(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/10 20220101AFI20231219BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20231219BHJP
G06F 8/61 20180101ALI20231219BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
H04L67/10
G06F3/12 303
G06F3/12 329
G06F3/12 330
G06F3/12 386
G06F8/61
H04N1/00 Z
(21)【出願番号】P 2020040308
(22)【出願日】2020-03-09
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 将
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-191715(JP,A)
【文献】特開2008-112405(JP,A)
【文献】特開2020-003944(JP,A)
【文献】特開2018-005281(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/10
G06F 3/12
G06F 8/61
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
デバイスに導入済みの特定処理の利用をユーザ端末から受け付けた場合に、
前記特定処理を前記デバイスと異なる他のデバイスで利用可能に導入するための設置情報を取得し、
予め定めた条件が成立した場合は、前記デバイスと異なる他のデバイスに、前記設置情報を提供するように誘導する誘導情報を前記ユーザ端末へ提供する
ことを特徴とする、情報処理装置。
【請求項2】
前記予め定めた条件が成立した場合は、前記特定処理を前記他のデバイスで利用するか否かの問い合わせに対する問い合わせ結果が、他のデバイスで利用することを示す場合である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記予め定めた条件が成立した場合は、前記特定処理の実行に対して、前記特定処理の実行が終了した場合である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記誘導情報は、前記他のデバイスにおいて、前記設置情報を外部装置から取得可能にする取得可能情報を含む
請求項2又は請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記予め定めた条件が成立した場合は、前記設置情報を前記ユーザ端末へ複製することの許諾か否かの問い合わせに対する問い合わせ結果が、前記ユーザ端末へ複製することの許諾を示す場合であり、
前記誘導情報の提供は、取得した前記設置情報を前記ユーザ端末に複製することを含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記設置情報は、前記特定処理に関係する特定処理情報と、前記特定処理を前記他のデバイスに導入する導入処理に関係する導入処理情報とを含む
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理を行うプログラムであって、
プロセッサに、
デバイスに導入済みの特定処理の利用をユーザ端末から受け付けた場合に、
前記特定処理を前記デバイスと異なる他のデバイスで利用可能に実行させるための設置情報を取得し、
予め定めた条件が成立した場合は、前記デバイスと異なる他のデバイスに、前記設置情報を提供するように誘導する誘導情報を前記ユーザ端末へ提供する
ことを処理させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数のデバイス各々にアプリケーション・プログラムをインストールして複数のデバイス各々でアプリケーション・プログラムを利用可能とする情報処理装置に関する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この技術では、アプリケーション・プログラムがデバイスにインストールされていないことを確認する。そして、当該アプリケーション・プログラムがデバイスへインストール可能な状態かを判定し、デバイスへインストール可能な状態である場合に、アプリケーション・プログラムのインストールを開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数のデバイスを含むネットワーク環境下では、複数のデバイス各々の間でデータの授受が制限される場合がある。例えば、ネットワークがセグメント分割された複数のサブネットワーク間ではデータの授受を制限したネットワークがある。この場合、サブネットワークの各々に予め定めた管理者によってサブネットワーク内のデバイスにアプリケーション・プログラムをインストールすることが要求される。
【0005】
また、ネットワーク環境下における遠隔操作によってデバイスへのアプリケーション・プログラムのインストールが制限される場合がある。この場合、予め定めたデバイスの管理者によって複数のデバイス各々にアプリケーション・プログラムを直接インストールすることが要求される。従って、インストールするデバイスの個数が増加するのに従って、管理者の作業量は増加する。このため、管理者の作業量を抑制しつつ複数のデバイス各々にアプリケーション・プログラムをインストールするのには改善の余地がある。
【0006】
本開示は、管理者によって、アプリケーション・プログラムを、複数のデバイス各々にインストールする場合と比べて、管理者の作業量増加を抑制することの支援が可能な情報処理装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1態様は、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
デバイスに導入済みの特定処理の利用をユーザ端末から受け付けた場合に、
前記特定処理を前記デバイスと異なる他のデバイスで利用可能に導入するための設置情報を取得し、
予め定めた条件が成立した場合は、前記デバイスと異なる他のデバイスに、前記設置情報を提供するように誘導する誘導情報を前記ユーザ端末へ提供する
ことを特徴とする、情報処理装置である。
【0008】
本開示の第2態様は、第1態様の情報処理装置において、
前記予め定めた条件が成立した場合は、前記特定処理を前記他のデバイスで利用するか否かの問い合わせに対する問い合わせ結果が、他のデバイスで利用することを示す場合である。
