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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】電子ミラー
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/20 20220101AFI20231219BHJP
   B60R 1/26 20220101ALI20231219BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
B60R1/20 100
B60R1/26 100
H04N7/18 J
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019238118
(22)【出願日】2019-12-27
(65)【公開番号】P2021104792
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】723005698
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】永座 強
(72)【発明者】
【氏名】光田 寛
(72)【発明者】
【氏名】田近 清
(72)【発明者】
【氏名】近藤 秀昭
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-058801(JP,A)
【文献】特開2018-052215(JP,A)
【文献】特開2019-125894(JP,A)
【文献】国際公開第2011/148455(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/061739(WO,A1)
【文献】特開2010-039953(JP,A)
【文献】特開2018-085584(JP,A)
【文献】特開2012-229001(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/00
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の後方を撮影するカメラと、
前記カメラにより撮影した映像を表示する第1部分と前記車両の後部に位置する物の固定画像を表示する第2部分とを含む表示映像を合成する画像処理部と、
前記画像処理部により合成された前記表示映像を表示する表示部と、を備え、
前記画像処理部は、前記第2部分の場所に応じて、第1ぼかし度合によるぼかしと、前記第1ぼかし度合よりもぼかし度合が強い第2ぼかし度合によるぼかしとに、ぼかし度合を変更して、前記第1ぼかし度合および前記第2ぼかし度合により前記固定画像をぼかすように構成されている、電子ミラー。
【請求項2】
前記画像処理部は、前記表示部から前記固定画像に対応する前記車両の後部に位置する物までの距離に応じて、前記固定画像のぼかし度合を変更するように構成されている、請求項1に記載の電子ミラー。
【請求項3】
前記画像処理部は、前記第1部分および前記第2部分の境界の前記車両の後部に位置する物と前記表示部との距離に応じて、前記第1部分および前記第2部分の境界線の太さを変更するように構成されている、請求項1または2に記載の電子ミラー。
【請求項4】
前記画像処理部は、前記車両の周辺の照度に基づいて、前記固定画像のぼかし度合を算出するためのぼかし係数を変更するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の電子ミラー。
【請求項5】
前記画像処理部は、前記車両の運転者の前記表示部への視点から前記固定画像の各部分までの距離に基づいて、前記固定画像の各部分のぼかし度合を変更するように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の電子ミラー。
【請求項6】
前記画像処理部は、前記車両の方向転換の方向に基づいて、方向転換側に画角をシフトさせて前記表示映像を合成するとともに、前記方向転換側の前記固定画像のぼかし度合を弱めるように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の電子ミラー。
【請求項7】
前記画像処理部は、前記第1部分に左右方向に延びる複数の平行なガイド線を重ね合わせて表示するとともに、前記複数の平行なガイド線のうち遠方に対応する上方の前記ガイド線を左右方向に短く表示するように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の電子ミラー。
【請求項8】
前記画像処理部は、前記複数の平行なガイド線のうち遠方に対応する上方の前記ガイド線を細く表示するように構成されている、請求項7に記載の電子ミラー。
【請求項9】
前記画像処理部は、前記第1部分に後続の車両を検知した場合に、検知した場所に応じて、前記複数の平行なガイド線を強調表示するように構成されている、請求項7または8に記載の電子ミラー。
【請求項10】
