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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】コネクタ付き多心ケーブル
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6466 20110101AFI20231219BHJP
   H01R 12/72 20110101ALI20231219BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
H01R13/6466
H01R12/72
H05K1/02 N
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020039103
(22)【出願日】2020-03-06
(65)【公開番号】P2021140992
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】横田 直茂
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 昌輝
【審査官】長清 吉範
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-67541(JP,A)
【文献】特開2017-27721(JP,A)
【文献】特開2016-110715(JP,A)
【文献】特開2009-212263(JP,A)
【文献】国際公開第2019/004332(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/6466
H01R 12/72
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1中心導体を備えた第1同軸電線と、
第2中心導体を備えた第2同軸電線と、
第3中心導体を備えた第3同軸電線と、
第4中心導体を備えた第4同軸電線と、
前記第1同軸電線の一端、前記第2同軸電線の一端、前記第3同軸電線の一端及び前記第4同軸電線の一端に接続されたコネクタと、
を有し、
前記コネクタは、第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを備えた基板を有し、
前記基板は、
前記第1面に設けられ、前記第1中心導体が接続された第1パッドと、
前記第1面に設けられ、前記第2中心導体が接続された第2パッドと、
前記第2面に設けられ、前記第3中心導体が接続された第3パッドと、
前記第2面に設けられ、前記第4中心導体が接続された第4パッドと、
前記第1面と前記第2面との間に設けられたグランド層と、
を有し、
前記第1パッドと前記第2パッドとは特定の第1方向に並んで配置され、
前記第3パッドと前記第4パッドとは前記第1方向に並んで配置され、
前記コネクタは、
前記第1面上で前記第1パッドと前記第2パッドとの間に設けられ、前記グランド層に接続された第1グランドガードと、
前記第2面上で前記第3パッドと前記第4パッドとの間に設けられ、前記グランド層に接続された第2グランドガードと、
を有し、
前記第1グランドガード及び前記第2グランドガードは、それぞれ、キャパシタ又は集積回路チップを含み、
前記第1方向から視たときに、
前記第1グランドガードの投影像は、前記第1パッドと前記第1中心導体の前記第1面の上面視で前記第1パッドに重なる部分とにより構成される第1積層構造の投影像の50%以上と重なり、
前記第1グランドガードの投影像は、前記第2パッドと前記第2中心導体の前記上面視で前記第2パッドに重なる部分とにより構成される第2積層構造の投影像の50%以上と重なり、
前記第2グランドガードの投影像は、前記第3パッドと前記第3中心導体の前記上面視で前記第3パッドに重なる部分とにより構成される第3積層構造の投影像の50%以上と重なり、
前記第2グランドガードの投影像は、前記第4パッドと前記第4中心導体の前記上面視で前記第4パッドに重なる部分とにより構成される第4積層構造の投影像の50%以上と重なるコネクタ付き多心ケーブル。
【請求項2】
前記第1方向から視たときに、
前記第1グランドガードの第1面に平行な方向の位置は、前記第1パッドの前記第1面に平行な方向の位置の50%以上と重なり、
前記第1グランドガードの第1面に平行な方向の位置は、前記第2パッドの前記第1面に平行な方向の位置の50%以上と重なり、
前記第2グランドガードの第1面に平行な方向の位置は、前記第3パッドの前記第1面に平行な方向の位置の50%以上と重なり、
前記第2グランドガードの第1面に平行な方向の位置は、前記第4パッドの前記第1面に平行な方向の位置の50%以上と重なる請求項1に記載のコネクタ付き多心ケーブル。
【請求項3】
前記第1グランドガードの前記第1面からの第1最大高さは、前記第1パッド上における前記第1中心導体の第1頂部と前記第1面との間の第1距離以上であり、
前記第1最大高さは、前記第2パッド上における前記第2中心導体の第2頂部と前記第1面との間の第2距離以上であり、
前記第2グランドガードの前記第2面からの第2最大高さは、前記第3パッド上における前記第3中心導体の第3頂部と前記第2面との間の第3距離以上であり、
前記第2最大高さは、前記第4パッド上における前記第4中心導体の第4頂部と前記第2面との間の第4距離以上である請求項1または請求項2に記載のコネクタ付き多心ケーブル。
【請求項4】
前記第1同軸電線は、
前記第1中心導体の周囲に設けられた第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の周囲に設けられた第1外部導体と、
前記第1外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第1外被と、
を有し、
前記第2同軸電線は、
前記第2中心導体の周囲に設けられた第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の周囲に設けられた第2外部導体と、
前記第2外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第2外被と、
を有し、
前記第3同軸電線は、
前記第3中心導体の周囲に設けられた第3絶縁層と、
前記第3絶縁層の周囲に設けられた第3外部導体と、
前記第3外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第3外被と、
を有し、
前記第4同軸電線は、
前記第4中心導体の周囲に設けられた第4絶縁層と、
前記第4絶縁層の周囲に設けられた第4外部導体と、
前記第4外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第4外被と、
を有し、
前記基板は、
前記第1面に設けられ、前記第1外部導体が接続された第1グランドパッドと、
前記第1面に設けられ、前記第2外部導体が接続された第2グランドパッドと、
前記第2面に設けられ、前記第3外部導体が接続された第3グランドパッドと、
前記第2面に設けられ、前記第4外部導体が接続された第4グランドパッドと、
を有し、
前記第1最大高さは、前記第1グランドパッド上における前記第1中心導体の第5頂部と前記第1面との間の第5距離以上であり、
前記第1最大高さは、前記第2グランドパッド上における前記第2中心導体の第6頂部と前記第1面との間の第6距離以上であり、
前記第2最大高さは、前記第3グランドパッド上における前記第3中心導体の第7頂部と前記第2面との間の第7距離以上であり、
前記第2最大高さは、前記第4グランドパッド上における前記第4中心導体の第8頂部と前記第2面との間の第8距離以上である請求項3に記載のコネクタ付き多心ケーブル。
【請求項5】
前記第1パッドは、前記第1面に垂直な第2方向において、前記第3パッドに対向し、
前記第2パッドは、前記第1面に垂直な第2方向において、前記第4パッドに対向し、
前記グランド層は、前記第1面に垂直な第2方向において、
前記第1パッドと前記第3パッドとの間の第1グランド部と、
前記第2パッドと前記第4パッドとの間の第2グランド部と、
を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコネクタ付き多心ケーブル。
【請求項6】
第5中心導体を備えた第5同軸電線と、
第6中心導体を備えた第6同軸電線と、
第7中心導体を備えた第7同軸電線と、
第8中心導体を備えた第8同軸電線と、
を有し、
前記コネクタに、前記第5同軸電線の一端、前記第6同軸電線の一端、前記第7同軸電線の一端及び前記第8同軸電線の一端が接続され、
前記基板は、
前記第1面に設けられ、前記第5中心導体が接続された第5パッドと、
前記第1面に設けられ、前記第6中心導体が接続された第6パッドと、
前記第2面に設けられ、前記第7中心導体が接続された第7パッドと、
前記第2面に設けられ、前記第8中心導体が接続された第8パッドと、
を有し、
前記第1同軸電線と前記第5同軸電線とに第1差動信号が伝送され、
前記第2同軸電線と前記第6同軸電線とに第2差動信号が伝送され、
前記第3同軸電線と前記第7同軸電線とに第3差動信号が伝送され、
前記第4同軸電線と前記第8同軸電線とに第4差動信号が伝送され、
前記第1方向において、前記第1パッドが前記第1グランドガードと前記第5パッドとの間に設けられ、
前記第1方向において、前記第2パッドが前記第1グランドガードと前記第6パッドとの間に設けられ、
前記第1方向において、前記第3パッドが前記第2グランドガードと前記第7パッドとの間に設けられ、
前記第1方向において、前記第4パッドが前記第2グランドガードと前記第8パッドとの間に設けられている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコネクタ付き多心ケーブル。
【請求項7】
前記第1方向における前記第1パッドと前記第2パッドとの間の第9距離は、前記第1方向に延び、前記第1パッド及び前記第2パッドを通る直線が前記基板の縁と交わる2点の間の第10距離の30%以上であり、
前記第1方向における前記第3パッドと前記第4パッドとの間の第11距離は、前記第1方向に延び、前記第3パッド及び前記第4パッドを通る直線が前記基板の縁と交わる2点の間の第12距離の30%以上である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のコネクタ付き多心ケーブル。
【請求項8】
前記第1面上で前記第1パッドと前記第2パッドとの間に複数の前記第1グランドガードが設けられ、
前記第1方向から視たときに、複数の前記第1グランドガードの投影像を重ねて得られる第1合成投影像は、前記第1積層構造の投影像の50%以上と重なり、前記第2積層構造の投影像の50%以上と重なる請求項1から請求項のいずれか1項に記載のコネクタ付き多心ケーブル。
