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特許7405137商品需要予測装置、商品需要予測方法、及び、プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】商品需要予測装置、商品需要予測方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0202 20230101AFI20231219BHJP
【FI】
G06Q30/0202
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021508787
(86)(22)【出願日】2020-02-19
(86)【国際出願番号】 JP2020006588
(87)【国際公開番号】W WO2020195375
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-01-16
(31)【優先権主張番号】P 2019055919
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】森崎 充敬
(72)【発明者】
【氏名】菅ヶ谷 啓希
【審査官】橋沼 和樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/008203(WO,A1)
【文献】特開2015-041121(JP,A)
【文献】特開平09-251450(JP,A)
【文献】特開2001-256285(JP,A)
【文献】特開2007-011723(JP,A)
【文献】特開2009-265747(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0253619(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗が設置された区域に、商品の需要を予測する対象である時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を、前記区域における人物の端末装置の稼働状況を表す検出情報を用いて取得する取得手段と、
前記人物に関する情報と、前記人物による前記商品の購入傾向と、に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する予測手段と、
を備える商品需要予測装置。
【請求項2】
店舗が設置された区域に、商品の需要を予測する対象である時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を、前記区域に関する人物のスケジュール情報を用いて取得する取得手段と、
前記人物に関する情報と、前記人物による前記商品の購入傾向と、に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する予測手段と、
を備える商品需要予測装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記人物に関する情報として、前記区域に前記時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物の人数を取得し、
前記予測手段は、前記取得した人数と、前記人物による商品の購入傾向と、に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する、
請求項1または2に記載の商品需要予測装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記人物に関する情報として、前記区域に前記時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物の識別子を取得し、
前記予測手段は、前記取得した識別子の人物による前記商品の購入傾向に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する、
請求項1または2に記載の商品需要予測装置。
【請求項5】
前記予測手段は、前記取得した識別子の人物により登録された前記商品の購入傾向に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する、
請求項4に記載の商品需要予測装置。
【請求項6】
さらに、前記予測した前記商品の需要に基づいて、該商品の発注処理を行う発注手段を備えた、
請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の商品需要予測装置。
【請求項7】
コンピュータが、
店舗が設置された区域に、商品の需要を予測する対象である時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を、前記区域における人物の端末装置の稼働状況を表す検出情報を用いて取得し、
前記人物に関する情報と、前記人物による前記商品の購入傾向と、に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する、
商品需要予測方法。
【請求項8】
コンピュータが、
店舗が設置された区域に、商品の需要を予測する対象である時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を、前記区域に関する人物のスケジュール情報を用いて取得し、
前記人物に関する情報と、前記人物による前記商品の購入傾向と、に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する、
商品需要予測方法。
【請求項9】
コンピュータに、
店舗が設置された区域に、商品の需要を予測する対象である時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を、前記区域における人物の端末装置の稼働状況を表す検出情報を用いて取得し、
前記人物に関する情報と、前記人物による前記商品の購入傾向と、に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する、
処理を実行させるプログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
店舗が設置された区域に、商品の需要を予測する対象である時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を、前記区域に関する人物のスケジュール情報を用いて取得し、
前記人物に関する情報と、前記人物による前記商品の購入傾向と、に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、商品需要予測装置、商品需要予測システム、商品需要予測方法、及び、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
小売店舗(コンビニエンスストア、スーパーマーケットなど)における売上げ向上のためには、店舗における商品需要を予測することが重要である。
【0003】
店舗における商品需要を予測する技術が、例えば、特許文献1、2、及び、3に開示されている。特許文献1に記載の技術では、商圏の固定客や流動客のマーケットごとに、商品の販売個数を算出し、店舗の売上げを予測する。特許文献2に記載の技術では、イベントの開催予定、及び、イベントと商品の販売実績の増減との相関関係に基づき、商品の仕入量を調整する。特許文献3に記載の技術では、店舗に対する売れ行きに影響を与える影響情報(開催されるイベントに関する情報等)に基づいて仕入計画を調整する。
【0004】
なお関連技術として、特許文献4には、行動スケジュールに基づいて、商品やサービスをリコメンデーションする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-324160号公報
【文献】特開2011-145960号公報
【文献】特開2002-288496号公報
【文献】特開2002-259800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献においては、商圏内に予測対象時刻に居る人々の情報やそれらの人々のニーズを考慮できていないため、商品需要を正確に予測できない可能性がある。
【0007】
本開示の目的の一つは、上述の課題を解決し、店舗における商品需要を精度よく予測できる、商品需要予測装置、商品需要予測システム、商品需要予測方法、及び、記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様における商品需要予測装置は、店舗が設置された区域に、商品の需要を予測する対象である時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を取得する取得手段と、前記人物に関する情報と、前記人物による前記商品の購入傾向と、に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する予測手段と、を備える。
【0009】