前記画像処理部は、前記車両の種類に応じて前記第2部分の前記固定画像を生成するように構成されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の電子ミラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子ミラーに関し、特に、カメラと表示部とを備える電子ミラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラと表示部とを備える電子ミラーが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、車両の後方を撮影するカメラと、カメラにより撮影した映像と後席などの車内イメージとを合成する画像処理装置と、画像処理装置により合成された合成映像を表示する表示部とを備える車両後方監視装置(電子ミラー)が開示されている。この特許文献1の車両後方監視装置では、カメラにより撮影した映像に対して、半透明の車内イメージを重ね合わせて合成するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-100180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1では、カメラにより撮影した映像に対して、半透明の車内イメージを重ね合わせて合成しているため、立体感が把握しずらい平面状(平ら)に見える半透明の車内イメージが、カメラにより撮影された後方の映像に合成される。このため、表示部に表示される車両の後方の映像において、後方の距離感を把握しにくいという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、表示部に表示される車両の後方の映像において、後方の距離感を容易に把握することが可能な電子ミラーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による電子ミラーは、車両の後方を撮影するカメラと、カメラにより撮影した映像を表示する第1部分と車両の後部に位置する物の固定画像を表示する第2部分とを含む表示映像を合成する画像処理部と、画像処理部により合成された表示映像を表示する表示部と、を備え、画像処理部は、第2部分の場所に応じてぼかし度合を変更して固定画像をぼかすように構成されている。
【0008】
この発明の一の局面による電子ミラーでは、上記のように、カメラにより撮影した映像を表示する第1部分と車両の後部に位置する物の固定画像を表示する第2部分とを含む表示映像を合成する画像処理部を、第2部分の場所に応じて、第1ぼかし度合によるぼかしと、第1ぼかし度合よりもぼかし度合が強い第2ぼかし度合によるぼかしとに、ぼかし度合を変更して、第1ぼかし度合および第2ぼかし度合により固定画像をぼかすように構成する。これにより、第2部分の固定画像のぼかし度合を場所に応じて変化させることができるので、固定画像が平面状(平ら)に見えるのを抑制して固定画像に立体感を持たせることができる。これにより、固定画像が合成されたカメラにより撮影された映像の立体感を把握しやすくすることができる。その結果、表示部に表示される車両の後方の映像において、後方の距離感を容易に把握することができる。
【0009】
上記一の局面による電子ミラーにおいて、好ましくは、画像処理部は、表示部から固定画像に対応する車両の後部に位置する物までの距離に応じて、固定画像のぼかし度合を変更するように構成されている。このように構成すれば、固定画像に立体感を把握しやすいように距離に応じてぼかしを施すことができるので、カメラにより撮影された映像の立体感をより容易に把握しやすくすることができる。
【0010】
上記一の局面による電子ミラーにおいて、好ましくは、画像処理部は、第1部分および第2部分の境界の車両の後部に位置する物と表示部との距離に応じて、第1部分および第2部分の境界線の太さを変更するように構成されている。このように構成すれば、表示部から近い部分の境界線を太くして、表示部から遠い部分の境界線を細くして表示することにより、境界線までの距離感を容易に把握することができる。
【0011】
上記一の局面による電子ミラーにおいて、好ましくは、画像処理部は、車両の周辺の照度に基づいて、固定画像のぼかし度合を算出するためのぼかし係数を変更するように構成されている。このように構成すれば、暗い場合にはぼかし度合を弱めることにより、後方の映像を視認しやすくすることができる。また、明かるい場合にはぼかし度合を強調することにより、後方の距離感を把握しやすくすることができる。
【0012】
上記一の局面による電子ミラーにおいて、好ましくは、画像処理部は、車両の運転者の表示部への視点から固定画像の各部分までの距離に基づいて、固定画像の各部分のぼかし度合を変更するように構成されている。このように構成すれば、運転者の焦点が合わされている視点位置から遠い位置のぼかし度合を強めることにより、表示部における距離感をより容易に把握しやすくすることができる。
【0013】
上記一の局面による電子ミラーにおいて、好ましくは、画像処理部は、車両の方向転換の方向に基づいて、方向転換側に画角をシフトさせて表示映像を合成するとともに、方向転換側の固定画像のぼかし度合を弱めるように構成されている。このように構成すれば、方向転換する側の後方の視認性を向上させることができる。
【0014】
上記一の局面による電子ミラーにおいて、好ましくは、画像処理部は、第1部分に左右方向に延びる複数の平行なガイド線を重ね合わせて表示するとともに、複数の平行なガイド線のうち遠方に対応する上方のガイド線を左右方向に短く表示するように構成されている。このように構成すれば、遠方ほど長さが短い複数のガイド線により、後方の距離感をより容易に把握しやすくすることができる。
【0015】
この場合、好ましくは、画像処理部は、複数の平行なガイド線のうち遠方に対応する上方のガイド線を細く表示するように構成されている。このように構成すれば、遠方ほど太さが細い複数のガイド線により、後方の距離感をより容易に把握しやすくすることができる。
【0016】
