(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】画像変換装置及び画像変換プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/60 20060101AFI20231219BHJP
B41J 2/525 20060101ALI20231219BHJP
G06T 1/00 20060101ALN20231219BHJP
【FI】
H04N1/60
B41J2/525
G06T1/00 510
(21)【出願番号】P 2019232526
(22)【出願日】2019-12-24
【審査請求日】2022-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩原 尚
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-070877(JP,A)
【文献】特開2012-142897(JP,A)
【文献】特開2013-210915(JP,A)
【文献】特開2019-186603(JP,A)
【文献】特開2008-294554(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/46-62
B41J 2/525
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、
画像情報を、複数種類の記録媒体の特性毎に、当該特性に応じ、かつ、画像形成部に応じたデバイス依存色空間の画像情報に変換する出力変換情報を予め記憶した記憶部と、を備え、
前記プロセッサは、
画像情報を受け付け、
受け付けた前記画像情報により示される画像を前記複数種類の記録媒体のうちの何れかの記録媒体に形成する場合、当該記録媒体の特性に応じた前記出力変換情報を前記記憶部から読み出し、読み出した出力変換情報を用いて、受け付けた前記画像情報を、前記画像形成部に応じたデバイス依存色空間の画像情報に変換するように制御する
処理と、
前記複数種類の記録媒体間の各特性の類似度が所定閾値以上の記録媒体の種類毎に当該複数種類の記録媒体を分類し、
前記分類による分類結果に応じて、前記出力変換情報の数を前記記録媒体の種類数より少ない数とするための予め定められた処理として、前記分類による分類結果を用いて、各分類毎に対応付ける前記出力変換情報を提案する処理を実行する、
画像変換装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記出力変換情報の提案に対して、分類反映指示を受け付けた場合に前記分類結果を反映する請求項1に記載の画像変換装置。
【請求項3】
前記所定閾値は、画像変換処理に要求される色の精度に応じて予め定めた閾値である請求項1又は請求項2に記載の画像変換装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記分類による分類結果を用いて、各分類毎に
1つの前記出力変換情報が前記記憶部に記憶されるようにする処理を、前記予め定められた処理として更に実行する、
請求項
1~3の何れか1項に記載の画像変換装置。
【請求項5】
前記画像情報は、特色の画像情報である、
請求項1~4の何れか1項に記載の画像変換装置。
【請求項6】
前記画像形成部に応じたデバイス依存色空間の画像情報は、金属色成分の情報を含んでいる、
請求項5に記載の画像変換装置。
【請求項7】
前記金属色成分は、金色成分又は銀色成分である、
請求項6に記載の画像変換装置。
【請求項8】
前記記録媒体の特性は、前記記録媒体の性状に関する特性である、
請求項1~7の何れか1項に記載の画像変換装置。
【請求項9】
前記記録媒体の性状に関する特性は、前記記録媒体の名称毎の特性である、
請求項8に記載の画像変換装置。
【請求項10】
前記出力変換情報は、複数の出力プロファイル情報である、
請求項1~9の何れか1項に記載の画像変換装置。
【請求項11】
前記受け付けた画像情報と、前記画像形成部に応じたデバイス依存色空間の画像情報と、の各画像情報のデバイス依存色空間は、同一の色空間である、
請求項1~10の何れか1項に記載の画像変換装置。
【請求項12】
前記受け付けた画像情報と、前記画像形成部に応じたデバイス依存色空間の画像情報と、の各画像情報のデバイス依存色空間は、異なる色空間である、
請求項1~10の何れか1項に記載の画像変換装置。
【請求項13】
画像情報を、複数種類の記録媒体の特性毎に、当該特性に応じ、かつ、画像形成部に応じたデバイス依存色空間の画像情報に変換する出力変換情報を予め記憶した記憶部を備えた画像変換装置において実行されるプログラムであって、
画像情報を受け付け、
受け付けた前記画像情報により示される画像を前記複数種類の記録媒体のうちの何れかの記録媒体に形成する場合、当該記録媒体の特性に応じた前記出力変換情報を前記記憶部から読み出し、読み出した出力変換情報を用いて、受け付けた前記画像情報を、前記画像形成部に応じたデバイス依存色空間の画像情報に変換するように制御する
処理と、
前記複数種類の記録媒体間の各特性の類似度が所定閾値以上の記録媒体の種類毎に当該複数種類の記録媒体を分類し、
前記分類による分類結果に応じて、前記出力変換情報の数を前記記録媒体の種類数より少ない数とするための予め定められた処理として、前記分類による分類結果を用いて、各分類毎に対応付ける前記出力変換情報を提案する処理を、
