(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】データ収集装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/01 20060101AFI20231219BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20231219BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G08G1/01 A
H04M11/00 301
G08G1/13
(21)【出願番号】P 2020063183
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2022-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】230120499
【氏名又は名称】藤江 和典
(74)【代理人】
【識別番号】100201385
【氏名又は名称】中安 桂子
(72)【発明者】
【氏名】神田 規史
(72)【発明者】
【氏名】夏目 充啓
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-038407(JP,A)
【文献】特開2019-091347(JP,A)
【文献】特開2012-166620(JP,A)
【文献】特開2020-027413(JP,A)
【文献】特開2009-217376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して端末装置(10)からデータを収集するデータ収集装置であって、
前記データの収集条件を示すデータ収集条件情報、及び収集する前記データの種類を示すデータ種類情報、が入力される入力部(101)と、
前記データ収集条件情報から前記データの収集対象である前記端末装置を特定するとともに、前記データ収集条件情報及び前記データ種類情報を用いてデータ収集要求を生成するデータ収集管理部(102)と、
前記端末装置に対する起動要求を生成する起動要求生成部(103)と、
前記端末装置に対し、前記起動要求及び前記データ収集要求を送信する送信部(104)と、
前記端末装置から、前記データ収集要求に応じた前記データを受信する受信部(105)と、を有
し、
前記受信部は、さらに前記端末装置から定期的にメタデータを受信し、
前記データ収集管理部は、前記端末装置が起動しているかどうかを検出し、
前記端末装置が起動している場合は、前記送信部は前記端末装置に対し、前記データ収集要求を送信し、
前記端末装置が起動していない場合、かつ前記メタデータが示すバッテリー残量が所定量以上の場合は、前記起動要求生成部は前記起動要求を生成し、前記送信部は前記端末装置に対し、前記起動要求及び前記データ収集要求を送信する、
データ収集装置(100、200、300、400)。
【請求項2】
前記入力部には、さらに前記データを収集する期限を示す収集期限情報が入力され、
前記データ収集管理部は、前記収集期限情報から、前記起動要求を送信するタイミングを決定し、
前記送信部は、前記端末装置に対し、前記タイミングで前記起動要求を送信するとともに、前記データ収集要求を送信する、
請求項1記載のデータ収集装置(200)。
【請求項3】
前記タイミングは、前記収集期限情報で示される収集期限の所定時間前である、
請求項2記載のデータ収集装置。
【請求項4】
ネットワークを介して端末装置(10)からデータを収集するデータ収集装置であって、
前記データの収集条件を示すデータ収集条件情報、及び収集する前記データの種類を示すデータ種類情報、が入力される入力部(101)と、
前記データ収集条件情報から前記データの収集対象である前記端末装置を特定するとともに、前記データ収集条件情報及び前記データ種類情報を用いてデータ収集要求を生成するデータ収集管理部(102)と、
前記端末装置に対する起動要求を生成する起動要求生成部(103)と、
前記端末装置に対し、前記起動要求及び前記データ収集要求を送信する送信部(104)と、
前記端末装置から、前記データ収集要求に応じた前記データを受信する受信部(105)と、を有
し、
前記入力部には、さらに前記データを収集する期限を示す収集期限情報が入力され、
前記データ収集管理部は、前記収集期限情報から、前記起動要求を送信するタイミングを決定し、
前記送信部は、前記端末装置に対し、前記タイミングで前記起動要求を送信するとともに、前記データ収集要求を送信し、
前記入力部に、第1のデータ収集条件情報、第1のデータ種類情報、第1の収集期限情報、第2のデータ収集条件情報、第2のデータ種類情報、及び第2の収集期限情報が入力された場合であって、前記第1のデータ収集条件情報及び前記第2のデータ収集条件情報のいずれからも特定される共通端末装置がある場合、
前記データ収集管理部は、前記第1のデータ収集条件情報及び前記第1のデータ種類情報を用いて第1のデータ収集要求を、前記第2のデータ収集条件情報及び前記第2のデータ種類情報を用いて第2のデータ収集要求を生成し、
前記データ収集管理部は、前記第1の収集期限情報から決定される第1のタイミング、及び前記第2の収集期限情報から決定される第2のタイミングのうち、最先のタイミングを決定し、
前記送信部は、前記共通端末装置に対し、前記最先のタイミングで前記起動要求を送信するとともに、前記第1のデータ収集要求及び前記第2のデータ収集要求を送信する、
データ収集装置。