上記第1部分に複数の平行なガイド線を重ね合わせて表示する構成において、好ましくは、画像処理部は、第1部分に後続の車両を検知した場合に、検知した場所に応じて、複数の平行なガイド線を強調表示するように構成されている。このように構成すれば、後方に後続の車両が近づいてくることを認知しやすくすることができる。
【0017】
上記一の局面による電子ミラーにおいて、好ましくは、画像処理部は、車両の種類に応じて第2部分の固定画像を生成するように構成されている。このように構成すれば、車両の種類に応じて適した固定画像を合成して表示部に表示することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、上記のように、表示部に表示される車両の後方の映像において、後方の距離感を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態による電子ミラーが設けられた車両を示した図である。
図2】本発明の第1実施形態による電子ミラーの制御的構成を示したブロック図である。
図3】本発明の第1実施形態による電子ミラーの表示例を示した図である。
図4】本発明の第1実施形態による電子ミラーのぼかし度合の算出を説明するための図である。
図5】本発明の第1実施形態による電子ミラーの境界線幅の算出を説明するための図である。
図6】本発明の第1実施形態による電子ミラーの画角のシフトを説明するための図である。
図7】本発明の第1実施形態による電子ミラーの画角のシフト量を説明するための図である。
図8】本発明の第1実施形態による電子ミラーの画角の変更を説明するための図である。
図9】本発明の第1実施形態による電子ミラーの固定画像作成処理を説明するためのフローチャートである。
図10】本発明の第1実施形態による電子ミラーの照度に基づくぼかし処理を説明するためのフローチャートである。
図11】本発明の第1実施形態による電子ミラーの視点に基づくぼかし処理を説明するためのフローチャートである。
図12】本発明の第1実施形態による電子ミラーの画像シフト処理を説明するためのフローチャートである。
図13】本発明の第2実施形態による電子ミラーの制御的構成を示したブロック図である。
図14】本発明の第2実施形態による電子ミラーの第1~第3ガイドラインの第1表示例を示した図である。
図15】本発明の第2実施形態による電子ミラーの第1~第3ガイドラインの第2表示例を示した図である。
図16】本発明の第2実施形態による電子ミラーの第1~第3ガイドラインの第3表示例を示した図である。
図17】本発明の第2実施形態による電子ミラーのガイドライン強調処理を説明するためのフローチャートである。
図18】本発明の第2実施形態による電子ミラーのスケール表示処理を説明するためのフローチャートである。
図19】本発明の第1および第2実施形態の第1変形例による電子ミラーが設けられた車両を示した図である。
図20】本発明の第1および第2実施形態の第2変形例による電子ミラーが設けられた車両を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
[第1実施形態]
(電子ミラーの構成)
図1図8を参照して、本発明の第1実施形態による電子ミラー100の構成について説明する。
【0022】
本発明の第1実施形態による電子ミラー100は、図1に示すように、車両110に設けられている。電子ミラー100は、車両110の運転者が後方を確認するために用いられる。電子ミラー100は、表示部10と、画像処理部20と、カメラ30と、を備えている。画像処理部20は、図2に示すように、制御ユニット40の一部として設けられている。
【0023】
画像処理部20は、カメラ画像処理部21と、固定画像処理部22とを含んでいる。制御ユニット40は、画像処理部20と、入力部41と、方向センサ42と、照度センサ43と、視線検知44とを含んでいる。
【0024】
図1に示すように、カメラ30は、車両110の後方に設けられている。また、カメラ30は、車両110の後方を撮影するように構成されている。カメラ30により撮影された映像は、図2に示すように、カメラ画像処理部21に送信される。
【0025】
画像処理部20は、図3に示すように、カメラ30により撮影した映像を表示する第1部分11と車両110の後部に位置する物の固定画像を表示する第2部分12a、12bとを含む表示映像を合成する。具体的には、画像処理部20のカメラ画像処理部21により、カメラ30により撮影した第1部分11が生成される。カメラ画像処理部21は、カメラ30により撮影した映像を左右反転させる。これにより、車両110の後方の鏡像映像が生成される。また、カメラ画像処理部21は、表示部10に合わせた画角の映像に調整する。つまり、カメラ30により撮影される映像の画角は、表示部10に表示される映像の画角よりも大きい。そこで、図8に示すように、撮影範囲31の一部が通常時表示範囲32として抽出される。
【0026】
画像処理部20の固定画像処理部22により、車両110の後部に位置する物(シートのヘッドレスト、後方のピラー、窓枠など)の固定画像がカメラ30により撮影した映像に重ね合わされる。第2部分12a、12bの固定画像は、半透明であり、カメラ30により撮影した映像を透かして見ることが可能である。
【0027】
表示部10は、画像処理部20により合成された表示映像を表示する。また、表示部10は、車両110の後方確認用のルームミラーに代えて、車両110の後方を映すために用いられる。表示部10は、車両110の前方の上方に設けられている。表示部10は、タッチパネルを備え、電子ミラー100に対する操作を受け付けることが可能に構成されている。
