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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】光学式選別機
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/342 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
B07C5/342
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020005723
(22)【出願日】2020-01-17
(65)【公開番号】P2021112693
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100158702
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 卓也
(72)【発明者】
【氏名】河村 陽一
(72)【発明者】
【氏名】西田 卓矢
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04848590(US,A)
【文献】特開2011-098255(JP,A)
【文献】特開2013-017918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被選別物を流下させるために傾斜配置したシュートと、
前記被選別物を検出位置において検出する光学検出手段と、
前記光学検出手段による検出結果に基づいて前記被選別物を選別除去するエジェクター手段と、を備える光学式選別機であって、
前記光学検出手段は、
前記検出位置を照明する照明手段と、
前記検出位置において前記被選別物を撮像する撮像手段と、を備える光学式選別機において、
前記シュートには前記被選別物の流下方向に直交して光学検出用スリットが設けられ、
前記光学検出用スリットは、原料となる被選別物の大きさに適したスリット幅調整可能とされており、
前記光学検出手段は、前記光学検出用スリットが設けられる位置を前記検出位置として、前記シュート上を常に一定の軌跡で流下する前記被選別物を前記照明手段により照明し、前記照明手段により照明された前記被選別物を前記撮像手段により撮像することを特徴とする光学式選別機。
【請求項2】
前記シュートは、第1シュート部と前記第1シュート部の上流側に位置する第2シュート部を含んで構成され、
前記第1シュート部と前記第2シュート部は、前記被選別物の流下方向に沿って平行な流下面を有し、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部によりスリット下縁、前記第2シュート部によりスリット上縁が形成されるよう、前記第1シュート部と前記第2シュート部との間に形成されてなり、
前記第1シュート部及び/又は前記第2シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置が調整可能に設けられ、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部及び/又は前記第2シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット幅が調整可能とされる請求項1記載の光学式選別機。
【請求項3】
前記シュートは、第1シュート部と前記第1シュート部の上流側に位置する第2シュート部を含んで構成され、
前記第1シュート部と前記第2シュート部は、前記被選別物の流下方向に沿って平行な流下面を有し、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部によりスリット下縁、前記第2シュート部によりスリット上縁が形成されるよう、前記第1シュート部と前記第2シュート部との間に形成されてなり、
前記第1シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置が調整可能に前記第2シュート部に取り付けられ、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット幅が調整可能とされる請求項1又は2記載の光学式選別機。
【請求項4】
前記第1シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿って上下にスライド可能に前記第2シュート部に取り付けられ、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部をスライドさせて前記第1シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット幅が調整可能とされる請求項3記載の光学式選別機。
【請求項5】
前記第1シュート部には、前記スリット下縁を基点とする目盛が前記被選別物の前記流下方向に沿って上流側に向けて設けられ、
前記光学検出用スリットは、前記目盛を参照しながら前記スリット幅が調整可能とされる請求項3又は4記載の光学式選別機。
【請求項6】
前記第2シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置が調整可能に選別機に取り付けられ、
前記光学検出用スリットは、前記第2シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット上縁の位置が調整可能とされる請求項3乃至5のいずれかに記載の光学式選別機。
【請求項7】
前記シュートは、さらに前記第2シュート部の上流側に位置する第3シュート部を含んで構成され、
前記第2シュート部と前記第3シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿って平行な流下面を有し、
前記第2シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置が調整可能に前記第3シュート部に取り付けられ、
前記光学検出用スリットは、前記第2シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット上縁の位置が調整可能とされる請求項3乃至5のいずれかに記載の光学式選別機。
【請求項8】
前記シュートは、第1シュート部と前記第1シュート部の上流側に位置する第2シュート部を含んで構成され、
前記第1シュート部と前記第2シュート部は、前記被選別物の流下方向に沿って平行な流下面を有し、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部によりスリット下縁、前記第2シュート部によりスリット上縁が形成されるよう、前記第1シュート部と前記第2シュート部との間に形成されてなり、
