(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】検出システム、及びリーダー
(51)【国際特許分類】
G06K 19/067 20060101AFI20231219BHJP
G01B 15/02 20060101ALI20231219BHJP
G01B 15/06 20060101ALI20231219BHJP
G01B 15/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G06K19/067 020
G01B15/02 C
G01B15/06
G01B15/00 C
(21)【出願番号】P 2020553985
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(86)【国際出願番号】 JP2019042609
(87)【国際公開番号】W WO2020090904
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-09-20
(31)【優先権主張番号】P 2018207687
(32)【優先日】2018-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平岡 三郎
(72)【発明者】
【氏名】高橋 伸明
(72)【発明者】
【氏名】石渡 拓己
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-161732(JP,A)
【文献】特開平11-025370(JP,A)
【文献】特開2016-167279(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/067
G01B 15/00
G01B 15/02
G01B 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属パターンによって形成されたアンテナ部、及び当該アンテナ部に対向してアイソレーション層を介して配設された裏面反射材を有するセンサと、
前記センサに対して電磁波を送信すると共にその反射波を受信して、当該反射波から把握される前記センサの反射特性と予め記憶された前記センサの反射特性とを比較することにより、前記センサの状態変化を検出するリーダーと、
を備える検出システム。
【請求項2】
前記リーダーは、送信周波数をスイープさせるように、当該送信周波数を時間的に変化させながら前記電磁波を前記センサに対して送信する、
請求項1に記載の検出システム。
【請求項3】
前記リーダーは、前記反射波から把握される前記センサの共振周波数と、予め記憶された前記センサの共振周波数とを比較することにより、前記センサの状態変化を検出する、
請求項1又は2に記載の検出システム。
【請求項4】
前記リーダーは、前記反射波の強度と、予め記憶された前記センサの反射特性が示す前記反射波の強度とを比較することにより、前記センサの状態変化を検出する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項5】
前記センサは、前記アンテナ部の状態、前記アイソレーション層の状態、又は、前記裏面反射材の状態のいずれかが一つが、検出対象の状態と連動するように構成され、
前記リーダーは、前記反射波から把握される前記センサの反射特性と予め記憶された前記センサの反射特性とを比較することにより、前記検出対象の状態の変化を検出する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項6】
前記アンテナ部は、検出対象の物体上に伸縮可能に取り付けられ、
前記リーダーは、前記アンテナ部の伸縮状態の変化から、前記物体の伸縮状態の変化を検出する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項7】
前記アイソレーション層は、当該アイソレーション層内に検出対象の物体が出入し得るように構成され、
前記リーダーは、前記アイソレーション層の誘電率の変化から、前記アイソレーション層内における前記物体の存在量又は存在密度の変化を検出する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項8】
前記アンテナ部又は前記裏面反射材は、検出対象の物体の上部又は下部において、前記物体の厚みの変化にあわせて位置が変化するように構成され、
前記リーダーは、前記アンテナ部と前記裏面反射材との間の距離の変化に伴う前記アンテナ部における共振現象の変化から、前記物体の厚さの変化を検出する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項9】
前記裏面反射材は、検出対象の物体に取り付けられ、
前記リーダーは、前記アンテナ部と対向する領域の前記裏面反射材の面積の変化に伴う前記アンテナ部における共振現象の変化から、前記物体の位置の変化を検出する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項10】
互いに異なる共振周波数を有する複数の前記センサを備え、
