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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20231219BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20231219BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20231219BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
B41J2/175 131
B41J2/175 113
B41J2/175 301
B41J2/01 301
B41J29/00 T
B41J29/00 A
B41J29/13
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019172659
(22)【出願日】2019-09-24
(65)【公開番号】P2021049666
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】山下 祐介
(72)【発明者】
【氏名】神長 聡
【審査官】小野 郁磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-001249(JP,A)
【文献】特開2018-069697(JP,A)
【文献】特開2019-142116(JP,A)
【文献】特開2016-221761(JP,A)
【文献】特開2018-089814(JP,A)
【文献】特開2015-096303(JP,A)
【文献】特開2006-110946(JP,A)
【文献】特開2013-150247(JP,A)
【文献】特開2019-042962(JP,A)
【文献】特開2019-010797(JP,A)
【文献】特開2018-114718(JP,A)
【文献】特開2019-130767(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0151818(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01- 2/215
B41J 29/00-29/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体の搬送方向と交差する幅方向に移動可能なキャリッジと、
前記キャリッジに搭載される記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに供給される液体が収容されると共に、前記液体を補充容器から注入可能な注入口及び前記液体の液面の位置を視認可能な液面視認部を有する液体収容部と、
前記液体を前記液体収容部に注入する操作を案内する表示部と、
を備え、
前記注入口、前記液面視認部及び前記表示部は装置前面における前記幅方向の端部の一方に配置され、
前記注入口は、前記搬送方向において、前記キャリッジが移動する領域と、前記液面視認部及び前記表示部の間に配置され、
前記表示部は前記液面視認部の上部に配置されることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記液体収容部を収容する収容ケースを有し、
前記収容ケースには前記液面視認部を視認可能にする開口が設けられ、
前記収容ケースの前記開口を含む前面と前記表示部の面とは、同一平面となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記装置前面側には、前記液面視認部に対して前記幅方向に配置される前扉が設けられ、
前記装置前面を正面視した場合、前記前扉の端と、前記表示部及び前記収容ケースの境界とは同じ線上に配置されることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記液体収容部は、開閉可能な上蓋を有し、
前記上蓋は、前記搬送方向において、前記キャリッジが移動する領域と、前記液面視認部及び前記表示部の間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項5】
前記媒体を排出する排出部をさらに有し、
前記液面視認部と前記排出部とは、前記幅方向において隣接して配置されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項6】
前記媒体を給紙する給紙トレイをさらに有し、
前記液面視認部と前記給紙トレイとは、前記幅方向において隣接して配置されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項7】
前記媒体を排出する排出部と、
前記媒体を給紙する給紙トレイと、
をさらに有し、
前記排出部は、前記給紙トレイの上方に位置することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項8】
媒体の搬送方向と交差する幅方向に移動可能なキャリッジと、
前記キャリッジに搭載される記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに供給される液体が収容されると共に、前記液体を補充容器から注入可能な注入口及び前記液体の液面の位置を視認可能な液面視認部を有する液体収容部と、
操作を案内する表示部と、
前記媒体を排出する排出部と、
前記媒体を給紙する給紙トレイと、
を備え、
前記注入口、前記液面視認部及び前記表示部は装置前面における前記幅方向の端部の一方に配置され、
前記注入口は、前記搬送方向において、前記キャリッジが移動する領域と、前記液面視認部及び前記表示部の間に配置され、
前記表示部は前記液面視認部の上部に配置され、前記液面視認部及び前記表示部は
