(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】管理装置、管理システム、及び管理方法
(51)【国際特許分類】
G09B 19/00 20060101AFI20231219BHJP
G09B 7/02 20060101ALI20231219BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20231219BHJP
G06F 3/038 20130101ALI20231219BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G09B19/00 G
G09B7/02
G06Q50/20
G06F3/038 310A
G06F3/01 510
(21)【出願番号】P 2019226407
(22)【出願日】2019-12-16
【審査請求日】2022-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】市橋 啓太
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-178358(JP,A)
【文献】特開2019-101161(JP,A)
【文献】特開2018-205447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 5/00-7/12
G06Q 50/20
G06F 3/01-3/038
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末の表示画面を目視するユーザの前記表示画面上の視線位置に関する情報を取得する取得部と、
前記表示画面に表示される第1の設問領域と前記視線位置とが重畳している間、第1の設問の解答時間を計測する計測部と、を備え、
前記計測部は、
前記視線位置が前記第1の設問領域
から移動して前記第1の設問領域とは異なる
他の設問領域に重畳している時間が予め定められた時間を超えていない場合、前記第1の設問の解答時間の計測を継続し、前記視線位置が前記他の設問領域に重畳している時間が前記予め定められた時間を超えている場合、前記第1の設問の解答時間の計測を終了する、管理装置。
【請求項2】
前記計測部は、
前記視線位置が、前記第1の設問領域及び前記第1の設問領域とは異なる他の設問領域に存在しない場合、前記第1の設問の解答時間の計測を継続すると判定する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記計測部は、
前記表示画面上に前記視線位置を特定することができない場合、前記第1の設問の解答時間の計測を継続すると判定する、請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記第1の設問の解答時間の計測を終了した場合に、計測した前記解答時間を前記端末へ送信する通信部をさらに備える、請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項5】
前記計測部は、
前記第1の設問の解答時間の計測を終了した場合、前記第1の設問に要した解答時間と、前記ユーザが前記端末へ入力した前記第1の設問の解答情報とを保存する、請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項6】
前記計測部は、
前記ユーザが前記第1の設問の解答を複数回入力した場合、前記第1の設問の複数の解答情報を保存する、請求項
5に記載の管理装置。
【請求項7】
スクロール操作によって表示画面に表示する設問の切り替えが可能な設問データを前記表示画面へ表示させ、前記表示画面を目視するユーザの前記表示画面上の視線位置に関する情報を管理装置へ送信する端末と、
前記表示画面に表示される第1の設問領域と前記視線位置とが重畳している間、第1の設問の解答時間を計
測し、前記視線位置が前記第1の設問領域
から移動して前記第1の設問領域とは異なる
他の設問領域に重畳している時間が予め定められた時間を超えていない場合、前記第1の設問の解答時間の計測を継続し、前記視線位置が前記他の設問領域に重畳している時間が前記予め定められた時間を超えている場合、前記第1の設問の解答時間の計測を終了する、管理装置と、を備える管理システム。
【請求項8】
管理装置が、
端末の表示画面を目視するユーザの前記表示画面上の視線位置に関する情報を取得し、
前記表示画面に表示される第1の設問領域と前記視線位置とが重畳している間、第1の設問の解答時間を計測し、
前記視線位置が前記第1の設問領域
から移動して前記第1の設問領域とは異なる
他の設問領域に重畳している時間が予め定められた時間を超えていない場合、前記第1の設問の解答時間の計測を継続し、前記視線位置が前記他の設問領域に重畳している時間が前記予め定められた時間を超えている場合、前記第1の設問の解答時間の計測を終了する、管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理装置、端末、管理システム、及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テストを利用した学習効果の高さは広く知られている。テストの解答結果から学習進捗を分析し、教育メニューを継続的に改善する取り組みが広く行われている。近年、解答データ収集の容易性から、CBT(Computer Based Testing)が導入されている。
【0003】
特許文献1には、受験者が問題を解答するまでの解答時間を測定する能力値測定装置の構成が開示されている。具体的には、能力値測定装置は、受験者が問題を把握するための問題把握時間、受験者が問題に解答するための問題解答時間、及び受験者が解答の見直しを行うための見直し時間を測定する。例えば、能力値測定装置は、受験者の視線の動きを検出することによって、各種時間を測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の能力値測定装置は、受験者が画面に表示された設問等を読む時間を計測し、問題把握時間等を特定する。受験者が設問等を読む時間は、受験者の視線が設問に留まっている時間に相当する。しかし、受験者は、設問をすべて読んでから解答するとは限らず、設問の途中において設問の内容を理解するために、視線を手元のメモ用紙に移す等、様々な位置に視線を向けることが多い。このように様々な位置に視線が向けられた場合に、特許文献1の能力値測定装置は、正確に設問の解答に関する時間を測定することができないという問題がある。
