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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/165 20060101AFI20231219BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
B41J2/165 101
B41J2/165 207
B41J2/165 301
B41J2/01 307
B41J2/01 401
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020014628
(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2021121478
(43)【公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】下村 正樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】青木 毅
(72)【発明者】
【氏名】天野 祐作
【審査官】小野 郁磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-168528(JP,A)
【文献】特開2009-184132(JP,A)
【文献】特開2012-121296(JP,A)
【文献】特開2010-214780(JP,A)
【文献】特開2010-274433(JP,A)
【文献】特開平08-267773(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0060711(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出部から液体を吐出することで媒体に記録する記録部と、
前記記録部と対向配置され媒体を支持する支持部と、
前記記録部が前記支持部に対し進退する方向となる移動方向に沿って、前記記録部を、
媒体への記録が可能となる記録位置と、前記記録位置より前記支持部から離れた退避位置とに移動させる移動機構部と、
前記記録部が前記退避位置に位置する場合に前記吐出部を覆うことが可能となるキャップ部を有するとともに前記記録部側へ開口する開口部が形成され、媒体の搬送方向に移動可能なキャップユニットと、
前記移動方向及び前記搬送方向の両方と交差する幅方向に延びる回動軸の周りに回動可能とされ、閉塞姿勢において前記開口部を閉塞する蓋部と、
前記移動機構部が前記記録部を前記記録位置から前記退避位置へ移動させる場合に、前記蓋部の姿勢が前記閉塞姿勢となるように、前記蓋部を回動させる回動機構部と、
を有することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置において、
前記キャップユニットは、前記キャップ部と、前記吐出部から吐出された液体を受ける受部と、を前記搬送方向に沿って備えるとともに、前記搬送方向に移動することで、前記キャップ部が前記吐出部と対向する状態と、前記受部が前記吐出部と対向する状態とを切り換え、
前記受部は、前記開口部内に設けられ、
前記蓋部は、前記キャップ部が前記吐出部を覆う場合に、前記受部を覆う、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載の記録装置において、
前記受部は、前記搬送方向における前記キャップ部よりも下流に配置され、
前記キャップユニットは、前記搬送方向における前記記録部よりも上流に待機位置を有し、前記搬送方向における上流から下流に向かって順に、前記待機位置と、前記受部が前記吐出部と対向する吐出位置と、前記キャップ部が前記吐出部を覆うキャップ位置とを有し、
前記蓋部は、前記搬送方向における前記記録部よりも下流に配置されている、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の記録装置において、
前記回動機構部は、
前記記録部に設けられた被接触部と、
前記蓋部に設けられ、前記記録部の移動動作に伴い前記被接触部との接触位置を変化させることで前記蓋部を回動させる接触部と、を有する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項に記載の記録装置において、
前記被接触部は、被接触面と、前記移動方向において前記被接触面に対する前記支持部側に形成され前記接触部を前記被接触面へ案内する案内面と、を有する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項6】
請求項に記載の記録装置において、
前記接触部は、前記被接触部との接触によって回転する回転部材で構成される、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項7】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の記録装置において、
前記蓋部は、
前記開口部を閉塞する蓋部材と、
前記蓋部材から前記移動方向に張り出され、前記キャップユニットとの接触によって前記蓋部材を前記搬送方向に移動させる張出部と、
前記蓋部材から前記幅方向に突出された突出部と、
前記キャップユニットが前記張出部を前記搬送方向に押しつける動作に伴って前記蓋部材が前記記録部の移動方向において前記開口部に近づくように、前記突出部を支持し且つ案内するガイド溝が形成された側部と、を有する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項8】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の記録装置において、
前記移動機構部は、前記移動方向が鉛直方向及び水平方向の両方と交差するように前記記録部を移動させる、
ことを特徴とする記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の画像形成装置は、複数の記録ヘッドがライン構成され上下方向に移動可能な印字部と、記録媒体の搬送方向に移動可能なメンテナンス装置とを有する。
特許文献2のプリンタ装置は、記録ヘッドの待機時に吸引を行う吸引用キャップ部と、一方向に移動されることで吸引用キャップ部を覆う蓋部とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-214780号公報
【文献】特開2010-194950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のメンテナンス装置を特許文献2のスライドする蓋部で覆う構成とした場合に、蓋部をスライドさせる領域を確保しなければならず、記録装置が蓋部のスライド方向に大型化する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為の、本発明に係る記録装置は、吐出部から液体を吐出することで媒体に記録する記録部と、前記記録部と対向配置され媒体を支持する支持部と、前記記録部が前記支持部に対し進退する方向となる移動方向に沿って、前記記録部を、媒体への記録が可能となる記録位置と、前記記録位置より前記支持部から離れた退避位置とに移動させる移動機構部と、前記記録部が前記退避位置に位置する場合に前記吐出部を覆うことが可能となるキャップ部を有するとともに前記記録部側へ開口する開口部が形成され、媒体の搬送方向に移動可能なキャップユニットと、前記移動方向及び前記搬送方向の両方と交差する幅方向に延びる回動軸の周りに回動可能とされ、閉塞姿勢において前記開口部を閉塞する蓋部と、前記移動機構部が前記記録部を前記記録位置から前記退避位置へ移動させる場合に、前記蓋部の姿勢が前記閉塞姿勢となるように、前記蓋部を回動させる回動機構部と、を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態1に係るプリンターの媒体の搬送経路を示す図。
図2】実施形態1に係るラインヘッドの移動方向の角度と排出トレイの角度とを示す概略図。
図3】実施形態1に係るラインヘッドの周辺の構造を示す斜視図。
図4】実施形態1に係るラインヘッドを拡大した斜視図。
図5】実施形態1に係るラインヘッド及び本体フレームの一部を拡大した斜視図。
図6】実施形態1に係るラインヘッド及び調整ユニットを示す斜視図。
図7】実施形態1に係る調整ユニットの正面図。
図8図7のラインヘッド及び調整ユニットの一部を拡大した斜視図。
図9】実施形態1に係るラインヘッド及びメンテナンスユニットの配置を示す図。
図10】実施形態1に係るメンテナンスユニットの斜視図。
図11】実施形態1に係る蓋ユニットの斜視図。
図12】実施形態1に係るラインヘッド及び蓋ユニットの端部を拡大した斜視図。
図13】実施形態1に係る蓋ユニットのコロが案内面によって案内される状態を表す図。
図14】実施形態1に係るラインヘッドが記録位置に位置した状態を表す概略図。
図15】実施形態1に係るラインヘッドが第1位置に位置した状態を表す概略図。
図16】実施形態1に係るラインヘッドが第2位置に位置した状態を表す概略図。
図17】実施形態1に係るラインヘッドが第3位置に位置した状態を表す概略図。
図18】実施形態1に係るラインヘッドが保管前の待機位置に位置した状態を表す概略図。
図19】実施形態1に係るラインヘッドが払拭前の待機位置に位置した状態を表す概略図。
図20】実施形態1に係るラインヘッドが交換位置に位置した状態を表す概略図。
図21】実施形態1に係るラインヘッドが記録位置に位置する場合の各部の配置を表す概略図。
図22】実施形態1に係るラインヘッドが退避位置に位置する場合の各部の配置を表す概略図。
図23】実施形態1に係るラインヘッドがフラッシングを行う場合の各部の配置を表す概略図。
図24】実施形態1に係るラインヘッドを保管状態とする場合の各部の配置を表す概略図。
図25】実施形態1に係る蓋ユニットの板状部がメンテナンスユニットの移動に伴って変位する状態を表す概略図。
