(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】位置推定装置、位置推定方法及び位置推定プログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 5/14 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
G01S5/14
(21)【出願番号】P 2020047671
(22)【出願日】2020-03-18
【審査請求日】2023-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】三宅 史朗
【審査官】▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-152565(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0216488(US,A1)
【文献】国際公開第2010/021170(WO,A1)
【文献】特開2008-306532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00 - G01S 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置が既知である複数の第1の装置と、第1の位置推定対象物との間で送受信した無線信号の受信信号強度及び、前記第1の位置推定対象物と第2の位置推定対象物との間で送受信した無線信号の受信信号強度を取得する取得部と、
前記取得部で取得した受信信号強度であって、前記複数の第1の装置と前記第1の位置推定対象物との間で送受信した無線信号の受信信号強度のうち上位1番目から3番目の受信信号強度を少なくとも使用して、
前記第1の位置推定対象物の位置推定を行う推定部と、
前記
推定部における位置推定で使用した受信信号強度に基づい
て位置推定の信頼度を算出する信頼度算出部と、
を備え、
前記推定部は、
前記信頼度算出部で算出した位置推定の信頼度が所定の値以上の場合、前記推定部の推定結果を採用し、
前記信頼度算出部で算出した位置推定の信頼度が前記所定の値未満の場合、
前記第2の位置推定対象物が所定の条件を満たすか否かを判定し、
前記第2の位置推定対象物が前記所定の条件を満たさないと判定した場合、前記推定部の推定結果を採用し、
前記第2の位置推定対象物が前記所定の条件を満たすと判定した場合、前記
第2の位置推定対象物と前記
第1の位置推定対象物
との間で送受信した無線信号の受信信号強度
を用いて前記第1の位置推定対象物の位置推定をやり直す、
位置推定装置。
【請求項2】
前記所定の条件は、前記第2の位置推定対象物の信頼度であり、
前記推定部は
、前記第2の位置推定対象物の信頼度が所定の値以上である場合、前記
第2の位置推定対象物
が前記所定の条件を満たすと判定する、
請求項1に記載の位置推定装置。
【請求項3】
前記所定の条件は、前記第1の位置推定対象物と前記第2の位置推定対象物間で送受信した無線信号の受信信号強度であり、
前記推定部は、前記第1の位置推定対象物と前記第2の位置推定対象物間で送受信した無線信号の受信信号強度が、前記第1の位置推定対象物の位置推定で使用した上位3番目の受信信号強度よりも強い場合、前記
第2の位置推定対象物
が前記所定の条件を満たすと判定する、
請求項1または2に記載の位置推定装置。
【請求項4】
前記信頼度は、前記位置推定で使用した受信信号強度のうち上位3番目の受信信号強度に基づいている、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の位置推定装置。
【請求項5】
前記信頼度は、前記位置推定で使用した受信信号強度の合計値、平均値または変動値に基づいている、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の位置推定装置。
【請求項6】
位置が既知である複数の第1の装置と、第1の位置推定対象物との間で送受信した無線信号の受信信号強度及び、前記第1の位置推定対象物と第2の位置推定対象物との間で送受信した無線信号の受信信号強度を取得し、
前記取得した受信信号強度であって、前記複数の第1の装置と前記第1の位置推定対象物との間で送受信した無線信号の受信信号強度のうち上位1番目から3番目の受信信号強度を少なくとも使用して、
前記第1の位置推定対象物の位置推定を行い、
前記
位置推定で使用した受信信号強度に基づい
て位置推定の信頼度を算出し、
前記算出した位置推定の信頼度が所定の値以上の場合、前記位置推定を行った推定結果を採用し、
前記算出した位置推定の信頼度が前記所定の値未満の場合、
前記第2の位置推定対象物が所定の条件を満たすか否かを判定し、
前記第2の位置推定対象物が前記所定の条件を満たさないと判定した場合、前記位置推定を行った推定結果を採用し、
前記第2の位置推定対象物が前記所定の条件を満たすと判定した場合、前記
第2の位置推定対象物と前記
第1の位置推定対象物
との間で送受信した無線信号の受信信号強度
