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  • 特許-竪型ローラミル 図1
  • 特許-竪型ローラミル 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】竪型ローラミル
(51)【国際特許分類】
   B02C 15/04 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
B02C15/04
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020024165
(22)【出願日】2020-02-17
(65)【公開番号】P2021126632
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 和宏
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-091740(JP,U)
【文献】特開昭58-006248(JP,A)
【文献】特開平07-155625(JP,A)
【文献】特開平04-225848(JP,A)
【文献】特開2019-000768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 15/00 - 15/16
B02C 23/00 - 23/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
竪型ハウジングと、
該竪型ハウジングの下部に設けられ被粉砕物を粉砕する粉砕部と、
該粉砕部に被粉砕物を供給する原料供給部と、
前記粉砕部で発生する粉砕物を上方に搬送する上昇流を発生させる気流発生部と、
前記粉砕部の上方に設けられ前記粉砕物を分級する分級部と、
該分級部で分級された粗大粉砕物に外力を直接作用させることにより前記粗大粉砕物を強制的に前記粉砕部に送り込む移送部と
を備え
前記原料供給部は、前記粉砕部の直上に鉛直姿勢で延在する管状体を備え、
前記移送部は、前記粗大粉砕物を噛み込んで前記粉砕部に送り込むスクリューフィーダであり、
前記スクリューフィーダは、前記管状体を回転軸として回転することによって前記粗大粉砕物を前記粉砕部に送り込むことを特徴とする竪型ローラミル。
【請求項2】
竪型ハウジングと、
該竪型ハウジングの下部に設けられ被粉砕物を粉砕する粉砕部と、
該粉砕部に被粉砕物を供給する原料供給部と、
前記粉砕部で発生する粉砕物を上方に搬送する上昇流を発生させる気流発生部と、
前記粉砕部の上方に設けられ前記粉砕物を分級する分級部と、
該分級部で分級された粗大粉砕物に外力を直接作用させることにより前記粗大粉砕物を強制的に前記粉砕部に送り込む移送部と
を備え、
前記原料供給部は、前記粉砕部の直上に鉛直姿勢で延在する管状体を備え、
前記移送部は、圧縮ガスを前記粉砕部に向けて噴射するガス噴射装置であり、
前記ガス噴射装置は、前記管状体の周りに所定間隔で並ぶ複数の噴射孔を備えることを特徴とする竪型ローラミル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、竪型ローラミルに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、バイオマス粉砕装置及びバイオマス・石炭混焼システムが開示されている。この背景技術は、バイオマス原料を鉛直軸方向上方から供給する原料供給管と、バイオマス原料が載置される粉砕テーブルと、粉砕テーブルを回転駆動する駆動部と、バイオマス原料を押圧力により粉砕する粉砕ローラと、粉砕したバイオマス粉体を上昇流を用いて上方に気流搬送する送風手段と、内筒と外筒とを用いてバイオマス粉体を分級する分級器とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-083016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記竪型ローラミルでは、分級器から外部に排出されなかったバイオマス粉体(粉砕物)が原料供給管と外筒との隙間を介して粉砕ローラと粉砕テーブルとからなる粉砕部に落下する。この一方、バイオマス原料を粉砕する場合、原料供給管の管径を小さくすることによって供給流速を上げることが行われている。この場合に隙間に対する上昇流の影響が増大するので、粉砕物が隙間を通過することができず、最終的に隙間を閉塞させる虞がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、上昇流の影響を従来よりも軽減して粉砕物を粉砕部に効果的に戻すことを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、竪型ローラミルに係る第1の解決手段として、竪型ハウジングと、該竪型ハウジングの下部に設けられ被粉砕物を粉砕する粉砕部と、該粉砕部に被粉砕物を供給する原料供給部と、前記粉砕部で発生する粉砕物を上方に搬送する上昇流を発生させる気流発生部と、前記粉砕部の上方に設けられ前記粉砕物を分級する分級部と、該分級部で分級された粗大粉砕物に外力を直接作用させることにより前記粗大粉砕物を強制的に前記粉砕部に送り込む移送部とを備える、という手段を採用する。
