断装置10に送信したユーザと同じユーザのユーザ識別情報が紐付けられている場合、上記の両ユーザは同じユーザである。この場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当であると判断する。当該別の著作物データの属性情報に、判断対象の著作物データを判断装置10に送信したユーザとは異なる別のユーザのユーザ識別情報が紐付けられている場合、上記の両ユーザは異なるユーザである。この場合、判断部20は、判断対象の著作物データは正当ではないと判断する。
【0110】
判断対象の著作物データの内容と同じ又は類似する内容を有する著作物データの属性情報が、判断基準情報に含まれている場合に、上記と同様の処理によって、著作物データの正当性が判断されてもよい。
【0111】
このように、正当性の判断結果を示す情報が付された著作物データが端末装置12から判断装置10に送信され、受付部16が、当該著作物データを受け付けた場合、判断部20は、当該著作物データを判断装置10に送信したユーザのユーザ識別情報のみに基づいて、当該著作物データの正当性を判断してもよい。
【0112】
実施例2においては、端末装置12の通信部26が、正当性の判断結果を示す情報が付された著作物データを受信した場合、処理部32は、当該判断結果を示す情報が付される前の著作物データを端末装置12から削除してもよいし、当該判断結果を示す情報が付される前の著作物データに、当該判断結果を示す情報が付された著作物データを上書きしてもよい。
【0113】
処理部32が、正当性の判断結果を示す情報が付される前の著作物データを端末装置12から削除した場合、通知部36は、その旨を示す情報を判断装置10に送信してもよい。また、処理部32が、正当性の判断結果を示す情報が付される前の著作物データに、当該判断結果を示す情報が付された著作物データを上書きした場合、通知部36は、その旨を示す情報を判断装置10に送信してもよい。
【0114】
端末装置12の通信部26が、正当性の判断結果を示す情報が付された著作物データを受信した場合、端末装置12の制御部38は、当該判断結果を示す情報が付される前の著作物データの削除又は上書きをユーザが選択するための情報を、UI部28の表示部に表示させてもよい。また、制御部38は、削除及び上書きを行わないことをユーザが選択するための情報をUI部28の表示部に表示させてもよい。ユーザによって削除又は上書きが指示された場合、処理部32は、著作物データの削除又は上書きを実行する。削除及び上書きを行わないことがユーザによって選択された場合、処理部32は、著作物データの削除及び上書きを行わない。
【0115】
端末装置12の通信部26が、正当性の判断結果を示す情報が付された著作物データを受信した場合、制御部38は、当該判断結果に応じて当該著作物データに対して実行が許可される処理を示す情報をUI部28の表示部に表示させてもよい。
【0116】
なお、正当性の判断結果を示す情報は、判断装置10によって著作物データに付されずに、端末装置12によって著作物データに付されてもよい。この場合、判断装置10によって著作物データの正当性が判断されると、その判断結果を示す情報が判断装置10から端末装置12に送信される。端末装置12の制御部38は、判断対象の著作物データに、その判断結果を示す情報を付す。
【0117】
判断装置10が設けられている団体は、著作物データの最初の送信先である。つまり、判断装置10は、著作物データの最初の送信先である。例えば、著作物データの送信先として、判断装置10以外の装置がユーザによって指定された場合であっても、判断装置10以外の装置が、当該著作物データの最初の送信先である場合、端末装置12の通信部26は、当該著作物データを判断装置10以外の装置に送信しない。また、著作物データの複数の送信先がユーザによって指定された場合であっても、通信部26は、著作物データを最初に判断装置10に送信する。
【0118】
実施例1において、送信対象の著作物データについての正当性の判断結果を示す情報が判断装置10から端末装置12に送信されていない場合、端末装置12の制御部38は、判断装置10を当該著作物データの最初の送信先として設定してもよい。ユーザがUI部28を操作して著作物データの送信を指示すると、制御部38は、当該著作物データを判断装置10に送信する。判断結果を示す情報が判断装置10から端末装置12に既に送信されている場合において、著作物データの送信が許可されている場合、ユーザによって当該著作物データの送信が指示されると、当該著作物データが、ユーザによって指定された送信先に送信される。
【0119】
実施例2において、正当性の判断結果を示す情報が著作物データに付されていない場合、端末装置12の制御部38は、判断装置10を当該著作物データの最初の送信先として設定してもよい。判断結果を示す情報が著作物データに付されている場合において、当該著作物データの送信が許可されている場合、ユーザによって当該著作物データの送信が指示されると、当該著作物データが、ユーザによって指定された送信先に送信される。
【0120】
