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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】ケーブル、報知方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/55 20200101AFI20231219BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20231219BHJP
   H02G 1/06 20060101ALI20231219BHJP
   H01R 13/66 20060101ALI20231219BHJP
   H01R 13/717 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G01R31/55
H01B7/00 306
H02G1/06
H01R13/66
H01R13/717
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021508178
(86)(22)【出願日】2020-02-04
(86)【国際出願番号】 JP2020004124
(87)【国際公開番号】W WO2020195186
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-12-09
(31)【優先権主張番号】P 2019063856
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 雅信
(74)【代理人】
【識別番号】100167704
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 裕人
(72)【発明者】
【氏名】池谷 武紀
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/150359(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3180099(JP,U)
【文献】特開2015-195487(JP,A)
【文献】特開2011-192597(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0220444(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0093095(US,A1)
【文献】特開2014-171336(JP,A)
【文献】特開2003-028909(JP,A)
【文献】特開平05-041255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 31/50-31/74、
H01R 13/56-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタ部と、
第2コネクタ部と、
一端が前記第1コネクタ部に接続され他端が前記第2コネクタ部に接続される伝送線と、
前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部の接続状態を検出する制御部と、
前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部のうち何れか一方のコネクタ部に対する操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部の検出結果に応じて他方のコネクタ部の前記接続状態に応じた報知を行う報知部と、を備え
前記報知部は、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部の双方が機器に接続された場合に第1態様による報知を行い、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部のうちの一方のコネクタ部のみが機器に接続された場合に第2態様による報知を行う
ケーブル。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1コネクタ部に設けられ、前記第1コネクタ部の接続状態を検出する第1接続検出部と、
前記第2コネクタ部に設けられ、前記第2コネクタ部の接続状態を検出する第2接続検出部と、を備える
請求項1に記載のケーブル。
【請求項3】
前記操作検出部として、前記第1コネクタ部に設けられた第1操作検出部と前記第2コネクタ部に設けられた第2操作検出部を備える
請求項1に記載のケーブル。
【請求項4】
前記第1操作検出部は前記第1コネクタ部に対する操作を検出し、
前記第2操作検出部は前記第2コネクタ部に対する操作を検出する
請求項3に記載のケーブル。
【請求項5】
前記報知部は、前記第1操作検出部及び前記第2操作検出部のうち、何れか一方の操作検出部が操作検出したことに応じて他方の操作検出部が設けられたコネクタ部の接続状態に応じた報知を行う
請求項4に記載のケーブル。
【請求項6】
前記報知部として、前記第1コネクタ部に設けられた第1報知部と前記第2コネクタ部に設けられた第2報知部が設けられた
請求項1に記載のケーブル。
【請求項7】
前記第1コネクタ部には第1操作検出部が設けられ、
前記第2コネクタ部には第2操作検出部が設けられ、
前記第1報知部は、前記第1操作検出部が操作検出したことに応じて前記第2コネクタ部の接続状態に応じた報知を行い、
前記第2報知部は、前記第2操作検出部が操作検出したことに応じて前記第1コネクタ部の接続状態に応じた報知を行う
請求項6に記載のケーブル。
【請求項8】
前記報知部は、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部の双方が機器に接続された状態とされた場合に前記伝送線を介して行われる情報通信における通信速度に応じた報知を行う
請求項1に記載のケーブル。
【請求項9】
前記報知部は、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部のうち何れか一方のコネクタ部が充電機器に接続され他方のコネクタ部が充電対象機器に接続された場合に前記充電対象機器の充電量に応じた報知を行う
請求項1に記載のケーブル。
【請求項10】
前記第1コネクタ部に設けられた第1受光部を備え、
前記第2コネクタ部が機器に接続され、前記第1操作検出部が操作を検出した場合に、前記報知部は、前記第1受光部が特定波長の光を受光したか否かに応じた報知を行う
請求項3に記載のケーブル。
【請求項11】
前記特定波長はコネクタ種別に応じた波長とされた
請求項10に記載のケーブル。
【請求項12】
前記第1コネクタ部に設けられた第1音出力部を備え、
前記第2コネクタ部が機器に接続され、前記第1操作検出部が操作を検出した場合に、前記第1音出力部は、前記第1コネクタ部を接続部に誘導するための音出力を行う
請求項11に記載のケーブル。
【請求項13】
前記第1コネクタ部に設けられた第1音出力部を備え、
前記第1音出力部は、前記第1コネクタ部が目的の接続部よりも他の接続部に近づいた場合に第3音を出力する
請求項11に記載のケーブル。
【請求項14】
前記第1コネクタ部に設けられた第1音出力部を備え、
前記第1音出力部は、前記第1コネクタ部が目的の接続部に接続された場合に第2音を出力する
請求項11に記載のケーブル。
【請求項15】
前記報知部は、前記第1コネクタ部が機器に接続され且つ前記第1受光部が光を受光した場合に報知を行う
請求項10に記載のケーブル。
【請求項16】
前記報知部は報知発光部とされ、
前記報知は前記報知発光部の発光を利用して行われる
請求項1に記載のケーブル。
【請求項17】
前記報知部は音出力部を有すものとされ、
前記報知は前記音出力部による音出力を利用して行われる
請求項1に記載のケーブル。
【請求項18】
第1コネクタ部と、第2コネクタ部と、一端が前記第1コネクタ部に接続され他端が前記第2コネクタ部に接続される伝送線と、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部の接続状態を検出する制御部と、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部のうち何れか一方のコネクタ部に対する操作を検出する操作検出部と、を備えたケーブルにおいて、
前記操作検出部の検出結果に応じて他方のコネクタ部の接続状態に応じた報知を行い、
前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部の双方が機器に接続された場合に第1態様による報知を行い、
前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部のうちの一方のコネクタ部のみが機器に接続された場合に第2態様による報知を行う
報知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、機器に接続されるケーブル及び報知方法についての技術分野に関する。特にケーブルの接続状態を報知する報知部が設けられたケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
機器同士を接続するケーブルは、正しく接続することが重要である。例えば、多くの機器がラックにスタックされているような状況で特定の機器同士の接続作業を行う場合には、ケーブルの数も多くなってしまうため、正しい接続を行うことが困難となってしまう。
特許文献1では、同じ通信線のコネクタを認識することができる通信用ケーブルについての技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-126433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した技術では、同じケーブルのコネクタ、対となる他端側のコネクタを特定することは可能であるが、他端側のコネクタの接続状態まで把握することはできなかった。
そこで、本技術は、同じケーブルのコネクタの接続状態を報知することで接続作業の効率化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本技術に係るケーブルは、第1コネクタ部と、第2コネクタ部と、一端が前記第1コネクタ部に接続され他端が前記第2コネクタ部に接続される伝送線と、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部の接続状態を検出する制御部と、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部のうち何れか一方のコネクタ部に対する操作を検出する操作検出部と、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部のうち何れか一方のコネクタ部の接続状態に応じた報知を行う報知部と、を備えたものである。
コネクタ部の接続状態とは、例えば、接続対象とされた機器(接続対象機器)にコネクタ部が接続された状態(接続判定)であるか否か(非接続判定)の別である。接続状態を報知するために、本技術に係るケーブルは、接続状態を特定するための情報(接続情報)を扱う。該情報は、例えば、検出信号であってもよいし、判定処理によって得られた情報であってもよい。コネクタ部間で送受信される各コネクタ部の接続状態についての情報も「接続情報」とする。
コネクタ部の接続状態を報知するための報知部が設けられることにより、作業者にケーブルの状態を正しく認識させることができる。
操作検出部としては、例えば、メカスイッチや近接センサや接触センサなどが用いられる。操作検出部が設けられることで、作業者のケーブル(或いはコネクタ部)に対する操作の検出が行われる。
【0006】
上述のケーブルにおける前記制御部は、前記第1コネクタ部に設けられ、前記第1コネクタ部の接続状態を検出する第1接続検出部と、前記第2コネクタ部に設けられ、前記第2コネクタ部の接続状態を検出する第2接続検出部と、を備えていてもよい。
第1コネクタ部が機器に接続されているか否かを検出する第1接続検出部が設けられていることにより、第1コネクタ部の接続状態を正しく把握することができる。また、伝送線を介して第1コネクタ部の接続状態を第2コネクタ部に通知することも可能となる。
【0007】
上述のケーブルにおいては、前記操作検出部として、前記第1コネクタ部に設けられた第1操作検出部と前記第2コネクタ部に設けられた第2操作検出部が設けられていてもよい。
即ち、第1コネクタ部及び第2コネクタ部のそれぞれに操作検出部が設けられる。
【0008】
上述のケーブルにおいては、前記第1操作検出部は前記第1コネクタ部に対する操作を検出し、前記第2操作検出部は前記第2コネクタ部に対する操作を検出してもよい。
操作されたコネクタ部を当該コネクタ部に設けられた操作検出部で検出可能とされる。
【0009】
上述のケーブルにおいては、前記報知部は、前記第1操作検出部及び前記第2操作検出部のうち、何れか一方の操作検出部が操作検出したことに応じて他方の操作検出部が設けられたコネクタ部の接続状態に応じた報知を行ってもよい。
即ち、作業者が第1コネクタ部に対する操作を行ったことに応じて第1操作検出部が操作検出を行った場合には、第2コネクタ部の接続状態に対する報知が行われる。
【0010】
上述のケーブルにおいては、前記報知部として、前記第1コネクタ部に設けられた第1報知部と前記第2コネクタ部に設けられた第2報知部が設けられていてもよい。
即ち、報知部がそれぞれのコネクタ部に設けられる。
【0011】
上述のケーブルにおいては、前記第1コネクタ部には第1操作検出部が設けられ、前記第2コネクタ部には第2操作検出部が設けられ、前記第1報知部は、前記第1操作検出部が操作検出したことに応じて前記第2コネクタ部の接続状態に応じた報知を行い、前記第2報知部は、前記第2操作検出部が操作検出したことに応じて前記第1コネクタ部の接続状態に応じた報知を行ってもよい。
即ち、第1コネクタ部に対する操作が可能な状態にある作業者にとっては、他端側の第2コネクタ部の接続状態を第1コネクタ部に設けられた第1報知部からうかがい知ることができる。
【0012】
上述のケーブルにおいては、前記報知部は、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部の双方が機器に接続された場合に第1態様による報知を行い、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部のうちの一方のコネクタ部のみが機器に接続された場合に第2態様による報知を行ってもよい。
即ち、両端が接続されているか否かに応じて報知部による報知態様が異なるものとされる。
【0013】
上述のケーブルにおいては、前記報知部は、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部の双方が機器に接続された状態とされた場合に前記伝送線を介して行われる情報通信における通信速度に応じた報知を行ってもよい。
即ち、両端のコネクタ部が機器に接続されることにより、伝送線を介した情報通信が可能とされた状態において、接続状態以外の情報が報知される。
【0014】
上述のケーブルにおいては、前記報知部は、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部のうち何れか一方のコネクタ部が充電機器に接続され他方のコネクタ部が充電対象機器に接続された場合に前記充電対象機器の充電量に応じた報知を行ってもよい。
充電量とは、例えば、充電対象機器のバッテリー残量の割合を示すものである。充電対象機器と充電機器が正しく接続された状態において、作業者に充電対象機器の充電量に応じた報知が行われる。
【0015】
上述のケーブルにおいては、前記第1コネクタ部に設けられた第1受光部を備え、前記第2コネクタ部が機器に接続され、前記第1操作検出部が操作を検出した場合に、前記報知部は、前記第1受光部が特定波長の光を受光したか否かに応じた報知を行ってもよい。
例えば、ケーブルが接続される機器において、該ケーブルを接続すべき場所の近傍に特定波長の光を出射する発光部が設けられている場合に、作業者がケーブルの第1コネクタ部を機器に近づけた際に特定波長の光を一定以上の強度で受光できたことに応じて報知部による報知が行われる。
【0016】
上述のケーブルにおいては、前記特定波長はコネクタ種別に応じた波長とされてもよい。
コネクタ種別ごとに特定波長を変えることにより、コネクタ種別ごとの接続箇所ごとに対応した特定波長の光を出射する発光部を設けることが可能となる。
【0017】
上述のケーブルにおいては、前記第1コネクタ部に設けられた第1音出力部を備え、前記第2コネクタ部が機器に接続され、前記第1操作検出部が操作を検出した場合に、前記第1音出力部は、前記第1コネクタ部を接続部に誘導するための音出力を行ってもよい。
コネクタ種別ごとに特定波長が異なるものとされることにより、ケーブルを接続すべき場所が特定可能となる。更に、第1音声出力部を備えることにより、手元が見えない状態でケーブルの接続作業を行ったとしても、音声による誘導が行われる。
【0018】
上述のケーブルにおいては、前記第1コネクタ部に設けられた第1音出力部を備え、前記第1音出力部は、前記第1コネクタ部が目的の接続部よりも他の接続部に近づいた場合に第3音を出力してもよい。
即ち、第1音出力部によって第1コネクタ部が正しい接続場所に近づいているか否かの情報が報知される。
【0019】
上述のケーブルにおいては、前記第1コネクタ部に設けられた第1音出力部を備え、前記第1音出力部は、前記第1コネクタ部が目的の接続部に接続された場合に第2音を出力してもよい。
これにより、第1コネクタ部を機器に接続した場合に正しい接続であるか否かの情報が成功音によって作業者に報知される。
【0020】
上述のケーブルにおいては、前記報知部は、前記第1コネクタ部が機器に接続され且つ前記第1受光部が光を受光した場合に報知を行ってもよい。
これにより、機器に接続されるまえの状態で無闇に報知が行われてしまうことが防止される。
【0021】
上述のケーブルにおいては、前記報知部は報知発光部とされ、前記報知は前記報知発光部の発光を利用して行われてもよい。
これにより、コネクタ部の接続状態の報知が発光により行われる。
【0022】
上述のケーブルにおいては、前記報知部は音出力部を有すものとされ、前記報知は前記音出力部による音出力を利用して行われてもよい。
これにより、コネクタ部の接続状態の報知が音により行われる。
【0023】