記搬送方向及び前記幅方向に交差する方向から見た場合、前記表示部の一部は前記排出部及び前記給紙トレイの少なくとも一方と重なることを特徴とする記録装置。
【請求項9】
前記媒体を排出する排出部と、
前記媒体を給紙する給紙トレイと、
をさらに有し、
前記搬送方向及び前記幅方向に交差する方向から見た場合、前記表示部の一部は前記排出部及び前記給紙トレイの少なくとも一方と重なることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項10】
前記表示部における筐体の色は、濃系色であることを特徴とする請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項11】
前記液面視認部の色と前記表示部における筐体の色とは、同一の濃系色であることを特徴とする請求項10に記載の記録装置。
【請求項12】
前記液面視認部及び前記表示部は、前記幅方向と交差する方向に前記装置前面から突出していることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項13】
前記表示部はチルト可能であることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項14】
装置本体に対して回動可能に取り付けられるスキャナー部をさらに有し、
前記表示部は、前記スキャナー部の端に取り付けられ、前記スキャナー部と一緒に回動可能であることを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項15】
前記記録ヘッドに供給される液体は、前記液体収容部からチューブにより供給されることを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項16】
前記液面視認部及び前記表示部は、前記幅方向において、オーバーラップする領域を有することを特徴とする請求項1~15のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項17】
媒体の搬送方向と交差する幅方向に移動可能なキャリッジと、
前記キャリッジに搭載される記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに供給される液体が収容されると共に、前記液体を補充容器から注入可能な注入口及び前記液体の液面の位置を視認可能な液面視認部を有する液体収容部と、
操作を案内する表示部と、
を備え、
前記表示部は、表示パネルであり、
前記注入口、前記液面視認部及び前記表示部は装置前面における前記幅方向の端部の一方に配置され、
前記注入口は、前記搬送方向において、前記キャリッジが移動する領域と、前記液面視認部及び前記表示部の間に配置され、
前記表示部は前記液面視認部の上部に配置され、
前記表示部は、前記幅方向において、前記液面視認部よりも長いことを特徴とする記録装置。
【請求項18】
前記表示部は、前記幅方向において、前記液面視認部よりも長いことを特徴とする請求項16に記載の記録装置。
【請求項19】
前記表示部は、前記幅方向と交差する方向に装置前面から突出していることを特徴とする請求項1~18のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項20】
前記液体収容部には、ブラックの液体が収容されることを特徴とする請求項1~19のいずれか1項に記載の記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インク(液体)を補充可能なインクタンクと、当該インクタンクから供給される液体をノズルから吐出して媒体に画像を記録する記録ヘッドとを有する液体吐出装置(記録装置)が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の記録装置は、媒体に画像を記録する記録部と、記録部にむけて媒体を送り出す搬送ローラー部と、画像が記録された媒体を記録部から排出する排出ローラー部と、記録ヘッドに供給される液体が収容されるインクタンクと、インクタンク内の液体の残量を検出する光学センサーと、各種情報が表示される表示部とを有する。
インクタンク内の液体の残量が少なくなると、ユーザーに対してインクタンクへの液体の補充が促され、ユーザーはインクタンクに液体を補充する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-48479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の記録装置では、記録ヘッドに供給される液体が収容されるインクタンクと、各種情報が表示される表示部とが離れて配置されるために、例えば、表示部に表示される情報を参照しながらインクタンクに液体を補充する操作を実行しにくく、インクタンクに液体を補充する操作が適正に実行されなくなるおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
記録装置は、媒体の搬送方向と交差する幅方向に移動可能なキャリッジと、前記キャリッジに搭載される記録ヘッドと、前記記録ヘッドに供給される液体が収容されると共に、前記液体を補充容器から注入可能な注入口及び前記液体の液面の位置を視認可能な液面視認部を有する液体収容部と、操作を案内する表示部と、を備え、前記液面視認部及び前記表示部は装置前面側に設けられ、前記表示部は前記液面視認部の上部に配置されることを特徴とする。
【0006】
記録装置では、前記液体収容部を収容する収容ケースを有し、前記収容ケースには前記液面視認部を視認可能にする開口が設けられ、前記収容ケースの前記開口を含む前面と前記表示部の面とは、同一平面となるように配置されていることが好ましい。
【0007】
