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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20231219BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20231219BHJP
   B41J 11/42 20060101ALI20231219BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
B41J29/38 201
B41J2/01 401
B41J11/42
B41J29/38 202
G06F3/12 303
G06F3/12 342
G06F3/12 351
G06F3/12 378
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019155010
(22)【出願日】2019-08-27
(65)【公開番号】P2021030635
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】菊本 尚
(72)【発明者】
【氏名】田島 真吾
(72)【発明者】
【氏名】劉 博
(72)【発明者】
【氏名】河部 匡剛
(72)【発明者】
【氏名】野口 大介
(72)【発明者】
【氏名】山口 慧
(72)【発明者】
【氏名】石川 将吾
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-177363(JP,A)
【文献】特開2005-169918(JP,A)
【文献】特開2016-182788(JP,A)
【文献】特開2019-109568(JP,A)
【文献】特開2011-194875(JP,A)
【文献】米国特許第06188860(US,B1)
【文献】特開2015-104878(JP,A)
【文献】特開2016-007707(JP,A)
【文献】特開2011-194874(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 5/30
B41J 2/01 - 2/215
G06F 3/12
B41J 11/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、前記プロセッサは、
1本のロール紙に割り当てられる複数の印刷ジョブそれぞれのラスタライズ速度を取得し、取得したラスタライズ速度の内、最も遅いジョブのラスタライズ速度を前記複数の印刷ジョブに適用する搬送の速度に設定し、前記複数の印刷ジョブのそれぞれの実行に要する時間の見積もりを決定する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記ロール紙の残量を超えない範囲で、当該ロール紙に割り当てる印刷ジョブを1つずつ追加し、追加後の印刷ジョブについて、各印刷ジョブの実行に要する時間の見積もりを動的に変更する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
割り当て済みの印刷ジョブの組み合わせに適用される前記搬送の速度よりも早い印刷ジョブの候補が複数ある場合、前記プロセッサは、当該候補のうちで最も搬送の速度が遅い印刷ジョブを追加の対象に定める、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
割り当て済みの印刷ジョブの組み合わせに適用される前記搬送の速度よりも遅い印刷ジョブの候補が複数ある場合、前記プロセッサは、当該候補のうちで最も搬送の速度が速い印刷ジョブを追加の対象に定める、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記ロール紙に割り当てる1つ目の印刷ジョブとして、未割り当ての印刷ジョブのうち使用する用紙の長さが最長の印刷ジョブを選択する、請求項3又は4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記ロール紙の残量を超えない範囲で、ラスタライズ速度が速い順番に、当該ロール紙に割り当てる印刷ジョブを1つずつ追加し、追加後の印刷ジョブについて、各印刷ジョブの実行に要する時間の見積もりを動的に変更する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
コンピュータに、
1本のロール紙に割り当てられる複数の印刷ジョブそれぞれのラスタライズ速度を取得する機能と、
取得したラスタライズ速度の内、最も遅いジョブのラスタライズ速度を前記複数の印刷ジョブに適用する搬送の速度に設定し、前記複数の印刷ジョブのそれぞれの実行に要する時間の見積もりを決定する機能と
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロール紙に画像を形成する画像形成装置(以下「連帳機」とも呼ぶ)においては、画質の劣化を防ぐため、ロール紙を搬送する速度(以下「搬送速度」という)を一定値に保っている。搬送速度の上限は、連帳機の搬送能力の限界と印刷ジョブをラスタライズ処理する速度に応じて定まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-177363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
連帳機の場合、1本のロール紙に複数の印刷ジョブが割り当てられる。複数の印刷ジョブを印刷する場合も、全ての印刷が終了するまでの間、搬送速度は一定に保持する必要がある。ところで、複数の印刷ジョブが割り当てられる場合の搬送速度は、1本のロール紙に割り当てられる複数の印刷ジョブの組み合わせにより異なる。換言すると、1本のロール紙に割り当てられる複数の印刷ジョブのそれぞれの実行に要する時間は、組み合わされる他の印刷ジョブの影響を受ける。
【0005】
1本のロール紙に複数の印刷ジョブが割り当てられる場合において、印刷ジョブの実行に要する時間の見積もりに他の印刷ジョブとの組み合わせを反映させない構成と比較して、各印刷ジョブの実行に要する時間の見積もりの精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、1本のロール紙に割り当てられる複数の印刷ジョブそれぞれのラスタライズ速度を取得し、取得したラスタライズ速度の内、最も遅いジョブのラスタライズ速度を前記複数の印刷ジョブに適用する搬送の速度に設定し、前記複数の印刷ジョブのそれぞれの実行に要する時間の見積もりを決定することを特徴とする情報処理システムである。
