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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】発光装置、光学装置及び計測装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/042 20060101AFI20231219BHJP
   H01S 5/022 20210101ALI20231219BHJP
【FI】
H01S5/042 630
H01S5/022
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020030345
(22)【出願日】2020-02-26
(65)【公開番号】P2021136292
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】井口 大介
(72)【発明者】
【氏名】逆井 一宏
【審査官】八木 智規
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-514781(JP,A)
【文献】特開昭63-67792(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/287646(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00- 5/50
F21S 2/00
F21S 8/00
G01S 7/48- 7/51
G01S 17/00-17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の配線層と、当該第1の配線層と絶縁層を介して隣接する第2の配線層とを有する配線基板と、
カソード電極及びアノード電極を有し、前記配線基板に搭載されてローサイド駆動されるレーザ部と、
前記配線基板に搭載され、前記レーザ部に駆動電流を供給する容量素子と、を備え、
前記カソード電極と接続されたカソード配線と、前記アノード電極と接続されたアノード配線とが前記第1の配線層に設けられ、
基準電位に接続される基準電位配線が前記第2の配線層に設けられ、
前記第2の配線層の前記基準電位配線は前記アノード配線と重なる領域に設けられ、
前記アノード配線は、前記容量素子を取り囲むように設けられている発光装置。
【請求項2】
前記容量素子を複数有し、
前記アノード配線は、複数の前記容量素子を取り囲むように設けられている請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記アノード配線は、前記配線基板の面積の50%以上の面積を有する請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記アノード配線は、前記配線基板の面積の75%以上の面積を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記絶縁層の厚みは100μm以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記レーザ部は、共通の半導体基板上に複数の面発光レーザ素子が形成された面発光レーザ素子アレイである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記レーザ部から出射された光の方向及び拡がり角の少なくとも一方を変化させる光学部材を有する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の発光装置と、
前記発光装置が備えるレーザ部から出射され被計測物で反射された反射光を受光する受光部と、を備え、
前記受光部は、前記レーザ部から光が出射されてから当該受光部で受光されるまでの時間に相当する信号を出力する光学装置。
【請求項9】
請求項8に記載の光学装置と、
前記光学装置が備えるレーザ部から出射され、当該光学装置が備える受光部が受光した、被計測物からの反射光に基づき、当該被計測物の三次元形状を特定する三次元形状特定部と、を備え、
前記被計測物の三次元形状を計測する計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置、光学装置及び計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光透過性を有するセラミック基板と、前記セラミック基板の表面に搭載された発光素子と、前記発光素子に電力を供給するための配線パターンと、光反射性を有する金属からなるメタライズ層と、を備えており、前記メタライズ層は、前記発光素子から出射された光を反射するように前記セラミック基板の内部に形成されている発光装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-252129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光の飛行時間による、いわゆるToF(Time of Flight)法に基づいて、被計測物の三次元形状の計測を行う場合、レーザ部に駆動電流を供給する駆動回路のインダクタンスを低減して、レーザ部からの発光の立ち上がり時間を短くすることが求められる。
【0005】
本発明の目的は、第1の配線層と、第1の配線層と絶縁層を介して隣接する第2の配線層とを有する配線基板と、配線基板に搭載されてローサイド駆動されるレーザ部と、を備える発光装置において、第1の配線層のアノード配線が容量素子を囲わないように設けられている場合と比較し、レーザ部を駆動するための駆動電流として、配線間の容量成分をより多く利用できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、第1の配線層と、当該第1の配線層と絶縁層を介して隣接する第2の配線層とを有する配線基板と、カソード電極及びアノード電極を有し、前記配線基板に搭載されてローサイド駆動されるレーザ部と、前記配線基板に搭載され、前記レーザ部に駆動電流を供給する容量素子と、を備え、前記カソード電極と接続されたカソード配線と、前記アノード電極と接続されたアノード配線とが前記第1の配線層に設けられ、基準電位に接続される基準電位配線が前記第2の配線層に設けられ、前記第2の配線層の前記基準電位配線は前記アノード配線と重なる領域に設けられ、前記アノード配線は、前記容量素子を取り囲むように設けられている発光装置である。
請求項2に記載の発明は、前記容量素子を複数有し、前記アノード配線は、複数の前記容量素子を取り囲むように設けられている請求項1に記載の発光装置である。
請求項3に記載の発明は、前記アノード配線は、前記配線基板の面積の50%以上の面積を有する請求項1又は2に記載の発光装置である。
請求項4に記載の発明は、前記アノード配線は、前記配線基板の面積の75%以上の面積を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発光装置である。
請求項5に記載の発明は、前記絶縁層の厚みは100μm以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発光装置である。
請求項6に記載の発明は、前記レーザ部は、共通の半導体基板上に複数の面発光レーザ素子が形成された面発光レーザ素子アレイである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光装置である。