コンピュータに実行させるための画像変換プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像変換装置及び画像変換プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、プロセスカラー版の画像信号及び特色版の画像信号からなる入力画像信号を、プロセスカラー版からなる出力画像信号に変換する色変換処理装置であって、デバイス依存色値にて特色を定義可能な特色情報を取得する特色情報取得部と、前記特色が定義された基準時点でのデバイスリンクプロファイルである基準プロファイル、及び、前記基準時点の後に更新された前記基準プロファイルである更新プロファイルを取得するプロファイル取得部と、前記特色情報取得部により取得された前記特色情報を用いて、前記特色版の画像信号をプロセスカラー版の第1画像信号に変換する第1色変換部と、前記プロファイル取得部により取得された前記基準プロファイル及び前記更新プロファイルを順次作用することで、前記第1色変換部により変換された前記第1画像信号をプロセスカラー版の第2画像信号に変換する第2色変換部とを備えることを特徴とする色変換処理装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、プリントデータに特色が含まれているか否かを判断し、特色が含まれている場合には、特色の識別情報と基本カラーの濃度信号を示すプリンタデバイス値とが関連付けられている特色テーブルを用いて特色のプリンタデバイス値を設定する特色設定部と、プリンタデバイス値に基づいて記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録媒体上に形成された出力画像を測色し、色情報を取得する測色器と、色情報から基本カラーの濃度信号を示すプリンタデバイス値を算出する色変換部と、を有する画像システムにおける、サンプルページの作成方法であって、特色の出力画像に対する前記測色器の測色結果を、履歴測色結果として保持するステップと、サンプルページの作成条件を満たすか否かを判定するステップと、サンプルページの作成条件を満たすと判定した場合に、特色の前記履歴測色結果に基づいて算出したプリンタデバイス値による第1の色見本画像と、特色テーブルから決定した該特色のプリンタデバイス値による第2の色見本画像と、を記録媒体上に形成したサンプルページを作成するステップと、を有するサンプルページの作成方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-076689号公報
【文献】特開2015-146490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
受け付けた画像情報を画像形成部に応じたデバイス依存色空間の画像情報に変換する場合に、画像形成の対象とする記録媒体の特性に応じた画像情報が得られず、異なる特性の記録媒体の各々毎に、形成された画像の色味が変化する場合がある、という問題点があった。
【0006】
本発明は、異なる特性の記録媒体の各々毎に、形成された画像の色味が変化することを防止する画像変換装置及び画像変換プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1態様に係る画像変換装置は、プロセッサと、画像情報を、複数種類の記録媒体の特性毎に、当該特性に応じ、かつ、画像形成部に応じたデバイス依存色空間の画像情報に変換する出力変換情報を予め記憶した記憶部と、を備え、前記プロセッサは、画像情報を受け付け、受け付けた前記画像情報により示される画像を前記複数種類の記録媒体のうちの何れかの記録媒体に形成する場合、当該記録媒体の特性に応じた前記出力変換情報を前記記憶部から読み出し、読み出した出力変換情報を用いて、受け付けた前記画像情報を、前記画像形成部に応じたデバイス依存色空間の画像情報に変換するように制御する処理と、前記複数種類の記録媒体間の各特性の類似度が所定閾値以上の記録媒体の種類毎に当該複数種類の記録媒体を分類し、前記分類による分類結果に応じて、前記出力変換情報の数を前記記録媒体の種類数より少ない数とするための予め定められた処理として、前記分類による分類結果を用いて、各分類毎に対応付ける前記出力変換情報を提案する処理を実行する。
【0008】
第2態様に係る画像変換装置は、第1態様に係る画像変換装置において、前記プロセッサは、前記出力変換情報の提案に対して、分類反映指示を受け付けた場合に前記分類結果を反映する。
【0009】
第3態様に係る画像変換装置は、第1態様に係る画像変換装置において、前記所定閾値は、画像変換処理に要求される色の精度に応じて予め定めた閾値である。
第4態様係る画像変換装置は、第1態様~第3態様の何れか1の様に係る画像変換装置において、前記プロセッサが、前記分類による分類結果を用いて、各分類毎に1つの前記出力変換情報が前記記憶部に記憶されるようにする処理を、前記予め定められた処理として実行するものである。
【0011】
第5態様に係る画像変換装置は、第1態様~第4態様の何れか1の態様に係る画像変換装置において、前記画像情報を、特色の画像情報としたものである。
【0012】
第6態様に係る画像変換装置は、第5態様に係る画像変換装置において、前記画像形成部に応じたデバイス依存色空間の画像情報が、金属色成分の情報を含んでいるとしたものである。
【0013】
第7態様に係る画像変換装置は、第6態様に係る画像変換装置において、前記金属色成分を、金色成分又は銀色成分としたものである。
【0014】
第8態様に係る画像変換装置は、第1態様~第7態様の何れか1の態様に係る画像変換装置において、前記記録媒体の特性を、前記記録媒体の性状に関する特性としたものである。
【0015】
第9態様に係る画像変換装置は、第8態様に係る画像変換装置において、前記記録媒体の性状に関する特性を、前記記録媒体の名称毎の特性としたものである。
【0016】
