(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】制御装置、プログラム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20120101AFI20231219BHJP
G08G 1/01 20060101ALI20231219BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20231219BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G06Q50/26
G08G1/01 A
G08B21/02
G08B25/04 K
(21)【出願番号】P 2020170806
(22)【出願日】2020-10-08
【審査請求日】2022-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100192924
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】森川 裕彦
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/187067(WO,A1)
【文献】特表2022-525263(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0099950(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0217855(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G08G 1/01
G08B 21/02
G08B 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両と通信可能に接続された制御装置であって、制御部を含み、前記制御部は、
前記車両に設けられたセンサからセンサ情報を取得することと、
前記センサ情報から、前記車両が駐車しているか否かを判定することと、
前記センサ情報から、前記車両にユーザが滞在しているか否かを判定することと、
前記車両の駐車時間が第1の基準値を超え、且つ、前記ユーザの滞在時間が第2の基準値を超える場合、前記ユーザが前記車両で車中泊を行っていると推定することと、
を
含む動作を実行し、
前記動作は、
着座センサ、ドアの開閉センサ、車高センサ、シートベルト着用検知センサ、画像センサ、及び人感センサの少なくとも1つから前記センサ情報を取得し、前記センサ情報から、前記車両に滞在しているユーザの人数を判定することと、
判定された前記人数が、前記車両の車格に対応する第3の基準値を超えるか否かを判定し、判定された前記人数が前記第3の基準値を超えると判定すると、越えた分の人数につき、宿泊用車両の配車、又は、避難所の手配を実行することと、
を含む、制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置において、
前記制御部は、前記センサとしての速度センサ及び位置情報センサの少なくとも1つからセンサ情報を取得し、取得された前記センサ情報から、前記車両が駐車しているか否かを判定する、制御装置。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の制御装置において、
前記制御部は、前記ユーザが車中泊を行っていると推定すると、車中泊支援情報を前記ユーザのユーザ端末に送信する、制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の制御装置において、
前記制御部は、前記ユーザが車中泊を行っていると推定すると、前記車両の位置情報と共に、前記ユーザが車中泊を行っていることを支援者端末に通知する、制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の制御装置において、
前記ユーザのユーザ端末と通信可能に接続され、
前記制御部は、前記ユーザ端末の位置情報と、前記車両の位置情報とが一致するとき、前記車両に前記ユーザが滞在していると判定する、制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至
5のいずれか一項に記載の制御装置が搭載された車両。
【請求項7】
車両と通信可能に接続された制御装置としてのコンピュータに、
前記車両に設けられたセンサからセンサ情報を取得することと、
前記センサ情報から、前記車両が駐車しているか否かを判定することと、
前記センサ情報から、前記車両にユーザが滞在しているか否かを判定することと、
前記車両の駐車時間が第1の基準値を超え、且つ、前記ユーザの滞在時間が第2の基準値を超える場合、前記ユーザが前記車両で車中泊を行っていると推定することと、
を
含む動作を実行させ、
前記動作は、
着座センサ、ドアの開閉センサ、車高センサ、シートベルト着用検知センサ、画像センサ、及び人感センサの少なくとも1つから前記センサ情報を取得し、前記センサ情報から、前記車両に滞在しているユーザの人数を判定することと、
判定された前記人数が、前記車両の車格に対応する第3の基準値を超えるか否かを判定し、判定された前記人数が前記第3の基準値を超えると判定すると、越えた分の人数につき、宿泊用車両の配車、又は、避難所の手配を実行することと、
を含む、プログラム。
【請求項8】
請求項
7に記載のプログラムにおいて、
