(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】パラメータ決定装置、パラメータ決定方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G10K 15/00 20060101AFI20231219BHJP
A61B 5/107 20060101ALI20231219BHJP
A61B 5/1171 20160101ALI20231219BHJP
【FI】
G10K15/00 L
A61B5/107
A61B5/1171
(21)【出願番号】P 2021563552
(86)(22)【出願日】2019-12-13
(86)【国際出願番号】 JP2019048845
(87)【国際公開番号】W WO2021117206
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】荒川 隆行
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 良峻
【審査官】中嶋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0097724(US,A1)
【文献】特開2006-326292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/00
A61B 5/107
A61B 5/1171
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一個人の耳穴の内部構造に関するデータに基づいて、前記一個人の外耳道の3次元形状を示す耳穴形状データを生成する生成手段と、
前記耳穴形状データに基づき、前記外耳道の中心線を算出する中心線算出手段と、
前記中心線に対し垂直な複数の層に前記外耳道を分割し、分割した各層について、前記外耳道の形状を示すパラメータを算出する分割手段とを備
え、
前記中心線算出手段は、前記外耳道の断面の2次元形状を近似する楕円の中心点を結んだ線を、前記外耳道の中心線として算出する
パラメータ決定装置。
【請求項2】
前記分割手段は、前記外耳道を分割した各層を識別する番号、および、各層における前記外耳道の太さに対応する穴の径の大きさを、前記パラメータとして算出する
ことを特徴とする請求項
1に記載のパラメータ決定装置。
【請求項3】
一個人の耳穴の内部構造に関するデータに基づいて、前記一個人の外耳道の3次元形状を示す耳穴形状データを生成し、
前記耳穴形状データに基づき、前記外耳道の中心線を算出し、
前記中心線に対し垂直な複数の層に前記外耳道を分割し、分割した各層について、前記外耳道の形状を示すパラメータを算出
し、
前記外耳道の中心線を算出することは、
前記外耳道の両端部を通る線を設定することと、
前記外耳道の両端部を通る線と直交し、所定の厚さを有する複数層に前記外耳道を分割することと、
各層における前記外耳道の断面の輪郭を楕円で近似することと
前記複数層の楕円の中心点を結ぶこととを含む
パラメータ決定方法。
【請求項4】
一個人の耳穴の内部構造に関するデータに基づいて、前記一個人の外耳道の3次元形状を示す耳穴形状データを生成する処理と、
前記耳穴形状データに基づき、前記外耳道の中心線を算出する処理と、
前記中心線に対し垂直な複数の層に前記外耳道を分割し、分割した各層について、前記外耳道の形状を示すパラメータを算出する処理と
をコンピュータに実行さ
せ、
前記外耳道の中心線を算出する処理は、
前記外耳道の両端部を通る線を設定する処理と、
前記外耳道の両端部を通る線と直交し、所定の厚さを有する複数層に前記外耳道を分割する処理と、
各層における前記外耳道の断面の輪郭を楕円で近似する処理と
前記複数層の楕円の中心点を結ぶ処理とを含む
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パラメータ決定装置、パラメータ決定方法、および記録媒体に関し、特に、人間の耳穴の形状の個人特性に基づいた個人認証技術において、耳模型のパラメータを決定するパラメータ決定装置、パラメータ決定方法、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
生体が持つ個人特性に基づいた個人認証技術(生体認証技術と呼ぶ)として、例えば、指紋認証、静脈認証、顔認証、虹彩認証、そして音声認証などが知られている。個人認証技術のうち、特に、耳音響認証は、人間の耳穴の内部構造の個人特性に着目する。耳音響認証では、認証の対象である個人の耳穴に検査信号を入力し、耳穴からの反響音に基づく反響信号を用いて、個人認証を行う。
【0003】
