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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/14 20060101AFI20231219BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20231219BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20231219BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20231219BHJP
   G09F 9/40 20060101ALI20231219BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231219BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20231219BHJP
   G06F 3/0486 20130101ALI20231219BHJP
【FI】
G09G5/14 A
B60K35/00 Z
B60R11/02 C
G09G5/00 510H
G09G5/00 510X
G09G5/00 530T
G09F9/40 302
G09F9/00 366A
G06F3/14 350B
G06F3/0486
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020202929
(22)【出願日】2020-12-07
(65)【公開番号】P2022090497
(43)【公開日】2022-06-17
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 慎吾
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-610(JP,A)
【文献】特開2011-235805(JP,A)
【文献】特開2020-8740(JP,A)
【文献】特開2015-35808(JP,A)
【文献】国際公開第2013/157037(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 5/42
B60K 35/00
B60R 11/02
G09F 9/40
G09F 9/00
G06F 3/14
G06F 3/0486
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の画像を表示する表示部(110)の表示面(110a)側に、透光性のカバーパネル(130)が設けられた表示装置であって、
前記表示部は、1つの表示部から形成されており、
前記表示部の表示領域は、第1の情報画像(111A)を表示する第1表示領域(111)と、
前記第1表示領域と隣り合って、第2の情報画像(112A)を表示する第2表示領域(112)とに区画されており、
前記カバーパネルにおいて、
前記第1表示領域に対応する部分は、透明部(132)として形成されており、
前記第2表示領域に対応する部分は、前記表示部が配置されるインテリアを模した色、柄を有する透過部(133)として形成されており、
前記第1の情報画像と、前記第2の情報画像とを関連付ける関連アイコン(113A)が、前記第1表示領域と前記第2表示領域との間を移動可能に表示され、移動の際に前記関連アイコンは、前記第1表示領域と前記第2表示領域との境界部において、切れ目なく表示される表示装置。
【請求項2】
前記表示部の前記表示面には、ユーザのタッチ操作に伴う入力を可能とするタッチパネル(120)が設けられており、
前記第1の情報画像、および前記第2の情報画像は、それぞれ複数の情報画像を有しており、
前記第1の情報画像、および前記第2の情報画像のうち、一方の情報画像のいずれかに対する前記タッチ操作によって、前記関連アイコンが前記一方の情報画像のいずれかの位置に表示されると共に、
前記第1の情報画像、および前記第2の情報画像のうち、関連する他方の情報画像のいずれかの位置に向けて前記関連アイコンが移動する請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記一方の情報画像は、所定の機器を操作するための操作用スイッチ画像であり、
前記他方の情報画像は、前記所定の機器の作動状態を示す作動状態画像である請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記カバーパネルの前記操作用スイッチ画像に対応する部分には、視認側に突となる突起部(134)が設けられた請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記インテリアは、車両のインストルメントパネルである請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2表示領域に対応する部位が、前記第1表示領域に対応する部位に対して、段状に曲げられた請求項1~請求項5のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1表示領域に対応する部位と、前記第2表示領域に対応する部位との間で、鈍角を成すように曲げられており、
