(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】クレードル
(51)【国際特許分類】
H04M 1/04 20060101AFI20231219BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231219BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20231219BHJP
H04M 1/11 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
H04M1/04 A
H02J7/00 301B
H02J7/02 F
H04M1/11 Z
(21)【出願番号】P 2019233241
(22)【出願日】2019-12-24
【審査請求日】2022-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】堺 涼美
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-011463(JP,A)
【文献】特開2019-193469(JP,A)
【文献】特開平07-142094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/04
H02J 7/00
H02J 7/02
H01M 50/20
H04M 1/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末(100)を載置可能な載置部(30、230)を備えたクレードル(1、200)であって、
前記載置部の下側に
、バッテリ端子(111)を備えるバッテリパック(101)を収容可能な収容部(10、210)を備え、
前記収容部は、
前記クレードルの前側に
位置する開口部(20、220)
、
前記収容部の前端に位置し、前記収容部の床面(14、214)に沿って前記バッテリパックが前方向に移動することを抑制する前壁(21a、221a)、
前記収容部内にて前記床面に配置され、前記収容部に収容された前記バッテリパックが前側端面の下辺を前記前壁の下端に接触させた状態で前記バッテリ端子と接続される収容部端子(11、211)、を備えることを特徴とするクレードル。
【請求項2】
前記床面
は、前記開口部に向かって上向きに傾斜することを特徴とする請求項
1に記載のクレードル。
【請求項3】
前記収容部は、
前記床面の前後方向中心よりも前記開口部に近い側に、前記収容部端子を備えることを特徴とする請求項
1または
2に記載のクレードル。
【請求項4】
前記開口部から、前記収容部に収容された前記バッテリパックが突き当る位置までの
前記床面の長さは、前記バッテリパックの長手方向の長さよりも短いことを特徴とする請求項1~
3のいずれか1項に記載のクレードル。
【請求項5】
前記開口部から、前記収容部に収容された前記バッテリパックが突き当る位置までの前記収容部の左右の側面の長さは、前記バッテリパックの長手方向の長さよりも短いことを特徴とする請求項1~
3のいずれか1項に記載のクレードル。
【請求項6】
前記床面から前記クレードルの外部へ貫通する排出孔(15)を備えることを特徴とする請求項1~
5のいずれか1項に記載のクレードル。
【請求項7】
前記バッテリパックが前記収容部の
前記床面に沿って左右方向に移動したときに接触する左右の側壁(21
b)と、
左右の側壁を貫通し、かつ、前記開口部と連結する側面溝(40)
と、を備えることを特徴とする請求項
1~6のいずれか1項に記載のクレードル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末のバッテリパックを充電しながら載置する機能を備えたクレードルに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末を保持し、かつ、携帯端末に通電する機能を備えた通電保持器が知られている。特許文献1には、上記通電保持器であるクレードルが開示されている。特許文献1に開示されたクレードルは、携帯端末である情報端末機を保持して、当該情報端末機の充電とともに、データ転送などを行う。特許文献1に開示されたクレードルは、横置き型であり、携帯端末の表示部が上を向く姿勢で携帯端末が載置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のクレードルに、交換用のバッテリパックを載置しようとする場合、携帯端末の背後に置くことが考えられる。しかし、背後にバッテリパックを載置する部位を設けると、クレードルが後ろ側に延びて、クレードルを設置するために必要なスペースが大きくなる。
【0005】
クレードルを少ないスペースに載置するために、携帯端末を立てて置くことが考えられる。しかし、携帯端末を立てて、バッテリパックをその背後に置くと、前側からバッテリパックが視認しにくくなる。
【0006】