【0006】
本開示の目的は、受験者の視線の位置を用いて正確に設問の解答に関する時間を測定することができる管理装置、端末、管理システム、及び管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様にかかる管理装置は、端末の表示画面を目視するユーザの前記表示画面上の視線位置に関する情報を取得する取得部と、前記表示画面に表示される第1の設問領域と前記視線位置とが重畳している間、第1の設問の解答時間を計測する計測部と、を備え、前記計測部は、前記視線位置が前記第1の設問領域とは異なる位置にある場合に、前記視線位置及び前記視線位置に留まる時間のうち少なくとも一方に応じて、前記第1の設問の解答時間の計測を継続するか否かを判定する。
【0008】
本開示の第2の態様にかかる端末は、スクロール操作によって表示画面に表示する設問の切り替えが可能な設問データを前記表示画面へ表示させる表示部と、前記表示画面を目視するユーザの前記表示画面上の視線位置に関する情報を送信する通信部と、を備え、前記表示部は、前記視線位置を用いて算出された前記設問データに含まれる第1の設問の解答時間に関する情報を前記表示画面へ表示させる。
【0009】
本開示の第3の態様にかかる管理システムは、スクロール操作によって表示画面に表示する設問の切り替えが可能な設問データを前記表示画面へ表示させ、前記表示画面を目視するユーザの前記表示画面上の視線位置に関する情報を管理装置へ送信する端末と、前記表示画面に表示される第1の設問領域と前記視線位置とが重畳している間、第1の設問の解答時間を計測する計測部し、前記視線位置が前記第1の設問領域とは異なる位置にある場合に、前記視線位置及び前記視線位置に留まる時間のうち少なくとも一方に応じて、前記第1の設問の解答時間の計測を継続するか否かを判定する、管理装置と、を備える。
【0010】
本開示の第4の態様にかかる管理方法は、端末の表示画面を目視するユーザの前記表示画面上の視線位置に関する情報を取得し、前記表示画面に表示される第1の設問領域と前記視線位置とが重畳している間、前記第1の設問の解答時間を計測し、前記視線位置が前記第1の設問領域とは異なる位置にある場合に、前記視線位置及び前記視線位置に留まる時間のうち少なくとも一方に応じて、前記第1の設問の解答時間の計測を継続するか否かを判定する。
【発明の効果】
【0011】
本開示により、受験者の視線の位置を用いて正確に設問の解答に関する時間を測定することができる管理装置、端末、管理システム、及び管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態1にかかる管理装置の構成図である。
【
図2】実施の形態2にかかる管理システムの構成図である。
【
図3】実施の形態2にかかる解答ページ作成端末の構成図である。
【
図4】実施の形態2にかかる解答ページの構成図である。
【
図5】実施の形態2にかかるクライアント端末の構成図である。
【
図6】実施の形態2にかかる管理装置の構成図である。
【
図7】実施の形態2にかかる画面設問座標を説明する図である。
【
図8】実施の形態2にかかる解答記録を示す図である。
【
図9】実施の形態2にかかる解答時間の計測処理の流れを示す図である。
【
図10】実施の形態2にかかる解答時間の生成処理の流れを示す図である。
【
図11】実施の形態2にかかる可視化された解答履歴を示す図である。
【
図12】それぞれの実施の形態にかかる管理装置等の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。
図1を用いて実施の形態1にかかる管理装置10の構成例について説明する。管理装置10は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。管理装置10は、例えば、サーバ装置であってもよい。
【0014】
管理装置10は、取得部11及び計測部12を有している。取得部11及び計測部12等の管理装置10の構成要素は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、管理装置10の構成要素は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。
【0015】
取得部11は、端末の表示画面を目視するユーザの表示画面上の視線位置に関する情報を取得する。端末は、例えば、ユーザが操作する装置であってもよい。端末は、例えば、スマートフォン端末、タブレット型端末、ラップトップコンピュータ、もしくはパーソナルコンピュータ等であってもよい。表示画面は、例えば、ディスプレイ上に表示される画面であってもよい。表示画面上の視線位置に関する情報は、例えば、ユーザが注視している表示画面上の位置に関する情報であってもよい。表示画面上の位置は、例えば、座標を用いて示されてもよい。取得部11は、端末から視線位置に関する情報を取得してもよく、中継装置等を経由して、視線位置に関する情報を取得してもよい。
【0016】
計測部12は、表示画面に表示される第1の設問領域と視線位置とが重畳している間、第1の設問の解答時間を計測する。第1の設問領域は、例えば、第1の設問に関する問題文及び解答欄の少なくとも一方を含んでもよい。重畳しているとは、重複していると言い換えられてもよい。もしくは、第1の設問領域と視線位置とが重畳しているとは、第1の設問領域内に、視線位置が存在することであってもよい。解答時間は、ユーザが第1の設問に取り組んでいる時間の合計時間であってもよい。例えば、解答時間は、ユーザが第1の設問の問題文を読み始めてから、第1の設問に対する解答を端末に入力するまでの時間であってもよい。もしくは、解答時間は、ユーザが、第1の設問の解答を入力する前に、他の設問の取り組みを開始した際には、第1の設問の問題文を読み始めてから、第1の設問の解答を入力するまでの時間から、他の設問に取り組んでいる時間を除いた時間であってもよい。解答時間を計測するとは、解答時間をカウントする、解答時間を計る、もしくは、解答時間を測定すると言い換えられてもよい。具体的には、計測部12は、第1の設問領域と視線位置とが重複していることを検出した場合に、解答時間の計測を開始してもよい。
