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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】動態画像処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20231219BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20231219BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
A61B6/00 330A
A61B5/055 380
A61B6/00 330Z
A61B6/00 350D
A61B6/00 360Z
A61B6/03 360Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020092799
(22)【出願日】2020-05-28
(65)【公開番号】P2021186150
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南條 高史
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-150206(JP,A)
【文献】特開平08-038433(JP,A)
【文献】特開2005-287750(JP,A)
【文献】特開2015-100424(JP,A)
【文献】特開2003-018541(JP,A)
【文献】特開2019-212138(JP,A)
【文献】特開2003-339685(JP,A)
【文献】特開平04-096739(JP,A)
【文献】特開2011-255020(JP,A)
【文献】特開平11-306326(JP,A)
【文献】特開2002-352220(JP,A)
【文献】特開2005-007061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32 、 5/00 - 5/01 、
5/055、 6/00 - 6/14 、
8/00 - 8/15 、
G06T 1/00 - 1/40 、 3/00 - 7/90 、
G06V10/00 -20/90 、30/418、40/16 、
40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を連続撮影して得られた複数のフレーム画像からなる、前記被検体の動態を表す医用動態画像の画像データを処理する動態画像処理装置であって、
前記医用動態画像に含まれる前記複数のフレーム画像のうち少なくとも一部を高解像度化して二次的医用画像を生成する画像生成手段と、
前記二次的医用画像が、既存の医用動態画像から二次的に生成されたものであることを示す記録を行う記録処理を実行する記録手段と、
を備え
前記複数のフレーム画像のうち前記二次的医用画像の生成に用いられたフレーム画像と、前記二次的医用画像とは、解像度が互いに異なり、かつ前記被検体の同一の範囲を表す画像である、動態画像処理装置。
【請求項2】
前記複数のフレーム画像の各々は、被検体への放射線の照射に応じて生成された画像である、請求項1に記載の動態画像処理装置。
【請求項3】
前記二次的医用画像を表示手段に表示させる表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、前記記録手段による前記記録処理の結果に基づいて、前記二次的医用画像が既存の医用動態画像から二次的に生成されたものであることを示す注記標識を前記二次的医用画像とともに前記表示手段に表示させる、請求項1又は2に記載の動態画像処理装置。
【請求項4】
前記記録手段は、前記記録処理において、前記二次的医用画像の画像データを、当該二次的医用画像及び前記注記標識を含む画像の画像データに更新し、
前記表示制御手段は、前記記録手段により更新された前記画像データに基づいて前記二次的医用画像及び前記注記標識を前記表示手段に表示させる、請求項3に記載の動態画像処理装置。
【請求項5】
前記記録手段は、前記記録処理において、前記二次的医用画像の画像データの付帯データに対して前記記録を行い、
前記表示制御手段は、前記記録が行われた前記付帯データに基づいて、前記二次的医用画像とともに前記注記標識を前記表示手段に表示させる、請求項3に記載の動態画像処理装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記二次的医用画像のサムネイル画像を前記表示手段に表示させる場合に、前記サムネイル画像とともに前記注記標識を表示させる、請求項3~5のいずれか一項に記載の動態画像処理装置。
【請求項7】
前記二次的医用画像は、前記複数のフレーム画像のうち一部のフレーム画像を高解像度化して得られた高精細静止画像である、請求項1~6のいずれか一項に記載の動態画像処理装置。
【請求項8】
ユーザーによる前記一部のフレーム画像の指定を受け付ける受付手段を備え、
前記画像生成手段は、前記受付手段が前記指定を受け付けた前記一部のフレーム画像を高解像度化して前記高精細静止画像を生成する、請求項7に記載の動態画像処理装置。
【請求項9】
前記画像生成手段は、被検体の周期的動作により定まる特定のタイミングに対応する前記一部のフレーム画像を高解像度化して前記高精細静止画像を生成する、請求項7に記載の動態画像処理装置。
【請求項10】
前記二次的医用画像を表示手段に表示させる表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、前記二次的医用画像としての前記高精細静止画像を前記医用動態画像とともに前記表示手段に表示させる、請求項7~9のいずれか一項に記載の動態画像処理装置。
【請求項11】
前記二次的医用画像は、前記複数のフレーム画像のうちの2以上を高解像度化して得られた2以上の高精細フレーム画像からなる高精細動態画像である、請求項1~6のいずれか一項に記載の動態画像処理装置。
【請求項12】
前記二次的医用画像を表示手段に表示させる表示制御手段を備え、
前記二次的医用画像は、前記複数のフレーム画像のうちの一部を高解像度化して得られた高精細静止画像、及び前記複数のフレーム画像のうちの2以上を高解像度化して得られた2以上の高精細フレーム画像からなる高精細動態画像を含み、
前記表示制御手段は、前記高精細静止画像とともに前記高精細動態画像を前記表示手段に表示させる、請求項1~6のいずれか一項に記載の動態画像処理装置。
【請求項13】
前記二次的医用画像の画像データを記憶する記憶手段と、
所定の保管期間が経過した前記二次的医用画像の画像データを前記記憶手段から削除する画像削除手段と、
を備える請求項1~12のいずれか一項に記載の動態画像処理装置。
【請求項14】
被検体を連続撮影して得られた複数のフレーム画像からなる、前記被検体の動態を表す医用動態画像の画像データを処理する動態画像処理装置に設けられたコンピューターを、
前記医用動態画像に含まれる前記複数のフレーム画像のうち少なくとも一部を高解像度化して二次的医用画像を生成する画像生成手段、
前記二次的医用画像が、既存の医用動態画像から二次的に生成されたものであることを示す記録を行う記録処理を実行する記録手段、
として機能させ
前記複数のフレーム画像のうち前記二次的医用画像の生成に用いられたフレーム画像と、前記二次的医用画像とは、解像度が互いに異なり、かつ前記被検体の同一の範囲を表す画像である、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動態画像処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のフィルム/スクリーンや輝尽性蛍光体プレートを用いた放射線(X線)の静止画撮影及び診断に対し、近時、FPD(flat panel detector)等の半導体イメージセンサーを利用して診断対象の部位(以下、対象部位という。)を動態撮影して、診断に応用する試みがなされるようになってきている(例えば、特許文献1)。
