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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】定着装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20231219BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G03G15/20 555
G03G21/16 104
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020019248
(22)【出願日】2020-02-07
(65)【公開番号】P2021124652
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2023-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】田口 和奈
(72)【発明者】
【氏名】張 明光
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-082548(JP,A)
【文献】特開2002-169395(JP,A)
【文献】特開2010-038965(JP,A)
【文献】特開2006-118993(JP,A)
【文献】特開2019-174666(JP,A)
【文献】特開2014-063009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱部材と加圧部材とによって記録シートを挟んで加熱し、前記記録シート上に現像剤像を熱定着させる定着装置であって、
前記加熱部材を支持する支持部材と、
温度検知素子を含み、前記支持部材に取り付けられて前記加熱部材の温度を非接触で検知する温度センサと、
前記支持部材に設けられ、前記加熱部材の長手方向において前記温度検知素子と異なる位置で、前記加熱部材の外周面に沿って前記加熱部材の回転方向に延びる複数のリブと、を備え、
複数の前記リブは、第1リブと、前記長手方向において前記第1リブよりも前記温度検知素子から離れて配置される第2リブと、を有し、
前記第1リブにおける前記外周面に対面する面の前記長手方向の幅は、前記第2リブにおける前記外周面に対面する面の前記長手方向の幅よりも大きいことを特徴とする定着装置。
【請求項2】
複数の前記リブは、前記長手方向において前記温度検知素子を挟んで前記第1リブとは反対側に配置される第3リブを有している請求項1記載の定着装置。
【請求項3】
前記第1リブと前記第3リブとを接続し、かつ前記回転方向において前記温度検知素子と異なる位置に配置される第1補強リブを備えている請求項2記載の定着装置。
【請求項4】
前記第1リブと前記第3リブとを接続し、かつ前記回転方向において前記第1補強リブを挟んで前記温度検知素子とは反対側に配置される第2補強リブを備え、
前記第1補強リブは、前記温度センサよりも前記回転方向の上流側に位置し、
前記第2補強リブは、前記第1補強リブよりも前記回転方向の上流側に位置し、
前記第2補強リブにおける前記外周面に対面する面の前記回転方向の幅は、前記第1補強リブにおける前記外周面に対面する面の前記回転方向の幅よりも大きい請求項3記載の定着装置。
【請求項5】
前記支持部材は、前記加熱部材を支持する一対のサイドフレームと、
一対の前記サイドフレームを連結する連結フレームと、
前記連結フレームに取り付けられ、前記温度センサを保持するとともに、複数の前記リブが一体に形成されたホルダと、を有している請求項1乃至4のいずれか1項記載の定着装置。
【請求項6】
前記ホルダは、前記連結フレームにおける前記長手方向の中央部にネジ止めされるとともに、前記連結フレームにおける前記中央部から前記長手方向の一方と他方とに離れた2か所で前記連結フレームに係合する請求項5記載の定着装置。
【請求項7】
前記温度センサは、前記加熱部材からの赤外線を吸収する吸収体と、
前記吸収体を保持する保持体と、
前記保持体及び前記温度検知素子が配置され、前記ホルダに保持されるセンサ基板と、を含み、
前記温度検知素子は、前記吸収体の温度を検知する温度検知サーミスタと、前記保持体の温度を検知する温度補償用サーミスタと、を有し、
前記ホルダは、前記センサ基板と前記加熱部材との間に位置し、前記加熱部材からの前記赤外線を前記温度センサに導く導光路に沿って延び、かつ前記導光路を囲む筒状の保護壁を有し、
前記センサ基板と、前記保護壁における前記センサ基板と対面する先端縁との間に、隙間がある請求項5又は6記載の定着装置。
【請求項8】
前記加熱部材は、ローラを有し、
前記加圧部材は、無端ベルトと、前記ローラとの間で前記無端ベルトを挟むパッドと、を有している請求項1乃至7のいずれか1項記載の定着装置。
【請求項9】
前記温度センサに対して前記加熱部材とは反対側に配置され、前記温度センサを覆うセンサカバーを備え、
前記センサカバーは、前記温度センサの上方で開口する開口部を有するベースと、
前記ベースに隣接して配置されて上向きに突出し、かつ前記長手方向に延びる防風壁と、を含んでいる請求項1乃至8のいずれか1項記載の定着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図2に従来の定着装置の一例である定着ユニットが開示されている。この定着ユニットは、加熱ローラと加圧ローラとによって記録材を挟んで加熱し、記録材上にトナーを熱定着させるものである。
【0003】
この定着ユニットは、温度検知素子を備えている。温度検知素子は、赤外線検出用サーミスタ素子及び温度補償用サーミスタ素子を含み、加熱ローラの温度を非接触で検知するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-302288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の定着ユニットでは、温度検知素子の周辺で空気が流れることを抑制し難く、その空気の流れによって赤外線検出用サーミスタ素子及び温度補償用サーミスタ素子の検知結果がばらつくおそれがある。その結果、この定着ユニットでは、温度検知素子の検知精度の向上を実現することが難しいという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、温度センサの検知精度の向上を実現できる定着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の定着装置は、加熱部材と加圧部材とによって記録シートを挟んで加熱し、前記記録シート上に現像剤像を熱定着させる定着装置であって、
前記加熱部材を支持する支持部材と、
温度検知素子を含み、前記支持部材に取り付けられて前記加熱部材の温度を非接触で検知する温度センサと、
前記支持部材に設けられ、前記加熱部材の長手方向において前記温度検知素子と異なる位置で、前記加熱部材の外周面に沿って前記加熱部材の回転方向に延びる複数のリブと、を備え、
複数の前記リブは、第1リブと、前記長手方向において前記第1リブよりも前記温度検知素子から離れて配置される第2リブと、を有し、
前記第1リブにおける前記外周面に対面する面の前記長手方向の幅は、前記第2リブにおける前記外周面に対面する面の前記長手方向の幅よりも大きいことを特徴とする。
【0008】
本発明の定着装置では、第1リブ及び第2リブを有する複数のリブが加熱部材の長手方向において温度検知素子と異なる位置にあり、第1リブにおける加熱部材の外周面に対面する面の幅が第2リブにおける加熱部材の外周面に対面する面の幅よりも大きい。これにより、この定着装置では、仮に複数のリブにおける加熱部材の外周面に対面する面の幅が等しく設定される構成と比較して、温度センサの周辺で空気が加熱部材の長手方向に流れることを抑制でき、温度検知素子の検知結果がばらつくことを抑制できる。
【0009】
したがって、本発明の定着装置では、温度センサの検知精度の向上を実現できる。
【0010】