【請求項5】
前記受信部が、前記端末装置から、前記端末装置に対する前記データ収集要求が生成されているかを問い合わせる確認要求を受信した場合、
前記送信部は、前記端末装置に、即時に前記データ収集要求を送信する、
請求項2記載のデータ収集装置(300)。
【請求項6】
前記端末装置は、移動体に搭載されている、
請求項1~5のいずれかに記載のデータ収集装置。
【請求項7】
当該データ収集装置は、移動体の外部に設けられている、
請求項1~6のいずれかに記載のデータ収集装置(100、200、300)。
【請求項8】
当該データ収集装置は、移動体に設けられている、
請求項1~6のいずれかに記載のデータ収集装置(400)。
【請求項9】
ネットワークを介して端末装置からデータを収集するデータ収集装置で実行されるデータ収集方法であって、
前記データの収集条件を示すデータ収集条件情報、及び収集する前記データの種類を示すデータ種類情報、が入力され(S101)、
前記データ収集条件情報から前記データの収集対象である前記端末装置を特定するとともに(S102)、前記データ収集条件情報及び前記データ種類情報を用いてデータ収集要求を生成し(S103)、
前記端末装置に対する起動要求を生成し(S104)、
前記端末装置に対し、前記起動要求及び前記データ収集要求を送信し(S105)、
前記端末装置から、前記
データ収集要求に応じた前記データを受信する(S106)、
データ収集方法
であり、
さらに前記端末装置から定期的にメタデータを受信し、
前記端末装置が起動しているかどうかを検出し(S111)、
前記端末装置が起動している場合は、前記端末装置に対し、前記データ収集要求を送信し(S112)、
前記端末装置が起動していない場合、かつ前記メタデータが示すバッテリー残量が所定量以上の場合は、前記起動要求を生成し(S113)、前記端末装置に対し、前記起動要求及び前記データ収集要求を送信する(S114)、
データ収集方法。
【請求項10】
ネットワークを介して端末装置からデータを収集するデータ収集装置で実行されるデータ収集プログラムであって、
前記データの収集条件を示すデータ収集条件情報、及び収集する前記データの種類を示すデータ種類情報、が入力され(S101)、
前記データ収集条件情報から前記データの収集対象である前記端末装置を特定するとともに(S102)、前記データ収集条件情報及び前記データ種類情報を用いてデータ収集要求を生成し(S103)、
前記端末装置に対する起動要求を生成し(S104)、
前記端末装置に対し、前記起動要求及び前記データ収集要求を送信し(S105)、
前記端末装置から、前記データ収集要求に応じた前記データを受信する(S106)、
データ収集プログラム
であり、
さらに前記端末装置から定期的にメタデータを受信し、
前記端末装置が起動しているかどうかを検出し(S111)、
前記端末装置が起動している場合は、前記端末装置に対し、前記データ収集要求を送信し(S112)、
前記端末装置が起動していない場合、かつ前記メタデータが示すバッテリー残量が所定量以上の場合は、前記起動要求を生成し(S113)、前記端末装置に対し、前記起動要求及び前記データ収集要求を送信する(S114)、
データ収集プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末装置からデータを収集する装置であって、主に自動車をはじめとする移動体に搭載された端末装置からデータを収集するデータ収集装置、データ収集方法、及びデータ収集プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車における運転支援や自動運転に関する技術開発が盛んになっている。例えば、運転支援や自動運転の機能・性能の向上を図る方法として、各自動車から走行状態や周辺環境に関する情報を取得して、学習による自動運転制御の精度を向上させることが挙げられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、車載端末に対するデータの送信要求に対して応答しない車載端末に対しては、その後の車載端末からのアクセスをトリガーとして、車載端末に対してデータを再要求する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、本発明者は、以下の課題を見出した。
自動車の稼働率は日本では5%程度であることから、特許文献1の技術を使用した場合、リアルタイムにデータを取得できるのは全自動車の20分の1に過ぎない。また、週末にしか利用しないなど、比較的長時間稼働しない自動車も少なくなく、データ収集期間が限られる場合、データを収集できない自動車も出てくることになる。
【0006】
本発明は、端末装置からデータを収集するにあたり、必要なデータを取得する時間を短縮することを目的とする。そして、望ましくは、通信量やデータを蓄積するストレージ容量の低減を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のデータ収集装置は、ネットワークを介して端末装置(10)からデータを収集するデータ収集装置であって、
前記データの収集条件を示すデータ収集条件情報、及び収集する前記データの種類を示すデータ種類情報、が入力される入力部(101)と、
前記データ収集条件情報から前記データの収集対象である前記端末装置を特定するとともに、前記データ収集条件情報及び前記データ種類情報を用いてデータ収集要求を生成するデータ収集管理部(102)と、