【0017】
さらに、計測部12は、視線位置が第1の設問領域とは異なる位置にある場合に、視線位置及び視線位置に留まる時間のうち少なくとも一方に応じて、第1の設問の解答時間の計測を継続するか否かを判定する。視線位置が第1の設問領域とは異なる位置にある場合とは、視線位置が第1の設問領域に存在しない場合と言い換えられてもよい。例えば、視線位置が第1の設問領域とは異なる位置にある場合とは、視線位置が他の設問領域にあってもよく、もしくは、設問領域の外部にあってもよい。または、視線位置が第1の設問領域とは異なる位置にある場合とは、視線位置を特定することができない場合であってもよい。視線位置を特定することができない場合とは、例えば、表示画面内にユーザの視線位置が存在しない場合であってもよい。
【0018】
視線位置に留まる時間とは、ユーザの視線位置が予め定められた領域内に継続して存在する時間であってもよい。第1の設問の解答時間の計測を継続するとは、第1の設問の解答時間に、ユーザの視線位置が第1の設問領域とは異なる位置にある時間を含めることであってもよい。つまり、第1の設問の解答時間の計測を継続するとは、ユーザの視線位置が第1の設問領域と重複している間に計測した時間に、ユーザの視線位置が第1の設問領域と異なる位置にある時間を加算することであってもよい。
【0019】
以上説明したように、管理装置10は、ユーザの視線位置が、第1の設問領域とは異なる位置にある時間を、第1の設問の解答時間として計測を継続するか否かを判定することができる。具体的には、管理装置10は、第1の設問領域とは異なる位置にあるユーザの視線位置及び第1の設問領域とは異なる位置にユーザの視線位置が留まる時間の少なくとも一方に応じて、第1の設問の解答時間の計測を継続するか否かを判定する。これにより、管理装置10は、ユーザが様々な位置に視線を動かした場合であっても、第1の設問領域の解答時間を計測することができるため、ユーザが第1の設問の解答に費やした時間を正確に計測することができる。
【0020】
(実施の形態2)
続いて、
図2を用いて実施の形態2にかかる管理システムの構成例について説明する。
図2の管理システムは、管理装置40、クライアント端末20、及び解答ページ作成端末30を有している。また、
図2の管理システムは、管理装置40、クライアント端末20、及び解答ページ作成端末30が、ネットワーク50を介して互いに通信する。管理装置40は、
図1の管理装置10に相当する。
【0021】
クライアント端末20は、ユーザが設問の解答に利用する端末である。例えば、ユーザは、クライアント端末20を利用してCBT方式の試験を受けてもよい。
【0022】
解答ページ作成端末30は、クライアント端末20が取り組む試験の解答ページを作成する端末である。解答ページは、例えば、複数の設問を含んでもよい。具体的には、解答ページは、複数の設問領域を含み、それぞれの設問領域に、設問に関する問題文及び設問の解答欄を含んでもよい。
【0023】
ネットワーク50は、例えば、サービスとしてモバイル通信を提供するネットワークであってもよい。もしくは、ネットワーク50は、サービスとして固定通信を提供するネットワークであってもよい。管理装置40、クライアント端末20、及び解答ページ作成端末30は、ネットワーク50へ無線回線を介して接続してもよく、有線回線を介して接続してもよい。また、管理装置40及び解答ページ作成端末30は、一つの装置に含められてもよい。つまり、管理装置40において実行される機能及び解答ページ作成端末30において実行される機能が、一つの装置に含められてもよい。
【0024】
続いて、
図3を用いて実施の形態2にかかる解答ページ作成端末30の構成例について説明する。解答ページ作成端末30は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。解答ページ作成端末30は、スマートフォン端末、タブレット型端末、ラップトップコンピュータ、もしくはパーソナルコンピュータ等であってもよい。
【0025】
解答ページ作成端末30は、解答ページ作成部31を有している。解答ページ作成部31等の解答ページ作成端末30の構成要素は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、解答ページ作成端末30の構成要素は、チップもしくは回路等のハードウェアであってもよい。解答ページ作成部31は、クライアント端末20が取り組む試験の解答ページを作成する。解答ページ作成端末30は、生成した解答ページを管理装置40へ送信する。
【0026】
ここで、
図4を用いて、解答ページ作成部31が作成する解答ページの構成例について説明する。
図4に示される解答ページD2は、HTML(Hyper Text Markup Language)等のマークアップ言語ファイルとスクリプトファイルとから構成される。解答ページD2は、設問毎に設問領域D21及び設問領域D22を有している。設問領域D21及び設問領域D22は、それぞれ、問題文と解答の選択肢とを含んでいる。さらに、解答ページD2は、それぞれの設問の解答に要した時間を示す解答時間領域D25を有している。解答時間領域D25に表示される時間は、解答が更新されるたびに変更もしくは更新される。解答時間領域D25の位置は、それぞれの設問の横のみに制限されない。例えば、解答時間領域D25は、解答者の目視位置付近でかつ現在目視している設問に重畳しない位置に表示されるようにしてもよい。
図4においては、解答ページD2が、2つの設問領域を有する例を示しているが、解答ページD2は、3つ以上の設問領域を有してもよい。
【0027】
図4の点線は、クライアント端末20に表示される画面のサイズを示している。つまり、クライアント端末20には、解答ページD2の一部の領域が示される。ユーザは、クライアント端末20に表示される解答ページD2をスクロールすることによって、それぞれの設問を目視することができる。
図4は、解答ページD2が下方向に、距離dyスクロールされた状態を示している。また、スクロール方向は、
図4の横方向に行われてもよく、縦方向と横方向とが組み合わされてもよい。
【0028】
続いて、