前記リーダーは、複数の前記センサそれぞれの共振周波数に基づいて、複数の前記センサそれぞれの状態変化を各別に検出する、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項11】
金属パターンによって形成されたアンテナ部、及び当該アンテナ部に対向してアイソレーション層を介して配設された裏面反射材を有するセンサの状態変化を検出するリーダーであって、
前記センサに対して電磁波を送信する送信部と、
前記送信部が電磁波を送信した際に発生する前記センサからの反射波を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記反射波から把握される前記センサの反射特性と予め記憶された前記センサの反射特性とを比較することにより、前記センサの状態変化を検出する状態検出部と、
を備えるリーダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検出システム、及びリーダーに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁波を用いて、物体の状態変化や、物体周辺の環境変化を検出する検出システムが知られている。
【0003】
この種の検出システムでは、一般に、アンテナ部を有するセンサと、電磁波を送受信するリーダーと、によって構成される。そして、この種の検出システムでは、リーダーにて、センサに対して所定周波数の電磁波を送信した際の当該センサからの反射波を受信することによって、当該センサの状態変化を検出する手法が用いられる。
【0004】
この種の検出システムは、非接触で、物体の状態を検出することが可能となるため、物品管理等、様々な用途への応用が期待されている。
【0005】
このような背景から、例えば、特許文献1には、おむつや尿吸着パットにLC共振タグを装着して、おむつや尿吸着パットが排出物を吸収することによる周波数特性の変化から物体の状態変化(汚れ)を検知する検出システムが開示されている。本特許文献には、尿漏れが起きた場合は、尿吸収パッド6が尿を吸収し、これに伴って、ライナーに接しているLC共振タグ5の共振周波数特性が変化することを検出することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、この種の検出システムにおいては、一般に、センサからの反射波の強度を確保し難く、高精度な状態検出が困難であるという課題がある。そのため、従来技術に係る検出システムは、センサが検出対象領域から離脱したか否か等、大まかな状態検出以外には適用し難い。
【0008】
又、特許文献1の検出システムは、LC共振タグ周辺の水分量の変化による周波数特性の変化を検出するものであるが、物体の状態変化に伴う共振ピークの変化が少なく、物体の状態変化の検出精度が低いという課題がある。
【0009】
特に、この種の検出システムにおいては、センサ(即ち、アンテナ部を構成する金属パターン)の小型化の観点等から、ミリ波又はギガ波等の高周波帯域の電磁波が用いられる。そのため、電磁波の伝搬減衰率が大きく(典型的には、電磁波の強度は距離の4乗に反比例して小さくなる)、リーダーとセンサとの間隔が遠距離の場合には、著しく検出精度が悪化する。
【0010】
本開示は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、高精度に、物体の状態変化や、又は物体周辺の環境変化を検出することを可能とする検出システム、及びリーダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した課題を解決する主たる本開示は、
金属パターンによって形成されたアンテナ部、及び当該アンテナ部に対向してアイソレーション層を介して配設された裏面反射材を有するセンサと、
前記センサに対して電磁波を送信すると共にその反射波を受信して、当該反射波から把握される前記センサの反射特性と予め記憶された前記センサの反射特性とを比較することにより、前記センサの状態変化を検出するリーダーと、
を備える検出システムである。
【0012】
又、他の局面では、
金属パターンによって形成されたアンテナ部、及び当該アンテナ部に対向してアイソレーション層を介して配設された裏面反射材を有するセンサの状態変化を検出するリーダーであって、
前記センサに対して電磁波を送信する送信部と、
前記送信部が電磁波を送信した際に発生する前記センサからの反射波を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記反射波から把握される前記センサの反射特性と予め記憶された前記センサの反射特性とを比較することにより、前記センサの状態変化を検出する状態検出部と、
を備えるリーダーである。
【発明の効果】
【0013】
本開示に係る検出システムによれば、高精度に、物体の状態変化や、又は物体周辺の環境変化を検出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本開示に係る検出システムの基本構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示に係るセンサの基本構成を示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る検出システムの構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6A、