前記端末装置に対する起動要求を生成する起動要求生成部(103)と、
前記端末装置に対し、前記起動要求及び前記データ収集要求を送信する送信部(104)と、
前記端末装置から、前記データ収集要求に応じた前記データを受信する受信部(105と、を有する。
【0008】
なお、特許請求の範囲、及び本項に記載した発明の構成要件に付した括弧内の番号は、本発明と後述の実施形態との対応関係を示すものであり、本発明を限定する趣旨ではない。
【発明の効果】
【0009】
上述のような構成により、本開示のデータ収集装置は、必要なデータを取得する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態1~3で前提とするデータ収集システムの構成例を示す説明図
【
図2】本開示の実施形態1~3のデータ収集装置の構成例を示すブロック図
【
図3】本開示の実施形態1のデータ収集装置におけるデータ収集管理部の動作の例を説明する説明図
【
図4】本開示の実施形態1のデータ収集装置におけるデータ収集管理部の動作の例を説明する説明図
【
図5】本開示の実施形態1のデータ収集装置の動作を説明するフローチャート
【
図6】本開示の実施形態1の変形例のデータ収集装置の動作を説明するフローチャート
【
図7】本開示の実施形態2のデータ収集装置に入力される情報を説明する説明図
【
図8】本開示の実施形態2のデータ収集装置における起動要求を送信するタイミングを決定する方法を説明する説明図
【
図9】本開示の実施形態4で前提とするデータ収集システムの構成例を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
なお、本発明とは、特許請求の範囲又は課題を解決するための手段の項に記載された発明を意味するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。また、少なくともかぎ括弧内の語句は、特許請求の範囲又は課題を解決するための手段の項に記載された語句を意味し、同じく以下の実施形態に限定されるものではない。
【0013】
特許請求の範囲の従属項に記載の構成及び方法は、特許請求の範囲の独立項に記載の発明において任意の構成及び方法である。従属項に記載の構成及び方法に対応する実施形態の構成及び方法、並びに特許請求の範囲に記載がなく実施形態のみに記載の構成及び方法は、本発明において任意の構成及び方法である。特許請求の範囲の記載が実施形態の記載よりも広い場合における実施形態に記載の構成及び方法も、本発明の構成及び方法の例示であるという意味で、本発明において任意の構成及び方法である。いずれの場合も、特許請求の範囲の独立項に記載することで、本発明の必須の構成及び方法となる。
【0014】
実施形態に記載した効果は、本発明の例示としての実施形態の構成を有する場合の効果であり、必ずしも本発明が有する効果ではない。
【0015】
複数の実施形態がある場合、各実施形態に開示の構成は各実施形態のみで閉じるものではなく、実施形態をまたいで組み合わせることが可能である。例えば一の実施形態に開示の構成を、他の実施形態に組み合わせても良い。また、複数の実施形態それぞれに開示の構成を集めて組み合わせても良い。
【0016】
発明が解決しようとする課題に記載した課題は公知の課題ではなく、本発明者が独自に知見したものであり、本発明の構成及び方法と共に発明の進歩性を肯定する事実である。
【0017】
1.データ収集システム
図1を用いて、まず実施形態1~3の前提であるデータ収集システム1の例について説明する。
【0018】
データ収集システム1は、ネットワーク2で接続された端末装置10とデータ収集装置100とからなる。そして、データ収集装置100は、ネットワーク2(「ネットワーク」に相当)を介して端末装置10からデータを収集する。この他、端末装置10とデータ収集装置100は、相互に要求(コマンド)やその他の情報を送受信する。
【0019】
ここで、「ネットワーク」とは、無線通信ネットワークの他、有線通信ネットワークであってもよい。また、これらを組み合わせてもよい。
【0020】
ネットワーク2は、無線通信方式の場合、例えば、IEEE802.11(Wi―Fi(登録商標))やIEEE802.16(WiMAX(登録商標))、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、HSPA(High Speed Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(Long Term Evolution Advanced)、4G、5G等を用いることができる。あるいは、DSRC(Dedicated Short Range Communication)を用いることができる。
ネットワーク2は、有線通信方式の場合、例えば、有線LAN(Local Area Network)やインターネット、固定電話回線を用いることができる。
【0021】
図1の例では、端末装置100は、「移動体」である車両に「搭載されている」。もっとも、端末装置100は移動体に搭載されていることは必ずしも必要でなく、固定物に搭載されていてもよい。車両は、主として自動車を意味するが、自動二輪車や原動機付自転車も含まれる。
【0022】
ここで、「移動体」とは、移動可能な物体をいい、移動速度は任意である。また移動体が停止している場合も当然含む。例えば、自動車、自動二輪車、自転車、歩行者、船舶、航空機、及びこれらに搭載される物を含み、またこれらに限らない。
