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特許7404965浴室用電源装置、および浴室機器システム
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  • 特許-浴室用電源装置、および浴室機器システム 図1
  • 特許-浴室用電源装置、および浴室機器システム 図2
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  • 特許-浴室用電源装置、および浴室機器システム 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】浴室用電源装置、および浴室機器システム
(51)【国際特許分類】
   A47K 4/00 20060101AFI20231219BHJP
   E04H 1/12 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
A47K4/00
E04H1/12 301
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020053419
(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公開番号】P2021151406
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢野 剛広
(72)【発明者】
【氏名】林 勇樹
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-216078(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0232685(US,A1)
【文献】特開2006-158184(JP,A)
【文献】特開2002-51483(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 4/00
E04H 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室に設けられる機器類、および前記機器類を制御する操作装置を含む浴室関連機器に電力を供給する浴室用電源装置であって、
前記浴室用電源装置は、
交流電力から前記浴室関連機器を動作させるための動作電力を生成する動作用電源部と、
前記動作用電源部を複数配置可能な格納エリアを有するケースと
を備え、
前記格納エリアには、前記浴室関連機器の種類、および数に応じて前記動作用電源部が配置される
ことを特徴とする浴室用電源装置。
【請求項2】
前記機器類は、複数の機器を含み、
前記動作用電源部は、前記複数の機器を動作させるための前記動作電力を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の浴室用電源装置。
【請求項3】
前記動作用電源部は、前記動作電力を生成する電子部品が実装された電源基板である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の浴室用電源装置。
【請求項4】
前記ケースは、
複数の電源基板を前記格納エリアに所定の向きに揃えて取り付け可能な複数の取付部
を備えることを特徴とする請求項3に記載の浴室用電源装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つに記載の浴室用電源装置と、
前記機器類と、
前記操作装置と
を備え、
前記浴室用電源装置は、前記機器類のうちモータを有する第1機器、およびモータを有さない第2機器に対して、異なる前記動作用電源部から前記動作電力を供給する
ことを特徴とする浴室機器システム。
【請求項6】
前記第2機器は、浴室用テレビ、オーディオ機器、および照明機器の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の浴室機器システム。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1つに記載の浴室用電源装置と、
前記機器類と、
前記操作装置と
を備え、
前記浴室用電源装置は、前記機器類のうち同時に使用される機器を異なる前記動作用電源部から前記動作電力を供給する
ことを特徴とする浴室機器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、浴室用電源装置、および浴室機器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のオプション機器に1つの電源装置から電力を供給する給湯システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-4215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、浴室に配置可能な全てのオプション機器に必要な電力容量を想定して電源装置が製造されると、接続されるオプション機器が少ない場合に、電源装置のコストが高くなるおそれがある。また、必要な電力容量に応じて電力容量が異なる電源装置を複数用意する場合には、電源装置の設計コストが高くなるおそれがある。