【0009】
本開示の第3態様は、第1態様の情報処理装置において、
前記予め定めた条件が成立した場合は、前記特定処理の実行に対して、前記特定処理の実行が終了した場合である。
【0010】
本開示の第4態様は、第2態様又は第3態様の情報処理装置において、
前記誘導情報は、前記他のデバイスにおいて、前記設置情報を外部装置から取得可能にする取得可能情報を含む
【0011】
本開示の第5態様は、第1態様の情報処理装置において、
前記予め定めた条件が成立した場合は、前記設置情報を前記ユーザ端末へ複製することの許諾か否かの問い合わせに対する問い合わせ結果が、前記ユーザ端末へ複製することの許諾を示す場合であり、
前記誘導情報の提供は、取得した前記設置情報を前記ユーザ端末に複製することを含む。
【0012】
本開示の第6態様は、第5態様の情報処理装置において、
前記設置情報は、前記特定処理に関係する特定処理情報と、前記特定処理を前記他のデバイスに導入する導入処理に関係する導入処理情報とを含む。
【0013】
本開示の第7態様は、
情報処理を行うプログラムであって、
プロセッサに、
デバイスに導入済みの特定処理の利用をユーザ端末から受け付けた場合に、
前記特定処理を前記デバイスと異なる他のデバイスで利用可能に実行させるための設置情報を取得し、
予め定めた条件が成立した場合は、前記デバイスと異なる他のデバイスに、前記設置情報を提供するように誘導する誘導情報を前記ユーザ端末へ提供する
ことを処理させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、アプリケーション・プログラムを、複数のデバイス各々にインストールする場合と比べて、管理者の作業量増加を抑制することを支援できる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施形態に係るネットワークシステムの概略構成を示す図である。
【
図6】デバイスにおいて実行される情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】ユーザ端末において実行される情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】デバイスへのアクセス情報の一例を示す図である。
【
図12】他デバイス用処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】デバイスから送信されたメッセージの一例を示す図である。
【
図14】デバイスから送信されたメッセージの一例を示す図である。
【
図15】第2実施形態に係るデバイスから送信されたガイド情報の一例を示す図である。
【
図16】第3実施形態に係るデバイスの構成の一例を示す図である。
【
図17】第3実施形態に係るユーザ端末の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本開示の技術を実施するための実施形態の一例を詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本発明と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0017】
本開示において「デバイス」とは、画像処理機能及び通信機能を備えた画像形成装置を含む電子装置の概念である。画像処理機能は、原稿を複写(コピー)する画像複写機能、及び入力された原稿のデータを印刷(プリント)する画像印刷機能を含む画像形成機能と、原稿を画像として読み取って(スキャン)データ化する画像読取機能とを含む概念である。通信機能は、外部機器との有線接続又は外部機器との直接接続によりデータを送受信する有線通信機能及び外部機器との無線接続によりデータを送受信する無線通信機能を含む概念である。
【0018】
また、本開示において「設置」とは、アプリケーション・プログラムをデバイスに新規又は更新によりインストールするための行為及び処理を含む概念である。また、本開示において「アプリケーション・プログラム」は、デバイスにおいて提供される様々なサービスを利用するために、ユーザに提供するソフトウェア及びソフトウェアを実行するハードウェアを含む概念である。なお、以下の説明では、アプリケーション・プログラムを、「アプリ」と称する。また、アプリを所謂インストールすることを含めてアプリ又はプログラムの導入又は設置という場合がある。
【0019】
また、本開示において「管理者」とは、アプリをデバイスに設置する処理を実行するために予め定めたユーザを含む概念である。
【0020】
ところで、複数のデバイスを含むネットワーク環境において、複数のデバイス各々で共通(同一)のアプリの利用が要求される場合がある。ところが、例えば、デバイスへのアプリの導入(インストール)を実行する管理者に対して、複数のデバイス各々へのアクセスは可能とされるものの、ネットワーク環境におけるデータ通信が制限される場合がある。例えば、複数のデバイスの間でのデータ通信が制限(遮断)されたネットワーク環境の場合、複数のデバイスに対して統括的にインストールすることは困難であり、複数のデバイス各々に個別にアプリのインストールが要求される。従って、インストールするデバイスの個数が増加するのに従って、管理者の作業量は増加する。
【0021】
そこで、本実施形態では、アプリを、複数のデバイス各々へのインストールが要求される場合、アプリのインストールを行う管理者の作業量増加を抑制することの支援を可能にする。具体的には、複数のデバイスでアプリの利用を希望する利用者のユーザ端末は、複数のデバイスの各々へのアクセスが可能である。そこで、本実施形態では、デバイスにインストール済みのアプリを、利用者のユーザ端末を介して他のデバイスへインストールするように誘導する。
【0022】
[第1実施形態]
【0023】
図1は、本開示の技術を実施するための実施形態に係るネットワークシステムの概略構成を示す図である。
【0024】
図1に示すように、ネットワークシステム1は、複数のデバイス2、3、4と、ユーザ端末5と、データ媒体8と、を含んでいる。
【0025】
なお、
図1では、複数のデバイス2、3、4として3台のデバイスを備えた一例を示したが、本開示は、3台のデバイスに限定されるものではなく、2台以上の複数のデバイスであってもよい。また、以下の説明で、複数のデバイス2、3、4の各々について個別の説明が不要で、デバイスに共通の事項を説明する場合には、デバイス2を代表のデバイスとして説明する場合がある。
【0026】