図26】実施形態2に係るプリンターの蓋ユニットの回動機構部を表す斜視図。
図27】実施形態2に係る回動機構部によって蓋ユニットが回動された状態を表す斜視図。
図28】実施形態3に係るプリンターの蓋ユニットの回動機構部を表す斜視図。
図29図28の部分拡大図。
図30】実施形態4に係るプリンターのキャップユニットの移動機構部を表す斜視図。
図31】実施形態5に係るプリンターの蓋ユニットの回動機構部を表す斜視図。
図32】実施形態6に係る蓋ユニットが摺動する状態を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明について概略的に説明する。
第1の態様に係る記録装置は、吐出部から液体を吐出することで媒体に記録する記録部と、前記記録部と対向配置され媒体を支持する支持部と、前記記録部が前記支持部に対し進退する方向となる移動方向に沿って、前記記録部を、媒体への記録が可能となる記録位置と、前記記録位置より前記支持部から離れた退避位置とに移動させる移動機構部と、前記記録部が前記退避位置に位置する場合に前記吐出部を覆うことが可能となるキャップ部を有するとともに前記記録部側へ開口する開口部が形成され、媒体の搬送方向に移動可能なキャップユニットと、前記移動方向及び前記搬送方向の両方と交差する幅方向に延びる回動軸の周りに回動可能とされ、閉塞姿勢において前記開口部を閉塞する蓋部と、前記移動機構部が前記記録部を前記記録位置から前記退避位置へ移動させる場合に、前記蓋部の姿勢が前記閉塞姿勢となるように、前記蓋部を回動させる回動機構部と、を有することを特徴とする。
【0008】
本態様によれば、前記移動機構部が前記記録部を前記記録位置から前記退避位置へ移動させる場合に、前記回動機構部が、前記蓋部の姿勢が前記閉塞姿勢となるように、前記蓋部を回動させる。そして、前記キャップユニットが前記搬送方向に移動されることで、前記キャップ部が前記吐出部を覆い、前記蓋部が前記開口部を閉塞する。このように、前記蓋部が回動される構成となっていることで、前記蓋部をスライドさせる構成に比べて、前記記録装置が前記蓋部のスライド方向に大型化するのを抑制することができる。
【0009】
第2の態様に係る記録装置は、第1の態様において、前記キャップユニットは、前記キャップ部と、前記吐出部から吐出された液体を受ける受部と、を前記搬送方向に沿って備えるとともに、前記搬送方向に移動することで、前記キャップ部が前記吐出部と対向する状態と、前記受部が前記吐出部と対向する状態とを切り換え、前記受部は、前記開口部内に設けられ、前記蓋部は、前記キャップ部が前記吐出部を覆う場合に、前記受部を覆うことを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、前記キャップユニットが前記キャップ部と前記受部とを有する構成において、前記キャップ部が前記吐出部を覆う場合に、前記蓋部が前記受部を覆うので、前記受部が乾燥するのを抑制することができる。
【0011】
第3の態様に係る記録装置は、第2の態様において、前記受部は、前記搬送方向における前記キャップ部よりも下流に配置され、前記キャップユニットは、前記搬送方向における前記記録部よりも上流に待機位置を有し、前記搬送方向における上流から下流に向かって順に、前記待機位置と、前記受部が前記吐出部と対向する吐出位置と、前記キャップ部が前記吐出部を覆うキャップ位置とを有し、前記蓋部は、前記搬送方向における前記記録部よりも下流に配置されていることを特徴とする。
【0012】
本態様によれば、前記キャップユニットが前記待機位置にある場合に、前記受部が前記キャップ部よりも前記記録部に近い位置にあることとなる。これにより、記録ジョブの途中で前記吐出部から前記受部に液体を吐出する際に、前記キャップユニットを移動させる時間が短くなるので、記録スループットの低下を抑制できる。
【0013】
第4の態様に係る記録装置は、第1の態様において、前記蓋部は、前記搬送方向における前記記録部よりも上流に配置され、前記キャップユニットは、前記搬送方向における前記記録部よりも上流に待機位置を有し、前記待機位置と、前記キャップ部が前記吐出部を覆うキャップ位置とを移動することを特徴とする。
【0014】
第5の態様に係る記録装置は、第1の態様から第4の態様のいずれか1つにおいて、前記回動機構部は、前記記録部に設けられた被接触部と、前記蓋部に設けられ、前記記録部の移動動作に伴い前記被接触部との接触位置を変化させることで前記蓋部を回動させる接触部と、を有することを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、前記接触部が前記記録部の移動動作に伴って前記被接触部との接触位置を変化させることで、前記蓋部が回動される。つまり、前記蓋部を回動させるための駆動源を別途、設ける必要がなくなり、該駆動源の設置スペースを確保する必要がなくなるので、前記記録装置が大型化するのを抑制することができる。
【0016】
第6の態様に係る記録装置は、第5の態様において、前記被接触部は、被接触面と、前記移動方向において前記被接触面に対する前記支持部側に形成され前記接触部を前記被接触面へ案内する案内面と、を有することを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、前記接触部が、前記案内面と接触することで前記被接触面へ案内されるので、前記接触部が前記被接触部に引っ掛かるのを抑制することができる。
【0018】
第7の態様に係る記録装置は、第5の態様において、前記接触部は、前記被接触部との接触によって回転する回転部材で構成されることを特徴とする。
【0019】
本態様によれば、前記回転部材が、前記被接触部との接触によって回転されながら移動するので、前記接触部が前記回転部材を有さない構成に比べて、前記接触部と前記被接触部との接触により生じる摩擦力を低減することができる。
【0020】
第8の態様に係る記録装置は、第1の態様から第4の態様のいずれか1つにおいて、前記回動機構部は、前記幅方向に移動可能に設けられ、前記吐出部を清掃する清掃部と、前記清掃部の前記幅方向に沿った直線運動を、前記蓋部を回動させる回転運動に変換する変換部と、を有することを特徴とする。
【0021】
本態様によれば、前記清掃部が前記吐出部を清掃した後で前記幅方向に移動された場合に、前記変換部が、前記清掃部の直線運動を前記蓋部を回動させる回転運動に変換する。つまり、前記蓋部を回動させるための駆動源を別途、設ける必要がなくなり、該駆動源の設置スペースを確保する必要がなくなるので、前記記録装置が大型化するのを抑制することができる。
【0022】
第9の態様に係る記録装置は、第1の態様から第8の態様のいずれか1つにおいて、前記蓋部は、前記開口部を閉塞する蓋部材と、前記蓋部材から前記移動方向に張り出され、前記キャップユニットとの接触によって前記蓋部材を前記搬送方向に移動させる張出部と、前記蓋部材から前記幅方向に突出された突出部と、前記キャップユニットが前記張出部を前記搬送方向に押しつける動作に伴って前記蓋部材が前記記録部の移動方向において前記開口部に近づくように、前記突出部を支持し且つ案内するガイド溝が形成された側部と、
を有することを特徴とする。
【0023】
本態様によれば、前記蓋部が前記搬送方向に沿った姿勢となる状態において、前記キャップユニットが前記蓋部と対向する位置に移動された場合に、前記キャップユニットが前記張出部を前記搬送方向に押し付けることで、前記蓋部材が前記移動方向に移動される。ここで、前記蓋部材の移動に伴って、前記突出部が前記ガイド溝に案内されることで、前記蓋部材は、前記開口部に近づき、前記開口部を閉塞する。このように、前記蓋部の姿勢を変更しなくても、前記蓋部の一部を構成する前記蓋部材と、前記開口部とを近づけられるので、前記蓋部と前記開口部との間に隙間が形成されるのを抑制することができる。
【0024】
第10の態様に係る記録装置は、第1の態様から第9の態様のいずれか1つにおいて、前記移動機構部は、前記移動方向が鉛直方向及び水平方向の両方と交差するように前記記録部を移動させることを特徴とする。
【0025】
本態様によれば、前記移動機構部が前記記録部を鉛直方向及び水平方向の両方と交差する前記移動方向に移動させる。前記記録部において鉛直方向に作用する重力は、前記移動方向に沿った分力と、前記移動方向と直交する方向に沿った分力とに分解される。ここで、前記移動方向において前記記録部に作用する分力が、鉛直方向において前記記録部に作用する重力よりも小さくなることで、前記記録部を移動させるために必要な力が小さくなるので、前記記録部を鉛直方向に移動させる構成に比べて、前記移動機構部に作用する負荷が大きくなるのを抑制することができる。
【0026】
以下、本発明に係る記録装置の一例としての実施形態1のプリンター1を具体的に説明する。
図1には、記録装置の一例としてのプリンター1が表されている。プリンター1は、記録用紙に代表される媒体Pに対し、液体の一例であるインクを吐出することで記録を行うインクジェット方式の装置として構成されている。尚、各図において示すX-Y-Z座標系は直交座標系である。
Y方向は、媒体の搬送方向と交差する媒体の幅方向及び装置奥行き方向であり、一例として、水平方向となっている。また、Y方向は、後述するA方向及びB方向の両方と交差する装置奥行方向の一例である。Y方向の手前に向かう方向を+Y方向、奥に向かう方向を-Y方向と称する。
X方向は装置幅方向であり、一例として、水平方向となっている。プリンター1の操作者から見てX方向の左に向かう方向を+X方向、右に向かう方向を-X方向と称する。
Z方向は、装置高さ方向であり、一例として、鉛直方向となっている。Z方向の上に向かう方向を+Z方向、下に向かう方向を-Z方向と称する。
【0027】
プリンター1において、媒体Pは、破線で示す搬送経路Tを通って搬送される。