を用いて前記第1の位置推定対象物の位置推定をやり直す、
位置推定方法。
【請求項7】
位置が既知である複数の第1の装置と、第1の位置推定対象物との間で送受信した無線信号の受信信号強度及び、前記第1の位置推定対象物と第2の位置推定対象物との間で送受信した無線信号の受信信号強度を取得し、
前記取得した受信信号強度であって、前記複数の第1の装置と前記第1の位置推定対象物との間で送受信した無線信号の受信信号強度のうち上位1番目から3番目の受信信号強度を少なくとも使用して、
前記第1の位置推定対象物の位置推定を行い、
前記
位置推定で使用した受信信号強度に基づい
て位置推定の信頼度を算出し、
前記算出した位置推定の信頼度が所定の値以上の場合、前記位置推定を行った推定結果を採用し、
前記算出した位置推定の信頼度が前記所定の値未満の場合、
前記第2の位置推定対象物が所定の条件を満たすか否かを判定し、
前記第2の位置推定対象物が前記所定の条件を満たさないと判定した場合、前記位置推定を行った推定結果を採用し、
前記第2の位置推定対象物が前記所定の条件を満たすと判定した場合、前記
第2の位置推定対象物と前記
第1の位置推定対象物
との間で送受信した無線信号の受信信号強度
を用いて前記第1の位置推定対象物の位置推定をやり直す、
処理をコンピュータに実行させるための位置推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置推定装置、位置推定方法及び位置推定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の位置を推定する位置推定システムの利用が広がっている。位置推定システムとして、GPS(Global Positioning System)衛星を使用して屋外の位置情報を算出するシステムの他に、GPS衛星の電波が受信できない屋内の位置情報を入手するため、Bluetooth(登録商標)や無線LAN(Local Area Network)信号を用いるシステムが実現されている。
【0003】
これらのシステムでは、受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)に基づいて位置を推定する3点測位法が用いられている。関連する技術として、例えば、特許文献1や2が知られている。特許文献1に記載の技術では、複数の受信機を設置した環境において発信機の発信信号を受信し、各受信機が受信した受信信号の信号強度から発信機の位置を推定している。特許文献2に記載の技術では、複数の発信機を設置した環境において受信機が受信した受信信号の信号強度から受信機の位置を推定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-48205号公報
【文献】特開2014-52208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献に記載の技術では、3点測位法により、3点の位置に設置された受信機が発信機から受信する信号の信号強度に基づいて発信機の位置を推定する。又は、3点の位置に設置された発信機から受信機が受信する信号の信号強度に基づいて受信機の位置を推定する。しかしながら、上記特許文献に記載の技術では、発信機と受信機間の環境等によって位置の算出に誤差が生じるため、精度よく位置を推定することが困難であるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、発信機から送信された無線信号を、受信機で受信した際の受信信号強度を取得する取得部と、取得された前記受信信号強度のうち上位1番目から3番目の受信信号強度を少なくとも使用して、前記発信機または前記受信機の位置推定を行う推定部と、前記使用した受信信号強度に基づいて前記位置推定の信頼度を算出する信頼度算出部と、を備え、前記推定部は、第1の位置推定対象物及び第2の位置推定対象物における位置推定の信頼度に基づいて、前記第2の位置推定対象物の位置推定結果と、前記第1の位置推定対象物と前記第2の位置推定対象物間で送受信した無線信号の受信信号強度とを使用して前記第1の位置推定対象物の位置推定をやり直す、位置推定装置を提供する。
【0007】
本発明は、発信機から送信された無線信号を、受信機で受信した際の受信信号強度を取得し、取得された前記受信信号強度のうち上位1番目から3番目の受信信号強度を少なくとも使用して、前記発信機または前記受信機の位置推定を行い、前記使用した受信信号強度に基づいて前記位置推定の信頼度を算出し、第1の位置推定対象物及び第2の位置推定対象物における位置推定の信頼度に基づいて、前記第2の位置推定対象物の位置推定結果と、前記第1の位置推定対象物と前記第2の位置推定対象物間で送受信した無線信号の受信信号強度とを使用して前記第1の位置推定対象物の位置推定をやり直す、位置推定方法を提供する。
【0008】
