(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 9/451 20180101AFI20231219BHJP
G06F 16/93 20190101ALI20231219BHJP
G06F 3/04817 20220101ALN20231219BHJP
【FI】
G06F9/451
G06F16/93
G06F3/04817
(21)【出願番号】P 2019174049
(22)【出願日】2019-09-25
【審査請求日】2022-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊島 浩介
【審査官】山本 俊介
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-146147(JP,A)
【文献】特開2019-095850(JP,A)
【文献】特開2014-219930(JP,A)
【文献】特開平09-185655(JP,A)
【文献】特許第4731928(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/451
G06F 3/04817
G06F 16/93
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の情報処理装置と第2の情報処理装置とを含み、
前記第1の情報処理装置は、第1のプロセッサを含み、
前記第1のプロセッサは、
データの受け渡しに利用される格納領域を表象する表象情報の作成指示を第1ユーザから受け付け、
受け付けた前記作成指示に応じて前記表象情報を作成し、
作成される前記表象情報には、前記格納領域の場所を前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させるか否かを示す指定情報が含まれ、
前記第2の情報処理装置は、第2のプロセッサを含み、
前記第2のプロセッサは、
データの受け渡しに利用される格納領域を表象する表象情報であって、前記格納領域の場所を
前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させるか否かを示す指定情報を含んだ表象情報を受け取り、
前記表象情報に含まれる前記指定情報が、前記格納領域の場所を
前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させる旨を示す場合、前記場所の指定を受け付ける画面を表示し、前記画面に対して指定された前記場所の情報を組み込んだ前記表象情報を保存する、
情報処理システム。
【請求項2】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
データの受け渡しに利用される格納領域を表象する表象情報の作成指示を第1ユーザから受け付け、
受け付けた前記作成指示に応じて前記表象情報を作成し、
作成される前記表象情報には、前記格納領域の場所を前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させるか否かを示す指定情報が含まれる、
情報処理装置。
【請求項3】
前記作成指示には、前記格納領域の場所を部分的に示す情報が含まれ、
前記表象情報には、前記格納領域の場所を部分的に、前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させる旨を示す指定情報が含まれることを特徴とする請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記作成指示には、前記格納領域の場所を特定するパスのうちの途中の場所を示す情報が含まれ、
前記表象情報には、前記パスの起点から前記途中の場所までの部分的なパスを表す部分パス情報と、前記格納領域の場所を前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させる旨を示す前記指定情報と、が含まれる、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記作成指示には、前記他のユーザに前記格納領域の場所として指定させる場所が満たすべき条件を表す条件情報が含まれ、
前記表象情報には、前記条件情報が更に含まれる、
請求項2~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記条件情報は、前記表象情報を前記他のユーザが自分の端末に登録する際に、その端末に表示される前記格納領域の場所の入力画面と関連付けて表示される説明情報である、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記条件情報は、前記表象情報を前記他のユーザが自分の端末に登録する際に、その端末に前記他のユーザから入力された前記格納領域の場所が、前記条件を満たすか否かを判定するために用いられる情報である、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記作成指示には、前記第1ユーザから前記場所を特定するパスを表すパス情報の入力が含まれ、
前記表象情報には、前記パス情報と、前記格納領域の場所を前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させない旨を示す前記指定情報と、が含まれる、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記作成指示には、前記場所として、存在しない場所の指定が含まれており、前記表象情報には、前記第1ユーザ以外の他のユーザに対して前記存在されていない格納領域の作成に関する情報が含まれる、請求項
2~8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記作成指示には、前記受け渡しにおける前記格納領域の順序に関する情報が含まれており、
前記表象情報には、前記順序に関する情報が含まれる、
請求項
2~9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
データの受け渡しに利用される格納領域を表象する表象情報であって、前記格納領域の場所を
第1ユーザ以外の他のユーザに指定させるか否かを示す指定情報を含んだ表象情報を受け取り、
前記表象情報に含まれる前記指定情報が、前記格納領域の場所を
前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させる旨を示す場合、前記場所の指定を受け付けるための画面を表示し、前記画面に対して指定された前記場所の情報を組み込んだ前記表象情報を保存する、
情報処理装置。
【請求項12】
受け取った前記表象情報に、前記格納領域の場所として指定する場所が満たすべき条件を表す条件情報が含まれている場合、前記画面には前記条件が表示される、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
受け取った前記表象情報に、前記格納領域の場所として指定する場所が満たすべき条件を表す条件情報が含まれている場合において、前記画面に対して指定された前記場所が前記条件を満たしていれば、当該場所の情報を組み込んだ前記表象情報を保存し、前記画面に対して指定された前記場所が前記条件を満たしていなければ、指定された前記場所を受け付けない、
請求項11又は12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
受け取った前記表象情報には、存在しない格納領域の情報が含まれ、
前記画面には、前記存在しない格納領域の作成に関する情報が表示される、
請求項11~13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
受け取った前記表象情報には、前記受け渡しにおける前記格納領域の順序に関する情報が含まれ、
前記画面には、前記順序に関する情報が表示される、
請求項12~14のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
コンピュータが、
データの受け渡しに利用される格納領域を表象する表象情報の作成指示を第1ユーザから受け付け、