本開示は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、少ないスペースにクレードルを設置でき、かつ、バッテリパックが収容されているかを前側から視認しやすいクレードルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、開示した技術的範囲を限定するものではない。
【0008】
上記目的を達成するための1つの開示は、
携帯端末(100)を載置可能な載置部(30、230)を備えたクレードル(1、200)であって、
載置部の下側に、バッテリ端子(111)を備えるバッテリパック(101)を収容可能な収容部(10、210)を備え、
収容部は、
クレードルの前側に位置する開口部(20、220)、
収容部の前端に位置し、収容部の床面(14、214)に沿ってバッテリパックが前方向に移動することを抑制する前壁(21a、221a)、
収容部内にて床面に配置され、収容部に収容されたバッテリパックが前側端面の下辺を前壁の下端に接触させた状態でバッテリ端子と接続される収容部端子(11、211)、を備えることを特徴とする。
【0009】
クレードルの前側に開口部があるので、前側から、バッテリパックの存在を視認しやすくなる。また、載置部の下側に収容部があるので、携帯端末とバッテリパックは、お互いの収容スペースが上下に重っている。よって、これら載置部と収容部とが上下に全く重なっていない場合に比較して、クレードルの水平投影面積が小さくなるので、少ないスペースにクレードルを設置できる。
【0011】
この壁があると、クレードルが外部から衝撃を受けたときにおいても、収容されたバッテリパックが移動することが抑制され、収容部端子に接続可能な位置から外れることが抑制される。
【0013】
壁がクレードルの前端にあると、外部からの衝撃によって、バッテリパックが前方向へ移動することが抑制される。また、バッテリパックが、開口部から収容部の外へ落下することも抑制される。
【0014】
請求項2の発明は、
収容部の床面が開口部に向かって上向きに傾斜することを特徴とする。
【0015】
床面が傾斜していると、床面に載置されたバッテリパックは、重力により傾斜の下方へ移動するか、少なくとも上方に移動することが抑制される。これにより、バッテリパックは収容部の後ろ側に安定した状態で収容され、外部からの衝撃によるバッテリパックの収容部内での移動や、収容部の外への落下が抑制される。
【0016】
さらに、傾斜があると、バッテリパックが斜めに収容され、バッテリパックが水平に収容されている場合と比較して投影面積が小さくなるため、クレードルの投影面積を小さくでき、省スペース化に貢献する。
【0017】
請求項3の発明は、
収容部は、収容部の床面の前後方向中心よりも開口部に近い側に、収容部端子(11、211)を備えることを特徴とする。
【0018】
収容部端子が収容部の床面の前後方向中心よりも開口部に近い側にあると、ユーザーによって収容部端子が開口部から視認されやすくなるため、汚れや埃が見つかりやすい。
【0019】
さらに、収容部端子が収容部の床面の前後方向中心よりも開口部に近い側にあると、ユーザーの手や掃除道具が収容部端子に届きやすくなり、掃除がしやすい。
【0020】
請求項4の発明は、
開口部から、収容部に収容されたバッテリパックが突き当る位置までの収容部の床面の長さは、バッテリパックの長手方向の長さよりも短いことを特徴とする。
【0021】
収容部の床面の長さがバッテリパックの長手方向の長さよりも短いと、収容されている状態でバッテリパックの下面が収容部の床面から突出する。これにより、ユーザーは、バッテリパックを収容部から取り出すときに、突出したバッテリパックの下面を指で引っ掛けることで、バッテリパックを掴みやすくなる。
【0022】
請求項5の発明は、
開口部から、収容部に収容されたバッテリパックが突き当る位置までの収容部の左右の側面の長さは、バッテリパックの長手方向の長さよりも短いことを特徴とする。
【0023】
収容部の左右の側面の長さが、バッテリパックの長手方向の長さよりも短いと、収容されている状態のバッテリパックの左右の側面が収容部から突出する。これにより、ユーザーは、バッテリパックを収容部から取り出すときに、突出したバッテリパックの側面の一部を左右から掴むことができるので、バッテリパックを掴みやすくなる。
【0024】
請求項6の発明は、
収容部の床面からクレードルの外部へ貫通する排出孔(15)を備えることを特徴とする。
【0025】
収容部の床面から外部へ貫通する排出孔があると、収容部に侵入した液体や埃を、排出孔から排出することができる。
【0026】
請求項7の発明は、
バッテリパックが収容部の床面に沿って左右方向に移動したときに接触する左右の側壁(21b)と、
左右の側壁を貫通し、かつ、開口部と連結する側面溝(40)と、を備えることを特徴とする。
【0027】
この側面溝があると、クレードルは、載置部がある上側部分と、バッテリパックが載置される部分とが側面溝により隔てられる。収容部は、開口部からだけでなく側面溝からも通気され、バッテリパックの熱によって温められた空気が収容部内に留まることを抑制するため、収容されたバッテリパックの放熱性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】クレードル1に携帯端末とバッテリパックが載置された状態を示す斜視図