前記第1シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置が調整可能に選別機に取り付けられ、及び/又は、前記第2シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置が調整可能に前記選別機に取り付けられ、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部の前記上下位置を調整することで、及び/又は、前記第2シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット幅が調整可能とされる請求項1又は2記載の光学式選別機。
【請求項9】
前記シュートは、第1シュート部と前記第1シュート部の上流側に位置する第2シュート部を含んで構成され、
前記第1シュート部と前記第2シュート部は、前記被選別物の流下方向に沿って平行な流下面を有し、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部によりスリット下縁、前記第2シュート部によりスリット上縁が形成されるよう、前記第1シュート部と前記第2シュート部との間に形成されてなり、
前記シュートは、さらに前記第2シュート部の上流側に位置する第3シュート部を含んで構成され、
前記第2シュート部と前記第3シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿って平行な流下面を有し、
前記第1シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置が調整可能に選別機に取り付けられ、及び/又は、前記第2シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置が調整可能に前記第3シュート部に取り付けられ、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部の前記上下位置を調整することで、及び/又は、前記第2シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット幅が調整可能とされる請求項1又は2記載の光学式選別機。
【請求項10】
前記第1シュート部と前記第2シュート部の平行な流下面は、前記第1シュート部の流下面が前記第2シュート部の流下面よりも下面側に位置するように段差を設けてなる請求項2乃至9のいずれかに記載の光学式選別機。
【請求項11】
前記エジェクター手段は、複数のノズル孔から選択的にエアを噴射するエジェクターノズルを備え、
前記第1シュート部には、前記光学検出用スリットの下流側に前記被選別物の流下方向に直交して選別除去用スリットが設けられ、
前記エジェクターノズルは、前記選別除去用スリットにノズル先端が臨む状態で前記第1シュート部の下面側に配設され、前記第1シュート部上を流下する前記被選別物を前記シュートの上面側へ噴風して除去する請求項2乃至10のいずれかに記載の光学式選別機。
【請求項12】
前記光学検出手段は、前記シュートの上面側及び/又は下面側に設けられ、
前記シュート上を流下する前記被選別物を前記シュートの上面側及び/又は下面側から前記照明手段により照明し、前記照明手段により照明された前記被選別物を前記シュートの上面側及び/又は下面側から前記撮像手段により撮像する請求項1乃至11のいずれかに記載の光学式選別機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀粒や樹脂ペレット等の粒状物を色彩等に基づいて選別する光学式選別機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、米や小麦等の穀粒、樹脂ペレット、コーヒー豆、その他の粒状物からなる原料を色彩等により良品と不良品に選別したり、原料に混入する異物を色彩等により除去したりする光学式選別機が知られている。(特許文献1,2参照。)。
【0003】
特許文献1,2に記載された光学式選別機は、傾斜状のシュートを備え、前記シュートの下端から一定の軌跡を描いて落下する粒状物に光源から光を照射し、前記粒状物からの反射光や透過光をセンサにより受光して不良品や異物等を検出し、当該検出した不良品や異物等をエジェクターにより吹き飛ばすことで良否選別するものである。
【0004】
ところで、前記光学式選別機において、前記シュートの下端から落下する粒状物の中には、形状や大きさの違い、空中での飛行姿勢の違い等により一定の落下軌跡から外れるものがあり、この場合、不良品や異物等を精度よく検出することができず、選別性能に影響を及ぼす問題がある。
【0005】
そこで、本件出願人は、シュートに光学検出用スリットを設け、前記光学検出用スリットを設けた位置を検出位置として、前記シュート上を流下する粒状物に光を照射し、前記粒状物からの反射光や透過光をセンサにより受光して不良品や異物等を検出する光学式選別機を提案した(特願2019-209821号参照。以下、「先行発明」という。)。
【0006】
前記先行発明の光学式選別機によれば、シュート上を常に一定の軌跡で流下する粒状物を検出することができるので、従来の光学式選別機に比べ、粒状物の不良品や異物等を精度よく検出することができ、選別性能を向上させることができる。
【0007】
ところが、前記先行発明の光学式選別機は、原料となる粒状物の大きさによっては前記光学検出用スリットの縁部が影となり、前記粒状物の検出に必要な光量が不足して選別不良に繋がる懸念がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平8-252535号公報
【文献】特開2009-50760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、被選別物の不良品や異物等を精度よく検出することができ、選別性能を向上させることができるとともに、被選別物を大きさの異なるものに変更した場合でも、前記被選別物の検出に必要な光量を確保することができ、光量不足による選別不良が生じない光学式選別機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、
被選別物を流下させるために傾斜配置したシュートと、
前記被選別物を検出位置において検出する光学検出手段と、
前記光学検出手段による検出結果に基づいて前記被選別物を選別除去するエジェクター手段と、を備える光学式選別機であって、
前記光学検出手段は、
前記検出位置を照明する照明手段と、
前記検出位置において前記被選別物を撮像する撮像手段と、を備える光学式選別機において、