前記第2表示領域に対応する部位の前記カバーパネルの表面に、透光性を有し視認側に突出する突出部(140)が接合されて、前記第1表示領域に対応する部位に対して、段状に形成された請求項3に記載の表示装置。
【請求項8】
前記操作用スイッチ画像は、前記突出部の厚みが、所定厚み以下の領域に対応するように配置された請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示部の表示形態として、前記第2の情報画像が前記第1の情報画像の一部を形成して、前記表示部の全体で、前記第1の情報画像を形成する場合を含む請求項1~請求項8のいずれか1つに記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば、有機ELパネルのような、自発光式の表示部を用いた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示装置として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1の表示装置では、第1の表示部と、第1の表示部に対して並ぶように配置された第2の表示部とを備えている。第1の表示部には、第2の表示部において表示状態が変更されることを示すアイコン(画像)が表示されると共に、このアイコンが第1の表示部から第2の表示部に移動表示されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-1120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の表示装置では、第1の表示部と第2の表示部との間においては、隙間が形成されることから、アイコンが移動される際に、隙間の部分において、途切れたように視認される。よって、ユーザに対してアイコンの動きを確実に認識させることが難しい。
【0005】
本開示の目的は、上記問題に鑑み、複数の表示領域間において、アイコンが切れ目なく移動するように表示可能となる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0007】
本開示では、所定の画像を表示する表示部(110)の表示面(110a)側に、透光性のカバーパネル(130)が設けられた表示装置であって、
表示部は、1つの表示部から形成されており、
表示部の表示領域は、第1の情報画像(111A)を表示する第1表示領域(111)と、
第1表示領域と隣り合って、第2の情報画像(112A)を表示する第2表示領域(112)とに区画されており、
カバーパネルにおいて、
第1表示領域に対応する部分は、透明部(132)として形成されており、
第2表示領域に対応する部分は、表示部が配置されるインテリアを模した色、柄を有する透過部(133)として形成されており、
第1の情報画像と、第2の情報画像とを関連付ける関連アイコン(113A)が、第1表示領域と第2表示領域との間を移動可能に表示され、移動の際に関連アイコンは、第1表示領域と第2表示領域との境界部において、切れ目なく表示されることを特徴としている。
【0008】
この開示によれば、表示部の第2表示領域に対応する部分は、インテリアを模した色、柄を有する透過部によって、インテリアに同化するように配置することができ、第2の情報画像は、透過部の色や柄を通してユーザに視認される。また、表示部の第1表示領域に対応する部分は、インテリアから張り出した通常の表示部として配置することができ、第1の情報画像は、直接的にユーザに視認される。
【0009】
そして、第1の情報画像と、第2の情報画像とを関連付ける関連アイコンが、第1表示領域と第2表示領域との間を移動可能に表示される。表示部は、1つの表示部から形成され、1つの表示部において、第1表示領域と第2表示領域とが隣り合って区画されているので、関連アイコンは、移動の際に、第1表示領域と第2表示領域との境界部において、切れ目なく表示させることが可能となる。よって、第1の情報画像と第2の情報画像との間で、移動する関連アイコンによって、ユーザの視線を効果的に誘導することができる。
【0010】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態の表示装置の全体構成を示す説明図である。
図2】第1実施形態の表示状態を示す正面図である。
図3】第2実施形態の表示装置の全体構成を示す説明図である。
図4】第3実施形態の表示状態を示す説明図である。
図5】その他の実施形態の表示状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0013】
(第1実施形態)
