(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】電気製品
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20231219BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20231219BHJP
B60K 11/06 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
H05K7/20 H
B60R16/02 610C
B60K11/06
(21)【出願番号】P 2020102497
(22)【出願日】2020-06-12
【審査請求日】2022-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】安井 伸志朗
【審査官】原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-348534(JP,A)
【文献】特開2004-087711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
B60R 16/02
B60K 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気部品(320)と、
前記電気部品を内面(330b)によって区画される収納空間に収納するケース(330)と、
前記内面の裏側の外面(330a)に設けられる端子(307)と、
前記端子とともに前記外面の一部を覆うように設けられ、前記外面との対向面(380a)と前記外面との間で、送風機(600)から付与された風を通す通風路(1000)を構成するカバー(370)と、
前記通風路に配置されて前記電気部品で生じた熱を放熱する放熱器(362)と、を有し、
前記通風路は前記外面に沿う一方向で開口するとともに、前記一方向の端に前記風が排出される排出口(1002)を有し、
前記通風路において、前記端子が前記放熱器よりも前記排出口の近くに設けられている電気製品。
【請求項2】
前記放熱器は複数の突起部(361)を備え
る請求項1に記載の電気製品。
【請求項3】
電気部品(320)と、
前記電気部品を内面(330b)によって区画される収納空間に収納するケース(330)と、
前記内面の裏側の外面(330a)に設けられる端子(307)と、
前記端子とともに前記外面の一部を覆うように設けられ、前記外面との対向面(380a)と前記外面との間で、送風機(600)から付与された風を通す通風路(1000)を構成するカバー(370)と、
複数の突起部(361)を備える放熱器(362)と、を有し、
前記放熱器が前記通風路に配置され、
前記通風路は前記外面に沿う一方向で開口し、
前記カバーは前記外面に沿いなおかつ前記一方向に直交する並び方向で離間して並ぶ第1壁部(391)、第2壁部(392)、および、第3壁部(393)を有し、
前記第1壁部と前記第2壁部の間に前記第3壁部が位置し、
前記第1壁部と前記第3壁部の間に前記放熱器が設けられ、
前記第3壁部と前記第2壁部の間に前記端子が設けられている電気製品。
【請求項4】
前記通風路における前記送風機の風の供給される供給口(1001)側で前記第1壁部と前記第2壁部が前記並び方向で離間して並び、前記通風路を通った風の排出される排出口(1002)側で前記第1壁部と前記第2壁部との間に前記第3壁部が位置し、
前記放熱器は前記供給口側で離間して並ぶ前記第1壁部と前記第2壁部の間に設けられる第1放熱部(363)と、前記排出口側で離間して並ぶ前記第1壁部と前記第3壁部の間に設けられる第2放熱部(364)と、を有する請求項
3に記載の電気製品。
【請求項5】
複数の前記突起部それぞれは前記外面に一体的に連結されている請求項
2~4のいずれか1項に記載の電気製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の開示は、端子を備える電気製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電力変換装置とバッテリケーブルを備える車両用電力変換装置ユニットが知られている。電力変換装置は出力端子を有している。出力端子にはバッテリケーブルが接続されている。バッテリケーブルの少なくとも一部がエンジンルームに内蔵されている。このエンジンルームに冷却ファンから風が付与されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冷却ファンから付与される風はエンジンルーム内に拡散される。エンジンルーム内に拡散された冷却ファンから付与される風の一部が出力端子に付与される。そのために出力端子が冷却されがたくなっている。
【0005】
本開示の目的は、端子が冷却されがたくなることが抑制された電気製品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による電気製品は、
電気部品(320)と、
電気部品を内面(330b)によって区画される収納空間に収納するケース(330)と、
内面の裏側の外面(330a)に設けられる端子(307)と、
端子とともに外面の一部を覆うように設けられ、外面との対向面(380a)と外面との間で、送風機(600)から付与された風を通す通風路(1000)を構成するカバー(370)と、