【
図3】クレードル1が携帯端末とバッテリパックを載置した状態を示す断面図
【
図6】携帯端末とバッテリパックを載置した状態を示すクレードル200の断面図
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1実施形態)
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態のクレードル1に携帯端末100が載置され、かつ、バッテリパック101が収容された状態を示す斜視図である。
【0030】
図1に示す携帯端末100は、例えば、バーコードや二次元コード等の情報コードを光学的に読み取るコードリーダとして機能する。携帯端末100の筐体内にコードリーダを構成するための回路基板や光源、レンズ、受光センサ、記憶装置等の各種電気部品が搭載されている。バッテリパック101は、携帯端末100が備える各種電気部品の電源として機能する充電可能な充電池を内蔵したものであり、携帯端末100に対して着脱可能になっている。
図1に示すバッテリパック101は交換用である。これとは別に、携帯端末100には、背面にバッテリパック101が装着されている。
【0031】
携帯端末100の底面には携帯端末端子110が設けられている。携帯端末100の底面は、
図3に示すように、携帯端末100の表示部140に表示された情報を見るために、携帯端末100が
図3に示す姿勢となった状態での底面である。また、携帯端末端子110は外部接続用の端子である。
【0032】
図2は携帯端末100を側面から見たときの部分断面図である。
図2に示すように、携帯端末100は、バッテリ端子111と接続する本体側端子120を備える。
【0033】
バッテリパック101の概略形状は、扁平な直方体形状である。バッテリパック101は、携帯端末100と電気的に接続するためにバッテリ端子111を備え、携帯端末100の背面に着脱可能に装着される。
【0034】
図3は、クレードル1に、携帯端末100が載置され、かつ、バッテリパック101が収容された状態を示す断面図である。クレードル1は、携帯端末100を載置する載置部30と、バッテリパック101を収容する収容部10を備える。
【0035】
載置部30は、クレードル1の上部に設けられ、携帯端末端子110に接続可能な載置部端子31を備える。載置部30は、載置部端子31の周囲に壁を備える。壁は、載置部端子31よりも高い位置に形成される。別な表現をすれば、載置部30は、上方が開口する穴形状であり、穴の底面に載置部端子31が配置されている。
【0036】
載置部30の前側の壁は、その上端が携帯端末100を載置した状態における表示部140の下端よりも低く形成される。したがって、ユーザーは、携帯端末100が載置部30に載置された状態でも、表示部140に表示される表示内容を確認できる。載置部30の左右の壁は、前後の壁よりも高く形成される。載置部30の前側及びクレードル1の前側とは、載置部30に携帯端末100が載置されたときに表示部140が向けられる側である。
【0037】
ユーザーが、携帯端末100をクレードル1の載置部30に載置する作業をするとき、ユーザーは携帯端末100の側面を載置部30の壁に沿わせるようにして載置部端子31と携帯端末端子110が接近する方向に携帯端末100を移動させていく。このとき、載置部30の壁は、載置部端子31と携帯端末端子110が接続される保持位置に携帯端末100を誘導するので、載置部端子31と携帯端末端子110の位置合わせが容易になる。
【0038】
載置部30の後ろ側の壁は、背もたれ32を兼ねる。背もたれ32は、携帯端末100を載置した状態において、携帯端末100の背面の一部を支える。携帯端末100の背面とは、携帯端末100の表示部140が備えられた側面の反対側の側面である。携帯端末端子110が載置部端子31に接続され、背面の一部が背もたれ32に支持される。背もたれ32が傾斜しているので、携帯端末100は、表示部140のある面を斜め上方に向けて、斜めに載置される。
【0039】
収容部10は、載置部30の下側に備えられる。収容部10は、床面14と、天井16と、壁21により区画される空間を備える。壁21は、収容部10の前端に形成された前壁21a、収容部10の側面の壁である側壁21b、および収容部10の奥の壁である奥壁21cを備える。
【0040】
載置部30の下側に収容部10があると、携帯端末100とバッテリパック101は、お互いの収容スペースが上下に重なる。この配置は、携帯端末100とバッテリパック101を、横(左右)や前後に並べて配置するよりも、クレードル1の投影面積が小さくなる。よって、少ないスペースにクレードルを設置できる。
【0041】
収容部10は、バッテリパック101を出し入れ可能な開口部20と、バッテリ端子111に接続可能な収容部端子11とを備える。バッテリ端子111は、携帯端末100の本体側端子120にも接続可能である。