第1実施形態の表示装置100を、図1図2に示す。第1実施形態の表示装置100は、車両に搭載されて、例えば、カーエアコン装置に係る情報を表示する。表示装置100は、例えば、車両のインストルメントパネルの車両幅方向における中央領域に配置されている。
【0014】
図1に示すように、表示装置100は、有機ELパネル110、タッチパネル120、およびカバーパネル130等を備えている。有機ELパネル110、タッチパネル120、およびカバーパネル130は、積層されて、表示装置100を形成している。表示装置100は、後述する第1表示領域111に対応する部分に対して、第2表示領域112に対応する部分が、ユーザ側に向けて張り出すようにして、階段状に曲げられている。
【0015】
有機ELパネル110は、表示面110aにマトリックス配置される複数の画素の発光によって、所定の画像を表示する表示部となっている。表示部としては、1つの有機ELパネル110(単体表示部)が使用されている。有機ELパネル110の「EL」は、Electro Luminescenceの略表示である。有機ELパネル110は、OLED(Organic Light Emitting Diode)とも表示される。尚、表示部としては、上記の有機ELパネル110に代えて、液晶式のパネル等、他の型式のものを使用してもよい。
【0016】
有機ELパネル110は、自発光式の表示部であり、例えば、液晶式のパネルのようなバックライトを必要としないので、表示装置100の厚み寸法としては、極めて薄く設定することが可能となっている(薄型化)。また、有機ELパネル110は、フレキシブル性を有しており、たわませたり折曲げたりすることも可能となっており、ここでは、上記のように階段状に曲げられている。
【0017】
図2に示すように、有機ELパネル110の表示領域は、第1情報画像111A(第1の情報画像)を表示する第1表示領域111と、第2情報画像112A(第2の情報画像)を表示する第2表示領域112とに区画されている。第2表示領域112は、第1表示領域111と繋がった状態で隣り合っている。ここでは、第1表示領域111は、有機ELパネル110の上側領域に設定されており、第2表示領域112は、有機ELパネル110の下側領域に設定されている。第1表示領域111は、第2表示領域112に対して大きくなるように設定されている。
【0018】
第1情報画像111Aは、カーエアコン装置の作動状態を示す複数の情報画像であり、例えば、内外気モード画像111a、設定風量画像111b、吹出しモード画像111c、および設定温度画像111d等がある。第1情報画像111Aは、本開示の他方の情報画像に対応する。
【0019】
内外気モード画像111aは、内気と外気とのうち、いずれを選択したモードであるかを示す画像である。設定風量画像111bは、空調風の吹出し風量の設定レベルを示す画像である。吹出しモード画像111cは、空調風の吹出しモードを示す画像である。設定温度画像111dは、空調風の温度の設定レベルを示す画像である。各画像111a~111dは、第1表示領域111において、左側の上下、および右側の上下にそれぞれ配置されている。
【0020】
また、第2情報画像112Aは、カーエアコン装置の操作用スイッチを示す複数の情報画像であり、例えば、エアコンスイッチ画像112a、オートスイッチ画像112b、内外気スイッチ画像112c、風量スイッチ画像112d、モードスイッチ画像112e、および温度スイッチ画像112f等がある。第2情報画像112Aは、本開示の一方の情報画像に対応する。
【0021】
エアコンスイッチ画像112aは、カーエアコン装置をオンさせるためのスイッチを示す画像である。オートスイッチ画像112bは、カーエアコ装置の自動運転を行うためのスイッチを示す画像である。内外気スイッチ画像112cは、内気モードと外気モードとのうち、いずれかを選択するためのスイッチを示す画像である。風量スイッチ画像112dは、空調風の吹出し風量を設定するためのスイッチを示す画像である。モードスイッチ画像112eは、空調風の吹出しモードを設定するためのスイッチを示す画像である。温度スイッチ画像112fは、空調風の温度を設定するためのスイッチを示す画像である。各スイッチ画像112a~112fは、第2表示領域112において、左右方向に並ぶように配置されている。
【0022】
第2情報画像112Aにおける各スイッチ画像112c~112fは、第1情報画像111Aにおける各画像111a~111dと対応している。つまり、各スイッチ画像112c~112fに対して、後述するタッチ操作が行われると、表示制御部によって、各画像111a~111dは、タッチ操作に応じた表示内容に変更される。内外気スイッチ画像112cは、内外気モード画像111aと対応している。風量スイッチ画像112dは、設定風量画像111bと対応している。モードスイッチ画像112eは、吹出しモード画像111cと対応している。温度スイッチ画像112fは、設定温度画像111dと対応している。
【0023】
