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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】空調用薄型レジスタ
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/34 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
B60H1/34 611Z
B60H1/34 611B
B60H1/34 611C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020051175
(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2021146980
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2022-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安積 彰
(72)【発明者】
【氏名】柴田 実
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-086518(JP,A)
【文献】特開2004-299461(JP,A)
【文献】特開2003-226133(JP,A)
【文献】特開2005-297862(JP,A)
【文献】特開2008-001151(JP,A)
【文献】特開2018-065471(JP,A)
【文献】特開2017-024555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車内に設けられた開口スリットの奥側に配置され、空調用空気を前記車内へ向けて送る通風路の下流端に設けられた吹出口と、
前記通風路内に設けられ、前記吹出口から吹き出す前記空調用空気の吹出方向を傾動位置に応じた角度方向へ変更させることが可能なガイドフィンと、
車両乗員により操作可能な操作部材と、
前記操作部材と前記ガイドフィンとの間に介在し、前記操作部材の操作により前記ガイドフィンを傾動させるリンク機構と、
を備える空調用薄型レジスタであって、
前記操作部材は、回動操作可能な球面部を有し、
前記操作部材は、前記吹出口よりも前記車内側における、前記吹出口から吹き出される前記空調用空気の流れを妨げない位置に、前記球面部の一部が前記開口スリットにおける前記吹出口よりも前記車内側の表面に露出するように配置されており、
前記操作部材は、
前記操作部材の外周面において前記球面部がなす球面に対して軸中心側に凹んで設けられ、前記ガイドフィンの前記傾動位置を表す凹部と、
前記操作部材の外周面において前記凹部とは異なる位置に設けられ、前記車内への前記空調用空気の流れが阻止される前記ガイドフィンの全閉位置を表し、前記ガイドフィンが前記全閉位置にあるときに前記開口スリットにおける前記吹出口よりも前記車内側の表面に露出する全閉目印部と、
を有している、空調用薄型レジスタ。
【請求項2】
前記操作部材は、前記球面部の回動中心が前記開口スリットの前記表面に対して裏側に位置するように配置されている、請求項1に記載された空調用薄型レジスタ。
【請求項3】
前記ガイドフィンは、
水平軸を中心にして上下方向に傾動する第一フィンと、
前記水平軸に対して直交する直交軸を中心にして左右方向に傾動する第二フィンと、
を有し、
前記リンク機構は、
前記第一フィンを前記水平軸を中心にして上下方向に傾動させる第一リンク機構と、
前記第二フィンを前記直交軸を中心にして左右方向に傾動させる第二リンク機構と、
を有する、請求項1又は2に記載された空調用薄型レジスタ。
【請求項4】
前記第一リンク機構は、前記操作部材の上下方向への操作により前記第一フィンを前記水平軸を中心にして上下方向に傾動させ、
前記第二リンク機構は、前記操作部材の左右方向への操作により前記第二フィンを前記直交軸を中心にして左右方向に傾動させる、請求項に記載された空調用薄型レジスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調用薄型レジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両などに搭載される空調用薄型レジスタが知られている(例えば、特許文献1)。この空調用薄型レジスタは、空調用空気を車内へ向けて吹き出す装置である。空調用薄型レジスタは、吹出口と、ガイドフィンと、操作部材と、リンク機構と、を備えている。吹出口は、空調用空気を車内へ向けて送る通風路の下流端に設けられている。ガイドフィンは、通風路内に設けられており、空調用空気の吹出方向を傾動位置に応じた角度方向へ変更させることが可能である。操作部材は、使用者により操作されることが可能な部材であって、傾動可能かつ回動可能である。リンク機構は、操作部材とガイドフィンとの間に介在しており、操作部材の操作によりガイドフィンを傾動させる。