個人認証の対象である個人(認証対象者)は、スピーカおよびマイクロフォンを内蔵したイヤホンの形状を有するデバイス(イヤホン型デバイスあるいはヒアラブルデバイスと呼ぶ)を耳介に装着する。イヤホン型デバイスのスピーカは、認証対象者の耳穴内へ向けて、検査信号(音波)を発信する。イヤホン型デバイスのマイクロフォンは、耳穴からの反響音を集音する。そして、反響音に基づく反響信号が、イヤホン型デバイスから個人認証装置へ送信される。個人認証装置は、予め登録された一または複数の個人の反響信号と、イヤホン型デバイスから受信した反響信号とを照合することによって、個人認証を実行する。
【0004】
耳音響認証技術は、瞬時かつ安定的に個人認証が完了すること、個人が移動中または作業中であっても、個人がイヤホン型デバイスを装着したまま、即時に個人認証を行うことができること(ハンズフリー)、また、人間の耳穴の内部構造に関する秘匿性が高いことといったメリットを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2017/069118号
【文献】国際公開第2013/172039号
【文献】特表2005-535017号公報
【非特許文献】
【0006】
【文献】「PATTERN RECOGNITION AND MACHINE LEARNING」(CHRISTOPHER M. BISHOP) (Springer Science + Business Media, LLC)(2010/2/15)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
関連する耳音響認証技術において、イヤホン型デバイスの性能評価が行われる。具体的には、複数の被験者に同じイヤホン型デバイスを順番に装着させて、耳音響認証を試験し、イヤホン型デバイスの性能の指標値である本人拒否率(False Rejection Rate, FRR)および他人受入れ率(False Acceptance Rate, FAR)を算出する。しかしながら、イヤホン型デバイスの性能を正確に評価するために、被験者たちを長時間にわたって拘束する必要があるので、性能評価に係る手間が大きく、かつコストが高いという問題がある。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耳音響認証に使用するイヤホン型デバイスの性能を容易かつ低コストで評価するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係わるパラメータ決定装置は、一個人の耳穴の内部構造に関するデータに基づいて、前記一個人の外耳道の3次元形状を示す耳穴形状データを生成する生成手段と、前記耳穴形状データに基づき、前記外耳道の中心線を算出する中心線算出手段と、前記中心線に対し垂直な複数の層に前記外耳道を分割し、分割した各層について、前記外耳道の形状を示すパラメータを算出する分割手段とを備えている。
【0010】
本発明の一態様に係わるパラメータ決定方法は、一個人の耳穴の内部構造に関するデータに基づいて、前記一個人の外耳道の3次元形状を示す耳穴形状データを生成し、前記耳穴形状データに基づき、前記外耳道の中心線を算出し、前記中心線に対し垂直な複数の層に前記外耳道を分割し、分割した各層について、前記外耳道の形状を示すパラメータを算出することを含む。
【0011】
本発明の一態様に係わる一時的でない記録媒体は、一個人の耳穴の内部構造に関するデータに基づいて、前記一個人の外耳道の3次元形状を示す耳穴形状データを生成する処理と、前記耳穴形状データに基づき、前記外耳道の中心線を算出する処理と、前記中心線に対し垂直な複数の層に前記外耳道を分割し、分割した各層について、前記外耳道の形状を示すパラメータを算出する処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムを格納している。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、耳音響認証に使用するイヤホン型デバイスの性能を容易かつ低コストで評価することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態1に係わるシステムの構成を示す概略図である。
【
図2】実施形態1に係わるシステムが備えた耳模型の一例の断面図である。
【
図3】実施形態1に係わる耳模型が備えたプレート型部材の形状を示す図である。
【
図4】実施形態1に係わるパラメータ決定装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】実施形態1に係わるパラメータ決定方法の流れを示すフローチャートである。
【
図6】実施形態1に係わるパラメータ決定方法の流れを説明するための概念図である。
【
図7】実施形態1に係わるパラメータ決定方法において、外耳道の中心線を算出する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】実施形態1に係わるパラメータ決定方法において、外耳道の中心線を算出する処理の流れを説明するための概念図である。
【
図9】実施形態1に係わるシステムが備えた演算装置の構成を示すブロック図である。
【
