(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】回転電機のステータ
(51)【国際特許分類】
H02K 11/25 20160101AFI20231219BHJP
【FI】
H02K11/25
(21)【出願番号】P 2020191553
(22)【出願日】2020-11-18
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 大祐
(72)【発明者】
【氏名】中根 芳之
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108110974(CN,A)
【文献】独国特許出願公開第102015203435(DE,A1)
【文献】特許第6671447(JP,B1)
【文献】特開2010-252508(JP,A)
【文献】特開2019-030156(JP,A)
【文献】特開2016-073083(JP,A)
【文献】特開2012-186902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/25
H02K 3/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のヨークと、前記ヨークから径方向の内側に向かって突出する複数の歯と、前記歯の先端に設けられる鍔部と、を有し、周方向で隣り合う前記歯の間にスロットが形成されたステータコアと、
前記歯に巻回されるコイルと、
前記コイルと前記ステータコアとを絶縁する絶縁部材と、
前記スロットにおいて隣り合う前記コイル同士を絶縁する相間絶縁部材と、
前記コイルの温度を測定するサーミスタと、を備えた回転電機のステータであって、
前記相間絶縁部材は、前記スロットの内周側から外周側にかけて延びる本体部と、前記本体部から突出する複数の突出部と、を有し、
前記突出部は、前記コイルが前記鍔部よりも前記内周側に移動することを規制する第1の突出部と、前記第1の突出部よりも前記外周側に配置されるとともに前記コイルに向けて突出する第2の突出部と、を有し、
前記サーミスタは前記第2の突出部によって、前記第2の突出部よりも前記スロットの前記内周側への移動が規制されることを特徴とする回転電機のステータ。
【請求項2】
前記サーミスタは、前記スロットの略中央部に配置されている請求項1記載の回転電機のステータ。
【請求項3】
前記相間絶縁部材は、変形可能なシートであり、
前記突出部は、前記本体部から屈曲形成されている請求項1又は2記載の回転電機のステータ。
【請求項4】
前記第2の突出部は、前記サーミスタの一部を覆って前記サーミスタを保持している請求項1乃至3のいずれか1項記載の回転電機のステータ。
【請求項5】
前記第2の突出部は、前記サーミスタを挟み込むように複数設けられ、前記サーミスタに接触する請求項1乃至4のいずれか1項記載の回転電機のステータ。
【請求項6】
前記第2の突出部は、前記サーミスタの形状に沿うように湾曲しており、前記サーミスタに接触する請求項1乃至4のいずれか1項記載の回転電機のステータ。
【請求項7】
前記突出部は、前記第2の突出部よりも前記外周側に配置され、前記ヨークに接触する第3の突出部を有し、
前記絶縁部材には、前記第3の突出部を収容する凹部が設けられている請求項1乃至6のいずれか1項記載の回転電機のステータ。
【請求項8】
前記第1の突出部は、前記鍔部に接触する内周側突出部と、
前記内周側突出部よりも前記外周側に設けられて前記コイルと接触する外周側突出部と、
前記内周側突出部と前記外周側突出部との間に隙間を形成するように前記内周側突出部と前記外周側突出部とを連結する連結部と、を有する請求項1乃至7のいずれか1項記載の回転電機のステータ。
【請求項9】
前記連結部は、前記外周側突出部から前記内周側突出部に向けて延びる少なくとも1つの第1の連結部と、
前記内周側突出部から前記外周側突出部に向けて延びる少なくとも1つの第2の連結部と、を有する請求項8記載の回転電機のステータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転電機のステータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の回転電機のステータの一例が開示されている。この回転電機のステータは、ステータコア、セグメントコイル、絶縁紙及びサーミスタを備えている。
【0003】
ステータコアは、円筒状のバックヨーク部と、バックヨーク部から径方向の内側に向かって突出する複数の歯と、歯の先端に設けられる鍔部と、を有している。複数の歯は、所謂「ティース」である。周方向で隣り合う歯の間には、スロットが形成されている。セグメントコイルは,スロットに収容されている。絶縁紙は、スロットを通過するセグメントコイルとステータコアとを絶縁している。
【0004】