受け付けた前記作成指示に応じて前記表象情報を作成し、
作成される前記表象情報には、前記格納領域の場所を前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させるか否かを示す指定情報が含まれる、
ようにするためのプログラム。
【請求項17】
コンピュータが、
データの受け渡しに利用される格納領域を表象する表象情報であって、前記格納領域の場所を
第1ユーザ以外の他のユーザに指定させるか否かを示す指定情報を含んだ表象情報を受け取り、
前記表象情報に含まれる前記指定情報が、前記格納領域の場所を
前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させる旨を示す場合、前記場所の指定を受け付けるための画面を表示し、前記画面に対して指定された前記場所の情報を組み込んだ前記表象情報を保存する、
ようにするためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク上のフォルダ等の格納領域を介してユーザ間でデータの受け渡しを行いながら作業を進めるシステムがある。この種のシステムでは、格納領域を表象する表象情報を各ユーザの端末に登録する。端末の画面には、登録された表象情報が示すアイコン等の表象画像が表示される。ユーザは、自分の端末の画面に表示されるその表象画像に対して取り出しや保存の操作を行うことで、他ユーザがその表象画像に対応する格納領域に保存したデータを取り出したり、他ユーザに渡すべきデータをその表象画像に対応する格納領域に保存したりする。
【0003】
またあるユーザが表象情報を作成し、その作成した表象情報を他のユーザに送信し、該他のユーザがその表象情報を自分の端末に登録して利用することも行われている。
【0004】
この種のシステムでは、表象情報を作成するユーザが、その表象情報が表象する格納場所を指定しないと、その表象情報は作成できなかった。また、表象情報を作成したユーザからその表象情報を受け取ったユーザは、その表象情報をそのまま自分の端末に登録することしかできなかった。
【0005】
この種のシステムの一例として、出願人が提供する「Docuworks(登録商標) トレイ2」が知られている。
【0006】
また特許文献1に記載されたデータ処理システムは、複数の文書データを格納して管理するサーバと、サーバに接続され、当該サーバの所定のデータにアクセスして所定のデータ処理を行うデータ処理装置としてのPCとを備える。サーバは、DBアクセス情報を含むショートカット情報を含んだショートカットファイルを生成する。PCは、ショートカットファイルに含まれているショートカット情報にDBアクセス情報が含まれているか否かを判別し、ショートカット情報にDBアクセス情報が含まれているときは、文書DBへの接続を確立する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
作成された表象情報を受け取って利用する側のユーザが、その表象情報が表象する格納領域の場所を指定できた方がよい場合も考えられる。
【0009】
本発明は、格納領域を表象する表象情報を利用する側のユーザから格納領域の場所の指定を受け付けない場合と比べて、表象情報を作成するユーザと作成された表象情報を利用するユーザとで、その表象情報が表象する格納領域の場所の指定を柔軟に行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、第1の情報処理装置と第2の情報処理装置とを含み、前記第1の情報処理装置は、第1のプロセッサを含み、前記第1のプロセッサは、データの受け渡しに利用される格納領域を表象する表象情報の作成指示を第1ユーザから受け付け、受け付けた前記作成指示に応じて前記表象情報を作成し、作成される前記表象情報には、前記格納領域の場所を前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させるか否かを示す指定情報が含まれ、前記第2の情報処理装置は、第2のプロセッサを含み、前記第2のプロセッサは、データの受け渡しに利用される格納領域を表象する表象情報であって、前記格納領域の場所を前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させるか否かを示す指定情報を含んだ表象情報を受け取り、前記表象情報に含まれる前記指定情報が、前記格納領域の場所を前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させる旨を示す場合、前記場所の指定を受け付ける画面を表示し、前記画面に対して指定された前記場所の情報を組み込んだ前記表象情報を保存する、情報処理システムである。
【0011】
請求項2に係る発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、データの受け渡しに利用される格納領域を表象する表象情報の作成指示を第1ユーザから受け付け、受け付けた前記作成指示に応じて前記表象情報を作成し、作成される前記表象情報には、前記格納領域の場所を前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させるか否かを示す指定情報が含まれる、情報処理装置である。
【0012】
請求項3に係る発明は、前記作成指示には、前記格納領域の場所を部分的に示す情報が含まれ、前記表象情報には、前記格納領域の場所を部分的に、前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させる旨を示す指定情報が含まれることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
【0013】
請求項4に係る発明は、前記作成指示には、前記格納領域の場所を特定するパスのうちの途中の場所を示す情報が含まれ、前記表象情報には、前記パスの起点から前記途中の場所までの部分的なパスを表す部分パス情報と、前記格納領域の場所を前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させる旨を示す前記指定情報と、が含まれる、請求項3に記載の情報処理装置である。
【0014】
請求項5に係る発明は、前記作成指示には、前記他のユーザに前記格納領域の場所として指定させる場所が満たすべき条件を表す条件情報が含まれ、前記表象情報には、前記条件情報が更に含まれる、請求項2~4のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0015】
請求項6に係る発明は、前記条件情報は、前記表象情報を前記他のユーザが自分の端末に登録する際に、その端末に表示される前記格納領域の場所の入力画面と関連付けて表示される説明情報である、請求項5に記載の情報処理装置である。
【0016】
請求項7に係る発明は、前記条件情報は、前記表象情報を前記他のユーザが自分の端末に登録する際に、その端末に前記他のユーザから入力された前記格納領域の場所が、前記条件を満たすか否かを判定するために用いられる情報である、請求項5に記載の情報処理装置である。
【0017】
請求項8に係る発明は、前記作成指示には、前記第1ユーザから前記場所を特定するパスを表すパス情報の入力が含まれ、前記表象情報には、前記パス情報と、前記格納領域の場所を前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させない旨を示す前記指定情報と、が含まれる、請求項2に記載の情報処理装置である。
【0018】
請求項9に係る発明は、前記作成指示には、前記場所として、存在しない場所の指定が含まれており、前記表象情報には、前記第1ユーザ以外の他のユーザに対して前記存在されていない格納領域の作成に関する情報が含まれる、請求項2~8のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0019】
請求項10に係る発明は、前記作成指示には、前記受け渡しにおける前記格納領域の順序に関する情報が含まれており、前記表象情報には、前記順序に関する情報が含まれる、請求項2~9のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0020】