前記センサとしての速度センサ及び位置情報センサの少なくとも1つからセンサ情報を取得し、取得された前記センサ情報から、前記車両が駐車しているか否かを判定する動作を前記コンピュータに更に実行させる、プログラム。
【請求項9】
請求項
7又は8に記載のプログラムにおいて、
前記ユーザが車中泊を行っていると推定すると、車中泊支援情報を前記ユーザのユーザ端末に送信する動作を前記コンピュータに更に実行させる、プログラム。
【請求項10】
請求項
7乃至9のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記ユーザが車中泊を行っていると推定すると、前記車両の位置情報と共に、前記ユーザが車中泊を行っていることを支援者端末に通知する動作を前記コンピュータに更に実行させる、プログラム。
【請求項11】
車両と通信可能に接続された制御装置による制御方法であって、
前記車両に設けられたセンサからセンサ情報を取得することと、
前記センサ情報から、前記車両が駐車しているか否かを判定することと、
前記センサ情報から、前記車両にユーザが滞在しているか否かを判定することと、
前記車両の駐車時間が第1の基準値を超え、且つ、前記ユーザの滞在時間が第2の基準値を超える場合、前記ユーザが前記車両で車中泊を行っていると推定することと、
を含
み、
着座センサ、ドアの開閉センサ、車高センサ、シートベルト着用検知センサ、画像センサ、及び人感センサの少なくとも1つから前記センサ情報を取得し、前記センサ情報から、前記車両に滞在しているユーザの人数を判定することと、
判定された前記人数が、前記車両の車格に対応する第3の基準値を超えるか否かを判定し、判定された前記人数が前記第3の基準値を超えると判定すると、越えた分の人数につき、宿泊用車両の配車、又は、避難所の手配を実行することと、
を含む制御方法。
【請求項12】
請求項
11に記載の制御方法において、
前記センサとしての速度センサ及び位置情報センサの少なくとも1つからセンサ情報を取得し、取得された前記センサ情報から、前記車両が駐車しているか否かを判定することを更に含む、制御方法。
【請求項13】
請求項
11又は12に記載の制御方法において、
前記ユーザが車中泊を行っていると推定すると、車中泊支援情報を前記ユーザのユーザ端末に送信することを更に含む制御方法。
【請求項14】
請求項
11乃至13のいずれか一項に記載の制御方法において、
前記ユーザが車中泊を行っていると推定すると、前記車両の位置情報と共に、前記ユーザが車中泊を行っていることを支援者端末に通知することを更に含む、制御方法。
【請求項15】
請求項3に記載の制御装置において、
前記車中泊支援情報は、避難所の混雑レベルを示す情報を含む、制御装置。
【請求項16】
請求項3に記載の制御装置において、
前記車中泊支援情報は車中泊キットの配布場所を示す情報を含む、制御装置。
【請求項17】
請求項4に記載の制御装置において、
前記支援者端末は、ディーラー、自治体、地域住民、政府、又は地方公共団体によって操作される、制御装置。
【請求項18】
請求項1に記載の制御装置において、
前記制御部は、前記動作を、18時から翌朝6時までの時間帯に限って実行する、制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、プログラム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地震発生時に地震被害情報を入手し、避難場所までの適切な避難経路図を地区ごとに報知する技術が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
避難所へ避難せずに、車中泊を行う人がいる。車中泊を行っている人の情報を入手することは容易ではない。このため、そのような人へ避難及び支援に関連する情報を提供できないことがある。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、車中泊を行っている人を高い精度で発見することができる制御装置、プログラム及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る制御装置は、
車両と通信可能に接続された制御装置であって、制御部を含み、前記制御部は、
前記車両に設けられたセンサからセンサ情報を取得することと、
前記センサ情報から、前記車両が駐車しているか否かを判定することと、
前記センサ情報から、前記車両にユーザが滞在しているか否かを判定することと、
前記車両の駐車時間が第1の基準値を超え、且つ、前記ユーザの滞在時間が第2の基準値を超える場合、前記ユーザが前記車両で車中泊を行っていると推定することと、
を実行する。
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
車両と通信可能に接続された制御装置としてのコンピュータに、
前記車両に設けられたセンサからセンサ情報を取得することと、
前記センサ情報から、前記車両が駐車しているか否かを判定することと、
前記センサ情報から、前記車両にユーザが滞在しているか否かを判定することと、
前記車両の駐車時間が第1の基準値を超え、且つ、前記ユーザの滞在時間が第2の基準値を超える場合、前記ユーザが前記車両で車中泊を行っていると推定することと、
を実行させる。
【0008】
本開示の一実施形態に係る制御方法は、
車両と通信可能に接続された制御装置による制御方法であって、
前記車両に設けられたセンサからセンサ情報を取得することと、