第10態様に係る画像変換装置は、第1態様~第9態様の何れか1の態様に係る画像変換装置において、前記出力変換情報を、複数の出力プロファイル情報としたものである。
【0017】
第11態様に係る画像変換装置は、第1態様~第10態様の何れか1の態様に係る画像変換装置において、前記受け付けた画像情報と、前記画像形成部に応じたデバイス依存色空間の画像情報と、の各画像情報のデバイス依存色空間を、同一の色空間としたものである。
【0018】
第12態様に係る画像変換装置は、第1態様~第10態様の何れか1の態様に係る画像変換装置において、前記受け付けた画像情報と、前記画像形成部に応じたデバイス依存色空間の画像情報と、の各画像情報のデバイス依存色空間を、異なる色空間としたものである。
【0019】
第13態様の画像変換プログラムは、画像情報を、複数種類の記録媒体の特性毎に、当該特性に応じ、かつ、画像形成部に応じたデバイス依存色空間の画像情報に変換する出力変換情報を予め記憶した記憶部を備えた画像変換装置において実行されるプログラムであって、画像情報を受け付け、受け付けた前記画像情報により示される画像を前記複数種類の記録媒体のうちの何れかの記録媒体に形成する場合、当該記録媒体の特性に応じた前記出力変換情報を前記記憶部から読み出し、読み出した出力変換情報を用いて、受け付けた前記画像情報を、前記画像形成部に応じたデバイス依存色空間の画像情報に変換するように制御する処理と、前記複数種類の記録媒体間の各特性の類似度が所定閾値以上の記録媒体の種類毎に当該複数種類の記録媒体を分類し、前記分類による分類結果に応じて、前記出力変換情報の数を前記記録媒体の種類数より少ない数とするための予め定められた処理として、前記分類による分類結果を用いて、各分類毎に対応付ける前記出力変換情報を提案する処理を、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0020】
第1態様~第3態様の画像変換装置及び第13態様の画像変換プログラムによれば、異なる特性の記録媒体の各々毎に、形成された画像の色味が変化することを防止することができ、かつ複数の記録媒体を各種類毎に分類した結果に応じた処理を実行しない場合に比較して、出力変換情報の種類数を、より削減することができ、かつ記録媒体の種類毎に対応付ける出力変換情報を提案する処理を実行しない場合に比較して、出力変換情報を記憶する手間を、より軽減することができる、という効果を有する。
【0022】
第4態様の画像変換装置によれば、記録媒体の種類毎に1つの出力変換情報が記憶されるようにする処理を実行しない場合に比較して、出力変換情報を記憶する手間を、より軽減することができる、という効果を有する。
【0024】
第5態様の画像変換装置によれば、特色の画像情報についても、形成された画像の色味が変化することを防止することができる、という効果を有する。
【0025】
第6態様の画像変換装置によれば、前記画像形成部に応じたデバイス依存色空間の画像情報が、金属色成分の情報を含んでいる場合についても、形成された画像の色味が変化することを防止することができる、という効果を有する。
【0026】
第7態様の画像変換装置によれば、金色成分又は銀色成分を含む色の画像情報についても、形成された画像の色味が変化することを防止することができる、という効果を有する。
【0027】
第8態様の画像変換装置によれば、異なる性状の記録媒体の各々毎に、形成された画像の色味が変化することを防止することができる、という効果を有する。
【0028】
第9態様の画像変換装置によれば、異なる名称の記録媒体の各々毎に、形成された画像の色味が変化することを防止することができる、という効果を有する。
【0029】
第10態様の画像変換装置によれば、出力変換情報として新たな情報を作成する手間をなくすことができる、という効果を有する。
【0030】
第11態様の画像変換装置によれば、受け付けたデバイス依存色空間の画像情報と、画像形成部に応じたデバイス依存色空間の画像情報との色空間として、同一の色空間の組み合わせに対応できる、という効果を有する。
【0031】
第12態様の画像変換装置によれば、受け付けたデバイス依存色空間の画像情報と、画像形成部に応じたデバイス依存色空間の画像情報との色空間として、異なる色空間の組み合わせに対応できる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す正面図である。
【
図2】実施形態に係る画像変換装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る画像変換装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る特色用出力プロファイルデータベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図5】実施形態に係る一般色用出力プロファイルデータベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図6】実施形態に係る特性別分類処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態に係る分類結果画面の一例を示す正面図である。
【
図8】実施形態に係る画像変換処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態に係る特色登録画面の一例を示す正面図である。
【
図10】実施形態に係る特色の画像情報の変換(特色をデバイス依存色空間で定義した場合)の一例を示す模式図である。
【
図11】実施形態に係る特色の画像情報の変換(特色をデバイス非依存色空間で定義した場合)の一例を示す模式図である。