前記シュートには前記被選別物の流下方向に直交して光学検出用スリットが設けられ、
前記光学検出用スリットは、原料となる被選別物の大きさに適したスリット幅調整可能とされており、
前記光学検出手段は、前記光学検出用スリットが設けられる位置を前記検出位置として、前記シュート上を常に一定の軌跡で流下する前記被選別物を前記照明手段により照明し、前記照明手段により照明された前記被選別物を前記撮像手段により撮像することを特徴とする。
【0011】
本発明は、
前記シュートが、第1シュート部と前記第1シュート部の上流側に位置する第2シュート部を含んで構成され、
前記第1シュート部と前記第2シュート部は、前記被選別物の流下方向に沿って平行な流下面を有し、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部によりスリット下縁、前記第2シュート部によりスリット上縁が形成されるよう、前記第1シュート部と前記第2シュート部との間に形成されてなり、
前記第1シュート部及び/又は前記第2シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置が調整可能に設けられ、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部及び/又は前記第2シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット幅が調整可能とされることが好ましい。
【0012】
本発明は、
前記シュートが、第1シュート部と前記第1シュート部の上流側に位置する第2シュート部を含んで構成され、
前記第1シュート部と前記第2シュート部は、前記被選別物の流下方向に沿って平行な流下面を有し、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部によりスリット下縁、前記第2シュート部によりスリット上縁が形成されるよう、前記第1シュート部と前記第2シュート部との間に形成されてなり、
前記第1シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置が調整可能に前記第2シュート部に取り付けられ、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット幅が調整可能とされることが好ましい。
【0013】
本発明は、
前記第1シュート部が、前記被選別物の前記流下方向に沿って上下にスライド可能に前記第2シュート部に取り付けられ、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部をスライドさせて前記第1シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット幅が調整可能とされることが好ましい。
【0014】
本発明は、
前記第1シュート部には、前記スリット下縁を基点とする目盛が前記被選別物の前記流下方向に沿って上流側に向けて設けられ、
前記光学検出用スリットは、前記目盛を参照しながら前記スリット幅が調整可能とされることが好ましい。
【0015】
本発明は、
前記第2シュート部が、前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置が調整可能に選別機に取り付けられ、
前記光学検出用スリットは、前記第2シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット上縁の位置が調整可能とされることが好ましい。
【0016】
ここで、前記第2シュート部が取り付けられる前記選別機の部位は、例えば選別機本体のフレームのほか、前記第2シュート部を前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置に調整可能に直接又は間接に取り付けることができる選別機のすべての構成部材を含むものである。
【0017】
本発明は、
前記第2シュート部が、前記被選別物の前記流下方向に沿って上下にスライド可能に前記選別機に取り付けられ、
前記光学検出用スリットは、前記第2シュート部をスライドさせて前記第2シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット上縁の位置が調整可能とされることが好ましい。
【0018】
本発明は、
前記シュートが、さらに前記第2シュート部の上流側に位置する第3シュート部を含んで構成され、
前記第2シュート部と前記第3シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿って平行な流下面を有し、
前記第2シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置が調整可能に前記第3シュート部に取り付けられ、
前記光学検出用スリットは、前記第2シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット上縁の位置が調整可能とされることが好ましい。
【0019】
本発明は、
前記第2シュート部が、前記被選別物の前記流下方向に沿って上下にスライド可能に前記第3シュート部に取り付けられ、
前記光学検出用スリットは、前記第2シュート部をスライドさせて前記第2シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット上縁の位置が調整可能とされることが好ましい。
【0020】
また、本発明は、
前記シュートが、第1シュート部と前記第1シュート部の上流側に位置する第2シュート部を含んで構成され、
前記第1シュート部と前記第2シュート部は、前記被選別物の流下方向に沿って平行な流下面を有し、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部によりスリット下縁、前記第2シュート部によりスリット上縁が形成されるよう、前記第1シュート部と前記第2シュート部との間に形成されてなり、
前記第1シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置が調整可能に選別機に取り付けられ、及び/又は、前記第2シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置が調整可能に前記選別機に取り付けられ、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部の前記上下位置を調整することで、及び/又は、前記第2シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット幅が調整可能とされることが好ましい。
【0021】