【0028】
入力部41は、固定画像を生成する際に、車両110の情報を入力するための操作を受け付ける。
【0029】
方向センサ42は、車両110の進行方向を検知する。方向センサ42は、たとえば、加速度センサやGPS受信機を有している。
【0030】
照度センサ43は、車両110の周辺の照度を検知する。
【0031】
視線検知44は、車両110の運転者の視線を検知する。つまり、視線検知44は、運転者がどこを見ているのかを検知する。また、視線検知44は、車両110の運転者の表示部10における視線(視点)を検知する。
【0032】
ここで、第1実施形態では、画像処理部20は、第2部分12a、12bの場所に応じてぼかし度合を変更して固定画像をぼかすように構成されている。具体的には、画像処理部20は、表示部10から固定画像に対応する車両110の後部に位置する物までの距離に応じて、固定画像のぼかし度合を変更するように構成されている。具体的には、図4に示すように、画像処理部20は、第2部分12a、12bのぼかし度合Aを表示部10からの距離Bに応じて線形的に強まるように固定画像を合成する。
【0033】
なお、ぼかし処理は、たとえば、一般的なガウシアンぼかし処理により行われる。また、ぼかし度合が0の場合、ぼかしがなしの状態とされる。また、画像処理部20は、ぼかし度合に応じて固定画像の各位置において透過率が変更される。なお、ぼかし処理は、ガウシアンぼかし処理以外により行ってもよい。
【0034】
たとえば、第2部分12bのヘッドレストは、第2部分12aのピラーよりも近いため、ぼかし度合を弱くする。つまり、表示部10から遠くに位置する物体に対応する固定画像ほどぼかし度合が強くなる。画像処理部20は、固定画像の対応する物体の距離に応じて、対応する固定画像にグラデーションのぼかし処理を施す。これにより、遠近の物体解像度差を生じさせることができるので、立体感効果を出すことが可能である。
【0035】
また、画像処理部20は、図3に示すように、第1部分11および第2部分12a、12bの境界の車両110の後部に位置する物と表示部10との距離に応じて、第1部分11および第2部分12a、12bの境界線121a、121bの太さを変更するように構成されている。具体的には、図5に示すように、画像処理部20は、第1部分11および第2部分12a、12bの境界線121a、121bの太さ(境界線幅C)を表示部10からの距離Bに応じて線形的に小さくなるように固定画像を合成する。
【0036】
また、画像処理部20は、車両110の周辺の照度に基づいて、固定画像のぼかし度合を算出するためのぼかし係数を変更するように構成されている。具体的には、画像処理部20は、照度センサ43により検知した照度に基づいて車両110の周辺の照度を取得する。また、画像処理部20は、図4に示すように、照度が大きい(明るい)昼モードでは、ぼかし係数α1を大きくする。また、照度が小さい(暗い)夜モードでは、ぼかし係数α2を小さくする。これにより、夜モードでは、固定画像のぼかし度合が全体的に小さくなる。
【0037】
また、画像処理部20は、車両110の運転者の表示部10への視点から固定画像の各部分までの距離に基づいて、固定画像の各部分のぼかし度合を変更するように構成されている。具体的には、画像処理部20は、視線検知44により検知した運転者の視線に基づいて、運転者の表示部10における視線(視点)を取得する。また、画像処理部20は、表示部10における運転者の視点に遠い固定画像ほどぼかし度合を強くし、表示部10における運転者の視点に近い固定画像ほどぼかし度合を弱くする。
【0038】
また、画像処理部20は、車両110の方向転換の方向に基づいて、方向転換側に画角をシフトさせて表示映像を合成するとともに、方向転換側の固定画像のぼかし度合を弱めるように構成されている。具体的には、画像処理部20は、方向センサ42により検知した方向転換(転舵)の情報を取得する。また、画像処理部20は、方向転換側に画角をシフトさせる。図6に示す例では、車両110が左に方向転換するため、表示範囲を通常時表示範囲32から、左折時表示範囲33にシフトさせる。また、画像処理部20は、固定画像を表示範囲のシフト量に合わせてシフトさせる。また、画像処理部20は、左側の第2部分12aのぼかし度合を弱める。図6に示す例では、左側の第2部分12aの固定画像を一時的に消去する。
【0039】
図7に示すように、画像処理部20は、方向転換(右折・左折)を検知した後、経過時間に従って、画角のシフト量を可変する。これにより、表示部10の映像がスムーズに変化する。なお、経過時間に対する画角のシフト量には上限値が設けられている。また、方向転換が終了すると(直進に戻ると)画角のシフト量が中央に戻される。
【0040】
また、画像処理部20は、図8に示すように、車両110が後進することに基づいて、表示範囲(画角)を変化させるように構成されている。具体的には、画像処理部20は、更新時表示範囲34を、通常時表示範囲32よりも大きくする。これにより、後進する際に、広い範囲を確認することが可能である。
【0041】
また、画像処理部20は、運転者の設定に応じて表示部10に表示する表示範囲(画角)を変えるように構成されている。また、画像処理部20は、画角の設定を記憶部に記憶させる。これにより、一度設定した画角を容易に読み出して用いることが可能である。
【0042】
また、画像処理部20は、運転者の設定により、直進走行時に表示範囲(画角)を左右に一定周期で動かす。これにより、表示部10に表示される後方のエリアが大きくなるので、運転者が交通状況、人、車などの物体を広い範囲で発見することが可能となる。
