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特許7404693用紙積載装置、画像形成システムおよび搬送制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】用紙積載装置、画像形成システムおよび搬送制御方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/00 20060101AFI20231219BHJP
   B65H 31/24 20060101ALI20231219BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20231219BHJP
   B41J 13/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
B65H31/00 Z
B65H31/24
G03G15/00 460
B41J13/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019137842
(22)【出願日】2019-07-26
(65)【公開番号】P2021020767
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱島 早紀
【審査官】山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-022574(JP,A)
【文献】特開2015-199597(JP,A)
【文献】特開2009-244978(JP,A)
【文献】特開2010-284276(JP,A)
【文献】特開2008-094584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/00
B65H 31/24
G03G 15/00
B41J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙を搬送する用紙搬送部と、
前記用紙搬送部により搬送された前記用紙を積載可能な第1積載トレイと、前記第1積載トレイに積載された前記用紙を受け取り積載された状態で外部に排出される第2積載トレイと、を含む用紙積載部と、
前記第2積載トレイに積載された用紙を取り出す際に開閉可能な開閉部と、
前記開閉部の開閉状態が全閉状態である場合、前記第1積載トレイに前記用紙を搬送し、前記開閉部の開閉状態が全開状態である場合、前記第1積載トレイに前記用紙を搬送せず、前記開閉部の開閉状態が前記全開状態と前記全閉状態との間の中間状態である場合、前記第1積載トレイに前記用紙を搬送するように前記用紙搬送部を制御する制御部と、
を備える用紙積載装置。
【請求項2】
記第2積載トレイに向けて前記第1積載トレイを移動させる第1移動部と、
前記用紙積載装置の外部に向けて前記第2積載トレイを移動させる第2移動部と、
を備える請求項に記載の用紙積載装置。
【請求項3】
前記開閉部の開閉状態を検知する第1検知部を備える、
請求項に記載の用紙積載装置。
【請求項4】
前記第1検知部は、
前記開閉部の開閉状態が前記全閉状態であるか否かを検知する全閉状態検知部と、
前記開閉部の開閉状態が前記全開状態であるか否かを検知する全開状態検知部と、
を備え、
前記制御部は、前記全閉状態検知部が前記全閉状態でないことを検知し、前記全開状態検知部が前記全開状態でないことを検知している場合、前記開閉部の開閉状態が前記中間状態であると判断する、
請求項に記載の用紙積載装置。
【請求項5】
前記第2積載トレイの位置を検知する第2検知部を備え、
前記制御部は、前記開閉部の開閉状態が前記中間状態であると判断した場合、前記第2積載トレイが装置本体内に収容されていないとの前記第2検知部の検知結果に対して前記第1積載トレイに前記用紙を搬送する決定をし、前記第2積載トレイが前記装置本体内に収容されているとの前記第2検知部の検知結果に対して、前記第1積載トレイに前記用紙を搬送しない決定する、
請求項に記載の用紙積載装置。
【請求項6】
前記全閉状態検知部、前記全開状態検知部、および前記第2検知部は、各々、前記開閉部の開閉状態、および前記第2積載トレイの位置に応じてON/OFFが切り替わるスイッチを有する、
請求項に記載の用紙積載装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記スイッチのON/OFFの組み合わせに基づいて前記用紙搬送部を制御する、
請求項に記載の用紙積載装置。
【請求項8】
前記スイッチは、機械的な動きにより前記ON/OFFが切り替えられる機械式スイッチである、
請求項又はに記載の用紙積載装置。
【請求項9】
用紙に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置によって前記画像が形成された前記用紙を積載する請求項1からのいずれか一項に記載の用紙積載装置と、
を備える画像形成システム。
【請求項10】
用紙を搬送する用紙搬送部と、
前記用紙搬送部により搬送された前記用紙を積載可能な第1積載トレイと、前記第1積載トレイに積載された前記用紙を受け取り積載された状態で外部に排出される第2積載トレイと、を含む用紙積載部と、
前記第2積載トレイに積載された用紙を取り出す際に開閉可能な開閉部と、
を備える用紙積載装置において実行される搬送制御方法であって、
前記開閉部の開閉状態が全閉状態である場合、前記第1積載トレイに前記用紙を搬送し、前記開閉部の開閉状態が全開状態である場合、前記第1積載トレイに前記用紙を搬送せず、前記開閉部の開閉状態が、前記全開状態と前記全閉状態との間の中間状態である場合、前記第1積載トレイに前記用紙を搬送する、
搬送制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙積載装置、画像形成システムおよび搬送制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真プロセス技術を利用した画像形成装置(プリンター、複写機、ファクシミリ等)は、帯電した感光体ドラム(像担持体)に対して、画像データに基づくレーザー光を照射(露光)することにより静電潜像を形成する。そして、静電潜像が形成された感光体ドラムへ現像装置よりトナーを供給することにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。さらに、このトナー像を直接または間接的に用紙に転写させた後、定着ニップで加熱、加圧して定着させることにより用紙にトナー像を形成する。
【0003】