【
図12】実施形態に係る特色確認画面の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明をプロダクションプリンタに適用した場合について説明するが、一般的なプリンタ(ビジネス用のプリンタ、家庭用のプリンタ等)に適用してもよい。
【0034】
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10は、画像形成部6、供給部8、ユーザインターフェース(UI)部15、第1収容部24A、第2収容部24B、及び画像変換装置50を備えている。
【0035】
画像形成部6は、記録媒体としての用紙に画像を形成する機能を有しており、帯電、露光、現像、転写、及び定着の各工程を経て、画像を用紙に形成する。また、画像形成部6は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、及びK(黒)の一般色の現像剤以外に、特殊色の現像剤として、一般色以外の色である金、銀、白、オレンジ等の中から選択された現像剤を用いて画像を形成することも可能である。また、画像形成部6は、内部に画像変換装置50を備えている。なお、本実施形態では、用紙として白色の用紙を適用するが、白色以外の用紙を適用してもよい。
【0036】
供給部8は、画像形成部6へ供給される用紙を収容する機能を有しており、各々異なるサイズ及び種類等の用紙を収容可能である。なお、供給部8は、1つの用紙収容部のみが備えられた構成であってもよいし、複数の用紙収容部が備えられた構成であってもよい。
【0037】
UI部15は、入力部20及び表示部22を備えている(
図2も参照)。入力部20は、タッチパネルを含み、各種の情報の入力を行うために使用される。また、表示部22は、液晶ディスプレイ及び有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイを含み、各種の情報を表示する。なお、入力部20及び表示部22を、タッチパネルディスプレイとして一体的に構成しても良い。
【0038】
第1収容部24A及び第2収容部24Bは、画像形成部6により画像が形成された用紙を収容するための大容量スタッカー(HCS:High Capacity Stacker)であり、画像変換装置50は、受け付けた画像情報を、画像形成部6に応じたデバイス依存色空間の画像情報に変換する装置である。
【0039】
次に、本実施形態に係る画像変換装置50のハードウェア構成を説明する。
図2に示すように、本実施形態に係る画像変換装置50は、CPU(Central Processing Unit)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、及び通信I/F部18はバスB1を介して互いに接続されている。CPU11は、プロセッサの一例である。
【0040】
記憶部13はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、特性別分類プログラム13A及び画像変換プログラム13Bが記憶されている。CPU11は、特性別分類プログラム13A及び画像変換プログラム13Bを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、特性別分類プログラム13A及び画像変換プログラム13Bが有するプロセスを順次実行する。また、記憶部13には、特色用出力プロファイルデータベース13C及び一般色用出力プロファイルデータベース13Dが記憶されている。特色用出力プロファイルデータベース13C及び一般色用出力プロファイルデータベース13Dについては詳細を後述する。
【0041】
通信I/F部18には、上述したUI部15及びパーソナルコンピュータ等の外部装置16が接続されている。従って、CPU11は、UI部15及び外部装置16と各種情報を送受信することができる。
【0042】
次に、本実施形態に係る画像変換装置50の機能的な構成について説明する。
図3に示すように、画像変換装置50は、受付部11A、制御部11B、分類部11C、及び実行部11Dを含む。画像変換装置50のCPU11が、特性別分類プログラム13A及び画像変換プログラム13Bを実行することで、受付部11A、制御部11B、分類部11C、及び実行部11Dとして機能する。
【0043】
本実施形態に係る受付部11Aは、画像情報を受け付ける。なお、本実施形態に係る受付部11Aでは、外部装置16を介して画像情報を受け付けるが、この形態に限らない。例えば、UI部15を介して当該画像情報を受け付ける形態としてもよい。
【0044】
また、本実施形態に係る制御部11Bは、受付部11Aで受け付けた画像情報により示される画像を複数種類の用紙のうちの何れかの用紙に形成する場合、当該用紙の特性に応じた出力変換情報を記憶部13から読み出し、読み出した出力変換情報を用いて、受け付けた画像情報を、画像形成部6に応じたデバイス依存色空間の画像情報に変換するように制御する。なお、本実施形態では、上記出力変換情報として、複数の出力プロファイル情報を適用している。また、本実施形態における前記画像形成部に応じたデバイス依存色空間の画像情報は、金属色成分の情報を含んでいる。また、本実施形態では、受け付けた画像情報と画像形成部6に応じたデバイス依存色空間の画像情報との各々のデバイス依存色空間は、同一の色空間及び異なる色空間の何れの場合でも対応可能である。
【0045】
また、本実施形態に係る分類部11Cは、上記複数種類の用紙間の各特性の類似度が所定閾値以上の用紙の種類毎に当該複数種類の用紙を分類する。
【0046】