【0043】
また、画像処理部20は、車両110の種類に応じて第2部分12a、12bの固定画像を生成するように構成されている。たとえば、画像処理部20は、設定者が入力した車種名や車両番号に基づいて、固定画像の形状、固定画像のサイズ、表示部10から固定画像に対応する物までの距離を取得する。そして、画像処理部20は、取得した情報に基づいて、第2部分12a、12bの固定画像を生成する。また、画像処理部20は、携帯端末などのカメラにより撮影した車両110の後部の画像に基づいて、固定画像の形状、固定画像のサイズ、表示部10から固定画像に対応する物までの距離を取得してもよい。この場合、画像処理部20は、携帯端末から無線通信により撮影した画像を取得し、取得した画像の特徴点と、カメラ30により撮影した画像の特徴点を比較して、固定画像の形状、固定画像のサイズ、表示部10から固定画像に対応する物までの距離を取得する。
【0044】
(固定画像作成処理)
図9を参照して、電子ミラー100の画像処理部20による固定画像作成処理について説明する。この固定画像作成処理は、電子ミラー100を車両110に取り付けた際の初期設定として行われる。
【0045】
図9のステップS1において、設定モードが確認される。設定モードが車種であれば、ステップS2に進み、設定モードが車両番号であれば、ステップS4に進む。ステップS2において、車種名一覧が表示部10に表示される。ステップS3において、作業者による車種名の選択を受け付ける。
【0046】
ステップS4において、車両番号入力欄が表示部10に表示される。ステップS5において、作業者による車両番号の入力を受け付ける。ステップS6において、受け付けた車両番号から車種名を取得する。
【0047】
ステップS7において、車種名に対応した固定画像を取得し、固定画像を表示映像に合成して表示する。なお、各車種ごとに対応した固定画像は、事前に保存されている。
【0048】
(照度に基づくぼかし処理)
図10を参照して、電子ミラー100の画像処理部20による照度に基づくぼかし処理について説明する。
【0049】
図10のステップS11において、照度センサ43により検知した照度のセンサ値が取得される。ステップS12において、センサ値が所定のしきい値γより大きいか否かが判断される。センサ値がγより大きければ、ステップS13に進み、センサ値がγ以下であれば、ステップS14に進む。
【0050】
ステップS13において、ぼかし係数を昼モード設定値に変更する。図4に示すように、ぼかし係数がα1に設定される。ステップS14において、ぼかし係数を夜モード設定値に変更する。図4に示すように、ぼかし係数がα2に設定される。
【0051】
ステップS15において、設定したぼかし係数に基づいてぼかし度合を算出して固定画像に適用し、固定画像を更新する。その後、ぼかし処理が終了される。
【0052】
(視点に基づくぼかし処理)
図11を参照して、電子ミラー100の画像処理部20による視点に基づくぼかし処理について説明する。
【0053】
図11のステップS21において、視線検知44により表示部10に対して運転者の視点を検知したか否かが判断される。視点を検知しなければ、ステップS21の判断を繰り返す。視点を検知すれば、ステップS22に進む。ステップS22において、運転者の表示部10に対する視点位置を取得する。
【0054】
ステップS23において、表示部10に対する運転者の視点位置を0として、表示部10における固定画像の各表示位置におけるぼかし度合を算出する。ステップS24において、算出したぼかし度合を固定画像に適用し、固定画像を更新する。その後、ぼかし処理が終了される。
【0055】
(画像シフト処理)
図12を参照して、電子ミラー100の画像処理部20による画像シフト処理について説明する。
【0056】
図12のステップS31において、方向センサ42により方向転換を検知したか否かが判断される。方向転換を検知しなければ、ステップS31の判断を繰り返す。方向転換を検知すれば、ステップS32に進む。ステップS32において、固定画像の表示範囲を方向転換する側と反対側にシフトする。
【0057】
ステップS33において、方向転換側の固定画像のぼかし度合を弱める。この場合、方向転換側の固定画像のぼかし度合が0にされる。つまり、方向転換側の固定画像のぼかしが無くなる。ステップS34において、設定されたぼかし度合を固定画像に適用し、固定画像を更新する。
【0058】
ステップS35において、カメラ画像表示範囲を方向転換する側にシフトさせる。ステップS36において、表示範囲のカメラ画像が表示部10に出力される。その後、画像シフト処理が終了される。
【0059】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0060】
第1実施形態では、上記のように、カメラ30により撮影した映像を表示する第1部分11と車両110の後部に位置する物の固定画像を表示する第2部分12a、12bとを含む表示映像を合成する画像処理部20を、第2部分12a、12bの場所に応じてぼかし度合を変更して固定画像をぼかすように構成する。これにより、第2部分12a、12bの固定画像のぼかし度合を場所に応じて変化させることができるので、固定画像が平面状(平ら)に見えるのを抑制して固定画像に立体感を持たせることができる。これにより、固定画像が合成されたカメラ30により撮影された映像の立体感を把握しやすくすることができる。その結果、表示部10に表示される車両の後方の映像において、後方の距離感を容易に把握することができる。
【0061】