このとき、画像形成装置の下流側に用紙積載装置が配置(連結接続)されている場合、トナー像が形成された用紙(以下、「印刷済み用紙」とも称する。)は、画像形成装置の排紙部から排紙されて、用紙積載装置内のトレイに積載される。一般に、用紙積載装置は、印刷済み用紙をトレイに積載および収納する機能を有する(例えば特許文献1を参照)。また、用紙積載装置は、用紙の積載量に応じてトレイ等の用紙積載部を昇降させることによって、用紙を大量に積載しつつ、積載された用紙の最上位の高さ位置を一定に保つ構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-94584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の多くの用紙積載装置では、自機の排紙口の下方にアームを設置し、アーム上にトレイを設置することで、かかるトレイ上に用紙の積載を行う方式が採用されている。このような用紙積載装置において用紙を装置外部へ運び出す際には、台車などの搬送機(キャリア)に付いているアームによって用紙積載装置の扉を開けて、キャリアを装置内部へ挿入し、積載された用紙をトレイ毎に受け取って運び出す。
【0006】
一方、かかる従来の用紙積載装置では、用紙が積載されたトレイごと台車に受け渡して運搬するため、トレイ上の用紙を取り除いてトレイを装置内に再セットするまでは、画像形成装置から排紙された用紙の受け入れ(積載)ができず、生産性が悪い問題が指摘されていた。
【0007】
上記のような課題を解決するため、用紙積載装置内に、画像形成装置から排出される用紙を一時的に積載する構成(第1トレイ等)と、該一時的に積載された用紙をキャリア等で運び出すために移し替える構成(第2トレイ等)と、を設けることが考えられる。このような構成とすることにより、積載工程と搬送工程とを別個(独立的)に扱うことができるため、生産性が向上することが見込まれる。
【0008】
一方、このような構成とした場合でも、搬送工程での扉の開閉の際、作業者の作業の安全性を確保するために、安全装置を作動させて装置を停止させる必要がある。ここで、装置が停止すると、搬送工程での生産性の向上が図れなくなるため、作業者の安全確保と生産性向上とのトレードオフの問題が発生する。
【0009】
本発明の目的は、作業者の安全確保を図りつつ生産性の向上を図ることが可能な用紙積載装置、画像形成システムおよび搬送制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る用紙積載装置は、
紙を搬送する用紙搬送部と、
前記用紙搬送部により搬送された前記用紙を積載可能な第1積載トレイと、前記第1積載トレイに積載された前記用紙を受け取り積載された状態で外部に排出される第2積載トレイと、を含む用紙積載部と、
前記第2積載トレイに積載された用紙を取り出す際に開閉可能な開閉部と、
前記開閉部の開閉状態が全閉状態である場合、前記第1積載トレイに前記用紙を搬送し、前記開閉部の開閉状態が全開状態である場合、前記第1積載トレイに前記用紙を搬送せず、前記開閉部の開閉状態が前記全開状態と前記全閉状態との間の中間状態である場合、前記第1積載トレイに前記用紙を搬送するように前記用紙搬送部を制御する制御部と、
を備える。
【0011】
本発明に係る画像形成システムは、
用紙に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置によって前記画像が形成された前記用紙を積載する上記の用紙積載装置と、
を備える。
【0012】
本発明に係る搬送制御方法は、
用紙を搬送する用紙搬送部と、
前記用紙搬送部により搬送された前記用紙を積載可能な第1積載トレイと、前記第1積載トレイに積載された前記用紙を受け取り積載された状態で外部に排出される第2積載トレイと、を含む用紙積載部と、
前記第2積載トレイに積載された用紙を取り出す際に開閉可能な開閉部と、
を備える用紙積載装置において実行される搬送制御方法であって、
前記開閉部の開閉状態が全閉状態である場合、前記第1積載トレイに前記用紙を搬送し、前記開閉部の開閉状態が全開状態である場合、前記第1積載トレイに前記用紙を搬送せず、前記開閉部の開閉状態が、前記全開状態と前記全閉状態との間の中間状態である場合、前記第1積載トレイに前記用紙を搬送す
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、作業者の安全確保を図りつつ生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施の形態に係る画像形成システムの全体構成を概略的に示す図である。
図2】本実施の形態に係る画像形成システムの制御系の主要部を示す図である。
図3図1の左側(用紙搬送方向における下流側)から用紙積載装置の要部を模式的に表した図である。
図4図4Aおよび図4Bは、用紙積載装置において、第1トレイに積載された用紙束を第2トレイに移動させる動作を説明する図である。
図5図5Aおよび図5Bは、用紙積載装置において、用紙束が第2トレイに移動した後の動作を説明する図である。
図6図6Aおよび図6Bは、用紙積載装置において、用紙束が載置された第2トレイ等が引き出された後の動作を説明する図である。
図7図7Aおよび図7Bは、用紙積載装置において、第2積載トレイに積載された用紙束を運び出す作業およびその後の作業を説明する図である。
図8図8Aおよび図8Bは、第2トレイ等を用紙積載装置に戻す際の作業等について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る画像形成システム1の全体構成を概略的に示す図である。図2は、本実施の形態に係る画像形成システム1が備える制御系全体の主要部を示す図である。
【0016】
図1に示すように、画像形成システム1は、用紙Sの搬送方向に沿って上流側から、画像形成装置2と、用紙積載装置3とを備える。本実施の形態では、画像形成装置2と用紙積載装置3とはインラインで接続されている。
【0017】
画像形成装置2は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置2は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に一次転写し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、給紙部51の給紙トレイユニット51a~51cから送出された用紙Sに二次転写することにより、画像を形成する。
【0018】
また、画像形成装置2には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
【0019】
図2に示すように、画像形成装置2は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60および制御部100を備える。
【0020】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等を備える。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置2の各ブロック等の動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
【0021】
制御部100は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部100は、例えば、外部の装置から送信された画像データ(入力画像データ)を受信し、この画像データに基づいて用紙Sに画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
【0022】
