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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】印刷システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20231219BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231219BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G06F3/12 365
G06F3/12 368
G06F3/12 374
G06F3/12 387
G06F3/12 388
G06F3/12 308
B41J29/38 201
H04N1/00 127A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019135281
(22)【出願日】2019-07-23
(65)【公開番号】P2021018712
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2022-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 奈津子
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-108950(JP,A)
【文献】特開2006-115020(JP,A)
【文献】特開2006-018463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/12
B41J29/00-29/70
H04N1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブを作成し、送信するユーザー端末と、
前記ユーザー端末から前記印刷ジョブを受信し、中継先である印刷装置が実現可能な機能よりも限定された限定機能を指示する前記印刷ジョブを前記印刷装置に送信し、前記限定機能以外の機能を指示する前記印刷ジョブを前記印刷装置に送信しない中継部と、
前記限定機能以外の機能を指示する第1印刷ジョブが格納される格納部と、
前記中継部から、前記第1印刷ジョブの格納先を示す格納先情報が組み込まれた印刷データを含む第2印刷ジョブを受信する受信部と、前記格納先情報が示す格納先から前記第1印刷ジョブを取得する取得部と、前記第1印刷ジョブに含まれる前記限定機能以外の機能を指示に基づいて印刷を実行する印刷部と、を有する前記印刷装置と、
を備え、
前記ユーザー端末は、前記第1印刷ジョブを定められた格納先に格納させ、前記格納先を示す格納先情報が組み込まれた印刷データを含む前記第2印刷ジョブを作成して、当該第2印刷ジョブを前記中継部に送信する印刷システム。
【請求項2】
前記印刷部は、前記第2印刷ジョブに基づく印刷を実行しない請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記印刷部は、前記格納先情報を読み取った後、前記第2印刷ジョブを削除する請求項1又は請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記格納先情報は、マトリックス型の二次元コードである請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記第2印刷ジョブには、前記第1印刷ジョブの内容が含まれており、
前記第1印刷ジョブの内容は、前記第1印刷ジョブに含まれる印刷データである請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記第1印刷ジョブの内容は、前記第1印刷ジョブに含まれる印刷データの一部を含まない請求項5に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記印刷装置は、前記格納部に前記第1印刷ジョブに基づく印刷状況を送信する送信部を有する請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記送信部は、前記第1印刷ジョブに基づく印刷が実行された後、前記格納部に印刷完了の情報を送信する請求項7に記載の印刷システム。
【請求項9】
前記格納部は、前記印刷完了の情報を受領した後、前記第1印刷ジョブを削除する請求項8に記載の印刷システム。
【請求項10】
前記格納部は、前記ユーザー端末に前記第1印刷ジョブに基づく印刷状況を通知するための通知部を備える請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項11】
前記通知部は、前記ユーザー端末からの問い合わせに応じて、前記ユーザー端末に前記第1印刷ジョブに基づく印刷状況を通知する請求項10に記載の印刷システム。
【請求項12】
前記通知部は、前記格納部に前記第1印刷ジョブに基づく印刷状況を送信する送信部から印刷完了の情報を受領した後、前記ユーザー端末に印刷完了を通知する請求項10又は請求項11に記載の印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、1つ以上のプロセッサと、命令を格納するメモリとを有する印刷デバイスであって、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサにより処理された場合、クラウド印刷サービスプロバイダから、ロック印刷ジョブの印刷ジョブ設定データを受信させ、ただし、前記印刷ジョブ設定データは、ユーザを識別するデータと、前記ロック印刷ジョブに関連する印刷データの前記クラウド印刷サービスプロバイダにおける格納位置とを含み、前記印刷データは、前記印刷デバイスにより処理された場合、前記印刷データに表された電子ドキュメントの印刷したものを生成させ、前記印刷ジョブ設定データに少なくとも部分的に基づいて、前記印刷データの期限の推定時刻を決定させ、前記印刷データの前記期限の推定時刻が現在時刻の指定期間内にあることを決定することにより、前記期限の推定時刻に基づいて、前記印刷データが期限近くになっていることを検出させ、前記印刷データが期限近くになっていることを検出したことに応じて、前記印刷データが期限近くになっていることを示す警告を前記ユーザに送信させる印刷デバイスが開示されている。
【0003】