複数のデバイス2、3、4と、ユーザ端末5とは、イントラネット等の内部ネットワーク7を介して接続され、相互にデータ通信が可能になっている。内部ネットワーク7は、ルータ等の接続機器71を備えており、内部ネットワーク7は接続機器71を介してインターネット等の公共のネットワークである外部ネットワーク6に接続される。
【0027】
接続機器71は、データの通信を制御する通信制御機能を有する。通信制御機能の一例には、内部ネットワーク7と外部ネットワーク6との間におけるデータの通信を制限(例えば、遮断)する機能が挙げられる。この接続機器71におけるデータの通信の制限によって、複数のデバイス2、3、4と、ユーザ端末5とは、外部ネットワーク6に対する通信を制限(例えば、遮断)させることが可能となる。これによって、内部ネットワーク7は、外部ネットワーク6に対して通信が制限され、複数のデバイス2、3、4と、ユーザ端末5との間におけるデータの通信のみを可能とするセキュアなネットワーク環境に構築される。
【0028】
通信制御機能の他例には、内部ネットワーク7に接続された複数のデバイス2、3、4、及びユーザ端末5の間でのデータの通信を制限(例えば、遮断)する機能が挙げられる。例えば、内部ネットワーク7を複数にセグメント分割し、複数のサブネットワーク間ではデータの授受を制限する場合がある。この場合、サブネットワークの各々に複数のデバイス2、3、4の各々を配置することで、複数のデバイス2、3、4の間における通信を制限(例えば、遮断)させることが可能となる。これによって、内部ネットワーク7は、他のセグメントのデバイスへの接続(所謂セグメント越え)が制限され、同一セグメント内におけるデータの通信のみを可能とするセキュアなネットワーク環境に構築される。
【0029】
本実施形態では、複数のデバイス2、3、4の各々が、データ媒体8を直接接続して複数のデバイス2、3、4の各々と、データ媒体8との間でデータの通信を可能とする構成の場合を一例として説明する。また、以下の説明では、デバイス2に、データ媒体8を直接接続してデバイス2と、データ媒体8との間でデータの通信を行う場合を説明する。データ媒体8は、デバイスへのアプリの導入(インストール)を実行する管理者が操作するUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の電子機器である。また、複数のデバイス2、3、4の各々と、ユーザ端末5とは、相互にデータの通信を可能とする構成の場合を一例として説明する。
【0030】
(デバイス2)
次に、
図2を参照して、デバイス2の構成の一例を説明する。
【0031】
デバイス2は、コンピュータ本体20を備えており、コンピュータ本体20は、CPU(Central Processing Unit)21、RAM(Random Access Memory)22、ROM(Read-Only memory)23、および入出力ポート(I/O)24を備え、これらはバス26を介して互いに接続されている。バス26には、HDD(Hard Disk Drive)及び不揮発性のフラッシュメモリ等によって実現可能な補助記憶装置25が接続されている。また、I/O24には、通信I/F27、画像を表示可能なタッチパネル等のUI部28、及びデータ媒体8を接続する接続部29が接続されている。
【0032】
また、デバイス2は、画像処理機能を有しており、この画像処理機能を実現するために、固有機構20Kを備えている。具体的には、画像処理機能は、原稿を複写(コピー)する画像複写機能、及び入力された原稿のデータを印刷(プリント)する画像印刷機能を含む画像形成機能と、原稿を画像として読み取って(スキャン)データ化する画像読取機能とが一例として挙げられる。また、固有機構20Kは、原稿をスキャンするスキャナ、及び各種データをプリントするプリンタが一例として挙げられる。
【0033】
補助記憶装置25には、デバイス2を本開示の情報処理装置として機能させるための設置プログラム250が記憶される。CPU21は、設置プログラム250を補助記憶装置25から読み出してRAM22に展開して処理を実行する。これにより、設置プログラム250を実行したデバイス2は、本開示の情報処理装置として動作する。本実施形態では、設置プログラム250は、データ媒体8に格納された設置プログラム850をデバイス2に複製して記憶させることにより提供される。なお、設置プログラム250は、CD-ROM等の記録媒体により提供されるようにしても良い。
【0034】
また、補助記憶装置25には、デバイス2で利用される各種のデータ257が記憶され、また、デバイス2で画像処理機能を実現するための固有プログラム258も記憶される。CPU21は、固有プログラム258を補助記憶装置25から読み出してRAM22に展開して処理を実行する。これにより、固有プログラム258を実行したデバイス2は、画像形成機能、及び画像読取機能を含む画像処理機能を実行可能に動作する。
【0035】
なお、デバイス3及びデバイス4の各々は略同様の構成であるため、個別の説明を省略する。
【0036】
(ユーザ端末5)
次に、
図3を参照して、ユーザ端末5の構成を説明する。ユーザ端末5は、ユーザが携帯可能な携帯端末が一例として挙げられる。
【0037】
ユーザ端末5は、コンピュータ本体50を備えており、コンピュータ本体50は、CPU51、RAM52、ROM53、およびI/O54を備え、これらはバス56を介して互いに接続されている。バス56には、HDD及び不揮発性のフラッシュメモリ等によって実現可能な補助記憶装置55が接続されている。また、I/O54には、外部装置と通信する通信I/F57、及びユーザが表示を確認し操作入力するための操作入力部58が接続されている。また、I/O54には、被写体を撮影するカメラ57Cと、マイクロフォン及びスピーカ等のユーザに対して音を授受する音授受部57Mが接続されている。
【0038】
補助記憶装置25には、設置プログラム550が記憶可能とされる。詳細は後述するが、CPU51は、デバイス2から設置プログラム250を受け取り、受け取った設置プログラム250を設置プログラム550として補助記憶装置55に記憶することが可能とされる構成になっている。ユーザ端末5では、設置プログラム550を補助記憶装置55から読み出してRAM52に展開して処理を実行する。これにより、設置プログラム550を実行したユーザ端末5は、本開示の情報処理装置として動作する。
【0039】
また、補助記憶装置55には、ユーザ端末5で利用される各種のデータ552が記憶され、また、ユーザ端末5に固有の端末プログラム554も記憶される。
【0040】
(データ媒体8)
次に、
図4を参照して、データ媒体8の構成の一例を説明する。
データ媒体8は、USBメモリ等のメモリ媒体であり、