【請求項9】
前記第2面上で前記第3パッドと前記第4パッドとの間に複数の前記第2グランドガードが設けられ、
前記第1方向から視たときに、複数の前記第2グランドガードの投影像を重ねて得られる第2合成投影像は、前記第3積層構造の投影像の50%以上と重なり、前記第4積層構造の投影像の50%以上と重なる請求項1から請求項のいずれか1項に記載のコネクタ付き多心ケーブル。
【請求項10】
第1同軸電線と、
第2同軸電線と、
第3同軸電線と、
第4同軸電線と、
第5同軸電線と、
第6同軸電線と、
第7同軸電線と、
第8同軸電線と、
前記第1同軸電線の一端、前記第2同軸電線の一端、前記第3同軸電線の一端、前記第4同軸電線の一端、前記第5同軸電線の一端、前記第6同軸電線の一端、前記第7同軸電線の一端及び前記第8同軸電線の一端に接続されたコネクタと、
を有し、
前記第1同軸電線は、
第1中心導体と、
前記第1中心導体の周囲に設けられた第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の周囲に設けられた第1外部導体と、
前記第1外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第1外被と、
を有し、
前記第2同軸電線は、
第2中心導体と、
前記第2中心導体の周囲に設けられた第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の周囲に設けられた第2外部導体と、
前記第2外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第2外被と、
を有し、
前記第3同軸電線は、
第3中心導体と、
前記第3中心導体の周囲に設けられた第3絶縁層と、
前記第3絶縁層の周囲に設けられた第3外部導体と、
前記第3外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第3外被と、
を有し、
前記第4同軸電線は、
第4中心導体と、
前記第4中心導体の周囲に設けられた第4絶縁層と、
前記第4絶縁層の周囲に設けられた第4外部導体と、
前記第4外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第4外被と、
を有し、
前記第5同軸電線は、
第5中心導体と、
前記第5中心導体の周囲に設けられた第5絶縁層と、
前記第5絶縁層の周囲に設けられた第5外部導体と、
前記第5外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第5外被と、
を有し、
前記第6同軸電線は、
第6中心導体と、
前記第6中心導体の周囲に設けられた第6絶縁層と、
前記第6絶縁層の周囲に設けられた第6外部導体と、
前記第6外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第6外被と、
を有し、
前記第7同軸電線は、
第7中心導体と、
前記第7中心導体の周囲に設けられた第7絶縁層と、
前記第7絶縁層の周囲に設けられた第7外部導体と、
前記第7外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第7外被と、
を有し、
前記第8同軸電線は、
第8中心導体と、
前記第8中心導体の周囲に設けられた第8絶縁層と、
前記第8絶縁層の周囲に設けられた第8外部導体と、
前記第8外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第8外被と、
を有し、
前記第1同軸電線と前記第5同軸電線とに第1差動信号が伝送され、
前記第2同軸電線と前記第6同軸電線とに第2差動信号が伝送され、
前記第3同軸電線と前記第7同軸電線とに第3差動信号が伝送され、
前記第4同軸電線と前記第8同軸電線とに第4差動信号が伝送され、
前記コネクタは、第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、コネクタ挿入方向の先端の面であって前記第1面と前記第2面をつなぐ第3面と、を備えた基板を有し、
前記基板は、
前記第1面に設けられ、前記第1中心導体が接続された第1パッドと、
前記第1面に設けられ、前記第2中心導体が接続された第2パッドと、
前記第2面に設けられ、前記第3中心導体が接続された第3パッドと、
前記第2面に設けられ、前記第4中心導体が接続された第4パッドと、
前記第1面に設けられ、前記第5中心導体が接続された第5パッドと、
前記第1面に設けられ、前記第6中心導体が接続された第6パッドと、
前記第2面に設けられ、前記第7中心導体が接続された第7パッドと、
前記第2面に設けられ、前記第8中心導体が接続された第8パッドと、
前記第1面に設けられ、前記第1外部導体及び前記第5外部導体が接続された第1グランドパッドと、
前記第1面に設けられ、前記第2外部導体及び前記第6外部導体が接続された第2グランドパッドと、
前記第2面に設けられ、前記第3外部導体及び前記第7外部導体が接続された第3グランドパッドと、
前記第2面に設けられ、前記第4外部導体及び前記第8外部導体が接続された第4グランドパッドと、
前記第1面と前記第2面との間に設けられたグランド層と、
を有し、
前記第1面の上面視で、前記第1パッドと前記第2パッドとは前記第3面に平行な第1方向に並んで配置され、
前記第3パッドと前記第4パッドとは前記第1方向に並んで配置され、
前記第1面に垂直な第2方向において、前記第1パッドは、前記第3パッドに対向し、
前記第1面に垂直な第2方向において、前記第2パッドは、前記第4パッドに対向し、
前記コネクタは、
前記第1面上で前記第1パッドと前記第2パッドとの間に設けられ、前記グランド層に接続されたキャパシタを含む第1グランドガードと、
前記第2面上で前記第3パッドと前記第4パッドとの間に設けられ、前記グランド層に接続されたキャパシタを含む第2グランドガードと、
を有し、
前記第1方向において、前記第1パッドが前記第1グランドガードと前記第5パッドとの間に設けられ、
前記第1方向において、前記第2パッドが前記第1グランドガードと前記第6パッドとの間に設けられ、
前記第1方向において、前記第3パッドが前記第2グランドガードと前記第7パッドとの間に設けられ、
前記第1方向において、前記第4パッドが前記第2グランドガードと前記第8パッドとの間に設けられ、
前記第1方向から視たときに、
前記第1グランドガードの投影像は、前記第1パッドと前記第1中心導体の前記第1面の上面視で前記第1パッドに重なる部分とにより構成される第1積層構造の投影像の50%以上と重なり、
前記第1グランドガードの投影像は、前記第2パッドと前記第2中心導体の前記上面視で前記第2パッドに重なる部分とにより構成される第2積層構造の投影像の50%以上と重なり、
前記第2グランドガードの投影像は、前記第3パッドと前記第3中心導体の前記上面視で前記第3パッドに重なる部分とにより構成される第3積層構造の投影像の50%以上と重なり、
前記第2グランドガードの投影像は、前記第4パッドと前記第4中心導体の前記上面視で前記第4パッドに重なる部分とにより構成される第4積層構造の投影像の50%以上と重なり、
前記グランド層は、前記第1面に垂直な第2方向において、
前記第1パッドと前記第3パッドとの間の第1グランド部と、
前記第2パッドと前記第4パッドとの間の第2グランド部と、
を有するコネクタ付き多心ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ付き多心ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器間の伝送に用いられるコネクタ付き多心ケーブルとして、コネクタの上下を問わずに電子機器に接続できるコネクタ付き多心ケーブルが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-69152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の多心ケーブルによれば所期の目的は達成できるものの、伝送される信号の周波数が高くなると、クロストークが生じるおそれがある。
【0005】
本開示は、クロストークを低減できるコネクタ付き多心ケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のコネクタ付き多心ケーブルは、第1中心導体を備えた第1同軸電線と、第2中心導体を備えた第2同軸電線と、第3中心導体を備えた第3同軸電線と、第4中心導体を備えた第4同軸電線と、前記第1同軸電線の一端、前記第2同軸電線の一端、前記第3同軸電線の一端及び前記第4同軸電線の一端に接続されたコネクタと、を有し、前記コネクタは、第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを備えた基板を有し、前記基板は、前記第1面に設けられ、前記第1中心導体が接続された第1パッドと、前記第1面に設けられ、前記第2中心導体が接続された第2パッドと、前記第2面に設けられ、前記第3中心導体が接続された第3パッドと、前記第2面に設けられ、前記第4中心導体が接続された第4パッドと、前記第1面と前記第2面との間に設けられたグランド層と、を有し、前記第1パッドと前記第2パッドとは特定の第1方向に並んで配置され、前記第3パッドと前記第4パッドとは前記第1方向に並んで配置され、前記コネクタは、前記第1面上で前記第1パッドと前記第2パッドとの間に設けられ、前記グランド層に接続された第1グランドガードと、前記第2面上で前記第3パッドと前記第4パッドとの間に設けられ、前記グランド層に接続された第2グランドガードと、を有し、前記第1方向から視たときに、前記第1グランドガードの投影像は、前記第1パッドと前記第1中心導体の前記第1面の上面視で前記第1パッドに重なる部分とにより構成される第1積層構造の投影像の50%以上と重なり、前記第1グランドガードの投影像は、前記第2パッドと前記第2中心導体の前記上面視で前記第2パッドに重なる部分とにより構成される第2積層構造の投影像の50%以上と重なり、前記第2グランドガードの投影像は、前記第3パッドと前記第3中心導体の前記上面視で前記第3パッドに重なる部分とにより構成される第3積層構造の投影像の50%以上と重なり、前記第2グランドガードの投影像は、前記第4パッドと前記第4中心導体の前記上面視で前記第4パッドに重なる部分とにより構成される第4積層構造の投影像の50%以上と重なる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、クロストークを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るコネクタ付き多心ケーブルの構成を示す斜視図である。
図2図2は、第1基板に設けられたパッド及びコネクタパッドの一例を示す上面図である。