サーミスタは、バックヨーク部の端面に設けられた凹部内に配置されたホルダに挿入されることにより、ステータコアに取り付けられている。この状態で、サーミスタの検出部は、セグメントコイルの一部を構成するセグメント導体の外側面に接触している。サーミスタは、セグメントコイルの温度を測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来の回転電機のステータでは、サーミスタをステータコアに取り付けるためのホルダを新規に製作したり、バックヨーク部の端面にホルダを設けるための凹部を加工したりする必要がある。このため、この回転電機のステータでは、部品点数の削減や製造工程の削減を実現することが難しく、その結果、製造コストの低廉化を実現することが難しい。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、製造コストの低廉化を実現できる回転電機のステータを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の回転電機のステータは、円筒状のヨークと、前記ヨークから径方向の内側に向かって突出する複数の歯と、前記歯の先端に設けられる鍔部と、を有し、周方向で隣り合う前記歯の間にスロットが形成されたステータコアと、
前記歯に巻回されるコイルと、
前記コイルと前記ステータコアとを絶縁する絶縁部材と、
前記スロットにおいて隣り合う前記コイル同士を絶縁する相間絶縁部材と、
前記コイルの温度を測定するサーミスタと、を備えた回転電機のステータであって、
前記相間絶縁部材は、前記スロットの内周側から外周側にかけて延びる本体部と、前記本体部から突出する複数の突出部と、を有し、
前記突出部は、前記コイルが前記鍔部よりも前記内周側に移動することを規制する第1の突出部と、前記第1の突出部よりも前記外周側に配置されるとともに前記コイルに向けて突出する第2の突出部と、を有し、
前記サーミスタは前記第2の突出部によって、前記第2の突出部よりも前記スロットの前記内周側への移動が規制されることを特徴とする。
【0009】
本発明の回転電機のステータでは、第1の突出部によって、本体部についてもスロットの内周側への移動が規制される。そして、サーミスタは第2の突出部によって、第2の突出部よりもスロットの内周側への移動を規制される。このため、サーミスタは位置ずれし難くなり、その結果、コイルの温度を好適に測定できる。
【0010】
これにより、この回転電機のステータでは、サーミスタをステータコアに取り付けるための新規部品に製作したり、ヨークの端面に新規部品を設けるための凹部を加工したりする必要がなく、また、ワニス等によってサーミスタをコイルに接着する必要もない。その結果、この回転電機のステータでは、部品点数の削減や製造工程の削減を実現できる。
【0011】
したがって、本発明の回転電機のステータでは、製造コストの低廉化を実現できる。
【0012】
サーミスタは、スロットの略中央部に配置されていることが望ましい。この場合、サーミスタが鍔部よりも外周側に離れる距離を長くできるので、ステータコアに取り囲まれたロータの熱が鍔部を経由してサーミスタに伝わることを抑制できる。その結果、この回転電機のステータでは、サーミスタがコイルの温度を精度良く測定できる。
【0013】
相間絶縁部材は、変形可能なシートであることが望ましい。そして、突出部は、本体部から屈曲形成されていることが望ましい。この場合、既存のシートについて曲げ部分を増やす変更を行うだけで、第1の突出部及び第2の突出部を容易に形成できる。その結果、この回転電機のステータでは、製造コストの一層の低廉化を実現できる。
【0014】
第2の突出部は、サーミスタの一部を覆ってサーミスタを保持していることが望ましい。この場合、サーミスタが一層位置ずれし難くなり、その結果、コイルの温度を一層好適に測定できる。
【0015】
第2の突出部は、サーミスタを挟み込むように複数設けられ、サーミスタに接触することが望ましい。この場合、サーミスタが一層位置ずれし難くなり、その結果、コイルの温度を一層好適に測定できる。
【0016】
第2の突出部は、サーミスタの形状に沿うように湾曲しており、サーミスタに接触することが望ましい。この場合、サーミスタが一層位置ずれし難くなり、その結果、コイルの温度を一層好適に測定できる。
【0017】
突出部は、第2の突出部よりも外周側に配置され、ヨークに接触する第3の突出部を有していることが望ましい。そして、絶縁部材には、第3の突出部を収容する凹部が設けられていることが望ましい。この場合、第3の突出部によって、本体部についてスロットの内周側及び外周側への移動を確実性高く規制できる。このため、サーミスタが一層位置ずれし難くなり、その結果、コイルの温度を一層好適に測定できる。
【0018】
第1の突出部は、鍔部に接触する内周側突出部と、内周側突出部よりも外周側に設けられてコイルと接触する外周側突出部と、内周側突出部と外周側突出部との間に隙間を形成するように内周側突出部と外周側突出部とを連結する連結部と、を有することが望ましい。この場合、内周側突出部、外周側突出部及び連結部によって、コイルと鍔部との間隔が狭くなり難いので、ステータコアに取り囲まれたロータの熱が鍔部を経由してコイルに伝わることを抑制できる。その結果、この回転電機のステータでは、コイルの高温部をスロットの内周側から外周側に移動させることができるので、コイルを冷却し易くなる。