X-Z面に示されるA-B座標系は、直交座標系である。A方向は、搬送経路Tのうち後述するラインヘッド20と対向する領域における媒体Pの搬送方向である。A方向の上流に向かう方向を-A方向、下流に向かう方向を+A方向と称する。本実施形態において、A方向は、+A方向が-A方向よりも+Z方向に位置するように傾いた方向とされている。具体的には水平方向に対して50°~70°の範囲で傾斜し、より具体的には概ね60°傾斜している。B方向は、移動方向の一例であり、後述するラインヘッド20が後述する搬送ユニット10に対し進退する方向となる移動方向である。B方向におけるラインヘッド20が搬送経路Tに近づく方向を+B方向、搬送経路Tから離れる方向を-B方向と称する。本実施形態において、B方向は、-B方向が+B方向よりも+Z方向に位置するように傾いた方向とされ、A方向とは直交している。
このように、ラインヘッド20による記録が行われる搬送ユニット10を含む領域の媒体Pの搬送方向は、水平方向及び鉛直方向の両方向と交差する傾斜した方向である。
【0028】
プリンター1は、装置本体の一例としての筐体2を有する。筐体2のZ方向中央よりも+Z方向には、情報が記録された媒体Pが排出される空間部を形成する排出部3が形成されている。また、筐体2には、複数の媒体カセット4が設けられている。
複数の媒体カセット4には、媒体Pが収容されている。各媒体カセット4に収容された媒体Pは、ピックローラー6及び搬送ローラー対7、8によって、搬送経路Tに沿って搬送される。搬送経路Tには、外部装置から媒体Pが搬送される搬送路T1と、筐体2に設けられた手差トレイ9から媒体Pが搬送される搬送路T2とが合流している。
【0029】
また、搬送経路Tには、後述する搬送ユニット10と、媒体Pを搬送する複数の搬送ローラー対11と、媒体Pが搬送される経路を切り替える複数のフラップ12と、媒体PのY方向の幅を検出する媒体幅センサー13とが配置されている。
搬送経路Tは、媒体幅センサー13と対向する領域において湾曲されており、媒体幅センサー13から斜め上方、即ちA方向に延びている。搬送経路Tにおける搬送ユニット10よりも下流には、排出部3に向かう搬送路T3及び搬送路T4と、媒体Pの表裏を反転させる反転路T5とが設けられている。排出部3には、搬送路T4に合わせて、不図示の排出トレイが設けられている。
【0030】
また、筐体2内には、インクを収容するインク収容部23と、インクの廃液を貯留する廃液貯留部16と、プリンター1の各部の動作を制御する制御部26とが設けられている。インク収容部23は、不図示のチューブを介してラインヘッド20へインクを供給する。廃液貯留部16は、ラインヘッド20からフラッシング部66(図9参照)に向けてメンテナンスの為に吐出された廃液としてのインクを貯留する。
制御部26は、図示を省略するCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びストレージを含んで構成され、プリンター1における媒体Pの搬送や、ラインヘッド20による媒体Pへの情報の記録動作を制御する。
【0031】
図2に表すように、排出部3の底部を構成する排出トレイ21は、載置部材の一例として板状に形成された部材であり、排出された媒体Pが載置される載置面21Aを有する。また、排出トレイ21は、媒体Pの搬送経路Tにおける後述する搬送ユニット10よりも下流で且つZ方向における後述するラインヘッド20に対する+Z方向に設けられている。
具体的には、排出トレイ21は、+X方向の部位が-X方向の部位よりも+Z方向に位置するように斜め方向に延びている。換言すると、媒体Pの搬送方向において、排出トレイ21の下流端部が上流端部よりも+Z方向に位置している。載置面21Aは、媒体Pの排出方向に沿って斜め上に向かう傾斜を有している。B方向は、後述するラインヘッド20が後述する搬送ユニット10から離れる方向に沿って斜め上に向かっている。なお、図2では、プリンター1の各構成部を簡略化して表している。
【0032】
Y方向から見た場合に、B方向とX方向(水平方向の一例)との成す角度を第1角度θ1と称する。また、載置面21Aの傾斜方向と、X方向とが成す角度を第2角度θ2と称する。第2角度θ2は、載置面21Aと、X方向に沿った仮想面Kとが成す角度として表されている。第1角度θ1は、一例として、第2角度θ2よりも大きい。B方向は、後述するラインヘッド20が搬送ユニット10と対向する方向となる移動方向の一例である。
【0033】
プリンター1は、要部として、媒体Pを搬送する搬送ユニット10と、媒体Pに情報を記録するラインヘッド20と、ラインヘッド20をB方向に移動させるヘッド移動ユニット30とを有する。
【0034】
図1に表すように、搬送ユニット10は、支持部の一例であり、2つのプーリー14と、2つのプーリー14に巻き掛けられた無端状の搬送ベルト15と、プーリー14を駆動する不図示のモーターとを有する。媒体Pは、搬送ベルト15のベルト面に吸着されつつ、ラインヘッド20と対向する位置を搬送される。搬送ベルト15に媒体Pを吸着させる方式としては、エアー吸引方式や静電吸着方式などの公知の吸着方式を採用できる。このように、搬送ベルト15は、媒体Pを吸着しつつ、媒体Pを支持している。搬送ユニット10は、ラインヘッド20とB方向に対向配置される。
【0035】
ラインヘッド20は、記録部の一例である。また、ラインヘッド20は、液体の一例であるインクを吐出するノズルNを有する。ノズルNは、吐出部の一例である。また、ラインヘッド20は、後述する記録位置において搬送ユニット10とB方向に対向配置され、ノズルNからインクを吐出することで媒体Pに情報を記録する。ラインヘッド20は、インクを吐出するノズルNが媒体Pの幅方向としてのY方向の全域をカバーする様に構成されたインク吐出ヘッドである。また、ノズルNが配置されるノズル面はA方向とY方向に沿って配置される。
【0036】
また、ラインヘッド20は、媒体Pの幅方向への移動を伴わないで媒体Pの幅方向の全域に記録が可能なインク吐出ヘッドとして構成されている。但し、インク吐出ヘッドのタイプはこれに限られず、キャリッジに搭載されて媒体Pの幅方向に移動しながらインクを吐出するタイプであってもよい。
【0037】
図4に表すように、ラインヘッド20は、Y方向に延びている。ラインヘッド20のY方向の両端部における+A方向の側部には、+A方向に向けて板部20Aが突出されている。また、ラインヘッド20のY方向の両端部には、それぞれ支持フレーム22が取り付けられている。
支持フレーム22は、A-B面に沿った側板として構成されており、ラインヘッド20に対して-B方向へ延びている。支持フレーム22のY方向の外側面におけるB方向両端部には、それぞれ+Y方向及び-Y方向へ延びる円柱状の支持ピン24が設けられている。支持ピン24には、円環状のコロ25が回転可能に設けられている。
【0038】
また、支持フレーム22のY方向の内面には、支持ピン27と、ラック28と、コイルバネ29とが設けられている。支持ピン27は、支持フレーム22からY方向に突出されている。
ラック28は、Y方向を厚さ方向とする板状の部材であり、B方向に延びている。ラック28の-A方向の端部には、B方向に並ぶ複数の歯部28Aが形成されている。また、ラック28には、Y方向に貫通し且つB方向に長い長孔28Bが形成されている。長孔28Bには、支持ピン27が挿通されている。これにより、ラック28は、支持フレーム22に対してB方向に相対移動が可能とされている。
コイルバネ29の一端部は、支持フレーム22に取り付けられている。コイルバネ29の他端部は、ラック28に取り付けられている。これにより、コイルバネ29は、ラック28に対してB方向の弾性力を作用させるようになっている。
【0039】
図3に表すように、ラインヘッド20は、B方向における搬送ユニット10(図1参照)から最も離れた交換位置において、後述するヘッド移動ユニット30から離脱可能とされている。具体的には、ラインヘッド20は、後述するガイドレール37(図5参照)に沿って-B方向に移動された支持フレーム22が、さらにガイドレール38に沿って+Z方向に引き上げられることで、ヘッド移動ユニット30から離脱されるようになっている。
【0040】
図2に表すように、ヘッド移動ユニット30は、移動機構部の一例であり、ラインヘッド20をB方向に沿って、後述する記録位置と退避位置とに移動させる。換言すると、ヘッド移動ユニット30は、ラインヘッド20の移動方向が鉛直方向及び水平方向の両方と交差するように、ラインヘッド20をB方向に移動させる。
【0041】
図3に表すように、ヘッド移動ユニット30は、本体部分を構成する本体フレーム32と、ラインヘッド20(図1参照)をB方向に案内するガイド部材36と、ラインヘッド20をB方向に駆動する駆動ユニット40(図5参照)と、ラインヘッド20のB方向の位置を調整する調整ユニット46(図6参照)とを有する。そして、ヘッド移動ユニット30は、ラインヘッド20を、後述する記録位置に対して搬送ユニット10から離れた1つ以上の後述する退避位置に移動させる。具体的には、ヘッド移動ユニット30は、第1位置と、第2位置と、第3位置とに、ラインヘッド20を移動可能に設けられている。なお、第1位置、第2位置及び第3位置については、後述する。
【0042】
本体フレーム32は、筐体2に含まれる。つまり、本体フレーム32は、装置本体の一例に含まれる。具体的には、本体フレーム32は、サイドフレーム33、34と、複数の横フレーム35とを有する。
【0043】
サイドフレーム33、34は、それぞれA-B面に沿った側板として構成されており、Y方向に間隔をあけて対向配置されている。サイドフレーム33は、+Y方向に配置され、サイドフレーム34は、-Y方向に配置されている。サイドフレーム34には、後述する第2メンテナンスユニット72(図10参照)が移動するための貫通孔34Aが形成されている。
複数の横フレーム35は、サイドフレーム33、34をY方向に繋いでいる。また、複数の横フレーム35によって囲まれた空間には、ラインヘッド20が配置されている。
【0044】
ガイド部材36は、案内部の一例であり、サイドフレーム33、34にそれぞれ1つ設けられている。なお、2つのガイド部材36は、本体フレーム32におけるY方向の中央に対してほぼ対称に配置されている。このため、-Y方向のガイド部材36について説明し、+Y方向のガイド部材36の説明を省略する。