前記センサ情報から、前記車両が駐車しているか否かを判定することと、
前記センサ情報から、前記車両にユーザが滞在しているか否かを判定することと、
前記車両の駐車時間が第1の基準値を超え、且つ、前記ユーザの滞在時間が第2の基準値を超える場合、前記ユーザが前記車両で車中泊を行っていると推定することと、
を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態による制御装置、プログラム及び制御方法によれば、車中泊を行っている人を高い精度で発見することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図5】センサ情報DB(database)のデータ構造を示す図である。
【
図6】ユーザ端末に表示される車中泊支援情報を示す図である。
【
図7】制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態の情報処理システムSの概略図である。情報処理システムSは、ネットワークNWを介して互いに通信可能に接続された制御装置1と車両2とユーザ端末3とを含む。車両2にはユーザU01が乗車する。ネットワークNWは、例えば移動体通信網とインターネットとを含む。
【0012】
図1では説明の簡便のため、制御装置1と車両2とユーザ端末3とは1つずつ図示される。しかし、制御装置1と車両2とユーザ端末3とのそれぞれの数はこれに限られない。例えば、本実施形態の制御装置1が実行する処理は、分散配置された複数の制御装置1によって実行されてよい。複数のユーザ端末3がユーザU01によって操作されてよい。
【0013】
本実施形態の制御装置1が実行する処理の概要が説明される。制御装置1は、車両2に設けられたセンサ24からセンサ情報を取得することと、センサ情報から、車両2が駐車しているか否かを判定することと、センサ情報から、車両2にユーザU01が滞在しているか否かを判定することと、を実行する。制御装置1は更に、車両2の駐車時間が第1の基準値を超え、且つ、ユーザU01の滞在時間が第2の基準値を超える場合、ユーザU01が車両2で車中泊を行っていると推定することを実行する。この構成により制御装置1は、駐車時間及び滞在時間という、車中泊に関連する2つの観点から車中泊が行われているか否かを判定するので、車中泊を行っている人を高い精度で発見することができる。
【0014】
制御装置1は、データセンタなどの施設に設置される。制御装置1は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバなどのコンピュータである。代替例として、制御装置1は車両2に搭載されてよい。
【0015】
図2を参照して制御装置1の内部構成が詳細に説明される。
【0016】
制御装置1は、制御部11と通信部12と記憶部13とを含む。制御装置1の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0017】
制御部11は例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)を含む1つ以上の汎用プロセッサを含む。制御部11は、特定の処理に特化した1つ以上の専用プロセッサを含んでよい。制御部11は、プロセッサを含む代わりに、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってよい。制御部11は、ECU(Electronic Control Unit)を含んでもよい。
【0018】
通信部12は、ネットワークNWに接続するための、1つ以上の有線又は無線LAN(Local Area Network)規格に対応する通信モジュールを含む。通信部12は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、又は5G(5th Generation)を含む1つ以上の移動体通信規格に対応するモジュールを含んでよい。通信部12は、Bluetooth(登録商標)、AirDrop(登録商標)、IrDA、ZigBee(登録商標)、Felica(登録商標)、又はRFIDを含む1つ以上の近距離通信の規格又は仕様に対応する通信モジュール等を含んでよい。通信部12は、ネットワークNWを介して任意の情報を送信及び受信する。
【0019】
記憶部13は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれるが、これらに限られない。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部13は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部13は、制御部11によって分析又は処理された結果の情報を記憶してよい。記憶部13は、制御装置1の動作又は制御に関する各種情報等を記憶してよい。記憶部13は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してよい。
【0020】
記憶部13はセンサ情報DBを含む。センサ情報は車両2のセンサ24から取得される。具体的には
図5を参照しながら後述されるが、本実施形態のセンサ情報DBには、車両IDに関連付けて、ユーザIDと、車両のセンサ情報と、ユーザ端末のセンサ情報とが記憶される。ユーザIDは、車両を利用するユーザのIDであり、予め登録される。車両のセンサ情報は、車両に設けられたセンサから取得されたセンサ情報である。ユーザ端末のセンサ情報は、ユーザ端末に含まれるセンサから取得されたセンサ情報である。