【0019】
連結部は、外周側突出部から内周側突出部に向けて延びる少なくとも1つの第1の連結部と、内周側突出部から外周側突出部に向けて延びる少なくとも1つの第2の連結部と、を有することが望ましい。この場合、内周側突出部と外周側突出部との間でつっかい棒のように作用する第1の連結部及び第2の連結部によって、コイルと鍔部との間隔が一層狭くなり難い。
【発明の効果】
【0020】
本発明の回転電機のステータは、製造コストの低廉化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、実施例1の回転電機のステータに係り、回転電機の一部に示す部分断面図である。
【
図2】
図2は、実施例1に係り、相間絶縁シートとサーミスタとを主に示す部分拡大断面図である。
【
図3】
図3は、実施例1に係り、相間絶縁シートを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、実施例2のステータに係り、相間絶縁シートとサーミスタとを主に示す部分拡大断面図である。
【
図5】
図5は、実施例3のステータに係り、相間絶縁シートとサーミスタとを主に示す部分拡大断面図である。
【
図6】
図6は、実施例4のステータに係り、相間絶縁シートとサーミスタとを主に示す部分拡大断面図である。
【
図7】
図7は、実施例5のステータに係り、相間絶縁シートとサーミスタとを主に示す部分拡大断面図である。
【
図8】
図8は、実施例6のステータに係り、相間絶縁シートとサーミスタとを主に示す部分拡大断面図である。
【
図9】
図9は、実施例7のステータに係り、相間絶縁シートとサーミスタとを主に示す部分拡大断面図である。
【
図10】
図10は、実施例1に係る相間絶縁シートの第2の突出部を変更した変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施例1~7を図面を参照しつつ説明する。
【0023】
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の回転電機1のステータ2は、本発明の回転電機のステータの具体的態様の一例である。本実施例では、回転電機1は永久磁石式回転電機である。回転電機1は例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車等の駆動源として利用される。回転電機1は、回転軸5、ロータ3及びステータ2を備えている。
【0024】
ロータ3は、ロータコア3A及び複数の永久磁石3Mを有している。ロータコア3Aは、回転軸5に挿通された状態で回転軸5に止着されている。各永久磁石3Mは、ロータ3の周方向に配列された状態で、それぞれロータコア3Aに埋め込まれている。
【0025】
ステータ2は、ステータコア20及び複数のコイル30を備えている。ステータコア20は、ロータ3を取り囲んでいる。ステータコア20の軸線方向は
図1の紙面に直交する方向であり、回転軸5の軸線方向と一致している。
【0026】
各コイル30に電流が流れることによって、ロータ3及び回転軸5が一体的に回転する。以下、ステータ2の具体的構成について詳しく説明する。
【0027】
図1及び
図2に示すように、ステータ2において、ステータコア20は、複数の分割コア20Dがロータ3を取り囲むように円筒状に連結されてなる。各分割コア20Dは、複数の薄板平板状の電磁鋼板が軸線方向に積層されてなる。ステータコア20は、ヨーク21、複数の歯22及び鍔部23を有している。複数の歯22は、所謂「ティース」である。
【0028】
ヨーク21は、周方向に延びて、ステータコア20における径方向の外側に位置する円筒状の部分を構成している。
【0029】
各歯22は、ヨーク21の内周面21Aから径方向の内側に向かって突出し、かつ軸線方向に延びている。各歯22は、各分割コア20Dに1つずつ形成されている。
【0030】
各歯22におけるヨーク21とは反対側に位置する先端22Aは、ロータ3の外周面に対向し、かつロータ3の外周面に沿って湾曲している。各歯22の先端22Aには、鍔部23が形成されている。
【0031】
鍔部23は、各歯22の先端22Aから周方向の一方と他方とに突出している。周方向において対向する鍔部23同士の間には、隙間が確保されている。
【0032】
ステータコア20における周方向で隣り合う歯22の間には、1つずつスロット25が形成されている。また、各スロット25は、径方向において、ヨーク21の内周面21Aと鍔部23との間に形成されている。
【0033】
各スロット25は、径方向の外側に向かうにつれて、周方向の内幅が徐々に広がっている。各スロット25は、軸線方向の一端と他端とに開いている。
【0034】
ステータ2は、複数のボビン40を備えている。ボビン40は、本発明の「絶縁部材」の一例である。各ボビン40は、絶縁性及び耐熱性に優れた樹脂成形品である。
【0035】
