(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】仲介システム、仲介方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20231219BHJP
【FI】
G06Q10/20
(21)【出願番号】P 2021574101
(86)(22)【出願日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 JP2021003007
(87)【国際公開番号】W WO2021153662
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】P 2020011617
(32)【優先日】2020-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】小椋 理人
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-185395(JP,A)
【文献】特開2013-186511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスに対する管理者情報、デバイスの設置位置に関する位置情報、デバイスの保守に関する情報を含むデバイス情報を記憶する記憶部と、
保守作業を必要とする第1のデバイス
の検出に応答して、前記デバイス情報を検索することで、前記第1のデバイスの設置位置からの距離に基づき、前記第1のデバイスと異なる保守を必要とする第2のデバイスであって、前記第1のデバイスの第1の管理者と異なる第2の管理者の
前記第2のデバイスを抽出し、前記第1のデバイスの保守作業の委託先の候補として前記第2の管理者に通知する通知手段
と、
を備えた仲介システム。
【請求項2】
前記第1のデバイスの位置情報を用いて、前記第1のデバイスの概略位置を含むデバイス位置情報を生成する位置生成手段
をさらに備え、
前記通知手段は、前記第1のデバイスの保守作業の委託先の候補として前記第2の管理者に通知する際、前記位置生成手段が生成した前記デバイス位置情報を併せて通知する 請求項1に記載の仲介システム。
【請求項3】
前記位置生成手段は、前記デバイス位置情報を生成する際、前記第2のデバイスの位置情報をさらに用いて、前記第1のデバイスの概略位置および前記第2のデバイスの位置を含む前記デバイス位置情報を生成するとともに、各デバイスの管理者が識別できるように前記デバイス位置情報を生成する
請求項2に記載の仲介システム。
【請求項4】
前記第1のデバイス、前記第2のデバイス、および前記第2の管理者の位置情報、前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスの保守作業時間情報を用いて、前記第1の管理者が前記第1のデバイスの保守作業を行う場合の費用概算、前記第2の管理者が第2のデバイスの保守作業を行う場合の費用概算、前記第2の管理者が第1のデバイスおよび第2のデバイスの保守作業を併せて行う場合の費用概算を求め、求めた費用概算から前記第2の管理者が委託を受ける際の参考提示額を算出する算出手段
をさらに備え、
前記通知手段は、前記第1のデバイスの保守作業の委託先の候補として前記第2の管理者に通知する際、前記算出手段が算出した前記参考提示額を併せて通知する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の仲介システム。
【請求項5】
前記算出手段は、前記第1の管理者が前記第1のデバイスの保守作業を行う場合の費用概算を上限額とし、前記第2の管理者が第1のデバイスおよび第2のデバイスの保守作業を併せて行う場合の費用概算と前記第2の管理者が第2のデバイスの保守作業のみを行う場合の費用概算との差額を下限額とし、前記上限額と前記下限額とを用いて前記参考提示額を決定する
請求項4に記載の仲介システム。
【請求項6】
前記通知手段による通知を受けた前記第2の管理者が前記第1の管理者の前記第1のデバイスの保守作業の委託に対する請負額の提示入力を検出すると、該請負額を含む請負申請を前記第1の管理者に対して通知する仲介手段
をさらに備えた請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の仲介システム。
【請求項7】
前記仲介手段は、前記請負申請に対して前記第1の管理者による委託依頼の入力を検出すると、前記第1のデバイスの位置の詳細情報を前記第2の管理者に対して通知する
請求項6に記載の仲介システム。
【請求項8】
前記通知手段は、前記第1のデバイスの保守作業の委託先の候補として前記第2の管理者に通知する代わりに、前記第2のデバイスの保守作業の委託先の候補として前記第1の管理者に通知する、または、前記第1のデバイスの保守作業の委託先の候補として前記第2の管理者に通知するとともに前記第2のデバイスの保守作業の委託先の候補として前記第1の管理者に通知する
請求項1に記載の仲介システム。
【請求項9】
保守作業を必要とする第1のデバイス
を検出し、
デバイスに対する管理者情報、デバイスの設置位置に関する位置情報、デバイスの保守に関する情報を含むデバイス情報を検索することで、前記第1のデバイスの設置位置からの距離に基づき、前記第1のデバイスと異なる保守を必要とする第2のデバイスであって、前記第1のデバイスの第1の管理者と異なる第2の管理者の
前記第2のデバイスを抽出し、