通風路に配置されて電気部品で生じた熱を放熱する放熱器(362)と、を有し、
通風路は外面に沿う一方向で開口するとともに、一方向の端に風が排出される排出口(1002)を有し、
通風路において、端子が放熱器よりも排出口の近くに設けられている。
【0007】
本開示では、送風機(600)から付与される風の凝集される通風路(1000)に端子(307)が設けられる。そのために端子(307)が冷却されがたくなることが抑制されやすくなっている。
別の本開示の一態様による電気製品は、
電気部品(320)と、
電気部品を内面(330b)によって区画される収納空間に収納するケース(330)と、
内面の裏側の外面(330a)に設けられる端子(307)と、
端子とともに外面の一部を覆うように設けられ、外面との対向面(380a)と外面との間で、送風機(600)から付与された風を通す通風路(1000)を構成するカバー(370)と、
複数の突起部(361)を備える放熱器(362)と、を有し、
放熱器が通風路に配置され、
通風路は外面に沿う一方向で開口し、
カバーは外面に沿いなおかつ一方向に直交する並び方向で離間して並ぶ第1壁部(391)、第2壁部(392)、および、第3壁部(393)を有し、
第1壁部と第2壁部の間に第3壁部が位置し、
第1壁部と第3壁部の間に放熱器が設けられ、
第3壁部と第2壁部の間に端子が設けられている。
【0008】
なお、上記の括弧内の参照番号は、後述の実施形態に記載の構成との対応関係を示すものに過ぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】
図2に示すIII-III線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
【0011】
また各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組合わせばかりではなく、組合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士、実施形態と変形例、および、変形例同士を部分的に組合せることも可能である。
【0012】
(第1実施形態)
図1に基づいて電気製品300の設けられる車載システム100を説明する。車載システム100は電気自動車用のシステムを構成している。車載システム100はバッテリ200、電気製品300、補機400、補機バッテリ500、送風機600、図示しないモータ、および、複数のECUを有する。
【0013】
複数のECUはバス配線を介して相互に信号を送受信している。複数のECUは協調して電気自動車を制御している。複数のECUの制御により、バッテリ200のSOCに応じたモータの回生と力行が制御される。ECUはelectronic control unitの略である。SOCはstate of chargeの略である。
【0014】
バッテリ200は複数の二次電池を有する。これら複数の二次電池は直列接続された電池スタックを構成している。この電池スタックのSOCがバッテリ200のSOCに相当する。二次電池としてはリチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池、および、有機ラジカル電池などを採用することができる。
【0015】
電気製品300は複数のスイッチ素子を備える、インバータ310とDCDCコンバータ320を有する。スイッチ素子は、Siなどの半導体、および、SiCなどのワイドギャップ半導体によって製造することができる。なお、半導体素子の構成材料としては特に限定されない。DCDCコンバータ320は電気部品に相当する。
【0016】
インバータ310は、バッテリ200の正極に接続された第1バスバ301と、バッテリ200の負極に接続された第2バスバ302との間で並列接続されている。インバータ310の備える複数のスイッチ素子は複数のECUのうちの一部によってPWM制御される。これによってバッテリ200から供給される直流電力が交流電力に変換される。この交流電力がモータに供給される。
【0017】
DCDCコンバータ320は第1バスバ301に接続された第3バスバ303と、第2バスバ302に接続された第4バスバ304に接続されている。DCDCコンバータ320の備える複数のスイッチ素子は複数のECUのうちの一部によってPMW制御される。これによってバッテリ200から供給される高電圧の直流電力が低電圧の直流電力に下降変換される。
【0018】
DCDCコンバータ320は第3バスバ303と第4バスバ304の他にバッテリケーブル305に接続されている。下降変換された直流電力はバッテリケーブル305を介して補機バッテリ500に出力される。これによって補機バッテリ500が充電される。
【0019】
バッテリケーブル305には補機ケーブル401が接続されている。補機ケーブル401に補機400が接続されている。補機バッテリ500からバッテリケーブル305の一部と補機ケーブル401を介して補機400へ電力が供給される。補機400とは、例えばパワーステアリング装置、投光装置、各種電子制御ユニット等のことである。
【0020】
送風機600はDCDCコンバータ320を冷却するためのファンである。上記したようにDCDCコンバータ320は複数のスイッチ素子を有している。これらスイッチ素子のスイッチングのためにDCDCコンバータ320は発熱しやすくなっている。
