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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】管理装置、管理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20231219BHJP
【FI】
G06Q10/06
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019229950
(22)【出願日】2019-12-20
(65)【公開番号】P2021099564
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本間 大我
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-067047(JP,A)
【文献】特開2019-187076(JP,A)
【文献】特開2018-163759(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H01M 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の二次電池それぞれの劣化度合いの情報と、複数の情報端末それぞれの所定の単位期間での過去の電力消費量の情報と、を管理する管理手段と、
前記複数の情報端末の内、一の情報端末が前記単位期間で今回において必要とする必要電力量を、前記過去の電力消費量の情報に基づいて見積もる見積もり手段と、
前記一の情報端末に供給可能な電力量を、前記二次電池ごと又は前記二次電池の組み合わせごとに、前記劣化度合いの情報に基づいて導出する導出手段と、
前記複数の二次電池の中から一又は二以上の二次電池が前記一の情報端末に電源として装着される場合に、前記供給可能な電力量が前記必要電力量以上となる前記二次電池の組み合わせを、組み合わせられる二次電池の数が前記一の情報端末への二次電池の装着可能数以下となるように提案する提案手段と、
を備えることを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記劣化度合いの情報は、前記単位期間あたりの今回の前記二次電池の電力消費割合に基づいて更新されることを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記見積もり手段は、前記単位期間での業務単位ごとの過去の前記電力消費量に基づいて前記必要電力量を見積もることを特徴とする請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記提案手段は、一の前記二次電池よりも、前記二次電池の組み合わせを優先して提案することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項5】
前記提案手段は、前記二次電池の組み合わせよりも、一の前記二次電池を優先して提案することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項6】
前記提案手段は、他の前記情報端末に装着されずに使用可能な前記二次電池の中から前記一の情報端末に装着すべき一の前記二次電池又は前記二次電池の組み合わせを提案することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項7】
前記提案手段は、前記二次電池の組み合わせを提案する際、前記他の情報端末に装着されずに使用可能な前記二次電池の中から、最も前記劣化度合いが高い前記二次電池を含む組み合わせを優先して提案することを特徴とする請求項6に記載の管理装置。
【請求項8】
前記提案手段は、前記他の情報端末に装着されずに使用可能な前記二次電池の中から、他のどの前記二次電池と組み合わせても前記算出した供給可能電力量が前記見積もられた必要電力量以上にならない前記二次電池については、使用すべきでないことを提案することを特徴とする請求項6又は7に記載の管理装置。
【請求項9】
前記管理手段は、前記単位期間での過去の電力消費量の情報を前記一の情報端末の識別情報と対応付けて管理することを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項10】
前記提案手段は、ユーザによって前記一の情報端末の前記識別情報が入力された際に、前記供給可能な電力量が前記必要電力量以上となる前記二次電池の組み合わせを、前記一の情報端末への前記二次電池の装着可能数以下の二次電池数の組み合わせで提案することを特徴とする請求項9に記載の管理装置。
【請求項11】
複数の電池装着部が設けられた情報端末と、
前記情報端末の前記複数の電池装着部それぞれに個別に装着可能な複数の二次電池と、
請求項1~請求項10のいずれか一項に記載の管理装置と、
を備えることを特徴とする管理システム。
【請求項12】
管理装置のコンピュータを、
複数の二次電池それぞれの劣化度合いの情報と、複数の情報端末それぞれの所定の単位期間での過去の電力消費量の情報と、を管理する管理手段、
前記複数の情報端末の内、一の情報端末が前記単位期間で今回において必要とする必要電力量を、前記過去の電力消費量の情報に基づいて見積もる見積もり手段、
前記一の情報端末に供給可能な電力量を、前記二次電池ごと又は前記二次電池の組み合わせごとに、前記劣化度合いの情報に基づいて導出する導出手段、
前記複数の二次電池の中から一又は二以上の二次電池が前記一の情報端末に電源として装着される場合に、前記供給可能な電力量が前記必要電力量以上となる前記二次電池の組み合わせを、組み合わせられる二次電池の数が前記一の情報端末への二次電池の装着可能数以下となるように提案する提案手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末に装着される二次電池の管理装置、管理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、スーパーマーケットや量販店などの店舗や、商品等を格納する倉庫などに商品等が入庫する際に、入庫した商品等の検品などを行うためにハンディターミナルなどの携帯端末が用いられる場合がある。
そして、このような携帯端末には、通常、二次電池を装着するための電池ボックス等の電池装着部が設けられている。
【0003】
二次電池は、充電を繰り返すと劣化することが知られている。そして、二次電池が劣化すると、携帯端末の使用を開始してから終了する前に二次電池の電力が尽きてしまい、一連の処理を完遂することができない状態になる。
そこで、例えば特許文献1には、車両用二次電池の場合であるが、車両が走行する際に使用する車両用二次電池の消費電力量を予測し、例えば、予測消費電力量が車両用二次電池の最大容量の80%以下の場合は車両用二次電池を最大容量の80%までしか充電しないようにするなどして車両用二次電池が消耗したり劣化したりすることを遅らせることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-160514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、この車両用二次電池に対する管理のしかたを上記の携帯端末に装着する二次電池に適用し、二次電池の最大容量の80%までしか充電しない状態で二次電池を携帯端末に装着して使用すると、二次電池を最大容量まで充電した場合には使用開始から終了まで行うことができる場合でも、最大容量の80%までしか充電していない二次電池を用いた場合には一連の処理を完遂できない可能性がある。
【0006】
しかしながら、処理を完遂できないと、ユーザが作業中に二次電池を別の二次電池に交換しなければならなくなるが、ユーザが忙しい作業の合間に二次電池の保管場所などまで行って二次電池を交換しなければばらなくなると、ユーザにとって非常に煩わしく感じられる。
また、作業場所と二次電池の保管場所などとの往復を含む二次電池の交換作業の分だけ作業効率が低下してしまう。
【0007】
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、使用開始から終了まで二次電池の交換が不要になるように携帯端末に装着される二次電池を管理する管理装置、管理システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の管理装置は、
複数の二次電池それぞれの劣化度合いの情報と、複数の情報端末それぞれの所定の単位期間での過去の電力消費量の情報と、を管理する管理手段と、
前記複数の情報端末の内、一の情報端末が前記単位期間で今回において必要とする必要電力量を、前記過去の電力消費量の情報に基づいて見積もる見積もり手段と、
前記一の情報端末に供給可能な電力量を、前記二次電池ごと又は前記二次電池の組み合わせごとに、前記劣化度合いの情報に基づいて導出する導出手段と、
前記複数の二次電池の中から一又は二以上の二次電池が前記一の情報端末に電源として装着される場合に、前記供給可能な電力量が前記必要電力量以上となる前記二次電池の組み合わせを、組み合わせられる二次電池の数が前記一の情報端末への二次電池の装着可能数以下となるように提案する提案手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、使用開始から終了まで二次電池の交換が不要になるように携帯端末に装着される二次電池を管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る管理システムを示すシステム構成図である。