ここで、前記第1シュート部及び/又は前記第2シュート部が取り付けられる前記選別機の部位は、例えば選別機本体のフレームのほか、前記第1シュート部及び/又は前記第2シュート部を前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置に調整可能に直接又は間接に取り付けることができる選別機のすべての構成部材を含むものである。
【0022】
本発明は、
前記第1シュート部が、前記被選別物の前記流下方向に沿って上下にスライド可能に前記選別機に取り付けられ、及び/又は、前記第2シュート部が、前記被選別物の前記流下方向に沿って上下にスライド可能に前記選別機に取り付けられ、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部をスライドさせて前記第1シュート部の前記上下位置を調整することで、及び/又は、前記第2シュート部をスライドさせて前記第2シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット幅が調整可能とされることが好ましい。
【0023】
本発明は、
さらに、前記エジェクター手段により選別された前記被選別物を各別に排出する排出ホッパを備え、
前記第1シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置が調整可能に前記排出ホッパに取り付けられることが好ましい。
【0024】
本発明は、
前記第1シュート部が、前記被選別物の前記流下方向に沿って上下にスライド可能に前記排出ホッパに取り付けられることが好ましい。
【0025】
また、本発明は、
前記シュートが、第1シュート部と前記第1シュート部の上流側に位置する第2シュート部を含んで構成され、
前記第1シュート部と前記第2シュート部は、前記被選別物の流下方向に沿って平行な流下面を有し、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部によりスリット下縁、前記第2シュート部によりスリット上縁が形成されるよう、前記第1シュート部と前記第2シュート部との間に形成されてなり、
前記シュートは、さらに前記第2シュート部の上流側に位置する第3シュート部を含んで構成され、
前記第2シュート部と前記第3シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿って平行な流下面を有し、
前記第1シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置が調整可能に選別機に取り付けられ、及び/又は、前記第2シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置が調整可能に前記第3シュート部に取り付けられ、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部の前記上下位置を調整することで、及び/又は、前記第2シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット幅が調整可能とされることが好ましい。
【0026】
ここで、前記第1シュート部が取り付けられる前記選別機の部位は、例えば選別機本体のフレームのほか、前記第1シュート部を前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置に調整可能に直接又は間接に取り付けることができる選別機のすべての構成部材を含むものである。
【0027】
本発明は、
前記第1シュート部が、前記被選別物の前記流下方向に沿って上下にスライド可能に前記選別機に取り付けられ、及び/又は、前記第2シュート部が、前記被選別物の前記流下方向に沿って上下にスライド可能に前記第3シュート部に取り付けられ、
前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部をスライドさせて前記第1シュート部の前記上下位置を調整することで、及び/又は、前記第2シュート部をスライドさせて前記第2シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット幅が調整可能とされることが好ましい。
【0028】
本発明は、
さらに、前記エジェクター手段により選別された前記被選別物を各別に排出する排出ホッパを備え、
前記第1シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置が調整可能に前記排出ホッパに取り付けられることが好ましい。
【0029】
本発明は、
前記第1シュート部が、前記被選別物の前記流下方向に沿って上下にスライド可能に前記排出ホッパに取り付けられることが好ましい。
【0030】
本発明は、
前記第1シュート部と前記第2シュート部の平行な流下面が、前記第1シュート部の流下面が前記第2シュート部の流下面よりも下面側に位置するように段差を設けてなることが好ましい。
【0031】
本発明は、
前記段差が、前記光学検出用スリットの前記スリット幅に対応して調整可能とされることが好ましい。
【0032】
本発明は、
前記エジェクター手段が、複数のノズル孔から選択的にエアを噴射するエジェクターノズルを備え、
前記第1シュート部には、前記光学検出用スリットの下流側に前記被選別物の流下方向に直交して選別除去用スリットが設けられ、
前記エジェクターノズルは、前記選別除去用スリットにノズル先端が臨む状態で前記第1シュート部の下面側に配設され、前記第1シュート部上を流下する前記被選別物を前記シュートの上面側へ噴風して除去することが好ましい。
【0033】
本発明は、
前記エジェクターノズルが、前記ノズル先端が前記選別除去用スリットに挿入されるほか、前記第1シュート部の下面側に当接又は近接し、複数のノズル孔が前記選別除去用スリットに直接又は間接に連通するよう、前記選別除去用スリットに前記ノズル先端が臨む状態で前記第1シュート部の下面側に配設されることが好ましい。
【0034】
本発明は、
前記光学検出用スリットのスリット幅の調整にともない、前記被選別物の前記流下方向に沿って前記選別除去用スリットの位置が変更される場合には、前記エジェクターノズルはエアを噴射するタイミングが調整されることが好ましい。
【0035】
本発明は、
前記光学検出手段が、前記シュートの上面側及び/又は下面側に設けられ、
前記シュート上を流下する前記被選別物を前記シュートの上面側及び/又は下面側から前記照明手段により照明し、前記照明手段により照明された前記被選別物を前記シュートの上面側及び/又は下面側から前記撮像手段により撮像することが好ましい。
【発明の効果】
【0036】