図4に一例を示すように、コントローラ81、記憶部85、通信I/F87、及びコネクタ89を備えており、記憶部85には、設置プログラム850が記憶される。
【0041】
コネクタ89は、デバイス2の接続部29に接続するためのコネクタであり、デバイス2の接続部29に接続される。コネクタ89がデバイス2の接続部29に接続されることで、コントローラ81が記憶部85に記憶された設置プログラム850を読み出して、通信I/F87を介してデバイス2へ送信するようになっている。
【0042】
(ネットワークシステムの機能)
次に、本実施形態に係るネットワークシステムの機能について説明する。
図5は、本実施形態において主としてデバイス2の機能構成の一例を示す図である。
図5では、デバイス2に、データ媒体8から設置プログラム250が記憶(Pr01)され、その設置プログラム250の実行によって、ユーザ端末5へ設置プログラム250を複製(Pr02)する場合が一例として示されている。
【0043】
図5に示すように、デバイス2は、アプリ記憶部200、UI部202、通信部204、デバイス制御部206、導入アプリ管理部208、及び接続部220として機能する各機能部を備えている。
【0044】
アプリ記憶部200は、補助記憶装置25を用い、デバイス2において実行される各種のアプリ201を記憶する機能部である。デバイス2は、アプリ記憶部200に記憶されたアプリ201を読み出すことによって、読み出されたアプリ201が実行される。
【0045】
UI部202は、タッチパネル等のUI部28を用い、デバイス2への表示及び入力を可能とする機能部である。
【0046】
通信部204は、通信I/F27を用い、内部ネットワーク7に接続して他の外部装置とデータの通信を行う機能部である。例えば、デバイス2は通信部204によって、通信I/F57を用いて内部ネットワーク7に接続してデータ通信する機能部であるユーザ端末5の通信部504との間で通信を行う(
図4も参照)。
【0047】
接続部220は、接続部29を用い、外部装置と直接接続して外部装置とデータの通信を行う機能部である。本実施形態では、データ媒体8が接続部220に直接接続されて、デバイス2と、データ媒体8との間でデータの通信が行われる。例えば、デバイス2は、データ媒体8のコネクタ89、通信I/F87及びコントローラ81を介して記憶部85に記憶された設置プログラム850を取得する(
図4も参照)。
【0048】
デバイス制御部206は、デバイス2の各機能部の制御及び予め定めた制御を行う機能部であり、例えば、アプリ記憶部200に記憶されているアプリ201を読み出して実行する制御を行う。デバイス制御部206は、アプリ記憶部200、UI部202、通信部204、導入アプリ管理部208、及び接続部220に接続される。
【0049】
なお、予め定めた制御を行う機能の一例には、WEB(World Wide Web)サーバ等の機能を実行するプレゼンテーション制御機能、及びHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)サーバ及びHTTPクライアント等の機能を実行するネットワーク制御機能がある。
【0050】
導入アプリ管理部208は、アプリ記憶部200にアプリ256をアプリ201として導入(追加又は更新)すると共に、他のデバイス(デバイス3、4の何れかのデバイス)へのアプリ256の導入を支援する機能部である。導入アプリ管理部208は、サービス起動指示部251、複製指示部252、アクセス検知部253、確認部254、アプリ導入部255、及びアプリ256の各機能部を含んでいる。
【0051】
導入アプリ管理部208は、データ媒体8から提供された設置プログラム250の実行によって動作される機能部である。具体的には、データ媒体8がデバイス2の接続部220を介してデバイス2に直接接続され、データ媒体8に格納された設置プログラム850が設置プログラム250として記憶される。デバイス2は、記憶された設置プログラム250を実行することで、各部の機能を含む導入アプリ管理部208として動作される。
【0052】
なお、データ媒体8から提供される設置プログラム250は、実行プログラム形式、アプレット形式(例えばjava(登録商標)のアプレット)、及びWEB(World Wide Web)コンテンツ形式(例えば、html形式やjava(登録商標)のスクリプト)の何れであってもよい。
【0053】
サービス起動指示部251は、デバイス制御部206に対してプレゼンテーション制御の起動を指示、例えば、WEBサービスの起動を指示する機能部である。
【0054】
複製指示部252は、デバイス制御部206に対してネットワーク制御によりデータの複製を指示、例えば、設置プログラムの複製を指示する機能部である。
【0055】
アクセス検知部253は、ユーザ端末5からのデバイス2へのアクセスを検知する機能部である。
【0056】
確認部254は、ユーザ端末5に対して確認を行う機能部である。具体的には、確認部254は、ユーザ端末5に対して確認情報を送信する。そして、確認部254は、確認結果を受け取ることが可能である。例えば、確認情報は、アプリ256をデバイス2と異なるデバイス3、4において利用するか否かを問い合わせることを示すメッセージを含む(詳細は後述)。確認情報は、本開示の誘導情報の一例である。この誘導情報は、デバイス2と異なる他のデバイス3、4に、少なくともアプリ256を含む設置プログラム250を提供するように誘導することを示す情報である。
【0057】
アプリ導入部255は、アプリ216を、デバイス2において実行可能に導入する機能部である。アプリ導入部255は、データ媒体8に記憶されている設置プログラム850が設置プログラム250として記憶された後に、UI部202の操作によって起動され、設置プログラム250に記憶されたアプリ256をアプリ201として導入する。なお、このアプリ導入部255は、データ媒体8に記憶されている設置プログラム850が設置プログラム250として記憶されると自動的に実行するように構成してもよい。
【0058】
デバイス2では、管理者によりデータ媒体8が接続部220に接続されると、データ媒体8に記憶されている設置プログラム850が設置プログラム250として記憶される(プロセスPr01)。デバイス2に設置プログラム250が記憶された後には、アプリ導入部255によって、設置プログラム250に記憶されたアプリ256がアプリ201として追加導入され、利用可能となる。
【0059】