【0007】
本発明では、竪型ローラミルに係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記移送部は、回転力を前記外力として作用させることにより前記粗大粉砕物を前記粉砕部に送り込む、という手段を採用する。
【0008】
本発明では、竪型ローラミルに係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、前記移送部は、前記粗大粉砕物を噛み込んで前記粉砕部に送り込むスクリューフィーダである、という手段を採用する。
【0009】
本発明では、竪型ローラミルに係る第4の解決手段として、上記第3の解決手段において、前記原料供給部は、前記粉砕部の直上に鉛直姿勢で延在する管状体を備え、前記スクリューフィーダは、前記管状体を回転軸として回転することによって前記粗大粉砕物を前記粉砕部に送り込む、という手段を採用する。
【0010】
本発明では、竪型ローラミルに係る第5の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記移送部は、圧縮ガスを前記粉砕部に向けて噴射するガス噴射装置である、という手段を採用する。
【0011】
本発明では、竪型ローラミルに係る第6の解決手段として、上記第5の解決手段において、前記原料供給部は、前記粉砕部の直上に鉛直姿勢で延在する管状体を備え、前記ガス噴射装置は、前記管状体の周りに所定間隔で並ぶ複数の噴射孔を備える、という手段を採用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上昇流の影響を従来よりも軽減して粉砕物を粉砕部に効果的に戻すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態に係る竪型ローラミルの構成を示す縦断面図である。
図2】本発明の第2実施形態に係る竪型ローラミルの構成を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
最初に、図1を参照して本発明の第1実施形態について説明する。この第1実施形態に係る竪型ローラミルAは、図1に示すように石炭あるいはバイオマスを被粉砕物Xとするものである。すなわち、この竪型ローラミルAは、例えば火力発電所のボイラに併設される設備であり、ボイラの燃料である被粉砕物Xを所定の粒径(最適燃料粒径)まで粉砕してボイラに供給する燃料供給系を構成している。
【0015】
ここで、上記最適燃料粒径は、燃料としての性質の違いから石炭とバイオマスとで異なる。石炭の最適燃料粒径は例えば数十ミクロンメートルであり、バイオマスの最適燃料粒径は例えば数百ミクロンメートルである。この竪型ローラミルAは、ボイラに向けて排出する粉砕物Xaの粒径が最適燃料粒径となるように被粉砕物Xを破砕する。
【0016】
このような竪型ローラミルAは、図1に示すように、竪型ハウジング1、粉砕部2、原料供給部3、気流発生部4、分級部5及び移送部6を備えている。
【0017】
竪型ハウジング1は、鉛直姿勢の有底円筒状部材である。すなわち、この竪型ハウジング1は、ハウジング本体1aと、当該ハウジング本体1aの下端に設けられた支持体1bと、ハウジング本体1aの上端に設けられた蓋体1cとを備える。
【0018】
上記ハウジング本体1aは、略円筒状の部材であり、支持体1bによって鉛直姿勢に支持されている。支持体1bは、ハウジング本体1aの下端を閉塞させると共に鉛直姿勢つまり中心軸線が鉛直方向となるようにハウジング本体1aを地面に対して支持する基礎構造物である。蓋体1cは、竪型ハウジング1の上端を閉塞状態とする略円板状の部材であり、排出部1dを備えている。この排出部1dは、粉砕物Xaをボイラ等の外部に排出する開口である。
【0019】