図10】実施形態1に係わるシステムが備えた演算装置が出力する耳模型の音響特性データの一例を示す図である。
【
図11】実施形態2に係わるパラメータ決定方法において、外耳道の中心線を算出する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】実施形態2に係わるパラメータ決定方法において、外耳道の中心線を算出する処理の流れを説明するための概念図である。
【
図13】実施形態2に係わるパラメータ決定方法において、外耳道の中心線を算出する処理の流れを説明するための他の図である。
【
図14】実施形態1または2に係わるパラメータ決定装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、耳音響認証に使用するイヤホン型デバイスの性能を容易かつ低コストで評価するための耳模型の製造方法について説明する。
【0015】
〔実施形態1〕
図1~
図10を参照して、実施形態1について以下で説明する。
【0016】
(システム1)
図1は、本実施形態1に係わるシステム1の一例である。
図1に示すように、システム1は、演算装置10、耳模型20、パラメータ決定装置30、およびイヤホン型デバイス40を備えている。
【0017】
図1には耳模型20の外観を示す。耳模型20は、一個人の耳穴の内部構造を模擬する。より詳細には、耳模型20には穴が設けられており、この穴は、一個人の耳穴における外耳道口から鼓膜までの内部構造(以下、外耳道と呼ぶ)を少なくとも模擬する(耳模型20の穴については後述)。耳模型20の上には、耳介模型が載置されている。耳介模型は、イヤホン型デバイス40の形状と適合するように作製される(
図1)。例えば、耳介模型は、個人の耳介の型を取り、その型に流体のシリコーンゴム等の材料を流し込むことによって作製される。あるいは、個人の耳介をスキャンして、耳介の3Dデータを生成し、生成した耳介の3Dデータに基づいて、3Dプリンタ技術によって、耳介模型を作製してもよい。
【0018】
(イヤホン型デバイス40)
イヤホン型デバイス40は、スピーカおよびマイクロフォンを少なくとも内蔵している。ただし、
図1では、模式的に、イヤホン型デバイス40に内蔵されたスピーカおよびマイクロフォンを、イヤホン型デバイス40の表面上に示している。イヤホン型デバイス40は、耳介模型の耳穴口に相当する部分に埋め込むように装着される。イヤホン型デバイス40は、無線または有線で、図示しない演算装置と接続されている。
【0019】
イヤホン型デバイス40は、図示しない演算装置から検査信号を発信するように指示を受信する。イヤホン型デバイス40は、イヤホン型デバイス40に内蔵されたスピーカから、耳介模型に設けられた耳穴口を介し、耳模型20の穴の内部に向けて、検査信号を発信する。また、イヤホン型デバイス40は、検査信号が耳模型20内を伝播した後に耳模型20から発信される反響音を、マイクロフォンによって集音する。イヤホン型デバイス40は、マイクロフォンによって集音した反響音に基づく反響信号を生成して、図示しない演算装置へ反響信号を送信する。
【0020】
(耳模型20a)
図2は、
図1に示す耳模型20の一例である耳模型20aの断面図である。
図2に示すように、本実施形態1に係わる耳模型20aは、複数のプレート型部材201および1つの人工鼓膜部材202を少なくとも備えている。なお、
図2では、耳模型20a上にある耳介模型(人工耳介と呼ぶ場合もある)の図示を省略している。
【0021】
図2に示す耳模型20aの上面は、
図1において、耳介模型が配置されている面に相当する。耳模型20aの最上面に位置するプレート型部材201の穴は、一個人の外耳道口に相当する。耳模型20aの上面(耳介模型と接する面)から、人工鼓膜部材202までの間で、複数のプレート型部材201の中心にそれぞれ設けられた穴が連結することによって、一個人の耳穴の内部構造(具体的には外耳道)を模擬している。複数のプレート型部材201は、積み重なって、中空の筒の中に収容されている。中空の筒内において、上側のプレート型部材201は、自重およびより上側のプレート型部材201の重量によって、下側のプレート型部材201(または人工鼓膜部材202)と密着している。
【0022】
図3は、耳模型20aを構成するプレート型部材201の形状を示す。
図3に示すように、プレート型部材201の中心には、プレート型部材201を厚み方向に貫通する穴が設けられている。プレート型部材201の厚みは、例えば5mmである。穴の径の大きさ(R)は、例えば5mmから20mmまでの間で可変である。プレート型部材201は、例えばアクリル製である。しかしながら、プレート型部材201の材料は特に限定されない。一般的に、耳穴の音響特性は、長さおよび太さに依存するが、耳穴の湾曲の複雑さには依存しない。また、耳穴の音響特性は、耳穴の内壁の材質や質感(硬さ)にも依存しない。したがって、耳模型20aは、人間の耳とは異なる材質や質感のプレート型部材201で形成されていても、また複数のプレート型部材201が直線的に並んでいても、耳模型20aの穴と長さおよび太さが等しい一個人の耳穴とほぼ同等の音響特性を備える。
