IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カシオ計算機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-アンテナ装置および時計 図1
  • 特許-アンテナ装置および時計 図2
  • 特許-アンテナ装置および時計 図3
  • 特許-アンテナ装置および時計 図4
  • 特許-アンテナ装置および時計 図5
  • 特許-アンテナ装置および時計 図6
  • 特許-アンテナ装置および時計 図7
  • 特許-アンテナ装置および時計 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】アンテナ装置および時計
(51)【国際特許分類】
   G04R 60/08 20130101AFI20231219BHJP
   G04G 21/04 20130101ALI20231219BHJP
   G04G 21/02 20100101ALI20231219BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G04R60/08
G04G21/04
G04G21/02 J
H01Q1/22 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022085100
(22)【出願日】2022-05-25
(62)【分割の表示】P 2019181298の分割
【原出願日】2017-11-02
(65)【公開番号】P2022119885
(43)【公開日】2022-08-17
【審査請求日】2022-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(74)【代理人】
【識別番号】100171882
【弁理士】
【氏名又は名称】北庄 麗絵子
(72)【発明者】
【氏名】田坂 英夫
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0064804(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0214422(US,A1)
【文献】特開2002-261533(JP,A)
【文献】特開2018-117263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 1/00 - 99/00
G04C 1/00 - 99/00
G04G 3/00 - 99/00
G04R 20/00 - 60/14
H01Q 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
いずれか一つがアンテナと接続された複数のグランド用の第1電極と、
前記アンテナと接続された給電用の第2電極と、
を備え、
アンテナ装置の製造時に、前記複数のグランド用の第1電極の中から一つの第1電極が選択されて前記アンテナと接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記アンテナが取り付けられる樹脂製のケース本体と、
前記一つの第1電極と前記アンテナとを接続する第1接続部材と、
を備え、
前記ケース本体には、前記複数のグランド用の第1電極に対応する複数の第1取付部が設けられ、
前記第1接続部材は、前記複数の第1取付部のいずれか一つに選択的に取り付けられて前記アンテナと前記第1電極とが接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のアンテナ装置において、前記複数のグランド用の第1電極及び前記給電用の第2電極は、前記アンテナの中心部を中心とする円周上に沿って設けられていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のアンテナ装置において、前記複数のグランド用の第1電極と前記給電用の第2電極との間隔に応じて、前記アンテナで受信する周波数を変化させることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項5】
請求項1~請求項3のいずれかに記載されたアンテナ装置において、前記アンテナの大きさに応じて、前記複数のグランド用の第1電極と前記給電用の第2電極との間隔を変更することにより、前記アンテナで受信する周波数を調整することを特徴とするアンテナ装置。
【請求項6】
請求項1~請求項4のいずれかに記載のアンテナ装置において、前記給電用の第2電極は複数設けられ、アンテナ装置の製造時に、複数の前記給電用の第2電極の中から一つの第2電極が選択されて前記アンテナと接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項7】
請求項1~請求項5のいずれかに記載されたアンテナ装置を備えていることを特徴とする時計。
【請求項8】
ケースに設けられたアンテナと、
前記ケースの内部に設けられたモジュールと、
前記モジュールに設けられた複数のグランド用の第1電極と、
前記モジュールに設けられた給電用の第2電極とを備え、
アンテナ装置の製造時に、前記複数のグランド用の第1電極の中から一つの第1電極が選択されて前記アンテナと接続されていることを特徴とする時計。
【請求項9】
請求項8に記載された時計において、
方位を検出する磁気センサを更に備え、
前記磁気センサは、前記複数のグランド用の第1電極、及び前記給電用の第2電極に対向する位置である12時側に設けられ、
前記複数のグランド用の第1電極と前記給電用の第2電極とは、6時側に配列されていることを特徴とする時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、腕時計などの電子機器に用いられるアンテナ装置およびそれを備えた時計に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、腕時計において、特許文献1に記載されているように、GPS(Global Positioning System)用のアンテナを備えたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-130159号公報