請求項7に記載の発明は、前記レーザ部から出射された光の方向及び拡がり角の少なくとも一方を変化させる光学部材を有する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発光装置である。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の発光装置と、前記発光装置が備えるレーザ部から出射され被計測物で反射された反射光を受光する受光部と、を備え、前記受光部は、前記レーザ部から光が出射されてから当該受光部で受光されるまでの時間に相当する信号を出力する光学装置である。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の光学装置と、前記光学装置が備えるレーザ部から出射され、当該光学装置が備える受光部が受光した、被計測物からの反射光に基づき、当該被計測物の三次元形状を特定する三次元形状特定部と、を備え、前記被計測物の三次元形状を計測する計測装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、第1の配線層のアノード配線が容量素子を囲わないように設けられている場合と比較し、レーザ部を駆動するための駆動電流として、配線間の容量成分をより多く利用できる。
請求項2に記載の発明によれば、一つの容量素子のみを取り囲むように設けられている場合と比較し、第2の配線層の基準電位配線とアノード配線とが重なる面積を大きくしやすい。
請求項3に記載の発明によれば、50%未満の面積の場合と比較し、第2の配線層の基準電位配線とアノード配線とが重なる面積を大きくしやすい。
請求項4に記載の発明によれば、75%未満の面積の場合と比較し、第2の配線層の基準電位配線とアノード配線とが重なる面積を大きくしやすい。
請求項5に記載の発明によれば、絶縁層の厚みが100μmを超える場合と比較し、配線間の容量が大きくなる。
請求項6に記載の発明によれば、端面出射型のレーザを使用する場合と比較し、レーザ素子を二次元状に配置しやすい。
請求項7に記載の発明によれば、光学部材を有しない場合と比較し、光源から出射された光の方向又は拡がり角の少なくとも一方を変化させて照射できる。
請求項8に記載の発明によれば、三次元形状に対応した信号が取得できる光学装置が提供される。
請求項9に記載の発明によれば、三次元形状の計測が行える計測装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】三次元形状を計測する計測装置の構成の一例を説明するブロック図である。
図2】光源の平面図である。
図3】光源における1個のVCSELの断面構造を説明する図である。
図4】光拡散部材の一例を説明する図である。(a)は、平面図、(b)は、(a)のIVB-IVB線での断面図である。
図5】ローサイド駆動により光源を駆動する場合の等価回路の一例を示す図である。
図6】キャパシタを説明する図である。(a)は、キャパシタの等価回路、(b)は、キャパシタのインピーダンスの周波数特性である。
図7】低ESLキャパシタ及び非低ESLキャパシタの一例を説明する図である。(a)は、低ESLキャパシタ、(b)は、非低ESLキャパシタである。
図8】光源に供給される駆動電流パルスを説明する図である。
図9】本実施の形態が適用される発光装置を説明する図である。(a)は、平面図、(b)は、(a)のIXB-IXB線での断面図、(c)は、(a)のIXC-IXC線での断面図である。
図10】比較のために示す、本実施の形態が適用されない発光装置を説明する図である。(a)は、平面図、(b)は、(a)のXB-XB線での断面図、(c)は、(a)のXC-XC線での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
被計測物の三次元形状を計測する計測装置には、光の飛行時間による、いわゆるToF(Time of Flight)法に基づいて、三次元形状を計測する装置がある。ToF法では、計測装置の光源から光が出射されたタイミングから、照射された光が被計測物で反射して計測装置の三次元センサ(以下では、3Dセンサと表記する。)で受光されるタイミングまでの時間を計測し、被計測物の三次元形状を特定する。なお、三次元形状を計測する対象を被計測物と表記する。また、三次元形状を計測することを、三次元計測、3D計測又は3Dセンシングと表記することがある。
【0010】
このような計測装置は、携帯型情報処理装置などに搭載され、アクセスしようとするユーザの顔認証などに利用されている。従来、携帯型情報処理装置などでは、パスワード、指紋、虹彩などにより、ユーザを認証する方法が用いられてきた。近年、セキュリティ性がより高い認証方法が求められるようになってきた。そこで、携帯型情報処理装置に三次元形状を計測する計測装置を搭載するようになってきた。つまり、アクセスしたユーザの顔の三次元像を取得し、アクセスすることが許可されているか否かを識別し、アクセスが許可されているユーザであることが認証された場合にのみ、自装置(携帯型情報処理装置)の使用を許可することが行われている。
また、このような計測装置は、拡張現実(AR:Augmented Reality)など、継続的に被計測物の三次元形状を計測する場合にも適用される。
【0011】
ToF法による三次元形状を計測する計測装置では、レーザ部(以下では、光源と表記する。)からの発光の立ち上がり時間が短いことが求められる。光源からの発光の立ち上がり時間が短いほど、計測の精度が向上する。光源からの発光の立ち上がり時間は、光源を駆動する駆動電流を供給する駆動回路のインダクタンスが小さいほど短くなる。つまり、駆動電流を供給する駆動回路のインダクタンスが大きい程、高い周波数(以下では、高周波数と表記する。)の駆動電流が流れにくくなり、光源からの発光の立ち上がり時間が長くなってしまう。
【0012】
以下で説明する本実施の形態で説明する構成、機能、方法等は、顔認証や拡張現実以外の被計測物の三次元形状の計測に適用しうる。
【0013】
(計測装置1)
図1は、三次元形状を計測する計測装置1の構成の一例を説明するブロック図である。
計測装置1は、光学装置3と、制御部8とを備える。制御部8は、光学装置3を制御する。そして、制御部8は、被計測物の三次元形状を特定する三次元形状特定部81を含む。制御部8は、CPU、ROM、RAMなどを含むコンピュータとして構成されている。なお、ROMには、不揮発性の書き換え可能なメモリ、例えばフラッシュメモリを含む。そして、ROMに蓄積されたプログラムや定数が、RAMに展開され、CPUがプログラムを実行することによって、三次元形状特定部81が構成され、被計測物の三次元形状が特定される。
以下、順に説明する。
【0014】
光学装置3は、発光装置4と、3Dセンサ5とを備える。