【0023】
耳模型20aにおいて、複数のプレート型部材201は、それぞれのプレート型部材201に予め付与された番号(n)にしたがう並び順で積層されている。複数のプレート型部材201の穴の大きさ(R)および並び順を示す番号(n)は、耳模型20aが模擬の対象とする個人の耳穴の内部構造に基づいて定められる。
【0024】
耳模型20aを構成する複数のプレート型部材201の厚みおよび枚数が、(耳模型20aの穴の内部構造が模擬している)一個人の外耳道口から鼓膜までの長さに対応する。
【0025】
耳模型20aを構成する複数のプレート型部材201の各々に設けられた穴の径の大きさが、(耳模型20aの穴の内部構造が模擬している)一個人の外耳道の太さに対応する。
【0026】
一個人の耳穴の内部構造に関するデータ(以下では、耳穴形状データと呼ぶ)は、例えば、CT(computed tomography)スキャンによって得られる。一例では、耳模型20aのパラメータ(R,n)は、被験者に対してCTスキャンを実行した結果から、以下のように得られる。
【0027】
(パラメータ決定装置30)
図4を参照して、本実施形態1に係わるパラメータ決定装置30の構成を説明する。
図4は、パラメータ決定装置30の構成を示すブロック図である。
【0028】
図4に示すように、パラメータ決定装置30は、生成部31、中心線算出部32、および分割部33を備えている。パラメータ決定装置30の各部の動作は、図示しないコンピュータが備えた1または複数のプロセッサが、コンピュータプログラムを読み込んで実行することによって実現される。
【0029】
生成部31は、一個人の耳穴の内部構造に関するデータに基づいて、一個人の外耳道の3次元形状を示す耳穴形状データを生成する。生成部31は、生成手段の一例である。具体的には、生成部31は、CT機器から、一個人の耳穴の撮影データを取得し、取得した撮影データを画像分析することによって、一個人の外耳道の3次元形状を示す耳穴形状データを生成する。生成部31は、耳穴形状データを中心線算出部32へ送信する。
【0030】
中心線算出部32は、生成部31から、耳穴形状データを受信し、耳穴形状データに基づき、外耳道の中心線を算出する。中心線算出部32は、中心線算出手段の一例である。中心線算出部32が外耳道の中心線を算出する方法は特に限定されない。本実施形態1および後の実施形態2において、それぞれ異なる方法を具体的に説明する。
【0031】
本実施形態1では、中心線算出部32は、外耳道の両端部を通る線を設定し、外耳道の両端部を通る線と直交し、所定の厚さを有する複数層に外耳道を分割し、各層における外耳道の断面の輪郭を楕円で近似し、複数層の楕円の中心点を結ぶ(
図8)。これにより、中心線算出部32は、外耳道の中心線を得ることができる。中心線算出部32は、外耳道の中心線の算出結果を、分割部33へ送信する。
【0032】
分割部33は、中心線算出部32から、外耳道の中心線の算出結果を受信する。分割部33は、中心線に対し垂直な複数の層に外耳道を分割し、分割した各層について、外耳道の形状を示すパラメータを算出する。分割部33は、分割手段の一例である。具体的には、外耳道を分割した各層を識別する番号(n)、および、各層における外耳道の太さに対応する穴の径の大きさ(R)を、耳模型20aのパラメータとして算出する。分割部33は、算出したパラメータ(R,n)を、演算装置10の入力部104へ送信する。
【0033】
(パラメータ決定装置30の動作)
図5および
図6の(a)から(c)を参照して、本実施形態1に係わるパラメータ決定装置30の動作を説明する。
図5は、パラメータ決定装置30の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図6の(a)から(c)は、パラメータ決定装置30の動作を概念的に示す図である。
【0034】
まず生成部31は、一個人の耳穴の内部構造に関する耳穴形状データ(例えば耳穴の撮影データ)を取得する。
図5に示すように、生成部31は、取得した耳穴形状データを分析することによって、一個人の外耳道の3次元形状を特定する(S101)。
【0035】
生成部31は、一個人の外耳道の3次元形状を示す耳穴形状データを生成する(
図6の(a))。そして、生成部31は、一個人の外耳道の3次元形状を示す耳穴形状データを、中心線算出部32へ送信する。
【0036】
中心線算出部32は、生成部31から、一個人の外耳道の3次元形状を示す耳穴形状データを受信する。中心線算出部32は、取得したデータを用いて、外耳道の中心線hを算出する(S102)(
図6の(b))。なお、ステップS102の詳細を後で説明する(
図7)。
【0037】
中心線算出部32は、外耳道の中心線hの算出結果を、一個人の外耳道の3次元形状を示す耳穴形状データとともに、分割部33へ送信する。
【0038】