ユーザ端末5からアプリ256を利用するため、デバイス2にアクセスされる。このユーザ端末5からのデバイス2へのアクセスは、例えば、ユーザ端末5において、ブラウザを起動し、デバイス2のネットワーク位置、すなわち、アクセス先を示すURL(Uniform Resource Locator)の入力によって行われる。ユーザ端末5からデバイス2にアクセスされると、そのアクセスがアクセス検知部253により検知され、確認部254により、アプリ256をデバイス2と異なるデバイス3、4において利用するか否かを問い合わせる確認がユーザ端末5に対して行われる。そして、ユーザ端末5から、他のデバイスでの利用を示す応答を受け取ると、複製指示部252は、デバイス2に記憶されている設置プログラム250をユーザ端末5に設置プログラム550として記憶されるように制御する(プロセスPr02)。
【0060】
また、設置プログラム250(複製指示部252)は、ユーザ端末5へ設置プログラム250を複製する際に、他のデバイス3、4でアプリ256を利用する場合に、他のデバイスにおける利用手順を誘導する情報も提示する。この利用手順に沿って、ユーザ端末5が操作されることによって、設置プログラム550が他のデバイス3、4に複製され、他のデバイス3、4でアプリ256が利用可能になる。
【0061】
このように、管理者はデバイス2へのアプリの導入を行うことで、ユーザ端末5を介して他のデバイス3、4にアプリ256を導入でき、管理者の作業量増加を抑制することを支援できる。
【0062】
導入アプリ管理部208、具体的にはサービス起動指示部251、複製指示部252、アクセス検知部253、及び確認部254の各々の機能は、本開示における誘導情報をユーザ端末へ提供する機能の一例である。アプリ201として導入されたアプリ256により実行される処理は、本開示における特定処理による機能の一例である。設置プログラム250は、本開示における設置情報の一例である。アプリ256は、本開示における特定処理情報の一例であり、アプリ導入部255の機能を実現するためのプログラムは、本開示における導入処理情報の一例である。また、アクセス先を示すURLは、本開示における取得可能情報の一例である。
【0063】
(設置プログラム)
次に、デバイス2で実行される情報処理を説明する。
まず、デバイス2に、データ媒体8が接続され、データ媒体8に記憶された設置プログラム850が、デバイス2に設置プログラム250として記憶済み(設置済み)の場合を説明する。このデバイス2に記憶された設置プログラム250がCPU21によって実行されることで、導入アプリ管理部208がデバイス2で実行される情報処理を実行する。ここでは、導入アプリ管理部208のアプリ導入部255が、アプリ216を、デバイス2において実行可能にアプリ201として導入済みであるものとする。
【0064】
図6は、デバイス2において実行される情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6に示す処理ルーチンは、デバイス2に記憶された(導入済みの)設置プログラム250の処理の流れの一例である。
図6に示す処理ルーチンは、デバイス2におけるCPU21によって実行される。
【0065】
CPU21は、デバイス2へのアクセスが検出されるまで、ステップS100で、否定判断を繰り返す。ここで、ユーザ端末5からのデバイス2へのアクセスは、ユーザ端末5において、ブラウザを起動し、デバイス2のネットワーク位置、すなわち、アクセス先を示すURLの入力によって行われるものとする。従って、ステップS100では、ユーザ端末5からデバイス2に対するアクセスが検出される。ステップS100の処理は、
図5に示すアクセス検知部253の機能に含まれる。
【0066】
CPU21は、デバイス2へのアクセスが検出されると、ステップS100で肯定判断し、ステップS101で、本処理ルーチンがデバイスで実行されたか否かを判断する。ステップS101の処理は、デバイス2と異なる他のデバイス3、4に、設置プログラム250を提供する処理を行うかを判断するためのものである。ここでは、設置プログラム250を実行している対象がデバイスかユーザ端末5かを判断し、デバイスである場合に肯定判断する。CPU21は、ステップS101で肯定判断の場合にステップS102へ処理を移行し、否定判断の場合に、ステップS103で、他デバイス用処理を実行した後に本処理ルーチンを終了する。なお、他デバイス用処理は、ユーザ端末に複製された設置プログラムで実行される処理であるため、詳細は後述する。
【0067】
次に、CPU21は、ステップS102で、確認情報を送信する。ステップS102の処理は、
図5に示す確認部254及びサービス起動指示部251の機能に含まれる。確認情報は、誘導情報の一例であり、デバイス2と異なる他のデバイス3、4に、少なくともアプリ256を含む設置プログラム250を提供するように誘導することを示す。
【0068】
図7は、デバイス2(確認部254)から送信された確認情報を、ユーザ端末5で表示させた場合の一例を示す図である。
【0069】
図7に示す例では、アプリ256の名称を「XYZスキャン」とし、「他のデバイスにおいて、このアプリ(XYZスキャン)の利用を希望しますか?」のメッセージを表示させた場合が示されている。また、メッセージの下方には、「はい」及び[いいえ」の選択ボタンを表示させている。この選択ボタンの何れか一方の押下により、ユーザ端末5の確認結果がユーザ端末5からデバイス2へ送信されるようになっている。
図7に示す例では、設置プログラム250を提供するように誘導するため、設置プログラム250に含まれるアプリ256をデバイス2と異なるデバイス3、4において利用するか否かを問い合わせる情報としている。そして、ユーザ端末5における確認結果、すなわち、選択ボタンの何れか一方の押下を示す情報を、ユーザ端末5より応答として得ることが可能とされている。
【0070】
ところで、デバイス2と異なる他のデバイス3、4に、設置プログラム250を提供する場合、他のデバイス3、4に、少なくともアプリ256を導入することが要求される。そこで、本実施形態では、少なくともアプリ256を含む設置プログラム250を、ユーザ端末5を介して導入することを支援する。具体的には、ユーザ端末5に設置プログラム250を複製する。しかし、ユーザによっては、ユーザ端末5に設置プログラム250を複製することを望まない場合がある。そこで、確認情報には、ユーザ端末5に設置プログラム250を複製することを許諾するか否かの問い合わせを含むようにすることが好ましい。
【0071】
図8は、デバイス2(確認部254)から送信された確認情報を、ユーザ端末5で表示させた場合の一例を示す図である。
【0072】
図8に示す例では、「アプリ(XYZスキャン)を、この端末へ複製してもよいですか?」のメッセージを表示させた場合が示されている。また、メッセージの下方には、「はい」及び[いいえ」の選択ボタンを表示させている。