発光装置4は、配線基板10と、光源20と、光拡散部材30と、駆動部50と、保持部60と、キャパシタ70A、70Bとを備える。キャパシタ70Aは、等価直列インダクタンスESL(Equivalent Series Inductance)を低減したキャパシタ(以下では、低ESLキャパシタと表記する。)であり、キャパシタ70Bは、キャパシタ70Aに比べ等価直列インダクタンスESLが大きいキャパシタ(以下では、非低ESLキャパシタと表記する。)である。後述するように、配線基板10は、配線基板10の構造に起因して生じる寄生容量によるキャパシタ(後述する図5図9に記載するキャパシタ70C)を備える。なお、図1では、キャパシタ70A、70Bは、それぞれ1個であると表記しているが、いずれか又は両方が複数であってもよい。なお、発光装置4は、駆動部50を動作させるために、他のキャパシタや抵抗素子などの回路部品を備えてもよい。キャパシタ70A、70B、キャパシタ70Cを区別しない場合はキャパシタ70又はキャパシタと表記する。キャパシタ(低ESLキャパシタ及び非低ESLキャパシタ)については、後述する。キャパシタは、容量素子又はコンデンサと呼ばれることがある。なお、キャパシタ70A、70Bは、容量素子の一例である。寄生容量によるキャパシタ(キャパシタ70C)は、容量成分の一例である。
【0015】
光源20、駆動部50、キャパシタ70A、70B及び保持部60は、配線基板10の表面上に設けられている。なお、図1では、3Dセンサ5は、配線基板10の表面上に設けられていないが、配線基板10の表面上に設けられていてもよい。そして、光拡散部材30は、保持部60上に設けられている。ここで、表面とは、図1の紙面の表側を言う。より具体的には、配線基板10においては、光源20等が設けられている方を表面、表側、又は表面側と言う。
【0016】
光源20は、複数の面発光レーザ素子が二次元に配置された面発光レーザ素子アレイとして構成されている(後述する図2参照)。面発光レーザ素子は、一例として垂直共振器面発光レーザ素子VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)である。以下では、面発光レーザ素子は、垂直共振器面発光レーザ素子VCSELであるとして説明する。そして、垂直共振器面発光レーザ素子VCSELをVCSELと表記する。光源20は、配線基板10上の表面上に設けられているので、光源20は、配線基板10の表面に垂直な方向に外部に向かって光を出射する。光源20は、レーザ部の一例である。
【0017】
光拡散部材30は、光源20が出射した光が入射され、入射された光を拡散して出射する。光拡散部材30は、光源20を覆うように設けられている。つまり、光拡散部材30は、配線基板10の表面上に設けられた保持部60により、配線基板10上に設けられた光源20から予め定められた距離を離して設けられている。よって、光源20が出射する光は、光拡散部材30により拡散されて被計測物に照射される。つまり、光源20が出射した光は、光拡散部材30を備えない場合に比べ、光拡散部材30により拡散されてより広い範囲に照射される。
【0018】
ToF法により三次元計測を行う場合、光源20は、駆動部50により、例えば、100MHz以上で、且つ、立ち上り時間が1ns以下のパルス光(以下では、出射光パルスと表記する。)を出射することが求められる。つまり、光源20は、光源20を駆動する駆動回路により駆動電流パルスが供給されることで駆動され、出射光パルスを出射する。なお、顔認証を例とする場合、光が照射される距離は10cm程度から1m程度である。そして、光が照射される範囲は、1m角程度である。なお、光が照射される距離を計測距離と表記し、光が照射される範囲を照射範囲又は計測範囲と表記する。また、照射範囲又は計測範囲に仮想的に設けられる面を照射面と表記する。なお、顔認証以外の場合など、被計測物までの計測距離及び被計測物に対する照射範囲は、上記以外であってもよい。
【0019】
3Dセンサ5は、複数の受光セルを備え、光源20から光が出射されたタイミングから3Dセンサ5で受光されるタイミングまでの時間に相当する信号を出力する。例えば、3Dセンサ5の各受光セルは、光源20からの出射光パルスに対する被計測物からのパルス状の反射光(以下では、受光パルスと表記する。)を受光し、受光するまでの時間に対応する電荷を受光セル毎に蓄積する。3Dセンサ5は、各受光セルが2つのゲートとそれらに対応した電荷蓄積部とを備えたCMOS構造のデバイスとして構成されている。そして、2つのゲートに交互にパルスを加えることによって、発生した光電子を2つの電荷蓄積部の何れかに高速に転送する。2つの電荷蓄積部には、出射光パルスと受光パルスとの位相差に応じた電荷が蓄積される。そして、3Dセンサ5は、ADコンバータを介して、受光セル毎に出射光パルスと受光パルスとの位相差に応じたデジタル値を信号として出力する。すなわち、3Dセンサ5は、光源20から光が出射されたタイミングから3Dセンサ5で受光されるタイミングまでの時間に相当する信号を出力する。つまり、3Dセンサ5から、被計測物の三次元形状に対応した信号が取得される。このため、出射光パルスの立ち上がり時間が短く、受光パルスの立ち上がり時間が短いことが求められる。つまり、光源20を駆動するために供給される駆動電流パルスの立ち上がり時間が短いことが求められる。なお、ADコンバータは、3Dセンサ5が備えてもよく、3Dセンサ5の外部に設けられてもよい。3Dセンサ5は、受光部の一例である。
【0020】
制御部8の三次元形状特定部81は、3Dセンサ5が例えば前述のCMOS構造のデバイスである場合、受光セル毎に得られるデジタル値を取得し、受光セル毎に被計測物までの距離を算出する。そして算出された距離により、被計測物の三次元形状を特定し、特定結果を出力する。
【0021】
前述したように、制御部8は、コンピュータとして構成され、三次元形状特定部81がプログラムによって実現されるとした。しかし、これらは、ASICやFPGA等の集積回路で構成されてもよい。さらには、これらは、プログラム等のソフトウエアとASIC等の集積回路とで構成されてもよい。
【0022】
以上説明したように、計測装置1は、光源20が出射した光を拡散して被計測物に照射し、被計測物からの反射光を3Dセンサ5で受光する。このようにして、計測装置1は、被計測物の三次元形状を計測する。
【0023】
図1では、光学装置3と制御部8とを分けて示したが、一体に構成されていてもよい。
【0024】
まず、発光装置4を構成する光源20、光拡散部材30、駆動部50及びキャパシタ(キャパシタ70A、70B、70C)を説明する。
【0025】
(光源20の構成)
図2は、光源20の平面図である。光源20は、複数のVCSELが二次元のアレイ状に配置されて構成されている。なお、図2では、VCSELは、正方格子の格子点に並ぶように配列されているが、他の配列方法で配列されていてもよい。前述したように、光源20は、VCSELを面発光レーザ素子とする面発光レーザ素子アレイとして構成されている。ここで、紙面の右方向をx方向、紙面の上方向をy方向とする。x方向及びy方向に反時計回りで直交する方向をz方向とする。なお、光源20の表面とは、紙面の表側、つまり+z方向側の面を言い、光源20の裏面とは、紙面の裏側、つまり-z方向側の面を言う。光源20の平面図とは、光源20を表面側から見た図である。さらに説明すると、光源20において、発光層(後述する活性領域206)として機能するエピタキシャル層が形成されている方を、光源20の表面、表側、又は表面側という。
【0026】
VCSELは、半導体基板200(後述する図3参照)上に積層された下部多層膜反射鏡と上部多層膜反射鏡との間に発光領域となる活性領域を設け、表面に対して垂直方向にレーザ光を出射させる面発光レーザ素子である。このことから、VCSELは、端面出射型のレーザ素子を用いる場合に比較し、二次元のアレイ化が容易である。光源20の備えるVCSELの数は、一例として、100個~1000個である。なお、複数のVCSELは、互いに並列に接続され、並列に駆動される。上記のVCSELの数は一例であり、計測距離や照射範囲に応じて設定されればよい。