記録装置では、前記液面視認部及び前記表示部は、前記装置前面における前記幅方向の端部の一方に配置されることが好ましい。
【0008】
記録装置では、前記媒体を排出する排出部をさらに有し、前記液面視認部と前記排出部とは、前記幅方向において隣接して配置されることが好ましい。
【0009】
記録装置では、前記媒体を給紙する給紙トレイをさらに有し、前記液面視認部と前記給紙トレイとは、前記幅方向において隣接して配置されることが好ましい。
【0010】
記録装置では、前記液面視認部の色と前記表示部における筐体の色とは、同一の濃系色であることが好ましい。
【0011】
記録装置では、前記液面視認部及び前記表示部は、前記幅方向と交差する方向に前記装置前面から突出していることが好ましい。
【0012】
記録装置では、前記搬送方向及び前記幅方向に交差する方向から見た場合、前記表示部の一部は前記排出部及び前記給紙トレイの少なくとも一方と重なることが好ましい。
【0013】
記録装置では、前記表示部はチルト可能であることが好ましい。
【0014】
記録装置では、前記装置前面側には、前記液面視認部に対して前記幅方向に配置される前扉が設けられ、前記装置前面を正面視した場合、前記前扉の端と、前記表示部及び前記収容ケースの前面の境界とは同じ線上に配置されることが好ましい。
【0015】
記録装置では、装置本体に対して回動可能に取り付けられるスキャナー部をさらに有し、前記表示部は、前記スキャナー部の端に取り付けられ、前記スキャナー部と一緒に回動可能であることが好ましい。
【0016】
記録装置では、前記記録ヘッドに供給される液体は、前記液体収容部からチューブにより供給されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態1に係る記録装置の斜視図。
図2】実施形態1に係る記録装置の他の斜視図。
図3】実施形態1に係る記録装置の他の斜視図。
図4】実施形態1に係る記録装置の他の斜視図。
図5】実施形態1に係る記録装置の他の斜視図。
図6】実施形態2に係る記録装置の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.実施形態1
1.1記録装置の概要
図1は、実施形態1に係る記録装置1の斜視図である。図2は、実施形態1に係る記録装置1の他の斜視図である。図3図5は、本実施形態に係る記録装置1の他の斜視図である。図1図3では、スキャナー部10が装置本体3に対して閉じられた状態が図示されている。図4及び図5では、スキャナー部10が装置本体3に対して開かれた状態が図示されている。
図5では、補充容器50からイエローの液体をインクタンク46Yに補充する状態が図示されている。
最初に、図1図3を参照し、本実施形態に係る記録装置1の概要を説明する。
【0019】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る記録装置1は、直方体状をなす装置本体3と、装置本体3の上部に取り付けられるスキャナー部10とを有し、水平面に設置されている。
以降の説明では、直方体状をなす装置本体3の長手方向(幅方向)をX方向とし、装置本体3の短手方向(奥行方向)をY方向とし、装置本体3の高さ方向をZ方向とする。また、方向を示す矢印の先端側を+方向とし、方向を示す矢印の基端側を-方向とする。
なお、装置本体3の+Y方向側は、本願における装置前面の一例であり、以降、装置前面4と称す。また、+Y方向側から装置前面4を見る場合は、本願における装置前面を正面視する場合に相当する。
【0020】
スキャナー部10は、装置本体3の上部に配置され、装置本体3に対して回動可能に取り付けられている(図1図4参照)。スキャナー部10では、原稿が載置され原稿を読み取るスキャナーハウジング11(図4参照)と上蓋12とが順に積層されている。
上蓋12はスキャナーハウジング11を保護するカバーであり、図中に二点鎖線で図示されるようにスキャナーハウジング11に対して回動可能である。さらに、上蓋12の+Y方向の端には表示部15が取り付けられている。
【0021】
図中に実線と二点鎖線とで示されるように、表示部15は、上蓋12と一緒にスキャナーハウジング11に対して回動可能であり、且つ、上蓋12に対してチルト可能である。すなわち、表示部15は、スキャナー部10の端に取り付けられ、スキャナー部10と一緒に回動可能であり、且つ、チルト可能である。
表示部15は、タッチパネルを有する液晶表示モジュールで構成され、タッチパネルを有する表示パネル16と筐体17とを有する。表示部15は、記録装置1の操作を案内する機構(表示する機能)と、記録装置1に対する各種設定を行う機能とを有する。ユーザーは、視認しやすい位置に表示部15をチルトさせ、表示部15に表示される画像を参照しつつ記録装置1における各種操作を実施することができる。さらに、ユーザーは、タッチしやすい位置に表示部15をチルトさせ、表示部15を介して記録装置1の各種設定を行うことができる。
このように、記録装置1は、記録装置1の操作を案内する表示部15を有する。さらに、表示部15が上蓋12に対してチルト可能であると、表示部15に表示される操作の案内が視認されやすくなり、記録装置1の各種設定を行う操作が容易になる。
【0022】
さらに、図5に示す様に、表示部15をスキャナー部10と一緒に回動させ、表示部15が取り付けられたスキャナー部10を装置本体3に対して開くことで、液体を補充容器50からインクタンク46に補充する。液体を補充容器50からインクタンク46に補充する場合、表示部15はインクタンク46から離れて配置されるので、表示部15は液体を補充容器50からインクタンク46に補充する操作を阻害しない。このため、表示部15を大きくすることができる。
すなわち、表示部15がスキャナー部10の端に取り付けられ、表示部15がスキャナー部10と一緒に回動可能な構成を有すると、表示部15を大きくすることが可能になり、ユーザーは、表示部15に表示される操作を案内する画像を視認しやすくなる。