【0005】
実施形態の一態様は、コストを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る浴室用電源装置は、浴室に設けられる機器類、および前記機器類を制御する操作装置を含む浴室関連機器に電力を供給する。前記浴室用電源装置は、交流電力から前記浴室関連機器を動作させるための動作電力を生成する動作用電源部と、前記動作用電源部を複数配置可能な格納エリアを有するケースとを備える。前記格納エリアには、前記浴室関連機器の種類、および数に応じて前記動作用電源部が配置される。
【0007】
これにより、浴室用電源装置では、浴室関連機器の種類、および数に応じて、格納エリアに配置される動作用電源部の数が変更される。そのため、ユーザなどは、浴室関連機器の種類、および数に応じた電力容量を有する浴室用電源装置を配置することができる。従って、電源装置のコストが高くなることを抑制することができる。
【0008】
また、浴室関連機器の種類、および数に対応した複数の浴室用電源装置を設計する必要がなく、浴室用電源装置の開発コストを低減することができる。
【0009】
前記機器類は、複数の機器を含む。前記動作用電源部は、前記複数の機器を動作させるための前記動作電力を生成する。
【0010】
これにより、浴室用電源装置は、1つの動作用電源部から複数の機器に動作電力を供給することによって、動作用電源部の数を少なくすることができる。そのため、浴室用電源装置を小型化することができ、例えば、天井裏のスペースを有効的に活用することができる。また、例えば、作業者は、浴室用電源装置の施工を容易に行うことができる。
【0011】
前記動作用電源部は、前記動作電力を生成する電子部品が実装された電源基板である。
【0012】
これにより、浴室用電源装置は、格納エリアにおける動作用電源部の配置が容易となる。
【0013】
前記ケースは、前記複数の電源基板を前記格納エリアに所定の向きに揃えて取り付け可能な複数の取付部を備える。
【0014】
これにより、作業者は、電源基板を配置する際に、電源基板の取り付け方向を間違わずに配置することができ、電源基板の配置が容易となる。
【0015】
実施形態の一態様に係る浴室機器システムは、前記浴室用電源装置と、前記機器類と、前記操作装置とを備える。前記浴室用電源装置は、前記機器類のうちモータを有する第1機器、およびモータを有さない第2機器に対して、異なる前記動作用電源部から前記動作電力を供給する。
【0016】
これにより、浴室機器システムでは、第1機器によって高調波ノイズが発生した場合に、第2機器に対する高調波ノイズの影響を抑制することができる。
【0017】
前記第2機器は、浴室用テレビ、オーディオ機器、および照明機器の少なくとも1つを含む。
【0018】
これにより、例えば、浴室機器システムは、高調波ノイズによってオーディオ機器の音響にノイズが発生することを抑制し、また高調波ノイズによって浴室用テレビの画面にちらつきが発生することを抑制することができる。そのため、浴室機器システムは、入浴者に不快感を与えることを抑制し、快適な入浴環境を整えることができる。
【0019】
実施形態の一態様に係る浴室機器システムは、前記浴室用電源装置と、前記機器類と、前記操作装置とを備える。前記浴室用電源装置は、前記機器類のうち同時に使用される機器を異なる前記動作用電源部から前記動作電力を供給する。
【0020】
これにより、浴室機器システムは、動作用電源部の電力容量を小さくすることができ、コストを低減することができる。また、浴室機器システムは、動作用電源部の数が増えることを抑制することができ、浴室用電源装置を小型化することができる。
【発明の効果】
【0021】
実施形態の一態様によれば、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、実施形態に係る浴室機器システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る浴室を示す概略図である。
図3図3は、実施形態に係る電源ボックスの一部の概略を示す平面図である。
図4図4は、変形例に係る浴室機器システムにおける浴室関連機器の接続状態を示す図である。
図5図5は、変形例に係る浴室機器システムにおける浴室関連機器の接続状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する浴室用電源装置、および浴室機器システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0024】
実施形態に係る浴室機器システム1について図1を参照し説明する。図1は、実施形態に係る浴室機器システム1の構成を示すブロック図である。なお、図1などのブロック図では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0025】