【0004】
この種の腕時計は、円筒状のケース本体の上部にリング状の外装部材を設け、この外装部材の内周にリング状のアンテナを設け、このアンテナを文字板の金属支持基板上に配置してグランドに接続し、この状態でアンテナの給電点を接続ピンで回路基板に接続した構造になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような腕時計では、ケース本体および外装部材の外形の大きさが変化すると、これらの外形の変化に伴ってアンテナの大きさも変化する。このため、この腕時計では、アンテナの受信性能を確保するために、アンテナの大きさに合わせて、給電点の位置および接続ピンの設置位置を変更する必要がある。
【0006】
このため、このような腕時計では、アンテナの大きさに合わせて、給電点の位置および接続ピンの設置位置を変更するために、給電点の位置および接続ピンの設置位置に合わせ、その都度、金属支持基板や回路基板などの設計を変更しなければならないという問題がある。
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、外装アンテナの大きさに応じて設計変更する必要がなく、簡単に外装アンテナの受信性能を確保できるアンテナ装置およびそれを備えた時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、いずれか一つがアンテナと接続された複数のグランド用の第1電極と、前記アンテナと接続された給電用の第2電極と、を備え、アンテナ装置の製造時に、前記複数のグランド用の第1電極の中から一つの第1電極が選択されて前記アンテナと接続されていることを特徴とするアンテナ装置である。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、外装アンテナの大きさに応じて設計変更する必要がなく、簡単に外装アンテナの受信性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明を腕時計に適用した一実施形態を示した拡大正面図である。
図2図1に示された腕時計のA-A矢視における拡大断面図である。
図3図2に示された腕時計の外装アンテナを示した拡大正面図である。
図4図2に示された腕時計の回路基板を示した拡大正面図である。
図5図4に示された回路基板を示した拡大裏面図である。
図6図2に示された腕時計のケース本体を示した拡大正面図である。
図7図2に示された腕時計の要部を示した拡大断面図である。
図8図7に示されたアンテナ装置の第1、第2接続片を示し、(a)は第1、第2接続片をケース本体の第1、第2取付部に取り付けた状態を示した拡大正面図、(b)は第1、第2接続片を示した拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1図8を参照して、この発明を腕時計に適用した一実施形態について説明する。
この腕時計は、図1および図2に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1の上部開口部には、時計ガラス2がガラスパッキン2aを介して設けられている。この腕時計ケース1の下部には、裏蓋3が防水パッキン3aを介して取り付けられている。
【0012】
この腕時計ケース1の12時側と6時側との各側部には、図1および図2に示すように、時計バンド(図示せず)が取り付けられるバンド取付部4が設けられている。また、この腕時計ケース1の2時側、3時側、4時側、8時側、10時側の各側部には、スイッチ釦5がそれぞれ設けられている。さらに、この腕時計ケース1の9時側の側部には、腕時計ケース1の外部環境を検出する圧力センサや温度センサなどのセンサ部6が設けられている。
【0013】
この腕時計ケース1の内部には、図2に示すように、時計モジュール7が設けられている。この時計モジュール7は、ハウジング8を備えている。このハウジング8内には、電池9が収納されている。このハウジング8の上部には、回路基板10が配置されている。この回路基板10上には、表示パネル11がインターコネクタ(図示せず)によって電気的に接続された状態で支持されている。
【0014】
この表示パネル11は、図2に示すように、液晶表示パネルやEL(エレクトロ・ルミネッセンス)表示パネルなどの平面型の表示パネルであり、時刻などの時計機能に必要な各種の情報を電気光学的に表示するように構成されている。この表示パネル11の上方には、文字板ユニット12が配置されている。この文字板ユニット12は、上下一対の透明な文字板間にソーラーパネルを配置したものであり、この文字板ユニット12を通して表示パネル11の情報が見えるように構成されている。
【0015】
ところで、腕時計ケース1は、図2に示すように、硬質の合成樹脂製のケース本体13と、電波を受信する金属製の外装アンテナ14と、軟質の合成樹脂製の外装部材15と、を備えている。ケース本体13は、ほぼ円形のリング状に形成されている。このケース本体13の内部には、文字板ユニット12を除いて、時計モジュール7が設けられている。外装部材15は、ウレタン樹脂などの軟質の合成樹脂で形成され、ケース本体13および外装アンテナ14の外周に取り付けられている。
【0016】
外装アンテナ14は、高周波(例えば1575.42MHz)の電波を受信するGPS用のアンテナであり、図1図3に示すように、ケース本体13とほぼ同じ形状のリング状に形成され、腕時計のベゼルとしても機能する。この外装アンテナ14は、ケース本体13の上部に防水リング13aを介して複数のねじ14aによって取り付けられている。この外装アンテナ14の内部には、時計ガラス2がガラスパッキン2aを介して取り付けられていると共に、文字板ユニット12が配置されている。