本技術の報知方法は、第1コネクタ部と、第2コネクタ部と、一端が前記第1コネクタ部に接続され他端が前記第2コネクタ部に接続される伝送線と、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部の接続状態を検出する制御部と、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部のうち何れか一方のコネクタ部に対する操作を検出する操作検出部と、を備えたケーブルにおいて、前記操作検出部の検出結果に応じて他方のコネクタ部の接続状態に応じた報知を行うものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本技術の実施の形態のケーブルと機器についての斜視図である。
図2】ケーブルの斜視図である。
図3】ケーブルのブロック図である。
図4】操作検出部の例を説明するための図である。
図5】報知部の例を説明するための図である。
図6】報知部の別の例を説明するための図である。
図7】第1の報知態様を説明するための斜視図である。
図8】第1の報知態様を説明するための模式図である。
図9】第2の報知態様を説明するための模式図である。
図10】第3の報知態様を説明するための模式図である。
図11】第4の報知態様を説明するための模式図である。
図12】第5の報知態様を説明するための模式図である。
図13】点灯パターンの例について説明するための図である。
図14】第6の報知態様を説明するための模式図である。
図15】第5の報知態様または第6の報知態様におけるケーブルのブロック図である。
図16】第1の報知態様から第6の報知態様を実施するためのフローチャートである。
図17】第2の実施の形態におけるケーブルと機器についての斜視図である。
図18】第2の実施の形態におけるケーブルのブロック図である。
図19】第2の実施の形態における報知態様を説明するための模式図である。
図20】第2の実施の形態における機器のブロック図である。
図21】第2の実施の形態における第7の報知態様を実施するためのフローチャートである。
図22】第2の実施の形態における第8の報知態様を実施するためのフローチャートである。
図23】手術室システムの全体構成を概略的に示す図である。
図24】集中操作パネルにおける操作画面の表示例を示す図である。
図25】手術室システムが適用された手術の様子の一例を示す図である。
図26図24に示すカメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施の形態について添付図面を参照しながら次の順序で説明する。
<1.ケーブル及び機器の構成>
<2.報知態様の例>
<2-1.第1の報知態様>
<2-2.第2の報知態様>
<2-3.第3の報知態様>
<2-4.第4の報知態様>
<2-5.第5の報知態様>
<2-6.第6の報知態様>
<3.第1から第6の報知態様におけるフローチャート>
<4.第2の実施の形態>
<4-1.第7の報知態様>
<4-2.第7の報知態様におけるフローチャート>
<4-3.第8の報知態様>
<4-4.第8の報知態様におけるフローチャート>
<5.変形例>
<6.まとめ>
<7.応用例>
<8.本技術>
【0026】
<1.ケーブル及び機器の構成>
図1及び図2を参照して、本実施の形態のケーブル1及びケーブル1が接続される機器100,101の構成について説明する。
【0027】
ケーブル1は、機器間で有線による信号や電力の伝送路を形成するためのケーブルである。
ケーブル1は、例えば、オーディオケーブルやビデオケーブル、或いはLAN(Local Area Network)ケーブルや、USB(Universal Serial Bus)ケーブルなどの通信ケーブル、更に、機器を充電するための充電ケーブルなどである。即ち、ケーブル1は両端に設けられた二つのコネクタ部を接続する伝送線を備えていればよい。
機器100及び機器101は、オーディオ機器やビデオ機器や通信機器、或いはパーソナルコンピュータなどの情報処理装置等、多様な機器が想定される。
【0028】
ケーブル1は、図2及び図3に示すように、第1コネクタ部C1と第2コネクタ部C2とケーブル部4から成る。なお、図2では第1コネクタ部C1と第2コネクタ部C2が同形状とされているが、コネクタ形状が異なっていてもよい。
図3は、第1コネクタ部C1と第2コネクタ部C2のブロック図である。
【0029】
第1コネクタ部C1は、操作検出部としての第1操作検出部5と、第1報知部6と、第1制御部7を備えている。
第2コネクタ部C2は、操作検出部としての第2操作検出部8と、第2報知部9と、第2制御部10を備えている。
ケーブル部4は、第1コネクタ部C1の端子と第2コネクタ部C2の端子を接続する1または複数本の伝送線11を内部に有している。
伝送線11のうち少なくとも1本は、一方の機器から他方の機器への情報伝達や、他方の機器に駆動電圧を供給するために利用される。
【0030】
第1操作検出部5及び第2操作検出部8は、ケーブル1の接続作業を行う作業者のコネクタ部(第1コネクタ部C1や第2コネクタ部C2)に対する操作を検出する。第1操作検出部5や第2操作検出部8としては、例えば、メカニカルなスイッチを利用した操作スイッチや、作業者が接触したことを検出する接触センサ(図4参照)や、作業者の手などが接近したことを検出する近接センサ(図4参照)などを採用可能である。
なお、図2に示すケーブル1は、第1操作検出部5及び第2操作検出部8として、操作スイッチが設けられた例を示している。
【0031】
第1報知部6及び第2報知部9は、コネクタ部の接続状態を作業者に報知するために設けられている。接続状態は、接続対象とされた機器(接続対象機器)にコネクタ部が接続された状態(接続判定)であるか否か(非接続判定)の別である。
第1報知部6や第2報知部9としては、例えば、発光することによりコネクタ部の接続状態に応じた報知を行う報知発光部や、音を出力することによりコネクタ部の接続状態に応じた報知を行う音出力部(図5参照)やコネクタ部を振動させる振動発生部(図6参照)などを採用可能である。
なお、図2に示すケーブル1は、第1報知部6及び第2報知部9として、報知発光部が設けられた例を示している。
【0032】
第1制御部7は第1コネクタ部C1が機器100に接続されているか否かの検出を行う。即ち、第1コネクタ部C1の接続状態を検出する。該検出のために第1制御部7が利用する情報を「接続情報」と記載する。
例えば第1コネクタ部C1において、機器100との接続有無により端子状態(例えばH(High電位)、L(Low電位)、ハイインピーダンス)が変化する所定の端子が存在する場合、第1制御部7はその所定の端子の端子状態を監視することで、第1コネクタ部C1が機器100に接続されているか否かを検出することができる。即ち、第1コネクタ部C1と機器100が接続されているか否かを示す信号の検出を行う。この場合、端子状態についての情報が接続情報とされる。
また、第1制御部7としては、光センサにより第1コネクタ部C1の端子部分が塞がれている状態(つまり機器100に接続されている状態)と開放されている状態(機器100に接続されていない状態)を検出するようにすることもできる。
更に、第1制御部7は、機器100との接続の有無により状態が変化するメカニカルスイッチを用いて、接続状態を検出するものとしてもよい。
或いは、接続検出信号を機器100から受信することにより、第1コネクタ部C1が機器100に接続されたことを検出可能としてもよい。
コネクタ部の接続状態の検出についてのこれらの形態はあくまで一例である。ケーブルの種類によって接続状態の検出は各種考えられる。
【0033】
第2制御部10は第2コネクタ部C2が機器101に接続されているか否かを検出する。この第2制御部10は、第1制御部7と同様の構成で、第2コネクタ部C2と機器101との接続有無を検出することができる。
【0034】
第1制御部7及び第2制御部10は、対応するコネクタ部の接続状態を常に検出してもよいし、操作検出部での操作検出を契機に接続状態を検出してもよい。
【0035】
第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2が備える各部が出力する信号等について説明する。
第1操作検出部5は、操作を検出したことに応じて検出信号を第1制御部7に出力する。第2操作検出部8も同様に、操作を検出したことに応じて検出信号を第2制御部10に出力する。
なお、第1制御部7は、操作を検出したことを第2制御部10に通知してもよい。また、第2制御部10は、操作を検出したことを第1制御部7に通知してもよい。この場合には、第1操作検出部5による検出信号が第1制御部7と第2制御部10の双方に直接出力されてもよい。同様に、第2操作検出部8による検出信号が第1制御部7と第2制御部10の双方に直接出力されてもよい。
【0036】
第1報知部6及び第2報知部9は、第1制御部7や第2制御部10から入力された接続状態を示す信号(接続情報)に応じて、第1制御部7や第2制御部10から入力された接続情報に応じた報知を行う。第1報知部6及び第2報知部9は、接続されていることを報知してもよいし、接続されていないことを報知してもよい。
具体的には、第1報知部6は、第2操作検出部が操作を検出したことに応じて、第1制御部7から出力される信号に基づいて第1コネクタ部C1が接続された状態であるか否か(接続状態)を報知する。このとき、第1制御部7は第2制御部10から第2操作検出部8が操作を検出した通知を受け取り、検出した第1コネクタ部C1の接続状態を報知してもよいし、第2制御部10を介さずに第2操作検出部8から操作を検出した通知を受け取り、第1コネクタ部C1の接続状態を報知してもよい。
或いは、第1報知部6は、第1操作検出部5が操作を検出したことに応じて、第1制御部7から出力される信号に基づいて第2コネクタ部C2の接続状態を報知する。このとき、第1制御部7は第2制御部10から第2コネクタ部C2についての接続状態に関する情報(接続情報)を受け取り、該情報に応じて第1報知部6に信号を出力してもよいし、第2制御部10を介さずに第2コネクタ部C2についての接続状態に関する情報を取得し、該情報に応じて第1報知部6に信号を出力してもよい。なお、この場合における第2制御部10は、第1操作検出部5が操作を検出したことを認識することにより第1制御部7へ第2コネクタ部C2についての接続情報を送信してもよいし、第1制御部7からの要求に応じて第1操作検出部5の操作検出を認識しないまま第2コネクタ部C2についての接続情報を送信してもよい。
第2報知部9についても同様に、第1操作検出部5が操作を検出したことに応じて、第2制御部10から出力される信号に基づいて第1コネクタ部C1の接続状態を報知してもよいし、第2操作検出部8が操作を検出したことに応じて、第2制御部10から出力される信号に基づいて第1コネクタ部C1の接続状態を報知してもよい。このとき、第2制御部10は第1制御部7から第1コネクタ部C1についての接続情報を受け取り、該情報に応じて第2報知部9に信号を出力してもよいし、第1制御部7を介さずに第1コネクタ部C1についての接続情報を取得し、該情報に応じて第2報知部9に信号を出力してもよい。
【0037】
また第1制御部7と第2制御部10は、互いに接続状態の情報(接続情報)を共有するように検出情報の同期がとられる構成とすることが好ましい。
例えば、第1制御部7と第2制御部10がそれぞれマイクロコンピュータである場合は、相互通信により、第1制御部7と第2制御部10はそれぞれが第1コネクタ部C1と機器100、及び第2コネクタ部C2と機器101の接続状態を認識できるようにする。なお、一方のコネクタ部に搭載された一つのマイクロコンピュータが第1制御部7及び第2制御部10の双方の機能を備えていてもよい。
第1制御部7と第2制御部10がロジック回路等である場合も、それぞれが自己の接続情報を他方側に伝える構成を採ることが望ましい。
【0038】
第1制御部7は、例えば、第1操作検出部5或いは第2操作検出部8が作業者の操作を検出したことの通知を受け取り、第1報知部6に対する第1コネクタ部C1或いは第2コネクタ部C2の接続状態に応じた報知指示を行う。報知指示は、報知対象となるコネクタ部の接続状態に応じた信号を出力することにより行われる。例えば、第1制御部7は、第1コネクタ部C1と機器100が接続された状態においてH(High電位)を検出し、接続されていない状態においてはL(Low電位)を検出し、H/Lそれぞれに対応する信号を第1報知部6に出力する。これにより、第1報知部6における第1コネクタ部C1についての報知態様を実現させる。第2コネクタ部C2についても同様の構成とすることができる。
制御部と報知部の組みあわせは幾つか考えられる。例えば、第1制御部7が報知対象のコネクタ部の接続状態に応じた信号を第1報知部6に出力することにより報知態様を実現する。
或いは、第1制御部7が第2制御部10を介して、報知対象のコネクタ部の接続状態に応じた信号を第2報知部9に出力してもよい。
更には、第1制御部7が第2制御部10を介さずに直接第2報知部9に出力してもよい。
第2制御部10が各報知部に対して信号を出力する場合についても同様のバリエーションが考えられる。
【0039】
なお、信号を出力しないことにより報知指示を行うように構成してもよい。例えば、報知対象のコネクタ部が接続されていない場合に、第1制御部7が第1報知部6に対して信号を出力しないことにより第1報知部6の報知動作を停止し、これにより作業者に報知対象のコネクタ部が接続されていないことを報知するように構成してもよい。
【0040】
第1コネクタ部C1が機器100に接続されている状態、又は第2コネクタ部C2が機器101に接続されている状態では、機器100又は機器101からケーブル1に対する動作電圧が供給されるようにすることが考えられる。
例えば第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2には、電源電圧端子とグランド端子が設けられ、ケーブル部4には第1コネクタ部C1と第2コネクタ部C2の各電源電圧端子、及び各グランド端子間を接続する電源ライン配線とグランド配線(図3では、まとめて電源電圧として記載している)が設けられるようにする。
そして機器100又は機器101は、この電源電圧端子とグランド端子間に動作電源電圧を供給する。この動作電源電圧は、第1コネクタ部C1における第1操作検出部5、第1報知部6、及び、第1制御部7の動作電源電圧であり、また、第2コネクタ部C2における第2操作検出部8、第2報知部9、及び、第2制御部10の動作電源電圧となる。
このような構成とすることで、第1コネクタ部C1と第2コネクタ部C2の少なくとも一方が機器100又は機器101に接続される状態で、以下説明するケーブル1内の動作が実行可能となる。
なお、ケーブル1内にバッテリーを配置し、機器100又は機器101からの動作電源電圧供給が行われない場合でも、ケーブル1が後述する動作を実行できるようにしてもよい。また、ケーブル1内にバッテリーを配置した場合であっても、機器100又は機器101からの動作電源電圧供給が行われた場合に該バッテリーを使用して後述する動作を実行できるようにしてもよい。これにより、動作電源電圧の供給が行われていない状態でバッテリーを消耗してしまい、必要なときに動作できなくなってしまうような不具合を回避することができる。
【0041】
ケーブル1がバッテリーを備えている場合、第1制御部7及び第2制御部10は、対応するコネクタ部の接続状態を常に検出していてもよい。バッテリーを備えていない場合は、操作検出部での操作検出を契機に接続状態を検出してもよい。これにより、バッテリーを消耗してしまい、必要なときに動作できなくなってしまうような不具合を回避することができる。
【0042】
第1制御部7や第2制御部10は、例えば、マイクロコンピュータなどが採用されることにより構成してもよいし、ロジック回路を用いて構成してもよい。また検知信号に応じて第1報知部6や第2報知部9を駆動する駆動回路として構成してもよい。
なお、図3に示すブロック図においては、第1制御部7が第1コネクタ部C1の動作を統括的に制御する制御部として機能している例を示しているが、その他の部分が制御部としての機能を有していてもよいし、別に制御部が設けられていてもよい。第2コネクタ部C2についても同様である。
【0043】
なお、第1コネクタ部C1に第1操作検出部5及び第1報知部6が設けられ、第2コネクタ部C2に第2操作検出部8及び第2報知部9が設けられている例を説明したが、第1操作検出部5及び第2操作検出部8のうち一方のみが設けられているケーブル1や、第1報知部6と第2報知部9のうち一方のみが設けられているケーブル1であってもよい。
【0044】
<2.報知態様の例>
第1報知部6や第2報知部9の報知態様の例について説明する。具体的には、第1コネクタ部C1や第2コネクタ部C2が機器100や機器101に接続された状態か否かに応じて各種の報知がなされる。また、例によっては、コネクタ部が接続されているか否かの情報だけでなく、それ以外の情報についての報知も行う。
また、ケーブル1は、第1コネクタ部C1が機器100に接続されている状態か、或いは第2コネクタ部C2が機器101に接続された状態においていずれかの報知部が報知を行うものとして説明する。即ち、第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2が何れの機器にも接続されていない状態においては、報知部に対する動作電圧の供給が行われず、報知動作を行うことができない。
【0045】
第1操作検出部5及び第2操作検出部8としては、メカニカルスイッチを利用した操作スイッチが設けられた例に挙げて説明するが、接触センサ、或いは、近接センサが用いられていてもよい。
【0046】
また、第1報知部6及び第2報知部9としては、発光素子を用いた報知発光部が設けられた例を挙げて説明するが、音出力部、或いは、振動発生部が用いられていてもよい。
【0047】
なお、各例においては、第1コネクタ部C1と第2コネクタ部C2を逆にした状態で同様の操作を行ったとしても、各報知態様で説明する効果を得ることができる。
【0048】
<2-1.第1の報知態様>
第1の報知態様は、第1コネクタ部C1が機器100に接続され且つ第2コネクタ部C2が機器101に接続されていない状態において第2操作検出部8が作業者の操作を検出した場合の報知態様である。
第1の報知態様では、図7に示すように、第1報知部6が発光動作を行うことにより、第2コネクタ部C2と対になる第1コネクタ部C1の位置を報知する。これにより、第2コネクタ部C2及び第1コネクタ部C1の双方が目の届く範囲に位置している場合において、作業者は第2コネクタ部C2の反対側の第1コネクタ部C1を識別可能とされる。特に、第1コネクタ部C1と第2コネクタ部C2を繋ぐケーブル部4が他の多数のケーブルと共にまとめられている状況などにおいては、対となるコネクタ部の確認が困難な場合がある。このような状況下では、第1の報知態様による報知が効果的である。
なお、図8図7に示す状態を模式的に示した図である。以降の説明においては、適宜模式図を利用して説明を行う。
【0049】