本発明の光学式選別機は、シュートには被選別物の流下方向に直交して光学検出用スリットが設けられ、光学検出手段は、前記光学検出用スリットが設けられる位置を検出位置として、前記シュート上を流下する前記被選別物を照明手段により照明し、前記照明手段により照明された前記被選別物を撮像手段により撮像するので、従来の光学式選別機のように、シュートの下端から落下する途中の被選別物を検出する場合と異なり、前記シュート上を常に一定の軌跡で流下する被選別物を検出することができる。
したがって、本発明の光学式選別機によれば、従来の光学式選別機に比べ、被選別物の不良品や異物等を精度よく検出することができるので、選別性能を向上させることができる。
【0037】
また、本発明の光学式選別機は、前記光学検出用スリットは、スリット幅が調整可能とされているので、被選別物の大きさに適したスリット幅に調整することができる。
したがって、本発明の光学式選別機によれば、原料となる被選別物を大きさの異なるものに変更した場合でも、前記被選別物の検出に必要な光量を確保することができるので、光量不足による選別不良が生じない。
【0038】
本発明の光学式選別機は、前記シュートは、第1シュート部と前記第1シュート部の上流側に位置する第2シュート部を含んで構成され、前記第1シュート部と前記第2シュート部は、前記被選別物の流下方向に沿って平行な流下面を有し、前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部によりスリット下縁、前記第2シュート部によりスリット上縁が形成されるよう、前記第1シュート部と前記第2シュート部との間に形成されてなり、前記第1シュート部及び/又は前記第2シュート部は、前記被選別物の前記流下方向に沿った上下位置が調整可能に設けられ、前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部及び/又は前記第2シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット幅が調整可能とされるものであれば、スリット幅を上流側、下流側又は上下流両側に自由に調整することができる。
【0039】
本発明の光学式選別機は、前記第1シュート部が、前記被選別物の前記流下方向に沿って上下にスライド可能に前記第2シュート部に取り付けられ、前記光学検出用スリットは、前記第1シュート部をスライドさせて前記第1シュート部の前記上下位置を調整することで、前記スリット幅が調整可能とされるものであれば、前記スリット幅を容易に調整することができる。
【0040】
本発明の光学式選別機は、前記第1シュート部には、前記スリット下縁を基点とする目盛が前記被選別物の前記流下方向に沿って上流側に向けて設けられ、前記光学検出用スリットは、前記目盛を参照しながら前記スリット幅が調整可能とされるものであれば、スリット幅を容易に調整することができる。
【0041】
本発明の光学式選別機は、前記第1シュート部と前記第2シュート部の平行な流下面が、前記第1シュート部の流下面が前記第2シュート部の流下面よりも下面側に位置するように段差を設けてなるものであれば、被選別物のスリット下縁への衝突による跳ね上がりを防止することができる。
【0042】
本発明は、エジェクター手段が、複数のノズル孔から選択的にエアを噴射するエジェクターノズルを備え、前記第1シュート部には、前記光学検出用スリットの下流側に前記被選別物の流下方向に直交して選別除去用スリットが設けられ、前記エジェクターノズルは、前記選別除去用スリットにノズル先端が臨む状態で前記第1シュート部の下面側に配設され、前記第1シュート部上を流下する前記被選別物を前記シュートの上面側へ噴風して除去するものであれば、従来の光学式選別機のように、シュートの下端から落下する途中の被選別物を選別除去する場合と異なり、前記シュート上を常に一定の軌跡で流下する被選別物を選別除去することができる。
したがって、本発明の光学式選別機によれば、従来の光学式選別機に比べ、被選別物の不良品や異物等を精度よく選別除去することができるので、選別性能をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】光学式選別機の概略側断面図。
図2】先行発明における光学選別部の概略説明図。
図3】先行発明におけるシュートの概略斜視図。
図4】本発明の実施形態1におけるシュートの概略斜視図。
図5図4の要部拡大図。
図6図5の側断面図。
図7図6において光学検出用スリットのスリット幅を調整した例の説明図。
図8図6において光学検出用スリットのスリット幅を調整した例の説明図。
図9図6において光学検出用スリットのスリット幅を調整した例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[光学式選別機]
図1は光学式選別機の一例であって概略側断面図を示す。
本発明の実施の形態において、光学式選別機1は、原料となる粒状物を供給する粒状物供給部2、傾斜状に配置されて前記粒状物を流下させるシュート3、前記シュート3上を流下する粒状物を検出し、該検出結果に基づいて良品と不良品に選別する光学選別部4、前記光学選別部4で選別された粒状物を良品と不良品に分けて排出する排出ホッパ5を備える。
【0045】
前記粒状物供給部2は、図示しない原料タンクと、前記原料タンクに貯留する粒状物を前記シュート3に供給する振動フィーダ21を備える。
【0046】
前記シュート3は、所定幅を有して前記振動フィーダ21の先端側下方位置に傾斜した状態で配置され、前記振動フィーダ21から供給される粒状物を自然流下させる。
【0047】
前記光学選別部4は、前記シュート3の上面側及び下面側に配設される一対の光学検出装置41a,41b、前記光学検出装置41a,41bの撮像信号に基づいて前記粒状物を良品と不良品に判別する判別装置42、前記判別装置42の判別結果に基づいて前記不良品を除去し前記粒状物を良品と不良品に選別するエジェクター装置43を備える。
【0048】
前記排出ホッパ5は、前記エジェクター装置43により選別された粒状物を良品と不良品に分別して排出する良品排出路51及び不良品排出路52を備える。
【0049】
前記光学式選別機1において、前記粒状物供給部2の原料タンクに貯留される粒状物は、前記振動フィーダ21により前記シュート3に連続して供給され、該シュート3の表面上を幅方向に広がる状態で連続状に自然流下する。
【0050】
前記シュート3上を流下する粒状物は、前記光学選別部4において、一対の前記光学検出装置41a,41bにおける撮像手段により撮像され、前記判別装置42において前記撮像手段の撮像信号における光量や色成分等の信号レベルがしきい値と比較されて良品と不良品のいずれかに判別され、前記判別装置42から送られる除去信号に基づいて前記エジェクター装置43におけるエアの噴射により不良品が除去され、良品と不良品に選別される。
【0051】