図8に示すメッセージを提示させることによって、ユーザ端末5に設置プログラム250を複製することを許諾するかを確認させることが可能である。
【0073】
次に、CPU21は、
図6に示すステップS104で、ステップS102で送信した確認情報に対応する応答が許諾を示す情報(例えば、「はい」ボタンが押下されたことを示す情報)か否かを判断する。ユーザ端末5からの応答が非許諾を示す場合、ステップS104で否定判断され、ステップS105においてアプリ256の起動を指示し、本処理ルーチンを終了する。
【0074】
一方、ユーザ端末5からの応答が許諾を示す場合、ステップS104で肯定判断され、ステップS106へ処理を移行する。
【0075】
ここで、ステップS104の判断処理は、本開示の予め定めた条件が成立するか否かの判定処理の一例である。すなわち、ステップS104における肯定判断は、アプリ256を他のデバイス3、4で利用するか否かの問い合わせに対する問い合わせ結果が、本開示の予め定めた条件が成立した場合の一例である。
【0076】
ステップS106では、CPU21は、設置プログラム250を送信する。具体的には、CPU21は、補助記憶装置25に記憶されている設置プログラム250を、通信I/F27を介してユーザ端末5へ送信する。よって、設置プログラム250は、ユーザ端末5に、設置プログラム550として複製される。
【0077】
次に、CPU21は、ステップS108でガイド情報を送信する。ステップS108の処理は、
図5に示す確認部254及びサービス起動指示部251の機能に含まれる。
【0078】
ガイド情報は、誘導情報の一例であり、デバイス2と異なる他のデバイス3、4に、少なくともアプリ256を含む設置プログラム250を提供するように誘導することの詳細な案内を示す。
【0079】
図9は、デバイス2(確認部254)から送信されたガイド情報を、ユーザ端末5で表示させた場合の一例を示す図である。
【0080】
図9に示す例では、「アプリの利用準備が整いました-他のデバイスにおいて、このアプリ(XYZスキャン)を利用する場合、初回は、この端末からご利用ください」のメッセージを表示させた場合が示されている。このメッセージは、設置プログラム550を記憶済みのユーザ端末5を用いて他のデバイス3、4に、設置プログラム550を提供するように誘導するため、ユーザ端末5を用いて他のデバイス3、4へのアクセスを促す(案内する)情報である。
【0081】
次に、CPU21は、ステップS110で、アプリ256の起動を指示し、アプリ256が終了するまで、ステップS112で、否定判断を繰り返す。ステップS112で肯定判断されると、CPU21は、ステップS114で、上記ステップS108で送信したガイド情報を、再度ユーザ端末5へ送信する。
【0082】
ステップS112及びステップS114の処理は、アプリ256の実行後に、他のデバイス3、4においてアプリを利用する場合における案内を再度提示させるための処理である。本実施形態では、ステップS108と、ステップS112及びステップS114との両方で、ガイド情報をユーザ端末5へ提供する場合を説明したが、何れか一方でもよい。
【0083】
なお、上記では、ステップS104で否定判断された場合、アプリ256の起動を指示して処理を終了したが、ユーザ端末5からの応答が非許諾の場合、他のデバイスにおけるアプリ256の利用を再度確認する処理を行ってもよい。これは、アプリ256を利用した結果、ユーザがアプリ256を他のデバイスで利用することが好ましいと考えた場合に対する対応処理である。具体的には、ステップS105の処理後に、上記ステップS102の処理以降の確認情報を再度送信し、設置プログラム250の複製の可否に基づいて処理を行うようにすればよい。
【0084】
一方、ユーザ端末5では、
図10に示すように、CPU51が情報処理を実行する。ユーザ端末5のCPU51は、ステップS120で、デバイス2へのアクセス情報を取得する。デバイス2へのアクセス情報は、操作入力部58を操作したユーザの入力でもよく、データを取得することでもよい。
図11は、ユーザ端末5に表示され、アクセス指示するためのデバイス2へのアクセス情報の一例を示す図である。
【0085】
次に、CPU51は、ステップS122で、デバイス2へアクセスする処理を行い、次のステップS124で、確認情報を取得する。次のステップS126では、確認情報に対する応答、すなわち、上述したように、アプリ256をデバイス2と異なるデバイス3、4において利用するか否かが問い合わされた確認結果、すなわち、選択ボタン(
図7及び
図8)の何れか一方の押下を示す情報が、ユーザ端末5より応答として送信される。具体的には、ユーザ端末5に設置プログラム250を複製することを許諾するか否かを示す情報を確認結果として送信し、ステップS128へ処理を移行する。
【0086】
次に、CPU51は、確認結果が非許諾の場合(例えば、「いいえ」ボタン押下の場合)は、ステップS128で否定判断し、ステップS134でアプリの利用を開始する処理へ移行し、本処理ルーチンを終了する。
【0087】
一方、確認結果が許諾の場合(例えば、「はい」ボタン押下の場合)は、ステップS130で、デバイス2から設置プログラム250を受信し、設置プログラム550として記憶して常駐する。
【0088】
次に、CPU51は、ステップS132で、デバイス2からガイド情報を受信し、表示した後に、ステップS134でアプリの利用を開始する処理へ移行し、本処理ルーチンを終了する。
【0089】
(他デバイスへの設置プログラム導入)
上記では、デバイス2で実行される情報処理、すなわち、設置プログラム250による処理を説明した。上記の設置プログラム250は、設置プログラム550として、ユーザ端末5に複製される(
図6のステップS106)。ユーザ端末5では、設置プログラム550が実行される。なお、設置プログラム550による処理ルーチンは、
図6に示す処理ルーチンと同様であるため、同様の処理については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0090】
まず、ユーザ端末5に、デバイス2に記憶された設置プログラム250が、設置プログラム550として記憶済み(設置済み)であるものとする。また、ユーザ端末5を用いて、デバイス3においてアプリ256を利用する場合を説明する。例えば、ユーザ端末5において、ブラウザを起動し、デバイス3のネットワーク位置(すなわち、アクセス先を示すURL)の入力によってデバイス3へのアクセスが行われる。
【0091】