請求項2に記載の発明は、前記プロセッサは、前記ロール紙の残量を超えない範囲で、当該ロール紙に割り当てる印刷ジョブを1つずつ追加し、追加後の印刷ジョブについて、各印刷ジョブの実行に要する時間の見積もりを動的に変更する、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載の発明は、割り当て済みの印刷ジョブの組み合わせに適用される前記搬送の速度よりも早い印刷ジョブの候補が複数ある場合、前記プロセッサは、当該候補のうちで最も搬送の速度が遅い印刷ジョブを追加の対象に定める、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載の発明は、割り当て済みの印刷ジョブの組み合わせに適用される前記搬送の速度よりも遅い印刷ジョブの候補が複数ある場合、前記プロセッサは、当該候補のうちで最も搬送の速度が速い印刷ジョブを追加の対象に定める、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載の発明は、前記プロセッサは、前記ロール紙に割り当てる1つ目の印刷ジョブとして、未割り当ての印刷ジョブのうち使用する用紙の長さが最長の印刷ジョブを選択する、請求項3又は4に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載の発明は、前記プロセッサは、前記ロール紙の残量を超えない範囲で、ラスタライズ速度が速い順番に、当該ロール紙に割り当てる印刷ジョブを1つずつ追加し、追加後の印刷ジョブについて、各印刷ジョブの実行に要する時間の見積もりを動的に変更する、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載の発明は、コンピュータに、1本のロール紙に割り当てられる複数の印刷ジョブそれぞれのラスタライズ速度を取得する機能と、取得したラスタライズ速度の内、最も遅いジョブのラスタライズ速度を前記複数の印刷ジョブに適用する搬送の速度に設定し、前記複数の印刷ジョブのそれぞれの実行に要する時間の見積もりを決定する機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、1本のロール紙に複数の印刷ジョブが割り当てられる場合において、印刷ジョブの実行に要する時間の見積もりに他の印刷ジョブとの組み合わせを反映させない構成と比較して、各印刷ジョブの実行に要する時間の見積もりの精度を向上させることができる。
請求項2記載の発明によれば、印刷ジョブの組み合わせが変更される場合でも各印刷ジョブの実行に要する時間の見積もりの精度を向上させることができる。
請求項3記載の発明によれば、印刷ジョブの組み合わせに追加される印刷ジョブが犠牲にする処理時間を少なくできる。
請求項4記載の発明によれば、印刷ジョブの追加により犠牲にされる他の印刷ジョブの処理時間を少なくできる。
請求項5記載の発明によれば、ロール紙の長さを有効に活用できる。
請求項6記載の発明によれば、印刷ジョブの組み合わせが変更される場合でも各印刷ジョブの実行に要する時間の見積もりの精度を向上させることができる。
請求項7記載の発明によれば1本のロール紙に複数の印刷ジョブが割り当てられる場合において、印刷ジョブの実行に要する時間の見積もりに他の印刷ジョブとの組み合わせを反映させない構成と比較して、各印刷ジョブの実行に要する時間の見積もりの精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1で使用する画像形成システムの全体構成の例を概略的に示す図である。
図2】実施の形態1で使用する管理サーバの機能構成の一例を説明する図である。
図3】実施の形態1におけるスケジュールの管理例を説明するフローチャートである。
図4】ステップ7で実行される処理動作の詳細を説明するフローチャートである。
図5】プロセッサが扱う4つの印刷ジョブの具体例を説明する図である。
図6】1つ目の印刷ジョブ#1が読み出された状態を示している。
図7】2つ目の印刷ジョブ#2が読み出された状態を示している。
図8】3つ目の印刷ジョブ#3が読み出された状態を示している。
図9】4つ目の印刷ジョブ#4が読み出された状態を示している。
図10】ロール紙#1の残量が4つ目の印刷ジョブ#4の用紙走行距離に不足する場合を説明する図である。
図11】用紙の属性の変更が2つ含まれる場合を説明する図である。
図12】実施の形態2におけるスケジュールの管理例を説明するフローチャートである。
図13】ステップ12で実行される処理動作の詳細を説明するフローチャートである。
図14】プロセッサが扱う6つの印刷ジョブの具体例を説明する図である。
図15】実施の形態2で採用する管理手法によるスケジューリングの結果を説明する図である。
図16】同じロール紙に印刷される印刷ジョブを単位とする管理の結果を説明する図である。
図17】実施の形態3で使用する管理サーバの機能構成の一例を説明する図である。
図18】実施の形態3におけるスケジュールの決定手法の一例を説明するフローチャートである。
図19】プロセッサが扱う6つの印刷ジョブの具体例を説明する図である。
図20】前述した実施の形態2で採用する管理手法によるスケジューリングの結果を説明する図である。
図21】実施の形態3で採用するスケジュールの決定手法を適用した結果を説明する図である。
図22】実施の形態4におけるスケジュールの決定手法の一例を説明するフローチャートである。
図23】実施の形態4で採用するスケジュールの決定手法を適用した結果を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
<実施の形態1>
<システム構成>
図1は、実施の形態1で使用する画像形成システム1の全体構成の例を概略的に示す図である。
図1に示す画像形成システム1は、ロール紙に画像を形成する画像形成装置10と、画像形成装置10による画像の形成を制御する管理サーバ30とを有している。ロール紙は、帯状に連続する長尺の用紙P(以下「連帳紙P」ともいう)がリールに巻き付けられた状態をいう。なお、管理サーバ30は、情報処理システムの一例である。
【0010】
<画像形成装置の構成>
図1に示す画像形成装置10は、連帳紙Pに画像を形成する画像形成ユニット11と、画像形成ユニット11に供給する連帳紙Pが収容される前処理ユニット12と、画像形成ユニット11と前処理ユニット12との間に配置され、前処理ユニット12から画像形成ユニット11へ供給される連帳紙Pの搬送量等を調整するバッファユニット13と、画像形成ユニット11から排出される連帳紙Pを収容する後処理ユニット14と、画像形成ユニット11と後処理ユニット14との間に配置され、画像形成ユニット11から後処理ユニット14へ排出される連帳紙Pの搬送量等を調整するバッファユニット15と、を有している。
【0011】
画像形成ユニット11は、連帳紙Pを搬送経路16に沿って案内するロール部材と、搬送経路16に沿って搬送される連帳紙Pに液滴を吐出して画像を形成する液滴吐出装置17とを有している。この実施の形態では、印刷方式として、いわゆるインクジェット方式を採用する。
液滴吐出装置17は、連帳紙Pにインク滴を吐出して黒色の画像を形成する液滴吐出ヘッド17Kと、イエロー色の画像を形成する液滴吐出ヘッド17Yと、マゼンタ色の画像を形成する液滴吐出ヘッド17Mと、シアン色の画像を形成する液滴吐出ヘッド17Cとを有している。液滴吐出ヘッド17Kと、液滴吐出ヘッド17Yと、液滴吐出ヘッド17Mと、液滴吐出ヘッド17Cは、この順番で、搬送方向の上流側から下流側に順番に配置されている。勿論、液滴吐出ヘッド17Kと、液滴吐出ヘッド17Yと、液滴吐出ヘッド17Mと、液滴吐出ヘッド17Cは、搬送される連帳紙Pと対向する位置に配置される。