なお、第1コネクタ部C1の第1報知部6が発光することにより、第1コネクタ部C1が機器100に接続された状態であることも併せて報知可能である。換言すれば、第1コネクタ部C1が機器100に接続されておらずフリーな状態である場合、換言すれば、第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2の双方が機器に接続されておらずフリーな状態である場合には、動作電源が供給されず第1報知部6による発光動作を行うことができない。第1報知部6が発光しないことにより第1コネクタ部C1が接続されていない状態を作業者に認識させることが可能である。
【0050】
第1の報知態様を実現するためには、第2コネクタ部C2の第2操作検出部8が操作されたことを第1報知部6が認識する必要がある。そのために、第2操作検出部8が操作されたことが伝送線11を介して第1コネクタ部C1の第1報知部6に通知される。
該通知は、第2コネクタ部C2が備える制御部によって実行されてもよいし、第2コネクタ部C2の第2操作検出部8が押下されたことによって変化するアナログ値(電圧値など)を伝送線11を介して第1報知部6が検出することにより該通知が行われたとみなしてもよい。
第2操作検出部8に対する操作を第1報知部6が直接検出する場合は、アナログ値の変化に応じて報知態様が現出するように等が構成されていてもよい。また、この第1報知部6が第2操作検出部8に対する操作を直接検出して報知を行う場合には、第1コネクタ部C1についての接続情報を第1報知部6が取得している必要がある。これについては、例えば、第1コネクタ部C1についての接続情報に基づいた信号出力を第1制御部7から常に受信し続けることにより、第1報知部6は、該出力信号と第2操作検出部8の操作検出に基づいて報知態様を実現させることができる。このような構成は、デジタル回路やロジック回路等により実現可能であり、プログラム等による各部の制御を不要とすることもできる。
【0051】
例えば、第2操作検出部8の検出信号が第1コネクタ部C1の第1報知部6に伝送されることにより第1報知部6の報知が行われてもよい。
また、第2操作検出部8の検出信号が第1コネクタ部C1の第1制御部7を介して第1報知部6に伝送されてもよい。
更に、第2操作検出部8の検出信号が第2制御部10及び第1制御部7を介して第1報知部6に伝送されてもよい。
また、第2操作検出部8の検出信号が第2制御部10を介して第1報知部6に伝送されてもよい。
更には、第2操作検出部8の検出信号が第1コネクタ部C1の第1制御部7へ伝送され、第1制御部7から第1報知部6に制御信号が送信されることにより第1報知部6による報知動作が実現されてもよい。
また、第2操作検出8の検出信号が第2制御部10へ伝送され、第2制御部10からの制御信号が直接第1報知部6に送信されることにより、或いは、第1制御部7を介して第1報知部6に送信されることにより実現してもよい。
これらの通知については、後述する各例においても同様である。
【0052】
<2-2.第2の報知態様>
第2の報知態様は、第1コネクタ部C1が機器100に接続され且つ第2コネクタ部C2が機器101に接続されていない状態において第2操作検出部8が作業者の操作を検出した場合の報知態様である。即ち、各コネクタ部の接続状態は第1の報知態様と同様である。
第2の報知態様では、図9に示すように、作業者の操作に応じて第2報知部9による発光動作が行われ、第1コネクタ部C1の接続状態の報知が行われる。
【0053】
第2の報知態様は、例えば、作業者が手元にある第2コネクタ部C2の視認ができると共に隣の部屋などに位置する機器100に接続された第1コネクタ部C1の視認ができない状態などで有効な報知態様である。
【0054】
具体的には、第2操作検出部8が作業者の操作を検出したことに応じて、第2報知部9による報知が行われる。第1コネクタ部C1が機器100に接続された状態においては、第2報知部9が発光動作を行うことにより、第1コネクタ部C1が機器に接続されていることの報知を行う。
一方、第1コネクタ部C1が機器100に接続されていない状態においては、第2操作検出部8を操作したにも関わらず第2報知部9が発光動作を行わないことで、第1コネクタ部C1が機器100に接続されていないことを作業者に報知することができる。
【0055】
なお、第1の報知態様と第2の報知態様を同時に実施してもよい。具体的には、第2コネクタ部C2の第2操作検出部8が作業者の操作を検出した場合に、第1コネクタ部C1が機器100に接続された状態においては第1報知部6及び第2報知部9が共に発光動作を行う。
また、第2操作検出部8が作業者の操作を検出した場合に、第1コネクタ部C1が機器100に接続されていない状態においては第1報知部6及び第2報知部9が共に発光動作を行わない(或いは行えない)。これにより、第1コネクタ部C1が作業者に視認可能とされていてもそうでなくても、確実な報知を行うことができる。
なお、第2報知部9として振動発生部が用いられている場合においては、第1の報知態様よりも第2の報知態様の方が好ましい。即ち、作業者の操作対象とされた第2コネクタ部C2を振動させる方が、操作対象でない第1コネクタ部C1を振動させるよりも確実な報知を行うことができる。
【0056】
<2-3.第3の報知態様>
第3の報知態様は、第1コネクタ部C1が機器100に接続され、第2コネクタ部C2が機器101に接続されていない状態で、第1操作検出部5が作業者の操作を検出した場合の報知態様である。
第3の報知態様では、図10に示すように、第1操作検出部5の操作検出に応じて第2報知部9による発光動作が行われ、第2コネクタ部C2の位置が報知される。また、第2コネクタ部C2が機器101に接続されていないことを発光パターンなどによって報知してもよい。
【0057】
第3の報知態様は、例えば、複数のケーブルが束ねられており対となる二つのコネクタ部が識別できないような場合に好適である。即ち、他端側のコネクタ部の状況を把握したい作業者は、手元にある一方のコネクタ部(第1コネクタ部C1)を操作することにより、他端側のコネクタ部(第2コネクタ部C2)の第2報知部9による発光動作を確認し、他端側のコネクタ部の特定を行う。
【0058】
また、第2コネクタ部C2が機器101に接続されていないことを発光パターンによって報知することにより、接続されているか否かを視認しにくいような場合に有用である。
【0059】
<2-4.第4の報知態様>
第4の報知態様は、第3の報知態様と同様に、第1コネクタ部C1が機器100に接続され、第2コネクタ部C2が機器101に接続されていない状態で、第1操作検出部5が作業者の操作を検出した場合の報知態様である。
【0060】
第4の報知態様では、図11に示すように、第1操作検出部5の操作検出に応じて第1報知部6による発光動作が行われることにより、第2コネクタ部C2の位置や接続状態が作業者に報知される。
【0061】
第4の報知態様は、例えば、第2コネクタ部C2が視認できないような位置に存在する場合などに、該視認できない第2コネクタ部C2の接続状態を作業者が把握するのに好適である。
【0062】
第3の報知態様と第4の報知態様は何れも、操作が検出された第1コネクタ部C1とは他端側とされた第2コネクタ部C2の接続状態を作業者に報知するものであるが、第1報知部6や第2報知部9として振動発生部が用いられている場合においては、第4の報知態様の方が望ましい。即ち、作業者が操作対象とした第1コネクタ部C1は作業者の手の届く範囲に位置していることが考えられるため、第1コネクタ部C1を振動させる方が作業者への報知には好適である。
【0063】
<2-5.第5の報知態様>
第5の報知態様は、第1コネクタ部C1が機器100に接続されると共に第2コネクタ部C2が機器101に接続された状態において、第1操作検出部5が作業者の操作を検出した場合の報知態様である。
【0064】
第5の報知態様では、図12に示すように、第1操作検出部5の操作検出に応じて第2報知部9による発光動作が行われることにより、第2コネクタ部C2の位置や接続状態が作業者に報知される。
【0065】
第5の報知態様は、例えば、ケーブル部4が他のケーブルと束ねられていることにより第1コネクタ部C1と対となる第2コネクタ部C2が確認できないような状況において好適な態様である。
【0066】
なお、第5の報知態様では、第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2がそれぞれ機器100及び機器101に接続された状態とされている。この状況においては、第2コネクタ部C2が機器101に接続されていることを報知するだけでなく、他の情報の報知を含めてもよい。
【0067】
例えば、ケーブル1が機器100と機器101の間で情報通信を行うための通信ケーブルである場合に、ケーブル1を介して行われる機器100と機器101の通信の速度に応じた点灯パターンを第2報知部9を用いて現出させることにより、より多くの情報を作業者に伝達することができる。
【0068】
具体的に、図13を参照して説明する。
第1コネクタ部C1が機器100に接続されている状態で第1操作検出部5が作業者の操作を検出した場合において、第2コネクタ部C2が機器101に接続されていない場合(即ち上記の第3の報知態様)には、図13Aに示すように、操作検出後も第2報知部9としての報知発光部が非点灯とされることにより、第2コネクタ部C2の接続状態(即ち、第2コネクタ部C2が接続されていないこと)が通知される。
【0069】
また、第2コネクタ部C2が機器101に接続されている状態であり、且つ、ケーブル1を介して行われる機器100と機器101の通信の速度が所定速度未満である場合には、図13Bに示すように、発光周期を長くして点滅させる発光態様とすることにより、作業者への報知を行う。
一方、第2コネクタ部が機器101に接続されている状態であり、且つ、ケーブル1を介して行われる通信の速度が所定速度以上である場合には、図13Cに示すように、発光周期を短くして点滅させる発光態様とすることにより、作業者への報知を行う。
【0070】
通信速度の情報については、機器100や機器101から第1コネクタ部C1や第2コネクタ部C2へ伝達される。或いは、第1コネクタ部C1や第2コネクタ部C2の少なくとも一方に、通信速度を測定する測定部が設けられていてもよい。
何れの場合であっても、通信速度の情報を取得可能な通信速度検出部が何れか一方のコネクタ部に設けられることにより実現可能である。
【0071】
なお、図13B及び図13Cに示すように、所定速度以上であるか否かに応じた二つのパターンに応じて、二つの点灯パターン(点滅パターン)の何れを現出させるかを決定してもよいし、更に10段階などに細分化して分類した通信速度に応じて、10種類の点灯パターンを決定してもよい。また、通信速度に比例(或いは反比例)するように点灯間隔を決定することにより、実質無段階の報知態様としてもよい。
【0072】
また、通信速度に応じて発光色を変更してもよい。例えば、所定速度未満である場合には第2報知部9を赤色に点灯させることにより報知を行い、所定速度以上である場合には第2報知部9を緑色に点灯させることにより報知してもよい。更には、通信速度に応じて点灯色が無段階に変化するようにしてもよい。この態様によれば、通信速度の微細な変化が点灯色によって把握可能とされるため、不具合の発見などに寄与することができる。
【0073】
点灯パターンを変更する場合であっても、或いは点灯色を変更する場合であっても、作業者は機器間の通信速度について第1コネクタ部C1に対する操作を行うだけで把握することができるため、意図せず通信速度が低速度になってしまうような不具合が発生した場合に容易に発見することができ、利便性の向上を図ることができる。
【0074】
また、第1コネクタ部C1に対する操作だけでなく、第2コネクタ部C2に対する操作を行った場合についても第2操作検出部8が検出を行い第2報知部9が通信速度に基づく報知を行うことにより、ケーブル部4の両端に設けられた二つのコネクタ部のうち、操作容易な方のコネクタ部を操作することにより通信速度の把握が可能なため、利便性の向上や不具合の早期発見に寄与することができる。
【0075】
更に他の例として、ケーブル1の性能と通信速度の関係性に基づいて点灯パターンを変更してもよい。
具体的に、USBの規格であるUSB2.0とUSB3.0を例に挙げて説明する。
USB2.0は理論上の最大データ転送速度が480Mbpsとされた規格である。また、USB3.0は理論上の最大データ転送速度が5Gbpsとされた規格である。
USB3.0の転送性能(通信速度性能)を引き出すためには、USBケーブルとしてのケーブル1がUSB3.0の規格に対応している必要があると共に、ケーブル1が接続される機器100のUSBポートもUSB3.0の規格に対応している必要がある。即ち、ケーブル1と機器100のUSBポートの何れか一方でもUSB3.0の規格に対応していない場合は、USB3.0の転送性能を引き出すことができない。
【0076】
ケーブル1がUSB2.0の規格である場合には、機器100や機器101のUSBポートがUSB3.0に対応していたとしても、第2報知部9は図13Bに示すような点灯間隔の長い点灯パターンとする。これにより、作業者にUSB2.0の規格に基づく低速通信しかできないことを通知する。
また、ケーブル1がUSB3.0の規格に対応していたとしても、機器100や機器101のUSBポートの何れかがUSB3.0に対応していない場合には、第2報知部9は図13Bに示す点灯パターンを採用する。
【0077】
一方、ケーブル1がUSB3.0の規格に対応しており、且つ、機器100や機器101のUSBポートがUSB3.0に対応している場合には、第2報知部9は図13Cに示すような点灯間隔の短い点灯パターンを採用する。これにより、作業者にUSB3.0の規格に基づく高速通信が可能であることを通知する。
【0078】
機器100や機器101の各USBポートがUSB3.0の規格に対応しているか否かの情報は、機器100や機器101から取得してもよいし、各コネクタ部が備える測定部が測定した通信速度に応じて点灯パターンが変更されるように構成してもよい。
【0079】
また、機器100と機器101の間で実際に通信が行われている場合にのみ図13B図13Cに示す点灯パターンが現出するように構成してもよいし、実際に通信が行われていない場合に図13B図13Cに示す点灯パターンが現出するように構成してもよい。
【0080】
後者の例としては、例えば、ケーブル1の第1コネクタ部C1を機器100のUSBポートに接続した際に機器100から該USBポートについての規格の情報を第1コネクタ部C1が取得し、第2コネクタ部C2を機器101のUSBポートに接続した際に機器101からUSBポートについての規格の情報を第2コネクタ部C2が取得し、ケーブル1の両端がUSBポートに接続されてから所定秒数の間、図13Bに示す点灯パターンや図13Cに示す点灯パターンが第2報知部9によって現出されるようにしてもよい。
これにより、作業者は両コネクタ部を機器に接続した際に、高速通信が可能な通信経路が確立されたか否かの報知を受け取ることができるため、意図した接続を行うことができたか否かについての判断をその場で行うことが可能となる。
【0081】
第2報知部9の点灯態様により第2コネクタ部C2の接続状態以外の情報を報知する他の例として、機器101が充電機器とされ機器100が携帯電話などの充電対象機器とされる場合について説明する。
【0082】
このような状況においては、充電量(現在の充電量を最大充電量で除算した値に100を乗算したもの)に応じた報知を行うことが考えられる。
例えば、機器100から充電量の情報が第1コネクタ部C1に通知される。即ち、第1コネクタ部C1には機器100の充電状態を取得可能な充電状態検出部が設けられている。
第1コネクタ部C1の第1報知部6は、第2コネクタ部C2から操作を検出したことが通知されたこと、及び、充電状態検出部が充電状態を検出したことを条件として、充電量の多寡に応じた報知態様を現出させる。
具体的には、機器100の充電量が所定値(例えば80%)未満である場合には、図13Bに示すような点灯間隔とされた点灯パターンによる発光動作を行う。また、機器100の充電量が所定値以上である場合には、図13Cに示すような点灯間隔とされた点灯パターンによる発光動作を行う。これにより、機器100を操作しなくても作業者は機器100の充電量を把握することができるため、利便性が高い。
【0083】
なお、この例では、2段階(所定値未満か所定値以上)の報知態様としたが、更に細かく報知態様を変えてもよい。例えば、10%刻みで報知態様(点灯間隔)を変えることにより、作業者はより正確な充電量を把握することができる。
また、点灯間隔を変更する以外にも、点灯色を変更することにより、充電量の報知を行ってもよい。もちろん、第1コネクタ部C1に設けられた報知発光部により第1コネクタ部C1の接続状態を報知すると共に、第1コネクタ部C1に設けられた音出力部により充電量の報知を行ってもよい。
【0084】
充電機器とされた機器101に多くの充電対象機器100が接続されている場合において、第5の報知態様を適用した場合には、機器101側の第2コネクタ部C2が操作検出を行い第1コネクタ部C1が発光動作を行うことにより、接続状態や充電量に応じた報知が行われる。即ち、多数接続された充電対象機器100のうちの何れのものがどの程度充電されているかを作業者が把握することができるため、機器100の充電が完了したことにより機器101から第2コネクタ部C2を抜去する際の作業効率を向上させることができる。また、充電完了したことにより抜去しようとしている第2コネクタ部C2に対応した機器100が容易に特定されるため、それ以外の機器に接続されているコネクタ部を誤って抜去してしまうことが防止される。
【0085】
また、機器100が充電機器とされ機器101が充電対象機器とされた場合には、充電対象機器に接続された第2コネクタ部C2を操作することで、充電機器に接続された第1コネクタ部C1の第1報知部6による報知動作が行われる。これにより、自身の携帯電話などに接続された第2コネクタ部C2を操作することにより、該携帯電話が接続された機器100側のポートが特定されるため、意図しないコネクタ部の抜去などを行ってしまう可能性を低減させることができる。即ち、利便性の向上が図られている。
【0086】
<2-6.第6の報知態様>
第6の報知態様は、第5の報知態様と同様に、第1コネクタ部C1が機器100に接続されると共に第2コネクタ部C2が機器101に接続された状態において、第1操作検出部5が作業者の操作を検出した場合の報知態様である。
【0087】
第6の報知態様では、図14に示すように、第1操作検出部5の操作検出に応じて第1報知部6による発光動作が行われることにより、第2コネクタ部の接続状態が作業者に報知される。第6の報知態様は、例えば、第2コネクタ部C2が視認できないような位置に存在する場合などに、該視認できない第2コネクタ部C2の接続状態を作業者が把握するのに好適である。
【0088】
