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特許7404921ネットワーク監視装置およびネットワーク監視方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】ネットワーク監視装置およびネットワーク監視方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/0631 20220101AFI20231219BHJP
   H04B 10/079 20130101ALI20231219BHJP
   H04B 10/27 20130101ALI20231219BHJP
【FI】
H04L41/0631
H04B10/079
H04B10/27
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020026129
(22)【出願日】2020-02-19
(65)【公開番号】P2021132278
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2023-01-16
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成31年度、総務省研究開発委託「新たな社会インフラを担う革新的光ネットワークの研究開発(技術課題III「高効率光アクセスメトロ技術」)」産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】柳町 成行
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-523149(JP,A)
【文献】特開2016-029783(JP,A)
【文献】特開2009-118101(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
41/00-101/695
H04B 10/079
10/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク内で障害の発生したチャネルを検知する障害発生チャネル検知手段と、
障害の発生したチャネルの経路情報を取得する経路情報取得手段と、
障害発生チャネルと波長が近い隣接チャネルを抽出し、隣接チャネルの経路情報を含む隣接チャネルテーブルを生成する隣接チャネルテーブル生成手段と、
隣接チャネルの中で、障害発生チャネルと共通する経路を持つチャネルを干渉チャネルとして抽出し、干渉チャネルテーブルを生成する干渉チャネルテーブル生成手段と、
前記干渉チャネルに対して、障害発生チャネルとの波長の近さに基づいて重みを付与し、前記干渉チャネルテーブルに前記重みを付与した影響チャネルテーブルを生成する影響チャネルテーブル生成手段と、
前記影響チャネルテーブルに基づいて、前記障害発生チャネルに悪影響を与えている可能性のある原因チャネルを推定する原因チャネル推定手段と
を有することを特徴とするネットワーク監視装置。
【請求項2】
前記原因チャネルの状態情報を取得するチャネル状態情報取得手段を有する
ことを特徴とする請求項1記載のネットワーク監視装置。
【請求項3】
前記原因チャネルの状態情報をトラフィックの集中する経路上から取得する
ことを特徴とする請求項2記載のネットワーク監視装置。
【請求項4】
前記トラフィックの集中する経路がマルチリングネットワークの接続リンクである
ことを特徴とする請求項3記載のネットワーク監視装置。
【請求項5】
前記状態情報に基づいて、前記原因チャネルに関連する原因トランスポンダを特定する原因トランスポンダ特定手段を有する
ことを特徴とする請求項3または4に記載のネットワーク監視装置。
【請求項6】
前記原因トランスポンダを含む通信経路を削除、または、影響のない経路に変更するパス制御手段を有する
ことを特徴とする請求項5に記載のネットワーク監視装置。
【請求項7】
前記チャネル状態情報取得手段がスペクトラムアナライザである
ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載のネットワーク監視装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載のネットワーク監視装置と、
前記ネットワークを制御するネットワーク管理装置と
を有することを特徴とするネットワーク監視システム。
【請求項9】
ネットワーク内で障害の発生した障害発生チャネルを検知し、
前記障害発生チャネルの経路情報を取得し、
前記障害発生チャネルと波長が近い隣接チャネルを抽出し、
前記隣接チャネルの経路情報を含む隣接チャネルテーブルを生成し、
前記隣接チャネルの中で、前記障害発生チャネルと共通する経路を持つチャネルを干渉チャネルとして抽出し、
前記干渉チャネルと前記経路情報とを紐付けた干渉チャネルテーブルを生成し、
前記干渉チャネルに対して、前記障害発生チャネルとの波長の近さに基づいて重みを付与し、
前記干渉チャネルテーブルに重みを付与した影響チャネルテーブルを生成し、
前記影響チャネルテーブルに基づいて、前記障害発生チャネルに悪影響を与えている可能性のある原因チャネルを推定する
ことを特徴とするネットワーク監視方法。
【請求項10】
コンピュータに、
ネットワーク内で障害の発生した障害発生チャネルを検知するステップと、
前記障害発生チャネルの経路情報を取得するステップと、
前記障害発生チャネルと波長が近い隣接チャネルを抽出するステップと、
前記隣接チャネルの経路情報を含む隣接チャネルテーブルを生成するステップと、