分割部33は、中心線算出部32から、外耳道の中心線hの算出結果を受信する。分割部33は、中心線hに沿った所定の長さごとに、外耳道の中心線hと直交する方向に外耳道を切断する(S103)(
図6の(c))。所定の長さは、1枚のプレート型部材201の厚さ(
図3)と等しい。所定の長さは、外耳道の中心線hをN分割することによって得られる。以下では、外耳道のn-1番目の断面からn番目の断面までを、第n層と呼ぶ。ただし、外耳道の0番目の断面は、外耳道における外耳道口側の端部に相当する。また、外耳道のN番目の断面は鼓膜側の端部に相当する。
【0039】
分割部33は、中心線算出部32から、一個人の外耳道の3次元形状を示す耳穴形状データも受信する。分割部33は、一個人の外耳道の3次元形状を示す耳穴形状データに基づき、第1層から第N層までの外耳道の穴の径Rをそれぞれ算出する(S104)(
図6の(d))。第n層(n=1~N)における外耳道の太さRは、n番目のプレート型部材201の穴の径の大きさR(
図3)と対応している。ここで、第n層(n=1~N)における外耳道の断面の形状が円形でない場合、分割部33は、第n層(n=1~N)における外耳道の断面の輪郭をまず楕円で近似し、近似した楕円の面積と等しい面積となる円を算出する。そして、分割部33は、算出した円の直径を、外耳道の太さRとする。なお、分割部33は、第n層(n=1~N)における外耳道の断面の輪郭を楕円で近似するために、後述する「外耳道の中心線を算出する方法」で説明する手法を用いることができる。
【0040】
以上で、パラメータ決定装置30の動作は終了する。
【0041】
(外耳道の中心線を算出する方法)
図7および
図8の(b-1)から(b-4)を参照して、中心線算出部32が、外耳道の中心線hを算出する方法の一例を説明する。
図7は、上述した
図5のステップS102に対応するフローである。
図8の(b-1)から(b-4)は、中心線算出部32の動作の流れを概念的に示す図である。
【0042】
図7に示すように、中心線算出部32は、まず、外耳道における外耳道口側の端部と、鼓膜側の端部とを結ぶ直線を設定する(S1021)(
図8の(b-1))。具体的には、中心線算出部32は、外耳道における外耳道口側(
図6では下側)の下端点と、鼓膜側(
図6では上側)の上端点とを結ぶ直線(
図8に示すz軸)を設定する。
【0043】
中心線算出部32は、ステップS1021において設定した外耳道の両端部を通る線と直交し、かつ、均等な厚さ(すなわち外耳道の両端部を通る線の方向の長さ)を有する複数層に、外耳道を分割する(S1022)。各層は、z軸に垂直なxy平面内で延伸する(
図8の(b-2))。
【0044】
中心線算出部32は、外耳道の断面の形状を楕円で近似する(S1023)(
図8の(b-3))。具体的には、中心線算出部32は、まず、以下の数式で表される残差r
jを定義する。(x(j),y(j))(j=1,2,・・・6,・・・)は、外耳道の断面の輪郭上の点を表す座標である。変数jは輪郭上の点の番号を表している。
【0045】
【0046】
例えば、中心線算出部32は、5つの座標(x(j),y(j))の組について、上記の数式で表される残差rjをそれぞれ算出する。そして、中心線算出部32は、算出した残差rjの自乗の総和が最小化されるように、係数E1からE5の組を決定する。ここでは、そのような係数の組を(E01,E02,E03,E04,E05)と記載する。具体的には、中心線算出部32は、以下の数式で示される関数J(E1,E2,E3,E4,E5)をE1,E2,E3,E4,E5でそれぞれ偏微分したものをゼロと置く。中心線算出部32は、そうして得られる5元連立方程式を解くことで、(E01,E02,E03,E04,E05)を決定する。
【0047】
【0048】
中心線算出部32は、外耳道の断面の輪郭を、以下の方程式で表される楕円で近似する。
【0049】
【0050】
また、中心線算出部32は、上記の方程式に基づいて、楕円の中心点を算出する。中心線算出部32は、このようにして、層ごとに、外耳道の断面の形状を近似する楕円およびその中心点をそれぞれ算出した後、算出した中心点同士を結ぶ(S1024)。これにより、外耳道の中心線hが得られる(
図8の(b-4))。
【0051】
以上で、
図5のステップS102における中心線算出部32の動作の一例の説明を終了する。
【0052】
(演算装置10)
図9を参照して、本実施形態1に係わる演算装置10の構成を説明する。
図9は、演算装置10の構成を示すブロック図である。
図9に示すように、演算装置10は、検査信号再生部101、反響信号観測部102、音響特性算出部103、入力部104、および音響特性蓄積部105を備えている。
【0053】
検査信号再生部101は、耳模型20aへ入力される検査信号を再生する。耳模型20aへ入力された検査信号は、耳模型20aの穴の内部で反響し、反響音が耳模型20aから出力される。検査信号再生部101が再生する検査信号を符号化したデータは、図示しない記録媒体にあらかじめ格納される。検査信号再生部101は、この記録媒体に格納された検査信号のデータを取得して、検査信号を再生する。検査信号の決め方は特に限定されない。例えば、検査信号は、複数の個人の耳穴の一般的な太さや長さに基づいて、いずれの個人の耳穴からの反響音も強く(あるいはS/Nが大きく)なるように、実験的に決定される。