図6Bは、第1の実施形態の変形例に係る検出システムの構成を示す図である。
【
図7】
図7A、
図7Bは、第1の実施形態の変形例に係る検出システムの構成を示す図である。
【
図9】
図9A、
図9Bは、第2の実施形態に係る検出システムの構成の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第2の実施形態の変形例1に係る検出システムの構成を示す図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態の変形例2に係る検出システムの構成を示す図である。
【
図13】
図13は、第3の実施形態に係る検出システムの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
[検出システムの基本構成]
まず、
図1~
図2を参照して、本開示に係る検出システムの基本構成について説明する。
【0017】
図1は、本開示に係る検出システムUの基本構成を示す図である。
図2は、本開示に係るセンサ10の基本構成を示す図である。
【0018】
検出システムUは、電磁波に対して所定の反射特性(以下、「センサ10の反射特性」と略称する)を有するセンサ10、及び、センサ10に対して所定周波数の電磁波Faを送信した際の当該センサ10からの反射波Frを受信することによって、当該センサ10の反射特性を検出するリーダー20を含んで構成される。尚、リーダー20は、例えば、センサ10の前面と正対するように、センサ10から数m程度離間した位置に、固定された状態で配設される。
【0019】
検出システムUは、かかる構成において、センサ10の反射特性の変化に基づいて、センサ10の状態変化(即ち、センサ10が検出対象とする環境変化)を検出する。
【0020】
センサ10は、前面側から順に、アンテナ部11、アイソレーション層12、及び、裏面反射材13を備えている。
【0021】
アンテナ部11は、基材11B上に形成された金属パターンである。アンテナ部11は、例えば、金属パターンによって、ストリップ状に形成され、所定の周波数の電磁波Faが照射された際に共振する共振構造を有している。そして、アンテナ部11は、例えば、自身の共振周波数に合致する周波数(
図1では、電磁波Faの周波数がf0のとき)の電磁波Faを吸収し、それ以外の周波数の電磁波Faを照射された場合には、当該電磁波Faを反射する。
【0022】
アンテナ部11の有する共振周波数は、アンテナ部11を形成する金属パターンの形状(主に長さ)によって定まる。一般に、かかるアンテナの最大長が電磁波の周波数の1/2λのときに、当該アンテナが共振し、アンテナ長に対応した周波数における反射波の強度が低くなる吸収ピークを発現する。
【0023】
アンテナ部11は、一個のアンテナ素子のみによって形成されてもよいが、反射波Frの強度を高めるため、複数個のアンテナ素子によって形成されるのが望ましい。
【0024】
又、アンテナ部11は、センサ10が複数の共振周波数を有するように、例えば、互いに長さが異なる複数個のアンテナ素子によって形成されるのが望ましい。これによって、リーダー20におけるセンサ10の反射特性の検出精度を向上させることができる。
【0025】
アンテナ部11を基材11B上に形成する手法としては、印刷法等、任意の手法であってよい。又、アンテナ部11の材料としては、銅、銀、金、又はアルミニウム等の金属材料が用いられる。尚、アンテナ部11に伸縮性を持たせる場合には、アンテナ部11の材料としては、バインダー等が含有された金属材料を用いるのが望ましい。
【0026】
アンテナ部11が形成される基材11Bとしては、紙、又は樹脂等の電磁波透過性を有する材料が用いられる。但し、基材11Bの形態は、板状のものに限らず、湾曲状又は筒状等のものであってよい。換言すると、アンテナ部11は、包装材又は容器等の物品上に直接形成されてもよい。又、基材11Bは、センサ10にて検出される対象そのものであってもよい。
【0027】
アイソレーション層12は、絶縁材料、又は物体非配置の空間であって、アンテナ部11と裏面反射材13との間に配設され、アンテナ部11と裏面反射材13との間を絶縁する。
【0028】
アイソレーション層12は、物体非配置の空間(空気が充填)や発泡樹脂などの低誘電率の材料を用いた場合に共振現象はより増幅される。アイソレーション層12の誘電率の変化により、共振ピークは大きく変化する。
【0029】
裏面反射材13は、アイソレーション層12を介してアンテナ部11に対向して配設され、センサ10に照射された電磁波Faを反射する。裏面反射材13は、例えば、平面視で、アンテナ部11と対向する位置において、当該アンテナ部11が形成される領域よりも広い領域に亘って配設される。
【0030】