本実施形態では、第2情報画像112A(各スイッチ画像112c~112fのいずれか)と、対応する第1情報画像111A(各画像111a~111dのいずれか)とを、関連付けするための関連アイコン113Aが、第1表示領域111と第2表示領域112との間で移動可能に表示されるようになっている。ここでは、関連アイコン113Aは、1つの例として、六角形の図形を用いたアイコンとしている。尚、関連アイコン113Aは、六角形の図形に限らず、他の図形(三角、四角、矢印、星等)、文字、および画面背景模様等としてもよい。
【0024】
タッチパネル120は、カーエアコン装置に対して、ユーザの指タッチ(以下、タッチ操作)によって入力操作をするための入力操作部であり、有機ELパネル110の表示面110aに配置されている。タッチパネル120は、タッチパネルセンサ、および樹脂カバー等を有している。タッチパネルセンサは、例えば、透明なフィルム部材の裏面に、マトリックス状(網目状)に配置された透明な静電容量式の電極部が接合されて形成されている。また、樹脂カバーは、タッチパネルセンサを保護する透明薄肉の樹脂製の板材であり、タッチパネルセンサのユーザ側に設けられている。
【0025】
タッチパネルセンサ(電極部)は、樹脂カバーを介して、ユーザのタッチ操作時の指との間でコンデンサを形成し、静電容量を発生させるようになっている。上記のように、タッチパネルセンサ、および樹脂カバーは、透明部材から形成されていることから、有機ELパネル110における第1情報画像111A、および第2情報画像112Aは、ユーザに透過して視認されるようになっている。タッチパネルセンサは、ユーザが、第2情報画像112Aのいずれかに指を近づけたとき(例えば、2~3mm程度)、更には指タッチしたとき、操作した指の位置に応じて生ずる静電容量の変化を、タッチ操作座標情報として、表示制御部に出力するようになっている。
【0026】
有機ELパネル110と、タッチパネル120との間には、例えば、光透過性、および弾性を有する光学透明接着剤が設けられて、有機ELパネル110とタッチパネル120とは、接合されている。接着剤としては、光学透明接着剤に代えて、他の透明な弾性を有する粘着剤としてもよい。
【0027】
カバーパネル130は、タッチパネル120や有機ELパネル110を保護するために設けられた透光性の(一部透明な)板状の部材となっている。カバーパネル130は、有機ELパネル110の表示面110a側、つまり、タッチパネル120の表面に配置されている。カバーパネル130は、印刷を施した透明なフィルム部材(印刷シート)に、透明な薄肉の樹脂板材を接合したものであり、例えば、シートインサート成形によって形成されている。
【0028】
カバーパネル130のフィルム部材において、第1表示領域111に対応する部位の外周には、所定幅に設定された例えばグレー色の枠部131が印刷されている。枠部131の内側領域は、透明なフィルム部材の状態が残る透明部132となっている。第1表示領域111における第1情報画像111Aは、透明部132においてユーザに視認可能となっている。
【0029】
また、カバーパネル130のフィルム部材において、第2表示領域112に対応する部位は、インストルメントパネルを模した色(例えば茶色)、柄(例えば、木目柄)が印刷され、透光性が維持された透過部133となっている。インストルメントパネルは、本開示のインテリアに対応する。第2表示領域112における第2情報画像112Aは、透過部133を通して、ユーザに視認可能となっている。
【0030】
よって、第1表示領域111は、インストルメントパネルから立設されたオンダッシュタイプの1つのディスプレイのごとく形成されている。また、第2表示領域112における各スイッチ画像112a~112fは、あたかもインストルメントパネルに設けられた操作パネルのスイッチのごとく形成されている。
【0031】
尚、カバーパネル130は、実際のインストルメントパネルのデザインに合わせて、第1表示領域111に対応する幅方向の寸法に対して、第2表示領域112に対応する幅方向の寸法を、大きく設定するように(左右方向に延びるように)してもよい。
【0032】
更に、カバーパネル130の表面で、第2情報画像112A、つまり各スイッチ画像112a~112fに対応する部分には、各スイッチ画像112a~112fに対するタッチ操作の感触(スイッチ位置の感触)が得られるように、ユーザ側(視認側)に突となる突起部134が設けられている。
【0033】
タッチパネル120とカバーパネル130との間には、例えば、光透過性、および弾性を有する光学透明接着剤が設けられて、タッチパネル120とカバーパネル130とは、接合されている。接着剤としては、光学透明接着剤に代えて、他の透明な弾性を有する粘着剤としてもよい。
【0034】
本実施形態の表示装置100の構成は、以上のようになっており、以下、その作動および作用効果について説明する。
【0035】
表示装置100において、第2表示領域112における複数のスイッチ画像112c~112f(一方の情報画像)のいずれかに対して、タッチ操作が実施されると、関連する第1表示領域111における複数の画像111a~111d(他方の情報画像)のいずれかの表示形態が、表示制御部によって変更表示される。
【0036】