本発明は、発信機から送信された無線信号を、受信機で受信した際の受信信号強度を取得し、取得された受信信号強度のうち上位1番目から3番目の受信信号強度を少なくとも使用して、前記発信機または前記受信機の位置推定を行い、前記使用した受信信号強度に基づいて前記位置推定の信頼度を算出し、第1の位置推定対象物及び第2の位置推定対象物における位置推定の信頼度に基づいて、前記第2の位置推定対象物の位置推定結果と、前記第1の位置推定対象物と前記第2の位置推定対象物間で送受信した無線信号の受信信号強度とを使用して前記第1の位置推定対象物の位置推定をやり直す、処理をコンピュータに実行させるための位置推定プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、位置の推定精度を向上することが可能な位置推定装置、位置推定方法及び位置推定プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態1に係る位置推定システムの構成例を示す構成図である。
【
図2】実施形態1に係る発信機の設置例を示す部屋の斜視図である。
【
図3】実施形態1に係る発信機の設置例を示す部屋の平面図である。
【
図4】実施形態1に係る位置情報サーバにおける位置情報演算部の構成例を示す構成図である。
【
図5】実施形態1に係る位置補正方法を説明するための図である。
【
図6】実施形態1に係る位置補正方法を説明するための図である。
【
図7】実施形態1に係る位置補正方法を説明するための図である。
【
図8】実施形態1に係る位置補正方法の例を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態2に係る位置推定システムの構成例を示す構成図である。
【
図10】実施形態2に係る受信機の設置例を示す部屋の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図面においては、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。
【0012】
(実施形態1)
実施形態1について説明する。
図1は、本実施の形態に係る位置推定システムの構成例を示す構成図であり、
図2は、発信機の設置例を示す部屋の斜視図であり、
図3は、
図2の設置例を部屋の天井側から見た平面図である。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態に係る位置推定システム1は、複数の無線機2、複数の発信機3、受信機4、位置情報サーバ10を備える。位置推定システム1は、複数の発信機3が送信するビーコン信号を用いて、無線機2の位置を測定するシステムである。例えば、ビーコン信号は、Bluetooth Low Energy(BLE)のiBeacon(登録商標)などである。なお、ビーコン信号は、Bluetoothに限らず、無線LAN等のその他の無線信号でもよい。
【0014】
図2及び
図3の例では、4つの発信機3a~3dが、部屋6の天井の角部付近にそれぞれ設置されている。平面視で四角形の頂点の位置に、発信機3a~3dが設置されているとも言える。発信機3a~3dにより構成される四角形は、正方形を含む長方形でもよいし、その他の任意の四角形でもよい。発信機3a~3dに囲まれた部屋6の中の3次元空間が位置測定領域となる。無線機2は、発信機3a~3dからのビーコン信号を受信すると各ビーコン信号の信号強度を測定し、測定結果を受信機4に送る。受信機4は、無線機2から受信した測定結果をネットワーク5を通じて位置情報サーバ10に送る。位置情報サーバ10は、受信機4から受信した信号強度に基づいて、部屋6の位置測定領域の中で、3点測位法により無線機2の位置を推定する。この例では、4つの発信機3a~3dを示しているが、位置測定領域を囲むように5つ以上の発信機3を配置してもよい。
【0015】
なお、複数の発信機3は、部屋の床や壁など任意の位置に配置してもよいが、ビーコン信号が障害物によって遮られることを避けるために、天井のような高い場所に設置することが好ましい。また、この例では、屋内に発信機3を設置しているが、屋内に限らず、屋外に発信機3を設置し、屋外で無線機2の位置を推定してもよい。
【0016】
発信機3は、位置測定のためのビーコン信号を発信する発信機である。発信機3は、ビーコン送信部31、CPU(Central Processing Unit)32、記憶部33、電源34を備える。ビーコン送信部31は、BLE等の通信規格にしたがってビーコン信号を無線送信する。ビーコン送信部31は、発信機3を識別するID情報を含むビーコン信号を、定期的に周囲へブロードキャストする。
【0017】
CPU32は、発信機3の各部を制御する制御部である。CPU32は、ビーコン信号の送信タイミングや送信電力等を制御する。記憶部33は、発信機3の動作に必要な情報を記憶する記憶部である。記憶部33には、ビーコン信号に含まれる発信機3のID情報等が記憶されている。電源34は、発信機3が動作するためのバッテリ電源等である。電源は、発信機3に内蔵されていてもよいし、外部から供給されてもよい。
【0018】
発信機3は、その他、必要に応じて、発信機3の向きを検出する地磁気センサーや、GPS信号を受信するGPS受信部、ユーザに情報を表示する表示部、暗号化/復号化のためのキー処理部等を備えてもよい。
【0019】