そして、本実施形態に係る実行部11Dは、分類部11Cによる分類結果に応じて、出力変換情報の数を、用紙の種類数より少ない数とするための予め定められた処理を実行する。なお、本実施形態に係る実行部11Dでは、上記予め定められた処理として、分類部11Cによる分類結果を用いて、各分類毎に1つの出力変換情報が記憶部13に記憶されるようにする処理、及び各分類毎に対応付ける出力変換情報を提案する処理を実行する。
【0047】
次に、本実施形態に係る特色用出力プロファイルデータベース13Cについて説明する。
図4に示すように、本実施形態に係る特色用出力プロファイルデータベース13Cは、用紙プロファイル、用紙種類、及び特色用出力プロファイルの各情報が関連付けられて記憶されている。
【0048】
上記用紙プロファイルは、用紙の種類毎に分類された用紙プロファイルの名称を示す情報であり、上記用紙種類は、対応する用紙プロファイルに属する用紙の種類を示す情報である。また、上記特色用出力プロファイルは、対応する用紙プロファイルに属する用紙に対して特色の画像を形成する場合に適用される、受付部11Aで受け付けた画像情報が特色を示す画像である場合に、画像形成部6に応じたデバイス依存色空間の画像情報に変換する情報である。
【0049】
一般的に、特色とはあらかじめ決められた色を再現するために調合された特別なインクを指す用語であり、デジタル印刷の場合、そのような特色を表現するために、プロセスカラーであるイエロー、マゼンタ_、シアン、ブラックをどのように配合して表現するかを定義しておくことで、特色を再現する場合がある。この際、特色をより高度に再現するために、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの標準的なプロセスカラーに加えて、金色成分、銀色成分をトナー等とともに配合したり、オレンジやピンクなどのプロセスカラーで再現しにくい色を出すための特別なトナーをともに配合したりすることもある。そのため、上記特色用出力プロファイルで定義するデバイス依存色空間は、金色成分や銀色成分を含む金属色成分を含む色空間としてもよいし、金属色成分ではなく、白色成分や蛍光色成分等を含む色空間としてもよい。
【0050】
すなわち、特色用出力プロファイルではイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各プロセスカラー色成分の割合に加えて、金属色成分として金色あるいは銀色の成分の配合量や割合も定義することができる。特に金属色成分を配合して特色を表現する場合に、金属色成分を、プロセスカラーのトナー層の上位の層に形成して再現するか、下位の層に形成して再現するかによって色の再現され方が変わる場合があるため、金属色成分による層形成がプロセスカラー層の上位か下位かを定義するようにしてもよい。
【0051】
次に、本実施形態に係る一般色用出力プロファイルデータベース13Dについて説明する。
図5に示すように、本実施形態に係る一般色用出力プロファイルデータベース13Dは、用紙プロファイル、用紙種類、及び一般色用出力プロファイルの各情報が関連付けられて記憶されている。
【0052】
上記用紙プロファイル及び用紙種類は、特色用出力プロファイルデータベース13Cと同様の情報であり、上記一般色用出力プロファイルは、対応する用紙プロファイルに属する用紙に対して一般色の画像を形成する場合に適用される、受付部11Aで受け付けた画像情報が一般色を示す画像、または、特色を示し、かつ、特色用出力プロファイルを用いてデバイス非依存色空間で定義された場合に、画像形成部6に応じたデバイス依存色空間の画像情報に変換する情報である。
【0053】
なお、上述したように、本実施形態では、分類部11Cによって用紙の特性の類似度に応じて用紙を分類した用紙プロファイルを設定して、用紙プロファイルに出力プロファイルを対応付けることができ、実行部11Dによって出力プロファイルの数を、用紙の種類数より少ない数とするための処理を実行している(以下、これらの処理を「特性別分類処理」と総称する。)が、
図4及び
図5は当該特性別分類処理を実行する前の状態の一例が図示されている。
【0054】
次に、
図6~
図12を参照して、本実施形態に係る画像変換装置50の作用を説明する。まず、
図6、
図7を参照して、特性別分類処理を実行する場合の画像変換装置50の作用を説明する。ユーザによって特性別分類プログラム13Aの実行を開始する指示入力が入力部20を介して行われた場合に、画像変換装置50のCPU11が特性別分類プログラム13Aを実行することにより、
図6に示す特性別分類処理が実行される。なお、本実施形態では、画像変換装置50が、画像形成装置10が対応している用紙の種類毎の特性(本実施形態では、用紙の名称及び用紙の表面のコーティングの有無の各特性)を示す情報(以下、「用紙特性情報」という。)を記憶部13に予め記憶している場合について説明する。また、本実施形態では、画像形成装置10に対して新たな種類の用紙(以下、「新規用紙」という。)を対応させる場合における、当該新規用紙の上記特性を示す情報(以下、「新規用紙特性情報」という。)も記憶部13に予め記憶している場合について説明する。また、ここでは、錯綜を回避するため、特色用出力プロファイルデータベース13C及び一般色用出力プロファイルデータベース13Dが構築済みである場合について説明する。
【0055】
図6のステップ200で、CPU11は、本処理が初めて実行されるのか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ202へ移行する。ステップ202で、CPU11は、上述した用紙特性情報を記憶部13より読み出す。
【0056】