また、「搭載されている」とは、移動体に直接固定されている場合の他、移動体に固定されていないが移動体と共に移動する場合も含む。例えば、移動体に乗った人が所持している場合、移動体に載置された積荷に搭載されている場合、が挙げられる。
【0023】
2.実施形態1
(1)データ収集装置100の構成
図2を用いて、本実施形態のデータ収集装置100の構成について説明する。データ収集装置100は、入力部101、データ収集管理部102、起動要求生成部103、送信部104、受信部105、データ記憶部106、マスターデータ記憶部107、及びメタデータ記憶部108を有する。
【0024】
実施形態1~3では、データ収集装置100は、
図1のように移動体である車両の外部に設けられているとして説明する。もっとも、データ収集装置100が設けられている場所はこれに限られず、端末装置10とともに車両に設けられてもよいが、これは実施形態4で説明する。
【0025】
データ収集装置100の形態は、部品、半完成品、完成品のいずれでもよい。本実施形態ではデータ収集装置100は自動車の外部のサーバによって実現されているので、完成品の形態に属する。
その他、部品の例として半導体モジュール、半完成品の形態として電子制御装置(ECU)、完成品の形態として、サーバの他、ワークステーション、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、携帯電話、ナビゲーションシステムが挙げられるが、これらに限らない。
【0026】
データ収集装置100は、汎用のCPU(Central Processing Unit)、RAM等の揮発性メモリ、ROM、フラッシュメモリ、又はハードディスク等の不揮発性メモリ、各種インターフェース、及びこれらを接続する内部バスで構成することができる。そして、これらのハードウェア上でソフトウェアを実行することにより、
図2に記載の各機能ブロックの機能を発揮させるように構成することができる。例えば、データ収集管理部102、及び起動要求生成部103はCPUで、データ記憶部106、マスターデータ記憶部107、及びメタデータ記憶部108はハードディスクで、入力部101、送信部104、及び受信部105はインターフェースで実現することができる。
【0027】
本実施形態では、処理の前提として、マスターデータ記憶部107にマスターデータ、メタデータ記憶部108にメタデータを予め記憶している。そして、本実施形態のデータ収集装置100がデータを収集する際に、マスターデータやメタデータを利用する。
【0028】
マスターデータ記憶部107に記憶しているマスターデータの例として、自動車の車種や型式、自動車の制御ソフトウェアの種類やバージョン台帳、などが挙げられる。これらの情報は、新たな自動車が出荷された際に自動車工場から提供され、端末装置10を有する各車両の識別情報と紐づけられて、マスターデータ記憶部107に記憶されている。制御ソフトウェアのバージョン台帳は、例えば自動車の車両毎に現在インストールされているソフトウェアのバージョンを記録した台帳である。
【0029】
メタデータ記憶部108に記憶しているメタデータは、ネットワーク2で接続された端末装置10を有する車両から定期的にアップロードされるデータである。メタデータの例として、各車両の位置情報、運転支援機能作動実績、通信に用いるバッテリー残量が挙げられるが、これらに限らない。例えば、車両の速度、加速度、走行距離、などであってもよい。
なお、データ収集装置100と通信を行うのは端末装置10であるが、以降の説明において、端末装置10を搭載した車両に着目し、適宜通信対象や起動対象を車両、あるいは収集対象車両と表現する場合がある。
【0030】
入力部101は、データ収集を希望するユーザからの入力や、自装置又は他装置で実行されている他のプロセスからのアクセスを受け付ける。具体的には、入力部101に、データの収集条件を示すデータ収集条件情報、及び収集するデータの種類を示すデータ種類情報が入力される。入力されたデータ収集条件情報、及びデータ種類情報は、データ収集管理部102に出力される。
【0031】
データ収集管理部102は、入力されたデータ収集条件情報から、データの収集対象である端末装置10、すなわち端末装置10を有するデータの収集対象車両を特定する。また、入力されたデータ収集条件情報及びデータ種類情報を用いてデータ収集要求を生成する。
【0032】
図3及び
図4の2つの例を用いて、データ収集管理部102の動作の具体例を説明する。
図3は、データ収集条件情報として、東京都、速度10km/h以上、データ種類情報として、速度、アクセル開度、ステアリング舵角、が入力部101に入力された場合の例である。データ収集管理部102は、メタデータ記憶部108に記憶されている位置情報から、東京都に相当する緯度経度の位置情報を受信した端末装置10を有する車両を抽出し、収集対象車両として特定する。
図3では、A001、A003、A005、A007の識別子を有する車両が収集対象車両として特定されている。また、データ収集管理部102は、データ収集条件情報として、東京都、速度10km/h以上、データ種類情報として速度、アクセル開度、ステアリング舵角、とするデータ収集要求を生成する。このデータ収集要求は、東京都を速度10km/h以上で走行時の速度、アクセル開度、及びステアリング舵角を要求することを意味する。この例の場合、データ収集条件情報である東京都は、収集対象車両を特定するために用いられるとともに、収集するデータを絞る条件としても用いられる。これに対して、速度10km/以上は、収集するデータを絞る条件としてのみ用いられている。これは、本実施形態の場合、メタデータ記憶部108に速度のメタデータが記憶されていないので、速度でもって対象車両を特定することができないからである。もっとも、メタデータ記憶部108に速度のメタデータが記憶されている場合は、収集対象車両を特定するためにも用いてよい。
