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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/34 20060101AFI20231219BHJP
   G06Q 10/10 20230101ALI20231219BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20231219BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20231219BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20231219BHJP
   H04N 1/393 20060101ALI20231219BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20231219BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
H04N1/34
G06Q10/10
G07G1/06 B
G07G1/12 351Z
H04N1/387 110
H04N1/393
B41J21/00 Z
H04N1/00 C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019192310
(22)【出願日】2019-10-21
(65)【公開番号】P2021068996
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
(72)【発明者】
【氏名】原田 真秀
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-042937(JP,A)
【文献】特開2011-151674(JP,A)
【文献】特開2011-109210(JP,A)
【文献】特開平09-244836(JP,A)
【文献】特開2005-143070(JP,A)
【文献】特開2009-147656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/32 - 1/36
1/42 - 1/44
G06F 19/00
G06Q 10/00 -10/10
30/00 -30/08
50/00 -50/20
50/26 -99/00
G07G 1/00 - 5/00
H04N 1/38 - 1/393
B41J 5/00 - 5/52
21/00 -21/18
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理により得られた処理画像を取得する取得手段と、
前記画像処理を行ったことの証拠となる画像であって、少なくとも当該画像処理に要した料金の情報を含む画像である証拠画像と、前記処理画像を縮小した縮小画像とを合成した合成画像を生成する生成手段と
を備え
前記生成手段は、前記縮小画像の量が、前記証拠画像と合成可能な画像の量である第1の画像量を超えている場合に、当該証拠画像をコピーしてN個の証拠画像を生成し、当該縮小画像をN個のグループに振り分け、当該N個の証拠画像のそれぞれと、当該N個のグループのうちの対応するグループに振り分けられた当該縮小画像とを合成することにより、N個の合成画像を生成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記縮小画像の量が、前記証拠画像と合成可能な画像の量である第1の画像量を超えている場合に、当該縮小画像の量を当該第1の画像量以下にまで減少させる処理を行う処理手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理手段は、前記縮小画像から予め決められた位置の部分を選択することにより、当該縮小画像の量を前記第1の画像量以下にまで減少させる処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理手段は、前記縮小画像から無作為に決められた位置の部分を選択することにより、当該縮小画像の量を前記第1の画像量以下にまで減少させる処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理手段は、前記縮小画像から画像の特徴に関する予め定められた条件を満たす部分を選択することにより、当該縮小画像の量を前記第1の画像量以下にまで減少させる処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記予め定められた条件は、画像に文字以外が含まれているという条件であることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記予め定められた条件は、画像に文字以外が予め定められた割合以上含まれているという条件であることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記処理手段は、フォントサイズが第1のサイズの文書の場合にフォントサイズが当該第1のサイズよりも小さい第2のサイズの文書の場合よりも縮小率を高めて前記縮小画像を生成することにより、当該縮小画像の量を前記第1の画像量以下にまで減少させる処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記処理手段は、画像に文字が含まれない文書の場合に画像に文字が含まれる文書の場合よりも縮小率を高めて前記縮小画像を生成することにより、当該縮小画像の量を前記第1の画像量以下にまで減少させる処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記生成手段は、前記縮小画像の量が、前記N個の合成画像において前記証拠画像と合成可能な画像の量である第2の画像量以下である場合に、前記N個の合成画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記証拠画像は、前記画像処理の処理条件を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記生成手段は、前記画像処理がカラーで画像を出力する処理であることを示す前記処理条件を更に含む前記証拠画像と、前記縮小画像を白黒に変換した画像とを合成した前記合成画像を生成することを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータに、