【0003】
具体的には、半導体イメージセンサーの画像データの読取・消去の応答性の早さを利用し、半導体イメージセンサーの読取・消去のタイミングと合わせて放射源からパルス状の放射線を連続的に照射し、1秒間に複数回の撮影を行って、複数のフレーム画像からなる医用動態画像を生成する。この医用動態画像に含まれる一連の複数枚のフレーム画像を画面上に順次表示することによって、医師は対象部位の一連の動きを観察することが可能となる。
【0004】
医用動態画像に含まれる複数のフレーム画像の各々は、独立した1つの静止画像であるため、複数のフレーム画像のうちの1つを複製して、又は複製した上で加工して、2次的医用画像を生成することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-225475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、医用動態画像を構成する複数のフレーム画像は、連続表示して動態の診断に用いることを意図して生成されたものである。このため、上記の2次的医用画像を単独で医療行為における読影に用いると、誤診等の医療上の問題の発生に繋がるおそれがあるという課題がある。
【0007】
この発明の目的は、医療上の問題の発生を抑制することができる動態画像処理装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の動態画像処理装置の発明は、
被検体を連続撮影して得られた複数のフレーム画像からなる、前記被検体の動態を表す医用動態画像の画像データを処理する動態画像処理装置であって、
前記医用動態画像に含まれる前記複数のフレーム画像のうち少なくとも一部を高解像度化して二次的医用画像を生成する画像生成手段と、
前記二次的医用画像が、既存の医用動態画像から二次的に生成されたものであることを示す記録を行う記録処理を実行する記録手段と、
を備え
前記複数のフレーム画像のうち前記二次的医用画像の生成に用いられたフレーム画像と、前記二次的医用画像とは、解像度が互いに異なり、かつ前記被検体の同一の範囲を表す画像である
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の動態画像処理装置において、
前記複数のフレーム画像の各々は、被検体への放射線の照射に応じて生成された画像である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の動態画像処理装置において、
前記二次的医用画像を表示手段に表示させる表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、前記記録手段による前記記録処理の結果に基づいて、前記二次的医用画像が既存の医用動態画像から二次的に生成されたものであることを示す注記標識を前記二次的医用画像とともに前記表示手段に表示させる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の動態画像処理装置において、
前記記録手段は、前記記録処理において、前記二次的医用画像の画像データを、当該二次的医用画像及び前記注記標識を含む画像の画像データに更新し、
前記表示制御手段は、前記記録手段により更新された前記画像データに基づいて前記二次的医用画像及び前記注記標識を前記表示手段に表示させる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の動態画像処理装置において、
前記記録手段は、前記記録処理において、前記二次的医用画像の画像データの付帯データに対して前記記録を行い、
前記表示制御手段は、前記記録が行われた前記付帯データに基づいて、前記二次的医用画像とともに前記注記標識を前記表示手段に表示させる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項3~5のいずれか一項に記載の動態画像処理装置において、
前記表示制御手段は、前記二次的医用画像のサムネイル画像を前記表示手段に表示させる場合に、前記サムネイル画像とともに前記注記標識を表示させる。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1~6のいずれか一項に記載の動態画像処理装置において、
前記二次的医用画像は、前記複数のフレーム画像のうち一部のフレーム画像を高解像度化して得られた高精細静止画像である。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の動態画像処理装置において、
ユーザーによる前記一部のフレーム画像の指定を受け付ける受付手段を備え、
前記画像生成手段は、前記受付手段が前記指定を受け付けた前記一部のフレーム画像を高解像度化して前記高精細静止画像を生成する。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の動態画像処理装置において、
前記画像生成手段は、被検体の周期的動作により定まる特定のタイミングに対応する前記一部のフレーム画像を高解像度化して前記高精細静止画像を生成する。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項7~9のいずれか一項に記載の動態画像処理装置において、
前記二次的医用画像を表示手段に表示させる表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、前記二次的医用画像としての前記高精細静止画像を前記医用動態画像とともに前記表示手段に表示させる。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項1~6のいずれか一項に記載の動態画像処理装置において、
前記二次的医用画像は、前記複数のフレーム画像のうちの2以上を高解像度化して得られた2以上の高精細フレーム画像からなる高精細動態画像である。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項1~6のいずれか一項に記載の動態画像処理装置において、
前記二次的医用画像を表示手段に表示させる表示制御手段を備え、
前記二次的医用画像は、前記複数のフレーム画像のうちの一部を高解像度化して得られた高精細静止画像、及び前記複数のフレーム画像のうちの2以上を高解像度化して得られた2以上の高精細フレーム画像からなる高精細動態画像を含み、
前記表示制御手段は、前記高精細静止画像とともに前記高精細動態画像を前記表示手段に表示させる。
【0020】
請求項13に記載の発明は、請求項1~12のいずれか一項に記載の動態画像処理装置において、
前記二次的医用画像の画像データを記憶する記憶手段と、
所定の保管期間が経過した前記二次的医用画像の画像データを前記記憶手段から削除する画像削除手段と、
を備える。
【0021】
また、上記目的を達成するため、請求項14に記載のプログラムの発明は、
被検体を連続撮影して得られた複数のフレーム画像からなる、前記被検体の動態を表す医用動態画像の画像データを処理する動態画像処理装置に設けられたコンピューターを、
前記医用動態画像に含まれる前記複数のフレーム画像のうち少なくとも一部を高解像度化して二次的医用画像を生成する画像生成手段、
前記二次的医用画像が、既存の医用動態画像から二次的に生成されたものであることを示す記録を行う記録処理を実行する記録手段、
として機能させ
前記複数のフレーム画像のうち前記二次的医用画像の生成に用いられたフレーム画像と、前記二次的医用画像とは、解像度が互いに異なり、かつ前記被検体の同一の範囲を表す画像である
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、医療上の問題の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】医療情報管理システムのシステム構成例を示す図である。