【0003】
操作部材は、吹出口の外部に配置されている。具体的には、操作部材は、吹出口に隣接する壁部に配置されている。このため、操作部材の存在によって通気抵抗が増大しひいては圧力損失が増大するのを抑制することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-100494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、ナビゲーションなどのディスプレイの大型化などに伴って、空調用薄型レジスタの吹出口に高いアスペクト比が要求されることがある。この際、空調用薄型レジスタの吹出口が車両の車内に設けられる開口スリットの奥側に配置されることがある。しかしながら、かかる構造において、吹出口の外側に配置される操作部材がその吹出口の位置に合わせて開口スリットの奥側に配置されると、使用者が指をその開口スリットの最奥部まで挿入することが難しくなり、使用者が操作部材を操作し難くなってしまう。
【0006】
特に、上記の如く操作部材が開口スリットの奥側に配置される構造では、その操作部材のサイズを開口スリットの幅よりも大きくすることができないので、操作部材の少ない操作量でガイドフィンを上下方向の全域及び左右方向の全域に亘って傾動させることが必要となる。この場合、操作部材の操作に対して増速してガイドフィンを傾動させることが必要となり、操作荷重が大きくなる。このため、操作部材の操作性が悪い。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、操作部材の存在によって吹出口から吹き出される空調用空気の通気抵抗の増大を招くことなく、その操作部材の操作性を向上させることが可能な空調用薄型レジスタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る空調用薄型レジスタは、車内に設けられた開口スリットの奥側に配置され、空調用空気を前記車内へ向けて送る通風路の下流端に設けられた吹出口と、前記通風路内に設けられ、前記吹出口から吹き出す前記空調用空気の吹出方向を傾動位置に応じた角度方向へ変更させることが可能なガイドフィンと、車両乗員により操作可能な操作部材と、前記操作部材と前記ガイドフィンとの間に介在し、前記操作部材の操作により前記ガイドフィンを傾動させるリンク機構と、を備える空調用薄型レジスタであって、前記操作部材は、前記吹出口よりも前記車内側における、前記吹出口から吹き出される前記空調用空気の流れを妨げない位置に配置されている。
【0009】
この構成によれば、吹出口から車内への空調用空気の流れを操作部材の存在によって妨げることが無くなり、通気抵抗の増大を抑えることができる。また、吹出口の手前で操作部材の操作が実現されるので、操作部材の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る空調用薄型レジスタの斜視図である。
図2】実施形態の空調用薄型レジスタの、車両基材に組み込まれかつ操作部材の操作位置が中立位置である状態での断面図である。
図3】実施形態の空調用薄型レジスタの分解斜視図である。
図4】実施形態の空調用薄型レジスタの正面図である。
図5】実施形態の空調用薄型レジスタの上面図である。
図6】実施形態の空調用薄型レジスタの、操作部材の操作位置が上側にある状態での図4に示す直線VI-VIで切断した際の断面図である。
図7】実施形態の空調用薄型レジスタの、操作部材の操作位置が下側にある状態での図4に示す直線VI-VIで切断した際の断面図である。
図8】実施形態の空調用薄型レジスタの、縦フィンが中立位置にある状態での図4に示す直線VIII-VIIIで切断した際の断面図である。
図9】実施形態の空調用薄型レジスタの、縦フィンが全閉位置にある状態での図4に示す直線VIII-VIIIで切断した際の断面図である。
図10】実施形態の空調用薄型レジスタの、操作部材の操作位置が中立位置である状態での側面図である。
図11】実施形態の空調用薄型レジスタの、操作部材の操作位置が上側にある状態での側面図である。
図12】実施形態の空調用薄型レジスタの、操作部材の操作位置が下側にある状態での側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る空調用薄型レジスタの具体的な実施形態について、図面を用いて説明する。
【0012】