そして、前記良品に選別された粒状物は前記排出ホッパ5の良品排出路51、前記不良品に選別された粒状物は前記排出ホッパ5の不良品排出路52からそれぞれ排出される。
【0052】
[光学選別部]
図2は先行発明における光学選別部の概略説明図を示す。図3は先行発明におけるシュートの概略斜視図を示す。
先行発明における光学選別部4において、前記シュート3には、粒状物の流下方向に直交して前記シュート3の幅方向に連続的に開口する光学検出用スリット31が設けられる。
また、前記シュート3には、前記光学検出用スリット31の下流側に前記粒状物の流下方向に直交して前記シュート3の幅方向に連続的に開口する選別除去用スリット32が設けられる。
【0053】
前記光学選別部4において、前記光学検出装置41a,41bは、前記シュート3上を幅方向に広がる状態で流下する粒状物に対応できるCCD等のラインセンサやエリアセンサを内蔵し、近赤外線(NIR)、可視光又は紫外線等の波長域の光を受光可能とするCCDカメラ等の撮像手段411a,411bと、前記粒状物が流下する前記シュート3上の検出位置Oを照明するLED光源や蛍光灯等の照明手段412a,412bと、前記検出位置Oにおいて前記撮像手段411a,411bにより前記粒状物を撮像する際の背景となるバックグラウンドとを備える。
【0054】
また、前記エジェクター装置43は、前記光学検出装置41a,41bと同様に、前記シュート3上を幅方向に広がる状態で流下する粒状物に対応できるものであって、前記幅方向に形成される複数のノズル孔から選択的にエアを噴射することができるエジェクターノズル431と、前記判別装置から送られる除去信号に基づいて前記エジェクターノズル431からエアを噴射させる図示しないエジェクター駆動装置を備える。
【0055】
前記光学検出装置41a,41bは、前記シュート3上の前記光学検出用スリット31が設けられる位置が前記検出位置Oとなるように配設されており、前記シュート3上を流下する粒状物を、前記検出位置Oにおいて前記シュートの上面側及び下面側から前記照明手段412a,412bにより照明し、前記撮像手段411a,411bにより撮像する。
【0056】
また、前記エジェクター装置43は、前記エジェクターノズル431の先端が前記シュート3の下面側に当接又は近接し、前記エジェクターノズル431の複数のノズル孔が前記選別除去用スリット32に直接又は間接的に連通するように配設されており、前記シュート3上を流下する粒状物の中で不良品と判別されたものを、前記選別除去用スリット32を介して前記シュート3の上面側へエアの噴射により除去する。
【0057】
そして、前記シュート3上を流下する粒状物の中で良品と判別されたものは、前記排出ホッパ5の前記良品排出路51から排出され、不良品と判別されたものは前記排出ホッパ5の前記不良品排出路52から排出される。
【0058】
ここで、前記撮像手段411a,411bは、ラインセンサやエリアセンサを内蔵するものとしたが、ラインセンサを内蔵するものであれば、エリアセンサを内蔵するものと比べ、前記光学検出用スリット31のスリット幅が小さくても不良品等を精度よく検出することができる。
【0059】
また、前記照明手段412a,412bは、LED光源や蛍光灯等を用いることとしたが、LED光源を用いれば、その特性から光が発散しにくいため、前記検出位置Oにおいて前記シュート3上を流下する粒状物を前記撮像手段411a,411bにより撮像するに際し、蛍光灯を用いる場合に比べ、前記光学検出用スリット31のスリット幅が小さくても十分な光量を確保することができる。
なお、前記照明手段412a,412bとして蛍光灯を用いる場合でも、集光させることで、LED光源と同等の効果を得ることができる。
【0060】
前記シュート3に設けられる前記光学検出用スリット31のスリット幅は、センサ素子のサイズ、前記センサが受光する光量、前記シュートの傾斜角度、前記シュート上を流下する粒状物の重量や大きさ等を考慮して設定することができ、例えば米粒の場合には1~2mmとすることができる。
【0061】
また、前記シュート3に設けられる前記選別除去用スリット32のスリット幅は、粒状物の不良品を確実に選別除去できる幅に設定することができる。
なお、前記選別除去用スリット32は、前記シュート3の幅方向に連続状に開口することとしたが、前記エジェクターノズル431の複数のノズル孔に対応させて前記シュート3の幅方向に断続的に開口することもできる。
【0062】
[本発明の実施形態]
本発明の実施の形態における光学式選別機は、先行発明においてシュート3に設けられる光学検出用スリット31のスリット幅が調整可能とされるものであり、それ以外の構成は図1及び図2で説明したとおりであるので、ここでの説明は省略する。
【0063】
<実施形態1>
(実施例1)
図4は本発明の実施形態1におけるシュートの概略斜視図を示す。図5図4の要部拡大図を示す。図6図5の側断面図を示す。
本発明の実施形態1において、シュート7は、第1シュート部7Aと前記第1シュート部7Aの上流側に位置する第2シュート部7Bから構成される。
前記第1シュート部7Aと前記第2シュート部7Bは、粒状物の流下方向に沿って平行な流下面を有する。
前記シュート7には、前記第1シュート部7Aの上端によりスリット下縁71A、前記第2シュート部7Bの下端によりスリット上縁71Bが形成されるよう、前記第1シュート部7Aの上端と前記第2シュート部7Bの下端との間に前記粒状物の流下方向に直交して光学検出用スリット71が形成される。
【0064】
図5に示すように、前記第1シュート部7Aの両側壁には、それぞれ長孔73が形成される。また、前記第2シュート部7Bの両側壁には、それぞれ内側から前記各長孔73に挿通される各2本のネジ74が設けられる。
前記第1シュート部7Aは、前記両側壁の外側から前記各ネジ74にナット75を螺号させることで前記第2シュート部7Bに一体に取り付けられ、前記各ナット75を緩めることで前記第2シュート部7Bに対し前記粒状物の流下方向に沿って上下にスライド可能とされる。
【0065】
また、前記第1シュート部7Aの少なくとも一方の側壁の内面には、前記第1シュート部7Aの上端、即ち前記スリット下縁71Aを基点とする目盛76が前記粒状物の流下方向に沿って上流側に向けて設けられる。
【0066】
さらに、前記第1シュート部7Aと前記第2シュート部7Bの平行な流下面は、前記第1シュート部7Aの流下面が前記第2シュート部7Bの流下面よりも下面側に位置するように段差が設けられる。
【0067】
図6に示す例では、図2に示すCCDカメラ等の各撮像手段411a,411bとシュート7上の検出位置Oを結ぶ光軸Xa,Xbが、粒状物Gの流下方向においてスリットの中央を通過するよう前記光学検出用スリット71の位置が調整されている。
【0068】