【0023】
図1及び図2に戻って、装置本体3の内部には、記録部30が配置されている。記録部30は、液体を用いて媒体に画像を記録可能に構成されている。記録部30は、キャリッジ31と、キャリッジ31に搭載される記録ヘッド32と、記録ヘッド32に液体を供給するためのチューブ33とを有している。チューブ33は、記録部30と液体収容部40とに接続されている。液体収容部40に収容される液体は、チューブ33を介して記録部30に供給される。
【0024】
キャリッジ31は、ガイド軸(図示省略)によって支持され、媒体が搬送される搬送方向と交差する媒体の幅方向に移動可能である。本実施形態では、媒体の幅方向は、+X方向または-X方向であり、本願における媒体の搬送方向と交差する幅方向の一例である。
キャリッジ31は媒体の幅方向(+X方向または-X方向)に移動可能である。記録ヘッド32は、キャリッジ31と一緒に媒体の幅方向に移動可能である。記録ヘッド32は、共通液室(図示省略)、圧力発生室(図示省略)、圧電素子(図示省略)、及びノズル(図示省略)などを有し、媒体に対して液体を吐出する。
記録装置1では、記録ヘッド32が媒体の幅方向に移動しながら液体を媒体に吐出する動作と、媒体が搬送方向に搬送される動作とを交互に繰り返すことによって、媒体に所望の画像を記録する。
【0025】
装置前面4の+X方向側の上部に表示部15が配置され、装置前面4の+X方向側の下部に収容ケース41の液面視認部42が配置される。すなわち、表示部15は、液面視認部42の上部に配置され、液面視認部42の近くに配置される。このように、記録装置1は、表示部15が液面視認部42の上部に配置される構成を有する。
装置前面4において、表示部15に対して-X方向に前面側筐体5が配置され、液面視認部42に対して-X方向に前扉22が配置されている。さらに、前面側筐体5には、電源をオンとオフとに切り替える電源ボタン14が配置されている。このように、記録装置1は、前扉22が液面視認部42に対して媒体の幅方向(-X方向)に配置される構成を有する。
前扉22は、装置本体3に対して開閉可能である(図1図3参照)。
【0026】
詳細は後述するが、液体収容部40は、収容ケース41と、収容ケース41の内部に収容されるインクタンク46とを有する。収容ケース41の+Y方向側の面が液面視認部42である。ユーザーは、収容ケース41の液面視認部42を介して、収容ケース41の中のインクタンク46に収容される液体の液面の位置を視認することができる。
このように、記録装置1は、表示部15及び液面視認部42が、装置前面4における媒体の幅方向の端部の一方(装置前面4の+X方向側)に配置される構成を有する。なお、表示部15及び液面視認部42は、装置前面4の+X方向側でなく、装置前面4の-X方向側に配置されてもよい。
また、液面視認部42及び表示部15の両方を装置前面4における媒体の幅方向の端部の一方に配置すると、表示部15を液面視認部42の上部に配置し、表示部15を液面視認部42の近くに配置することができる。
【0027】
装置前面4において、表示部15の+Y方向側の面と収容ケース41の前面の+Y方向側の面とは、同一平面上に配置される。すなわち、記録装置1は、表示部15と液面視認部42とは同一平面上に配置されず、表示部15の+Y方向側の面と収容ケース41の前面の+Y方向側の面とが同一平面上に配置される構成を有する。表示部15の+Y方向側の面と収容ケース41の前面の+Y方向側の面とが同一平面上に配置されると、表示部15を収容ケース41の近くに配置し、表示部15を液面視認部42の近くに配置することができる。
尚、表示部15及び液面視認部42は、同一平面上に配置される構成であってもよい。
さらに、装置前面4において、表示部15の+Y方向側の面と収容ケース41の前面の+Y方向側の面とは、前面側筐体5の+Y方向側の面に対して+Y方向に配置され、媒体の幅方向(+X方向、-X方向)と交差する+Y方向に突出している。すなわち、記録装置1は、表示部15及び液面視認部42が媒体の幅方向と交差する方向に突出する構成を有する。液面視認部42及び表示部15が媒体の幅方向と交差する方向に突出していると、液面視認部42及び表示部15が媒体の幅方向と交差する方向に突出していない場合と比べて、液体収容部40におけるインクタンク46の体積を大きくすることができ、液体収容部40に多量の液体を収容することができる。
【0028】
前扉22では、前面側筐体5に対して-Z方向側に配置される部分22aが、前面側筐体5と同一平面上に配置される。さらに、前扉22では、+X方向側に配置される部分22bが、前面側筐体5の+Y方向側の面に対して+Y方向に配置され、媒体の幅方向と交差する+Y方向に突出している。すなわち、前扉22は、媒体の幅方向と交差する+Y方向に突出する部分22bと、前面側筐体5と同一平面上に配置される部分22aとを有する。
さらに、前扉22における部分22bと、表示部15の+Y方向側の面と、収容ケース41の前面の+Y方向側の面とは、同一平面上に配置される。
【0029】
前扉22の+Z方向側の端22cは、本願における前扉の端の一例である。前扉22の端22cは、前扉22の前面側筐体5との境界に配置される部分である。
+Y方向から装置前面4を見た場合(装置前面4を正面視した場合)、前扉22の端22cと、液面視認部42と表示部15との境界7とは、目視で実質的に同じ線上に配置されると見なすことができる。すなわち、記録装置1は、装置前面4を正面視した場合、前扉22の端22cと、表示部15及び液面視認部42の境界7とが同じ線上に配置される構成を有する。前扉22の端22cと表示部15及び液面視認部42の境界7とが同じ線上に配置されると、前扉22が表示部15及び液面視認部42に干渉しにくくなり、前扉22の開閉が容易になる。