また、第1実施形態では、上記のように、画像処理部20を、表示部10から固定画像に対応する車両110の後部に位置する物までの距離に応じて、固定画像のぼかし度合を変更するように構成する。これにより、固定画像に立体感を把握しやすいように距離に応じてぼかしを施すことができるので、カメラ30により撮影された映像の立体感をより容易に把握しやすくすることができる。
【0062】
また、第1実施形態では、上記のように、画像処理部20を、第1部分11および第2部分12a、12bの境界の車両110の後部に位置する物と表示部10との距離に応じて、第1部分11および第2部分12a、12bの境界線121a、121bの太さを変更するように構成する。これにより、表示部10から近い部分の境界線121bを太くして、表示部10から遠い部分の境界線121aを細くして表示することにより、境界線121a、121bまでの距離感を容易に把握することができる。
【0063】
また、第1実施形態では、上記のように、画像処理部20を、車両110の周辺の照度に基づいて、固定画像のぼかし度合を算出するためのぼかし係数を変更するように構成する。これにより、暗い場合にはぼかし度合を弱めることにより、後方の映像を視認しやすくすることができる。また、明かるい場合にはぼかし度合を強調することにより、後方の距離感を把握しやすくすることができる。
【0064】
また、第1実施形態では、上記のように、画像処理部20を、車両110の運転者の表示部10への視点から固定画像の各部分までの距離に基づいて、固定画像の各部分のぼかし度合を変更するように構成する。これにより、運転者の焦点が合わされている視点位置から遠い位置のぼかし度合を強めることにより、表示部10における距離感をより容易に把握しやすくすることができる。
【0065】
また、第1実施形態では、上記のように、画像処理部20を、車両110の方向転換の方向に基づいて、方向転換側に画角をシフトさせて表示映像を合成するとともに、方向転換側の固定画像のぼかし度合を弱めるように構成する。これにより、方向転換する側の後方の視認性を向上させることができる。
【0066】
また、第1実施形態では、上記のように、画像処理部20を、車両110の種類に応じて第2部分12a、12bの固定画像を生成するように構成する。これにより、車両110の種類に応じて適した固定画像を合成して表示部10に表示することができる。
【0067】
[第2実施形態]
次に、図13図18を参照して、第2実施形態による電子ミラー200の構成について説明する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、表示部10にガイドラインを表示させる構成の例について説明する。
【0068】
本発明の第2実施形態による電子ミラー200は、図13に示すように、表示部10と、画像処理部20と、カメラ30と、を備えている。画像処理部20は、制御ユニット40の一部として設けられている。
【0069】
画像処理部20は、カメラ画像処理部21と、固定画像処理部22と、ガイドライン生成部23とを含んでいる。制御ユニット40は、画像処理部20と、入力部41と、車両検知部45と、道幅検知部46と、車速センサ47とを含んでいる。
【0070】
ガイドライン生成部23は、図14に示すように、表示部10に表示する表示映像にガイドラインを重ね合わせて表示させるように構成されている。具体的には、ガイドライン生成部23は、第1部分11に左右方向に延びる複数の平行な第1ガイドライン13a、第2ガイドライン13b、第3ガイドライン13cを重ね合わせて表示する。また、ガイドライン生成部23は、複数の平行な第1ガイドライン13a、第2ガイドライン13b、第3ガイドライン13cのうち遠方に対応する上方のガイドラインを左右方向に短く表示するように構成されている。なお、ガイドライン、第1ガイドライン13a、第2ガイドライン13b、第3ガイドライン13cは、特許請求の範囲の「ガイド線」の一例である。
【0071】
また、ガイドライン生成部23は、図14に示すように、複数の平行な第1ガイドライン13a、第2ガイドライン13b、第3ガイドライン13cのうち遠方に対応する上方のガイドラインを細く表示するように構成されている。
【0072】
車両検知部45は、カメラ30により撮影した映像に基づいて、後続の車両111(図15参照)を検知するように構成されている。
【0073】
道幅検知部46は、カメラ30により撮影した映像に基づいて、道幅を検知するように構成されている。
【0074】
車速センサ47は、車両110の速度を検知する。車速センサ47は、加速度センサやGPS受信機を有している。
【0075】
ここで、第2実施形態では、画像処理部20は、第2部分12a、12bの場所に応じてぼかし度合を変更して固定画像をぼかすように構成されている。また、画像処理部20は、第1部分11に左右方向に延びる複数の平行な第1ガイドライン13a、第2ガイドライン13b、第3ガイドライン13cを重ね合わせて表示するように構成されている。
【0076】
画像処理部20は、道幅検知部46により検知した道幅に応じて、第1ガイドライン13a、第2ガイドライン13b、第3ガイドライン13cの各々の長さを決定し表示部10に表示する。具体的には、道幅検知部46は、道路にひかれた線に基づいて道幅を取得する。また、画像処理部20は、道幅内に収まるように、第1ガイドライン13a、第2ガイドライン13b、第3ガイドライン13cの各々の長さを決定する。
【0077】