本実施形態の空調用薄型レジスタ1は、図1に示す如く、空調装置(図示せず)から送られる空調用空気の吹出方向を変更する装置である。空調用薄型レジスタ1は、車両に搭載されており、例えば車内の前席の前方のインストルメントパネルや前席の側方のセンタコンソール若しくはドアパネルなどの車両基材2に組み込まれている。
【0013】
車両基材2には、図2に示す如く、開口スリット2aが設けられている。開口スリット2aは、空調装置から送られる空調用空気を車内へ向けて吹き出す通気口をなす。開口スリット2aの空調装置側の端部は、細長い形状に形成されている。尚、開口スリット2aは、空調装置側の端部から車内側の端部にかけて徐々に幅(具体的には、後述の上下方向の幅)が広くなって開口面積が大きくなるように形成されていてよい。空調用薄型レジスタ1は、空調装置と開口スリット2aとを繋ぐ通風路3上に配置されており、開口スリット2aの奥側に配置される。空調用薄型レジスタ1は、車内における空調用空気を吹き出す口ごとに設けられる。
【0014】
空調用薄型レジスタ1は、図1図2図3図4、及び図5に示す如く、リテーナ10と、ガイドフィン30と、操作機構50と、を備えている。尚、空調用薄型レジスタ1は、車内の前方のインストルメントパネルに左右方向に延びて後方に向けて開いた開口スリット2aの奥側(車両前方側)に配置されるものとする。そして、適宜、左右方向をX方向とし、車両前後方向をY方向とし、上下方向をZ方向とする。
【0015】
リテーナ10は、ガイドフィン30や操作機構50を保持する部材である。リテーナ10は、空調装置と開口スリット2aとの間に配置されている。リテーナ10の内部空間10aは、通風路3の一部をなす。リテーナ10は、上流側リテーナ11と、下流側リテーナロア12と、下流側リテーナアッパ13と、ベゼル14と、を有している。以下、空調用空気が空調装置から開口スリット2aへ流れる方向を基準にして、空調装置に近い側を「上流」側とし、開口スリット2aに近い側を「下流」側とする。
【0016】
上流側リテーナ11は、上流端及び下流端がそれぞれ開放されて内部が通風路3の一部をなすように略四角筒状に形成された部材である。下流側リテーナロア12及び下流側リテーナアッパ13は、上流側リテーナ11に対して下流側に配置されている。下流側リテーナロア12と下流側リテーナアッパ13とは、互いに係止されることにより上流端及び下流端がそれぞれ開放されて内部が通風路3の一部をなすように略四角筒状に形成される。下流側リテーナロア12及び下流側リテーナアッパ13は、上流側リテーナ11に係止される。上流側リテーナ11と下流側リテーナロア12と下流側リテーナアッパ13とは、ガイドフィン30及び操作機構50を保持した状態で、互いに係止される。
【0017】
ベゼル14は、リテーナ10の最下流側に配置される板状の部材であって、下流側リテーナロア12及び下流側リテーナアッパ13に対して下流側に配置されている。ベゼル14は、吹出口15を有している。吹出口15は、通風路3の下流端に設けられている。吹出口15は、開口スリット2aの奥側に配置されている。吹出口15は、細長い横長の略四角状に形成されている。吹出口15は、一対の短辺部15aと、一対の長辺部15bと、を有している。
【0018】
短辺部15aは、Z方向に延びる部位である。一対の短辺部15aは、互いに平行にX方向に離間した状態でZ方向へ延びている。長辺部15bは、X方向に延びる部位である。一対の長辺部15bは、互いに平行にZ方向に離間した状態でX方向へ延びている。吹出口15は、例えば3000mm~4000mmの面積を有し、縦横のアスペクト比が所定(例えば、1:10~1:15)以上になるように設定されている。吹出口15は、例えば、短辺長(Z方向長さ)が20mm以下でありかつ長辺長(X方向長さ)が150mm以上であるように寸法設定されている。
【0019】
ベゼル14は、保持部16を有している。保持部16は、後述の操作部材60を保持する部位である。保持部16は、蓋箱状に形成されている。尚、保持部16は、ベゼル14の本体とは別体に設けられて、その本体に取り付け固定されていてもよいし、ベゼル14の本体と一体で形成されていてもよい。保持部16は、吹出口15よりもY方向車内側に設けられている。保持部16は、開口スリット2aにおける車両基材2の裏側に配置される。保持部16は、開口スリット2a側の表面に設けられた開口16aを有している。
【0020】
ガイドフィン30は、吹出口15から吹き出す空調用空気の吹出方向を変更させることが可能な部材である。ガイドフィン30は、通風路3内に設けられている。ガイドフィン30は、空調用空気の吹出方向が変更するように傾動することが可能である。ガイドフィン30は、水平フィン31と、バレルフィン32と、縦フィン33と、を有している。
【0021】