図2】(a)ハンディターミナルの正面図であり、(b)背面図である。
図3】ハンディターミナルの主要な機能構成を示すブロック図である。
図4】管理装置の主要な機能構成を示すブロック図である。
図5】使用リストの例を示す図である。
図6】使用リストの例を示す図である。
図7】表示入力装置の画面上に表示される表示の例を示す図である。
図8】表示入力装置の画面上に表示される表示の例を示す図である。
図9】表示入力装置の画面上に表示される表示の例を示す図である。
図10】表示入力装置の画面上に表示される表示の例を示す図である。
図11】表示入力装置の画面上に表示される表示の例を示す図である。
図12】表示入力装置の画面上に表示される表示の例を示す図である。
図13】表示入力装置の画面上に表示される表示の例を示す図である。
図14】表示入力装置の画面上に表示される表示の例を示す図である。
図15】本実施形態に係るハンディターミナル(携帯端末)と管理装置でそれぞれ実行される各処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。
なお、以下の実施形態においては、携帯端末がハンディターミナルである場合について説明するが、携帯端末は、二次電池を装着して用いられるものであればよく、例えばスマートフォンやタブレット端末、ノートパソコン等であってもよい。
また、以下では、携帯端末が、業務単位として、入庫した商品等の検品とデータ送信の各業務単位を行う場合を例示して説明するが、携帯端末が行う業務単位の内容はこれに限定されない。
【0012】
まず、図1を参照して、本実施形態に係る管理システム10のシステム構成を説明する。図1は、本実施形態に係る管理システム10を示すシステム構成図である。
管理システム10は、管理装置1と、アクセスポイント2と、情報端末としてのハンディターミナル3と、複数の二次電池4と、充電器5と、表示入力装置6と、を備える。
なお、管理装置1と、携帯端末としてのハンディターミナル3と、表示入力装置6については後で説明する。
【0013】
アクセスポイント2は、管理装置1にネットワーク接続されており、管理装置1とハンディターミナル3との間の通信を中継する中継器である。
アクセスポイント2は、図1では管理システム10に1台設けられている構成を記載したが、複数台が設けられた構成としてもよい。
【0014】
二次電池4(二次電池、蓄電池などとも言う。)は、管理システム10内に複数導入されて存在している。なお、本実施形態の二次電池4は、リチウムイオン電池(二次電池)を想定している。
二次電池4は、充電器5で充電を行うことにより繰り返し使用することができる電池であり、ハンディターミナル3(情報端末)に設けられた後述する複数の電池装着部41に装着可能なものであればよく、種類や構造等に特に限定はない。
【0015】
充電器5は、二次電池4を充電するための装置である。
充電器5は、二次電池4を嵌め込んで充電するタイプでもよく、あるいは二次電池4の電極に充電器5の電力を接続して充電を行うタイプでもよく、特別の形態に限定されない。
【0016】
次に、本実施形態に係る携帯端末としてのハンディターミナル3について説明する。
図2(a)は、ハンディターミナル3の正面図であり、図2(b)は背面図である。
【0017】
ハンディターミナル3(携帯端末)は、ユーザによる各種情報の入力を受け付けるキー入力部35と、各種情報を表示する表示部36と、商品等のバーコードを読み取るバーコードスキャナ38と、を備える。
キー入力部35は、装置の正面に配置されたカーソルキーや、数字、文字などの入力キー、ファンクションキーなどの機能キー35Aの他、装置の正面や側面、背面に設けられた、バーコード読み取り用のトリガキー35Bを含む。
【0018】
表示部36は、装置の正面に配置されたLCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどで構成される。なお、本実施形態では、表示部36の画面に重ねられてタッチパネルが配置されており、ユーザがタッチパネルにタッチすることで入力を行うことができるようになっている。
【0019】
バーコードスキャナ38は、装置の背面に配置されており、商品等のバーコードを読み取る。バーコードスキャナ38は、レーザ光を走査させてバーコードを読み取るレーザスキャナを用いてもよく、バーコードを光学的に撮像してバーコードを読み取る撮像装置をバーコードスキャナ38として用いてもよく、特定の形態に限定されない。
【0020】
また、ハンディターミナル3(携帯端末)には、装置の背面側に、二次電池4を装着可能な複数の電池装着部41が設けられている。図2(b)では電池装着部41の図示しないカバーが取り外されて、電池装着部41内を見ることができる状態が示されている。また、図2(b)では電池装着部41が2つ設けられている場合が示されており、以下、この場合を例示して説明するが、電池装着部41は3つ以上設けてもよい。
本実施形態では、ハンディターミナル3(携帯端末)は、電池装着部41に複数の二次電池4を装着させることができるが、複数の電池装着部41のうちの1つの電池装着部41に1個の二次電池4だけを装着させることも可能であり、二次電池4を1個だけ装着させても動作するようになっている。
【0021】
次に、ハンディターミナル3の機能構成について説明する。図3は、ハンディターミナルの主要な機能構成を示すブロック図である。
ハンディターミナル3は、CPU31(Central Processing Unit)と、RAM32(Random Access Memory)と、ROM33(Read Only Memory)と、記憶部34と、キー入力部35と、表示部36と、無線通信部37と、バーコードスキャナ38と、電源部39と、バス40などを備える。ハンディターミナル3の各部は、バス40を介して接続されている。
【0022】
CPU31は、記憶部34に記憶されているプログラム341に従って各種処理を行うことでハンディターミナル3の各部を制御するプロセッサである。
RAM32は、CPU31に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。RAM32は、不揮発性メモリを含んでいてもよい。
ROM33は、情報を読み出し可能な不揮発性の記憶部であり、各種設定データ等が格納されている。
【0023】
記憶部34は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリといった、データの書き込み及び読み出しが可能な記憶装置を備え、プログラム341や各種データを記憶する。
また、記憶部34は、業務単位が終了するごとの二次電池4の残量等を記録した残量データ342を、検品終了時に管理装置1にデータ送信されるまで保存する。残量データ342については後で説明する。
【0024】
キー入力部35は、カーソルキーや、数字、文字などの入力キー、ファンクションキーなどの機能キー35Aや、特定キーとしてのバーコード読み取りのトリガキー35Bを含む。また、キー入力部35は、表示部36の画面に重ねられて配置されたタッチパネルに対するユーザからの入力操作を受け付けるようになっている。
表示部36は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどで構成され、ハンディターミナル3の各種処理の結果やステータスなどを表示する。
【0025】
無線通信部37は、アンテナ、変復調回路、信号処理回路などを有する通信モジュールであり、無線LAN(Local Area Network)による無線通信に係る通信規格に対応した通信制御を行う。
なお、無線通信部37を、NFC(Near Field Communication)などの近距離無線通信やワイヤレスWAN(Wide Area Network)による無線通信に係る通信規格に対応した通信制御を行うように構成することも可能である。また、USB(Universal Serial Bus)などの有線通信部などを備える構成としてもよい。
【0026】
バーコードスキャナ38は、所定の規則に従って生成された商品等のバーコードを読み取って得られた信号をデコードし、CPU31に出力する。なお、信号のデコード処理の少なくとも一部はCPU31により行われてもよい。
また、本実施形態では、バーコードスキャナ38は、特定キーとしての複数のトリガキー35Bのいずれかが押圧するなどして操作されると、バーコードの読み取り動作を開始するようになっている。
【0027】
電源部39は、電池装着部41に装着された一又は複数の二次電池4から供給される電力をハンディターミナル3の各部に配分するとともに、装着されている二次電池の残量を計測してCPU31に通知する。
【0028】
本実施形態では、電源部39は、電池装着部41に複数の二次電池4が装着されている場合、装着されている複数の二次電池4を直列あるいは並列に接続して複数の二次電池4から同時に電力を供給させるのではなく、複数の二次電池4から1個ずつ独立に電力を供給させるようになっており、電力を供給する二次電池4を切り替えるようになっている。
そして、1個の二次電池4を使い切った時点で(1個の二次電池4の残量が所定の下限閾値まで低下した時点で)、この二次電池4からの電力の供給を停止し、他の1個の二次電池4からの電力の供給を開始するように二次電池4を切り替えるようになっている。