また、第5の報知態様で説明したように、第2コネクタ部C2が機器101に接続されているか否かを報知するだけでなく、通信速度や機器の充電量に応じた報知を行うことにより、作業者に情報提供を行ってもよい。
【0089】
第6の報知態様によれば、操作対象とされた第1コネクタ部C1の第1報知部6が報知動作を行うため、相手側の機器101の位置などを把握していなくても機器101の充電量の情報や接続状態を把握することができる。これにより、作業効率の向上を図ることができる。
【0090】
第5の報知態様及び第6の報知態様を実現するための第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2のブロック図について、図15に示す。
第1コネクタ部C1は、第1操作検出部5、第1報知部6、第1制御部7に加えて、通信速度検出部12、充電状態検出部13を備えている。
【0091】
第2コネクタ部C2は、第2操作検出部8、第2報知部9、第2制御部10を備えている。
【0092】
充電状態検出部13は第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2の双方に設けられていてもよい。
また、通信速度検出部12及び充電状態検出部13は、第2コネクタ部C2に設けられていてもよい。また、通信速度検出部12と充電状態検出部13は何れか一方が設けられていなくてもよい。例えば、第1報知部6や第2報知部9が接続状態及び通信速度に応じた報知を行う場合には、充電状態検出部13が設けられていなくてもよい。また、第1報知部6や第2報知部9が充電対象機器の充電状態に応じた報知を行う場合には、通信速度検出部12が設けられていなくてもよい。
【0093】
通信速度検出部12には、機器間の通信データが入力される。通信データを検知することにより、機器間の情報通信における通信速度の検出が可能とされている。通信速度の情報は各機器から取得してもよい。
【0094】
充電状態検出部13には、充電対象機器から充電状態における情報を取得可能とされる。
なお、図15に示す状態は、第1コネクタ部C1が接続される機器100が充電対象機器(携帯電話など)とされ、第2コネクタ部C2が接続される機器101が充電機器とされている。
【0095】
<3.第1から第6の報知態様におけるフローチャート>
第1から第6の報知態様を実施するためのフローチャートについて、図16を参照して説明する。
【0096】
先ず、コネクタ部(第1コネクタ部C1または第2コネクタ部C2)は、機器とコネクタ部の接続を検知したか否かをステップS101で判定する。この判定処理では、例えば、第1コネクタ部C1または第2コネクタ部C2の何れか一方が機器100または機器101に接続されたことを検出した場合に「Yes」判定として処理を進める。即ち、第1コネクタ部C1と第2コネクタ部C2で独立して図16に示すフローチャートを実行している場合には、何れか一方のコネクタ部が機器に接続されたことを検出した場合に、何れのコネクタ部においてもステップS101の判定処理で「Yes」と判定する。
【0097】
コネクタ部は、ステップS102において、作業者による操作を検出したか否かを判定する。この処理では、例えば、自身(コネクタ部)に対する操作が検出されたか否かに応じた分岐処理とされる。即ち、作業者が第1コネクタ部C1に対する操作を行った場合には、第1コネクタ部C1はステップS102の処理において「Yes」判定とするが、第2コネクタ部C2はステップS102の処理において「No」判定とされる。
【0098】
ステップS101またはステップS102の何れかの判定処理で「No」判定とされた場合には、再びステップS101の処理へと戻る。
また、ステップS101及びステップS102の何れの処理においても「Yes」判定となった場合には、続くステップS103の処理へと進む。
【0099】
コネクタ部はステップS103において、ケーブル1の両端の第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2の接続状態に応じた分岐処理を行う。なお、第1コネクタ部C1は第1コネクタ部C1の接続状態だけでなく第2コネクタ部C2の接続状態の情報(接続情報)も取得可能とされている。
【0100】
ステップS103において、第1コネクタ部C1または第2コネクタ部C2のうち一方のみが接続された状態、換言すれば、一方のみが接続されていない状態と判定した場合、コネクタ部はステップS104で接続状態に応じた報知を実行する。
【0101】
例えば、前述の第1の報知態様によれば、第2コネクタ部C2の第2操作検出部8が操作を検出したことに応じて、第2コネクタ部C2がステップS104の処理を実行する。その際に第1コネクタ部C1の第1報知部6による報知を実行する。この処理は、例えば、第2コネクタ部C2の第2制御部10が第2操作検出部8の操作検出に基づく制御信号(検出信号)をケーブル部4の伝送線11を介して第1コネクタ部C1の第1報知部6に送信することにより、報知動作を実行させる。
【0102】
また、前述の第2の報知態様によれば、第2コネクタ部C2の第2操作検出部8が操作を検出したことに応じて、第2報知部9がステップS104の処理を実行する。この場合には、操作検出から報知までが第2コネクタ部C2の内部で完結する。
【0103】
前述の第3の報知態様によれば、第1コネクタ部C1の第1操作検出部5が操作を検出したことに応じて、第1コネクタ部C1がステップS104の処理を実行する。その際に第2コネクタ部C2の第2報知部9による報知を実行する。この処理は、例えば、第1コネクタ部C1の第1制御部7が第1操作検出部5の操作検出に基づく制御信号(検出信号)をケーブル部4の伝送線11を介して第2コネクタ部C2の第2報知部9に送信することにより、報知動作を実行させる。換言すれば、第2報知部9は、第1コネクタ部C1の第1操作検出部5が操作を検出したことを検知し報知動作を行う。
【0104】
前述の第4の報知態様によれば、第1コネクタ部C1の第1操作検出部5が操作を検出したことに応じて、第1報知部6がステップS104の処理を実行する。この場合には、操作検出から報知までが第1コネクタ部C1の内部で完結する。
【0105】
ステップS103において、第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2の双方が接続された状態と判定した場合、コネクタ部はステップS105で接続状態及び転送速度に応じた報知を実行する。
【0106】
例えば、前述の第5の報知態様によれば、第1コネクタ部C1の第1操作検出部5が操作を検出したことに応じて、第1コネクタ部C1がステップS105の処理を実行する。
具体的には、第1コネクタ部C1の第1制御部7が第1操作検出部5の操作検出に基づく制御信号をケーブル部4の伝送線11を介して第2コネクタ部C2の第2報知部9に送信することにより実現する。
【0107】
また、前述の第6の報知態様によれば、第1コネクタ部C1の第1操作検出部5が操作を検出したことに応じて、第1コネクタ部C1が第1報知部6による報知動作をステップS105の処理として実行する。この場合には、操作検出から報知までが第1コネクタ部C1の内部で完結する。
【0108】
なお、図16のステップS105の処理では、接続状態及び転送速度に応じた報知を実行する例を挙げたが、上述のように、接続状態及び充電量に応じた報知を実行するように構成してもよい。
また、両コネクタ部が接続された状態において、転送速度や充電量に応じた報知を行わずに、接続状態に応じた報知のみを実行するように構成してもよい。例えば、第1コネクタ部C1が機器100に接続された状態において、第2コネクタ部C2が機器101に接続されていない場合は、ステップS104の処理において一方のコネクタ部のみが機器に接続された状態を報知するための報知態様を現出させ、第2コネクタ部C2が機器101に接続されている場合は、ステップS105の処理において双方のコネクタ部が共に機器に接続された状態を報知するための報知態様を現出させてもよい。これにより、双方のコネクタ部が接続されているか否かを作業者に報知することができ、作業効率の向上を見込める。
また、この場合には、転送速度や充電量を報知するための構成が不要となるため、各コネクタ部の構成を簡易化することができ、製造工程の削減やコスト削減に寄与することができる。
【0109】
なお、ステップS101の接続検知判定処理は、ステップS102の処理の後に行ってもよい。具体的には、コネクタ部に対する操作を検出した後、接続検知の判定処理を行ってもよい。例えば、ケーブル1にバッテリーを備えている場合には、両端が接続されていなくてもケーブル1が図16に示す一連の処理を実行することは可能なため、コネクタ部に対する操作を検出したことを契機として各コネクタ部の接続情報を取得し、それに応じた報知を行うように構成されてもよい。また、その場合には、ステップS103の判定処理に加えて両端共に接続されていない場合の分岐処理を行い、両端が接続されていない場合にはその旨を報知するための報知態様を現出するように処理が行われてもよい。
後述する他のフローチャートについても同様である。
【0110】
<4.第2の実施の形態>
これまでに説明してきた第1の実施の形態とは異なる第2の実施の形態について、添付図を参照して説明する。
第2の実施の形態におけるケーブル1は、一方のコネクタ部(本例では第2コネクタ部C2)が機器(本例では機器101)に接続され、且つ、他方のコネクタ部(本例では第1コネクタ部C1)が機器に接続されていない状態において、他方のコネクタ部の操作検出部が操作を検出した場合に他方のコネクタ部を機器における接続すべき場所へ誘導するための報知を報知部が行うことを特徴としている。
【0111】
図17に第2の実施の形態におけるケーブル1の使用態様の一例を示す。また、図18に第2の実施の形態におけるケーブル1のブロック図の一例を示す。
【0112】
ケーブル1における第1コネクタ部C1には、メカニカルスイッチが採用された第1操作検出部5と音出力部としての第1報知部6とが設けられている。
更に、第1コネクタ部C1には、光を受光する第1受光部14と機器に対して無線によるトリガ送信を行う第1無線送信部15が設けられている。
同様に、第2コネクタ部C2には、メカニカルスイッチが採用された第2操作検出部8と音出力部としての第2報知部9とが設けられ、更に、第2受光部16と第2無線送信部17とが設けられている。
【0113】
第1コネクタ部C1には、第1無線送信部15が情報を送信するための第1アンテナ18が設けられている(図18参照)。同様に、第2コネクタ部C2には、第2無線送信部17が情報を送信するための第2アンテナ19が設けられている(図18参照)。
【0114】
本例では、第1コネクタ部C1を所定の場所へ誘導するための報知を行うため、第1コネクタ部C1を例にあげて誘導の仕組みを説明するが、第2コネクタ部C2を所定の場所に誘導するための報知を行う場合についても同様の構成とされている。
【0115】
第1報知部6は、第1受光部14が受光した光の波長に応じて第1コネクタ部C1を所定の場所に誘導するための音出力を行う。なお、そのために、第1受光部14が、特定波長の光のみ受光可能に構成されていてもよい。
例えば、第1制御部7は、第1受光部14が特定波長の光を受光したことの通知を受け取り、第1報知部6に対して報知指示を行う。
【0116】
なお、図18に示すブロック図においては、第1制御部7が第1コネクタ部C1の動作を統括的に制御する制御部として機能している例を示しているが、その他の部分が制御部としての機能を有していてもよいし、別に制御部が設けられていてもよい。
【0117】
第1無線送信部15は、作業者の操作を第1操作検出部5が検出したことに応じて、即ち、作業者が第1操作検出部5としてのメカニカルスイッチを押下したことに応じて、機器100に対して発光を指示するためのトリガを送信する。
例えば、第1制御部7は、第1操作検出部5の検出結果を受け取り、第1無線送信部15にトリガの送信を指示する。
【0118】
第1コネクタ部C1が接続される機器100について、図17及び図19を参照して説明する。また、機器100のブロック図を図20に示す。
機器100は、コネクタ部が接続される第1接続部102、第2接続部103、第3接続部104、第4接続部105が設けられている。また、それぞれの接続部の上部には発光ダイオード(LED: Light Emitting Diode)などによって構成された発光部が設けられている。具体的には、第1発光部106が第1接続部102の上部に設けられ、第2発光部107が第2接続部103の上部に設けられ、第3発光部108が第3接続部104の上部に設けられ、第4発光部109が第4接続部105の上部に設けられている。
【0119】
第1発光部106から出射される光の波長(第1波長)と、第2発光部107から出射される光の波長(第2波長)と、第3発光部108から出射される光の波長(第3波長)と、第4発光部109から出射される光の波長(第4波長)は異なるものとされる。例えば、第1波長は赤色光となる波長(例えば700nm)とされ、第2波長は青色光となる波長(例えば470nm)とされ、第3波長は緑色光となる波長(例えば530nm)とされ、第4波長は黄色光となる波長(例えば580nm)とされる。
【0120】
更に、機器100には、第1無線送信部15からのトリガを受信する無線受信部110が設けられている。また、機器100には、無線受信部110が情報を受信するためのアンテナ111が設けられている(図20参照)。
機器100は、第1無線送信部15からのトリガを受信したことに応じて第1発光部106、第2発光部107、第3発光部108、第4発光部109の発光動作を行う。発光動作についての詳細は後述する。
トリガの受信に応じた発光動作を行うことにより、適切なタイミングで発光することができると共に常時発光しなくても済むため、消費電力の低減に寄与することができる。
なお、機器100側に設けられた制御部によって各発光部の発光制御が行われてもよい。例えば、無線受信部110からの受信信号を機器100の制御部が受け取り、該受信信号に応じて適切な発光部に対する発光指示がなされてもよい。
【0121】
なお、図20に示すように、第1発光部106、第2発光部107、第3発光部108、第4発光部109以外にも発光部が設けられていてもよい。その場合には、第1接続部102、第2接続部103、第3接続部104、第4接続部105以外にも接続部が設けられていてもよい。
【0122】
<4-1.第7の報知態様>
第7の報知態様は、第2コネクタ部C2が機器101に接続され、第1コネクタ部C1が何れの機器にも接続されていない状態において、第1操作検出部5が作業者の操作を検出した場合の報知態様である。
【0123】
第7の報知態様では、図19に示すように、第1報知部6の動作により作業者に正しい接続位置を報知するものである。
具体的に、作業者が第1コネクタ部C1を機器100に設けられた第1接続部102の略対向した位置から第4接続部105に略対向する位置まで移動させた場合に、特定の位置で報知音が出力される。
例えば、本例におけるケーブル1の正しい接続先が第1接続部102であった場合には、第1コネクタ部C1が第1接続部102の略対向する位置に位置した際に第1報知部6による報知動作が行われる。
【0124】
これにより、機器100における接続部が設けられている面が視認出来ないような位置及び体勢で第1コネクタ部C1の接続作業を行おうとしているような場合に、報知音を頼りに手探りに第1コネクタ部C1を機器100の第1接続部102に接続することが可能となり、作業効率の向上を図ることができる。
また、作業者が機器100における接続部が設けられている面を視認出来るような場合であっても、正しい接続先や最適な接続先に基づく報知がなされるため、作業ミスの発生を抑制することや作業効率の向上を図ることができる。
【0125】
<4-2.第7の報知態様におけるフローチャート>
第7の報知態様を実現するためのフローチャートについて、図21を参照して説明する。
なお、図16で説明したフローチャートと同様の処理については、同じ符号を付し説明を適宜省略する。
また、第2の実施の形態における第7の報知態様では、第1コネクタ部C1による報知が実行される場合を例に挙げて説明する。即ち、第1コネクタ部C1が図21に示すフローチャートを実行する場合についての説明を行う。
【0126】
第1コネクタ部C1は、ステップS101及びステップS102を実行することにより、第1コネクタ部C1または第2コネクタ部C2の何れかが機器へ接続されたか否か及び作業者による第1コネクタ部C1に対する操作を検出したか否かを判定する。
第1コネクタ部C1においては、第1コネクタ部C1または第2コネクタ部C2のいずれかが機器に接続されたことを検出すると共に、第1コネクタ部C1の第1操作検出部5が作業者の操作を検出した場合に、ステップS103の処理へと進み、そうでない場合はステップS101の処理へと戻る。
【0127】
第1コネクタ部C1はステップS103において、コネクタ部の接続状態に応じた判定処理を実行する。具体的には、第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2の双方が機器に接続された状態であるか、或いは片方のコネクタ部のみが機器に接続された状態であるかを判定する。
【0128】
第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2の双方が機器100及び機器101に接続された状態である場合、第1コネクタ部C1はステップS105の処理を実行する。即ち、転送速度に応じた報知を実行する。
一方、第1コネクタ部C1または第2コネクタ部C2の何れか一方のみが機器に接続された状態である場合、第1コネクタ部C1はステップS110の処理へと進む。
【0129】
第2コネクタ部C2が機器101に接続され、第1コネクタ部C1が何れの機器にも接続されていない場合、第1コネクタ部C1はステップS110で第1受光部14の受光動作を開始させる。
【0130】
第1コネクタ部C1の第1報知部6は、ステップS111で、第1音の出力を行う。第1音は、例えば、第1コネクタ部C1が機器100に接続するための誘導のための報知を行う誘導モードへ切り換えられたことを通知するための音出力とされる。
【0131】
次に、第1コネクタ部C1の第1無線送信部15は、第1アンテナ18を用いてトリガ送信を行う。送信されたトリガは、アンテナ111を利用して無線受信部110が受信を行う。これにより、機器100において第1発光部106、第2発光部107、第3発光部108及び第4発光部109の発光動作が開始される。
なお、第1アンテナ18や第2アンテナ19から発信されるトリガの到達可能距離が近距離とされていてもよい。これにより、機器100や機器101から遠い場所にコネクタ部が位置している状況で誤って作業者が操作を行ってしまった場合に、機器100や機器101に該トリガが届かずに無駄な発光動作を行わずに済む。即ち、機器の消費電力の増大を抑制することができる。