なお、以後の説明では、K、Y、M、Cを区別しない場合には、符号に付しているK、Y、M、Cを省略する。
【0012】
液滴吐出ヘッド17Cに対して用紙搬送方向の下流側には、乾燥ドラム18が配置されている。乾燥ドラム18の外周面18Aに連帳紙Pの裏面が巻き掛けられ、搬送される連帳紙Pと接触して従動回転しながら連帳紙Pに形成された画像を乾燥する。
この他、乾燥ドラム18の周囲には、連帳紙Pに形成された画像を乾燥させるハロゲンヒータ19が配置されている。このハロゲンヒータ19により、乾燥ドラム18に巻き掛けられた連帳紙Pの画像が乾燥される。
また、画像形成ユニット11には、各部材を制御する制御機構20が設けられている。制御機構20は、不図示のCPU(=Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(=Random Access Memory)と、ハードディスク装置その他の記憶装置を有している。
【0013】
前処理ユニット12は、画像形成ユニット11へ供給される連帳紙Pが巻き付けられている供給ロール12Aを備えており、この供給ロール12Aは、不図示のフレーム部材に回転可能に支持されている。
一方、後処理ユニット14は、画像が形成された連帳紙Pを巻き取る搬送部の一例としての巻取ロール14Aを備えている。巻取ロール14Aは、不図示のモータによって回転駆動される。この巻取ロール14Aの回転により、連帳紙Pは、供給ロール12Aから引き出され、搬送経路16に沿って搬送される。ここで、連帳紙Pの搬送速度は、制御機構20により制御される。具体的には、巻取ロール14Aを回転駆動する不図示のモータの回転速度が制御機構20により制御される。
【0014】
本実施の形態の場合、制御機構20による連帳紙Pの搬送速度の制御は、管理サーバ30からの指示に基づいて実行される。画像形成装置10の搬送速度は、単発ジョブ又は連続ジョブとしてスケジューリングされている印刷ジョブを単位として設定される。本実施の形態の場合、単発ジョブは、スケジュール上、他の印刷ジョブから分離した単独の印刷ジョブだけで構成される。換言すると、1つのロール紙に割り当てられる印刷ジョブが1つだけの場合である。一方、連続ジョブは、スケジュール上、単一の搬送速度で連続的に印刷される複数の印刷ジョブで構成される。
単独ジョブ又は連続ジョブの実行中における連帳紙Pの搬送速度は一定値に保たれる。連続ジョブの実行中の搬送速度は、印刷ジョブのラスタライズ速度で定まる印刷速度の最小値と、画像形成装置10の性能上の限界である搬送速度の最大値(すなわち最大搬送速度)のうち小さい方で定まる。
【0015】
<管理サーバの構成>
管理サーバ30は、プログラムの実行を通じてサーバ全体と画像形成装置10の動作を制御するプロセッサ31と、プロセッサ31が実行するプログラムや各種のデータを記憶する記憶装置32と、ユーザの操作を受け付ける操作受付装置33と、ユーザが確認する操作画面を表示する表示装置34と、画像形成装置10との通信を実現するネットワークIF(=InterFace)35を有している。これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等の信号線36で接続されている。
【0016】
プロセッサ31は、例えばCPUで構成される。記憶装置32は、例えばBIOS(=Basic Input Output System)等が記憶されたROMと、ワークエリアとして用いられるRAMと、基本プログラムやアプリケーションプログラム等が記憶されたハードディスク装置で構成される。もっとも、ROMやRAMがプロセッサ31の一部に含まれることを妨げない。プロセッサ31と記憶装置32は、コンピュータを構成する。
操作受付装置33は、例えばキーボード、マウス、機械式のボタン、スイッチで構成される。なお、操作受付装置33には、表示装置34と一体的にタッチパネルを構成するタッチセンサも含まれる。
表示装置34は、情報の表示に用いられる液晶ディスプレイや有機EL(=Electro Luminescence)ディスプレイで構成される。表示装置34に表示される操作画面では、印刷の対象とするジョブの選択、ジョブが印刷中か保留中かの状態の確認が可能である。
【0017】
<管理サーバの機能構成>
図2は、実施の形態1で使用する管理サーバ30の機能構成の一例を説明する図である。
図2においては、プロセッサ31がアプリケーションプログラムの実行を通じて実現する機能の一部が表されている。
本実施の形態におけるプロセッサ31は、アプリケーションプログラムの実行を通じ、ジョブ情報管理部311、ラスタライズ速度算出部312、用紙残量管理部313、スケジュール管理部314、スケジュール表示制御部315として機能する。
【0018】
ジョブ情報管理部311は、印刷ジョブの名前、印刷ジョブの内容の管理、印刷に使用する連帳紙Pの管理等を実行する。
ラスタライズ速度算出部312は、印刷ジョブの内容、原稿データのサイズ、原稿データのファイル形式等に基づいて、印刷ジョブ毎のラスタライズ速度を計算する。ラスタライズ速度が求まると、対応する印刷ジョブの印刷速度が決まる。前述したように、連続ジョブの場合には、連続ジョブを構成する印刷ジョブに対応する印刷速度のうちの最小値が、連続ジョブの印刷に使用される。なお、連続ジョブの印刷速度は、画像形成装置10(図1参照)の性能上の限界を与える最大搬送速度は超えないように定められる。
【0019】
用紙残量管理部313は、連帳紙Pの残量の管理を実行する。本実施の形態における用紙残量管理部313は、印刷ジョブ毎に定まる用紙走行距離に基づいて、印刷ジョブが割り当てられるロール紙の残量を管理する。
スケジュール管理部314は、印刷ジョブ毎のラスタライズ速度、画像形成装置10(図1参照)の性能上の最大搬送速度、ロール紙の残量に基づいて、単発ジョブ又は連続ジョブで使用する連帳紙Pの搬送速度又は印刷速度を決定する。
また、本実施の形態におけるスケジュール管理部314は、単発ジョブ毎に、又は、連帳ジョブを構成する印刷ジョブの組み合わせが変更される度に決定される連帳紙Pの搬送速度又は印刷速度に基づいて、各印刷ジョブが開始される時刻から終了する時刻までの時間、すなわちジョブ実行時間を計算する。
スケジュール表示制御部315は、スケジュール管理部314から取得した情報に基づいて、各印刷ジョブの印刷に関するスケジュールを表示装置34(図1参照)に表示する。
【0020】
<スケジュールの管理処理>
図3は、実施の形態1におけるスケジュールの管理例を説明するフローチャートである。図中のSはステップを示している。図3に示す管理は、プロセッサ31(図1参照)が実行する。
まず、プロセッサ31は、ジョブ情報管理部311(図2参照)で管理する残りの印刷ジョブがあるか否かを判定する(ステップ1)。
残りの印刷ジョブが無い場合、プロセッサ31は、ステップ1で否定結果を得る。この場合、プロセッサ31は、処理を終了する。
残りの印刷ジョブがある場合、プロセッサ31は、ステップ1で肯定結果を得る。この場合、プロセッサ31は、選択した印刷ジョブが1つ前の印刷ジョブと異なる属性の用紙を使用するか否かを判定する(ステップ2)。用紙の属性には、例えばコート紙と非コート紙がある。