複数のリブは、長手方向において温度検知素子を挟んで第1リブとは反対側に配置される第3リブを有していることが望ましい。この場合、第3リブによって、温度センサの周辺で空気が加熱部材の長手方向に流れることを一層抑制できる。その結果、温度センサの検知精度の一層の向上を実現できる。
【0011】
本発明の定着装置は、第1リブと第3リブとを接続し、かつ回転方向において温度検知素子と異なる位置に配置される第1補強リブを備えていることが望ましい。この場合、第1補強リブによって、温度センサの周辺で空気が加熱部材の回転方向に流れることを抑制できる。その結果、温度センサの検知精度の一層の向上を実現できる。
【0012】
本発明の定着装置は、第1リブと第3リブとを接続し、かつ回転方向において第1補強リブを挟んで温度検知素子とは反対側に配置される第2補強リブを備えていることが望ましい。第1補強リブは、温度センサよりも回転方向の上流側に位置していることが望ましい。第2補強リブは、第1補強リブよりも回転方向の上流側に位置していることが望ましい。そして、第2補強リブにおける外周面に対面する面の回転方向の幅は、第1補強リブにおける外周面に対面する面の回転方向の幅よりも大きいことが望ましい。
【0013】
この場合、第1補強リブと、第1補強リブよりも広幅の第2補強リブとによって、温度センサの周辺で空気が加熱部材の回転方向に流れることを一層抑制できる。その結果、温度センサの検知精度のより一層の向上を実現できる。
【0014】
支持部材は、加熱部材を支持する一対のサイドフレームと、一対のサイドフレームを連結する連結フレームと、連結フレームに取り付けられ、温度センサを保持するとともに、複数のリブが一体に形成されたホルダと、を有していることが望ましい。この場合、温度センサ及び複数のリブを連結フレームに取り付ける作業を簡素化できる。
【0015】
ホルダは、連結フレームにおける長手方向の中央部にネジ止めされるとともに、連結フレームにおける中央部から長手方向の一方と他方とに離れた2か所で連結フレームに係合することが望ましい。この場合、ホルダを連結フレームに組み付ける作業を簡素化できる。
【0016】
温度センサは、加熱部材からの赤外線を吸収する吸収体と、吸収体を保持する保持体と、保持体及び温度検知素子が配置され、ホルダに保持されるセンサ基板と、を含んでいることが望ましい。温度検知素子は、吸収体の温度を検知する温度検知サーミスタと、保持体の温度を検知する温度補償用サーミスタと、を有していることが望ましい。ホルダは、センサ基板と加熱部材との間に位置し、加熱部材からの赤外線を温度センサに導く導光路に沿って延び、かつ導光路を囲む筒状の保護壁を有していることが望ましい。そして、センサ基板と、保護壁におけるセンサ基板と対面する先端縁との間に、隙間があることが望ましい。
【0017】
この場合、隙間によって、加熱部材からホルダの保護壁及びセンサ基板を経由して、温度検知サーミスタ及び温度補償用サーミスタに熱が伝わることを抑制できる。その結果、温度センサの検知精度の一層の向上を実現できる。
【0018】
加熱部材は、ローラを有していることが望ましい。また、加圧部材は、無端ベルトと、ローラとの間で無端ベルトを挟むパッドと、を有していることが望ましい。この場合、仮に加熱部材が無端ベルトを有する構成と比較して、複数のリブにおける加熱部材の外周面に対面する面と、加熱部材の外周面との間隔を小さくできるとともに、温度センサと加熱部材のローラの外周面との距離のばらつきを小さくできる。その結果、温度センサの検知精度の一層の向上を実現できる。
【0019】
本発明の定着装置は、温度センサに対して加熱部材とは反対側に配置され、温度センサを覆うセンサカバーを備えていることが望ましい。そして、センサカバーは、温度センサの上方で開口する開口部を有するベースと、ベースに隣接して配置されて上向きに突出し、かつ長手方向に延びる防風壁と、を含んでいることが望ましい。
【0020】
この場合、定着装置周辺の空気の流れが温度センサに到達することを防風壁によって抑制できる。また、この定着装置では、温度センサの周辺の加熱された空気を開口部によって上に逃がすことにより、温度センサの昇温を抑制できる。その結果、この定着装置では、温度検知素子の検知結果がばらつくことを一層抑制できるので、温度センサの検知精度の一層の向上を実現できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の定着装置によれば、温度センサの検知精度の向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施例の定着装置を備えた画像形成装置の模式断面図である。
図2】実施例の定着装置の側面図である。
図3】組み付け状態の一対のサイドフレーム、連結フレーム及びホルダと、単体の状態の温度センサ、センサカバー及びアッパーガイドとを主に示す斜視図である。
図4】組み付け状態の一対のサイドフレーム、連結フレーム及びホルダと、単体の状態のホルダ及びセンサカバーとを示す斜視図である。
図5】単体の状態のホルダ、温度センサ及びセンサカバーを示す斜視図である。
図6】温度センサの断面を含む定着装置の部分断面図である。
図7図6の要部拡大断面図である。
図8】サーモスタットの断面を含む定着装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施例について図面を参照しつつ説明する。
【0024】
(実施例)
図1に示すように、実施例の定着装置5は、本発明の定着装置の具体的態様の一例である。定着装置5は、画像形成装置1に備えられている。画像形成装置1は、電子写真方式により記録シートSHに画像を形成するレーザプリンタである。
【0025】
図1では、紙面右側を画像形成装置1の前側と規定し、紙面上側を画像形成装置1の上側と規定し、画像形成装置1を前側から見た場合に左手に来る側、すなわち紙面手前側を画像形成装置1の左側と規定する。そして、図2以降の各図に示す各方向は、図1に対応させて表示する。以下、図1に基づいて、画像形成装置1が備える各構成要素の概略構成を説明した後、定着装置5について詳しく説明する。
【0026】
<画像形成装置の概略構成>
図1に示すように、画像形成装置1は、装置本体2、供給部20、プロセスカートリッジ7、スキャナ部8、定着装置5及び排出部29を備えている。
【0027】
装置本体2は、筐体と、筐体内に設けられた図示しないフレーム部材とを含んで構成されている。装置本体2内の下部には、シートカセット2Cが着脱可能に設けられている。シートカセット2Cの内部には、画像形成される記録シートSHが積層状態で収容される。記録シートSHは、用紙やOHPシート等である。
【0028】
装置本体2の上面には、排出トレイ2Dが設けられている。排出トレイ2Dには、画像形成を終えた記録シートSHが排出される。
【0029】
供給部20、プロセスカートリッジ7、スキャナ部8、定着装置5及び排出部29は、装置本体2内におけるシートカセット2Cよりも上方の位置で、図示しないフレーム部材に組み付けられている。
【0030】
装置本体2内には、搬送経路P1が設けられている。搬送経路P1は、シートカセット2Cの前端部から上向きにUターンしながら供給部20を経由した後、後向きに略水平に進んでプロセスカートリッジ7及び定着装置5を経由し、さらに上向きにUターンしながら排出部29を経由して排出トレイ2Dに至る経路である。
【0031】
供給部20は、シートカセット2Cに収容された記録シートSHを供給ローラ21、分離ローラ22及び分離パッド22Aにより1枚ずつ搬送経路P1に送り出す。そして、供給部20は、搬送経路P1に沿って配設された搬送ローラ23A及びピンチローラ23Pと、レジストローラ24A及びピンチローラ24Pとにより、記録シートSHをプロセスカートリッジ7に向けて搬送する。
【0032】
プロセスカートリッジ7は、周知の構成であるトナー収容部7A、感光ドラム7B、現像ローラ7C及び帯電器7D等を含んで構成されている。
【0033】