そして、本実施形態では、電源部39は、複数の電池装着部41のうちの1つに二次電池4が1個だけ装着されている状態でも、その二次電池4から電力を供給させてハンディターミナル3を動作させるようになっている。
【0029】
次に、記憶部34に記憶される残量データ342について説明する。
ハンディターミナル3(携帯端末)のCPU31は、入庫した商品等の検品やデータ送信といった業務単位が行われるごとに、その時点での二次電池4の残量等を記録して残量データ342として記憶部34に記憶するようになっている。
【0030】
図5のように本実施形態では、残量データ342はCSV(Comma Separated Value)ファイルの形で作成されるようになっており、例えば、“日付”,“時刻”,“ID”,“BOX1”,“BOX2”,“残量”,“業務単位”,“状態”,“バッテリ”の各項目からなる。
ここで、「日付」、「時刻」はその業務単位が行われた日付と時刻、「ID」は当該ハンディターミナル3の番号、「BOX1」は当該ハンディターミナル3の複数の電池装着部41のうち一方の電池装着部41に装着されている二次電池4の識別番号、「BOX2」は他方の電池装着部41に装着されている二次電池4の識別番号(なお、二次電池4が装着されていない電池装着部41は空欄(“”)で表される。)、「残量」は使用している二次電池4の残量、「業務単位」は業務単位の種類、「状態」は開始又は終了をそれぞれ表し、「バッテリ」は、複数の電池装着部41のうち一方の電池装着部41に装着されている二次電池4を使用している場合は“1”、他方の電池装着部41に装着されている二次電池4を使用している場合は“2”で表される。
【0031】
具体的には、例えば、ハンディターミナル3の電池装着部41に識別番号が「BAT1」の二次電池4を1個だけ装着した状態でユーザが午前7時45分にアプリケーションにログインして使用を開始すると、CPU31は記憶部34に、残量データ342として、
“YYYY/MM/DD”,“07:45:00”,“01”,“BAT1”,“”,“100”,“使用”,“開始”,“1”
を記憶する。
そして、例えば、ユーザが8時10分に検品を開始する操作を行うと、CPU31は記憶部34に、残量データ342として、
“YYYY/MM/DD”,“08:10:00”,“01”,“BAT1”,“”,“99”,“検品”,“開始”,“1”
を記憶する。
【0032】
例えば、1つの商品等に対する検品処理として、商品等に付されたバーコードをバーコードスキャナ38で読み取る「商品スキャン」と、商品等に関する情報等をサーバ等から入手する「商品問合せ」と、ユーザが個口を入力する「個口入力」を行うものとすると、CPU31は、残量データ342として、上記の検品開始の残量データ342の後に、上記の商品スキャンや商品問合せ、個口入力が開始され終了するごとに、
“YYYY/MM/DD”,“08:10:00”,“01”,“BAT1”,“”,“99”,“商品スキャン”,“開始”,“1”
“YYYY/MM/DD”,“08:11:01”,“01”,“BAT1”,“”,“99”,“商品スキャン”,“終了”,“1”
“YYYY/MM/DD”,“08:11:01”,“01”,“BAT1”,“”,“99”,“商品問合せ”,“開始”,“1”
“YYYY/MM/DD”,“08:11:02”,“01”,“BAT1”,“”,“99”,“商品問合せ”,“終了”,“1”
“YYYY/MM/DD”,“08:11:05”,“01”,“BAT1”,“”,“99”,“個口入力”,“開始”,“1”
“YYYY/MM/DD”,“08:11:07”,“01”,“BAT1”,“”,“99”,“個口入力”,“終了”,“1”
をそれぞれ記憶部34に記憶する。
【0033】
そして、CPU31は、各商品等に対して検品処理が繰り返されるごとに、上記の商品スキャン開始から個口入力終了までの各CSVファイルを残量データ342として記憶部34に記憶させていき(なお、二次電池4の残量は減少していく。)、例えば、ユーザが午前中の検品処理を終了する操作を行うと、CPU31は記憶部34に、残量データ342として、
“YYYY/MM/DD”,“11:00:00”,“01”,“BAT1”,“”,“70”,“検品”,“終了”,“1”
を記憶する。
【0034】
また、例えば、ユーザが午後の検品処理を開始する操作を行うと、CPU31は記憶部34に、残量データ342として、
“YYYY/MM/DD”,“13:00:00”,“01”,“BAT1”,“”,“65”,“検品”,“開始”,“1”
を記憶し、以下、上記と同様に、各商品等に対して検品処理が繰り返されるごとに、上記の商品スキャン開始から個口入力終了までの各CSVファイルを残量データ342として記憶部34に記憶させていく。
【0035】
なお、ユーザが休憩等のために、検品処理を中断する操作を行うと、CPU31は記憶部34に、残量データ342として、例えば、
“YYYY/MM/DD”,“15:00:00”,“01”,“BAT1”,“”,“45”,“検品”,“終了”,“1”
を記憶し、検品処理が再開されると、CPU31は記憶部34に、残量データ342として、例えば、
“YYYY/MM/DD”,“15:30:00”,“01”,“BAT1”,“”,“40”,“検品”,“開始”,“1”
を記憶する。そして、CPU31は、再び、各商品等に対して検品処理が繰り返されるごとに、上記の商品スキャン開始から個口入力終了までの各CSVファイルを残量データ342として記憶部34に記憶させていく。
【0036】
そして、ユーザが全ての検品処理を終了して、サーバ等にその日のデータを送信する操作を行うと、CPU31は、残量データ342として、検品処理の終了を表す
“YYYY/MM/DD”,“17:20:00”,“01”,“BAT1”,“”,“20”,“検品”,“終了”,“1”
のCSVファイルを記憶部34に記憶するとともに、データ送信の開始を表す
“YYYY/MM/DD”,“17:20:00”,“01”,“BAT1”,“”,“20”,“データ送信”,“開始”,“1”
のCSVファイルを記憶部34に記憶する。
そして、データ送信が終了すると、CPU31は、残量データ342として、
“YYYY/MM/DD”,“17:24:00”,“01”,“BAT1”,“”,“19”,“データ送信”,“終了”,“1”
を記憶する。
【0037】
そして、ユーザが、最後に使用を終了する(ログアウトする)操作を行うと、CPU31は、残量データ342として、
“YYYY/MM/DD”,“17:30:00”,“01”,“BAT1”,“”,“18”,“使用”,“終了”,“1”
を記憶部34に記憶する。
そして、CPU31は、記憶部34に記憶されている使用開始から終了までの全ての残量データ342を、無線通信部37(図3参照)を介して管理装置1(図1参照)に送信するようになっている。
【0038】
なお、以上では、ハンディターミナル3の電池装着部41に識別番号が「BAT1」の二次電池4を1個だけ装着した場合について説明したが、前述したように、本実施形態では、ハンディターミナル3は、電池装着部41に複数の二次電池4を装着することが可能であり、さらに、ハンディターミナル3の使用中に電力を供給する二次電池4を切り替えることができる。
【0039】
図6のように、例えば、ハンディターミナル3の電池装着部41に識別番号が「BAT2」、「BAT3」の2個の二次電池4を装着した状態でユーザが使用を開始した際に、電源部39が最初に「BAT2」の二次電池4から電力を供給させるように制御した場合、CPU31は、残量データ342として、
“YYYY/MM/DD”,“07:45:00”,“01”,“BAT2”,“BAT3”,“100”,“使用”,“開始”,“1”
を記憶部43に記憶する。
そして、CPU31は、上記と同様に各業務単位が行われるごとに残量データ342を記憶部43に記憶していく。
【0040】
そして、CPU31が、例えば、
“YYYY/MM/DD”,“15:20:00”,“01”,“BAT2”,“BAT3”,“25”,“検品”,“終了”,“1”
のCSVファイルを記憶部43に記憶した後、電源部39が、「BAT2」の二次電池4の残量が所定の下限閾値まで低下したと判断するなどして、電力を供給する二次電池4を「BAT1」の二次電池4から「BAT3」の二次電池4に切り替えた場合、CPU31は、その後、残量データ342を記憶部43に記憶する際に、例えば、
“YYYY/MM/DD”,“15:30:00”,“01”,“BAT1”,“BAT3”,“100”,“検品”,“開始”,“2”
のように、CSVファイルの最後の「バッテリ」の項目(使用している二次電池を表す項目)を“1”から“2”に替えてその後の残量データ342を記憶部43に記憶していくようになっている。
【0041】
なお、残量データ342は、必ずしもCSVファイルの形でなくてもよい。また、具体的な項目は適宜設定される。
【0042】
次に、管理装置1の構成について説明する。図4は、管理装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。
管理装置1は、CPU11と、RAM12と、ROM13と、記憶部14と、操作部15と、表示部16と、通信部17と、バス18などを備える。管理装置1の各部は、バス18を介して接続されている。
【0043】
CPU11は、記憶部14に記憶されているプログラム141に従って各種処理を行うことで管理装置1の各部を制御するプロセッサである。CPU11は、プログラム141を実行して各種処理を行うことで、管理手段、見積もり手段、導出手段、提案手段として機能する。
【0044】