【0021】
車両2は、例えば、マイクロモビリティ、ガソリン車、ディーゼル車、HV、PHV、EV、又はFCVなどの任意の種類の自動車を含む。車両2の各構成要素は、例えばCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワーク又は専用線を介して、互いに通信可能に接続される。「HV」は、Hybrid Vehicleの略語である。「PHV」は、Plug-in Hybrid Vehicleの略語である。「EV」は、Electric Vehicleの略語である。「FCV」は、Fuel Cell Vehicleの略語である。車両2は、任意のレベルでその運転が自動化されてよい。自動化のレベルは、例えば、SAEのレベル分けにおけるレベル1からレベル5のいずれかである。「SAE」は、Society of Automotive Engineersの略語である。車両2は、MaaS専用車両でもよい。「MaaS」は、Mobility as a Serviceの略語である。代替例として、車両2は、運転手によって運転されてよい。
【0022】
図3を参照して車両2の内部構成が詳細に説明される。
【0023】
車両2は、制御部21と通信部22と記憶部23とセンサ24と入出力部25とを含む。車両2の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0024】
車両2の制御部21と通信部22と記憶部23とのハードウェア構成は、制御装置1の制御部11と通信部12と記憶部13とのハードウェア構成と同一であってよい。ここでの説明は省略される。
【0025】
センサ24は、着座センサ、ドアの開閉センサ、車高センサ、シートベルト着用検知センサ、画像センサ、人感センサ、速度センサ、及び位置情報センサの少なくとも1つを含んでよい。
【0026】
センサ24としての位置情報センサは、少なくとも1つのGNSS受信機を含む。「GNSS」は、Global Navigation Satellite Systemの略語である。GNSSには、例えば、GPS、QZSS、BeiDou、GLONASS、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。「GPS」は、Global Positioning Systemの略語である。「QZSS」は、Quasi-Zenith Satellite Systemの略語である。QZSSの衛星は、準天頂衛星と呼ばれる。「GLONASS」は、Global Navigation Satellite Systemの略語である。センサ24は、車両2の位置を測定する。センサ24による測定の結果は、制御部21によって車両2の位置情報として取得される。「位置情報」とは、車両2の位置を特定可能な情報であり、例えば、車両2の座標を含む。
【0027】
センサ24は、検出した情報を、センサ情報として制御装置1に送信する。制御装置1は、センサ情報から、後述の方法でユーザU01が車中泊を行っているか否かを推定することができる。制御部21は、車両2のACC電源(アクセサリー電源)がOFFであるときにセンサ情報を記憶部23に格納し、ACC電源がONになったときにセンサ情報を制御装置1に送信してよい。
【0028】
入出力部25は、少なくとも1つの入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入出力部25は、車両2の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入出力部25は、車両2に備えられる代わりに、外部の入力機器として車両2に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。「USB」は、Universal Serial Busの略語である。「HDMI(登録商標)」は、High-Definition Multimedia Interfaceの略語である。
【0029】
入出力部25は、更に、少なくとも1つの出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。入出力部25は、車両2の動作によって得られる情報を出力する。入出力部25は、車両2に備えられる代わりに、外部の出力機器として車両2に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0030】
図4を参照してユーザ端末3の内部構成が詳細に説明される。
【0031】
ユーザ端末3は、ユーザU01によって操作される端末である。ユーザU01は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ウェアラブル機器、若しくはタブレットなどのモバイル機器である。
【0032】
ユーザ端末3は、制御部31と通信部32と記憶部33とセンサ34と入出力部35とを含む。ユーザ端末3の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0033】
本実施形態のユーザ端末3の制御部31と通信部32と記憶部33とセンサ34と入出力部35とのハードウェア構成は、車両2の制御部21と通信部22と記憶部23とセンサ24と入出力部25とのハードウェア構成と同一であってよい。ここでの説明は省略される。
【0034】
以下、本実施形態の情報処理システムSで実行される処理が詳細に説明される。ここでは一例として、災害等の任意の状況で、車両2で車中泊を行っている人がいるか否かを制御装置1が確認する場面が説明される。