画像処理により得られた処理画像を取得する機能と、
前記画像処理を行ったことの証拠となる画像であって、少なくとも当該画像処理に要した料金の情報を含む画像である証拠画像と、前記処理画像を縮小した縮小画像とを合成した合成画像を生成する機能と
を実現させ
前記生成する機能は、前記縮小画像の量が、前記証拠画像と合成可能な画像の量である第1の画像量を超えている場合に、当該証拠画像をコピーしてN個の証拠画像を生成し、当該縮小画像をN個のグループに振り分け、当該N個の証拠画像のそれぞれと、当該N個のグループのうちの対応するグループに振り分けられた当該縮小画像とを合成することにより、N個の合成画像を生成するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置に対応する秘密鍵を生成する秘密鍵生成部と、秘密鍵に対応する公開鍵を生成する公開鍵生成部と、秘密鍵を記憶する秘密鍵記憶部と、公開鍵を送信する送信部と、を備え、秘密鍵に基づいて、決済情報を符号化して符号化決済情報を生成し、決済情報と、符号化決済情報と、を領収書に印刷する印刷装置は、知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
販売した商品の商品データおよび商品の代金データを取引毎に入力する入力部と、商品データおよび代金データからなる取引明細データを取引毎に取引番号を付して記憶する取引明細データ記憶部と、取引明細データを検索して表示する表示手段、一取引毎に取引明細データを参照してレシートを発行するレシート発行手段および取引明細データをもとに領収レシートを発行する領収レシート発行手段を備えた出力部とを備え、表示手段に表示した取引明細データ中から選択した特定取引明細データにかかる領収レシートを発行する販売管理装置も、知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-218545号公報
【文献】特開2003-22479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像処理を行ったことの証拠となる画像であって、少なくとも画像処理に要した料金の情報を含む画像である証拠画像に、画像処理の対象となったデータのデータ名を含めただけでは、証拠画像から画像処理の対象となったデータの内容を必ずしも把握することはできない。
【0006】
本発明の目的は、画像処理を行ったことの証拠となる画像であって、少なくとも画像処理に要した料金の情報を含む画像である証拠画像に、画像処理の対象となったデータのデータ名を含めた場合と比較して、画像処理の対象となったデータの内容を把握し易くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、画像処理により得られた処理画像を取得する取得手段と、前記画像処理を行ったことの証拠となる画像であって、少なくとも当該画像処理に要した料金の情報を含む画像である証拠画像と、前記処理画像を縮小した縮小画像とを合成した合成画像を生成する生成手段とを備え、前記生成手段は、前記縮小画像の量が、前記証拠画像と合成可能な画像の量である第1の画像量を超えている場合に、当該証拠画像をコピーしてN個の証拠画像を生成し、当該縮小画像をN個のグループに振り分け、当該N個の証拠画像のそれぞれと、当該N個のグループのうちの対応するグループに振り分けられた当該縮小画像とを合成することにより、N個の合成画像を生成することを特徴とする情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記縮小画像の量が、前記証拠画像と合成可能な画像の量である第1の画像量を超えている場合に、当該縮小画像の量を当該第1の画像量以下にまで減少させる処理を行う処理手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記処理手段は、前記縮小画像から予め決められた位置の部分を選択することにより、当該縮小画像の量を前記第1の画像量以下にまで減少させる処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記処理手段は、前記縮小画像から無作為に決められた位置の部分を選択することにより、当該縮小画像の量を前記第1の画像量以下にまで減少させる処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記処理手段は、前記縮小画像から画像の特徴に関する予め定められた条件を満たす部分を選択することにより、当該縮小画像の量を前記第1の画像量以下にまで減少させる処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記予め定められた条件は、画像に文字以外が含まれているという条件であることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記予め定められた条件は、画像に文字以外が予め定められた割合以上含まれているという条件であることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置である。