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。RAM12は、不揮発性メモリを含んでいてもよい。
ROM13は、情報を読み出し可能な不揮発性の記憶部であり、各種設定データ等が格納されている。
【0045】
記憶部14は、HDD、SSD、フラッシュメモリといった、データの書き込み及び読み出しが可能な記憶装置を備え、プログラム141や各種データを記憶する。
記憶部14に記憶されるデータとしては、残量リスト142や管理データ143が含まれる。なお、記憶部14がデータベース等を備えるように構成し、残量リスト142や管理データ143をデータベース等に保存するように構成することも可能である。管理データ143については後で説明する。
【0046】
図5は、残量リスト142の例を示す図である。残量リスト142は、上記のようにハンディターミナル3から送信されてきた使用開始から終了までの各残量データ342に基づいて、残量データ342(CSVファイル)の各項目の内容がそれぞれ対応する各項目に割り付けられて残量リスト142が生成され、記憶部14に記憶される。
また、図6に、上記のように使用中に電力を供給する二次電池4が識別番号「BAT1」の二次電池4から識別番号「BAT3」の二次電池4に切り替えた場合の残量リスト142の例を示す。
【0047】
なお、図5図6では、番号が「01」のハンディターミナル3から送信されてきた残量データ342に基づいて生成された残量リスト142を示したが、残量データ342はその日に使用された全てのハンディターミナル3からそれぞれ送信されてくるため、その日に使用されたハンディターミナル3の個数の残量リスト142が生成される。
このようにして、残量リスト142は、ハンディターミナル3ごとに生成されて記憶部14に記憶されている。
【0048】
操作部15(図4参照)は、キーボード等のキー入力部や、マウス等のポインティングデバイス等を有し、ユーザ(操作者)からのキー操作入力及び位置操作入力を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。
【0049】
表示部16は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどで構成され、各種処理の結果やステータスなどを表示する。また、操作部15は、表示部16の画面に重ねられて配置されたタッチパネルに対するユーザからの入力操作を受け付けるように構成することも可能である。
【0050】
通信部17は、LANボードやLANカード等により構成され、CPU11による制御下で、ネットワーク及びアクセスポイント2を介してハンディターミナル3との間でデータの送受信を行う。
【0051】
次に、管理手段としてのCPU11の構成について説明する。
管理手段としてのCPU11は、上記の複数の二次電池4それぞれの劣化度合いの情報と、複数の情報端末(この場合は複数のハンディターミナル3)それぞれの所定の単位期間での過去の電力消費量の情報と、を管理するようになっている。
その際、CPU11は、単位期間での過去の電力消費量の情報を、一の情報端末(すなわち個々のハンディターミナル3)の識別情報(以下、単にIDという。)と対応付けて管理するようになっている。
【0052】
具体的には、管理手段としてのCPU11は、例えばIDが「01」のハンディターミナル3から送信されてきた残量データ342(CSVファイル)に基づいて残量リスト142(図5図6参照)を生成すると、ID「01」のハンディターミナル3の所定の単位期間での電力消費量を算出し、算出した電力消費量をハンディターミナル3のID「01」と対応付けて管理データ143(すなわち当該ハンディターミナル3の過去の電力消費量の情報)として管理するようになっている。
【0053】
本実施形態では、CPU11は、まず、使用開始から終了までの間に行われる検品とデータ送信の各業務単位についてそれぞれ電力消費量等を算出する。
なお、この各業務単位について算出した電力消費量が「所定の単位期間での過去の電力消費量」に対応する。
【0054】
以下、CPU11が、図5に示した残量リスト142(IDが「01」のハンディターミナル3の電池装着部41に「BAT1」の二次電池が1個だけ装着されている場合の残量リスト142)に基づいて電力消費量等を算出する場合について具体的に説明する。
CPU11は、まず、業務単位「検品」について以下の各数値を算出する。
【0055】
(A-1)各検品時間:各回の検品における検品開始から検品終了までの時間
8:10~11:00=2時間50分=170分
13:00~15:00=2時間=120分
15:30~17:20=1時間50分=110分
【0056】
(A-2)検品時間合計値:上記の(A-1)の合計値
170分+120分+110分=400分
【0057】
(A-3)各検品電力消費量:各回の検品における検品開始から検品終了までの二次電池4の残量の差分
99%-70%=29%
65%-45%=20%
40%-20%=20%
【0058】
(A-4)検品電力消費量の合計値:上記の(A-3)の合計値
29%+20%+20%=69%
【0059】
(A-5)各検品電力消費量の時間平均:上記の(A-3)/(A-1)
29%/170分=0.1706%/分
20%/120分=0.1667%/分
20%/110分=0.1818%/分
【0060】
そして、CPU11は、このようにして算出した数値のうち、少なくとも(A-2)検品時間合計値(上記の場合は400分)と、各検品電力消費量の時間平均(A-5)のうちの最大値(以下、検品電力消費量の最大時間平均という。上記の場合は0.1818%/分)を、「BAT1」の二次電池4に関する管理データ143として記憶部14(図1参照)に記憶する。なお、検品に関して上記のように算出した他の数値も「BAT1」の二次電池4に関する管理データ143として記憶部14に記憶するように構成してもよい。
【0061】
また、CPU11は、業務単位「データ送信」についても、上記と同様に以下の各数値を算出する。
【0062】
(B-1)各データ送信時間:各回のデータ送信におけるデータ送信開始からデータ送信終了までの時間
図5の例ではデータ送信は1回しか行われていないため、
17:20~17:24=4分
【0063】
(B-2)データ送信時間合計値:上記の(A-1)の合計値
図5の例ではデータ送信は1回しか行われていないため、データ送信時間合計値は、上記と同じ4分になる。
【0064】
(B-3)各データ送信電力消費量[%]:各回のデータ送信におけるデータ送信開始からデータ送信終了までの二次電池4の残量の差分
図5の例ではデータ送信は1回しか行われていないため、
20%-19%=1%
【0065】
(B-4)データ送信電力消費量の合計値:上記の(B-3)の合計値
図5の例ではデータ送信は1回しか行われていないため、1%。
【0066】
(B-5)各データ送信電力消費量の時間平均:上記の(B-3)/(B-1)
1%/4分=0.2500%/分
【0067】
そして、CPU11は、このようにして算出した数値のうち、少なくとも(B-2)データ送信時間合計値(上記の場合は4分)と、各データ送信電力消費量の時間平均(B-5)のうちの最大値(以下、データ送信電力消費量の最大時間平均という。上記の場合は0.2500%/分)を、ID「01」のハンディターミナル3に装着された場合の「BAT1」の二次電池4に関する管理データ143として記憶部14(図1参照)に記憶する。なお、データ送信に関して上記のように算出した他の数値も、ID「01」のハンディターミナル3に装着された場合の「BAT1」の二次電池4に関する管理データ143として記憶部14に記憶するように構成してもよい。
【0068】
一方、本実施形態では、CPU11は、ID「01」のハンディターミナル3の使用開始から終了までの全体についても、上記と同様に以下の各数値を算出する。
【0069】
(C-1)使用時間:ハンディターミナル3の使用開始から終了までの時間
7:45~17:30=9時間45分=585分
【0070】
(C-2)使用電力消費量[%]:使用開始から終了までの二次電池4の残量の差分
100%-18%=82%
【0071】
そして、CPU11は、ハンディターミナル3に使用時間のうち、検品やデータ送信を行っていない期間を待機の期間として、「待機」についても、上記と同様に以下の各数値を算出する。
【0072】
(D-1)待機時間:(C-1)-{(A-2)+(B-2)}
585分-(400分+4分)=181分
【0073】
(D-2)待機電力消費量[%]:(C-2)-{(A-4)+(B-4)}
82%-(69%+1%)=12%
【0074】
(D-3)待機電力消費量の時間平均:上記の(D-2)/(D-1)
12%/181分=0.0663%/分
【0075】
そして、CPU11は、このようにして算出した数値のうち、少なくとも(D-1)待機時間(上記の場合は181分)と(D-3)待機電力消費量の時間平均(上記の場合は0.0663%/分)を、ID「01」のハンディターミナル3に装着された場合の「BAT1」の二次電池4に関する管理データ143として記憶部14に記憶する。なお、待機に関して上記のように算出した他の数値も、ID「01」のハンディターミナル3に装着された場合の「BAT1」の二次電池4に関する管理データ143として記憶部14に記憶するように構成してもよい。
【0076】