無線機2は、ビーコン信号を発信機3から受信する受信機であり、位置測定対象の機器である。無線機2は、受信したビーコン信号の受信信号強度を測定し出力する機器である。また、無線機2は、ビーコン信号を受信機4及び他の無線機2へ発信する発信機でもある。すなわち、無線機2は、ビーコン信号を送受信する送受信機である。無線機2は、ビーコン受信部21、CPU22、ビーコン送信部23、記憶部24、電源25を備える。ビーコン受信部21は、BLE等の通信規格にしたがって発信機3及び他の無線機2から無線送信されたビーコン信号を受信し、さらに、受信したビーコン信号の信号強度を測定する。
【0020】
CPU22は、無線機2の各部を制御する制御部である。CPU22は、発信機3及び他の無線機2から受信したビーコン信号に含まれるID情報とビーコン信号の受信信号強度から、信号強度測定情報を生成する。信号強度測定情報は、無線機2が受信したビーコン信号に含まれるID情報(発信機3または他の無線機2のID情報)とそのビーコン信号の受信信号強度とを含む。ビーコン送信部23は、BLE等の通信規格にしたがってビーコン信号を無線送信する。ビーコン送信部23が送信するビーコン信号には信号強度測定情報及び、無線機2を識別するID情報を含む。記憶部24は、無線機2の動作に必要な情報を記憶する記憶部である。記憶部24には、ビーコン信号に含まれる無線機2のID情報等が記憶されている。電源25は、無線機2が動作するための電源である。電源25は、無線機2に内蔵されていてもよいし、外部から供給されてもよい。
【0021】
受信機4は、ビーコン信号を無線機2から受信する受信機であり、受信するビーコン信号に含まれる信号強度測定情報を中継する機器である。受信機4は、ビーコン受信部41、CPU42、Ethernet(登録商標)送受信部43、電源44を備える。ビーコン受信部41は、各無線機2から送信されたID情報と信号強度測定情報とを含むビーコン信号を受信する。CPU42は、受信機4の各部を制御する制御部である。CPU42は、ビーコン受信部41に含まれる情報をEthernet送受信部43へ転送する。Ethernet送受信部43は、Ethernet規格にしたがい、ネットワーク5を介して位置情報サーバ10と通信を行う。Ethernet送受信部43は、各無線機2から受信したID情報と信号強度測定情報を位置情報サーバ10へ送信する。
【0022】
位置情報サーバ10は、複数のビーコン信号の受信信号強度に基づいて、無線機2の位置を推定する位置推定装置である。位置情報サーバ10は、位置情報演算部100、地図情報管理部11、データベース12、Ethernet送受信部13、表示部14、CPU15、電源16を備える。
【0023】
位置情報演算部100は、無線機2が測定した複数のビーコン信号の受信信号強度に基づいて、無線機2の位置情報を演算する。位置情報演算部100は、各発信機3から無線機2が受信したビーコン信号のID情報と受信信号強度とを含む信号強度測定情報を受け取り、
図2及び
図3のように、各発信機3の地図上の3次元の位置関係と受信信号強度から算出される無線機2までの距離(例えば、距離d
1、d
2、d
3)を使用して、ID情報から識別される無線機2の3次元位置を推定する。本実施の形態では、位置情報演算部100は、複数の発信機3のうち、受信信号強度の強い順に第1から第3の発信機3からの受信信号強度に基づいて無線機2の位置を推定する。また、位置情報演算部100は、無線機2の位置情報演算時の信頼度を算出する。信頼度については、後段で説明する。
【0024】
地図情報管理部11は、データベース12の地図情報を管理する。データベース12は、位置情報サーバ10の処理に必要な情報を記憶する。データベース12は、地図情報や、発信機3の地図上の位置、算出した無線機2の位置情報及び位置情報演算時の信頼度等を記憶する。Ethernet送受信部13は、Ethernet規格にしたがい、ネットワーク5を介して受信機4と通信を行う。Ethernet送受信部13は、受信機4が各無線機2から受信したビーコン信号のID情報と信号強度測定情報を受信機4から受信する。
【0025】
表示部14は、ユーザに情報を表示する表示部である。表示部14は、無線機2の位置情報を地図情報に重ね合わせて表示する。CPU15は、位置情報サーバ10の各部を制御する制御部である。例えば、CPU15は、位置情報演算部100が演算した無線機2の位置情報を表示部14に表示するよう制御する。電源16は、位置情報サーバ10が動作するための電源である。位置情報サーバ10は、その他、必要に応じて、暗号化/復号化のためのキー処理部等を備えてもよい。
【0026】
図4は、位置情報サーバ10における位置情報演算部100の構成例を示している。
図4に示すように、位置情報演算部100は、取得部101、推定部102、信頼度算出部103を備える。
【0027】