水平フィン31は、吹出口15の長辺部15bに沿ってX方向に延びる板状の部材である。水平フィン31は、X方向に延びる軸(以下、この軸をX方向軸と称す。)を中心にして傾動することが可能である。水平フィン31は、リテーナ10に支持されており、内部空間10aに収容されている。水平フィン31は、互いに平行にX方向に延びる二つの羽部31aを有している。二つの羽部31aは、吹出口15の一対の短辺部15aの離間距離と同程度だけZ方向に離間している。二つの羽部31aは、互いに連動して傾動する。リテーナ10への水平フィン31の支持は、一方の羽部31aの軸部が下流側リテーナロア12とベゼル14との間に挟まれかつ他方の羽部31aの軸部が下流側リテーナアッパ13とベゼル14との間に挟まれた状態で行われる。
【0022】
バレルフィン32は、吹出口15の長辺部15bに沿ってX方向に延びる筒状の部材である。バレルフィン32は、X方向軸を中心にして回動して傾動することが可能である。バレルフィン32は、リテーナ10に支持されており、内部空間10aに収容されている。バレルフィン32は、一対の側壁部32aと、一対のメイン羽部32bと、サブ羽部32cと、を有している。リテーナ10へのバレルフィン32の支持は、一対の側壁部32aそれぞれの軸部が下流側リテーナロア12と下流側リテーナアッパ13との間に挟まれた状態で行われる。
【0023】
側壁部32aは、バレルフィン32の左右端に配置される円板状の部位である。一対の側壁部32aは、互いに平行にX方向に離間している。メイン羽部32b及びサブ羽部32cはそれぞれ、側壁部32a同士を繋ぐように、吹出口15の長辺部15bに沿ってX方向に延びる板状の部位である。一対のメイン羽部32bは、互いに平行に離間している。サブ羽部32cは、一対のメイン羽部32bの中間位置に配置されている。サブ羽部32cは、一対のメイン羽部32bに対して平行な状態で配置されている。サブ羽部32cの下流部は、メイン羽部32bの下流端よりも下流側に位置している。
【0024】
縦フィン33は、板状の部材である。縦フィン33は、Z方向に延びる軸(以下、この軸をZ方向軸と称す。)を中心にして傾動することが可能である。縦フィン33は、リテーナ10に支持されており、内部空間10aに収容されている。縦フィン33は、X方向に離間して複数(図3では10個)設けられている。すべての縦フィン33は、互いに連動して傾動する。各縦フィン33は、下部軸部33aと、上部軸部33bと、を有している。リテーナ10への縦フィン33の支持は、下部軸部33aが上流側リテーナ11と下流側リテーナロア12との間に挟まれかつ上部軸部33bが上流側リテーナ11と下流側リテーナアッパ13との間に挟まれた状態で行われる。
【0025】
操作機構50は、車両乗員である使用者の手動操作によりガイドフィン30の傾動位置を変更させるための機構である。操作機構50は、操作部材60と、リンク機構70と、を有している。操作部材60は、使用者により操作される部材である。リンク機構70は、操作部材60とガイドフィン30との間に介在している。リンク機構70は、操作部材60の手動操作によりガイドフィン30を傾動させる機構である。
【0026】
操作部材60は、第一ダイアル部61を有している。第一ダイアル部61は、ガイドフィン30のバレルフィン32及び水平フィン31をX方向軸を中心にして傾動させる部材である。第一ダイアル部61は、球状(具体的には、半球状)に形成された球面部61aを有している。第一ダイアル部61は、球面部61aがZ方向に回動操作できるようにベゼル14の保持部16に支持されている。
【0027】
第一ダイアル部61は、軸線が球中心を通りX方向に延びる軸部61bを有している。軸部61bは、保持部16のX方向側の側面に設けられた軸孔16bに挿入されている。第一ダイアル部61は、球面部61aの回動中心が保持部16の表面に対して裏側(具体的には、開口16aよりもZ方向下側)に位置するように配置されている。第一ダイアル部61は、軸部61bを中心にしてその軸回りのZ方向に回動可能である。
【0028】
操作部材60は、また、第二ダイアル部62を有している。第二ダイアル部62は、ガイドフィン30の縦フィン33をZ方向軸を中心にして傾動させる部材である。第二ダイアル部62は、円板状に形成されている。第一ダイアル部61は、スリット61cを有している。第二ダイアル部62は、第一ダイアル部61のスリット61cに挿入されて嵌るように配置されている。第二ダイアル部62は、スリット61cに挿入された際にその外周面が第一ダイアル部61と一体で球面をなすように形成されている。
【0029】
第二ダイアル部62は、第一ダイアル部61に回動操作できるように支持されている。第二ダイアル部62は、軸線がX方向軸に対して直交する方向に延びる軸部62aを有している。第二ダイアル部62は、第一ダイアル部61と一体で軸部61bを中心にしてその軸回りのZ方向に回動することが可能であると共に、第一ダイアル部61に対して軸部62aを中心にしてその軸回りのX方向に回動することが可能である。