図2】医用画像管理装置の機能的構成を示すブロック図である。
図3】画像保管領域におけるフォルダー構成を示す図である。
図4】医用画像表示装置の機能的構成を示すブロック図である。
図5】情報表示画面の例を示す図である。
図6】医用動態画像及び高精細静止画像を並べて表示させた場合の情報表示画面の例を示す図である。
図7】高精細動態画像及び高精細静止画像を並べて表示させた場合の情報表示画面の例を示す図である。
図8】第1の情報表示処理の制御手順を示すフローチャートである。
図9】第2の情報表示処理の制御手順を示すフローチャートである。
図10】第3の情報表示処理の制御手順を示すフローチャートである。
図11】データ削除処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る動態画像処理装置及びプログラムの実施の形態について説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0025】
図1は、医療情報管理システム100のシステム構成例を示す図である。
医療情報管理システム100は、病院等の医療施設内に設置されるシステムである。
図1に示すように、医療情報管理システム100は、医用画像撮影装置1、医用画像管理装置2(動態画像処理装置)、及び医用画像表示装置3などを備えている。各装置は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の通信回線からなる通信ネットワークNを介してデータ送受信可能に接続されている。医療情報管理システム100を構成する各装置は、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、DICOM規格に則って行われる。
【0026】
医用画像撮影装置1は、CT(Computed Tomography)装置、CR(Computed Radiography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等のモダリティーである。このうちCT装置及びCR装置は、患者(被験者、被検体)に放射線を照射し、当該放射線の検出結果に基づいて医用画像としての放射線画像の画像データを生成する。医用画像撮影装置1は、DICOM規格に則って、医用画像の画像ファイルのヘッダーに付帯情報を書き込むことにより、放射線画像に付帯情報を付帯させ、DICOM画像ファイルを生成する。各医用画像撮影装置1は、図示略のコンソールに対する操作者の操作に応じて動作する。各種モダリティーは、いずれか1種類が複数台用意されていてもよいし、複数種類が各1台ずつ用意されていてもよく、台数及び組み合わせ等は施設の必要等に応じて適宜決められる。
【0027】
医用画像管理装置2は、医用画像撮影装置1により生成された医用画像の画像データ、及び医用画像に関する付帯情報を蓄積記憶・管理するコンピューター装置である。医用画像管理装置2は、例えばPACS(Picture Archiving and Communication System)である。
【0028】
医用画像管理装置2が管理する医用画像には、例えばCT装置やMRI装置等により生成された断層画像や、CR装置により生成された単純X線画像等が含まれている。また、本実施形態では、医用画像として、医用画像撮影装置1によって動態撮影が行われた場合に取得される医用動態画像が含まれている。
【0029】
ここで、「動態撮影」とは、対象部位の動態を時間軸に沿って連続的に放射線撮影するものである。具体的には、図示しない放射源から放射線をパルス状にして所定時間間隔で繰り返し照射するか(パルス照射)、もしくは、低線量率にして途切れなく継続して照射(連続照射)して、連続して複数回の撮影を行う。複数回の撮影の各々においてフレーム画像が生成され、これらの複数のフレーム画像からなる医用動態画像が生成される。各フレーム画像には、撮影順にフレーム番号が付与される。医用動態画像の複数のフレーム画像をフレーム番号番に切り替えて表示することで、対象部位の動態を示す動画を再生することができる。
【0030】
例えば1人の患者の同一部位について行われた1回の検査内で撮影された医用画像等、互いに関連する一連の医用画像のまとまりを「シリーズ」と呼ぶ。動態撮影によって得られた医用動態画像については、医用動態画像に含まれる複数のフレーム画像が1つのシリーズに相当する。
本実施形態において動態撮影は、例えば肺野、横隔膜、心臓等、動きに周期性のある対象部位に対して行われる。なお、動態撮影の対象となる部位は、これらに限定されない。
【0031】
本実施形態の医用画像管理装置2は、医用動態画像に含まれる複数のフレーム画像のうち少なくとも一部に基づいて二次的医用画像を生成することができる。ここで、二次的医用画像には、複数のフレーム画像のうちの1つをそのまま複製したもののほか、1つのフレーム画像を高解像度化した高精細静止画像、及び複数のフレーム画像のうちの2以上を高解像度化して得られた2以上の高精細フレーム画像からなる高精細動態画像などがある。二次的医用画像の生成に関する動作ついては、後に詳述する。
【0032】
医用画像管理装置2は、通信ネットワークNを介して医用画像表示装置3から医用画像に係る情報の表示要求があると、要求された情報を医用画像DB(データベース)221(図2参照)から対応する情報を読み出して医用画像表示装置3に送信して、医用画像表示装置3の表示部に要求された情報を表示させる。
【0033】
医用画像表示装置3は、医師により使用されるPC(Personal Computer)等のコンピューター装置である。医師は、医用画像表示装置3において所定の操作を行うことで、医用画像管理装置2から受信した医用画像に係る各種情報を閲覧することができる。
【0034】
次に、医用画像管理装置2及び医用画像表示装置3の構成について説明する。
図2は、医用画像管理装置2の機能的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、医用画像管理装置2は、制御部21(コンピューター)、記憶部22(記憶手段)、通信部23、計時部24等を備えて構成されており、各部はバスにより接続されている。
【0035】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、医用画像管理装置2の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、記憶部22に記憶されているプログラム223を読み出してRAMに展開し、当該プログラム223に従って各種処理を行う。制御部21は、CPUがプログラム223を実行することにより、画像生成手段、記録手段、表示制御手段、受付手段、及び画像削除手段として機能する。
【0036】
画像生成手段としての制御部21は、医用動態画像に含まれる複数のフレーム画像のうち少なくとも一部に基づいて二次的医用画像を生成する処理を実行する。
記録手段としての制御部21は、二次的医用画像が、既存の医用動態画像から二次的に生成されたものであることを示す記録を行う記録処理を実行する。
表示制御手段としての制御部21は、生成された二次的医用画像を医用画像表示装置3の表示部34に表示させるための処理を実行する。
受付手段としての制御部21は、ユーザーからの、二次的医用画の生成に用いる1つのフレーム画像の指定を受け付ける。
画像削除手段としての制御部21は、所定の保管期間が経過した二次的医用画像の画像データを記憶部22から削除する処理を実行する。
【0037】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性の半導体メモリー等により構成され、各種データを記憶している。例えば、記憶部22は、医用画像DB221、画像保管領域222を有する。また、記憶部22にはプログラム223が記憶されている。なお、プログラム223は、制御部21のROMに記憶されていてもよい。
【0038】