取得部101は、無線機2が生成した信号強度測定情報を、Ethernet送受信部13を介して、受信機4から取得する。推定部102は、取得部101で取得した信号強度測定情報に基づいて、無線機2の位置を推定する。位置測定領域に複数の無線機2が存在する場合、各無線機2の位置を推定する。3点測位法により位置を推定するため、推定部102は、無線機2が複数の発信機3から受信したビーコン信号の信号強度測定情報のうち、3つの発信機3から受信したビーコン信号の信号強度測定情報を用いて、無線機2の位置を算出する。受信信号強度は大きい方がより安定した精度のよい値である可能性が高いため、例えば、受信信号強度が大きい方から1番目~3番目(上位1番目~3番目)の発信機3の信号強度測定情報を用いる。
【0028】
信頼度算出部103は、位置推定の際に使用した受信信号強度に基づいて位置推定の信頼度を算出する。具体的には3番目に強い受信信号強度を信頼度とする。上位1番目~3番目の受信信号強度を用いて位置を推定するため、ここでは、一例として位置推定に使用する受信信号強度のうち上位3番目の受信信号強度を信頼度とする。なお、信頼度は、少なくとも受信信号強度に基づいた値であればよい。また、推定部102は、無線機2と他の無線機2の位置推定の信頼度に基づいて、他の無線機2の位置推定結果と、無線機2が他の無線機2から受信したビーコン信号の受信信号強度とを使用し、無線機2の位置推定をやり直す。
【0029】
更に
図5~7を使って、本実施の形態に係る位置推定方法について説明する。本実施の形態に係る位置推定方法では位置推定領域に複数の無線機2が存在する場合、位置推定の信頼度が高い無線機2の位置推定結果を使って、位置推定の信頼度が低い他方の無線機の位置推定を行う。無線機2aと無線機2aの近傍に位置する無線機2bの位置推定例について説明する。
【0030】
図5は、位置推定対象の無線機2aが受信したビーコン信号の受信信号強度のうち強い順に3つの受信信号強度を使って、無線機2aの位置を推定する様子を説明するための図である。
図2及び
図3と同様、発信機3a~3dが設置されており、無線機2aは、発信機3a~3dからビーコン信号を受信する。発信機3aと無線機2aの間に電波を減衰させる障害物8が存在すると仮定する。
図5に示された各発信機3を中心とする円は、無線機2aが受信したビーコン信号の受信信号強度に基づいて、各発信機3から無線機2aまでの距離を推定した結果を表す。位置情報演算部100の推定部102は、発信機3a、3c、3dの3つの円すべての円周に近い領域A2a1の範囲内に無線機2aが存在すると推定する。発信機3aから受信したビーコン信号の電波強度は障害物8により減衰するため、無線機2aの推定位置は、実際の位置に対し発信機3aよりも遠い方向にずれた領域A2a1の位置となる。この時の各発信機3からのビーコン信号の受信信号強度の例を表1に示す。信頼度算出部103は、位置推定の際に使用した3番目に強い受信信号強度を信頼度とする。表1より、3番目に強い受信信号強度は発信機3aから受信したビーコン信号の受信信号強度であるため、この時の位置推定の信頼度は30であるとする。
【表1】
【0031】
図6は、同じ位置測定領域に他の無線機2bが存在する場合の例を示す。この時、無線機2bが各発信機3から受信するビーコン信号の受信信号強度の例を表2に示す。表2より、上位3つの受信信号強度である発信機3d、3b、3cの受信信号強度を使って無線機2bの位置を推定した結果、無線機2bは、
図6の領域A2b1に存在すると推定される。この例では、3番目に強い受信信号強度は発信機3cから受信したビーコン信号の受信信号強度であるため、この時の信頼度は60となる。
【表2】
【0032】
図5及び
図6のように、無線機2の位置を推定し、位置推定の信頼度を求めると、位置情報演算部100は、各無線機2の位置推定の信頼度を予め定めた閾値と比較する。例えば、信頼度の閾値を50とする。
図6の例では、無線機2bの位置推定の信頼度は60であり、閾値よりも大きい。このため、位置情報演算部100は、発信機3d、3b、3cの受信信号強度を使って推定した推定結果である領域A2b1をそのまま採用する。すなわち、領域A2b1を無線機2bの最終的な推定位置とする。一方、
図5の例では、無線機2aの位置推定の信頼度は30であり、閾値よりも小さい。この時、位置情報演算部100は、測定領域内で位置推定の信頼度が高い他の無線機2の有無を確認する。位置推定の信頼度が閾値よりも高い他の無線機2が存在した場合、位置情報演算部100は、他の無線機2の位置推定情報(推定された位置)と他の無線機2から受信したビーコン信号の受信信号強度を使って、位置推定信頼度が低い無線機2の位置推定をやり直す。
【0033】
具体的には、位置推定の信頼度が低かった無線機2が、他の無線機2から受信したビーコン信号の受信信号強度と、発信機3から受信したビーコン信号の3番目に強い受信信号強度とを比較し、他の無線機2から受信したビーコン信号の受信信号強度の方が強かった場合、他の無線機2から受信したビーコン信号の受信信号強度も含めて上位3つの受信信号強度から位置推定を行う。
【0034】