【0030】
尚、第一ダイアル部61のスリット61cひいては第二ダイアル部62は、水平フィン31及びバレルフィン32の傾動位置が上下中立位置であるときに保持部16の開口16aの中央部に位置するものとするのが操作容易性を確保するうえで有効である。
【0031】
第二ダイアル部62は、凹部62bを有している。凹部62bは、第二ダイアル部62の外周面に設けられている。凹部62bは、その外周面の他部よりも軸中心側に凹んだ部位である。凹部62bは、使用者の指先による操作容易性を向上させ或いは使用者によるガイドフィン30(特に、縦フィン33)の傾動位置を確認し易くするための凹みであって、そのガイドフィン30の傾動位置を表す部位である。
【0032】
尚、凹部62bは、縦フィン33の傾動位置が左右中立位置であるときに第一ダイアル部61のスリット61cの左右中央部に位置するものとするのが操作容易性を確保するうえで有効である。また、凹部62bは、水平フィン31及びバレルフィン32の傾動位置が上下中立位置であるときに、保持部16の開口16aの上下中央部ひいては開口スリット2aにおける車両基材2表面に設けられた開口2bの上下中央部に位置するものとするのが操作容易性を確保するうえで有効である。
【0033】
第二ダイアル部62は、図9に示す如き全閉目印部62cを有している。全閉目印部62cは、車内への空調用空気の流れが阻止される状態を使用者に視認させるための表示である。全閉目印部62cは、第二ダイアル部62の外周面において上記凹部62bとは異なる位置(例えば、凹部62bとは軸中心を挟んで反対側の位置)に設けられている。全閉目印部62cは、縦フィン33が全閉位置にあるときに、保持部16の開口16aの中央部ひいては開口スリット2aにおける車両基材2表面の開口2bの中央部に露出するように形成されている。
【0034】
操作部材60は、第一ダイアル部61の一部及び第二ダイアル部62の一部がベゼル14の保持部16の開口16aから露出するようにひいては開口スリット2aにおける吹出口15よりも車内側の車両基材2表面に開口2bを介して露出するように配置されている。この操作部材60の露出は、使用者による第一ダイアル部61への操作及び第二ダイアル部62への操作を可能とするためである。尚、第一ダイアル部61及び第二ダイアル部62は、その頭頂部が開口2bを介して車両基材2表面上すなわち開口スリット2a側に出っ張るように配置されているのが、操作性確保のために有効である。
【0035】
また、操作部材60は、吹出口15から吹き出される空調用空気の流れを妨げないように配置されている。すなわち、操作部材60の配置位置は、吹出口15から吹き出される空調用空気の流れを妨げない位置であって、吹出口15よりも下方の位置である。この配置位置は、開口スリット2aのより車内側の車両基材2表面部位であることが使用者による操作性を向上させるうえで有効である。また、この配置位置は、使用者が車両シートへの正規乗車姿勢でその操作部材60を視認できる位置であることが使用者による視認性を確保するうえで有効である。
【0036】
リンク機構70は、第一リンク機構80を有している。第一リンク機構80は、操作部材60の第一ダイアル部61の軸部61bを中心にした回動によりガイドフィン30のバレルフィン32及び水平フィン31を上下方向に傾動させる機構である。第一リンク機構80は、アーム部81と、ノブリンク82と、アイドルギア83と、第一伝達ギア84と、第二伝達ギア85と、第三伝達ギア86と、を有している。
【0037】
アーム部81は、第一ダイアル部61に一体化されたアーム状の部位である。アーム部81は、第一ダイアル部61の軸部61bからその軸部61bの径方向外方(具体的にはZ方向下方)へ延びている。アーム部81の一端は、軸部61bに一体化されている。アーム部81の他端の軸部81aは、ノブリンク82の一端に回動可能に連結されている。アーム部81の他端は、第一ダイアル部61の軸部61bを中心にした回動により位置変化する。
【0038】
ノブリンク82は、第一ダイアル部61とアイドルギア83とを連結する部材である。ノブリンク82の他端は、アイドルギア83に回動可能に連結されている。アイドルギア83は、円板状に形成されている。第一ダイアル部61の軸部61bを中心にした回動は、ノブリンク82を介してアイドルギア83の回動に変換される。アイドルギア83は、リンク支持部83aと、外歯83bと、を有している。リンク支持部83aは、アイドルギア83の外周側に設けられており、ノブリンク82の他端が回動可能に連結する部位である。
【0039】