なお、本願における同じ線上に配置されるとは、目視で実質的に同じ線上に配置されると見なすことができる状態であり、例えば、同じ線上に配置されない部分を含んでいてもよい。さらに、本願における同一平面上に配置されるとは、目視で実質的に同じ平面上に配置されると見なすことができる状態であり、例えば、同じ平面上に配置されない部分を含んでいてもよい。
【0030】
図3に示すように、装置本体3の中には、給紙トレイ20と、排出部の一例である排出トレイ21とが収容されている。排出トレイ21は、給紙トレイ20の上部に配置されている。すなわち、排出トレイ21は給紙トレイ20に対して+Z方向に配置され、給紙トレイ20は排出トレイ21に対して-Z方向に配置される。
前扉22を装置本体3に対して開くと、給紙トレイ20と排出トレイ21とが露出し、排出トレイ21及び給紙トレイ20を装置本体3に対して挿抜することができる。
【0031】
給紙トレイ20は、媒体を収容可能に構成されている。媒体が収容された状態で給紙トレイ20を装置本体3に挿入することによって、媒体を装置本体3の内部にセットすることができる。前扉22が装置本体3に対して開かれ、図中に二点鎖線で示されるように排出トレイ21の一部が装置本体3の外側に引き出された状態で、記録装置1は媒体に対する記録を実行する。
給紙トレイ20に収容される媒体は、その姿勢が反転されるように装置本体3の内部で湾曲されながら記録部30に向けて送り出され、記録部30において画像が記録された後に排出トレイ21に向けて送り出され、排出トレイ21に載置される。
記録部30において、記録ヘッド32が媒体の幅方向(+X方向、-X方向)に移動可しながら液体を媒体に吐出する動作と、媒体が+Y方向に搬送される動作とが交互に繰り返されることによって、媒体に所望の画像が記録される。
なお、本願における媒体の搬送方向は、記録部30において媒体が搬送される方向(+Y方向)である。さらに、本願における搬送方向(+Y方向)及び幅方向(+X方向、-X方向)に交差する方向は、Z方向である。さらに、Z方向から見た場合は、本願における搬送方向及び幅方向に交差する方向から見た場合に相当する。
【0032】
本実施形態では、液面視認部42の媒体の幅方向の位置(X方向の位置)と排出トレイ21の媒体の幅方向の位置とは異なり、液面視認部42の媒体の幅方向の位置と給紙トレイ20の媒体の幅方向の位置とは異なる。すると、液面視認部42と、排出トレイ21及び給紙トレイ20とが干渉しにくくなり、ユーザーは、液面視認部42を介してインクタンク46を視認しやすくなる。
さらに、Z方向から見た場合、表示部15の一部は排出トレイ21及び給紙トレイ20と重なる。すると、記録装置1の媒体の幅方向の寸法(X方向の寸法)を短くし、記録装置1のコンパクト化を図ることができる。
なお、Z方向から見た場合、表示部15の一部は、排出トレイ21または給紙トレイ20のいずれかと重なる構成であってもよく、排出トレイ21及び給紙トレイ20の両方と重なる構成であってもよい。すなわち、Z方向から見た場合、表示部15の一部が排出トレイ21及び給紙トレイ20の少なくとも一方と重なる構成であればよい。
【0033】
1.2液体収容部の概要
次に、図1図4及び図5を参照し、液体収容部40の概要を説明する。
図1及び図4に示すように、液体収容部40は、収容ケース41と、収容ケース41の中に収容されるインクタンク46とを有する。インクタンク46には、記録ヘッド32に供給される液体が収容される。
収容ケース41において、ユーザーがインクタンク46に収容される液体の液面の位置を視認可能な部分(収容ケース41の+Y方向側の面)が液面視認部42である。収容ケース41は、液面視認部42に加えて、開閉可能な上蓋44を有する。上蓋44は、インクタンク46を保護するカバーである。上蓋44を開くと、補充容器50(図5参照)からインクタンク46の注入口46bに液体を補充することができる。
このように、液体収容部40は、記録ヘッド32に供給される液体が収容されると共に、液体を補充容器50から注入可能な注入口46b及び液体の液面の位置を視認可能な液面視認部42を有する。
【0034】
収容ケース41には、六つのインクタンク46が収容されている。六つのインクタンク46は、色材として黒色の顔料を含むブラックの液体が収容されるインクタンク46K1と、色材として黒色の染料を含むブラックの液体が収容されるインクタンク46K2と、色材として灰色の染料を含むグレーの液体が収容されるインクタンク46GRと、色材としてシアン色の顔料を含むシアンの液体が収容されるインクタンク46Cと、色材としてマゼンタ色の顔料を含むマゼンタの液体が収容されるインクタンク46Mと、色材として黄色の顔料を含むイエローの液体が収容されるインクタンク46Yとで構成される。
液体収容部40では、黒色の顔料を含むブラックの液体が収容されるインクタンク46K1と、黒色の染料を含むブラックの液体が収容されるインクタンク46K2と、グレーの液体が収容されるインクタンク46GRと、シアンの液体が収容されるインクタンク46Cと、マゼンタの液体が収容されるインクタンク46Mと、イエローの液体が収容されるインクタンク46Yとが、+X方向に順に配置される。
【0035】
なお、収容ケース41の中に収容されるインクタンク46の数は、六つに限定されず、六つよりも少なくてもよく、六つよりも多くてもよい。液体に含まれる色材は、顔料であってもよく、染料であってもよい。さらに、色材が含まれない液体であってもよい。
【0036】
色材として黒色の顔料を含むブラックの液体は滲みにくく、例えば、文字やマーカーなどの記録に好適である。色材として黒色の染料を含むブラックの液体は、色の再現性が良く、例えば、写真などの記録に好適である。
このため、色材として黒色の顔料を含むブラックの液体は、モノクロの印刷やマーカーなどの印刷に使用される。色材として黒色の染料を含むブラックの液体は、写真などの印刷に使用される。さらに、色材として灰色の染料を含むグレーの液体によって、白と黒との間の中間色を記録すると、色の再現性がさらに向上するので、色材として灰色の染料を含むグレーの液体は写真などの印刷に使用される。