スキャナ部8は、プロセスカートリッジ7よりも上方に設けられている。スキャナ部8は、周知の構成であるレーザ光源、ポリゴンミラー、fθレンズ及び反射鏡等を含んで構成されている。スキャナ部8は、上方からレーザビームをプロセスカートリッジ7内の感光ドラム7Bに照射する。
【0034】
感光ドラム7Bの表面は、その回転に伴って帯電器7Dにより一様に正帯電された後、スキャナ部8から照射されるレーザビームの高速走査により露光される。これにより、感光ドラム7Bの表面には、記録シートSHに形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。現像ローラ7Cは、その静電潜像に対応して、トナー収容部7Aから現像剤を感光ドラム7Bの表面に供給する。これにより、感光ドラム7Bの表面上に現像剤像が担持される。その現像剤像は、プロセスカートリッジ7を通過する記録シートSHに転写される。
【0035】
定着装置5は、プロセスカートリッジ7よりも後方に設けられている。定着装置5は、搬送経路P1に対して上側に位置する加熱部材50と、搬送経路P1を挟んで下から加熱部材50に対向する加圧部材70とを備えている。定着装置5は、加熱部材50と加圧部材70とによって記録シートSHを挟んで加熱し、記録シートSH上に現像剤像を熱定着させる。
【0036】
排出部29は、排出ローラ29A及び排出ピンチローラ29Pにより、現像剤像が定着した記録シートSHを排出トレイ2Dに排出する。
【0037】
また、画像形成装置1は、排気ダクト6D及び排気ファン6Fを備えている。排気ダクト6Dは、装置本体2内における定着装置5よりも上方に設けられている。排気ファン6Fは、装置本体2内における図1の紙面奥側に位置する右側面に隣接するように配置されている。排気ファン6Fが作動することにより、装置本体2内の空気が排気ダクト6Dを経由して装置本体2の外部に排気される。
【0038】
この際、定着装置5周辺の空気は、排気ファン6Fによって生じる負圧により、排気ダクト6Dの底壁に設けられたフィルタ6Gを通過して、排気ダクト6D内に流入する。それに伴って、プロセスカートリッジ7周辺の空気の一部が定着装置5に向かって後向きに流れる。また、プロセスカートリッジ7を通過して定着装置5に搬送される記録シートSHに随伴する空気も、定着装置5に向かって後向きに流れる。
【0039】
<定着装置の詳細構成>
図2図4に示すように、定着装置5は、一対のサイドフレーム80L、80R及び連結フレーム90を備えている。
【0040】
一対のサイドフレーム80L、80R及び連結フレーム90はそれぞれ、鋼板等の金属板材がプレス加工や折り曲げ加工等されることにより形成されている。
【0041】
図3及び図4に示すように、サイドフレーム80Lとサイドフレーム80Rとは、左右方向において互いに離間するように配置され、それぞれ前後方向及び上下方向に略平板状に延在している。サイドフレーム80Lとサイドフレーム80Rとは、複数の細かな相違点はあるが全体として勝手違いの略同一構成である。
【0042】
一対のサイドフレーム80L、80Rのそれぞれの中央には開口部が形成され、略円環状の加熱ローラ支持部材81がそれぞれの開口部に嵌合するように組み付けられている。
【0043】
図示は省略するが、左方のサイドフレーム80Lは、装置本体2の左側面側に配置されて図示しないフレーム部材に組み付けられている。右方のサイドフレーム80Rは、装置本体2の右側面側に配置されて図示しないフレーム部材に組み付けられている。
【0044】
図3に示すように、連結フレーム90は、第1板部91、第2板部92及び第3板部93を含んでいる。第1板部91は、前後方向及び左右方向に略矩形平板状に延びている。第2板部92は、第1板部91の前端縁に接続して下向きに突出し、かつ左右方向に延びている。第3板部93は、第1板部91の後端縁に接続して上向きに突出し、かつ左右方向に延びている。
【0045】
連結フレーム90の第1板部91における左右方向の中央部には、ネジ穴91Hが形成されている。第1板部91におけるネジ穴91Hから左方に離れた位置には、係合穴91Aが形成されている。
【0046】
連結フレーム90におけるネジ穴91Hと係合穴91Aとの間には、温度センサ用開口91Cが形成されている。温度センサ用開口91Cは、第1板部91の前部分から第2板部92の下端縁の近くまでに亘って形成されている。
【0047】
連結フレーム90におけるネジ穴91Hから右方に離れた位置には、サーモスタット用開口91Bが形成されている。サーモスタット用開口91Bは、第1板部91の前部分から第2板部92の上部分までに亘って形成されている。
【0048】
連結フレーム90の左端部には、接触サーミスタ保持部95が形成されている。接触サーミスタ保持部95は、第1板部91に形成された開口や切り起こし片等からなる。
【0049】
連結フレーム90の左端部は、サイドフレーム80Lに締結されている。連結フレーム90の右端部は、サイドフレーム80Rに締結されている。これにより、連結フレーム90は、一対のサイドフレーム80L、80Rを連結している。
【0050】
また、一対のサイドフレーム80L、80Rにおける下側かつ前側に位置する部分は、左右方向に円柱状に延びる加圧部材支持軸89によって連結されている。
【0051】
図2に示すように、加熱部材50は、加熱ローラ51を有している。加熱ローラ51は、左右方向に延びる金属製の薄肉円筒の表面に薄い弾性層が形成され、その弾性層の表面に離形層が形成された中空の回転体である。加熱ローラ51は、加熱ローラ支持部材81を介して一対のサイドフレーム80L、80Rに回転可能に支持されている。加熱ローラ51は、図示しない駆動源から駆動力が伝達されることにより、回転軸心X51周りに図2の反時計方向に回転する。
【0052】
加熱部材50の加熱ローラ51が延びる方向、すなわち左右方向を加熱部材50の長手方向DL1として図3図5に表示する。加熱部材50の加熱ローラ51が回転する方向を回転方向DR1として各図に表示する。
【0053】
図2に示すように、加圧部材70は、無端ベルト71、一対の揺動部材73、ベルトガイド75及びパッド72A、72Bを有している。
【0054】
無端ベルト71は、ポリイミド等の樹脂製薄板やステンレス等の金属製薄板等によって形成された耐熱性及び可撓性を有する筒状体である。
【0055】
一対の揺動部材73、73は、略L字形状の金属部材である。図2の紙面奥側に示す左方の揺動部材73は、左方のサイドフレーム80Lと隣り合っている。図示は省略するが、右方の揺動部材73は、図2の紙面手前側に配置されて、右方のサイドフレーム80Rと隣り合っている。
【0056】
右方の揺動部材73の構成は、左方の揺動部材73と同様である。このため、以下では、左方の揺動部材73について説明し、右方の揺動部材73の図示及び説明は省略する。
【0057】
左方の揺動部材73の下端部は、加圧部材支持軸89の左端部に揺動可能に支持されている。左方の揺動部材73は、加圧部材支持軸89から離れるように後向きに延びた後に曲がって上向きに延びている。
【0058】
左方の揺動部材73と、左方のサイドフレーム80Lとの間には、引っ張りコイルバネ73Sが設けられている。引っ張りコイルバネ73Sの一端は、左方の揺動部材73の上端部に接続されている。引っ張りコイルバネ73Sの他端は、左方のサイドフレーム80Lの上側かつ前側の角部に接続されている。左方のサイドフレーム80Lにおける引っ張りコイルバネ73Sよりも下方の位置には、カム79が回動可能に支持されている。左方の揺動部材73の上端部には、カム当接部73Cが前向きに突出してカム79に当接するように設けられている。
【0059】
ベルトガイド75は、金属製の補強部材や耐熱性を有する樹脂製のガイド部材等が組み合わされて左右方向に延びている。ベルトガイド75は、ヘミング曲げ形状のステイ75Sに固定され、ステイ75Sの左右の端部が一対の揺動部材73、73における後向きから上向きに曲がる部分に接続されることによって、一対の揺動部材73、73に保持されている。ベルトガイド75は、加熱ローラ51に対して下方の位置あり、かつ加熱ローラ51に対して後方に若干ずれた位置にある。