下流側リテーナロア12は、ギア支持部12aと、ギア挿入部12bと、を有している。ギア支持部12aは、アイドルギア83を回動可能に支持する部位である。ギア支持部12aは、下流側リテーナロア12の下面に外方(Z方向下方)へ突出するように設けられている。ギア挿入部12bは、アイドルギア83が挿入される孔である。ギア挿入部12bは、下流側リテーナロア12の下面に設けられて、内外を貫通している。
【0040】
アイドルギア83は、ギア挿入部12bに挿入された状態でギア支持部12aに回動可能に支持されている。リンク支持部83aは、下流側リテーナロア12の下面よりもZ方向下方に位置している。また、外歯83bの一部は、下流側リテーナロア12の下面よりもZ方向上方に位置しており、リテーナ10の内部空間10aに配置される。
【0041】
第一伝達ギア84は、内部空間10aにおいてアイドルギア83の外歯83bに係合されるギアである。第一伝達ギア84は、バレルフィン32の下側のメイン羽部32bの下面に外方へ突出するように設けられている。アイドルギア83の回動は、第一伝達ギア84とアイドルギア83とを用いて、バレルフィン32の上下方向の傾動に変換される。
【0042】
第二伝達ギア85は、バレルフィン32の一方の側壁部32aに一体に設けられたギアである。第三伝達ギア86は、水平フィン31のX方向一端部に設けられたギアである。第二伝達ギア85と第三伝達ギア86とは、互いに係合している。バレルフィン32の上下方向の傾動は、第二伝達ギア85と第三伝達ギア86とを用いて、水平フィン31の上下方向の傾動に変換される。バレルフィン32と水平フィン31とは、互いに連動して傾動する。
【0043】
リンク機構70は、また、第二リンク機構90を有している。第二リンク機構90は、操作部材60の第二ダイアル部62の軸部62aを中心にした回動によりガイドフィン30の縦フィン33を左右方向に傾動させる機構である。第二リンク機構90は、支持リンク91と、ダンパ92と、ラック93と、伝達ギア94と、を有している。
【0044】
支持リンク91は、第二ダイアル部62とダンパ92とを連結する部材である。支持リンク91は、第一ダイアル部61の外周面の径方向外方でその外周面に沿うように弓状に形成されている。支持リンク91は、その両端の軸部91aが保持部16のX方向に直交する方向側の側面に設けられた軸孔16cに挿入された状態で保持部16に回動可能に支持されている。
【0045】
支持リンク91は、長孔91bを有している。長孔91bは、第一ダイアル部61の外周面に沿って延びている。第二ダイアル部62は、支持リンク91における長孔91bを構成する内壁部に係合する突出部(図示せず)を有している。支持リンク91は、第二ダイアル部62の軸部62aを中心にした回動に伴って、第一ダイアル部61の外周側でその球面部61aに沿って軸部91aを中心にして回動することが可能である。
【0046】
支持リンク91は、ギア部91cを有している。ギア部91cは、ダンパ92に係合するギアである。ギア部91cは、支持リンク91の一方の軸部91aの周囲に設けられている。ダンパ92は、本体部92aと、ギア部92bと、を有している。本体部92aは、保持部16に支持されている。ギア部92bは、支持リンク91のギア部91cに係合しており、支持リンク91の回動に伴って回動する。
【0047】
ラック93は、ダンパ92の回動に伴ってX方向に変位する板状の部材である。ラック93は、リテーナ10の下面よりもZ方向下方においてX方向に延びるように配置されている。ラック93は、第一ギア部93aと、第二ギア部93bと、を有している。第一ギア部93aは、X方向に延びており、ダンパ92に係合している。ダンパ92の回動は、ラック93のX方向への直線運動に変換される。第二ギア部93bは、X方向に延びており、各縦フィン33の下部軸部33aの周囲に設けられた伝達ギア94に係合している。ラック93のX方向への直線運動は、各縦フィン33のZ方向軸を中心にした傾動に変換される。
【0048】
次に、空調用薄型レジスタ1の動作について説明する。
例えば、操作部材60が上下方向及び左右方向の双方で中立位置にある状態では、空調装置から通風路3に流れた空調用空気がリテーナ10の内部空間10aに入った後、その空調用空気が縦フィン33、バレルフィン32、及び水平フィン31によって妨げられることがほとんどなく、その空調用空気が内部空間10aの上流端から吹出口15にかけて真っ直ぐに進行する(図2及び図8参照)。このため、この状態では、空調用空気が吹出口15から真っ直ぐに吹き出される。
【0049】
操作部材60は、第一ダイアル部61の一部及び第二ダイアル部62の一部が車両基材2の開口スリット2aにおける吹出口15よりも車内側の車両基材2表面に開口2bを介して露出するように配置されている。この操作部材60の配置位置は、吹出口15から吹き出される空調用空気の流れを妨げない位置である。このため、吹出口15から車内への空調用空気の流れを操作部材60の存在によって妨げることが無くなり、通気抵抗の増大ひいては圧力損失の増大を抑えることができる。