【0035】
制御装置1は、センサ24からセンサ情報を取得する。制御装置1は、センサ情報から、車両2が駐車しているか否かを判定する。制御装置1は例えば次のようなとき、車両2が駐車していると判定する。
・速度センサから取得した速度情報が、車両2の速度がゼロであることを示すとき
・位置情報センサから取得した車両2の位置情報が変化しないとき
【0036】
図5に示される例では、車両2のセンサ情報が「位置L01」である。この位置が変化しないとき、制御装置1は、車両2が駐車していると判定する。
【0037】
制御装置1は、車両2の駐車時間が第1の基準値を超えるか否かを判定する。具体的には制御装置1は、車両2が駐車しているか否かの判定を定期的又は不定期的に繰り返し、駐車時間を測定する。第1の基準値は任意に設定可能である。
【0038】
制御装置1は、センサ情報から、車両2にユーザU01が滞在しているか否かを判定する。制御装置1は例えば次のようなとき、車両2にユーザU01が滞在していると判定する。
・着座センサから、ユーザが車両2の座席(例えば運転席、助手席、後部座席)に着座していることを示す情報を取得したとき
・ドアの開閉センサから、車両2のドアが開閉されたことを示す情報を取得したとき
・車高センサから、車両2の高さが上下に変化したことを示す情報を取得したとき
・シートベルト着用検知センサから、車両2のシートベルトが使用されたことを示す情報を取得したとき
・画像センサから、車両2内にユーザU01が存在することを示す情報を取得したとき
・人感センサから、車両2内にユーザU01が存在することを示す情報を取得したとき
【0039】
図5に示される例では、車両2の着座センサがONである。この場合に制御装置1は、車両2にユーザU01が滞在していると判定する。
【0040】
追加的に制御装置1は、センサ情報から、車両2に滞在しているユーザの人数を判定してよい。制御装置1は、判定された人数が、車両2の車格(例えば寸法)に対応する第3の基準値を超えるか否かを判定する。第3の基準値は車中泊の適正人数として任意に設定されてよい。適正人数は予め記憶部13又は記憶部23に記憶される。制御装置1は、判定された人数が第3の基準値を超えると判定すると、越えた分の人数につき、宿泊用車両を配車してよいし、避難所を優先的に手配してよい。
【0041】
追加的に又は代替的に、制御装置1は、ユーザ端末3のセンサ34から、ユーザ端末3の位置情報を取得する。制御装置1は、ユーザ端末3の位置情報と車両2の位置情報とが一致するとき、ユーザU01が車両2に滞在すると判定してよい。
【0042】
制御装置1は、ユーザU01の滞在時間が第2の基準値を超えるか否かを判定する。具体的には制御装置1は、車両2にユーザU01が滞在しているか否かの判定を定期的又は不定期的に繰り返し、滞在時間を測定する。第2の基準値は任意に設定可能である。
【0043】
制御装置1は、車両2の駐車時間が第1の基準値を超え、且つ、ユーザU01の滞在時間が第2の基準値を超えると判定すると、ユーザU01が車両2で車中泊を行っていると推定する。
【0044】
制御装置1は、ユーザU01が車中泊を行っていると推定すると、車両2の位置情報と共に、ユーザU01が車中泊を行っていることを支援者端末に通知する。支援者端末はネットワークNWを介して制御装置1と通信可能に接続される。支援者端末は、支援者によって操作される端末である。支援者は例えば、ディーラー、自治体、地域住民、政府、又は地方公共団体であってよい。
【0045】
制御装置1は、ユーザU01が車中泊を行っていると推定すると、
図6に示されるような車中泊支援情報をユーザ端末3に送信してよい。本実施形態の車中泊支援情報は、ユーザU01が車両2で車中泊を行うことを支援する情報である。具体的には車中泊支援情報は、各避難所の混雑レベルを示す情報を含む。避難所は、車両2から所定距離内にある避難所であってよい。車中泊支援情報は、ユーザ端末3の入出力部35で表示される。追加的に又は代替的に、車中泊支援情報は、入出力部35としてのスピーカから出力されてよい。車中泊支援情報は、車両2の入出力部25としてのスピーカ又は表示部から出力されてもよい。
【0046】
車中泊支援情報は車中泊キットの配布場所を示す情報を含んでよい。車中泊キットは、車中泊時に利用される寝具、電源、照明、食事、調理器具等であってよい。
【0047】
車中泊を行っているユーザは、昼間に車両2の外で活動することがある。そこで制御装置1は、以上で説明された処理を、夜間(例えば18時から翌朝6時までの時間帯)に限って実行してもよい。
【0048】
図7を参照して、本実施形態の制御装置1による制御方法が説明される。
【0049】
ステップS1にて制御装置1は、車両2に設けられたセンサ24からセンサ情報を取得する。
【0050】
ステップS2にて制御装置1は、センサ情報から、車両2が駐車しているか否かを判定し、車両2の駐車時間が第1の基準値を超えるか否かを判定する。
【0051】
ステップS2にてNoのとき制御装置1はフローを終了する。
【0052】
ステップS2にてYesのとき制御装置1は、ステップS3を実行する。ステップS3にて制御装置1は、車両2にユーザU01が滞在しているか否かを判定し、滞在時間が第2の基準値を超えるか否かを判定する。
【0053】
ステップS3にてNoのとき、制御装置1はフローを終了する。
【0054】
ステップS3にてYesのとき、制御装置1は、ユーザU01が車両2で車中泊を行っていると推定する。