本開示の一態様における第1の商品需要予測システムは、店舗が設置された区域に、商品の需要を予測する対象である時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を取得する取得手段と、前記人物に関する情報と、前記人物による前記商品の購入傾向と、に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する予測手段と、を含む商品需要予測装置と、前記区域における人物の検出情報を記憶する検出情報管理装置と、を備え、前記取得手段は、前記検出情報管理装置から取得した前記区域における人物の検出情報を用いて、前記人物に関する情報を取得する。
【0010】
本開示の一態様における第2の商品需要予測システムは、店舗が設置された区域に、商品の需要を予測する対象である時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を取得する取得手段と、前記人物に関する情報と、前記人物による前記商品の購入傾向と、に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する予測手段と、を含む商品需要予測装置と、前記区域に関する人物のスケジュール情報を記憶するスケジュール情報管理装置と、を備え、前記取得手段は、前記スケジュール情報管理装置から取得した前記区域に関する人物のスケジュール情報を用いて、前記人物に関する情報を取得する。
【0011】
本開示の一態様における商品需要予測方法は、店舗が設置された区域に、商品の需要を予測する対象である時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を取得し、前記人物に関する情報と、前記人物による前記商品の購入傾向と、に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する。
【0012】
本開示の一態様におけるプログラムは、コンピュータに、店舗が設置された区域に、商品の需要を予測する対象である時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を取得し、前記人物に関する情報と、前記人物による前記商品の購入傾向と、に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する、処理を実行させる。

【発明の効果】
【0013】
本開示の効果は、店舗における商品需要を精度よく予測できることである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態における商品需要予測システム10の全体的な構成を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態における検出情報の例を表す図である。
図3】第1の実施形態における検出情報の他の例を表す図である。
図4】第1の実施形態におけるスケジュール情報の例を表す図である。
図5】第1の実施形態におけるPOS装置510の構成の詳細を示すブロック図である。
図6】第1の実施形態における購入データの例を示す図である。
図7】第1の実施形態における店舗サーバ520Aの構成の詳細を示すブロック図である。
図8】第1の実施形態における店舗サーバ520Bの構成の詳細を示すブロック図である。
図9】第1の実施形態における購入履歴の例を示す図である。
図10】第1の実施形態における購入傾向情報の例を示す図である。
図11】第1の実施形態における購入傾向情報の他の例を示す図である。
図12】第1の実施形態における予想滞在情報の例を示す図である。
図13】第1の実施形態における予想滞在情報の他の例を示す図である。
図14】第1の実施形態における購入傾向生成処理を示すフローチャートである。
図15】第1の実施形態における商品需要予測処理を示すフローチャートである。
図16】第1の実施形態における商品需要予測結果の例を示す図である。
図17】第1の実施形態における予測結果画面の例を示す図である。
図18】第1の実施形態の第4の変形例における購入傾向情報の例を示す図である。
図19】第2の実施形態における店舗サーバ520B、及び、本部サーバ610の構成の詳細を示すブロック図である。
図20】第2の実施形態における商品需要予測処理を示すフローチャートである。
図21】第2の実施形態における予測結果画面の例を示す図である。
図22】第3の実施形態における店舗サーバ520B、及び、本部サーバ610の構成の詳細を示すブロック図である。
図23】第4の実施形態における店舗サーバ520B、及び、本部サーバ610の構成の詳細を示すブロック図である。
図24】第5の実施形態における店舗サーバ520A、及び、店舗サーバ520Bの構成の詳細を示すブロック図である。
図25】第6の実施形態における店舗サーバ520B、及び、本部サーバ610の構成の詳細を示すブロック図である。
図26】各実施形態におけるコンピュータ900のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
図27】第7の実施形態における店舗サーバ520Bの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面、及び、明細書記載の各実施形態において、同様の構成要素には同一の符号を付与し、説明を適宜省略する。
【0016】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について説明する。
【0017】
はじめに、第1の実施形態における商品需要予測システム10の構成を説明する。図1は、第1の実施形態における商品需要予測システム10の全体的な構成を示すブロック図である。商品需要予測システム10は、店舗の商品需要を予測するシステムである。予測対象の店舗は、ある区域に居る人物を対象に商品を販売する。区域は、ビル内のフロア等建物内のエリア、ビル等の建物、隣接或いは近接するビル群等の建物群、これらの建物や建物群を含む敷地等、他の場所と区別された場所の範囲を示す。
【0018】
ここでは、上述の区域が、企業のオフィスビルであり、店舗がオフィスビル内に居る、該企業の従業員を対象に商品を販売する場合を例に、実施形態を説明する。また、区域に居る人物を識別するための識別子(以下、ID(IDentifier)とも記載する)として、従業員の従業員IDを用いる。
【0019】
図1を参照すると、第1の実施形態における商品需要予測システム10は、管理システム100、店舗システム500A、500B(以下、まとめて店舗システム500とも記載)、及び、本部システム600を含む。
【0020】
管理システム100は、管理センター1に設置される。管理センター1は、オフィスビル2の各種設備や企業の従業員等を管理する管理部門である。
【0021】
店舗システム500A、500Bは、それぞれ、店舗5A、店舗5B(以下、まとめて店舗5とも記載)に設置される。店舗5A、店舗5Bは、コンビニエンスストアやスーパーマーケットのチェーン等の店舗である。
【0022】
このうち、例えば、店舗5Aは、オフィスビル2の外であって、オフィスビル2の近くに設置され、店舗5Bは、オフィスビル2内に設置される。店舗5Aは店舗5Bの母店舗であり、店舗5Bを管理する。店舗5Bは店舗5Aの子店舗である。
【0023】
また、店舗5Aは、例えば上述のチェーンにおける通常店舗であり、店舗5Bは、省人型店舗や無人型店舗である。省人型店舗や無人型店舗は、業務効率化や小規模商圏への展開を目的に、コンピュータシステムにより、購入商品の登録、精算をはじめ、接客支援、店内監視、在庫管理、設備管理等に関する店員の作業を低減し、常駐する店員の数を通常店舗より削減、或いは、ゼロにした、小型店舗である。店舗5Bで販売される商品は、店舗5Aや店舗5Bから本部6に発注され、本部6からの配送指示に基づき、店舗5Aの商品と一緒に、配送センター7から店舗5Aに配送される。店舗5Bの商品は、例えば、店舗5Aの店員等により、さらに、店舗5Aから店舗5Bに配送され、店舗5Bの陳列棚等に品出し(陳列)される。
【0024】
なお、店舗5Aと店舗5Bの両方が通常店舗であってもよいし、店舗5Aと店舗5Bの両方が省人型店舗や無人型店舗であってもよい。また、店舗5Bで販売される商品が、配送センター7から直接店舗5Aに配送されてもよい。
【0025】
店舗システム500Aは、POS(Point Of Sale)装置510、店舗サーバ520A、及び、店舗端末580Aを含む。
【0026】
店舗システム500Bは、POS装置510、店舗サーバ520B、及び、店舗端末580Bを含む。以下、店舗サーバ520A、520Bをまとめて店舗サーバ520、店舗端末580A、580Bをまとめて店舗端末580とも記載する。
【0027】
各店舗システム500において、POS装置510、店舗サーバ520、及び、店舗端末580は、例えば、店舗内ネットワークにより接続される。
【0028】
オフィスビル2には、さらに、ゲート3、及び、オフィス4が設置される。ゲート3は、オフィスビル2の出入り口である。オフィス4は、企業の従業員が業務に従事する場所である。
【0029】
本部システム600は、上述のチェーンの本部6に設置される。本部6は、チェーンの店舗5を管理する部門である。
【0030】