【0037】
インクタンク46は、液体が収容される本体部46aと、液体を補充容器50から注入可能な注入口46bと、キャップ部材46cとを有する。キャップ部材46cは、一方の端を回動軸として、他方の端が本体部46aに対して回動可能である。キャップ部材46cは、注入口46bを密封し、本体部46aに収容される液体の乾燥を抑制する。
本体部46aは、半透明または透明な材料で構成され、外部から本体部46aに収容される液体を視認することができる。さらに、本体部46aには、液体が空状態にあることを周知する目盛線48や、液体が満状態にあることを周知する目盛線49などが設けられている。また、本体部46aの目盛線48,49が設けられた面が視認面47である。
【0038】
液面視認部42には、六つのインクタンク46のそれぞれの視認面47を露出する開口43が設けられている。ユーザーは、液面視認部42の開口43を介して、インクタンク46の視認面47を視認することができる。すなわち、ユーザーは、液面視認部42を介してインクタンク46の視認面47を観察し、インクタンク46に収容される液体の液面の位置を視認し、目盛線48,49によってインクタンク46に収容される液体の残量を適正に把握することができる。
【0039】
記録装置1では、ユーザーがインクタンク46に収容される液体の残量を視認しやくするために、液面視認部42の色と表示部15における筐体17の色とは、同一の濃系色(同一の濃い色)となっている。具体的には、液面視認部42の色と表示部15における筐体17の色とは、共に黒色である。
ユーザーは、目盛線48,49によってインクタンク46に収容される液体の残量が少なくなったと判断すると、図5に示すように、スキャナー部10を装置本体3に対して開き、補充容器50をインクタンク46の注入口46bの中に差し込み、液体を補充容器50からインクタンク46に補充する。
【0040】
このように、記録装置1は、液体を補充容器50から補充可能なインクタンク46を有し、インクタンク46に収容される液体の残量が少なくなると、ユーザーが液体を補充容器50からインクタンク46に補充可能な記録装置である。
ところが、ユーザーが液体を補充容器からインクタンクに補充可能な記録装置では、ユーザーが液体をインクタンクに注入(補充)する操作を誤り、液体がインクタンクに適正に補充されず、液体がインクタンクからこぼれる場合があった。さらに、液体がインクタンクからこぼれると、こぼれた液体が記録装置の電装系部材に付着し記録装置(電装系部品)が故障するという不具合が生じるおそれや、こぼれた液体が記録装置の周辺を汚染するという不具合が生じるおそれがあった。
【0041】
例えば、ユーザーが液体の残量が少なくなったインクタンクの位置を間違い、ユーザーが液体の残量が多い他のインクタンクに液体を補充し、液体が他のインクタンクからこぼれるという不具合が生じる場合があった。
一般的に、ユーザーが液体を補充容器からインクタンクに補充可能な記録装置では、補充容器やインクタンクの注入口の形状が工夫され、補充容器が対応するインクタンクの注入口にしか挿入できないようになっている。例えば、イエローの液体が収容される補充容器は、イエローの液体が収容されるインクタンクの注入口にしか挿入できないようになっている。
ところが、補充容器が対応しない他のインクタンクの注入口に強引に挿入され、不要な液体が他のインクタンクに収容される液体に混入され、他のインクタンクから不要な液体がこぼれるという不具合や、他のインクタンクに収容される液体が使用できなくなる不具合が生じる場合があった。例えば、イエローの液体が収容される補充容器がマゼンタの液体が収容されるマゼンタのインクタンクの注入口に強引に挿入され、マゼンタの液体の中にイエローの液体が混入し、イエローの液体がマゼンタのインクタンクからこぼれるという不具合や、マゼンタのインクタンクに収容されるマゼンタの液体が使用できなくなるという不具合が生じる場合があった。
このように、ユーザーが液体を補充容器からインクタンクに補充可能な記録装置では、液体の補充に慣れていないユーザーが、不都合な操作を実施し、想定外の不具合が引き起こされる場合があった。
【0042】
さらに、多くのユーザーは、記録装置の操作を習熟していなく、液体の補充に慣れていないので、上述した不都合な操作が実施され、想定外の不具合が引き起こされるおそれがある。このため、液体の補充に慣れていないユーザーであっても、正しい操作が理解されやすく、液体をインクタンクに補充する正しい操作が実行されやすい記録装置を提供することが重要になる。
本実施形態に係る記録装置1は、インクタンク46への液体の補充が不慣れなユーザーであっても、液体をインクタンク46に補充する正しい操作が理解されやすく、液体をインクタンク46に補充する正しい操作が実行されやすい構成を有しているので、以下にその詳細を説明する。
【0043】
インクタンク46に収容される液体の残量が少なくなり、インクタンク46に液体を補充する場合、ユーザーは、表示部15に表示される液体の補充操作を説明するアイコンにタッチし、当該アイコンを選択する。
すると、表示部15は、液体をインクタンク46に補充する操作を視覚的に案内する画像をコマ送りで表示し、ユーザーは、表示部15に表示される画像から、液体をインクタンク46に補充する操作を視覚的に確認する。記録装置1では、液体をインクタンク46に補充する操作が図によって視覚的に表示されるので、液体をインクタンク46に補充する操作を説明する文章が表示される場合と比べて、インクタンク46への液体の補充が不慣れなユーザーであっても、液体をインクタンク46に補充する操作が適正に理解されやすくなる。
【0044】
液体をインクタンク46に補充する操作の説明が終了すると、ユーザーは、液体の補充を開始するアイコンにタッチし、当該アイコンを選択する。