【0054】
反響音は、耳模型20aの穴の内部構造に依存する特性(耳模型20aの音響特性と呼ぶ)を示す。耳模型20aの音響特性は、耳模型20aの穴が模擬する個人の耳穴の音響特性と対応する。個人の耳穴の内部構造は、個別性を持っているので、個人の耳穴の音響特性に基づいて、当該個人を識別することが原理的に可能である。
【0055】
検査信号再生部101は、再生した検査信号を、無線または有線で、イヤホン型デバイス40へ送信し、イヤホン型デバイス40のスピーカから検査信号を出力させる。検査信号は、具体的にはインパルス波である。
【0056】
反響信号観測部102は、イヤホン型デバイス40のマイクロフォンを用いて、耳模型20aからの反響音に基づく反響信号を観測する。より詳細には、検査信号が耳模型20a内を伝播した後に、耳模型20aから反響音が出力される。イヤホン型デバイス40のマイクロフォンは、耳模型20aから出力された反響音を集音する。イヤホン型デバイス40は、マイクロフォンが集音した反響音をデジタルデータに変換することによって、反響信号を生成する。
【0057】
反響信号観測部102は、イヤホン型デバイス40に対し、反響信号を要求する。イヤホン型デバイス40は、無線または有線で、反響信号を反響信号観測部102へ送信する。反響信号観測部102は、無線または有線で、イヤホン型デバイス40から反響信号を受信する。反響信号観測部102は、イヤホン型デバイス40から受信した反響信号を、音響特性算出部103へ送信する。
【0058】
音響特性算出部103は、反響信号観測部102から反響信号を受信する。音響特性算出部103は、受信した反響信号から、耳模型20aの音響特性として、伝達関数を算出する。すなわち、伝達関数は、音響特性の一例である。検査信号に対する耳模型20aの応答(反響音)を示す応答関数が、音響特性の他の例である。
【0059】
具体的には、音響特性算出部103は、まず、反響信号から、インパルス応答を抽出する。インパルス応答とは、インパルス波である検査信号に対する耳模型20の応答(反響音)である。音響特性算出部103は、インパルス応答をフーリエ変換またはラプラス変換することによって、伝達関数を算出する。音響特性算出部103は、算出した伝達関数のデータを、音響特性蓄積部105へ送信する。
【0060】
入力部104は、耳模型20aのパラメータとして、それぞれのプレート型部材201(
図4)の中心に設けられた穴の径の大きさ(R)、および、それぞれのプレート型部材201の並び順を示す番号(n)を取得する。具体的には、入力部104は、パラメータ決定装置30の分割部33から、耳模型20aのパラメータ(R,n)を取得する。
【0061】
入力部104は、耳模型20aのパラメータ(R,n)を示す情報を、音響特性蓄積部105へ送信する。
【0062】
音響特性蓄積部105は、音響特性算出部103から、伝達関数のデータを受信する。また音響特性蓄積部105は、入力部104から、耳模型20aのパラメータ(R,n)を示す情報を受信する。音響特性蓄積部105は、音響特性算出部103から受信した伝達関数のデータを、耳模型20aのパラメータ(R,n)を示す情報と紐付けて、音響特性データとして、図示しない記録媒体に蓄積する。
【0063】
(音響特性データの一例)
図10は、音響特性蓄積部105が記録媒体に格納する音響特性データの一例である。
図10に示すように、音響特性データは、耳模型20のパラメータ(R,n)と、伝達関数のデータとを含む。前述したように、パラメータ(R,n)は、プレート型部材201の穴の径の大きさ(R)、および、プレート型部材201の番号(n)である。音響特性蓄積部105は、パラメータ(R,n)が互いに異なる複数の耳模型20について、それぞれ、
図10に示す音響特性データを生成する。
【0064】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、生成部31は、一個人の耳穴の内部構造に関するデータに基づいて、一個人の外耳道の3次元形状を示す耳穴形状データを生成し、中心線算出部32は、外耳道の中心線を算出し、分割部33は、中心線に対し垂直な複数の層に外耳道を分割し、分割した各層について、外耳道の形状を示すパラメータを算出する。
【0065】
外耳道の形状を示すパラメータは、具体的には、外耳道を分割した各層を識別する番号、および、各層における外耳道の太さに対応する穴の径の大きさである。外耳道の複数の層と対応する複数のプレート型部材201を製造することにより、複数のプレート型部材201で構成された耳模型20aを簡単に作製することができる。また、作製した耳模型20aを用いて、耳音響認証に使用するイヤホン型デバイス40の性能を容易かつ低コストで評価することができる。