図1に示すように、画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11および原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
【0023】
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11により、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることが可能となる。
【0024】
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
【0025】
図2に示すように、操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部100から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
【0026】
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部100の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
【0027】
図1に示すように、画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
【0028】
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
【0029】
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、及びドラムクリーニング装置415等を備える。
【0030】
感光体ドラム413は、例えばドラム状の金属基体の外周面に、有機光導電体を含有させた樹脂よりなる感光層が形成された有機感光体よりなる。
【0031】
制御部100は、感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413を一定の周速度で回転させる。
【0032】
帯電装置414は、例えば帯電チャージャーであり、コロナ放電を発生させることにより、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。
【0033】
露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。その結果、感光体ドラム413の表面のうちレーザー光が照射された画像領域には、背景領域との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
【0034】
現像装置412は、二成分逆転方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分の現像剤を付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
【0035】
現像装置412には、例えば帯電装置414の帯電極性と同極性の直流現像バイアス、または交流電圧に帯電装置414の帯電極性と同極性の直流電圧が重畳された現像バイアスが印加される。その結果、露光装置411によって形成された静電潜像にトナーを付着させる反転現像が行われる。
【0036】
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に当接され、弾性体よりなる平板状のドラムクリーニングブレード等を有し、中間転写ベルト421に転写されずに感光体ドラム413の表面に残留するトナーを除去する。
【0037】
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
【0038】
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
【0039】
中間転写ベルト421は、導電性および弾性を有するベルトであり、表面に高抵抗層を有する。中間転写ベルト421は、制御部100からの制御信号によって回転駆動される。
【0040】
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
【0041】
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
【0042】
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側、つまり一次転写ローラー422と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
【0043】
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、用紙Sの裏面側、つまり二次転写ローラー424と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
【0044】
ベルトクリーニング装置426は、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。
【0045】
定着部60は、用紙Sの定着面、つまりトナー像が形成されている面側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、用紙Sの裏面つまり定着面の反対の面側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B、および加熱源等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、用紙Sを挟持して搬送する定着ニップが形成される。
【0046】
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。
【0047】
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、及び搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a~51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類毎に収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53aを含む複数の搬送ローラー対を有する。
【0048】
給紙トレイユニット51a~51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。画像形成部40においては、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外(この例では用紙積載装置3)に排紙される。
【0049】
用紙積載装置3は、上流側の装置(この例では画像形成装置2)から供給(排紙)される用紙Sを継続的に受け入れ、該受け入れた用紙Sを装置本体内に用紙束として積載し、積載した用紙束を適宜の時機に装置外に取り出すための装置である。用紙積載装置3は、画像形成装置2によって例えば数千枚といった大量の用紙Sに画像形成する印刷ジョブを実行するような場合に、好適に用いられる。