前記隣接チャネルの中で、前記障害発生チャネルと共通する経路を持つチャネルを干渉チャネルとして抽出するステップと、
前記干渉チャネルと前記経路情報とを紐付けた干渉チャネルテーブルを生成するステップと、
前記干渉チャネルに対して、前記障害発生チャネルとの波長の近さに基づいて重みを付与するステップと、
前記干渉チャネルテーブルに重みを付与した影響チャネルテーブルを生成するステップと、
前記影響チャネルテーブルに基づいて、前記障害発生チャネルに悪影響を与えている可能性のある原因チャネルを推定するステップと
を含む処理を実行させることを特徴とするネットワーク監視プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク監視装置およびネットワーク監視方式に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大手通信キャリアや大手サービスプロバイダを中心に、通信網やデータセンター等で用いる光通信システムのDisaggregation化の動きが盛んとなっている。Disaggregation化とは、一般的なオールインワン型の通信システムを機能ブロック(例えばトランスポンダ、スイッチ、光アンプ等)単位に分割し、必要な機能、必要な数量のみで通信システムを構成する方法である。
【0003】
オールインワン型は1社の通信システムベンダが供給するのに対し、Disaggregation型の通信システムは、複数のベンダの機器を必要な数量だけ自由に組み合わせることが可能で、通信システムのコスト削減効果が見込まれる。また、標準化、MSA(Multi Source Agreement)化の動きも北米を中心に盛んとなっている。標準化ではONF(Open Network Foundation)、ITU-T等、MSA化ではOpen ROADM、TIP(Telecom Infra Project)等で規格化、連携動作検証等が進んでいる。なお、ITU-Tは、International Telecomunication Union Telecomunication Standardization Sectorの略である。
【0004】
オールインワン型の通信システムは1社の通信システムベンダが供給している。このため、複数のノードで構成される通信網においても、通信品質が確保されるように設計されている。
【0005】
これに対し、Disaggregation型の通信システムはマルチベンダの機器で構成されるため、別途通信品質を確保する仕組みが必要である。通常、マルチベンダ機器混在環境であっても、対向するトランスポンダ(以降では、TPNDとも記載する)は通信品質を確保するために同一ベンダを用いる。ところが、波長分割多重(WDM:Wavelength division multiplexing)方式では、波長チャネルの異なる複数の光信号が同時に伝送される。このため、チャネルごとに用いられるTPNDのメーカーが異なることが有り得る。この場合は、同一経路内にスペックの異なるTPNDによって伝送される複数の光信号が混在することになる。このような場合、ある波長のチャネルが、波長の近い隣接チャネルから、想定していない影響を受ける可能性がある。実際、複数のTPNDの評価によると、ベンダによって、光パワー、光スペクトル幅が異なっている。
【0006】
以上のような背景から、Disaggregation型の通信システムにおいては、経路の各所で、通信品質を監視することが重要になる。信頼性の高い監視を行うためには、例えば経路のノードやリンクにスペクトラムアナライザを配置して、光パワー、光スペクトラム幅等を監視することが考えられる。しかしながら、スペクトラムアナライザは高価であり、スペクトラムアナライザを多数配置する監視系を構築すると、コストが増大するという問題がある。
【0007】
そこで、コストの増大を抑えながら、信頼性の高い監視を行う方法が提案されている。例えば、特許文献1には、トランスポンダが有するFEC(フォワード型誤り訂正)部や、DSP(デジタル信号処理)部を利用して、光チャネルの劣化を検出し、監視装置のコストを低減する方法が開示されている。ここで、FECは、Forward Error Correctionの略、DSPは、Digital Signal Processorの略である。
【0008】
特許文献1の方法では、例えば、非デジタルコヒーレント通信方式であれば、トランスポンダがビット誤り率BER(Bit Error Rate)を、品質パラメータとして取得し、ネットワーク管理装置に送信する。また、例えば、デジタルコヒーレント通信方式であれば、DSPが、波長分散(CD)、偏波モード分散(PMD)、光信号対雑音比(OSNR)などを品質パラメータとして取得し、ネットワーク管理装置に送信する。なおCDは、Chromatic Dispersion、PMDは、Polarization Mode Dispersion、OSNRは、Optical Signal Noise Ratioの略である。
【0009】
そして、ネットワーク管理装置では、受信した品質パラメータに基づいて、通信品質が劣化したパスを第一劣化パスとして検出する。また、第一劣化パスに関連を持つ関連パスを特定する。さらに関連パスの中で、通信品質が劣化したパスを第二劣化パスとして検出する。その後、第一劣化パスおよび第二劣化パスの双方が通過するノードやリンクを、故障ノードや故障リンクとして特定する。このようにして、コストを抑えながら信頼性の高い監視を行うことができる。
【0010】