無線機2aが表1の状態からさらに他の無線機2bからビーコン信号を受信した場合の受信信号強度を、表3に示す。表3より、無線機2bから受信したビーコン信号の受信信号強度が、位置推定時に上位3番目だった発信機3aから受信したビーコン信号の受信信号強度よりも強い。このため、位置情報演算部100は、発信機3と他の無線機2を含めた受信信号強度のうち上位3つの受信信号強度である発信機3c、発信機3dと無線機2bから受信したビーコン信号の受信信号強度を使って、無線機2aの位置推定をやり直す。この時、他の無線機2bの位置推定領域A2b1の重心位置であるA2b1cを他の無線機2bの位置として無線機2aの位置を推定する。無線機2aの位置推定をやり直した結果を
図7に示す。
図7に示すように、発信機3c、発信機3dと無線機2bから受信したビーコン信号の受信信号強度を使うと、無線機2aの推定位置は領域A2a2の位置となり、実際の位置(
図5に示す2aの位置)に近い位置となっている。
【表3】
【0035】
次に、本実施の形態に係る位置推定方法について説明する。
図8は、本実施の形態に係る位置情報サーバ10における位置推定方法の流れを示している。
【0036】
図8に示すように、まず、位置情報サーバ10は、無線機2から信号強度測定情報を取得する(S101)。すなわち、複数の発信機3がビーコン信号を発信すると、無線機2がビーコン信号を受信し、ビーコン信号の受信信号強度を測定する。さらに、位置情報サーバ10における位置情報演算部100の取得部101が、受信機4を介して、無線機2が複数の発信機3から受信したビーコン信号のID情報と受信信号強度とを含む信号強度測定情報を取得する。
【0037】
続いて、位置情報サーバ10は、受信信号強度が1番目から3番目の信号強度測定情報を選択する(S102)。位置情報演算部100の推定部102は、取得した信号強度測定情報に含まれる複数の受信信号強度を比較し、3点測位法による位置の推定に使用する受信信号強度として、複数の受信信号強度の中から受信信号強度が1番目~3番目の信号強度測定情報を選択する。
【0038】
続いて、位置情報サーバ10は、選択した信号強度測定情報に基づいて、無線機2の位置を推定する(S103)。位置情報演算部100の推定部102は、選択した受信信号強度が1番目~3番目の信号強度測定情報を用いて、3点測位法により無線機2の位置を算出する。
【0039】
3点測位法とは、受信信号強度から発信機と受信機(本実施の形態では無線機2)の間の距離を算出し、算出された距離情報と、発信した発信機の位置情報とに基づいて受信機の位置を推定する方法である。この距離の算出では、受信信号強度が距離の2乗に反比例して減衰することから、受信機と発信機を基準となる距離だけ離して設置した状態で測定した受信信号強度を基準値として用いる。
【0040】
例えば、ビーコン信号の一つであるiBeaconの信号内には、いくつかの情報が組み込まれており、その中にMeasured Powerと呼ばれるパラメータが含まれる。iBeaconの場合、発信機と受信機を1m離して測定した受信信号強度をMeasured Powerと定義しており、この基準となる受信信号強度を「RSSI@1m」とする。そうすると、基準となる受信信号強度と実際に測定した受信信号強度(RSSI)から、以下のような式で発信機と受信機の距離(d)が算出できる。
d=10^{(RSSI@1m-RSSI)/(10*n)} ・・・(1)
【0041】
この式(1)内のnは伝搬損失係数である。nは理想的な環境では2となり、電波の受信環境によって変動する。
【0042】
例えば、
図2に示した発信機3a~3cの信号強度測定情報から無線機2の位置を算出する場合について説明する。このとき、発信機3及び無線機2の位置関係を3次元直交座標系(X軸/Y軸/Z軸)で表現し、発信機3aの位置を(x
1,y
1,z
1)、発信機3bの位置を(x
2,y
2,z
2)、発信機3cの位置を(x
3,y
3,z
3)、無線機2の位置を(x
T,y
T,z
T)とする。また、発信機3aと無線機2間の距離をd
1、発信機3bと無線機2間の距離をd
2、発信機3cと無線機2間の距離をd
3とし、無線機2が発信機3aから信号を受信したときの受信信号強度をRSSI
A、無線機2が発信機3bから信号を受信したときの受信信号強度をRSSI
B、無線機2が発信機3cから信号を受信したときの受信信号強度をRSSI
Cとする。
【0043】
そうすると、各距離d1~d3は、上記式(1)より、以下の式から求められる。ここでは、n=2とする。
d1=10^{(RSSI@1m-RSSIA)/(10*2)} ・・・(2)
d2=10^{(RSSI@1m-RSSIB)/(10*2)} ・・・(3)
d3=10^{(RSSI@1m-RSSIC)/(10*2)} ・・・(4)
【0044】
さらに、上記式(2)~(4)によるd1~d3と、発信機3a~3cと無線機2の3次元座標の距離を使用して、方程式を立てると以下のようになる。
{(x1-xT)2+(y1-yT)2+(z1-zT)2}1/2=d1=10^{(RSSI@1m-RSSIA)/(10*2)} ・・・(5)
{(x2-xT)2+(y2-yT)2+(z2-zT)2}1/2=d2=10^{(RSSI@1m-RSSIB)/(10*2)} ・・・(6)
{(x3-xT)2+(y3-yT)2+(z3-zT)2}1/2=d3=10^{(RSSI@1m-RSSIC)/(10*2)} ・・・(7)