このようにして、管理手段としてのCPU11は、上記のようにID「01」のハンディターミナル3から送信されてきた残量データ342に基づいて残量リスト142を生成すると、生成した残量リスト142に基づいて上記の各計算を行い、ID「01」のハンディターミナル3に装着された場合の「BAT1」の二次電池4に関する管理データ143として、少なくとも、以下の各数値を記憶部14に記憶する。
(1)検品時間合計値(図5の例では400分)
(2)検品電力消費量の最大時間平均(図5の例では0.1818%/分)
(3)データ送信時間合計値(図5の例では4分)
(4)データ送信電力消費量の最大時間平均(図5の例では0.2500%/分)
(5)待機時間(図5の例では181分)
(6)待機電力消費量の時間平均(図5の例では0.0663%/分)
【0077】
そして、CPU11は、別の日にID「01」のハンディターミナル3から残量データ342が送信されてくると、それに基づいて生成した残量リスト142に基づいて上記の各計算を行い、ID「01」のハンディターミナル3の過去の電力消費量の情報としての管理データ143として、少なくとも、上記の(1)~(6)の各数値を記憶部14に記憶する。
このようにして、CPU11は、ID「01」のハンディターミナル3から残量データ342が送信されてくるごとに計算を行い、算出した各数値をID「01」のハンディターミナル3に関する管理データ143(ID「01」のハンディターミナル3の過去の電力消費量の情報)として記憶部14に蓄積していく。
【0078】
また、同様にして、CPU11は、IDが異なる他のハンディターミナル3から残量データ342が送信されてくるごとに計算を行い、算出した管理データ143を当該ハンディターミナル3の過去の電力消費量の情報として記憶部14に蓄積していく。
このようにして、CPU11は、各ハンディターミナル3から残量データ342が送信されてくるごとに計算を行い、算出した各数値を管理データ143(当該ハンディターミナル3の過去の電力消費量の情報)として記憶部14に蓄積していくようになっている。
【0079】
また、管理手段としてのCPU11は、図6に示したように、ハンディターミナル3の電池装着部41に複数の二次電池4が装着されている場合も、上記と同様にして各数値を算出し、例えば図6の場合は、ID「01」のハンディターミナル3の過去の電力消費量の情報としての管理データ143として記憶部14に記憶するようになっている。
なお、この場合、上記の(2)検品電力消費量の最大時間平均や(4)データ送信電力消費量の最大時間平均については、複数の二次電池4(例えば「BAT2」の二次電池4と「BAT3」の二次電池4)についてそれぞれ計算される。
【0080】
一方、本実施形態では、CPU11は、各二次電池4の劣化度合いを管理するようになっている。
具体的には、検品電力消費量%の最大時間平均(単位期間あたりの過去の二次電池4の電力消費割合)やデータ送信電力消費量%が大きいほど、二次電池4の劣化が進んでいると考えられる。そのため、本実施形態では、CPU11は、記憶部14に記憶されている、今回ハンディターミナル3から送信されてきた残量データ342に基づいて算出した上記の検品電力消費量%の最大時間平均等に基づいて二次電池4ごとに劣化度合い[%]を算出して更新し、その情報を記憶部14に記憶して管理するようになっている。
【0081】
そして、本実施形態では、CPU11は、算出した劣化度合いに基づいて劣化が進んでいる順番に各二次電池4の順位付けを行うようになっている。
なお、この各二次電池4の順位付けの処理を、後述する提案手段(CPU11)が行うように構成することも可能である。
【0082】
次に、見積もり手段としてのCPU11の構成について説明する。
見積もり手段としてのCPU11は、複数の情報端末(この場合は複数のハンディターミナル3)の内、一の情報端末が単位期間で今回において必要とする必要電力量P1を、上記の過去の電力消費量の情報に基づいて見積もるようになっている。
本実施形態では、見積もり手段としてのCPU11は、単位期間での業務単位ごとの過去の電力消費量に基づいて必要電力量P1を見積もるようになっている。
【0083】
具体的には、見積もり手段としてのCPU11は、記憶部14に蓄積されている一のハンディターミナル3(一の情報端末)に関する管理データ143(ハンディターミナル3の過去の電力消費量の情報)を用い、各二次電池4や二次電池4の組み合わせについて、最も電力消費量が大きくなるワーストケースを想定する。
そして、そのワーストケースにおける電力消費量を、一の情報端末が単位期間で今回において必要とする必要電力量P1として見積もるようになっている。
【0084】
具体的には、例えばID「01」のハンディターミナル3が使用される場合、CPU11は、例えば、「BAT1」の二次電池4を1個だけID「01」のハンディターミナル3の電池装着部41に装着した場合の必要電力量P1を計算する。その場合、まず、記憶部14に蓄積されているID「01」のハンディターミナル3に関する管理データ143の中の「BAT1」の二次電池4に関する管理データ143のうち、上記の(1)検品時間合計値、(2)検品電力消費量の最大時間平均、(3)データ送信時間合計値、(4)データ送信電力消費量の最大時間平均、(5)待機時間、(6)待機電力消費量の時間平均の各最大値をそれぞれ抽出する。
その際、例えば、ID「01」のハンディターミナル3の使用開始から終了までの時間(上記(C-1))をハンディターミナル3の終日使用時間としたときに、管理装置1に当該ID「01」のハンディターミナル3の終日使用時間が複数日分記憶されている場合は、その複数日分の終日使用時間の中から(1)~(6)の各最大値をそれぞれ抽出する。
【0085】
そして、CPU11は、
P1=検品電力消費量の最大時間平均の最大値×検品時間合計値の最大値
+データ送信電力消費量の最大時間平均の最大値
×データ送信時間合計値の最大値
+待機電力消費量の時間平均の最大値×待機時間の最大値
を計算することで、必要電力量P1、すなわちこの場合は「BAT1」の二次電池4を1個だけID「01」のハンディターミナル3の電池装着部41に装着した状態でハンディターミナル3が使用開始から終了まで継続して動作するために必要な電力量(必要電力量)P1を計算するようになっている。
他の二次電池4を1個だけID「01」のハンディターミナル3の電池装着部41に装着した場合の必要電力量P1も同様に計算される。
【0086】
また、CPU11は、例えば、「BAT2」、「BAT3」の2個の二次電池4をID「01」のハンディターミナル3の電池装着部41に装着した場合の必要電力量P1を計算する場合、上記と同様にして、記憶部14に蓄積されているID「01」のハンディターミナル3に関する管理データ143のうち「BAT2」と「BAT3」の二次電池4の組み合わせに関する管理データ143から検品時間合計値や「BAT2」、「BAT3」の各二次電池4の検品電力消費量の最大時間平均等の中からそれぞれ最大値を抽出する。
【0087】
そして、
P1=(BAT2の検品電力消費量の最大時間平均の最大値
+BAT3の検品電力消費量の最大時間平均の最大値)
×検品時間合計値の最大値
+(BAT2のデータ送信電力消費量の最大時間平均の最大値
+BAT3のデータ送信電力消費量の最大時間平均の最大値)
×データ送信時間合計値の最大値
+(BAT2の待機電力消費量の時間平均の最大値
+BAT3の大気電力消費量の時間平均の最大値)
×待機時間の最大値
を計算することで、必要電力量P1、すなわちこの場合は「BAT2」、「BAT3」の2個の二次電池4をID「01」のハンディターミナル3の電池装着部41に装着した状態でハンディターミナル3が使用開始から終了まで継続して動作するために必要な電力量(必要電力量)P1を計算するようになっている。
他の二次電池4の組み合わせをID「01」のハンディターミナル3の電池装着部41に装着した場合の必要電力量P1も同様に計算される。
また、他のハンディターミナル3を使用する場合に当該ハンディターミナル3について必要電力量P1を計算する場合も同様にして計算される。
【0088】
次に、導出手段としてのCPU11の構成について説明する。
導出手段としてのCPU11は、一の情報端末(この場合は一のハンディターミナル3)に供給可能な電力量(以下、供給可能電力量P2という。)を、二次電池4ごと又は二次電池4の組み合わせごとに、劣化度合いの情報に基づいて導出するようになっている。
【0089】
具体的には、例えばID「01」のハンディターミナル3が使用される場合、CPU11は、例えば、「BAT1」の二次電池4を1個だけID「01」のハンディターミナル3の電池装着部41に装着する場合、「BAT1」の二次電池4の供給可能電力量P2を、前日の、あるいは「BAT1」の二次電池4を最後に使用した日の(2)検品電力消費量の最大時間平均、(4)データ送信電力消費量の最大時間平均、(6)待機電力消費量を用い、上記の見積もりの場合と同様に、検品時間合計値の最大値やデータ送信時間合計値の最大値、待機時間の最大値等を用いて、
P2=(検品電力消費量の最大時間平均×マージン)
×検品時間合計値の最大値
+(データ送信電力消費量の最大時間平均×マージン)
×データ送信時間合計値の最大値
+(待機電力消費量の時間平均×マージン)
×待機時間の最大値
+使用終了時の残量
を計算することで導出する。
【0090】
ここで、マージンとは、前述した二次電池4の劣化度合いに応じて乗算される0以上1以下の値であり、劣化度合いが高いほど小さな値になる。二次電池4は使用時間が長くなるほど劣化が進むため、本実施形態では、マージンを、二次電池4の累積使用時間T(当該二次電池4の使用開始からの使用時間の合計値)を用いて、
マージン=1-k×T