【0042】
収容部10は、天井16の傾斜角が床面14の傾斜角より大きく、奥壁21cから開口部20に近づくにつれて上下方向の空間が広くなる形状である。なお、傾斜角は水平面に対する角度である。
【0043】
開口部20は、クレードル1の前側に設けられる。クレードル1の前側は、携帯端末100を載置した状態において、表示部140の向く側と同じである。
【0044】
クレードル1の前側に開口部20があると、前側からバッテリパック101の存在を視認することが容易である。
【0045】
壁21は、収容されたバッテリパック101が移動して、そのバッテリパック101のバッテリ端子111が収容部端子11に接続されている位置から移動することを抑制する。
【0046】
第1実施形態において、クレードル1の前端に形成された前壁21aは、収容部10に収容された状態のバッテリパック101の前側の端面との間に僅かな隙間が生じる位置に形成されており、バッテリパック101の前側の端面の下辺と前壁21aの下端は接している。前壁21aは、その周囲の部分と同じ樹脂製であり、
図1のとおり開口部20の下辺から上方へ延出している横長の板形状であって、1対形成されている。
【0047】
1対の前壁21aの間には左右方向の隙間がある。前壁21aの高さは、バッテリパック101の厚みと同程度である。前壁21aの高さは、収容部10の床面14の延長線上にある前壁21aの根本から上端までの長さをいう。
【0048】
1対の前壁21aの間に左右方向の隙間がある部分は、空間が下方にも延びており、凹み部22が形成されている。凹み部22は、床面14を延長した平面よりも下方にあり、クレードル1の前端面に形成されている。
【0049】
前壁21aにより、収容部10に収容されたバッテリパック101は、前側への移動が抑制される。また、第1実施形態においては、右側及び左側の側壁21b、開口部20に対向する壁である奥壁21cは、バッテリパック101の移動を抑制する機能を兼ねている。つまり、壁21は移動抑制部である。
【0050】
移動抑制部である壁21があると、クレードル1が外部から衝撃を受けたときにおいても、収容されたバッテリパック101が、移動することが抑制され、バッテリ端子111が収容部端子11に接続されている位置からずれてしまうことが抑制される。外部からの衝撃とは、例えば、載置部30に携帯端末100を乱雑に載置したときなどが考えられる。
【0051】
前壁21aにより、外部からの衝撃によって、バッテリパック101が前方向へ移動することが抑制される。また、バッテリパック101が、開口部20から収容部10の外へ落下することも抑制される。
【0052】
奥壁21cにより、外部からの衝撃による後ろ方向へのバッテリパック101の移動が抑制される。左右の側壁21bにより、外部からの衝撃による左右方向へのバッテリパック101の移動が抑制される。
【0053】
収容部10の床面14が傾斜していることでも、収容されたバッテリパック101の移動および落下が抑制される。収容部10の床面14が傾斜状になっているので、バッテリパック101も斜めに収容される。
【0054】
床面14が傾斜していると、床面14に載置されたバッテリパック101は、重力により傾斜の下方へ移動するか、少なくとも上方に移動することが抑制される。これにより、バッテリパック101は収容部10の奥壁21cに少なくとも一部が接する位置で、安定して収容される。これにより、外部からの衝撃によるバッテリパック101の収容部10内での移動や、収容部10の外への落下が抑制される。
【0055】
奥壁21cは、収容部10収容された状態のバッテリパック101が、それ以上クレードル1の後ろ側に移動することを防ぐ部分である。
【0056】
さらに、床面14が傾斜していると、バッテリパック101が斜めに収容され、バッテリパック101が水平に収容されている場合と比較して、クレードル1の水平投影面積を小さくでき、省スペース化に貢献する。
【0057】
収容部端子11は、収容部10の床面14の前後方向中心よりも開口部20に近い位置、より詳しくは、床面14を長手方向に4つに分割したときの最も開口部20側の部分に設けられる。収容部端子11がこの位置に設けられると、ユーザーは開口部20の外から収容部端子11を視認可能である。収容部端子11は、バッテリパック101が備えるバッテリ端子111と接続される。このとき、バッテリパック101は、奥壁21cに少なくとも一部が接する。
【0058】
収容部端子11が床面14の前後方向中心よりも前側にあると、ユーザーによって収容部端子11が開口部20から視認されやすくなるため、汚れや埃が見つかりやすい。さらに、収容部端子11が前側にあると、ユーザーの手や掃除道具が収容部端子11に届きやすくなり、掃除がしやすい。
【0059】
開口部20から奥壁21cまでの床面14の長さは、バッテリパック101の長手方向の長さよりも短い。このため、収容されている状態のバッテリパック101の下面の一部が収容部10から突出する。
【0060】
ユーザーは、バッテリパック101を収容部10から取り出すときに、バッテリパック101の収容されている状態の下面のうち床面14から突出した部分を指で引っ掛けることで、バッテリパック101を掴みやすくなる。