図7は、図6において光学検出用スリットのスリット幅を調整した例であって、前記スリット幅を検出位置O(光軸Xa,Xb)に対し下流側へ広くなるように調整した例の説明図を示す。
本発明の実施形態1において、前記光学検出用スリット71は、前記第1シュート部7Aを前記第2シュート部7Bに対しスライドさせて前記第1シュート部7Aの上下位置を調整することで、前記スリット下縁71Aの位置を調整し、前記スリット幅を調整することができる。
【0069】
その際、前記第1シュート部7Aには前記スリット下縁71Aを基点とする目盛76が設けられているので、前記目盛76を参照しながら前記スリット幅を容易に調整することができる。
【0070】
また、前記第1シュート部7Aと前記第2シュート部7Bの平行な流下面は、前記第1シュート部7Aの流下面が前記第2シュート部7Bの流下面よりも下面側に位置するように段差が設けられているので、前記粒状物の前記スリット下縁71Aへの衝突による跳ね上がりを防止することができる。
なお、前記段差は、前記光学検出用スリット71の前記スリット幅に対応して調整することが好ましい。
【0071】
本発明の実施形態1において、前記第1シュート部7Aには、前記光学検出用スリット71の下流側に前記粒状物Gの流下方向に直交して選別除去用スリット72が設けられている。
そして、図6及び図7に示すように、前記第1シュート部7Aの下面側には、前記選別除去用スリット72にノズル先端が近接する状態でエジェクターノズル831が配設される。
前記エジェクターノズル831は、前記第1シュート部7A上を流下する前記粒状物Gを、前記選別除去用スリット72を介して前記シュート7の上面側へ噴風して除去することがきる。
【0072】
ここで、前記エジェクターノズル831の先端は、前記選別除去用スリット72に近接する状態のほか、前記第1シュート部7Aの下面側に当接し、又は前記選別除去用スリット72に挿入され、複数のノズル孔が前記選別除去用スリット72に直接又は間接に連通する状態で前記第1シュート部7Aの下面側に配設されるものとすることができる。
【0073】
図7に示す例では、前記光学検出用スリット71のスリット幅を下流側へ広く調整するのにともない、前記選別除去用スリット72の前記検出位置O(光軸Xa,Xb)からの位置が前記粒状物の流下方向に沿って下流側へ変更されるが、その場合、前記エジェクターノズル831がエアを噴射するタイミングを遅らせるように調整することで、前記粒状物Gを前記シュート7の上面側へ確実に噴風して除去することができる。
【0074】
なお、ここでは、前記光学検出用スリット71は、前記第1シュート部7Aを前記第2シュート部7Bに対しスライドさせて前記第1シュート部7Aの上下位置を調整することで、前記スリット幅を調整するものであったが、例えば前記第1シュート部7Aを前記第2シュート部7Bに対しネジ等により脱着可能に構成し、前記第1シュート部7Aの前記第2シュート部7Bに対する取り付け位置を変更するなど、他の手段により前記スリット幅を調整することもできる。
【0075】
(実施例2)
本発明の実施形態1において、前記第2シュート部7Bは、前記粒状物の流下方向に沿って上下にスライド可能に選別機に取り付けることができる。
前記光学検出用スリット71は、前記第2シュート部7Bを前記選別機に対しスライドさせて前記第2シュート部7Bの上下位置を調整することで、前記スリット上縁71Bの位置を調整することができる。
【0076】
ここで、前記第2シュート部7Bが取り付けられる前記選別機の部位は、例えば選別機本体のフレームのほか、前記第2シュート部7Bを前記粒状物の前記流下方向に沿って上下にスライド可能に直接又は間接に取り付けることができる選別機のすべての構成部材を含むものである。
【0077】
図8及び図9は、図6において光学検出用スリットのスリット幅を調整した例であって、図8は前記スリット幅を検出位置O(光軸Xa,Xb)に対し上流側へ広くなるように調整した例の説明図、図9は前記スリット幅を検出位置O(光軸Xa,Xb)に対し上下流両側へ広くなるように調整した例の説明図をそれぞれ示す。
図8に示す例は、図7に示す状態のシュート7において、前記第2シュート部7Bを前記選別機に対し上流側へスライドさせたものである。
また、図9の例は、図8に示す状態のシュート7において、前記第1シュート部7Aを前記第2シュート部7Bに対しさらに下流側へスライドさせたものである。
【0078】
なお、ここでは、前記光学検出用スリット71は、前記第2シュート部7Bを前記選別機に対しスライドさせて前記第2シュート部7Bの上下位置を調整することで、前記スリット上縁71Bの位置を調整するものであったが、例えば前記第2シュート部7Bを前記選別機に対しネジ等により脱着可能に構成し、前記第2シュート部7Bの前記選別機に対する取り付け位置を変更するなど、他の手段により前記スリット上縁71Bの位置を調整することもできる。
【0079】
(実施例3)
本発明の実施形態1において、前記シュート7は、さらに前記第2シュート部7Bの上流側に位置し、前記粒状物の流下方向に沿って平行な流下面を有する第3シュート部を含んで構成されるものとすることもできる。
その場合、前記第2シュート部7Bは、前記粒状物の流下方向に沿って上下にスライド可能に前記第3シュート部に取り付けることができる。
そして、前記光学検出用スリット71は、前記第2シュート部7Bを前記第3シュート部に対しスライドさせて前記第2シュート部7Bの上下位置を調整することで、実施例2の場合と同様に、前記スリット上縁71Bの位置を調整することができる。
【0080】
なお、ここでは、前記光学検出用スリット71は、前記第2シュート部7Bを前記第3シュート部に対しスライドさせて前記第2シュート部7Bの上下位置を調整することで、前記スリット上縁71Bの位置を調整するものであったが、例えば前記第2シュート部7Bを前記第3シュート部に対しネジ等により脱着可能に構成し、前記第2シュート部7Bの前記第3シュート部に対する取り付け位置を変更するなど、他の手段により前記スリット上縁71Bの位置を調整することもできる。
【0081】
<実施形態2>
本発明の実施形態2の光学式選別機は、前記第1シュート部7Aが、粒状物の流下方向に沿って上下にスライド可能に選別機に取り付けられる点で、上記実施形態1の光学式選別機と相違する。
【0082】
(実施例4)
本発明の実施形態2において、前記第1シュート部7Aは、粒状物の流下方向に沿って上下にスライド可能に選別機に取り付けることができる。
そして、前記光学検出用スリット71は、前記第1シュート部7Aを前記選別機に対しスライドさせて前記第1シュート部7Aの上下位置を調整することで、前記スリット下縁71Aの位置を調整し、前記スリット幅を調整することができる。
【0083】