管理システム100、店舗システム500、及び、本部システム600は、通信ネットワーク700により接続される。
【0031】
管理システム100には、企業内の通信ネットワーク800を通じて、ゲート3に設置されたカードリーダライタ310やバーコードリーダ320、カメラ330が接続される。カードリーダライタ310は、磁気カードや非接触IC(Integrated Circuit)カードとの間で、情報の読み取り、書き込みを行う装置である。バーコードリーダ320は、バーコードの読み取りを行う装置である。カメラ330は、従業員等の画像を取得する撮像装置である。
【0032】
また、管理システム100には、通信ネットワーク800を通じて、オフィス4に設置された従業員端末400a、b、…(以下、まとめて、従業員端末400とも記載)が接続されていてもよい。従業員端末400は、各従業員が業務で用いる端末装置である。
【0033】
管理システム100は、検出情報管理装置110、及び、スケジュール情報管理装置120を含む。
【0034】
検出情報管理装置110は、オフィスビル2(区域)における従業員(人物)の検出情報を記憶する。検出情報は、オフィスビル2において検出された(オフィスビル2に居る)従業員を表す情報である。
【0035】
検出情報は、例えば、オフィスビル2(区域)における従業員(人物)の入退場状況を表す情報である。図2は、第1の実施形態における検出情報の例を表す図である。この場合、検出情報には、図2のように、従業員ID、入場時刻、及び、退場時刻が関連付けて設定される。入場時刻は、従業員IDが示す従業員がオフィスビル2に入場した時刻を表す。退場時刻は、該従業員がオフィスビル2から退場した時刻を表す。入場時刻は、従業員の入場が検出されたときに設定される。退場時刻は、従業員の入場が検出されたときに初期化され、退場が検出されたときに設定される。
【0036】
検出情報管理装置110は、カードリーダライタ310やバーコードリーダ320、カメラ330を用いて、ゲート3を通じてオフィスビル2に入場、または、オフィスビル2から退場する従業員の従業員IDを取得する。例えば、検出情報管理装置110は、カードリーダライタ310から、従業員の磁気カードや非接触ICカード形式の社員証から読み出された従業員IDを取得する。また、検出情報管理装置110は、バーコードリーダ320やカメラ330から、社員証から読み取られた従業員IDを示すバーコードや2次元バーコードの情報を取得してもよい。また、検出情報管理装置110は、カメラ330から従業員の顔画像を取得し、顔画像認証により従業員IDを特定してもよい。同様に検出情報管理装置110は、ゲート3に設置された他のセンサを用いて、虹彩認証、指紋認証、静脈認証等、顔画像認証以外の他の生体認証手段により従業員IDを特定してもよい。
【0037】
なお、オフィスビル2に居る従業員を検出できれば、カードリーダライタ310やバーコードリーダ320、カメラ330、他のセンサは、オフィスビル2内の通路や各オフィス4の出入り口等、ゲート3以外の任意の場所に設置されていてもよい。
【0038】
また、検出情報は、オフィスビル2(区域)における従業員の従業員端末400(人物の端末装置)の稼働状況を表す情報でもよい。図3は、第1の実施形態における検出情報の他の例を表す図である。この場合、検出情報には、図3のように、従業員ID、稼動開始時刻、及び、稼動終了時刻が関連付けて設定される。稼動開始時刻は、従業員IDが示す従業員により該従業員の従業員端末400の稼動が開始された時刻を表す。稼動終了時刻は、該従業員により該従業員端末400の稼動が終了された時刻を表す。稼動開始時刻は、従業員端末400の稼動開始が検出されたときに設定される。稼動終了時刻は、従業員端末400の稼動開始が検出されたときに初期化され、稼動終了が検出されたときに設定される。
【0039】
稼動開始時刻、稼動終了時刻は、それぞれ、例えば、従業員が従業員端末400を起動した時刻、停止させた時刻である。また、稼動開始時刻、稼動終了時刻は、それぞれ、従業員が従業員端末400にログインした時刻、ログオフした時刻でもよいし、該従業員が従業員端末400を介して通信ネットワーク800に接続された業務用のサーバ装置(図示せず)にログインした時刻、ログオフした時刻でもよい。
【0040】
スケジュール情報管理装置120は、オフィスビル2(区域)に関する従業員(人物)のスケジュール情報を記憶する。スケジュール情報は、オフィスビル2に勤務する従業員のスケジュールを表す情報である。図4は、第1の実施形態におけるスケジュール情報の例を表す図である。スケジュール情報には、図4のように、従業員ID、各日の入場予定時刻、退場予定時刻が関連付けて設定される。従業員IDは、オフィスビル2に勤務する従業員の従業員IDを示す。入場予定時刻は、該従業員のオフィスビル2への入場予定時刻を表す。入場予定時刻は、オフィスビル2への出社予定時刻でもよいし、外出からの帰社予定時刻でもよい。退場予定時刻は、該従業員のオフィスビル2からの退場予定時刻を表す。退場予定時刻は、オフィスビル2からの退社予定時刻でもよいし、外出時の出発予定時刻でもよい。スケジュール情報における各従業員のスケジュールは、例えば、各従業員により、従業員端末400等を介して登録される。
【0041】
なお、スケジュール情報は、オフィスビル2以外に勤務する従業員のスケジュールを含んでいてもよい。この場合、スケジュール情報には、例えば、入場予定時刻として、オフィスビル2への訪問の開始予定時刻が、退場予定時刻として、オフィスビル2への訪問の終了予定時刻が設定される。
【0042】
図5は、第1の実施形態におけるPOS装置510の構成の詳細を示すブロック図である。図5に示すように、POS装置510には、カードリーダライタ540や、バーコードリーダ550、カメラ560、タグリーダライタ570が接続されていてもよい。カードリーダライタ540や、バーコードリーダ550、カメラ560、タグリーダライタ570は、例えば、POS装置510の近くに設置される。カードリーダライタ540は、磁気カードや非接触ICカードとの間で、情報の読み取り、書き込みを行う装置である。バーコードリーダ550は、バーコードの読み取りを行う装置である。カメラ560は、商品や従業員等の画像を取得する撮像装置である。タグリーダライタ570は、RFID(Radio Frequency IDentifier)タグとの間で、情報の読み取り、書き込みを行う装置である。
【0043】
図5を参照すると、POS装置510は、客特定部511、登録部512、精算部513、及び、購入データ生成部514を含む。
【0044】
客特定部511は、店舗5にて商品を購入する客である、従業員(人物)の従業員ID(人物ID)を特定する。客特定部511は、カードリーダライタ540や、バーコードリーダ550、カメラ560を用いて、上述の検出情報管理装置110と同様に、社員証や顔認証により、従業員の従業員IDを取得(特定)する。
【0045】
客特定部511は、取得した従業員IDを、購入データ生成部514へ出力する。
【0046】
登録部512は、店舗5において客である従業員が購入する商品の登録を行う。登録部512は、バーコードリーダ550や、カメラ560、タグリーダライタ570を用いて、従業員が購入する商品の商品IDを取得する。商品IDは商品を識別するための識別子である。商品IDとして、例えば、商品の名前や商品コードが用いられる。例えば、登録部512は、バーコードリーダ550やカメラ560から、商品から読み取られた商品IDを示すバーコードや2次元バーコードの情報を取得してもよい。また、登録部512は、カメラ560から商品の画像を取得し、画像認識により商品IDを特定してもよい。また、登録部512は、タグリーダライタ570から、商品のRFIDタグから読み取られた商品IDを取得してもよい。
【0047】
登録部512は、取得した、従業員が購入する商品の商品IDを、精算部513へ出力する。
【0048】
精算部513は、客である従業員が購入する商品(登録部512により取得された商品IDの商品)の精算(決済)を行う。精算部513は、カードリーダライタ540や、バーコードリーダ550、カメラ560を用いて、精算(決済)に必要な情報を取得し、精算(決済)を行う。例えば、精算部513は、カードリーダライタ540から、従業員が提示した磁気形式や非接触ICカード形式のクレジットカードや電子マネーカードから読み出された決済に必要な情報を取得する。また、精算部513は、バーコードリーダ550やカメラ560から、従業員の端末上で動作する決済用アプリケーションから読み取られた決済用のバーコードや2次元バーコードの情報を取得する。また、精算部513は、カメラ560から従業員の顔画像を取得し、顔画像認証により従業員IDを特定し、従業員IDに関連付けて予め登録されているクレジットカードや電子マネー、銀行口座等の情報を取得してもよい。同様に精算部513は、他のセンサを用いて、虹彩認証、指紋認証、静脈認証等、顔画像認証以外の他の生体認証手段により従業員IDを特定してもよい。また、精算部513は、店員による現金の受渡し、または、POS装置510に接続された自動釣銭機(図示せず)を用いた現金の受渡しにより、精算を行ってもよい。
【0049】