図3図3は、第1基板に設けられたパッド及びコネクタパッドの一例を示す下面図である。
図4図4は、第1基板、同軸電線、電線及びキャパシタを示す上面図である。
図5図5は、第1基板、同軸電線、電線、キャパシタ及びICチップを示す下面図である。
図6図6は、第1基板、同軸電線及びキャパシタを示す断面図(その1)である。
図7図7は、第1基板、同軸電線及びキャパシタを示す断面図(その2)である。
図8図8は、第1基板、同軸電線及びキャパシタを示す断面図(その3)である。
図9図9は、第1基板、同軸電線及びキャパシタを示す断面図(その4)である。
図10図10は、第1基板、同軸電線、キャパシタ及びICチップを示す断面図である。
図11図11は、第1基板、電線、キャパシタ及びICチップを示す断面図である。
図12図12は、第2基板に設けられたパッド及びコネクタパッドの一例を示す上面図である。
図13図13は、第2基板に設けられたパッド及びコネクタパッドの一例を示す下面図である。
図14図14は、第2基板、同軸電線、電線及びキャパシタを示す上面図である。
図15図15は、第2基板、同軸電線、電線及びキャパシタを示す下面図である。
図16図16は、第2基板、同軸電線、電線及びキャパシタを示す断面図である。
図17図17は、第2基板の第2面におけるグランドガードの変形例を示す下面図である。
図18図18は、第2基板の第2面におけるグランドガードの変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施するための形態について、以下に説明する。
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
【0011】
〔1〕 本開示の一態様に係るコネクタ付き多心ケーブルは、第1中心導体を備えた第1同軸電線と、第2中心導体を備えた第2同軸電線と、第3中心導体を備えた第3同軸電線と、第4中心導体を備えた第4同軸電線と、前記第1同軸電線の一端、前記第2同軸電線の一端、前記第3同軸電線の一端及び前記第4同軸電線の一端に接続されたコネクタと、を有し、前記コネクタは、第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを備えた基板を有し、前記基板は、前記第1面に設けられ、前記第1中心導体が接続された第1パッドと、前記第1面に設けられ、前記第2中心導体が接続された第2パッドと、前記第2面に設けられ、前記第3中心導体が接続された第3パッドと、前記第2面に設けられ、前記第4中心導体が接続された第4パッドと、前記第1面と前記第2面との間に設けられたグランド層と、を有し、前記第1パッドと前記第2パッドとは特定の第1方向に並んで配置され、前記第3パッドと前記第4パッドとは前記第1方向に並んで配置され、前記コネクタは、前記第1面上で前記第1パッドと前記第2パッドとの間に設けられ、前記グランド層に接続された第1グランドガードと、前記第2面上で前記第3パッドと前記第4パッドとの間に設けられ、前記グランド層に接続された第2グランドガードと、を有し、前記第1方向から視たときに、前記第1グランドガードの投影像は、前記第1パッドと前記第1中心導体の前記第1面の上面視で前記第1パッドに重なる部分とにより構成される第1積層構造の投影像の50%以上と重なり、前記第1グランドガードの投影像は、前記第2パッドと前記第2中心導体の前記上面視で前記第2パッドに重なる部分とにより構成される第2積層構造の投影像の50%以上と重なり、前記第2グランドガードの投影像は、前記第3パッドと前記第3中心導体の前記上面視で前記第3パッドに重なる部分とにより構成される第3積層構造の投影像の50%以上と重なり、前記第2グランドガードの投影像は、前記第4パッドと前記第4中心導体の前記上面視で前記第4パッドに重なる部分とにより構成される第4積層構造の投影像の50%以上と重なる。
【0012】
第1中心導体、第2中心導体がそれぞれ第1パッド、第2パッドに接続され、第3中心導体、第4中心導体がそれぞれ第3パッド、第4パッドに接続されている。第1パッドと第2パッドとの間に第1グランドガードが設けられ、第3パッドと第4パッドとの間に第2グランドガードが設けられている。第1グランドガード及び第2グランドガードはグランド層に接続されている。第1方向から視たときに、第1グランドガードの投影像は、第1積層構造の投影像の50%以上と重なり、第2積層構造の投影像の50%以上と重なり、第2グランドガードの投影像は、第3積層構造の投影像の50%以上と重なり、第4積層構造の投影像の50%以上と重なる。従って、第1同軸電線、第2同軸電線、第3同軸電線及び第4同軸電線を介して伝送される信号の周波数が高い場合であっても、例えば周波数が20GHz程度の場合であっても、第1同軸電線と第2同軸電線との間のクロストーク、及び第3同軸電線と第4同軸電線との間のクロストークを抑制できる。
【0013】
〔2〕 〔1〕において、前記第1方向から視たときに、前記第1グランドガードの第1面に平行な方向の位置は、前記第1パッドの前記第1面に平行な方向の位置の50%以上と重なり、前記第1グランドガードの第1面に平行な方向の位置は、前記第2パッドの前記第1面に平行な方向の位置の50%以上と重なり、前記第2グランドガードの第1面に平行な方向の位置は、前記第3パッドの前記第1面に平行な方向の位置の50%以上と重なり、前記第2グランドガードの第1面に平行な方向の位置は、前記第4パッドの前記第1面に平行な方向の位置の50%以上と重なってもよい。クロストークを抑制しやすい。
【0014】
〔3〕 〔1〕又は〔2〕において、前記第1グランドガードの前記第1面からの第1最大高さは、前記第1パッド上における前記第1中心導体の第1頂部と前記第1面との間の第1距離以上であり、前記第1最大高さは、前記第2パッド上における前記第2中心導体の第2頂部と前記第1面との間の第2距離以上であり、前記第2グランドガードの前記第2面からの第2最大高さは、前記第3パッド上における前記第3中心導体の第3頂部と前記第2面との間の第3距離以上であり、前記第2最大高さは、前記第4パッド上における前記第4中心導体の第4頂部と前記第2面との間の第4距離以上であってもよい。クロストークを抑制しやすい。
【0015】
〔4〕 〔3〕において、前記第1同軸電線は、前記第1中心導体の周囲に設けられた第1絶縁層と、前記第1絶縁層の周囲に設けられた第1外部導体と、前記第1外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第1外被と、を有し、前記第2同軸電線は、前記第2中心導体の周囲に設けられた第2絶縁層と、前記第2絶縁層の周囲に設けられた第2外部導体と、前記第2外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第2外被と、を有し、前記第3同軸電線は、前記第3中心導体の周囲に設けられた第3絶縁層と、前記第3絶縁層の周囲に設けられた第3外部導体と、前記第3外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第3外被と、を有し、前記第4同軸電線は、前記第4中心導体の周囲に設けられた第4絶縁層と、前記第4絶縁層の周囲に設けられた第4外部導体と、前記第4外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第4外被と、を有し、前記基板は、前記第1面に設けられ、前記第1外部導体が接続された第1グランドパッドと、前記第1面に設けられ、前記第2外部導体が接続された第2グランドパッドと、前記第2面に設けられ、前記第3外部導体が接続された第3グランドパッドと、前記第2面に設けられ、前記第4外部導体が接続された第4グランドパッドと、を有し、前記第1最大高さは、前記第1グランドパッド上における前記第1中心導体の第5頂部と前記第1面との間の第5距離以上であり、前記第1最大高さは、前記第2グランドパッド上における前記第2中心導体の第6頂部と前記第1面との間の第6距離以上であり、前記第2最大高さは、前記第3グランドパッド上における前記第3中心導体の第7頂部と前記第2面との間の第7距離以上であり、前記第2最大高さは、前記第4グランドパッド上における前記第4中心導体の第8頂部と前記第2面との間の第8距離以上であってもよい。クロストークを抑制しやすい。
【0016】
〔5〕 〔1〕~〔4〕において、前記第1パッドは、前記第1面に垂直な第2方向において、前記第3パッドに対向し、前記第2パッドは、前記第1面に垂直な第2方向において、前記第4パッドに対向し、前記グランド層は、前記第1面に垂直な第2方向において、前記第1パッドと前記第3パッドとの間の第1グランド部と、前記第2パッドと前記第4パッドとの間の第2グランド部と、を有してもよい。第1同軸電線と第3同軸電線との間のクロストーク、及び第2同軸電線と第4同軸電線との間のクロストークを抑制できる。
【0017】
〔6〕 〔1〕~〔5〕において、第5中心導体を備えた第5同軸電線と、第6中心導体を備えた第6同軸電線と、第7中心導体を備えた第7同軸電線と、第8中心導体を備えた第8同軸電線と、を有し、前記コネクタに、前記第5同軸電線の一端、前記第6同軸電線の一端、前記第7同軸電線の一端及び前記第8同軸電線の一端が接続され、前記基板は、前記第1面に設けられ、前記第5中心導体が接続された第5パッドと、前記第1面に設けられ、前記第6中心導体が接続された第6パッドと、前記第2面に設けられ、前記第7中心導体が接続された第7パッドと、前記第2面に設けられ、前記第8中心導体が接続された第8パッドと、を有し、前記第1同軸電線と前記第5同軸電線とに第1差動信号が伝送され、前記第2同軸電線と前記第6同軸電線とに第2差動信号が伝送され、前記第3同軸電線と前記第7同軸電線とに第3差動信号が伝送され、前記第4同軸電線と前記第8同軸電線とに第4差動信号が伝送され、前記第1方向において、前記第1パッドが前記第1グランドガードと前記第5パッドとの間に設けられ、前記第1方向において、前記第2パッドが前記第1グランドガードと前記第6パッドとの間に設けられ、前記第1方向において、前記第3パッドが前記第2グランドガードと前記第7パッドとの間に設けられ、前記第1方向において、前記第4パッドが前記第2グランドガードと前記第8パッドとの間に設けられていてもよい。差動信号が伝送される際のクロストークを抑制できる。
【0018】
〔7〕 〔1〕~〔6〕において、前記第1方向における前記第1パッドと前記第2パッドとの間の第9距離は、前記第1方向に延び、前記第1パッド及び前記第2パッドを通る直線が前記基板の縁と交わる2点の間の第10距離の30%以上であり、前記第1方向における前記第3パッドと前記第4パッドとの間の第11距離は、前記第1方向に延び、前記第3パッド及び前記第4パッドを通る直線が前記基板の縁と交わる2点の間の第12距離の30%以上であってもよい。第1グランドガード、第2グランドガードのための領域を確保しやすい。
【0019】