又、裏面反射材13は、アンテナ部11において生ずる共振現象を増幅するようにも機能する。具体的には、裏面反射材13が存在する場合、アンテナ部11において生ずる共振現象は、アンテナ部11と裏面反射材13との間でも発生し、当該共振現象は増幅されることになる。つまり、裏面反射材13は、アンテナ部11において共振現象が生じた場合の共振ピークを大きくする。
【0031】
尚、裏面反射材13は、例えば、アンテナ部11との間の距離が、0.01mm~1000mmの位置に配設される。この範囲であると、アンテナ部11と裏面反射材13との間で電磁界が発生しやすく、センサ10における共振現象を効果的に増幅することができる。
【0032】
このように、裏面反射材13を、アンテナ部11の裏面に配設することによって、共振時にセンサ10にて発生する反射波Frと、非共振時にセンサ10にて発生する反射波Frとの間で、反射波Frの強度のコントラストを高めることができる。
【0033】
尚、裏面反射材13として、例えば、銀、金、銅、若しくはアルミニウム等の金属材料などの電磁波を反射する特性を有する材料が用いた場合に、共振現象は増幅される。アンテナ部11に対向する領域の裏面反射材13の面積変化などによる電磁波を反射する特性の変化により、共振ピークは大きく変化する。
【0034】
センサ10は、かかる態様において、アンテナ部11、アイソレーション層12又は裏面反射材13いずれかの状態が、検出対象の状態の変化に連動するように構成される(詳細は後述する)。そして、センサ10は、リーダー20から電磁波Faを照射された際に発生する反射波Frの反射特性の変化によって、検出対象の状態の変化を、リーダー20に検出させる。
【0035】
尚、検出対象の状態を示すセンサ10の反射特性は、典型的には、リーダー20から電磁波Faを照射された際に発生するセンサ10の反射波Frの強度、又は、センサ10の共振周波数によって、規定される。
【0036】
リーダー20は、送信部21、受信部22、状態検出部23、及び、制御部24を備えている。
【0037】
送信部21は、センサ10に対して所定の周波数の電磁波Faを送信する。送信部21は、例えば、送信アンテナ、及び発振器等を含んで構成される。
【0038】
送信部21は、例えば、単一の周波数にピーク強度を有する正弦波状の電磁波Faを送信する。そして、送信部21は、送信アンテナから送信させる電磁波Faの送信周波数を時間的に変化させ、予め設定した所定周波数帯域内の周波数スイープを行う。そして、センサ10の共振周波数は、送信部21が送信する電磁波Faの送信周波数と一致した際に、センサ10が発生する反射波Frの強度の変化として検出されることになる。
【0039】
尚、送信部21が送信する電磁波Faの周波数帯域は、例えば、ミリ波帯域又はギガ波帯域である。
【0040】
受信部22は、送信部21が電磁波Faを送信した際に発生するセンサ10からの反射波Frを受信する。受信部22は、例えば、受信アンテナ、及びネットワークアナライザ等を含んで構成される。そして、受信部22は、反射波Frの強度等から求まるSパラメータによりセンサ10の反射特性を検出する。
【0041】
状態検出部23は、受信部22が受信した反射波Frから把握される現時点におけるセンサ10の反射特性と、基準データ23Dとして予め記憶したセンサ10の反射特性と、を比較して、その比較結果に基づいて、センサ10の状態を検出する。状態検出部23は、例えば、上記の比較結果に基づいて、現時点におけるセンサ10の共振周波数又はセンサ10が発生する反射波Frの強度が、基準データ23Dが示す値から、どの程度変化したかを算出し、これによりセンサ10の状態を検出する。
【0042】
基準データ23Dは、現時点におけるセンサ10の反射特性から、現時点のセンサ10の状態(即ち、検出対象の物体の状態)に換算するためのデータである。基準データ23Dは、センサ10の状態とセンサ10の反射特性とを関連付けたデータであればよく、例えば、予め把握するセンサ10の反射特性を基準として設定されたものであってもよいし、一時刻前に検出されたセンサ10の反射特性を基準として設定されたものであってもよい。
【0043】
基準データ23Dには、例えば、周波数毎の反射波の強度の情報が、センサ10の反射特性の情報として記憶されている。そして、基準データ23Dには、例えば、センサ10の共振周波数のシフト量と、検出対象物の状態変化量とが関連付けて記憶されている。又、基準データ23Dには、例えば、センサ10の共振周波数における反射波強度の変化量と、検出対象物の状態変化量とが関連付けて記憶されている。
【0044】
制御部24は、リーダー20を統括制御する。尚、制御部24は、例えば、検出対象の物体の状態を逐次監視するため、所定の間隔で、送信部21、受信部22及び状態検出部23に上記した処理を実行させる。
【0045】
尚、送信部21、受信部22、状態検出部23、制御部24は、例えば、CPU、ROM、及びRAM等によって構成されている。そして、上記した送信部21、受信部22、状態検出部23、制御部24の一部又は全部は、CPUが制御プログラムや各種データを参照することによって実現される。但し、各機能の一部又は全部は、CPUによる処理に代えて、又は、これと共に、DSPによる処理や専用のハードウェア回路(例えば、ASIC)による処理によって実現されてもよい。