換言すれば、図1などのブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0026】
図1に示すように、浴室機器システム1は、浴室関連機器2と、電源ボックス3(浴室用電源装置)とを備える。浴室関連機器2には、機器類2Aと操作装置2Bとが含まれる。機器類2Aは、浴室100(図2参照)に設けられる。機器類2Aには、複数の機器10~14、例えば、浴槽洗浄装置10、浴室洗浄装置11、自動排水栓12、オーディオ機器13、浴室用テレビ14が含まれる。機器類2Aには、浴槽洗浄装置10、浴室洗浄装置11、自動排水栓12、オーディオ機器13、浴室用テレビ14のうち複数の機器が含まれればよい。なお、浴室関連機器2は、これに限られることはなく、浴室に関連する機器が含まれる。浴室関連機器2の機器類2Aには、例えば、給湯器や、照明機器が含まれてもよい。
【0027】
浴槽洗浄装置10は、浴槽105(図2参照)を洗浄する洗浄機能を有する。例えば、浴槽洗浄装置10は、浴槽105内に洗剤や水(または湯)を散布することで、浴槽105を洗浄することができる。
【0028】
浴室洗浄装置11は、浴室100(図2参照)を洗浄する洗浄機能を有する。例えば、浴室洗浄装置11は、浴室100の床103(図2参照)に除菌水や水(または湯)を散布することで、浴室100の床103を洗浄することができる。
【0029】
自動排水栓12は、浴槽105の排水弁を開閉する。自動排水栓12は、開くことで浴槽105内の水(または湯)を排出し、閉じることで例えば浴槽105において湯張りなどを開始可能な状態にすることができる。
【0030】
オーディオ機器13は、例えば、オーディオコンポであり、音声の再生機能を有する。浴室用テレビ14は、テレビ映像を表示する機能を有する。浴室用テレビ14は、映像の再生機能を有してもよい。
【0031】
操作装置2Bは、機器類2Aの少なくとも1つを操作するための装置である。操作装置2Bは、リモコンである。操作装置2Bは、ユーザの操作により、機器類2Aを制御する制御信号を送信する。操作装置2Bから送信された制御信号は、対応する機器類2Aへ出力される。操作装置2Bは、給湯器などを制御してもよい。
【0032】
浴室関連機器2の一部には、図2に示すように、電源ボックス3から供給される動作電力を制御する電力制御ボックス20A~20Eを介して動作電力が供給される。図2は、実施形態に係る浴室100を示す概略図である。浴室100は、例えば、ユニットバスである。
【0033】
電力制御ボックス20A~20Eは、浴室関連機器2に供給される動作電力を制御し、制御した動作電力を対応する浴室関連機器2に供給する。例えば、電力制御ボックス20Aは、浴槽洗浄装置10に供給される動作電力を制御する。電力制御ボックス20Bは、浴室洗浄装置11に供給される動作電力を制御する。電力制御ボックス20Cは、自動排水栓12に供給される動作電力を制御する。電力制御ボックス20Dは、オーディオ機器13に供給される動作電力を制御する。電力制御ボックス20Eは、浴室用テレビ14に供給される動作電力を制御する。なお、電力制御ボックス20A~20Eは、浴室関連機器2に含まれてもよい。
【0034】
例えば、電力制御ボックス20Aは、浴室関連機器2の機能を発揮させるための構成、例えば、ステッピングモータや、電磁弁などに動作電力を供給する。
【0035】
電力制御ボックス20A~20Eは、浴室100の天井裏、すなわち浴室100の天井の上面に設けられる。
【0036】
浴室100は、複数(例えば4枚)の壁101と、天井102と、床103とを備える。壁101、天井102、および床103は、例えばユニットバスを構成する専用のパネル(例えば鋼板パネル)などによって形成される。
【0037】
浴室100の内部には、壁101、天井102および床103によって囲まれた浴室空間104が形成される。浴室空間104には、浴槽105や図示しないシャワー水栓などの水回り設備が配置される。浴室100の外部には、商用電源から交流電力が供給される分電盤110が配置される。
【0038】
天井102には、点検口102aが設けられる。作業者などは、点検口102aから、各電力制御ボックス20A~20Eや、電源ボックス3にアクセスし、作業を行うことができる。
【0039】
電源ボックス3は、住宅内に設けられた分電盤110から交流電力が供給される。電源ボックス3について図3を参照し説明する。図3は、実施形態に係る電源ボックス3の一部の概略を示す平面図である。
【0040】
電源ボックス3は、ケース20と、動作用電源部21とを備える。
【0041】
ケース20は、箱状であり、複数の動作用電源部21を格納可能となるように形成される。ケース20は、金属製である。ケース20には、端子部22が設けられる。端子部22には、分電盤110(図2参照)から電力が供給される電源線40が接続される。端子部22には、動作用電源部21に電力を供給する入力ハーネス42が接続される。また、ケース20には、アース線41が接続される。
【0042】