【0033】
図4は、データ収集条件情報として、運転支援機能がONからOFFに切り替わったこと、制御ソフトウェアのバージョンが1.2、データ種類情報として、前方画像、ステアリング舵角、が入力部101に入力された場合の例である。データ収集管理部102は、メタデータ記憶部108に記憶されている運転支援機能作動実績から、運転支援機能がONからOFFに切り替わった端末装置10を有する車両を抽出するとともに、マスターデータ記憶部107に記憶されている制御ソフトウェアのバージョンから、制御ソフトウェアのバージョンが1.2である端末装置10を有する車両を抽出し、いずれにも該当する車両を収集対象車両として特定する。
図4では、A003、A004、A005、A006の識別子を有する車両が収集対象車両として特定されている。また、データ収集管理部102は、データ収集条件情報として、運転支援機能がONからOFF、データ種類情報として前方画像、ステアリング舵角、とするデータ収集要求を生成する。このデータ収集要求は、運転支援機能がONからOFFで走行時の前方画像及びステアリング舵角を要求することを意味する。この例の場合、データ収集条件情報である運転支援機能は、収集対象車両を特定するために用いられるとともに、収集するデータを絞る条件としても用いられる。これに対して、データ収集条件情報である制御ソフトウェアのバージョンは、収集対象車両を特定するためだけに用いられている。これは、制御ソフトウェアのバージョンは、自動車の走行状態によって変化せず、収集対象車両を特定するために用いれば足りるからである。
【0034】
このように、データ収集条件情報は、収集対象車両を特定しかつ収集するデータを絞る条件として用いられる場合、収集対象車両を特定するためだけに用いられる場合、収集するデータを絞る条件としてのみ用いられる場合、の3通りがある。
【0035】
また、データ種類情報は、データの種類を特定する場合のほか、例えば、速度の最大値最小値、ドア開閉回数、のように、収集対象車両側でデータを選別又は抽出する処理を前提とするような情報であってもよい。
【0036】
起動要求生成部103は、データ収集管理部102で特定された端末装置10を有する収集対象車両に対する起動要求を生成する。起動要求は、例えばスリープ状態にある端末装置10を起動するための命令である。
【0037】
送信部104は、データ収集管理部102で特定された端末装置10を有する収集対象車両に対し、起動要求生成部103で生成した起動要求、及びデータ取集管理部102で生成したデータ収集要求を送信する。
なお、起動要求とデータ収集要求は、それぞれ別のネットワークを介して送信してもよい。例えば、起動要求は、携帯電話網の電話回線を利用したショートメッセージサービス(SMS)を用いて送信し、データ収集要求はインターネット網を利用したパケット通信を用いて送信してもよい。どの要求をどの通信方式を用いるかは任意である。
【0038】
受信部105は、送信部104で送信したデータ収集要求に応じたデータを受信し、これをデータ記憶部106に出力する。すなわち、端末装置10は、データ収集要求に示されたデータ収集条件情報の条件及びデータ種類情報の内容を満たすデータを抽出し、これをデータ収集装置100に対して送信する。
その他、受信部105はマスターデータを受信し、これをマスターデータ記憶部107に出力する。また、受信部105はメタデータを受信し、これをメタデータ記憶部108に出力する。
【0039】
データ記憶部106は、受信部105で受信したデータを記憶する。そして、記憶したデータは、必要に応じユーザや他装置のプロセスに対して出力される。
【0040】
(2)データ収集装置100の変形例
なお、本実施形態では、収集対象車両に対して起動要求を送信しているが、起動していない収集対象車両に対してのみ、起動要求を送信するようにしてもよい。以下、本実施形態のデータ収集装置100の変形例として説明する。
【0041】
データ収集管理部102は、データの収集対象として特定した端末装置10が起動しているかどうかを検出する。例えば、メタデータ記憶部108に記憶されている特定の収集対象車両のメタデータを抽出する。メタデータのタイムスタンプが過去の時点で途切れている場合は、この収集対象車両は現在起動していないことがわかる。
【0042】
端末装置10が「起動している」場合は、送信部104は端末装置10を有する収集対象車両に対しデータ収集要求を送信する。この場合、起動要求生成部103は起動要求を生成せず、また送信部104は起動要求を送信しない。
端末装置10が「起動していない」場合は、起動要求生成部103は起動要求を生成し、送信部104は端末装置10を有する収集対象車両に対し起動要求及びデータ収集要求を送信する。
【0043】
ここで、「起動している」とは、端末装置の通信機能が発揮できる状態であることをいい、端末装置全体の機能が発揮できる状態である必要はない。
「起動していない」とは、端末装置の通信機能の全部または一部が発揮できない状態であることをいい、端末装置全体の機能が発揮できない状態である必要はない。
【0044】