【0046】
次に、本開示に係る検出システムUの実施形態を種々に示す。
【0047】
[第1の実施形態]
図3、
図4は、第1の実施形態に係るセンサ10の構成を示す図である。
図5は、第1の実施形態に係る検出システムUの構成の一例を示す図である。
【0048】
本実施形態に係るセンサ10は、検出対象の物体上に伸縮可能に取り付けられている。そして、リーダー20は、アンテナ部11の伸縮に伴うセンサ10の共振周波数の変化又はセンサ10からの反射波Frの強度の変化を検出する。
【0049】
図3Aは、アンテナ部11が長手方向に伸縮する態様を示し、
図3Bは、アンテナ部11が長手方向に縮んだ場合におけるセンサ10の反射特性の変化の態様を模式的に示している。又、
図4Aは、アンテナ部11が幅方向に伸縮する態様を示し、
図4Bは、アンテナ部11が幅方向に伸びた場合におけるセンサ10の反射特性の変化の態様を模式的に示している。
【0050】
図3A、
図3Bに示すように、アンテナ部11が長手方向に伸縮した場合には、センサ10の共振周波数は、伸縮前の共振周波数から、当該アンテナ部11の長さに応じた共振周波数にシフトする。例えば、アンテナ部11が長手方向に縮んだ場合には、センサ10の共振周波数は、低周波数側にシフトする(例えば、
図3Bに示すように、周波数f0から周波数f1にシフトする)。
【0051】
又、
図4A、
図4Bに示すように、アンテナ部11が幅方向に伸縮した場合には、アンテナ部11と裏面反射材13との対向する面積が変化するため、センサ10からの反射波Frの強度は、伸縮前の強度から変化する。例えば、アンテナ部11が幅方向に伸びた場合には、センサ10からの反射波Frの強度は、増大する(例えば、
図4Bに示すように、強度I0から強度I1に増大する)。
【0052】
従って、リーダー20は、センサ10に電磁波Faを送信した際に、センサ10の反射特性(共振周波数又は強度)を検出することによって、センサ10が取り付けられた物体の形状変化を検出することができる。この際、リーダー20は、検出されたセンサ10の反射特性と基準データ23Dに記憶されたセンサ10の反射特性との比較によって、アンテナ部11における伸縮を検出する。つまり、本実施形態に係る検出システムUによれば、例えば、形状変化検出システムを構成することができる。
【0053】
本実施形態に係るセンサ10は、例えば、物体N1の伸縮に併せて伸縮し得るように、アンテナ部11、アイソレーション層12、及び裏面反射材13のそれぞれが伸縮可能な材料によって構成されている。但し、アンテナ部11を検出対象の物体N1の表面上に直接形成し、裏面反射材13を検出対象の物体N1の裏面側に配設する構成としてもよい。その場合には、アンテナ部11のみが伸縮可能に構成されていればよい。
【0054】
尚、本実施形態に係るセンサ10においては、アンテナ部11の伸縮以外の要素の変化に起因して、当該センサ10の反射特性が変化しないように、アイソレーション層12及び裏面反射材13は、状態変化しない態様にて構成される。
【0055】
図6、
図7は、本実施形態の変形例に係る検出システムUの構成を示す図である。
【0056】
本変形例に係る検出システムUでは、センサ10のアンテナ部11と対向するように、検出用アンテナ部11Xが配設され、当該アンテナ部11が形成された基材11Bと当該検出用アンテナ部11Xが形成された基材11BXとの間に位置ずれを検出する。この際、リーダー20は、基材11Bと基材11BXとの間に位置ずれが生じた際に、アンテナ部11と検出用アンテナ部11Xとの間の対向する領域の面積が変化して、これに伴ってセンサ10の反射特性が変化することを検出する。
【0057】
図6A、
図6Bは、アンテナ部11と検出用アンテナ部11Xとの位置関係が、アンテナ部11の幅方向に沿ってずれた態様を示している。
図6A、
図6Bにおいて、上図と下図は、それぞれ、検出システムUの側面図及び平面図を示している。
【0058】
かかる態様においては、アンテナ部11と検出用アンテナ部11Xとの位置関係の変化は、
図4に示した態様と同様に、センサ10からの反射波Frの強度の変化として表出する。
【0059】
図7A、
図7Bは、アンテナ部11と検出用アンテナ部11Xとの位置関係が、アンテナ部11の長手方向に沿ってずれた態様を示している。
図7A、
図7Bにおいて、上図と下図は、それぞれ、検出システムUの側面図及び平面図を示している。
【0060】
かかる態様においては、アンテナ部11と検出用アンテナ部11Xとの位置関係の変化は、
図3に示した態様と同様に、センサ10からの共振周波数の変化として表出する。
【0061】
このように、本変形例に係る検出システムUによれば、基材11B又は基材11BXの位置を検出対象として、センサ10の反射特性の変化から、基材11B又は基材11BXの位置を検出することができる。
【0062】
[第2の実施形態]
図8は、第2の実施形態に係るセンサ10の構成を示す図である。
図9は、第2の実施形態に係る検出システムUの構成の一例を示す図である。
【0063】