請求項8に記載の発明は、前記処理手段は、フォントサイズが第1のサイズの文書の場合にフォントサイズが当該第1のサイズよりも小さい第2のサイズの文書の場合よりも縮小率を高めて前記縮小画像を生成することにより、当該縮小画像の量を前記第1の画像量以下にまで減少させる処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項9に記載の発明は、前記処理手段は、画像に文字が含まれない文書の場合に画像に文字が含まれる文書の場合よりも縮小率を高めて前記縮小画像を生成することにより、当該縮小画像の量を前記第1の画像量以下にまで減少させる処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項10に記載の発明は、前記生成手段は、前記縮小画像の量が、前記N個の合成画像において前記証拠画像と合成可能な画像の量である第2の画像量以下である場合に、前記N個の合成画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項11に記載の発明は、前記証拠画像は、前記画像処理の処理条件を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項12に記載の発明は、前記生成手段は、前記画像処理がカラーで画像を出力する処理であることを示す前記処理条件を更に含む前記証拠画像と、前記縮小画像を白黒に変換した画像とを合成した前記合成画像を生成することを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置である。
請求項13に記載の発明は、コンピュータに、画像処理により得られた処理画像を取得する機能と、前記画像処理を行ったことの証拠となる画像であって、少なくとも当該画像処理に要した料金の情報を含む画像である証拠画像と、前記処理画像を縮小した縮小画像とを合成した合成画像を生成する機能とを実現させ、前記生成する機能は、前記縮小画像の量が、前記証拠画像と合成可能な画像の量である第1の画像量を超えている場合に、当該証拠画像をコピーしてN個の証拠画像を生成し、当該縮小画像をN個のグループに振り分け、当該N個の証拠画像のそれぞれと、当該N個のグループのうちの対応するグループに振り分けられた当該縮小画像とを合成することにより、N個の合成画像を生成するプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、画像処理を行ったことの証拠となる画像であって、少なくとも画像処理に要した料金の情報を含む画像である証拠画像に、画像処理の対象となったデータのデータ名を含めた場合と比較して、画像処理の対象となったデータの内容を把握し易くなり、画像処理の対象となったデータの量が多い場合に、証拠画像からそのデータの内容を把握するために必要な部分を取得できる可能性が高まる
請求項2の発明によれば、画像処理の対象となったデータの量が多い場合に、証拠画像の量を増やさなくても、証拠画像からそのデータの内容を把握できるようになる。
請求項3の発明によれば、画像処理の対象となったデータのうちの証拠画像に合成される部分を選択する処理を単純化することができる。
請求項4の発明によれば、画像処理の対象となったデータのうちの証拠画像に合成される部分を秘匿化することができる。
請求項5の発明によれば、画像処理の対象となったデータのうちの証拠画像に合成される部分を画像の特徴を考慮して選択することができる。
請求項6の発明によれば、画像処理の対象となったデータのうちの文字のみの部分を証拠画像に合成する場合に比較して、証拠画像からそのデータの内容を把握し易くなる。
請求項7の発明によれば、画像処理の対象となったデータのうちの文字以外が予め定められた割合よりも少ない部分を証拠画像に合成する場合に比較して、証拠画像からそのデータの内容を把握し易くなる。
請求項8の発明によれば、画像処理の対象となったデータを縮小した縮小画像の区別のし易さへの影響を抑えつつ、縮小画像の数を増やすことができる。
請求項9の発明によれば、画像処理の対象となったデータを縮小した縮小画像の区別のし易さへの影響を抑えつつ、縮小画像の数を増やすことができる。
請求項10の発明によれば、画像処理の対象となったデータの量が多い場合に、証拠画像の量を極端に増やさなくても、証拠画像からそのデータの内容を把握するために必要な部分を取得できる可能性が高まる。
請求項11の発明によれば、証拠画像から、画像取得の対象となったデータの画像処理の処理条件を把握できるようになる。
請求項12の発明によれば、画像取得の対象となったデータをカラーで出力した場合であっても、証拠画像にはそのデータを白黒で合成することができる。
請求項13の発明によれば、画像処理を行ったことの証拠となる画像であって、少なくとも画像処理に要した料金の情報を含む画像である証拠画像に、画像処理の対象となったデータのデータ名を含めた場合と比較して、画像処理の対象となったデータの内容を把握し易くなり、画像処理の対象となったデータの量が多い場合に、証拠画像からそのデータの内容を把握するために必要な部分を取得できる可能性が高まる
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態における画像処理装置のハードウェア構成例を示した図である。
図2】本発明の実施の形態における画像処理装置の機能構成例を示したブロック図である。
図3】本発明の実施の形態における画像処理装置の第1の動作例を示したフローチャートである。
図4】本発明の実施の形態の画像処理装置の第1の動作例におけるサムネイル画像編集選択処理の処理例を示したフローチャートである。
図5】本発明の実施の形態の画像処理装置の第1の動作例で出力される領収書の例を示した図である。
図6】本発明の実施の形態の画像処理装置の第1の動作例で出力される領収書に含まれるサムネイル画像の拡大図である。
図7】本発明の実施の形態における画像処理装置の第2の動作例を示したフローチャートである。
図8】本発明の実施の形態の画像処理装置の第2の動作例におけるサムネイル画像編集選択処理の処理例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
[画像処理装置のハードウェア構成]
図1は、本実施の形態における画像処理装置10のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、画像処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、操作パネル15と、画像読取部16と、画像形成部17と、通信インターフェース(以下、「通信I/F」と表記する)18とを備える。
【0012】
CPU11は、ROM13等に記憶された各種プログラムをRAM12にロードして実行することにより、後述する各機能を実現する。
【0013】