このとき、タッチ操作された第2情報画像112Aのいずれかの位置に、関連アイコン113Aが表示される。更に、表示された関連アイコン113Aが、関連する第1情報画像111Aのいずれかの位置に向けて移動表示される(図2中の矢印表示)。
【0037】
以上のように、本実施形態によれば、有機ELパネル110の第2表示領域112に対応する部分は、インストルメントパネル(インテリア)を模した色、柄を有する透過部133によって、インストルメントパネルに同化するように配置することができ、第2情報画像112Aは、透過部133の色や柄を通してユーザに視認される。また、有機ELパネル110の第1表示領域111に対応する部分は、インストルメントパネルから張り出した通常の表示部として配置することができ、第1情報画像111Aは、直接的にユーザに視認される。
【0038】
そして、第1情報画像111Aと、第2情報画像112Aとを関連付ける関連アイコン113Aが、第1表示領域111と第2表示領域112との間を移動可能に表示される。有機ELパネル110は、1つの表示部から形成され、1つの表示部において、第1表示領域111と第2表示領域112とが隣り合って区画されているので、関連アイコン113Aは、移動の際に、第1表示領域111と第2表示領域112との境界部において、切れ目なく表示させることが可能となる。よって、第1情報画像111Aと第2情報画像112Aとの間で、移動する関連アイコン113Aによって、ユーザの視線を効果的に誘導することができる。
【0039】
また、第1情報画像111A、および第2情報画像112Aは、それぞれ複数の情報画像(各画像111a~111d、各スイッチ画像112c~112f)を有している。第1情報画像111A、および第2情報画像112Aのうち、一方の情報画像のいずれかに対するタッチ操作によって、関連アイコン113Aが一方の情報画像のいずれかの位置に表示される。そして、第1情報画像111A、および第2情報画像112Aのうち、関連する他方の情報画像のいずれかの位置に向けて関連アイコン113Aが移動する。
【0040】
これにより、第1表示領域111、および第2表示領域112にそれぞれ、複数の画像を表示する場合に、関連アイコン113Aを形成して、移動させることで、ユーザは、互いの関連付けをより理解しやすくなる。
【0041】
また、第2情報画像112Aは、カーエアコン装置(所定の機器)を操作するための操作用スイッチ画像であり、第1情報画像111Aは、カーエアコン装置の作動状態を示す作動状態画像であり、このような場合に本開示を好適に活用することができる。
【0042】
また、カバーパネル130の第2情報画像112A(各スイッチ画像112a~12f)に対応する部分には、視認側に突となる突起部134を、設けるようにしているので、ユーザは、操作する指先の感触によって、操作位置を把握することができ(ブラインド操作が可能となり)、操作性を向上することができる。
【0043】
また、カバーパネル130の第2表示領域112に対応する部分は、インテリアとして、車両のインストルメントパネルを模したものとして用いて好適となる。
【0044】
また、第2表示領域112に対応する部位が、第1表示領域111に対応する部位に対して、段状に曲げられるようにすることで、第2表示領域112を容易に、インストルメントパネルに同化させることができる。
【0045】
(第2実施形態)
第2実施形態の表示装置100Aを図3に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、カバーパネル130をカバーパネル130Aに変更し、有機ELパネル110、タッチパネル120、およびカバーパネル130Aの曲げ形状を変更して、突出部140を追加したものとしている。
【0046】
カバーパネル130Aは、透明で薄いガラス材、あるいは樹脂材等から形成されており、上記第1実施形態に対して、透過部133に対応する色、柄の設定(印刷)は、廃止されている。
【0047】
有機ELパネル110、タッチパネル120、およびカバーパネル130Aの曲げ形状は、第1表示領域111に対応する部位と、第2表示領域112に対応する部位との間で、鈍角を成すように(開いたL字状に)曲げられている。
【0048】
突出部140は、外観形状が半円柱状を成す透明樹脂材の表面に、インストルメントパネルを模した色、柄が印刷されて形成されている。色、柄の印刷部は、透光性を有している。そして、半円柱断面の直線に対応する部位が、カバーパネル130Aの第2表示領域112に対応する部分に接合されている。第2表示領域112における第2情報画像112Aは、突出部140を通して、ユーザに視認可能となっている。よって、全体的な外観形状は、上記第1実施形態と類似している。
【0049】
タッチパネル120への反応距離が2~3mm程度であることから、第2表示領域112における各スイッチ画像112a~112fは、突出部140の厚みが、例えば1.5~2mm程度の位置(所定厚み以下の領域)と対応するように配置されている。
【0050】