【0060】
ベルトガイド75における加熱ローラ51に対向する部分には、パッドホルダ72Hが配置されている。パッドホルダ72Hも、ステイ75Sに固定されている。パッド72A、72Bは、パッドホルダ72Hに保持されている。パッド72A、72Bはそれぞれ、耐熱性を有する弾性体からなり、加熱ローラ51の全長に亘って当接可能に長手方向DL1に延びている。
【0061】
ベルトガイド75及びパッド72A、72Bは、無端ベルト71内に配置されている。無端ベルト71は、ベルトガイド75及びパッド72A、72B周りに回転可能となっている。
【0062】
一対の揺動部材73、73が引っ張りコイルバネ73Sに付勢されて加圧部材支持軸89周りに反時計方向に揺動することにより、ベルトガイド75、パッド72A、72B及び無端ベルト71が加熱ローラ51に接近し、パッド72A、72Bが加熱ローラ51との間で無端ベルト71を挟む。この際、カム79の回動姿勢を所望の姿勢に調整し、そのカム79にカム当接部73Cが当接することで、加熱ローラ51に対する無端ベルト71の圧接力を調整するようになっている。
【0063】
プロセスカートリッジ7を通過した記録シートSHが定着装置5に到達すると、回転駆動される加熱ローラ51と、加熱ローラ51に圧接されて従動回転する無端ベルト71とによってニップされ、加熱及び加圧をされながら排出部29に向けて搬送される。
【0064】
加熱ローラ51と無端ベルト71とが記録シートSH1をニップする位置をニップ位置N1とする。ニップ位置N1は、加熱ローラ51の回転軸心X51に対して下方かつ後方に位置している。ニップ位置N1において記録シートSHが搬送される方向を搬送方向DT1とする。搬送方向DT1は、後向きに上り傾斜する方向である。
【0065】
加熱部材50は、メインヒータ58及びサブヒータ59を有している。メインヒータ58及びサブヒータ59はそれぞれ、ハロゲンヒータであって加熱ローラ51内に配置されて長手方向DL1に延びている。サブヒータ59は、搬送方向DT1においてメインヒータ58よりも下流に位置している。
【0066】
メインヒータ58及びサブヒータ59の左右の端部は、加熱ローラ支持部材81を通過し、図示しないヒータ保持部材を介して一対のサイドフレーム80L、80Rに支持されている。メインヒータ58及びサブヒータ59は、輻射熱を発して加熱ローラ51をその内部から加熱する。
【0067】
本実施例では、メインヒータ58の長手方向DL1の発熱特性は、長手方向DL1の両端部よりも中央部が高くなっている。その一方、サブヒータ59の長手方向DL1の発熱特性は、長手方向DL1の中央部よりも両端部が高くなっている。加熱ローラ51の長手方向DL1の中央部は、主にメインヒータ58によって加熱される。加熱ローラ51における長手方向DL1の両端部は、主にサブヒータ59によって加熱される。
【0068】
定着装置5の前側には、ロアーガイド99及びアッパーガイド65が設けられている。ロアーガイド99及びアッパーガイド65はそれぞれ、耐熱性を有する樹脂製部材である。
【0069】
ロアーガイド99は、無端ベルト71よりも前方に配置されている。ロアーガイド99の上面には、ニップ位置N1に向けて後向きに上り傾斜する搬送面99Gが形成されている。搬送面99Gは、プロセスカートリッジ7を通過した記録シートSHをニップ位置N1に導く。
【0070】
図3に示すように、アッパーガイド65は長手方向DL1に延びており、左右の端部が一対のサイドフレーム80L、80Rの前端部に締結されている。アッパーガイド65には、上端縁から下向きに凹むように切り欠かれた切り欠き部65A、65B、65Cが形成されている。
【0071】
切り欠き部65Aは、後述する温度センサ30の前方に位置している。切り欠き部65Bは、後述する接触サーミスタ45の前方に位置している。切り欠き部65Cは、後述するサーモスタット41の前方に位置している。
【0072】
図2に示すように、アッパーガイド65は、加熱ローラ51よりも前方に配置されている。アッパーガイド65の下端65Dは、搬送面99Gから上方に離れている。図3に示すように、アッパーガイド65の下端65Dは、長手方向DL1の両端部が長手方向DL1の中央部よりも下方に位置している。アッパーガイド65の下端65Dは、主に長手方向DL1の両端部によって、記録シートSHがニップ位置N1を通過するときの曲がりや跳ねを上から規制する。
【0073】
<ホルダ>
図2図8に示すように、定着装置5は、ホルダ100を備えている。図4及び図5に単体の状態のホルダ100を示すように、ホルダ100は耐熱性を有する樹脂製部材であり、長手方向DL1に延びている。ホルダ100は、第1壁101及び第2壁102を含んでいる。第1壁101は、前後方向及び左右方向に略矩形平板状に延びている。第2壁102は、第1壁101の前端縁に接続して下向きに突出し、かつ左右方向に延びている。
【0074】
第1壁101における長手方向DL1の中央部には、ネジ挿通穴101Hが上下方向に貫通するように形成されている。
【0075】
図5に示すように、第1壁101におけるネジ挿通穴101Hから長手方向DL1の一方に、すなわち左方に離れた位置には、係合爪101Aが形成されている。第1壁101におけるネジ挿通穴101Hから長手方向DL1の他方に、すなわち右方に離れた位置には、係合爪101Bが形成されている。係合爪101A、101Bはそれぞれ、第1壁101の上面から連結フレーム90の第1板部91の厚みの分だけ上向きに延びた後に屈曲して、右向きに突出している。
【0076】
ホルダ100におけるネジ挿通穴101Hと係合爪101Aとの間には、収容凹部130及びボス部138が形成されている。収容凹部130は、第1壁101の前部分から第2壁102の下部分までに亘って形成されている。ボス部138は、収容凹部130の左側に配置されている。
【0077】
ホルダ100におけるネジ挿通穴101Hと係合爪101Bとの間には、サーモスタット保持部141が形成されている。サーモスタット保持部141は、第1壁101の前部分から第2壁102の上部分までに亘って形成されている。サーモスタット保持部141の中央には、丸穴141Hが貫通するように形成されている。
【0078】
ホルダ100の左端部には、接触サーミスタ用開口145が形成されている。接触サーミスタ用開口145は、第1壁101を上下方向に貫通するように形成されている。
【0079】
ホルダ100は、以下のようにして、連結フレーム90に組み付けられている。すなわち、図4に示すように、連結フレーム90の第1板部91にホルダ100の第1壁101を下から当接させ、連結フレーム90の第2板部92にホルダ100の第2壁101を後から当接させる。
【0080】
次に、図3に示すように、ホルダ100の係合爪101Aを連結フレーム90の係合穴91Aの右端縁に係合させる。また、ホルダ100の係合爪101Bを連結フレーム90のサーモスタット用開口91Bの右端縁に係合させる。
【0081】
そして、図4に示すように、ホルダ100のネジ挿通穴101Hにネジ100Fを下から挿入し、図3に示すように、そのネジ100Fを連結フレーム90のネジ穴91Hにねじ込む。
【0082】
こうして、ホルダ100は、連結フレーム90における長手方向DL1の中央部にネジ止めされるとともに、連結フレーム90における中央部から長手方向DL1の一方と他方とに離れた2か所で連結フレーム90に係合することによって、連結フレーム90に組み付けられている。
【0083】
この状態で、ホルダ100の収容凹部130及びボス部138は、連結フレーム90の温度センサ用開口91Cによって露出している。ホルダ100のサーモスタット保持部141は、連結フレーム90のサーモスタット用開口91Bによって露出している。
【0084】
図5及び図7に示すように、収容凹部130は、加熱ローラ51の回転軸心X51から前方かつ上方に離れた位置に配置されている。収容凹部130は、前方かつ上方を向く面側が開放され、加熱ローラ51に向かって後向きかつ下向きに凹む略直方体形状の凹部である。収容凹部130の底壁の中央には、矩形穴である検知穴130Hと、検知穴130Hを囲む角筒状の保護壁139とが形成されている。