【0021】
異なる属性の用紙を使用する場合、プロセッサ31は、ステップ2で肯定結果を得る。1つ前の印刷ジョブが存在しない場合、プロセッサ31は、ステップ2で肯定結果を得る。
同じ属性の用紙を使用する場合、プロセッサ31は、ステップ2で否定結果を得る。ステップ2で否定結果が得られた場合、プロセッサ31は、ロール紙の残量が選択した印刷ジョブの用紙走行距離より短いか否かを判定する(ステップ3)。
ロール紙の残量が選択した印刷ジョブの用紙走行距離より短い場合、プロセッサ31は、ステップ3で肯定結果を得る。
ステップ2で肯定結果を得た場合、又は、ステップ3で肯定結果が得られた場合、プロセッサ31は、ロール紙の残量をリセットする(ステップ4)。いずれの場合も、画像形成装置10の保守を担当する作業者は、装着中のロール紙を画像形成装置10から取り外し、その後、新しいロール紙を画像形成装置10に取り付ける。また、プロセッサ31は、選択した印刷ジョブを別のロール紙に割り当てるため、新たな印刷リストを生成する。本実施の形態の場合、印刷リストは、ロール紙単位で管理される。
【0022】
ステップ3で否定結果が得られた場合、又は、ステップ4の実行後、プロセッサ31は、選択した印刷ジョブを印刷リストに追加する(ステップ5)。ここでの印刷リストは、画像形成装置10に装着されているロール紙に対応付けられている。
この後、プロセッサ31は、ロール紙の残量を更新する(ステップ6)。
次に、プロセッサ31は、印刷リストに含まれる印刷ジョブの印刷速度を決定して表示装置34(図1参照)の表示を更新する(ステップ7)。この後、プロセッサ31は、ステップ1に戻る。
【0023】
図4は、ステップ7で実行される処理動作の詳細を説明するフローチャートである。図中のSはステップを示している。図4に示す管理は、プロセッサ31が実行する。
まず、プロセッサ31は、印刷リストの先頭の印刷ジョブのラスタライズ速度を仮の最低ラスタライズ速度に設定する(ステップ71)。
次に、プロセッサ31は、印刷リストに残りの印刷ジョブがあるか否かを判定する(ステップ72)。
印刷リストに残りの印刷ジョブがある場合、プロセッサ31は、ステップ72で肯定結果を得る。
ステップ72で肯定結果が得られた場合、プロセッサ31は、次の印刷ジョブのラスタライズ速度が最低ラスタライズ速度より遅いか否かを判定する(ステップ73)。
【0024】
次の印刷ジョブのラスタライズ速度が最低ラスタライズ速度以上の場合、プロセッサ31は、ステップ73で否定結果を得る。この場合、プロセッサ31は、ステップ72に戻る。
これに対し、次の印刷ジョブのラスタライズ速度が最低ラスタライズ速度より遅い場合、プロセッサ31は、ステップ73で肯定結果を得る。この場合、プロセッサ31は、最低ラスタライズ速度を、次の印刷ジョブのラスタライズ速度で更新する(ステップ74)。
ステップ74による更新後、プロセッサ31は、ステップ72に戻る。
一方、ステップ72で否定結果が得られた場合(すなわち、次の印刷ジョブが無い場合)、プロセッサ31は、画像形成装置10(図1参照)の最大搬送速度が最低ラスタライズ速度より遅いか否かを判定する(ステップ75)。
【0025】
画像形成装置10の最大搬送速度が最低ラスタライズ速度以上の場合、プロセッサ31は、ステップ75で否定結果を得る。この場合、プロセッサ31は、全ての印刷ジョブの印刷速度を最低ラスタライズ速度に設定して表示装置34の表示を更新する(ステップ76)。全ての印刷ジョブとは、印刷リストに含まれる印刷ジョブの全ての意味である。
一方、画像形成装置10の最大搬送速度が最低ラスタライズ速度より遅い場合、プロセッサ31は、ステップ75で肯定結果を得る。この場合、プロセッサ31は、全ての印刷ジョブの印刷速度を画像形成装置10の最大搬送速度に設定して表示装置34の表示を更新する(ステップ77)。画像形成装置10の性能上の限界を超えた速度による連帳紙Pの搬送はできないためである。
ステップ76及びステップ77における表示装置34の表示の更新とは、1つのロール紙に割り当てられた1つ又は複数の印刷ジョブの印刷に関するスケジュールの更新であり、少なくとも各印刷ジョブの実行に要する時間の見積もりを含む。
ステップ76又はステップ77が終了すると、プロセッサ31は、ステップ1(図3参照)に戻る。
【0026】
<具体例1>
以下では、図3及び図4に示す処理動作の実行に伴う表示の変更を説明する。
図5は、プロセッサ31(図1参照)が扱う4つの印刷ジョブの具体例を説明する図である。4つの印刷ジョブにはジョブ名として印刷ジョブ#1~印刷ジョブ#4が付けられている。
印刷ジョブ#1は、分速100mでラスタライズが可能である。なお、印刷ジョブ#1の実行で消費される用紙の長さ(以下「用紙走行距離」ともいう)は600mである。
印刷ジョブ#2は、分速60mでラスタライズが可能である。なお、印刷ジョブ#2の実行で消費される用紙の長さは240mである。
印刷ジョブ#3は、分速150mでラスタライズが可能である。なお、印刷ジョブ#3の実行で消費される用紙の長さは900mである。
印刷ジョブ#4は、分速40mでラスタライズが可能である。なお、印刷ジョブ#4の実行で消費される用紙の長さは200mである。
【0027】
図6は、1つ目の印刷ジョブ#1が、ジョブ情報管理部311が管理するリストから読み出された状態を示している。なお、画像形成装置10(図1参照)の最大搬送速度は分速80mとする。図6では、印刷開始時刻を0時0分0秒(=00:00:00)として表している。
図6の場合、印刷ジョブ#1のラスタライズ速度は、画像形成装置10の最大搬送速度より速い分速100mである。このため、印刷ジョブ#1が読み出された時点における印刷速度は分速80mに設定される。また、分速80mで600mを印刷ジョブ#1を印刷するには7分30秒が必要になることが表示装置34(図1参照)に表示される。なお、印刷ジョブ#1は、ロール紙#1に割り当てられている。
【0028】
図7は、2つ目の印刷ジョブ#2が、ジョブ情報管理部311が管理するリストから読み出された状態を示している。2つ目の印刷ジョブ#2のラスタライズ速度は分速60mであり、1つ目の印刷ジョブの印刷に使用される印刷速度の分速80mよりも遅い。このため、最低ラスタライズ速度は分速60mに更新される。このため、印刷ジョブ#2が読み出された段階での印刷速度は、印刷ジョブ#1の印刷速度も含めて60mに更新される。これに伴い、用紙走行距離が600mである印刷ジョブ#1のジョブ実行時間は、7分30秒から10分に更新される。
なお、印刷ジョブ#2の用紙走行距離は240mであるので、ジョブ実行時間は4分となる。
【0029】
図8は、3つ目の印刷ジョブ#3が読み出された状態を示している。3つ目の印刷ジョブ#3のラスタライズ速度は分速150mであり、現在のラスタライズ速度よりも速い。このため、最低ラスタライズ速度は分速60mのままとなる。このため、印刷ジョブ#1と印刷ジョブ#2に対応するジョブ実行時間の表示に変更は生じない。
なお、印刷ジョブ#3の用紙走行距離は900mであるので、ジョブ実行時間は15分となる。
【0030】
図9は、4つ目の印刷ジョブ#4が読み出された状態を示している。4つ目の印刷ジョブ#4のラスタライズ速度は分速40mであり、現在のラスタライズ速度である分速60mよりも遅い。このため、最低ラスタライズ速度は分速40mに更新される。