で計算するようになっている。なお、係数kは予め決定される非常に小さい値である。
【0091】
CPU11は、管理システム1(図1参照)内の全ての二次電池4について、同様の計算を行って、計算結果を記憶部14に記憶する。
【0092】
続いて、導出手段としてのCPU11は、複数(本実施形態では2個)の二次電池4を組み合わせについて供給可能電力量P2を計算する。
【0093】
具体的には、CPU11は、例えば、「BAT2」と「BAT3」の二次電池4をID「01」のハンディターミナル3の電池装着部41に装着する場合、「BAT2」と「BAT3」の二次電池4の供給可能電力量P2を、前日の、あるいは「BAT2」と「BAT3」の二次電池4の組み合わせを最後に使用した日の(2)検品電力消費量の最大時間平均、(4)データ送信電力消費量の最大時間平均、(6)待機電力消費量を用い、検品時間合計値の最大値やデータ送信時間合計値の最大値、待機時間の最大値等を用いて、
P2=(BAT2の検品電力消費量の最大時間平均×BAT2のマージン
+BAT3の検品電力消費量の最大時間平均×BAT3のマージン)
×検品時間合計値の最大値
+(BAT2のデータ送信電力消費量の最大時間平均×BAT2のマージン
+BAT3のデータ送信電力消費量の最大時間平均×BAT3のマージン)
×データ送信時間合計値の最大値
+(BAT2の待機電力消費量の時間平均×BAT2のマージン
+BAT2の待機電力消費量の時間平均×BAT3のマージン)
×待機時間の最大値
+BAT2の使用終了時の残量×BAT2のマージン
+BAT3の使用終了時の残量×BAT3のマージン
を計算することで導出する。
【0094】
CPU11は、管理システム1(図1参照)内の全ての二次電池4の組み合わせについて、同様の計算を行って、計算結果を記憶部14に記憶する。
【0095】
次に、提案手段としてのCPU11の構成について説明する。
提案手段としてのCPU11は、複数の二次電池4の中から一又は二以上の二次電池4が一の情報端末(この場合は一のハンディターミナル3)に電源として装着される場合に、供給可能電力量P2が必要電力量P1以上となる二次電池の組み合わせを、組み合わせられる二次電池4の数が一の情報端末への二次電池4の装着可能数以下となるように提案するようになっている。
そして、本実施形態では、提案手段としてのCPU11は、ユーザによって一の情報端末(ハンディターミナル3)の識別情報(ID)が入力された際に、供給可能電力量P2が必要電力量P1以上となる二次電池4の組み合わせを、一の情報端末への二次電池4の装着可能数以下の二次電池数の組み合わせで提案するようになっている。
【0096】
具体的には、提案手段としてのCPU11は、例えばID「01」のハンディターミナル3が使用される場合、まず、個々の二次電池4について供給可能電力量P2が見積もられた必要電力量P1以上の二次電池4があるか否か(すなわち1個の二次電池4をID「01」のハンディターミナル3の電池装着部41に装着すればその二次電池4だけで使用開始から終了までの一連の処理を完遂させることができるような1個の二次電池4があるか否か)を判断する。
【0097】
すなわち、本実施形態では、提案手段としてのCPU11は、1個の二次電池4だけで一連の処理を完遂させることができるような1個の二次電池4があれば、2個の二次電池4の組み合わせよりも、その1個の二次電池4を優先して提案するようになっている。
なお、反対に、1個の二次電池4よりも、2個の二次電池4の組み合わせを優先して提案するように構成することも可能である。
【0098】
そして、CPU11は、「BAT1」の二次電池4について算出した供給可能電力量P2が、「BAT1」の二次電池4について見積もった必要電力量P1以上であれば、すなわち、
P2(供給可能電力量)≧P1(必要電力量)
が成立すれば、「BAT1」の二次電池4をID「01」のハンディターミナル3(携帯端末)の電池装着部41に装着すれば「BAT1」の二次電池1個だけで二次電池4を交換することなく使用開始から終了までの一連の処理を完遂させることができると判断する。
【0099】
CPU11は、管理システム1(図1参照)内の全ての二次電池4について、同様の計算を行って、ID「01」のハンディターミナル3に装着すればその二次電池4だけで一連の処理を完遂させることができるような1個の二次電池4を抽出して、それらの識別番号等を単独装着用の二次電池4として記憶部14に記憶する。
【0100】
続いて、CPU11は、複数(本実施形態では2個)の二次電池4を組み合わせについて供給可能電力量P2が見積もられた必要電力量P1以上の二次電池4の組み合わせがあるか否か(すなわち本実施形態では2個の二次電池4をID「01」のハンディターミナル3の電池装着部41に装着すればその二次電池4の組み合わせで一連の処理を完遂させることができるような二次電池4の組み合わせがあるか否か)を判断する。
【0101】
そして、CPU11は、例えば「BAT2」と「BAT3」の二次電池4の組み合わせについて算出した供給可能電力量P2が、「BAT2」と「BAT3」の二次電池4の組み合わせについて見積もった必要電力量P1以上であれば、すなわち、
P2(供給可能電力量)≧P1(必要電力量)
が成立すれば、「BAT2」と「BAT3」の二次電池4の組み合わせをID「01」のハンディターミナル3(携帯端末)の各電池装着部41に装着すれば「BAT2」と「BAT3」の二次電池4の組み合わせだけで二次電池4を交換することなく一連の処理を完遂させることができると判断する。
【0102】
本実施形態では、CPU11は、上記のように二次電池1個だけで一連の処理を完遂させることができると判断された二次電池4以外の残りの二次電池4を対象とした全ての組み合わせについて、同様の計算を行い、ID「01」のハンディターミナル3に装着すればその二次電池4の組み合わせだけで一連の処理を完遂させることができるような二次電池4の組み合わせを抽出して、それらの識別番号等を対応付けて、組み合わせ装着用の二次電池4として記憶部14に記憶する。
【0103】
提案手段としてのCPU11は、続いて、上記のようにして抽出した単独装着用の二次電池4(一の二次電池4)や組み合わせ装着用の二次電池4(二次電池4の組み合わせ)を、ID「01」のハンディターミナル3(情報端末)の電池装着部41に装着すべき二次電池4としてユーザに提案する。
本実施形態では、図1に示すように、管理装置1には表示入力装置6が接続されており、管理装置1のCPU11は、単独装着用の二次電池4や組み合わせ装着用の二次電池4を表示入力装置6のディスプレイ61上に表示してユーザに提案するようになっている。
【0104】
なお、他のハンディターミナル3を使用する場合も上記と同様に処理が行われる。
また、例えば、携帯端末(ハンディターミナル3)に3個の電池装着部41がある場合は、1個の二次電池4、2個の二次電池4の組み合わせ、3個の二次電池4の組み合わせについてそれぞれP2(供給可能電力量)≧P1(必要電力量)が成立するか否かが判断され、4個の電池装着部41がある場合は、1個の二次電池4、2個の二次電池4の組み合わせ、3個の二次電池4の組み合わせ、4個の二次電池4の組み合わせについてそれぞれP2(供給可能電力量)≧P1(必要電力量)が成立するか否かが判断されるように構成される。
【0105】
さらに、上記のように表示入力装置6のディスプレイ61上に表示する代わりに、例えばユーザが携帯するスマートフォン等に単独装着用の二次電池4や組み合わせ装着用の二次電池4の情報を送信して画面に表示させて提案するように構成することも可能であり、あるいは仮の二次電池4を装着させたハンディターミナル3の表示部36上に表示させるなどして提案するように構成することも可能である。
また、提案は、上記のように表示で行うように構成してもよく、表示の代わりに、あるいは表示とともに、音声を発生させるなどして提案するように構成することも可能である。
【0106】
本実施形態では、表示入力装置6は、二次電池4の保管場所や充電器5の設置場所等に配置されている。なお、図1では、表示入力装置6と管理装置1とが直接接続されているように記載されているが、ネットワークを介してそれらを接続するように構成することも可能である。また、例えば、管理装置1を二次電池4の保管場所や充電器5の設置場所等に配置し、管理装置1の表示部16(図4参照)を表示入力装置6として用いるように構成することも可能である。また、管理装置1が充電器5を備えているような構成にしてもよい。
【0107】
表示入力装置6は、画面61に重ねられて配置されたタッチパネルに対するユーザからの入力操作を受け付けるように構成されているが、マウスやキーボード等を備えるように構成することも可能である。
【0108】
提案手段としてのCPU11は、まず、図7に示すように、表示入力装置6の画面61上に、初期画面としてメニュー画面を表示させる。
そして、ユーザが[バッテリの提案]にタッチして選択すると、CPU11は、まず、上記のようにして抽出した単独装着用の二次電池4(一の二次電池4)が1個以上あれば、その中から1個の単独装着用の二次電池4(例えば「BAT1」の二次電池4)を選択し、図8に示すように、表示入力装置6の画面61上にその二次電池4を表示して提案する。
【0109】
なお、この場合、充電電池ボックス1や充電電池ボックス2はそれぞれハンディターミナル3(携帯端末)の一方の電池装着部41と他方の電池装着部41を表す。