【0021】
このDCDCコンバータ320の熱を放熱させるため、送風機600からDCDCコンバータ320に風が付与されている。これによってDCDCコンバータ320が冷却されやすくなっている。DCDCコンバータ320の安定した駆動が確保されやすくなっている。
【0022】
<電気製品の構成要素>
次に、電気製品300の構成を説明する。以下において直交の関係にある3方向をx方向、y方向、z方向とする。x方向は並び方向に相当する。y方向は一方向に相当する。なお、図面において「方向」の記載を省略している。また、図面においてインバータ310をIと略記している。DCDCコンバータ320をDと略記している。補機400をAと略記している。送風機600をFと略記している。
【0023】
電気製品300はこれまでに説明した回路の構成要素の他に、出力端子307、端子台308、ケース330、および、カバー370を有している。出力端子307とはDCDCコンバータ320に一端が接続された銅やアルミなどから成る導電部材のことである。出力端子307は端子に相当する。
【0024】
ケース330は収納空間を区画する内面330bとその外側の外面330aを有する。細分化して説明すると、ケース330は底部340、側部350、および、蓋部360を有する。
【0025】
底部340はz方向に厚さの薄い扁平形状を成している。側部350は底部340の内面330bに連結されている。側部350は底部340の内面330bから環状に起立している。側部350はx方向に離間して対向する第1側部351と第3側部353、および、y方向に離間して対向する第2側部352と第4側部354を有している。
【0026】
これら第1側部351、第2側部352、第3側部353、第4側部354はz方向のまわりの周方向に環状に連結されている。側部350における底部340から離間した側の先端に開口が区画されている。
【0027】
蓋部360はz方向に厚さの薄い扁平形状を成している。蓋部360は側部350の底部340から離間した側の先端に連結されている。そのために側部350の先端で区画された開口が蓋部360によって閉塞されている。
【0028】
以上に示した形態のために、底部340、側部350、および、蓋部360によってケース330の内部に収納空間が区画されている。この収納空間にDCDCコンバータ320が収納されている。
【0029】
蓋部360には蓋部360の外面330aと蓋部360の内面330bをz方向に貫く図示しない貫通孔が形成されている。この貫通孔を介して出力端子307の他端が蓋部360の外面330aから露出されている。
【0030】
また、蓋部360の外面330aには出力端子307を固定するための端子台308が設けられている。上記したように出力端子307は一端がDCDCコンバータ320に接続されている。出力端子307の他端が端子台308に固定されている。
【0031】
図2および
図3に示すように端子台308から出力端子307の他端の一部が露出されている。この出力端子307にバッテリケーブル305の一端の導電性の接続端子306が接続されている。
【0032】
カバー370は主部380と壁部390を有する。主部380はz方向に厚さの薄い扁平形状を成している。主部380はz方向に並ぶ内主面380aとその裏側の外主面380bを有している。内主面380aは対向面に相当する。
【0033】
壁部390は内主面380aに連結されている。壁部390は内主面380aから起立している。壁部390はx方向に離間する第1壁部391と第2壁部392を有している。
【0034】
図3に示すようにカバー370は蓋部360の外面330aに設けられている。カバー370の内主面380aが蓋部360の外面330aにz方向に離間して並んでいる。
【0035】
図2に示すように第1壁部391は第1側部351側に位置している。第2壁部392は第2側部352側に位置している。第1壁部391と第2壁部392それぞれは第2側部352と第4側部354が並ぶy方向に延びている。
図2および
図3に示すように、蓋部360、第1壁部391、主部380、第2壁部392によってy方向に開口する通風路1000が区画されている。
【0036】
<放熱器>
図2および
図3に示すように蓋部360は蓋部360の外面330aに連結される放熱器362を有する。放熱器362は蓋部360の外面330aから起立する複数の突起部361を有する。
図3に示すように複数の突起部361は蓋部360の外面330aに一体的に連結されている。
【0037】
複数の突起部361それぞれは第2側部352と第4側部354の並ぶy方向に延びている。放熱器362はDCDCコンバータ320で生じた熱を効率的に放熱する役割を担っている。なお、放熱器362は蓋部360に形成されていなくてもよい。放熱器362は
図4に示すように蓋部360と別体になっていてもよい。
【0038】
図2に示すように放熱器362は第1壁部391と第2壁部392の間に設けられている。放熱器362が通風路1000の一部に設けられている。
【0039】
<送風機と放熱器>
送風機600はケース330およびカバー370と第2側部352と第4側部354の並ぶy方向で並んでいる。送風機600から付与される風が、通風路1000の第4側部354側の供給口1001から、第2側部352側の排出口1002に向かって流れている。これによって放熱器362が積極的に放熱されやすくなっている。図面においては風の流れの方向を白抜きの矢印で示している。