図5を用いて実施の形態2にかかるクライアント端末20の構成例について説明する。クライアント端末20は、スマートフォン端末、タブレット型端末、ラップトップコンピュータ、もしくはパーソナルコンピュータ等であってもよい。クライアント端末20は、カメラ21、画面目視座標更新部22、Webクライアント23を有している。さらに、Webクライアント23は、スクロール状態更新部24、解答結果更新部25、及び解答更新時間表示部26を有している。クライアント端末20の構成要素は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、クライアント端末20の構成要素は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。
【0029】
Webクライアント23は、管理装置40から解答ページD2をダウンロードし、クライアント端末20のディスプレイ等の表示部(不図示)へ解答ページD2を表示させる。クライアント端末20を操作するユーザ(以下、解答者と称する)は、ディスプレイに表示される解答ページD2をスクロールし、それぞれの設問に対して解答する。
【0030】
スクロール状態更新部24は、スクロールされた距離dyを算出もしくは測定する。例えば、スクロール状態更新部24は、解答者によるスクロール動作が開始されてからスクロール動作が停止するまでに移動した距離dyを算出してもよい。つまり、スクロール状態更新部24は、ディスプレイに表示される解答ページD2が移動してから停止するまでの距離を、スクロールされた距離dyとしてもよい。距離dyは、表示画面上に予め定められた座標を用いて定められてもよい。座標は、例えば、互いに直行するX軸及びY軸を用いることによって特定されてもよい。つまり、距離dyは、解答ページD2が表示画面上の座標を移動した距離であってもよい。スクロール状態更新部24は、スクロール動作が再開後にスクロール動作が停止した場合に距離dyを更新する。
【0031】
解答結果更新部25は、解答者によって選択された解答結果、もしくは、解答者によって入力された解答結果を、設問と関連付けて管理する。解答結果更新部25は、解答者が同じ設問に対して解答結果を変更した場合、設問と関連付けて管理している解答結果を更新する。解答結果更新部25は、解答者が同じ設問に対して解答結果を変更した場合、解答結果の履歴を管理してもよい。また、解答結果更新部25は、新たな設問に対する解答が入力された場合、入力された解答結果を新たな設問と関連付けて管理する。つまり、解答結果更新部25は、設問に対する解答結果が入力されると管理する解答結果を追加する。
【0032】
解答更新時間表示部26は、管理装置40からそれぞれの設問の解答時間に関する情報を受信し、解答時間をディスプレイに表示させる。
【0033】
クライアント端末20は、スクロール状態更新部24において特定された距離dy及び解答結果更新部25によって管理されている解答結果を管理装置40へ送信する。クライアント端末20は、距離dy及び解答結果を定期的に管理装置40へ送信してもよく、距離dyが更新されたタイミング、解答結果が更新されたタイミング、もしくは、解答結果が追加されたタイミングに管理装置40へ送信してもよい。
【0034】
カメラ21は、解答者の顔を撮像し、顔画像を生成する。画面目視座標更新部22は、カメラ21において生成された顔画像を定期的に受信する。画面目視座標更新部22は、メモリ等に格納された顔画像を定期的に取得してもよく、カメラ21から定期的に出力される顔画像を受け取ってもよい。
【0035】
画面目視座標更新部22は、顔画像を用いて画面目視座標を特定する。クライアント端末20の表示画面上の位置は、予め定められた座標を用いて示されるとする。座標は、例えば、互いに直行するX軸及びY軸を用いることによって特定されてもよい。画面目視座標は、表示画面上における解答者の視線位置を示す座標である。解答者の視線位置は、例えば、カメラ21を用いたアイトラッキングを実行することによって特定されてもよく、その他の方法によって特定されてもよい。画面目視座標更新部22は、例えば、アイトラッキングを実行することによって特定された解答者の視線位置を座標に変換することによって、画面目視座標を特定してもよい。画面目視座標更新部22は、解答者の視線位置の移動を追跡するために、画面目視座標を更新する。画面目視座標更新部22は、例えば、定期的に画面目視座標を更新してもよく、視線位置の移動距離が予め定められた閾値を超えた場合に、画面目視座標を更新してもよい。
【0036】
クライアント端末20は、画面目視座標更新部22において特定もしくは更新された画面目視座標を管理装置40へ送信する。
【0037】
続いて、
図6を用いて実施の形態2にかかる管理装置40の構成例について説明する。管理装置40は、画面設問座標更新部41、設問目視判定部42、解答時間計測部43、解答データ保存部44、解答更新時間通知作成部45、ストレージ46、及びデータベース47を有している。
【0038】
ストレージ46は、解答ページ作成端末30において作成された解答ページD2を保存している。
【0039】
画面設問座標更新部41は、クライアント端末20に表示される解答ページD2を、表示画面上の位置を特定するために用いられる座標を用いて特定する。クライアント端末20に表示される解答ページD2は、ストレージ46に保存されている解答ページD2と同様である。さらに、画面設問座標更新部41は、クライアント端末20から距離dyとの情報を受信した場合、解答ページD2の座標を、距離dy移動させる。ここで、
図7を用いて解答ページD2の座標の更新内容について説明する。
図7は、
図4に示される設問領域D21を設問Aの画面設問座標として示し、設問領域D22を設問Bの画面設問座標として示している。座標は、例えば、
図4の点線で囲まれる領域の左上の頂点を原点とし、原点から右方向に向かうにつれて値が大きくなるX軸と、原点から下方向に向かうにつれて値が大きくなるY軸とを用いる。クライアント端末20のディスプレイには、例えば、解答ページD2の左上の頂点と、原点とが一致した状態で表示されているとする。つまり、解答者は、解答ページD2の左上の頂点と、原点とが一致した状態から、下方向へスクロールして各設問の解答を入力する。解答ページD2の左上の頂点と、原点とが一致した状態を、例えば初期状態とする。
【0040】
初期状態における設問領域D21の左上の頂点の位置を(X:100、Y:200)、右上の頂点の位置を(X:1200、Y200)、右下の頂点の位置を(X:1200、Y:700)、左下の頂点の位置を(X:100、Y:700)とする。