特許文献2には、プリントサービスシステムを用いた印刷を指示する情報処理装置と、前記プリントサービスシステムから送信された印刷データを受信して印刷する画像形成装置と、を含み、前記情報処理装置は、前記画像形成装置から、プリントサービスシステムにおける当該画像形成装置の識別情報を近接通信により取得する識別情報取得手段と、取得した識別情報に対応する画像形成装置の印刷に関する能力を表す能力情報を、前記プリントサービスシステムから取得する印刷機能情報取得手段と、取得した前記能力情報を用いて、ユーザから印刷設定を受け付ける印刷設定受付手段と、受け付けた印刷設定の情報を前記画像形成装置に伝達するための処理を行う伝達処理手段と、を有し、前記画像形成装置は、近接通信により前記情報処理装置に対して、プリントサービスシステムにおける自装置の識別情報を提供する提供手段、を有することを特徴とする印刷システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許2015-165394号公報
【文献】特許2017-139013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、サーバーが印刷装置を管理し、ユーザー端末からの印刷ジョブを中継して、印刷装置に印刷させるクラウドサービスがある。管理される印刷装置が複数の場合、複数の印刷装置の機能が一律とは限らない。このような場合、サーバーは、印刷装置が最低限実行可能な機能に限定して、ユーザー端末から印刷ジョブを受け付ける。換言すると、サーバーは、限定された機能に含まれない機能を指示する印刷ジョブを印刷装置に中継しない。これでは、印刷ジョブにより指示された機能を達成できる印刷装置がサーバーに管理されていたとしても、当該印刷ジョブを印刷装置に送信することはできない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、中継部が印刷ジョブを中継する場合であって、限定された機能に含まれない機能の利用をユーザーが要求する場合でも、当該要求に基づく印刷を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様に係る印刷システムは、ユーザー端末から印刷ジョブを受信し、中継先である印刷装置が実現可能な機能よりも限定された限定機能を指示する前記印刷ジョブを前記印刷装置に送信し、前記限定機能以外の機能を指示する前記印刷ジョブを前記印刷装置に送信しない中継部と、前記中継部から、第1印刷ジョブの格納先を示す格納先情報が組み込まれた印刷データを含む第2印刷ジョブを受信する受信部と、前記格納先情報が示す格納先から前記第1印刷ジョブを取得する取得部と、前記第1印刷ジョブに基づく印刷を実行する印刷部と、を有する印刷装置と、を備えている
【0008】
第2態様に係る印刷システムは、第1態様に係る印刷システムにおいて、前記印刷部は、前記第2印刷ジョブに基づく印刷を実行しない。
【0009】
第3態様に係る印刷システムは、第2態様に係る印刷システムにおいて、前記印刷部は、前記格納先情報を読み取った後、前記第2印刷ジョブを削除する。
【0010】
第4態様に係る印刷システムは、第1態様から第3態様までのいずれか1つの態様に係る印刷システムにおいて、前記格納先情報は、マトリックス型の二次元コードである。
【0011】
第5態様に係る印刷システムは、第1態様から第4態様までのいずれか1つの態様に係る印刷システムにおいて、前記第2印刷ジョブには、前記第1印刷ジョブの内容が含まれる。
【0012】
第6態様に係る印刷システムは、第5態様に係る印刷システムにおいて、前記第1印刷ジョブの内容は、前記第1印刷ジョブに含まれる印刷データである。
【0013】
第7態様に係る印刷システムは、第6態様に係る印刷システムにおいて、前記第1印刷ジョブの内容は、前記第1印刷ジョブに含まれる印刷データの一部を含まない。
【0015】
態様に係る印刷システムは、第1態様から第7態様までのいずれか1つの態様に記載の印刷装置と、印刷ジョブを作成し、送信するユーザー端末と、前記ユーザー端末から前記印刷ジョブを受信し、中継先である前記印刷装置が実現可能な機能よりも限定された限定機能を指示する前記印刷ジョブを前記印刷装置に送信し、前記限定機能以外の機能を指示する前記印刷ジョブを前記印刷装置に送信しない中継部と、を有し、前記ユーザー端末は、前記限定機能以外の機能を指示する第1印刷ジョブを定められた格納先に格納させ、前記格納先を示す格納先情報が組み込まれた印刷データを含む第2印刷ジョブを作成して、当該第2印刷ジョブを前記中継部に送信する。
【0016】
態様に係る印刷システムは、第態様に係る印刷システムにおいて、前記第1印刷ジョブが格納される格納部を有し、前記印刷装置は、前記格納部に前記第1印刷ジョブに基づく印刷状況を送信する送信部を有する。
【0017】
10態様に係る印刷システムは、第態様に係る印刷システムにおいて、前記送信部は、前記第1印刷ジョブに基づく印刷が実行された後、前記格納部に印刷完了の情報を送信する。
【0018】
11態様に係る印刷システムは、第10態様に係る印刷システムにおいて、前記格納部は、前記印刷完了の情報を受領した後、前記第1印刷ジョブを削除する。
【0019】
12態様に係る印刷システムは、第態様から第11態様までのいずれか1つの態様に係る印刷システムにおいて、前記格納部は、前記ユーザー端末に前記第1印刷ジョブに基づく印刷状況を通知するための通知部を備える。
【0020】
13態様に係る印刷システムは、第12態様に係る印刷システムにおいて、前記通知部は、前記ユーザー端末からの問い合わせに応じて、前記ユーザー端末に前記第1印刷ジョブに基づく印刷状況を通知する。
【0021】
14態様に係る印刷システムは、第12態様又は第13態様に係る印刷システムにおいて、前記通知部は、前記送信部から印刷完了の情報を受領した後、前記ユーザー端末に印刷完了を通知する。
第15態様に係るプログラムは、コンピュータを、第1態様から請求項12までのいずれか1項に記載の印刷システムの各部として機能させる。
【発明の効果】
【0022】
第1態様によれば、中継部が印刷ジョブを中継する場合であって、限定された機能に含まれない機能の利用をユーザーが要求する場合でも、当該要求に基づく印刷を実現する。
【0023】
第2態様によれば、第2印刷ジョブに基づく印刷が実行される場合と比較して、格納先情報が組み込まれた印刷データが印刷されることがない。
【0024】
第3態様によれば、第2印刷ジョブを削除しない場合と比較して、格納先情報が組み込まれた印刷データが蓄積されることがない。
【0025】
第4態様によれば、格納先情報をバーコードで記載する場合と比較して、格納先情報の情報量が多くなる。
【0026】
第5態様によれば、第2印刷ジョブに第1印刷ジョブの内容が含まれない場合と比較して、第2印刷ジョブにより何を印刷したのかを確認することができる。
【0027】
第6態様によれば、第1印刷ジョブの内容が第1印刷ジョブに含まれる印刷データでない場合と比較して、第2印刷ジョブにより印刷される印刷データを目視にて確認することができる。
【0028】