【0027】
光源20の表面には、複数のVCSELに共通のアノード電極218が設けられている。光源20の裏面には、カソード電極214が設けられている(後述する図3参照)。つまり、複数のVCSELは、並列接続されている。複数のVCSELを並列接続して駆動することで、VCSELを個別に駆動する場合と比較し、強度の強い光が出射される。
【0028】
ここでは、光源20は、表面側から見た形状(平面形状と表記する。以下同様とする。)が矩形であるとする。そして、-y方向側の側面を側面21A、+y方向側の側面を側面21B、-x方向側の側面を側面22A及び+x方向側の側面を側面22Bと表記する。側面21Aと側面21Bとが対向する。側面22Aと側面22Bとは、それぞれが側面21Aと側面21Bとをつなぐとともに、対向する。
【0029】
(VCSELの構造)
図3は、光源20における1個のVCSELの断面構造を説明する図である。このVCSELは、λ共振器構造のVCSELである。紙面の上方向をz方向とし、+z方向を上側、-z方向を下側と表記する。
【0030】
VCSELは、n型のGaAsなどの半導体基板200上に、Al組成の異なるAlGaAs層を交互に重ねたn型の下部分布ブラック型反射鏡(DBR:Distributed Bragg Reflector)202と、上部スペーサ層及び下部スペーサ層に挟まれた量子井戸層を含む活性領域206と、Al組成の異なるAlGaAs層を交互に重ねたp型の上部分布ブラック型反射鏡208とが順に積層されて構成されている。以下では、分布ブラック型反射鏡をDBRと表記する。
【0031】
n型の下部DBR202は、Al0.9Ga0.1As層とGaAs層とをペアとした積層体として構成されている。下部DBR202の各層は、厚さがλ/4n(但し、λは発振波長、nは媒質の屈折率)であり、交互に40周期積層されている。キャリアとして、n型不純物であるシリコン(Si)がドーピングされている。キャリア濃度は、例えば、3×1018cm-3である。
【0032】
活性領域206は、下部スペーサ層と、量子井戸活性層と、上部スペーサ層とが積層されて構成されている。例えば、下部スペーサ層は、アンドープのAl0.6Ga0.4As層であり、量子井戸活性層は、アンドープのInGaAs量子井戸層及びアンドープのGaAs障壁層であり、上部スペーサ層は、アンドープのAl0.6Ga0.4As層である。
【0033】
p型の上部DBR208は、p型のAl0.9Ga0.1As層とGaAs層とをペアとした積層体として構成されている。上部DBR208の各層は、厚さがλ/4nであり、交互に29周期積層してある。キャリアとして、p型不純物であるカーボン(C)がドーピングされている。キャリア濃度は、例えば、3×1018cm-3である。好ましくは、上部DBR208の最上層には、p型GaAsからなるコンタクト層が形成され、上部DBR208の最下層又はその内部に、p型AlAsの電流狭窄層210が形成されている。
【0034】
上部DBR208から下部DBR202に至るまで積層された半導体層をエッチングすることにより、半導体基板200上に円柱状のメサMが形成される。これにより、電流狭窄層210が、メサMの側面に露出する。酸化工程により、電流狭窄層210には、メサMの側面から酸化された酸化領域210Aと酸化領域210Aによって囲まれた導電領域210Bとが形成される。なお、酸化工程において、AlAs層はAlGaAs層よりも酸化速度が速く、酸化領域210Aは、メサMの側面から内部に向けてほぼ一定の速度で酸化されるため、導電領域210Bの断面形状は、メサMの外形を反映した形状、すなわち円形状となり、その中心は、一点鎖線で示すメサMの軸とほぼ一致する。本実施の形態において、メサMは、柱状構造をなしている。
【0035】
メサMの最上層には、Ti/Auなどを積層した金属製の環状のp側電極212が形成される。p側電極212は、上部DBR208に設けられたコンタクト層にオーミック接触する。環状のp側電極212の内側は、レーザ光が外部へ出射される光出射口212Aとなる。つまり、VCSELは、半導体基板200の表面(+z方向側の面)に垂直な+z方向に光を出射する。そして、メサMの軸が光軸になる。さらに、半導体基板200の裏面には、n側電極としてカソード電極214が形成される。なお、p側電極212の内側の上部DBR208の表面(+z方向側の面)が光出射面である。
【0036】
そして、p側電極212にアノード電極218が接続される部分及び光出射口212Aを除いて、メサMの表面を覆うように、絶縁膜216が設けられる。そして、光出射口212Aを除いて、アノード電極218がp側電極212とオーミック接触するように設けられる。なお、アノード電極218は、複数のVCSELに共通に設けられる。つまり、光源20を構成する複数のVCSELは、各々のp側電極212がアノード電極218により並列接続されている。
【0037】
図3では、アノード電極218の部分にアノードであることを示す[A]と表記し、カソード電極214の部分にカソードであることを示す[K]と表記する。
【0038】
VCSELは、単一横モードで発振してもよく、多重横モードで発振してもよい。例えば、VCSEL1個の光出力は、4mW~8mWである。よって、光源20が500個のVCSELで構成されている場合、光源20の光出力は、2W~4Wになる。
【0039】
(光拡散部材30の構成)
図4は、光拡散部材30の一例を説明する図である。図4(a)は、平面図、図4(b)は、図4(a)のIVB-IVB線での断面図である。図4(a)において、紙面の右方向をx方向、紙面の上方向をy方向とする。x方向及びy方向に反時計回りで直交する方向をz方向とする。そして、光拡散部材30において、+z方向側を表面又は表面側、-z方向側を裏面又は裏面側と呼ぶ。よって、図4(b)では、紙面の右方向がx方向、紙面の裏方向がy方向、紙面の上方向がz方向となる。
【0040】
図4(b)に示すように、光拡散部材30は、例えば、両面が平行で平坦なガラス基材31の裏面(-z方向)側に光を拡散させるための凹凸が形成された樹脂層32を備える。光拡散部材30は、光源20のVCSELから入射する光の拡がり角を拡げて出射する。つまり、光拡散部材30の樹脂層32に形成された凹凸は、光を屈折させたり、散乱させたりして、入射する光をより広い拡がり角の光として出射する。つまり、図4に示すように、光拡散部材30は、裏面(-z方向側)から入射する、VCSELから出射された拡がり角θの光を、拡がり角θより大きい拡がり角φの光として表面(+z方向側)から出射する(θ<φ)。このため、光拡散部材30を用いると、光拡散部材30を用いない場合に比べ、光源20の出射する光によって照射される照射面の面積が拡大される。拡がり角θ、φは、半値全幅(FWHM)である。
【0041】
ここでは、光拡散部材30の平面形状は、矩形である。そして、光拡散部材30の厚さ(z方向の厚み)tは、0.1mm~1mmである。なお、光拡散部材30の平面形状は、多角形や円形など、他の形状であってもよい。
【0042】
(駆動部50及びキャパシタ70A、70B)
光源20をより高速に駆動させたい場合は、ローサイド駆動するのがよい。ローサイド駆動とは、VCSELなどの駆動対象に対して、電流を流す経路(以下では、電流経路と表記する。)の下流側にMOSトランジスタ等の駆動素子を位置させた構成を言う。逆に、上流側に駆動素子を位置させた構成をハイサイド駆動と言う。