請求項11に係る発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、データの受け渡しに利用される格納領域を表象する表象情報であって、前記格納領域の場所を第1ユーザ以外の他のユーザに指定させるか否かを示す指定情報を含んだ表象情報を受け取り、前記表象情報に含まれる前記指定情報が、前記格納領域の場所を前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させる旨を示す場合、前記場所の指定を受け付けるための画面を表示し、前記画面に対して指定された前記場所の情報を組み込んだ前記表象情報を保存する、情報処理装置である。
【0021】
請求項12に係る発明は、受け取った前記表象情報に、前記格納領域の場所として指定する場所が満たすべき条件を表す条件情報が含まれている場合、前記画面には前記条件が表示される、請求項11に記載の情報処理装置である。
【0022】
請求項13に係る発明は、前記プロセッサは、受け取った前記表象情報に、前記格納領域の場所として指定する場所が満たすべき条件を表す条件情報が含まれている場合において、前記画面に対して指定された前記場所が前記条件を満たしていれば、当該場所の情報を組み込んだ前記表象情報を保存し、前記画面に対して指定された前記場所が前記条件を満たしていなければ、指定された前記場所を受け付けない、請求項11又は12に記載の情報処理装置である。
【0023】
請求項14に係る発明は、受け取った前記表象情報には、存在しない格納領域の情報が含まれ、前記画面には、前記存在しない格納領域の作成に関する情報が表示される、請求項11~13のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0024】
請求項15に係る発明は、受け取った前記表象情報には、前記受け渡しにおける前記格納領域の順序に関する情報が含まれ、前記画面には、前記順序に関する情報が表示される、請求項12~14のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0025】
請求項16に係る発明は、コンピュータが、データの受け渡しに利用される格納領域を表象する表象情報の作成指示を第1ユーザから受け付け、受け付けた前記作成指示に応じて前記表象情報を作成し、作成される前記表象情報には、前記格納領域の場所を前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させるか否かを示す指定情報が含まれる、ようにするためのプログラムである。
【0026】
請求項17に係る発明は、コンピュータが、データの受け渡しに利用される格納領域を表象する表象情報であって、前記格納領域の場所を第1ユーザ以外の他のユーザに指定させるか否かを示す指定情報を含んだ表象情報を受け取り、前記表象情報に含まれる前記指定情報が、前記格納領域の場所を前記第1ユーザ以外の他のユーザに指定させる旨を示す場合、前記場所の指定を受け付けるための画面を表示し、前記画面に対して指定された前記場所の情報を組み込んだ前記表象情報を保存する、ようにするためのプログラムである。
【発明の効果】
【0027】
請求項1、2、11、16又は17に係る発明によれば、格納領域を表象する表象情報を利用する側のユーザから格納領域の場所の指定を受け付けない場合と比べて、表象情報を作成するユーザと作成された表象情報を利用するユーザとで、その表象情報が表象する格納領域の場所の指定を柔軟に行うことができる。
【0028】
請求項3又は14に係る発明によれば、表象情報を作成するユーザが、表象画像が表象する格納領域を部分的に指定することができる。
【0029】
請求項4に係る発明によれば、表象情報を作成するユーザが、表象画像が表象する格納領域のパスの途中の場所まで指定することができる。
【0030】
請求項5又は12に係る発明によれば、表象情報が表象する格納領域の場所を、表象情報を利用するユーザに指定させる場合に、そのユーザが指定すべき場所の条件を、表象を作成するユーザが指定することができる。
【0031】
請求項6に係る発明によれば、表象情報を利用するユーザが指定すべき場所の条件を、ユーザに対する説明情報の形で提供することができる。
【0032】
請求項7又は13に係る発明によれば、表象情報を利用するユーザが、表象情報を作成したユーザが指定した条件を満たさない場所を指定できないようにすることができる。
【0033】
請求項8に係る発明によれば、表象情報を利用するユーザが、格納領域の場所を指定しないようにすることができる。
【0034】
請求項9に係る発明によれば、表象情報が表象する格納領域の場所として、その表象情報の作成の時点で存在しない場所を指定することができる。
【0035】
請求項10又は15に係る発明によれば、表象情報を利用するユーザに、その表象情報が表象する格納領域の順序を知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】複数の格納領域を介してユーザがデータを受け渡すワークフローの一例を示す図である。
【
図2】格納領域を表象するPC画面上のトレイを介したデータの受け渡しにより
図1に例示したワークフローを実現する仕組みを説明するための図である。
【
図3】トレイサービスのアプリケーションを実行するコンピュータのハードウエア構成を例示する図である。
【
図5】ワークフロー設計画面上のトレイの編集ボタンを例示する図である。
【
図6】トレイの編集が指示されたときのアプリケーションの処理手順を例示する図である。
【
図9】トレイ編集画面の更に別の例を示す図である。
【
図10】ワークフロー設計画面上でのトレイファイル出力指示を説明するための図である。
【
図11】トレイのインポートが指示されたときのアプリケーションの処理手順の前半部を例示する図である。
【
図12】トレイのインポートが指示されたときのアプリケーションの処理手順の後半部を例示する図である。
【
図13】インポート側のアプリケーションが表示するフロー画面及びインポート確認ダイアログの例を示す図である。
【
図14】インポート側のアプリケーションが表示するインポート確認ダイアログの別の例を示す図である。
【
図15】インポート側のアプリケーションが表示するインポート確認ダイアログの更に別の例を示す図である。
【
図16】トレイの編集が指示されたときのアプリケーションの処理手順の別の例を示す図である。
【
図17】トレイファイルにリンク先の条件が含まれるときのアプリケーションの処理手順の要部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
<トレイを用いたデータの受け渡しシステム>
図1及び
図2を参照して、格納領域を表象する表象情報を利用したデータの受け渡しのシステムについて説明する。
【0038】
図1に、2人のユーザA及びBが、サーバ200を介して実現するワークフローを例示する。この例では、サーバ200は、例えば「XXXX事業所」のファイルサーバであり、フォルダツリー画像250に示されるフォルダツリーを持っている。このフォルダツリーは、「営業部門」、「開発部門」、「経理部門」、「総務部門」といった各部門のフォルダと、「帳票」フォルダを含み、各部門のフォルダはそれぞれ下位のフォルダ群を階層的に含んでいる。
【0039】
ユーザA及びBは、各自のPC(パーソナルコンピュータ)100-1及び100-2からサーバ200内の特定のフォルダを介してデータを受け渡すことにより、ワークフローを実現する。図示例のワークフローでは、ユーザAはサーバ200内のフォルダ「\\XXXX事業所\帳票」内から自分のPC100-1に帳票のテンプレートをダウンロードし、そのPC100-1上でその帳票に記入を行い、記入済みの帳票をサーバ200内のフォルダ「\\XXXX事業所\○○部門\帳票提出」にアップロードする。なお、そのフォルダのパスにおける「○○部門」は、営業部門、開発部門、経理部門、総務部門のうち、ユーザA及びBが所属している部門である。また、ユーザBは、サーバ200内のフォルダ「\\XXXX事業所\○○部門\帳票提出」から記入済み帳票を自分のPC100-2にダウンロードし、そのPC100-2上でその記入済み帳票に対して承認操作を行い、承認済みの帳票をサーバ200内のフォルダ「\\XXXX事業所\○○部門\証跡格納」にアップロードする。