この構成によれば、起動要求を必要とする収集対象車両のみに起動要求を送信するので、起動要求の送信に必要な通信量が削減できる。また、起動要求の生成量が少なくなるので、データ収集装置100の負荷を低減することができる。
【0045】
さらに、収集対象車両のバッテリー残量を加味して、起動要求を送信するか否かを決定してもよい。例えば、メタデータ記憶部108に記憶されている特定の収集対象車両のメタデータを抽出し、最後に送信されたバッテリー残量を示すメタデータを抽出する。バッテリー残量が所定量以上の場合は、スリープ中であってもバッテリー残量が十分であるとして起動要求を送信する。バッテリー残量が所定量以下の場合は、起動しても通信機能が十分発揮できるほどのバッテリー残量がないとして、起動要求は送信しない。
【0046】
現在のバッテリー残量が十分かどうかは、最後に送信されたバッテリー残量を示すメタデータの内容に加え、最後にメタデータを送信した時刻からの経過時間を加味して決定してもよい。
【0047】
この構成によれば、スリープ中の収集対象車両のうち、実際にデータを送信することができるものに限り起動するので、さらに起動要求の通信に必要な通信量を削減することができる。
【0048】
(3)データ収集装置100の動作
次に、本実施形態のデータ収集装置100の動作を、
図5を用いて説明する。
なお、以下の動作は、データ収集装置100におけるデータ収集方法を示すだけでなく、データ収集装置100で実行されるデータ収集プログラムの処理手順を示すものである。
そして、これらの処理は、
図5で示した順序には限定されない。すなわち、あるステップでその前段のステップの結果を利用する関係にある等の制約がない限り、順序を入れ替えてもよい。
以上、本実施形態だけでなく、本実施形態の変形例や他の実施形態においても同様である。
【0049】
入力部101に、データの収集条件を示すデータ収集条件情報、及び収集するデータの種類を示すデータ種類情報が入力される(S101)。
【0050】
データ収集管理部102は、S101で入力されたデータ収集条件情報から、データの収集対象である端末装置10を特定する(S102)。また、S101で入力されたデータ収集条件情報及びデータ種類情報を用いてデータ収集要求を生成する(S103)。
【0051】
起動要求生成部103は、S102で特定された端末装置10を有する収集対象車両に対する起動要求を生成する(S104)。
【0052】
送信部104は、S102で特定された端末装置10を有する収集対象車両に対し、S104で生成した起動要求、及びS103で生成したデータ収集要求を送信する(S105)。
【0053】
受信部105は、S105で送信したデータ収集要求に応じたデータを受信する(S106)。
【0054】
(4)データ収集装置100の変形例の動作
本実施形態のデータ収集装置100の変形例の動作を、
図6を用いて説明する。
図5と同様のステップは同じステップ番号として説明を省略し、
図5の説明を引用する。
【0055】
データ収集管理部102は、データの収集対象として特定した端末装置10が起動しているかどうかを検出する(S111)。
【0056】
端末装置10が起動している場合は、送信部104はS102で特定された端末装置10を有する収集対象車両に対し、S103で生成されたデータ収集要求を送信する(S112)。
【0057】
端末装置10が起動していない場合は、起動要求生成部102は起動要求を生成し(S113)、送信部104はS102で特定された端末装置10を有する収集対象車両に対し、S113で生成された起動要求及びS103で生成されたデータ収集要求を送信する(S114)。
【0058】
(5)小括
以上、本実施形態のデータ収集装置100によれば、端末装置10に対する起動要求を生成して送信するので、必要なデータを取得する時間を短縮することができる。
また、データ収集条件情報からデータの収集対象である端末装置10を特定するので、データ収集要求を送信する端末装置10を絞ることができ、それに伴い通信量を削減することができる。
さらに、データ収集条件情報及びデータ種類情報を用いてデータ収集要求を生成するので、必要なデータのみを受信することができ、それに伴い通信量を削減することができるとともに、データ記憶部の容量を削減することができる。
【0059】
3.実施形態2
(1)データ収集装置200の構成
実施形態1のデータ収集装置100は、起動要求を送信するタイミングは任意であった。本実施形態のデータ収集装置200は、起動要求を送信するタイミングを決定し、決定したタイミングで起動要求を送信するものである。
【0060】
本実施形態のデータ収集装置200の構成は、実施形態1のデータ収集装置100と同じであるので、データ収集装置200の構成を説明する際は
図2を引用して説明する。また、実施形態1と同様の構成は説明を省略し、実施形態1の説明を引用する。
【0061】
入力部101には、さらにデータを収集する期限を示す収集期限情報が入力される。
図7は、入力部101に入力される情報を示すものである。
図7(a)は
図3に対応し、
図3のデータ収集条件情報、及びデータ種類情報に加え、収集期限情報として、10月12日10:00の期限が入力されている。
図7(b)は
図4に対応し、
図4のデータ収集条件情報、及びデータ種類情報に加え、収集期限情報として、10月11日14:00の期限が入力されている。
【0062】