【0041】
さらに、初期状態における設問領域D22の左上の頂点の位置を(X:100、Y:800)、右上の頂点の位置を(X:900、Y800)、右下の頂点の位置を(X:900、Y:1300)、左下の頂点の位置を(X:100、Y:1300)とする。
【0042】
図7は、初期状態から下方向(Y軸方向)へ距離dyスクロールされた後の画面設問座標を示している。画面設問座標更新部41は、
図7に示されるように、初期状態から距離dyスクロールされた後は、それぞれの頂点の位置のY座標から距離dyを減算する。
【0043】
図6に戻り、設問目視判定部42は、画面目視座標及び画面設問座標を用いて、どの設問が目視されているかを判定する。設問目視判定部42は、
図1の管理装置10における取得部11に相当する。
【0044】
設問目視判定部42は、例えば、画面目視座標が、設問Aの画面設問座標にて囲まれる領域(設問領域D21)内に予め定められた時間を超えて留まっている場合に、解答者が設問Aを目視していると判定してもよい。
【0045】
解答時間計測部43は、目視されている設問の解答時間を計測する。解答時間計測部43は、
図1の管理装置10における計測部12に相当する。解答時間計測部43は、設問の目視が終了したと判定した場合、解答時間の計測を終了し、解答時間を解答データ保存部44へ出力する。例えば、設問目視判定部42において設問Aを目視していると判定された後に、解答者の画面目視座標が、設問Bの画面設問座標にて囲まれる領域内(設問領域D22)に移動し、予め定められた時間を超えて留まっているとする。この場合、設問目視判定部42は、解答者が設問Aを目視していると判定した後に、設問Bを目視していると判定する。解答時間計測部43は、設問目視判定部42において設問Aを目視していると判定された後に、設問Bを目視していると判定された場合に、設問Aの目視が終了したと判定してもよい。また、解答者の画面目視座標が、設問領域D22に、予め定められた時間を超えて留まらなかった場合、設問目視判定部42は、設問Bを目視しているとは判定しない。この場合、解答時間計測部43は、設問Aの解答時間の計測を継続する。
【0046】
また、解答時間計測部43は、設問Aの解答時間の計測を継続している際に、クライアント端末20から設問Aの解答結果を受信した場合に、設問Aの解答時間の計測を終了してもよい。
【0047】
また、設問目視判定部42において設問Aを目視していると判定された後に、解答者の画面目視座標が、設問領域D21及び設問領域D22とは異なる位置に移動したとする。つまり、解答者の画面目視座標が、設問領域に存在しないとする。この場合、解答者は、カメラ21から視線を外して、設問Aの解答を考えている可能性がある。そのため、このような場合、解答時間計測部43は、解答者の画面目視座標が設問領域D21に存在しない場合であっても、設問Aの解答時間の計測を継続してもよい。
【0048】
解答者の画面目視座標が、設問領域に存在しない場合とは、例えば、解答者が表示画面の外に視線を移す、もしくは、解答者が目を瞑ることによって、解答者の画面目視座標を特定することができない場合を含んでもよい。このような場合、解答者は、設問Aの問題文を読んだ後に、設問Aの解答を導くために長考している可能性がある。そのため、解答者の画面目視座標を特定することができない場合であっても、解答時間計測部43は、解答者が目視していた最新の設問である設問Aの解答時間の計測を継続してもよい。
【0049】
また、設問Aの解答時間を計測している間に、設問目視判定部42が、解答者の画面目視座標を、予め定められた時間を超えて特定することができないとする。この場合、解答者が設問Aの解答をあきらめた、もしくは、システムの不具合が発生した可能性がある。このような場合、解答時間計測部43は、設問Aの目視が終了したと判定し、設問Aの解答時間の計測を終了してもよい。なお、この場合、解答時間計測部43は、設問Aの解答時間を、予め定められた時間を解答時間として出力してもよく、計測不能との結果を出力してもよい。
【0050】
解答データ保存部44は、解答時間計測部43から解答時間を受け取った場合、解答時間をデータベース47に保存する。解答データ保存部44は、例えば、(解答結果:b、解答時間:3000(秒))のように、解答結果と解答時間とを関連付けてデータベース47に保存してもよい。解答結果と解答時間とを関連付けたデータは、セットデータと称されてもよい。
【0051】
続いて、
図8を用いてデータベース47に保存される解答記録の構成例について説明する。
図8の解答記録は、解答ページD2に含まれるすべての設問に関するセットデータを含む。また、同一の設問に対して、解答結果が更新された場合等、複数のセットデータが存在する場合、複数のセットデータは、その設問における解答履歴としてデータベース47に保存される。
図8の設問Aの解答履歴は、例えば、一番の上のデータが最も古いデータであり、一番下のデータが最も新しいデータとする。
【0052】
図8の設問Aの解答履歴に、同じ解答結果bのセットデータが並んでいる場合がある。これは、例えば、解答者が初めに、設問Aの解答結果としてbを入力し、再度、設問Aの解答を導こうとした場合に起こりうる。例えば、解答者の視線位置が設問領域D21に存在し、設問Aを目視していると判定された後に、管理装置40が、設問Aの解答結果としてbをクライアント端末20から受信したとする。この場合、解答データ保存部44は、設問Aに関するセットデータとして、解答結果をbとし、解答時間計測部43から出力された解答時間とをデータベース47へ保存する。その後、再度解答者の視線位置が、設問領域D21に存在したとする。この場合、設問目視判定部42は、解答者が設問Aを目視していると判定する。ここで、設問Aに対する新たな解答結果を受信することなく、解答者の視線が設問領域D22等へ移り、設問目視判定部42が設問Aの目視が終了したと判定したとする。このような場合、前回保存されたセットデータと同じ解答結果bのセットデータが解答履歴に新たに追加される。管理装置40が設問Aに対する新たな解答結果としてcを受信することによって設問Aの目視が終了された場合、解答結果cのセットデータが解答履歴に新たに追加される。
【0053】
また、解答者が、解答時間を計測している設問とは異なる設問の解答結果を入力した場合、その解答結果に関する解答時間を0として、データベース47に保存してもよい。