〔8〕 〔1〕~〔7〕において、前記第1グランドガード及び前記第2グランドガードは、それぞれ、キャパシタ又は集積回路チップを含んでもよい。コネクタに設けられるキャパシタ又は集積回路チップにより第1グランドガード、第2グランドガードを構成することができる。
【0020】
〔9〕 〔1〕~〔8〕において、前記第1面上で前記第1パッドと前記第2パッドとの間に複数の前記第1グランドガードが設けられ、前記第1方向から視たときに、複数の前記第1グランドガードの投影像を重ねて得られる第1合成投影像は、前記第1積層構造の投影像の50%以上と重なり、前記第2積層構造の投影像の50%以上と重なってもよい。個々の第1グランドガードが小さいときでも、複数の第1グランドガードによりクロストークを抑制できる。
【0021】
〔10〕 〔1〕~〔9〕において、前記第2面上で前記第3パッドと前記第4パッドとの間に複数の前記第2グランドガードが設けられ、前記第1方向から視たときに、複数の前記第2グランドガードの投影像を重ねて得られる第2合成投影像は、前記第3積層構造の投影像の50%以上と重なり、前記第4積層構造の投影像の50%以上と重なってもよい。個々の第2グランドガードが小さいときでも、複数の第2グランドガードによりクロストークを抑制できる。
【0022】
〔11〕 本開示の他の一態様に係るコネクタ付き多心ケーブルは、第1同軸電線と、第2同軸電線と、第3同軸電線と、第4同軸電線と、第5同軸電線と、第6同軸電線と、第7同軸電線と、第8同軸電線と、前記第1同軸電線の一端、前記第2同軸電線の一端、前記第3同軸電線の一端、前記第4同軸電線の一端、前記第5同軸電線の一端、前記第6同軸電線の一端、前記第7同軸電線の一端及び前記第8同軸電線の一端に接続されたコネクタと、を有し、前記第1同軸電線は、第1中心導体と、前記第1中心導体の周囲に設けられた第1絶縁層と、前記第1絶縁層の周囲に設けられた第1外部導体と、前記第1外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第1外被と、を有し、前記第2同軸電線は、第2中心導体と、前記第2中心導体の周囲に設けられた第2絶縁層と、前記第2絶縁層の周囲に設けられた第2外部導体と、前記第2外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第2外被と、を有し、前記第3同軸電線は、第3中心導体と、前記第3中心導体の周囲に設けられた第3絶縁層と、前記第3絶縁層の周囲に設けられた第3外部導体と、前記第3外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第3外被と、を有し、前記第4同軸電線は、第4中心導体と、前記第4中心導体の周囲に設けられた第4絶縁層と、前記第4絶縁層の周囲に設けられた第4外部導体と、前記第4外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第4外被と、を有し、前記第5同軸電線は、第5中心導体と、前記第5中心導体の周囲に設けられた第5絶縁層と、前記第5絶縁層の周囲に設けられた第5外部導体と、前記第5外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第5外被と、を有し、前記第6同軸電線は、第6中心導体と、前記第6中心導体の周囲に設けられた第6絶縁層と、前記第6絶縁層の周囲に設けられた第6外部導体と、前記第6外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第6外被と、を有し、前記第7同軸電線は、第7中心導体と、前記第7中心導体の周囲に設けられた第7絶縁層と、前記第7絶縁層の周囲に設けられた第7外部導体と、前記第7外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第7外被と、を有し、前記第8同軸電線は、第8中心導体と、前記第8中心導体の周囲に設けられた第8絶縁層と、前記第8絶縁層の周囲に設けられた第8外部導体と、前記第8外部導体の周囲に設けられた絶縁性の第8外被と、を有し、前記第1同軸電線と前記第5同軸電線とに第1差動信号が伝送され、前記第2同軸電線と前記第6同軸電線とに第2差動信号が伝送され、前記第3同軸電線と前記第7同軸電線とに第3差動信号が伝送され、前記第4同軸電線と前記第8同軸電線とに第4差動信号が伝送され、前記コネクタは、第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、コネクタ挿入方向の先端の面であって前記第1面と前記第2面をつなぐ第3面と、を備えた基板を有し、前記基板は、前記第1面に設けられ、前記第1中心導体が接続された第1パッドと、前記第1面に設けられ、前記第2中心導体が接続された第2パッドと、前記第2面に設けられ、前記第3中心導体が接続された第3パッドと、前記第2面に設けられ、前記第4中心導体が接続された第4パッドと、前記第1面に設けられ、前記第5中心導体が接続された第5パッドと、前記第1面に設けられ、前記第6中心導体が接続された第6パッドと、前記第2面に設けられ、前記第7中心導体が接続された第7パッドと、前記第2面に設けられ、前記第8中心導体が接続された第8パッドと、前記第1面に設けられ、前記第1外部導体及び前記第5外部導体が接続された第1グランドパッドと、前記第1面に設けられ、前記第2外部導体及び前記第6外部導体が接続された第2グランドパッドと、前記第2面に設けられ、前記第3外部導体及び前記第7外部導体が接続された第3グランドパッドと、前記第2面に設けられ、前記第4外部導体及び前記第8外部導体が接続された第4グランドパッドと、前記第1面と前記第2面との間に設けられたグランド層と、を有し、前記第1面の上面視で、前記第1パッドと前記第2パッドとは前記第3面に平行な第1方向に並んで配置され、前記第3パッドと前記第4パッドとは前記第1方向に並んで配置され、前記第1面に垂直な第2方向において、前記第1パッドは、前記第3パッドに対向し、前記第1面に垂直な第2方向において、前記第2パッドは、前記第4パッドに対向し、前記コネクタは、前記第1面上で前記第1パッドと前記第2パッドとの間に設けられ、前記グランド層に接続されたキャパシタを含む第1グランドガードと、前記第2面上で前記第3パッドと前記第4パッドとの間に設けられ、前記グランド層に接続されたキャパシタを含む第2グランドガードと、を有し、前記第1方向において、前記第1パッドが前記第1グランドガードと前記第5パッドとの間に設けられ、前記第1方向において、前記第2パッドが前記第1グランドガードと前記第6パッドとの間に設けられ、前記第1方向において、前記第3パッドが前記第2グランドガードと前記第7パッドとの間に設けられ、前記第1方向において、前記第4パッドが前記第2グランドガードと前記第8パッドとの間に設けられ、前記第1方向から視たときに、前記第1グランドガードの投影像は、前記第1パッドと前記第1中心導体の前記第1面の上面視で前記第1パッドに重なる部分とにより構成される第1積層構造の投影像の50%以上と重なり、前記第1グランドガードの投影像は、前記第2パッドと前記第2中心導体の前記上面視で前記第2パッドに重なる部分とにより構成される第2積層構造の投影像の50%以上と重なり、前記第2グランドガードの投影像は、前記第3パッドと前記第3中心導体の前記上面視で前記第3パッドに重なる部分とにより構成される第3積層構造の投影像の50%以上と重なり、前記第2グランドガードの投影像は、前記第4パッドと前記第4中心導体の前記上面視で前記第4パッドに重なる部分とにより構成される第4積層構造の投影像の50%以上と重なり、前記グランド層は、前記第1面に垂直な第2方向において、前記第1パッドと前記第3パッドとの間の第1グランド部と、前記第2パッドと前記第4パッドとの間の第2グランド部と、を有する。
【0023】
第1~第8同軸電線を介して伝送される第1~第4差動信号の周波数が高い場合であっても、例えば周波数が20GHz程度の場合であっても、第1同軸電線と第2同軸電線との間のクロストーク、及び第3同軸電線と第4同軸電線との間のクロストークを抑制できる。
【0024】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態について詳細に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。
【0025】
〔多心ケーブルの構成〕
先ず、実施形態に係るコネクタ付き多心ケーブルの構成について説明する。図1は、実施形態に係るコネクタ付き多心ケーブルの構成を示す斜視図である。
【0026】
本実施形態に係るコネクタ付き多心ケーブル1は、例えば、電子機器(図示省略)同士を接続するケーブルとして用いることができる。なお、図1等に示すU、D、F、B、R、Lはコネクタ付き多心ケーブル1における方向を示すものであり、Uは上方、Dは下方、Fは前方、Bは後方、Rは右方、Lは左方である。RL方向は第1方向の一例であり、UD方向は第2方向の一例である。
【0027】
コネクタ付き多心ケーブル1は、図1に示すように、多心ケーブル2と第1コネクタ3と第2コネクタ4とを有している。第1コネクタ3は、多心ケーブル2の前方F側の端部に取り付けられている。第2コネクタ4は、多心ケーブル2の後方B側の端部に取り付けられている。
【0028】
コネクタ付き多心ケーブル1は、第1コネクタ3の前方F及び第2コネクタ4の後方Bに、電子機器のレセプタクル(不図示)と接続されるコネクタプラグ5を有している。コネクタプラグ5の筐体として、略長円筒状の金属シェル5aが設けられている。金属シェル5aの内部には、ピン保持板5bが収容されている。ピン保持板5bは、電子機器のレセプタクル(不図示)と接続されるコンタクトピン5cを保持する部材である。コンタクトピン5cは、第1コネクタ3及び第2コネクタ4の左方L、右方R、上方U及び下方Dの向きを逆にしても電子機器のレセプタクルに接続可能な配列となるように、ピン保持板5bに保持されている。
【0029】
第1コネクタ3は、その内部に、多心ケーブル2が接続された第1基板11を含んでいる。第1基板11は、第1面11A、第2面11B及び第3面11Cを有している。本例では、第1面11Aは第1基板11の上方U側の面であり、第2面11Bは第1基板11の下方D側の面であり、第3面11Cは第1基板11の前方F側の面である。第1基板11は、第1回路12と、第1回路12の後方B側の端部に接続されたパッド群40fと、第1回路12の前方F側の端部に接続されたコネクタパッド群60fとを有している。パッド群40fとコネクタパッド群60fは、第1基板11の第1面11A及び第2面11Bに設けられている。例えば、第1基板11の厚さは0.5mm~1.0mmである。第1基板11は略平板状に形成されている。第1基板11には、キャパシタ及び半導体集積回路(IC)チップが実装される。
【0030】