医用画像DB221には、画像保管領域222に記憶されている医用画像のファイルの付帯情報(ヘッダー部に記録された情報)や、各検査の検査条件等の情報(例えば、放射線の照射線量の情報等)が、検索可能に格納されている。詳しくは、医用画像DB221には、患者情報テーブル、検査情報テーブル、シリーズ情報テーブル及び画像情報テーブルなどが含まれる。
患者情報テーブルには、患者を識別するための患者識別情報(例えば、患者ID)、患者の氏名、性別、生年月日等の医用画像の患者に関する各種情報が格納される。
検査情報テーブルには、検査を識別するための検査識別情報(例えば、検査ID)、検査日付、担当医師等の検査に関する各種情報が格納される。
シリーズ情報テーブルには、同一検査内においてシリーズを識別するためのシリーズ番号、シリーズに含まれる医用画像を生成したモダリティ(医用画像撮影装置1)の種類、検査部位、当該医用画像が医用動態画像である場合における総フレーム数、シリーズ内の各画像に付与されたフレーム番号等のシリーズに関する各種情報が格納される。前述のように、フレーム番号は、同一シリーズとして生成した医用動態画像の各フレーム画像の撮影順1~n(nは総フレーム数)を示す番号である。
画像情報テーブルには、画像生成時刻、医用画像の格納場所を示すファイルパス名、検査コメント、病変の計測位置、計測結果等の画像に関する各種情報に関する情報が格納される。
【0039】
画像保管領域222には、医用画像の画像データ等が記憶される。
図3は、画像保管領域222におけるフォルダー構成を示す図である。
画像保管領域222では、検査の日付ごとに生成される日付フォルダー(F1)、患者ごとに生成される患者フォルダー(F11)、検査ごとに生成される検査フォルダー(F21、F22)、シリーズごとに生成されるシリーズフォルダー(F31~F33)がこの順に階層構造を形成している。医用画像の画像データは、このうちシリーズフォルダーに、シリーズごとにグループ分けされて格納されている。
【0040】
図3に示す例では、1つの検査フォルダーF21の下層にシリーズフォルダーF31~F33が生成されている。
このうちシリーズフォルダーF31には、複数のフレーム画像41からなる医用動態画像40の画像データが格納されている。
また、シリーズフォルダーF32には、医用動態画像40の1つのフレーム画像41を高解像度化して得られた高精細静止画像50が格納されている。
また、シリーズフォルダーF33には、医用動態画像40の複数のフレーム画像41を高解像度化して得られた複数の高精細フレーム画像61からなる高精細動態画像60が格納されている。
【0041】
図2に戻り、通信部23は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNを介して接続された外部装置との間でデータの送受信を行う。例えば、通信部23は、医用画像撮影装置1から、患者を撮影して得られた医用画像の画像データを受信する。
【0042】
計時部24は、計時回路(RTC:Real Time Clock)を有し、この計時回路により現在日時を計時して制御部21に出力する。
【0043】
図4は、医用画像表示装置3の機能的構成を示すブロック図である。
医用画像表示装置3は、制御部31、記憶部32、操作部33、表示部34(表示手段)及び通信部35等を備えて構成されており、各部はバスにより接続されている。
【0044】
制御部31は、CPU、ROM、RAM等から構成され、医用画像表示装置3の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムに従って各種処理を行う。
【0045】
記憶部32は、HDDや不揮発性の半導体メモリー等により構成され、各種データやプログラムを記憶している。
操作部33は、カーソルキー、文字・数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部31に出力する。操作部33は、表示部34のモニター341に重ねられて設けられたタッチパネルを有していてもよい。
表示部34は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニター341を備えて構成されており、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。モニター341は、複数設けられていてもよい。また、複数のモニター341のうちの1つ以上を、他のモニター341よりも表示解像度の高いものとし、表示対象の医用画像の解像度に応じて当該医用画像を表示させるモニター341を切り替えてもよい。
通信部35は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNを介して接続された外部装置との間でデータの送受信を行う。
【0046】
次に、医療情報管理システム100の各装置の動作について、医用画像表示装置3における医用画像の表示動作、及び医用画像管理装置2における二次的医用画像の生成動作を中心に説明する。
【0047】
医療情報管理システム100では、医者などのユーザーによる医用画像表示装置3の操作に応じて、指定された医用画像のデータ等が医用画像管理装置2から医用画像表示装置3に送信され、当該医用画像を含む情報表示画面70が医用画像表示装置3の表示部34に表示される。
【0048】
図5は、情報表示画面70の例を示す図である。
図5では、肺野の医用動態画像40の表示要求がなされた場合における情報表示画面70が例示されている。
情報表示画面70には、医用動態画像40、画像情報71、スクロールバー72、動態グラフ73、サムネイル画像74、検査リスト75、及び操作ボタン76a~76dなどが表示されている。
【0049】
医用動態画像40は、ここでは情報表示画面70の下段左側に表示されている。医用動態画像40は、情報表示画面70が表示された段階で動画の再生が開始されてもよいし、所定の操作(例えば操作ボタン76bを選択する操作)に応じて動画の再生が開始されてもよい。医用動態画像40には、肺野のうちの所定の位置(例えば横隔膜の位置)を示すインジケーター42a、42bが重ねて表示されている。
【0050】
画像情報71には、患者に係る情報、及び再生されている医用動態画像40に係る情報などが含まれる。このうち患者に係る情報としては、患者ID、患者氏名、患者の生年月日、及び性別等が含まれる。また、医用動態画像40に係る情報としては、シリーズ番号、表示されているフレーム画像のフレーム番号、及び総フレーム数などが含まれる。図5に示した画像情報71の項目は例示であり、これ以外にも、検査日時や画像の生成日時などが含まれていてもよい。また、画像情報71は、医用動態画像40に重ねて表示されていてもよい。
【0051】
スクロールバー72は、医用動態画像40の右側に、上下方向に沿って延在するように配されている。スクロールバー72には、上下方向に移動するカーソルが配されている。カーソルは、医用動態画像40の開始時点ではスクロールバー72の上端に位置しており、動画の再生時間の経過とともに下方に移動し、医用動態画像40の終了時点では下端に位置するようになっている。このカーソルを上下に移動させる操作により、医用動態画像40のうち所望のフレーム画像を選択することができる。カーソルによるフレーム画像の選択がなされた場合には、医用動態画像40の再生がそのフレーム画像の位置で一時停止される。ただし、これに限られず、選択されたフレーム画像の位置から医用動態画像40が自動再生されてもよい。また、フレーム画像の選択方法は、スクロールバー72のカーソルを用いた方法に限られず、例えば図示略のテキストボックスにフレーム番号を入力する方法や、図示略のドロップダウンリストにより一覧表示されるフレーム番号から1つのフレーム番号を選択する方法より行われてもよい。
【0052】
動態グラフ73は、医用動態画像40のフレーム番号に対する、インジケーター42a、42bの画像における上下方向の位置を表している。ライン73aはインジケーター42aに対応し、ライン73bはインジケーター42bに対応している。動態グラフ73により、肺野の動作周期や動作の大きさを視覚的に確認することができる。