【0045】
図5に表すように、ガイド部材36は、サイドフレーム34の+Y方向の側面に取り付けられている。ガイド部材36には、B方向に延びるガイドレール37と、ガイドレール37の途中の部位から分岐してZ方向に延びるガイドレール38とが形成されている。ガイドレール37、38は、いずれも+Y方向に開口する溝となっている。また、ガイドレール37、38は、コロ25をB方向又はZ方向に案内する。
なお、ガイドレール37の-B方向の端部は、+Z方向に向けて屈曲されている(図3参照)。また、-Y方向のガイド部材36のうち、貫通孔34AとY方向に重なる部分は取り除かれている。換言すると、ガイド部材36は、貫通孔34Aに対して+B方向にも設けられている。
【0046】
図5及び図8に表すように、サイドフレーム33、34には、1組のガイドレール71が設けられている。1組のガイドレール71は、Y方向の内側へ向けて開口する溝状に形成されており、A方向に沿って延びている。また、1組のガイドレール71は、後述する複数のコロ73をA方向に移動可能に支持している。つまり、ガイドレール71が複数のコロ73(図10参照)をA方向に案内することで、後述するメンテナンスユニット60(図9参照)がA方向に移動可能とされている。
【0047】
図5に表すように、駆動ユニット40は、モーター41と、不図示のギア部と、シャフト42と、ピニオン43とを含んで構成されており、制御部26(図1参照)によって駆動が制御される。
シャフト42は、Y方向に延びている。シャフト42の両端部は、サイドフレーム33(図3参照)及びサイドフレーム34に回転可能に支持されている。
ピニオン43は、シャフト42のY方向の両端部に取り付けられている。ピニオン43の外周部には、歯部28A(図3参照)と噛み合う歯部43Aが形成されている。
【0048】
モーター41は、不図示のギア部を介してシャフト42及びピニオン43を一方向又は逆方向に回転させる。このように、駆動ユニット40は、ピニオン43を回転駆動することで、ラインヘッド20をB方向に移動させる。
【0049】
図6に表すように、調整ユニット46は、調整部の一例であり、本体フレーム32に設けられている。具体的には、調整ユニット46は、カム軸47と、2つの偏心カム48と、モーター49と、ホルダー51と、ブラケット52と、調整ネジ53と、被検知部材54と、位置センサー55と、ベアリング56(図7参照)とを有する。
【0050】
カム軸47は、Y方向に長い部材であり、サイドフレーム33からサイドフレーム34まで延びている。
2つの偏心カム48は、カム軸47に取り付けられている。また、2つの偏心カム48の外周面は、ラインヘッド20の板部20Aの+B方向の部分に接触している。これにより、カム軸47の回動に伴って2つの偏心カム48が回動されることで、ラインヘッド20の位置がB方向に調整されるようになっている。
モーター49は、サイドフレーム34に設けられている。また、モーター49は、制御部26(図1参照)により駆動制御されることで、カム軸47を一方向又は逆方向に回動させる。
【0051】
図7に表すように、ホルダー51は、板金で構成されており、サイドフレーム33に取り付けられている。ホルダー51には、Y方向に貫通する貫通孔51Aが形成されている。貫通孔51Aには、ベアリング56がB方向に移動可能に挿入されている。これにより、ホルダー51は、ベアリング56を支持している。ベアリング56には、カム軸47が挿入されている。ホルダー51は、駆動ユニット40がラインヘッド20をB方向に移動させて、板部20Aが偏心カム48に接触された後に、偏心カム48を回動させてラインヘッド20が配置される予定位置に移動させても良い。
【0052】
ブラケット52は、サイドフレーム33のホルダー51に対する-B方向の部位に取り付けられている。また、ブラケット52は、調整ネジ53を回転可能に支持する支持板52Aを有する。調整ネジ53の+B方向の端部は、ホルダー51のネジ穴と係合している。これにより、調整ネジ53を回転させ、ホルダー51を上下移動させることで、カム軸47のB方向の位置及びラインヘッド20(図1参照)のB方向の位置を調整可能となっている。
【0053】
被検知部材54は、カム軸47の+Y方向の端部に取り付けられている。また、被検知部材54は、カム軸47から径方向に張り出された扇状部54Aを有する。
位置センサー55は、ホルダー51に取り付けられている。また、位置センサー55は、一例として、不図示の発光部及び受光部を備えた光学式センサーであり、扇状部54Aによって光が遮断される。つまり、位置センサー55は、光の遮断の有無に基づいて、カム軸47の回動の角度を検知するようになっている。
【0054】
図8に表すように、調整ユニット46は、ラインヘッド20が配置される予定位置に応じて、偏心カム48を回動させる。予定位置は、換言すると、ラインヘッド20と搬送ユニット10(図1参照)とのB方向の間隔である。偏心カム48の回動後に、駆動ユニット40がラインヘッド20をB方向に移動させることで、板部20Aが偏心カム48に接触される。このとき、コイルバネ29の圧縮変形によって、ラック28の停止位置の誤差が吸収される。駆動ユニット40がラインヘッド20をB方向に移動させて、板部20Aが偏心カム48に接触された後に、偏心カム48を回動させてラインヘッド20が配置される予定位置に移動させても良い。
【0055】
図6に表すように、調整ユニット46は、ラインヘッド20のB方向の位置調整について、-Y方向のモーター49の駆動によって自動調整を行う一方で、+Y方向において、操作者による調整ネジ53の手動操作による+Y方向の端部の-Y方向の端部に対するB方向のずれの調整を可能としている。なお、調整ユニット46は、ラインヘッド20が後述する記録位置に位置する場合に、ラインヘッド20の位置調整のために用いられる。
【0056】
図9に表すように、プリンター1は、さらに、メンテナンスユニット60と、駆動ユニット80と、蓋ユニット90と、回動機構部100とを有する。
【0057】
メンテナンスユニット60は、ノズルNを保管し且つノズルNのメンテナンスを行う保管部の一例である。また、メンテナンスユニット60は、後述する駆動ユニット80によって、A方向に移動可能に設けられている。具体的には、メンテナンスユニット60は、ノズルNを覆う第1メンテナンスユニット62と、ノズルNにおけるインクの吐出面NAを払拭することで清掃する第2メンテナンスユニット72(図10参照)とを有する。
【0058】
第1メンテナンスユニット62は、キャップユニットの一例である。また、第1メンテナンスユニット62は、カバー本体63と、ノズルNを覆うキャップ部64と、ノズルNを覆い且つノズルNから吐出されたインクを受けるフラッシング部66とを含んで構成されている。
また、第1メンテナンスユニット62は、キャップ部64とフラッシング部66とをA方向に沿って備えるとともに、A方向に移動することで、キャップ部64がノズルNと対向する状態と、フラッシング部66がノズルNと対向する状態とを切り換える。
さらに、第1メンテナンスユニット62は、A方向におけるラインヘッド20よりも上流に待機位置を有し、A方向における上流から下流に向かって順に、待機位置と、吐出位置と、キャップ位置とを有する。
吐出位置は、フラッシング部66がノズルNと対向する場合の第1メンテナンスユニット62の位置である。
キャップ位置は、キャップ部64がノズルNを覆う場合の第1メンテナンスユニット62の位置である。
【0059】
図10に表すように、カバー本体63は、Y方向に長く且つA方向に短い箱状に形成されている。カバー本体63には、-B方向に開口する開口部65が形成されている。カバー本体63のうち、+Y方向の側壁63Aには、A方向に延びるラック69が形成されている。ラック69は、A方向に並ぶ複数の歯部69Aを有する。また、両方の側壁63Aには、Y方向を軸方向として回転可能とされた複数のコロ73が設けられている。
カバー本体63の内側には、仕切壁67が設けられている。仕切壁67は、カバー本体63内の空間を、+A方向の空間と-A方向の空間とに区画している。仕切壁67の-A方向の空間にキャップ部64が、仕切壁67の+A方向の空間にフラッシング部66が配置される。
【0060】
キャップ部64の大きさ及び形状は、吐出面NA(図9参照)を覆う大きさ及び形状とされている。また、キャップ部64は、吐出面NAとB方向に対向配置されることで、吐出面NAを覆う。キャップ部64が吐出面NAを覆うことで、ノズルNの乾燥が抑制され、インクの粘性の増加が抑制される。なお、キャップ部64は、ラインヘッド20(図1参照)が退避位置に位置する場合にノズルNを覆うことが可能となる。
【0061】
フラッシング部66は、受部の一例であり、開口部65内に設けられている。また、フラッシング部66は、A方向におけるキャップ部64よりも下流に配置されている。換言すると、第1メンテナンスユニット62が待機位置に配置された状態において、フラッシング部66は、A方向におけるキャップ部64よりもラインヘッド20に近い位置に配置されている。また、フラッシング部66は、-B方向に開口され且つフェルトなどの多孔質の繊維を有するフラッシングボックスとして構成されている。そして、フラッシング部66は、ノズルNから吐出されるインクを捕捉する。なお、フラッシング部66は、ラインヘッド20が退避位置に位置する場合にノズルNを覆うことが可能となる。
ノズルNにおいて、インクの粘性が増加した場合には、フラッシング部66に向けてインクが吐出されることで、インクの粘性が設定範囲内に維持される。これにより、ノズルNからのインクの吐出不良が抑制される。
【0062】
第2メンテナンスユニット72は、本体部74と、清掃部の一例としてのブレード76とを含んで構成されている。本体部74は、-B方向に開口する箱状に形成されている。
ブレード76は、一例として、矩形板状のゴムで構成されている。また、ブレード76は、ノズルN(図1参照)を拭く部位が本体部74から-B方向へ突出し、A方向及びY方向に対して傾斜した状態で、本体部74に設けられている。