本実施形態に係るセンサ10においては、アイソレーション層12は、当該アイソレーション層12内に検出対象の物体が出入し得るように構成されている。アイソレーション層12は、例えば、外部と連通する空間によって構成され、検出対象の物体が当該空間内を出入りし得るような状態で配される。尚、アイソレーション層12に出入りする検出対象物体は、固体に限らず、液体又は粒状物であってもよい。
【0064】
本実施形態に係るリーダー20は、アイソレーション層12内への物体の搬入若しくは侵入、又は、アイソレーション層12内からの物体の搬出若しくは流出が行われた場合のアイソレーション層12の誘電率変化を検出する。この際、アイソレーション層12の誘電率変化は、センサ10の共振周波数の変化として検出される。
【0065】
図8Aは、アイソレーション層12の誘電率が変化する態様を示し、
図8Bは、アイソレーション層12の誘電率が増大した場合におけるセンサ10の反射特性の変化の態様を模式的に示している。
【0066】
図8A、
図8Bに示すように、アイソレーション層12の誘電率が変化した場合には、当該アイソレーション層12の波長短縮効果によって、アンテナ部11の共振周波数が変化する。そのため、センサ10の共振周波数は、当該アイソレーション層12の誘電率に応じた共振周波数にシフトする。かかる波長短縮効果は、一般に、アンテナ部11に隣接する誘電体の誘電率が大きいほど増大することが知られている。そのため、例えば、アイソレーション層12の誘電率が増大した場合には、センサ10の共振周波数は、低周波数側にシフトする(例えば、
図8Bに示すように、周波数f0から周波数f1にシフトする)。
【0067】
従って、リーダー20は、センサ10の反射特性(共振周波数、又は強度)を検出することによって、アイソレーション層12における状態変化を検出することができる。
【0068】
図9A、
図9Bには、本実施形態に係る検出システムUの一例として、アイソレーション層12が物体(例えば、薬袋)N2を収納する収納空間として構成された態様を示している。ここでは、リーダー20は、アイソレーション層12の誘電率変化により、アイソレーション層12が形成する収納空間内の物体N2が、アイソレーション層12内から減少する状態変化(例えば、薬袋内における薬の量の減少)を検出する。尚、この場合には、リーダー20は、アイソレーション層12における検出対象物と空気の比率を誘電率として検出することになる。
【0069】
このように、本実施形態に係る検出システムUによれば、例えば、物品管理システムを構成することができる。
【0070】
尚、本実施形態に係るセンサ10においては、アイソレーション層12の誘電率変化以外の要素の変化に起因して、当該センサ10の反射特性が変化しないように、アンテナ部11及び裏面反射材13は、状態変化しない態様にて構成される。
【0071】
図10は、変形例1に係る検出システムUの構成を示す図である。
【0072】
変形例1に係る検出システムUは、検出対象が、アイソレーション層12内に侵入する液体N3である点で、上記実施形態と相違する。
【0073】
本変形例においては、アイソレーション層12が、液体吸収材によって構成され、且つ、センサ10の周囲からの液体N3が侵入可能に構成されている。そして、本変形例に係るリーダー20は、アイソレーション層12(ここでは、液体吸収材)の誘電率変化により、アイソレーション層12内に液体N3が侵入した状態を検出する。
【0074】
図11は、変形例2に係る検出システムUの構成を示す図である。
【0075】
変形例2に係る検出システムUは、検出対象が、アイソレーション層12内を通流する粒子物体N4の密度である点で、上記実施形態と相違する。
【0076】
本変形例においては、アイソレーション層12が、ガスが通流する配管内の空間として形成されている。そして、センサ10のアンテナ部11と裏面反射材13とは、配管内の空間を挟んで、一方側と他方側に配設されている。
【0077】
本変形例に係るリーダー20は、センサ10からの反射波Frの共振周波数の変化に基づいて、アイソレーション層12の誘電率の変化を検出する。そして、本変形例に係るリーダー20は、アイソレーション層12の誘電率の変化から、アイソレーション層12内を通流する粒子物体N4の密度を検出する。
【0078】
[第3の実施形態]
図12は、第3の実施形態に係るセンサ10の構成を示す図である。
図13は、第3の実施形態に係る検出システムUの構成の一例を示す図である。
【0079】
本実施形態に係るセンサ10は、アイソレーション層12の厚さ(即ち、アンテナ部11と裏面反射材13との間の距離)が、可変に構成されている。換言すると、アンテナ部11と裏面反射材13は、それぞれ、検出対象の物体の上部又は下部において、物体の厚みの変化にあわせて位置が変化するように構成されている。
【0080】
本実施形態に係るリーダー20は、アイソレーション層12の厚さの変化に伴うセンサ10からの反射波Frの強度の変化を検出する。
【0081】
図12Aは、アイソレーション層12の厚みが変化する態様を示し、
図12Bは、アイソレーション層12の厚みが増大した場合におけるセンサ10の反射特性の変化の態様を模式的に示している。
【0082】
図12A、