【0053】
サムネイル画像74は、表示されている医用動態画像40のうち1つのフレーム画像を縮小して示す静止画像である。ここでは、後述する方法で特定されたフレーム番号が「150」のフレーム画像が表示されているが、これに限られず、先頭のフレーム画像であってもよい。サムネイル画像74の画像データは、通常、医用動態画像40の画像データとは別個に生成されて管理される。サムネイル画像74の画像データは、1つのフレーム画像の画像データを複製したものであってもよいし、後述の高精細静止画像であってもよい。医用動態画像40とは別個に管理されるサムネイル画像74は、二次的医用画像の一態様である。
【0054】
図5の例では、サムネイル画像74として高精細静止画像50が用いられている。また、サムネイル画像74に重ねて、二次的医用画像であることを示すアノテーションマーク80が表示されている。例えば、サムネイル画像74としての高精細静止画像50の画像データにアノテーションマーク80の画像が埋め込まれている。医用画像管理装置2の制御部21(表示制御手段)は、この画像データを医用画像表示装置3に送信することで、サムネイル画像74とともにアノテーションマーク80を表示させる。
【0055】
検査リスト75は、医用動態画像40の検査対象の患者に対して行われた全ての検査の情報を一覧表示したものである。検査リスト75では、表示中の医用動態画像40が属する検査がハイライト表示により明示されている。ここでは、各検査について、検査日時、検査記述及びシリーズ数の項目が表示されているが、表示する項目はこれに限られない。
【0056】
操作ボタン76aは、2つの医用画像を比較のために並べて表示させる処理を行わせるためのボタンである。
操作ボタン76bは、医用動態画像40の再生及び一時停止を切り替える処理を行わせるためのボタンである。
操作ボタン76cは、上述の選択方法により選択されているフレーム画像を高解像度化して、高精細静止画像50を生成する処理を行わせるためのボタンである。
操作ボタン76dは、医用動態画像40の各フレーム画像を高解像度化して高精細動態画像60を生成する処理を行わせるためのボタンである。
高精細静止画像50及び高精細動態画像60は、医用動態画像40から生成される二次的医用画像の一態様である。
【0057】
高精細静止画像50及び高精細動態画像60の生成のためにフレーム画像を高解像度化する処理は、医用画像管理装置2の制御部21(画像生成手段)により実行される。高解像度化の処理は、例えば、機械学習により生成された学習モデルを用いて高解像度化後の画素値を予測するとともに、ノイズなどを取り除くことによって行われる。機械学習の教師データとしては、例えば、高解像度化する対象のフレーム画像の生成に用いられた医用画像撮影装置1と同一の医用画像撮影装置1により過去に生成された、同一検査部位の他の画像データが用いられる。
なお、高精細動態画像60は、医用動態画像40の全フレーム画像を高解像度化したものに限られず、一部のフレーム画像を高解像度化した高解像度フレーム画像からなるものであってもよい。すなわち、高精細動態画像60は、医用動態画像40のうちの一部に相当する動態画像であってもよい。この場合、高解像度化するフレーム番号の範囲をユーザーが指定できるようにしてもよい。
また、高精細静止画像50は、1つのフレーム画像を高解像度化したものに限られず、2以上のフレーム画像(医用動態画像40を構成する複数のフレーム画像のうち2以上の一部のフレーム画像)に基づいて生成されたものであってもよい。例えば、2以上のフレーム画像の各々を高解像度化して得られた2以上の高精細フレーム画像データを統合して1つの高精細静止画像50を生成してもよい。あるいは、2以上のフレーム画像を統合しつつ高解像度化して1つの高精細静止画像50を生成してもよい。これらの場合、高精細静止画像50の生成に用いる2以上のフレーム画像のフレーム番号をユーザーが指定できるようにしてもよい。
【0058】
二次的医用画像としての高精細静止画像50又は高精細動態画像60の画像データの生成に伴って、制御部21(記録手段)は、生成された二次的医用画像が、既存の医用動態画像40から二次的に生成されたものであることを示す記録を行う記録処理を実行する。
【0059】
記録処理は、ここでは、高精細静止画像50又は高精細動態画像60とともにアノテーションマーク80(図6図7参照)(注記標識)が表示されるようにするための処理である。記録処理としては、例えば以下の第1の態様及び第2の態様がある。
【0060】
第1の態様の記録処理は、高精細静止画像50又は高精細動態画像60の画像データを、アノテーションマーク80を含む画像の画像データに更新する処理である。この更新後の画像データを用いて表示処理を行うことで、アノテーションマーク80を含む高精細静止画像50又は高精細動態画像60が表示される。
【0061】
第2の態様の記録処理は、高精細静止画像50又は高精細動態画像60の画像データのヘッダー部(付帯データ)に、二次的医用画像であることを示すアノテーション情報を付帯情報として追加する処理である。この記録処理を行うことで、高精細静止画像50又は高精細動態画像60の表示時にアノテーション情報が参照され、アノテーション情報が記録されている場合には二次的医用画像とともにアノテーションマーク80が表示される。
【0062】
図6は、医用動態画像40及び高精細静止画像50を並べて表示させた場合の情報表示画面70の例を示す図である。
図6の情報表示画面70は、例えば、操作ボタン76cを選択する操作に応じて高精細静止画像50が生成された後に、操作ボタン76aが選択されて医用動態画像40及び高精細静止画像50を並べて表示させる指示がユーザーからなされた場合に医用画像表示装置3の表示部34に表示される。
【0063】
この情報表示画面70では、医用動態画像40の右側に、高解像度化された高精細静止画像50が並べられて表示されている。よって、ユーザーは、低解像度の医用動態画像40とともに、医用動態画像40の1つのフレームに対応する高解像度の高精細静止画像50を確認することができる。
また、高精細静止画像50の右上には、二次的医用画像であることを示すアノテーションマーク80が表示されている。これにより、ユーザーは、高精細静止画像50が、診断のための読影に用いることができないものであることを認識することができる。
【0064】
図7は、高精細動態画像60及び高精細静止画像50を並べて表示させた場合の情報表示画面70の例を示す図である。
図7の情報表示画面70は、操作ボタン76cを選択する操作に応じて高精細静止画像50が生成され、また操作ボタン76dを選択する操作に応じて高精細動態画像60が生成された後に、操作ボタン76aが選択されて高精細動態画像60及び高精細静止画像50を並べて表示させる指示がユーザーからなされた場合に医用画像表示装置3の表示部34に表示される。
【0065】
この情報表示画面70は、図6に示す情報表示画面70の医用動態画像40を高精細動態画像60に置き換えたものに相当する。高精細動態画像60には、肺野のうちの所定の位置(例えば横隔膜の位置)を示すインジケーター62a、62bが重ねて表示されている。この情報表示画面70によれば、ユーザーは、当初生成された医用動態画像40よりも高解像度の高精細動態画像60を、高解像度の高精細静止画像50とともに確認することができる。
また、高精細静止画像50及び高精細動態画像60の右上には、それぞれ、二次的医用画像であることを示すアノテーションマーク80が表示されている。これにより、ユーザーは、高精細静止画像50及び高精細動態画像60が、いずれも診断のための読影に用いることができないものであることを認識することができる。
【0066】
図6及び図7では、アノテーションマーク80としてAI(人工知能)により高解像度化されていることを示す「AI」の文字が用いられているが、これに限られず、二次的医用画像であることを示すマークとして予め定められた任意の文字や形状であってもよい。図4に示すサムネイル画像74に付されているアノテーションマーク80についても同様である。