各ボビン40は、被覆部41、外側鍔部42及び内側鍔部43を有している。被覆部41は角筒状であり、歯22を被覆している。外側鍔部42は、径方向の外側で被覆部41に連続し、ヨーク21の内周面21Aを被覆している。内側鍔部43は、径方向の内側で被覆部41に連続し、鍔部23を被覆している。周方向において対向する内側鍔部43同士の間には、隙間が確保されている。
【0036】
各コイル30は、各歯22に巻線が集中巻きで巻回されてなる。各ボビン40は、被覆部41、外側鍔部42及び内側鍔部43により、各スロット25を通過するコイル30とステータコア20とを絶縁している。
【0037】
各スロット25において、周方向で隣り合うコイル30は、互いに異なる相(U相、V相及びW相)である。
【0038】
ステータ2は、複数の相間絶縁シート50及びサーミスタS1を備えている。相間絶縁シート50は、本発明の「相間絶縁部材」の一例である。各相間絶縁シート50は、絶縁性及び耐熱性に優れ、かつ変形可能な紙、樹脂含浸紙、樹脂シート等である絶縁シートからなる。本実施例では、相間絶縁シート50は、屈曲及び湾曲のうちの屈曲のみである複数の曲げ部分を有している。
【0039】
サーミスタS1は、金属製の保護管内に温度検知素子が収容された周知の構成である。サーミスタS1は、スロット25(25S)に挿入されている。サーミスタS1は、スロット25(25S)の略中央部に配置されてコイル30に接触し、コイル30の温度を測定する。本実施例では、サーミスタS1は、ワニス等によってコイル30に接着されてはいない。
【0040】
サーミスタS1が挿入されたスロット25(25S)に配置された相間絶縁シート50(50S)は、サーミスタS1が挿入されていない各スロット25に配置された各相間絶縁シート50に対して、第2の突出部60を有するという点において相違しているだけで、その他の構成は同一である。
【0041】
図2及び
図3に示すように、相間絶縁シート50は、1枚の長方形の絶縁シートが短片と平行な複数の折れ線において山折り又は谷折りに屈曲されることにより形成されている。相間絶縁シート50は、一定の断面形状で軸線方向に延びている。
【0042】
図2及び
図3は、第2の突出部60を有する相間絶縁シート50(50S)を示しているが、第2の突出部60を有しない相間絶縁シート50の場合、第2の突出部60を有する相間絶縁シート50(50S)と比較して、山折り又は谷折りされる折れ線が少なくなり、折り曲げ加工される前の絶縁シートの長辺が短くなるだけである。
【0043】
図1及び
図2に示すように、各相間絶縁シート50は、本体部51、第1の突出部53及び第3の突出部52を有している。
【0044】
本体部51は、各スロット25において周方向で隣り合う異なる相であるコイル30同士の間に配置され、スロット25の内周側から外周側にかけて延びている。
【0045】
第1の突出部53は、本体部51における径方向の内側端部から屈曲して、周方向の一方と他方とに突出している。第1の突出部53は、ボビン40の内側鍔部43に当接している。第1の突出部53は、コイル30が鍔部23よりも内周側に移動することを規制する。
【0046】
第3の突出部52は、本体部51における径方向の外側端部から屈曲して、周方向の一方と他方とに突出している。第3の突出部52は、ヨーク21の内周面21Aに接触する状態で、ボビン40の外側鍔部42に設けられた凹部42Aに収容されている。こうして、第3の突出部52は、ヨーク21と外側鍔部42とに挟持されている。
【0047】
このような第1の突出部53及び第3の突出部52によって、本体部51は、内周側及び外周側への移動が規制されている。各相間絶縁シート50は、本体部51によって周方向で隣り合うコイル30同士を絶縁している。
【0048】
図2及び
図3に示すように、相間絶縁シート50(50S)の第2の突出部60は、本体部51における径方向の内側端部と外側端部との間に、より詳しくは、内側端部と外側端部との中間に、一体に形成されている。また、第2の突出部60は、本体部51におけるサーミスタS1に対向する第1面51Aに一体に形成されている。
【0049】
つまり、第2の突出部60は、第1の突出部53よりも外周側に配置され、第3の突出部52は、第2の突出部60よりも外周側に配置されている。そして、第2の突出部60は、サーミスタS1の温度測定対象であるコイル30に向けて突出している。
【0050】
第1の突出部53、第2の突出部60及び第3の突出部52は、本発明の「複数の突出部」の一例である。
【0051】
第2の突出部60は、一対の傾斜片61、62を有している。一対の傾斜片61、62は、本体部51の第1面51Aに連続して折り曲げられて、軸線方向から見て「V」字形状をなす部分である。
【0052】
一対の傾斜片61、62は、本体部51の第1面51Aから周方向においてサーミスタS1に接近するように突出している。一対の傾斜片61、62は直線状に突出しながら、径方向において互いに離間するように周方向に対して傾斜してサーミスタS1に接触している。
【0053】