なお、商品の登録、及び、精算は、例えば、店舗5の店員の操作により行われる形態でもよく、客である従業員の操作により行われる形態でもよい。また、商品の登録が店舗5の店員の操作により行われ、精算が客である従業員の操作により行われる形態でもよい。
【0050】
精算部513は、精算が完了すると、精算が完了した商品(従業員が購入した商品)の商品IDと精算が完了した時刻(購入時刻)とを購入データ生成部514に出力する。
【0051】
購入データ生成部514は、登録部512から入力された従業員ID、及び、精算部513から入力された商品IDと購入時刻を用いて、購入データを生成し、自店舗の店舗サーバ520に送信する。図6は、第1の実施形態における購入データの例を示す図である。購入データには、図6のように、購入時刻、従業員ID、及び、商品IDが、関連付けて設定される。購入時刻は、商品が購入された時刻を示す。従業員IDは、商品を購入した従業員の従業員IDを示す。商品IDは、購入された商品の商品IDを示す。
【0052】
図7は、第1の実施形態における店舗サーバ520Aの構成の詳細を示すブロック図である。図7を参照すると、店舗サーバ520Aは、購入履歴記憶部521、及び、購入履歴更新部522を含む。
【0053】
図8は、第1の実施形態における、店舗サーバ520Bの構成の詳細を示すブロック図である。図8を参照すると、店舗サーバ520Bは、店舗システム500Aと同様の購入履歴記憶部521、購入履歴更新部522に加えて、購入傾向記憶部523、購入傾向生成部524、取得部526、及び、予測部527を含む。
【0054】
購入履歴記憶部521は、購入履歴を記憶する。購入履歴は、自店舗5における従業員による商品の購入履歴を表す。
【0055】
図9は、第1の実施形態における購入履歴の例を示す図である。購入履歴には、図9に示すように、自店舗5のPOS装置510から受信した購入データが購入時刻の順番で設定される。
【0056】
購入履歴更新部522は、自店舗5のPOS装置510から受信した購入データで、購入履歴記憶部521の購入履歴を更新する。
【0057】
購入傾向記憶部523は、従業員(人物)による商品の購入傾向を表す購入傾向情報を記憶する。購入傾向は、商品の購入可能性を表す。
【0058】
購入傾向生成部524は、購入履歴記憶部521の購入履歴に基づき、購入傾向情報を生成し、購入傾向記憶部523に保存する。購入傾向は、例えば、以下のような購入割合により示される。
【0059】
図10は、第1の実施形態における購入傾向情報の例を示す図である。図10の例では、購入傾向情報には、時間帯、商品ID、従業員ID、購入割合が関連付けて設定される。時間帯は、例えば、1日を所定の方法で分割した時間(例えば、数時間毎)の各区間を示す。なお、時間帯は、1年を所定の方法で分割した各区間(例えば、各季節や各月等)、1月を所定の方法で分割した各区間(各日等)、1週間を所定の方法で分割した各区間(各曜日等)でもよい。ここで、購入割合は、各時間帯について、該時間帯の少なくとも一部にオフィスビル2に従業員IDが示す従業員が居た場合を1回とカウントして得られる回数に対する、該時間帯に該従業員により商品IDが示す商品が購入された回数の割合を示す。購入傾向生成部524は、所定期間(例えば、直近の1年間や、1ヶ月間、1週間)の購入履歴に基づき、時間帯、商品、及び、従業員の組み合わせごとに、購入割合を算出する。
【0060】
図11は、第1の実施形態における購入傾向情報の他の例を示す図である。図11の例では、購入傾向情報には、時間帯、商品ID、及び、購入割合が関連付けて設定される。ここで、購入割合は、各時間帯について、該時間帯にオフィスビル2に居る従業員数に対する、商品IDが示す商品を購入した従業員数の割合を示す。購入傾向生成部524は、所定期間の購入履歴に基づき、時間帯及び商品の組み合わせごとに、購入割合を算出する。
【0061】
取得部526は、予想滞在情報を取得する。予想滞在情報は、商品の需要を予測する対象である時間帯(以下、対象時間帯とも記載)のうち少なくとも一部に、オフィスビル2(区域)に居ることが予想される従業員(人物)に関する情報である。
【0062】
取得部526は、例えば、検出情報管理装置110から上述の検出情報を取得し、該検出情報から予想滞在情報を生成(取得)する。また、取得部526は、スケジュール情報管理装置120から上述のスケジュール情報を取得し、該スケジュール情報から予想滞在情報を生成(取得)してもよい。
【0063】
図12は、第1の実施形態における予想滞在情報の例を示す図である。予想滞在情報における従業員(人物)に関する情報は、例えば、オフィスビル2に居ることが予想される従業員の従業員ID(人物の識別子)を表す。この場合、予想滞在情報には、図12に示すように、対象時間帯、及び、従業員IDが関連付けて設定される。従業員IDは、対象時間帯のうち少なくとも一部にオフィスビル2に居ることが予想される従業員の従業員IDを示す。
【0064】
取得部526は、例えば、対象時間帯以前に商品需要の予測を実行する時刻(以下、実行時刻とも記載)に、図2のような検出情報を取得し、入場時刻が設定されているが、退場時刻が未設定の従業員の従業員IDを抽出する。また、取得部526は、図3のような検出情報を取得し、稼動開始時刻が設定されているが、稼動終了時刻が未設定の従業員の従業員IDを抽出してもよい。取得部526は、抽出した従業員IDを、オフィスビル2に居ることが予想される従業員の従業員IDとする。例えば、外出が少ない企業では、オフィスビル2に出勤時間までに入場した従業員は、退勤時刻までオフィスビル2内に留まることが予想される。この場合、実行時刻を出勤時間以後かつ対象時間帯以前の時刻、対象時間帯を実行時刻以後かつ退勤時刻以前の時間帯とすることで、上記方法により、従業員IDを予想できる。
【0065】
また、取得部526は、実行時刻に、図4のようなスケジュール情報を取得し、入場予定時刻と退場予定時刻との間の時間帯、及び、対象時間帯が重なる従業員の従業員IDを抽出してもよい。取得部526は、抽出した従業員の従業員IDを、オフィスビル2に居ることが予想される従業員の従業員IDとする。
【0066】
図13は、第1の実施形態における予想滞在情報の他の例を示す図である。予想滞在情報における従業員(人物)に関する情報は、オフィスビル2に居ることが予想される従業員の従業員数(人物の人数)を表していてもよい。この場合、予想滞在情報には、図13に示すように、対象時間帯、及び、従業員数が関連付けて設定される。従業員数は、対象時間帯のうち少なくとも一部にオフィスビル2に居ることが予想される従業員の数を示す。
【0067】
取得部526は、例えば、上述のように実行時刻に図2図3のような検出情報から抽出した従業員の数を、オフィスビル2に居ることが予想される従業員の数とする。
【0068】
また、取得部526は、上述のように実行時刻に図4のようなスケジュール情報から抽出した従業員の数を、オフィスビル2に居ることが予想される従業員の数としてもよい。
【0069】
取得部526は、さらに、検出情報から抽出した従業員の数に、実行時刻や、対象時間帯、実行時刻と対象時間帯との間の時間差等に応じた所定係数を乗じた数を、従業員の数としてもよい。所定係数は、例えば、過去の検出情報に基づき、予め決定される。
【0070】
なお、取得部526の代わりに、検出情報管理装置110が検出情報から予想滞在情報を生成し、取得部526は検出情報管理装置110から予想滞在情報(従業員IDや従業員数)を取得してもよい。同様に、スケジュール情報管理装置120がスケジュール情報から予想滞在情報を生成し、取得部526はスケジュール情報管理装置120から予想滞在情報(従業員IDや従業員数)を取得してもよい。
【0071】
この場合、予想滞在情報は出社率(オフィスビル2における全従業員数に対する、入場した従業員の割合)でもよい。取得部526は、出社率に全従業員数を乗じることで、従業員数を算出できる。
【0072】
取得部526は、取得した予想滞在情報を、予測部527に出力する。
【0073】
予測部527は、対象時間帯のうち少なくとも一部に、オフィスビル2に居ることが予想される従業員(人物)に関する情報と、従業員(人物)による商品の購入傾向と、に基づき、店舗5Bの対象時間帯における商品の需要(以下、商品需要とも記載する)を予測する。商品需要は、従業員により必要とされる(従業員による購入が見込まれる)商品の数や量(以下、需要数や需要量とも記載する)である。また、商品需要は、需要数や需要量の大小を表すレベル(以下、需要レベルとも記載する)でもよい。ここで、予測部527は、購入傾向記憶部523の購入傾向情報と、取得部526が取得した予想滞在情報と、に基づき、商品需要を予測する。商品需要の予測方法の詳細は、後述する。
【0074】
予測部527は、さらに、予測した商品需要(需要予測結果)を、店舗端末580に送信(出力)する。
【0075】
店舗端末580は、店舗5の店員が利用する端末である。店舗5Aの店舗端末580Aは、店舗5Bの店舗サーバ520Bに商品需要の予測を要求(需要予測要求を送信)する。また、店舗端末580Aは、店舗サーバ520Bから受信した需要予測結果を表示する。
【0076】
本部サーバ610は、店舗システム500Aや500Bから受信した発注要求に応じて、配送センター7等に、店舗5Aへの商品の配送指示を行う。