【0067】
図6図7に示す高精細静止画像50は、ユーザーが選択したフレーム画像を高解像度化することにより生成されたものであるが、高精細静止画像50に用いるフレーム画像を制御部21が自動的に決定するようにしてもよい。例えば、制御部21(画像生成手段)は、被検体の周期的動作により定まる特定のタイミングに対応する1つのフレーム画像を高解像度化して高精細静止画像50を生成してもよい。一例を挙げると、図6の動態グラフ73においてインジケーター42bの位置が最大となる点Pに対応するフレーム画像(ここでは、フレーム番号が「150」であるフレーム画像)を特定し、当該フレーム画像を高解像度化して高精細静止画像50を生成してもよい。点Pは、1呼吸に相当する周期のうち横隔膜が上限位置にあるタイミング(呼気により肺野が最も収縮するタイミング)に相当する。なお、これに代えて、1呼吸に相当する周期のうち横隔膜が下限位置にあるタイミング(吸気により肺野が最も拡張するタイミング)のフレーム画像を高解像度化の対象画像として特定してもよい。
このように制御部21により自動的に高精細静止画像50を生成することで、ユーザーからの生成指示がない段階において高精細静止画像50を生成することもできる。この場合の高精細静止画像50は、例えば図4に示すサムネイル画像74などとして用いることができる。
【0068】
次に、医用画像表示装置3において情報表示画面70を表示させるための情報表示処理の制御手順について説明する。以下では、高解像度化するフレーム画像の特定方法、及び/又はアノテーションマーク80の表示のための処理が互いに異なる第1~第3の情報表示処理について説明する。
【0069】
(第1の情報表示処理)
図8は、第1の情報表示処理の制御手順を示すフローチャートである。
図8では、医用画像管理装置2の制御部21により実行される処理、及び医用画像表示装置3の制御部31により実行される処理をラダーチャートとして並列に示している。以下では、制御部21(31)が通信部23(35)を制御してデータを送信させることを、単に「制御部21(31)がデータを送信する」と記す。
【0070】
第1の情報表示処理は、医用画像表示装置3におけるユーザーの操作に応じて、医用画像表示装置3から医用画像管理装置2へ、医用動態画像40を含む情報表示画面70の表示要求が送信された場合に開始される。
第1の情報表示処理が開始されると、医用画像管理装置2の制御部21は、指定された医用動態画像40の画像データを含む情報表示画面70のデータを生成して当該データを医用画像表示装置3に送信する(ステップS11)。
【0071】
医用画像表示装置3の制御部31は、受信したデータに基づいて情報表示画面70(図4)を表示部34に表示させる(ステップS12)。
【0072】
制御部31は、ユーザーにより、医用動態画像40の1つのフレーム画像に対応する高精細静止画像50の生成及び表示を指示する入力操作がなされると、当該フレーム画像を指定した高精細静止画像50の生成要求及び表示要求を医用画像管理装置2に対して送信する(ステップS13)。
【0073】
当該要求を受信した医用画像管理装置2の制御部21(受付手段)は、ユーザーによる上記1つのフレーム画像の指定を受け付ける。また、制御部21(画像生成手段)は、指定された上記1つのフレーム画像を高解像度化して高精細静止画像50の画像データを生成する(ステップS14)。
【0074】
制御部21(記録手段)は、高精細静止画像50が、既存の医用動態画像40から二次的に生成されたものであることを示す記録を行う記録処理を実行する。すなわち、制御部21は、この記録処理において、高精細静止画像50の画像データを、当該高精細静止画像50及びアノテーションマーク80を含む画像の画像データに更新する(ステップS15)。
【0075】
制御部21(表示制御手段)は、ステップS15で記録処理がなされた高精細静止画像50の画像データを医用画像表示装置3に送信する(ステップS16)。これにより、制御部21(表示制御手段)は、当該画像データに基づいて高精細静止画像50とともにアノテーションマーク80を医用画像表示装置3の表示部34に表示させ、また、情報表示画面70において高精細静止画像50を医用動態画像40とともに表示部34に表示させる。
【0076】
医用画像表示装置3の制御部31は、受信した高精細静止画像50の画像データに基づいて、情報表示画面70にアノテーションマーク80を含む高精細静止画像50を表示させる処理を実行する(ステップS17)。
ステップS16及びステップS17が終了すると、制御部21及び制御部31は、第1の情報表示装置を終了させる。
【0077】
なお、ユーザーから高精細動態画像60の生成及び表示が指示された場合には、ステップS14において複数のフレーム画像が高解像度化されて高精細動態画像60の画像データが生成され、ステップS15においてこの画像データにアノテーションマーク80が付加され、ステップS16において高精細動態画像60の画像データが医用画像表示装置3に送信される。
【0078】
(第2の情報表示処理)
図9は、第2の情報表示処理の制御手順を示すフローチャートである。
図9のフローチャートは、図8のフローチャートのステップS13、S14をそれぞれステップS13a、S14aに変更したものに相当する。この第2の情報表示処理は、高精細静止画像50を生成するためのフレーム画像を制御部21が自動的に特定する点で第1の情報表示処理と異なる。以下では、図8のフローチャートとの相違点について説明する。
【0079】
ステップS12が終了すると、医用画像表示装置3の制御部31は、ユーザーからの高精細静止画像50の生成及び表示を指示する入力操作に応じて、当該高精細静止画像50の生成要求及び表示要求を医用画像管理装置2に対して送信する(ステップS13a)。ここでは、高精細静止画像50を生成するフレーム画像の指定は行われない。
【0080】
当該要求を受信した医用画像管理装置2の制御部21(画像生成手段)は、被検体の周期的動作により定まる特定のタイミングに対応する1つのフレーム画像を高解像度化して高精細静止画像50の画像データを生成する(ステップS14a)。例えば、図6の動態グラフ73における点Pに対応するフレーム画像を特定し、当該フレーム画像を高解像度化して高精細静止画像50の画像データを生成する。
以降の処理は、図8と同一である。
このような第2の情報表示処理によれば、ユーザーからフレーム画像の指定を受けずに、医用動態画像40を代表する適切な高精細静止画像50を生成することができる。
【0081】
(第3の情報表示処理)
図10は、第3の情報表示処理の制御手順を示すフローチャートである。
図10のフローチャートは、図8のフローチャートのステップS15、S17をそれぞれステップS15a、S17aに変更したものに相当する。この第3の情報表示処理は、アノテーションマーク80を表示させるための記録処理が第1の情報表示処理と異なる。以下では、図8のフローチャートとの相違点について説明する。
【0082】
ステップS14において高精細静止画像50の画像データが生成されると、医用画像管理装置2の制御部21(記録手段)は、記録処理として、高精細静止画像50の画像データのヘッダー部に対して、二次的医用画像であることを示すアノテーション情報を記録する(ステップS15a)。
【0083】
制御部21(表示制御手段)は、アノテーション情報を記録したヘッダー部を含む高精細静止画像50の画像データを送信する(ステップS16)。これにより、制御部21(表示制御手段)は、ヘッダー部のアノテーション情報に基づいて、高精細静止画像50とともにアノテーションマーク80を表示部34に表示させる。
【0084】
医用画像表示装置3の制御部31は、受信した高精細静止画像50の画像データに基づいて、情報表示画面70に高精細静止画像50を表示させ、ヘッダー部のアノテーション情報に応じてアノテーションマーク80を高精細静止画像50に重ねて表示させる処理を実行する(ステップS17a)。