【0054】
解答更新時間通知作成部45は、
図8のデータベース47の解答履歴が更新された場合に、解答時間をクライアント端末20へ送信する。
【0055】
続いて、
図9を用いて実施の形態2にかかる管理装置40における解答時間の計測処理の流れについて説明する。はじめに、画面設問座標更新部41は、クライアント端末20から、解答者のスクロール動作に伴う解答ページD2の移動距離dyを受信する。この時、画面設問座標更新部41は、解答ページD2に含まれるすべての設問の座標に対して、移動距離dyを反映し、画面設問座標を更新する(S10)。
【0056】
次に、設問目視判定部42は、解答ページD2に含まれるいずれかの設問の座標領域に解答者の画面目視座標がN(Nは正の数)秒以上重畳したか否かを判定する(S11)。
【0057】
設問目視判定部42は、解答ページD2に含まれるいずれかの設問の座標領域に解答者の画面目視座標がN秒以上重畳していないと判定した場合、ステップS11の処理を繰り返す。
【0058】
設問目視判定部42は、解答ページD2に含まれるいずれかの設問の座標領域に解答者の画面目視座標がN秒以上重畳したと判定した場合、解答時間計測部43は、解答時間の計測を開始する(S12)。解答時間計測部43は、ステップS11の判定処理に用いられたN秒を、解答時間に加えてもよい。
【0059】
次に、解答時間計測部43は、ステップS11において解答者の画面目視座標がN秒以上重畳したと判定された設問に対する解答結果をクライアント端末20から受信したか否かを判定する(S13)。解答時間計測部43は、解答結果を受信した場合、ステップS15の処理を行う。解答時間計測部43は、解答結果を受信していない場合、ステップS14の処理を行う。
【0060】
次に、設問目視判定部42は、ステップS11において解答者の画面目視座標がN秒以上重畳したと判定された設問の座標領域とは異なる設問の座標領域にN秒以上、解答者の画面目視座標が重畳したか否かを判定する(S14)。ステップS14の処理の判定において用いられる時間は、ステップS11において用いられる時間と異なってもよい。設問目視判定部42は、解答者の画面目視座標が、他の設問の領域にN秒以上重畳していないと判定した場合、ステップS13の処理を繰り返す。解答者の画面目視座標が、他の設問の領域にN秒以上重畳していないと判定した場合とは、解答者の画面目視座標が、設問領域とは異なる領域にある場合、もしくは、画面目視座標を特定することができない場合も含む。つまり、解答者の画面目視座標が、設問領域とは異なる領域にある場合、もしくは、画面目視座標を特定することができない場合、解答時間計測部は、解答時間の計測を継続する。または、ステップS14の前に、設問目視判定部42は、解答者の画面目視座標を特定することができるか否かを判定してもよい。設問目視判定部42は、解答者の画面目視座標を特定することができた場合、さらに、解答者の画面目視座標が、設問領域とは異なる領域にあるか否かを判定してもよい。
【0061】
解答時間計測部43は、設問目視判定部42において、解答者の画面目視座標が、他の設問の領域にN秒以上重畳していると判定した場合、ステップS11において解答者の画面目視座標がN秒以上重畳したと判定された設問の解答時間の計測を終了する(S15)。
【0062】
次に、解答データ保存部44は、クライアント端末20から受信した解答結果と解答時間とを関連付けたセットデータをデータベース47へ保存する(S16)。解答データ保存部44は、クライアント端末20から解答結果を受信していない場合、解答時間のみをデータベース47へ保存してもよい。もしくは、解答データ保存部44は、クライアント端末20から解答結果を受信していない場合、すでに保存されている同じ解答結果と、解答時間とを関連付けてデータベース47へ追加してもよい。
【0063】
次に、解答更新時間通知作成部45は、データベース47に保存された解答結果が、同じ設問に対して、前回の解答結果から変更されているか否かを判定する(S17)。解答更新時間通知作成部45は、解答結果が変更されていないと判定した場合、処理を終了する。
【0064】
解答更新時間通知作成部45は、解答結果が変更されていると判定した場合、解答時間をクライアント端末20へ送信する(S18)。クライアント端末20へ送信される解答時間は、新たな解答を導くために要した時間である。つまり、クライアント端末20へ送信される解答時間は、変更前の解答結果が最初に登録されてから、変更後の解答結果が登録されるまでの時間である。
【0065】
続いて、
図10を用いて、解答更新時間通知作成部45において実行される解答結果が変更された場合の解答時間の生成処理の流れについて説明する。
図10においては、
図8の解答記録を用いて解答時間の生成処理の流れが示されている。
図8の解答記録に含まれる解答履歴は、それぞれのセットデータが配列として記録されている。それぞれのセットデータには、上のセットデータから順番に、i=0、1、・・・、Nのインデックスが割り当てられる。Nは、0以上の整数とする。はじめに、解答更新時間通知作成部45は、解答時間に、i=Nのセットデータに含まれる解答時間の値を代入する(S21)。言い換えると、解答更新時間通知作成部45は、解答時間に、最後に追加されたセットデータに含まれる解答時間の値を代入する。また、i=Nのセットデータに含まれる解答結果は、i=N-1に含まれる解答結果から変更されているとする。
【0066】
次に、解答更新時間通知作成部45は、i=N-1のセットデータに含まれる解答結果と、i=N-2のセットデータに含まれる解答結果とが同一であるか否かを判定する(S22)。解答更新時間通知作成部45は、i=N-1のセットデータに含まれる解答結果と、i=N-2のセットデータに含まれる解答結果とが同一であると判定した場合、解答更新時間通知作成部45は、ステップS23の処理を実行する。ステップS23において、解答更新時間通知作成部45は、ステップS21において設定された解答時間に、i=N-1のセットデータに含まれる解答時間を加算する(S23)。以降、i=N-1のiの値を1減算し(S24)、ステップS22以降の処理を繰り返す。つまり、次に、解答更新時間通知作成部45は、i=N-2のセットデータに含まれる解答結果と、i=N-3のセットデータに含まれる解答結果とが同一であるか否かを判定する(S22)。繰り返し処理は、ステップS22において、比較する解答結果が異なると判定されるまで実行される。また、繰り返し処理は、ステップS24の後に、i=1となった場合(S25)にも、終了する。