前記第1のデバイスの保守作業の委託先の候補として前記第2の管理者に通知する
ことを含むコンピュータにより実行される仲介方法。
【請求項10】
保守作業を必要とする第1のデバイス
を検出し、
デバイスに対する管理者情報、デバイスの設置位置に関する位置情報、デバイスの保守に関する情報を含むデバイス情報を検索することで、前記第1のデバイスの設置位置からの距離に基づき、前記第1のデバイスと異なる保守を必要とする第2のデバイスであって、前記第1のデバイスの第1の管理者と異なる第2の管理者の
前記第2のデバイスを抽出し、
前記第1のデバイスの保守作業の委託先の候補として前記第2の管理者に通知する
仲介システム用のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仲介システム、仲介方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークの発達に伴い、複数の業者を結びつけるためのシステムが提案されている。これらのシステムは、コスト削減、業務の効率化のために提案されている。特許文献1には、費用削減のために自社が対応する作業を他社に肩代わりしてもらうことを可能とすることで稼働の費用等を削減するための電子商取引システムが開示されている。また、特許文献2には、複数の業者が登録可能なシステムであって、登録業者の中から希望条件に適合した業者の選定が可能な業者仲介支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2004-021965号公報
【文献】日本国特開2002-123703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ネットワークの発展に伴い、ネットワークに接続可能なIoT(Internet of Things)デバイスも急速に増えてきている。IoTデバイスのほとんどがセンサデバイスである。例えば、IoTデバイスとして、河川の水位を測る水位センサや、農業で使用する土壌センサ等のバッテリー/電池駆動のセンサデバイスが利用されつつある。そして近い将来、IoTデバイスとしてのセンサデバイスが幅広く設置されることが予測されている。デバイスにおいては不具合や電池交換といった保守作業が必要となる。そのためIoTデバイスが広く利用されると、保守作業のため人を派遣して作業をする必要があり、作業負担が増え、それに伴う費用負担が増大する。作業負担の増加、費用負担の増大に対しては、他の業者に作業を依頼することで解決し得る。よって、複数の業者を結びつけるためのシステムは重要となる。
【0005】
しかしながら、前述の電子商取引システム、業者仲介支援システムでは、デバイスの保守の必要性に応じて自動的に作業の委託先候補となる業者の抽出や、デバイスの保守作業を他の業者に依頼するための仲介ができない。
【0006】
そこでこの発明の目的の一例は、上記課題を解決する仲介システム、仲介方法、および、仲介システム用プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、仲介システムは、保守作業を必要とする第1のデバイスとともに保守作業を行い得る保守を必要とする第2のデバイスであって、前記第1のデバイスの第1の管理者と異なる第2の管理者の第2のデバイスを抽出し、前記第1のデバイスの保守作業の委託先の候補として前記第2の管理者に通知する通知手段を備える。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、コンピュータにより実行される仲介方法は、保守作業を必要とする第1のデバイスとともに保守作業を行い得る保守を必要とする第2のデバイスであって、前記第1のデバイスの第1の管理者と異なる第2の管理者の第2のデバイスを抽出し、前記第1のデバイスの保守作業の委託先の候補として前記第2の管理者に通知することを含む。
【0009】
本発明の第3の態様によれば、記録媒体は、保守作業を必要とする第1のデバイスとともに保守作業を行い得る保守を必要とする第2のデバイスであって、前記第1のデバイスの第1の管理者と異なる第2の管理者の第2のデバイスを抽出し、前記第1のデバイスの保守作業の委託先の候補として前記第2の管理者に通知する仲介システム用のプログラムを記憶する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、保守作業を必要とする第1のデバイスとともに保守作業を行い得る保守を必要とする第2のデバイスであって、前記第1のデバイスの第1の管理者と異なる第2の管理者の第2のデバイスを抽出し、前記第1のデバイスの保守作業の委託先の候補として前記第2の管理者に通知する。これによりデバイスの保守の必要性に応じて作業の委託先候補となる業者を自動的に抽出するこができるようになるとともに、デバイスの保守作業を他の業者に依頼するための仲介が可能になる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態の仲介システムを含む全体構成を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態の仲介システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態による仲介システムのハードウェア構成を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態による仲介システムを利用する業者の登録の動作の一例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態による仲介システムの動作の一例を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態による仲介システムによる委託先候補となる業者のコンピュータシステムへの表示の一例を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態による仲介システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態による仲介システムを、図面を参照して説明する。