ここで、前記第1シュート部7Aが取り付けられる前記選別機の部位は、例えば選別機本体のフレームのほか、排出ホッパなど、前記第1シュート7Aを前記粒状物の前記流下方向に沿って上下にスライド可能に直接又は間接に取り付けることができる選別機のすべての構成部材を含むものである。
【0084】
なお、ここでは、前記光学検出用スリット71は、前記第1シュート部7Aを前記選別機に対しスライドさせて前記第1シュート部7Aの上下位置を調整することで、前記スリット幅を調整するものであったが、例えば前記第1シュート部7Aを前記選別機に対しネジ等により脱着可能に構成し、前記第1シュート部7Aの前記選別機に対する取り付け位置を変更するなど、他の手段により前記スリット幅を調整することもできる。
【0085】
(実施例5)
本発明の実施形態2において、前記第2シュート部7Bは、上記実施形態1と同様に、前記粒状物の流下方向に沿って上下にスライド可能に選別機に取り付けることができる。
そして、前記光学検出用スリット71は、前記第2シュート部7Bを前記選別機に対しスライドさせて前記第2シュート部の上下位置を調整することで、前記スリット上縁71Bの位置を調整し、前記スリット幅を調整することができる。
【0086】
ここで、前記第2シュート部7Bが取り付けられる前記選別機は、例えば選別機本体のフレームの他、前記第2シュート部7Bを前記粒状物の流下方向に沿って上下にスライド可能に直接又は間接に取り付けることができる選別機のすべての構成部材を含むものである。
【0087】
なお、ここでも、前記光学検出用スリット71は、前記第2シュート部7Bを前記選別機に対しスライドさせて前記第2シュート部7Bの上下位置を調整することで、前記スリット幅を調整するものであったが、例えば前記第2シュート部7Bを前記選別機に対しネジ等により脱着可能に構成し、前記第2シュート部7Bの前記選別機に対する取り付け位置を変更するなど、他の手段により前記スリット幅を調整することもできる。
【0088】
(実施例6)
本発明の実施形態2において、前記シュート7は、さらに前記第2シュート部7Bの上流側に位置し、前記粒状物の流下方向に沿って平行な流下面を有する第3シュート部を含んで構成されるものとすることもできる。
その場合、前記第2シュート部7Bは、前記粒状物の流下方向に沿って上下にスライド可能に前記第3シュート部に取り付けることができる。
そして、前記光学検出用スリット71は、前記第2シュート部7Bを前記第3シュート部に対しスライドさせて前記第2シュート部7Bの上下位置を調整することで、実施例5の場合と同様に、前記スリット幅を調整することができる。
【0089】
なお、ここでも、前記光学検出用スリット71は、前記第2シュート部7Bを前記第3シュート部に対しスライドさせて前記第2シュート部7Bの上下位置を調整することで、前記スリット幅を調整するものであったが、例えば前記第2シュート部7Bを前記第3シュート部に対しネジ等により脱着可能に構成し、前記第2シュート部7Bの前記第3シュート部に対する取り付け位置を変更するなど、他の手段により前記スリット幅を調整することもできる。
【0090】
本発明の実施の形態における光学式選別機は、前記シュート7には前記粒状物の流下方向に直交して光学検出用スリット71が設けられ、前記光学検出装置41a,41bが、前記光学検出用スリット71が設けられる位置を前記検出位置Oとして、前記シュート7上を流下する前記粒状物を前記照明手段412a,412bにより照明し、前記照明手段412a,412bにより照明された前記粒状物を前記撮像手段411a,411bにより撮像するので、従来の光学式選別機のように、シュートの下端から落下する途中の粒状物を検出する場合と異なり、前記シュート上を常に一定の軌跡で流下する粒状物を検出することができる。
したがって、本発明の実施の形態における光学式選別機によれば、従来の光学式選別機に比べ、粒状物の不良品や異物等を精度よく検出することができるので、選別性能を向上させることができる。
【0091】
また、本発明の実施の形態における光学式選別機は、前記光学検出用スリット71が、スリット幅が調整可能とされているので、粒状物の大きさに適したスリット幅に調整することができる。
したがって、本発明の実施の形態における光学式選別機によれば、原料となる粒状物を大きさの異なるものに変更した場合でも、前記粒状物の検出に必要な光量を確保することができるので、光量不足による選別不良が生じない。
【0092】
本発明の実施の形態において、前記光学検出装置41a,41bは、前記シュートの上面側又は下面側にのみ設けることもできる。
【0093】
また、本発明の実施の形態において、前記光学検出装置41a,41bの前記照明手段412a,412bは、前記検出位置Oの上流側又は下流側にのみ設けることもできる。
【0094】
上記本発明の実施の形態において、前記光学選別部4は、不良品を除去することとしたが、良品を除去することで粒状物を良品と不良品に選別することもできる。また、原料に混入する異物を除去することで原料と異物を選別することもできる。
【0095】
上記本発明の実施の形態において、前記エジェクター装置43は、エジェクターノズル431を有し、粒状物をエアの噴射により除去するものを例としたが、粒状物を吸引装置による吸引により除去するものや、粒状物を機械的動作により除去するものとすることもできる。
【0096】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて構成を適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明の光学式選別機は、粒状物の不良品や異物等を精度よく検出することができるので、選別性能を向上させることができる。また、本発明の光学式選別機は、粒状物を大きさの異なるものに変更した場合でも、前記粒状物の検出に必要な光量を確保することができるので、光量不足による選別不良が生じない。
【符号の説明】
【0098】
1 光学式選別機
2 粒状物供給部
21 振動フィーダ
3 シュート
31 光学検出用スリット
32 選別除去用スリット
4 光学選別部
41a,41b 光学検出装置
411a,411b 撮像手段
412a,412b 照明手段
42 判別装置
43 エジェクター装置
431 エジェクターノズル
5 排出ホッパ
51 良品排出路(第1排出部)
52 不良品排出路(第2排出部)
7 シュート
7A 第1シュート部
7B 第2シュート部
71 光学検出用スリット
71A スリット下縁
71B スリット上縁
72 選別除去用スリット
73 長孔
74 ネジ
75 ナット
76 目盛
831 エジェクターノズル
G 粒状物
O 検出位置
Xa,Xb 撮像手段と検出位置Oを結ぶ光軸

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9