【0043】
図5は、ローサイド駆動により光源20を駆動する場合の等価回路の一例を示す図である。図5では、光源20のVCSEL、駆動部50、キャパシタ70A、70B、70C及び電源82を示す。キャパシタ70Cは、前述したように、配線基板10の構造に起因して生じた寄生容量である。そこで、キャパシタ70Cは、破線で示している。また、図5には、図1に示した制御部8を合わせて示している。なお、電源82は、制御部8に設けられている。電源82は、+側を電源電位とし、-側を基準電位とする直流電圧を発生する。電源電位は、電源線83に供給され、基準電位は、基準線84に供給される。なお、基準電位は、接地電位(GNDと表記されることがある。図5では[G]と表記する。)であってよい。
【0044】
光源20は、前述したように複数のVCSELが並列接続されて構成されている。VCSELのアノード電極218(図3参照。図5では[A]と表記する。)が電源線83に接続される。
駆動部50は、nチャネル型のMOSトランジスタ51と、MOSトランジスタ51をオンオフする信号発生回路52とを備える。MOSトランジスタ51のドレイン(図5では[D]と表記する。)は、VCSELのカソード電極214(図3参照。図5では[K]と表記する。)に接続される。MOSトランジスタ51のソース(図5では[S]と表記する。)は、基準線84に接続される。そして、MOSトランジスタ51のゲートは、信号発生回路52に接続される。つまり、VCSELと駆動部50のMOSトランジスタ51とは、電源線83と基準線84との間に直列接続されている。信号発生回路52は、制御部8の制御により、MOSトランジスタ51をオン状態にする「Hレベル」の信号と、MOSトランジスタ51をオフ状態にする「Lレベル」の信号とを発生する。
【0045】
キャパシタ70A、70B、70Cは、それぞれの一方の端子が電源線83(図5のVCSELの[A])に接続され、他方の端子が基準線84(図5の[G])に接続されている。
【0046】
次に、ローサイド駆動による光源20の駆動方法を説明する。
まず、駆動部50における信号発生回路52の発生する信号が「Lレベル」であるとする。この場合、MOSトランジスタ51は、オフ状態である。つまり、MOSトランジスタ51のソース(図5の[S])-ドレイン(図5の[D])間には電流が流れない。よって、MOSトランジスタ51と直列接続されたVCSELにも、電流が流れない。つまり、VCSELは非発光である。
【0047】
このとき、キャパシタ70A、70B、70Cは電源82に接続されていて、キャパシタ70A、70B、70Cの電源線83に接続された一方の端子(図5のVCSELの[A]側の端子)が電源電位になり、基準線84に接続された他方の端子(図5の[G]側の端子)が基準電位になる。よって、キャパシタ70A、70B、70Cは、電源82から電流が流れ(電荷が供給され)て充電される。
【0048】
次に、駆動部50における信号発生回路52の発生する信号が「Hレベル」になると、MOSトランジスタ51がオフ状態からオン状態に移行する。すると、キャパシタ70A、70B、70Cと、直列接続されたMOSトランジスタ51及びVCSELとの間に閉ループが構成され、キャパシタ70A、70B、70Cに蓄積されていた電荷が、直列接続されたMOSトランジスタ51とVCSELとに供給される。つまり、VCSELに電流が流れて、VCSELが発光する。この閉ループが、光源20を発光させるための駆動電流を供給する駆動回路である。なお、キャパシタ70A、70B、70C毎に光源20を発光させるための駆動電流を供給するので、駆動回路は、キャパシタ70A、70B、70C毎に構成される。なお、光源20を発光させるための駆動電流を供給することを光源20を駆動すると表記することがある。
【0049】
そして、駆動部50における信号発生回路52の発生する信号が再び「Lレベル」になると、MOSトランジスタ51がオン状態からオフ状態に移行する。これにより、キャパシタ70A、70B、70Cと、直列接続されたMOSトランジスタ51及びVCSELとの閉ループが開ループになり、VCSELに電流が流れなくなる。これにより、VCSELは、発光を停止する。すると、キャパシタ70A、70B、70Cは、電源82から電流が流れ(電荷が供給され)て充電される。
【0050】
以上説明したように、信号発生回路52の出力する信号が「Hレベル」と「Lレベル」とに移行する毎に、MOSトランジスタ51がオンオフを繰り返し、VCSELが発光と非発光とを繰り返す。MOSトランジスタ51のオンオフの繰り返しは、スイッチングと呼ばれることがある。
【0051】
上述したように、MOSトランジスタ51をオフ状態からオン状態に移行させた際に、キャパシタ70A、70B、70Cに蓄積した電荷を一気に放電させてVCSELに駆動電流を供給する。
【0052】
ここで、キャパシタ(低ESLキャパシタと非低ESLキャパシタ)について説明する。
図6は、キャパシタを説明する図である。図6(a)は、キャパシタの等価回路、図6(b)は、キャパシタのインピーダンスの周波数特性である。なお、図6(b)で横軸は、周波数、縦軸はインピーダンスである。
【0053】
図6(a)に示すように、キャパシタは、容量C、等価直列インダクタンスESL及び等価直列抵抗ESR(Equivalent Series Resistance)を直列接続した等価回路で示される。
図6(b)に示すように、キャパシタは、周波数が低い場合には容量Cによってインピーダンスが決まる。つまり、キャパシタは、容量性であって、そのインピーダンスは、周波数とともに低下する。一方、キャパシタは、周波数が高い場合には等価直列インダクタンスESLによってインピーダンスが決まる。つまり、キャパシタは、誘導性であって、インピーダンスは、周波数とともに増加する。なお、容量Cと等価直列インダクタンスESLとが同じインピーダンスになる周波数は、共振周波数と呼ばれる。
【0054】
光源20に供給される駆動電流パルスの立ち上がり時間を短くするためには、高周波数におけるインピーダンスが小さいこと、つまり等価直列インダクタンスESLが小さいことがよい。つまり、光源20に供給される駆動電流パルスの立ち上がり時間を短くするために、等価直列インダクタンスESLを低減させるように構成したキャパシタ、つまり低ESLキャパシタを用いることがよい。図6(b)に示すように、低ESLキャパシタは、等価直列インダクタンスESLが低ESLキャパシタより大きい構成の非低ESLキャパシタより、高周波数におけるインピーダンスが小さい。
【0055】
図7は、低ESLキャパシタ(キャパシタ70A)及び非低ESLキャパシタ(キャパシタ70B)の一例を説明する図である。図7(a)は、低ESLキャパシタ(キャパシタ70A)、図7(b)は、非低ESLキャパシタ(キャパシタ70B)である。これらは、二端子の積層セラミックコンデンサである。積層セラミックコンデンサは、図7(a)、図7(b)に示すように、平面形状が矩形の酸化チタンやチタン酸バリウムなどのセラミックシート71とセラミックシート71の表面上に設けられた内部配線72とを複数積層した構造を有している。
【0056】