第7態様によれば、第1印刷ジョブの内容が第1印刷ジョブに含まれる印刷データのすべてを含む場合と比較して、第1印刷ジョブの内容のデータ容量が削減される。
【0030】
態様によれば、中継部が印刷ジョブを中継する場合であって、限定された機能に含まれない機能の利用をユーザーが要求する場合でも、当該要求に基づく印刷を実現する。
【0031】
態様によれば、印刷装置が格納部に第1印刷ジョブに基づく印刷状況を送信しない場合と比較して、格納部を介してユーザーが印刷状況を確認しうる。
【0032】
10態様によれば、格納部に印刷完了の情報を送信しない場合と比較して、格納部を介してユーザーが印刷完了を確認しうる。
【0033】
11態様によれば、格納部が印刷完了の情報を受領した後に第1印刷ジョブを削除しない場合と比較して、格納部に第1印刷ジョブのデータが蓄積されることが抑制される。
【0034】
12態様によれば、格納部がユーザー端末に印刷状況を通知しない場合と比較して、ユーザーが印刷状況を確認しうる。
【0035】
13態様によれば、ユーザー端末からの問い合わせに応じて印刷状況を通知しない場合と比較して、ユーザーが知りたいときに印刷状況を確認しうる。
【0036】
14態様によれば、ユーザー端末に印刷完了を通知しない場合と比較して、ユーザーが印刷完了を確認しうる。
第15態様によれば、中継部が印刷ジョブを中継する場合であって、限定された機能に含まれない機能の利用をユーザーが要求する場合でも、当該要求に基づく印刷を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】第1実施形態に係る印刷システムの概略構成を示す図である。
図2】ユーザー端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】クラウドストレージのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】印刷装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5】ユーザー端末の機能構成の例を示すブロック図である。
図6】クラウドストレージの機能構成の例を示すブロック図である。
図7】印刷装置の機能構成の例を示すブロック図である。
図8】ユーザー端末が担当する印刷処理の流れを示すフローチャートである。
図9】印刷装置が担当する印刷処理の流れを示すフローチャートである。
図10】印刷システムによるユーザー端末とサーバーと印刷装置とクラウドストレージとの間での印刷処理の流れの一例を示す第1のシーケンス図である。
図11】クラウドストレージが担当する印刷処理の流れを示すフローチャートである。
図12】印刷システムによるユーザー端末と印刷装置とクラウドストレージとの間での印刷処理の流れの一例を示す第2のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の技術の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0039】
図1は、本実施形態に係る印刷システムの概略構成を示す図である。
【0040】
図1に示すように、印刷システム1は、ユーザー端末10と、中継部の一例としてのサーバー20と、格納先の一例としてのクラウドストレージ30と、印刷装置40と、を含む。
【0041】
印刷システム1は、一例として、ユーザー端末10と、ユーザー端末10とは異なる場所にある印刷装置40と、クラウドを利用した印刷サービスを提供するサーバー20と、クラウドを利用した格納サービスを提供するクラウドストレージ30とが、インターネット、有線又は無線のネットワークを介して接続されるシステムである。図1では、印刷システム1は、一例として、無線のネットワークを介して接続されるシステムとして図示されている。
【0042】
ユーザー端末10は、印刷装置40で印刷される対象である第1印刷データD1を含む第1印刷ジョブJ1の作成及び管理を行う装置である。第1印刷データD1は、第1印刷ジョブJ1に含まれる印刷データの一例である。ユーザー端末10は、表示部16を有しており、表示部16に入力部が表示される構成とされている。ユーザー端末10は、例えば、表示部16に表示された入力部により第1印刷データD1を含む第1印刷ジョブJ1の作成を行い、第1印刷ジョブJ1に基づく画像が表示部16に表示される。第1印刷ジョブJ1には、印刷装置40で第1印刷データD1を印刷するにあたっての印刷設定の情報などが含まれる。本実施形態では、印刷設定の情報として、サーバー20が管理する印刷装置40が実現可能な機能よりも限定された機能である「限定機能」以外の機能を印刷装置40に実現させるための印刷設定の情報などを含む。第1印刷ジョブJ1の内容については、後に説明する。
【0043】
また、ユーザー端末10は、第1印刷ジョブJ1の格納先を示すマトリックス型の二次元コード60が組み込まれた第2印刷データD2を含む第2印刷ジョブJ2の作成を行う。マトリックス型の二次元コード60は、格納先情報の一例である。第2印刷データD2は、格納先情報が組み込まれた印刷データの一例である。ユーザー端末10は、例えば、表示部16に表示された入力部により第2印刷データD2を含む第2印刷ジョブJ2の作成を行い、第2印刷ジョブJ2に基づく画像が表示部16に表示される。
【0044】
第2印刷ジョブJ2は、「限定機能」を指示する印刷ジョブである。ユーザー端末10は、第2印刷データD2を含む第2印刷ジョブJ2を印刷ジョブと見せかけてサーバー20に送信する。ユーザー端末10の具体的な構成及び作用については、後述する。
【0045】
サーバー20は、クラウドを利用した印刷サービスを提供するクラウドサーバーである。サーバー20は、ユーザー端末10から送信された第2印刷データD2を含む第2印刷ジョブJ2を受信する。さらに、サーバー20は、第2印刷データD2を含む第2印刷ジョブJ2を印刷装置40に送信する。サーバー20は、「限定機能」を指示する印刷ジョブ(例えば、第2印刷ジョブJ2)を印刷装置40に送信し、上記「限定機能」以外の機能を指示する印刷ジョブ(例えば、第1印刷ジョブJ1)を印刷装置40に送信しない。
【0046】
クラウドストレージ30は、クラウドを利用した格納サービスを提供する外部記憶装置である。クラウドストレージ30は、ユーザー端末10から送信された第1印刷データD1を含む第1印刷ジョブJ1を格納する。また、クラウドストレージ30は、印刷装置40から第1印刷ジョブJ1の印刷状況を受信する。本実施形態では、クラウドストレージ30は、ユーザー端末10からの問い合わせに応じて、第1印刷ジョブJ1の印刷状況をユーザー端末10に通知する。クラウドストレージ30の具体的な構成及び作用については、後述する。
【0047】