RAM12は、CPU11の作業用メモリ等として用いられるメモリである。ROM13は、CPU11が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。HDD14は、画像読取部16が読み取った画像データや画像形成部17における画像形成にて用いる画像データ等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
【0014】
操作パネル15は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う例えばタッチパネルである。ここで、操作パネル15は、各種情報が表示されるディスプレイと、指やスタイラスペン等の指示手段で指示された位置を検出する位置検出シートとからなる。或いは、タッチパネルに代えて、ディスプレイ及びキーボードを用いてもよい。
【0015】
画像読取部16は、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取る。ここで、画像読取部16は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。
【0016】
画像形成部17は、紙等の記録媒体に画像を形成する。ここで、画像形成部17は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
【0017】
通信I/F18は、通信回線を介して他の装置との間で各種情報の送受信を行う。
【0018】
[本実施の形態の概要]
本実施の形態では、画像処理装置10が、画像処理を行ったことの証拠となる画像であって、少なくとも画像処理に要した料金の情報を含む画像である証拠画像と、画像処理により得られた処理画像を縮小した縮小画像とを合成した合成画像を生成する。
【0019】
以下では、証拠画像として、領収書の元となる領収書画像を例にとって説明する。本実施の形態における領収書とは、例えば、画像処理装置10を設置した店舗等が、画像処理装置10で画像処理を行った顧客から画像処理に要した料金を領収したことを証明する書面である。一般に受領書、レシート等と呼ばれるものをこの領収書に含めてもよい。
【0020】
また、縮小画像とは、人間が見て処理画像の内容を把握可能とする画像であり、バーコード、QRコード(登録商標)等は含まない。以下では、縮小画像として、サムネイル画像を例にとって説明する。
【0021】
ところで、このように領収書画像とサムネイル画像とを合成した合成画像を生成する場合、サムネイル画像の量が多過ぎると、1枚の領収書のスペースに全てのサムネイル画像を印刷できなくなる。
【0022】
そこで、本実施の形態では、サムネイル画像の量が、領収書画像と合成可能な画像の量である第1の画像量を超えている場合に、サムネイル画像の量を第1の画像量以下にまで減少させる動作を行う。また、サムネイル画像の量が、第1の画像量を超えている場合に、各合成画像が領収書画像とサムネイル画像の第1の画像量の部分とを合成した画像である複数の合成画像を生成する動作を行う。以降、前者を第1の動作例とし、後者を第2の動作例として、詳細に説明する。尚、ここでは、サムネイル画像の量に着目して表記したが、一般に1ページの処理画像から1ページのサムネイル画像が生成されるので、以下では、サムネイル画像のページに着目して表記する。
【0023】
[画像処理装置の機能構成]
図2は、本実施の形態における画像処理装置10の機能構成例を示したブロック図である。本実施の形態における画像処理装置10は、情報処理装置の一例であり、図示するように、画像処理制御部21と、処理画像記憶部22と、サムネイル画像生成部23と、サムネイル画像記憶部24と、サムネイル画像処理部25と、UI制御部26と、領収書画像記憶部27と、画像合成部28とを備えている。
【0024】
画像処理制御部21は、画像読取部16(図1参照)での画像の読み取り、画像形成部17(図1参照)での画像の形成等を含む画像処理の実行を制御する。そして、画像読取部16で読み取られた画像、画像形成部17で形成された画像等の処理画像を取得する。本実施の形態では、画像処理により得られた処理画像を取得する取得手段の一例として、画像処理制御部21を設けている。また、特に、後述するように画像合成部28から領収書画像とサムネイル画像との合成画像を取得した場合は、画像形成部17でのこの合成画像の形成を制御する。
【0025】
処理画像記憶部22は、画像処理制御部21が取得した処理画像を記憶する。ここで、処理画像記憶部22は、画像処理指示ごとの処理画像を一時的に保存するのに必要な容量を持っていればよい。
【0026】
サムネイル画像生成部23は、処理画像記憶部22に記憶された処理画像からサムネイル画像を生成する。
【0027】
サムネイル画像記憶部24は、サムネイル画像生成部23が生成したサムネイル画像を記憶する。
【0028】
サムネイル画像処理部25は、サムネイル画像記憶部24に記憶されたサムネイル画像を処理する。具体的には、サムネイル画像の編集処理及びサムネイル画像の選択処理の少なくとも何れか一方の処理を行う。
【0029】
まず、サムネイル画像処理部25は、サムネイル画像の編集処理として、サムネイル画像の編集対象範囲について、サムネイル画像の削除対象部分を削除する処理を行う。
【0030】
ここで、編集対象範囲は、ページ単位で指定された範囲であってよい。ページ単位で指定された範囲は、例えば、全ページであってもよいし、一部のページであってもよい。後者の場合は、ユーザがその一部のページを指定するとよい。或いは、編集対象範囲は、ページとは関係なく指定された範囲であってもよい。ページとは関係なく指定された範囲は、例えば、ページ内の範囲であってよい。この場合は、ユーザが操作パネル15(図1参照)に表示されたサムネイル画像上でドラッグ操作を行ったり座標を入力したりすることによりその範囲を指定するとよい。
【0031】