図7(a)に示す低ESLキャパシタであるキャパシタ70Aでは、平面形状が矩形であるセラミックシート71において、電流が短手方向に流れるように構成されている。つまり、低ESLキャパシタは、短手方向の両端部に電極が設けられて、二端子の積層セラミックコンデンサを構成する。セラミックシート71において電流が流れる方向(短手方向)を長さL1、電流が流れる方向と直交する方向(長手方向)を幅W1とした場合、長さL1が幅W1より小さい(L1<W1)。このようにして電流経路を短くすることで、次に説明する非低ESLキャパシタに比べて、等価直列インダクタンスESLを小さくしている。このような幅W1が長さL1に比べて大きい低ESLキャパシタは、LW逆転型と呼ばれることがある。
【0057】
図7(b)に示す非低ESLキャパシタであるキャパシタ70Bでは、平面形状が矩形であるセラミックシート71において、電流が長手方向に流れるように構成されている。つまり、非低ESLキャパシタは、長手方向の両端部に電極が設けられて、二端子の積層セラミックコンデンサを構成する。セラミックシート71において電流が流れる方向(長手方向)を長さL2、電流が流れる方向と直交する方向(短手方向)を幅W2とした場合、長さL2が幅W2より大きい(L2>W2)。よって、電流経路が長くなるため、低ESLキャパシタに比べて、等価直列インダクタンスESLが大きくなる。
【0058】
等価直列インダクタンスESLが小さい低ESLキャパシタを用いれば、高い周波数におけるインピーダンスが小さくなり、光源20に供給される駆動電流パルスの立ち上がり時間が短くなる。しかし、低ESLキャパシタは、配線基板10上に占める搭載面積が大きいにもかかわらず定格容量が小さいものが多い。このため、非低ESLキャパシタであるキャパシタ70Bを用いないで、低ESLキャパシタであるキャパシタ70Aのみを用いるとした場合、例えば2W程度の光源20を駆動するには、複数のキャパシタ70Aを用いることになる。この場合、キャパシタ70A毎にVCSELまでの電流経路が異なることになり、電流経路が長くなると配線インダクタンスが増加し、低ESLキャパシタを用いる効果が得られにくくなる。つまり、複数の低ESLキャパシタであるキャパシタ70Aを用いるために配線基板10上に占める搭載面積を大きくした割に、等価直列インダクタンスESLが小さい効果が得られにくい。
【0059】
一方、非低ESLキャパシタでは、高誘電率のセラミックシート71を用い、配線基板10上の搭載面積が小さくても定格容量が大きいものが多い。例えば2W程度の光源20を駆動するに、1個の非低ESLキャパシタで済む。ただし、低ESLキャパシタに比べて、等価直列インダクタンスESLが大きいため、光源20に供給される駆動電流パルスの立ち上がり時間を短くしづらい。
【0060】
そこで、本実施の形態では、低ESLキャパシタであるキャパシタ70Aと、非ESLキャパシタであるキャパシタ70Bとを併用している。なお、低ESLキャパシタであるキャパシタ70Aと、非低ESLキャパシタであるキャパシタ70Bとは、並列接続されている。つまり、低ESLキャパシタであるキャパシタ70Aにより、光源20に供給される駆動電流パルスの立ち上がり時間を短くし、非ESLキャパシタであるキャパシタ70Bにより、光源20を駆動する電流を供給するようにしている。
【0061】
さらに、本実施の形態では、配線基板10の構造に起因して生じる寄生容量で構成されるキャパシタ70Cを用いることにより、光源20に供給される駆動電流パルスの立ち上がり時間がさらに短くなるようにしている。後述するように、配線基板10の構造により生じる寄生容量により構成されるキャパシタは、上記の低ESLキャパシタと比べて、等価直列インダクタンスESLが小さい。よって、寄生容量で構成されるキャパシタ70Cを用いることにより、光源20に供給される電流パルスの立ち上がり時間がさらに短くなる。このため、以下に説明するように、本実施の形態では、配線基板10の構造に起因して生じる寄生容量が大きくなるようにしている。
【0062】
図8は、光源20に供給される駆動電流パルスを説明する図である。図8において、横軸は時間、縦軸は電流である。
図8に示すように、駆動電流パルスが立ち上がり始める部分αは、寄生容量で構成されるキャパシタ70Cにより供給される。そして、駆動電流パルスの立ち上がり部分βは、低ESLキャパシタであるキャパシタ70Aにより供給される。さらに、駆動電流を供給する部分γは、非低ESLキャパシタであるキャパシタ70Bにより供給されるようにしている。
【0063】
(発光装置4)
次に、発光装置4について、詳細に説明する。
図9は、本実施の形態が適用される発光装置4を説明する図である。図9(a)は、平面図、図9(b)は、図9(a)のIXB-IXB線での断面図、図9(c)は、図9(a)のIXC-IXC線での断面図である。なお、図9(a)は、光拡散部材30を透視して見た図である。ここで、図9(a)において、紙面の右方向をx方向、紙面の上方向をy方向とする。x方向及びy方向に反時計回りで直交する方向(紙面の表方向)をz方向とする。そして、以下で説明する各部材(配線基板10、光拡散部材30など)について、紙面の表方向(+z方向)を表面又は表面側と言い、紙面の裏方向(-z方向)を裏面又は裏面側と言う。以下において、表面側から、各部材を透視して見ることを上面視と言う。なお、図9(b)、(c)において、紙面の右方向がx方向、紙面の裏方向がy方向、紙面の上方向がz方向になる。
【0064】
図9(a)、(b)に示すように、配線基板10の表面上に光源20、駆動部50、キャパシタ70A、70B及び保持部60が設けられている。そして、保持部60上に光拡散部材30が設けられている。
【0065】
配線基板10は、ガラスエポキシ樹脂等の絶縁性の基材(絶縁層と表記することがある。)に銅(Cu)箔などの金属による配線を形成する配線層が設けられて構成されている。なお、配線とは、電気回路接続される導体パターンであって、形状は限定されないものを言う。ここでは、配線基板10は、4層の配線層を有するプリント配線基板であるとして説明する。ガラスエポキシ樹脂等の基材には、一例としてガラスコンポジット基板(CEM-3)やガラスエポキシ基板(FR-4)がある。
【0066】
図9(a)に示すように、発光装置4では、光源20と駆動部50とが配線基板10上において、x方向に並ぶように配置されている。
【0067】
図9(a)に示すように、保持部60は、光源20を囲むように設けられた壁を備える(図9(a)では、光源20側を破線で示す)。そして、図9(b)に示すように、保持部60は、この壁により光拡散部材30を保持する。つまり、光拡散部材30は、保持部60により、配線基板10上に設けられた光源20から予め定められた距離を離して設けられている。光拡散部材30は、光源20を覆うように設けられている。ここで、光拡散部材30が光源20を覆うとは、光拡散部材30が光源20の出射する光の出射経路上に設けられ、光源20が出射する光が光拡散部材30を透過するように設けられていることを言う。つまり、光拡散部材30の表面側から上面視した場合に、光源20と光拡散部材30とが重なっている状態を言う。
【0068】
保持部60は、例えば樹脂などの成型部材として構成されている。そして、保持部60は、光源20が発光する光を吸収するように、例えば黒色に着色されているとよい。このようにすることで、光源20が出射した光の内、保持部60に照射された光が保持部60で吸収される。よって、保持部60に照射された光が保持部60を透過したり、保持部60で反射したりして、被計測物に照射されることが抑制される。