最低ラスタライズ速度が更新されたので、既に、読み出しが終わった印刷ジョブ#1~印刷ジョブ#3の印刷速度も分速40mに更新される。印刷速度が更新されると、各印刷ジョブに対応するジョブ実行時間も更新される。
例えば印刷ジョブ#1のジョブ実行時間は、10分から15分に更新される。また、印刷ジョブ#2のジョブ実行時間は、4分から6分に更新される。また、印刷ジョブ#3のジョブ実行時間は、15分から22分30秒に更新される。
なお、印刷ジョブ#4の用紙走行距離は200mであるので、ジョブ実行時間は5分となる。
【0031】
<具体例2>
具体例1の場合には、画像形成装置10に装着されているロール紙#1の残量が、4つの印刷ジョブ#1~印刷ジョブ#4の用紙走行距離の総和より長い場合であった。
しかし、ロール紙#1の残量が新たに追加される印刷ジョブの用紙走行距離に不足する場合も起こり得る。この場合は、ステップ3(図3参照)で肯定結果が得られる場合に対応する。
図10は、ロール紙#1の残量が4つ目の印刷ジョブ#4の用紙走行距離に不足する場合を説明する図である。
印刷ジョブ#1~印刷ジョブ#3が印刷リストに追加された時点でのロール紙#1の残量が200mに満たない場合、装着されているロール紙を用いて印刷ジョブ#4を実行することはできない。
このため、印刷ジョブ#4は、印刷ジョブ#1~印刷ジョブ#3とは別のロール紙#2に割り当てられている。
なお、印刷ジョブ#1~印刷ジョブ#3の印刷速度とジョブ実行時間の見積もりは、図8の表示例のままとなる。
【0032】
<具体例3>
具体例1及び2の場合には、用紙の属性が同じ場合を想定しているが、読み出される印刷ジョブが用いる用紙の属性が1つ前の印刷ジョブの属性と異なる場合もある。この場合は、ステップ2(図3参照)で肯定結果が得られる場合に対応する。
図11は、用紙の属性の変更が2つ含まれる場合を説明する図である。図11の場合、コート紙に印刷する印刷ジョブ#1と印刷ジョブ#2を対象として印刷速度とジョブ実行時間が見積もられ、非コート紙に印刷する印刷ジョブ#3を対象として印刷速度とジョブ実行時間が見積もられ、コート紙に印刷する印刷ジョブ#4を対象として印刷速度とジョブ実行時間が見積もられている。
【0033】
この場合、ロール紙#1に割り当てられる印刷ジョブ#1と印刷ジョブ#2の印刷速度は、印刷ジョブ#2の印刷速度に決定されている。このため、見積もりの内容は、図7と同じになる。
ロール紙#2に割り当てられる印刷ジョブ#3の印刷速度は、画像形成装置10(図1参照)の最大搬送速度である分速80mに設定される。このため、図8の例とは異なり、ジョブ実行時間は、10分13秒となる。
ロール紙#3に割り当てられる印刷ジョブ#4の印刷速度は、ラスタライズ速度で定まり、分速40mに設定される。なお、印刷ジョブ#4の用紙走行距離は200mである。このため、ジョブ実行時間は5分となる。
【0034】
<実施の形態2>
続いて、実施の形態2について説明する。本実施の形態で使用する画像形成システム1(図1参照)の構成も、実施の形態1と同じである。ただし、実施の形態2の場合には、印刷ジョブが割り当てられるロール紙が切り替えられるタイミングで、ロール紙に対応付けられている印刷リストに含まれる全ての印刷ジョブの情報の表示を一括的に更新する。本実施の形態では、ロール紙毎に管理される印刷リストを速度未確定リストと呼ぶ。
図12は、実施の形態2におけるスケジュールの管理例を説明するフローチャートである。図中のSはステップを示している。なお、図12には、図3との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態の場合も、ステップ1~4の処理動作は、図3に示す実施の形態1と同様である。
【0035】
ただし、本実施の形態におけるプロセッサ31(図1参照)は、ステップ3で否定結果が得られた場合、選択した印刷ジョブを速度未確定リストに追加する(ステップ11)。なお、速度未確定リストに新たな印刷ジョブが追加されると、プロセッサ31は、ロール紙の残量を更新し(ステップ6)、その後、ステップ1に戻る。
また、ステップ2又はステップ3で肯定結果が得られた場合に実行されるステップ4の実行後、プロセッサ31は、速度未確定リストの印刷ジョブの印刷速度を決定して表示装置34(図1参照)の表示を更新する(ステップ12)。ステップ4の実行は、ロール紙の取り替えを前提とし、速度未確定リストに含まれる印刷ジョブの組み合わせが確定するためである。
なお、プロセッサ31は、現在の印刷ジョブを別のロール紙に割り当てるため、新たな速度未確定リストを生成する。ステップ12の実行後に実行されるステップ11では、この新たに生成された速度未確定リストに現在の印刷ジョブが追加される。
【0036】
本実施の形態の場合、ステップ1で否定結果が得られると、プロセッサ31は、速度未確定リストに印刷ジョブがあるか否かを判定する(ステップ13)。
速度未確定リストに印刷ジョブが残っていない場合、プロセッサ31は、ステップ13で否定結果を得、一連の処理を終了する。
これに対し、速度未確定リストに印刷ジョブが残っている場合、プロセッサ31は、速度未確定リストの印刷ジョブの印刷速度を決定して表示装置34の表示を更新し(ステップ12)、その後、一連の処理を終了する。
図13は、ステップ12で実行される処理動作の詳細を説明するフローチャートである。図13には、図4との対応部分に対応する符号を付して示している。なお、図中のSはステップを示している。図13図4と異なる点は、印刷リストの代わりに速度未確定リストを用いる点のみである。
【0037】
このため、プロセッサ31は、速度未確定リストの先頭の印刷ジョブのラスタライズ速度を仮の最低ラスタライズ速度に設定する(ステップ71A)。
次に、プロセッサ31は、速度未確定リストに残りの印刷ジョブがあるか否かを判定する(ステップ72A)。
他の処理は、図4と同様である。すなわち、ステップ72Aで否定結果が得られた場合、プロセッサ31は、ステップ75を実行する。また、ステップ73で肯定結果が得られた場合、プロセッサ31は、ステップ74を実行する。
【0038】
<具体例>
以下では、図12及び図13に示す処理動作の実行に伴う表示の変更を説明する。
図14は、プロセッサ31(図1参照)が扱う6つの印刷ジョブの具体例を説明する図である。6つの印刷ジョブにはジョブ名として印刷ジョブ#11~印刷ジョブ#16が付けられている。
印刷ジョブ#11は、分速100mでラスタライズが可能である。なお、印刷ジョブ#11の実行で消費される用紙の長さ(以下「用紙走行距離」ともいう)は6000mである。なお、印刷ジョブ#11は、用紙の属性(用紙属性)として非コート紙を指定する。
印刷ジョブ#12は、分速50mでラスタライズが可能である。なお、印刷ジョブ#12の実行で消費される用紙の長さは2000mである。印刷ジョブ#12も、用紙属性として非コート紙を指定する。
印刷ジョブ#13は、分速80mでラスタライズが可能である。なお、印刷ジョブ#13の実行で消費される用紙の長さは1500mである。印刷ジョブ#13も、用紙属性として非コート紙を指定する。