粉砕部2は、回転テーブル2a、複数の粉砕ローラ2b、回転動力源2c及び連結機2dを備え、被粉砕物Xである石炭あるいはバイオマスを粉砕して粉砕物を生成する。回転テーブル2aは、水平姿勢で回転する回転体であり、上面が円環状の破砕面2eである。この回転テーブル2aは、連結機2dを介して回転動力源2cによって回転駆動されることによって、上記破砕面2eを水平面内で回転させる。
【0020】
なお、上記破砕面2eは、鉛直方向から見た場合に所定幅を有する円環状の面である。また、破砕面2eの内側は、図示するように水平方向から見た場合に略円錐状に盛り上がる突出部2fが設けられている。この中央突出部2fは、破砕面2eと同軸状に設けられており、上方の原料供給部3から落下する被粉砕物Xを受ける受部である。
【0021】
粉砕ローラ2bは、周面が上記破砕面2eに対峙する円形ローラであり、竪型ハウジング1に対して回転自在に支持されている。この粉砕ローラ2bは、破砕面2eとの間に被粉砕物Xを挟んだ状態で従動回転する。上述した被粉砕物Xは、回転テーブル2aの破砕面2e(上面)と粉砕ローラ2bの周面との間に噛み込まれることによって破砕され、粉砕物Xaとなる。
【0022】
このような粉砕ローラ2bは、鉛直方向から見た場合に、回転テーブル2a(破砕面2e)の回転中心周りに所定の角度割で複数設けられている。例えば、この粉砕ローラ2bは、回転中心周りに120°の角度割で3つ設けられている。すなわち、被粉砕物Xは、回転テーブル2a(破砕面2e)上の離散する複数個所、例えば3か所で破砕されて粉砕物Xaとなる。
【0023】
回転動力源2cは、出力軸が水平姿勢となるように設けられた原動機であり、連結機2dを介して回転テーブル2aに接続されている。連結機2dは、回転動力源2cと回転テーブル2aとの間に設けられており、回転動力源2cの回転を減速させて回転テーブル2aに伝達する減速機である。すなわち、この連結機2dは、回転動力源2cの回転を減速させると共に回転軸を水平方向から鉛直方向に変換する変換器としても機能する。
【0024】
原料供給部3は、上記蓋体1cによって回転自在に支持された管状体であり、粉砕部2の直上に鉛直姿勢で延在する。この原料供給部3は、中心軸線(鉛直軸)が回転テーブル2a(破砕面2e)の回転中心と同軸であり、内部を被粉砕物Xが流通する。すなわち、原料供給部3は、上記中央突出部2fの中心に向けて被粉砕物Xを直上から供給する。なお、この原料供給部3は、上端部が軸受3aを介して竪型ハウジング1に支持されている。
【0025】
気流発生部4は、空気導入部4a及び複数の案内口4bを備え、外部から供給される圧縮空気Fを受け付けて竪型ハウジング1に上昇流を形成する。空気導入部4aは、圧縮空気Fの受入口であり、図示するように竪型ハウジング1の下部に設けられている。複数の案内口4bは、回転テーブル2aの外周側に所定間隔を空けて設けられており、矢印で示すように空気導入部4aから流入する圧縮空気Fを上方に向けて放出する。
【0026】
ここで、回転テーブル2a上で生成される粉砕物は、上記気流発生部4が発生させる上昇流に乗って回転テーブル2aの上方に搬送される。また、この粉砕物は、移送部6を通過することによって分級部5に至る。
【0027】
分級部5は、ハウジング本体1a内の上部に設けられた円筒状の固定分級機である。この分級部5は、外周部が粉砕物Xaの流入口であり、上部及び下部が粉砕物Xaの流出口である。このような分級部5は、回転によって発生する風圧によって粉砕物Xaのうち、粒径が最適燃料粒径以下のものを上部から排出し、粒径が最適燃料粒径を超えるもの(粗大粉砕物Xb)については下部から下方に排出する。
【0028】
移送部6は、上述した原料供給部3を流用して分級部5で分級された粗大粉砕物Xbに外力を直接作用させることにより粗大粉砕物Xbを強制的に粉砕部2に送り込むものであり、原料供給部3に加えスクリュー羽根6a、モータ6b、連結機6c、ホッパ部6d及び第1縮流リング6eを備える。なお、この移送部6において、原料供給部3、スクリュー羽根6a、モータ6b及び連結機6cは、本発明のスクリューフィーダを構成している。
【0029】
スクリュー羽根6aは、原料供給部3(管状体)の外周に一体に設けられた螺旋状の突起である。このスクリュー羽根6aは、原料供給部3が回転することによって粗大粉砕物Xbを噛み込んで粉砕部2に送り込む。すなわち、分級部5の下部から下方に排出された粗大粉砕物Xbは、分級部5の下方に位置するスクリュー羽根6aに上方から供給されて下方の粉砕部2に送り込まれる。
【0030】
モータ6bは、図示するように竪型ハウジング1の上部に設けられている。このモータ6bは、出力軸(回転軸)が連結機6cを介して原料供給部3(管状体)に機械的に連結されており、連結機6cを介して原料供給部3(管状体)を回転駆動する。すなわち、このモータ6bは、原料供給部3(管状体)の回転駆動源である。