データ収集管理部102は、入力部101に入力された収集期限情報から、起動要求を送信するタイミングを決定する。起動要求を送信するタイミングは、収集期限情報で示される収集期限と同じでもよいが、データのアップロードに必要な時間やネットワーク2の混雑度を考慮して、収集期限の「所定時間」前とすることが望ましい。例えば、一律に1時間前としてもよいし、収集するデータの種類や大きさ、ネットワーク2のS/N比や誤り率、などに応じ、これらの関数により具体的な所定時間を求めるようにしてもよい。
【0063】
ここで、「所定時間」とは、一定の時間の他、条件によって変化する時間であってもよい。
【0064】
送信部104は、データ収集管理部102で特定された端末装置10を有する収集対象車両に対し、データ収集管理部102で決定したタイミングで、起動要求生成部103で生成した起動要求を送信する。また、収集対象車両の端末装置10の起動後に、データ取集管理部102で生成したデータ収集要求を送信する。
【0065】
以上、本実施形態のデータ収集装置200によれば、収集期限情報から起動要求を送信するタイミングを定めているので、データを収集する期限までに必要なデータを収集することができる。
【0066】
(2)データ収集装置200の変形例
入力部101に、複数のユーザからの入力や、複数のプロセスからのアクセスがあった場合、同じ車両に対して同じ又は異なるデータを要求する場合が生じる。以下、この場合を想定し、本実施形態のデータ収集装置200の変形例として説明する。
【0067】
本実施形態の変形例による、起動要求を送信するタイミングの決定方法を、
図7及び
図8を用いて説明する。
入力部101に、
図7(a)の情報(「第1のデータ収集条件情報」、「第1のデータ種類情報」、「第1の収集期限情報」に相当)と、
図7(b)の情報(「第2のデータ収集条件情報」、「第2のデータ種類情報」、「第2の収集期限情報」に相当)が入力される。
図7(a)のデータ収集条件情報から特定される端末装置10を有する収集対象車両と、
図7(b)のデータ収集条件情報から特定される端末装置10を有する収集対象車両を比較すると、A003とA005の識別子を有する収集対象車両が共通する(「共通端末装置」に相当)。以下、
図8に基づき、説明する。
【0068】
データ収集管理部102は、
図7(a)のデータ収集条件情報及びデータ種類情報を用いて、第1のデータ収集要求を生成する。また、
図7(b)のデータ収集条件情報及びデータ種類情報を用いて、第2のデータ収集要求を生成する。
図8では、A003とA005の車両が第1のデータ収集要求及び第2のデータ収集要求の両方が送信される共通端末装置であることがわかる。
【0069】
第1のデータ収集要求の収集期限は、
図7(a)の収集期限情報によると10月12日10:00(「第1のタイミング」に相当)である。また、第2のデータ収集要求の収集期限は、
図7(b)の収集期限情報によると10月11日14:00(「第2のタイミング」に相当)である。そこで、データ収集管理部102は、これらの収集期限のうち、最先のタイミングを決定する。
図8によれば、収集対象車両A003及びA005において、最先のタイミングは10月11日14:00である。
【0070】
そこで、送信部104は、収集対象車両A003とA005に対し、10月11日14:00に起動要求を送信するとともに、第1のデータ収集要求及び第2のデータ収集要求の両方を送信する。
【0071】
なお、既にデータの収集を終えている場合は、収集結果を記録しておき、起動要求及びデータ収集要求の送信を行わないようにすることができる。例えば、
図8の場合、A005からはすでにデータ収集を終えているので、A005に対しては、起動要求、第1のデータ収集要求、及び第2のデータ収集要求は送信しない。このような処理は、例えば次に説明する実施形態3の構成を採用した場合に起こりうる。
【0072】
以上、本実施形態のデータ収集装置200の変形例によれば、共通する収集対象車両に対する複数のデータ収集要求を1回の起動要求の後に同時に送信するので、データ収集要求毎に収集対象車両を起動する場合に比べ、収集対象車両のバッテリー消費を抑えることができる。
【0073】
4.実施形態3
実施形態2のデータ収集装置200は、収集期限に基づき起動要求を送信するタイミングを決定し、起動要求を送信した。もっとも、そのタイミングまでに収集対象車両が起動した場合は、収集対象車両を起動することなく、収集対象車両に対しデータの送信を要求することが可能である。本実施形態のデータ収集装置300は、収集対象車両からの通信をトリガーに、データ収集要求を送信するものである。
【0074】
本実施形態のデータ収集装置300の構成は、実施形態1のデータ収集装置100及び実施形態2のデータ収集装置100と同じであるので、データ収集装置300の構成を説明する際は
図2を引用して説明する。また、実施形態1及び実施形態2と同様の構成は説明を省略し、実施形態1及び実施形態2の説明を引用する。
【0075】
本実施形態では、起動要求を即時に送信せず、実施形態2のように起動要求を送信するタイミングを設定する場合を前提に説明する。したがって、データ収集装置300は、データ収集管理部102でデータ収集要求が生成されているが、決定したタイミングまで起動要求の送信を保留している。
【0076】
受信部105は、端末装置10を有する収集対象車両から、この収集対象車両に対するデータ収集要求が生成されているかを問い合わせる確認要求を受信する。
【0077】
データ収集要求が生成されている場合、送信部104は、決定したタイミングを待たず、「即時に」データ収集要求を収集対象車両に送信する。
【0078】