【0063】
第2メンテナンスユニット72は、不図示の駆動ユニットによって、Y方向に進出及び退避可能とされている。不図示の駆動ユニットは、一例として、モーター及び第2メンテナンスユニット72が取り付けられたベルトを含んで構成されており、モーターの回転によってベルトが周回移動されることで、第2メンテナンスユニット72をY方向に移動させるようになっている。なお、第2メンテナンスユニット72は、第1メンテナンスユニット62がラインヘッド20を覆う場合及びラインヘッド20が記録を行う場合には、サイドフレーム34(図3参照)に対して-Y方向に退避されている。
【0064】
駆動ユニット80は、メンテナンスユニット60をA方向に進出させ又は退避させる駆動部の一例である。具体的には、駆動ユニット80は、ラック69の歯部69Aと噛み合う歯部82Aを有するギア82と、ギア82を回転させるモーター84とを有する。駆動ユニット80の駆動制御は、制御部26(図1参照)によって行われる。
【0065】
駆動ユニット80は、ラインヘッド20(図1参照)が後述する退避位置に位置した場合に、ラインヘッド20と搬送ユニット10(図1参照)との間にメンテナンスユニット60を進出させる。また、駆動ユニット80は、ラインヘッド20が後述する記録位置に位置する前に、ラインヘッド20と搬送ユニット10との間からメンテナンスユニット60を-A方向に退避させる。
【0066】
図11に表すように、蓋ユニット90は、A方向に沿った閉塞姿勢において開口部65(図10参照)を閉塞する蓋部の一例である。また、蓋ユニット90は、全体がY方向に長い直方体状に形成されており、Y方向に延びる回動軸Gの周りに回動可能とされている。また、蓋ユニット90は、A方向におけるラインヘッド20(図1参照)よりも下流に配置されている。
【0067】
具体的には、蓋ユニット90は、板状部91と、板状部91からB方向に張り出された張出部92と、板状部91に形成されたピン部93と、板状部91に対する+Y方向及び-Y方向に配置された側板94とを有する。さらに、蓋ユニット90は、トーションスプリング96と、カバー部材97と、ブラケット98(図12参照)と、引張バネ99(図12参照)とを有する。なお、蓋ユニット90は、一例として、Y方向の中央に対して対称に形成されている。このため、蓋ユニット90の+Y方向の各部について説明し、-Y方向の各部の説明を省略する。
【0068】
板状部91は、蓋部材の一例である。また、板状部91は、開口部65(図10参照)を+B方向から閉塞する部材である。板状部91は、B方向から見た場合に、Y方向に長く且つA方向に短い矩形状に形成されている。板状部91のA方向の長さは、キャップ部64(図10参照)のA方向長さよりも長く、且つフラッシング部66(図10参照)のA方向の長さよりも長い。
【0069】
張出部92は、板状部91の+A方向の端部から+B方向へ向けて張り出された部位である。また、張出部92は、メンテナンスユニット60(図10参照)に対して+A方向に位置している。ここで、張出部92と板状部とは一体化されている。これにより、メンテナンスユニット60が+A方向に向けて移動され、張出部92とメンテナンスユニット60とが接触することで、板状部91が+A方向へ移動されるようになっている。
【0070】
2つのピン部93は、突出部の一例であり、板状部91のY方向の両端部から+Y方向及び-Y方向へ突出されている。また、2つのピン部93は、それぞれY方向を軸方向とする円柱状に形成されている。さらに、2つのピン部93は、A方向に間隔をあけて位置している。
【0071】
側板94は、側部の一例であり、Y方向を厚さ方向とする板状に形成されている。側板94の+A方向の端部における+B方向の端部には、Y方向の両外側へ向けて突出する円柱状の支軸部94Aが形成されている。支軸部94Aの中心軸は、回動軸Gに相当する。また、支軸部94Aは、筐体2(図1参照)内に設けられた不図示のフレームに支持されている。さらに、側板94には、2つのガイド溝95が形成されている。
【0072】
2つのガイド溝95は、A方向に間隔をあけて形成されており、側板94をY方向に貫通している。また、2つのガイド溝95は、一例として、第1溝部95Aと第2溝部95Bとで構成されている。第1溝部95A及び第2溝部95Bは、いずれもピン部93を挿通可能な大きさの長孔として形成されている。また、第1溝部95A及び第2溝部95Bは、ピン部93を支持し且つ案内する。
【0073】
第1溝部95Aは、Y方向から見た場合に、側板94の+B方向の部位において、A方向に延びている。
第2溝部95Bは、Y方向から見た場合に、第1溝部95Aの-A方向の端部から-A方向に向かうほど-B方向に位置するように斜め方向に延びている。
【0074】
ピン部93は、第1溝部95Aにおいて支持及び案内されている場合には、搬送ユニット10(図1参照)に最も近づいた配置状態となる。また、ピン部93は、第2溝部95Bにおいて支持及び案内されている場合には、第2溝部95B内を-A方向に向かうほど、搬送ユニット10からB方向に離れた配置状態となる。
ここで、蓋ユニット90では、メンテナンスユニット60(図10参照)が張出部92を+A方向に押しつける動作に伴って、板状部91がB方向において開口部65(図10参照)に近づくように、側板94がピン部93を支持している。
【0075】
トーションスプリング96は、支軸部94Aが挿入された状態において、一端部が側板94に取り付けられ、他端部が不図示のフレームに取り付けられることで、蓋ユニット90を付勢している。これにより、蓋ユニット90の姿勢は、板状部91がA方向に沿った閉塞姿勢となっている。
【0076】
カバー部材97は、2つの側板94のA方向中央に対する-A方向の部分をY方向に繋いでいる。また、カバー部材97は、板状部91のA方向の中央に対する-A方向の部分を-B方向から覆っている。カバー部材97のY方向の両端部における-A方向の端部には、-A方向に向けて開口する切欠部97Aが形成されている。また、カバー部材97の+A方向の端部には、引掛部97B(図12参照)が形成されている。
【0077】
図12に表すように、ブラケット98は、板状部91のY方向の両端部における-B方向の面に固定されている。ブラケット98の+A方向の端部には、引掛部98Aが形成されている。
引張バネ99の一端部は、引掛部97Bに引っ掛けられている。また、図12では離れた状態が示されているが、引張バネ99の他端部は、引掛部98Aに引っ掛けられている。これにより、板状部91は、-A方向に向けて付勢されている。換言すると、板状部91は、ピン部93が第2溝部95B(図11参照)に進入するように付勢されている。そして、蓋ユニット90は、キャップ部64がノズルNを覆う場合に、フラッシング部66を覆う閉塞姿勢をとるようになっている。
【0078】
図12に表す回動機構部100は、蓋ユニット90をY方向に沿った支軸部94Aの中心軸である回動軸G周りに回動させる機構部である。また、回動機構部100は、ヘッド移動ユニット30(図3参照)がラインヘッド20を後述する記録位置から退避位置へ移動させる場合に、蓋ユニット90の姿勢が閉塞姿勢となるように、蓋ユニット90を回動させる。
具体的には、回動機構部100は、ラインヘッド20に設けられた被接触部102と、蓋ユニット90に設けられ、ラインヘッド20の記録位置への移動動作に伴い被接触部102との接触位置を変化させることで蓋ユニット90を回動させる接触部106とを有する。
ラインヘッド20が-B方向の上昇位置にあるときは、蓋ユニット90がA方向に沿って配置される。ラインヘッド20が+B方向の下降位置にあるときは、蓋ユニット90は、支軸部94Aを回動軸として、接触部106の方が支軸部94Aよりも-Z方向に位置するように傾斜して配置される。
【0079】
図13に表すように、被接触部102は、被接触面103と、接触部106を被接触面103へ案内する案内面104とを有する。
【0080】
被接触面103は、ラインヘッド20の板部20A(図12参照)に対するY方向の内側で且つ+A方向の側面として形成されている。また、被接触面103は、Y方向から見た場合に、B方向に沿って延びている。さらに、被接触面103は、ラインヘッド20が後述する退避位置に位置する状態でB方向から見た場合に、接触部106と重なっている。
【0081】
案内面104は、B方向において被接触面103に対する搬送ユニット10(図1参照)が位置する方で且つ+B方向に形成されている。また、案内面104は、Y方向から見た場合に、A方向及びB方向の両方と交差する方向に延びる傾斜面とされている。さらに、案内面104は、ラインヘッド20が後述する退避位置に位置する状態でB方向から見た場合に、接触部106と重なっている。
【0082】
接触部106は、一例として、回転部材107で構成されている。回転部材107は、Y方向に延びる円柱状の軸部108と、軸部108のY方向の中央部から径方向に張り出された円環部109とを有する。
軸部108は、Y方向を軸方向として側板94に回転可能に設けられている。
円環部109は、カバー部材97の切欠部97A(図12参照)から外側へ突出されている。また、円環部109の外周面109Aは、ラインヘッド20が後述する退避位置に位置する状態でY方向から見た場合に、被接触部102とB方向に並んでいる。
回転部材107は、被接触面103との接触及び案内面104との接触によって回転する。
【0083】
図2に表すラインヘッド20が、ヘッド移動ユニット30によって移動された場合のB方向の各位置について説明する。
図14に表すように、ラインヘッド20の記録位置とは、ラインヘッド20によって媒体Pへの情報の記録が可能となるときのラインヘッド20の停止位置を意味する。なお、記録位置は、調整ユニット46によって調整可能となっているため、1つ以上存在する。
ラインヘッド20の退避位置とは、ラインヘッド20が、記録位置より搬送ユニット10から-B方向に離れたときのラインヘッド20の停止位置を意味する。ラインヘッド20の退避位置には、後述する第1位置、第2位置、第3位置、待機位置及び交換位置が含まれる。