図1はこの実施形態による仲介システム1を含む全体構成を示す図である。
図1は、仲介システム1と、ネットワーク2とを示す。
【0013】
仲介システム1は、IoTデバイス等のネットワークに接続されたデバイスの保守作業が必要であることを検出することにより、保守作業が必要になったデバイスの保守作業の委託先を抽出し、通知する処理を行う。
【0014】
ネットワーク2は、有線、あるいは、無線により、他の装置と仲介システム1とを接続する。ネットワーク2には、複数の業者A、B、C、・・・、X、・・・のコンピュータシステムが接続される。また、ネットワーク2には、デバイスの保守のために部品等を提供するベンダA、B、・・・のコンピュータシステムも接続される。
【0015】
本実施形態では、一例として、保守対象となるIoTデバイスが広い地域に設置される河川の水位を測る水位センサや、農業で使用する土壌センサ等のセンサデバイスであって、バッテリー/電池駆動のセンサデバイスとして説明する。また、保守作業として、これらセンサデバイスの電池交換を一例として説明する。
【0016】
業者A、業者B、業者C、・・・は、上述のデバイスの保守をすべき責任をもつ業者とする。また、各業者A、B、C、・・・は、異なる1または複数のデバイスの管理責任を有するものとする。また、各業者A、B、C、・・・は、自らが管理するデバイスに関する情報、例えば、デバイスの種類、設置位置情報、使用する電池の種類等をコンピュータシステムにて管理する。さらに、各業者A、B、C、・・・のコンピュータシステムは、ネットワーク2を介して、あるいは、異なるネットワークを介して、自己の管理するデバイスが検出した情報を取得できると共に、デバイスの状態の管理を行い得るものとする。なお、デバイスの状態としては、電池の残量、デバイスの不具合等である。
【0017】
業者X、・・・は、自らは管理・保守すべきデバイスを有さず、上述のデバイス等の保守を専業とする業者とする。また、ベンダA、B、・・・は、業者A、B、C、・・・が管理するデバイスの電池や部品の提供が可能なベンダとする。
【0018】
前述の保守対象となるデバイス、保守内容、および、業者、ベンダは本実施の形態の説明のための一例であって、これらに限定されるものではない。また、以下の説明において、業者Aのコンピュータシステム、業者Bのコンピュータシステム、業者Cのコンピュータシステム、業者Xのコンピュータシステム等について、単に業者A、B、C、や業者Xと呼ぶことがある。同様に、ベンダAのコンピュータシステム、ベンダBのコンピュータシステムについても、単にベンダA、B、・・・と呼ぶことがある。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態の仲介システム1の構成を示すブロック図である。仲介システム1は、アカウント作成部11、連携部12、検出部13、位置生成部14、算出部15、通知部16、仲介部17、記憶部20を備える。
【0020】
記憶部20は、アカウント情報21、デバイス情報22、その他、仲介システム1の動作において必要となる各種情報を記憶する。
【0021】
アカウント作成部11は、保守作業の委託、受託を望む業者が仲介システム1に接続できるようにするためのアカウント作成、登録、保守のための処理を行う。また、アカウント作成部11は、仲介システム1の登録業者にデバイスの保守のための部品、電池等の提供を望むベンダが仲介システム1に接続できるようにするためのアカウント作成、登録、保守のための処理を行う。業者、ベンダのアカウント情報は、記憶部20にアカウント情報21として記憶される。アカウント情報は、仲介システム1にアクセスするためのIDやパスワードのほか、会社名、住所、メールアドレスや電話番号等のアクセス情報、保守作業をする拠点となる事業所等の所在地情報等の情報を含む。
【0022】
連携部12は、登録された業者において管理しているデバイスの情報を、登録業者のコンピュータシステムから抽出し、記憶部20にデバイス情報22として登録するための処理を行う。このために、仲介システム1と登録された業者のコンピュータシステムとは、API(Application Interface)を介して、必要な情報の授受が可能とされている。デバイス情報22は、管理業者情報、デバイスの設置位置に関する位置情報、デバイスの種類、デバイスで用いられる電池に関する情報等である。さらに、デバイス情報22は、電池が交換された時期、電池の交換サイクル等の情報を含んでもよい。
【0023】