ここで、「即時に」とは、確認要求を受信してから必要な準備を行った後である場合も含む。
【0079】
確認要求が収集対象車両から送信されるタイミングは、収集対象車両のエンジン起動時、バッテリー残量が一定以上となった時、エンジン起動後一定距離を走行した時、テザリング成功時、などが挙げられるが、これらに限らない。
【0080】
以上、本実施形態のデータ収集装置300によれば、収集対象車両が起動した場合は決定したタイミングを待たず即時にデータ収取要求を送信するので、起動要求を送信する必要がなく、また計画を前倒しにしてより早く必要なデータを収集対象車両から取得することができる。
【0081】
5.実施形態4
実施形態1~3では、データ収集装置は、
図1のように移動体である車両の外部に設けられていることを前提とした。
本実施形態のデータ収集装置400は、
図9のように端末装置10とともに移動体である車両に設けられている。この場合、データ収集装置400のユーザは当該車両のドライバーが想定される。
【0082】
端末装置10とデータ収集装置400とは、ネットワーク3で接続されている。ネットワーク3は車載ネットワークであり、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)といった通信方式の他、Ethernet(登録商標)やWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等、任意の通信方式を用いることができる。
【0083】
データ収集装置400の構成は、実施形態1~3のデータ収集装置と同じであるので、
図2及びその説明を引用する。
なお、同じ車両に搭載された端末装置10以外の端末装置にアクセスする場合は、端末装置10やデータ収集装置400が有する通信機能を用いることができる。
【0084】
6.その他の変形例
送信部104が起動要求を送信するタイミングは、上記実施形態で説明したタイミングの他、通信料金が安くなる時間帯や、収集対象車両のバッテリーが一定量まで回復した時、サーバのストレージ容量が一定以上となった時、としてもよい。
【0085】
7.総括
以上、本発明の各実施形態におけるデータ収集装置等の特徴について説明した。
【0086】
各実施形態で使用した用語は例示であるので、同義の用語、あるいは同義の機能を含む用語に置き換えてもよい。
【0087】
実施形態の説明に用いたブロック図は、装置の構成を機能毎に分類及び整理したものである。それぞれの機能を示すブロックは、ハードウェア又はソフトウェアの任意の組み合わせで実現される。また、機能を示したものであることから、かかるブロック図は方法の発明、及び当該方法を実現するプログラムの発明の開示としても把握できるものである。
【0088】
各実施形態に記載した処理、フロー、及び方法として把握できる機能ブロック、については、一のステップでその前段の他のステップの結果を利用する関係にある等の制約がない限り、順序を入れ替えてもよい。
【0089】
各実施形態、及び特許請求の範囲で使用する、第1、第2、乃至、第N(Nは整数)、の用語は、同種の2以上の構成や方法を区別するために使用しており、順序や優劣を限定するものではない。
【0090】
また、本発明のデータ収集装置の形態の例として、以下のものが挙げられる。
部品の形態として、半導体素子、電子回路、モジュール、マイクロコンピュータが挙げられる。
半完成品の形態として、電子制御装置(ECU(Electric Control Unit))、システムボードが挙げられる。
完成品の形態として、携帯電話、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)、ワークステーション、サーバが挙げられる。
その他、通信機能を有するデバイス等を含み、例えばビデオカメラ、スチルカメラ、カーナビゲーションシステムが挙げられる。
【0091】
またデータ収集装置に、アンテナや通信用インターフェースなど、必要な機能を追加してもよい。
【0092】
本発明のデータ収集装置は、特にサーバ側で用いられることにより、各種サービスの提供を目的とするために用いられることが想定される。かかるサービスの提供に伴い、本発明の装置が使用され、本発明の方法が使用され、又は/及び本発明のプログラムが実行されることになる。
【0093】
加えて、本発明は、各実施形態で説明した構成及び機能を有する専用のハードウェアで実現できるだけでなく、メモリやハードディスク等の記録媒体に記録した本発明を実現するためのプログラム、及びこれを実行可能な専用又は汎用CPU及びメモリ等を有する汎用のハードウェアとの組み合わせとしても実現できる。
【0094】
専用や汎用のハードウェアの非遷移的実体的記録媒体(例えば、外部記憶装置(ハードディスク、USBメモリ、CD/BD等)、又は内部記憶装置(RAM、ROM等))に格納されるプログラムは、記録媒体を介して、あるいは記録媒体を介さずにサーバから通信回線を経由して、専用又は汎用のハードウェアに提供することもできる。これにより、プログラムのアップグレードを通じて常に最新の機能を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明のデータ収集装置は、主として自動車に搭載された電子制御システムをデータ収集の対象としているが、自動車に搭載されない通常のシステムを対象としてもよい。
【符号の説明】
【0096】
100 データ収集装置、101 入力部、102 データ収集管理部、103 起動要求生成部、104 送信部、105 受信部