画像処理部20は、第1部分11に後続の車両111を検知した場合に、検知した場所に応じて、複数の平行な第1ガイドライン13a、第2ガイドライン13b、第3ガイドライン13cを強調表示するように構成されている。具体的には、画像処理部20は、所定の車速より大きい状態で第1ガイドライン13aで後続の車両111を検知した場合、図15に示すように、第1ガイドライン13aを消去し、第2ガイドライン13bを強調表示し、第3ガイドライン13cを標準表示する。
【0078】
また、画像処理部20は、所定の車速より大きい状態で第2ガイドライン13bで後続の車両111を検知した場合、第1ガイドライン13aを抑制表示し、第2ガイドライン13bを抑制表示し、第3ガイドライン13cを強調表示する。また、画像処理部20は、所定の車速より大きい状態で第3ガイドライン13cで後続の車両111を検知した場合、第1ガイドライン13aを消去し、第2ガイドライン13bを消去し、第3ガイドライン13cを警告表示する。
【0079】
画像処理部20は、所定の車速より大きい状態で後続の車両111を検知した場合、図16に示すように、ガイドライン間に距離の目安となるスケール14を表示するように構成されている。
【0080】
また、画像処理部20は、車両検知部45により、後方に緊急走行中(回転灯を点灯して走行)の緊急車両(警察車両、消防車両、救急車両など)を検知した場合、緊急車両が近づいていることを表示部10に表示するように構成されている。たとえば、画像処理部20は、固定画像の色や表示方法を変えて報知する。
【0081】
(ガイドライン強調処理)
図17を参照して、電子ミラー100の画像処理部20によるガイドライン強調処理について説明する。
【0082】
図17のステップS41において、車速センサ47により検知した車速が所定のしきい値V1よりも大きいか否かが判断される。つまり、渋滞で車両110がゆっくり走っていたり、止まったりしていないかが判断される。車速がV1よりも大きければ、ステップS42に進み、車速がV1以下であれば、ステップS52に進む。ステップS42において、車両検知部45により第3ガイドライン13cにおいて、後続の車両111が検知されたか否かが判断される。第3ガイドライン13cにおいて後続の車両111が検知されれば、ステップS43に進み、第3ガイドライン13cにおいて後続の車両111が検知されなければ、ステップS45に進む。
【0083】
ステップS43において、第3ガイドライン13cが警告表示される。具体的には、第3ガイドライン13cの線幅が大にされ、色濃淡が濃にされ、点滅表示される。ステップS44において、第1ガイドライン13a、第2ガイドライン13bの表示が消去される。
【0084】
ステップS45において、車両検知部45により第2ガイドライン13bにおいて、後続の車両111が検知されたか否かが判断される。第2ガイドライン13bにおいて後続の車両111が検知されれば、ステップS46に進み、第2ガイドライン13bにおいて後続の車両111が検知されなければ、ステップS48に進む。
【0085】
ステップS46において、第3ガイドライン13cが強調表示される。具体的には、第3ガイドライン13cの線幅が大にされ、色濃淡が濃にされる。ステップS47において、第1ガイドライン13a、第2ガイドライン13bが抑制表示される。具体的には、第1ガイドライン13a、第2ガイドライン13bの線幅が小にされ、色濃淡が淡にされる。
【0086】
ステップS48において、車両検知部45により第1ガイドライン13aにおいて、後続の車両111が検知されたか否かが判断される。第1ガイドライン13aにおいて後続の車両111が検知されれば、ステップS49に進み、第1ガイドライン13aにおいて後続の車両111が検知されなければ、ステップS52に進む。
【0087】
ステップS49において、第2ガイドライン13bが強調表示される。具体的には、第2ガイドライン13bの線幅が大にされ、色濃淡が濃にされる。ステップS50において、第1ガイドライン13aが消去される。ステップS51において、第3ガイドライン13cが標準表示される。具体的には、第3ガイドライン13cの線幅が中にされ、色濃淡が中にされる。
【0088】
ステップS52において、第3ガイドライン13cが標準表示される。具体的には、第3ガイドライン13cの線幅が中にされ、色濃淡が中にされる。その後、ガイドライン強調処理が終了される。
【0089】
(スケール表示処理)
図18を参照して、電子ミラー100の画像処理部20によるスケール表示処理について説明する。
【0090】
図17のステップS61において、車速センサ47により検知した車速が所定のしきい値V2よりも大きいか否かが判断される。つまり、渋滞で車両110がゆっくり走っていたり、止まったりしていないかが判断される。車速がV2よりも大きければ、ステップS62に進み、車速がV2以下であれば、スケール表示処理が終了される。ステップS62において、車両検知部45により第2ガイドライン13bにおいて、後続の車両111が検知されたか否かが判断される。第2ガイドライン13bにおいて後続の車両111が検知されれば、ステップS63に進み、第2ガイドライン13bにおいて後続の車両111が検知されなければ、ステップS64に進む。
【0091】
ステップS63において、第2ガイドライン13bおよび第3ガイドライン13cの間にスケール14が表示される。ステップS64において、車両検知部45により第1ガイドライン13aにおいて、後続の車両111が検知されたか否かが判断される。第1ガイドライン13aにおいて後続の車両111が検知されれば、ステップS65に進み、第1ガイドライン13aにおいて後続の車両111が検知されなければ、スケール表示処理が終了される。
【0092】