印刷装置40は、ユーザー端末10からの指示に応じて記録媒体に印刷を実行させる装置である。印刷装置40は、サーバー20から送信された第2印刷ジョブJ2を受信し、第2印刷ジョブJ2の第2印刷データD2に組み込まれた格納先情報としてのマトリックス型の二次元コード60を読み取る。さらに、印刷装置40は、マトリックス型の二次元コード60で読み取られた格納先としてのクラウドストレージ30から第1印刷ジョブJ1を取得する。そして、印刷装置40は、第1印刷ジョブJ1に基づく第1印刷データD1の印刷を実行する。印刷装置40の具体的な構成及び作用については、後述する。
【0048】
図2は、ユーザー端末10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0049】
図2に示すように、ユーザー端末10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、表示部16及び通信インタフェース17の各構成を有する。各構成は、バス19を介して相互に通信可能に接続されている。
【0050】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12又はストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12又はストレージ14に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12又はストレージ14には、印刷プログラムが格納されている。
【0051】
ROM12は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。ストレージ14には、プリンタドライバのプログラムが格納されている。CPU11は、ストレージ14からプリンタドライバのプログラムを読み出し、プログラムを実行することで、プリンタドライバとして機能する。
【0052】
表示部16は、例えば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部16には、タッチパネル方式が採用されており、表示部16の一部が入力部15として機能する。入力部15は、各種の入力を行うために使用される。なお、入力部15は、タッチパネル方式に代えて、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボードを含む構成でもよい。
【0053】
通信インタフェース17は、サーバー20、クラウドストレージ30等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0054】
図3は、クラウドストレージ30のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0055】
図3に示すように、クラウドストレージ30は、CPU31、ROM32、RAM33、ストレージ34、及び通信インタフェース35の各構成を有する。各構成は、バス39を介して相互に通信可能に接続されている。
【0056】
CPU31は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU31は、ROM32又はストレージ34からプログラムを読み出し、RAM33を作業領域としてプログラムを実行する。CPU31は、ROM32又はストレージ34に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM32又はストレージ34には、印刷プログラムが格納されている。
【0057】
ROM32は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM33は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ34は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0058】
通信インタフェース35は、ユーザー端末10、印刷装置40等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0059】
図4は、印刷装置40のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0060】
図4に示すように、印刷装置40は、CPU41、ROM42、RAM43、ストレージ44、操作パネル45、印刷部46、及び通信インタフェース47の各構成を有する。各構成は、バス49を介して相互に通信可能に接続されている。
【0061】
CPU41は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU41は、ROM42又はストレージ44からプログラムを読み出し、RAM43を作業領域としてプログラムを実行する。CPU41は、ROM42又はストレージ44に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM42又はストレージ44には、印刷プログラムが格納されている。
【0062】
ROM42は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM43は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ44は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0063】
操作パネル45は、入力部45Aと表示部45Bとを有する。表示部45Bは、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部45Bには、タッチパネル方式が採用されており、表示部45Bの一部が入力部45Aとして機能する。
【0064】
印刷部46は、第1印刷ジョブJ1に基づく第1印刷データD1を記録媒体に印刷する。印刷部46は、例えば、電子写真方式により記録媒体に第1印刷データD1を印刷、すなわち、第1印刷データD1を形成する。印刷部46は、トナー像を形成するプロセスユニット、トナー像を記録媒体に転写する転写ユニット、記録媒体に転写されたトナー像を記録媒体に定着させる定着ユニットなどを備える。なお、印刷部46は、電子写真方式に代えて、インクジェット方式により記録媒体に第1印刷データD1を形成する方式でもよい。
【0065】
通信インタフェース47は、サーバー20等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0066】
次に、ユーザー端末10、クラウドストレージ30及び印刷装置40の機能構成について説明する。
【0067】
図5は、ユーザー端末10の機能構成の例を示すブロック図である。
【0068】