【0077】
なお、第1の実施形態における、店舗サーバ520B、取得部526、及び、予測部527は、それぞれ、本開示における商品需要予測装置、取得手段、及び、予測手段の一実施形態である。
【0078】
次に、第1の実施形態の動作について説明する。
【0079】
はじめに、購入傾向生成処理について説明する。
【0080】
図14は、第1の実施形態における購入傾向生成処理を示すフローチャートである。購入傾向生成処理は、例えば、毎日や所定曜日、毎月の所定日における所定時刻等、所定のタイミングで実行される。
【0081】
ここでは、店舗サーバ520Bの購入履歴記憶部521に、店舗5Bの購入データに基づく、図9のような購入履歴が記憶されているとする。
【0082】
店舗サーバ520Bの購入傾向生成部524は、購入履歴記憶部521から、所定期間の購入履歴を取得する(ステップS101)。
【0083】
購入傾向生成部524は、取得した購入履歴に基づき、購入傾向情報を生成する(ステップS102)。購入傾向生成部524は、生成した購入傾向情報を購入傾向記憶部523に保存する。
【0084】
例えば、店舗サーバ520Bの購入傾向生成部524は、図9のような購入履歴に基づき、図10図11のような購入傾向情報を生成する。
【0085】
次に、商品需要予測処理について説明する。
【0086】
図15は、第1の実施形態における商品需要予測処理を示すフローチャートである。商品需要予測処理は、例えば、店舗端末580A上で、店舗5Aの店員が商品の需要予測を表示させる操作をしたときに実行される。
【0087】
ここでは、店舗サーバ520Bの購入傾向記憶部523に、図10図11のような購入傾向情報が記憶されているとする。
【0088】
店舗端末580Aは、店舗5Bの店舗サーバ520Bに、需要予測要求を送信する(ステップS201)。ここで、店舗端末580Aは、店員から対象時間帯、及び、需要予測の対象商品の商品IDの指定を受け付け、需要予測要求に含めて送信する。
【0089】
例えば、店舗端末580Aは、現在時刻「2019/03/01 10:00」に、対象時間帯「2019/03/01 11:00-14:00」、及び、商品ID「X001」、「X002」を含む需要予測要求を、店舗サーバ520Bに送信する。
【0090】
店舗サーバ520Bの取得部526は、検出情報管理装置110やスケジュール情報管理装置120から検出情報を取得する(ステップS202)。
【0091】
取得部526は、ステップS202で取得した検出情報から予想滞在情報を生成する(ステップS203)。取得部526は、需要予測要求に含まれる対象時間帯について、予想滞在情報を生成する。
【0092】
予測部527は、購入傾向記憶部523から購入傾向情報を取得する。そして、予測部527は、購入傾向情報から、対象時間帯、需要予測要求に含まれる商品ID、及び、予想滞在情報に含まれる従業員IDの組に関連付けられた購入傾向を取得する(ステップS204)。
【0093】
予測部527は、ステップS204で取得した購入傾向と、ステップS203で生成した予想滞在情報と、に基づき、対象時間帯における商品の需要を予測する(ステップS205)。
【0094】
図16は、第1の実施形態における商品需要結果の例を示す図である。例えば、取得部526は、検出情報管理装置110から、図2図3のような、現在時刻「2019/03/01 10:00」時点の検出情報を取得する。取得部526は、図2図3の検出情報に基づき、図12のように、対象時間帯「2019/03/01 11:00-14:00」について、従業員ID「M001」、「M003」、…を含む予想滞在情報を生成する。予測部527は、図10の購入傾向情報から、対象時間帯「2019/03/01 11:00-14:00」、商品ID「X001」、「X002」の各々、及び、従業員ID「M001」、「M003」の組に関連付けられた購入割合を取得する。予測部527は、各商品IDについて取得した購入割合を合計することで、図16のように商品ID「X001」、「X002」の商品の予測需要数を算出する。
【0095】
また、例えば、取得部526は、スケジュール情報管理装置120から、図4のような、現在時刻「2019/03/01 10:00」時点のスケジュール情報を取得する。取得部526は、図4のスケジュール情報に基づき、図13のように、対象時間帯「2019/03/01 11:00-14:00」について、従業員の数「100」を示す予想滞在情報を生成する。予測部527は、図11の購入傾向情報から、対象時間帯「2019/03/01 11:00-14:00」、及び、商品ID「X001」、「X002」の各々の組に関連付けられた購入割合を取得する。予測部527は、従業員の数「100」に、各商品について取得した購入割合を乗じることで、図16のように商品ID「X001」、「X002」の商品の予測需要数を算出する。
【0096】
予測部527は、需要予測結果を、店舗端末580Aに送信する(ステップS206)。ここで、予測部527は、需要を予測した商品の商品ID、及び、該商品の需要数や需要量、需要レベルを送信する。
【0097】
例えば、予測部527は、図16のような需要予測結果を送信する。
【0098】
店舗5Aの店舗端末580Aは、店舗サーバ520Bから受信した需要予測結果を表示する(ステップS207)。
【0099】
図17は、第1の実施形態における予測結果画面の例を示す図である。図17の例では、商品ID「X001」、「X002」の商品について、予測需要数が設定されている。例えば、店舗端末580Aは、図17の予測結果画面を、店員に表示する。
【0100】
店舗5Aの店員は、予測結果画面に表示された商品の需要を参照し、店舗5Bに配送すべき商品の数や量を決定し、店舗5Bに配送し、品出し(陳列)できる。
【0101】
以上により、第1の実施形態の動作が完了する。
【0102】
第1の実施形態によれば、店舗における商品需要を精度よく予測できる。その理由は、店舗サーバ520Bの取得部526が、店舗5Bが設置された区域に、商品の需要を予測する対象である時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を取得し、予測部527が、人物に関する情報と、人物による商品の購入傾向と、に基づき、店舗5Bの該時間帯における商品の需要を予測するためである。
【0103】
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態の商品需要予測システム10には、いくつかの変形例が考えられる。以下、各変形例について説明する。
【0104】
(第1の変形例)
第1の実施形態では、店舗5Aの店舗端末580Aが店舗5Bの店舗サーバ520Bに需要予測要求を送信し、店舗サーバ520Bから受信した需要予測結果を表示した。しかしながら、これに限らず、店舗5Bの店舗端末580Bが店舗サーバ520Bに需要予測要求を送信し、店舗サーバ520Bから受信した需要予測結果を表示してもよい。これにより、店舗5Bの店員は、需要予測結果に従って、店舗5Bに在庫のある商品の品出し(陳列)や、店舗5Aへの商品の配送依頼を行うことができる。
【0105】
(第2の変形例)
第1の実施形態では、店舗サーバ520Bの予測部527は、需要予測結果を店舗端末580Aに送信した。しかしながら、これに限らず、予測部527は、需要予測結果を、従業員端末400や従業員個人の他の端末装置(図示せず)に送信(出力)してもよい。この場合、予測部527は、例えば、取得部526が取得した、対象時間帯のうち少なくとも一部にオフィスビル2に居ることが予想される従業員の従業員端末400に、需要予測結果を送信する。これにより、従業員は、商品の需要を知ることができ、例えば、需要の多い商品の購入タイミングの決定に役立てることができる。
【0106】
また、予測部527は、需要予測結果を、本部システム600の本部サーバ610や本部システム600内の端末装置(図示せず)に送信(出力)してもよい。これにより、本部6におけるチェーンの管理者は、店舗5Bにおける商品の需要を知ることができ、例えば、配送センター7に用意すべき商品の数や量の決定に役立てることができる。
【0107】
(第3の変形例)
第1の実施形態では、区域が企業のオフィスビル2であり、店舗5Bがオフィスビル2内に設置される店舗であった。しかしながら、対象時間帯に居ることが予想される人物に関する情報を取得できれば、区域はオフィスビル2以外であってもよい。例えば、区域が隣接、或いは、近接する複数のオフィスビルにより構成されるビル群であり、店舗5Bが複数のオフィスビルのいずれかに設置される店舗でもよい。この場合、取得部526は、各オフィスビルの従業員の検出情報やスケジュール情報を用いて、区域(ビル群)に居ることが予想される人物に関する情報を取得する。
【0108】
また、区域は、学校や、病院、ホテル、ホール、スタジアム、公共施設等の施設やその施設を含む敷地であり、店舗5Bがこれらの施設や敷地内に設置されていてもよい。この場合、取得部526は、これらの施設や敷地における人物の検出情報やこれらの施設や敷地に関する人物のスケジュール情報を用いて、施設や敷地に居ることが予想される人物に関する情報を取得する。この場合、人物の検出情報は、施設や敷地の入退場情報から得られる検出情報でもよい。また、スケジュール情報は、インターネット上で提供されるスケジューラサービスに登録されるスケジュール情報でもよい。