【0132】
続いて、第1コネクタ部C1は、ステップS113において、第1受光部14が所定の強度以上とされた所定の波長範囲に属する光(例えば、400nm以上800nm未満の波長を持つ光)を受光したか否かを判定する。
所定の光を受光していない場合、第1コネクタ部C1はステップS101の処理へと戻る。なお、ステップS101へと戻った後に再度ステップS102の処理を実行した場合に、作業者の操作を検出し続けている場合、即ち、作業者によって第1操作検出部5とされたメカニカルスイッチが押下し続けられている場合には、ステップS110、ステップS111及びステップS112の各処理を実行せずに回避してもよい。これにより、繰り返し第1音の出力が行われてしまうことや発光のためのトリガ送信が行われてしまうことを回避することができる。
また、ステップS113で所定の光を検出していない場合には、所定の光を受光するまでステップS113の処理を繰り返してもよい。
【0133】
所定の光を検出した後、第1コネクタ部C1はステップS114において、受光した光が特定波長の光であるか否かを判定する。特定波長の光は、ケーブル1の規格やコネクタ形状に応じて予め定められているものであり、本例においては、ケーブル1の正しい接続先が第1接続部102とすると、ステップS114の処理においては、受光した光の波長が700nm(或いはその近傍)であるか否かを判定する処理となる。
受光した光の波長が特定波長である場合、第1コネクタ部C1の第1報知部6はステップS115において、第2音の出力を行う。第2音は、正しい接続部(第1接続部102)にコネクタ部を対向させた場合に出力される音であり、例えば、成功音とされる。
【0134】
一方、受光した光の波長が特定波長以外である場合、例えば、青色光の波長などである場合には、第1コネクタ部C1の第1報知部6はステップS116において、第3音の出力を行う。第3音は、誤った接続部(例えば第2接続部103)にコネクタ部を対向させた場合に出力される音であり、例えば、失敗音や警告音とされる。
なお、第2音と第3音の違いは、音色の違いであってもよいし、音程の高さの違いであってもよいし、音が出力される時間長の長さであってもよい。また、音と音の出力間隔の違いであってもよい。或いは、作業者が聞き取り可能な音声メッセージであってもよい。いずれにしても、第2音と第3音が別の音であることを作業者が識別可能とされていればよい。
【0135】
ステップS115及びステップS116のいずれかの処理を実行した後、第1コネクタ部C1は再びステップS101の処理を実行する。
これにより、作業者が第1操作検出部5とされたメカニカルスイッチを押下し続けている間において、各種の音出力がなされ、作業者の接続作業の補佐を行うことができる。
【0136】
なお、第1コネクタ部C1の第1無線送信部15は第1アンテナ18を用いて、ステップS112でトリガの送信を行うが、このときに発光させる光の波長を特定する情報やケーブル1の規格を特定する情報、或いはケーブル1の第1コネクタ部C1のコネクタ形状を特定する情報を機器100に対して送信してもよい。
これにより、機器100は、ケーブル1が何れの規格であるか、或いは、第1コネクタ部C1のコネクタ形状がどのような形状であるかなどを特定でき、ケーブル1の第1コネクタ部C1に対応する接続部(例えば第1接続部102)を特定可能とされる。
従って、特定した接続部(第1接続部102)に対応した発光部(第1発光部106)のみを発光させることができるため、機器100の消費電力の削減に寄与することができる。
【0137】
また、その場合には、第1コネクタ部C1を機器100の各接続部に順に対向させるように移動させた場合に、正しい接続部(第1接続部102)に対向した位置に位置した場合に成功音(第2音)が出力されると共に、それ以外の接続部に対向した位置に位置した場合には音出力がされない構成とされる。これにより、作業者は正しい接続部の位置を把握することができ、作業効率の向上を図ることができる。
なお、この場合には、機器100は特定の接続部に対応した発光部のみ発光させるため、誤った接続部に対応した発光部からの光を第1受光部14が受光することはない。
従って、第1コネクタ部C1の第1受光部14は、特定の波長のみを受光する構成とする必要はなく、第1コネクタ部C1は何らかの光を受光したか否かをステップS113で判定すればよい。即ち、ステップS114及びステップS116の各処理は不要となる。
また、このような構成とすることで、機器100は接続部ごとに発光色を変える必要もなくなり、何れの発光部も同じ波長の発光がなされるように構成することが可能となる。即ち、発光部に採用する発光部品の統一化を図ることができ、組立の間違いの防止及び部品コストの削減に寄与することができる。
【0138】
<4-3.第8の報知態様>
第8の報知態様は、第2コネクタ部C2が機器101に接続された状態において、第1コネクタ部C1がフリーな状態から機器100に接続された際に、第1操作検出部5が作業者の操作を検出した場合の報知態様である。或いは、第1操作検出部5が作業者の操作を検出した状態において第1コネクタ部C1が機器100に接続された場合の報知態様である。換言すれば、第1コネクタ部C1が機器100に接続された後に行われる報知態様である。
【0139】
これにより、例えば、規格が異なるにもかかわらず同一のコネクタ形状とされたケーブルの接続作業を行う場合において、適切な接続作業が行われたか否かを作業者に報知することができ、作業効率の向上や作業ミスの低減を図ることができる。
【0140】
<4-4.第8の報知態様におけるフローチャート>
第8の報知態様を実現するためのフローチャートについて、図22を参照して説明する。
第1コネクタ部C1は、ステップS101,S102,S103及びS105の各処理を実行することにより、第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2の双方が機器100及び機器101に接続された状態である場合に、転送速度に応じた報知態様を現出させる。もちろん、充電状態に応じた報知態様を現出させてもよいし、接続状態に応じた報知態様を現出させてもよい。
【0141】
ステップS103において何れか一方のコネクタ部のみが機器に接続されていると判定した場合、第1コネクタ部C1はステップS110の処理を実行する。
本例では、第1コネクタ部C1がフリーな状態で第1操作検出部5が作業者の操作を検出した場合である。
この場合、ステップS110の処理では、第1コネクタ部C1に設けられた第1受光部14の受光動作を開始させる。
【0142】
次に、第1コネクタ部C1はステップS111において、第1報知部6による第1音の出力を行い、ステップS112において、第1無線送信部15及び第1アンテナ18を用いたトリガ送信を行う。
【0143】
次に、第1コネクタ部C1はステップS113Aにおいて、第1コネクタ部C1が機器100に接続されたことを検出したか、且つ、第1受光部14が受光を検出したかに基づいた分岐処理を行う。
第1コネクタ部C1が機器100に接続されたことを検出していない場合、或いは、第1受光部14が受光を検出していない場合、第1コネクタ部C1はステップS101の処理へと戻る。なお、ステップS101の処理へと戻り次にステップS110やステップS111の処理やステップS112の処理を実行するまで作業者による操作を第1操作検出部5が検出し続けている場合には、ステップS110やステップS111やステップS112の処理を行わずにステップS113Aの処理へと進んでもよい。
また、ステップS113Aの判定が「No」であった場合に、第1操作検出部5作業者の操作を検出し続けている限りステップS113Aの処理を繰り返すように構成してもよい。
【0144】
第1コネクタ部C1が機器100に接続され、且つ、第1受光部14が受光を検出した場合、第1コネクタ部C1はステップS114において、第1受光部14が受光した光が特定波長であるか否かを判定し、特定波長である場合にはステップS115の処理を行い、特定波長でない場合にはステップS116の処理を実行する。
【0145】
第8の報知態様によれば、第1コネクタ部C1が機器100の接続部に接続された場合に該接続部が適切であるか否かを報知するための報知音(第2音または第3音)が出力される。
このような報知態様であっても、適切な接続作業が行われたか否かを作業者に報知することができ、作業効率の向上や作業ミスの低減を図ることができる。
【0146】
<5.変形例>
第1操作検出部5や第2操作検出部8として近接センサが用いられる場合、作業者の指などの接近を検出したことを条件として各コネクタ部は報知部による報知動作を行う。ところが、近づいた指が長時間動かなかった場合、操作検出部は操作を検出し続けることになるため、各報知部による報知動作が継続されることになる。このような状況において、操作検出部が検出したものが作業者の指などではなく誤検出とされた場合には、無駄な報知動作などを誤検出が解除されるまで続けることとなるため、消費電力の増大に繋がる虞がある。
そこで、操作検出部の操作検出の後、一定時間に限り報知動作などが行われるような構成にしてもよい。これにより、操作検出の後一定時間が経過することにより、報知動作などを終了させるため、消費電力の増大を抑制することができる。また、再度報知動作を現出させたい場合には、作業者が操作を行うことによって操作検出部により新たな検出を行わせればよく、作業者の負担をむやみに増大させることがない。
【0147】
上述した報知動作は、各コネクタ部において行われたが、ケーブル1全体で行われてもよい。例えば、報知部が音出力部である場合には、コネクタ部だけでなくケーブル部4からも音が出力されるようにケーブル1を構成してもよい。また、報知部が振動発生部である場合には、コネクタ部に加えてケーブル部4全体を振動させるように各所に振動発生部を設けてもよい。
これにより、作業者に対する確実な報知を行うことができ、作業効率の改善を更に図ることが可能となる。
なお、コネクタ部による報知は行わず、ケーブル部4のみによる報知動作が行われるように構成してもよい。その場合には、ケーブル部4における各コネクタ部の近傍となる位置に報知部を配置することにより、コネクタ部から報知を行う場合と同様の効果を得ることができる。
また、一方のコネクタ部がフリーな状態において振動発生部による報知を行う場合には、何れの操作検出部が操作を検出した場合であっても、フリーとされたコネクタ部に設けられた振動発生部が振動を発生させることにより報知を行ってもよい。これにより、機器に接続された状態のコネクタ部が振動の発生源となることがないため、機器の接続部やケーブル1のコネクタ部が損傷してしまうことや摩耗してしまうことを防止することができる。
【0148】
第2の実施の形態では、機器の各接続部に対応した発光部による発光動作が行われることにより、コネクタ部が接続されるべき場所の報知を行う例を説明したが、この場合において、他のコネクタ部が既に接続された接続部に対応した発光部は、発光しないように構成してもよい。これにより、既に他のコネクタ部が接続されており、今回の作業対象とされたコネクタ部を接続することができない接続部に誤って誘導されることが防止される。即ち、作業効率の向上を図ることができる。また、所定の発光部が発光しないことにより消費電力の削減や発光部の長寿命化に寄与することができる。
【0149】
上述の第2の実施の形態においては、機器側に発光部が設けられコネクタ部側に受光部が設けられた例を説明したが、コネクタ部側に発光部が設けられていてもよい。例えば、コネクタ部に設けられた発光部から出射された光を機器側の受光部が受光し、その波長に応じた誘導(例えば成功音や警告音を出力することにより誘導)してもよい。
【0150】
コネクタ部に設けられた操作検出部(第1操作検出部5や第2操作検出部8)が操作を検出した際に、報知部(第1報知部6や第2報知部9)が作業者に対する報知動作を行うが、報知動作の実行タイミングや期間については各種考えられる。
例えば、操作検出している間のみ報知動作を実行することにより、操作非検出となった場合に即座に報知動作が停止するように構成してもよい。
また、操作検出から一定時間(例えば5秒)の間報知動作を実行するように構成してもよい。これにより、作業者はボタン(操作検出部がメカニカルスイッチの場合)を押下し続けなくても所定の報知を受け取ることができるため、作業効率の向上を図ることが可能となる。
更に、操作検出している間は報知動作を実行すると共に、操作が検出されなくなってからも一定時間(例えば5秒)の間報知動作を実行するように構成してもよい。これにより、操作が容易な体勢において報知を受け取ることができるだけでなく、コネクタ部に対する操作がし難い体勢で接続作業を行っている場合であっても、操作非検出状態から一定時間は報知動作が続くため、作業効率の向上を図ることができる。
【0151】
上述した各例では、ケーブル1の第1コネクタ部C1に第1操作検出部5が設けられ、第2コネクタ部C2に第2操作検出部8が設けられた例を説明したが、ケーブル1の各コネクタ部に操作検出部が設けられていなくてもよい。
例えば、双方のコネクタ部が機器に接続されていない状態から、第1コネクタ部C1のみが機器100に接続された状況に変化した場合に、第1コネクタ部C1の第1報知部6が発光動作を行うことにより、第2コネクタ部C2が接続されていない状態であることを作業者に報知する。
次に、第2コネクタ部C2が機器101に接続された場合に、第1コネクタ部C1の第1報知部6の発光動作を停止させる。
これにより、作業者は第1報知部6が点灯しているか否かを認識することにより、ケーブルの接続作業が完了したか否かを判断できるため、作業効率を高めることができる。また、各コネクタ部に操作検出部が設けられないことにより、部品点数の削減によるケーブル1の製造工数の削減や、コスト削減を行うことができる。
また、双方のコネクタ部が機器に接続されていない状態から、第1コネクタ部C1のみが機器100に接続された状況に変化した場合に、第2コネクタ部C2の第2報知部9が発光動作を行うように構成してもよい。これにより、接続された第1コネクタ部C1に対応する第2コネクタ部C2を容易に識別することが可能となる。そして、第2コネクタ部C2が機器101に接続された場合に、第2コネクタ部C2の第2報知部9の発光動作を停止させる。
このような構成によっても、作業者は発光している第2コネクタ部C2を機器101に接続させれば接続作業が完了するため、作業効率の向上を図ることができる。
また、上記と同様に、部品点数の削減によるケーブル1の製造工数の削減や、コスト削減を行うことができる。
【0152】
<6.まとめ>
上述した各例で説明したように、本技術に係るケーブル1は、第1コネクタ部C1と、第2コネクタ部C2と、一端が第1コネクタ部C1に接続され他端が第2コネクタ部C2に接続される伝送線11と、第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2の接続状態を検出する制御部(第1制御部7または第2制御部10)と、第1コネクタC1部及び第2コネクタ部C2のうち何れか一方のコネクタ部に対する操作を検出する操作検出部(第1操作検出部5または第2操作検出部8)と、操作検出部の検出結果に応じて他方のコネクタ部の接続状態に応じた報知を行う報知部(第1報知部6または第2報知部9)と、を備えている。
コネクタ部の接続状態とは、例えば、接続対象とされた機器(接続対象機器)にコネクタ部が接続された状態(接続判定)であるか否か(非接続判定)の別である。接続状態を報知するために、本技術に係るケーブルは、接続状態を特定するための情報(接続情報)を扱う。該情報は、例えば、検出信号であってもよいし、判定処理によって得られた情報であってもよい。
コネクタ部の接続状態を報知するための報知部が設けられることにより、作業者にケーブルの状態を正しく認識させることができる。
これにより、誤ったケーブルを引き抜いてしまうことや、誤ったケーブルを接続してしまうことが防止される。また、他端側のコネクタ部が視認できないような状況において、該視認できない他端側のコネクタ部の接続状況を作業者が把握できるような報知を行うことによって、誤って不要なコネクタ部の挿抜(例えば隣のケーブルを誤って抜いてしまうなどの行為)を行ってしまうことを防止することができ、ケーブル1の接続作業の効率化を図ることができる。
また、何れか一方のコネクタ部が接続された状態で報知動作が行われることにより、第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2の双方が機器に接続されていない状態で報知を行う必要がない。
これにより、機器からの電源供給を利用した報知を行うことが可能となるため、ケーブル1内にバッテリーを搭載する必要が無くなり、ケーブル1の部品点数削減、小型化及びコスト削減に寄与することができる。
操作検出部としては、例えば、メカスイッチや近接センサや接触センサなどが用いられる。操作検出部が設けられることで、作業者のケーブル1(或いはコネクタ部)に対する操作の検出が行われる。
これにより、報知部による報知の実行を作業者の意思で行うことができる。即ち、作業者が操作することで意図的に報知を実行させ、コネクタ部の接続状態を把握することができる。
【0153】
本技術に係るケーブル1の制御部(第1制御部7または第2制御部10)においては、上述の各例で説明したように、第1コネクタ部C1に設けられ、第1コネクタ部C1の接続状態を検出する第1接続検出部(第1制御部7)と、第2コネクタ部C2に設けられ、第2コネクタ部C2の接続状態を検出する第2接続検出部(第2制御部10)と、を備えていてもよい。
第1コネクタ部C1が機器に接続されているか否かを検出する第1制御部7が設けられていることにより、第1コネクタ部C1の接続状態を正しく把握することができる。また、伝送線を介して第1コネクタ部C1の接続状態を第2コネクタ部C2に通知することも可能となる。
これにより、第2コネクタ部C2側で第1コネクタ部C1側の接続状態の報知を行うことが可能となる。従って、例えば、第1コネクタ部C1の接続状態を視認可能な作業者に対して、第2コネクタ部C2の接続状態を報知することにより、一方のコネクタ部からケーブル1の両端に設けられたコネクタ部の接続状態を把握することが可能となる。即ち、数あるコネクタ部の中から一つのケーブル1の両端に設けられた対応する二つの(両端の)コネクタ部を特定する作業が不要となり、ケーブル1の接続作業の作業効率の向上を図ることができる。
【0154】
本技術に係るケーブル1においては、上述の各例で説明したように、操作検出部として、第1コネクタ部C1に設けられた第1操作検出部5と第2コネクタ部C2に設けられた第2操作検出部8が設けられていてもよい。
即ち、第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2のそれぞれに操作検出部が設けられる。