ステップ204で、CPU11は、ステップ202で読み出した用紙特性情報を用いて画像形成装置10が対応している用紙間の特性の類似度を導出し、当該類似度が所定閾値以上の用紙の種類毎に用紙を分類する分類処理を行う。以下、当該分類処理を詳細に説明する。
【0057】
まず、用紙間の類似度Rの導出方法について説明する。
【0058】
CPU11は、2種類の用紙間の名称が一致しているか否かを示す名称の一致度N及び当該2種類の用紙間の表面のコーティングの有無が一致しているか否かを示すコーティングの有無の一致度Tを用いて、類似度Rを、次の式(1)により導出する。
【0059】
R=N+T (1)
【0060】
なお、本実施形態では、用紙の名称が一致していれば一致度Nを1とし、一致していなければ一致度Nを0とする。また、本実施形態では、用紙の表面のコーティングの有無が一致していれば一致度Tを1とし、一致していなければ一致度Tを0とする。
【0061】
式(1)で示すように、本実施形態では、類似度Rとして、一致度N及び一致度Tの合計値を適用しているが、これに限らない。一致度N及び一致度Tの相加平均値や加重平均値を類似度Rとして適用してもよいし、一致度N及び一致度Tの何れか一方のみを類似度Rとして適用してもよい。なお、本実施形態では、用紙の類似度を決定するにあたり、用紙の名称やコーティングの有無を用紙の特性情報として用いた例を説明したが、それに限られるものではない。たとえば、用紙の地色の色、表面の平滑性、用紙の厚さ、光沢度、坪量など、その他の用紙の特性を組み合わせたり使用したりすることで用紙の類似度を導出してもよい。
【0062】
次に、CPU11は、類似度Rが予め定めた閾値(本実施形態では、2)以上となる用紙同士を1つのグループとし、各グループを単一の用紙プロファイルとして個別の用紙プロファイル名を割り当てる。なお、本実施形態では、前記予め定めた閾値として、ユーザにより予め設定された値を適用しているが、これに限らない。類似度Rの最大値や後述する画像変換処理に要求される色の精度等に応じて、自動的に閾値を設定する形態としてもよい。
【0063】
ステップ206で、CPU11は、ステップ204の分類処理による分類結果を用いて、予め定められた構成とされた分類結果画面を示す情報を作成し、作成した情報を用いて分類結果画面を表示するように表示部22を制御する。
【0064】
図7に示すように、本実施形態に係る分類結果画面では、ステップ204の分類処理による分類結果を示す情報として、用紙プロファイル名と、当該用紙プロファイル名の用紙プロファイルに属する用紙の種類とが関連付けられて表示される。一例として
図7に示す分類結果画面が表示部22に表示されると、ユーザは、入力部20を介して、分類処理による分類結果を特色用出力プロファイルデータベース13C及び一般色用出力プロファイルデータベース13D(以下、これらのデータベースを「出力プロファイルデータベース」と総称する。)に反映する場合は反映ボタン22Aを、上記分類結果を反映しない場合は非反映ボタン22Bを、各々指定する。
【0065】
そこで、ステップ208で、CPU11は、ユーザによって反映ボタン22A又は非反映ボタン22Bが指定されるまで待機する。
【0066】
ステップ210で、CPU11は、ユーザによって反映ボタン22Aが指定されたか否かを判定し、否定判定となった場合は本特性別分類処理を終了する一方、肯定判定となった場合はステップ212へ移行する。
【0067】
ステップ212で、CPU11は、ステップ204の分類処理による分類結果を上記出力プロファイルデータベースに反映させる処理(以下、「分類反映処理」という。)を行い、その後に本特性別分類処理を終了する。なお、本実施形態では、上記分類反映処理として、類似度Rが予め定めた閾値以上となる用紙同士を同一のグループに纏める処理を行う。より具体的には、複数の用紙が同一のグループとなった場合は、当該グループの中心的な用紙の用紙プロファイルに当該グループの残りの用紙を統合する処理(本実施形態では、出力プロファイルデータベースの当該中心的な用紙の「用紙種類」に、当該残りの用紙の種類を示す情報を含める処理)を行い、当該残りの用紙に対応して記憶されていた情報を出力プロファイルデータベースから削除する処理を行う。なお、類似度Rが上記閾値以上となる他の用紙が存在しない用紙については、何ら変更を行わない。本実施形態では、上記中心的な用紙として、類似度Rが上記閾値以上となる他の用紙の数が最も多い用紙を適用しているが、これに限るものではない。
【0068】
一方、ステップ200において否定判定となった場合はステップ214に移行し、CPU11は、上述した新規用紙特性情報を記憶部13から読み出す。ステップ216で、CPU11は、読み出した新規用紙特性情報に対応する新規用紙と、出力プロファイルデータベースに既に登録されている用紙プロファイル毎の用紙との間の類似度Rをステップ204の処理と同様に式(1)によって導出する。
【0069】
なお、この際、用紙プロファイル毎の用紙として複数の用紙が出力プロファイルデータベースに登録されている用紙プロファイルについては、当該複数の用紙のうち、類似度Rが上記閾値以上となる他の用紙の数が最も多い用紙を対象とする。そして、CPU11は、導出した類似度Rが最も大きな値となる既登録の用紙プロファイルを特定する。
【0070】
ステップ218で、CPU11は、ステップ216で特定した既登録の用紙プロファイルに新規用紙を統合する処理をステップ212の処理と同様に行い、その後に本特性別分類処理を終了する。なお、本実施形態に係る特性別分類処理は、ステップ206~ステップ210を省略し、ステップ204で分類した結果を自動的に上記出力プロファイルデータベースに反映する形態としてもよい。
【0071】
次に、
図8~