ケース20には、複数の動作用電源部21を配置可能な格納エリアSが設けられる。格納エリアSは、例えば、3つの動作用電源部21を配置することができる。図3においては、2つの動作用電源部21が配置された状態を示す。なお、格納エリアSに配置可能な動作用電源部21の数は、これに限られることはない。格納エリアSに配置可能な動作用電源部21の数は、2つでもよく、4以上であってもよい。ケース20には、格納エリアSに動作用電源部21を支持し、動作用電源部21が取り付けられる複数の支持ピン23(取付部)が設けられる。
【0043】
支持ピン23は、例えば、4つの支持ピン23によって1つの動作用電源部21を支持する。4つの支持ピン23は、動作用電源部21が所定の向きに揃って取り付けられるように設けられる。具体的には、動作用電源部21の入力ポート30が端子部22側となっている場合にのみ、動作用電源部21を取り付けできるように4つの支持ピン23が設けられる。
【0044】
ケース20には、複数のコネクタ24が設けられる。複数のコネクタ24は、格納エリアSに配置可能な動作用電源部21の数に対応して設けられる。例えば、格納エリアSに配置可能な動作用電源部21が3つである場合には、3つのコネクタ24が設けられる。なお、1つの動作用電源部21に対して複数のコネクタ24が設けられてもよい。コネクタ24には、動作用電源部21から動作電力が出力される出力ハーネス43が接続される。
【0045】
動作用電源部21は、電子部品が実装された電源基板である。動作用電源部21は、分電盤110を介して供給される交流電力を直流電力に変換する。具体的には、動作用電源部21は、交流電力から浴室関連機器2を動作させるための動作電力を生成する。動作用電源部21は、例えば、分電盤110から供給された電力における電圧を24Vの直流電圧に変換する。
【0046】
動作用電源部21には、入力ポート30と、出力ポート31とが設けられる。入力ポート30には、入力ハーネス42が接続され、端子部22を介して交流電力が供給される。出力ポート31には、出力ハーネス43が接続され、変換後の直流電力をコネクタ24に供給する。
【0047】
動作用電源部21には、複数の孔21aが形成される。孔21aには、支持ピン23が挿入される。孔21aは、動作用電源部21を支持する支持ピン23の数に対応して形成される。例えば、孔21aは、動作用電源部21を支持する4つの支持ピン23に対応して4つ形成される。
【0048】
電源ボックス3では、浴室関連機器2の種類、および数に応じて格納エリアSに配置される動作用電源部21の数が変更される。例えば、電源ボックス3は、1つから3つの動作用電源部21を格納エリアSに配置することができる。
【0049】
例えば、図1に示す浴室関連機器2の全てが設けられ、かつ消費電力が大きい浴室関連機器2が含まれる場合には、3つの動作用電源部21が電源ボックス3に設けられる。例えば、図1に示す浴室関連機器2の一部が設けられない場合には、1つ、または2つの動作用電源部21が電源ボックス3に設けられる。
【0050】
上記浴室機器システム1では、設けられる浴室関連機器2の種類、および数をユーザなどが選択することができる。ユーザなどは、上記した機器類2Aのうち、例えば、浴槽洗浄装置10や、オーディオ機器13を設けない浴室機器システム1を住宅に設置することを望む場合もある。そのため、浴室機器システム1では、設けられる機器類2Aの種類、および数に応じて、電源ボックス3における電力容量が変化する。
【0051】
これに対し、実施形態に係る電源ボックス3の構成を有さない比較例では、例えば、選択可能な全ての機器類で必要な電力容量に対応した動作用電源部が電源ボックスに設けられる。しかし、例えば、浴槽洗浄装置や、オーディオ機器を設けない浴室機器システムを住宅に設置する場合に、使用される浴室関連機器の電力容量に対し、余分な電力容量を有する電源ボックスが設置されることなる。そのため、電源装置のコストが高くなるおそれがある。
【0052】
また、実施形態に係る電源ボックス3の構成を有さない比較例では、例えば、設けられる浴室関連機器の種類、および数に応じて複数種類の電源ボックスが設計される。しかし、この場合、浴室関連機器の種類、および数に応じて電源ボックスを複数種類設計しなければならず、開発工数が多くなり、開発のコストが高くなるおそれがある。
【0053】
実施形態に係る電源ボックス3は、動作用電源部21と、ケース20とを備える。動作用電源部21は、交流電力から浴室関連機器2を動作させるための動作電力を生成する。ケース20は、動作用電源部21を複数配置可能な格納エリアSを有する。格納エリアSには、浴室関連機器2の種類、および数に応じて動作用電源部21が配置される。
【0054】
これにより、電源ボックス3では、浴室関連機器2の種類、および数に応じて、格納エリアSに配置される動作用電源部21の数が変更される。そのため、ユーザなどは、浴室関連機器2の種類、および数に応じた電力容量を有する電源ボックス3を配置することができる。従って、電源装置のコストが高くなることを抑制することができる。
【0055】
また、浴室関連機器2の種類、および数に対応した複数の電源ボックス3を設計する必要がなく、電源ボックス3の開発コストを低減することができる。
【0056】