これにより、何れか一方のコネクタ部を操作することができれば、報知される接続状態に関する情報を作業者が受け取ることができる。
【0155】
本技術に係るケーブル1においては、上述の各例で説明したように、第1操作検出部5は第1コネクタ部C1に対する操作を検出し、第2操作検出部8は第2コネクタ部C2に対する操作を検出してもよい。
操作されたコネクタ部を当該コネクタ部に設けられた操作検出部で検出可能とされる。
従って、伝送路11を介さずに作業者の操作が検出できる。
【0156】
本技術に係るケーブル1においては、第1の実施の形態で説明したように、報知部(第1報知部6または第2報知部9)は、第1操作検出部5及び第2操作検出部8のうち、何れか一方の操作検出部が操作検出したことに応じて他方の操作検出部が設けられたコネクタ部の接続状態に応じた報知を行ってもよい。
即ち、作業者が第1コネクタ部C1に対する操作を行ったことに応じて第1操作検出部5が操作検出を行った場合には、第2コネクタ部C2の接続状態に対する報知が行われる。
従って、作業者は第1コネクタ部C1を操作するだけで他端にある第2コネクタ部C2の接続状態を把握可能とされるため、他端のコネクタ部を探して接続状態を確認する必要がなく、ケーブル1の接続作業の効率化を図ることができる。第2コネクタ部C2に対する操作を行った場合も同様である。
【0157】
本技術に係るケーブル1においては、上述の各例で説明したように、報知部として、第1コネクタ部C1に設けられた第1報知部6と第2コネクタ部C2に設けられた第2報知部9が設けられていてもよい。
即ち、報知部がそれぞれのコネクタ部に設けられる。
これにより、任意のコネクタ部から報知情報を受け取ることができるため、コネクタ部の接続状態の把握がしやすい。
【0158】
本技術に係るケーブル1においては、第2の報知態様、第4の報知態様または第6の報知態様で説明したように、第1コネクタ部C1には第1操作検出部5が設けられ、第2コネクタ部C2には第2操作検出部8が設けられ、第1報知部6は、第1操作検出部5が操作検出したことに応じて第2コネクタ部C2の接続状態に応じた報知を行い、第2報知部9は、第2操作検出部8が操作検出したことに応じて第1コネクタ部C1の接続状態に応じた報知を行ってもよい。
即ち、第1コネクタ部C1に対する操作が可能な状態にある作業者にとっては、他端側の第2コネクタ部C2の接続情報が第1コネクタ部C1に設けられた第1報知部6から伺い知ることができる。
これにより、利便性の向上を図ることができる。特に、他端側である第2コネクタ部C2の状況を把握できない状況であっても、一方のコネクタ部(即ち第1コネクタ部C1)に対する操作が可能であれば、両端の接続状態を該一方のコネクタ部から把握することができる。第2コネクタ部C2に対する操作が可能であり第1コネクタ部C1の状況が把握できない場合であっても同様である。
【0159】
本技術に係るケーブル1においては、第1の実施形態についてのフローチャートを用いて説明したように、報知部(第1報知部6または第2報知部9)は、第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2の双方が機器に接続された場合に第1態様による報知を行い、第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2のうちの一方のコネクタ部のみが機器に接続された場合に第2態様による報知を行ってもよい。
即ち、両端が接続されているか否かに応じて報知部による報知態様が異なるものとされる。
これにより、ケーブル1が使用可能な状態、例えば両端のコネクタ部がそれぞれ機器に接続されることにより二つの機器間で通信可能な状態にあるのか否かなどが報知により把握可能とされる。
また、第1態様と第2態様でそれぞれ異なる報知周期で報知を行うことで、双方が接続されているのか否かを把握可能な構成であってもよい。例えば、第1報知部6と第2報知部9がそれぞれ報知発光部であった場合に、双方接続されている場合と片方のみ接続されている場合とで、発光周期を短くしたり、長くしたりすることも可能である。或いは、第1報知部6と第2報知部9の発光周期が同じ場合であっても、発光タイミングを半周期ずらすか否かによって双方のコネクタ部が接続されているか否かを報知してもよい。
【0160】
本技術に係るケーブル1においては、第5の報知態様及び第6の報知態様で説明したように、報知部(第1報知部6または第2報知部9)は、第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2の双方が機器に接続された状態とされた場合に伝送線11を介して行われる情報通信における通信速度に応じた報知を行ってもよい。
即ち、両端のコネクタ部が機器に接続されることにより、伝送線11を介した情報通信が可能とされた状態において、接続情報以外の情報が報知される。
具体的には、接続情報以外の情報として、伝送線11を介して行われる情報通信の通信速度が報知される。これにより、例えば、ケーブル1を誤って接続してしまうことにより、ケーブル1の性能に対して低速度で情報通信が行われてしまう状態を報知によって把握することが可能となり、ケーブル1の挿し直しなどを行うことが可能となる。即ち、不具合の発見を容易にすることができる。また、作業者の意図しない性能低下を事前に見つけることが可能となる。
【0161】
本技術に係るケーブル1においては、第5の報知態様及び第6の報知態様で説明したように、報知部(第1報知部6または第2報知部9)は、第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2のうち何れか一方のコネクタ部が充電機器に接続され他方のコネクタ部が充電対象機器に接続された場合に充電対象機器の充電量に応じた報知を行ってもよい。
充電量とは、例えば、充電対象機器のバッテリー残量の割合を示すものである。充電対象機器と充電機器が正しく接続された状態において、作業者に充電対象機器の充電量に応じた報知が行われる。
これにより、充電対象機器を起動してバッテリー残量を確認しなくても、ケーブル1(或いはコネクタ部)に対する操作を行うだけで充電対象機器のバッテリー残量を把握することができ、利便性の向上を図ることができる。
【0162】
本技術に係るケーブル1においては、第2の実施の形態で説明したように、第1コネクタ部C1に設けられた第1受光部14を備え、第2コネクタ部C2が機器に接続され、第1操作検出部5が操作を検出した場合に、報知部(第1報知部6または第2報知部9)は、第1受光部14が特定波長の光を受光したか否かに応じた報知を行ってもよい。
例えば、ケーブル1が接続される機器において、該ケーブル1を接続すべき場所の近傍に特定波長の光を出射する発光部(第1発光部106,第2発光部107,第3発光部108,第4発光部109など)が設けられている場合に、作業者がケーブル1の第1コネクタ部C1を機器に近づけた際に特定波長の光を一定以上の強度で受光できたことに応じて報知部による報知が行われる。
これにより、作業者は、報知部の報知に応じてケーブル1を挿すべき場所を発見することができる。即ち、特定波長の光を受光したか否かを報知することにより、第1コネクタ部C1の誘導を行うことができ、利便性の向上を図ることができる。また、挿し間違いによる不具合を防止することができる。
なお、本構成は、以下の様に換言することもできる。例えば、ケーブル1は、第1コネクタ部C1に設けられた第1受光部14と、第2コネクタ部C2に設けられた第2受光部16と、を備え、第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2のうちの何れか一方のコネクタ部が機器に接続され他方のコネクタ部が機器に接続されておらず、他方のコネクタ部に設けられた操作検出部が操作を検出した場合に、報知部は、第1受光部14及び第2受光部16のうち他方のコネクタ部に設けられた受光部が特定波長の光を受光したか否かに応じた報知を行ってもよい。
【0163】
本技術に係るケーブル1においては、第2の実施の形態で説明したように、特定波長はコネクタ種別に応じた波長とされてもよい。
コネクタ種別ごとに特定波長を変えることにより、コネクタ種別ごとの接続箇所ごとに対応した特定波長の光を出射する発光部を設けることが可能となる。
即ち、ケーブル1のケーブル種別ごとに異なる接続箇所に誘導することができるため、各種のケーブル1を接続可能な機器に対して、接続作業の短縮化や誤接続の防止を図ることが容易となる。
【0164】
本技術に係るケーブル1においては、第2の実施の形態で説明したように、第1コネクタ部C1に設けられた第1音出力部(第1報知部6としての音出力部)を備え、第2コネクタ部C2が機器に接続され、第1操作検出部5が操作を検出した場合に、第1音出力部は、第1コネクタ部C1を接続部(第1接続部102など)に誘導するための音出力を行ってもよい。
コネクタ種別ごとに特定波長が異なるものとされることにより、ケーブル1を接続すべき場所が特定可能となる。更に、第1音声出力部を備えることにより、手元が見えない状態でケーブル1の接続作業を行ったとしても、音声による誘導が行われる。
これにより、機器やケーブル1の配置によらずケーブル1の接続作業の効率化を図ることができる。また、ケーブル1の誤接続を防止することができる。
【0165】
本技術に係るケーブル1においては、第2の実施の形態で説明したように、第1コネクタ部C1に設けられた第1音出力部(第1報知部6としての音出力部)を備え、第1音出力部は、第1コネクタ部C1が目的の接続部(例えば第1接続部102)よりも他の接続部(例えば第2接続部103)に近づいた場合に第3音(例えば警告音)を出力するように構成してもよい。
即ち、第1音出力部によって第1コネクタ部C1が正しい接続場所に近づいているか否かの情報が報知される。
従って、ケーブル1の正しい接続位置を作業者が把握することができ、接続作業の効率化をより図ることができる。
【0166】
本技術に係るケーブル1においては、第2の実施の形態で説明したように、第1コネクタ部C1に設けられた第1音出力部(第1報知部6としての音出力部)を備え、第1音出力部は、第1コネクタ部C1が目的の接続部に接続された場合に第2音(例えば成功音)を出力してもよい。
これにより、第1コネクタ部C1を機器に接続した場合に正しい接続であるか否かの情報が成功音によって作業者に報知される。
即ち、ケーブル1の誤接続を防止することができる。
【0167】
本技術に係るケーブル1においては、第8の報知態様で説明したように、報知部(例えば第1報知部6)は、第1コネクタ部C1が機器100に接続され且つ第1受光部14が光を受光した場合に報知を行ってもよい。
このような報知態様であっても、適切な接続作業が行われたか否かについての報知が作業者に対してなされるため、誤接続の防止を図ることができる。
また、第1受光部14が受光しなかった場合には報知動作が行われないため、過剰な報知が行われてしまうことを防止することができる。
【0168】
本技術に係るケーブル1においては、第1の実施の形態で説明したように、報知部(第1報知部6または第2報知部9)は報知発光部とされ、報知は報知発光部の発光を利用して行われてもよい。
これにより、コネクタ部の接続状態の報知が発光により行われる。
従って、例えば暗闇で接続作業を行うような場合において、作業者に確実な報知を行うことができるため、作業効率の向上や誤接続の防止を図ることができる。
【0169】
本技術に係るケーブル1においては、上述の各例、特に第2の実施の形態で説明したように、報知部(第1報知部6または第2報知部9)は音出力部を有するものとされ、報知は音出力部による音出力を利用して行われてもよい。
これにより、コネクタ部の接続状態の報知が音により行われる。
従って、例えば機器とコネクタ部の位置関係が把握できないような状況で接続作業を行う場合において、適切な報知を行うことができる。特に、位置関係に応じた報知、例えば、「もう少し右です」などのような報知を行うことにより、最適な報知を行うことができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0170】
本技術に係る報知方法は、第1コネクタ部C1と、第2コネクタ部C2と、一端が第1コネクタ部C1に接続され他端が第2コネクタ部C2に接続される伝送線11と、第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2の接続状態を検出する制御部(第1制御部7または第2制御部10)と、第1コネクタ部C1及び第2コネクタ部C2のうち何れか一方のコネクタ部に対する操作を検出する操作検出部(第1操作検出部5または第2操作検出部8)と、を備えたケーブル1において、操作検出部の検出結果に応じて他方のコネクタ部の接続状態に応じた報知を行うものである。
【0171】
尚、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
【0172】
<7.応用例>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、手術室システムに適用されてもよい。
【0173】
図22は、本開示に係る技術が適用され得る手術室システム5100の全体構成を概略的に示す図である。図22を参照すると、手術室システム5100は、手術室内に設置される装置群が視聴覚コントローラ(AV Controller)5107及び手術室制御装置5109を介して互いに連携可能に接続されることにより構成される。
【0174】
手術室には、様々な装置が設置され得る。図22では、一例として、内視鏡下手術のための各種の装置群5101と、手術室の天井に設けられ術者の手元を撮像するシーリングカメラ5187と、手術室の天井に設けられ手術室全体の様子を撮像する術場カメラ5189と、複数の表示装置5103A~5103Dと、レコーダ5105と、患者ベッド5183と、照明5191と、を図示している。
【0175】
ここで、これらの装置のうち、装置群5101は、後述する内視鏡手術システム5113に属するものであり、内視鏡や当該内視鏡によって撮像された画像を表示する表示装置等からなる。内視鏡手術システム5113に属する各装置は医療用機器とも呼称される。一方、表示装置5103A~5103D、レコーダ5105、患者ベッド5183及び照明5191は、内視鏡手術システム5113とは別個に、例えば手術室に備え付けられている装置である。これらの内視鏡手術システム5113に属さない各装置は非医療用機器とも呼称される。視聴覚コントローラ5107及び/又は手術室制御装置5109は、これら医療機器及び非医療機器の動作を互いに連携して制御する。
【0176】
視聴覚コントローラ5107は、医療機器及び非医療機器における画像表示に関する処理を、統括的に制御する。具体的には、手術室システム5100が備える装置のうち、装置群5101、シーリングカメラ5187及び術場カメラ5189は、手術中に表示すべき情報(以下、表示情報ともいう)を発信する機能を有する装置(以下、発信元の装置とも呼称する)であり得る。また、表示装置5103A~5103Dは、表示情報が出力される装置(以下、出力先の装置とも呼称する)であり得る。また、レコーダ5105は、発信元の装置及び出力先の装置の双方に該当する装置であり得る。視聴覚コントローラ5107は、発信元の装置及び出力先の装置の動作を制御し、発信元の装置から表示情報を取得するとともに、当該表示情報を出力先の装置に送信し、表示又は記録させる機能を有する。なお、表示情報とは、手術中に撮像された各種の画像や、手術に関する各種の情報(例えば、患者の身体情報や、過去の検査結果、術式についての情報等)等である。
【0177】
具体的には、視聴覚コントローラ5107には、装置群5101から、表示情報として、内視鏡によって撮像された患者の体腔内の術部の画像についての情報が送信され得る。また、シーリングカメラ5187から、表示情報として、当該シーリングカメラ5187によって撮像された術者の手元の画像についての情報が送信され得る。また、術場カメラ5189から、表示情報として、当該術場カメラ5189によって撮像された手術室全体の様子を示す画像についての情報が送信され得る。なお、手術室システム5100に撮像機能を有する他の装置が存在する場合には、視聴覚コントローラ5107は、表示情報として、当該他の装置からも当該他の装置によって撮像された画像についての情報を取得してもよい。
【0178】
あるいは、例えば、レコーダ5105には、過去に撮像されたこれらの画像についての情報が視聴覚コントローラ5107によって記録されている。視聴覚コントローラ5107は、表示情報として、レコーダ5105から当該過去に撮像された画像についての情報を取得することができる。なお、レコーダ5105には、手術に関する各種の情報も事前に記録されていてもよい。
【0179】
視聴覚コントローラ5107は、出力先の装置である表示装置5103A~5103Dの少なくともいずれかに、取得した表示情報(すなわち、手術中に撮影された画像や、手術に関する各種の情報)を表示させる。図示する例では、表示装置5103Aは手術室の天井から吊り下げられて設置される表示装置であり、表示装置5103Bは手術室の壁面に設置される表示装置であり、表示装置5103Cは手術室内の机上に設置される表示装置であり、表示装置5103Dは表示機能を有するモバイル機器(例えば、タブレットPC(Personal Computer))である。
【0180】
また、図22では図示を省略しているが、手術室システム5100には、手術室の外部の装置が含まれてもよい。手術室の外部の装置は、例えば、病院内外に構築されたネットワークに接続されるサーバや、医療スタッフが用いるPC、病院の会議室に設置されるプロジェクタ等であり得る。このような外部装置が病院外にある場合には、視聴覚コントローラ5107は、遠隔医療のために、テレビ会議システム等を介して、他の病院の表示装置に表示情報を表示させることもできる。
【0181】
手術室制御装置5109は、非医療機器における画像表示に関する処理以外の処理を、統括的に制御する。例えば、手術室制御装置5109は、患者ベッド5183、シーリングカメラ5187、術場カメラ5189及び照明5191の駆動を制御する。
【0182】
手術室システム5100には、集中操作パネル5111が設けられており、ユーザは、当該集中操作パネル5111を介して、視聴覚コントローラ5107に対して画像表示についての指示を与えたり、手術室制御装置5109に対して非医療機器の動作についての指示を与えることができる。集中操作パネル5111は、表示装置の表示面上にタッチパネルが設けられて構成される。
【0183】
図23は、集中操作パネル5111における操作画面の表示例を示す図である。図23では、一例として、手術室システム5100に、出力先の装置として、2つの表示装置が設けられている場合に対応する操作画面を示している。図23を参照すると、操作画面5193には、発信元選択領域5195と、プレビュー領域5197と、コントロール領域5201と、が設けられる。