【0067】
ここで、
図10の処理について、
図8に記載されている実際の値を用いて具体的に説明する。
図8の設問Aにおける解答履歴は、i=1~3までインデックスが割り当てられている。はじめに、解答更新時間通知作成部45は、i=3のインデックスが割り当てられているセットデータに含まれる解答時間の値4000を解答時間に代入する。ここで、i=2及びi=1のインデックスが割り当てられているセットデータに含まれる解答結果は一致する。そのため、解答時間に、i=2のインデックスが割り当てられているセットデータに含まれる解答時間の値2000を追加する。つまり、解答時間は、この時点で6000となる。ここで、i=2かららiの値を1減算するとi=1となるため、解答更新時間通知作成部45は、処理を終了する。これより、解答更新時間通知作成部45は、解答時間の値として6000をクライアント端末20へ送信する。
【0068】
以上説明したように、管理装置40は、解答者の視線位置が、現在解答している設問とは異なる設問領域にN秒以上留まっていない場合、現在解答している設問の解答時間の計測を継続することができる。また、管理装置40は、解答者の視線位置が、設問領域とは異なる場所に存在する場合においても、現在解答している設問の解答時間の計測を継続することができる。また、管理装置40は、解答者の視線位置が現在解答している設問とは異なる設問領域にN秒以上留まっている場合、現在解答している設問の解答時間を終了する。このように、解答者の視線位置に応じた解答時間の計測を行うことによって、解答者が設問の解答に要した時間を正確に計測することができる。
【0069】
また、解答者のクライアント端末20に、それぞれの設問に対する解答時間をリアルタイムに表示することによって、解答者は、効率的に時間配分を行うことができる。
【0070】
また、管理装置40の管理者等は、解答者の解答履歴をデータベース47に保存する。そのため、例えば、
図11に示すように、管理者等は、解答履歴を可視化することができる。
図11は、それぞれの設問の解答結果の変化、及び、一つの解答結果を導くために要した時間を示している。管理者等は、
図11のようなグラフを用いることによって、解答が正解であった場合に、どの程度解答を導くために時間を要したか、また、どの選択肢と迷ったか等を可視化することができる。その結果、管理者等は、解答者の実力把握や、教育カリキュラム改善を容易に行うことができる。
【0071】
また、管理装置40のストレージ46以外の構成要素は、クライアント端末20に備えられてもよい。この場合、クライアント端末20は、
図8に相当する設問毎の解答履歴を保存し、すべての解答が確定した後に、解答に関するデータを管理装置40へ送信してもよい。
【0072】
また、カメラ21において生成される顔画像は、アイトラッキング可能な解像度であれば、別の身体部位が顔画像に写っていてもよい。また、顔画像は、クライアント端末20において破棄されてもよく、クライアント端末20から管理装置40へ送信されてもよい。管理装置40は、顔画像を受信した場合、受信した顔画像をテスト中に行われる不正の監視に用いてもよい。
【0073】
また、
図4に示される解答ページD2における設問領域D21及び設問領域D22は、より詳細な要素に分割してもよい。例えば、設問領域D21及び設問領域D22は、設問文、設問図、解答欄に分割され、それぞれの目視時間が計測されてもよい。
【0074】
また、クライアント端末20は、解答結果及び画面目視座標等以外にも、例えば、顔画像から表情を分析した結果を管理装置40へ送信してもよい。例えば、管理装置40は、それぞれの解答の確信度を表情を分析した結果から特定し、特定された確信度をデータベース47に保存してもよい。
【0075】
図12は、管理装置10、管理装置40、クライアント端末20、及び解答ページ作成端末30(以下、管理装置10等と称する)の構成例を示すブロック図である。
図12を参照すると、管理装置10等は、ネットワークインタフェース1201、プロセッサ1202、及びメモリ1203を含む。ネットワークインタフェース1201は、ネットワークノード(e.g., eNB、MME、P-GW、)と通信するために使用される。ネットワークインタフェース1201は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインタフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0076】
プロセッサ1202は、メモリ1203からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてフローチャートを用いて説明された管理装置10等の処理を行う。プロセッサ1202は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU、又はCPUであってもよい。プロセッサ1202は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0077】
メモリ1203は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1203は、プロセッサ1202から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1202は、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1203にアクセスしてもよい。
【0078】
図12の例では、メモリ1203は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1202は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1203から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明された管理装置10等の処理を行うことができる。
【0079】
図12を用いて説明したように、上述の実施形態における管理装置10等が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。