第2コネクタ4は、その内部に、多心ケーブル2が接続された第2基板13を含んでいる。第2基板13は、第1面13A、第2面13B及び第3面13Cを有している。本例では、第1面13Aは第2基板13の上方U側の面であり、第2面13Bは第2基板13の下方D側の面であり、第3面13Cは第2基板13の後方B側の面である。第2基板13は、第2回路14と、第2回路14の前方F側の端部に接続されたパッド群40bと、第2回路14の後方B側の端部に接続されたコネクタパッド群60bとを有している。パッド群40fとコネクタパッド群60fは、第2基板13の第1面13A及び第2面13Bに設けられている。例えば、第2基板13の厚さは0.5mm~1.0mmである。第2基板13は略平板状に形成されている。第2基板13には、キャパシタが実装される。
【0031】
多心ケーブル2は、高速の信号線である複数の同軸電線対と、複数の電線とを含んでいる。例えば、各同軸電線対は、高速の差動信号を伝送するために、2本一対で構成されている。同軸電線対を構成する同軸電線は、中心から外側へ順に、中心導体と、絶縁層と、外部導体と、外被とを有する。電線は、中心導体と外被とを有する絶縁電線により構成されている。
【0032】
次に、第1基板11のパッド群40fに含まれるパッド及びコネクタパッド群60fに含まれるコネクタパッドについて説明する。図2は、第1基板11に設けられたパッド及びコネクタパッドの一例を示す上面図である。図3は、第1基板11に設けられたパッド及びコネクタパッドの一例を示す下面図である。
【0033】
パッド群40fは、第1面11Aに設けられた第1面側パッド群40Afと、第2面11Bに設けられた第2面側パッド群40Bfとを有している。図2に示すように、第1面側パッド群40Afは、パッド41、42、43、44、45、46、47、48、49及び50を有する。図3に示すように、第2面側パッド群40Bfは、パッド51、52、53、54、55、56、57、58及び59を有する。
【0034】
図2に示すように、第1面11A上において、パッド45の左方Lにパッド46が設けられ、パッド45とパッド46との間に、右方Rから左方Lに向けて順に、パッド47、48、49及び50が設けられている。第1面11A上において、パッド45の前方Fにパッド41及び42が設けられ、パッド46の前方Fにパッド43及び44が設けられている。パッド42がパッド41の左方Lに設けられ、パッド44がパッド43の左方Lに設けられている。パッド43がパッド42の左方Lに設けられている。すなわち、パッド42とパッド43とは、第1面11Aの上面視で第3面11Cに平行なRL方向に並ぶ。パッド42とパッド43との間に、右方Rから左方Lに向けて順に、キャパシタ用のパッド対310、320及び330が設けられている。パッド対310は、パッド311とパッド312とを含み、パッド311がパッド312の前方Fに設けられている。パッド対320は、パッド321とパッド322とを含み、パッド321がパッド322の前方Fに設けられている。パッド対330は、パッド331とパッド332とを含み、パッド331がパッド332の前方Fに設けられている。
【0035】
図3に示すように、第2面11B上において、パッド55の左方Lにパッド56が設けられ、パッド55とパッド56との間に、右方Rから左方Lに向けて順に、パッド57、58及び59が設けられている。第2面11B上において、パッド55の前方Fにパッド51及び52が設けられ、パッド46の前方Fにパッド53及び54が設けられている。パッド52がパッド51の左方Lに設けられ、パッド54がパッド53の左方Lに設けられている。パッド53がパッド52の左方Lに設けられている。すなわち、パッド52とパッド53とは、第2面11Bの上面視で第3面11Cに平行なRL方向に並ぶ。パッド52とパッド53との間に、キャパシタ用のパッド対340が設けられている。パッド対340は、パッド341とパッド342とを含み、パッド341がパッド342の前方Fに設けられている。パッド対340とパッド52との間に、集積回路(IC)チップ用のパッド群350が設けられている。パッド群350には、複数のパッド351が含まれる。
【0036】
第1面側パッド群40Af及び第2面側パッド群40Bfは、多心ケーブル2の前方F側の端部に接続されている。
【0037】
パッド42は第1パッドの一例であり、パッド43は第2パッドの一例であり、パッド52は第3パッドの一例であり、パッド53は第4パッドの一例である。パッド41は第5パッドの一例であり、パッド44は第6パッドの一例であり、パッド51は第7パッドの一例であり、パッド54は第8パッドの一例である。パッド45は第1グランドパッドの一例であり、パッド46は第2グランドパッドの一例であり、パッド55は第3グランドパッドの一例であり、パッド56は第4グランドパッドの一例である。
【0038】
コネクタパッド群60fは、第1面11Aに設けられた第1面側コネクタパッド群60Afと、第2面11Bに設けられた第2面側コネクタパッド群60Bfとを有している。図2に示すように、第1面側コネクタパッド群60Afは、コネクタパッドA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11及びA12を有する。第1面側コネクタパッド群60AfのコネクタパッドA1~A12は、第1面11Aの左方Lから右方Rに向けて順に一列に設けられている。図3に示すように、第2面側コネクタパッド群60Bfは、コネクタパッドB1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B9、B10、B11及びB12を有する。第2面側コネクタパッド群60BfのコネクタパッドB1~B12は、第2面11Bの右方Rから左方Lに向けて順に一列に設けられている。
【0039】
第1面11Aにおいて、コネクタパッドA1及びA12は、接地用のグランド端子(GND)である。コネクタパッドA2及びA3は、高速信号送信用の端子(TX1+、TX1-)である。コネクタパッドA4及びA9は、バス給電用の端子(VBUS)である。コネクタパッドA5は、コンフィギュレーションチャンネル(Configuration Channel)端子(CC)である。コネクタパッドA6及びA7は、データ信号用の端子(D+、D-)である。コネクタパッドA8は、サイドバンド用の端子(SBU1)である。コネクタパッドA10及びA11は、高速信号受信用の端子(RX2+、RX2-)である。
【0040】
第2面11Bにおいて、コネクタパッドB1及びB12は、接地用のグランド端子(GND)である。コネクタパッドB2及びB3は、高速信号送信用の端子(TX2+、TX2-)である。コネクタパッドB4及びB9は、バス給電用の端子(VBUS)である。コネクタパッドB5は、接続電源用の端子(VCONN)である。コネクタパッドB8は、サイドバンド用の端子(SBU2)である。コネクタパッドB10及びB11は、高速信号受信用の端子(RX1+、RX1-)である。
【0041】
第1面側パッド群40Af及び第2面側パッド40群Bfは、第1回路12により、第1基板11の第1面側コネクタパッド群60Af、第2面側コネクタパッド群60Bfに接続されている。例えば、パッド41~44及び51~54は、高速信号送信用の端子(TX1+、TX1-)又は高速信号受信用の端子(RX2+、RX2-)であるコネクタパッドA2、A3、A10、A11、B2、B3、B10、B11のいずれかに接続される。例えば、パッド41はコネクタパッドA11に接続され、パッド42はコネクタパッドA10に接続され、パッド43はコネクタパッドA3に接続され、パッド44はコネクタパッドA2に接続される。例えば、パッド51はコネクタパッドB2に接続され、パッド52はコネクタパッドB3に接続され、パッド53はコネクタパッドB10に接続され、パッド54はコネクタパッドB11に接続される。
【0042】
ここで、第1基板11と、多心ケーブル2に含まれる同軸電線及び電線と、第1基板11に実装されるキャパシタ及びICチップとの関係について説明する。図4は、第1基板11、同軸電線、電線及びキャパシタを示す上面図である。図5は、第1基板11、同軸電線、電線、キャパシタ及びICチップを示す下面図である。図6図7図8及び図9は、第1基板11、同軸電線及びキャパシタを示す断面図である。図10は、第1基板11、同軸電線、キャパシタ及びICチップを示す断面図である。図11は、第1基板11、電線、キャパシタ及びICチップを示す断面図である。図6は、図4及び図5中のVI-VI線に沿った断面図に相当する。図7は、図4及び図5中のVII-VII線に沿った断面図に相当する。図8は、図4及び図5中のVIII-VIII線に沿った断面図に相当する。図9は、図4及び図5中のIX-IX線に沿った断面図に相当する。図10は、図4及び図5中のX-X線に沿った断面図に相当する。図11は、図4及び図5中のXI-XI線に沿った断面図に相当する。
【0043】
図4及び図5に示すように、多心ケーブル2は、同軸電線110、120、130、140、150、160、170及び180を含む。同軸電線110及び120が同軸電線対101に含まれる。同軸電線130及び140が同軸電線対102に含まれる。同軸電線150及び160が同軸電線対103に含まれる。同軸電線170及び180が同軸電線対104に含まれる。同軸電線対101を介して第1差動信号が伝送され、同軸電線対102を介して第2差動信号が伝送され、同軸電線対103を介して第3差動信号が伝送され、同軸電線対104を介して第4差動信号が伝送される。
【0044】
図4及び図6に示すように、同軸電線110は、中心導体111と、中心導体111の周囲に設けられた絶縁層112と、絶縁層112の周囲に設けられた外部導体113と、外部導体113の周囲に設けられた絶縁性の外被114とを含む。中心導体111がパッド41に接続され、外部導体113がパッド45に接続されている。同軸電線110は第5同軸電線の一例であり、中心導体111は第5中心導体の一例であり、絶縁層112は第5絶縁層の一例であり、外部導体113は第5外部導体の一例であり、外被114は第5外被の一例である。
【0045】
図4及び図7に示すように、同軸電線120は、中心導体121と、中心導体121の周囲に設けられた絶縁層122と、絶縁層122の周囲に設けられた外部導体123と、外部導体123の周囲に設けられた絶縁性の外被124とを含む。中心導体121がパッド42に接続され、外部導体123がパッド45に接続されている。同軸電線120は第1同軸電線の一例であり、中心導体121は第1中心導体の一例であり、絶縁層122は第1絶縁層の一例であり、外部導体123は第1外部導体の一例であり、外被124は第1外被の一例である。
【0046】