【0184】
発信元選択領域5195には、手術室システム5100に備えられる発信元装置と、当該発信元装置が有する表示情報を表すサムネイル画面と、が紐付けられて表示される。ユーザは、表示装置に表示させたい表示情報を、発信元選択領域5195に表示されているいずれかの発信元装置から選択することができる。
【0185】
プレビュー領域5197には、出力先の装置である2つの表示装置(Monitor1、Monitor2)に表示される画面のプレビューが表示される。図示する例では、1つの表示装置において4つの画像がPinP表示されている。当該4つの画像は、発信元選択領域5195において選択された発信元装置から発信された表示情報に対応するものである。4つの画像のうち、1つはメイン画像として比較的大きく表示され、残りの3つはサブ画像として比較的小さく表示される。ユーザは、4つの画像が表示された領域を適宜選択することにより、メイン画像とサブ画像を入れ替えることができる。また、4つの画像が表示される領域の下部には、ステータス表示領域5199が設けられており、当該領域に手術に関するステータス(例えば、手術の経過時間や、患者の身体情報等)が適宜表示され得る。
【0186】
コントロール領域5201には、発信元の装置に対して操作を行うためのGUI(Graphical User Interface)部品が表示される発信元操作領域5203と、出力先の装置に対して操作を行うためのGUI部品が表示される出力先操作領域5205と、が設けられる。図示する例では、発信元操作領域5203には、撮像機能を有する発信元の装置におけるカメラに対して各種の操作(パン、チルト及びズーム)を行うためのGUI部品が設けられている。ユーザは、これらのGUI部品を適宜選択することにより、発信元の装置におけるカメラの動作を操作することができる。なお、図示は省略しているが、発信元選択領域5195において選択されている発信元の装置がレコーダである場合(すなわち、プレビュー領域5197において、レコーダに過去に記録された画像が表示されている場合)には、発信元操作領域5203には、当該画像の再生、再生停止、巻き戻し、早送り等の操作を行うためのGUI部品が設けられ得る。
【0187】
また、出力先操作領域5205には、出力先の装置である表示装置における表示に対する各種の操作(スワップ、フリップ、色調整、コントラスト調整、2D表示と3D表示の切り替え)を行うためのGUI部品が設けられている。ユーザは、これらのGUI部品を適宜選択することにより、表示装置における表示を操作することができる。
【0188】
なお、集中操作パネル5111に表示される操作画面は図示する例に限定されず、ユーザは、集中操作パネル5111を介して、手術室システム5100に備えられる、視聴覚コントローラ5107及び手術室制御装置5109によって制御され得る各装置に対する操作入力が可能であってよい。
【0189】
図24は、以上説明した手術室システムが適用された手術の様子の一例を示す図である。シーリングカメラ5187及び術場カメラ5189は、手術室の天井に設けられ、患者ベッド5183上の患者5185の患部に対して処置を行う術者(医者)5181の手元及び手術室全体の様子を撮影可能である。シーリングカメラ5187及び術場カメラ5189には、倍率調整機能、焦点距離調整機能、撮影方向調整機能等が設けられ得る。照明5191は、手術室の天井に設けられ、少なくとも術者5181の手元を照射する。照明5191は、その照射光量、照射光の波長(色)及び光の照射方向等を適宜調整可能であってよい。
【0190】
内視鏡手術システム5113、患者ベッド5183、シーリングカメラ5187、術場カメラ5189及び照明5191は、図22に示すように、視聴覚コントローラ5107及び手術室制御装置5109(図24では図示せず)を介して互いに連携可能に接続されている。手術室内には、集中操作パネル5111が設けられており、上述したように、ユーザは、当該集中操作パネル5111を介して、手術室内に存在するこれらの装置を適宜操作することが可能である。
【0191】
以下、内視鏡手術システム5113の構成について詳細に説明する。図示するように、内視鏡手術システム5113は、内視鏡5115と、その他の術具5131と、内視鏡5115を支持する支持アーム装置5141と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート5151と、から構成される。
【0192】
内視鏡手術では、腹壁を切って開腹する代わりに、トロッカ5139a~5139dと呼ばれる筒状の開孔器具が腹壁に複数穿刺される。そして、トロッカ5139a~5139dから、内視鏡5115の鏡筒5117や、その他の術具5131が患者5185の体腔内に挿入される。図示する例では、その他の術具5131として、気腹チューブ5133、エネルギー処置具5135及び鉗子5137が、患者5185の体腔内に挿入されている。また、エネルギー処置具5135は、高周波電流や超音波振動により、組織の切開及び剥離、又は血管の封止等を行う処置具である。ただし、図示する術具5131はあくまで一例であり、術具5131としては、例えば攝子、レトラクタ等、一般的に内視鏡下手術において用いられる各種の術具が用いられてよい。
【0193】
内視鏡5115によって撮影された患者5185の体腔内の術部の画像が、表示装置5155に表示される。術者5181は、表示装置5155に表示された術部の画像をリアルタイムで見ながら、エネルギー処置具5135や鉗子5137を用いて、例えば患部を切除する等の処置を行う。なお、図示は省略しているが、気腹チューブ5133、エネルギー処置具5135及び鉗子5137は、手術中に、術者5181又は助手等によって支持される。
【0194】
(支持アーム装置)
支持アーム装置5141は、ベース部5143から延伸するアーム部5145を備える。図示する例では、アーム部5145は、関節部5147a、5147b、5147c、及びリンク5149a、5149bから構成されており、アーム制御装置5159からの制御により駆動される。アーム部5145によって内視鏡5115が支持され、その位置及び姿勢が制御される。これにより、内視鏡5115の安定的な位置の固定が実現され得る。
【0195】
(内視鏡)
内視鏡5115は、先端から所定の長さの領域が患者5185の体腔内に挿入される鏡筒5117と、鏡筒5117の基端に接続されるカメラヘッド5119と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒5117を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡5115を図示しているが、内視鏡5115は、軟性の鏡筒5117を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
【0196】
鏡筒5117の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡5115には光源装置5157が接続されており、当該光源装置5157によって生成された光が、鏡筒5117の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者5185の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡5115は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
【0197】
カメラヘッド5119の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU:Camera Control Unit)5153に送信される。なお、カメラヘッド5119には、その光学系を適宜駆動させることにより、倍率及び焦点距離を調整する機能が搭載される。
【0198】
なお、例えば立体視(3D表示)等に対応するために、カメラヘッド5119には撮像素子が複数設けられてもよい。この場合、鏡筒5117の内部には、当該複数の撮像素子のそれぞれに観察光を導光するために、リレー光学系が複数系統設けられる。
【0199】
(カートに搭載される各種の装置)
CCU5153は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡5115及び表示装置5155の動作を統括的に制御する。具体的には、CCU5153は、カメラヘッド5119から受け取った画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。CCU5153は、当該画像処理を施した画像信号を表示装置5155に提供する。また、CCU5153には、図22に示す視聴覚コントローラ5107が接続される。CCU5153は、画像処理を施した画像信号を視聴覚コントローラ5107にも提供する。また、CCU5153は、カメラヘッド5119に対して制御信号を送信し、その駆動を制御する。当該制御信号には、倍率や焦点距離等、撮像条件に関する情報が含まれ得る。当該撮像条件に関する情報は、入力装置5161を介して入力されてもよいし、上述した集中操作パネル5111を介して入力されてもよい。
【0200】
表示装置5155は、CCU5153からの制御により、当該CCU5153によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。内視鏡5115が例えば4K(水平画素数3840×垂直画素数2160)又は8K(水平画素数7680×垂直画素数4320)等の高解像度の撮影に対応したものである場合、及び/又は3D表示に対応したものである場合には、表示装置5155としては、それぞれに対応して、高解像度の表示が可能なもの、及び/又は3D表示可能なものが用いられ得る。4K又は8K等の高解像度の撮影に対応したものである場合、表示装置5155として55インチ以上のサイズのものを用いることで一層の没入感が得られる。また、用途に応じて、解像度、サイズが異なる複数の表示装置5155が設けられてもよい。
【0201】
光源装置5157は、例えばLED(light emitting diode)等の光源から構成され、術部を撮影する際の照射光を内視鏡5115に供給する。
【0202】
アーム制御装置5159は、例えばCPU等のプロセッサによって構成され、所定のプログラムに従って動作することにより、所定の制御方式に従って支持アーム装置5141のアーム部5145の駆動を制御する。
【0203】
入力装置5161は、内視鏡手術システム5113に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置5161を介して、内視鏡手術システム5113に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、入力装置5161を介して、患者の身体情報や、手術の術式についての情報等、手術に関する各種の情報を入力する。また、例えば、ユーザは、入力装置5161を介して、アーム部5145を駆動させる旨の指示や、内視鏡5115による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示、エネルギー処置具5135を駆動させる旨の指示等を入力する。
【0204】
入力装置5161の種類は限定されず、入力装置5161は各種の公知の入力装置であってよい。入力装置5161としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、スイッチ、フットスイッチ5171及び/又はレバー等が適用され得る。入力装置5161としてタッチパネルが用いられる場合には、当該タッチパネルは表示装置5155の表示面上に設けられてもよい。
【0205】
あるいは、入力装置5161は、例えばメガネ型のウェアラブルデバイスやHMD(Head Mounted Display)等の、ユーザによって装着されるデバイスであり、これらのデバイスによって検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。また、入力装置5161は、ユーザの動きを検出可能なカメラを含み、当該カメラによって撮像された映像から検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。更に、入力装置5161は、ユーザの声を収音可能なマイクロフォンを含み、当該マイクロフォンを介して音声によって各種の入力が行われる。このように、入力装置5161が非接触で各種の情報を入力可能に構成されることにより、特に清潔域に属するユーザ(例えば術者5181)が、不潔域に属する機器を非接触で操作することが可能となる。また、ユーザは、所持している術具から手を離すことなく機器を操作することが可能となるため、ユーザの利便性が向上する。
【0206】
処置具制御装置5163は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具5135の駆動を制御する。気腹装置5165は、内視鏡5115による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者5185の体腔を膨らめるために、気腹チューブ5133を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ5167は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ5169は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
【0207】
以下、内視鏡手術システム5113において特に特徴的な構成について、更に詳細に説明する。
【0208】
(支持アーム装置)
支持アーム装置5141は、基台であるベース部5143と、ベース部5143から延伸するアーム部5145と、を備える。図示する例では、アーム部5145は、複数の関節部5147a、5147b、5147cと、関節部5147bによって連結される複数のリンク5149a、5149bと、から構成されているが、図24では、簡単のため、アーム部5145の構成を簡略化して図示している。実際には、アーム部5145が所望の自由度を有するように、関節部5147a~5147c及びリンク5149a、5149bの形状、数及び配置、並びに関節部5147a~5147cの回転軸の方向等が適宜設定され得る。例えば、アーム部5145は、好適に、6自由度以上の自由度を有するように構成され得る。これにより、アーム部5145の可動範囲内において内視鏡5115を自由に移動させることが可能になるため、所望の方向から内視鏡5115の鏡筒5117を患者5185の体腔内に挿入することが可能になる。
【0209】
関節部5147a~5147cにはアクチュエータが設けられており、関節部5147a~5147cは当該アクチュエータの駆動により所定の回転軸まわりに回転可能に構成されている。当該アクチュエータの駆動がアーム制御装置5159によって制御されることにより、各関節部5147a~5147cの回転角度が制御され、アーム部5145の駆動が制御される。これにより、内視鏡5115の位置及び姿勢の制御が実現され得る。この際、アーム制御装置5159は、力制御又は位置制御等、各種の公知の制御方式によってアーム部5145の駆動を制御することができる。
【0210】
例えば、術者5181が、入力装置5161(フットスイッチ5171を含む)を介して適宜操作入力を行うことにより、当該操作入力に応じてアーム制御装置5159によってアーム部5145の駆動が適宜制御され、内視鏡5115の位置及び姿勢が制御されてよい。当該制御により、アーム部5145の先端の内視鏡5115を任意の位置から任意の位置まで移動させた後、その移動後の位置で固定的に支持することができる。なお、アーム部5145は、いわゆるマスタースレイブ方式で操作されてもよい。この場合、アーム部5145は、手術室から離れた場所に設置される入力装置5161を介してユーザによって遠隔操作され得る。
【0211】
また、力制御が適用される場合には、アーム制御装置5159は、ユーザからの外力を受け、その外力にならってスムーズにアーム部5145が移動するように、各関節部5147a~5147cのアクチュエータを駆動させる、いわゆるパワーアシスト制御を行ってもよい。これにより、ユーザが直接アーム部5145に触れながらアーム部5145を移動させる際に、比較的軽い力で当該アーム部5145を移動させることができる。従って、より直感的に、より簡易な操作で内視鏡5115を移動させることが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0212】
ここで、一般的に、内視鏡下手術では、スコピストと呼ばれる医師によって内視鏡5115が支持されていた。これに対して、支持アーム装置5141を用いることにより、人手によらずに内視鏡5115の位置をより確実に固定することが可能になるため、術部の画像を安定的に得ることができ、手術を円滑に行うことが可能になる。
【0213】
なお、アーム制御装置5159は必ずしもカート5151に設けられなくてもよい。また、アーム制御装置5159は必ずしも1つの装置でなくてもよい。例えば、アーム制御装置5159は、支持アーム装置5141のアーム部5145の各関節部5147a~5147cにそれぞれ設けられてもよく、複数のアーム制御装置5159が互いに協働することにより、アーム部5145の駆動制御が実現されてもよい。
【0214】
(光源装置)
光源装置5157は、内視鏡5115に術部を撮影する際の照射光を供給する。光源装置5157は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成される。このとき、RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置5157において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド5119の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
【0215】
また、光源装置5157は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド5119の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
【0216】
また、光源装置5157は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察するもの(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得るもの等が行われ得る。光源装置5157は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