【0109】
(第4の変形例)
第1の実施形態では、区域内に居る人物を識別するための人物IDとして、従業員IDを用いた。しかしながら、これに限らず、区域内に居る人物を識別できれば、人物IDとして、他のIDを用いてもよい。例えば、人物IDとして、学校の学生番号や、病院の患者番号、施設を利用するための会員番号を用いてもよい。また、人物IDとして、施設や店舗5Bを利用するために用いるクレジットカードや電子マネーの会員番号を用いてもよい。
【0110】
(第5の変形例)
第1の実施形態の商品需要予測システム10では、商品の購入傾向として、商品を購入した従業員の割合や、従業員が商品を購入した割合を用いた。しかしながら、商品の購入可能性を表すことができれば、購入傾向として、他の情報を用いてもよい。例えば、商品の購入傾向として、従業員により登録された購入傾向が用いられてもよい。
【0111】
図18は、第1の実施形態の第5の変形例における購入傾向情報の例を示す図である。この場合、購入傾向情報には、図18に示すように、時間帯、商品ID、従業員ID、及び、登録購入傾向が関連付けて設定される。登録購入傾向は、時間帯にオフィスビル2に従業員IDが示す従業員が、商品IDが示す商品を通常購入するか(Yes)否か(No)を示す。登録購入傾向は、従業員が商品の購入を希望するか(Yes)否か(No)を示していてもよい。従業員の購入傾向は、例えば、従業員端末400から店舗サーバ520Bに送信され、購入傾向生成部524により購入傾向情報に登録される。
【0112】
例えば、取得部526は、図2図3の検出情報に基づき、図12のように、対象時間帯「2019/03/01 11:00-14:00」について、従業員ID「M001」、「M003」、…を含む予想滞在情報を生成する。予測部527は、図18の購入傾向情報から、対象時間帯「2019/03/01 11:00-14:00」、商品ID「X001」、「X002」の各々、及び、従業員ID「M001」、「M003」の各々の組に関連付けられた購入希望が「Yes」の行を抽出する。予測部527は、各商品IDについて抽出した行の数を合計することで、図16のように商品ID「X001」、「X002」の商品の予測需要数を算出する。
【0113】
これにより、各従業員が自分で登録した購入傾向(購入希望)を反映した商品需要を予測できる。
【0114】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
【0115】
第2の実施形態では、店舗サーバ520Bが予測した商品需要に基づき商品の発注を行う点で、第1の実施の形態と異なる。
【0116】
図19は、第2の実施形態における店舗サーバ520B、及び、本部サーバ610の構成の詳細を示すブロック図である。図19を参照すると、第2の実施形態の店舗サーバ520Bは、第1の実施形態の店舗サーバ520Bの構成要素(図8)に加えて、発注部530を含む。発注部530は、予測した商品の需要に基づいて、商品の発注処理を行う。発注処理は、例えば、本部サーバ610に、商品の発注情報を送信し、商品の店舗5への配送を要求する処理である。
【0117】
店舗端末580Aは、店舗サーバ520Bに商品の発注要求を送信する。
【0118】
また、第2の実施形態の本部サーバ610は、配送指示部611を含む。配送指示部611は、店舗サーバ520Bから受信した発注データに基づき、発注された商品の店舗5Aへの配送を、配送センター7に指示する。
【0119】
なお、第2の実施形態における、店舗サーバ520B、取得部526、予測部527、及び、発注部530は、それぞれ、本開示における商品需要予測装置、取得手段、予測手段、及び、発注手段の一実施形態である。
【0120】
次に、第2の実施形態の動作について説明する。第2の実施形態における購入傾向生成処理は、第1の実施形態(図14)と同様となる。
【0121】
図20は、第2の実施形態における商品需要予測処理を示すフローチャートである。ここで、店舗端末580Aが需要予測要求を送信してから店舗サーバ520Bから受信した需要予測結果を表示するまでの処理(ステップS301~S307)は、第1の実施形態(図15、ステップS201~S207)と同様となる。
【0122】
図21は、第2の実施形態における予測結果画面の例を示す図である。図21の例では、各商品の予測需要数に加えて、発注数の入力欄が設けられている。例えば、店舗端末580Aは、図21の予測結果画面を、店員に表示する。
【0123】
店舗5Aの店員は、予測結果画面に表示された商品の需要を参照し、店舗5Bにおける商品の発注数や発注量を決定する。
【0124】
店舗端末580Aは、店舗5Bの店舗サーバ520Bに、発注要求を送信する(ステップS308)。ここで、店舗端末580Aは、店員から需要予測を行った商品の発注数や発注量の指定を受け付け、発注要求に含めて送信する。なお、店員から発注数や発注量の指定がない場合、店舗端末580Aは、予測需要数や予測需要量を発注数や発注量に指定してもよい。
【0125】
例えば、店舗端末580Aは、商品ID「X001」、「X002」の商品の発注量を含む発注要求を送信する。
【0126】
店舗サーバ520Bの発注部530は、店舗端末580Aから発注要求を受け付ける(ステップS309)。
【0127】
発注部530は、店舗端末580Aから受信した発注要求に含まれる商品について、発注処理を行う(ステップS310)。発注部530は、発注要求に含まれる商品の商品ID、及び、発注数や発注量を含む発注データを、本部サーバ610に送信する。
【0128】
例えば、店舗サーバ520Bの発注部129は、商品ID「X001」、「X002」を含む発注データを送信する。
【0129】
本部サーバ610の配送指示部611は、店舗システム500から受信した発注データに基づき、商品の店舗5Aへの配送を配送センター7に指示する(ステップS311)。これにより、商品が店舗5Aを介して発注元の店舗5Bへ配送される。
【0130】
例えば、配送指示部214は、商品ID「X001」、「X002」の商品の店舗5Aへの配送を指示する。
【0131】
以上により、第2の実施形態の動作が完了する。
【0132】
なお、発注部530は、店舗端末580からの発注要求によらず、予測部527による予測需要数や予測需要量を発注数や発注量として用いて、自動的に発注処理を行ってもよい。この場合、商品需要予測処理(予測部527による需要予測、及び、発注部530による発注)は、例えば、毎日の所定時刻等、所定のタイミングで実行されてもよい。
【0133】
第2の実施形態によれば、店舗において購入される可能性の高い商品を発注できる。その理由は、発注部530が、予測部527により予測された商品の需要に基づいて、商品の発注処理を行うためである。
【0134】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
【0135】
第3の実施形態では、店舗サーバ520Bに代わり、本部サーバ610が購入傾向情報の生成を行う点で、第1の実施形態と異なる。
【0136】
図22は、第3の実施形態における店舗サーバ520B、及び、本部サーバ610の構成の詳細を示すブロック図である。図22を参照すると、店舗サーバ520Bは、第1の実施形態と同様の取得部526、及び、予測部527を含む。本部サーバ610は、購入履歴記憶部621、購入履歴更新部622、購入傾向記憶部623、及び、購入傾向生成部624を含む。購入履歴記憶部621、購入履歴更新部622、購入傾向記憶部623、及び、購入傾向生成部624は、第1の実施形態における、店舗サーバ520Bの購入履歴記憶部521、購入履歴更新部522、購入傾向記憶部523、及び、購入傾向生成部524と同様の機能を有する。
【0137】
購入履歴記憶部621は、店舗5Bにおける従業員による商品の購入履歴を記憶する。
【0138】
購入履歴更新部622は、店舗5BのPOS装置510から受信した購入データで、購入履歴記憶部621に記憶される購入履歴を更新する。
【0139】
購入傾向記憶部623は、購入傾向情報を記憶する。
【0140】
購入傾向生成部624は、購入履歴記憶部621の購入履歴に基づき、購入傾向情報を生成し、購入傾向記憶部623に保存する。
【0141】
なお、第3の実施形態における、店舗サーバ520B、取得部526、及び、予測部527は、それぞれ、本開示における商品需要予測装置、取得手段、及び、予測手段の一実施形態である。
【0142】
店舗サーバ520Bが店舗端末580Aから需要予測要求を受信すると、取得部526は、検出情報管理装置110から取得した検出情報やスケジュール情報管理装置120から取得したスケジュール情報を用いて、予想滞在情報を生成(取得)する。
【0143】
予測部527は、本部サーバ610の購入傾向記憶部623から取得した購入傾向情報と、取得部526が取得した予想滞在情報と、に基づき、店舗5Bの対象時間帯における商品の需要を予測し、店舗端末580Aへ送信する。
【0144】