図12Bに示すように、アイソレーション層12の厚みが変化した場合には、アンテナ部11と裏面反射材13との間における共振現象の度合いが変化する。かかる共振現象の度合いは、一般に、アンテナ部11と裏面反射材13との間の距離が所定距離のときに最大となり、アンテナ部11と裏面反射材13との間の距離が所定距離から離れるにつれて小さくなる。そのため、例えば、アイソレーション層12の厚みが、アンテナ部11と裏面反射材13との間における共振現象の度合いが大きくなる所定距離に近づいた場合には、センサ10からの反射波Frの強度は、増大する(例えば、
図12Bに示すように、強度I0から強度I1に増大する)。
【0083】
従って、リーダー20は、センサ10の反射特性(ここでは、反射波Frの強度)を検出することによって、アイソレーション層12の厚さ(ここでは、液体の液位)を検出することができる。
【0084】
図13には、本実施形態に係る検出システムUの一例として、アイソレーション層12が容器内に満たされた液体N5によって構成された態様を示している。そして、センサ10のアンテナ部11は、容器内に満たされた液体N5の表面上にフロート状態で配設され、裏面反射材13は、容器の底面に配設されている。
【0085】
リーダー20は、センサ10からの反射波Frの強度の変化から、アイソレーション層12の厚さ、即ち、アイソレーション層12内に充満する液体N5の液位を検出する。つまり、本実施形態に係る検出システムUによれば、例えば、液位管理システムを構成することができる。
【0086】
尚、本実施形態に係るセンサ10においては、アイソレーション層12の厚さ変化以外の要素の変化に起因して、当該センサ10の反射特性が変化しないように、アンテナ部11及び裏面反射材13は、状態変化しない態様にて構成される。
【0087】
[第4の実施形態]
図14、
図15は、第4の実施形態に係るセンサ10の構成を示す図である。
図16は、第4の実施形態に係る検出システムUの構成の一例を示す図である。
【0088】
本実施形態に係るセンサ10の裏面反射材13は、検出対象の物体に取り付けられ、当該検出対象の物体の位置に応じて、アンテナ部11と対向する領域(アンテナ部11と正対する領域及びその周囲領域を含む。以下、「アンテナ対向領域」と称する)の面積が可変に構成されている。
【0089】
本実施形態に係るリーダー20は、センサ10からの反射波Frの強度の変化に基づいて、センサ10の裏面反射材13のアンテナ対向領域の面積の変化を検出する。
【0090】
図14Aは、裏面反射材13の一部が切り取られることによって、裏面反射材13のアンテナ対向領域の面積が変化する態様を示し、
図14Bは、裏面反射材13のアンテナ対向領域の面積が減少した場合におけるセンサ10の反射特性の変化の態様を模式的に示している。
【0091】
図15Aは、裏面反射材13が移動することによって、裏面反射材13のアンテナ対向領域の面積が変化する態様を示し、
図15Bは、裏面反射材13のアンテナ対向領域の面積が増大した場合におけるセンサ10の反射特性の変化の態様を模式的に示している。
【0092】
図14A、
図14Bに示すように、裏面反射材13のアンテナ対向領域の面積が減少した場合には、アンテナ部11と裏面反射材13との間における共振現象が弱まることになる。そのため、電磁波がセンサ10に吸収される度合いは、弱まることになり、かかる場合には、センサ10の反射波Frの強度は、増大することになる(例えば、
図14Bに示すように、強度I0から強度I1に増大する)。
【0093】
一方、
図15A、
図15Bに示すように、裏面反射材13のアンテナ対向領域の面積が増加した場合には、アンテナ部11と裏面反射材13との間における共振現象が強まることになる。そのため、電磁波がセンサ10に吸収される度合いは、強まることになり、かかる場合には、センサ10の反射波Frの強度は、減少することになる(例えば、
図15Bに示すように、強度I0から強度I1に減少する)。
【0094】
従って、リーダー20は、センサ10からの反射波Frの強度を検出することによって、裏面反射材13の状態変化を検出することができる。
【0095】
図16A、
図16Bには、本実施形態に係る検出システムUの一例として、センサ10の裏面反射材13が検出対象物体(例えば、個別の薬剤)N6と一体的に構成され、裏面反射材13が、検出対象物体N6と共に離脱し得るように構成された態様を示している。
図16A、
図16Bの態様においては、リーダー20は、センサ10からの反射波Frの強度の変化に基づいて、検出対象の物体N6がセンサ10から離脱した個数を検出する。つまり、本実施形態に係る検出システムUによれば、例えば、服薬管理システムを構成することができる。
【0096】
尚、本実施形態に係るセンサ10においては、裏面反射材13のアンテナ対向領域の面積以外の要素の変化に起因して、当該センサ10の反射特性が変化しないように、アンテナ部11及びアイソレーション層12は、状態変化しない態様にて構成される。
【0097】
[第5の実施形態]
図17は、第5の実施形態に係る検出システムUの構成の一例を示す図である。
【0098】
本実施形態に係る検出システムUは、互いに異なる共振周波数を有する複数のセンサ10a、10b、10cを備え、リーダー20は、各センサ10a、10b、10cの状態変化を各別に検出する構成となっている。