【0031】
連結機6cは、原料供給部3とモータ6bとの間に設けられた歯車装置である。この連結機6cは、モータ6bの出力(回転動力)を原料供給部3に伝達する機械要素であり、モータ6bと原料供給部3との回転比の調整を行う。すなわち、この連結機6cは、モータ6bの回転を所定の比率で減速して原料供給部3に伝達する減速機として機能する。
【0032】
ホッパ部6dは、原料供給部3(管状体)が中心を貫通した状態で粉砕部2と分級部5との間に設けられており、上向きに開いた形状(逆円錐形)の上面(傾斜面)を備えている。また、このホッパ部6dは、原料供給部3(管状体)及びスクリュー羽根6aと対峙する内周面(円筒面)を備えている。
【0033】
この内周面(円筒面)は、原料供給部3(管状体)の外周面と同軸である。また、この内周面(円筒面)は、粗大粉砕物Xbの付着性を低下させるために、ブラスト処理等を施すことにより表面を粗く生成している。このホッパ部6dは、分級部5から落下してきた粗大粉砕物Xbをスクリュー羽根6aの上端に向けて集約する。
【0034】
第1縮流リング6eは、ハウジング本体1aの内壁に設けられた環状体であり、当該内壁から所定寸法だけ内側(ハウジング本体1aの中心側)に突出している。この第1縮流リング6eは、気流発生部4が発生させた上昇流に乗って上方に吹き上げられる粉砕物Xa(粗大粉砕物Xbをも含む)の流路を狭く絞る。
【0035】
このような原料供給部3、スクリュー羽根6a、モータ6b及び連結機6cを備えるスクリューフィーダは、回転力を外力として粗大粉砕物Xbに作用させることにより、粗大粉砕物Xbを粉砕部2に強制的に送り込む。
【0036】
次に、本第1実施形態に係る竪型ローラミルAの動作について詳しく説明する。
この竪型ローラミルAでは、被粉砕物Xが外部から原料供給部3の上端に順次連続的に供給される。そして、この被粉砕物Xは、原料供給部3を経由して回転テーブル2aの中央突出部2fに順次供給され、中央突出部2fの形状効果に基づいて破砕面2eに順次供給される。
【0037】
すなわち、被粉砕物Xは、上方から中央突出部2fに供給されるが、中央突出部2fが中央が上側に盛り上がった山形に形状設定されているので、中央突出部2fの傾斜面に沿って流動して内側から破砕面2eに流れ込む。このような被粉砕物Xの動きは破砕面2eの内側の各所において発生するので、破砕面2eには内側の各所に被粉砕物Xが順次供給される。
【0038】
一方、外部から原料供給部3への被粉砕物Xの供給に並行して、回転テーブル2aが回転動力源2cによって回転駆動される。この結果、破砕面2eに供給された被粉砕物Xは、破砕面2eと粉砕ローラ2bとの間に噛み込まれて破砕される。
【0039】
すなわち、粉砕ローラ2bの回転に伴って粉砕ローラ2bが従動回転すると共に粉砕ローラ2bの周面には破砕面2eに対する押圧力が作用するので、被粉砕物Xは、破砕面2eと粉砕ローラ2bの周面との間で押し潰され、かつせん断力が作用することによって破砕される。このような被粉砕物Xに対する破砕作用によって破砕面2e上には粉砕物Xaが徐々に生成される。
【0040】
そして、破砕面2e上で生成された粉砕物Xaは、気流発生部4によって回転テーブル2aの外周に発生している上昇流によって上方に吹き上げられる。すなわち、破砕面2e上の粉砕物Xa(粗大粉砕物Xbをも含む)は、上昇流の圧力が作用することによって上方に吹き上げられる。そして、この粉砕物Xa(粗大粉砕物Xbをも含む)は、上昇流とともに第1縮流リング6eで形成される縮流通路を通過して分級部5に至る。
【0041】
ここで、粉砕物Xaは縮流通路を通過する際に流体力学におけるベルヌーイ効果つまり流速の上昇効果(増速効果)を受けて分級部5の外周部から内部に侵入する。そして、粉砕物Xaに含まれる粗大粉砕物Xbは粒径が比較的大きい、つまり粗大粉砕物Xbは比較的重いので、落下してスクリュー羽根6aの上端部あるいは上面(傾斜面)に至る。一方、粒径が比較的小さいつまり比較的軽い粉砕物Xaは、分級部5の上部から外部に排出される。
【0042】
そして、粗大粉砕物Xbは、スクリュー羽根6aに噛み込まれることにより強制的に下方に移送され、下方の粉砕部2に向けて送り出される。そして、このような粗大粉砕物Xbは、粉砕部2の中央突出部2f上に再供給されることにより、粒径がさらに小さくなるように破砕される。
【0043】
このように竪型ローラミルAによれば、粗大粉砕物Xbが移送部6によって強制的に粉砕部2に戻されるので、上昇流の影響を従来よりも軽減することが可能であり、よって粗大粉砕物Xbを粉砕部2に効果的に戻すことが可能である。したがって、本第1実施形態によれば、従来よりも粒径が揃った粉砕物Xaを外部に要求することが可能である。