【0050】
使用者が例えば図6に示す如く第二ダイアル部62の凹部62bを指で開口2bにおける上側に移動させると、第一ダイアル部61及び第二ダイアル部62が一体となって軸部61bを中心にして上方へ回動する。操作部材60が軸部61bを中心にして上方へ回動すると、図11に示す如く、その上方回動に応じてアーム部81の他端が位置変化して、その上方回動がノブリンク82を介してアイドルギア83の回動(図10及び図11における右回動)に変換される。
【0051】
そして、アイドルギア83の回動が第一伝達ギア84に伝達されると、バレルフィン32が下流側を下げた状態に傾動する。また、バレルフィン32が下流側を下げた状態に傾動すると、第二伝達ギア85から第三伝達ギア86への伝達により水平フィン31がそのバレルフィン32の傾動に連動して下流側を上げた状態に傾動する。
【0052】
かかる状態では、空調装置から通風路3に流れた空調用空気がリテーナ10の内部空間10aに入った後、その空調用空気が、バレルフィン32の下流側を下げた傾動により一旦押し下げられて進行しその後に水平フィン31の下流側を上げた傾動により押し上げられて進行する(図6参照)。このため、この状態では、空調用空気が吹出口15から上方へ向けて吹き出される。
【0053】
また、使用者が例えば図7に示す如く第二ダイアル部62の凹部62bを指で開口2bにおける下側に移動させると、第一ダイアル部61及び第二ダイアル部62が一体となって軸部61bを中心にして下方へ回動する。操作部材60が軸部61bを中心にして下方へ回動すると、図12に示す如く、その下方回動に応じてアーム部81の他端が位置変化して、その下方回動がノブリンク82を介してアイドルギア83の回動(図10及び図11における左回動)に変換される。
【0054】
そして、アイドルギア83の回動が第一伝達ギア84に伝達されると、バレルフィン32が下流側を上げた状態に傾動する。また、バレルフィン32が下流側を上げた状態に傾動すると、第二伝達ギア85から第三伝達ギア86への伝達により水平フィン31がそのバレルフィン32の傾動に連動して下流側を下げた状態に傾動する。
【0055】
かかる状態では、空調装置から通風路3に流れた空調用空気がリテーナ10の内部空間10aに入った後、その空調用空気が、バレルフィン32の下流側を上げた傾動により一旦押し上げられて進行しその後に水平フィン31の下流側を下げた傾動により押し下げられて進行する(図7参照)。このため、この状態では、空調用空気が吹出口15から下方へ向けて吹き出される。
【0056】
また、使用者が例えば第二ダイアル部62の凹部62bを指で開口2bにおける右側又は左側に移動させると、第二ダイアル部62が軸部62aを中心にして右方又は左方へ回動する。第二ダイアル部62が軸部62aを中心にして右方又は左方へ回動すると、その回動に応じて支持リンク91が軸部91aを中心にして回動し、その支持リンク91の回動が支持リンク91のギア部91c、ダンパ92のギア部92b、及びラック93の第一ギア部93aを介してラック93に伝達されてラック93のX方向への直線運動に変換される。そして、ラック93がX方向へ直線運動すると、その直線運動が第二ギア部93b及び伝達ギア94を介して縦フィン33に伝達されて、縦フィン33がZ方向軸を中心にして傾動する。
【0057】
かかる状態では、空調装置から通風路3に流れた空調用空気がリテーナ10の内部空間10aに入った後、その空調用空気が、縦フィン33の左右中立位置からの傾動により右側又は左側に曲がって進行する。このため、この状態では、空調用空気が吹出口15から右方又は左方へ向けて吹き出される。
【0058】
更に、使用者が、全閉目印部62cが保持部16の開口16aすなわち車両基材2の開口2bを介して露出するまで、第二ダイアル部62を指で開口2bにおける右側又は左側に移動させると、X方向に隣接する縦フィン33同士が当接して、縦フィン33がX方向の隙間を閉塞する全閉状態になる。かかる状態では、空調装置から通風路3に流れた空調用空気がリテーナ10の内部空間10aに入っても、その空調用空気の下流側への進行が縦フィン33で阻止される。このため、この状態では、吹出口15から車内への空調用空気の流れが阻止される。
【0059】
従って、空調用薄型レジスタ1によれば、操作部材60の操作によりガイドフィン30を傾動させて、吹出口15からの空調用空気の吹出方向をその傾動位置に応じた角度方向とすることができると共に、縦フィン33の全閉状態でその吹き出しを停止することができる。
【0060】