図6に示すように、ユーザ端末5において、CPU51は、デバイス3へのアクセスが検出されると、ステップS100で肯定判断し、ステップS101で、本処理ルーチンがデバイスで実行されたか否かを判断する。ここでは、ステップS101で、否定判断され、ステップS103における、他デバイス用処理に移行される。
【0092】
図12は、
図6に示すステップS103の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0093】
CPU51は、ステップS200で、アクセスしたデバイス3に対して、アプリ256が導入済みかを問い合わせる確認指示を行う。次にCPU51は、ステップS202で、その確認指示の応答がアプリ256の未導入を示すか否かを判断し、導入済みの場合は、ステップS210へ処理を移行し、未導入の場合は、ステップS204へ処理を移行する。
【0094】
デバイス3にアプリ256が導入済みの場合、CPU51は、ステップS210において、デバイス3にアプリ256が導入済を示すメッセージをデバイス3から取得して表示し、ステップS212でアプリ256の利用を開始して本処理ルーチンを終了する。
【0095】
図13及び
図14は、デバイス3から送信されたメッセージを、ユーザ端末5で表示させた場合の一例を示す図である。
【0096】
図13には、デバイス3へのアプリ256の導入中であることを示す「アプリ(XYZスキャン)の起動準備中です-少々お待ちください」のメッセージを表示させた場合が示されている。また、
図14には、デバイス3へのアプリ256の導入が完了し、利用可能になったことを示す「アプリ(XYZスキャン)が利用可能となりました」のメッセージを表示させた場合が示されている。
図14に示す例では、メッセージの下方には、「起動する」及び[終了する」の選択ボタンを表示させている。この選択ボタンの何れか一方の押下により、ユーザ端末5のアプリ256の起動指示がユーザ端末5からデバイス3へ送信されるようになっている。
【0097】
以上説明したように、本実施形態によれば、管理者によってデバイス2に設置(インストール)済みの設置プログラム250を、ユーザ端末5を介して、デバイス2から他のデバイス3又はデバイス4へ複製することを誘導する。この誘導によって、管理者の作業量増加を抑制することの支援が可能となる。その誘導では、ユーザ端末5に対して設置プログラム250の複製についての許諾を求め、許諾された場合にユーザ端末5へ設置プログラム250を複製する。そして、設置プログラム250が複製されたユーザ端末5を用いて、デバイス2と異なる他のデバイス3又はデバイス4に、アクセスされた時点で、ユーザ端末5から他のデバイス3又はデバイス4に設置プログラム250を設置する。従って、管理者はデバイス2へのアプリの設置を行うのみで、ユーザ端末5を介して他のデバイス3、4にアプリ256を設置することが可能となる。これによって、管理者がアプリ256を複数のデバイス各々に設置する場合と比べて、管理者の作業量増加を抑制することが可能となる。
【0098】
[第2実施形態]
次に第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態と同様の構成であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、第2実施形態では、デバイス2~4に、1次元又は2次元のコード情報を読み取る機能を備えた固有機構(例えばデバイス3の固有機構)を含むものとする。
【0099】
第1実施形態では、ユーザ端末5によって、他のデバイス3又はデバイス4へアクセスした場合に、ユーザ端末5に記憶されている設置プログラム550の実行によって、他のデバイス3(又は4)に対して設置プログラム550を複製する。そして、他のデバイス3(又は4)に複製された設置プログラムは、他のデバイス3(又は4)にアプリ256を設置する。このように、アプリ256をデバイス(デバイス2~4の何れか)で利用する場合、そのデバイスへのアクセスでは、ユーザ端末5において、例えば、ブラウザを起動し、アクセス先を示すURLを入力する作業が生じ、ユーザが煩わしさを感じる場合がある。
【0100】
第2実施形態は、ユーザ端末5とデバイスとの情報を授受する処理を簡略化することによって、デバイスにアクセスする際におけるユーザの作業量を抑制するものである。具体的には、アクセス先を示すバーコード及びQRコード(登録商標)等の1次元又は2次元のコード情報を用いて、デバイスとユーザ端末5とのアクセスを行うものである。なお、本実施形態では、デバイス2において、アクセス先を示す情報としてバーコード及びQRコード(登録商標)等の1次元又は2次元のコード情報を生成又は予め記憶しておき、ユーザ端末5へ提供、するものとする。なお、コード情報は、本開示における取得可能情報の一例である。
【0101】
本実施形態では、デバイス2へアクセスするのに際して、アクセス先のデバイス2のネットワーク位置を示すコード情報が予め配布され、その配布されたコード情報を、ユーザ端末5のカメラ57Cによる撮影によって取得するものとする。例えば、コード情報は、デバイス2へのアクセス情報「http://deviceA.hoge.co.jp/setup/index.html」を示す1次元又は2次元のコード情報Aである。
【0102】
このコード情報の撮影によって、ユーザ端末5からデバイス2に自動的にアクセスされる。ユーザ端末5からデバイス2にアクセスされると、そのアクセスがアクセス検知部253により検知され、確認部254により、アプリ256をデバイス2と異なるデバイス3、4において利用するか否かを問い合わせる確認がユーザ端末5に対して行われる。そして、ユーザ端末5から、他のデバイスでの利用を示す応答(例えば複製の許諾を示す情報)を受け取ると、複製指示部252は、デバイス2に記憶されている設置プログラム250をユーザ端末5に設置プログラム550として記憶されるように制御する(
図5に示すプロセスPr02)。
【0103】
本実施形態では、設置プログラム250をユーザ端末5に記憶させる処理において、デバイス2は、設置指示用のコード情報を共に記憶させる処理を行う。具体的には、デバイス2からユーザ端末5へ送信するガイド情報に、他のデバイス(ここではデバイス3)からユーザ端末5にアクセスするためのコード情報を含めて送信する(
図6に示すステップS108及びS114)。例えば、コード情報は、ユーザ端末5へのアクセス情報「http://localhost/setup/index.html」を示す1次元又は2次元のコード情報Bである。
【0104】
図15は、デバイス2(確認部254)から送信されたガイド情報を、ユーザ端末5で表示させた場合の一例を示す図である。
【0105】
図15に示す例では、