印刷ジョブ#14は、分速150mでラスタライズが可能である。なお、印刷ジョブ#14の実行で消費される用紙の長さは4000mである。印刷ジョブ#14も、用紙属性として非コート紙を指定する。
【0039】
印刷ジョブ#15は、分速40mでラスタライズが可能である。なお、印刷ジョブ#15の実行で消費される用紙の長さは3000mである。印刷ジョブ#15は、用紙属性としてコート紙を指定する。
印刷ジョブ#16は、分速60mでラスタライズが可能である。なお、印刷ジョブ#16の実行で消費される用紙の長さは2000mである。印刷ジョブ#16も、用紙属性としてコート紙を指定する。
なお、以下の説明で用いる画像形成装置10(図1参照)の最大搬送速度は分速80mとする。
また、画像形成装置10に取り付けられるロール紙の1本の長さは10000mであり、ロール紙の交換に必要な時間(すなわち交換所要時間)は30分とする。以下では、印刷開始時刻を9時0分(=09:00)として説明する。
【0040】
図15は、実施の形態2で採用する管理手法によるスケジューリングの結果を説明する図である。
まず、印刷ジョブ#11~印刷ジョブ#14は、いずれも用紙属性に非コート紙を指定する。ただし、速度未確定リストに印刷ジョブ#11~印刷ジョブ#13が追加された時点で用紙走行距離は9500mである。このため、ロール紙の残量は500mとなる。一方、印刷ジョブ#14の用紙走行距離は4000mであり、使用中のロール紙の残量を超過する。このため、印刷ジョブ#14は、印刷ジョブ#11~印刷ジョブ#13とは異なるロール紙に割り当てられて管理される。
そこで、図15の場合、印刷ジョブ#11~印刷ジョブ#13と印刷ジョブ#14の間に30分の空き時間がスケジューリングされている。
【0041】
ところで、印刷ジョブ#11~印刷ジョブ#13の中でラスタライズ速度が最も低いのは印刷ジョブ#12の分速50mである。また、分速50mは、画像形成装置10の最大搬送速度の80mよりも遅い。このため、印刷ジョブ#11~印刷ジョブ#13の印刷速度は分速50mに決定される。
図16は、同じロール紙に印刷される印刷ジョブを単位とする管理の結果を説明する図である。図16では、印刷ジョブ#11~印刷ジョブ#13の印刷速度が分速50mに決定されており、ジョブ実行時間の総和が3時間10分(=03:10:00)となっている。このため、図15の場合、印刷ジョブ#11~印刷ジョブ#13の印刷終了時刻は12時10分となっている。ロール紙#11の交換には30分を要するので、図15における印刷ジョブ#14の印刷開始時刻は12時40分となっている。
【0042】
ところで、印刷ジョブ#14は、印刷の用紙として非コート紙が指定されているが、次の印刷ジョブ#15は、印刷の用紙としてコート紙が指定されている。このため、新たなロール紙#12には、印刷ジョブ#14だけが割り当てられる。
ここで、印刷ジョブ#14のラスタライズ速度は分速150mである。しかし、分速150mは、画像形成装置10の最大搬送速度の分速80mより速い。このため、印刷ジョブ#14の印刷速度は分速80mに決定される。その結果、印刷ジョブ#14のジョブ実行時間は、18分45秒となる。
【0043】
図15の例では、印刷ジョブ#15は、ロール紙の交換に要する時間である30分を追加した13時30分を開始時刻に設定されている。
ここで、印刷ジョブ#15と印刷ジョブ#16は、いずれもコート紙を印刷の用紙とする。さらに、印刷ジョブ#15の用紙走行距離は3000m、印刷ジョブ#16の用紙走行距離は2000mである。このため、印刷ジョブ#15と印刷ジョブ#16は、ロール紙#13に印刷することが可能である。なお、印刷ジョブ#15及び印刷ジョブ#16のうちラスタライズ速度が遅いのは印刷ジョブ#15の分速40mである。分速40mは、画像形成装置10の最大搬送速度の分速80mより遅い。このため、印刷ジョブ#15及び印刷ジョブ#16の印刷速度は分速40mに決定される。その結果、印刷ジョブ#15と印刷ジョブ#16のジョブ実行時間の総和は、2時間5分となる。
このため、図15の例では、印刷ジョブ#16の終了時刻は、15時35分となっている。
【0044】
<実施の形態3>
続いて、実施の形態3について説明する。本実施の形態で使用する画像形成システム1(図1参照)の構成も、実施の形態1と同じである。
前述の実施の形態1及び実施の形態2においては、ユーザが印刷ジョブを指定した順番に印刷ジョブを割り当てるロール紙を管理し、ロール紙単位で割り当てられた印刷ジョブに適用する印刷速度を決定して各印刷ジョブの実行に要する時間を見積もっている。
しかし、実施の形態3では、ロール紙に割り当てる印刷ジョブを用紙走行距離を基準に組み替えることで、印刷ジョブの実行の効率化を図り、全ての印刷ジョブの実行に要する時間の短縮を実現する。
【0045】
図17は、実施の形態3で使用する管理サーバ30の機能構成の一例を説明する図である。図17には、図2との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態の場合、スケジュール管理部314(図2参照)の代わりにスケジュール決定部314Aを使用する。
スケジュール決定部314Aは、印刷ジョブ毎のラスタライズ速度、画像形成装置10(図1参照)の性能上の限界を与える最大搬送速度、ロール紙の残量の推定値に基づいて印刷ジョブの実行を効率化するスケジュールを決定する。
【0046】
図18は、実施の形態3におけるスケジュールの決定手法の一例を説明するフローチャートである。図18に示す処理は、プロセッサ31(図1参照)が実行する。
まず、プロセッサ31は、ロール紙の残量をリセットする(ステップ81)。
次に、プロセッサ31は、ジョブ情報管理部311(図17参照)が管理する残りの印刷ジョブがあるか否かを判定する(ステップ82)。
残りの印刷ジョブがある場合、プロセッサ31は、ステップ82で肯定結果を得る。この場合、プロセッサ31は、用紙走行距離の最も長い印刷ジョブを印刷リストに追加する(ステップ83)。前述したように、印刷ジョブは、ロール紙単位で管理される。
【0047】
次に、プロセッサ31は、追加される印刷ジョブが1つ目の印刷ジョブか否かを判定する(ステップ84)。
1つ目印刷ジョブの場合、プロセッサ31は、ステップ84で肯定結果を得る。この場合、プロセッサ31は、印刷リストの印刷ジョブに適用する印刷速度を確定する(ステップ85)。以下では、ステップ85で確定する印刷速度を速度Aという。
一方、印刷リストに追加される印刷ジョブが1つ目でない場合、プロセッサ31は、ステップ84で否定結果を得る。この場合、プロセッサ31は、ステップ85をスキップする。
ステップ84で否定結果を得た場合、又は、ステップ85の実行後、プロセッサ31は、ロール紙の残量を更新する(ステップ86)。具体的には、直近のロール紙の残量からステップ83で追加された印刷ジョブの用紙走行距離が減算される。
【0048】
続いて、プロセッサ31は、ジョブ情報管理部311が管理する残りの印刷ジョブに印刷リストの印刷ジョブと用紙の属性が同一で、「ロール紙の残量>印刷ジョブの用紙走行距離」を満たす印刷ジョブがあるか否かを判定する(ステップ87)。