また特許文献2には、WDM方式の通信で、それぞれのチャネルの主信号に、トランスポンダごとに異なるトーン変調信号を重畳する技術が開示されている。この方法では、トーン信号でトランスポンダが識別できるため、トーン信号をモニターすることで、不具合の発生しているトランスポンダを特定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特表2014-523149号公報
【文献】特開2010-135937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1の方式では、光伝送路の断線や光ノード単位の故障は検知できるが、どのトランスポンダが、障害の発生したチャネルに悪影響を与えているかを正確に判断することはできない。
【0013】
また、特許文献2の方式では、重畳するトーン変調信号の数に限りがあるため、適用するチャネルを、ある数以上に増やすことができないというスケーラビリティの問題がある。
【0014】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、低コストで異常なトランスポンダを迅速に推定できる光ネットワーク監視装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するため、ネットワーク監視装置は、障害発生チャネルを検知すると、障害の発生したチャネルの経路情報を取得する。そして、障害発生チャネルと波長が近い隣接チャネルを抽出した隣接チャネルテーブルを作成する。次に、隣接チャネルの中で、障害発生チャネルと共通する経路を持つ干渉チャネルを抽出した干渉チャネルテーブルを作成する。次に、干渉チャネルに対して、障害発生チャネルとの波長の近さに基づいて重み付けを行い、干渉チャネルに重みを付与した影響チャネルテーブルを生成する。そして、影響チャネルテーブルに基づいて、重みの大きいチャネルを、障害発生チャネルに悪影響を与えている可能性のあるチャネルと推定する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の効果は、低コストで異常なトランスポンダを迅速に推定できる光ネットワーク監視装置を提供できることである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施形態のネットワーク監視装置を示すブロック図である。
図2】オールインワン型通信システムの構成の一例を示す概念図である。
図3】Disaggregation型通信システムの構成の一例を示す概念図である。
図4】マルチベンダ機器混在環境における伝送状況の模式図である。
図5】第2の実施形態のネットワーク監視装置を用いたDisaggregation型通信ネットワークの一例を示す模式図である。
図6】第2の実施形態のネットワーク監視装置の構成を示すブロック図である。
図7】第2の実施形態のネットワーク監視装置を用いたDisaggregation型通信ネットワークの具体例を示す模式図である。
図8】チャネル経路テーブルの一例を示す表である。
図9】隣接チャネルテーブルの一例を示す表である。
図10】干渉チャネルテーブルの一例を示す表である。
図11】影響チャネルテーブルの一例を示す表である。
図12】第2の実施形態のネットワーク監視装置の動作を示すフローチャートである。
図13】第3の実施形態のネットワーク監視装置を用いたDisaggregation型通信ネットワークの一例を示す模式図である。
図14】第3の実施形態のネットワーク監視装置の動作を示すフローチャートである。
図15】第4の実施形態のネットワーク監視装置を用いたDisaggregation型通信ネットワークの一例を示す模式図である。
図16】第4の実施形態のネットワーク監視装置の動作を示すフローチャートである。
図17】第5の実施形態のネットワーク監視システムを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお各図面の同様の構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する場合がある。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態のネットワーク監視装置10を示すブロック図である。ネットワーク監視装置10は、障害発生チャネル検知手段1と、経路情報取得手段2と、隣接チャネルテーブル生成手段3と、干渉チャネルテーブル生成手段4と、影響チャネルテーブル生成手段5と、原因チャネル推定手段6とを有する。
【0020】
ネットワーク監視装置10は、ノードと、ノード間を接続するリンクとで構成される光通信ネットワークの状態を監視する。ここでネットワークの状態には、例えば、ネットワーク内の各チャネルの通信品質、ノードの状態、リンクの状態などが含まれる。
【0021】
障害発生チャネル検知手段1は、ネットワーク内で障害の発生したチャネルを検知する。
【0022】
経路情報取得手段2は、障害の発生したチャネルの、経路情報を取得する。この時、障害発生チャネルと波長が近い他のチャネルの経路情報も取得する。
【0023】
隣接チャネルテーブル生成手段3は、障害発生チャネルと波長が近い隣接チャネルを抽出して、隣接チャネルの経路情報を含む隣接チャネルテーブルを生成する。
【0024】
干渉チャネルテーブル生成手段4は、隣接チャネルの中で、障害発生チャネルと共通する経路を持つチャネルを干渉チャネルとして抽出して、干渉チャネルテーブルを生成する。
【0025】