図4及び図8に示すように、同軸電線130は、中心導体131と、中心導体131の周囲に設けられた絶縁層132と、絶縁層132の周囲に設けられた外部導体133と、外部導体133の周囲に設けられた絶縁性の外被134とを含む。中心導体131がパッド43に接続され、外部導体133がパッド46に接続されている。同軸電線130は第2同軸電線の一例であり、中心導体131は第2中心導体の一例であり、絶縁層132は第2絶縁層の一例であり、外部導体133は第2外部導体の一例であり、外被134は第2外被の一例である。
【0047】
図4及び図9に示すように、同軸電線140は、中心導体141と、中心導体141の周囲に設けられた絶縁層142と、絶縁層142の周囲に設けられた外部導体143と、外部導体143の周囲に設けられた絶縁性の外被144とを含む。中心導体141がパッド44に接続され、外部導体143がパッド46に接続されている。同軸電線140は第6同軸電線の一例であり、中心導体141は第6中心導体の一例であり、絶縁層142は第6絶縁層の一例であり、外部導体143は第6外部導体の一例であり、外被144は第6外被の一例である。
【0048】
図5及び図6に示すように、同軸電線150は、中心導体151と、中心導体151の周囲に設けられた絶縁層152と、絶縁層152の周囲に設けられた外部導体153と、外部導体153の周囲に設けられた絶縁性の外被154とを含む。中心導体151がパッド51に接続され、外部導体153がパッド55に接続されている。同軸電線150は第7同軸電線の一例であり、中心導体151は第7中心導体の一例であり、絶縁層152は第7絶縁層の一例であり、外部導体153は第7外部導体の一例であり、外被154は第7外被の一例である。
【0049】
図5及び図7に示すように、同軸電線160は、中心導体161と、中心導体161の周囲に設けられた絶縁層162と、絶縁層162の周囲に設けられた外部導体163と、外部導体163の周囲に設けられた絶縁性の外被164とを含む。中心導体161がパッド52に接続され、外部導体163がパッド55に接続されている。同軸電線160は第3同軸電線の一例であり、中心導体161は第3中心導体の一例であり、絶縁層162は第3絶縁層の一例であり、外部導体163は第3外部導体の一例であり、外被164は第3外被の一例である。
【0050】
図5及び図8に示すように、同軸電線170は、中心導体171と、中心導体171の周囲に設けられた絶縁層172と、絶縁層172の周囲に設けられた外部導体173と、外部導体173の周囲に設けられた絶縁性の外被174とを含む。中心導体171がパッド53に接続され、外部導体173がパッド56に接続されている。同軸電線170は第4同軸電線の一例であり、中心導体171は第4中心導体の一例であり、絶縁層172は第4絶縁層の一例であり、外部導体173は第4外部導体の一例であり、外被174は第4外被の一例である。
【0051】
図5及び図9に示すように、同軸電線180は、中心導体181と、中心導体181の周囲に設けられた絶縁層182と、絶縁層182の周囲に設けられた外部導体183と、外部導体183の周囲に設けられた絶縁性の外被184とを含む。中心導体181がパッド54に接続され、外部導体183がパッド56に接続されている。同軸電線180は第8同軸電線の一例であり、中心導体181は第8中心導体の一例であり、絶縁層182は第8絶縁層の一例であり、外部導体183は第8外部導体の一例であり、外被184は第8外被の一例である。
【0052】
図4図5図10及び図11に示すように、キャパシタ81、82、83及び84が第1基板11に実装されている。キャパシタ81~84は直方体形状を有する。例えば、キャパシタ81~84の幅は0.4mm以上0.6mm以下、長さは0.9mm以上1.1mm以下、高さは0.4mm以上0.6mm以下である。キャパシタ81~84は長さ方向の両端に2つの電極(図示略)を備えている。キャパシタ81~83は第1面11A上に設けられ、キャパシタ84は第2面11B上に設けられている。キャパシタ81の一方の電極が導電性接合材411を介してパッド311に接続され、他方の電極が導電性接合材412を介してパッド312に接続されている。キャパシタ82の一方の電極が導電性接合材421を介してパッド321に接続され、他方の電極が導電性接合材422を介してパッド322に接続されている。キャパシタ83の一方の電極が導電性接合材431を介してパッド331に接続され、他方の電極が導電性接合材432を介してパッド332に接続されている。キャパシタ84の一方の電極が導電性接合材441を介してパッド341に接続され、他方の電極が導電性接合材442を介してパッド342に接続されている。
【0053】
キャパシタ81と、パッド311と、パッド312と、導電性接合材411と、導電性接合材412とがグランドガード410に含まれる。キャパシタ82と、パッド321と、パッド322と、導電性接合材421と、導電性接合材422とがグランドガード420に含まれる。キャパシタ83と、パッド331と、パッド332と、導電性接合材431と、導電性接合材432とがグランドガード430に含まれる。キャパシタ84と、パッド341と、パッド342と、導電性接合材441と、導電性接合材442とがグランドガード440に含まれる。グランドガード410、420及び430は第1グランドガードの一例であり、グランドガード440は第2グランドガードの一例である。
【0054】
図5図10及び図11に示すように、ICチップ91が第1基板11に実装されている。ICチップ91は第2面11B上に設けられている。ICチップ91は複数の電極(図示略)を備えており、それぞれ導電性接合材451を介してパッド351に接続されている。ICチップ91と、複数のパッド351と、複数の導電性接合材451とがグランドガード450に含まれる。グランドガード450は第2グランドガードの一例である。
【0055】
導電性接合材411、412、421、422、431、432、441、442及び451は、例えば、はんだである。
【0056】
図4及び図5に示すように、多心ケーブル2は、例えば7本の電線210を含む。電線210は、それぞれ、導体211と、導体211の周囲に設けられた絶縁層212とを含む。各電線210の導体211は、パッド47、48、49、50、57、58、59のいずれかに接続されている。
【0057】
図6図11に示すように、第1基板11は、複数の絶縁層71と、複数の絶縁層71の間に設けられたグランド層72とを有する。絶縁層71内には、それぞれがグランド層72とパッド45、46、55、56とを接続する導電ビア73が設けられている。絶縁層71内には、それぞれがグランド層72とパッド312、322、332、342とを接続する導電ビア74が設けられている。絶縁層71内には、グランド層72と1つのパッド351とを接続する導電ビア75が設けられている。パッド42は、UD方向においてパッド52に対向し、パッド43は、UD方向においてパッド53に対向する。グランド層72は、パッド42とパッド52との間の第1グランド部78と、パッド43とパッド53との間の第2グランド部79とを含む。パッド41がUD方向においてパッド52に対向し、パッド44がUD方向においてパッド54に対向してもよい。例えば、第1グランド部78は、パッド41とパッド51との間まで広がるようにして形成されており、第2グランド部79は、パッド44とパッド54との間まで広がるようにして形成されている。
【0058】
RL方向から視たときに、グランドガード410、420及び430の各々の投影像は、パッド42と中心導体121の第1面11Aの上面視でパッド42に重なる部分とにより構成される積層構造202(図7参照)の投影像の50%以上と重なり、パッド43と中心導体131の第1面11Aの上面視でパッド43に重なる部分とにより構成される積層構造203(図8参照)の投影像の50%以上と重なる。RL方向から視たときに、グランドガード410、420及び430の各々の投影像は、積層構造202の投影像及び積層構造203の投影像の70%以上と重なることが好ましい。RL方向から視たときに、グランドガード410、420及び430の各々の投影像は、積層構造202の投影像及び積層構造203の投影像の90%以上と重なることがより好ましい。RL方向から視たときに、パッド41と中心導体111の第1面11Aの上面視でパッド41に重なる部分とにより構成される積層構造201(図6参照)の投影像が積層構造202の投影像と重なってもよく、パッド44と中心導体141の第1面11Aの上面視でパッド44に重なる部分とにより構成される積層構造204(図9参照)の投影像が積層構造203の投影像と重なってもよい。積層構造202は第1積層構造の一例であり、積層構造203は第2積層構造の一例である。
【0059】
RL方向から視たときに、グランドガード440及び450の各々の投影像は、パッド52と中心導体161の第2面11Bの下面視でパッド52に重なる部分とにより構成される積層構造206(図7参照)の投影像の50%以上と重なり、パッド53と中心導体171の第2面11Bの下面視でパッド53に重なる部分とにより構成される積層構造207(図8参照)の投影像の50%以上と重なる。RL方向から視たときに、グランドガード440及び450の各々の投影像は、積層構造206の投影像及び積層構造207の投影像の70%以上と重なることが好ましい。RL方向から視たときに、グランドガード440及び450の各々の投影像は、積層構造206の投影像及び積層構造207の投影像の90%以上と重なることがより好ましい。RL方向から視たときに、パッド51と中心導体151の第2面11Bの下面視でパッド51に重なる部分とにより構成される積層構造205(図6参照)の投影像が積層構造206の投影像と重なってもよく、パッド54と中心導体181の第2面11Bの下面視でパッド54に重なる部分とにより構成される積層構造208(図9参照)の投影像が積層構造207の投影像と重なってもよい。積層構造206は第3積層構造の一例であり、積層構造207は第4積層構造の一例である。
【0060】
ここで、第1コネクタ3におけるクロストークについて説明する。同軸電線対101、102、103及び104を介して、互いに異なる高速の差動信号が伝送される。同軸電線対101の中心導体111、121がそれぞれパッド41、42に接続され、同軸電線対102の中心導体131、141がそれぞれパッド43、44に接続されている。また、同軸電線対103の中心導体151、161がそれぞれパッド51、52に接続され、同軸電線対104の中心導体171、181がそれぞれパッド53、54に接続されている。パッド42とパッド43との間に、グランドガード410、420及び430が設けられ、パッド52とパッド53との間に、グランドガード440及び450が設けられている。グランドガード410、420、430、440及び450は、それぞれグランド層72に電気的に接続されている。RL方向から視たときに、グランドガード410、420及び430の投影像は、積層構造202の投影像の50%以上と重なり、積層構造203の投影像の50%以上と重なり、グランドガード440及び450の投影像は、積層構造206の投影像の50%以上と重なり、積層構造207の投影像の50%以上と重なる。従って、同軸電線対101~104を介して伝送される信号の周波数が高い場合であっても、例えば周波数が20GHz程度の場合であっても、同軸電線対101と同軸電線対102との間のクロストーク、及び同軸電線対103と同軸電線対104との間のクロストークを抑制できる。