【0080】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0081】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、上記実施形態に開示された管理システムは、例えば、模試もしくはベンダ試験などで、学習効果を分析し、勉強カリキュラムを個人に最適化する用途に活用することができる。また、管理システムは、回答分析だけではなく、試験問題の改善にも応用することができる。例えば、平均解答時間が短いものの、誤答率が高い設問は、内容を誤って理解しやすい問題文となっている可能性が考えられる。
【0082】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
端末の表示画面を目視するユーザの前記表示画面上の視線位置に関する情報を取得する取得部と、
前記表示画面に表示される第1の設問領域と前記視線位置とが重畳している間、第1の設問の解答時間を計測する計測部と、を備え、
前記計測部は、
前記視線位置が前記第1の設問領域とは異なる位置にある場合に、前記視線位置及び前記視線位置に留まる時間のうち少なくとも一方に応じて、前記第1の設問の解答時間の計測を継続するか否かを判定する、管理装置。
(付記2)
前記計測部は、
前記視線位置が、前記第1の設問領域及び前記第1の設問領域とは異なる他の設問領域に存在しない場合、前記第1の設問の解答時間の計測を継続すると判定する、付記1に記載の管理装置。
(付記3)
前記計測部は、
前記表示画面上に前記視線位置を特定することができない場合、前記第1の設問の解答時間の計測を継続すると判定する、付記2に記載の管理装置。
(付記4)
前記計測部は、
前記視線位置が、前記第1の設問領域とは異なる他の設問領域に予め定められた時間を超えて留まる場合、前記第1の設問の解答時間の計測を終了する、付記1乃至3のいずれか1項に記載の管理装置。
(付記5)
前記第1の設問の解答時間の計測を終了した場合に、計測した前記解答時間を前記端末へ送信する通信部をさらに備える、付記1乃至4のいずれか1項に記載の管理装置。
(付記6)
前記計測部は、
前記第1の設問の解答時間の計測を終了した場合、前記第1の設問に要した解答時間と、前記ユーザが前記端末へ入力した前記第1の設問の解答情報とを保存する、付記1乃至5のいずれか1項に記載の管理装置。
(付記7)
前記計測部は、
前記ユーザが前記第1の設問の解答を複数回入力した場合、前記第1の設問の複数の解答情報を保存する、付記6に記載の管理装置。
(付記8)
スクロール操作によって表示画面に表示する設問の切り替えが可能な設問データを前記表示画面へ表示させる表示部と、
前記表示画面を目視するユーザの前記表示画面上の視線位置に関する情報を送信する通信部と、を備え、
前記表示部は、
前記視線位置を用いて算出された前記設問データに含まれる第1の設問の解答時間に関する情報を前記表示画面へ表示させる、端末。
(付記9)
前記通信部は、
前記ユーザの顔画像を用いて前記表示画面上の前記ユーザの目の位置を示す座標情報を送信する、付記8に記載の端末。
(付記10)
スクロール操作によって表示画面に表示する設問の切り替えが可能な設問データを前記表示画面へ表示させ、前記表示画面を目視するユーザの前記表示画面上の視線位置に関する情報を管理装置へ送信する端末と、
前記表示画面に表示される第1の設問領域と前記視線位置とが重畳している間、第1の設問の解答時間を計測する計測部し、前記視線位置が前記第1の設問領域とは異なる位置にある場合に、前記視線位置及び前記視線位置に留まる時間のうち少なくとも一方に応じて、前記第1の設問の解答時間の計測を継続するか否かを判定する、管理装置と、を備える管理システム。
(付記11)
前記管理装置は、
前記視線位置が、前記第1の設問領域及び前記第1の設問領域とは異なる他の設問領域に存在しない場合、前記第1の設問の解答時間の計測を継続すると判定する、付記10に記載の管理システム。
(付記12)
端末の表示画面を目視するユーザの前記表示画面上の視線位置に関する情報を取得し、
前記表示画面に表示される第1の設問領域と前記視線位置とが重畳している間、第1の設問の解答時間を計測し、
前記視線位置が前記第1の設問領域とは異なる位置にある場合に、前記視線位置及び前記視線位置に留まる時間のうち少なくとも一方に応じて、前記第1の設問の解答時間の計測を継続するか否かを判定する、管理方法。
(付記13)
スクロール操作によって表示画面に表示する設問の切り替えが可能な設問データを前記表示画面へ表示し、
前記表示画面を目視するユーザの前記表示画面上の視線位置に関する情報を送信し、
前記視線位置を用いて算出された前記設問データに含まれる第1の設問の解答時間に関する情報を前記表示画面へ表示する、データ表示方法。
(付記14)
端末の表示画面を目視するユーザの前記表示画面上の視線位置に関する情報を取得し、
前記表示画面に表示される第1の設問領域と前記視線位置とが重畳している間、第1の設問の解答時間を計測し、
前記視線位置が前記第1の設問領域とは異なる位置にある場合に、前記視線位置及び前記視線位置に留まる時間のうち少なくとも一方に応じて、前記第1の設問の解答時間の計測を継続するか否かを判定することをコンピュータに実行させるプログラム。
(付記15)
スクロール操作によって表示画面に表示する設問の切り替えが可能な設問データを前記表示画面へ表示し、
前記表示画面を目視するユーザの前記表示画面上の視線位置に関する情報を送信し、
前記視線位置を用いて算出された前記設問データに含まれる第1の設問の解答時間に関する情報を前記表示画面へ表示することをコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0083】
10 管理装置
11 取得部
12 計測部
20 クライアント端末
21 カメラ
22 画面目視座標更新部
23 Webクライアント
24 スクロール状態更新部
25 解答結果更新部
26 解答更新時間表示部
30 解答ページ作成端末
31 解答ページ作成部
40 管理装置
41 画面設問座標更新部
42 設問目視判定部
43 解答時間計測部
44 解答データ保存部
45 解答更新時間通知作成部
46 ストレージ
47 データベース
50 ネットワーク