【0217】
(カメラヘッド及びCCU)
図25を参照して、内視鏡5115のカメラヘッド5119及びCCU5153の機能についてより詳細に説明する。図25は、図24に示すカメラヘッド5119及びCCU5153の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0218】
図25を参照すると、カメラヘッド5119は、その機能として、レンズユニット5121と、撮像部5123と、駆動部5125と、通信部5127と、カメラヘッド制御部5129と、を有する。また、CCU5153は、その機能として、通信部5173と、画像処理部5175と、制御部5177と、を有する。カメラヘッド5119とCCU5153とは、伝送ケーブル5179によって双方向に通信可能に接続されている。
【0219】
まず、カメラヘッド5119の機能構成について説明する。レンズユニット5121は、鏡筒5117との接続部に設けられる光学系である。鏡筒5117の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド5119まで導光され、当該レンズユニット5121に入射する。レンズユニット5121は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。レンズユニット5121は、撮像部5123の撮像素子の受光面上に観察光を集光するように、その光学特性が調整されている。また、ズームレンズ及びフォーカスレンズは、撮像画像の倍率及び焦点の調整のため、その光軸上の位置が移動可能に構成される。
【0220】
撮像部5123は撮像素子によって構成され、レンズユニット5121の後段に配置される。レンズユニット5121を通過した観察光は、当該撮像素子の受光面に集光され、光電変換によって、観察像に対応した画像信号が生成される。撮像部5123によって生成された画像信号は、通信部5127に提供される。
【0221】
撮像部5123を構成する撮像素子としては、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)タイプのイメージセンサであり、Bayer配列を有するカラー撮影可能なものが用いられる。なお、当該撮像素子としては、例えば4K以上の高解像度の画像の撮影に対応可能なものが用いられてもよい。術部の画像が高解像度で得られることにより、術者5181は、当該術部の様子をより詳細に把握することができ、手術をより円滑に進行することが可能となる。
【0222】
また、撮像部5123を構成する撮像素子は、3D表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成される。3D表示が行われることにより、術者5181は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部5123が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット5121も複数系統設けられる。
【0223】
また、撮像部5123は、必ずしもカメラヘッド5119に設けられなくてもよい。例えば、撮像部5123は、鏡筒5117の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
【0224】
駆動部5125は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部5129からの制御により、レンズユニット5121のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部5123による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
【0225】
通信部5127は、CCU5153との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5127は、撮像部5123から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル5179を介してCCU5153に送信する。この際、術部の撮像画像を低レイテンシで表示するために、当該画像信号は光通信によって送信されることが好ましい。手術の際には、術者5181が撮像画像によって患部の状態を観察しながら手術を行うため、より安全で確実な手術のためには、術部の動画像が可能な限りリアルタイムに表示されることが求められるからである。光通信が行われる場合には、通信部5127には、電気信号を光信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。画像信号は当該光電変換モジュールによって光信号に変換された後、伝送ケーブル5179を介してCCU5153に送信される。
【0226】
また、通信部5127は、CCU5153から、カメラヘッド5119の駆動を制御するための制御信号を受信する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。通信部5127は、受信した制御信号をカメラヘッド制御部5129に提供する。なお、CCU5153からの制御信号も、光通信によって伝送されてもよい。この場合、通信部5127には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられ、制御信号は当該光電変換モジュールによって電気信号に変換された後、カメラヘッド制御部5129に提供される。
【0227】
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、取得された画像信号に基づいてCCU5153の制御部5177によって自動的に設定される。つまり、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡5115に搭載される。
【0228】
カメラヘッド制御部5129は、通信部5127を介して受信したCCU5153からの制御信号に基づいて、カメラヘッド5119の駆動を制御する。例えば、カメラヘッド制御部5129は、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報及び/又は撮像時の露光を指定する旨の情報に基づいて、撮像部5123の撮像素子の駆動を制御する。また、例えば、カメラヘッド制御部5129は、撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報に基づいて、駆動部5125を介してレンズユニット5121のズームレンズ及びフォーカスレンズを適宜移動させる。カメラヘッド制御部5129は、更に、鏡筒5117やカメラヘッド5119を識別するための情報を記憶する機能を備えてもよい。
【0229】
なお、レンズユニット5121や撮像部5123等の構成を、気密性及び防水性が高い密閉構造内に配置することで、カメラヘッド5119について、オートクレーブ滅菌処理に対する耐性を持たせることができる。
【0230】
次に、CCU5153の機能構成について説明する。通信部5173は、カメラヘッド5119との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5173は、カメラヘッド5119から、伝送ケーブル5179を介して送信される画像信号を受信する。この際、上記のように、当該画像信号は好適に光通信によって送信され得る。この場合、光通信に対応して、通信部5173には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。通信部5173は、電気信号に変換した画像信号を画像処理部5175に提供する。
【0231】
また、通信部5173は、カメラヘッド5119に対して、カメラヘッド5119の駆動を制御するための制御信号を送信する。当該制御信号も光通信によって送信されてよい。
【0232】
画像処理部5175は、カメラヘッド5119から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。当該画像処理としては、例えば現像処理、高画質化処理(帯域強調処理、超解像処理、NR(Noise reduction)処理及び/又は手ブレ補正処理等)、並びに/又は拡大処理(電子ズーム処理)等、各種の公知の信号処理が含まれる。また、画像処理部5175は、AE、AF及びAWBを行うための、画像信号に対する検波処理を行う。
【0233】
画像処理部5175は、CPUやGPU等のプロセッサによって構成され、当該プロセッサが所定のプログラムに従って動作することにより、上述した画像処理や検波処理が行われ得る。なお、画像処理部5175が複数のGPUによって構成される場合には、画像処理部5175は、画像信号に係る情報を適宜分割し、これら複数のGPUによって並列的に画像処理を行う。
【0234】
制御部5177は、内視鏡5115による術部の撮像、及びその撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部5177は、カメラヘッド5119の駆動を制御するための制御信号を生成する。この際、撮像条件がユーザによって入力されている場合には、制御部5177は、当該ユーザによる入力に基づいて制御信号を生成する。あるいは、内視鏡5115にAE機能、AF機能及びAWB機能が搭載されている場合には、制御部5177は、画像処理部5175による検波処理の結果に応じて、最適な露出値、焦点距離及びホワイトバランスを適宜算出し、制御信号を生成する。
【0235】
また、制御部5177は、画像処理部5175によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部の画像を表示装置5155に表示させる。この際、制御部5177は、各種の画像認識技術を用いて術部画像内における各種の物体を認識する。例えば、制御部5177は、術部画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具5135使用時のミスト等を認識することができる。制御部5177は、表示装置5155に術部の画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させる。手術支援情報が重畳表示され、術者5181に提示されることにより、より安全かつ確実に手術を進めることが可能になる。
【0236】
カメラヘッド5119及びCCU5153を接続する伝送ケーブル5179は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
【0237】
ここで、図示する例では、伝送ケーブル5179を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド5119とCCU5153との間の通信は無線で行われてもよい。両者の間の通信が無線で行われる場合には、伝送ケーブル5179を手術室内に敷設する必要がなくなるため、手術室内における医療スタッフの移動が当該伝送ケーブル5179によって妨げられる事態が解消され得る。
【0238】
以上、本開示に係る技術が適用され得る手術室システム5100の一例について説明した。なお、ここでは、一例として手術室システム5100が適用される医療用システムが内視鏡手術システム5113である場合について説明したが、手術室システム5100の構成はかかる例に限定されない。例えば、手術室システム5100は、内視鏡手術システム5113に代えて、検査用軟性内視鏡システムや顕微鏡手術システムに適用されてもよい。
【0239】
本開示に係る技術は、以上の応用例に説明した構成のうち、伝送ケーブル5179に好適に適用され得る。具体的には、手術室においてCCUに対してカメラヘッド部やモニタ、レコーダ等が接続されており、それらの各部の接続に使用される各ケーブルにおいて、上述のケーブル1としての各機能が設けられることにより、ケーブルのコネクタ部がどの機器に接続されているのかを判別することができる。
また、CCUに対して各機器が同種のケーブルで接続されている場合に、各ケーブルの機器への接続状態を判別することができる。また、転送速度等の機器に関する情報に応じて同種のケーブルにおいても適切なケーブルの接続を誘導することができる。
更に、CCUに対してモニタ等を複数接続する場合に、転送速度等の機器に関する情報に応じて各モニタに応じた適切なケーブルが用いられるように誘導を行うことが可能である。
【0240】
<8.本技術>
本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)
第1コネクタ部と、
第2コネクタ部と、
一端が前記第1コネクタ部に接続され他端が前記第2コネクタ部に接続される伝送線と、
前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部の接続状態を検出する制御部と、
前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部のうち何れか一方のコネクタ部に対する操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部の検出結果に応じて他方のコネクタ部の前記接続状態に応じた報知を行う報知部と、を備えた
ケーブル。
(2)
前記制御部は、
前記第1コネクタ部に設けられ、前記第1コネクタ部の接続状態を検出する第1接続検出部と、
前記第2コネクタ部に設けられ、前記第2コネクタ部の接続状態を検出する第2接続検出部と、を備える
上記(1)に記載のケーブル。
(3)
前記操作検出部として、前記第1コネクタ部に設けられた第1操作検出部と前記第2コネクタ部に設けられた第2操作検出部を備える
上記(1)に記載のケーブル。
(4)
前記第1操作検出部は前記第1コネクタ部に対する操作を検出し、
前記第2操作検出部は前記第2コネクタ部に対する操作を検出する
上記(3)に記載のケーブル。
(5)
前記報知部は、前記第1操作検出部及び前記第2操作検出部のうち、何れか一方の操作検出部が操作検出したことに応じて他方の操作検出部が設けられたコネクタ部の接続状態に応じた報知を行う
上記(4)に記載のケーブル。
(6)
前記報知部として、前記第1コネクタ部に設けられた第1報知部と前記第2コネクタ部に設けられた第2報知部が設けられた
上記(1)から上記(5)の何れかに記載のケーブル。
(7)
前記第1コネクタ部には第1操作検出部が設けられ、
前記第2コネクタ部には第2操作検出部が設けられ、
前記第1報知部は、前記第1操作検出部が操作検出したことに応じて前記第2コネクタ部の接続状態に応じた報知を行い、
前記第2報知部は、前記第2操作検出部が操作検出したことに応じて前記第1コネクタ部の接続状態に応じた報知を行う
上記(6)に記載のケーブル。
(8)
前記報知部は、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部の双方が機器に接続された場合に第1態様による報知を行い、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部のうちの一方のコネクタ部のみが機器に接続された場合に第2態様による報知を行う
上記(1)から上記(7)の何れかに記載のケーブル。
(9)
前記報知部は、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部の双方が機器に接続された状態とされた場合に前記伝送線を介して行われる情報通信における通信速度に応じた報知を行う
上記(1)から上記(8)の何れかに記載のケーブル。
(10)
前記報知部は、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部のうち何れか一方のコネクタ部が充電機器に接続され他方のコネクタ部が充電対象機器に接続された場合に前記充電対象機器の充電量に応じた報知を行う
上記(1)から上記(9)の何れかに記載のケーブル。
(11)
前記第1コネクタ部に設けられた第1受光部を備え、
前記第2コネクタ部が機器に接続され、前記第1操作検出部が操作を検出した場合に、前記報知部は、前記第1受光部が特定波長の光を受光したか否かに応じた報知を行う
上記(3)、上記(4)、上記(5)または上記(7)の何れかに記載のケーブル。
(12)
前記特定波長はコネクタ種別に応じた波長とされた
上記(11)に記載のケーブル。
(13)
前記第1コネクタ部に設けられた第1音出力部を備え、
前記第2コネクタ部が機器に接続され、前記第1操作検出部が操作を検出した場合に、前記第1音出力部は、前記第1コネクタ部を接続部に誘導するための音出力を行う
上記(12)に記載のケーブル。
(14)
前記第1コネクタ部に設けられた第1音出力部を備え、
前記第1音出力部は、前記第1コネクタ部が目的の接続部よりも他の接続部に近づいた場合に第3音を出力する
上記(12)から上記(13)の何れかに記載のケーブル。
(15)
前記第1コネクタ部に設けられた第1音出力部を備え、
前記第1音出力部は、前記第1コネクタ部が目的の接続部に接続された場合に第2音を出力する
上記(12)から上記(14)の何れかに記載のケーブル
(16)
前記報知部は、前記第1コネクタ部が機器に接続され且つ前記第1受光部が光を受光した場合に報知を行う
上記(11)から上記(15)の何れかに記載のケーブル。
(17)
前記報知部は報知発光部とされ、
前記報知は前記報知発光部の発光を利用して行われる
上記(1)から上記(16)の何れかに記載のケーブル。
(18)
前記報知部は音出力部を有すものとされ、
前記報知は前記音出力部による音出力を利用して行われる
上記(1)から上記(16)の何れかに記載のケーブル。
(19)
第1コネクタ部と、第2コネクタ部と、一端が前記第1コネクタ部に接続され他端が前記第2コネクタ部に接続される伝送線と、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部の接続状態を検出する制御部と、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部のうち何れか一方のコネクタ部に対する操作を検出する操作検出部と、を備えたケーブルにおいて、
前記操作検出部の検出結果に応じて他方のコネクタ部の接続状態に応じた報知を行う
報知方法。
【符号の説明】
【0241】
1…ケーブル、C1…第1コネクタ部、C2…第2コネクタ部、5…第1操作検出部、6…第1報知部、7…第1接続検出部、8…第2操作検出部、9…第2報知部、10…第2接続検出部、11…伝送線、14…第1受光部、100…機器、101…機器
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