これにより、突出部140を用いた場合であっても、第2表示領域112のインストルメントパネルとの同化を図り、各スイッチ画像112a~112fに対するタッチ操作を可能として、上記第1実施形態と同様に、切れ目のない関連アイコン113Aを表示可能とする表示装置100Aとすることができる。
【0051】
(第3実施形態)
第3実施形態を図4に示す。第3実施形態は、上記第1実施形態に対して、有機ELパネル110の表示形態として、第1表示領域111、および第2表示領域112の両領域を用いて、1つの情報を表示する場合を含むようにしたものである。
【0052】
1つの情報は、第2情報画像112Aが、第1情報画像111Aの一部を形成して、有機ELパネル110の全体で、第1情報画像111Aを形成するようになっている。例えば、車両における安全運転支援装置において、前方に障害物等があり、ユーザに対して、緊急注意を促す場合に使用される。緊急注意の表示は、例えば、ユーザの目を引く赤色の地に、注意を示すマーク(三角マーク)と、注意を促すコメント(「前方注意」の表示)とから形成されている。
【0053】
これにより、特に緊急時等、ユーザに注意等を示したい場合に、第1表示領域111、および第2表示領域112の両領域を活用した表示が可能となり、ユーザに対する表示効果(注意喚起)を高めることができる。
【0054】
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、第1情報画像111A、および第2情報画像112Aとして、カーエアコン装置に係る情報画像として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、各情報画像111A、112Aとしては、図5に示すように、テレビによるエンターテインメント情報画像とすることができる。
【0055】
第1表示領域111には、テレビで放映されている画像(動画)が表示され、第2表示領域112には、テレビ番組(テレビ局)の選択を行うチャンネル画像112gと、選択されたテレビ番組のタイトルを示すタイトル画像112hとが表示される。タイトル画像112hには、番組の開始、終了時刻が含まれている。
【0056】
この実施形態においてもユーザが所望のチャンネル画像112gをタッチ操作すると、関連アイコン113Aがタッチ操作されたチャンネル画像112gの位置に表示され、更に、関連アイコン113Aは、第1表示領域111の例えば、中央部に向けて移動する。第2表示領域112と第1表示領域111との境界部において、関連アイコン113Aは、切れ目なく表示される。
【0057】
この実施形態では、カーエアコン装置に係る表示に対して、エンターテインメント情報の表示が可能であって、関連アイコン113Aの表示、および移動により、ユーザの視線をチャンネル画像112gからテレビ画像へと、効果的に誘導できる。
【0058】
更に、上記各実施形態に対して、第1表示領域111、第2表示領域112に表示する各情報画像111A、112Aは、この他にも、オーディオ装置、カーナビゲーション装置、車両機能設定装置等に係る画像としてもよい。
【0059】
例えば、オーディオ装置において、第1表示領域111には、再生中の曲名を表示する曲名画像や、ボリューム設定画像等を表示し、第2表示領域112には、再生曲の選択スイッチ画像や、ボリュームスイッチ画像等を表示し、互いに対応する画像間で関連アイコン113Aを表示するようにしてもよい。また、カーナビゲーション装置において、第1表示領域111には、走行中の地図画像や目的地画像を表示し、第2表示領域112には、現在位置表示スイッチ画像や目的地設定スイッチ画像を表示し、互いに対応する画像間で関連アイコン113Aを表示するようにしてもよい。更に、車両機能設定装置において、第1表示領域111には、各種車両ライト、ワイパー、走行モード等の作動設定状態の画像を表示し、第2表示領域112には、設定用のスイッチ画像を表示し、互いに対応する画像間で関連アイコン113Aを表示するようにしてもよい。
【0060】
また、上記各実施形態では、第2表示領域112に対応する部位が、第1表示領域111に対応する部位に対して、曲げられたものとしたが、これに限定することなく、第1表示領域111、および第2表示領域112が1つの平面を形成するものとしてもよい。
【0061】
また、上記各実施形態では、表示装置100、100Aを車両用に適用した例を示したが、家庭用や業務用等に適用してもよい。
【0062】
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、更に請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【符号の説明】
【0063】
100、100A 表示装置
110 有機ELパネル(表示部)
110a 表示面
111 第1表示領域
111A 第1情報画像(他方の情報画像)
112 第2表示領域
112A 第2情報画像(一方の情報画像)
113A 関連アイコン
120 タッチパネル
130、130A カバーパネル
132 透明部
133 透過部
134 突起部
140 突出部
図1
図2
図3
図4
図5