【0069】
配線基板10は、図9(b)、(c)に示すように、配線基板10の表面側(+z方向側)から第1の配線層と、第2の配線層と、第3の配線層と、第4の配線層とを備える。第1の配線層と第2の配線層とは、絶縁層11Aにより絶縁され、第2の配線層と第3の配線層とは、絶縁層11Bにより絶縁され、第3の配線層と第4の配線層とは、絶縁層11Cにより絶縁されている。なお、絶縁層11A、11B、11Cを区別しない場合は、絶縁層11と表記する。
【0070】
第1の配線層には、互いに電気的に分離されたカソード配線12、アノード配線13F、基準電位配線14-1F、14-2F、14-3Fが設けられている。なお、図9(a)では、駆動部50によって隠れるカソード配線12、アノード配線13F、基準電位配線14-3Fの部分を一点鎖線で示している。
【0071】
第2の配線層には、基準電位配線14Mが設けられている。図9(a)において破線で示すように、基準電位配線14Mは、配線基板10の全面、いわゆるベタに設けられている。そして、カソード配線12、アノード配線13F、基準電位配線14-1F、14-2F、14-3Fは、上面視した場合に、基準電位配線14Mと重なるように設けられている。図9(a)では、基準電位配線14Mの縁辺が、カソード配線12、アノード配線13F、基準電位配線14-1F、14-2F、14-3Fのいずれの縁辺より、はみ出すように広く設けられている。しかし、基準電位配線14Mの縁辺は、カソード配線12、アノード配線13F、基準電位配線14-1F、14-2F、14-3Fのいずれの縁辺より、はみ出していなくともよい。
【0072】
第3の配線層には、電源電位配線13Mが設けられている。電源電位配線13Mは、基準電位配線14Mと同様に、配線基板10の全面、いわゆるベタに設けられてもよく、アノード配線13Fに電源電位が供給されるように、アノード配線13Fと接続されるように設けられてもよい。
【0073】
第4の配線層には、制御部8から駆動部50に信号発生回路52を制御する信号を送信する信号配線が設けられている。図9(a)、(b)には、一例として信号配線15-1、15-2を表示している。
【0074】
図9(a)、(b)に示すように、第1の配線層おけるカソード配線12は、平面形状が矩形で、光源20と駆動部50とを接続するように設けられている。そして、カソード配線12の一方の端部上に、光源20が設けられている。つまり、カソード配線12と光源20を構成するVCSELのカソード電極214とが接触するように、カソード配線12上に光源20(VCSEL)が搭載されている。そして、カソード配線12の他方の端部は、駆動部50のMOSトランジスタ51のドレイン(図5の[D]参照)に接続されるように、駆動部50に接続されている。
【0075】
第1の配線層におけるアノード配線13Fは、カソード配線12の三方、つまり-x方向側及び±y方向側に近接するように設けられている。そして、光源20の側面21A側において、光源20を構成するVCSELのアノード電極218(図2図3参照)と、アノード配線13Fとが、ボンディングワイヤ23で接続されている。
【0076】
そして、アノード配線13Fには、二つの開口部が設けられ、それぞれ開口部の内側に基準電位配線14-1F、14-2Fが設けられている。また、配線基板10のx方向側の端部に、基準電位配線14-3Fが設けられている。基準電位配線14-3Fは、駆動部50のMOSトランジスタ51のソース(図5の[S]参照)に接続されるように、駆動部50に接続されている。
【0077】
図9(b)、(c)に示すように、第1の配線層における基準電位配線14-1F、14-3Fと第2の配線層における基準電位配線14Mとは、絶縁層11Aに設けられた貫通導体14-1V、14-3Vで接続されている。なお、図示しないが、基準電位配線14-2Fと基準電位配線14Mとは、絶縁層11Aに設けられた貫通導体で接続されている。なお、貫通導体は、絶縁層11に設けられた貫通孔に、銅(Cu)などの導電材料が設けられ、絶縁層11の表面側の配線と裏面側の配線とを電気的に接続する部材である。貫通導体は、ビアと呼ばれることがある。
【0078】
また、第1の配線層におけるアノード配線13Fと第3の配線層における電源電位配線13Mとは、絶縁層11A及び絶縁層11Bに設けられた貫通導体13Vで接続されている。なお、貫通導体13Vは、第2の配線層における基準電位配線14Mとは、電気的に分離されている。
【0079】
そして、図9(a)に示すように、配線基板10の第1の配線層において、アノード配線13Fと基準電位配線14-1Fとの間に、キャパシタ70Aが設けられ、アノード配線13Fと基準電位配線14-2Fとの間に、キャパシタ70Bが設けられている。前述したように、基準電位配線14-1F、14-2Fは、アノード配線13Fに設けられた二つの開口部のそれぞれの内側に設けられている。よって、キャパシタ70A、キャパシタ70Bは、アノード配線13Fによって取り囲まれている。つまり、アノード配線13Fは、キャパシタ70A、キャパシタ70Bを取り囲むように設けられている。なお、アノード配線13Fは、一方のみ、例えばキャパシタ70Aのみを取り囲むように設けられてもよい。
【0080】
ここでは、アノード配線13Fに二つの開口部を設け、それぞれの開口部の内側に基準電位配線14-1Fと基準電位配線14-2Fとを設けた。しかし、アノード配線13Fに一つの開口部を設け、その内側に、基準電位配線14-1Fと基準電位配線14-2Fとを一つに接続した基準電位配線を設けてもよい。
【0081】
図9(c)に示すように、配線基板10の第1の配線層におけるアノード配線13Fと第2の配線層における基準電位配線14Mとの間に生じる寄生容量が、キャパシタ70Cである。第1の配線層におけるアノード配線13Fと第2の配線層における基準電位配線14Mとは、絶縁層11Aで絶縁されている。ここでは、キャパシタ70Cの容量を大きくするために、アノード配線13Fの面積を大きく設けている。例えば、第2の配線層における基準電位配線14Mと第1の配線層におけるアノード配線13Fとが重なる面積が、第2の配線層における基準電位配線14Mと第1の配線層における基準電位配線14-3Fとが重なる面積より、大きく設定されている。
【0082】
また、第1の配線層において、アノード配線13Fの面積は、基準電位配線14-1F、14-2F、14-3Fの面積よりも大きく設定されている。
そして、配線基板10の第1の配線層におけるアノード配線13Fは、配線基板10の表面の50%以上の面積の占めるように設けられている。さらに、配線基板10の第1の配線層におけるアノード配線13Fは、配線基板10の表面の75%以上の面積の占めるように設けられているとよい。
【0083】
さらに、寄生容量によるキャパシタ70Cの容量が大きくなるように、絶縁層11Aは、厚さtが100μm以下であるとよい。さらに好ましくは、この絶縁層11Aは、厚さtが80μm以下であるとよい。
【0084】
図10は、比較のために示す、本実施の形態が適用されない発光装置4′を説明する図である。図10(a)は、平面図、図10(b)は、図10(a)のXB-XB線での断面図、図10(c)は、図10(a)のXC-XC線での断面図である。なお、図10(a)は、光拡散部材30を透視して見た図である。図9(a)、(b)、(c)に示した本実施の形態が適用される発光装置4と同じ機能を有する部材は、同じ符号を付している。以下では、発光装置4と同じ部分の説明を省略し、異なる部分を説明する。