【0040】
「トレイ」を用いて
図1のワークフローを実現する仕組みを、
図2を参照して説明する。トレイ301~306は、データの格納場所の一例であるフォルダを表象する。言い換えればトレイ301~306は、フォルダのメタファである。トレイ301~306は、各ユーザA及びBのPC100-1及び100-2の画面上では、例えば図に示したペーパートレイを表すアイコンとして表示される。
【0041】
このうちトレイ301~303は、ユーザAのPC100-1の画面に表示される。トレイ301は、「1.帳票取り出し」と名付けられており、サーバ200内のフォルダ「\\XXXX事業所\帳票」にリンクされている。トレイ302は、「2.帳票記入」と名付けられており、ユーザAが記入対象の帳票のファイルを保存しておくために用意したPC100-1内のフォルダにリンクされている。トレイ303は、「3.帳票取り出し」と名付けられており、サーバ200内のフォルダ「\\XXXX事業所\○○部門\帳票提出」にリンクされている。トレイ301~303のそれぞれの名前やリンク先の情報、アイコン画像等の情報は、それらトレイ301~303を規定する情報としてPC100-1に保持されている。このように、トレイ301~303を規定する情報は、それらトレイ301~303のリンク先のフォルダ(すなわち格納領域)を表象する表象情報である。
【0042】
ユーザAは、画面上のトレイ301を開く操作(例えばダブルクリック)を行うことにより、サーバ200内のフォルダ「\\XXXX事業所\帳票」を開く。ユーザAは、この操作に応じて画面に表示されたそのフォルダ内の帳票のアイコンを、画面上のトレイ302にドラッグ&ドロップすることにより、帳票のテンプレートのファイルをPC100-1内のフォルダにダウンロードする。次にユーザAは、そのトレイ302を開き、その中の帳票のテンプレートを開き、そのテンプレートに対して必要事項を記入する操作を行う。記入が完了すると、ユーザAは、その記入済みの帳票のアイコンをトレイ303にドラッグ&ドロップすることにより、その帳票を、サーバ200内のフォルダ「\\XXXX事業所\○○部門\帳票提出」にアップロードする。
【0043】
トレイ304~306は、ユーザBのPC100-2の画面上に表示される。トレイ304は、「4.記入済み帳票取出」と名付けられており、サーバ200内のフォルダ「\\XXXX事業所\○○部門\帳票提出」にリンクされている。トレイ305は、「5.帳票承認」と名付けられており、ユーザBが承認対象の帳票のファイルを保存しておくために用意したPC100-2内のフォルダにリンクされている。トレイ306は、「6.帳票証跡格納」と名付けられており、サーバ200内のフォルダ「\\XXXX事業所\○○部門\証跡格納」にリンクされている。
【0044】
ユーザBは、画面上のトレイ304を開く操作により、サーバ200内のフォルダ「\\XXXX事業所\帳票提出」を開き、その中にある記入済み帳票のアイコンを、画面上のトレイ305にドラッグ&ドロップする。次にユーザBは、そのトレイ305内のその記入済み帳票を開き、その内容を確認し、承認可能なら承認の操作(例えばユーザBの承認印オブジェクトを記入済み帳票に追加する操作)を行う。そして、ユーザBは、その承認済みの帳票のアイコンをトレイ306にドラッグ&ドロップすることにより、その帳票を、サーバ200内のフォルダ「\\XXXX事業所\○○部門\証跡格納」にアップロードする。
【0045】
なお、
図1及び
図2の例では、ワークフローを構成するトレイ301~306のリンク先のフォルダはサーバ200内(又はユーザのPC内)にあったが、ワークフローを構成する各トレイのリンク先が別々のサーバ内にあってももちろんよい。
【0046】
以上のようなトレイ301~306の機能は、PC100-1及び100-2にそれぞれインストールされているトレイサービス用のアプリケーションにより実現される。すなわち、トレイ301~306に対して、開く操作やファイル等のドロップ操作が行われると、それらトレイ301~306に関連付けられているそのアプリケーションが動作する。そして、そのアプリケーションが、それらトレイ301~306のリンク先のフォルダを開いたり、リンク先のフォルダにファイルを格納したりする。
【0047】
トレイ301~306は、PC100-1及び100-2のデスクトップ画面や、そのアプリケーションが提供するウインドウ等に表示される。
【0048】
<PCのハードウエア構成の例>
ここで、このアプリケーションを実行するPC100-1及び100-2のハードウエア構成を例示する。
【0049】
PC100-1及び100-2は、コンピュータの一種であり、例えば、
図3に示すように、ハードウエアとして、プロセッサ102、ランダムアクセスメモリ(RAM)等のメモリ(主記憶装置)104、フラッシュメモリやSSD(ソリッドステートドライブ)、HDD(ハードディスクドライブ)等の補助記憶装置106を制御するコントローラ、各種の入出力装置108とのインタフェース、ローカルエリアネットワークなどのネットワークとの接続のための制御を行うネットワークインタフェース110等が、例えばバス112等のデータ伝送路を介して接続された回路構成を有する。上述したトレイサービス用のアプリケーションが、ネットワーク等を経由してコンピュータにインストールされ、補助記憶装置106に保存される。補助記憶装置106に保存されたそのアプリケーションが、プロセッサ102によりメモリ104を用いて実行されることにより、そのアプリケーションの各機能が実現される。
【0050】
ここでプロセッサ102とは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、 ASIC:Appliction Spesific Integrated Circuit、 FPGA:Field Programmable Gate Array、 プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0051】
また、プロセッサ102の動作は、1つのプロセッサ102によってなすのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサ102が協働してなすものであってもよい。また、アプリケーション実行時のプロセッサ102の各動作は、以下の実施形態において説明する順序のみに限定されるものではなく、適宜に変更してもよい。
【0052】
なお、サーバ200等の他の装置も、PC100-1及び100-2と同様、コンピュータをベースとして構成されている。
【0053】
<ワークフロー及びトレイの編集>
トレイサービス用のアプリケーション(以下単に「アプリケーション」と呼ぶ)は、トレイを用いたワークフローを設計するためのUI(ユーザインタフェース)として、例えば
図4に例示するワークフロー設計画面400を提供する。ワークフローを設計したいユーザ(以下、フロー設計者と呼ぶ)は、自身のPCにインストールされているアプリケーションを起動し、そのアプリケーションが提供するメニュー(図示省略)から、ワークフロー設計を選択する。これにより、アプリケーションは、PCの画面に、ワークフロー設計画面400を表示する。
【0054】
図4に例示するワークフロー設計画面400は、既に「No.1」、「No.2」の2つのトレイ301、302からなるフローが設計された後、フロー設計者がトレイ追加ボタン410を押下して、そのフローに対して新たなトレイ303を追加した時点の画面状態を示している。そのトレイ追加ボタン410の押下に応じて、アプリケーションは、ワークフロー設計画面400内の空き領域に、自動採番により「No.3」と名付けたトレイ303のアイコンを表示する。この時点では、トレイ303には、リンク先その他の必須情報が設定されていない。
【0055】
そこで、フロー設計者は、
図5に例示するように、トレイ303の編集ボタン405を呼び出し、その編集ボタン405を押下することにより、トレイ303を規定する情報(以下、トレイ303の設定情報と呼ぶ)を編集する。この編集により、そのトレイ303の名前やリンク先、ワークフローにおけるそのトレイ303の前又は後のトレイ等が設定される。