検出部13は、デバイス情報22に登録されるいずれかのデバイスであって、保守作業が必要になっているデバイスの検出を行う。保守が必要なデバイスの検出処理の開始の一例は以下のようになる。例えば、登録業者のコンピュータシステムが管理するいずれかのデバイスの電池の交換の必要性を検出したとする。登録業者のコンピュータシステムより、保守を必要とするデバイスの検出情報が対象となるデバイスを特定する情報とともに仲介システム1に通知されることで、検出部13は検出処理を行う。あるいは、検出部13は、デバイス情報22として登録されている情報である電池が交換された時期、電池の交換サイクルを利用して保守が必要となるデバイスの検出を行ってもよい。また、検出部13は、一定期間ごとに、保守が必要になったデバイスを検出するようにしてもよい。または、検出部13は、仲介システム1に対するオペレータによる指示により、保守が必要になったデバイスを検出するようにしてもよい。
【0024】
位置生成部14は、デバイス情報22を検索することにより、検出部13が検出した保守を必要とするデバイスの位置情報を取得し、保守が必要となるデバイスの概略位置を含むデバイス位置情報を生成する。また、位置生成部14は、デバイス情報22を検索することにより、後で説明する通知部16が抽出した保守を必要とする他のデバイスに関する位置情報を取得する。さらに、位置生成部14は、取得された他のデバイスの位置を含むデバイス位置情報を合わせて生成する。デバイス位置情報は、デバイスの設置位置、あるいは、デバイスが設置されている概略位置を示した地図情報とする。また、デバイス位置情報は、デバイスの設置位置を示す経度と緯度または住所、デバイスの概略位置を示す地域名等のテキスト情報であってもよい。
【0025】
算出部15は、委託先候補が委託を受ける際の参考提示額を算出する。算出部15は、保守作業の委託元業者の位置、委託先候補業者の位置、保守を行うデバイスの位置、保守の作業時間等を用いて、参考提示額の上限額と下限額を算出し、上限額と下限額を用いて参考提示額を決定する。
【0026】
通知部16は、検出部13によりデバイスの保守の必要性が検出されると、このデバイスの保守の委託先候補となる業者を記憶部20に記憶される情報を用いて抽出する。また、通知部16は、保守作業の委託先候補となる業者に通知をする際、位置生成部14の生成したデバイス位置情報を合わせて通知する。さらに、通知部16は、算出部15が算出した参考提示額を委託先候補となる業者に通知する。
【0027】
仲介部17は、通知部16による通知を受けた委託先候補となる業者が、保守作業の委託に対する請負額の提示入力を検出すると、委託元となる業者に対して請負額等の請負申請の通知を行う。また、仲介部17は、委託先候補からの請負申請に対する委託元の業者からの委託依頼の入力を検出すると、請負申請をした委託先候補にその旨を通知する。また、仲介部17は、請負申請をした委託先候補への委託依頼の通知の際に、保守作業を委託されたデバイスの位置に関する詳細情報を合わせて通知する。
【0028】
図3は本発明の一実施形態による仲介システム1のハードウェア構成を示す図である。仲介システム1は、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、SSD(Solid State Drive)34、通信モジュール35を備える。
CPU31は、ROM32またはSSD34等の記録媒体に記憶されるプログラムを実行することで、仲介システム1の各機能を実現する。
SSD34は、仲介システム1の機能を実現するため必要となるデータ等も記憶する。SSD34は、他の不揮発性の記憶装置、例えば、HDD(Hard Disk Drive)であってもよく、いくつかの異なる種類の不揮発性の記憶装置により構成させてもよい。通信モジュール35は、ネットワーク接続のために用いられる。また、仲介システム1は、必要に応じて入出力装置36を備えてもよい。入出力装置36は、キーボード、マウス、タッチパネル、表示装置等の機器のいずれかあるいは全てである。
【0029】
図4は、本発明の一実施形態による仲介システム1の初期設定の動作の一例を示す図である。
図4を参照して、仲介システム1の利用を希望する業者の初期設定について説明する。
【0030】
新たな業者からの仲介システム1への登録希望リクエストがあると、仲介システム1のアカウント作成部11は、新たな業者が仲介システム1のサービスを利用できるようにするためのアカウント作成、登録の処理を行う(ステップS41)。また、アカウント作成部11は、デバイスの保守のための部品、電池等の提供を望むベンダの登録希望リクエストに対しても、同様にアカウント作成、登録のための処理を行う。この際、アカウント作成部11は、登録する業者やベンダの基本情報である、会社名、住所、保守員の所在地等の登録のための処理も行う。
【0031】
続いて、連携部12は、新たに登録された業者が管理するデバイスの情報を、登録業者のコンピュータシステムから抽出し、記憶部20にデバイス情報22として登録する処理を行う(ステップS42)。この処理において、連携部12は、仲介システム1と業者のコンピュータシステムの連携を可能とするAPIを介して、デバイス情報を取得し、記憶部20に登録する。
【0032】
アカウント作成部11は、新規の業者の登録のみではなく、アカウント情報の保守のための処理も行う。また、連携部12は、業者のコンピュータシステムより業者が管理するデバイスの情報の変更、更新または追加の通知を受けるとデバイス情報22に対して変更、更新または追加の処理も行う。
【0033】
図5は、本発明の一実施形態による仲介システム1の委託元となる業者と委託先となる業者の仲介を行う際の動作の一例を示す図である。以下、