影響チャネルテーブル生成手段5は、干渉チャネルテーブルに抽出された干渉チャネルに対して、障害発生チャネルとの波長の近さに基づいて重み付けを行い、干渉チャネルに重みを付与した影響チャネルテーブルを生成する。
【0026】
原因チャネル推定手段6は、影響チャネルテーブルに基づいて、重みの大きいチャネルを、障害発生チャネルに悪影響を与えている可能性のあるチャネルと推定する。
【0027】
以上の構成とすることにより、本実施形態のネットワーク監視装置によれば、障害の原因となっている可能性のあるチャネルを、低コストかつ迅速に推定することができる。
【0028】
(第2の実施形態)
本実施形態では、ネットワーク監視装置の具体的な形態について説明するが、その前にDisaggregation型通信システムの一般的な構成について説明する。
【0029】
図2は、オールインワン型通信システムの構成の一例を示す概念図である。オールインワン型通信システムでは、1社の通信システムベンダが、構成要素の各機器を供給している。このため、複数のノードで構成される通信網は、通信品質が確保されるように設計されている。図2の例では、システムがTPND(トランスポンダ)、FILTER、SW(スイッチ)、OTHER(その他)を有し、これらは全てA社製である。
【0030】
図3は、Disaggregation型通信システムの構成の一例を示す概念図である。Disaggregation型通信システムでは、図3に例示するように、システムを構成する各機器は複数のベンダから供給されたものであり、システム内に複数ベンダの製品が混在している。図3の例では、例えば、A社製とB社製のTPNDが混在し、C社製とD社製のFILTERが混在している。
【0031】
図4は、マルチベンダ機器混在環境における伝送状況の模式図である。ノードn1~n7がリンクで接続されている。そして、チャネルλ1の信号は、ノードn1のA社製TPNDから送信され、ノードn2、n5、n3を経由して、ノードn4のA社製TPNDで受信されている。チャネルλ2の信号は、ノードn1のB社製TPNDから送信され、ノードn2、n3を経由して、ノードn7のB社製TPNDで受信されている。チャネルλ3の信号は、ノードn6のC社製TPNDから送信され、ノードn2、n3を経由して、ノードn7のC社製TPNDで受信されている。
【0032】
図4の例では、ノードn1-n2のリンクでλ1とλ2がオーバーラップし、ノードn2-n3-n7のリンクでλ2とλ3がオーバーラップしている。また、ノードn2とn3では、λ1、λ2、λ3が中継されている。
【0033】
次に、本実施形態のネットワーク監視装置を用いたネットワーク監視の具体例について説明する。図5は、第2の実施形態のネットワーク監視装置を用いたDisaggregation型通信ネットワークの一例を示す模式図である。このネットワークは、リング状の第1のネットワーク110、第2のネットワーク120、第3のネットワーク130を有している。第1のネットワーク110ではノード111~114がリング状に接続され、第2のネットワーク120ではノード121~124がリング状に接続され、第3のネットワーク130ではノード131~134がリング状に接続されている。そして、それぞれのリング状ネットワークは、接続リンク141、142、143で接続されている。また、各ノードはネットワーク管理装置1000(NMS、Network Management System)によって制御されている。ネットワーク監視装置1100は、ネットワーク管理装置1000の一部として機能し、ネットワークの状態を監視する。また、ネットワーク管理装置1000には、ネットワークに存在するチャネルの情報を保持するチャネル情報データベース1200が接続している。チャネル情報データベース1200には、チャネルの情報として、各チャネルが使用する光の波長、経路(ネットワーク番号、ノード、リンク)、TPND番号などが保持されている。なお、図5では、ネットワークがリング状の場合を例示したが、ネットワークの形態はメッシュ状、直線状など、他の形態でもかまわない。また、ネットワーク監視装置1100は、例えば、プロセッサ、メモリ、記憶装置、入出力装置を備えるコンピュータに実装することができる。
【0034】
また、図5の例では、各接続リンク141、142、143に、スペクトラムアナライザ151、152、153を配置している。対象となるチャネルの帯域は隣接チャネルの範囲なので、これらのスペクトラムアナライザは、例えば、狭帯域チューナブルかつチューナブルに掃引可能なスペクトラムアナライザとすることができる。なお、ネットワークがメッシュ状等別の形態の場合は、特にネットワークトラフィックが集中する場所に選択的に、スペクトラムアナライザを配置すると良い。
【0035】
各ノードにはWDMで多重化されるチャネル数に応じた数のTPNDが配置される。図5では、その一部に、A社製のTPND_1、B社製のTPND_2、C社製のTPND_3が用いられている場合を例示している。
【0036】
そして、通信の一例として、ノード121のTPND_1からノード123のTPND_1にλ1の信号が送信され、ノード112のTPND_2からノード133のTPND_2にλ2の信号が送信される場合を記載している。また、ノード111のTPND_3からノード134のTPND_3にλ3の信号が送信されるものとしている。
【0037】
ここで、λ1とλ2のチャネルの経路を比較すると、ノード121とノード124の間のリンクで、経路がオーバーラップしていることが分かる。このようなオーバーラップがある時に一方のチャネルに異常があると、他方のチャネルに悪影響を与え、障害が発生する場合がある。本実施形態のネットワーク監視装置1100は、このような場合に、障害の原因となっているTPNDを迅速に特定することを目的としている。なお、以下の説明では、λ1の信号が、異常のあるλ2および他の信号に悪影響を受けて、障害が発生しているものとして説明する。