図5に示すように、ユーザー端末10は、機能構成として、第1印刷データ作成部101、第1印刷ジョブ作成部102、第1印刷ジョブ格納先送信部103、格納先情報作成部104、第2印刷データ作成部105、第2印刷ジョブ作成部106、第2印刷ジョブ送信部107及び問合せ部108を有する。各機能構成は、CPU11がROM12又はストレージ14に記憶された印刷プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより実現される。
【0069】
第1印刷データ作成部101は、印刷装置40で印刷される対象となる第1印刷データD1(図1参照)の作成を行う。ユーザーは、ユーザー端末10の入力部15を用いてデータを入力することにより、第1印刷データD1を作成してもよいし、ユーザー端末10の通信インタフェース17により他の機器から受信されたデータを用いて第1印刷データD1を作成してもよい。
【0070】
第1印刷ジョブ作成部102は、第1印刷データD1を含む第1印刷ジョブJ1を作成する。第1印刷ジョブJ1には、第1印刷データD1を印刷するための印刷設定が含まれる。この印刷設定には、印刷装置40が実現可能な機能と、印刷装置40が実現可能な機能よりも限定された「限定機能」と、を含む。ここで、「限定機能」は、汎用の印刷装置に共通して実行可能な機能としてサーバー20により定められた機能であり、例えば、カラー/白黒の設定、用紙サイズの設定、印刷部数の設定などが含まれる。本実施形態では、サーバー20から取得された限定機能がROM12又はストレージ14に記憶されている。「限定機能」以外の印刷装置40が実現可能な機能としては、例えば、特定のユーザーのみに印刷実行処理を許可する認証、ページ毎の色設定、第1印刷ジョブJ1内の両面切り替え、画像補正指示、又はホッチキス止めやパンチによる穴あけなどの後処理などが含まれる。
【0071】
第1印刷ジョブ格納先送信部103は、第1印刷データD1と印刷設定を含む第1印刷ジョブJ1をクラウドストレージ30に送信する。
【0072】
格納先情報作成部104は、第1印刷ジョブJ1の格納先であるクラウドストレージ30を示す格納先情報を作成する。本実施形態では、格納先情報として、格納先URL(Uniform Resource Locator)と、ネットワークを利用するのに必要な権利であるアカウント情報とを示すマトリックス型の二次元コード60(図1参照)を作成する。マトリックス型の二次元コード60としては、例えば、QRコード(登録商標)などが該当する。
【0073】
第2印刷データ作成部105は、マトリックス型の二次元コード60が組み込まれた第2印刷データD2(図1参照)を作成する。本実施形態では、第2印刷データD2は、1枚目のページにマトリックス型の二次元コード60が組み込まれた印刷データである。
【0074】
第2印刷ジョブ作成部106は、第2印刷データD2を含む第2印刷ジョブJ2を作成する。第2印刷ジョブJ2は、「限定機能」を指示する第2印刷データD2の印刷設定と、第1印刷ジョブJ1の内容とを含む。第1印刷ジョブJ1の内容は、例えば、第1印刷ジョブJ1の名前(例えば、印刷対象のファイル名)、印刷対象である第1印刷データD1などである。これにより、第2印刷ジョブJ2がユーザー端末10からサーバー20を介して印刷装置40に送信され、印刷装置40によって第1印刷ジョブJ1に基づく印刷が実行されるときに、印刷対象となる第1印刷データD1の内容が分かる。第1印刷ジョブJ1の内容は、第2印刷ジョブJ2のデータ容量を低減する観点から、印刷対象である第1印刷データD1の一部であることが好ましく、第1印刷データD1の1ページのみであることがより好ましく、第1印刷データD1の1枚目のページのみであることがさらに好ましい。
【0075】
第2印刷ジョブ送信部107は、第2印刷データD2を含む第2印刷ジョブJ2をサーバー20に送信する。すなわち、第2印刷ジョブ送信部107は、マトリックス型の二次元コード60が組み込まれた第2印刷データD2を含む第2印刷ジョブJ2を、印刷ジョブと見せかけてサーバー20に送信する。
【0076】
問合せ部108は、クラウドストレージ30に第1印刷ジョブJ1に基づく印刷状況の問合せを行う(ポーリング)。
【0077】
図6は、クラウドストレージ30の機能構成の例を示すブロック図である。
【0078】
図6に示すように、クラウドストレージ30は、機能構成として、格納部の一例としての第1印刷ジョブ格納部301、第1印刷ジョブ送信部302、第1印刷ジョブ削除部303、印刷状況受信部304及び通知部の一例としての印刷状況通知部305を有する。各機能構成は、CPU31がROM32又はストレージ34に記憶された印刷プログラムを読み出して、RAM33に展開して実行することにより実現される。
【0079】
第1印刷ジョブ格納部301は、ユーザー端末10から送信された第1印刷ジョブJ1を格納する。
【0080】
第1印刷ジョブ送信部302は、印刷装置40からの要求に応じて、第1印刷ジョブ格納部301に格納された第1印刷ジョブJ1を印刷装置40に送信する。
【0081】
第1印刷ジョブ削除部303は、第1印刷ジョブ格納部301に格納された第1印刷ジョブJ1を削除する。本実施形態では、第1印刷ジョブ削除部303は、印刷状況受信部304から印刷完了の情報を受領した後、第1印刷ジョブ格納部301に格納された第1印刷ジョブJ1を削除する。なお、他の例として、第1印刷ジョブ削除部303は、印刷装置40から削除の要求があったときに、第1印刷ジョブ格納部301に格納された第1印刷ジョブJ1を削除してもよい。
【0082】
印刷状況受信部304は、印刷装置40から第1印刷ジョブJ1に基づき実行される印刷の印刷状況を受信する。
【0083】
印刷状況通知部305は、ユーザー端末10の問合せ部108からの問合せに応じて、第1印刷ジョブJ1に基づき実行される印刷の印刷状況を通知する。
【0084】
図7は、印刷装置40の機能構成の例を示すブロック図である。
【0085】
図7に示すように、印刷装置40は、機能構成として、第2印刷ジョブ受信部401、格納先情報読み取り部402、第2印刷ジョブ削除部403、第1印刷ジョブ取得部404、印刷部405及び送信部の一例としての印刷状況送信部406を有する。各機能構成は、CPU41がROM42又はストレージ44に記憶された印刷プログラムを読み出して、RAM43に展開して実行することにより実現される。
【0086】
第2印刷ジョブ受信部401は、サーバー20が送信した第2印刷ジョブJ2を受信する。
【0087】
格納先情報読み取り部402は、第2印刷ジョブJ2の第2印刷データD2に組み込まれたマトリックス型の二次元コード60を読み取る。本実施形態では、マトリックス型の二次元コード60により、クラウドストレージ30を示す格納先URLとアカウント情報とが読み取られる。
【0088】