【0056】
図6に、アプリケーションを実行しているプロセッサ102が、編集ボタン405が押下されたときに実行する処理手順を例示する。
【0057】
この手順では、プロセッサ102は、まずトレイ編集画面500(
図7及び
図8参照)を表示する(S10)。トレイ編集画面500については、後で
図7、
図8等を参照して説明する。次にプロセッサ102は、そのトレイ編集画面500内の各入力欄に対するフロー設計者からの入力を受け付け(S12)、編集完了を示すOKボタン518(
図8参照)をフロー設計者が押下すると(S14がYes)、それら入力欄に入力された情報を含んだトレイ情報を生成する(S16)。プロセッサ102は、トレイ編集画面を閉じ、ワークフロー設計画面400を表示する。そして、そのワークフロー設計画面400内のトレイ303のアイコンの近傍に、そのトレイ情報の内容を表示する(S18)。フロー設計者は、ワークフローと、それを構成する全てのトレイについての編集を終えると、ワークフロー設計画面400内のトレイファイル出力ボタン430(
図10参照)を押下する。この押下を検出すると(S20の判定結果がYes)、プロセッサ102は、そのワークフロー設計画面400に示される各トレイ301、302、303のトレイ情報を含んだトレイファイルを出力する(S22)。
【0058】
フロー設計者は、得られたそのワークフローのトレイファイルを、それらトレイファイルを利用するユーザに提供する。例えば、
図2のワークフローの例では、フロー設計者は、ユーザAにはトレイ301~303のトレイファイル群を、ユーザBにはトレイ304~306のトレイファイル群を提供する。
【0059】
図7~
図10に示す具体例を参照して、トレイの編集について更に詳しく説明する。
【0060】
図7及び
図8は、トレイ編集画面500の例を示す。以下では、トレイ303を編集対象とした場合を主たる例として説明する。トレイ編集画面500には、名前入力欄502、リンク先入力欄等のいくつかの入力欄が表示される。名前入力欄502は、編集対象のトレイ303の名前の入力を受け付ける欄である。フロー設計者は、その欄に、そのトレイ303に付けたい名前を示す文字列を入力する。
【0061】
リンク先入力欄は、編集対象のトレイ303のリンク先のフォルダを特定するパス等の情報を入力する欄である。リンク先のフォルダのパスは、トレイ303に対応する格納領域であるフォルダの所在する場所、すなわちフォルダツリー上での位置を表す情報である。リンク先入力欄は、
図8に示されるように、リンク先メイン入力欄504と、参照ボタン506と、プレフィックス使用の有無を入力するためのチェックボックス508と、リンク先追加入力欄510と、を含んでいる。
【0062】
リンク先メイン入力欄504には、トレイ303のリンク先のフォルダを特定するパス、又はそのパスのうちの少なくともプレフィックス部分が入力される。
【0063】
リンク先メイン入力欄504へのパスの入力は、キーボードからの文字入力でも可能であるが、参照ボタン506の押下により呼び出されるフォルダツリー画面600を用いて行ってもよい。フォルダツリー画面600は、そのPCからアクセス可能なフォルダ群のツリー構造を示すGUI(グラフィカルユーザインタフェース)画面である。フォルダツリー画面600は、PCのオペレーティングシステムから提供される。
図7に示すフォルダツリー画面600には、そのPCを操作しているユーザがアクセス権を持つフォルダのツリー構造が表示されている。この例では、このワークフローを設計しているフロー設計者は総務部門のメンバであるとする。この場合、そのフロー設計者に提供されるフォルダツリー画面600には、「XXXX事業所」フォルダ内の「総務部門」フォルダの下位の各フォルダは表示されている。しかし、同事業所内の他部門、すなわち「営業部門」、「開発部門」、「経理部門」のフォルダ群にはそのフロー設計者はアクセス権がないので、フォルダツリー画面600にはそれら各部門の最上位のフォルダのみが表示されている。フロー設計者が、フォルダツリー画面600内のフォルダのアイコンをクリック操作等で選択し、同画面内のOKボタンを押下すると、アプリケーションは、そのフォルダのパスを示す文字列をリンク先メイン入力欄504に入力する。
【0064】
ここで、そのフロー設計者(すなわち総務部門のメンバ)が、営業部門のメンバ(以下「営業メンバ」という)のための帳票処理のワークフローを設計中であるとする。また、そのワークフローでは、営業メンバ間での帳票ファイルの受け渡しに「営業部門」フォルダの下位のフォルダ「\\XXXX事業所\営業部門\帳票提出」を用いることを予定しているとする。この場合、フロー設計者は、そのフォルダ「\\XXXX事業所\営業部門\帳票提出」にアクセス権を持たないので、フォルダツリー画面600に表示されるツリー構造上でそのフォルダを選択することができない。
【0065】
この場合、フロー設計者は、フォルダツリー画面600にて自身が参照可能な限界である「営業部門」フォルダを選択する。これにより、リンク先メイン入力欄504には、ツリーのルート「\\XXXX事業所\」から選択した「営業部門」フォルダまでのパス記述「\\XXXX事業所\営業部門\」が入力される(
図8参照)。そしてフロー設計者は、「営業部門」フォルダの下位の「帳票提出」フォルダを指定するために、チェックボックス508にチェックマークを入力する。これにより、リンク先メイン入力欄504に入力されているパス記述が、編集中のトレイ303のリンク先のフォルダのパスのプレフィックス(前の部分)として用いられることとなり、リンク先追加入力欄510にそのパスの後の部分を入力することが可能になる。
図8の例では、フロー設計者は、「営業部門」フォルダ内に「帳票提出」フォルダがあることを事前知識として持っており、その「帳票提出」フォルダをトレイ303のリンク先としたいので、リンク先追加入力欄510に「帳票提出」と言う文字列を入力する。これにより、トレイ303には、フォルダ「\\XXXX事業所\営業部門\帳票提出」がリンク先として設定される。
【0066】
また
図8に示すように、トレイ編集画面500には、別の入力欄として、編集対象のトレイ303の表示色(「トレイ色」と呼ぶ)を選択するための色選択欄512が表示される。色選択欄512は、選択可能な色がプルダウンメニューとして表示される。フロー設計者は、そのメニューから希望する色を選択する。
【0067】
トレイ編集画面500には、更に別の入力欄として、編集対象のトレイ303に対するワークフロー上の直前のトレイ(
図8中の「From」)を選択する選択欄514と、直後のトレイ(「To」)とを選択する選択欄516が表示される。これら選択欄514及び516で選択されるトレイ番号をそれぞれ「直前トレイ」及び「直後トレイ」と呼ぶ図示例では、直前及び直後の選択欄514及び516が3つずつ表示されており、これは当該トレイ303の直前トレイ及び直後トレイをそれぞれ最大で3つ選択できることを示している。選択欄514及び516には、トレイの番号群を示すプルダウンメニューが表示され、フロー設計者はこのプルダウンメニューから、トレイの番号を選択する。なお、トレイの番号は、例えば、ワークフロー設計画面400に既に追加済み、及びこれから追加する個々のトレイに対してその追加の順に付与される通し番号である。また、この代わりに、選択欄514及び516のプルダウンメニューには、ワークフロー設計画面400に追加済みの各トレイ301、302の名前を表示してもよい。
【0068】
トレイ編集画面500の下端には、OKボタン518とキャンセルボタン520とが表示される。OKボタン518は、そのトレイ編集画面500に対して入力した内容を採用することを指示するためのボタンである。OKボタン518が押下されると、プロセッサ102は、そのトレイ編集画面500の各入力欄に入力された値の組からなるトレイ情報を生成し、そのトレイ編集画面500を閉じる(
図6のS14、S16)。キャンセルボタン520は、そのトレイ編集画面500に対して入力した内容を採用しないことを指示するためのボタンである。キャンセルボタン520が押下されると、プロセッサ102は、トレイ編集画面500の各入力欄に入力された情報を破棄し、トレイ編集画面500を閉じる。