【0050】
図1および図2に示すように、用紙積載装置3は、積載制御部300、積載搬送部301、シャッター開度検知部302、トレイ状態検知部303、第1トレイ駆動部304、第2トレイ駆動部305、等を備える。また、用紙積載装置3は、略箱型の筐体(装置本体)の正面側に、シャッター330が上下移動可能に設けられている。以下、「装置本体」という場合、特記しない限りは用紙積載装置3の筐体を指す。
【0051】
図3は、図1の左側すなわち用紙搬送方向における下流側から用紙積載装置3の要部を模式的に表した図である。図3に示すように、用紙積載装置3は、第1積載トレイ310、第2積載トレイ320、トレイセット台321、シャッター330、第1スイッチ331、第2スイッチ332および第3スイッチ333、等を有する。また、図示しないが、用紙積載装置3は、用紙積載装置3の状態を表示する表示部、ユーザーが操作するための操作入力部、等を有する。
【0052】
上記のうち、第1積載トレイ310、第2積載トレイ320およびトレイセット台321は、本発明の「用紙積載部」に対応する。
【0053】
また、シャッター330は、第2積載トレイ320等に積載される用紙(用紙束)を取り出す場合、および第2積載トレイ320等を装置本体内に戻す場合に開閉操作される部材であり、本発明の「開閉部」に対応する。
【0054】
用紙積載装置3の積載制御部300は、画像形成装置2の制御部100と適宜通信しながら、用紙積載装置3全体の制御を司る機能を有する。用紙積載装置3の積載制御部300は、CPU(Central Processing Unit)、(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備える。本実施の形態において、積載制御部300は、本発明の「制御部」に対応する。
【0055】
積載制御部300のCPUは、ROMから処理内容に応じたプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムと協働して用紙積載装置3の各ブロック等の動作を集中制御する。このとき、記憶部に格納されている各種データが参照される。積載制御部300の記憶部は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
【0056】
積載搬送部301は、画像形成装置2から排出された用紙Sを搬送し、搬送した用紙Sを第1積載トレイ310に積載する機能を有する。この積載搬送部301は、本発明の「用紙搬送部」に対応する。
【0057】
積載搬送部301は、図示しない搬送ローラーおよび該搬送モーターを駆動する搬送モーター等を有する。積載搬送部301は、積載制御部300により搬送ローラーの回転のオンオフや回転速度等が制御されることにより、画像形成装置2から排出された用紙Sを搬送ローラー搬送し、搬送した用紙Sを第1積載トレイ310に積載する。
【0058】
第1トレイ駆動部304は、第1積載トレイ310を移動させるための図示しないモーターなどの駆動源(以下、便宜のため「第1駆動源」という)や駆動回路等を備える。第1トレイ駆動部304は、本発明の「第1移動部」に対応する。
【0059】
すなわち、第1トレイ駆動部304は、積載制御部300の制御の下、第1駆動源を駆動することにより、第1積載トレイ310の下降移動すなわち第2積載トレイ320に向けて移動させる動作を行う。また、第1トレイ駆動部304は、積載制御部300の制御の下、第1駆動源を駆動することにより、第1積載トレイ310の上昇移動すなわち第2積載トレイ320から離間させて初期位置に戻す動作を行う。さらに、第1トレイ駆動部304は、積載制御部300の制御の下、第1駆動源を駆動することにより、積載される用紙Sの上端位置を一定にするように、第1積載トレイ310の上下位置を調整する動作を行う。
【0060】
さらにまた、第1トレイ駆動部304は、第1積載トレイ310に積載された用紙(用紙束)を第2積載トレイ320に受け渡すために第1積載トレイ310を所定方向に移動(退避)させるための図示しないアクチュエーター等を有する。
【0061】
本実施の形態において、第1積載トレイ310は、用紙積載装置3の装置本体内で上下方向に移動可能に構成されている。一具体例では、用紙積載装置3の装置本体内に図示しないガイドレールが設けられており、第1積載トレイ310は、上述した第1トレイ駆動部304の第1駆動源の動力が伝達されることにより、上記のガイドレールに沿って上下方向に移動する。
【0062】
なお、用紙積載装置3の装置本体内には、第1積載トレイ310上に積載された用紙S(用紙束SS)の上端位置を検知し検知結果を積載制御部300に出力する上端検出センサー(図示せず)が設けられている。そして、用紙積載装置3では、かかる上端検出センサーの検知結果に基づいて第1積載トレイ310の上下位置が調整されるようになっている。
【0063】
すなわち、第1積載トレイ310上に供給される用紙S同士をできるだけ整列して積載させるためには、第1積載トレイ310上の用紙束SSの上端位置すなわち最上位の用紙Sの水平方向に沿った位置を出来るだけ一定にすることが求められる。
【0064】
これに対して、仮に第1積載トレイ310を装置本体内に固定した場合、積載される用紙Sの枚数が増えるに従って用紙束SSの上端位置が上昇し、遂には用紙Sの搬送不良ないしジャムが発生することになる。したがって、用紙積載装置3では、積載される用紙Sの枚数が増えるに従って第1積載トレイ310の位置を下げる必要がある。
【0065】
かくして、用紙積載装置3では、積載制御部300の制御により、上端検出センサーにより検知される用紙S(用紙束SS)の上端位置が一定範囲内になるように、第1トレイ駆動部304の第1駆動源が駆動されて、第1積載トレイ310の上下位置が調整される。
【0066】
また、第1積載トレイ310は、例えば、上述した積載搬送部301のアクチュエーター等の作動により所定方向に移動して、積載された用紙束SSを第2積載トレイ320に受け渡す(図4B等を参照)。一具体例では、第1積載トレイ310は、互いに対向し用紙Sを積載する一対の部材を備え、これら部材が各々、用紙Sの搬送方向における下流側と上流側とに退避するように移動することによって、積載された用紙束SSを第2積載トレイ320に受け渡す。
【0067】
第2トレイ駆動部305は、第2積載トレイ320が載置されるトレイセット台321を用紙積載装置3の外部に向けて移動させるための図示しないアクチュエーター等の駆動源(以下、便宜のため「第2駆動源」という)や駆動回路等を備える。第2トレイ駆動部305は、本発明の「第2移動部」に対応する。
【0068】
第2積載トレイ320およびトレイセット台321は、用紙積載装置3の装置本体内で水平方向に移動可能に構成されている。一具体例では、用紙積載装置3の装置本体内に図示しないガイドレールが設けられており、トレイセット台321がこのガイドレールに沿って水平方向(図3中の左右方向)に移動可能に配置されている。
【0069】