第2印刷ジョブ削除部403は、第2印刷ジョブJ2を削除する。本実施形態では、マトリックス型の二次元コード60により第1印刷ジョブJ1の格納先が読み取られた後、第2印刷ジョブJ2を削除する。
【0089】
第1印刷ジョブ取得部404は、格納先情報読み取り部402によって読み取られた格納先であるクラウドストレージ30から第1印刷ジョブJ1を取得する。
【0090】
印刷部405は、第1印刷ジョブJ1に基づく第1印刷データD1の印刷を実行する。第1印刷ジョブJ1は、サーバー20に中継されない上記「限定機能」以外の機能を指示する印刷設定を含んでいる。
【0091】
印刷状況送信部406は、第1印刷ジョブJ1に基づく第1印刷データD1の印刷状況をクラウドストレージ30に送信する。例えば、印刷状況送信部406は、印刷待ち、印刷中、又は印刷完了などの印刷状況をクラウドストレージ30に送信する。
【0092】
次に、印刷システムの作用について説明する。
【0093】
印刷システム1全体で実行される印刷処理は、ユーザー端末10、サーバー20、クラウドストレージ30及び印刷装置40に分担される。したがって、以下では、ユーザー端末10、サーバー20、クラウドストレージ30及び印刷装置40が担当する印刷処理の部分について説明する。
【0094】
図8は、ユーザー端末10が担当する印刷処理の流れを示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から印刷プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、印刷処理が行なわれる。
【0095】
図8に示す印刷処理が実行される前に、ユーザーは、予めユーザー端末10にて第1印刷データD1(図1参照)の作成を行っておく。第1印刷データD1を印刷装置40により印刷したいときに、図8に示す印刷処理が実行される。ユーザーは、ユーザー端末10の入力部15により、印刷対象となる第1印刷データD1を指定すると共に、第1印刷データD1を印刷するための印刷設定及び印刷指示を入力する。
【0096】
ユーザーにより第1印刷データD1の指定、印刷設定及び印刷指示が入力されると、CPU11は、印刷指示を受け付ける(ステップS101)。
【0097】
CPU11は、第1印刷データD1を印刷するための第1印刷ジョブJ1を作成する(ステップS102)。第1印刷ジョブJ1には、第1印刷データD1と、サーバー20が管理する上記「限定機能」以外の機能を印刷装置40に実現させるための印刷設定の情報とが含まれる。上記「限定機能」以外の印刷設定として、例えば、特定のユーザーのみに印刷を許可する認証、ページ毎の色設定などが含まれる。
【0098】
CPU11は、第1印刷ジョブJ1を格納先であるクラウドストレージ30に格納する(ステップS103)。
【0099】
CPU11は、クラウドストレージ30から格納先情報を取得したか否か判断する(ステップS104)。本実施形態では、格納先情報として、クラウドストレージ30を示す格納先URLとアカウント情報とを取得する。格納先情報を取得していない場合(ステップS104:NO)、CPU11は、格納先情報を取得するまで待機する。
【0100】
格納先情報を取得した場合(ステップS104:YES)、CPU11は、格納先を示すマトリックス型の二次元コード60を作成する(ステップS105)。本実施形態では、格納先URLとアカウント情報とを示すマトリックス型の二次元コード60を作成する。マトリックス型の二次元コード60として、例えば、QRコード(登録商標)が作成される。マトリックス型の二次元コード60の作成は、ROM12又はストレージ14に記憶されている二次元コード作成プログラムにより実行される。
【0101】
CPU11は、マトリックス型の二次元コード60が組み込まれた第2印刷データD2を含む第2印刷ジョブJ2を作成する(ステップS106)。第2印刷ジョブJ2には、上記「限定機能」を指示する第2印刷データD2の印刷設定と、第1印刷ジョブJ1の内容(例えば、第1印刷データD1の1枚目のページ)とが含まれる。第2印刷ジョブJ2に第1印刷ジョブJ1の内容が含まれるので、例えば、第2印刷ジョブJ2を含むジョブリストを確認する際に、第1印刷ジョブJ1の内容をプレビューとして示すことにより、第2印刷ジョブJ2を通じて実際に印刷させたい印刷ジョブをユーザーに確認させられる。
【0102】
CPU11は、サーバー20に第2印刷ジョブJ2を送信する(ステップS107)。なお、後述するが、サーバー20は、ユーザー端末10から第2印刷ジョブJ2を送信した後、第2印刷ジョブJ2を印刷装置40に送信する(図10参照)。
【0103】
CPU11は、予め定められた時間が経過した後、格納先であるクラウドストレージ30に第1印刷ジョブJ1の印刷状況の問合せ(ポーリング)を行う(ステップS108)。定められた時間としては、例えば、サーバー20が第2印刷ジョブJ2を印刷装置40に送信し、印刷装置40が第2印刷ジョブJ2に含まれる二次元コード60から格納先情報を読み取り、第1印刷ジョブJ1を取得するまでにかかる通常の時間が予め設定されている。
【0104】
CPU11は、クラウドストレージ30から第1印刷ジョブJ1の印刷状況を受信する(ステップS109)。
【0105】
CPU11は、第1印刷ジョブJ1の印刷が完了したか否か判断する(ステップS110)。印刷が完了していない場合(ステップS110:NO)、ステップS108の処理に戻る。
【0106】
印刷が完了した場合(ステップS110:YES)、ユーザー端末10が担当する印刷プログラムに基づく処理を終了する。
【0107】
図9は、印刷装置40が担当する印刷処理の流れを示すフローチャートである。CPU41がROM42又はストレージ44から印刷プログラムを読み出して、RAM43に展開して実行することにより、印刷処理が行なわれる。
【0108】
CPU41は、サーバー20から第2印刷ジョブJ2を受信したか否か判断する(ステップS201)。第2印刷ジョブJ2を受信していない場合(ステップS201:NO)、CPU41は、受信するまで待機する。
【0109】
第2印刷ジョブJ2を受信した場合(ステップS201:YES)、CPU41は、第2印刷ジョブJ2を確認する(ステップS202)。本実施形態では、第2印刷ジョブJ2には、マトリックス型の二次元コード60が組み込まれた第2印刷データD2と、第1印刷ジョブJ1の内容(例えば、第1印刷データD1の1枚目のページ)などが含まれている。
【0110】
CPU41は、マトリックス型の二次元コード60から格納先情報を読み取る(ステップS205)。本実施形態では、格納先情報として、クラウドストレージ30を示す格納先URLとアカウント情報とが読み取られる。
【0111】
CPU41は、第2印刷ジョブJ2を削除する(ステップS204)。これにより、印刷装置40により、第2印刷ジョブJ2に基づく印刷が誤って実行されることが防止される。