また、削除対象部分は、ユーザが指定した特徴的な部分であってよい。特徴的な部分は、例えば、文字の部分や、画像の部分であってよい。この場合、サムネイル画像処理部25は、これらの部分を認識する機能を有するものとする。或いは、特徴的な部分は、例えば、名前、住所等の個人情報を含む文字の部分であってもよい。この場合、サムネイル画像処理部25は、個人情報を含む文字の部分を学習により認識する機能を有するものとする。或いは、特徴的な部分は、例えば、人物の画像の部分であってもよい。この場合、サムネイル画像処理部25は、人物の画像の部分を学習により認識する機能を有するものとする。また、削除対象部分は、ユーザが直接指定するのではなく、サムネイル画像処理部25が文書フォーマットに基づいて判断してもよい。例えば、文書フォーマットで個人情報を含む文字が存在することが分かっている領域について、その領域を削除対象部分とする等である。尚、本明細書において「文字」とは、線や点を使って形作られた符号のことを言い、記号も含むものとする。
【0032】
更に、削除する処理は、削除対象部分を白又は黒等で塗り潰したりぼかしたりする隠蔽処理であってよい。この場合、削除対象部分が存在していた領域はサムネイル画像上に残るので、サムネイル画像のページ数は減らない。或いは、削除する処理は、削除対象部分が存在していた領域を削除する領域削除処理であってもよい。この場合、削除された領域は、その領域に続く文字又は画像が前に移動することによって埋められるので、サムネイル画像のページ数は減る可能性がある。尚、削除する処理として領域削除処理を行う場合、領域削除処理は、縮小画像から画像の特徴に関する予め定められた条件を満たす部分を選択することの一例である。
【0033】
尚、サムネイル画像処理部25は、サムネイル画像の編集処理として、領収書のサイズに合わせてサムネイル画像を縮小する処理を行ってもよい。例えば、ページの一部(タイトルとその周辺部分等)を切り出すことにより、サムネイル画像を縮小するものであってもよい。
【0034】
また、サムネイル画像処理部25は、サムネイル画像の選択処理として、次の処理を行う。
【0035】
第1の動作例では、サムネイル画像処理部25は、サムネイル画像のページ数が、領収書画像と合成可能なページ数である第1閾値を超えている場合に、サムネイル画像のページ数を第1閾値以下にまで減少させる処理を行う。具体的には、サムネイル画像のページ数が少ない場合、つまり、領収書画像と合成可能なページ数の第1閾値以下である場合、サムネイル画像の全ページを領収書画像と合成する対象とする。一方、サムネイル画像のページ数が多い場合、つまり、第1閾値よりも大きい場合、サムネイル画像の全ページから一部のページを選択してこれを領収書画像と合成する対象とする。本実施の形態では、証拠画像と合成可能な画像の量である第1の画像量の一例として、第1閾値を用いており、縮小画像の量を第1の画像量以下にまで減少させる処理を行う処理手段の一例として、サムネイル画像処理部25を設けている。
【0036】
第2の動作例では、サムネイル画像処理部25は、サムネイル画像のページ数が、複数の領収書画像と合成可能なページ数である第2閾値を超えている場合に、サムネイル画像のページ数を第2閾値以下にまで減少させる処理を行う。具体的には、サムネイル画像のページ数が、N個(Nは2以上の整数とする)の領収書画像と合成可能なページ数の第2閾値以下である場合、サムネイル画像の全ページをN個の領収書画像と合成する対象とする。一方、サムネイル画像のページ数が第2閾値よりも大きい場合、サムネイル画像の全ページから一部のページを選択してこれをN個の領収書画像と合成する対象とする。ここで、第2閾値は、第1閾値にNを乗じた値とすればよい。本実施の形態では、複数の合成画像において証拠画像と合成可能な画像の量である第2の画像量の一例として、第2閾値を用いている。
【0037】
ここで、サムネイル画像の全ページから一部のページを選択する方法としては、サムネイル画像の全ページから予め決められたページを選択する方法がある。例えば、サムネイル画像のページを10ページおきに選択する方法である。これは、縮小画像から予め決められた位置の部分を選択することの一例である。また、サムネイル画像の全ページから一部のページを選択する方法としては、サムネイル画像の全ページから無作為に決められたページを選択する方法もある。例えば、サムネイル画像のページを乱数発生器により発生した乱数に応じて選択する方法である。これは、縮小画像から無作為に決められた位置の部分を選択することの一例である。更に、サムネイル画像の全ページから一部のページを選択する方法としては、サムネイル画像の全ページから特徴的なページを選択する方法もある。例えば、文字以外が含まれているページを選択する方法や、文字以外が予め定められた割合以上含まれているページを選択する方法である。これは、縮小画像から画像の特徴に関する予め定められた条件を満たす部分を選択することの一例である。
【0038】
尚、サムネイル画像のページ数が領収書画像と合成可能なページ数であることが最初から分かっている場合等は、ユーザが終了ボタンを押下することによりサムネイル画像処理部25の処理が終了するようにしてもよい。即ち、サムネイル画像処理部25は、終了ボタンを押下するユーザ操作を検知すると、画像合成部28に領収書画像とサムネイル画像との合成を指示するようにしてよい。
【0039】
UI制御部26は、サムネイル画像記憶部24に記憶されたサムネイル画像又はサムネイル画像処理部25が編集中のサムネイル画像を操作パネル15に表示するように制御する。また、操作パネル15に表示された選択肢又はサムネイル画像上でのユーザ操作の検知を制御する。
【0040】
領収書画像記憶部27は、領収書画像を記憶する。ここで、領収書画像は、画像読取部16(図1参照)での画像の読み取り、画像形成部17(図1参照)での画像の形成等を含む画像処理に要した料金や、その画像処理が行われた枚数等に基づいて、生成される。このうち、画像処理に要した料金は、画像処理装置10が備える図示しない決算機能により計算されるものであってよい。また、領収書画像は、装置設置場所、処理日時等、領収書画像の信頼性を更に向上させる情報を含んでいてもよい。
【0041】
画像合成部28は、領収書画像記憶部27に記憶された領収書画像と、サムネイル画像記憶部24に記憶され、サムネイル画像処理部25によりサムネイル画像の選択処理及びサムネイル画像の編集処理の少なくとも何れか一方の処理が行われたサムネイル画像とを合成することにより、合成画像を生成する。具体的には、画像合成部28は、次の処理を行う。
【0042】
第1の動作例では、サムネイル画像処理部25がサムネイル画像のページ数を第1閾値以下にまで減少させる処理を行っているので、画像合成部28は、1つの領収書画像にサムネイル画像の全ページを合成する。