図2に示すように、一対の傾斜片61、62は、サーミスタS1の一部を覆い、かつサーミスタS1を径方向において挟み込む状態で、サーミスタS1に接触している。第2の突出部60は、一対の傾斜片61、62によってサーミスタS1をコイル30に押し付けることでサーミスタS1を保持している。これにより、サーミスタS1は、第2の突出部60よりもスロット25(25S)の内周側及び外周側への移動が規制される。
【0054】
本実施例では、「V」字形状をなす部分である一対の傾斜片61、62がなす角度は、一例として80~100°程度である。
【0055】
第2の突出部60がサーミスタS1を保持する状態で、本体部51は、第1面51Aが径方向に対して湾曲し、かつ第1面51Aとは反対を向く第2面51BがサーミスタS1とは反対側に位置するコイル30に接触している。
【0056】
湾曲した第1面51Aの復元力が作用すること、及び、第2面51Bがコイル30に接触して第2の突出部60がサーミスタS1から逃げないように規制されることによって、第2の突出部60がサーミスタS1を保持する力の低下を抑制できる。
【0057】
<作用効果>
実施例1の回転電機1のステータ2では、
図2に示すように、第1の突出部53によって、本体部51についてもスロット25(25S)の内周側への移動が規制される。そして、サーミスタS1は第2の突出部60によって、第2の突出部60よりも内周側及び外周側への移動を規制される。このため、サーミスタS1は位置ずれし難くなり、その結果、コイル30の温度を好適に測定できる。
【0058】
これにより、このステータ2では、サーミスタS1をステータコア20に取り付けるための新規部品に製作したり、ヨーク21の端面に新規部品を設けるための凹部を加工したりする必要がなく、また、ワニス等によってサーミスタS1をコイル30に接着する必要もない。その結果、このステータ2では、部品点数の削減や製造工程の削減を実現できる。
【0059】
したがって、実施例1の回転電機1のステータ2では、製造コストの低廉化を実現できる。また、このステータ2では、サーミスタS1が鍔部23よりも外周側に離れるので、ロータ3の熱が鍔部23を経由してサーミスタS1に伝わることを抑制できる。その結果、このステータ2では、サーミスタS1がコイル30の温度を精度良く測定できる。
【0060】
また、このステータ2では、サーミスタS1は、スロット25の略中央部に配置されている。この構成により、サーミスタS1が鍔部23よりも外周側に離れる距離を長くできるので、ロータ3の熱が鍔部23を経由してサーミスタS1に伝わることを一層抑制できる。その結果、このステータ2では、サーミスタS1がコイル30の温度を一層精度良く測定できる。
【0061】
さらに、このステータ2では、相間絶縁シート50は、変形可能なシートである。そして、突出部は、本体部51から屈曲形成されている。この構成により、既存のシートについて曲げ部分を増やす変更を行うだけで、第1の突出部53、第2の突出部60及び第3の突出部52を容易に形成できる。その結果、このステータ2では、製造コストの一層の低廉化を実現できる。
【0062】
また、このステータ2では、第2の突出部60は、一対の傾斜片61、62により、サーミスタS1の一部を覆い、かつサーミスタS1を挟み込む状態でサーミスタS1に接触することで、サーミスタS1を保持している。この構成により、サーミスタS1が一層位置ずれし難くなり、その結果、コイル30の温度を一層好適に測定できる。
【0063】
さらに、このステータ2では、第3の突出部52がヨーク21の内周面21Aに接触する状態で、外側鍔部42の凹部42Aに収容された構成により、本体部51について内周側及び外周側への移動を確実性高く規制できる。このため、サーミスタS1が一層位置ずれし難くなり、その結果、コイル30の温度を一層好適に測定できる。
【0064】
(実施例2)
図4に示すように、実施例2のステータ202では、実施例1のステータ2に係る相間絶縁シート50について、第1の突出部53の代わりに第1の突出部270を設けるように変更されている。
【0065】
また、このステータ202では、実施例1に係るボビン40の内側鍔部43を無くし、コイル30における径方向の内側端面と鍔部23との間に、第1の突出部270によって間隔G1を設けている。
【0066】
実施例2のその他の構成は実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略又は簡略する。
【0067】
第1の突出部270は、本体部51における径方向の内側端部に一体に形成されている。第1の突出部270は、周方向の一方と他方とに延びてコイル30と鍔部23との間に挿入されている。第1の突出部270は、コイル30が鍔部23よりも内周側に移動することを規制する。
【0068】
第1の突出部270は、内周側突出部271、外周側突出部272及び連結部273を有している。内周側突出部271は、鍔部23に接触して、周方向に延びている。外周側突出部272は、内周側突出部271よりも外周側に設けられており、コイル30と接触して周方向に延びている。
【0069】
連結部273は、内周側突出部271と外周側突出部272との間に隙間を形成するように内周側突出部271と外周側突出部272とを連結している。内周側突出部271と外周側突出部272と連結部273とは、蛇腹状に折れ曲がっている。