【0112】
CPU41は、クラウドストレージ30から第1印刷ジョブJ1を取得する(ステップS205)。
【0113】
CPU41は、クラウドストレージ30に第1印刷ジョブJ1を取得したことを通知する(ステップS206)。このとき、CPU41は、クラウドストレージ30に第1印刷ジョブJ1の取得と共に、第1印刷ジョブJ1の印刷状況を通知してもよい。
【0114】
CPU41は、第1印刷ジョブJ1に基づく印刷を実行する(ステップS207)。これにより、上記「限定機能」以外の機能を指示する印刷設定により、記録媒体に第1印刷データD1が印刷される。
【0115】
CPU41は、格納先であるクラウドストレージ30に第1印刷ジョブJ1の印刷状況を送信する(ステップS208)。
【0116】
CPU41は、第1印刷ジョブJ1の印刷が完了したか否か判断する(ステップS209)。第1印刷ジョブJ1の印刷が完了していない場合(ステップS209:NO)、CPU41は、ステップS208の処理に戻る。
【0117】
第1印刷ジョブJ1の印刷が完了した場合(ステップS209:YES)、CPU41は、格納先であるクラウドストレージ30に第1印刷ジョブJ1の印刷完了を送信する(ステップS210)。これにより、印刷装置40が担当する印刷プログラムに基づく処理を終了する。
【0118】
ここで、図10を用いて、印刷システム1による印刷処理の流れを説明する。図10は、印刷システム1による印刷処理の流れの一例を示す第1のシーケンス図である。図10では、上述のユーザー端末10、サーバー20、クラウドストレージ30、及び印刷装置40の個々の印刷処理で説明したステップと同様のステップには同じ参照番号を付している。
【0119】
まず、ユーザー端末10は、印刷指示を受け付け(ステップS101)、第1印刷ジョブJ1を作成する(ステップS102)。さらに、ユーザー端末10は、第1印刷ジョブJ1をクラウドストレージ30に格納する(ステップS103)。
【0120】
クラウドストレージ30は、第1印刷ジョブJ1の格納先情報を送信する(ステップS302)。
【0121】
ユーザー端末10は、格納先情報を示すマトリックス型の二次元コード60を作成し(ステップS105)、マトリックス型の二次元コード60が組み込まれた第2印刷データD2を含む第2印刷ジョブJ2を作成する(ステップS106)。さらに、ユーザー端末10は、サーバー20に第2印刷ジョブJ2を送信する(ステップS107)。
【0122】
サーバー20は、ユーザー端末10から第2印刷ジョブJ2を受信する。本実施形態では、第2印刷ジョブJ2には、上記「限定機能」以外の機能を指示する印刷設定が含まれていない。サーバー20は、第2印刷ジョブJ2を印刷装置40に送信する(ステップS122)。
【0123】
印刷装置40は、第2印刷ジョブJ2を確認し(ステップS202)、二次元コード60から格納先情報を読み取る(ステップS203)。さらに、印刷装置40は、第2印刷ジョブJ2を削除する(ステップS204)。
【0124】
印刷装置40は、クラウドストレージ30から第1印刷ジョブJ1を取得し(ステップS205)、第1印刷ジョブJ1に基づく印刷を実行する(ステップS207)。
【0125】
図11は、クラウドストレージ30が担当する印刷処理の流れを示すフローチャートである。CPU31がROM32又はストレージ34から印刷プログラムを読み出して、RAM33に展開して実行することにより、印刷処理が行なわれる。
【0126】
CPU31は、ユーザー端末10から第1印刷ジョブJ1が格納されたか否か判断する(ステップS301)。第1印刷ジョブJ1が格納されていない場合(ステップS301:NO)、CPU11は、第1印刷ジョブJ1が格納されるまで待機する。
【0127】
第1印刷ジョブJ1が格納された場合(ステップS301:YES)、CPU31は、ユーザー端末10に格納先情報を送信する(ステップS302)。本実施形態では、格納先情報として、格納先URLとアカウント情報を送信する。
【0128】
CPU31は、印刷装置40から第1印刷ジョブJ1の取得要求が有るか否か判断する(ステップS303)。第1印刷ジョブJ1の取得要求が無い場合(ステップS303:NO)、CPU11は、第1印刷ジョブJ1の取得要求が有るまで待機する。
【0129】
第1印刷ジョブJ1の取得要求が有る場合(ステップS303:YES)、CPU31は、印刷装置40に第1印刷ジョブJ1を送信する(S304)。
【0130】
CPU31は、印刷装置40から第1印刷ジョブJ1の受取り通知を受領する(ステップS305)。このとき、印刷装置40から第1印刷ジョブJ1の取得通知の受領と共に第1印刷ジョブJ1の印刷状況が受信されるようにしてもよい。
【0131】
CPU31は、印刷装置40から第1印刷ジョブJ1の印刷状況を受信する(ステップS306)。
【0132】
CPU31は、ユーザー端末10から第1印刷ジョブJ1の印刷状況の問合せ(ポーリング)が有るか否か判断する(ステップS307)。ユーザー端末10から第1印刷ジョブJ1の印刷状況の問合せが無い場合(ステップS307:NO)、CPU31は、ステップS306の処理に戻る。
【0133】
ユーザー端末10から第1印刷ジョブJ1の印刷状況の問合せが有る場合(ステップS307:YES)、CPU31は、ユーザー端末10に第1印刷ジョブJ1の印刷状況を通知する(S308)。
【0134】
CPU31は、印刷装置40から第1印刷ジョブJ1の印刷完了を受信したか否か判断する(ステップS309)。印刷装置40から第1印刷ジョブJ1の印刷完了を受信していない場合(ステップS309:NO)、CPU31は、ステップS306の処理に戻る。
【0135】
印刷装置40から第1印刷ジョブJ1の印刷完了を受信した場合(ステップS309:YES)、CPU31は、第1印刷ジョブJ1を削除する(S310)。これにより、クラウドストレージ30が担当する印刷プログラムに基づく処理を終了する。
【0136】
ここで、図12を用いて、印刷システム1による印刷処理の流れを説明する。図12は、印刷システム1による印刷処理の流れの一例を示す第2のシーケンス図であり、図10に示す印刷システム1による印刷処理の流れの後に実行される。図12では、上述のユーザー端末10、クラウドストレージ30、及び印刷装置40の個々の印刷処理で説明したステップと同様のステップには同じ参照番号を付している。
【0137】
印刷装置40は、クラウドストレージ30に第1印刷ジョブJ1の受取りを通知する(ステップS206)。このとき、印刷装置40は、クラウドストレージ30に第1印刷ジョブJ1の印刷状況(本例では印刷待ち状態)を送信してもよい。
【0138】
この状態で、ユーザー端末10がクラウドストレージ30に第1印刷ジョブJ1の印刷状況の問合せ(ポーリング)を行うと(ステップS108)、クラウドストレージ30は、ユーザー端末10に第1印刷ジョブJ1の印刷状況(本例では印刷待ち状態)を通知する。