【0061】
収容部10は、液体や埃の排出するための排出孔15を備える。排出孔15は、収容部10の床面14のうち、最も低い位置から、クレードル1の底面へ貫通して形成される。
【0062】
収容部10の床面14からクレードル1の底面へ貫通する排出孔15があると、収容部10に侵入した液体や埃を、排出孔15から排出することができる。
【0063】
排出孔15が収容部10の最も低い位置に形成されているので、収容部10へ侵入した液体や埃などは、排出孔15を通じて、クレードル1の外へ排出され易い。
【0064】
図4は、クレードル1の外観図である。
図4や
図1に示す通り、クレードル1は、収容部10と外部を連通する側面溝40を備える。この側面溝40は、側壁21bを貫通しており、開口部20と連結する。そのため、クレードル1は、載置部30がある上側部分と、バッテリパック101が載置される床面14がある下側かつ前側部分とが、側面溝40により隔てられている。
【0065】
この側面溝40があると、収容部10は、開口部20からだけでなく側面溝40からも通気され、バッテリパック101の熱によって温められた空気が収容部10内に留まることを抑制するため、収容されたバッテリパック101の放熱性が向上する。
【0066】
また、収容部10の床面14は傾斜しているため、収容部10に入り込んでしまった埃は収容部10の底に溜まる。側面溝40があることで、収容部10の底に溜まった埃を、側面溝40を通してクレードル1の外部に容易に排出することもできる。
【0067】
図3に示す通り、クレードル1は、内部に、電源と接続する電源基板51と、載置部端子31と接続する載置部基板52と、収容部端子11と接続する収容部基板53とを備える。
【0068】
載置部基板52と収容部基板53は、それぞれが導電性のケーブルを介して電源基板51と電気的に接続している。導電性のケーブルは、たとえばフレキシブルケーブルである。
【0069】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態以下の説明において、それまでに使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、それ以前の実施形態における同一符号の要素と同一である。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分については先に説明した実施形態を適用できる。
【0070】
図5は、第2実施形態におけるクレードル200がバッテリパック101を収容した状態を示す斜視図である。
【0071】
図6は、第2実施形態において携帯端末100およびバッテリパック101を載置した状態を示すクレードル200の断面図である。クレードル200は、携帯端末100を載置する載置部230と、バッテリパック101を収容する収容部210を備える。
【0072】
載置部230は、クレードル200の上部に設けられ、携帯端末端子110に接続可能な載置部端子231を備える。
【0073】
載置部230は、載置部端子231の周囲に壁を備える。壁は、載置部端子31よりも高い位置に形成される。載置部230の前側の壁は、その上端が携帯端末100を載置した状態における表示部140の下端よりも低く形成される。
【0074】
後ろ側の壁は、背もたれ232を兼ねる。背もたれ232は、携帯端末100を載置した状態において、携帯端末100の背面の一部を支える。携帯端末端子110が載置部端子231に接続され、背面の一部が背もたれ232に支持され、この背もたれ232が傾斜しているので、携帯端末100が、表示部140のある面を斜め上方に向けて、斜めに載置されるように形成される。
【0075】
前の壁は、携帯端末100の前側を引っ掛けて止める係止部235を備える。載置部230に載置された携帯端末100は、係止部235にその一部が引っかかると、前側へ動くことが抑制される。
【0076】
載置された携帯端末100は、係止部235と背もたれ232に前後から挟まれることで、起立して載置されることが可能となる。
【0077】
収容部210は、載置部230の下側に備えられる。収容部210は、床面214と天井216と壁221により区画される空間を備える。壁221は、収容部210の前端に形成された前壁221a、収容部10の側面の壁である側壁221b、および収容部10の奥の壁である奥壁221cを備える。
【0078】
収容部210はバッテリパック101を出し入れ可能な開口部220と、バッテリ端子111に接続可能な収容部端子211とを備える。開口部220は、クレードル200の前側に設けられる。開口部220の位置は、より詳しくは、側壁221bおよび天井216の前端がある位置である。
【0079】
収容部210は、天井216が開口部220に近づくにつれて上方に位置する傾斜を有している一方、床面214はクレードル200の底面と平行である。よって、収容部210は、奥壁221cから開口部220に近づくにつれて上下方向の空間が広くなる形状である。