図11を参照して、画像変換処理を実行する場合の画像変換装置50の作用を説明する。ユーザによって画像変換プログラム13Bの実行を開始する指示入力が入力部20を介して行われた場合に、画像変換装置50のCPU11が画像変換プログラム13Bを実行することにより、
図8に示す画像変換処理が実行される。
【0072】
なお、ここでは、錯綜を回避するために、画像変換処理の処理対象として、特色により形成する画像(以下、「オブジェクト画像」という。)が複数含まれた画像を示す画像情報(以下、「処理対象画像情報」という。)が、適用する特色の名称を示す情報(以下、「適用特色情報」という。)に対応付けられて外部装置16を介して記憶部13に記憶されている。また、上述した特性別分類処理を経た特色用出力プロファイルデータベース13C及び一般色用出力プロファイルデータベース13Dが構築済みである場合について説明する。さらに、錯綜を回避するために、オブジェクト画像を形成する用紙の種類を示す情報(以下、「形成対象用紙情報」という。)が、予めユーザによってUI部15又は外部装置16を介して指定され、記憶部13に記憶されている場合について説明する。
【0073】
図8のステップ400で、CPU11は、処理対象画像情報及び当該処理対象画像情報に対応付けられた適用特色情報を記憶部13から読み出し、ステップ402で、CPU11は、読み出した情報を用いて、1つのオブジェクト画像(以下、「処理対象オブジェクト画像」という。)を対象として、予め定められた構成とされた特色登録画面を示す情報を作成し、作成した情報を用いて特色登録画面を表示するように表示部22を制御する。
【0074】
図9に示すように、本実施形態に係る特色登録画面では、特色の名称が表示される表示領域22C(
図9に示す例では、「PANTONE 877C」(PANTONEはパントンエルエルシーの登録商標))、特色をデバイス非依存色空間の一例としてLab色空間のL
*a
*b
*値のみで定義した場合の値を表示するための表示領域22D(
図9に示す例では、各値のデフォルト値として0を表示)、特色をデバイス依存色空間の一例としてCMYK値のみで定義した場合の値を表示するための表示領域22E(
図9に示す例では、各値のデフォルト値として0を表示)、及び特色をL
*a
*b
*値とCMYK値のどちらで定義するかを指定するための選択指定領域22Fが表示される。なお、表示領域22Dは、特色をXYZ値やL
*C
*h
*値等で定義した場合の値を表示するための領域とする形態としてもよいし、表示領域22Eは、特色をCMY値等で定義した場合の値を表示するための領域とする形態としてもよい。
【0075】
また、本実施形態に係る特色登録画面では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック以外の特殊色の現像剤を使用するか否かを指定するための選択指定領域22Gが表示される。また、本実施形態に係る特色登録画面では、選択指定領域22Gが指定された場合における、特色をCMYK値で定義した場合の値を表示するための表示領域22H(
図9に示す例では、「C=4.54、M=4.91、Y=0.65、K=0.00」を表示)、特殊色の現像剤の配置、色の種類及び量を定義した値を表示するための表示領域22I(
図9に示す例では、用紙上の最背面に銀色の特殊色の現像剤を100%使用する場合を表示)及び表示領域22D、22E、22H、22Iで定義された値に応じた特色を表示するための表示領域22Jが表示される。
図9に示す例では、選択制定領域22Gがユーザによって指定された状態が示されている。なお、表示領域22Hは、選択指定領域22Gが指定された場合に、特色をCMY値等で定義した場合の値を表示するための領域とする形態としてもよい。
【0076】
表示領域22Jでは、選択指定領域22FでL
*a
*b
*値での定義が指定された場合、表示領域22Dに表示されたL
*a
*b
*値をRGB値に変換し、当該RGB値による色が表示される。また、表示領域22Jでは、選択指定領域22FでCMYK値での定義が指定された場合、表示領域22Eに表示されたCMYK値をRGB値に変換し、当該RGB値による色が表示される。さらに、表示領域22Jでは、選択指定領域22Gが指定された場合、表示領域22Hに表示されたCMYK値から変換したRGB値と、表示領域22Iに表示された特殊色の現像剤の量から変換したRGB値とを合成し、これによって得られた色が表示される。ユーザは表示領域22Jを参照しながら、入力部20を介して、表示領域22D、22E、22H、22Iに配置された、隣接する値を増減させるための増減ボタン(
図9に示す例では、「+」ボタン及び「-」ボタン)を操作することにより、特色の色味の調整を行う。
【0077】
ユーザは、表示領域22Jに表示された特色の色を参照しつつ、必要に応じて対応する値を調整し、処理対象オブジェクト画像の色として所望の色となった場合に、入力部20を介して登録ボタン22Kを指定する。
【0078】
そこで、ステップ404で、CPU11は、ユーザによって登録ボタン22Kが指定されるまで待機し、ステップ406で、CPU11は、特色登録画面でユーザによって指定された情報を、処理対象オブジェクト画像の色情報として記憶部13の所定領域に記憶する。
【0079】
ステップ408で、CPU11は、印刷指示に含まれている(あるいはユーザーがUI部15で設定した)印刷に使われる用紙の情報である形成対象用紙情報を記憶部13から読み出すことで、処理対象オブジェクト画像を形成する用紙の種類を特定し、ステップ410で、CPU11は、ステップ406の処理で記憶した色情報が、デバイス依存色空間で定義された情報か否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ412へ移行する。ステップ412で、CPU11は、ステップ408の処理で特定した用紙の種類に対応する特色用出力プロファイル情報を特色用出力プロファイルデータベース13Cから読み出す。