【0085】
収容凹部130の4つの角部には、4つの第1当接部131が形成されている。各第1当接部131は、収容凹部130の底壁よりも加熱ローラ51から離れた位置で前方かつ上方を向く小さな当接面である。各第1当接部131は、面一である。
【0086】
収容凹部130における下側の内壁面には2本のリブが形成され、それらのリブにおける加熱ローラ51から遠い端部に2つの第2当接部132が形成されている。各第2当接部132は、下側の2つの第1当接部131に隣接する位置、かつそれらの第1当接部131よりも加熱ローラ51から離れた位置で、後方かつ上方を向く小さな当接面である。各第2当接部132は面一であり、各第1当接部131と直交している。
【0087】
図5に示すように、ホルダ100における収容凹部130の右側には、嵌合凹部130Dが右向きに凹むように形成されている。
【0088】
図4に示すように、ホルダ100における加熱ローラ51に対向する面側には、複数のリブ110、第1補強リブ121及び第2補強リブ122が一体に形成されている。複数のリブ110、第1補強リブ121及び第2補強リブ122の構成については後で詳しく説明する。
【0089】
<センサカバー>
図2図7に示すように、定着装置5は、センサカバー200を備えている。センサカバー200は、耐熱性を有する樹脂製部材である。センサカバー200は、ベース201と、ベース201に隣接して形成された防風壁210とを含んでいる。
【0090】
図4及び図5に示すように、ベース201は、矩形状の開口部201Hを有する略矩形枠形状となっている。ベース201の上辺及び下辺は、長手方向DL1に延びている。ベース201の左辺は、上辺の左端と下辺の左端とを接続している。ベース201の右辺は、上辺の右端と下辺の右端とを接続している。
【0091】
ベース201の右辺には、嵌合凸部201Dが右向きに突出するように形成されている。ベース201の左辺には、ネジ挿通穴201Aが形成されている。
【0092】
防風壁210は、ベース201の下辺に接続している。防風壁210は、鉛直方向の上向きに突出し、かつ長手方向DL1に延びる矩形平板形状となっている。
【0093】
センサカバー200は、以下のようにして、ホルダ100に組み付けられる。すなわち、センサカバー200の4辺によってホルダ100の収容凹部130を覆い、嵌合凸部201Dを収容凹部130の右側の嵌合凹部130Dに嵌合させ、図3に示すネジ200Fをネジ挿通穴201Aに挿入して、ホルダ100のボス部138に形成されたネジ穴にねじ込む。こうして、センサカバー200は、収容凹部130に対して加熱ローラ51とは反対側で、ホルダ100に組み付けられている。
【0094】
図4及び図7に示すように、センサカバー200のベース201は、第3当接部203及び第4当接部204を含んでいる。第3当接部203及び第4当接部204は、ベース201における加熱ローラ51に対面する面側に配置されている。
【0095】
第3当接部203は、ベース201の下辺における長手方向DL1の中央に配置されている。第3当接部203は、加熱ローラ51に向かって突出し、かつ長手方向DL1に短く延びる凸部である。
【0096】
第4当接部204は、ベース201の上辺における長手方向DL1の中央に配置されている。第4当接部204は、加熱ローラ51に向かって突出し、かつ長手方向DL1に短く延びる凸部である。
【0097】
図7に示すように、第3当接部203の先端面は、センサカバー200がホルダ100に組み付けられた状態で、収容凹部130の各第1当接部131と平行に延び、かつ各第1当接部131に対して後述するセンサ基板33の厚みの分だけ離れている。
【0098】
第4当接部204には、傾斜面204Aが形成されている。傾斜面204Aは、センサカバー200がホルダ100に組み付けられた状態で、収容凹部130の各第1当接部131に対して傾斜しつつ長手方向DL1に延びている。
【0099】
<温度センサ>
図2図3図6及び図7に示すように、定着装置5は、温度センサ30を備えている。温度センサ30は、加熱ローラ51の温度を非接触で検知するためのものである。温度センサ30の検知結果は、主にメインヒータ58の温度制御に利用される。
【0100】
図7に示すように、温度センサ30は、センサ基板33、導光角筒34、吸収体31、保持体32、温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2を含んでいる。
【0101】
図5に示すように、センサ基板33は、収容凹部130に整合する矩形平板形状の回路基板である。図7に示すように、センサ基板33は、一面33A及び他面33Bを有している。
【0102】
センサ基板33の一面33Aは、加熱ローラ51側を向く面である。センサ基板33の他面33Bは、センサ基板33の一面33Aとは反対側、すなわち加熱ローラ51とは反対側を向く面である。
【0103】
センサ基板33は、一面33Aにおける4つの角部が収容凹部130の4つの第1当接部131に当接する状態で収容凹部130に収容される。この状態で、センサ基板33における回転方向DR1の一端縁33Mは、センサ基板33における長手方向DL1に延びる下端縁であり、2つの第2当接部132に当接する。センサ基板33における回転方向DR1の他端縁33Nは、センサ基板33における長手方向DL1に延びる上端縁である。
【0104】
そして、センサカバー200がホルダ100に組み付けられることにより、センサカバー200の第4当接部204が傾斜面204Aによってセンサ基板33の他端縁33Nに対してセンサ基板33の他面33B側で当接する。傾斜面204Aは、センサ基板33の他端縁33Nに沿って延び、センサ基板33の他面33Bに対して傾斜する状態で他端縁33Nに当接する。また、第4当接部204は、センサ基板33の他端縁33Nにおける長手方向DL1の中央に当接する。
【0105】
これにより、第4当接部204は、センサ基板33の他端縁33Nを上側の2つの第1当接部131に押し付ける力F1と、センサ基板33を2つの第2当接部132に向けて片寄せする力F2とを発揮する。
【0106】
また、センサカバー200がホルダ100に組み付けられることにより、センサカバー200の第3当接部203は、その先端面によって、センサ基板33の一端縁33Mに対してセンサ基板33の他面33B側で当接する。また、第3当接部203は、センサ基板33の一端縁33Mにおける長手方向DL1の中央に当接する。
【0107】
これにより、第3当接部203は、センサ基板33の一端縁33Mを下側の2つの第1当接部131に押し付ける力F3を発揮する。
【0108】
こうして、センサ基板33は、4つの第1当接部131、2つの第2当接部132、第3当接部203及び第4当接部204によって、ホルダ100の収容凹部130に保持される。
【0109】
その結果、温度センサ30は、加熱ローラ51と温度センサ30とが対向する方向、及び加熱ローラ51の回転方向DR1において精度良く位置決めされた状態で、ホルダ100の収容凹部130に収容される。温度センサ30は、ホルダ100が連結フレーム90に組み付けられることによって、連結フレーム90に取り付けられる。
【0110】
温度センサ30が収容凹部130に収容された状態で、センサカバー200は、温度センサ30に対して加熱ローラ51とは反対側に配置されて、ベース201によって温度センサ30を覆っている。センサカバー200の開口部201Hは、温度センサ30の上方で開口している。センサカバー200の防風壁210は、開口部201H及び温度センサ30よりも前方に位置して、鉛直方向の上向きに突出し、かつ長手方向DL1に延びている。本実施例では、防風壁210の上端の高さは、開口部201Hの上端縁の高さと略等しい。
【0111】
このようなセンサカバー200の防風壁210によって、定着装置5周辺の空気の流れが温度センサ30に到達することを抑制できる。また、開口部201Hによって、温度センサ30の周辺の加熱された空気を上に逃がすことにより、温度センサ30の昇温を抑制できる。