【0043】
第2の動作例では、画像合成部28は、サムネイル画像のページ数が、領収書画像と合成可能なページ数である第1閾値を超えている場合に、各合成画像が証拠画像と縮小画像の第1の画像量の部分とを合成した画像である複数の合成画像を生成する。具体的には、サムネイル画像のページ数が少ない場合、つまり、領収書画像と合成可能なページ数の第1閾値以下である場合、1つの領収書画像にサムネイル画像の全ページを合成する。一方、サムネイル画像のページ数が多い場合、つまり、第1閾値よりも大きい場合、1つの領収書画像に合成可能なサムネイル画像のページを合成しつつ、N個の領収書画像に対して、サムネイル画像処理部25により第2閾値以下にまで減少させられたサムネイル画像の全ページを合成する。
【0044】
本実施の形態では、証拠画像と縮小画像とを合成した合成画像を生成する生成手段の一例として、画像合成部28を設けている。
【0045】
そして、画像合成部28は、合成画像を画像処理制御部21に出力する。
【0046】
[画像処理装置の動作]
(第1の動作例)
図3は、本実施の形態における画像処理装置10の第1の動作例を示したフローチャートである。
【0047】
図示するように、画像処理装置10では、まず、画像処理制御部21が、画像読取部16(図1参照)での画像の読み取り、画像形成部17(図1参照)での画像の形成等の画像処理の実行を制御する(ステップ101)。そして、画像処理の結果である処理画像を処理画像記憶部22に記憶する(ステップ102)。
【0048】
次に、サムネイル画像生成部23が、ステップ102で処理画像記憶部22に記憶された処理画像からサムネイル画像を生成する(ステップ103)。そして、サムネイル画像をサムネイル画像記憶部24に記憶する(ステップ104)。
【0049】
次に、UI制御部26が、ステップ104でサムネイル画像記憶部24に記憶されたサムネイル画像を操作パネル15に表示するように制御する(ステップ105)。
【0050】
次いで、サムネイル画像処理部25が、サムネイル画像編集選択処理を行う(ステップ106)。ここで、サムネイル画像編集選択処理は、ステップ104でサムネイル画像記憶部24に記憶されたサムネイル画像を、ステップ105で操作パネル15に表示されたサムネイル画像に対するユーザ操作に応じて、編集及び選択する処理である。サムネイル画像編集選択処理の詳細については後述する。サムネイル画像編集選択処理による編集及び選択済みのサムネイル画像は、サムネイル画像記憶部24に書き戻される。
【0051】
その後、画像合成部28が、領収書画像記憶部27に記憶された領収書画像と、ステップ106でサムネイル画像記憶部24に記憶された編集及び選択済みのサムネイル画像とを合成することにより、合成画像を生成する(ステップ107)。
【0052】
最後に、画像処理制御部21が、ステップ107で生成された合成画像の画像形成部17での形成を制御する(ステップ108)。
【0053】
次に、図3のステップ106のサムネイル画像編集選択処理について詳細に説明する。
【0054】
図4は、本実施の形態の画像処理装置10の第1の動作例におけるサムネイル画像編集選択処理の処理例を示したフローチャートである。
【0055】
図示するように、サムネイル画像処理部25は、まず、サムネイル画像の編集が指示されたかどうかを判定する(ステップ121)。具体的には、UI制御部26が操作パネル15上でサムネイル画像を編集する旨のユーザ操作を受け付け、サムネイル画像処理部25がその旨をUI制御部26から受け取ったかどうかを判定する。
【0056】
ここで、サムネイル画像の編集が指示されたとサムネイル画像処理部25が判定した場合について説明する。
【0057】
この場合、サムネイル画像処理部25は、まず、サムネイル画像の編集対象範囲を判定する(ステップ122)。具体的には、UI制御部26が操作パネル15上でサムネイル画像の如何なる編集対象範囲を指定するユーザ操作を受け付け、サムネイル画像処理部25が如何なる編集対象範囲の情報をUI制御部26から受け取ったかを判定する。ここで、サムネイル画像の編集対象範囲としては、全ページ、ユーザが指定した一部ページ、ユーザが指定したページ内のユーザが指定した範囲等がある。
【0058】
その結果、サムネイル画像の編集対象範囲が全ページ又は一部ページであると判定すれば、サムネイル画像処理部25は、選択肢を選択する操作による削除対象部分の選択を受け付ける(ステップ123)。具体的には、UI制御部26が操作パネル15に表示された複数の選択肢から1つの選択肢を選択するユーザ操作を受け付け、サムネイル画像処理部25が選択された選択肢の情報を受け付ける。ここで、複数の選択肢としては、「文字部の削除」、「画像部の削除」、「個人情報文字部の削除」、「人物画像部の削除」、「文書フォーマットでの削除」等がある。
【0059】
一方、サムネイル画像の編集対象範囲がページ内の範囲であると判定すれば、サムネイル画像処理部25は、サムネイル画像上での操作による削除対象部分の選択を受け付ける(ステップ124)。具体的には、UI制御部26が操作パネル15に表示されたサムネイル画像上でドラッグ又は座標入力により範囲を指定するユーザ操作を受け付け、サムネイル画像処理部25が指定された範囲の情報を受け付ける。ここで、ドラッグ又は座標入力により指定する範囲とは、例えば、個人情報等の領収書に印刷してほしくない部分が記載された範囲である。
【0060】
次に、サムネイル画像処理部25は、ステップ123又はステップ124で選択を受け付けた削除対象部分を削除する(ステップ125)。ここで、削除対象部分の削除は、削除対象部分を黒又は白で塗り潰したりぼかしたりする隠蔽処理であってよい。或いは、削除対象部分があった領域を削除し、その領域をそれに続く文字、画像等で埋める領域削除処理であってもよい。
【0061】
その後、サムネイル画像処理部25は、処理をステップ121へ戻す。
【0062】
また、サムネイル画像の編集が指示されたとサムネイル画像処理部25が判定しなかった場合について説明する。
【0063】
この場合、サムネイル画像処理部25は、まず、サムネイル画像のページ数が第1閾値以下であるかどうかを判定する(ステップ126)。