すると、表示部15は、液体を補充するインクタンク46の位置や、補充する液体の種類(例えば、色)などを視覚的に案内する画像を表示する。画像によって視覚的に表示されるので、文章によって表示される場合と比べて、インクタンク46への液体の補充が不慣れなユーザーであっても、液体を補充するインクタンク46の位置、補充する液体の種類、及び補充する液体が収容される補充容器50が正しく把握されるようになる。
【0045】
記録装置1では、操作を案内する表示部15が液面視認部42の近くに配置されている。
表示部15が液面視認部42の近くに配置されると、ユーザーは、表示部15に表示される画像と液体収容部40の状態とを一緒に視認しながら、液体をインクタンク46に補充する操作に関する情報を確認することができるので、表示部15に表示される画像と液体収容部40の状態とを別々に視認する場合と比べて、液体をインクタンク46に補充する操作を正しく把握しやすくなる。
仮に、表示部15が液体収容部40の遠くに配置され、表示部15と液体収容部40とを一緒に視認することが難しくなると、ユーザーは、目線を変化させながら、表示部15に表示される画像と液体収容部40の状態とを別々に視認しながら、液体をインクタンク46に補充する操作を確認することになる。この場合、間違った思い込みや勘違いが生じやすくなり、ユーザーは、液体をインクタンク46に補充する操作を間違って把握するおそれがある。
【0046】
このように、本実施形態に係る記録装置1では、表示部15において視覚的に表示される画像から、液体をインクタンク46に補充する操作が適正に把握されやすく、液体を補充するための情報が適正に把握されやすいので、インクタンク46への液体の補充が不慣れなユーザーであっても、液体をインクタンク46に補充する操作を適正に実行することができるようになる。
【0047】
2.実施形態2
図6は、図5に対応する図であり、実施形態2に係る記録装置2の斜視図である。
本実施形態に係る記録装置2では、表示部15は装置本体3に取り付けられている。実施形態1に係る記録装置1では、表示部15はスキャナー部10の上蓋12に取り付けられている。この点が、本実施形態と実施形態1との主な相違点である。
以下、図6を参照し、実施形態1との相違点を中心に、本実施形態に係る記録装置2の概要を説明する。また、実施形態1と同じ構成要素には、実施形態1と同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
【0048】
図6に示すように、表示部15は、装置本体3に取り付けられ、液面視認部42の上部に配置される。表示部15は、スキャナー部10と一緒に回動不能であるが、装置本体3に対してチルト可能である。
本実施形態に係る記録装置2では、液体をインクタンク46に補充するためにスキャナー部10を装置本体3に対して開いても、表示部15が液面視認部42(液体収容部40)の近くに配置される。一方、実施形態1では、液体をインクタンク46に補充するためにスキャナー部10を装置本体3に対して開くと、表示部15が液面視認部42(液体収容部40)の遠くに配置される。
すなわち、本実施形態に係る記録装置2では、液体をインクタンク46に補充する場合においても、操作を案内する表示部15が液面視認部42(液体収容部40)の近くに配置される。
【0049】
図6に示すように、液体をインクタンク46に補充する場合、補充する液体の色や補充容器50の特徴(例えば、形や色)を案内する画像18と、液体を補充するインクタンク46の位置を案内する画像19とを表示するようにすると、画像19によって液体を補充するインクタンク46が指し示されるので、ユーザーは、液体を補充するインクタンク46を正しく選択し、間違って他のインクタンク46を選択するおそれがなくなる。
さらに、画像18によって補充する液体の色や補充容器50の特徴(例えば、形や色)が表示されるので、ユーザーは、液体を補充する補充容器50を正しく選択し、間違って他の補充容器50を選択するおそれがなくなる。
【0050】
さらに、液体をインクタンク46に補充する場合、表示部15に表示される画像を参照しながら液体をインクタンク46に補充する操作を実行することができるので、インクタンク46への液体の補充が不慣れなユーザーであっても、液体をインクタンク46に補充する操作を適正に実行することができる。
【0051】
3.変形例
上述した実施形態は、液体収容部40が、キャリッジ31内ではなく装置本体3内に設けられた構成としているが、液体収容部40がキャリッジ31内に設けられた構成であってもよい。
【0052】
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
【0053】
記録装置は、媒体の搬送方向と交差する幅方向に移動可能なキャリッジと、前記キャリッジに搭載される記録ヘッドと、前記記録ヘッドに供給される液体が収容されると共に、前記液体を補充容器から注入可能な注入口及び前記液体の液面の位置を視認可能な液面視認部を有する液体収容部と、操作を案内する表示部と、を備え、前記液面視認部及び前記表示部は装置前面側に設けられ、前記表示部は前記液面視認部の上部に配置されることを特徴とする。
【0054】
液面視認部は、液体収容部における液体が収容される部分(例えば、インクタンク)を視認可能な部分である。ユーザーは、液面視認部によって液体が収容される部分の位置や液体の液面の位置を把握することができる。さらに、操作を案内する表示部は、液面視認部の上部に配置され、液面視認部の近くに配置される。
表示部が液面視認部の近くに配置されるので、ユーザーは、表示部と液面視認部とを一緒に視認しながら、表示部に表示される操作の案内を参照しつつ液体を液体収容部に補充する操作を実行することができる。
【0055】