このような第3の情報表示処理によれば、高精細静止画像50の画像データにアノテーションマーク80を直接付加せずにアノテーションマーク80を表示させることができる。
なお、第2の情報表示処理と第3の情報表示処理とを組み合わせてもよい。すなわち、図9のフローチャートのステップS15、S17を、図10のフローチャートのステップS15a、S17aに置き換えてもよい。
【0085】
次に、医用画像管理装置2において実行されるデータ削除処理について説明する。
高精細静止画像50、及び高精細動態画像60を構成する各高精細フレーム画像は、生成元である医用動態画像40のフレーム画像よりも画素数が多く、データ量が大きい。このため、記憶部22の容量不足が生じないように、高精細静止画像50及び高精細動態画像60の画像データには保管期間が設定されており、保管期限が経過した画像データを順次削除するために、データ削除処理が実行される。
【0086】
図11は、データ削除処理の制御部31による制御手順を示すフローチャートである。
データ削除処理は、1週間に1回、1か月に1回等、定期的に実行される。データ削除処理は、画像削除手段としての制御部21により実行される。
【0087】
データ削除処理が開始されると、制御部21は、1つの高精細静止画像50又は高精細動態画像60を選択し(ステップS21)、選択した高精細静止画像50又は高精細動態画像60に設定されている保存期間が経過しているか否かを判別する(ステップS22)。具体的には、制御部21は、選択した高精細静止画像50又は高精細動態画像60を受信した受信日時を医用画像DB221から取得し、計時部24から現在日時を取得し、受信日時から現在までの期間と保存期間とを比較することで、保存期間が経過しているか否かを判別する。
【0088】
保存期間が経過していると判別された場合には(ステップS22で“YES”)、制御部21は、選択している高精細静止画像50又は高精細動態画像60の画像データを記憶部22から削除する(ステップS23)。
【0089】
ステップS23が終了した場合、又はステップS22において保存期間が経過していないと判別された場合には(ステップS22で“NO”)、制御部21は、未選択の高精細静止画像50又は高精細動態画像60があるか否かを判別する(ステップS24)。制御部21は、未選択の高精細静止画像50又は高精細動態画像60があると判別された場合には(ステップS24で“YES”)、処理をステップS21に戻し、全ての高精細静止画像50及び高精細動態画像60が選択済であると判別された場合には(ステップS24で“NO”)、データ削除処理を終了させる。
【0090】
以上のように、本実施形態に係る動態画像処理装置としての医用画像管理装置2は、被検体を連続撮影して得られた複数のフレーム画像からなる、被検体の動態を表す医用動態画像40の画像データを処理する。また、医用画像管理装置2は制御部21を備え、当該制御部21は、医用動態画像40に含まれる複数のフレーム画像のうち少なくとも一部に基づいて二次的医用画像として高精細静止画像50及び高精細動態画像60等を生成し(画像生成手段)、二次的医用画像が、既存の医用動態画像40から二次的に生成されたものであることを示す記録を行う記録処理を実行する(記録手段)。
これによれば、医用動態画像40のための放射線撮影とは別個に放射線撮影を行うことなく、医用動態画像40とは独立した(二次的)医用画像を得ることができる。よって、検査における放射線撮影の回数及び所要時間を低減できるため、検査の効率を向上させることができるとともに、患者の負担(被ばく線量等)を低減することができる。
ただし、二次的医用画像は、患者を撮影して得られた画像そのものではないため、診察における読影に用いると、誤診等の医療上の問題の発生に繋がるおそれがある。
これに対し、本実施形態によれば、二次的医用画像に対して記録処理が行われ、この記録処理に応じてアノテーションマーク80の表示などを行うことができるため、二次的医用画像が読影に誤用されることによる医療上の問題の発生を抑制することができる。
【0091】
また、上記複数のフレーム画像の各々は、被検体への放射線の照射に応じて生成された画像である。このようなフレーム画像から二次的医用画像を生成して利用することで、患者の被ばく線量を抑えることができる。
【0092】
また、制御部21は、二次的医用画像を表示部34に表示させ(表示制御手段)、記録処理の結果に基づいて、二次的医用画像が既存の医用動態画像40から二次的に生成されたものであることを示すアノテーションマーク80を二次的医用画像とともに表示部34に表示させる(表示制御手段)。これにより、ユーザーは、高精細静止画像50が、診断のための読影に用いることができないものであることを視覚的、直感的に認識することができる。
【0093】
また、制御部21は、記録処理において、二次的医用画像の画像データを、当該二次的医用画像及びアノテーションマーク80を含む画像の画像データに更新し(記録手段)、記録手段により更新された画像データに基づいて二次的医用画像及びアノテーションマーク80を表示部34に表示させる(表示制御手段)。これによれば、二次的医用画像を表示させる場合に、必ずその画像内にアノテーションマーク80を表示させることができる。よって、二次的医用画像が誤用される問題の発生をより確実に抑えることができる。
【0094】
また、制御部21は、記録処理において、二次的医用画像の画像データの付帯データに対して記録を行い(記録手段)、記録が行われた付帯データに基づいて、二次的医用画像とともにアノテーションマーク80を表示部34に表示させる(表示制御手段)。これによれば、二次的医用画像の画像データそのものを加工することなく、アノテーションマーク80を表示させることができる。
【0095】
また、制御部21は、二次的医用画像のサムネイル画像74を表示部34に表示させる場合に、サムネイル画像74とともにアノテーションマーク80を表示させる(表示制御手段)。これにより、サムネイル画像74を選択して拡大表示させることなく、当該画像が二次的医用画像であることを示すことができる。
【0096】
また、制御部21は、複数のフレーム画像のうち少なくとも一部を高解像度化して二次的医用画像としての高精細静止画像50又は高精細動態画像60を生成する(画像生成手段)。
これによれば、医用動態画像40のための放射線撮影とは別個に、高精細の医用画像を取得するための放射線撮影を行う必要がないため、検査における被ばく線量を抑えて患者の負担を低減することができる。また、検査における放射線撮影の回数及び所要時間を低減できるため、検査の効率を向上させることができる。
ただし、高解像度化により得られた二次的医用画像は、患者を撮影して得られた画像そのものではないため、診察における読影に用いると、誤診等の医療上の問題の発生に繋がるおそれがある。
特に、高解像度化により得られた二次的医用画像は、誤って読影に用いられやすい事情がある。その理由は、高解像度化により生成された二次的医用画像は、もともと高解像度で撮影された医用画像(例えば、X線単純撮影により得られた高精細静止画像)と、一見して区別することができないためである。これは、高解像度化の処理はそもそも、解像度を高めることによって、X線単純撮影で得られるような高精細画像に近付けることを目的としていることによる。このため、高解像度化処理の技術が進展するほど、もともと高解像度で撮影された画像との見分けは困難となり、誤用が生じやすくなる。この点、骨格部分を目立たなくする骨減弱処理などの他の画像処理とは事情が異なる。
これに対し、本発明によれば、高解像度化により生成された二次的医用画像に対して記録処理が行われ、この記録処理に応じてアノテーションマーク80の表示などを行うことができるため、高解像度化された二次的医用画像が読影に誤用されることによる医療上の問題の発生を抑制することができる。
【0097】
また、二次的医用画像は、複数のフレーム画像のうち一部のフレーム画像を高解像度化して得られた高精細静止画像50である。これにより、当初生成された医用動態画像40のフレーム画像よりも高解像度の高精細静止画像50が得られる。