図9に示す例に対して、「以下のコードを、他のデバイスにより読み取らせて下さい」のメッセージを追加し、そのメッセージの下方にコード情報を表示させた場合が示されている。この追加のメッセージは、コード情報によって、設置プログラム550を記憶済みのユーザ端末5を用いて他のデバイス3、4に、設置プログラム550を提供するように誘導するため、ユーザ端末5を用いて他のデバイス3、4へのアクセスを促す(案内する)情報である。
【0106】
一方、ユーザ端末5により他のデバイスであるデバイス3へアクセスする場合、ユーザはユーザ端末5を操作して、操作入力部58に、デバイス2から受信したコード情報B(例えば、
図15に示すコード情報)を表示させる。そして、ユーザは、デバイス3に対して、ユーザ端末5に表示されたコード情報Bをかざしてコード情報Bをデバイス3に取得させる。すなわち、デバイス3のUI部28を操作して、ユーザ端末5に表示されたコード情報Bを取得可能な状態にさせ、ユーザ端末5の操作入力部58に表示されたコード情報Bをかざすことで、コード情報Bをデバイス3に取得させる。デバイス3は、ユーザ端末5からコード情報Bを取得することで、コード情報Bにより示される「Localhost」、すなわち、ユーザ端末5へアクセスし、ユーザ端末5に記憶された設置プログラム550を読み出して、デバイス3に対し設置プログラム550の複製処理を開始する。これによって、設置プログラムがデバイス3に設置される。
【0107】
以上説明したように、本実施形態によれば、コード情報を用いることによって、デバイスにアクセスする場合に、ユーザが逐次アクセス先を入力する場合と比べて、ユーザの作業量を抑制することが可能となる。
【0108】
[第3実施形態]
次に第3実施形態を説明する。第3実施形態は、第2実施形態の変形例である。なお、第3実施形態は、第1実施形態と同様の構成であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0109】
第3実施形態は、ユーザ端末5とデバイス2~3の何れかとの間で近距離通信を行うことによって、デバイスにアクセスする際におけるユーザの作業量を抑制するものである。具体的には、ユーザ端末5及びデバイス2、3、4の各々は、NFC(Near Field Communication)の近距離無線通信機能を備え、近距離無線通信によって、ユーザ端末5とデバイス2~3の何れかとのアクセス先を示す情報の授受を行うものである。第3実施形態は、近距離無線通信により情報を授受する点で、コード情報を用いて情報授受する第2実施形態と異なる。
【0110】
図16は、本実施形態に係るデバイス2の構成の一例を示す図であり、
図17は、本実施形態に係るユーザ端末5の構成の一例を示す図である。
【0111】
デバイス2は、I/O24に接続された近距離通信部27Zを備えている。また、ユーザ端末5は、I/O54に接続された近距離通信部57Zを備えている。近距離通信部27Z及び近距離通信部57Zによって、デバイス2及びユーザ端末5が予め定めた距離以内に接近されると、デバイス2と、ユーザ端末5との間で情報授受が行われる。
【0112】
本実施形態では、設置プログラム250をユーザ端末5に記憶させる処理において、デバイス2は、近距離通信によって設置指示用の位置情報を授受する処理を行う。具体的には、アプリ256を利用する場合に、ユーザ端末5からデバイス2へのアクセスは、デバイス2とユーザ端末5とを接近させて開始される(
図6に示すステップS100)。そして、デバイス2からユーザ端末5へ送信するガイド情報のうち、他のデバイス(ここではデバイス3)からユーザ端末5にアクセスするための位置情報を近距離通信によって送信する(
図6に示すステップS100)。例えば、位置情報は、ユーザ端末5へのアクセス情報「http://localhost/setup/index.html」を示すURL情報である。
【0113】
一方、ユーザ端末5により他のデバイスであるデバイス3へアクセスする場合も、デバイス3とユーザ端末5とを接近させて開始される。すなわち、ユーザ端末5をデバイス3に接近させると、ユーザ端末5とデバイス3との間に近距離通信回線が確立され、ユーザ端末5に記憶された位置情報をデバイス3に取得させる。デバイス3は、ユーザ端末5からの位置情報を近距離通信によって取得することで、位置情報により示される「Localhost」、すなわち、ユーザ端末5へアクセスし、ユーザ端末5に記憶された設置プログラム550を読み出して、デバイス3に対し設置プログラム550の複製処理を開始する。これによって、設置プログラムがデバイス3に設置される。
【0114】
以上説明したように、本実施形態によれば、デバイスとユーザ端末5とを接近させることによって、情報を授受することが可能となり、ユーザが逐次アクセス先を入力する場合と比べて、ユーザの作業量を抑制することが可能となる。
【0115】
なお、本実施形態では、NFCを用いた近距離無線通信によって情報を授受する場合を説明したが、無線通信はNFCに限定されるものではなく、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)等の無線接続規格の通信技術を用いてもよい。ブルートゥース(登録商標)等の通信技術を用いることによって、NFCを用いた近距離無線通信を用いた場合と比べて、ユーザ端末5とデバイスとの間でアクセスのための距離を延長することが可能となる。
【0116】
[その他の形態]
【0117】
なお、上記では、本開示の技術を特定の実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術は係る実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能である。
【0118】
また、上記実施の形態では、補助記憶装置に記憶したプログラムを実行することにより行われる処理を説明したが、プログラムの処理をハードウェアで実現してもよい。
【0119】
さらに、上記実施形態における処理は、プログラムとして光ディスク等の記憶媒体等に記憶して流通するようにしてもよい。
【0120】
上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0121】
1 ネットワークシステム
2、3、4 デバイス
5 ユーザ端末
6 外部ネットワーク
7 内部ネットワーク
8 データ媒体
27Z 近距離通信部
29 接続部
57C カメラ
57M 音授受部
57Z 近距離通信部
58 操作入力部
71 接続機器
208 導入アプリ管理部
250 設置プログラム
251 サービス起動指示部
252 複製指示部
253 アクセス検知部
254 確認部
255 アプリ導入部
256 アプリ