ステップS65において、図16に示すように、第1ガイドライン13aおよび第2ガイドライン13bの間にスケール14が表示される。その後、スケール表示処理が終了される。
【0093】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0094】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、カメラ30により撮影した映像を表示する第1部分11と車両110の後部に位置する物の固定画像を表示する第2部分12a、12bとを含む表示映像を合成する画像処理部20を、第2部分12a、12bの場所に応じてぼかし度合を変更して固定画像をぼかすように構成する。これにより、その結果、表示部10に表示される車両の後方の映像において、後方の距離感を容易に把握することができる。
【0095】
また、第2実施形態では、上記のように、画像処理部20を、第1部分11に左右方向に延びる複数の平行な第1ガイドライン13a、第2ガイドライン13b、第3ガイドライン13cを重ね合わせて表示するとともに、複数の平行な第1ガイドライン13a、第2ガイドライン13b、第3ガイドライン13cのうち遠方に対応する上方のガイドラインを左右方向に短く表示するように構成する。これにより、遠方ほど長さが短い複数の第1ガイドライン13a、第2ガイドライン13b、第3ガイドライン13cにより、後方の距離感をより容易に把握しやすくすることができる。
【0096】
また、第2実施形態では、上記のように、画像処理部20を、複数の平行な第1ガイドライン13a、第2ガイドライン13b、第3ガイドライン13cのうち遠方に対応する上方のガイドラインを細く表示するように構成する。これにより、遠方ほど太さが細い複数の第1ガイドライン13a、第2ガイドライン13b、第3ガイドライン13cにより、後方の距離感をより容易に把握しやすくすることができる。
【0097】
また、第2実施形態では、上記のように、画像処理部20を、第1部分11に後続の車両111を検知した場合に、検知した場所に応じて、複数の平行な第1ガイドライン13a、第2ガイドライン13b、第3ガイドライン13cを強調表示するように構成する。これにより、後方に後続の車両111が近づいてくることを認知しやすくすることができる。
【0098】
また、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0099】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0100】
たとえば、上記第1~第2実施形態では、本発明の電子ミラーを車両のルームミラーとして用いる例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、本発明の電子ミラーを車両のサイドミラー(ドアミラー、フェンダーミラー)として用いてもよい。また、本発明の電子ミラーを2輪の車両のバックミラーとして用いてもよい。
【0101】
また、上記第1~第2実施形態では、カメラが車両の後部に設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図19に示す第1変形例のように、カメラ30を車両110の前側の内部に設け、後方を撮影するように構成してもよい。この場合、表示部10に、画像処理部20およびカメラ30を一体的に設けてもよい。また、この場合、カメラ30の位置および後方映像の画角に応じて、画像処理部20が固定画像を対応するように生成してもよい。
【0102】
また、図20に示す第2変形例のように、カメラ30を車両110の周囲に設け、後方を撮影するように構成してもよい。たとえば、図20に示すように、車両110の側方部(Aピラー、Bピラー、Cピラー、Dピラーなど)にカメラ30を設けてもよい。また、天井部にカメラ30を設けてもよい。また、後方を撮影するカメラを複数設けてもよい。
【0103】
また、上記第1~第2実施形態では、表示映像に第2部分が複数含まれる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示映像にひとつながりの第2部分が1つ含まれていてもよい。
【0104】
また、上記第1~第2実施形態では、距離が遠くなるほどぼかし度合を強める構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、距離が近くなるほどぼかし度合を強めてもよい。
【0105】
また、上記第2実施形態では、3本のガイドラインが表示される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、1本、2本または4本以上のガイドラインを表示してもよい。
【0106】
上記第1~第2実施形態では、説明の便宜上、制御的な処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御的な処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0107】
10 表示部
11 第1部分
12a、12b 第2部分
13a 第1ガイドライン(ガイド線)
13b 第2ガイドライン(ガイド線)
13c 第3ガイドライン(ガイド線)
20 画像処理部
30 カメラ
100、200 電子ミラー
110 車両
121a、121b 境界線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16
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