【0070】
第1の突出部270及び第3の突出部52によって、本体部51は、内周側及び外周側への移動が規制されている。
【0071】
このような構成である実施例2のステータ202では、実施例1のステータ2と同様に、製造コストの低廉化を実現できる。
【0072】
また、このステータ202では、内周側突出部271、外周側突出部272及び連結部273によって、コイル30と鍔部23との間隔G1が狭くなり難いので、ロータ3の熱が鍔部23を経由してコイル30に伝わることを抑制できる。その結果、このステータ202では、コイル30の高温部を内周側から外周側に移動させることができるので、コイル30を冷却し易くなる。
【0073】
(実施例3)
図5に示すように、実施例3のステータ302では、実施例2のステータ202に係る第1の突出部270の代わりに、第1の突出部370を採用している。
【0074】
実施例3のその他の構成は実施例2と同様である。このため、実施例1、2と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略又は簡略する。
【0075】
第1の突出部370は、本体部51における径方向の内側端部に一体に形成されている。第1の突出部370は、周方向の一方と他方とに延びてコイル30と鍔部23との間に挿入されている。第1の突出部370は、コイル30が鍔部23よりも内周側に移動することを規制する。
【0076】
第1の突出部370は、内周側突出部371、外周側突出部372及び連結部373A、373Bを有している。内周側突出部371は、実施例2に係る内周側突出部271と同様である。外周側突出部372は、実施例2に係る外周側突出部272と同様である。
【0077】
連結部373A、373Bは、少なくとも1つの第1の連結部373Aと、少なくとも1つの第2の連結部373Bと、を有している。第1の連結部373Aは、外周側突出部372から内周側突出部371に向けて延びている。第2の連結部373Bは、内周側突出部371から外周側突出部372に向けて延びている。第1の連結部373Aと第2の連結部373Bとは蛇腹状に折れ曲がっており、内周側突出部371と外周側突出部372との間に隙間を形成するように内周側突出部371と外周側突出部372とを連結している。
【0078】
第1の突出部370及び第3の突出部52によって、本体部51は、内周側及び外周側への移動が規制されている。
【0079】
このような構成である実施例3のステータ302では、実施例1、2のステータ2、202と同様に、製造コストの低廉化を実現できる。
【0080】
また、このステータ302では、第1の突出部370によって、コイル30と鍔部23との間隔G1が狭くなり難い。その結果、このステータ302では、実施例2のステータ202と同様に、コイル30の高温部を内周側から外周側に移動させることができるので、コイル30を冷却し易くなる。
【0081】
さらに、このステータ302では、内周側突出部371と外周側突出部372との間でつっかい棒のように作用する第1の連結部373A及び第2の連結部373Bによって、コイル30と鍔部23との間隔G1が狭くなり難い。
【0082】
(実施例4)
図6に示すように、実施例4のステータ402では、実施例1のステータ2に係る第2の突出部60の代わりに、第2の突出部460を採用している。
【0083】
実施例4のその他の構成は実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略又は簡略する。
【0084】
第2の突出部460は、本体部51における径方向の内側端部と外側端部との中間に一体に形成されている。また、第2の突出部460は、本体部51の第1面51Aに一体に形成されている。
【0085】
つまり、第2の突出部460は、第1の突出部53よりも外周側に配置され、第3の突出部52は、第2の突出部460よりも外周側に配置されている。そして、第2の突出部460は、サーミスタS1の温度測定対象であるコイル30に向けて突出している。
【0086】
第2の突出部460は、一対の傾斜片461、462を有している。一対の傾斜片461、462は、本体部51の第1面51Aに連続して折り曲げられて、軸線方向から見て「M」字形状をなす部分に含まれている。
【0087】
一対の傾斜片461、462は、本体部51の第1面51Aから周方向においてサーミスタS1に接近するように突出している。一対の傾斜片461、462は直線状に突出しながら、径方向において互いに離間するように周方向に対して傾斜してサーミスタS1に接触している。
【0088】
一対の傾斜片461、462は、サーミスタS1の一部を覆い、かつサーミスタS1を径方向において挟み込む状態で、サーミスタS1に接触している。第2の突出部460は、一対の傾斜片461、462によってサーミスタS1をコイル30に押し付けることでサーミスタS1を保持している。これにより、サーミスタS1は、第2の突出部460よりも内周側及び外周側への移動が規制される。