【0064】
その結果、サムネイル画像のページ数が第1閾値以下であると判定しなければ、サムネイル画像処理部25は、削除対象ページの選択を受け付ける(ステップ127)。具体的には、UI制御部26が操作パネル15に表示されたサムネイル画像上で削除対象ページ又は印刷対象ページを選択するユーザ操作を受け付ける。そして、サムネイル画像処理部25が、削除対象ページ又は印刷対象ページの情報を受け付け、削除対象ページの情報を受け付けた場合はそのページを、印刷対象ページの情報を受け付けた場合はそのページ以外のページを、削除対象ページとする。或いは、UI制御部26が操作パネル15上で削除対象ページを選択する方法を指定するユーザ操作を受け付け、サムネイル画像処理部25が、サムネイル画像のページから指定された方法でページを探索し、探索されたページを削除対象ページとする。ここで、削除対象ページを選択する方法としては、予め決められたページを選択する方法や、無作為に決められたページを選択する方法や、特徴的なページを選択する方法がある。
【0065】
次に、サムネイル画像処理部25は、ステップ127で選択を受け付けた削除対象ページを削除する(ステップ128)。
【0066】
その後、サムネイル画像処理部25は、処理をステップ121へ戻す。
【0067】
一方、サムネイル画像のページ数が第1閾値以下であると判定すれば、サムネイル画像処理部25は、処理を図3のフローチャートに戻す。
【0068】
尚、上記動作例では、サムネイル画像の縮小率には言及しなかったが、サムネイル画像処理部25は、サムネイル画像を生成する際に縮小率を調整するようにしてもよい。
【0069】
例えば、サムネイル画像処理部25は、フォントサイズが大きい文書の場合は縮小率を高めて縮小画像の枚数を増やすようにするとよい。これは、フォントサイズが第1のサイズの文書の場合にフォントサイズが第1のサイズよりも小さい第2のサイズの文書の場合よりも縮小率を高めて縮小画像を生成することの一例である。
【0070】
或いは、サムネイル画像処理部25は、画像のみの文書の場合は縮小率を高めて縮小画像の枚数を増やすようにしてもよい。より広く捉えると、画像に文字が含まれない文書の場合は縮小率を高めて縮小画像の枚数を増やすようにしてもよい、と言うことができる。これは、画像に文字が含まれない文書の場合に画像に文字が含まれる文書の場合よりも縮小率を高めて縮小画像を生成することの一例である。
【0071】
また、上記動作例では、複数のファイルを出力する場合には言及しなかったが、この場合にも、画像合成部28は、領収書画像と、複数のファイルから得られた複数のサムネイル画像とを合成するようにしてよい。
【0072】
例えば、複数のファイルを出力した場合に、複数のファイルの合算したページ数が領収書画像と合成可能なページ数である第1閾値以下であれば、画像合成部28は、領収書画像と、複数のファイルから得られた複数のサムネイル画像とをそのまま合成してよい。
【0073】
或いは、複数のファイルを出力した場合に、複数のファイルの合算したページ数が領収書画像と合成可能なページ数である第1閾値を超えていれば、画像合成部28は、領収書画像と、複数のファイルのそれぞれの特徴のあるページから得られたサムネイル画像とを合成してよい。尚、複数のファイルのそれぞれの特徴のあるページは、サムネイル画像処理部25により選択されるが、サムネイル画像処理部25による削除すべきページがある場合の扱いや特徴のあるページの選択の仕方は上記で既に述べた方法を用いるとよい。
【0074】
(第1の動作例における出力例)
図5は、本実施の形態の画像処理装置10の第1の動作例で出力される領収書の例を示した図である。つまり、領収書は、図3のステップ108で合成画像の画像形成部17(図1参照)での形成が制御されて出力された結果である。
【0075】
図示するように、領収書500は、出力枚数記述501と、サムネイル画像数記述502と、出力店舗住所記述503と、出力日時記述504と、料金記述505とを含む。
【0076】
出力枚数記述501は、領収書500で料金を証明する対象となる出力文書の枚数を示す記述であり、サムネイル画像数記述502は、領収書500に含まれる出力文書のサムネイル画像の数を示す記述である。この例では、出力文書の枚数が4枚で、領収書500がその出力文書のサムネイル画像の全てを含むことが示されている。また、出力枚数記述501及びサムネイル画像数記述502は、それぞれ、画像処理の処理条件の一例として、出力文書の画像及びサムネイル画像がカラーで形成されたか白黒で形成されたかの情報も含む。この例では、出力文書の画像はカラーで形成されたが、領収書500のサムネイル画像は白黒に変換されて形成されたことが示されている。
【0077】
出力店舗住所記述503は、出力文書を出力した店舗の住所を示す記述であり、出力日時記述504は、出力文書を出力した日時を示す記述である。
【0078】
料金記述505は、出力文書の出力に要した料金を示す記述である。ここでは、出力文書の画像はカラーで4枚形成しており、カラーでの画像形成は1枚につき50円を想定しているので、料金は200円となっている。
【0079】
また、図示するように、領収書500は、出力文書の1ページ目のサムネイル画像510と、出力文書の2ページ目のサムネイル画像520と、出力文書の3ページ目のサムネイル画像530と、出力文書の4ページ目のサムネイル画像540とを更に含む。つまり、領収書500は、4つのサムネイル画像510~540を含んでいるので、これは第1閾値が4の場合の例である。
【0080】
図6は、本実施の形態の画像処理装置10の第1の動作例で出力される領収書500に含まれるサムネイル画像530の拡大図である。図5では、サムネイル画像530は塗り潰したりぼかしたりされていなかったが、図6では、図4のステップ123で「文字部の削除」が選択されることにより、サムネイル画像530の文字部が黒で塗り潰されている。具体的には、文章内文字部531a~531g及びグラフ内文字部532a~532dが黒で塗り潰されている。
【0081】
(第2の動作例)
図7は、本実施の形態における画像処理装置10の第2の動作例を示したフローチャートである。
【0082】
図示するように、画像処理装置10は、まず、図3のステップ101~105と同じ処理を行う(ステップ151~155)。