【0098】
また、制御部21は、ユーザーによる一部のフレーム画像の指定を受け付け(受付手段)、指定された上記一部のフレーム画像を高解像度化して高精細静止画像50を生成する(画像生成手段)。これにより、所望のフレーム画像を高解像度化して利用することができる。
【0099】
また、制御部21は、被検体の周期的動作により定まる特定のタイミングに対応する一部のフレーム画像を高解像度化して高精細静止画像50を生成する(画像生成手段)。これにより、ユーザーがフレーム画像を指定せずに、医用動態画像40における適切な代表画像を高解像度化した高精細静止画像50が得られる。
【0100】
また、制御部21は、二次的医用画像としての高精細静止画像50を医用動態画像40とともに表示部34に表示させる(表示制御手段)。これにより、ユーザーは、低解像度の医用動態画像40とともに、医用動態画像40の一部のフレームに対応する高解像度の高精細静止画像50を確認することができる。
【0101】
また、二次的医用画像は、複数のフレーム画像のうちの2以上を高解像度化して得られた2以上の高精細フレーム画像からなる高精細動態画像60である。これにより、当初生成された医用動態画像40よりも高解像度の高精細動態画像60が得られる。
【0102】
また、二次的医用画像は、複数のフレーム画像のうちの一部を高解像度化して得られた高精細静止画像50、及び複数の医用画像のうちの2以上を高解像度化して得られた2以上の高精細フレーム画像からなる高精細動態画像60を含み、制御部21は、高精細静止画像50とともに高精細動態画像60を表示部34に表示させる。これにより、当初生成された医用動態画像40よりも高解像度の高精細動態画像60を、高解像度の高精細静止画像50とともに確認することができる。
【0103】
また、医用画像管理装置2は、二次的医用画像の画像データを記憶する記憶部22を備え、制御部21は、所定の保管期間が経過した二次的医用画像の画像データを記憶部22から削除する(画像削除手段)。これにより、記憶部22の記憶容量が不足して新たな画像データが記憶できなくなる不具合の発生を避けることができる。
【0104】
また、本実施形態に係るプログラム223は、動態画像処理装置としての医用画像管理装置2に設けられたコンピューターとしての制御部21を、医用動態画像40に含まれる複数のフレーム画像のうち少なくとも一部に基づいて二次的医用画像としての高精細静止画像50及び高精細動態画像60等を生成する画像生成手段、二次的医用画像が、既存の医用動態画像40から二次的に生成されたものであることを示す記録を行う記録処理を実行する記録手段、として機能させる。このようなプログラムによれば、検査の効率を向上させることができるとともに、患者の負担(被ばく線量等)を低減することができる。また、二次的医用画像に対して記録処理が行われ、この記録処理に応じてアノテーションマーク80の表示などを行うことができるため、二次的医用画像が読影に誤用されることによる医療上の問題の発生を抑制することができる。
【0105】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る動態画像処理装置の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0106】
例えば、上記実施形態では、注記標識としてアノテーションマーク80を例示したが、注記標識は、二次的医用画像である高精細静止画像50や高精細動態画像60が既存の医用動態画像から二次的に生成されたものであることを示すものであれば、これに限られない。例えば、注記標識は、情報表示画面70の画像情報71内において表示される文字であってもよい。
【0107】
また、二次的医用画像として高精細静止画像50、高精細動態画像60及びサムネイル画像74を例示したが、これに限られず、医用動態画像40のフレーム画像に基づいて生成された任意の医用画像が二次的医用画像となり得る。例えば、フレーム画像に対して骨減弱処理等の画像処理を行ったものも、二次的医用画像に相当する。
【0108】
また、上記実施形態では、医用動態画像40及び高精細静止画像50を同一の情報表示画面70上で並べて表示させたり(図6)、高精細動態画像60及び高精細静止画像50を同一の情報表示画面70上で並べて表示させたり(図7)する例を用いて説明したが、これに限られず、表示部34が複数のモニター341を有している場合には、これらの画像を別個のモニター341に表示させてもよい。
【0109】
また、医用画像管理装置2に操作部及び表示部が設けられており、ユーザーが医用画像管理装置2を直接操作可能である場合には、医用画像管理装置2においてユーザー操作を受け付けてもよい。この場合には、上記実施形態で医用画像表示装置3の表示部34に表示させていた内容は、医用画像管理装置2の表示部に表示される。
【0110】
また、上記実施形態では、医用画像管理装置2の制御部21が画像生成手段、記録手段、表示制御手段、受付手段、及び画像削除手段として機能する例を用いて説明したが、これに代えて、医用画像表示装置3の制御部31がこれらの各手段として機能する構成としてもよい。この場合には、医用画像表示装置3が「動態画像処理装置」に相当する。
【0111】
また、医用画像表示装置3は、医用画像撮影装置1の制御に用いられるコンソールであってもよい。
【0112】
また、上記実施形態では、医用画像管理装置2の記憶部22にデータベース221及び画像保管領域222が設けられている例を用いて説明したが、これに限られない。例えば、医用画像管理装置2の外部のデータベースサーバー等にデータベース221を設けて、必要なデータを都度データベースサーバーから取得してもよい。同様に、医用画像管理装置2の外部の記憶装置に放射線画像の画像データを記憶させて、必要な画像データを都度この記憶装置から取得してもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、医用動態画像40として、被検体への放射線の照射に応じて生成された放射線画像のフレーム画像からなるものを例示したが、これに限られず、医用動態画像40は、他の方法により撮影されたフレーム画像からなるものであってもよい。
【0114】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピューター読み取り可能な媒体として記憶部22又はROMを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリー、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0115】
1 医用画像撮影装置
2 医用画像管理装置(動態画像処理装置)
21 制御部(画像生成手段、記録手段、表示制御手段、受付手段、画像削除手段)
22 記憶部(記憶手段)
221 医用画像DB
222 画像保管領域
223 プログラム
23 通信部
24 計時部
3 医用画像表示装置
31 制御部
32 記憶部
33 操作部
34 表示部(表示手段)
341 モニター
35 通信部
40 医用動態画像
41 フレーム画像
42a、42b インジケーター
50 高精細静止画像(二次的医用画像)
60 高精細動態画像(二次的医用画像)
61 高精細フレーム画像
70 情報表示画面
71 画像情報
72 スクロールバー
73 動態グラフ
74 サムネイル画像(二次的医用画像)
75 検査リスト
76a~76d 操作ボタン
80 アノテーションマーク(注記標識)
100 医療情報管理システム
F21 検査フォルダー
F31~F33 シリーズフォルダー
F32、F33 シリーズフォルダー
N 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
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図9
図10
図11