【0069】
S16でプロセッサ102が生成するトレイ情報には、ワークフロー設計画面400で設計中のワークフローのID(識別情報)、ワークフローにおける当該トレイの順序を示す番号、及び、名前入力欄502に入力された名前の文字列が含まれる。またそのトレイ情報には、リンク先メイン入力欄504に入力されたパス(「リンク先メイン記述」と呼ぶ)の値、チェックボックス508のチェックの有無(「プレフィックス有無」と呼ぶ)を示す値、リンク先追加入力欄510に入力されたパスの後続部分(「リンク先追加記述」と呼ぶ)、トレイ色の値、直前トレイ及び直後トレイの値が含まれる。
【0070】
チェックボックス508(すなわち「プレフィックス有無」)の値が「無し」の場合は、リンク先はリンク先メイン入力欄504内のパス記述で完全に表現されるので、リンク先追加入力欄510の入力値は存在せず、トレイ情報内のプレフィックス追加記述の値は空となる。また、チェックボックス508の値が「あり」の場合、リンク先追加入力欄510にパスの後続部分を入力可能になり、その欄に入力された文字列がリンク先追加記述の値となる。
図8の例では、フロー設計者がリンク先追加入力欄510にパスの後続部分を表す文字列を入力している。ただし、リンク先追加入力欄510への入力は必須ではない。例えば、リンクのメイン記述に続く後続部分を、そのトレイ303をインポートして使用する側のユーザ(以下「インポート側ユーザ」と呼ぶ)に指定させる場合があり、その場合にはチェックボックス508の値が「チェックあり」であり、かつリンク先追加入力欄510の入力値が空となる。
【0071】
また、リンク先メイン入力欄504が空欄のトレイを作成することも可能である。これは、そのトレイのリンク先のパスの全てをインポート側ユーザに指定させる場合である。
図9に例示するトレイ編集画面500の別の例は、インポート側ユーザがどのようなフォルダを当該トレイのリンク先として選択すべきかを示す説明を入力する説明欄530を含んでいる。
図9の例は、
図2のワークフロー例における、PC100-1のローカルのフォルダをリンク先とするトレイ302を編集するための画面を示している。この場合、フロー設計者は、ユーザAのローカルのフォルダ構造を知らないので、リンク先メイン入力欄504にパスを入力することができない。むしろ、トレイ302のリンク先は、インポート側であるユーザAが自由に決めてよいので、ユーザAに指定させるべく、リンク先メイン入力欄504は空欄としている。そして、フロー設計者は、説明欄530に、そのトレイ302のリンク先にどのようなフォルダを選択すべきかを表す説明を入力する。この説明の情報は、編集結果のトレイ情報に組み込まれる。この説明の情報は、インポート側のユーザが後で入力するリンク先に対して、フロー設計者が指定した条件情報の一例である。
【0072】
図9の例では、リンク先メイン入力欄504が空欄であった。このため、プレフィックス使用有無を示すチェックボックス508の値は自動的に「チェックなし」であり、リンク先追加入力欄510も入力不可(すなわち値は空)であった。この場合、トレイ情報におけるリンク先メイン記述は空値、プレフィックス有無は「なし」、リンク先追加記述は空値となる。
【0073】
これに対する別の例として、リンク先メイン入力欄504にフロー設計者がパスを入力し、チェックボックス508にチェックを入れ、かつリンク先追加入力欄510を空欄としたトレイを作成することも可能である。この場合、リンク先メイン入力欄504に入力されたパス記述がパスプレフィックスとなり、そのパスプレフィックスに続くパスの残りの部分をインポート側ユーザが指定することとなる。この指定を助けるために、フロー設計者は、説明欄530には、インポート側ユーザが選択すべきフォルダを特定するための説明を入力することが可能である。この例では、トレイ情報におけるリンク先メイン記述はフロー設計者が入力した文字列、プレフィックス有無は「あり」、リンク先追加記述は空値となる。
【0074】
トレイ303のリンク先のパスにプレフィックスが使用される場合、そのパスは、リンク先メイン入力欄504に入力されたプレフィックスのパス記述の後に、リンク先追加入力欄510に入力された後続部分のパス記述を追加したものとなる。リンク先メイン入力欄504には、フロー設計者がアクセス可能なフォルダのパスしか入力できないので、フロー設計者がアクセスできないフォルダをリンク先に指定する場合には、リンク先追加入力欄510を利用することとなる。このように、フロー設計者はアクセス可能なフォルダのパスまでを、トレイのリンク先として部分的に指定することになる。
【0075】
ここで、リンク先追加入力欄510には、その入力の時点では未だ存在していないフォルダを指し示す文字列を入力することもできる。アプリケーションは、リンク先追加入力欄510に入力されたパス記述に対しては、フロー設計者のアクセス権をチェックせず、またそのパス記述が示すフォルダが存在するかもチェックしない。リンク先メイン入力欄504のパス記述とリンク先追加入力欄510のパス記述をマージしたリンク先のパスが、存在しないフォルダを指している場合、そのフォルダは後でインポート側ユーザが作成することとなる。
【0076】
トレイ303を
図8に例示したトレイ編集画面500の入力内容のごとくに編集した後、OKボタン518を押下すると、フロー設計者のPCに表示されるワークフロー設計画面400は、
図10に例示する状態となる。
図10の例では、今編集が完了したトレイ303の近傍に、そのトレイ303の情報表示欄420が表示される。この情報表示欄420には、トレイ303の名前(図中の項目「Name」の左側の文字列)、リンク先のパス(図中の項目「Link」の左側の文字列)、直前のトレイの番号(図中の項目「From」の左側に示された番号「2」)、直後のトレイの番号(図中の項目「To」の左側。この例では、なし)が表示される。直前のトレイの番号と、直後のトレイの番号によって、編集中のトレイのワークフローにおける前後関係や順番がわかる。フロー設計者は、編集済みの各トレイ301、302、303の設定情報を確認し、それら設定情報が適切であれば、トレイファイル出力ボタン430を押下する。これに応じて、プロセッサ102は、ワークフロー設計画面400内に表示されている各トレイ301、302、303のトレイ情報をファイル(すなわちトレイファイル)として出力する。出力されるトレイファイルには、そのファイルが、トレイファイルであることを示す情報(例えばその旨を示す拡張子)が含まれる。
【0077】
トレイファイルには、トレイファイルであることを示す情報、ワークフローID、ワークフローにおける当該トレイの順序を示す番号、リンク先メイン記述、プレフィックス有無、リンク先追加記述、説明、トレイ色、直前トレイ、及び直後トレイの各項目の値が含まれる。
【0078】
フロー設計者は、出力されたトレイファイルを、そのトレイファイルを用いるインポート側ユーザに提供する。
【0079】
<トレイファイルのインポート>
次に、
図11及び
図12を参照して、フロー設計者が作成したトレイファイルを受け取ったインポート側のユーザのPCにおける、トレイのインポート処理の手順を説明する。
【0080】
そのPC上で、そのトレイファイルがダブルクリック操作等により開かれた場合、アプリケーションが起動し、
図11及び
図12に示すインポート処理の手順を実行する。
【0081】
この手順では、そのアプリケーションを実行するそのPCのプロセッサ102は、開かれたトレイファイルが示すトレイを含んだワークフローを示すフロー画面700を表示する(S50)。例えば、
図13に、
図8の例のように編集されたトレイ303のトレイファイルを開いたときに表示されるフロー画面700を例示する。
図13の例では、同じワークフロー内のトレイ301及び302は既にインポート済みであるとする。フロー画面700には、インポート済みのトレイ301及び302と、インポート対象のトレイ303とが、ワークフローにおける順序を示す矢印と共に表示されている。フロー画面700上の各トレイ301~303の近傍に、当該トレイの順序を示す番号を表示してもよい。フロー画面700の表示の際、プロセッサ102は、PC内にインポート済みの各トレイに設定されているワークフローIDを調べることにより、インポート対象のトレイと同じワークフローに属するトレイを識別すればよい。