【0045】
式(5)~(7)において、xT、yT、zT以外のパラメータは既知である。このため、推定部102は、式(5)~(7)の3元2次方程式を解くことで無線機2の3次元座標を算出する。
【0046】
続いて、位置情報サーバ10は、ステップ103で行った位置推定の信頼度を算出し、算出した位置推定の信頼度が閾値未満であるか判定する(S104)。位置推定の信頼度が閾値未満の時(S104/Yes)、ステップ105に進み、位置情報サーバ10は、位置推定に利用できる他の無線機2が存在するか確認する(S105)。位置推定に利用できる他の無線機2は、下記の条件を満たす無線機2とする。ここでは、位置推定の信頼度が閾値未満となった無線機2を無線機2a、他の無線機2を無線機2bとする。
条件1:無線機2bの位置推定信頼度が閾値以上である。
条件2:無線機2aと無線機2bの間で受発信したビーコン信号の受信信号強度が、無線機2aが発信機3から受信したビーコン信号の受信信号強度の上位3番目の受信信号強度よりも強い。
【0047】
上記条件1及び条件2を満たす他の無線機2が存在した場合(S105/Yes)、ステップ106に進み、位置情報サーバ10は、無線機2aが無線機2bから受信したビーコン信号の受信信号強度と無線機2bの位置推定情報(推定された位置)を使って無線機2aの位置推定をやり直し、やり直した位置推定の結果を採用する。例えば、位置情報サーバ10は、発信機3及び無線機2bが送信したビーコン信号のID情報と受信信号強度とを含む信号強度測定情報を受信機4を介して無線機2aから取得し、取得した信号強度測定情報の受信信号強度に基づいて上記条件1及び条件2を判定する。上記条件1の閾値は、例えばステップ104の閾値と同じ値であるが、他の値としてもよい。無線機2bが条件1及び条件2を満たす場合、位置情報サーバ10は、ステップ102と同様に、信号強度測定情報の発信機3及び無線機2bの受信信号強度含む複数の受信信号強度の中から1番目~3番目の受信信号強度を選択し、ステップ103と同様に、選択した受信信号強度に基づいて、無線機2aの位置を推定する。なお、上記条件1または条件2を満たす場合に、無線機2aの位置推定をやり直してもよい。
【0048】
上記条件1または条件2を満たさない他の無線機2の情報を使って位置推定を行うと、他の無線機2の位置推定情報を使わない場合と比較して位置推定の信頼度が低くなる場合がある。例えば、他の無線機2の位置推定結果に誤差が大きかった場合、他の無線機2の位置推定結果を使うことで位置推定の誤差がその位置推定結果を使うことにより位置推定の信頼度が更に低くなる可能性がある。また、他の無線機2との間の受信信号強度が弱い場合も同様である。
【0049】
ステップ104で無線機2aの位置推定の信頼度が閾値以上だった場合(S104/No)及び、ステップ105で位置推定に使用できる他の無線機2が存在しない場合(S105/No)、位置情報サーバ10は、ステップ103で推定した結果を採用する。
【0050】
以上のように本実施の形態では、発信機から受信したビーコン信号の受信信号強度を用いて無線機の位置を推定した際に、位置推定の信頼度が低い場合、所定の条件を満たす他の無線機の情報を利用して位置推定をやり直すこととした。これにより、位置推定の信頼度を向上させ、より精度よく位置を推定することができる。また、位置推定に利用する他の無線機の条件を明確にすることで、位置推定の信頼度が逆に低くなることを防ぐことができる。
【0051】
上記実施形態では、受信強度が強い上位3つの受信信号強度を使って位置推定したが、上位3つに限定されず、上位4つまたは5つなど、3以上の受信強度を使って位置推定してもよい。
【0052】
上記実施形態では位置推定の信頼度を受信強度が3番目に強い受信信号強度で評価したが、信頼度の評価は他の方法でもよい。例えば、使用する上位3つの受信信号強度の合計値や平均値でもよいし、受信信号強度の変動値でもよく、更にその組み合わせで評価してもよい。例えば、受信信号強度の変動値で評価する場合、信号毎の受信信号強度の差分値や受信信号強度の時間的な変化量が大きいほど、位置推定の信頼度は低くなる。
【0053】
位置推定の際に、複数の他の無線機の情報を使用してもよい。例えば、位置推定に利用できる上記条件1及び2に適合する他の無線機が3つ以上あった場合、発信機3からの受信信号強度を使用せずに、それら他の無線機の位置推定情報と他の無線機との間の受信信号強度とだけを使って位置推定を行ってもよい。
【0054】
(実施形態2)
実施形態1では、複数の発信機を設置した環境において、受信機が受信した受信信号強度に基づいて受信機側の位置を推定するシステムを例に説明したが、本実施の形態では、複数の受信機を設置した環境において、発信機から受信した受信信号強度に基づいて発信機の位置を推定するシステムでの応用例を説明する。
【0055】
図9は、本実施の形態に係る位置推定システムの構成例を示す構成図である。
図1と共通する構成については同じ符号で示し、説明を省略する場合がある。
図10は、受信機の設置例を部屋の天井側から見た平面図である。部屋の斜視図は、
図2と同様であるため省略する。