【0089】
本実施例では、「M」字形状をなす部分に含まれた一対の傾斜片461、462がなす角度は、一例として80~100°程度である。
【0090】
このような構成である実施例4のステータ402では、実施例1~3のステータ2~302と同様に、製造コストの低廉化を実現できる。
【0091】
また、このステータ402では、第2の突出部460は、一対の傾斜片461、462により、サーミスタS1の一部を覆い、かつサーミスタS1を挟み込む状態でサーミスタS1に接触することで、サーミスタS1を保持している。この構成により、サーミスタS1が一層位置ずれし難くなり、その結果、コイル30の温度を一層好適に測定できる。
【0092】
(実施例5)
図7に示すように、実施例5のステータ502では、実施例1のステータ2に係る第2の突出部60の代わりに、第2の突出部560を採用している。
【0093】
実施例5のその他の構成は実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略又は簡略する。
【0094】
第2の突出部560は、本体部51における径方向の内側端部と外側端部との中間に一体に形成されている。また、第2の突出部560は、本体部51の第1面51Aに一体に形成されている。
【0095】
つまり、第2の突出部560は、第1の突出部53よりも外周側に配置され、第3の突出部52は、第2の突出部560よりも外周側に配置されている。そして、第2の突出部560は、サーミスタS1の温度測定対象であるコイル30に向けて突出している。
【0096】
第2の突出部560は、一対の湾曲片561、562を有している。一対の湾曲片561、562は、本体部51の第1面51Aに連続して湾曲するように曲げられて、軸線方向から見て「C」字形状をなす部分である。
【0097】
つまり、実施例5では、相間絶縁シート50(50S)は、屈曲及び湾曲を含む複数の曲げ部分を有している。
【0098】
一対の湾曲片561、562は、本体部51の第1面51Aから周方向においてサーミスタS1に接近するように突出している。一対の湾曲片561、562はサーミスタS1の外周面に沿って湾曲するように突出しながら、径方向において互いに離間するように周方向に対して傾斜してサーミスタS1に接触している。
【0099】
一対の湾曲片561、562は、サーミスタS1の形状に沿うように湾曲してサーミスタS1の一部を覆う状態でサーミスタS1に接触している。第2の突出部560は、一対の湾曲片561、562によってサーミスタS1をコイル30に押し付けることでサーミスタS1を保持している。
【0100】
このような構成である実施例5のステータ502では、実施例1~4のステータ2~402と同様に、製造コストの低廉化を実現できる。
【0101】
また、このステータ502では、第2の突出部560は、一対の湾曲片561、562により、サーミスタS1の形状に沿うように湾曲してサーミスタS1の一部を覆う状態でサーミスタS1に接触することで、サーミスタS1を保持している。この構成により、サーミスタS1が一層位置ずれし難くなり、その結果、コイル30の温度を一層好適に測定できる。
【0102】
(実施例6)
図8に示すように、実施例6のステータ602では、実施例1のステータ2に係る第2の突出部60の代わりに、第2の突出部660を採用している。
【0103】
実施例6のその他の構成は実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略又は簡略する。
【0104】
第2の突出部660は、本体部51における径方向の内側端部と外側端部との中間に一体に形成されている。また、第2の突出部660は、本体部51の第1面51Aに一体に形成されている。
【0105】
つまり、第2の突出部660は、第1の突出部53よりも外周側に配置され、第3の突出部52は、第2の突出部660よりも外周側に配置されている。そして、第2の突出部660は、サーミスタS1の温度測定対象であるコイル30に向けて突出している。
【0106】
第2の突出部660は、一対の突出片661、662を有している。一対の突出片661、662は、本体部51の第1面51Aに連続して折り曲げられて、径方向において互いに離間しつつ、周方向においてサーミスタS1に接近するように直線状に突出してサーミスタS1に接触している。
【0107】
一対の突出片661、662は、サーミスタS1を径方向において挟み込む状態でサーミスタS1に接触している。第2の突出部660は、一対の突出片661、662によってサーミスタS1を保持している。本体部51における一方の突出片661と他方の突出片662との間に位置する部分も、サーミスタS1に接触している。
【0108】
このような構成である実施例6のステータ602では、実施例1~5のステータ2~502と同様に、製造コストの低廉化を実現できる。
【0109】
また、このステータ602では、第2の突出部660は、一対の突出片661、662により、サーミスタS1を挟み込む状態でサーミスタS1に接触することで、本体部51の一部と協働してサーミスタS1を保持している。この構成により、サーミスタS1が一層位置ずれし難くなり、その結果、コイル30の温度を一層好適に測定できる。