機器類2Aは、複数の機器10~14を含む。動作用電源部21は、複数の機器10~14を動作させるための動作電力を生成する。
【0057】
これにより、電源ボックス3は、動作用電源部21から複数の機器10~14に動作電力を供給することによって、動作用電源部21の数を少なくすることができる。そのため、電源ボックス3を小型化することができ、例えば、天井裏のスペースを有効的に活用することができる。また、例えば、作業者は、電源ボックス3や、電力制御ボックス20A~20Eの施工を容易に行うことができる。
【0058】
動作用電源部21は、動作電力を生成する電子部品が実装された電源基板である。
【0059】
これにより、電源ボックス3は、格納エリアSにおける動作用電源部21の配置が容易となる。
【0060】
ケース20は、複数の動作用電源部21を格納エリアSに所定の向きに揃えて取り付け可能な複数の支持ピン23を備える。
【0061】
これにより、作業者は、動作用電源部21を配置する際に、動作用電源部21の取り付け方向を間違わずに配置することができ、動作用電源部21の配置が容易となる。
【0062】
次に変形例に係る浴室機器システム1について説明する。
【0063】
変形例に係る浴室機器システム1では、浴室関連機器2における消費電力に基づいて、複数の動作用電源部21に接続される浴室関連機器2が設定される。変形例に係る浴室機器システム1では、1つの動作用電源部21に接続される浴室関連機器2の消費電力の合計値の差が、各動作用電源部21において小さくなるように複数の動作用電源部21に接続される浴室関連機器2が設定される。
【0064】
また、変形例に係る浴室機器システム1では、機器類2Aのうち、同時に使用される機器が異なる動作用電源部21に接続される。同時に使用される機器は、例えば、入浴中ではない場合に使用される浴槽洗浄装置10、浴室洗浄装置11、および自動排水栓12である。変形例に係る浴室機器システム1では、例えば、図4に示すように、浴槽洗浄装置10、浴室洗浄装置11、および自動排水栓12は、異なる動作用電源部21に接続される。図4は、変形例に係る浴室機器システム1における浴室関連機器2の接続状態を示す図である。
【0065】
なお、変形例に係る浴室機器システム1は、1つの動作用電源部21に接続される複数の浴室関連機器2おいて、複数の浴室関連機器2が同時に使用されないように、使用される浴室関連機器2の動作状態を制御してもよい。
【0066】
これにより、変形例に係る浴室機器システム1は、動作用電源部21の電力容量を小さくすることができ、コストを低減することができる。また、変形例に係る浴室機器システム1は、動作用電源部21の数が増えることを抑制することができ、電源ボックス3を小型化することができる。
【0067】
また、変形例に係る浴室機器システム1では、図5に示すように、機器類2Aのうち、モータを有する第1機器50と、モータを有さない第2機器51とが異なる動作用電源部21に接続され、異なる動作用電源部21から動作電力がそれぞれ供給される。図5は、変形例に係る浴室機器システム1における浴室関連機器2の接続状態を示す概略図である。なお、図5では、第1機器50、および第2機器51がそれぞれ1つの動作用電源部21に接続される一例を示すが、これに限られることはない。例えば、第1機器50は、複数の動作用電源部21に分けて接続されてもよい。
【0068】
第1機器50は、モータの動作によって、高調波ノイズとなる突入電流が発生する機器である。第1機器50は、例えば、浴槽洗浄装置10、浴室洗浄装置11、自動排水栓12である。第2機器51は、高調波ノイズの影響を受けるおそれがある機器である。第2機器51は、例えば、オーディオ機器13、浴室用テレビ14である。第2機器51は、照明機器を含んでもよい。第2機器51は、オーディオ機器13、浴室用テレビ14、照明機器の少なくとも1つを含む。
【0069】
これにより、変形例に係る浴室機器システム1では、第1機器50によって高調波ノイズが発生した場合に、第2機器51に対する高調波ノイズの影響を抑制することができる。例えば、変形例に係る浴室機器システム1は、高調波ノイズによってオーディオ機器13の音響にノイズが発生することを抑制し、また高調波ノイズによって浴室用テレビ14の画面にちらつきが発生することを抑制することができる。そのため、変形例に係る浴室機器システム1は、入浴者に不快感を与えることを抑制し、快適な入浴環境を整えることができる。
【0070】
変形例に係る浴室機器システム1は、浴室関連機器2として、スマートフォンなどの端末装置と通信可能な通信装置を備えてもよい。変形例に係る浴室機器システム1は、浴室乾燥暖房機などの機器を備えてもよい。
【0071】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 浴室機器システム
2 浴室関連機器
2A 機器類
2B 操作装置
3 電源ボックス(浴室用電源装置)
10 浴槽洗浄装置
11 浴室洗浄装置
12 自動排水栓
13 オーディオ機器
14 浴室用テレビ
20 ケース
21 動作用電源部
23 支持ピン(取付部)
50 第1機器
51 第2機器
S 格納エリア
図1
図2
図3
図4
図5