【0040】
なお、送風機600の位置は限定されない。送風機600にダクト等が接続されていてもよい。風が第2側部352側から第4側部354側に向かって流れていてもよい。
【0041】
<出力端子の接続>
図3に示すように端子台308と出力端子307の一部と接続端子306とがz方向で並んでいる。
【0042】
端子台308にはz方向に凹む凹部308aが形成されている。凹部308aには凹部308aを区画する区画壁にボルト溝が形成されている。出力端子307の一部にはz方向に貫通する第1貫通孔307aが形成されている。接続端子306にはz方向に貫通する第2貫通孔306aが形成されている。凹部308aと第1貫通孔307aと第2貫通孔306aがz方向で連通している。これらによって連通孔が形成されている。
【0043】
この連通孔にボルト309の軸部が通される。軸部が凹部308aのボルト溝に締結される。これによって出力端子307と接続端子306とがボルト309によって機械的および電気的に接続されている。
【0044】
出力端子307は接続端子306と少なくとも一部で接触している。そのために出力端子307と接続端子306の間で接触抵抗が生じている。これによって出力端子307が発熱しやすくなっている。
【0045】
<送風機と端子>
図2に示すように端子台308はx方向において第1壁部391と第2壁部392の間に設けられている。
図3に示すように端子台308はz方向において蓋部360と主部380の間に設けられている。端子台308は通風路1000の一部に設けられている。
【0046】
また端子台308は放熱器362よりも排出口1002側の通風路1000に設けられている。放熱器362と端子台308とがy方向で並んでいる。供給口1001から入り込む風が放熱器362に付与された後に、出力端子307に付与されるようになっている。なお、端子台308は放熱器362よりも供給口1001側の通風路1000に設けられていてもよい。
【0047】
<作用効果>
これまでに説明したように端子台308が通風路1000に設けられている。端子台308には出力端子307が設けられている。通風路1000には供給口1001から排出口1002に向かって送風機600から風が付与されている。
【0048】
送風機600から付与される風が通風路1000に凝集されやすくなっている。これによって出力端子307が冷却されがたくなることが抑制されやすくなっている。
【0049】
出力端子307は送風機600によって積極的に冷却されるため、小型化されやすくなっている。
【0050】
また出力端子307には、DCDCコンバータ320を介して第3バスバ303および第4バスバ304が接続されている。出力端子307の温度低下に伴い、第3バスバ303および第4バスバ304の温度が低下しやすくなっている。これによって第3バスバ303および第4バスバ304が小型化されやすくなっている。DCDCコンバータ320の体格が減少されやすくなっている。
【0051】
他にも出力端子307には接続端子306が接続されている。出力端子307の温度低下に伴い、接続端子306の温度が低下しやすくなっている。これによってバッテリケーブル305の細線化が可能になっている。バッテリケーブル305が軽量化されやすくなっている。
【0052】
これまでに説明したように放熱器362と端子台308それぞれが通風路1000に設けられている。放熱器362と端子台308の両方が蓋部360の外面330aに設けられている。そのために電気製品300の体格の増大が抑制されやすくなっている。
【0053】
これまでに説明したように、端子台308は放熱器362よりも排出口1002側の通風路1000の一部に設けられている。放熱器362と端子台308とがy方向で並んでいる。
【0054】
そのためにカバー370の第1壁部391と第2壁部392の間のx方向の距離が狭められやすくなっている。電気製品300の体格が減少されやすくなっている。
【0055】
(第1変形例)
壁部390が第1壁部391と第2壁部392の他に第3壁部393を有していてもよい。
図5に示すように第3壁部393は第1壁部391と第2壁部392の間に設けられている。
【0056】
そのために第1壁部391と第2壁部392の間の通風路1000が第1壁部391と第3壁部393の間の通風路1000と、第3壁部393と第2壁部392の間の通風路1000に区画されている。送風機600から風が第1壁部391と第2壁部392の間の通風路1000と、第3壁部393と第2壁部392の間の通風路1000それぞれに付与されるようになっている。
【0057】
また第1壁部391と第3壁部393の間の通風路1000に放熱器362が設けられている。第3壁部393と第2壁部392の間の通風路1000に端子台308が設けられている。なお、端子台308には出力端子307が設けられている。
【0058】
そのために第1壁部391と第3壁部393の間の通風路1000に付与される風によって放熱器362が冷却される。第3壁部393と第2壁部392の間の通風路1000に付与される風によって出力端子307が冷却される。
【0059】
これによって風を介した放熱器362と出力端子307のうちの一方から他方への熱伝達が抑制される。これにより出力端子307が冷却されがたくなることが抑制されている。
【0060】