【0099】
本実施形態に係る各センサ(ここでは、10a、10b、10cのいずれか)は、例えば、アンテナ部11a、11b、11cの長手方向の長さの調整によって、他のセンサ(ここでは、10a、10b、10cのいずれか)と異なる共振周波数を有する構成とされている。つまり、各センサ10a、10b、10cは、自身の共振周波数によって、他のセンサ(ここでは、10a、10b、10cのいずれか)と識別するための識別情報を構成する。そして、各センサ10a、10b、10cは、各別の状態変化を検出する。
【0100】
本実施形態に係る各センサ10a、10b、10cは、第4の実施形態で説明したセンサ10と同様に構成されている。そして、センサ10a、10b、10cは、複数存在する検出対象の物体(例えば、薬剤)N7、N8、N9それぞれに設けられ、検出対象の物体N7、N8、N9それぞれの離脱状態を監視可能とする。尚、ここでは、センサ10a、10b、10cは、アイソレーション層12及び基材11Bを共通にして、各別のアンテナ部11a、11b、11c、及び各別の裏面反射材13a、13b、13cによって、構成されている。
【0101】
リーダー20は、各センサ10a、10b、10cに対して、電磁波Faを照射し、各センサ10a、10b、10cの反射特性を検出する。そして、リーダー20は、検出された各センサ10a、10b、10cの反射特性と、基準データ23Dが示す各センサ10a、10b、10cの反射特性とを比較して、各センサ10a、10b、10cの状態を検出する。
【0102】
この際、リーダー20は、各センサ10a、10b、10cの共振周波数に基づいて、各センサ10a、10b、10cの状態を識別する。つまり、センサ10a、10b、10cのうちいずれかのセンサが離脱した場合、リーダー20は、当該センサに対応する共振周波数における反射波Frの強度が低下する状態を検出することになる。
【0103】
このように、本実施形態に係る検出システムUによれば、例えば、一つのリーダー20にて、複数の検出対象物体の状態を個別管理することができる。
【0104】
尚、本実施形態のように、互いに異なる共振周波数を有する複数のセンサ10a、10b、10cを用いて、複数の検出対象物体の状態を個別管理する態様は、第1乃至第3の実施形態で示したセンサ10にも適用できるのは、勿論である。
【0105】
[効果]
以上のように、本開示に係る検出システムUは、金属パターンによって形成されたアンテナ部11、及び当該アンテナ部11に対向してアイソレーション層12を介して配設された裏面反射材13を有するセンサ10と、センサ10に対して電磁波Faを送信すると共にその反射波Frを受信して、当該反射波Frから把握されるセンサ10の反射特性と予め記憶されたセンサ10の反射特性とを比較することにより、センサ10の状態変化を検出するリーダー20と、を備える。
【0106】
従って、本実施形態に係る検出システムUによれば、センサ10の反射特性の変化を高精度に捉えることが可能であり、これによりセンサ10が検出対象とする物体の状態変化や、又は物体周辺の環境変化を高精度に検出することができる。
【0107】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限らず、種々に変形態様が考えられる。
【0108】
例えば、本開示に係る検出システムUは、アンテナ部11の一部が剥離した状態や、アンテナ部11が貼付された状態を検出対象としてもよい。
【0109】
又、本開示に係る検出システムUは、アイソレーション層12を構成する材料や裏面反射材13を構成する材料の変化を検出対象としてもよい。
【0110】
又、本開示に係る検出システムUにおいて用いるアンテナ部11としては、自身の共振周波数に合致する周波数の電磁波Faが照射された際に反射し、それ以外の周波数の電磁波Faを照射された場合には、当該電磁波Faを吸収するタイプのものであってもよい。この場合にも、裏面反射材13は、例えば、アンテナ部11との間の距離が、0.01mm~1000mmの位置に配設されるのが望ましい。この範囲であると、裏面反射材13は、アンテナ部11にて発生する反射波を増幅するように機能する。
【0111】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0112】
2018年11月2日出願の特願2018-207687の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本開示に係る検出システムによれば、高精度に、物体の状態変化や、又は物体周辺の環境変化を検出することが可能である。
【符号の説明】
【0114】
U 検出システム
10、10a、10b、10c センサ
11、11a、11b、11c アンテナ部
11B 基材
12 アイソレーション層
13、13a、13b、13c 裏面反射材
20 リーダー
21 送信部
22 受信部
23 状態検出部
23D 基準データ
24 制御部
11X 検出用アンテナ部
11BX 検出用アンテナ部の基材
Fa 電磁波
Fr 反射波
N1~N9 検出対象物体