【0061】
また、同軸電線対101と同軸電線対103との間に第1グランド部78が設けられ、同軸電線対102と同軸電線対104との間に第2グランド部79が設けられている。従って、同軸電線対101~104を介して伝送される信号の周波数が高い場合であっても、例えば周波数が20GHz程度の場合であっても、同軸電線対101と同軸電線対103との間のクロストーク、及び同軸電線対102と同軸電線対104との間のクロストークを抑制できる。
【0062】
RL方向から視たときに、グランドガード410、420及び430の各々の第1面11Aに平行な方向の位置は、パッド42の第1面11Aに平行な方向の位置の50%以上と重なり、パッド43の第1面11Aに平行な方向の位置の50%以上と重なることが好ましい。同軸電線対101と同軸電線対102との間のクロストークを抑制しやすくなるためである。RL方向から視たときに、グランドガード410、420及び430の各々の第1面11Aに平行な方向の位置は、パッド42及びパッド43の第1面11Aに平行な方向の位置の70%以上と重なることがより好ましい。RL方向から視たときに、グランドガード410、420及び430の各々の第1面11Aに平行な方向の位置は、パッド42及びパッド43の第1面11Aに平行な方向の位置の90%以上と重なることが更に好ましい。RL方向から視たときに、パッド41がパッド42と重なってもよく、パッド44がパッド43と重なってもよい。
【0063】
RL方向から視たときに、グランドガード440及び450の各々の第2面11Bに平行な方向の位置は、パッド52の第2面11Bに平行な方向の位置の50%以上と重なり、パッド53の第2面11Bに平行な方向の位置の50%以上と重なることが好ましい。同軸電線対103と同軸電線対104との間のクロストークを抑制しやすくなるためである。RL方向から視たときに、グランドガード440及び450の各々の第2面11Bに平行な方向の位置は、パッド52及びパッド53の第2面11Bに平行な方向の位置の70%以上と重なることがより好ましい。RL方向から視たときに、グランドガード440及び450の各々の第2面11Bに平行な方向の位置は、パッド52及びパッド53の第2面11Bに平行な方向の位置の90%以上と重なることが更に好ましい。RL方向から視たときに、パッド51がパッド52と重なってもよく、パッド54がパッド53と重なってもよい。
【0064】
図10に示すように、例えばグランドガード410、420及び430の第1面11Aからの最大高さH1は互いに等しい。最大高さH1は、パッド42上における中心導体121の頂部121Tと第1面11Aとの間の距離D12以上であることが好ましく、パッド43上における中心導体131の頂部131Tと第1面11Aとの間の距離D13以上であることが好ましい。同軸電線対101と同軸電線対102との間のクロストークを抑制しやすくなるためである。例えば、パッド41上における中心導体111の頂部111Tと第1面11Aとの間の距離D11は距離D12と等しく、パッド44上における中心導体141の頂部141Tと第1面11Aとの間の距離D14は距離D13と等しい。距離D11、D12、D13及びD14が互いに等しくてもよい。最大高さH1は第1最大高さの一例である。頂部121Tは第1頂部の一例であり、頂部131Tは第2頂部の一例である。距離D12は第1距離の一例であり、距離D13は第2距離の一例である。
【0065】
また、グランドガード440の第2面11Bからの最大高さH2、及びグランドガード450の第2面11Bからの最大高さH3は、パッド52上における中心導体161の頂部161Tと第2面11Bとの間の距離D16以上であることが好ましく、パッド53上における中心導体171の頂部171Tと第2面11Bとの間の距離D17以上であることが好ましい。同軸電線対103と同軸電線対104との間のクロストークを抑制しやすくなるためである。例えば、パッド51上における中心導体151の頂部151Tと第2面11Bとの間の距離D15は距離D16と等しく、パッド54上における中心導体181の頂部181Tと第2面11Bとの間の距離D18は距離D17と等しい。距離D15、D16、D17及びD18が互いに等しくてもよい。最大高さH2及びH3は第2最大高さの一例である。頂部161Tは第3頂部の一例であり、頂部171Tは第4頂部の一例である。距離D16は第3距離の一例であり、距離D17は第4距離の一例である。
【0066】
なお、最大高さH1は、パッド45上における中心導体121の頂部125Tと第1面11Aとの間の距離D22(図7参照)以上であり、パッド46上における中心導体131の頂部135Tと第1面11Aとの間の距離D23(図8参照)以上であることが好ましい。同軸電線対101と同軸電線対102との間のクロストークを抑制しやすくなるためである。例えば、パッド45上における中心導体111の頂部115Tと第1面11Aとの間の距離D21(図6参照)は距離D22と等しく、パッド46上における中心導体141の頂部145Tと第1面11Aとの間の距離D24(図9参照)は距離D23と等しい。距離D21、D22、D23及びD24が互いに等しくてもよい。頂部125Tは第5頂部の一例であり、頂部135Tは第6頂部の一例である。距離D22は第5距離の一例であり、距離D23は第6距離の一例である。
【0067】
また、最大高さH2及びH3は、パッド55上における中心導体161の頂部165Tと第2面11Bとの間の距離D26(図7参照)以上であり、パッド56上における中心導体171の頂部175Tと第2面11Bとの間の距離D27(図8参照)以上であることが好ましい。同軸電線対103と同軸電線対104との間のクロストークを抑制しやすくなるためである。例えば、パッド55上における中心導体151の頂部155Tと第2面11Bとの間の距離D25(図6参照)は距離D26と等しく、パッド56上における中心導体181の頂部185Tと第2面11Bとの間の距離D28(図9参照)は距離D27と等しい。距離D25、D26、D27及びD28が互いに等しくてもよい。頂部165Tは第7頂部の一例であり、頂部175Tは第8頂部の一例である。距離D26は第7距離の一例であり、距離D27は第8距離の一例である。
【0068】
RL方向におけるパッド42とパッド43との間の距離D31は、RL方向に延び、パッド42及び43を通る直線が第1基板11の縁と交わる2点の間の距離D32の30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。RL方向におけるパッド52とパッド53との間の距離D33は、RL方向に延び、パッド52及び53を通る直線が第1基板11の縁と交わる2点の間の距離D33の30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。グランドガード410、420、430、440及び450のための領域を確保するためである。距離D31は第9距離の一例であり、距離D32は第10距離の一例であり、距離D33は第11距離の一例であり、距離D34は第12距離の一例である。
【0069】
グランドガード410、420及び430の最大高さH1が大きすぎる場合、グランドガード410、420及び430が第1コネクタ3の筐体に接触するおそれがある。このため、グランドガード410、420及び430の各上方Uの面は、同軸電線110、120、130及び140の第1面11Aから最も離れた頂部より下方Dに位置することが好ましい。当該面が当該頂部より上方Uに位置してもよいが、この場合、第1面11Aを基準とした当該面の高さと当該頂部の高さとの差は0.2mm以下であることが好ましい。
【0070】
グランドガード440の最大高さH2が大きすぎる場合、グランドガード440が第1コネクタ3の筐体に接触するおそれがある。このため、グランドガード440の下方Dの面は、同軸電線150、160、170及び180の第2面11Bから最も離れた頂部より上方Uに位置することが好ましい。当該面が当該頂部より下方Dに位置してもよいが、この場合、第2面11Bを基準とした当該面の高さと当該頂部の高さとの差は0.2mm以下であることが好ましい。
【0071】
なお、グランドガードの上方Uの面、下方Dの面は平坦でなくてもよい。例えば、グランドガードがキャパシタを含む場合、電極に付随する凹凸が上方Uの面、下方Dの面にあってもよい。このような場合の最大高さとは、基準面(第1面又は第2面)から最も離れた部分の基準面からの距離である。また、中心導体がはんだ等の導電性接合材によりパッドに接合され、中心導体が導電性接合材に覆われている場合、中心導体は当該導電性接合材を含むものとする。
【0072】
次に、第2基板13のパッド群40bに含まれるパッド及びコネクタパッド群60bに含まれるコネクタパッドについて説明する。図12は、第2基板13に設けられたパッド及びコネクタパッドの一例を示す上面図である。図13は、第2基板13に設けられたパッド及びコネクタパッドの一例を示す下面図である。
【0073】
パッド群40bは、第1面13Aに設けられた第1面側パッド群40Abと、第2面13Bに設けられた第2面側パッド群40Bbとを有している。図12に示すように、第1面側パッド群40Abは、第1面側パッド群40Afと同様に、パッド41~50を有する。図13に示すように、第2面側パッド群40Bbは、第2面側パッド群40Bfと同様に、パッド51~59を有する。
【0074】
図12に示すように、第1面13A上において、パッド45の右方Rにパッド46が設けられ、パッド45とパッド46との間に、左方Lから右方Rに向けて順に、パッド47、48、49及び50が設けられている。第1面13A上において、パッド45の後方Bにパッド41及び42が設けられ、パッド46の後方Bにパッド43及び44が設けられている。パッド42がパッド41の右方Rに設けられ、パッド44がパッド43の右方Rに設けられている。パッド42とパッド43との間に、左方Lから右方Rに向けて順に、キャパシタ用のパッド対310、320及び330が設けられている。パッド対310は、パッド311とパッド312とを含み、パッド311がパッド312の後方Bに設けられている。パッド対320は、パッド321とパッド322とを含み、パッド321がパッド322の後方Bに設けられている。パッド対330は、パッド331とパッド332とを含み、パッド331がパッド332の後方Bに設けられている。
【0075】