図5を参照して、仲介システム1の仲介に関する動作を説明する。
【0034】
仲介システム1の動作の説明において、下記のような状況にて、新たに保守すべきデバイスが検出されたものとしての説明も行う。
【0035】
図1における業者Aが4つのデバイス(1)、(2)、(3)、(4)を管理し、保守の責任を持つ。業者Bが2つのデバイス(5)、(6)を管理し、保守の責任を持つ。業者Cが5つのデバイス(7)、(8)、(9)、(10)、(11)を管理し、保守の責任を持つ。
【0036】
業者Cの管理する5つのデバイスの内、3つのデバイス(7)、(8)、(9)が既に電池の交換が必要な状態となっているが、まだ電池の残量があるためデバイス(7)、(8)、(9)の電池交換作業が行われていない。デバイス(7)、(8)、(9)の電池交換作業が必要なことは、仲介システム1の連携部12の処理により、既に、仲介システム1にて把握され、デバイス情報22にステータス情報として記録されている。
【0037】
上記の状況で、業者Aの管理する3つのデバイスの内、デバイス(1)について電池交換の保守が必要とのアラームが、業者Aのデバイス管理のためのコンピュータシステムにて検出されたものとする。この検出結果が、APIを介して仲介システム1でも検出され、仲介システム1による仲介処理が開始されたものとする。
【0038】
また、例では業者Aの新たに保守が必要となったデバイス(1)と、業者Cの保守が必要となっているデバイス(7)、(8)、(9)の設置位置は、保守作業のための移動距離があまり遠くない範囲、ないしは、比較的近くに存在しているものとする。
【0039】
仲介システム1の検出部13は、デバイス情報22に登録されるいずれかのデバイスの保守作業が必要になったかの検出処理を行う(ステップS51)。検出ができない場合(ステップS51:NO)には、検出部13はステップS51に戻り検出処理を継続する。一方、保守すべきデバイスが検出されると(ステップS51:YES)、次の処理のために、処理がステップS52に進む。
【0040】
上述の例では、業者Aのコンピュータシステムにてデバイス(1)の電池交換の必要性が検出されると、ネットワーク2を介してその検出情報が仲介システム1の検出部13でも得られるものとする。
【0041】
通知部16は、ステップS51で検出されたデバイスとともに保守作業を行い得る他のデバイスであって、かつ、保守を必要とする他のデバイスであって、他の業者が管理する他のデバイスを検出する。具体的は、通知部16は、デバイス情報22を検索することで、ステップS51にて検出されたデバイスの設置位置に近いデバイスであって、保守を必要としている他のデバイスの検出を行う。また、通知部16は、検出結果より、保守を必要とするデバイスの保守の委託先候補を決定する(ステップS52)。この処理において、通知部16は、ステップS51にて検出されたデバイスの設置位置に近い保守を必要とする他のデバイスであって、ステップS51にて検出されたデバイスの管理者と異なる管理者の保守を必要とする他のデバイスの検出を行うものとする。これにより、通知部16は、ステップS51にて検出されたデバイスの所有者、および、ステップS51にて検出されたデバイスの設置位置に近い保守を必要とする他のデバイスの所有者の双方をそれぞれ他方の保守作業の委託先候補として選定する。あるいは、通知部16は、ステップS51にて検出されたデバイスの所有者と、ステップS51にて検出されたデバイスの設置位置に近い保守を必要とする他のデバイスの所有者との一方を他方の保守作業のための委託先候補と決定する。
【0042】
検出対象となるデバイスは、ステップS51にて検出されたデバイスから所定の範囲内にて存在する保守を必要とするデバイスとする。
あるいは、保守作業の委託先候補検出のために、通知部16は、ステップS51にて検出されたデバイスから最も近い保守を必要とするデバイスであって、他の業者の管理するデバイスを検出するものとする。この際、通知部16は、検出した他の業者の管理するデバイスのほか、そのデバイスに近いこの業者(他の業者)の管理するデバイスで保守を必要とするデバイスも併せて検出するようにしてもよい。
【0043】
上述の例では、ステップS51にて業者Aの管理するデバイス(1)が新たに保守の必要なデバイスとして検出され、ステップS52において、通知部16は業者Cの管理する3つのデバイス(7)、(8)、(9)を検出したものとする。この場合、通知部16は、業者Cを業者Aのデバイスの保守作業の委託先候補として選定する。また、通知部16は、業者Aを業者Cのデバイスの保守作業の委託先候補として選定してもよい。さらに、通知部16は、業者Cを業者Aのデバイスの保守作業の委託先候補として選定するとともに、業者Aを業者Cのデバイスの保守作業の委託先候補として選定してもよい。
【0044】
ステップS51にて検出されたデバイスの設置位置に近いデバイスであって、保守を必要とする他のデバイスの所有者を保守作業の委託先候補とする場合、位置生成部14は、委託先候補に提供するためのデバイス位置情報を生成する(ステップS53)。この処理において、まず、位置生成部14は、デバイス情報22を検索することによりステップS51にて検出したデバイスの位置情報を取得する。そして、位置生成部14は、ステップS51にて検出したデバイスの位置情報を用いて、そのデバイスの概略位置を含むデバイス位置情報を生成する。さらに、位置生成部14は、デバイス情報22を検索することにより、ステップS52で抽出した他のデバイスに関する位置情報を取得する。そして、位置生成部14は、他のデバイスの詳細位置を含むデバイス位置情報を合わせて生成する。位置生成部14はこのようにして委託先候補へ提示するためのデバイス位置情報を生成する。さらに、位置生成部14は、デバイス位置情報に示すデバイスの管理者が誰かが分かるようにデバイス位置情報を生成してもよい。