平面視における第2積載トレイ320のサイズ(搬送方向および奥行き方向の幅)は、用紙積載装置3内に積載される用紙Sの最大サイズよりも大きい。また、平面視におけるトレイセット台321の搬送方向の幅は、第2積載トレイ320のそれよりも若干小さい。
【0070】
一方、平面視におけるトレイセット台321の奥行き方向のサイズは、第2積載トレイ320のそれよりも大きい。具体的には、図3に示すように、トレイセット台321の奥側には奥側端部321aが、トレイセット台321の手前側には前側端部321bが、各々突出しており、かかる端部321a,321bの分だけトレイセット台321の奥行き方向のサイズが大きい。
【0071】
ここで、トレイセット台321の奥側端部321aは、トレイセット台321の本体と略同じ高さを有し、後述する第1スイッチ331と対向するように形成されている(図3参照)。また、トレイセット台321は、用紙積載装置3(装置本体)から外方に出された場合でも、その奥側端部321aが装置本体に残るように構成されている(図5B等参照)。
【0072】
一方、トレイセット台321の前側端部321bは、図3に示すように、トレイセット台321の本体および奥側端部321aよりも低い高さを有する。
【0073】
トレイ状態検知部303(図2参照)は、トレイセット台321および第2積載トレイ320が装置本体内に完全に格納されたか否かを検出し、検出結果を積載制御部300に出力する機能を有する。
【0074】
本実施の形態では、トレイ状態検知部303は、装置本体の奥側に配置された第1スイッチ331(図3参照)を有する。第1スイッチ331は、トレイセット台321の奥側端部321aによって押圧された場合および押圧されなくなった場合に、かかるスイッチのON/OFF状態が切り替わる。そして、トレイ状態検知部303は、第1スイッチ331のON/OFF状態を検出信号として積載制御部300に出力する。
【0075】
シャッター330は、第2積載トレイ320の搬送方向幅よりも長い幅を有する。また、シャッター330の図1における左右両端部は、用紙積載装置3の装置本体の略矩形の開口を規定する凹状のガイド部(図示せず)に沿ってスライド移動できるように組み付けられることにより、装置本体の上下方向に移動可能に構成されている。
【0076】
かくして、シャッター330は、開度が最大となる位置まで移動(上昇)することにより、後に外方に出されるトレイセット台321および第2積載トレイ320、さらには第2積載トレイ320上に最大積載高さまで積載された用紙束SS(図4B等参照)のいずれとも干渉しない。
【0077】
シャッター開度検知部302は、シャッター330の開度(開閉状態)を検出する機能を有し、かかる検出結果を積載制御部300に出力する。本実施の形態では、シャッター開度検知部302は、装置本体の上記ガイド部に設けられた第2スイッチ332、第3スイッチ333を備える。これらの構成についての詳細は後述する。
【0078】
以下、用紙積載装置3の動作の概要を説明する。
【0079】
図4Aおよび図4Bは、用紙積載装置3において、第1積載トレイ310に積載された用紙束SSを第2積載トレイ320に移動させる動作を説明する図である。具体的には、図4Aでは、画像形成装置2の排紙部52から用紙Sが順次排出され、第1積載トレイ310上に用紙束SSとして積載された状態で印刷ジョブが終了した場合を示している。この後、第1積載トレイ310は、積載制御部300の制御の下、第1トレイ駆動部304の第1駆動源が駆動されることにより、図4A中の矢印で示すように、第2積載トレイ320に向けて降下するように移動する。
【0080】
図4Bは、第1積載トレイ310上の用紙束SSが第2積載トレイ320に移された後の状態を示している。この例では、積載制御部300の制御の下、第1トレイ駆動部304のアクチュエーター等が駆動されることにより、第1積載トレイ310が、搬送方向における上流側および下流側に分かれるように移動して、第1積載トレイ310上の用紙束SSが第2積載トレイ320に移される。
【0081】
図5Aおよび図5Bは、用紙積載装置3において、用紙束SSが第2積載トレイ320に移動した後の動作を説明する図である。
【0082】
図4B図5Aとを比較して分かるように、用紙束SSが第2積載トレイ320に移動した後、シャッター330は、例えばユーザーの手動操作(手作業)により上昇させられ、全開状態となる。続いて、ユーザーにより図示しないスイッチが押圧されて上述した第2駆動源が駆動されることにより、図5Bに示すように、トレイセット台321および第2積載トレイ320が用紙積載装置3の前方(図では右側)に出され、第2積載トレイ320上の用紙束SSが外部に露呈される。
【0083】
この後、用紙積載装置3では、シャッター330が下ろされ(図6A参照)、積載制御部300の制御の下に第1駆動源が駆動されることで、第1積載トレイ310が初期位置まで上昇する(図6B参照)。このとき、用紙積載装置3では、画像形成装置2から排出される用紙Sを第1積載トレイ310に積載可能な状態となる。
【0084】
一方、第2積載トレイ320に積載された状態で用紙積載装置3の外方(前方)に露呈された用紙束SSは、適宜のタイミングで運び出される(図7A参照)。ここで、図7Aは、トレイセット台321および第2積載トレイ320を残したまま、用紙束SSだけ運び出した場合を例示している。
【0085】
一方、他の搬送方法として、トレイセット台321だけを残し、第2積載トレイ320および用紙束SSを一緒に運び出すことができる。さらに他の搬送方法として、図示しない台車の基台部をトレイセット台321に挿入させて、トレイセット台321の一部(天板側)と、第2積載トレイ320および用紙束SSと、を一体的に台車に乗せて運び出すこともできる。なお、かかる用紙束SSの搬送に関する構成や方法は、本発明の要部とは直接関係しないことから、図示および詳細な説明を省く。
【0086】
図の説明に戻ると、図7B図8Aおよび図8Bは、上述したような種々の方法で用紙束SSを運び出した後に、トレイセット台321および第2積載トレイ320を用紙積載装置3内に戻す場合の例を時系列的に示している。
【0087】
すなわち、トレイセット台321および第2積載トレイ320を用紙積載装置3内に戻す場合、図7Bに示すように、先ずシャッター330を上げて、用紙積載装置3の装置本体の下側の開口を露呈させる。
【0088】
続いて、シャッター330を上げたままとして当該開口を確保した状態でトレイセット台321および第2積載トレイ320を移動させる(例えばユーザーによって押し込まれる)ことにより、これらを装置本体内に収容する(図8A参照)。最後に、シャッター330を下降させることにより、いわゆる初期状態に戻る。
【0089】
かくして、用紙積載装置3では、積載した用紙束SSを第1積載トレイ310から直接的に装置外に運び出すのではなく、第1積載トレイ310に積載された用紙束SSを第2積載トレイ320に受け渡し、第2積載トレイ320を装置外に引き出することによって用紙束SSを運び出す構成を有する。
【0090】
かかる構成の用紙積載装置3によれば、用紙束SSを運び出す作業と、上流の装置(この例では画像形成装置2)から供給される用紙Sの積載と、を別個に行うことができるので、生産性が向上する。
【0091】