【0084】
図15に表すように、ラインヘッド20の第1位置とは、B方向において、キャップ部64がノズルNを覆うときのラインヘッド20の位置を意味する。
図16に表すように、ラインヘッド20の第2位置とは、フラッシング部66がノズルNとB方向において、第1位置よりも離間して対向するときのラインヘッド20の位置を意味する。なお、第2位置では、フラッシング部66がノズルNに対して離れていてもよい。
図17に表すように、ラインヘッド20の第3位置とは、B方向において、第2メンテナンスユニット72がノズルNの吐出面NAを清掃することが可能となるときのラインヘッド20の位置を意味する。
【0085】
図18及び図19に表すように、ラインヘッド20の待機位置とは、B方向において、ラインヘッド20が第1位置、第2位置、第3位置よりも搬送ユニット10から離れた位置を意味する。これは、キャップ部64、フラッシング部66、第2メンテナンスユニット72が移動するときにラインヘッド20が移動の完了まで待機する待機位置である。
図20に表すように、ラインヘッド20の交換位置とは、B方向において、ラインヘッド20が待機位置よりもさらに搬送ユニット10から離れた位置を意味する。換言すると、ラインヘッド20の交換位置は、B方向において搬送ユニット10から最も離れた位置である。
【0086】
このように、ヘッド移動ユニット30は、一例として、ラインヘッド20を記録位置、退避位置、第1位置、第2位置、第3位置、待機位置及び交換位置のいずれか1つの位置に移動可能に設けられている。また、ヘッド移動ユニット30は、ラインヘッド20を第1位置、第2位置及び第3位置のいずれか1つに位置させる前に、ラインヘッド20を待機位置に位置させるように構成されている。
【0087】
(1)図2に表すように、プリンター1によれば、ヘッド移動ユニット30がラインヘッド20をB方向に移動させる。ラインヘッド20においてZ方向に作用する重力は、B方向に沿った分力と、B方向と直交するA方向に沿った分力とに分解される。ここで、B方向においてラインヘッド20に作用する分力が、Z方向においてラインヘッド20に作用する重力よりも小さくなることで、ラインヘッド20を移動させるために必要な力が小さくなるので、ラインヘッド20をZ方向に移動させる構成に比べて、ヘッド移動ユニット30に作用する負荷が大きくなるのを抑制することができる。
【0088】
(2)図1に表すように、ラインヘッド20が媒体Pに記録を行う領域において、媒体Pの搬送経路Tの長さを同じ長さとして、搬送経路Tの設置範囲を比較した場合に、A方向が水平方向の場合に比べて、プリンター1の水平方向に必要な幅が小さくなる。さらに、A方向が鉛直方向の場合に比べて、鉛直方向に必要な高さが低くなる。このように、プリンター1を水平方向及び鉛直方向ともに小型化することができる。
【0089】
(3)図6に表すように、プリンター1によれば、B方向に沿って記録位置を複数有するとともに、記録位置を調整する調整ユニット46を有するので、媒体Pの厚みに応じたより適切な位置にラインヘッド20を位置させることができる。
【0090】
(4)図1に表すように、プリンター1によれば、ラインヘッド20と排出トレイ21とを近づけて配置することが可能となるので、プリンター1のZ方向の大きさを低減することができる。
【0091】
(5)図2に表すように、プリンター1によれば、第1角度θ1が第2角度θ2よりも大きいことで、記録位置から離れる方向に移動させたラインヘッド20が、排出トレイ21に近づくので、ラインヘッド20を排出トレイ21の周辺部に移動させることが可能となる。ここで、排出トレイ21の周辺部には、排出トレイ21から媒体Pを取り出すために空間部が存在しているので、該空間部を介したラインヘッド20への作業(例えば、交換作業)を行うことができ、そしてその作業に際してラインヘッド20が該空間部に近づくので、前記作業を行い易くすることができる。
【0092】
(6)図15に表すように、プリンター1によれば、ラインヘッド20が退避位置に位置する場合に、メンテナンスユニット60がラインヘッド20と搬送ユニット10との間に進出される。そして、メンテナンスユニット60が、ラインヘッド20のメンテナンスを行う。このように、ラインヘッド20に対してメンテナンスユニット60がメンテナンスを行うので、メンテナンス中にラインヘッド20がメンテナンスユニット60に落下するのを抑制することができる。
【0093】
(7)図15に表すように、プリンター1によれば、ヘッド移動ユニット30がラインヘッド20を第1位置に移動させた状態で、第1メンテナンスユニット62が進出されることで、キャップ部64がノズルNを覆う状態となる。
また、図16に表すように、ヘッド移動ユニット30がラインヘッド20を第2位置に移動させた状態で、第1メンテナンスユニット62が進出されることで、フラッシング部66がノズルNを覆う状態となる。この状態でノズルNから吐出されたインクは、フラッシング部66によって受けられる。
さらに、図17に表すように、ヘッド移動ユニット30がラインヘッド20を第3位置に移動させた状態で、第2メンテナンスユニット72が進出されることで、ブレード76がノズルNの吐出面NAを清掃することが可能な状態となる。この状態でブレード76によって、ノズルNの吐出面NAが清掃される。
このように、キャップ部64、フラッシング部66及びブレード76に合わせてラインヘッド20の位置が変わるので、ラインヘッド20の位置がメンテナンスユニット60によらず同じ位置とされる構成に比べて、ラインヘッド20に対して適切なメンテナンスを行うことができる。
【0094】
(8)図18及び図19に表すように、プリンター1によれば、ヘッド移動ユニット30が、ラインヘッド20を第1位置、第2位置及び第3位置のいずれか1つに位置させる前に、ラインヘッド20を待機位置に位置させる。これにより、メンテナンスユニット60が進出する場合に、ラインヘッド20とメンテナンスユニット60との間に隙間を形成することが可能となるので、メンテナンスユニット60がラインヘッド20と接触しながら移動するのを防ぐことができる。
【0095】
(9)図20に表すように、プリンター1によれば、媒体Pの搬送経路Tから最も離れた交換位置においてラインヘッド20が交換されるので、ラインヘッド20の交換作業中に搬送ユニット10及び媒体Pの搬送経路Tがインク等の記録用材料によって汚れるのを抑制することができる。
【0096】
図21に表すように、蓋ユニット90は、ラインヘッド20が記録位置にある場合にラインヘッド20によって閉塞姿勢への回転が規制されることで、自由端となる部位が搬送ユニット10に向けて位置する非使用姿勢となって配置される。このとき、回転部材107(図13参照)は、被接触面103(図13参照)と接触している。
図22に表すように、蓋ユニット90は、ラインヘッド20が退避位置に移動することで閉塞姿勢となり、A方向に沿って配置される。この状態で、メンテナンスユニット60が+A方向へ移動される。
【0097】
図23に表すように、蓋ユニット90は、フラッシング部66がノズルNと対向する状態において、閉塞姿勢のまま保持されている。
図24に表すように、蓋ユニット90は、メンテナンスユニット60が+A方向へ移動され、キャップ部64がノズルNを覆う状態において、フラッシング部66を-B方向から覆うことで、フラッシング部66を閉塞する。
【0098】
図25に表すように、具体的には、メンテナンスユニット60が+A方向に移動して張出部92と接触することで、張出部92がA方向に移動される。張出部92のA方向の移動に伴って板状部91がA方向に移動される。このとき、ピン部93がガイド溝95に案内されることで、板状部91はメンテナンスユニット60に近付く方に移動され、フラッシング部66を閉塞する。
【0099】
(10)図21から図25までに表すように、プリンター1によれば、ヘッド移動ユニット30がラインヘッド20を記録位置から退避位置へ移動させる場合に、回動機構部100が、蓋ユニット90の姿勢が閉塞姿勢となるように、蓋ユニット90を回動させる。そして、メンテナンスユニット60がA方向に移動されることで、キャップ部64がノズルNを覆い、蓋ユニット90が開口部65を閉塞する。このように、蓋ユニット90が回動される構成となっていることで、蓋ユニット90をスライドさせる構成に比べて、プリンター1が蓋ユニット90のスライド方向に大型化するのを抑制することができる。
【0100】
(11)プリンター1によれば、メンテナンスユニット60がキャップ部64とフラッシング部66とを有する構成において、キャップ部64がノズルNを覆う場合に、蓋ユニット90がフラッシング部66を覆うので、フラッシング部66が乾燥するのを抑制することができる。
【0101】
(12)プリンター1によれば、メンテナンスユニット60が待機位置にある場合に、フラッシング部66がキャップ部64よりもラインヘッド20に近い位置にあることとなる。これにより、記録ジョブの途中でノズルNからフラッシング部66にインクを吐出する際に、メンテナンスユニット60を移動させる時間が短くなるので、記録スループットの低下を抑制できる。
【0102】
(13)図13に表すように、プリンター1によれば、接触部106がラインヘッド20の移動動作に伴って被接触部102との接触位置を変化させることで、蓋ユニット90が回動される。つまり、蓋ユニット90を回動させるための駆動源を別途、設ける必要がなくなり、該駆動源の設置スペースを確保する必要がなくなるので、プリンター1が大型化するのを抑制することができる。
【0103】
(14)プリンター1によれば、接触部106が、案内面104と接触することで被接触面103へ案内されるので、接触部106が被接触部102に引っ掛かるのを抑制することができる。
また、回転部材107が、被接触部102との接触によって回転されながら移動するので、接触部106が回転部材107を有さない構成に比べて、接触部106と被接触部102との接触により生じる摩擦力を低減することができる。
【0104】