【0038】
図6は、本実施形態のネットワーク監視装置1100を示すブロック図である。ネットワーク監視装置1100は、障害発生チャネル検知部1110と、経路情報取得部1120と、隣接チャネルテーブル生成部1130と、干渉チャネルテーブル生成部1140と、影響チャネルテーブル生成部1150とを有している。また、原因チャネル推定部1160と、チャネル状態情報取得部1170と、原因TPND特定部1180とを有している。
【0039】
障害発生チャネル検知部1110は、ネットワーク内で障害の発生したチャネルを検知する。障害の検知は、例えば、特許文献1(特表2014-523149号公報)に準じた方法で行うことができる。すなわち、各ノードに配置されたトランスポンダから通信の品質パラメータを取得し、受信した品質パラメータに基づいて、通信品質が劣化したパスを第一劣化パスとして検出する。また、第一劣化パスに関連を持つ関連パスを特定する。さらに関連パスの中で、通信品質が劣化したパスを第二劣化パスとして検出する。その後、第一劣化パスおよび第二劣化パスの双方が通過するノードやリンクを、故障ノードや故障リンクとして特定することにより、障害発生チャネルの検知を行うことができる。
【0040】
経路情報取得部1120は、障害の発生したチャネルの、経路情報を取得する。経路情報は、ネットワーク管理装置1000から取得することができる。
【0041】
隣接チャネルテーブル生成部1130は、障害発生チャネルと波長が近い隣接チャネルを抽出して、隣接チャネルの経路情報を含む隣接チャネルテーブルを生成する。隣接チャネルは、例えば波長が隣接する5チャンネル程度とすることができる。
【0042】
干渉チャネルテーブル生成部1140は、隣接チャネルの中で、障害発生チャネルと共通する経路(オーバーラップ)を持つチャネルを干渉チャネルとして抽出して、干渉チャネルテーブルを生成する。
【0043】
影響チャネルテーブル生成部1150は、干渉チャネルテーブルに抽出された干渉チャネルに対して、障害発生チャネルとの波長の近さに基づいて重み付けを行い、干渉チャネルに重みを付与した影響チャネルテーブルを生成する。
【0044】
原因チャネル推定部1160は、影響チャネルテーブルに記された重みの大きさに基づいて、障害発生チャネルに悪影響を与えている可能性のあるチャネルを原因チャネルとして特定する。
【0045】
チャネル状態情報取得部1170は、他のチャネルに悪影響を与えている可能性のあるチャネル(原因チャネル)の状態情報を取得する。チャネルの状態情報は、例えば、チャネルのスペクトラムであり、各接続リンクに配置されたスペクトラムアナライザから取得する。
【0046】
原因TPND特定部1180は、悪影響の原因となっている疑いのある原因チャネルについて取得したチャネル状態情報に基づいて、悪影響の原因となっているTPNDを特定する。
【0047】
次に、より具体的な例を用いて、ネットワーク監視装置1100について説明する。図7は、ネットワークおよび、これを管理するネットワーク管理装置1000、ネットワーク監視装置1100を有するネットワーク管理システムを示す模式図である。この例では、6つのリングネットワーク、NW1~NW6が存在し、NW1~NW6はそれぞれが4つのノードを備えている。各ノードはDisaggregation型の構成、すなわち、複数のベンダの、トランスポンダ他の機器が混在している構成を持つものとする。ノードの名称は、NW1の1番目のノードをn11、2番目のノードをn12、NW2の1番目のノードをn21、2番目のノードをn22などのように定めている。
【0048】
各リングネットワークは接続リンクで接続されている。ここでは、NW1とNW2を接続する接続リンクをL12、NW2とNW3を接続する接続リンクをL23、・・・、と称するものとしている。また接続リンクL12、L23、・・・には、それぞれ、スペクトラムアナライザSA12、SA23、・・・を配置している。
【0049】
ネットワーク管理装置1000は、上記のネットワークについて、各ノードの通信に関するパラメータ、ネットワーク上に形成されているチャネルとそれぞれのチャネルの波長、経路などに関する情報を取得し、ネットワークにおける通信を制御する。
【0050】
次に、ネットワーク監視装置1100で用いるテーブルについて説明する。図8は、経路情報を表す経路情報テーブルの一例を示す表である。この例では、CH1についての、チャネル番号、TPND番号、波長、通過接続リンク、および、経路情報を記載している。チャネル番号はチャネルのIDである。TPND番号は、送受信に使用するTPNDの種類(型番)を表す。波長は、当該チャネルが使用する光の波長である。通過接続リンク番号は、チャネルが通過する接続リンクの番号である。図7の例では、接続リンクは、隣接するリングネットワーク間を接続するリンクである。経路情報は、当該チャネルの送信から受信に至るまでに通過するノードが記載されている。
【0051】
本実施形態では、CH1に障害が発生しているものとする。また、隣接チャネルを、CH1が使用する波長λ1に近い波長を使用するチャネルであるとする。また、λ1との波長の近さはλ2、λ3、λ4、・・・の順であるとする。
【0052】