【0055】
ステップS4にて制御装置1は、車中泊支援情報をユーザU01のユーザ端末3に送信する。
【0056】
ステップS5にて制御装置1は、車両2の位置情報と共に、ユーザU01が車中泊を行っていることを支援者端末に通知する。
【0057】
ステップS6にて制御装置1は、センサ情報から、車両2に滞在しているユーザの人数を判定する。
【0058】
ステップS7にて制御装置1は、車内の人数が第3の基準値を超えるか否かを判定する。
【0059】
ステップS7にてNoのとき、制御装置1はフローを終了する。
【0060】
ステップS7にてYesのとき、第3の基準値を越えた人数分のユーザにつき、制御装置1は支援を行う。例えば制御装置1は、宿泊用車両を配車してよいし、避難所を優先的に手配してよい。
【0061】
以上述べたように本実施形態によれば、制御装置1は、車両2に設けられたセンサ24からセンサ情報を取得することと、センサ情報から、車両2が駐車しているか否かを判定することと、センサ情報から、車両2にユーザU01が滞在しているか否かを判定することと、を実行する。制御装置1は更に、車両2の駐車時間が第1の基準値を超え、且つ、ユーザU01の滞在時間が第2の基準値を超える場合、ユーザU01が車両2で車中泊を行っていると推定することを実行する。この構成により制御装置1は、駐車時間及び滞在時間という、車中泊に関連する2つの観点から車中泊が行われているか否かを判定するので、車中泊を行っている人を高い精度で発見することができる。
【0062】
また本実施形態によれば、制御部11は、センサ24としての速度センサ及び位置情報センサの少なくとも1つからセンサ情報を取得し、取得されたセンサ情報から、車両2が駐車しているか否かを判定する。この構成により制御装置1は、車両2が駐車しているか否かを一層高い精度で判定することができる。
【0063】
また本実施形態によれば、制御部11は、センサ24としての着座センサ、ドアの開閉センサ、車高センサ、シートベルト着用検知センサ、画像センサ、及び人感センサの少なくとも1つからセンサ情報を取得し、取得されたセンサ情報から、車両2にユーザU01が滞在しているか否かを判定する。この構成により制御装置1は、車両2が駐車しているか否かを一層高い精度で判定することができる。
【0064】
また本実施形態によれば、制御部11は、着座センサ、ドアの開閉センサ、車高センサ、シートベルト着用検知センサ、画像センサ、及び人感センサの少なくとも1つからセンサ情報を取得し、取得されたセンサ情報から、車両2に滞在しているユーザの人数を判定する。この構成により制御装置1は、判定された人数に応じて、適切な支援等を行うことができる。
【0065】
また本実施形態によれば、制御部11は、ユーザU01が車中泊を行っていると推定すると、車中泊支援情報をユーザ端末3に送信する。この構成により制御装置1は、車中泊を行っている多くの人を支援し、健康及び安全を確保することができる。
【0066】
また本実施形態によれば、制御部11は、ユーザU01が車中泊を行っていると推定すると、車両2の位置情報と共に、ユーザU01が車中泊を行っていることを支援者端末に通知する。この構成により制御装置1は、車中泊を行っているユーザU01の存在を支援者に通知することができるので、支援者による食料又は物資の配給、情報の提供、保険又は医療サービスの提供等を支援することができる。
【0067】
また本実施形態によれば、制御部11は、ユーザ端末3の位置情報と、車両2の位置情報とが一致するとき、車両2にユーザU01が滞在していると判定する。この構成により制御装置1は、車両2にユーザU01が滞在しているか否かを、一層高い精度で判定することができる。
【0068】
本開示が諸図面及び実施例に基づき説明されるが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。例えば、各手段又は各ステップに含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0069】
例えば、上記の実施形態において、制御装置1の機能又は処理の全部又は一部を実行するプログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体を含み、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(Digital Versatile Disc)又はCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。またプログラムの流通は、プログラムを任意のサーバのストレージに格納しておき、任意のサーバから他のコンピュータにプログラムを送信することにより行ってもよい。またプログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。本開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0070】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【符号の説明】
【0071】
S 情報処理システム
NW ネットワーク
1 制御装置
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
2 車両
21 制御部
22 通信部
23 記憶部
24 センサ
25 入出力部
3 ユーザ端末
31 制御部
32 通信部
33 記憶部
34 センサ
35 入出力部