すなわち、用紙積載装置3では、第2積載トレイ320上の用紙束SSを運び出す作業工程中に第1積載トレイ310を初期位置に戻して、次の印刷ジョブ(あるいは積載量の満杯等により中断した印刷ジョブ)を速やかに実行(あるいは再開)して、用紙Sを再度積載することができる。
【0092】
より詳しくは、従来の用紙積載装置では、上流の画像形成装置から供給される用紙Sが直接積載されるトレイごと台車(キャリア)に受け渡して運搬する構成であった。このため、トレイ上の用紙を取り除いてトレイを装置本体内に再セットするまでは、用紙積載装置での用紙の受け入れ(積載)ができない問題があった。
【0093】
なお、例えば引用文献1に記載の用紙積載装置では、用紙を積載するトレイを予め複数用意すれば、上記のようにトレイをキャリアで運搬する際に、別のトレイを装置内にセットすることで、用紙積載装置での用紙の受け入れおよび積載を継続することができる。しかしながら、上記のようにトレイを予め複数用意して運用する場合、トレイの個数分だけコストアップになること、および、トレイ自体の保管場所を確保する必要があるため、便宜性が悪いという課題がある。
【0094】
これに対して、本実施の形態の用紙積載装置3では、上述のように、用紙Sが積載され装置本体内で昇降する第1積載トレイ310と、第1積載トレイ310に積載された用紙を受け取り、該受け取った用紙を、積載された状態で装置の外部へと排出できる第2積載トレイ320と、を備える構成とした。
【0095】
かかる用紙積載装置3によれば、第1積載トレイ310から受け取った大量の用紙(用紙束SS)を保持する第2積載トレイ320を本装置3から取り出して運搬している間に、第1積載トレイ310を再び上昇させることで(図6B参照)、用紙積載装置3への通紙(用紙積載の処理)を続行することができる。
【0096】
ところで、上記のような構成の用紙積載装置3では、以下のような技術的課題がある。
【0097】
一事例として、印刷ジョブが終了し、用紙Sが積載された第2積載トレイ320を取り出して別の場所へ運搬している間に、次の印刷ジョブの実行の際に第1積載トレイ310が初期位置に戻り、画像形成装置2から排紙される用紙Sを受け入れている状態を仮定する。
【0098】
この後、第2積載トレイ320に積載された用紙の移し替え等を行って第2積載トレイ320を空の状態にして、当該第2積載トレイ320を用紙積載装置3内に戻す必要が生じる(図8Aおよび図8Bを参照)。
【0099】
このとき、従来の一般的な用紙積載装置ないし画像形成システムでは、シャッター330の開閉を検知するセンサー等の検知結果に基づいて安全装置が働く仕組みとなっていることから、画像形成装置2の印刷動作が停止(すなわち印刷ジョブが中断)する。そして、このような停止ないし中断の処理が発生すると、本実施の形態の用紙積載装置3における上述した利点(通紙続行による生産性向上)が没却されるという課題がある。
【0100】
上記のような問題を解決するため、例えばシャッター330の開閉を検知するセンサー等を設けず、シャッター330を開けた時に安全装置が働かないようにする(安全装置の作動を禁止する)構成とすることも考えられる。
【0101】
しかしながら、このような構成とすると、用紙積載装置3の稼働中にユーザーが自由にシャッター330を開閉できることになってしまう(すなわち安全装置が作動しない)ため、作業を行うユーザーの安全性が保証できなくなる課題がある。
【0102】
具体的には、第1積載トレイ310等の可動部分の降下時(図4Aおよび図4Bを参照)あるいは上昇時(図6Aおよび図6Bを参照)においてシャッター330を無制限に開閉可能とすると、作業者の身体(例えば手や腕)がこれら可動部分に引き込まれて怪我をする等のおそれがある。
【0103】
そこで、この用紙積載装置3では、シャッター330の開閉状態が全開状態(図5A等参照)と全閉状態(図3参照)との間の中間状態(図7B等参照)である場合、第1積載トレイ310(用紙積載部)に用紙Sを搬送するように積載搬送部301を制御する構成とした。
【0104】
すなわち、印刷ジョブの実行時(実行の際または実行中)に、積載制御部300は、シャッター330が上記の全閉状態である場合、第1積載トレイ310に用紙Sを搬送する一方、シャッター330が上記の全開状態である場合、第1積載トレイ310に用紙Sを搬送しないように積載搬送部301を制御する。
【0105】
これに対して、印刷ジョブの実行時(実行の際または実行中)に、積載制御部300は、シャッター330が上記の中間状態である場合、第1積載トレイ310に用紙Sを搬送するように積載搬送部301を制御する。
【0106】
ここで、シャッター330の開閉状態における「中間状態」は、トレイセット台321および第2積載トレイ320がシャッター330の下側に干渉せずに装置本体の内外に出し入れできる程度の開度状態を含む(図7Bおよび図8A参照)。
【0107】
上記のような構成とすることにより、シャッター330が中間状態にある場合、上流側(画像形成装置2)から送られて来る用紙Sを用紙積載装置3内に受け入れて積載することができるので、印刷を待機または停止(中断)等させることなく第2積載トレイ320等を出し入れでき、生産性の向上を図ることができる。
【0108】
本実施の形態では、シャッター330における上述した「全開状態」,「中間状態」,および「全閉状態」に対応する開度状態を検知するために、第1検知部として、シャッター330の開閉状態を検知するシャッター開度検知部302を設けた(図2参照)。
【0109】
ここで、シャッター開度検知部302は、図3に示すように、シャッター330の開閉状態が全閉状態であるか否かを検知する全閉状態検知部としての第2スイッチ332と、シャッター330の開閉状態が全開状態であるか否かを検知する全開状態検知部としての第3スイッチ333と、を備える。
【0110】
本実施の形態では、第2スイッチ332および第3スイッチ333は、各々、シャッター330と接触してON/OFFが切り替えられる機械式のスイッチであり、シャッター330の縁部が通過する装置本体の所定領域に配置される。また、積載制御部300は、これらスイッチ332,333のON/OFFの状態を検出ないし監視する。
【0111】
一具体例では、第2スイッチ332は、全閉状態のシャッター330の上端近傍の高さ位置に設けられ(図3参照)、かかる全閉状態のシャッター330が上方に移動した場合、第2スイッチ332に接触してそのON/OFFが切り替えられるようになっている。かかる構成によれば、積載制御部300は、第2スイッチ332のON/OFFが切り替えられたタイミングを検出することにより、シャッター330の開閉状態が全閉状態から中間状態に変化したことを認識することができる。
【0112】
同様に、第3スイッチ333は、中間状態のシャッター330の上端近傍の高さ位置に設けられ(適宜、図3を参照)、かかる中間状態のシャッター330が上方に移動した場合、第3スイッチ333に接触してそのON/OFFが切り替えられるようになっている。この場合、積載制御部300は、第3スイッチ333のON/OFFが切り替えられたタイミングを検出することにより、シャッター330の開閉状態が中間状態から全開状態に変化したことを認識することができる。
【0113】