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、店舗における商品需要を精度よく予測できる。その理由は、店舗サーバ520Bの取得部526が、店舗5Bが設置された区域に、商品の需要を予測する対象の時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を取得し、予測部527が、人物に関する情報と、人物による商品の購入傾向と、に基づき、店舗5Bの該時間帯における商品の需要を予測するためである。
【0145】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
【0146】
第4の実施形態では、第2の実施形態と同様に、店舗サーバ520Bが、予測した商品需要に基づき商品の発注を行う点で、第3の実施形態と異なる。
【0147】
図23は、第4の実施形態における店舗サーバ520B、及び、本部サーバ610の構成の詳細を示すブロック図である。図23を参照すると、第4の実施形態の店舗サーバ520Bは、第3の実施形態の店舗サーバ520Bの構成要素(図22)に加えて、第2の実施形態と同様の発注部530を含む。また、第4の実施形態の本部サーバ610は、第3の実施形態の本部サーバ610の構成要素(図22)に加えて、第2の実施形態と同様の配送指示部611を含む。
【0148】
なお、第4の実施形態における、店舗サーバ520B、取得部526、予測部527、及び、発注部530は、それぞれ、本開示における商品需要予測装置、取得手段、予測手段、及び、発注手段の一実施形態である。
【0149】
第4の実施形態によれば、第2の実施形態と同様に、店舗において購入される可能性の高い商品を発注できる。その理由は、発注部530が、予測部527により予測された商品の需要に基づいて、商品の発注処理を行うためである。
【0150】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。
【0151】
第5の実施形態では、店舗サーバ520Aが商品需要を予測する点で、第1の実施形態と異なる。
【0152】
図24は、第5の実施形態における店舗サーバ520A、及び、店舗サーバ520Bの構成の詳細を示すブロック図である。図24を参照すると、店舗サーバ520Aは、第1の実施形態と同様の取得部526、及び、予測部527を含む。店舗サーバ520Bは、第1の実施形態と同様の購入履歴記憶部521、購入履歴更新部522、購入傾向記憶部523、及び、購入傾向生成部524を含む。
【0153】
なお、第5の実施形態における、店舗サーバ520A、取得部526、及び、予測部527は、それぞれ、本開示における商品需要予測装置、取得手段、及び、予測手段の一実施形態である。
【0154】
店舗端末580Aは、店舗サーバ520Aに需要予測要求を送信する。
【0155】
店舗サーバ520Aが需要予測要求を受信すると、取得部526は、検出情報管理装置110から取得した検出情報やスケジュール情報管理装置120から取得したスケジュール情報を用いて、予想滞在情報を生成(取得)する。
【0156】
予測部527は、店舗サーバ520Bの購入傾向記憶部523から取得した購入傾向情報と、取得部526が取得した予想滞在情報と、に基づき、店舗5Bの対象時間帯における商品の需要を予測し、店舗端末580Aへ送信する。
【0157】
第5の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、店舗における商品需要を精度よく予測できる。その理由は、店舗サーバ520Aの取得部526が、店舗5Bが設置された区域に、商品の需要を予測する対象の時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を取得し、予測部527が、人物に関する情報と、人物による商品の購入傾向と、に基づき、店舗5Bの該時間帯における商品の需要を予測するためである。
【0158】
なお、店舗サーバ520Aは、さらに、第2の実施形態と同様の発注部530を含んでいてもよい。
【0159】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。
【0160】
第6の実施形態では、本部システム600が商品需要を予測する点で、第1の実施形態と異なる。
【0161】
図25は、第6の実施形態における店舗サーバ520B、及び、本部サーバ610の構成の詳細を示すブロック図である。図25を参照すると、店舗サーバ520Bは、第1の実施形態と同様の購入履歴記憶部521、購入履歴更新部522、購入傾向記憶部523、及び、購入傾向生成部524を含む。本部サーバ610は、取得部626、及び、予測部627を含む。取得部626、及び、予測部627は、第1の実施形態における、店舗サーバ520Bの取得部526、及び、予測部527と同様の機能を有する。
【0162】
なお、第6の実施形態における、本部サーバ610、取得部626、及び、予測部627は、それぞれ、本開示における商品需要予測装置、取得手段、及び、予測手段の一実施形態である。
【0163】
店舗端末580Aは、本部サーバ610に需要予測要求を送信する。
【0164】
本部サーバ610が需要予測要求を受信すると、取得部626は、検出情報管理装置110から取得した検出情報やスケジュール情報管理装置120から取得したスケジュール情報を用いて、予想滞在情報を生成(取得)する。
【0165】
予測部627は、店舗サーバ520Bの購入傾向記憶部523から取得した購入傾向情報と、取得部626が取得した予想滞在情報と、に基づき、店舗5Bの対象時間帯における商品の需要を予測し、店舗端末580Aへ送信する。
【0166】
第6の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、店舗における商品需要を精度よく予測できる。その理由は、本部サーバ610の取得部626が、店舗5Bが設置された区域に、商品の需要を予測する対象の時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を取得し、予測部627が、人物に関する情報と、人物による商品の購入傾向と、に基づき、店舗5Bの該時間帯における商品の需要を予測するためである。
【0167】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態について説明する。
【0168】
図27は、第7の実施形態における店舗サーバ520Bの構成を示すブロック図である。
【0169】
図27を参照すると、店舗サーバ520Bは、取得部526、及び、予測部527を含む。取得部526は、店舗が設置された区域に、商品の需要を予測する対象である時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を取得する。予測部527は、人物に関する情報と、人物による商品の購入傾向と、に基づき、店舗の該時間帯における商品の需要を予測する。
【0170】
第7の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、店舗における商品需要を精度よく予測できる。その理由は、店舗サーバ520Bの取得部526が、店舗が設置された区域に、商品の需要を予測する対象である時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を取得し、予測部527が、人物に関する情報と、人物による商品の購入傾向と、に基づき、店舗の該時間帯における商品の需要を予測するためである。
【0171】
(ハードウェア構成)
上述した各実施形態において、各装置(POS装置510、店舗サーバ520、店舗端末580、本部サーバ610等)の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。各装置の各構成要素の一部又は全部は、コンピュータ900とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0172】
図26は、各実施形態におけるコンピュータ900のハードウェア構成の例を示すブロック図である。図26を参照すると、コンピュータ900は、例えば、CPU(Central Processing Unit)901、ROM(Read Only Memory)902、RAM(Random Access Memory)903、プログラム904、記憶装置905、ドライブ装置907、通信インタフェース908、入力装置909、出力装置910、入出力インタフェース911、及び、バス912を含む。
【0173】
プログラム904は、各装置の各機能を実現するための命令(instruction)を含む。プログラム904は、予め、RAM903や記憶装置905に格納される。CPU901は、プログラム904に含まれる命令を実行することにより、各機能を実現する。ドライブ装置907は、記録媒体906の読み書きを行う。通信インタフェース908は、通信ネットワークとのインタフェースを提供する。入力装置909は、例えば、マウスやキーボード等であり、管理者等からの情報の入力を受け付ける。出力装置910は、例えば、ディスプレイであり、管理者等へ情報を出力(表示)する。入出力インタフェース911は、周辺機器とのインタフェースを提供する。POS装置510の場合、周辺機器は、上述のカードリーダライタ540や、バーコードリーダ550、カメラ560、タグリーダライタ570である。バス912は、ハードウェアの各構成要素を接続する。なお、プログラム904は、通信ネットワークを介してCPU901に供給されてもよいし、予め、記録媒体906に格納され、ドライブ装置907により読み出され、CPU901に供給されてもよい。