ジョブ情報管理部311が管理する残りの印刷ジョブが前述した2つの条件を満たさない場合、プロセッサ31は、ステップ87で否定結果を得る。この場合は、同じロール紙に印刷が可能な印刷ジョブが残っていないことを意味する。このため、プロセッサ31は、ステップ81に戻る。
一方、ジョブ情報管理部311が管理する残りの印刷ジョブが前述した2つの条件を満たす場合、プロセッサ31は、ステップ87で肯定結果を得る。この場合は、同じロール紙に印刷が可能な印刷ジョブが残っていることを意味する。
【0049】
ステップ87で肯定結果が得られた場合、プロセッサ31は、速度A以上の速度で走行可能な印刷ジョブがあるか否かを判定する(ステップ88)。
速度A以上の速度で走行可能な印刷ジョブがある場合、プロセッサ31は、ステップ88で肯定結果を得る。この場合、プロセッサ31は、条件を満たす印刷ジョブの中で最も低速な印刷ジョブを印刷リストに追加する(ステップ89)。ステップ89で追加される印刷ジョブは、本来の印刷速度よりも遅い速度Aで印刷される印刷ジョブであるので、速度Aとの速度差が最も小さい印刷ジョブが選択される。なお、ステップ89の実行後、プロセッサ31は、ステップ86に戻る。
これに対し、速度A以上の速度で走行可能な印刷ジョブが存在しない場合、プロセッサ31は、ステップ88で否定結果を得る。この場合、プロセッサ31は、条件を満たす印刷ジョブの中で最も高速な印刷ジョブを印刷リストに追加する(ステップ90)。印刷リストに追加された印刷ジョブは、ステップ90で新たに追加される印刷ジョブの印刷速度に合わせる必要が生じる。このため、現在の速度Aとの速度差が最も小さい印刷ジョブが選択される。
【0050】
この後、プロセッサ31は、追加された印刷ジョブの印刷速度で速度Aを更新する(ステップ91)。前述したように、更新後の速度Aは、更新前よりも遅くなる。なお、ステップ91の実行後、プロセッサ31は、ステップ86に戻る。
因みに、ステップ88で肯定結果が得られる印刷ジョブと否定結果が得られる印刷ジョブの両方が存在する場合、本実施の形態におけるプロセッサ31は、肯定結果が得られる印刷ジョブを優先する。印刷リストに追加される複数の印刷ジョブの印刷に用いられる印刷速度を可能な限り高く維持するためである。
なお、ステップ82の判定において残りの印刷ジョブが無い場合、プロセッサ31は、ステップ82で否定結果を得る。この場合、プロセッサ31は、ロール紙に対応する印刷リストに追加された印刷ジョブのジョブ実行時間等を更新して表示装置に表示し(ステップ92)、その後、処理を終了する。
【0051】
<具体例>
以下では、図18に示す処理動作の実行に伴う表示の変更を説明する。
図19は、プロセッサ31(図1参照)が扱う6つの印刷ジョブの具体例を説明する図である。6つの印刷ジョブにはジョブ名として印刷ジョブ#21~印刷ジョブ#26が付けられている。
印刷ジョブ#21は、分速70mでラスタライズが可能である。なお、印刷ジョブ#21の実行で消費される用紙の長さ(以下「用紙走行距離」ともいう)は6000mである。
印刷ジョブ#22は、分速50mでラスタライズが可能である。なお、印刷ジョブ#22の実行で消費される用紙の長さは2000mである。
印刷ジョブ#23は、分速120mでラスタライズが可能である。なお、印刷ジョブ#23の実行で消費される用紙の長さは1500mである。
印刷ジョブ#24は、分速80mでラスタライズが可能である。なお、印刷ジョブ#24の実行で消費される用紙の長さは2000mである。
【0052】
印刷ジョブ#25は、分速100mでラスタライズが可能である。なお、印刷ジョブ#25の実行で消費される用紙の長さは5000mである。
印刷ジョブ#26は、分速40mでラスタライズが可能である。なお、印刷ジョブ#26の実行で消費される用紙の長さは2000mである。
なお、以下の説明で用いる画像形成装置10(図1参照)の最大搬送速度は分速80mとする。
また、画像形成装置10に取り付けられるロール紙の1本の長さは10000mであり、ロール紙の交換に必要な時間(すなわち交換所要時間)は30分とする。以下では、印刷開始時刻を9時0分(=09:00)として説明する。
【0053】
図20は、前述した実施の形態2で採用する管理手法によるスケジューリングの結果を説明する図である。図20は、本実施の形態との比較のために使用する。
実施の形態2の場合、ジョブ情報管理部311(図2参照)に登録された順番に、ロール紙に割り当てる印刷ジョブが決定される。このため、用紙走行距離の総和が9500mとなる印刷ジョブ#21~印刷ジョブ#23がロール紙#21に割り当てられ、用紙走行距離の総和が9000mとなる印刷ジョブ#24~印刷ジョブ#26がロール紙#22に割り当てられる。
【0054】
図20の場合、印刷ジョブ#21~印刷ジョブ#23の中でラスタライズ速度から定まる印刷速度の最低値は印刷ジョブ#22の分速50mである。また、印刷ジョブ#24~印刷ジョブ#26の中でラスタライズ速度から定まる印刷速度の最低値は印刷ジョブ#26の分速40mである。このため、ロール紙#21に対応する印刷速度は分速50mに決定され、ロール紙#22に対応する印刷速度は分速40mに決定される。
結果的に、ロール紙#21に割り当てられた印刷ジョブ#21~印刷ジョブ#23の印刷には3時間10分が必要となり、ロール紙#22に割り当てられた印刷ジョブ#24~印刷ジョブ#26の印刷には3時間45分が必要となる。
このため、用紙の交換時間を除くと、印刷ジョブ#21~印刷ジョブ#26の印刷には6時間55分が必要になる。
【0055】
図21は、実施の形態3で採用するスケジュールの決定手法を適用した結果を説明する図である。
図18で説明したように、本実施の形態では、ロール紙の残量を超えない範囲で用紙走行距離が最も長い印刷ジョブが1つ選択され、ロール紙に対応する印刷リストに加えられる。
このため、ロール紙#21には、印刷ジョブ#21、印刷ジョブ#24、印刷ジョブ#23が割り当てられており、ロール紙#22には、印刷ジョブ#25、印刷ジョブ#22、印刷ジョブ#26が割り当てられている。
例えばロール紙#21の場合、用紙走行距離が最も長い印刷ジョブ#21の印刷速度が最も遅い。このため、ロール紙#21の印刷速度は分速70mに決定される。この場合、ロール紙#21に割り当てられた印刷ジョブ#21、印刷ジョブ#24、印刷ジョブ#23の印刷には2時間15分43秒が必要となる。
【0056】
一方、ロール紙#22の場合、用紙走行距離が最も長い印刷ジョブ#25の印刷速度よりも、他の2つの印刷ジョブに対応する印刷速度の方が遅い。なお、印刷速度の最低値は、印刷ジョブ#26の分速40mである。このため、ロール紙#22の印刷速度は分速40mに決定される。この場合、ロール紙#22に割り当てられた印刷ジョブ#25、印刷ジョブ#22、印刷ジョブ#26の印刷には3時間45分が必要となる。
このため、用紙の交換時間を除くと、印刷ジョブ#21~印刷ジョブ#26の印刷には6時間0分43秒が必要になる。
結果的に、本実施の形態で説明したスケジュールの決定手法の適用により、印刷ジョブの実行に要する時間は、実施の形態2の場合に比して、約55分の短縮が可能である。
【0057】
<実施の形態4>
続いて、実施の形態4について説明する。本実施の形態で使用する画像形成システムの構成も、実施の形態1と同じである。