(15)図25に表すように、プリンター1によれば、蓋ユニット90がA方向に沿った閉塞姿勢となる状態において、メンテナンスユニット60が蓋ユニット90と対向する位置に移動された場合に、メンテナンスユニット60が張出部92をA方向に押し付けることで、板状部91がB方向に移動される。ここで、板状部91の移動に伴って、2つのピン部93がガイド溝95に案内されることで、板状部91は、開口部65に近付き、開口部65を閉塞する。このように、蓋ユニット90の姿勢を変更しなくても、蓋ユニット90の一部を構成する板状部91と、開口部65とを近づけられるので、蓋ユニット90と開口部65とがA方向において擦れることなく、また、B方向において隙間が形成されるのを抑制することができる。
【0105】
次に、本発明に係る記録装置の一例としての実施形態2のプリンター110について説明する。なお、実施形態1のプリンター1(図1参照)と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。また、実施形態1と同様の作用及び効果についても説明を省略する。
【0106】
図26に表すように、プリンター110には、回動機構部100(図13参照)に代えて、回動機構部112が設けられている。蓋ユニット90の側板94には、ギア部111が形成されている。ギア部111は、側板94の+A方向で且つガイド溝95に対して支軸部94Aの方とは反対方向に形成されている。ギア部111は、複数の歯部111Aを有している。複数の歯部111Aは、支軸部94Aの回動中心に対して周方向に並んでいる。プリンター110の不図示の本体フレームには、Y方向に延びるガイドシャフト113が架設されている。
【0107】
回動機構部112は、Y方向に移動可能に設けられ、ノズルNの吐出面NA(図2参照)を清掃する清掃部の一例としてのワイパー部114と、直線運動を回転運動に変換する変換部120とを有している。
【0108】
ワイパー部114は、本体部74と、ブレード76と、本体部74を支持する支持フレーム115と、無端状のベルト116と、モーター117とを含んで構成されている。
支持フレーム115には、Y方向に開口する円筒部115Aと、ベルト116の一部を挟持する挟持部115Bとが形成されている。円筒部115Aは、ガイドシャフト113によってY方向に案内される。
【0109】
ベルト116は、内側面に複数の歯部が形成されており、この歯部と噛み合うギアがモーター117によって回転されることで、周回移動されるようになっている。
挟持部115Bは、ベルト116の一部を挟持することで、ベルト116の周回移動に合わせてY方向に直線状に移動されるようになっている。
このように、本体部74、ブレード76及び支持フレーム115は一体とされており、モーター117の回転によってY方向に移動可能とされている。
【0110】
変換部120は、側板94のギア部111と、円筒部材118と、後述する軸部材122及びギア部124とで構成されている。
円筒部材118は、板状の被ガイド部118Aと、被ガイド部118Aと一体化された円筒部118Bとを有する。被ガイド部118Aには、貫通孔119が形成されている。貫通孔119には、ガイドシャフト113が挿入されている。つまり、円筒部材118は、ガイドシャフト113に沿ってY方向に移動可能とされている。円筒部118Bの内側には、径方向の内側に突出する不図示の突起が形成されている。
円筒部118Bは、ワイパー部114とは別個独立に構成されており、軸部材122に沿ってY方向に移動可能であるとともに、不図示のばねによって+Y方向に押圧されている。また、円筒部118Bは、ワイパー部114と係合可能に構成されている。
【0111】
軸部材122は、円柱状の部材であり、Y方向に延びている。また、軸部材122は、不図示のブラケットによって回動可能に支持されている。軸部材122のY方向中央に対する-Y方向の部分の外周面には、螺旋状のカム溝123が形成されている。カム溝123には、円筒部118Bの内側に形成された不図示の突起が挿入されている。
軸部材122のY方向中央に対する+Y方向の部分には、半円状のギア部124が形成されている。ギア部124は、複数の歯部125を有する。複数の歯部125は、複数の歯部111Aと噛み合っている。
【0112】
円筒部材118がY方向に動くと、円筒部118Bの内側に形成された不図示の突起が軸部材122に形成された螺旋状のカム溝123内で動き、これにより軸部材122が回転する。軸部材122が回転すると、蓋ユニット90が回転することとなる。
ここで、ワイパー部114は、-Y方向の端部にホームポジションを有しており、ワイパー部114がホームポジションにある場合に、ワイパー部114が円筒部材118を-Y方向に押し、これによって蓋ユニット90が閉塞姿勢(図22参照)をとる。この状態からワイパー部114が+Y方向に動くと、不図示のばねによって円筒部材118がワイパー部114とともに、図26から図27への変化で示す様に+Y方向に動く。これにより軸部材122が回転し、ワイパー部114が非使用姿勢(図21参照)に切り換わる。
このように、変換部120は、ワイパー部114のY方向に沿った直線運動を、蓋ユニット90を回動させる回転運動に変換するように構成されている。
【0113】
図26及び図27に表すように、ワイパー部114がノズルN(図1参照)を清掃した後でY方向に移動された場合に、変換部120が、ワイパー部114の直線運動を蓋ユニット90を回動させる回転運動に変換する。つまり、蓋ユニット90を回動させるための駆動源を別途、設ける必要がなくなり、該駆動源の設置スペースを確保する必要がなくなるので、プリンター110が大型化するのを抑制することができる。なお、図27では、ワイパー部114(図26参照)の図示を省略している。
【0114】
次に、本発明に係る記録装置の一例としての実施形態3のプリンター130について説明する。なお、プリンター1(図1参照)又はプリンター110(図26参照)と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。また、実施形態1、2と同様の作用及び効果についても説明を省略する。
【0115】
図28に表すように、プリンター130には、回動機構部100(図13参照)に代えて、回動機構部132が設けられている。なお、図28では、モーター117(図26参照)の図示を省略している。また、支持フレーム115には、+A方向に突出した板状の突出部115Cが形成されている。
【0116】
図29に表すように、回動機構部132は、ワイヤー133と、スライド部材134と、巻掛部135と、不図示の引掛部と、挟持部136とを有する。
スライド部材134は、不図示のブラケットに支持され、Y方向に移動可能とされている。また、スライド部材134は、突出部115Cに対して-Y方向に配置されており、支持フレーム115が-Y方向の収納位置に向けて移動される場合に、突出部115Cと接触することで、-Y方向へ移動されるようになっている。さらに、スライド部材134は、ワイヤー133の一端部を挟持している。
巻掛部135は、B方向を軸方向とする円柱状の部位であり、不図示のブラケットに回動可能に設けられている。
不図示の引掛部及び挟持部136は、側板94に形成されている。
【0117】
ワイヤー133は、一端部がスライド部材134に挟持された状態でY方向に延ばされ、巻掛部135に巻き掛けられてB方向に延ばされている。さらに、ワイヤー133は、B方向に延ばされた部位が不図示の引掛部に引っ掛けられることで屈曲されている。そして、ワイヤー133の他端部は、挟持部136に挟持されている。なお、蓋ユニット90は、実施形態1と同様に回動可能とされている。
このように、回動機構部132では、ワイパー部114のY方向の移動に伴ってワイヤー133が引っ張られ又は緩められることで、蓋ユニット90を回動させるようになっている。
【0118】
図28に示す状態は、ワイパー部114が-Y方向の端部つまりホームポジションよりも、やや+Y方向に位置する状態を表している。この状態では、ワイヤー133が緩み、蓋ユニット90が自重によって非使用姿勢(図21参照)をとっている。この状態から、ワイパー部114が-Y方向に動くと、スライド部材134は、突出部115Cによって-Y側へ押し付けられ、-Y方向に移動する。このため、ワイヤー133が張架状態となり、蓋ユニット90が-B側へ引き上げられる。そして、蓋ユニット90の姿勢が、閉塞姿勢(図22参照)となる。
このように、プリンター130では、蓋ユニット90を回動させるための駆動源を別途、設ける必要がなくなり、該駆動源の設置スペースを確保する必要がなくなるので、プリンター130が大型化するのを抑制することができる。
【0119】
次に、本発明に係る記録装置の一例としての実施形態4のプリンター140について説明する。なお、プリンター1(図1参照)と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。また、実施形態1、2、3と同様の作用及び効果についても説明を省略する。
【0120】
図30の上図及び下図に表すように、プリンター140には、駆動ユニット80(図10参照)に代えて、駆動ユニット142が設けられている。
駆動ユニット142は、メンテナンスユニット60をA方向に進出させ又は退避させる駆動部の一例である。具体的には、駆動ユニット142は、本体部143と、駆動モーター144と、アーム部145及びアーム部146と、被駆動部147とを有する。なお、メンテナンスユニット60は、1組のガイドシャフト148によってA方向に移動可能に支持されている。
【0121】
本体部143には、不図示のピニオン及びギアが設けられている。不図示のピニオン及びギアは、B方向を軸方向として駆動モーター144によって回動されるようになっている。
アーム部145及びアーム部146は、本体部143から+A方向へ延びている。また、アーム部145及びアーム部146は、それぞれ、本体部143にB方向を軸方向として回動可能に設けられている。そして、アーム部145及びアーム部146は、不図示のピニオン及びギアの回動によって、互いに近づく方向又は互いに離れる方向に回動されるように構成されている。アーム部145の自由端及びアーム部146の自由端には、それぞれ、+B方向へ向けてピン151が形成されている。