【0080】
ステップ414で、CPU11は、ステップ406の処理で記憶された色情報及びステップ412の処理で読み出した特色用出力プロファイル情報を用いて、処理対象オブジェクト画像の色情報を、画像形成部6に応じたデバイス依存色空間の色情報に変換し、後述するステップ420へ移行する。
【0081】
一方、ステップ410で否定判定となった場合はステップ416へ移行し、ステップ416で、CPU11は、ステップ408の処理で特定した用紙の種類に対応する一般色用出力プロファイル情報を一般色用出力プロファイルデータベース13Dから読み出す。
【0082】
ステップ418で、CPU11は、ステップ406の処理で記憶した色情報及びステップ416の処理で読み出した一般色用出力プロファイル情報を用いて、処理対象オブジェクト画像の色情報を、画像形成部6に応じたデバイス依存色空間の色情報に変換し、ステップ420へ移行する。
【0083】
ステップ420で、CPU11は、ステップ414又はステップ418の処理で変換した色情報を記憶部13の所定領域に記憶し、ステップ422で、CPU11は、全てのオブジェクト画像についてステップ402~ステップ420の処理を実行したか否かを判定する。ステップ422で、否定判定となった場合はステップ402へ戻る一方、肯定判定となった場合は本画像変換処理を終了する。
【0084】
このように、本実施形態に係る画像変換処理では、特色登録画面を介して、処理対象オブジェクト画像の色情報をデバイス依存色空間の色情報として登録した場合は、一例として
図10に示すように、オブジェクト画像を形成する用紙の特性に応じた出力プロファイル(
図10に示す例では、「特色用出力プロファイルT2」)によって、当該色情報は画像形成部6に応じたデバイス依存色空間の情報に変換される。
【0085】
一方、本実施形態に係る画像変換処理では、特色登録画面を介して、処理対象オブジェクト画像の色情報をデバイス非依存色空間の色情報として登録した場合は、一例として
図11に示すように、オブジェクト画像を形成する用紙の特性に応じた出力プロファイル(
図11に示す例では、「一般色用出力プロファイルG2」)によって、当該色情報は画像形成部6に応じたデバイス依存色空間の情報に変換される。
【0086】
なお、本実施形態に係る画像変換処理は、1つの画像情報に対して、繰り返し行われる処理であるため、例えば、種類が各々異なる複数枚の用紙に対して画像を形成する場合、CPU11は各用紙毎で、かつ、画像情報が示す画像毎に画像変換処理を実行する。
【0087】
なお、ユーザは、画像変換処理のステップ406の処理によって記憶された特色の色情報の一覧を、特色確認画面によって確認することができる。一例として、
図12に示すように、本実施形態に係る特色確認画面では、特色のブランドの名称を入力するための入力領域22Lが表示される。
【0088】
図12に示す特色確認画面が表示部22に表示されると、ユーザは、入力部20を介して、特色のブランドの名称を入力領域22Lに入力した後、表示ボタン22Mを指定する。ユーザが、表示ボタン22Mを指定すると、本実施形態に係る特色確認画面では、入力領域22Lに入力されたブランドに各々対応する、色、特色名、L
*a
*b
*値、CMYK値、及び特殊色の現像剤の有無が対応付けられて表示される。上記特色名は、対応する特色の名称であり、上記色は、対応する特色の色である。上記特殊色の現像剤の有無は、上記特色名に対応した特色が特殊色の現像剤を使用しているか否かを示す情報である。
【0089】
なお、上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0090】
また、上記実施の形態では、特性別分類プログラム13A及び画像変換プログラム13Bプログラムが記憶部13に予め記憶されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、特性別分類プログラム13A及び画像変換プログラム13Bプログラムが、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の記憶媒体に格納されて提供される形態、又はネットワークを介して提供される形態としてもよい。
【0091】
また、上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0092】
その他、上記実施形態で説明した画像変換装置及び画像変換プログラムの構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0093】
また、上記実施形態で説明した各種プログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0094】
さらに、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実施形態に係る処理を実現してもよい。
【符号の説明】
【0095】
6 画像形成部
8 供給部
10 画像形成装置
11 CPU
11A 受付部
11B 制御部
11C 分類部
11D 実行部
12 メモリ
13 記憶部
13A 特性別分類プログラム
13B 画像変換プログラム
13C 特色用出力プロファイルデータベース
13D 一般色用出力プロファイルデータベース
15 UI部
16 外部装置
18 通信I/F部
20 入力部
22 表示部
24A 第1収容部
24B 第2収容部
50 画像変換装置