なお、
図6に示すように第3壁部393が供給口1001から排出口1002に延びていてもよい。第1壁部391と第3壁部393の間の通風路1000と第3壁部393と第2壁部392の間の通風路1000とが分離されていてもよい。
【0061】
(第2変形例)
図7に示すように放熱器362がy方向に離間して並ぶ第1放熱部363と第2放熱部364を有していてもよい。
【0062】
壁部390は第1壁部391、第2壁部392、および、第3壁部393を有している。第2壁部392は第1延長部位392a、連結部位392c、第2延長部位392bを有している。第1延長部位392aは供給口1001側に位置している。第2延長部位392bは排出口1002側に位置している。第1延長部位392aと第2延長部位392bが連結部位392cによって連結されている。
【0063】
図7に示すように第1壁部391が第1延長部位392a、連結部位392c、第2延長部位392bそれぞれとx方向で並んでいる。第3壁部393が第1壁部391の排出口1002側の部位と第2延長部位392bそれぞれとx方向で並んでいる。第3壁部393が第1壁部391の排出口1002側の部位と第2延長部位392bの間に設けられている。
【0064】
第1放熱部363が第1壁部391の供給口1001側の部位と第1延長部位392aの間の通風路1000に設けられている。第2放熱部364が第1壁部391の排出口1002側の部位と第3壁部393の間の通風路1000に設けられている。端子台308が第3壁部393と第2延長部位392bの間の通風路1000に設けられている。
【0065】
また
図7に示すように、第1延長部位392aは第3壁部393とy方向に離間して並んでいる。第2延長部位392bは第3壁部393とx方向に離間して並んでいる。
【0066】
第2延長部位392bは第3壁部393よりも第3側部353側に位置している。連結部位392cが、第1延長部位392aの第3壁部393側の端から、第2延長部位392bの第1延長部位392a側の端に向かって延びている。
【0067】
これによって送風機600から風が第1壁部391の供給口1001側の部位と第1延長部位392aの間の通風路1000を通った後、第1壁部391の排出口1002側の部位と第3壁部393の間の通風路1000に付与されるようになっている。送風機600から風が第1壁部391の供給口1001側の部位と第1延長部位392aの間の通風路1000を通った後、第2延長部位392bと第3壁部393の間の通風路1000に付与されるようになっている。
【0068】
そのために第1壁部391の供給口1001側の部位と第1延長部位392aの間の通風路1000に付与される風によって第1放熱部363が冷却される。第1壁部391の排出口1002側の部位と第3壁部393の間の通風路1000に付与される風によって第2放熱部364が冷却される。第3壁部393と第2延長部位392bの間の通風路1000に付与される風によって端子台308が冷却される。
【0069】
その結果、第3壁部393と第2延長部位392bの間の通風路1000に付与される風の温度が低下しにくくなっている。端子台308に設けられた出力端子307が効率的に冷却されやすくなっている。
【0070】
(第3変形例)
図8に示すように第1壁部391の供給口1001側の部位と第2壁部392の供給口1001側の部位の間の通風路1000に第1放熱部363が設けられていてもよい。壁部390は第1壁部391、第2壁部392、および、第3壁部393を有している。第3壁部393は第1壁部391の排出口1002側の部位と第2壁部392の排出口1002側の部位の間に設けられている。
【0071】
第1壁部391の排出口1002側の部位と第3壁部393の間の通風路1000に第2放熱部364が設けられていなくてもよい。第1壁部391の供給口1001側の部位と第2壁部392の供給口1001側の部位の間の通風路1000に放熱器362が設けられていてもよい。
【0072】
(第4変形例)
図示しないが、DCDCコンバータ320に接続される第3バスバ303および第4バスバ304が蓋部360の外面330aに設けられていてもよい。その場合、第3バスバ303および第4バスバ304が送風機600から付与される風によって冷却されやすくなっている。これによってDCDCコンバータ320が小型化されやすくなっている。
【0073】
(第5変形例)
図示しないが、蓋部360に蓋部360の外面330aから遠ざかる態様で延びる第1延長部と第2延長部が形成されていてもよい。第1延長部と第2延長部の間に放熱器362と端子台308が配置されていてもよい。
【0074】
その場合、第1延長部と第2延長部によって通風路1000が区画されるようになっている。これによって通風路1000に設けられた出力端子307が効率的に冷却されやすくなっている。なお、第1延長部と第2延長部が蓋部360の外面330aに設けられる場合、カバー370は蓋部360の外面330aに設けられていなくてもよい。
【符号の説明】
【0075】
307…出力端子、320…DCDCコンバータ、330…ケース、330a…外面、330b…内面、361…突起部、362…放熱器、363…第1放熱部、364…第2放熱部、370…カバー、380a…内主面、391…第1壁部、392…第2壁部、393…第3壁部、600…送風機、1000…通風路、1001…供給口、1002…排出口