【0112】
センサ基板33の一面33Aには、導光角筒34が固定されている。導光角筒34は金属製の角筒であり、一面33Aに直交して加熱ローラ51に向かって突出している。
【0113】
吸収体31は、加熱ローラ51からの赤外線を吸収する赤色フィルムや、赤外線吸収層が形成された銅箔等である。図7等では保持体32を簡略して図示しているが、より詳しくは、保持体32は、センサ基板33の一面33Aに接着された樹脂部材と、その樹脂部材における加熱ローラ51側を向く面に貼り付けられたポリイミド樹脂フィルムとからなる。吸収体31は、接着や粘着等によって保持体32のポリイミド樹脂フィルムに保持されている。
【0114】
吸収体31を保持する保持体32と、温度検知サーミスタS1と、温度補償用サーミスタS2とは、センサ基板33の一面33Aにおける導光角筒34に囲まれた領域に配置されている。なお、図7等では、温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2を便宜上、回転軸心X51の周方向に沿って配置しているように描いているが、実際には温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2は、回転軸心X51が延びる方向に並んでいる。
【0115】
吸収体31における加熱ローラ51に対面する面と、保持体32のポリイミド樹脂フィルムにおける加熱ローラ51に対面する面とは、温度センサ30の検知面30Aを構成している。
【0116】
温度検知サーミスタS1は、保持体32のポリイミド樹脂フィルムにおける吸収体31が貼り付けられた部分に、センサ基板33側で保持されている。保持体32の樹脂部材は、温度検知サーミスタS1を避けるように凹んでいる。温度検知サーミスタS1は、保持体32のポリイミド樹脂フィルムを介して吸収体31の温度を検知する。
【0117】
温度補償用サーミスタS2は、保持体32のポリイミド樹脂フィルムにおける吸収体31が貼り付けられていない部分に、センサ基板33側で保持されている。保持体32の樹脂部材は、温度補償用サーミスタS2を避けるように凹んでいる。温度補償用サーミスタS2は、保持体32のポリイミド樹脂フィルムの温度を検知する。
【0118】
導光角筒34の内壁面によって、加熱ローラ51からの赤外線を温度センサ30の検知面30Aに導く導光路30Gが区画されている。
【0119】
収容凹部130に形成された保護壁139は、センサ基板33と加熱ローラ51との間に位置している。保護壁139は導光路30Gに沿って延びて導光角筒34を囲んでいる。
【0120】
センサ基板33と、保護壁139におけるセンサ基板33と対面する先端縁139Aとの間に、隙間G1がある。隙間G1は、センサ基板33の一面33Aと保護壁139の先端縁139Aとが接触して熱が伝わることを抑制するために設けられている。本実施例では、隙間G1は、一例として1~3mm程度である。
【0121】
温度センサ30は、温度検知サーミスタS1の検知結果と温度補償用サーミスタS2の検知結果とに基づいて吸収体31と保持体32との温度差を見ることで、加熱ローラ51からの赤外線エネルギーを計測し、加熱ローラ51の温度を非接触で検知する。
【0122】
<長手方向と直交する断面における温度センサと、加熱ローラ、メインヒータ及びサブヒータとの位置関係>
図6に示すように、長手方向DL1と直交する断面において、加熱ローラ51の外周面51Aにおける最も上方に位置する頂部を第1頂部51P1とする。加熱ローラ51の外周面51Aにおける最も前方に位置する頂部を第2頂部51P2とする。温度センサ30の検知面30Aが加熱ローラ51の外周面51Aに対面する位置は、加熱ローラ51の外周面51Aにおける第1頂部51P1から第2頂部51P2までの範囲内にある。
【0123】
本実施例では、加熱ローラ51の回転軸心X51から温度センサ30の検知面30Aまで延びる直線と加熱ローラ51の回転軸心X51から水平に前向きに延びる直線とがなす角度α1は、30°である。その理由は、記録シートSHが加熱ローラ51と無端ベルト71とにニップ位置N1でニップされるときの曲がりや跳ねによって、記録シートSH上の現像剤像の一部がニップ位置N1に対して搬送方向DT1の上流側で飛散するおそれがあり、その飛散する現像剤像の一部が温度センサ30の検知精度に影響を与えることを抑制するためである。
【0124】
長手方向DL1と直交する断面において、温度センサ30の検知面30Aとメインヒータ58との間の第1距離L1は、温度センサ30の検知面30Aとサブヒータ59との間の第2距離L2よりも小さい。これにより、温度センサ30が加熱ローラ51の周辺に発生する熱対流に影響されて温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2の検知結果がばらついたり、温度センサ30が昇温したりすることを抑制できる。
【0125】
<接触サーミスタ>
図3に示すように、定着装置5は、接触サーミスタ45を備えている。接触サーミスタ45は、連結フレーム90の接触サーミスタ保持部95の切り起こし片に保持され、接触サーミスタ保持部95の開口を通過して下向きに延びている。そして、図示は省略するが、接触サーミスタ45は、加熱ローラ51の外周面51Aに接触し、加熱ローラ51の温度を検知する。接触サーミスタ45の検知結果は、主にサブヒータ59の温度制御に利用される。
【0126】
<サーモスタット>
図3及び図8に示すように、定着装置5は、サーモスタット41を備えている。サーモスタット41は、サーモスタット保持部141の丸穴141Hを挿入された状態でブラケット41Bがサーモスタット保持部141にネジ止めされることにより、ホルダ100に保持されている。そして、サーモスタット41は、ホルダ100が連結フレーム90に組み付けられることにより、連結フレーム90に取り付けられている。
【0127】
図8に示すように、サーモスタット41の検知面41Aは、加熱ローラ51の外周面51Aに対面している。サーモスタット41は、加熱部材50の温度が所定の上限値を越えたときに、メインヒータ58及びサブヒータ59への給電を遮断する。
【0128】
長手方向DL1と直交する断面において、サーモスタット41の検知面41Aとメインヒータ58との間の第3距離L3と、サーモスタット41の検知面41Aとサブヒータ59との間の第4距離L4とが等しい。これにより、メインヒータ58及びサブヒータ59のどちらが異常加熱した場合でも、サーモスタット41がメインヒータ58及びサブヒータ59への給電を確実に遮断できる。
【0129】
<複数のリブ、第1補強リブ及び第2補強リブ>
図4に示すように、複数のリブ110、第1補強リブ121及び第2補強リブ122は、それらが一体に形成されたホルダ100が連結フレーム90に組み付けられることによって、連結フレーム90に設けられている。
【0130】
複数のリブ110は、長手方向DL1において、収容凹部130の検知穴130Hと異なる位置、すなわち、温度センサ30の温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2と異なる位置に配置されている。
【0131】
図4及び図6に示すように、複数のリブ110は、ホルダ100の第1壁101及び第2壁102に接続して加熱ローラ51に向かって突出し、かつ加熱ローラ51の外周面51Aに沿って回転方向DR1に延びている。複数のリブ110は、第1壁101の後端縁から第2壁102の下端縁まで延びている。
【0132】
図6に示すように、複数のリブ110の後方かつ上方の端部は、加熱ローラ51の外周面51Aの第1頂部51P1よりも後方に位置している。複数のリブ110の前方かつ下方の端部は、加熱ローラ51の外周面51Aの第2頂部51P2よりも下方に位置している。
【0133】
複数のリブ110における加熱ローラ51の外周面51Aに対面する面は、加熱ローラ51の回転軸心X51を中心とする円弧状の曲面である。
【0134】