【0045】
上述の例では、ステップS53において、位置生成部14は、委託先候補となる業者Cのために、業者Aのデバイス(1)については概略位置を、業者Cのデバイス(7)、(8)、(9)については概略ではなくその正確な位置に関するデバイス位置情報を生成する。また、位置生成部14は、デバイス(1)の管理者が業者Aで、デバイス(7)、(8)、(9)の管理者が業者Cであることが分かるようにデバイス位置情報を生成する。
【0046】
図6は、業者Aのデバイス(1)の保守の委託先候補として業者Cが選定され、業者Cのコンピュータシステムに委託先候補として表示される際の画面例を示した図である。
図6の符号61は、ステップS53により生成されたデバイス位置情報の一例を示す。
図6の例では、地図上に、業者Cが管理責任を持ち、かつ、保守が必要になっているデバイス(7)、(8)、(9)の詳細(正確)な設置位置が示される。また、地図上には、他の業者である業者Aが管理責任を持つ保守を必要とするデバイス(1)について詳細な位置を隠した表示例(概略位置)を示している。さらに、
図6は、デバイス(1)の管理者が業者Aで、デバイス(7)、(8)、(9)の管理者が業者Cであることが分かるように示す際の一例として、符号62に示すような表示例を示している。これにより、委託先候補として通知を受けた業者は、保守を必要とする自己のデバイスに対する、他者のデバイスのおおよその位置関係を知ることができ、委託を受けるか否かの判断に使うことができる。さらに、委託先候補として通知を受けた業者は、自己の管理するデバイスと他者の管理するデバイスとの区別が容易にできる。
【0047】
ステップS52において業者Aが業者Cの保守作業の委託先候補とされた場合、ステップS53において、位置生成部14は、業者Aのデバイス(1)についてはその詳細な設置位置を生成する。また、位置生成部14は、業者Cのデバイス(7)、(8)、(9)については概略位置に関するデバイス位置情報を生成する。
【0048】
図6の例では、業者Cのコンピュータシステムに委託先候補として表示される際の画面例を示した図であるが、業者Aが業者Cの保守作業の委託先候補とされた場合、同様に生成された画面を業者Aのコンピュータシステムに対して提示するようにしてもよい。また、業者Aのデバイスの保守作業の委託先候補として業者Cを選定するとともに、業者Cのデバイスの保守作業の委託先候補として業者Aを選定する場合、ステップS53にて位置生成部14は業者A用に生成されたデバイス位置情報を業者Aのコンピュータシステムに提供する。さらに、位置生成部14は業者C用に生成されたデバイス位置情報を業者Cのコンピュータシステムに提供するようにしてもよい。
【0049】
算出部15は、保守を必要とするデバイスの位置情報、保守作業の委託元の位置情報、委託先となり得る業者の位置情報、デバイスの保守に必要な作業時間等の情報を用いて、委託先候補に提示するための参考提示額の算出を行う(ステップS54)。参考提示額の算出は、以下のようにして行う。
【0050】
算出部15は、保守を必要とするデバイスの位置情報、保守作業の委託元の位置情報、委託先となり得る業者の位置情報、デバイスの保守に必要な作業時間等の情報を用いて、以下の費用概算を算出する。
1.委託元の業者が自己の管理するデバイスであって保守が必要になったデバイスの保守作業を行う場合の費用概算(A)
2.委託先の候補となる業者が自己の管理するデバイスであって保守が必要になったデバイスの保守作業を行う場合の費用概算(B)
3.委託先の候補となる業者が自己の管理するデバイスであって保守が必要になったデバイスの保守作業を行う際、委託元の業者が管理するデバイスであって保守が必要になったデバイスの保守作業も併せて行う際の費用概算(C)
【0051】
算出部15は、費用概算(A)を上限額、(費用概算(C)-費用概算(B))を下限額として、上限額、下限額を用いて参考提示額を決定する。
【0052】
参考提示額は、上限額と下限額の範囲内であってもよく、例えば、上限額と下限額の中間の額でもよい。また、上限額および下限額を用いて予め決められた算出ルールに従って参考提示額を算出してもよい。例えば、算出ルールとして、委託元の業者が管理するデバイスの電池の残量をパラメータとして参考提示額を算出してもよい。
【0053】
前述の例において、参考提示額を算出するために、下記の情報があるものとする。
【0054】
各業者の人件費:7,500円/人時
勤務地からデバイス設置エリアまでの移動時間(各社共通):1時間
デバイス間移動時間:5分
1台あたりのデバイスの電池交換作業時間:10分
【0055】
この場合、算出部15による前述の費用概算(A)から(C)の試算結果は一例として以下のようになる。
【0056】
(ケース1)業者Aが自らデバイス(1)のみの電池交換作業を行った場合
電池交換作業全体の時間:1時間+10分+1時間=2時間10分
電池交換作業全体の時間(費用概算A):7,500円×2時間10分=16,250円
【0057】