【0056】
図9に示すように、本実施の形態に係る位置推定システム1bは、複数の無線機2、複数の受信機7、位置情報サーバ10を備える。位置推定システム1bは、無線機2が送信して受信機7が受信するビーコン信号を用いて、無線機2の位置を測定するシステムである。
【0057】
図10の例では、4つの受信機7a~7dが、部屋6の天井の角部付近にそれぞれ設置されている。すなわち、実施形態1の
図3で示した発信機3a~3dの代わりに、受信機7a~7dが設置されている。受信機7a~7dの設置方法は、
図3の発信機3a~3dと同様である。本実施の形態では、受信機7a~7dに囲まれた部屋6の中の3次元空間が位置測定領域となる。受信機7a~7dは、無線機2からのビーコン信号を受信すると、受信したビーコン信号の信号強度を測定し、測定結果をネットワーク5を通じて位置情報サーバ10に送る。位置情報サーバ10は、受信機7a~7dから受信した信号強度に基づいて、実施形態1と同様に、3点測位法により無線機2の位置を推定する。
【0058】
無線機2は、位置測定対象の機器であり、実施形態1と同様に、受信機7や他の無線機2へビーコン信号を発信する発信機であるとともに、他の無線機2からもビーコン信号を受信する。無線機2の構成は、実施形態1と基本的に同じである。無線機2は、無線機2のID情報と信号強度測定情報を含むビーコン信号を送信し、信号強度測定情報には、無線機2が受信したビーコン信号のID情報(他の無線機2のID情報)とそのビーコン信号の受信信号強度が含まれる。
【0059】
受信機7は、ビーコン信号を受信する受信機であり、実施形態1の受信機4と基本的に同じ構成であるが、本実施形態の受信機7のビーコン受信部71は、受信したビーコン信号の受信信号強度を測定する機能を更に有する。すなわち、受信機7は、実施形態1の受信機4と同様に、受信するビーコン信号に含まれる信号強度測定情報を位置情報サーバ10へ中継するとともに、さらに、受信したビーコン信号の受信信号強度を測定し、受信したビーコン信号のID情報及び受信信号強度を信号強度測定情報に含める。
【0060】
位置情報サーバ10は、実施形態1と同様に、複数のビーコン信号の受信信号強度に基づいて、無線機2の位置を推定する位置推定装置である。位置情報サーバ10及び位置情報演算部100の構成は、実施形態1と基本的に同じである。
【0061】
位置情報演算部100は、受信機7が測定した複数のビーコン信号の受信信号強度に基づいて、無線機2の位置情報を演算する。位置情報演算部100は、各受信機7が受信したビーコン信号のID情報と受信信号強度とを含む信号強度測定情報を受け取り、
図10のように、各受信機7の地図上の3次元の位置関係と受信信号強度から算出される無線機2までの距離を使用して、ID情報から識別される無線機2の3次元位置を推定する。実施形態1と同様に、位置情報演算部100は、複数の受信機7のうち、受信信号強度の強い順に第1から第3の受信機7からの受信信号強度に基づいて無線機2の位置を推定する。また、位置情報演算部100は、無線機2の位置情報演算時の信頼度を算出し、算出した信頼度に基づいて、他の無線機2の位置推定結果と、他の無線機2が無線機2から受信したビーコン信号の受信信号強度とを使用し、無線機2の位置推定をやり直す。位置推定の流れは、実施形態1の
図8と同様である。
【0062】
以上のように、本実施の形態では、複数の受信機を設置し、無線機から受信した受信信号強度に基づいて無線機の位置を推定するシステムにおいて、無線機と他の無線機の位置推定の信頼度に基づいて、無線機の位置推定をやり直すようにした。この場合でも、実施形態1と同様、位置推定の信頼度を向上させることができる。
【0063】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0064】
上述の実施形態における各構成は、ハードウェア又はソフトウェア、もしくはその両方によって構成され、1つのハードウェア又はソフトウェアから構成してもよいし、複数のハードウェア又はソフトウェアから構成してもよい。各装置の機能(処理)を、CPUやメモリ等を有するコンピュータにより実現してもよい。例えば、記憶装置に実施形態における位置推定方法を行うためのプログラムを格納し、各機能を、記憶装置に格納されたプログラムをCPUで実行することにより実現してもよい。
【0065】
これらのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0066】
1 位置推定システム
2 無線機
3 発信機
4 受信機
5 ネットワーク
7 受信機
10 位置情報サーバ
11 地図情報管理部
12 データベース
13 Ethernet送受信部
14 表示部
15 CPU
16 電源
21 ビーコン受信部
22 CPU
23 ビーコン送信部
24 記憶部
25 電源
31 ビーコン送信部
32 CPU
33 記憶部
34 電源
41 ビーコン受信部
42 CPU
43 Ethernet送受信部
44 電源
71 ビーコン受信部
100 位置情報演算部
101 取得部
102 推定部
103 信頼度算出部