また、図8では、1個の単独装着用の二次電池4(「BAT1」)を充電電池ボックス1(一方の電池装着部41)に装着することを提案しているように記載されているが、ユーザは1個の単独装着用の二次電池4(「BAT1」)を充電電池ボックス2(他方の電池装着部41)に装着してもよい。
【0110】
ユーザがハンディターミナル3の電池装着部41に1個の二次電池4を装着すると、そのハンディターミナル3のCPU31は装着された二次電池4の識別情報等(例えば「BAT1」)を読み取って管理装置1に送信する。
管理装置1は、ハンディターミナル3から二次電池4の識別情報等を受信すると、当該二次電池4が当該ハンディターミナル3に装着されたものとして記憶部14に記憶する。
【0111】
そして、本実施形態では、管理装置1のCPU11(提案手段)は、次にメニュー画面上で[バッテリの提案](図7参照)が選択されると、上記の例では「BAT1」の二次電池4は先のハンディターミナル3に装着されており二次電池4の保管場所等には残っていないため、保管場所等に残っている二次電池4(すなわち他のハンディターミナル3(情報端末)に装着されずに残っている二次電池4)の中から単独装着用の二次電池4(一の二次電池4)を提案するようになっている。
このように構成すれば、提案手段としてのCPU11が、すでに二次電池4の保管場所等にはない二次電池4を提案してしまい、ユーザがどの二次電池4を装着すればよいか分からなくなる事態が生じることを防止して、二次電池4を適切に提案することが可能となる。
【0112】
一方、提案手段としてのCPU11は、このようにして、まず、単独装着用の二次電池4(一の二次電池4)を提案していき、二次電池4の保管場所等から単独装着用の二次電池4がなくなると、次に、組み合わせ装着用の二次電池4をユーザに提案する。
この場合は、例えば図9に示すように、本実施形態の場合は2個の二次電池4の組み合わせを表示入力装置6の画面61上に表示して提案するが、この場合も、2個の二次電池4を、画面61上の表示とは逆に、すなわち充電電池ボックス1(一方の電池装着部41)に装着するように提案されている二次電池4を充電電池ボックス2(他方の電池装着部41)に装着するなどして装着してもよい。
【0113】
そして、この場合も、CPU11は、上記と同様に、次に組み合わせ装着用の二次電池4を提案する際には、他のハンディターミナル3(情報端末)に装着されずに保管場所等に残っている二次電池4の中から組み合わせ装着用の二次電池4(二次電池の組み合わせ)を提案するようになっている。
このように構成すれば、提案手段としてのCPU11が、すでに二次電池4の保管場所等にはない二次電池4を提案してしまい、ユーザがどの二次電池4を装着すればよいか分からなくなる事態が生じることを防止して、二次電池4を適切に提案することが可能となる。
【0114】
また、本実施形態では、提案手段としてのCPU11は、組み合わせ装着用の二次電池4を提案する際、前述したように管理手段としてのCPU11が各二次電池4の劣化度合いの情報に応じて順位付けた各二次電池4の順位付けに基づいて、他のハンディターミナル3に装着されずに残っている二次電池4の中から、最も劣化度合いが高い二次電池4を含む組み合わせを優先して提案するようになっている。
【0115】
組み合わせ装着用の二次電池4を提案する際に、あまり劣化が進んでいない二次電池4同士を組み合わせて提案してしまうと、劣化が進んでいる二次電池4が残っていき、それらを組み合わせてもP2(供給可能電力量)≧P1(必要電力量)の条件を満たせなくなり、使用できない二次電池4が増える。
それに対し、上記のように構成すると、劣化が進んでいる二次電池4が優先して提案されるため、あまり劣化が進んでいない二次電池4が残るようになるため、劣化が進んでいる二次電池4とあまりあまり劣化が進んでいない二次電池4とが組み合わされるようになる。そのため、使用できない二次電池4をなくすことや、使用できない二次電池4の数を減らすことが可能となる。
【0116】
なお、本実施形態では、提案手段としてのCPU11は、まず、単独装着用の二次電池4(一の二次電池4)を提案していき、二次電池4の保管場所等から単独装着用の二次電池4がなくなると、次に、組み合わせ装着用の二次電池4をユーザに提案したが、最初から、管理手段としてのCPU11によって順位付けされている各二次電池4の劣化度に基づいて、最も劣化の進んでいる二次電池4と、P2(供給可能電力量)≧P1(必要容量)を満たす他の二次電池4と、の組み合わせを提案していくような構成にしてもよい。
このような構成にすれば、必ず劣化が最も進んでいる二次電池4から使用されることになるため、単独で使用可能な電池を減らさずに適切な二次電池4の組み合わせを提案することができるようになる。
【0117】
なお、本実施形態では、CPU11は、図7に示したメニュー画面上で[設定]が選択されると、表示入力装置6の画面61上に、例えば図10に示すような設定画面を表示させる。
そして、[ハンディターミナルの登録と削除]が選択されると、図11に示すように表示を切り替えて、ユーザによるハンディターミナル3の登録や削除等を受け付けるようになっている。なお、この場合、[新規]はハンディターミナル3のID等を入力してハンディターミナル3を新たに登録するためのキーであり、[編集]は[SELECT]で選択したハンディターミナル3のID等を編集するためのキーであり、[削除]は[SELECT]で選択したハンディターミナル3のID等の情報を削除するためのキーである。
【0118】
また、CPU11は、図10に示した設定画面上で[バッテリの登録と削除]が選択されると、図12に示すように表示に切り替えて、上記のハンディターミナル3の場合と同様に、二次電池4について登録や編集、削除等を受け付けるようになっている。
【0119】
一方、提案手段としてのCPU11は、図10に示した設定画面上で[診断]が選択されると、図13に示すような診断画面を表示入力装置6の画面61上に表示させる。
そして、CPU11は、[使用すべきでないバッテリ]が選択されると、図14に示すように使用すべきでないバッテリを表示する画面に切り替えるとともに、他のハンディターミナル3(携帯端末)に装着されずに使用可能な二次電池4の中から、他のどの二次電池4と組み合わせてもP2(供給可能電力量)≧P1(必要電力量)にならない二次電池4については、使用すべきでない二次電池4として表示する。
【0120】
このように、本実施形態では、提案手段としてのCPU11は、使用すべきでない二次電池4を提案するようになっている。
このように、使用すべきでない二次電池4を提案することで、ユーザが当該二次電池4を新たな二次電池4に入れ替えること等を促すことが可能となり、ハンディターミナル3に装着して使用開始から終了まで二次電池の交換が不要になるような二次電池を増やすことが可能となる。
【0121】
なお、CPU11は、図13の診断画面上で[バッテリステータス]が選択されると、図示を省略するが、各二次電池4(又はユーザにより選択された二次電池4等)の劣化度合いの情報等を画面上に表示させるようになっている。
【0122】
次に、本実施形態に係るハンディターミナル3(携帯端末)で実行される各処理と、管理装置3で実行される各処理の手順について簡単にまとめる。
図15は、本実施形態に係るハンディターミナル(携帯端末)と管理装置でそれぞれ実行される各処理の手順を示すフローチャートである。
【0123】
ハンディターミナル3(携帯端末)のCPU31は、使用が開始されると(ステップS101)、前述したように商品等の検品やデータ送信等の業務単位が行われるごとに、その時点での二次電池4の残量等を記録して残量データ342として記憶部34に記憶する(ステップS102)。
そして、ユーザが、最後に使用を終了する(ログアウトする)操作を行うと、CPU31は、記憶部34に記憶されている使用開始から終了までの全ての残量データ342を管理装置1に送信する(ステップS103)。
【0124】
一方、管理装置1のCPU11は、ハンディターミナル3(携帯端末)から送信されてきた残量データ342に基づいて残量リスト142(図5図6参照)を生成すると(ステップS201)、ハンディターミナル3の所定の単位期間での電力消費量の情報(ステップS202)や二次電池4の劣化度合いの情報を算出するなどして(ステップS203)、管理データ143として、ハンディターミナル3の識別情報(ID)と対応付けて登録して管理する(ステップS204)。
なお、以上の処理は、残量データ342を送信してきた全てのハンディターミナル3(携帯端末)について行われる(以上、管理手段としての機能)。
【0125】
また、管理装置1のCPU11は、ハンディターミナル3(携帯端末)が単位期間で今回において必要とする必要電力量P1を、管理データ143(すなわち上記の過去の電力消費量の情報)に基づいて見積もる(ステップS205)。
なお、この処理も、残量データ342を送信してきた全てのハンディターミナル3(携帯端末)について行われる(以上、見積もり手段としての機能)。
【0126】
続いて、管理装置1のCPU11は、ハンディターミナル3(携帯端末)に供給可能な電力量(すなわち供給可能電力量P2)を、二次電池4ごと又は二次電池4の組み合わせごとに、管理データ143(すなわち劣化度合いの情報)に基づいて導出する(ステップS206)。
なお、この処理も、残量データ342を送信してきた全てのハンディターミナル3(携帯端末)について行われる(以上、導出手段としての機能)。
【0127】
そして、管理装置1のCPU11は、表示入力装置6に対するユーザの操作に応じて、表示入力装置6の画面61上にメニュー画面を表示させる(ステップS207)。