図13に示すように、第2面13B上において、パッド55の右方Rにパッド56が設けられ、パッド55とパッド56との間に、左方Lから右方Rに向けて順に、パッド57、58及び59が設けられている。第2面13B上において、パッド55の後方Bにパッド51及び52が設けられ、パッド46の後方Bにパッド53及び54が設けられている。パッド52がパッド51の右方Rに設けられ、パッド54がパッド53の右方Rに設けられている。パッド52とパッド53との間に、キャパシタ用のパッド対340が設けられている。パッド対340は、パッド341とパッド342とを含み、パッド341がパッド342の後方Bに設けられている。第1基板11の第2面11Bとは異なり、ICチップ用のパッド群は設けられていなくてよい。
【0076】
第1面側パッド群40Ab及び第2面側パッド群40Bbは、多心ケーブル2の後方B側の端部に接続されている。
【0077】
コネクタパッド群60bは、第1面13Aに設けられた第1面側コネクタパッド群60Abと、第2面13Bに設けられた第2面側コネクタパッド群60Bbとを有している。図12に示すように、第1面側コネクタパッド群60Abは、第1面側コネクタパッド群60Afと同様に、コネクタパッドA1~A12を有する。第1面側コネクタパッド群60AbのコネクタパッドA1~A12は、第1面13Aの右方Rから左方Lに向けて順に一列に設けられている。図13に示すように、第2面側コネクタパッド群60Bbは、第2面側コネクタパッド群60Bfと同様に、コネクタパッドB1~B12を有する。第2面側コネクタパッド群60BbのコネクタパッドB1~B12は、第2面13Bの左方Lから右方Rに向けて順に一列に設けられている。
【0078】
第1面13Aにおいても、コネクタパッドA1及びA12は、接地用のグランド端子(GND)である。コネクタパッドA2及びA3は、高速信号送信用の端子(TX1+、TX1-)である。コネクタパッドA4及びA9は、バス給電用の端子(VBUS)である。コネクタパッドA5は、コンフィギュレーションチャンネル(Configuration Channel)端子(CC)である。コネクタパッドA6及びA7は、データ信号用の端子(D+、D-)である。コネクタパッドA8は、サイドバンド用の端子(SBU1)である。コネクタパッドA10及びA11は、高速信号受信用の端子(RX2+、RX2-)である。
【0079】
第2面13Bにおいても、コネクタパッドB1及びB12は、接地用のグランド端子(GND)である。コネクタパッドB2及びB3は、高速信号送信用の端子(TX2+、TX2-)である。コネクタパッドB4及びB9は、バス給電用の端子(VBUS)である。コネクタパッドB5は、接続電源用の端子(VCONN)である。コネクタパッドB8は、サイドバンド用の端子(SBU2)である。コネクタパッドB10及びB11は、高速信号受信用の端子(RX1+、RX1-)である。
【0080】
第1面側パッド群40Ab及び第2面側パッド40群Bbは、第2回路14により、第2基板13の第1面側コネクタパッド群60Ab、第2面側コネクタパッド群60Bbに接続されている。例えば、パッド41~44及び51~54は、高速信号送信用の端子(TX1+、TX1-)又は高速信号受信用の端子(RX2+、RX2-)であるコネクタパッドA2、A3、A10、A11、B2、B3、B10、B11のいずれかに接続される。例えば、パッド41はコネクタパッドA11に接続され、パッド42はコネクタパッドA10に接続され、パッド43はコネクタパッドA3に接続され、パッド44はコネクタパッドA2に接続される。例えば、パッド51はコネクタパッドB2に接続され、パッド52はコネクタパッドB3に接続され、パッド53はコネクタパッドB10に接続され、パッド54はコネクタパッドB11に接続される。
【0081】
ここで、第2基板13と、多心ケーブル2に含まれる同軸電線及び電線と、第2基板13に実装されるキャパシタとの関係について説明する。図14は、第2基板13、同軸電線、電線及びキャパシタを示す上面図である。図15は、第2基板13、同軸電線、電線及びキャパシタを示す下面図である。図16は、第2基板13、同軸電線、電線及びキャパシタを示す断面図である。図16は、図14及び図15中のXVI-XVI線に沿った断面図に相当する。
【0082】
図14図16に示すように、同軸電線110の中心導体111がパッド51に接続され、外部導体113がパッド55に接続されている。同軸電線120の中心導体121がパッド52に接続され、外部導体123がパッド55に接続されている。同軸電線130の中心導体131がパッド53に接続され、外部導体133がパッド56に接続されている。同軸電線140の中心導体141がパッド54に接続され、外部導体143がパッド56に接続されている。同軸電線150の中心導体151がパッド41に接続され、外部導体153がパッド45に接続されている。同軸電線160の中心導体161がパッド42に接続され、外部導体163がパッド45に接続されている。同軸電線170の中心導体171がパッド43に接続され、外部導体173がパッド46に接続されている。同軸電線180の中心導体181がパッド44に接続され、外部導体183がパッド46に接続されている。
【0083】
図14図16に示すように、キャパシタ81、82、83及び84が第2基板13に実装されている。第1基板11と同様にして、キャパシタ81~83は第1面13A上に設けられ、キャパシタ84は第2面13B上に設けられている。
【0084】
他の構成は第1基板11と同様である。
【0085】
第2コネクタ4においても、従って、同軸電線対101~104を介して伝送される信号の周波数が高い場合であっても、例えば周波数が20GHz程度の場合であっても、同軸電線対101と同軸電線対102との間のクロストーク、及び同軸電線対103と同軸電線対104との間のクロストークを抑制できる。また、同軸電線対101~104を介して伝送される信号の周波数が高い場合であっても、例えば周波数が20GHz程度の場合であっても、同軸電線対101と同軸電線対103との間のクロストーク、及び同軸電線対102と同軸電線対104との間のクロストークを抑制できる。
【0086】
第2コネクタ4において、第2基板13にICチップが実装されていてもよい。
【0087】
本実施形態における第1面11A、第2面11B、第1面13A、第2面13Bに設けられるグランドガードの数は一例であり、各面にグランドガードが設けられていれば、グランドガードの数は限定されない。
【0088】
第1、第2グランドガードは、実施形態のように、例えばキャパシタ及びICチップ等の電子部品を含むことができる。コネクタにキャパシタ、集積回路チップが設けられる場合に、キャパシタ、集積回路チップにより第1、第2グランドガードを構成することができる。第1、第2グランドガードが抵抗素子等の他の電子部品を含んでもよい。
【0089】
なお、第1、第2グランドガードのサイズ及び位置は限定されない。図17は、第2基板13の第2面13Bにおけるグランドガードの変形例を示す下面図である。図18は、第2基板13の第2面13Bにおけるグランドガードの変形例を示す模式図である。この変形例では、パッド52とパッド53との間にグランドガード440A及び440Bが設けられ、FB方向において、グランドガード440A及び440Bの位置がずれている。RL方向から視たときに、グランドガード440A及び440Bの投影像を重ねて得られる合成投影像は、積層構造206の投影像の50%以上と重なり、積層構造207の投影像の50%以上とも重なる。変形例によっても、同軸電線対103と同軸電線対104との間のクロストークを抑制できる。このように、複数のグランドガードが設けられている場合、個々のグランドガードが小さいときでも、複数のグランドガードの投影像を重ねて得られる合成投影像が、対象とする積層構造の投影像の50%以上と重なっていれば、クロストークを抑制できる。図示は省略するが、第2基板13の第1面13Aに設けられるグランドガード410、420及び430についても同様である。図示は省略するが、第1基板11の第1面11Aに設けられる410、420及び430についても同様であり、第1基板11の第2面11Bに設けられる440及び450についても同様である。
【0090】
以上、実施形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。例えば、特定の規格に従ったコネクタ付き多心ケーブルに限らず、種々のコネクタ付き多心ケーブルに適用できる。
【符号の説明】
【0091】
1:コネクタ付き多心ケーブル
2:多心ケーブル
3:第1コネクタ
4:第2コネクタ
5:コネクタプラグ
5a:金属シェル
5b:ピン保持板
5c:コンタクトピン
11:第1基板
11A、13A:第1面
11B、13B:第2面
12:第1回路
13:第2基板
14:第2回路
31:コネクタピン
40f、40b:パッド群
40Af、40Ab:第1面側パッド群
40Bf、40Bb:第2面側パッド群
41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59:パッド
60b、60f:コネクタパッド群
60Af、60Ab:第1面側コネクタパッド群
60Bf、60Bb:第2面側コネクタパッド群
71:絶縁層
72:グランド層
73、74、75:導電ビア
78:第1グランド部
79:第2グランド部
81、82、83、84:キャパシタ
91:集積回路(IC)チップ
101、102、103、104:同軸電線対
110、120、130、140、150、160、170、180:同軸電線
111、121、131、141、151、161、171、181:中心導体
111T、115T、121T、125T、131T、135T、141T、145T、151T、155T、161T、165T、171T、175T、181T、185T:頂部
112、122、132、142、152、162、172、182:絶縁層
113、123、133、143、153、163、173、183:外部導体
114、124、134、144、154、164、174、184:外被
201、202、203、204、205、206、207、208:積層構造
210:電線
211:導体
212:絶縁層
310、320、330、340:パッド対
311、312、321、322、331、332、341、342:パッド
350:パッド群
351:パッド
410、420、430、440、440A、440B、450:グランドガード
411、421、431、441、451:導電性接合材
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B9、B10、B11、B12:コネクタパッド
D11、D12、D13、D14、D15、D16、D17、D18、D21、D22、D23、D24、D25、D26、D27、D28、D31、D32、D33、D34:距離
H1、H2、H3:最大高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18