ネットワーク監視装置1100は、CH1に障害が発生したことを検知すると、λ1に近い波長を使用するチャネルを隣接チャネルとして抽出し、隣接チャネルテーブルを作成する。なお、経路が重ならなければ、異なるチャネルが同じ波長を使用していても良いものとする。すなわち、λ2やλ3を使用する複数のチャネルが存在しても良いものとする。
【0053】
図9は、隣接チャネルテーブルの一例を示す表である。図9の例では、λ1に近い波長λ2~λ5を使用するCH1の隣接チャネルが抽出され、そのネットワーク(NW)番号、チャネル(CH)番号、TPND番号、通過接続リンク番号、経路情報が記載されている。既述の通り、経路が重ならなければ、同じ波長を使用するチャネルが複数あっても良い。また、隣接チャネルテーブルは、NW番号をキーとして作成されている。これは後述する障害に悪影響を与えているTPNDの特定に関係する。
【0054】
ネットワーク監視装置1100は、作成した隣接チャネルテーブルから、障害の発生したCH1と経路が共通する(オーバーラップがある)チャネルを抽出して、その情報を保持する干渉チャネルテーブルを作成する。図10は干渉チャネルテーブルの一例を示す表である。図10の例では、干渉チャネルテーブルに、NW番号、チャネル(CH)番号、TPND番号、波長、通過接続リンク番号、経路情報が記載されている。例えば、NW1では、CH2はL12を、CH1と共通の経路としている。また、NW4では、CH3は、L34、n42、n43を、CH1と共通の経路としている。なお、既述の通り、経路が重ならなければ、同じ波長の光を異なるチャネルが使用しても良い。このため、図10の干渉チャネルテーブルでは、λ2を使用する複数のチャネルCH2、CH4が抽出されている。
【0055】
図11は影響チャネルテーブルの一例を示す表である。影響チャネルテーブルでは、干渉チャネルテーブルに抽出した干渉チャネルに対し、障害発生チャネルの波長との近さに基づいて、重みを付与する。重みとは、障害発生チャネルへの影響の強さを示すものであり、波長が近いほど大きな値となる。図11の例では、障害発生チャネルの波長λ1に最も近い波長であるλ2のチャネル2の重みを10、次に近い波長であるλ3の重みを5としている。ただし、重み付けの方法は、これに限られるものではなく、影響の強さを適切に評価できる任意の値とすることができる。影響チャネルテーブルによって、CH1に悪影響を与えている可能性の高いチャネルが抽出される。図11の例からは、CH2、CH4が第一候補となり、次がCH3であることが分かる。
【0056】
図7で説明したように、本実施形態ネットワーク管理システムでは、各接続リンクにスペクトラムアナライザを配置している。ネットワーク監視装置1100は、影響チャネルテーブルに抽出されたチャネルが通過する接続リンクに配置されたスペクトラムアナライザから、当該接続リンクにおける信号のスペクトラムを取得する。図10の例では、まず、第一候補のCH2が通過する接続リンクL12のスペクトラムを取得する。そして、スペクトラムに関する波長、帯域幅、パワーなどのデータを所定の閾値と比較して、CH2のスペクトラム(λ2)に帯域の太りや細り、パワーの大小、波長のずれ等の異常があるか判定する。ここで、CH2のスペクトラムに異常が見つかれば、CH1に悪影響を与えているチャネルがCH2であることが特定できる。そして異常の原因となるTPNDが、n13に配置されたTP13-2とn23に配置されたTP23-2のいずれかであることが特定できる。なお、上記の説明ではCH2に異常があるかの判定を先に行うとしたが、同じく第一候補であるCH4の判定を先に行っても良い。
【0057】
CH2、CH4の判定を行って、どちらにも異常がなかった場合には、次の候補であるCH3について、同様の動作で、異常の有無を判定する。そして異常があれば、上記の説明と同様の動作により、異常の原因となっているTPNDを特定することができる。
【0058】
図12は、以上に説明したネットワーク監視装置の動作を示すフローチャートである。まず、障害が発生したチャネルを検知する(S101)。次に、障害発生チャネルの波長に隣接する波長を用いるチャネル抽出して、隣接チャネルテーブルを作成する(S102)。次に、隣接チャネルテーブルに抽出した隣接チャネルの中で、障害発生チャネルと経路が共通するチャネルを干渉チャネルとして抽出して、干渉チャネルテーブルを作成する(S103)。次に、干渉チャネルテーブルに抽出した干渉チャネルについて、障害発生チャネルとの波長の近さに基づく重みづけを行い、影響チャネルテーブルを作成する(S104)。次に、影響チャネルテーブルの重みの大きいチャネルについて、スペクトラムを取得し(S105)、スペクトラムに異常があるか判定する(S106)。ここで、異常があった場合は(S106_Yes)、当該チャネルを送受信するTPNDを、異常なTPNDとして特定する(S107)。一方、スペクトラムに異常がなかった場合は(S106_No)、S105に戻り、次の候補となるチャネルについて、スペクトラムの異常の有無を判定する。
【0059】
以上に説明した隣接チャネルテーブル、干渉チャネルテーブル、影響チャネルネーブルを用いることにより、数多くのチャネルの中から、障害チャネルに悪影響を与えている可能性のあるチャネルを迅速に絞り込むことができる。また、スペクトラムの取得を絞り込まれた経路で行えば良いため、配置するスペクトラムアナライザの数を少なくすることができる。本実施形態の例では、各接続リンクにだけ、スペクトラムアナライザを配置している。また、スペクトラムを取得する波長の帯域を、障害発生チャネルの波長に近い帯域だけで行えば良いため、廉価なスペクトラムアナライザを利用することが可能である。そして、悪影響を与えている可能性のあるチャネルを絞り込んでスペクトラムを検査するため、異常の原因となっているTPNDを迅速に特定できる確率を高くすることができる。