【0066】
〔実施形態2〕
図11~
図13を参照して、実施形態2について説明する。本実施形態2では、前記実施形態1において説明した外耳道の中心線を算出する処理(
図7)とは異なる処理を説明する。
【0067】
本実施形態2に係わるシステム1およびパラメータ決定装置30の構成は、前記実施形態1と同じであるから、本実施形態2ではこれらに関する説明を省略する。
【0068】
(外耳道の中心線を算出する方法)
図11から
図13を参照して、中心線算出部32が、外耳道の中心線を算出する方法の一例を説明する。
図11は、前記実施形態1で説明した
図5のステップS102に対応するフローである。
図12の(b’-1)から(b’-3)は、中心線算出部32の動作の流れを概念的に示す図である。
図13は、一つの平面に対して射影した外耳道の輪郭を示す。なお、
図11から
図13では、アンダーバー(“_”)の後に記載した文字は、下付きの添え字を表している。
【0069】
図示しないが、中心線算出部32は、まず、前記実施形態1で説明したステップS1021(
図7)と同様に、外耳道における外耳道口側の端部と、鼓膜側の端部とを結ぶ基準線を設定する。
【0070】
中心線算出部32は、外耳道の外耳道口側における端部と、鼓膜側の端部とを結ぶ線と平行な5つの平面に対し、外耳道の輪郭を射影する(S2021)(
図12の(b’-1))。
【0071】
中心線算出部32は基準線を通りかつ基準線に平行な一つの平面を基準面とする。中心線算出部32は、この基準面に対して、0度、45度、90度、135度、180度をなす5つの平面に対して外耳道の輪郭を射影して、射影した外耳道の輪郭から、外耳道口側における端部と、鼓膜側の端部とを除いた2つの部分を示す関数:f
i(a)とg
i(x)(i=1~5)をそれぞれ算出する(S2022)(
図12の(b’-2)および
図13)。f
i(a)、g
i(x)(i=1~5)は、平面に射影した外耳道の輪郭上の点を表す平面上の座標である。
【0072】
変数aは、平面に射影した外耳道の左側の輪郭線に沿って、鼓膜側の端部から外耳道口側の端部へ向かう方向に測った長さを示す変数である。変数xは、平面に射影した外耳道の右側の輪郭線に沿って、鼓膜側の端部から外耳道口側の端部へ向かう方向に測った長さを示す変数である。mは、座標Cmの添え字(番号)である。
【0073】
図13に示すように、mは0からMまでの整数である。座標C
mは、平面に射影した外耳道の中心線上の座標を表す。座標C
mを通り、平面に射影した外耳道の中心線と直交する線が、外耳道の左側の輪郭線(f
i)および外耳道の右側の輪郭線(g
i)とそれぞれ交差する位置をa=a
mおよびx=x
mとする。変数aはa
0,a
1,a
2,・・,a
m・・,A(=a
M)をとる。変数xはx
0,x
1,x
2,・・,x
m・・,X(=X
M)をとる。ここで、a
m=a
m-1+Δvと表される。またx
m=x
m-1+Δwと表される。Δvは固定値であるが、Δwは可変である。
【0074】
変数mには0が格納され、変数iには1が格納される(S2023)。外耳道の鼓膜側(
図13では下側)の端部における変数a、xの値は、それぞれa=a
0=0、x=x
0=0であるとする。
【0075】
中心線算出部32は、fi(am)とgi(xm)との中点の位置を示す座標Cmを算出する(S2024)。
【0076】
次に中心線算出部32は、fi(am+1)=fi(am+Δv)を算出する。また中心線算出部32は、gi(xm+1)=gi(xm+Δw)を算出する。そして、中心線算出部32は、fi(am+1)とgi(xm+1)との中点の位置を示す座標Cm+1を仮に算出する(S2025)。座標Cm+1はΔwに応じて決まる。
【0077】
中心線算出部32は、f
i(a
m+1)およびg
i(x
m+1)を結ぶ線が、直線C
m+1-C
m(すなわち2つの中点C
mとC
m+1を結ぶ直線であり、
図13中に矢印で示す)と直交するように、変数Δwを調整する(S2026)。
【0078】
その後、中心線算出部32は、fi(am+Δv)とgi(xm+Δw)(Δwは調整された後の値)との中点の位置を示す座標Cm+1を確定する。変数mがMでない場合(S2027でNo)、変数mには、1が加算され(S2028)、フローはステップS2024へ戻る。
【0079】
一方、変数mがMである場合(S2027でYes)、中心線算出部32は、C0、・・・、Cm、Cm+1、・・・、CMを通る斜影中心線hiを算出する(S2029)。その後、フローはステップS2030へ進む。斜影中心線hiは、C0からCMまで、Cmをmの昇順あるいは降順につないでゆくことによって得られる。
【0080】
変数mがMである場合(S2027でYes)であって、かつ、変数iが5と等しくない場合(S2030でNo)、変数iには1が加算され(S2031)、フローはステップS204へ戻る。
【0081】