例えば、表示部と液面視認部とを別々に視認しながら液体を液体収容部に補充する操作を実行すると、ユーザーは表示部に表示される情報を記憶した後に液体を液体収容部に補充する操作を実行するので、間違った思い込みや勘違いが生じやすくなり、液体を液体収容部に補充する操作が適正に実行されなくなるおそれがある。例えば、液体収容部に補充する操作が視覚的に分かるように表示部に表示させ、表示部に表示される操作を参照しながら液体を液体収容部に補充する操作を実行すると、ユーザーは表示部に表示される情報を記憶する必要がなくなるので、間違った思い込みや勘違いが生じにくくなり、液体を液体収容部に補充する操作が適正に実行されるようになる。
【0056】
記録装置では、前記液体収容部を収容する収容ケースを有し、前記収容ケースには前記液面視認部を視認可能にする開口が設けられ、前記収容ケースの前記開口を含む前面と前記表示部の面とは、同一平面となるように配置されていることが好ましい。
【0057】
収容ケースの開口を含む前面と表示部の面とが同一平面上に配置されると、収容ケースの開口を含む前面と表示部の面とが同一平面上に配置されない場合と比べて、表示部が収容ケースの近くに配置されるので、ユーザーは、表示部と収容ケースとを一緒に視認しながら、液体を液体収容部に補充する操作を実行しやすくなる。
【0058】
記録装置では、前記液面視認部及び前記表示部は、前記装置前面における前記幅方向の端部の一方に配置されることが好ましい。
【0059】
液面視認部及び表示部の両方を装置前面における幅方向の端部の一方に配置すると、表示部を液面視認部の上部に配置し、表示部を液面視認部の近くに配置することができる。
【0060】
記録装置では、前記媒体を排出する排出部をさらに有し、前記液面視認部と前記排出部とは、前記幅方向において隣接して配置されることが好ましい。
【0061】
液面視認部と排出部とが幅方向において隣接して配置されると、液面視認部と排出部とが干渉しにくくなり、液面視認部と排出部とが干渉する場合と比べて、ユーザーは、液面視認部によって液体が収容される部分を確認しやすくなる。
【0062】
記録装置では、前記媒体を給紙する給紙トレイをさらに有し、前記液面視認部と前記給紙トレイとは、前記幅方向において隣接して配置されることが好ましい。
【0063】
液面視認部と給紙トレイとが幅方向において隣接して配置されると、液面視認部と給紙トレイとが干渉しにくくなり、液面視認部と給紙トレイとが干渉する場合と比べて、ユーザーは、液面視認部によって液体が収容される部分を確認しやすくなる。
【0064】
記録装置では、前記液面視認部の色と前記表示部における筐体の色とは、同一の濃系色であることが好ましい。
【0065】
液面視認部の色と表示部における筐体の色とが同一の濃系色であると、ユーザーは、液面視認部を介して液体収容部に収容される液体の色を把握しやすくなる。
【0066】
記録装置では、前記液面視認部及び前記表示部は、前記幅方向と交差する方向に前記装置前面から突出していることが好ましい。
【0067】
液面視認部及び表示部が幅方向と交差する方向に突出していると、液面視認部及び表示部が幅方向と交差する方向に突出していない場合と比べて、液体収容部における液体が収容される部分の体積を大きくすることができ、液体収容部に多量の液体を収容することができる。
【0068】
記録装置では、前記搬送方向及び前記幅方向に交差する方向から見た場合、前記表示部の一部は前記排出部及び前記給紙トレイの少なくとも一方と重なることが好ましい。
【0069】
表示部の一部が排出部及び給紙トレイの少なくとも一方と重なると、表示部の一部が排出部及び給紙トレイの少なくとも一方と重ならない場合と比べて、搬送方向及び幅方向に交差する方向から見た場合の表示部と排出部と給紙トレイとが配置される領域が狭くなり、記録装置をコンパクトにすることができる。
【0070】
記録装置では、前記表示部はチルト可能であることが好ましい。
【0071】
表示部がチルト可能であると、ユーザーは、視認しやすい位置に表示部をチルトさせて、表示部に表示される操作の案内を視認することができる。
【0072】
記録装置では、前記装置前面側には、前記液面視認部に対して前記幅方向に配置される前扉が設けられ、前記装置前面を正面視した場合、前記前扉の端と、前記表示部及び前記収容ケースの前面とは同じ線上に配置されることが好ましい。
【0073】
前扉の端と表示部及び収容ケースの前面とが同じ線上に配置されると、前扉が表示部及び収容ケースに干渉しにくくなり、前扉の開閉が容易になる。
【0074】
記録装置では、装置本体に対して回動可能に取り付けられるスキャナー部をさらに有し、前記表示部は、前記スキャナー部の端に取り付けられ、前記スキャナー部と一緒に回動可能であることが好ましい。
【0075】
スキャナー部と表示部とが一体で回動して液体収容部を露出することが可能になるため、表示部を大きくしても液体を補充容器から液体収容部に補充する作業が阻害されにくくなる。これにより、表示部を大きくすることが可能になり、ユーザーは、表示部に表示される操作の案内を視認しやすくなる。
【0076】
記録装置では、前記記録ヘッドに供給される液体は、前記液体収容部からチューブにより供給されることが好ましい。
【符号の説明】
【0077】
1…記録装置、3…装置本体、4…装置前面、5…前面側筐体、7…境界、10…スキャナー部、11…スキャナーハウジング、12…上蓋、14…電源ボタン、15…表示部、16…表示パネル、17…筐体、20…給紙トレイ、21…排紙トレイ、22…前扉、22c…前扉の端、30…記録部、31…キャリッジ、32…記録ヘッド、33…チューブ、40…液体収容部、41…収容ケース、42…液面視認部、43…開口、44…上蓋、46…インクタンク、46b…注入口、47…視認面、48,49…目盛線、50…補充容器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6