【0083】
次いで、画像処理装置10では、サムネイル画像処理部25が、サムネイル画像編集選択処理を行う(ステップ156)。ここで、サムネイル画像編集選択処理は、ステップ154でサムネイル画像記憶部24に記憶されたサムネイル画像を、ステップ155で操作パネル15に表示されたサムネイル画像に対するユーザ操作に応じて、編集及び選択する処理である。サムネイル画像編集選択処理の詳細については後述する。サムネイル画像編集選択処理による編集及び選択済みのサムネイル画像は、サムネイル画像記憶部24に書き戻される。
【0084】
その後、画像合成部28が、ステップ156でサムネイル画像記憶部24に記憶された編集及び選択済みのサムネイル画像のページ数が第1閾値以下であるかどうかを判定する(ステップ157)。
【0085】
その結果、編集及び選択済みのサムネイル画像のページ数が第1閾値以下であると判定すれば、画像合成部28は、領収書画像記憶部27に記憶された領収書画像と、この編集及び選択済みのサムネイル画像とを合成することにより、合成画像を生成する(ステップ158)。
【0086】
一方、編集及び選択済みのサムネイル画像のページ数が第1閾値以下であると判定しなければ、画像合成部28は、領収書画像記憶部27に記憶された領収書画像をコピーしてN個の領収書画像を生成する(ステップ159)。ここで、Nは、編集及び選択済みのサムネイル画像のページ数を第1閾値で除した商以上の整数のうちの最小の整数とすればよい。次に、画像合成部28は、編集及び選択済みのサムネイル画像をN個のグループに分ける(ステップ160)。具体的には、編集及び選択済みのサムネイル画像の先頭から第1閾値の個数分のサムネイル画像を順次取り出してN個のグループに先頭から順次振り分ける。その際、N個目のグループに振り分けられるサムネイル画像の数は第1閾値に満たないことがある。次いで、画像合成部28は、ステップ159で生成したN個の領収書画像のそれぞれと、ステップ160で分けられたN個のグループのうちの対応するグループに振り分けられたサムネイル画像とを合成することにより、N個の合成画像を生成する(ステップ161)。
【0087】
最後に、画像処理制御部21が、ステップ158又はステップ161で生成された合成画像の画像形成部17での形成を制御する(ステップ162)。
【0088】
次に、図7のステップ156のサムネイル画像編集選択処理について詳細に説明する。
【0089】
図8は、本実施の形態の画像処理装置10の第2の動作例におけるサムネイル画像編集選択処理の処理例を示したフローチャートである。
【0090】
図示するように、サムネイル画像処理部25は、まず、サムネイル画像の編集が指示されたかどうかを判定する(ステップ171)。具体的には、UI制御部26が操作パネル15上でサムネイル画像を編集する旨のユーザ操作を受け付け、サムネイル画像処理部25がその旨をUI制御部26から受け取ったかどうかを判定する。
【0091】
ここで、サムネイル画像の編集が指示されたとサムネイル画像処理部25が判定した場合について説明する。
【0092】
この場合、サムネイル画像処理部25は、図4のステップ122~125と同じ処理を行う(ステップ172~175)。
【0093】
また、サムネイル画像の編集が指示されたとサムネイル画像処理部25が判定しなかった場合について説明する。
【0094】
この場合、サムネイル画像処理部25は、まず、サムネイル画像のページ数が第2閾値以下であるかどうかを判定する(ステップ176)。例えば、第1閾値が4である場合に100ページ分のサムネイル画像を領収書画像に合成するのは、25枚の領収書が出力されて現実的ではないので、ここでもサムネイル画像のページ数に上限を設けている。
【0095】
その結果、サムネイル画像のページ数が第2閾値以下であると判定しなければ、サムネイル画像処理部25は、削除対象ページの選択を受け付ける(ステップ177)。具体的には、UI制御部26が操作パネル15に表示されたサムネイル画像上で削除対象ページ又は印刷対象ページを選択するユーザ操作を受け付ける。そして、サムネイル画像処理部25が、削除対象ページ又は印刷対象ページの情報を受け付け、削除対象ページの情報を受け付けた場合はそのページを、印刷対象ページの情報を受け付けた場合はそのページ以外のページを、削除対象ページとする。或いは、UI制御部26が操作パネル15上で削除対象ページを選択する方法を指定するユーザ操作を受け付け、サムネイル画像処理部25が、サムネイル画像のページから指定された方法でページを探索し、探索されたページを削除対象ページとする。ここで、削除対象ページを選択する方法としては、予め決められたページを選択する方法や、無作為に決められたページを選択する方法や、特徴的なページを選択する方法がある。
【0096】
次に、サムネイル画像処理部25は、ステップ127で選択を受け付けた削除対象ページを削除する(ステップ178)。
【0097】
その後、サムネイル画像処理部25は、処理をステップ171へ戻す。
【0098】
一方、サムネイル画像のページ数が第2閾値以下であると判定すれば、サムネイル画像処理部25は、処理を図7のフローチャートに戻す。
【0099】
[プログラム]
本実施の形態における画像処理装置10が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。
【0100】
即ち、本実施の形態を実現するプログラムは、コンピュータに、画像処理により得られた処理画像を取得する機能と、画像処理を行ったことの証拠となる画像であって、少なくとも画像処理に要した料金の情報を含む画像である証拠画像と、処理画像を縮小した縮小画像とを合成した合成画像を生成する機能とを実現させるためのプログラムとして捉えられる。
【0101】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0102】
10…画像処理装置、21…画像処理制御部、22…処理画像記憶部、23…サムネイル画像生成部、24…サムネイル画像記憶部、25…サムネイル画像処理部、26…UI制御部、27…領収書画像記憶部、28…画像合成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8