【0082】
次に、プロセッサ102は、インポート対象のトレイファイル内に、リンク先メイン記述の文字列があるか否かを判定する(S52)。この判定結果がNoの場合、トレイファイル内にはリンク先のパスの記述が一切含まれていないことになる。この場合、プロセッサ102は、リンク先入力欄を含むインポート確認ダイアログをフロー画面700に表示する(S58)。
【0083】
図14に、リンク先入力欄722を含むインポート確認ダイアログ720を例示する。この例は、
図9の例のように編集されたトレイ302のトレイファイルを開いたときに表示されるフロー画面700と、この画面に対してポップアップ表示されたインポート確認ダイアログ720を示している。フロー画面700内のトレイ302の情報表示欄422では、名前欄(図中の「Name」)には「帳票記入」という名前が表示され、リンク先欄(図中の「Link」)は空欄である。また説明欄(図中の「Description」)には「各部門の個人作業用フォルダ」という説明が示されている。インポート確認ダイアログ720には、リンクが指定されていないので指定するようユーザに促すメッセージと共に、リンク先入力欄722が示されている。リンク先入力欄722の隣に表示されている参照ボタン724を押下すると、このPCからアクセス可能なフォルダツリーを示すフォルダツリー画面600が表示される。ユーザが、フォルダツリー画面600上で「各部門の個人作業用フォルダ」という説明に該当するフォルダを見つけて選択すると、そのフォルダのパス「\\XXXX事業所\営業部門\work\userA\」がリンク先入力欄722にセットされる。この後、ユーザがインポート確認ダイアログ720内のOKボタンを押下すると、入力されたリンク先のパスがそのトレイ302に設定され、これによりトレイ302は必要な情報が全て設定されたことになる。これにより、トレイ302がそのPCにインポートされ、特定の画面(例えばデスクトップ画面)上にそのトレイ302のアイコンが表示される。
【0084】
図11の説明に戻ると、プロセッサ102は、S58でインポート確認ダイアログ720を表示した後、そのダイアログ内のOKボタン又はキャンセルボタンが押下されるのを待つ(S60)。OKボタンが押下された場合は、リンク先入力欄722に有効なパス(すなわち当該PC内又はネットワーク上に存在するパス)が入力されているか否かを判定する(S62)。この判定結果がNoの場合はS58に戻って再度インポート確認ダイアログ720を表示する。S62の判定の結果がYesの場合、プロセッサ102は、トレイファイル内のトレイ情報と、リンク先入力欄722に入力されたリンク先のパスとを設定したトレイをPCにインポートし(S64)、インポート処理を終了する。
【0085】
S60でキャンセルボタンが押下された場合には、プロセッサ102は、トレイのインポートをせずに、このインポート処理を終了する。
【0086】
S52の判定結果がYesの場合、プロセッサ102は、トレイファイル内のプレフィックス有無の値が「あり」か否かを判定する(S54)。S54の判定の結果がYesの場合、更に、トレイファイル内のリンク先追加記述の項目にパスの文字列が含まれているか否かを判定する(S56)。
【0087】
S56の判定結果がNoの場合、すなわちリンク先追加記述の値が空である場合は、プロセッサ102は、リンク先入力欄722を含むインポート確認ダイアログ720を表示する(S58)。このときのリンク先入力欄722には、
図14の例とは異なり、トレイファイル内のリンク先メイン記述の文字列(すなわちパスのプレフィックス)が入力済みとなっており、ユーザはこの後に続く部分を入力する。図示は省略するが、ユーザが参照ボタン724を押下すると開くフォルダツリー画面600には、そのプレフィックスが示すフォルダの下位のフォルダ群が表示される。これにより、ユーザがリンク先のフォルダを選択しやすくなっている。このように、トレイファイルをインポートした際に、インポート側のユーザがアクセス可能な場所を部分的に指定することによって、該トレイファイルのリンク先を確定することができる。この後、既に説明したS60~S64の処理が行われる。
【0088】
S54の判定結果がNo(すなわちプレフィックス有無が「なし」)、又はS56の判定結果がYes(すなわちリンク先追加記述が空値でない)の場合、プロセッサ102は、
図12の手順に進む。
【0089】
図12の手順では、プロセッサ102は、トレイファイル内の情報が示すトレイのリンク先のフォルダが存在するか否かを判定する(S66)。判定の対象であるリンク先は、S54の判定結果がNo(すなわちプレフィックス不使用)の場合は、リンク先メイン記述が示すパスである。また、S56の判定結果がYes(この場合はプレフィックス使用あり)の場合は、S66では、リンク先メイン記述の後にリンク先追加記述をマージしてできたパスが実在のフォルダを示している否かを判定する。
【0090】
S66の判定結果がYesの場合、プロセッサ102は、
図13に示すように、単にインポートするか否かを問い合わせるインポート確認ダイアログ710をポップアップ表示する(S68)。このインポート確認ダイアログ710には、トレイファイルに含まれるトレイの名前とリンク先とが表示され、その名前及びリンク先のトレイをインポートしてよいかを尋ねるメッセージが表示される。プロセッサ102は、このインポート確認ダイアログ710内のOKボタン又はキャンセルボタンが押下されるのを待つ。OKボタンが押下されると、プロセッサ102は、トレイファイルに含まれるトレイ情報が設定されたトレイをPCにインポートし(S78)、インポート処理を終了する。キャンセルボタンが押下されると、プロセッサ102は、トレイのインポートを行わずに、インポート処理を終了する。
【0091】
S66の判定結果がNoの場合、トレイファイルが示すリンク先のフォルダは実在しない。この場合、プロセッサ102は、
図15に示すように、そのフォルダを作成するか否かを問い合わせるインポート確認ダイアログ730をポップアップ表示する(S72)。このインポート確認ダイアログ730には、トレイファイルに含まれるトレイの名前とリンク先とが表示され、そのリンク先が存在しないこと、及びそのリンク先を作成するかを尋ねるメッセージが表示される。また、プロセッサ102は、問合せの対象である非実在のフォルダのフォルダツリー内での位置610を示したフォルダツリー画面600を表示する。ユーザは、これらの表示を確認して、そのリンク先のフォルダを作成するか否かを判断し、その判断に従ってインポート確認ダイアログ730内のOKボタン又はキャンセルボタンを押下する。OKボタンが押下されると、プロセッサ102は、リンク先のフォルダを作成する処理を実行し(S76)、トレイファイルに含まれるトレイ情報が設定されたトレイをPCにインポートし(S78)、インポート処理を終了する。キャンセルボタンが押下されると、プロセッサ102は、S76及びS78の処理を行わずに、インポート処理を終了する。
【0092】
以上に説明した
図11及び
図12の手順では、S52又はS56の判定結果がNoの場合にはインポート側のユーザにリンク先のパスの指定を求め(S58)、そうでない場合にはそのユーザによるリンク先の指定は求めない。すなわち、トレイファイル内のリンク先メイン記述が空値であること(S52がNo)、又は、プレフィックス有無が「あり」で且つリンク先追加記述が空値であること(S56がNo)は、インポート側のユーザにリンク先を指定させることを暗黙的に示す指定情報として機能している。遡って言えば、フロー設計者がリンク先メイン記述を空値のままでトレイファイルの作成を指示すれば、その指示は、インポート側のユーザにリンク先を指定させることを暗黙的に指示するものである。同様に、フロー設計者がリンク先メイン記述を入力し、プレフィックス有無のチェックボックス508にチェックを入れたが、リンク先追加記述は空値のままでトレイファイルの作成を指示すれば、その指示は、インポート側のユーザにリンク先を指定させることを暗黙的に指示するものである。逆に、フロー設計者がリンク先メイン記述を入力し、プレフィックス有無のチェックボックス508にチェックを入れ、リンク先追加記述を入力してトレイファイルの作成を指示すれば、その指示は、インポート側のユーザにリンク先を指定させないことを暗黙的に指示するものである。同様に、フロー設計者がリンク先メイン記述を入力し、プレフィックス有無のチェックボックス508にチェックを入れずに、トレイファイルの作成を指示すれば、その指示は、インポート側のユーザにリンク先を指定させないことを暗黙的に指示するものである。