【0085】
発光装置4′では、配線基板10の第1の配線層におけるアノード配線13F及び基準電位配線14Fが、発光装置4の場合と異なっている。つまり、アノード配線13Fは、平面形状が矩形で、光源20の側面21A(-y方向)側に設けられている。つまり、アノード配線13Fは、光源20のアノード電極218とボンディングワイヤ23で接続されるとともに、キャパシタ70A、70Bのそれぞれの一方の端子と接続されるように設けられている。そして、基準電位配線14Fは、カソード配線12及びアノード配線13Fを取り囲むように設けられている。そして、基準電位配線14Fは、第2の配線層の基準電位配線14Mと、貫通導体14Vにより接続されている。
【0086】
つまり、発光装置4′においても、発光装置4と同様に、上面視した場合に、配線基板10の第1の配線層におけるカソード配線12、アノード配線13F及び基準電位配線14Fは、配線基板10の第2の配線層における基準電位配線14Mとが重なるように設けられている。しかし、配線基板10の第1の配線層においては、カソード配線12、アノード配線13Fが設けられた部分を除いて、基準電位配線14Fが設けられている。ここでは、第2の配線層における基準電位配線14Mと第1の配線層におけるアノード配線13Fとが重なる面積が、第2の配線層における基準電位配線14Mと第1の配線層における基準電位配線14-3Fとが重なる面積より、小さく設定されている。
また、第1の配線層において、アノード配線13Fの面積は、基準電位配線14Fの面積よりも小さく設定されている。
そして、配線基板10の第1の配線層におけるアノード配線13Fは、配線基板10の表面の50%未満の面積の占めるように設けられている。
【0087】
これまでの配線基板10の設計では、第1の配線層において、カソード配線12及びアノード配線13Fが電気的な接続に必要な部分に設けられ、その他の部分には、基準電位配線14Fが設けられるのが一般であった。このようにすると、配線基板10の第1の配線層におけるアノード配線13Fと、第2の配線層における基準電位配線14Mとの間で対向する面積が、発光装置4に比べて小さい。このため、寄生容量によって構成されるキャパシタ70C(図5参照)の容量が小さい。したがって、発光装置4′では、寄生容量によって構成されるキャパシタ70Cは、光源20を発光させる駆動電流パルスが立ち上がり始める部分(図8のαで示す部分)の電流を供給しづらい。つまり、発光装置4′では、光源20に供給される駆動電流パルスの立ち上がり時間を短くしづらい。
【0088】
以上説明したように、本実施の形態が適用される発光装置4では、配線基板10の第1の配線層におけるアノード配線13Fと、第2の配線層における基準電位配線14Mとが絶縁層11Aを挟んで対向する面積が大きくなるように、アノード配線13Fの面積を大きく設定している。このようにして、アノード配線13Fと基準電位配線14Mとの間で構成される寄生容量によるキャパシタ70Cの容量を大きくして、光源20に供給される駆動電流パルスの立ち上がり時間が短くなるようにしている。つまり、発光装置4では、絶縁層11を挟んで設けられた配線間の寄生容量(容量成分)をより多く利用するようにしている。
【0089】
発光装置4における光源20の光出力は、2W~4Wになる。このような大出力の光源20は、発熱が大きい。このため、光源20から放熱が効率的に行われることが求められる。よって、光源20を、配線基板10より熱伝導率が大きい絶縁性の放熱基材上に設け、放熱基材を配線基板10上に設けてもよい。なお、配線基板10に用いられるFR-4と呼ばれる絶縁層は、熱伝導率が0.4W/m・K程度である。よって、放熱基材としては、熱伝導率が10W/m・K以上のものが好ましく、50W/m・K以上のものがより好ましい。そして、熱伝導率が100W/m・K以上のものがさらに好ましい。熱伝導率が10W/m・K以上のものとしては、熱伝導率が20~30W/m・Kであるアルミナ(Al)が挙げられる。また、熱伝導率が50W/m・K以上のものとしては、熱伝導率が85W/m・K程度の窒化シリコン(Si)が挙げられる。さらに、熱伝導率が100W/m・K以上のものとしては、熱伝導率が150~250W/m・Kの窒化アルミニウム(AlN)が挙げられる。これらは、セラミック材料と表記されることがある。そして、放熱基材は、全体がセラミック材料で構成されているとよい。また、放熱基材は、不純物がドープされていないシリコン(Si)など他の熱伝導率が大きい絶縁性の材料であってもよい。
【0090】
また、本実施の形態が適用される発光装置4では、低ESLキャパシタであるキャパシタ70Aと非ESLキャパシタであるキャパシタ70Bとを用いたが、寄生容量によるキャパシタ70Cの容量が大きければ、低ESLキャパシタであるキャパシタ70Aを用いなくともよい。
【0091】
さらに、本実施の形態が適用される発光装置4では、配線基板10の第1の配線層におけるアノード配線13Fと第2の配線層における基準電位配線14Mとの間に生じる寄生容量をキャパシタ70Cとして用いた。絶縁層11A内のアノード配線13Fに対向する位置に基準電位が供給される配線層(ここでは、キャパシタ層と表記する。)を設け、アノード配線13Fとキャパシタ層とで構成される容量をキャパシタ70Cとして用いてもよい。アノード配線13Fとキャパシタ層とで構成される容量は、容量成分の他の一例である。
【0092】
なお、本実施の形態が適用される発光装置4では、配線基板10の表面上に光源20と駆動部50とが設けられていたが、光源20が設けられた回路基板と、駆動部50が設けられた回路基板とが別に構成され、それらがFFC(Flexible Flat Cable)やFPC(Flexible Printed Circuit)などで接続されてもよい。
【0093】
また、本実施の形態が適用される発光装置4では、光学部材の一例として、拡散により入射する光の拡がり角を広げるように変化させて出射する光拡散部材30を用いた。光学部材は、入射する光の方向と異なる方向に変化させて出射する回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element)などであってもよい。また、光学部材は、集光レンズ、マイクロレンズ、保護カバーなどの透明部材であってもよい。
【符号の説明】
【0094】
1…計測装置、3…光学装置、4、4′…発光装置、5…3Dセンサ、8…制御部、10…配線基板、11、11A、11B、11C…絶縁層、12…カソード配線、13F…アノード配線、13M…電源電位配線、13V、14V、14-1V、14-3V…貫通導体、14F、14-1F、14-2F、14-3F、14M…基準電位配線、15-1、15-2…信号配線、20…光源、21A、21B、22A、22B…側面、23…ボンディングワイヤ、30…光拡散部材、50…駆動部、51…MOSトランジスタ、52…信号発生回路、60…保持部、70、70A、70B、70C…キャパシタ、81…三次元形状特定部、82…電源、83…電源線、84…基準線、200…半導体基板、202…下部DBR、206…活性領域、208…上部DBR、210…電流狭窄層、210A…酸化領域、210B…導電領域、214…カソード電極、218…アノード電極、M…メサ、VCSEL…垂直共振器面発光レーザ素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10