【0044】
〔第2実施形態〕
次に、図2を参照して本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態に係る竪型ローラミルBは、図2に示すように第1実施形態に係る竪型ローラミルAのスクリュー羽根6a、モータ6b及び連結機6cに代えて、ガス噴射装置6gを備える。
【0045】
すなわち、第2実施形態における移送部6Aは、原料供給部3に加え、ホッパ部6d、第1縮流リング6e及びガス噴射装置6gを備える。この移送部6Aは、第1実施形態の移送部6と同様に、分級部5で分級された粗大粉砕物Xbに外力を直接作用させることにより当該粗大粉砕物Xbを強制的に粉砕部2に送り込む。
【0046】
ガス噴射装置6gは、原料供給部3(管状体)の周りに所定間隔で並ぶ複数の噴射孔を備え、開部から供給された圧縮ガスを下方の粗大粉砕物Xbに向けて噴射する。すなわち、原料供給部3(管状体)の外周面(円筒面)とホッパ部6dの内周面(円筒面)とによって形成される隙間Sに流れ込んだ粗大粉砕物Xbには、上方から下方に向かう圧縮ガスが直接噴射される。
【0047】
この圧縮ガスの下降流は、気流発生部4が発生させる上昇流に比較して粗大粉砕物Xbに与える影響が大である。すなわち、上記隙間Sにおいて、粗大粉砕物Xbは、下降流としての圧縮ガスが外力(下降力)として直接作用するので、下方に向かってつまり粉砕部2に向かって強制的に送り込まれる。なお、上記圧縮ガスは、例えば圧縮空気である。
【0048】
このように竪型ローラミルBによれば、圧縮ガスが下降力として直接作用して粗大粉砕物Xbが粉砕部2に強制的に戻されるので、上昇流の影響を従来よりも軽減することが可能であり、よって粗大粉砕物Xbを粉砕部2に効果的に戻すことが可能である。したがって、本第2実施形態によれば、従来よりも粒径が揃った粉砕物Xaを外部に要求することが可能である。
【0049】
ここで、竪型ローラミルBでは圧縮ガスを粗大粉砕物Xbに向けて直接噴射するので、下降力が粗大粉砕物Xbに対して直接作用する。したがって、本第2実施形態によれば、外力を間接力として粗大粉砕物Xbに作用させる場合に比較して、粗大粉砕物Xbをより確実に粉砕部2に戻すことが可能である。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記各実施形態では、2つの形態の移送部6、6Aについて説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明の移送部は、分級部5で分級された粗大粉砕物Xbを強制的に粉砕部2に送り込む機能を備えるものであり、このような機能を奏する機構であれば他の形態のものでもよい。
【0051】
(2)上記第1実施形態では、スクリュー羽根6aを原料供給部3(管状体)の外周に設けたが、本発明はこれに限定されない。例えばスクリュー羽根6aをホッパ部6dの内周面(円筒面)に設け、ホッパ部6dを回転駆動することによって粗大粉砕物Xbを噛み込んで粉砕部2に向けて送り込んでもよい。
【0052】
(3)上記第1実施形態では、本発明の移送部としてスクリューフィーダを採用したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、回転力を外力として作用させることにより粗大粉砕物Xbを粉砕部2に送り込む移送部として、スクリューフィーダ以外の移送機構を採用してもよい。
【0053】
(4)上記第2実施形態では、圧縮ガスとして圧縮空気を例示したが、本発明はこれに限定されない。圧縮ガスとしては、圧縮空気以外に圧縮した不活性ガスを採用してもよい。
【0054】
(5)上記実施形態では、被粉砕物Xとして石炭及びバイオマスを例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、石炭及びバイオマス以外の被粉砕物Xについても適用することが可能である。
【符号の説明】
【0055】
A、B 竪型ローラミル
S 隙間
X 被粉砕物
Xa 粉砕物
Xb 粗大粉砕物
1 竪型ハウジング
1a ハウジング本体
1b 支持体
1c 蓋体
1d 排出部
2 粉砕部
2a 回転テーブル
2b 粉砕ローラ
2c 回転動力源
2d 連結機
2e 破砕面
2f 中央突出部
3 原料供給部
4 気流発生部
4a 空気導入部
4b 案内口
5 分級部
6、6A 移送部
6a スクリュー羽根
6b モータ
6c 連結機
6d ホッパ部
6e 第1縮流リング
6g ガス噴射装置


図1
図2