さらに、積載制御部300は、第2スイッチ332および第3スイッチの各々のON/OFF状態を検出することにより、シャッター330の開閉状態(この例では、全閉状態、中間状態、および全開状態のいずれであるか)を判別ないし判断することができる。
【0114】
言い換えると、積載制御部300は、第2スイッチ332(全閉状態検知部)のON/OFF状態が全閉状態でないことを示し(すなわち検知し)、第3スイッチ333(全開状態検知部)のON/OFF状態が全開状態でないことを示して(検知して)いる場合、シャッター330の開閉状態が中間状態であると判断する。
【0115】
なお、装置本体に設けられる第2スイッチ332および第3スイッチ333の各々の高さ位置、言い換えると全閉状態と中間状態との境界位置、および中間状態と全開状態との境界位置は、作業者の便宜性や安全性等に応じて、任意に変更することができる。
【0116】
但し、シャッター330の開閉状態が中間状態であればユーザー(作業者)が稼働中の用紙積載装置3内に無制限にアクセスできるように第3スイッチ333を余りに高い位置に設定すると、用紙積載装置3の稼働状態によっては当該作業者の身体(特にトレイ等に触れる手)を怪我するおそれがある。
【0117】
具体的には、例えば図4Aに示すように、第1積載トレイ310が下がってくる際に、ユーザー(作業者)がシャッター330を中間状態とするように上げて、装置本体内に手を入れたような場合、当該作業者の手が第1積載トレイ310と第2積載トレイ320との間に挟まって怪我をするおそれがある。
【0118】
上記を考慮すると、第3スイッチ333は、シャッター330の開度が、トレイセット台321および第2積載トレイ320を出し入れでき、かつ、作業者の手が装置本体内に入らない程度の状態で、ON/OFFが切り替わるような高さ位置に設定されることが望ましい(図8A参照)。
【0119】
さらに、本実施の形態では、第2積載トレイ320の位置を検知する第2検知部としてトレイ状態検知部303を設けており、トレイ状態検知部303の検知結果を活用することにより、作業者の安全性をより一層確保することもできる。この場合、積載制御部300は、シャッター330の開閉状態が中間状態である場合、トレイ状態検知部303(第2検知部)の検知結果に応じて、第1積載トレイ310に用紙Sを搬送するか否かを決定し、該決定結果に応じて積載搬送部301を制御する。
【0120】
すなわち、積載制御部300は、シャッター330の開閉状態が中間状態である場合、トレイ状態検知部303によりトレイセット台321が装置本体内に収容されていないことが検知された場合、用紙束SSの搬送工程中である(図7B参照)と判断して、第1積載トレイ310に用紙Sを搬送するように積載搬送部301を制御する。
【0121】
一方、積載制御部300は、シャッター330の開閉状態が中間状態である場合、トレイ状態検知部303によりトレイセット台321が装置本体内に収容されていることが検知された場合、用紙束SSの搬送工程中ではない(図4A等参照)と判断して、第1積載トレイ310に用紙Sを搬送しないように積載搬送部301を制御する。このような制御を行うことにより、上述のように第3スイッチ333が高い位置に設定されたような場合であっても、作業者の安全を確保することができる。
【0122】
本実施の形態では、トレイ状態検知部303として、図3に示すように、トレイセット台321と対向する装置本体の壁面に、第1スイッチ331を設けている。この第1スイッチ331は、機械式のスイッチであり、一例では、トレイセット台321の奥側端部321aに押圧されるとONになり、かかる押圧が解除されるとOFFになる。
【0123】
この場合、積載制御部300は、第1スイッチ331のON/OFFを検出することにより、トレイセット台321および第2積載トレイ320が装置本体内に完全に収容されているか否かを判別することができる。
【0124】
一具体例では、積載制御部300は、第1スイッチ331がONで、第2スイッチ332,第3スイッチ333が各々OFFの場合、図3に示すように、トレイセット台321および第2積載トレイ320が装置本体内に完全に収容され、シャッター330が全閉状態であると判断する。この場合、積載制御部300は、画像形成装置2による印刷ジョブの実行を受け付けて、第1積載トレイ310に用紙Sを搬送するように積載搬送部301を制御する。
【0125】
また、積載制御部300は、第1スイッチ331がONで、第2スイッチ332,第3スイッチ333が各々ONの場合、図5Aに示すように、トレイセット台321および第2積載トレイ320が装置本体内に完全に収容され、シャッター330が全開状態であると判断する。この場合、積載制御部300は、画像形成装置2による印刷ジョブの実行を受け付けない旨を画像形成装置2に送信し、第1積載トレイ310に用紙Sを搬送しないように積載搬送部301を制御する。
【0126】
なお、図5Aでは、印刷ジョブが終了した後の状態を示しているが、他にも例えば図4Aに示すように、印刷ジョブの実行中の間にシャッター330が全開状態になった場合にも各スイッチ331,332,333の状態が上記と同じになる。さらに、上述のように、第3スイッチが高い位置に設定されシャッター330がいわば全開に近い半開状態になった場合には、第3スイッチ333はOFFであるが、ユーザーの安全を確保する必要がある。この場合も、積載制御部300は、画像形成装置2による印刷ジョブの実行を受け付けない旨を画像形成装置2に送信し、第1積載トレイ310に用紙Sを搬送しないように積載搬送部301を制御することで、いわゆる非常停止の処理(上述した安全装置としての機能)を遂行する。
【0127】
また、積載制御部300は、第1スイッチ331がOFFで、第2スイッチ332,第3スイッチ333が各々ONの場合、図5Bに示すように、トレイセット台321および第2積載トレイ320が装置本体内に完全には収容されておらず、シャッター330が全開状態であると判断する。この場合、積載制御部300は、画像形成装置2による印刷ジョブの実行を受け付けない旨を画像形成装置2に送信し、第1積載トレイ310に用紙Sを搬送しないように積載搬送部301を制御する。
【0128】
さらに、積載制御部300は、第1スイッチ331がOFFで、第2スイッチ332がON,第3スイッチ333がOFFの場合、図6Aに示すように、トレイセット台321の一部(端部321a)以外のトレイセット台321と第2積載トレイ320が装置本体外に出され、シャッター330が中間状態であると判断する。この場合、積載制御部300は、第1積載トレイ310を初期位置に戻すように制御するとともに(図6B参照)、画像形成装置2による印刷ジョブの実行を受け付けて、第1積載トレイ310に用紙Sを搬送するように積載搬送部301を制御する。
【0129】
このように、本実施の形態によれば、装置本体外に出された用紙束SSを搬送している作業中に、画像形成装置2から排出される用紙Sが第1積載トレイ310に収容および積載することができ、生産性の向上が図られる。
【0130】