前述の実施の形態においては、用紙走行距離の長い順番にロール紙に割り当てる印刷ジョブを決定する場合について説明した。
実施の形態4では、印刷速度が速い順番にロール紙に割り当てる印刷ジョブを決定する手法を説明する。
【0058】
なお、実施の形態4の場合にも、図17で説明した機能構成を有する管理サーバ30を使用する。
図22は、実施の形態4におけるスケジュールの決定手法の一例を説明するフローチャートである。
まず、プロセッサ31は、印刷速度が速い順番に印刷ジョブを並び替える(ステップ101)。並び替えの対象である印刷ジョブは、ジョブ情報管理部311(図17参照)が管理している。
この後、プロセッサ31は、ロール紙の残量をリセットする(ステップ102)。
【0059】
次に、プロセッサ31は、残りの印刷ジョブがあるか否かを判定する(ステップ103)。
残りの印刷ジョブがある場合、プロセッサ31は、ステップ103で肯定結果を得る。この場合、プロセッサ31は、ロール紙の残量が次の印刷ジョブの用紙走行距離より長いか否かを判定する(ステップ104)。前述したように、印刷ジョブは、ロール紙単位で管理される。
次の印刷ジョブの用紙搬送距離がロール紙の残量より短い場合、プロセッサ31は、ステップ105で肯定結果を得る。この場合、プロセッサ31は、次の印刷ジョブを印刷リストに追加する(ステップ105)。
この後、プロセッサ31は、ロール紙の残量を更新し(ステップ106)、ステップ103に戻る。
【0060】
一方、ステップ104の判定において、次の印刷ジョブの用紙走行距離がロール紙の残量より長い場合、プロセッサ31は、ステップ104で否定結果を得る。この場合、プロセッサ31は、次の印刷ジョブを別の印刷リストに追加し(ステップ107)、その後、ステップ102に戻る。この場合、ロール紙が交換されるので、ロール紙の残量がリセットされる。
なお、ステップ103の判定において、残りの印刷ジョブがない場合、プロセッサ31は、ステップ103で否定結果を得る。この場合、プロセッサ31は、ロール紙に対応する印刷リストの印刷ジョブのジョブ実行時間等を更新して表示装置に表示し(ステップ108)、一連の処理を終了する。
【0061】
<具体例>
以下では、図22に示す処理動作の実行に伴う表示の変更を説明する。
図23は、実施の形態4で採用するスケジュールの決定手法を適用した結果を説明する図である。
なお、図23で扱う6つの印刷ジョブ#21~印刷ジョブ#26は、実施の形態3の場合と同様である。すなわち、図19に示す印刷ジョブと同じである。なお、ロール紙の1本の長さや画像形成装置10(図1参照)の最大搬送速度についても実施の形態3と同様である。
【0062】
図22で説明したように、本実施の形態では、印刷速度が速い順番に印刷ジョブが1つ選択され、ロール紙に対応する印刷リストに加えられる。
このため、ロール紙#21には、印刷ジョブ#23、印刷ジョブ#25、印刷ジョブ#24が割り当てられており、ロール紙#22には、印刷ジョブ#21、印刷ジョブ#22、印刷ジョブ#26が割り当てられている。
例えばロール紙#21の場合、割り当てられた印刷ジョブの中で印刷ジョブ#24の印刷速度が最も遅い。このため、ロール紙#21の印刷速度は分速80mに決定される。なお、分速80mは、画像形成装置10(図1参照)の最大搬送速度と同じである。
この場合、ロール紙#21に割り当てられた印刷ジョブ#23、印刷ジョブ#25、印刷ジョブ#24の印刷には1時間46分15秒が必要となる。
【0063】
一方、ロール紙#22の場合、割り当てられた印刷ジョブの中で印刷ジョブ#26の印刷速度が最も遅い。このため、ロール紙#22の搬送速度は分速40mに決定される。この場合、ロール紙#22に割り当てられた印刷ジョブ#21、印刷ジョブ#22、印刷ジョブ#26の印刷には4時間10分が必要となる。
このため、用紙の交換時間を除くと、印刷ジョブ#21~印刷ジョブ#26の印刷には5時間56分15秒が必要になる。
結果的に、本実施の形態で説明したスケジュールの決定手法の適用により、印刷ジョブの実行に要する時間は、実施の形態2の場合に比して、約59分の短縮が実現され、実施の形態3に比しても約4分の短縮が実現される。
【0064】
<他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は前述した実施の形態に記載の範囲に限定されない。前述した実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0065】
前述の実施の形態では、管理サーバ30(図1参照)において、ロール紙に対する印刷ジョブの割り当ての決定と、割り当てられた印刷ジョブの組み合わせに応じた印刷の実行に要する時間の見積もりの更新とを実行しているが、同機能を画像形成装置10が単独で実行してもよいし、管理サーバ30と画像形成装置10が協働でロール紙に対する印刷ジョブの割り当ての決定と、割り当てられた印刷ジョブの組み合わせに応じた印刷の実行に要する時間の見積もりの更新とを実行してもよい。
【0066】
また、前述の実施の形態においては、管理サーバ30が画像形成装置10とネットワークを通じて接続されていると説明したが、ここでのネットワークはLAN(Local Area Network)に限らずインターネットでもよいし、専用線や信号線でもよい。
また、前述の実施の形態では、ロール紙に割り当てられる印刷ジョブの組み合わせの変化に応じて各印刷ジョブの印刷速度やジョブ実行時間を更新し、更新後の情報を表示装置34(図1参照)の表示の内容に反映させているが、更新後の情報の表示は必須ではない。
【0067】
なお、前述した各実施の形態におけるプロセッサ31は、広義的な意味でのプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU(=Central Processing Unit)等)の他、専用的なプロセッサ(例えばGPU(=Graphical Processing Unit)、ASIC(=Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(=Field Programmable Gate Array)、プログラム論理デバイス等)を含む。
また、前述した各実施の形態におけるプロセッサ31の動作は、1つのプロセッサが単独で実行してもよいが、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して実行してもよい。また、プロセッサにおける各動作の実行の順序は、前述した各実施の形態に記載した順序のみに限定されるものでなく、個別に変更してもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…画像形成システム、10…画像形成装置、30…管理サーバ、31…プロセッサ、32…記憶装置、33…操作受付装置、34…表示装置、311…ジョブ情報管理部、312…ラスタライズ速度算出部、313…用紙残量管理部、314…スケジュール管理部、314A…スケジュール決定部、315…スケジュール表示制御部
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