空調用薄型レジスタ1において、使用者が操作する操作部材60のダイアル部61,62は、吹出口15よりも車内側に配置されており、開口スリット2aにおける吹出口15よりも車内側に位置する車両基材2表面に露出している。この操作部材60の配置によれば、使用者がダイアル部61,62を操作するうえで手や指を開口スリット2aの最奥部まで入れることは不要である。
【0061】
このため、吹出口15の手前(具体的には、開口スリット2aを構成する車両基材2の表面)で操作部材60のダイアル部61,62の操作を実現することができるので、操作部材60が吹出口15と同様に開口スリット2aの最奥部にある構造に比べて、操作部材60の操作性を向上させることができる。
【0062】
また、空調用薄型レジスタ1の構造では、操作部材60が吹出口15と同様に開口スリット2aの最奥部にある構造と異なり、操作部材60(特にそのダイアル部61,62)のサイズが開口スリット2aの最奥部の幅(すなわち、吹出口15と同程度の幅)に制限されることは回避される。この場合、ガイドフィン30を各方向の全域に亘って傾動させるのに操作部材60の操作量を少なくすることは不要であり、操作部材60の操作に対して増速してガイドフィン30を傾動させることは不要である。このため、操作部材60の操作性が悪化するのを抑えることが可能である。
【0063】
従って、空調用薄型レジスタ1によれば、操作部材60の存在によって、吹出口15から吹き出される空調用空気の通気抵抗の増大を招くことなく、その操作部材60の操作性を向上させることができる。
【0064】
また、操作部材60は、球状の第一ダイアル部61と、円板状の第二ダイアル部62と、を有している。そして、第二ダイアル部62は、第一ダイアル部61のスリット61cに嵌るように配置されている。第一ダイアル部61の一部及び第二ダイアル部62の一部は、開口スリット2aにおける吹出口15よりも車内側の車両基材2表面に開口2bを介して露出している。
【0065】
この構造は、ガイドフィン30を傾動させる操作部材60が、車両基材2表面から車内側へ突出した凸形状に形成されたものではない。このため、操作部材60の形状が各国の内突要件を満たさなくなることはなく、車両衝突時などにおける乗員の安全性を向上させることができる。
【0066】
尚、上記の実施形態においては、X方向軸が特許請求の範囲に記載した「水平軸」に、Z方向軸が特許請求の範囲に記載した「直交軸」に、水平フィン31及びバレルフィン32が特許請求の範囲に記載した「第一フィン」に、縦フィン33が特許請求の範囲に記載した「第二フィン」に、軸部61b回りのZ方向が特許請求の範囲に記載した「第一方向」に、軸部62a回りのX方向が特許請求の範囲に記載した「第二方向」に、それぞれ相当している。
【0067】
ところで、上記の実施形態においては、操作機構50を、第一ダイアル部61を軸部61bを中心にしてその軸回りのZ方向に回動させることによりガイドフィン30(具体的には、水平フィン31及びバレルフィン32)をX方向軸を中心にして傾動させると共に、第二ダイアル部62を第一ダイアル部61に対して軸部62aを中心にしてその軸回りのX方向に回動させることによりガイドフィン30(具体的には、縦フィン33)をZ方向軸を中心にして傾動させるように構成することとしている。すなわち、ガイドフィン30のX方向軸を中心にした傾動とZ方向軸を中心にした傾動とを、操作部材60の互いに異なる方向への回動操作により実現することとしている。
【0068】
しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、ガイドフィン30のX方向軸を中心にした傾動とZ方向軸を中心にした傾動とを、操作部材60の互いに同じ方向(すなわち、一方向)への回動操作により実現することとしてもよい。
【0069】
また、上記の実施形態においては、操作部材60が、球状に形成された球面部61aを有する第一ダイアル部61を有し、その球面部61aが使用者による操作により回動される部材である。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、操作部材60が、平板状に形成されたダイアル部を有し、そのダイアル部が使用者による操作により直線運動する部材であってもよい。
【0070】
尚、本発明は、上述した実施形態や変形形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0071】
1:空調用薄型レジスタ、2:車両基材、2a:開口スロット、3:通風路、10:リテーナ、10a:内部空間、15:吹出口、30:ガイドフィン、31:水平フィン、32:バレルフィン、33:縦フィン、50:操作機構、60:操作部材、61:第一ダイアル部、61a:球面部、62:第二ダイアル部、70:リンク機構、80:第一リンク機構、90:第二リンク機構。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12