【0174】
なお、図26に示されているハードウェア構成は例示であり、これら以外の構成要素が追加されていてもよく、一部の構成要素を含まなくてもよい。
【0175】
各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、各装置は、構成要素毎にそれぞれ異なるコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つのコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0176】
また、各装置の各構成要素の一部または全部は、プロセッサ等を含む汎用または専用の回路(circuitry)や、これらの組み合わせによって実現されてもよい。これらの回路は、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0177】
また、各装置の各構成要素の一部又は全部が複数のコンピュータや回路等により実現される場合、複数のコンピュータや回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。
【0178】
店舗サーバ520A、520Bは、それぞれ、店舗5A、5Bに配置されてもよいし、店舗5A、5Bとは異なる場所に配置され、通信ネットワーク700を介してPOS装置510や店舗端末580A、580Bと接続されてもよい。つまり、店舗サーバ520A、520Bは、クラウドコンピューティングシステムによって実現されてもよい。同様に、本部サーバ610も、クラウドコンピューティングシステムによって実現されてもよい。
【0179】
以上、実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、各実施形態における構成は、本開示のスコープを逸脱しない限りにおいて、互いに組み合わせることが可能である。
【0180】
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
店舗が設置された区域に、商品の需要を予測する対象である時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を取得する取得手段と、
前記人物に関する情報と、前記人物による前記商品の購入傾向と、に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する予測手段と、
を備える商品需要予測装置。
(付記2)
前記取得手段は、前記人物に関する情報として、前記区域に前記時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物の人数を取得し、
前記予測手段は、前記取得した人数と、前記人物による商品の購入傾向と、に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する、
付記1に記載の商品需要予測装置。
(付記3)
前記取得手段は、前記人物に関する情報として、前記区域に前記時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物の識別子を取得し、
前記予測手段は、前記取得した識別子の人物による前記商品の購入傾向に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する、
付記1に記載の商品需要予測装置。
(付記4)
前記取得手段は、前記区域における人物の検出情報を用いて、前記人物に関する情報を取得する、
付記1乃至3のうちいずれか一項に記載の商品需要予測装置。
(付記5)
前記取得手段は、前記区域における人物の入退場状況を表す前記検出情報を用いて、前記人物に関する情報を取得する、
付記4に記載の商品需要予測装置。
(付記6)
前記取得手段は、前記区域における人物の端末装置の稼働状況を表す前記検出情報を用いて、前記人物に関する情報を取得する、
付記4に記載の商品需要予測装置。
(付記7)
前記取得手段は、前記区域に関する人物のスケジュール情報を用いて、前記人物に関する情報を取得する、
付記1乃至3のうちいずれか一項に記載の商品需要予測装置。
(付記8)
前記予測手段は、前記取得した識別子の人物により登録された前記商品の購入傾向に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する、
付記3に記載の商品需要予測装置。
(付記9)
前記予測手段は、さらに、前記予測した前記商品の需要を、端末装置に出力する、
付記1乃至8のうちいずれか一項に記載の商品需要予測装置。
(付記10)
さらに、前記予測した前記商品の需要に基づいて、該商品の発注処理を行う発注手段を備えた、
付記1乃至9のうちいずれか一項に記載の商品需要予測装置。
(付記11)
店舗が設置された区域に、商品の需要を予測する対象である時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を取得する取得手段と、
前記人物に関する情報と、前記人物による前記商品の購入傾向と、に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する予測手段と、
を含む商品需要予測装置と、
前記区域における人物の検出情報を記憶する検出情報管理装置と、
を備え、
前記取得手段は、前記検出情報管理装置から取得した前記区域における人物の検出情報を用いて、前記人物に関する情報を取得する、
商品需要予測システム。
(付記12)
店舗が設置された区域に、商品の需要を予測する対象である時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を取得する取得手段と、
前記人物に関する情報と、前記人物による前記商品の購入傾向と、に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する予測手段と、
を含む商品需要予測装置と、
前記区域に関する人物のスケジュール情報を記憶するスケジュール情報管理装置と、
を備え、
前記取得手段は、前記スケジュール情報管理装置から取得した前記区域に関する人物のスケジュール情報を用いて、前記人物に関する情報を取得する、
商品需要予測システム。
(付記13)
店舗が設置された区域に、商品の需要を予測する対象である時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を取得し、
前記人物に関する情報と、前記人物による前記商品の購入傾向と、に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する、
商品需要予測方法。
(付記14)
コンピュータに、
店舗が設置された区域に、商品の需要を予測する対象である時間帯のうち少なくとも一部に居ることが予想される人物に関する情報を取得し、
前記人物に関する情報と、前記人物による前記商品の購入傾向と、に基づき、前記店舗の前記時間帯における前記商品の需要を予測する、
処理を実行させるプログラム。
【0181】
この出願は、2019年3月25日に出願された日本出願特願2019-055919を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
【符号の説明】
【0182】
1 管理センター
100 管理システム
110 検出情報管理装置
120 スケジュール情報管理装置
2 オフィスビル
3 ゲート
310 カードリーダライタ
320 バーコードリーダ
330 カメラ
4 オフィス
400a、400b、400c 従業員端末
5A、5B 店舗
500A、500B 店舗システム
510 POS装置
511 客特定部
512 登録部
513 精算部
514 購入データ生成部
520 店舗サーバ
521 購入履歴記憶部
522 購入履歴更新部
523 購入傾向記憶部
524 購入傾向生成部
526 取得部
527 予測部
530 発注部
540 カードリーダライタ
550 バーコードリーダ
560 カメラ
570 タグリーダライタ
580A、580B 店舗端末
6 本部
600 本部システム
611 配送指示部
610 本部サーバ
621 購入履歴記憶部
622 購入履歴更新部
623 購入傾向記憶部
624 購入傾向生成部
626 取得部
627 予測部
7 配送センター
700、800 通信ネットワーク
900 コンピュータ
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904 プログラム
905 記憶装置
906 記録媒体
907 ドライブ装置
908 通信インタフェース
909 入力装置
910 出力装置
911 入出力インタフェース
912 バス
10 商品需要予測システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27