【0060】
(第3の実施形態)
図13は、本実施形態のネットワーク監視装置1101を用いたDisaggregation型通信ネットワークの一例を示す模式図である。この構成では、第2の実施形態のネットワークに加えて、ネットワーク監視装置1101にパス制御手段1300が接続している。パス制御手段1300は、他のチャネルに悪影響を与えていることを特定したトランスポンダの通信経路を削除、または、影響のない経路・波長に変更する。
【0061】
次に、ネットワーク監視装置1101の動作について説明する。図14は、ネットワーク監視装置1101の動作を示すフローチャートである。
【0062】
まず障害発生チャネルに悪影響を与えているTPNDを特定する(S201)。この動作は、図12の第2の実施形態と同じであるので、S201は、図11のS101~S107を含む定義済み処理として記載している。次に、パス制御手段1300が、特定したTPNDを含む通信経路を削除、または、影響のない経路・チャネルに変更する(S202)。
【0063】
以上のような構成と動作により、他のチャネルに悪影響を与えているTPNDを別のTPNDに切り替えることができる。このため、安定した通信環境を提供することができる。
【0064】
(第4の実施形態)
図15は、本実施形態のネットワーク監視装置1102を用いたDisaggregation型通信ネットワークの一例を示す模式図である。ネットワーク監視装置1102は、第2の実施形態のネットワーク監視装置1100の構成に加えて、TPND制御手段1400を有している。TPND制御手段1400は、他のチャネルに悪影響を与えていることを特定したトランスポンダのパラメータ(光パワー等)を他のチャネルに影響のないように調整する。
【0065】
次に、ネットワーク監視装置1102の動作について説明する。図16は、ネットワーク監視装置1102の動作を示すフローチャートである。
【0066】
まず障害発生チャネルに悪影響を与えているTPNDを特定する(S301)。この動作は、図11の第2の実施形態と同じであるので、S301は、図12のS101~S107を含む定義済み処理として記載している。次に、TPND制御手段1400が、特定したTPNDのパラメータ(光パワー等)を他のチャネルに影響のないように調整する。(S302)。
【0067】
以上のような構成と動作により、他のチャネルに悪影響を与えているTPNDを他のチャネルに悪影響を与えないように調整することができる。このため、安定した通信環境を提供することができる。
【0068】
(第5の実施形態)
第1から第4の実施形態の説明では、ネットワークをリング状のネットワークが接続リンクで接続されたマルチリングネットワークを用いて行ったが、他のトポロジーのネットワークについても、第1から第4の実施形態を同様に適用することができる。図17は、拡張スター型のネットワークに、第2の実施形態のネットワーク管理装置1100、を適用したDisaggregation型通信ネットワークの一例を示す模式図である。このネットワークは、ノードn101、n111、n112、n121、・・・、n201、・・・、301、・・・で構成されている。各ノードには、複数ベンダのTPNDが混在して配置されている。なお、図示を省略しているが、ネットワーク管理装置1000、ネットワーク監視装置1100と各ノードとは、接続されているものとする。
【0069】
図17の例では、ネットワークトラフィックの集中するリンクL1020と、L2030にスペクトラムアナライザを配置している。このように、ネットワークトラフィックの集中するリンクからチャネルの状態情報(スペクトラム)を取得する構成とすることにより、マルチリング以外のトポロジーを持つネットワークにおいても、第1から第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、障害発生チャネルに悪影響を与えているTPNDを迅速に特定することができる。
【0070】
上述した第1乃至第5の実施形態の処理を、コンピュータに実行させるプログラムおよび該プログラムを格納した記録媒体も本発明の範囲に含む。記録媒体としては、例えば、磁気ディスク、磁気テープ、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ、などを用いることができる。
【0071】
以上、第1乃至第5の実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0072】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
ネットワーク内で障害の発生した障害発生チャネルを検知する障害発生チャネル検知手段と、
前記障害発生チャネルの経路情報を取得する経路情報取得手段と、
前記障害発生チャネルと波長が近い隣接チャネルを抽出し、前記隣接チャネルの経路情報を含む隣接チャネルテーブルを生成する隣接チャネルテーブル生成手段と、
前記隣接チャネルの中で、前記障害発生チャネルと共通する経路を持つチャネルを干渉チャネルとして抽出し、前記干渉チャネルと前記経路情報とを紐付けた干渉チャネルテーブルを生成する干渉チャネルテーブル生成手段と、
前記干渉チャネルに対して、前記障害発生チャネルとの波長の近さに基づいて重みを付与し、前記干渉チャネルテーブルに前記重みを付与した影響チャネルテーブルを生成する影響チャネルテーブル生成手段と、
前記影響チャネルテーブルに基づいて、前記障害発生チャネルに悪影響を与えている可能性のある原因チャネルを推定する原因チャネル推定手段と