【0080】
床面214は、開口部220よりもクレードル200の前側に突き出している。収容部端子211は、収容部210の床面214の中央よりも開口部220に近い位置に設けられる。より詳しくは、収容部端子211は、床面214において、開口部220よりもクレードル200の前側に突き出している部分に設けられている。よって、ユーザーは収容部端子211を容易に視認可能である。収容部端子211は、収容部210にバッテリパック101が収容され、バッテリパック101の一部が奥壁221cに接する位置になっているとき、バッテリパック101と接続される。
【0081】
壁221は、収容部210に収容されたバッテリパック101が、収容部端子211に接続可能な位置から移動することを抑制する。前壁221aは、床面214を上面とする底板部240の前端に形成されている。前壁221aは、収容部210に収容されたバッテリパック101が、前方向に移動してしまい収容部210から落下することを抑制する落下防止部も兼ねている。特に、床面214はクレードル200の底面と平行であるので、前壁221aがない場合、バッテリパック101が前方向に移動しやすい。しかし、前壁221aがあるため、バッテリパック101の前方向への移動が抑制される。
【0082】
前壁221aは、収容部210に収容された状態のバッテリパック101の前側の端面との間に僅かな隙間が生じる位置に形成されており、バッテリパック101の前側の端面の下辺と前壁221aの下端は接している。
図5のとおり、前壁221aは、1対備えられており、底板部240の前端240aにおける左右方向の端から、さらに、クレードル200の前方向に突き出している。1対の前壁221aの間には左右方向の隙間がある。前壁221aの前端面を基準にすると、底板部240の前端240aはクレードル200の後方向に凹んでいることになる。
【0083】
開口部220から(換言すれば前端240aから)奥壁221cまでの床面214の長さは、バッテリパック101の長手方向の長さよりも短い。このため、収容されている状態のバッテリパック101の下面の一部が収容部210から突出する。
【0084】
開口部220から奥壁221cまでの左右の側壁221bの長さは、バッテリパック101の長手方向の長さよりも短い。このため、収容されている状態のバッテリパック101の側面の一部が収容部210から突出する。
【0085】
バッテリパック101の下面の一部が収容部210から突出すると、ユーザーは、バッテリパック101を収容部210から取り出すときに、突出したバッテリパック101の収容されている状態の下面を指で引っ掛けることで、バッテリパック101を掴みやすくなる。
【0086】
バッテリパック101の側面の一部が収容部210から突出すると、ユーザーは、バッテリパック101を収容部210から取り出すときに、突出したバッテリパック101の収容されている状態における側面の一部を左右から掴むことができるので、バッテリパック101を掴みやすくなる。
【0087】
クレードル200は、電源と接続する電源基板251と、載置部端子231と接続する載置部基板252とを備える。載置部基板252は、導電性のケーブルを介して電源基板251と電気的に接続している。
【0088】
以上、実施形態を説明したが、開示した技術は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の変形例も開示した範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
【0089】
(変形例1)
実施形態では、奥壁21c、221cが、バッテリパック101を収容部10、210の奥側へ移動することを抑制していた。しかし、奥壁21c、221cよりも前側に、床面14、214から突き出す突起を設け、この突起により、バッテリパック101を収容部10、210の奥側へ移動することを抑制してもよい。
【0090】
(変形例2)
第2実施形態のクレードル200にも、第1実施形態のクレードル1と同様に、収容部210の最奥部に、底板部240を厚み方向に貫通する排出孔が形成されていてもよい。
【0091】
(変形例3)
第1実施形態のように、床面14が開口部20に向かって傾斜している場合、前壁21aを省略してもよい。
【符号の説明】
【0092】
1:クレードル 10:収容部 11:収容部端子 14:床面 15:排出孔 16:天井 20:開口部 21:壁 21a:前壁 21b:側壁 21c:奥壁 22:凹み部 30:載置部 31:載置部端子 32:背もたれ 40:側面溝 51:電源基板 52:載置部基板 53:収容部基板 100:携帯端末 101:バッテリパック 110:携帯端末端子 111:バッテリ端子 120:本体側端子 140:表示部 200:クレードル 210:収容部 211:収容部端子 214:床面 216:天井 220:開口部 221:壁 221a:前壁 221b:側壁 221c:奥壁 230:載置部 231:載置部端子 232:背もたれ 235:係止部 240:底板部 240a:前端 251:電源基板 252:載置部基板