【0093】
このように、以上に説明した例では、トレイファイルを作成する際のプロセッサ102は、インポート側のユーザにトレイのリンク先のフォルダの指定を求めるか否かを暗黙的に指示するいくつかの入力を求める。そして、それら入力の内容を示すトレイ情報が、そのトレイを表す表象情報の一例である。そのトレイ情報を含むトレイファイルが、フロー設計者からインポート側のユーザに提供される。インポート側のユーザのPCにてそのトレイファイルをインポートすると、そのトレイファイルが含んだトレイ情報が設定されたトレイがそのPCにインポートされる。このとき、そのトレイ情報の中に、リンク先のフォルダの指定を暗黙的に求める指示内容が含まれていれば、そのPCは、インポート側のユーザにリンク先のフォルダの指定を求め、その指定の内容をインポートするトレイに反映させる。
【0094】
以上に説明した例は、トレイのリンク先をインポート側のユーザに指定させるか否かの指示を暗黙的な指示として含んだトレイ情報を生成する例であったが、この代わりに、その指示を明示的な指定情報として含んだトレイ情報を生成してもよい。その場合のフロー設計者のPCのプロセッサ102が実行する処理手順を、
図16に例示する。
図16の手順のうち、
図6の手順と同様のステップには同一符号を付す。
【0095】
大まかに言えば、
図16の手順では、フロー設計者がトレイ編集画面500に入力した入力内容に対して、
図11の手順のS52~S54と同様の判別を行い、その判別結果に対応する明示的な指定情報をトレイ情報、ひいてはトレイファイルに組み込む。
【0096】
より詳しくは、
図16の手順では、ユーザがトレイ編集画面500に入力を行い、同画面内のOKボタンを押下すると(S14の判定結果がYes)、プロセッサ102は、その入力内容にリンク先メイン記述の文字列が含まれているかどうかを判定する(S30)。この判定の結果Noであれば、プロセッサ102は、トレイの名前と、リンク先入力指示と、トレイ色等の情報を含んだトレイ情報を生成する(S32)。リンク先入力指示は、インポート側のユーザにリンク先のフォルダの指定を求める明示的な指定情報である。
【0097】
S30の判定結果がYesの場合、プロセッサ102は、プレフィックス使用の有無のチェックボックス508が「チェックあり」か否かを判定する(S34)。S34の判定結果がNoの場合、プロセッサ102は、トレイの名前と、リンク先メイン記述が示すリンク先のパスと、リンク先入力不要指示と、トレイ色等の情報を含んだトレイ情報を生成する(S36)。リンク先入力不要指示は、インポート側のユーザにリンク先のフォルダの指定を求めない旨を示す明示的な指定情報である。
【0098】
S34の判定結果がYesの場合、プロセッサ102は、リンク先追加入力欄510に文字列が入力されているかどうかを判定する(S38)。S38の判定結果がYesの場合、プロセッサ102は、トレイの名前と、リンク先メイン記述及びリンク先追加記述をマージしたリンク先のパスと、リンク先入力不要指示と、トレイ色等の情報を含んだトレイ情報を生成する(S36)。
【0099】
S38の判定結果Noの場合、プロセッサ102は、トレイの名前と、リンク先メイン記述と、リンク先補完指示と、トレイ色等の情報を含んだトレイ情報を生成する(S39)。リンク先補完指示は、インポート側のユーザに、リンク先メイン記述、すなわちこの場合はパスプレフィックス、の後にパス記述を補完することを求める明示的な指定情報である。
【0100】
S32、S36又はS38のあと、プロセッサ102は、
図6に示すS18以降の手順を実行し、トレイ情報を含んだトレイファイルを出力する。
【0101】
図16の手順に従って生成されたトレイファイルをインポートする側のPCでは、プロセッサ102は、以下のような処理を行う。すなわち、そのトレイファイルにリンク先入力不要指示が含まれていれば、プロセッサ102は、
図11及び
図12の手順において、S54の判定結果がNo又はS56の判定結果がYesとなった場合と同様の処理を行う。また、そのトレイファイルにリンク先入力指示が含まれていれば、プロセッサ102は、
図11の手順におけるS58以降の処理を実行する。この場合、プロセッサ102は、リンク先入力欄722が空欄のインポート確認ダイアログ720を表示し、リンク先の入力を受け付ける。また、そのトレイファイルにリンク先補完指示が含まれていれば、プロセッサ102は、
図11の手順におけるS58以降の処理を実行する。この場合、プロセッサ102は、リンク先入力欄722にそのトレイファイル内のリンク先メイン記述が入力された状態のインポート確認ダイアログ720を表示し、リンク先の続きの部分の入力を受け付ける。
【0102】
<インポート側が入力するリンク先に対する条件指定>
以上に説明した例では、インポート側のユーザにトレイのリンク先のフォルダを指定させる場合、フロー設計者は、そのフォルダが満たすべき条件を示す説明を入力した(
図9のトレイ編集画面500の説明欄530参照)。この説明はフロー設計者がインポート先のユーザに課した条件であり、インポート時にユーザがその条件を満たすリンク先のフォルダを指定することとなる。しかし、インポート側のユーザが、その説明が示す条件に合致した適切なフォルダをリンク先として指定する保証はない。
【0103】
そこで、これに対する別の例として、インポート側のユーザが指定したリンク先のフォルダが、フロー設計者の指定した条件に合致しているかをインポート側のアプリケーションが確認してもよい。
【0104】
この例では、フロー設計者は、トレイ編集画面500上で、インポート側のユーザがリンク先に指定するフォルダが満たすべき条件を入力する。
図9のトレイ編集画面500の説明欄530は、人間向けの説明を文字列で入力するためのものであった。これに対し、この例では、プロセッサ102が判定できる明確な条件の入力を受け付ける。このような条件としては、例えば、指定すべきリンク先のフォルダがフォルダツリー上のどのフォルダの下位にあるべきかを指定する条件や、指定すべきリンク先のフォルダの名前が満たすべき条件等が挙げられる。
【0105】
また、このような条件の情報を含んだトレイファイルをインポートする際の、インポート側のPCのプロセッサ102が実行する手順の一部分を、
図17に例示する。すなわち、この場合にプロセッサ102が実行する手順は、
図11に示した手順のうちS58以降を
図17に示すものに改変したものである。
【0106】
この手順では、プロセッサ102は、S62でユーザからリンク先が入力されていると判定すると、そのリンク先がトレイファイル内に含まれている条件を満たしているか否かを判定する(S63)。そして、この判定結果がYesの場合に、入力されたリンク先のパスを設定したトレイをPCにインポートする(S64)。S63の判定結果がNoの場合、プロセッサ102は、S58に戻り、リンク先の再入力を受け付ける。
【0107】
以上に説明した実施形態では、トレイサービスのためのアプリケーションを、各ユーザのPCが実行したが、これは一例に過ぎない。この代わりに、例えば、トレイサービスを例えばウェブサービスの形で提供するサーバが、そのアプリケーションと同様の処理を実行してもよい。
【符号の説明】
【0108】
100-1,100-2 PC、102 プロセッサ、104 メモリ、106 補助記憶装置、108 入出力装置、110 ネットワークインタフェース、112 バス、200 サーバ、400 ワークフロー設計画面、405 編集ボタン、410 トレイ追加ボタン、420,422 情報表示欄、430 トレイファイル出力ボタン、500 トレイ編集画面、502 名前入力欄、504 リンク先メイン入力欄、506 参照ボタン、508 チェックボックス、510 リンク先追加入力欄、512 色選択欄、518 OKボタン、520 キャンセルボタン、530 説明欄。