なお仮に、かかる用紙束SSの移動作業の期間中に、ユーザーの誤作業等によりシャッター330が全開状態まで開かれた場合、各スイッチ331~333のオンオフ状態は、図5Bで上述した場合と同一になる。したがって、積載制御部300は、画像形成装置2による印刷ジョブの実行を受け付けない旨(ジョブを中断すべき旨)を画像形成装置2に送信し、第1積載トレイ310に用紙Sを搬送しないように積載搬送部301を制御する。この制御により、第1積載トレイ310への用紙の供給が中止され、第1積載トレイ310の高さ位置が変動しなくなるので、作業者が装置本体内に手を入れて怪我をする等のリスクを減らすことができる。
【0131】
また、用紙束SSの移動作業の期間中に、上記のように一旦は全開状態まで開かれたものの、その後中間状態に復帰した場合、積載制御部300は、印刷ジョブを再開するように画像形成装置2に指示を送信し、第1積載トレイ310に用紙Sを搬送するように積載搬送部301を制御する。かかる制御により、画像形成装置2から用紙Sが再び供給(排出)され、第1積載トレイ310に収容および積載できるようになり、生産性の向上が図られる。
【0132】
この後、図8Aおよび図8Bに示すようなトレイセット台321および第2積載トレイ320を装置本体内に戻す作業の期間中も、積載制御部300によって同様の制御が実行される。
【0133】
なお、用紙束SSの移動作業中やトレイセット台321等を装置本体内に戻す作業中に画像形成装置2による印刷ジョブが終了することに伴い、第1積載トレイ310が降下している最中にシャッター330が全開状態または半開状態まで開かれた場合、積載制御部300は、第1積載トレイ310の降下を停止するように積載搬送部301を制御する。この制御により、作業者が装置本体内に手を入れて怪我をする等のリスクを減らすことができる。
【0134】
かくして、用紙積載装置3は、シャッター330の開閉状態が全開状態である場合、第1積載トレイ310に用紙Sを搬送せず、一方、開閉状態が全閉または中間状態である場合、トレイセット台321等の位置を考慮した上で、第1積載トレイ310に用紙Sを搬送するように、積載制御部300によって積載搬送部301を制御する。
【0135】
かかる制御を行う本実施の形態の用紙積載装置3および画像形成システム1によれば、作業者の安全を確保しつつ、生産性の向上を実現することができる。すなわち、本実施の形態によれば、生産性の向上と作業者の安全の両立を図ることができる。
【0136】
他の観点から言えば、本実施の形態の用紙積載装置3および画像形成システム1では、シャッター330の開閉状態が作業者の安全を守れる程の中間状態である場合に、全閉状態の場合と同様の搬送制御を行うことで、生産性の向上を図ることができる。
【0137】
さらに他の観点からは、本実施の形態の用紙積載装置3および画像形成システム1では、スイッチ331~333のON/OFFの組み合わせに基づいていわゆる安全装置が働く構成とすることで、簡素な構成としながら作業者の作業の安全性を高めることができる。
【0138】
なお、上述した実施の形態では、トレイ状態検知部303およびシャッター開度検知部302を、各々、機械式のスイッチ(331~333)を用いて構成した。他の例として、トレイ状態検知部303またはシャッター開度検知部302は、例えば光学式のセンサーを用いて構成してもよい。
【0139】
但し、光学式のセンサーの場合、誤検知やソフトウエアのバグによるエラー発生の可能性があり、このような場合に不具合の原因が特定しにくいこと等から、上述のように機械的な動きを利用してON/OFFが切り替えられる機械式のスイッチを用いることが好適である。
【0140】
シャッター開度検知部302を機械式すなわち機械的な動作で通電する方式のスイッチを用いた場合、例えばシャッター330の開度に関わらずON/OFFが切り替わらないようなケースでも、いずれかのスイッチに不具合があることを容易に発見することができる。
【0141】
かくして、トレイ状態検知部303およびシャッター開度検知部302を、各々、機械式のスイッチ(331~333)を用いて構成することにより、積載制御部300は、各々のスイッチ331,332,333のON/OFFの組み合わせに基づく用紙積載装置3の状態判断を高い精度で行うことができる。
【0142】
そして、積載制御部300は、各々のスイッチ331,332,333のON/OFFの組み合わせに基づく用紙積載装置3の状態の判断結果に応じて、上流側の装置から排出された用紙Sを的確な時機に第1積載トレイ310に載置(積載)するように、積載搬送部301(用紙搬送部)を制御することができる。
【0143】
また、積載制御部300は、各々のスイッチ331,332,333のON/OFFの組み合わせに基づく用紙積載装置3の状態の判断結果に応じて、作業者の安全を考慮した的確な時機に、用紙Sを第1積載トレイ310に積載し、さらには第1積載トレイ310を昇降させることができる。
【0144】
上述した実施の形態では、用紙積載装置3の装置本体に対するシャッター330の開閉が、ユーザーの手動動作(手作業)によって行われる構成例を前提として説明した。他の構成例として、シャッター330に図示しないソレノイドなどの駆動源を接続し、積載制御部300の制御下で当該駆動源の駆動力によって、シャッター330を自動的に開閉する構成としてもよい。
【0145】
上述した実施の形態では、用紙積載装置3が画像形成装置2に直接的に接続された構成の画像形成システムを例示した。一方、画像形成システムの構成例は、他にも様々に変更することが可能であることは勿論である。
【0146】
画像形成システムの他の具体例としては、画像形成装置2と用紙積載装置3との間に図示しない種々の後処理装置を配置して、用紙積載装置3と画像形成装置2とを間接的に接続した構成としてもよい。この場合、用紙積載装置3の積載制御部300は、積載搬送部301の制御に関連して、付加的または代替的に、後処理のジョブの実行を受け付ける又は受け付けない旨の指示を後処理装置に送信することができる。
【0147】
あるいは他の具体例として、画像形成装置2を含めず、用紙積載装置3の上流側に印刷済み用紙の後処理を行う後処理装置を接続した用紙処理システムとしてもよい。この場合、用紙積載装置3の積載制御部300は、積載搬送部301の制御に関連して、後処理のジョブの実行を受け付ける又は受け付けない旨の指示を後処理装置に送信すればよい。
【0148】
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0149】
1 画像形成システム
2 画像形成装置
3 用紙積載装置
300 積載制御部(制御部)
301 積載搬送部(用紙搬送部)
302 シャッター開度検知部(第1検知部)
303 トレイ状態検知部(第2検知部)
304 第1トレイ駆動部(第1移動部)
305 第2トレイ駆動部(第2移動部)
310 第1積載トレイ(用紙積載部)
320 第2積載トレイ(用紙積載部)
321 トレイセット台
321a 奥側端部
321b 前側端部
330 シャッター(開閉部)
331 第1スイッチ(機械式スイッチ)
332 第2スイッチ(全閉状態検知部、機械式スイッチ)
333 第3スイッチ(全開状態検知部、機械式スイッチ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8