【0110】
(実施例7)
図9に示すように、実施例7のステータ702では、実施例1のステータ2に係る第2の突出部60の代わりに、第2の突出部760を採用している。
【0111】
実施例7のその他の構成は実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略又は簡略する。
【0112】
第2の突出部760は、本体部51における径方向の内側端部と外側端部との中間に一体に形成されている。また、第2の突出部760は、本体部51の第1面51Aに一体に形成されている。
【0113】
つまり、第2の突出部760は、第1の突出部53よりも外周側に配置され、第3の突出部52は、第2の突出部760よりも外周側に配置されている。そして、第2の突出部760は、サーミスタS1の温度測定対象であるコイル30に向けて突出している。
【0114】
第2の突出部760は、一つの突出片である。第2の突出部760は、本体部51の第1面51Aに連続して折り曲げられて、周方向においてサーミスタS1に接近するように直線状に突出してサーミスタS1に内周側から接触している。
【0115】
第2の突出部760は、サーミスタS1が第2の突出部760よりも内周側に移動することを規制している。本体部51における第2の突出部760よりも径方向の外側に位置する部分も、サーミスタS1に接触している。
【0116】
このような構成である実施例7のステータ702では、実施例1~6のステータ2~602と同様に、製造コストの低廉化を実現できる。
【0117】
また、このステータ702では、第2の突出部760は、サーミスタS1に内周側から接触することで、本体部51の一部と協働してサーミスタS1を保持している。この構成により、サーミスタS1が一層位置ずれし難くなり、その結果、コイル30の温度を一層好適に測定できる。
【0118】
以上において、本発明を実施例1~7に即して説明したが、本発明は上記実施例1~7に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0119】
(変形例)
実施例1のステータ2に係る相間絶縁シート50(50S)について、
図3等に示す第2の突出部60の代わりに、
図10に示す第2の突出部860が本体部51に一体に形成されるように変更してもよい。第2の突出部860は、以下のように形成される。初めに、本体部51の第1面51Aに連続して折り曲げられて周方向において直線状に突出する突出片を1つ形成する。次に、その突出片に対して、軸線方向において複数の分割片に分割するように切り込みを入れる。そして、複数の分割片を径方向の外側と内側とに交互に折り曲げて一対の傾斜片861、862とする。その結果、第2の突出部860は、軸線方向から見て「V」字形状をなす。第2の突出部860も、実施例1に係る第2の突出部60と同様に、一対の傾斜片861、862により、サーミスタS1の一部を覆い、かつサーミスタS1を挟み込む状態でサーミスタS1に接触することで、サーミスタS1を保持する。
【0120】
実施例1等では、ステータコア20は複数の分割コア20Dが円筒状に連結されてなるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、ステータコアは、周方向において分割されていなくてもよい。
【0121】
実施例1等では、ボビン40は樹脂成形品であるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、絶縁部材は、絶縁性及び耐熱性に優れ、かつ変形可能な紙、樹脂含浸紙、樹脂シート等である絶縁シートであってもよい。
【0122】
実施例1等では、相間絶縁シート50は絶縁シートが折り曲げ加工等されてなるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、相間絶縁部材は、絶縁性及び耐熱性に優れた樹脂成形品であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は例えば、永久磁石式回転電機や、永久磁石式回転電機を駆動源として利用する電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車等に利用可能である。
【符号の説明】
【0124】
1…回転電機
2、202、302、402、502、602、702…ステータ
21…ヨーク
22…歯
22A…歯の先端
23…鍔部
25…スロット
20…ステータコア
30…コイル
40…絶縁部材(ボビン)
50…相間絶縁部材(相間絶縁シート)
S1…サーミスタ
51…本体部
53、270、370…第1の突出部
60、460、560、660、760、860…第2の突出部
52…第3の突出部
42A…凹部
271、371…内周側突出部
272、372…外周側突出部
273、373A、373B…連結部(373A…第1の連結部、373B…第2の連結部)