【0139】
印刷装置40は、第1印刷ジョブJ1に基づく印刷を実行する(ステップS207)。印刷装置40は、クラウドストレージ30に第1印刷ジョブJ1の印刷状況(本例では印刷中状態)を送信する(ステップS208)。
【0140】
この状態で、ユーザー端末10がクラウドストレージ30に第1印刷ジョブJ1の印刷状況の問合せ(ポーリング)を行うと(ステップS108)、クラウドストレージ30は、ユーザー端末10に第1印刷ジョブJ1の印刷状況(本例では印刷中状態)を通知する。
【0141】
印刷装置40は、第1印刷ジョブJ1の印刷が完了すると、クラウドストレージ30に第1印刷ジョブJ1の印刷完了を送信する(ステップS210)。クラウドストレージ30は、第1印刷ジョブJ1の印刷完了が受領されると、第1印刷ジョブJ1を削除する(ステップS310)。
【0142】
この状態で、ユーザー端末10がクラウドストレージ30に第1印刷ジョブJ1の印刷状況の問合せ(ポーリング)を行うと(ステップS108)、クラウドストレージ30は、ユーザー端末10に第1印刷ジョブJ1の印刷状況(本例では印刷完了)を通知する。
【0143】
なお、本実施形態では、格納先を示すマトリックス型の二次元コード60が組み込まれた第2印刷データD2を含む第2印刷ジョブJ2を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、格納先を示す注釈(すなわち、アノテーション)が組み込まれた印刷データを含む第2印刷ジョブを用いてもよい。
【0144】
また、印刷装置40では、格納先情報を読み取った後、第2印刷ジョブJ2を削除したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、印刷装置40では、格納先情報を読み取った後、第2印刷ジョブJ2の印刷を実行しないような処理を行ってもよい。
【0145】
また、印刷装置40は、第1印刷ジョブJ1のすべての印刷が完了したときにクラウドストレージ30に第1印刷ジョブJ1の印刷完了を送信したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、印刷装置40は、第2印刷ジョブJ2を削除したときに、クラウドストレージ30に第1印刷ジョブJ1の印刷完了を送信してもよい。
【0146】
また、印刷システム1では、ユーザー端末10からクラウドストレージ30に第1印刷ジョブJ1の印刷状況の問合せ(ポーリング)を行ったときに、ユーザー端末10に第1印刷ジョブJ1の印刷状況が通知されたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ユーザー端末10から第1印刷ジョブJ1の印刷状況の問合せ(ポーリング)が無い場合でも、クラウドストレージ30から定期的にユーザー端末10に第1印刷ジョブJ1の印刷状況が通知されるようにしてもよい。
【0147】
上記のユーザー端末10、印刷装置40の処理は、専用のハードウェア回路によっても実現することもできる。この場合には、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0148】
また、ユーザー端末10、印刷装置40を動作させるプログラムは、USB(Universal Serial Bus)メモリ、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、メモリ又はストレージ等に転送され記憶される。また、このプログラムは、たとえば、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、ユーザー端末10、印刷装置40の一機能としてその各装置のソフトウェアに組み込んでもよい。
【0149】
また、上記実施形態では、印刷装置40が1つであるが、本発明は、複数の印刷装置のうちの1つを選択する印刷システムにも適用可能である。
【0150】
ユニバーサルプリンタドライバがユーザー端末10にインストールされている場合にも同様のことができる。すなわち、ユニバーサルプリンタドライバは、色々な印刷装置に共通して使用できるプリンタドライバであるので、このプリンタドライバで指示できる印刷設定に限定されている。このような場合でも、限された機能以外の機能を指示する第1印刷ジョブをクラウドストレージ30に格納し、格納先情報が組み込まれた印刷データを含む第2印刷ジョブをサーバー20を介して印刷装置40に送信する。これにより、印刷装置40で、限定された機能以上の印刷設定で第1印刷ジョブの印刷を実行することができる。
【0151】
また、上記実施形態では、クラウドを利用したサービスを行うサーバー20が用いられているが、本発明はこれに限定するものではない。例えば、クラウドを利用したサービス以外の中継部が第2印刷ジョブを中継する場合でもよい。
【0152】
また、上記実施形態では、印刷装置40で印刷を実行するための第1印刷ジョブをクラウドストレージ30に格納したが、本発明はこれに限定するものではない。例えば、第1印刷ジョブをサーバー等の格納部に格納しておき、印刷装置40でリンク読み取りにより、第1印刷ジョブを取得してもよい。
【0153】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0154】
1 印刷システム
10 ユーザー端末
11、31、41 CPU
12、32、42 ROM
13、33、43 RAM
14、34、44 ストレージ
15 入力部
16 表示部
17、35、47 通信インタフェース
19、39、49 バス
20 サーバー(中継部の一例)
30 クラウドストレージ(格納先の一例)
40 印刷装置
45 操作パネル
45A 入力部
45B 表示部
46 印刷部
60 二次元コード(格納先情報の一例)
101 第1印刷データ作成部
102 第1印刷ジョブ作成部
103 第1印刷ジョブ格納先送信部
104 格納先情報作成部
105 第2印刷データ作成部
106 第2印刷ジョブ作成部
107 第2印刷ジョブ送信部
108 問合せ部
301 第1印刷ジョブ格納部(格納部の一例)
302 第1印刷ジョブ送信部
303 第1印刷ジョブ削除部
304 印刷状況受信部
305 印刷状況通知部
401 第2印刷ジョブ受信部
402 格納情報読み取り部
403 第2印刷ジョブ削除部
404 第1印刷ジョブ取得部
405 印刷部
406 印刷状況送信部
D1 第1印刷データ(第1印刷ジョブに含まれる印刷データの一例)
D2 第2印刷データ(格納先情報が組み込まれた印刷データの一例)
J1 第1印刷ジョブ
J2 第2印刷ジョブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12