【0122】
被駆動部147は、メンテナンスユニット60の-A方向の端部に形成されている。具体的には、被駆動部147は、Y方向に長い角柱状に形成されている。また、被駆動部147には、Y方向に間隔をあけて2つの溝部147Aが形成されている。2つの溝部147Aは、-B方向に向けて開口されている。また、2つの溝部147Aは、Y方向に延びている。そして、2つの溝部147Aには、ピン151がそれぞれ1つずつ挿入されている。このように、駆動ユニット142は、リンク機構部として構成されている。駆動ユニット142の駆動制御は、制御部26(図1参照)によって行われる。
【0123】
図30の上図に表すように、アーム部145及びアーム部146が互いに近づく方向に回動された場合には、メンテナンスユニット60が+A方向へ進出される。
図30の下図に表すように、アーム部145及びアーム部146が互いに離れる方向に回動された場合には、メンテナンスユニット60が-A方向へ退避される。
このように、リンク機構部としての駆動ユニット142を用いてメンテナンスユニット60の進退移動を行うことで、メンテナンスユニット60にA方向に長いラックを形成しなくて済む。
【0124】
次に、本発明に係る記録装置の一例としての実施形態5のプリンター150について説明する。なお、プリンター1(図1参照)と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。また、実施形態1、2、3、4と同様の作用及び効果についても説明を省略する。
【0125】
図31に表すように、プリンター150には、回動機構部100(図13参照)に代えて、回動機構部152が設けられている。回動機構部152は、凸部153と、板部154と、ブラケット155と、引張バネ156とを有する。
凸部153は、側板94に形成されており、側板94から-B方向へ突出されている。
板部154は、ラインヘッド20の-A方向の側面から-A方向へ突出されており、B方向を厚さ方向として配置されている。なお、凸部153は、板部154の移動領域内に位置している。
【0126】
ブラケット155は、不図示の本体フレームに、蓋ユニット90とB方向に対向するように取り付けられている。
引張バネ156は、側板94とブラケット155とを繋いでいる。引張バネ156の長さが自然長となる状態では、蓋ユニット90の自由端部が、支軸部94Aよりも-B方向に位置するように引き上げられている。
ここで、蓋ユニット90は、A方向におけるラインヘッド20よりも上流に配置されている。実施形態5のメンテナンスユニット60は、A方向におけるラインヘッド20よりも上流に待機位置を有する。また、メンテナンスユニット60は、キャップ部64のみを有している。そして、メンテナンスユニット60は、待機位置と、キャップ部64がノズルNを覆うキャップ位置とを移動する。
【0127】
図31に表すように、プリンター150では、キャップ部64がノズルNを覆う保管状態から、メンテナンスユニット60がラインヘッド20よりもA方向の上流に移動された場合に、蓋ユニット90がメンテナンスユニット60の開口部65を閉塞する。
具体的には、メンテナンスユニット60が-A方向の退避位置に移動された状態で、ラインヘッド20が記録位置に移動することで、板部154が凸部153を+B方向へ押し付ける。これにより、蓋ユニット90がメンテナンスユニット60の開口部65を閉塞する。
このように、メンテナンスユニット60がキャップ部64のみを有する構成であっても、蓋ユニット90によって開口部65を閉塞することができる。
【0128】
次に、本発明に係る記録装置の一例としての実施形態6のプリンター160について説明する。なお、プリンター1(図1参照)と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。また、実施形態1、2、3、4、5と同様の作用及び効果についても説明を省略する。
【0129】
図32に表すように、プリンター160には、回動機構部100(図13参照)に代えて、回動機構部162が設けられている。
回動機構部162は、ラインヘッド20に設けられた被接触部164と、蓋ユニット90に設けられた接触部168とを有する。
被接触部164は、被接触面の一例としての摺動面165と、B方向において摺動面165に対する搬送ユニット10(図1参照)に近い部位に形成され接触部168を摺動面165へ案内する案内面166とを有する。Y方向から見た場合に、案内面166は、A方向及びB方向の両方と交差する方向に延びている。
接触部168は、ラインヘッド20の記録位置への移動に伴って被接触部164と接触され且つ蓋ユニット90を回動させる。また、接触部168は、案内面166及び摺動面165と接触する曲面169を有する。曲面169は、Y方向から見た場合に、円弧状に形成されている。
【0130】
図32に表すように、接触部168が、案内面166と接触することで摺動面165へ案内されるので、接触部168が被接触部164に引っ掛かるのを抑制することができる。
【0131】
本発明の実施形態1、2、3、4、5、6に係るプリンター1、110、130、140、150、160は、以上のべたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。
【0132】
プリンター1において、調整ユニット46を有していなくてもよい。
B方向は、排出トレイ21における搬送ユニット10から遠い端部が搬送ユニット10に近い端部よりもZ方向の下に位置するように傾いた方向とされていてもよい。
第1角度θ1は、第2角度θ2以下の大きさであってもよい。
【0133】
プリンター1は、メンテナンスユニット60を有していないものであってもよい。また、プリンター1は、第2メンテナンスユニット72を有していないものであってもよい。さらに、プリンター1は、ラインヘッド20をY方向に装着及び離脱させるものであってもよい。また、フラッシング部66がキャップ部64よりもA方向の上流に配置されていてもよい。
【0134】
ヘッド移動ユニット30は、ラインヘッド20を第1位置、第2位置及び第3位置のいずれか1つに位置させる前に、ラインヘッド20を待機位置に位置させないものであってもよい。
被接触面103及び案内面104の一方のみを有するものであってもよい。
ラインヘッド20と搬送ユニット10とが対向する領域における媒体Pの搬送経路Tは、A方向の経路に限らず、水平方向の経路であってもよい。
【符号の説明】
【0135】
1…プリンター、2…筐体、3…排出部、4…媒体カセット、6…ピックローラー、
7…搬送ローラー対、8…搬送ローラー対、9…手差トレイ、10…搬送ユニット、
11…搬送ローラー対、12…フラップ、13…媒体幅センサー、14…プーリー、
15…搬送ベルト、16…廃液貯留部、20…ラインヘッド、20A…板部、
21…排出トレイ、21A…載置面、22…支持フレーム、23…インク収容部、
24…支持ピン、25…コロ、26…制御部、27…支持ピン、28…ラック、
28A…歯部、28B…長孔、29…コイルバネ、30…ヘッド移動ユニット、
32…本体フレーム、33…サイドフレーム、34…サイドフレーム、34A…貫通孔、
35…横フレーム、36…ガイド部材、37…ガイドレール、38…ガイドレール、
40…駆動ユニット、41…モーター、42…シャフト、43…ピニオン、
43A…歯部、46…調整ユニット、47…カム軸、48…偏心カム、49…モーター、
51…ホルダー、51A…貫通孔、52…ブラケット、52A…支持板、
53…調整ネジ、54…被検知部材、54A…扇状部、55…位置センサー、
56…ベアリング、60…メンテナンスユニット、62…第1メンテナンスユニット、
63…カバー本体、63A…側壁、64…キャップ部、65…開口部、
66…フラッシング部、67…仕切壁、69…ラック、69A…歯部、
71…ガイドレール、72…第2メンテナンスユニット、73…コロ、74…本体部、
76…ブレード、80…駆動ユニット、82…ギア、84…モーター、90…蓋ユニット、
91…板状部、92…張出部、93…ピン部、94…側板、94A…支軸部、
95…ガイド溝、95A…第1溝部、95B…第2溝部、96…トーションスプリング、
97…カバー部材、97A…切欠部、97B…引掛部、98…ブラケット、
98A…引掛部、99…引張バネ、100…回動機構部、102…被接触部、
103…被接触面、104…案内面、106…接触部、107…回転部材、
108…軸部、109…円環部、109A…外周面、110…プリンター、
111…ギア部、111A…歯部、112…回動機構部、113…ガイドシャフト、
114…ワイパー部、115…支持フレーム、115A…円筒部、115B…挟持部、
115C…突出部、116…ベルト、117…モーター、118…円筒部材、
118A…被ガイド部、118B…円筒部、119…貫通孔、120…変換部、
122…軸部材、123…カム溝、124…ギア部、125…歯部、130…プリンター、
132…回動機構部、133…ワイヤー、134…スライド部材、135…巻掛部、
136…挟持部、140…プリンター、142…駆動ユニット、143…本体部、
144…駆動モーター、145…アーム部、146…アーム部、147…被駆動部、
147A…溝部、148…ガイドシャフト、150…プリンター、151…ピン、
152…回動機構部、153…凸部、154…板部、155…ブラケット、
156…引張バネ、160…プリンター、162…回動機構部、164…被接触部、
165…摺動面、166…案内面、168…接触部、169…曲面、G…回動軸、
K…仮想面、N…ノズル、NA…吐出面、T…搬送経路、T1…搬送路、T2…搬送路、
T3…搬送路、T4…搬送路、T5…反転路、θ1…第1角度、θ2…第2角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32