変数mがMである場合(S2027でYes)であって、かつ、変数iが5と等しい場合(S2030でYes)、中心線算出部32は、5つの平面についてそれぞれ算出された斜影中心線h
i(i=1,2,3,4,5)を統合する(S2032)(
図12の(b’-3))。
【0082】
具体的には、中心線算出部32は、上述の基準線を中心とする円筒座標系において、基準軸に沿ったz軸を設定する。中心線算出部32が算出した5つの斜影中心線hi(i=1,2,3,4,5)上の座標を(z,ci)と書く。ここでciは、基準線と直交する方向における斜影中心線hi上の位置を示す座標である。このとき、中心線算出部32は、以下の数式で表される残差siを定義する。
【0083】
【0084】
中心線算出部32は、算出した残差(s1,s2,s3,s4,s5)の自乗の総和が最小化されるように、係数r、Rを決定する。ここでは、そのような係数の組を(r0,R0)と記載する。具体的には、(r0,R0)は、以下の数式で示される総和を最小化する。
【0085】
【0086】
3次元空間における中心線h上の座標は、(r0(z)、R0(z)、z)と表される。このようにして、中心線算出部32は、斜影中心線hi(i=1,2,3,4,5)から、外耳道の中心線hを算出する。
【0087】
以上で、
図5のステップS102において、中心線算出部32が外耳道の中心線hを算出する処理の一例の説明を終了する。
【0088】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、生成部31は、一個人の耳穴の内部構造に関するデータに基づいて、一個人の外耳道の3次元形状を示す耳穴形状データを生成し、中心線算出部32は、外耳道の中心線を算出し、分割部33は、中心線に対し垂直な複数の層に外耳道を分割し、分割した各層について、外耳道の形状を示すパラメータを算出する。
【0089】
外耳道の形状を示すパラメータは、具体的には、外耳道を分割した各層を識別する番号、および、各層における外耳道の太さに対応する穴の径の大きさである。外耳道の複数の層と対応する複数のプレート型部材201を製造することにより、耳模型20aを簡単に作製することができる。また、作製した耳模型20aを用いて、耳音響認証に使用するイヤホン型デバイス40の性能を容易かつ低コストで評価することができる。
【0090】
さらに本実施形態でその一例を説明したように、中心線算出部32は、外耳道の中心線を様々な方法で算出することができる。
【0091】
〔ハードウェア構成〕
前記実施形態1~2で説明したパラメータ決定装置30の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。これらの構成要素の一部又は全部は、例えば
図14に示すような情報処理装置900により実現される。
図14は、情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0092】
図14に示すように、情報処理装置900は、一例として、以下のような構成を含む。
【0093】
・CPU(Central Processing Unit)901
・ROM(Read Only Memory)902
・RAM(Random Access Memory)903
・RAM903にロードされるプログラム904
・プログラム904を格納する記憶装置905
・記録媒体906の読み書きを行うドライブ装置907
・通信ネットワーク909と接続する通信インタフェース908
・データの入出力を行う入出力インタフェース910
・各構成要素を接続するバス911
前記実施形態1~2で説明したパラメータ決定装置30の各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム904をCPU901が読み込んで実行することで実現される。各構成要素の機能を実現するプログラム904は、例えば、予め記憶装置905やROM902に格納されており、必要に応じてCPU901がRAM903にロードして実行される。なお、プログラム904は、通信ネットワーク909を介してCPU901に供給されてもよいし、予め記録媒体906に格納されており、ドライブ装置907が当該プログラムを読み出してCPU901に供給してもよい。
【0094】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、前記実施形態において説明したパラメータ決定装置30が、ハードウェアとして実現される。したがって、前記実施形態1~2において説明した効果と同様の効果を奏することができる。
【0095】
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。実施形態(及び実施例)の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0096】
1 システム
20(20a) 耳模型
30 パラメータ決定装置
31 生成部
32 中心線算出部
33 分割部
40 イヤホン型デバイス