判断装置10が著作物データの最初の送信先であるため、著作物データが判断装置10以外の装置に先に送信される前に、当該著作物データの正当性が判断される。それ故、正当性が判断されていない著作物データが、他の装置に送信されることが防止される。
【0121】
上記の最初の送信先は、管理者以外のユーザによって変更が不可能である。それ故、ユーザが最初の送信先を判断装置10以外の装置に変更し、正当性が判断されていない著作物データが、判断装置10以外の装置に送信されることが防止される。
【0122】
以下、本実施形態に係る情報処理システムによる処理の流れについて説明する。
【0123】
ユーザが端末装置12のUI部28を操作して、著作物データの正当性の判断の実行を指示すると、端末装置12の制御部38は、図4に示すように、画面40をUI部28の表示部に表示させる。画面40は、正当性の判断対象の著作物データを指定し、正当性の判断の実行を指示するための画面である。画面40には、入力欄42と送信ボタン44とが表示されている。入力欄42は、正当性の判断対象の著作物データの名称や、当該著作物データが記憶されている場所を示す情報(例えばパス等)が入力される欄である。ユーザはUI部28を操作して、正当性の判断対象の著作物データの名称やパスを入力欄42に入力する。これにより、正当性の判断対象の著作物データがユーザによって指定される。ユーザが送信ボタン44を押すと、端末装置12の通信部26は、制御部38の制御の下、正当性の判断対象の著作物データを判断装置10に送信する。著作物データに付帯する属性情報も、端末装置12から判断装置10に送信される。
【0124】
なお、正当性の判断が行われる前においては、処理部32の処理の実行が制限されている場合、その旨を示す情報や、制限されている処理を示す情報や、制限されていない処理を示す情報等が、画面40に表示されてもよい。
【0125】
正当性の判断対象の著作物データが端末装置12から判断装置10に送信されると、判断装置10の受付部16は、当該著作物データを受け付ける。著作物データには属性情報が付帯しているため、受付部16は、当該属性情報も受け付ける。
【0126】
判断部20は、判断基準情報に基づいて、判断対象の著作物データの正当性を判断する。
【0127】
実施例1においては、その判断結果を示す情報が、判断装置10から端末装置12に送信される。
【0128】
実施例2においては、その判断結果を示す情報が付された著作物データが、判断装置10から端末装置12に送信される。
【0129】
端末装置12においては、その判断結果を示す情報がUI部28の表示部に表示される。
【0130】
判断対象の著作物データが正当であると判断された場合、例えば図5に示されている画面46が、UI部28の表示部に表示される。画面46には、判断対象の著作物データが正当であることを示す情報が表示される。また、著作物データが正当である場合に、処理部32の処理の実行が制限されない場合、処理は制限されないことを示す情報が、画面46に表示されてもよい。
【0131】
判断対象の著作物データが正当ではないと判断された場合、例えば図6に示されている画面48が、UI部28の表示部に表示される。画面48には、判断対象の著作物データが正当ではないことを示す情報(例えば、判断対象の著作物データが不当であることを示す情報)が表示される。また、著作物データが正当ではない場合に、処理部32の処理の実行が制限される場合、処理が制限されること示す情報が、画面48に表示される。また、実行が禁止される処理を示す情報が画面48に表示されてもよい。図6に示す例では、著作物データの複製や送信等が禁止されており、そのことを示す情報が画面48に表示されている。
【0132】
上記の判断装置10及び端末装置12の各部の機能は、一例としてハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、判断装置10及び端末装置12は、図示しないCPU等の1又は複数のプロセッサを有している。当該1又は複数のプロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、判断装置10及び端末装置12の各部の機能が実現される。上記プログラムは、CD又はDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、記憶装置に記憶される。別の例として、判断装置10及び端末装置12の各部の機能は、例えばプロセッサ、電子回路又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア資源により実現されてもよい。その実現においてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。更に別の例として、判断装置10及び端末装置12の各部の機能は、DSP(Digital Signal Processor)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現されてもよい。
【符号の説明】
【0133】
10 判断装置、12 端末装置、20 判断部、22 管理部、32 処理部、34 許可部、36 通知部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6