そして、ユーザが[バッテリの提案]を選択すると(ステップS208:YES)、P2(供給可能電力量)≧P1(必要電力量)の条件を満たす二次電池4や二次電池4の組み合わせを提案する表示を表示入力装置6の画面61上に表示する(ステップS209。以上、提案手段としての機能)。
【0128】
以上のように、本実施形態に係る管理装置1や管理システム10によれば、管理装置1のCPU11は、ハンディターミナル3(情報端末)に設けられた複数の電池装着部41に装着可能な複数の二次電池4について、二次電池4ごと又は二次電池4の組み合わせごとに使用開始から終了までの電力消費量を管理し(管理手段)、ハンディターミナル3(情報端末)が使用開始から終了まで継続して動作するために必要な電力量(必要電力量)P1を見積もり(見積もり手段)、二次電池4ごとに又は二次電池4の組み合わせごとに供給可能な電力量(供給可能電力量)P2を算出し、供給可能電力量P2が必要電力量P1以上の一の二次電池4又は二次電池4の組み合わせを、ハンディターミナル3(情報端末)の電池装着部41に装着すべき二次電池4として提案する(提案手段)。
【0129】
そのため、提案された一の二次電池4や二次電池4の組み合わせをハンディターミナル3(情報端末)の電池装着部41に装着すれば、ハンディターミナル3(情報端末)の電池装着部41に装着すれば、ハンディターミナル3(情報端末)を用いた使用開始から終了まで二次電池4の交換が不要になる。
そして、このように、ハンディターミナル3(情報端末)を使用する際に二次電池4の交換を行わずに一連の処理を完遂させることが可能となるため、例えばユーザが忙しい作業の合間に二次電池の保管場所などまで行って二次電池を交換しなければばらなくなるような事態が生じることがなくなり、ユーザが煩わしさを感じずに済むとともに、作業効率の低下を防止することが可能となる。
【0130】
また、本実施形態のプログラムは、上記のように、管理装置1のコンピュータであるCPU11を、ハンディターミナル3(情報端末)に設けられた複数の電池装着部41に装着可能な複数の二次電池4について、二次電池4ごと又は二次電池4の組み合わせごとに使用開始から終了までの電力消費量を管理する管理手段と、ハンディターミナル3(情報端末)が使用開始から終了まで継続して動作するために必要な電力量(必要電力量)P1を見積もる見積もり手段と、二次電池4ごとに又は二次電池4の組み合わせごとに供給可能な電力量(供給可能電力量)P2を算出し、算出した供給可能電力量P2が見積もられた必要電力量P1以上の一の二次電池4又は二次電池4の組み合わせを、ハンディターミナル3(情報端末)の電池装着部41に装着すべき二次電池4として提案する提案手段、として機能させる。
このようなプログラムにより管理装置1のCPU11を動作させることで、ハンディターミナル3(情報端末)を使用する際に二次電池4の交換を行わずに一連の処理を完遂させることが可能となる。
【0131】
なお、上記の実施形態では、図1に示すように、ハンディターミナル3(携帯端末)が、管理システム10内に複数存在している場合について説明した。そして、上記の実施形態では、このように管理システム10内にハンディターミナル3(携帯端末)が複数存在している場合でも、それらの複数のハンディターミナル3(携帯端末)のそれぞれ使用する際に二次電池4の交換を行わずに一連の処理を完遂させることが可能となるといった有益な作用効果があるが、本発明は、ハンディターミナル3が管理システム10内に1つだけ存在する場合でも適用可能である。
【0132】
また、上記の実施形態のように、ハンディターミナル3(携帯端末)を使用して検品等を行う際、作業に慣れているユーザは各業務単位を無駄なくスムーズに行うが、作業に慣れていないユーザは各業務単位を行う際、無駄な動作があるなどして、例えば検品を行う際の検品時間(上記の(A-1)参照)や検品電力消費量(上記の(A-3)参照)等に差が出る場合があり得る。
そのため、管理装置1における各処理をユーザごとに分けて行うように構成することも可能である。このように構成すれば、ユーザによって作業を行う際の時間や電力消費量等が異なる場合でも、管理装置1がユーザごとに的確に処理を行って、ユーザが誰である場合でも、ハンディターミナル3(情報端末)を使用する際に二次電池4の交換を行わずに一連の処理を完遂させることが可能となる。
【0133】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上記の実施形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
[付記]
<請求項1>
複数の二次電池それぞれの劣化度合いの情報と、複数の情報端末それぞれの所定の単位期間での過去の電力消費量の情報と、を管理する管理手段と、
前記複数の情報端末の内、一の情報端末が前記単位期間で今回において必要とする必要電力量を、前記過去の電力消費量の情報に基づいて見積もる見積もり手段と、
前記一の情報端末に供給可能な電力量を、前記二次電池ごと又は前記二次電池の組み合わせごとに、前記劣化度合いの情報に基づいて導出する導出手段と、
前記複数の二次電池の中から一又は二以上の二次電池が前記一の情報端末に電源として装着される場合に、前記供給可能な電力量が前記必要電力量以上となる前記二次電池の組み合わせを、組み合わせられる二次電池の数が前記一の情報端末への二次電池の装着可能数以下となるように提案する提案手段と、
を備えることを特徴とする管理装置。
<請求項2>
前記劣化度合いの情報は、前記単位期間あたりの今回の前記二次電池の電力消費割合に基づいて更新されることを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
<請求項3>
前記見積もり手段は、前記単位期間での業務単位ごとの過去の前記電力消費量に基づいて前記必要電力量を見積もることを特徴とする請求項1又は2に記載の管理装置。
<請求項4>
前記提案手段は、一の前記二次電池よりも、前記二次電池の組み合わせを優先して提案することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の管理装置。
<請求項5>
前記提案手段は、前記二次電池の組み合わせよりも、一の前記二次電池を優先して提案することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の管理装置。
<請求項6>
前記提案手段は、他の前記情報端末に装着されずに使用可能な前記二次電池の中から前記一の情報端末に装着すべき一の前記二次電池又は前記二次電池の組み合わせを提案することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の管理装置。
<請求項7>
前記提案手段は、前記二次電池の組み合わせを提案する際、前記他の情報端末に装着されずに使用可能な前記二次電池の中から、最も前記劣化度合いが高い前記二次電池を含む組み合わせを優先して提案することを特徴とする請求項6に記載の管理装置。
<請求項8>
前記提案手段は、前記他の情報端末に装着されずに使用可能な前記二次電池の中から、他のどの前記二次電池と組み合わせても前記算出した供給可能電力量が前記見積もられた必要電力量以上にならない前記二次電池については、使用すべきでないことを提案することを特徴とする請求項6又は7に記載の管理装置。
<請求項9>
前記管理手段は、前記単位期間での過去の電力消費量の情報を前記一の情報端末の識別情報と対応付けて管理することを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の管理装置。
<請求項10>
前記提案手段は、ユーザによって前記一の情報端末の前記識別情報が入力された際に、前記供給可能な電力量が前記必要電力量以上となる前記二次電池の組み合わせを、前記一の情報端末への前記二次電池の装着可能数以下の二次電池数の組み合わせで提案することを特徴とする請求項9に記載の管理装置。
<請求項11>
複数の電池装着部が設けられた情報端末と、
前記情報端末の前記複数の電池装着部それぞれに個別に装着可能な複数の二次電池と、
請求項1~請求項10のいずれか一項に記載の管理装置と、
を備えることを特徴とする管理システム。
<請求項12>
管理装置のコンピュータを、
複数の二次電池それぞれの劣化度合いの情報と、複数の情報端末それぞれの所定の単位期間での過去の電力消費量の情報と、を管理する管理手段、
前記複数の情報端末の内、一の情報端末が前記単位期間で今回において必要とする必要電力量を、前記過去の電力消費量の情報に基づいて見積もる見積もり手段、
前記一の情報端末に供給可能な電力量を、前記二次電池ごと又は前記二次電池の組み合わせごとに、前記劣化度合いの情報に基づいて導出する導出手段、
前記複数の二次電池の中から一又は二以上の二次電池が前記一の情報端末に電源として装着される場合に、前記供給可能な電力量が前記必要電力量以上となる前記二次電池の組み合わせを、組み合わせられる二次電池の数が前記一の情報端末への二次電池の装着可能数以下となるように提案する提案手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0134】
1 管理装置
3 ハンディターミナル(情報端末)
4 二次電池
10 管理システム
11 CPU(管理手段、見積もり手段、提案手段)
41 電池装着部
141 プログラム
P1 必要電力量
P2 供給可能電力量(供給可能な電力量)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15