複数のリブ110における加熱ローラ51の外周面51Aに対面する面と、加熱ローラ51の外周面51Aとの間隔は、リブ110と加熱ローラ51とが接触しない程度に狭くなっている。
【0135】
図4に示すように、複数のリブ110は、第1リブ111、第2リブ112及び第3リブ113を有している。
【0136】
第1リブ111は、長手方向DL1において、収容凹部130の検知穴130Hから右方に離れて、すなわち温度センサ30の温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2から右方に離れて配置されている。
【0137】
第3リブ113は、長手方向DL1において、収容凹部130の検知穴130Hから左方に離れて、すなわち温度センサ30の温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2から左方に離れて配置されている。
【0138】
つまり、第3リブ113は、長手方向DL1において、温度センサ30の温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2を挟んで第1リブ111とは反対側に配置されている。
【0139】
第2リブ112は、長手方向DL1において、第1リブ111から右方に離れた位置に複数配置されているとともに、第3リブ113から左方に離れた位置に複数配置されている。
【0140】
つまり、第2リブ112は、長手方向DL1において第1リブ111及び第3リブ111よりも、温度センサ30の温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2から離れて配置されている。
【0141】
第1リブ111における加熱ローラ51の外周面51Aに対面する面111Aの長手方向DL1の幅を幅W111とする。第2リブ112における加熱ローラ51の外周面51Aに対面する面112Aの長手方向DL1の幅を幅W112とする。第3リブ113における加熱ローラ51の外周面51Aに対面する面113Aの長手方向DL1の幅を幅W113とする。
【0142】
幅W111は、幅W112よりも大きい。また、幅W111は、幅W113よりも大きい。この構成により、仮に複数のリブ110における加熱ローラ51の外周面51Aに対面する面の幅が等しく設定される構成と比較して、温度センサ30の周辺で空気が長手方向DL1に流れることを抑制でき、温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2の検知結果がばらつくことを抑制できる。なお、本実施例では、幅W112と幅W113とは略等しい。また、幅W111は、図4における幅W111の寸法線が入っている箇所で幅W112、W113の2倍以上であり、幅W111の寸法線から離れた位置で凹む一部の箇所で幅W112、W113の1.5倍以上である。なお、幅W113を幅W112よりも大きくしてもよい。
【0143】
図4及び図6に示すように、第1補強リブ121は、ホルダ100の第1壁101に接続して加熱ローラ51に向かって突出し、かつ長手方向D1に延びて第1リブ111と第3リブ113とを接続している。図6に示すように、第1補強リブ121の一部は、収容凹部130を区画する壁を兼ねている。
【0144】
図4及び図6に示すように、第2補強リブ122は、ホルダ100の第1壁101に接続して加熱ローラ51に向かって突出し、かつ長手方向D1に延びて第1リブ111の後方かつ上方の端部と第3リブ113の後方かつ上方の端部とを接続している。
【0145】
図6に示すように、第1補強リブ121は、回転方向DR1において、温度センサ30の温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2と異なる位置に配置されている。
【0146】
より詳しくは、第1補強リブ121は、温度センサ30の温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2よりも回転方向DR1の上流側に位置している。換言すると、第1補強リブ121は、回転方向DR1において、温度センサ30の温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2よりも加熱ローラ51の第1頂部51P1に近い位置にある。
【0147】
第2補強リブ122は、回転方向DR1において第1補強リブ121を挟んで、温度センサ30の温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2とは反対側に配置されている。
【0148】
より詳しくは、第2補強リブ122は、第1補強リブ121よりも回転方向DR1の上流側に位置している。換言すると、第2補強リブ122は、回転方向DR1において、第1補強リブ121よりも加熱ローラ51の第1頂部51P1に近い位置にある。
【0149】
第1補強リブ121における加熱ローラ51の外周面51Aに対面する面と、加熱ローラ51の外周面51Aとの間隔は、リブ110と加熱ローラ51とが接触しない程度に狭くなっている。第2補強リブ122も同様である。
【0150】
図4に示すように、第1補強リブ121における加熱ローラ51の外周面51Aに対面する面121Aの回転方向DR1の幅を幅W121とする。第2補強リブ122における加熱ローラ51の外周面51Aに対面する面122Aの回転方向DR1の幅を幅W122とする。
【0151】
幅W122は、幅W121よりも大きい。この構成により、第1補強リブ121と、第1補強リブ121よりも広幅の第2補強リブ122とによって、温度センサ30の周辺で空気が回転方向DR1に流れることを一層抑制できる。本実施例では、幅W122は、幅W121の2倍以上である。
【0152】
なお、ホルダ100には、隣り合う2つの第2リブ112を接続する補強リブ、及び隣り合う第2リブ112と第3リブ113とを接続する補強リブも形成されている。
【0153】
<発明特定事項との関係>
一対のサイドフレーム80L、80R、連結フレーム90及びホルダ100は、本発明の「支持部材」の一例である。加熱ローラ51は、本発明の「ローラ」の一例である。温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2は、本発明の「温度検知素子」の一例である。
【0154】
<作用効果>
実施例の定着装置5では、図4に示すように、第1リブ111及び第2リブ112を有する複数のリブ110が加熱部材50の長手方向DL1において、検知穴130Hと異なる位置、すなわち温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2と異なる位置にある。
【0155】
そして、第1リブ111における加熱ローラ51の外周面51Aに対面する面111Aの幅W111が第2リブ112における加熱ローラ51の外周面51Aに対面する面112Bの幅W112よりも大きい。
【0156】
これにより、この定着装置5では、仮に複数のリブ110における加熱ローラ51の外周面51Aに対面する面の幅が等しく設定される構成と比較して、温度センサ30の周辺で空気が長手方向DL1に流れることを抑制でき、温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2の検知結果がばらつくことを抑制できる。
【0157】
したがって、実施例の定着装置5では、温度センサ30の検知精度の向上を実現できる。
【0158】
また、この定着装置5では、第3リブ113が長手方向DL1において、検知穴130Hを挟んで第1リブ111とは反対側に、すなわち温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2を挟んで第1リブ111とは反対側に配置されている。このような第3リブ113によって、温度センサ30の周辺で空気が長手方向DL1に流れることを一層抑制できる。その結果、温度センサ30の検知精度の一層の向上を実現できる。
【0159】