を有することを特徴とするネットワーク監視装置。
(付記2)
前記原因チャネルの状態情報を取得するチャネル状態情報取得手段を有する
ことを特徴とする付記1記載のネットワーク監視装置。
(付記3)
前記原因チャネルの状態情報をトラフィックの集中する経路上から取得する
ことを特徴とする付記2記載のネットワーク監視装置。
(付記4)
前記トラフィックの集中する経路がマルチリングネットワークの接続リンクである
ことを特徴とする付記3記載のネットワーク監視装置。
(付記5)
前記状態情報に基づいて、前記原因チャネルに関連する原因トランスポンダを特定する原因トランスポンダ特定手段を有する
ことを特徴とする付記2乃至4のいずれか一つに記載のネットワーク監視装置。
(付記6)
前記原因トランスポンダを含む通信経路を削除、または、影響のない経路に変更するパス制御手段を有する
ことを特徴とする付記5に記載のネットワーク監視装置。
(付記7)
前記原因トランスポンダのパラメータを他のチャンネルに影響を与えないように調整するトランスポンダ制御手段を有する
ことを特徴とする付記5または6に記載のネットワーク監視装置。
(付記8)
前記状態情報取得手段がスペクトラムアナライザである
ことを特徴とする付記2乃至7のいずれか一つに記載のネットワーク監視装置。
(付記9)
前記トラフィックの集中する経路に前記スペクトラムアナライザを配置する
ことを特徴とする付記8に記載のネットワーク監視装置。
(付記10)
付記1乃至9のいずれかに記載のネットワーク監視装置と、
前記ネットワークを制御するネットワーク管理装置と
を有することを特徴とするネットワーク監視システム。
(付記11)
ネットワーク内で障害の発生した障害発生チャネルを検知し、
前記障害発生チャネルの経路情報を取得し、
前記障害発生チャネルと波長が近い隣接チャネルを抽出し、
前記隣接チャネルの経路情報を含む隣接チャネルテーブルを生成し、
前記隣接チャネルの中で、前記障害発生チャネルと共通する経路を持つチャネルを干渉チャネルとして抽出し、
前記干渉チャネルと前記経路情報とを紐付けた干渉チャネルテーブルを生成し、
前記干渉チャネルに対して、前記障害発生チャネルとの波長の近さに基づいて重みを付与し、
前記干渉チャネルテーブルに前記重みを付与した影響チャネルテーブルを生成し、
前記影響チャネルテーブルに基づいて、前記障害発生チャネルに悪影響を与えている可能性のある原因チャネルを推定する
ことを特徴とするネットワーク監視方法。
(付記12)
前記原因チャネルの状態情報を取得する
ことを特徴とする付記8記載のネットワーク監視方法。
(付記13)
前記原因チャネルの状態情報をトラフィックの集中する経路上から取得する
ことを特徴とする付記12記載のネットワーク監視方法。
(付記14)
前記トラフィックの集中する経路がマルチリングネットワークの接続リンクである
ことを特徴とする付記13記載のネットワーク監視方法。
(付記15)
前記状態情報に基づいて、前記原因チャネルに関連する原因トランスポンダを特定する
ことを特徴とする付記9に記載のネットワーク監視方法。
(付記16)
前記原因トランスポンダを含む通信経路を削除、または、影響のない経路に変更する
ことを特徴とする付記15に記載のネットワーク監視方法。
(付記17)
前記原因トランスポンダのパラメータを他のチャンネルに影響を与えないように調整する
ことを特徴とする付記15または16に記載のネットワーク監視方法。
(付記18)
前記状態情報をスペクトラムアナライザで取得する
ことを特徴とする付記11乃至17のいずれか一つに記載のネットワーク監視方法。
(付記19)
前記トラフィックの集中する経路に前記スペクトラムアナライザを配置する
ことを特徴とする付記13または14に記載のネットワーク監視方法。
(付記20)
コンピュータに
ネットワーク内で障害の発生した障害発生チャネルを検知するステップと、
前記障害発生チャネルの経路情報を取得するステップと、
前記障害発生チャネルと波長が近い隣接チャネルを抽出するステップと、
前記隣接チャネルの経路情報を含む隣接チャネルテーブルを生成するステップと、
前記隣接チャネルの中で、前記障害発生チャネルと共通する経路を持つチャネルを干渉チャネルとして抽出するステップと、
前記干渉チャネルと前記経路情報とを紐付けた干渉チャネルテーブルを生成するステップと、
前記干渉チャネルに対して、前記障害発生チャネルとの波長の近さに基づいて重み付けを行うステップと、
前記干渉チャネルテーブルに重みを付与した影響チャネルテーブルを生成するステップと、
前記影響チャネルテーブルに基づいて、前記障害発生チャネルに悪影響を与えている可能性のある原因チャネルを推定するステップと
を含む処理を実行させることを特徴とするネットワーク監視プログラム。
【符号の説明】
【0073】
1 障害発生チャネル検知手段
2 経路情報取得手段
3 隣接チャネルテーブル生成手段
4 干渉チャネルテーブル生成手段
5 影響チャネルテーブル生成手段
6 原因チャネル推定手段
10、1100 ネットワーク監視装置
1000 ネットワーク管理装置
1110 障害発生チャネル検知部
1120 経路情報取得部
1130 隣接チャネルテーブル生成部
1140 干渉チャネルテーブル生成部
1150 影響チャネルテーブル生成部
1160 原因チャネル推定部
1170 チャネル状態情報取得部
1180 原因TPND特定部
1201 パス制御手段
1202 TPND制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17