(ケース2)業者Cが自らデバイス(7)、(8)、(9)のみの電池交換作業を行った場合
電池交換作業全体の時間:1時間+(5分×2)+(10分×3台)+1時間=2時間40分
電池交換作業全体の時間(費用概算B):7,500円×2時間40分=20,000円
【0058】
(ケース3)業者Aが業者Cに作業を委託し、業者Cがデバイス(1)、(7)、(8)、(9)の電池交換を行った場合
電池交換作業全体の時間:1時間+(5分×3)+(10分×4台)+1時間=2時間55分
電池交換作業全体の時間(費用概算C):7,500円×2時間55分=21,875円
【0059】
続いて、通知部16は、ステップS52で選定した委託先候補となる業者へのアクセス情報を、記憶部20に記憶される情報を用いて抽出する。そして、通知部16は、デバイスの保守の委託先候補に通知をする際、位置生成部14の生成したデバイス位置情報を合わせて通知する。さらに、通知部16は、算出部15が算出した参考提示額を合わせて委託先候補となる業者に通知する(ステップS55)。通知部16による委託先候補となる業者への通知は、デバイス位置情報、参考提示額の一方のみであってもよい。さらには、通知部16による委託先候補となる業者への通知として、算出部15により算出された下記作業時間見積の一方、あるいは、双方を合わせて通知するようにしてもよい。
(見積A)委託先候補となる業者が自己の管理するデバイスの保守のみために必要となる作業時間見積
(見積B)委託先候補となる業者が自己の管理するデバイスの保守とともに委託元の管理するデバイスの保守も併せて行う際の作業時間見積
【0060】
図6に示す業者Cのコンピュータシステムでの表示例では、ステップS55により、符号61に示すデバイス位置情報に加えて、符号63に示す参考提示額も表示される。これにより、業者Cは、業者Aのデバイス(1)の保守の委託を受ける場合における費用提示額としての参考情報を得ることができる。
【0061】
さらに、
図6では、下記の作業時間見積も参考情報として提示されている例を示している。
(見積A)符号64に示す業者Cがデバイスの(7)、(8)、(9)の保守のために必要となる作業時間見積
(見積B)符号65に示す業者Cが(7)、(8)、(9)に加えデバイス(1)の保守も併せて行う際の作業時間見積
これにより、業者Cは、業者Aのデバイス(1)の保守の委託を受ける場合の、費用提示をする際に、提示額決定のための更なる情報を得ることができる。
【0062】
業者Cが保守すべきデバイスの保守作業の委託先候補としては、業者Aもなり得る。仲介システム1は、業者Cを委託元、業者Aを委託先候補としてステップS53からS55の処理を行うようにしてもよい。この場合、
図6は業者Cのコンピュータシステムでの表示例であるが、
図6と同様の情報の提示が業者Aのコンピュータシステムに対してなされる。
【0063】
続いて、仲介部17は、ステップS55にて通知を受けた委託先候補となる業者により、保守作業の委託に対する請負額の提示の通知を検出すると、委託元となる業者に対して請負額等の請負申請の通知を行う(ステップS56)。この際、委託先候補となる業者は、保守作業の予定日等の作業概要に関する情報も請負申請に併せて通知するようにしてもよい。
【0064】
図6の例において、業者Cにおけるコンピュータシステムの操作者が符号66に示す欄に、デバイス(1)の保守作業の請負をする際の提示額を入力し、符号67に示すボタンをクリックしたとする。この際、業者Cのコンピュータシステムより、仲介システム1に請負申請の通知が行われる。
【0065】
仲介部17は、委託元となる業者と委託先候補の業者とのコンピュータシステム間での委託および/または受託に関する交渉の管理をする。そして仲介部17は、委託元となる業者のコンピュータシステムから請負申請に対する委託依頼の通知があるかを管理する(ステップS57)。
【0066】
委託依頼の通知がない場合(ステップS57:NO)、仲介部17は、委託元となる業者と委託先候補の業者とのコンピュータシステム間での委託および/または受託に関する交渉の管理を継続する。
【0067】
委託元となる業者のコンピュータシステムから請負申請に対する委託依頼の通知を検出すると(ステップS57:YES)、仲介部17は、請負申請をした委託先候補への委託依頼の通知をする。仲介部17は、この通知の際に委託元の管理する保守対象のデバイスの詳細位置に関する詳細情報を合わせて通知する(ステップS58)。この通知により、委託先の業者は、委託元の管理する保守対象のデバイスの詳細位置を取得でき、委託元の管理する保守対象のデバイスの保守作業も含めた詳細な作業計画を立て、保守作業を実施することができる。
【0068】
ステップS58の通知により、上述の例では、業者Cはデバイス(1)の位置に関する詳細な情報を得ることができる。
【0069】
以上で、仲介システム1は、ステップS51で検出した保守作業が必要となったデバイスに対する保守作業の委託についての仲介処理を終了する。
【0070】
前述の例の場合、算出部15により算出された費用概算が正しかったとすると、業者A、業者Cは、以下の利益を得ることができる。
【0071】
仮に業者Cが、算出部15により算出された下限額で業者Aの管理するデバイス(1)の保守作業の委託を受ける場合、業者Aは、16,250円分の作業を1,875円で業者Cに委託することができる。結果として、業者Aは、デバイス(1)の保守作業に関し、約88%のコスト削減を図ることができる。
【0072】