さらに、定着装置5では、図6に示すように、第1補強リブ121は、回転方向DR1において温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2と異なる位置に配置されている。このような第1補強リブ121によって、温度センサ30の周辺で空気が回転方向DR1に流れることを抑制できる。その結果、温度センサ30の検知精度の一層の向上を実現できる。
【0160】
また、この定着装置5では、第2補強リブ122は、回転方向DR1において第1補強リブ121を挟んで温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2とは反対側に配置されている。第1補強リブ121は、温度センサ30よりも回転方向DR1の上流側に位置している。第2補強リブ122は、第1補強リブ121よりも回転方向DR1の上流側に位置している。そして、第2補強リブ122における加熱ローラ51の外周面51Aに対面する面122Aの回転方向DR1の幅W122は、第1補強リブ121における加熱ローラ51の外周面51Aに対面する面121Aの回転方向DR1の幅W121よりも大きい。このような第1補強リブ121及び第2補強リブ122によって、温度センサ30の周辺で空気が回転方向DR1に流れることを一層抑制できる。その結果、温度センサ30の検知精度のより一層の向上を実現できる。
【0161】
さらに、この定着装置5では、図3及び図4に示すように、支持部材として、一対のサイドフレーム80L、80R、連結フレーム90及び連結フレーム90及びホルダ100を備えている。そして、ホルダ100は、連結フレーム90に取り付けられ、温度センサ30を保持するとともに、複数のリブ110が一体に形成されている。この構成により、温度センサ30及び複数のリブ110を連結フレーム90に取り付ける作業を簡素化できる。
【0162】
また、この定着装置5では、図3に示すように、ホルダ100は、連結フレーム90における長手方向DL1の中央部に形成されたネジ穴91Hに、ネジ100Fによってネジ止めされる。また、ホルダ100は、連結フレーム90における中央部から長手方向DL1の一方と他方とに離れた2か所に形成された係合穴91Aの右端及びサーモスタット用開口91Bの右端に係合爪101A、101Bを係合させることで、連結フレーム90に係合する。この構成により、ホルダ100を連結フレーム90に組み付ける作業を簡素化できる。
【0163】
さらに、この定着装置5では、図7に示すように、温度センサ30が吸収体31、保持体32、温度検知サーミスタS1、温度補償用サーミスタS2及びセンサ基板33を含んでいる。ホルダ100の保護壁139は、センサ基板33と加熱ローラ51との間に位置して導光路30Gに沿って延び、かつ導光路30Gを囲んでいる。そして、センサ基板33と、保護壁139におけるセンサ基板33と対面する先端縁139Aとの間に、隙間G1がある。この隙間G1によって、加熱ローラ51からホルダ100の保護壁139及びセンサ基板33を経由して、温度検知サーミスタ及び温度補償用サーミスタに熱が伝わることを抑制できる。その結果、温度センサ30の検知精度の一層の向上を実現できる。
【0164】
また、この定着装置5では、図6に示すように、加熱部材50が加熱ローラ51を有し、加圧部材70が無端ベルト71及びパッド72A、72Bを有している。この構成により、仮に加熱部材50が無端ベルトを有する構成と比較して、複数のリブ110における加熱ローラ51の外周面51Aに対面する面と、加熱ローラ51の外周面51Aとの間隔を小さくできるとともに、温度センサ30と加熱ローラ51の外周面51Aとの距離のばらつきを小さくできる。その結果、温度センサ30の検知精度の一層の向上を実現できる。
【0165】
さらに、この定着装置5では、ベース201及び防風壁210を含むセンサカバー200が温度センサ30に対して加熱ローラ51とは反対側に配置され、温度センサ30を覆っている。これにより、定着装置5周辺の空気の流れ、例えば排気ファン6Fによって生じる負圧によってプロセスカートリッジ7周辺から定着装置5に向かう空気の流れや、プロセスカートリッジ7を通過して定着装置5に搬送される記録シートSHに随伴する空気の流れが温度センサ30に到達することを防風壁210によって抑制できる。また、この定着装置5では、温度センサ30の周辺の加熱された空気を開口部201Hによって上に逃がすことにより、温度センサ30の昇温を抑制できる。その結果、この定着装置5では、温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2の検知結果がばらつくことを一層抑制できるので、温度センサ30の検知精度の一層の向上を実現できる。
【0166】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0167】
実施例では、温度センサ30が支持部材の一部を構成する連結フレーム90にホルダ100を介して取り付けられるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、本発明は、温度センサが樹脂製の支持部材に直接取り付けられる構成を含む。
【0168】
実施例では、複数のリブ110がホルダ100に形成され、ホルダ100が連結フレーム90に取り付けられるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、本発明は、ホルダとは別部材である複数のリブが支持部材の連結フレームに直接取り付けられる構成や、複数のリブが樹脂製の支持部材に一体に形成される構成を含む。
【0169】
実施例では、温度センサ30が温度検知サーミスタS1及び温度補償用サーミスタS2を含む熱型の非接触温度センサであるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、本発明は、温度センサが微小熱電対を多数直列接続したサーモパイルである構成を含む。また、本発明は、温度センサが光電素子によって赤外線を光として検知する量子型の非接触温度センサである構成を含む。
【0170】
加熱部材及び加圧部材の一方がローラを有し、加熱部材及び加圧部材の他方が無端ベルトを有していてもよい。また、加熱部材及び加圧部材のそれぞれがローラを有していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0171】
本発明は例えば、画像形成装置又は複合機等に利用可能である。
【符号の説明】
【0172】
5…定着装置、50…加熱部材、70…加圧部材、SH…記録シート
80L、80R、90、100…支持部材(80L、80R…一対のサイドフレーム、90…連結フレーム、100…ホルダ)
S1、S2…温度検知素子(S1…温度検知サーミスタ、S2…温度補償用サーミスタ)
30…温度センサ、31…吸収体、32…保持体、33…センサ基板
DL1…長手方向、DR1…回転方向
51A…加熱部材の外周面(加熱ローラの外周面)
110…複数のリブ、111…第1リブ、112…第2リブ
111A…第1リブにおける加熱部材の外周面に対面する面
W111…第1リブにおける加熱部材の外周面に対面する面の長手方向の幅
112A…第2リブにおける加熱部材の外周面に対面する面
W112…第2リブにおける加熱部材の外周面に対面する面の長手方向の幅
113…第3リブ、121…第1補強リブ、122…第2補強リブ
121A…第1補強リブにおける加熱部材の外周面に対面する面
W121…第1補強リブにおける加熱部材の外周面に対面する面の回転方向の幅
122A…第2補強リブにおける加熱部材の外周面に対面する面
W122…第2補強リブにおける加熱部材の外周面に対面する面の回転方向の幅
30G…導光路、139…保護壁
139A…保護壁におけるセンサ基板と対面する先端縁
G1…センサ基板と保護壁の先端縁との隙間
51…ローラ(加熱ローラ)、71…無端ベルト、72A、72B…パッド
200…センサカバー、201H…開口部、201…ベース、210…防風壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8