また、仮に業者Cが、算出部15により算出された上限額で業者Aの管理するデバイス(1)の保守作業の委託を受ける場合、1,875円の作業で最高16,250円分の売り上げとすることができる。この場合、業者Cは、利益率約88%の作業の受注ができたことになる。
【0073】
図5のステップ55において、通知部16は委託先の候補となる業者に算出部15の算出した参考提示額を通知するものとして説明した。ステップ55において、通知部16は委託先の候補となる業者に算出部15の算出した上限額、下限額を提示する、あるいは、それらに近い値を参考上限額、参考下限額として提示してもよい。これら、上限額、下限額や参考上限額、参考下限額は、委託先の候補となる業者が、委託元となる業者への提示額決定において参考にし得る。
【0074】
図5、
図6を参照した仲介システム1の動作の説明では、デバイスを管理する業者が委託先の候補として抽出される例を説明した。委託先候補は、デバイスを管理する業者に限らず、
図1に示す業者Xのようなデバイスを管理しない保守作業を専業とする業者であってもよい。
【0075】
例えば、ステップS52において、通知部16は、保守が必要となったデバイスの近くに、他の業者が管理するデバイスであって、保守を必要とするデバイスがない場合、保守が必要となったデバイスへの移動時間が短い保守作業を専業とする業者を選定し、委託先候補としてもよい。この際、ステップS53において、位置生成部14は、保守を必要とするデバイスの概略位置を示す情報を生成してもよく、あるいは、保守を必要とするデバイスの詳細位置を示す情報を生成してもよい。また、ステップS54において、算出部15は、保守を必要とするデバイスを管理する業者がそのデバイスの保守作業を行った際の費用概算を算出し、この費用概算を基に、例えば100%未満の係数をかけた額を、参考提示額として求めてもよい。
【0076】
本実施形態では、委託元となる業者が1社、委託先候補となる業者が1社の場合、あるいは、これら業者が共に相手業者の委託先候補となる場合の説明を行った。これに限らず、委託元のとなる業者が1社で、委託先候補となる業者が複数社であってもよい。さらに、委託先候補となる業者が同時に複数の委託元となる業者の保守作業の委託を受けられるように仲介システム1は動作してもよい。
【0077】
仲介システム1は、
図1に示すベンダA、Bから提供可能なデバイスやその部品、電池等の情報をデバイスの保守を行う業者に対して提供する機能や、業者とベンダ間においてそれらデバイスやその部品、電池等の受発注のための機能を備えてもよい。
【0078】
以上により、仲介システム1を用いることで、デバイスを管理する業者は、費用的な面からある程度の台数以上の不具合や電池切れが発生した時点でまとめて修理/交換を行う必要がなくなる。また、デバイスを管理する業者は、保守作業の委託をスムーズに行うことが可能となり、結果として正常に動作しないデバイスが一定期間放置される、本来必要な計測結果が欠損する可能性が出てしまう、ということを解消できる。さらに、仲介システム1を用いることで、デバイスの修理や電池交換などの保守作業を要するデバイスを所有する業者が、他業者が保有するデバイスの保守作業をまとめて請け負えるようになるとともに、現実的な費用でデバイスの保守作業が可能となる。
【0079】
また、仲介システム1を用いることで、保守作業の委託をする業者は非効率的な作業員の派遣を減らすことができ、かつ、低コストでデバイスの稼働率の向上を図れる。さらに、他業者の管理するデバイスの保守作業の委託を受ける側の業者は、本来の作業に委託される作業を相乗りさせる、もしくは単に作業を請け負うことで利益を得ることができる。
【0080】
仲介システム1は、一例として、センサデバイスを広範囲に多量に設置することが必要とされる分野において利用可能である。例えば、仲介システム1は、スマートシティを目指すために、河川や山間部、街中に大量のセンサを設置し、環境情報を収集/活用するような自治体等の公共分野において利用可能である。
【0081】
図7は、本発明の一実施形態による仲介システム1の構成を示す。仲介システム1は、通知部16を備える。
通知部16は、保守作業を必要とする第1のデバイスとともに保守作業を行い得る保守を必要とする第2のデバイスであって、第1のデバイスの第1の管理者と異なる第2の管理者の第2のデバイスを抽出し、第1のデバイスの保守作業の委託先の候補として第2の管理者に通知する処理を行う。
【0082】
上述の仲介システム1は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した仲介システム1の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0083】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0084】
この出願は、2020年1月28日に出願された日本国特願2020-011617号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、仲介システム、仲介方法、および、記録媒体に適用してもよい。
【符号の説明】
【0086】
1・・・仲介システム
2・・・ネットワーク
11・・・アカウント作成部
12・・・連携部
13・・・検出部
14・・・位置生成部
15・・・算出部
16・・・通知部
17・・・仲介部
20・・・記憶部
21・・・アカウント情報
22・・・デバイス情報