【0017】
この外装アンテナ14は、図2および図7に示すように、後述する接続部25によって時計モジュール7の回路基板10と電気的に接続されるように構成されている。この場合、回路基板10は、図4および図5に示すように、その表裏面に各種の電子部品10aが搭載されているほか、表面(図2では上面)に複数の第1電極16と複数の第2電極17とが設けられ、裏面(図2では下面)の12時側に磁気センサ20が設けられている。
【0018】
複数の第1電極16それぞれは、図4に示すように、電源用(グランド用)の電極である。また、複数の第2電極17それぞれは、給電用の電極である。これら複数の第1電極16と複数の第2電極17とは、回路基板10の6時側の周縁部において、外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板の中心部を中心とする円周上に沿って配列されている。
【0019】
すなわち、複数の第1電極16は、図4に示すように、6時側と8時側との間に等間隔で、例えば6個配列され、これらのいずれか1つが接続部25によって外装アンテナ14と電気的に接続されるようになっている。この場合、複数の第1電極16は、外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ直線を基準線にして、10度の角度間隔で8時側に向けて6個設けられている。すなわち、複数の第1電極16は、回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対して、50度の角度範囲内に設けられている。
【0020】
また、複数の第2電極17は、図4に示すように、6時側と4時側との間に等間隔で、例えば4個配列され、これらのいずれか1つが接続部25によって外装アンテナ14と電気的に接続されるようになっている。この場合、複数の第2電極17は、回路基板10の中心と6時側とを結ぶ直線を基準線にして、20度の角度離れた位置から10度の角度間隔で4時側に向けて4個設けられている。すなわち、複数の第2電極17は、回路基板10の中心と6時側とを基準線に対して、20度の角度離れた位置から30度の角度範囲内に設けられている。
【0021】
磁気センサ20は、図4および図5に示すように、方位を検出するものであり、複数の第1電極16と複数の第2電極17とに対向する位置、つまり複数の第1電極16と複数の第2電極17とから最も離れた位置である12時側に設けられている。これにより、磁気センサ20の精度および性能に極力影響を与えないように構成されている。また、磁気センサ20は、複数の第1電極16と複数の第2電極17とに影響を与えないように構成されている。
【0022】
ところで、接続部25は、図6および図7に示すように、複数の第1電極16のいずれかを選択し決定して外装アンテナ14と接続する共に、複数の第2電極17のいずれかを選択し決定して外装アンテナ14とを接続することにより、決定された第1電極16と第2電極17との間隔が変更できるように構成されている。
【0023】
すなわち、この接続部25は、図6および図7に示すように、複数の第1電極16に対応する複数の第1取付部18と、これら複数の第1取付部18のいずれか1つに選択的に取り付けられて第1電極16と外装アンテナ14とを接続する第1接続片21と、複数の第2電極17に対応する複数の第2取付部19と、これら複数の第2取付部19のいずれか1つに選択的に取り付けられて第2電極17と外装アンテナ14とを接続する第2接続片22と、を備えている。
【0024】
この場合、複数の第1取付部18は、図6に示すように、回路基板10上に設けられた複数の第1電極16に対応した状態で、ケース本体13の内周面に設けられている。また、複数の第2取付部19は、回路基板10上に設けられた複数の第2電極17に対応した状態でケース本体13の内周面に設けられている。
【0025】
複数の第1取付部18それぞれは、第1接続片21が選択的に取り付けられる孔部であり、図7および図8に示すように、スリット孔18aと一対の係止穴18bとを備えている。複数の第2取付部19それぞれは、第2接続片22が選択的に取り付けられる孔部であり、第1取付部18と同様、スリット孔19aと一対の係止穴19bとを備えている。
【0026】
この場合、第1接続片21と第2接続片22とは、図8(a)および図8(b)に示すように、同じものである。すなわち、第1接続片21は、複数の第1取付部18のいずれかに固定される固定部23と、外装アンテナ14に弾接する第1板ばね部24aと、複数の第1電極16のいずれかに弾接する第2板ばね部24bと、を備えている。
【0027】
第2接続片22は、図8(a)および図8(b)に示すように、第1接続片21と同様、複数の第2取付部19のいずれかに固定される固定部23と、外装アンテナ14に弾接する第1板ばね部24aと、複数の第2電極17のいずれかに弾接する第2板ばね部24bと、を備えている。
【0028】
この場合、固定部23は、図8(a)および図8(b)に示すように、第1、第2取付部18、19それぞれの各スリット孔18a、19aに挿入する本体部23aと、第1、第2取付部18、19それぞれの各スリット孔18a、19aの両側に設けられた一対の係止穴18b、19bに係止される一対のフック部23bと、を備えている。
【0029】
これにより、第1接続片21は、図7および図8に示すように、固定部23の本体部23aが複数の第1取付部18のいずれか1つのスリット孔18aに挿入されて、一対のフック部23bが複数の第1取付部18のいずれか一対の係止穴18bに係止されることにより、ケース本体13に固定されるように構成されている。
【0030】
また、この第1接続片21は、図7および図8に示すように、固定部23が複数の第1取付部18のいずれか1つに取り付けられた際に、第1板ばね部24aが外装アンテナ14の下面に弾接し、第2板ばね部24bが回路基板10の複数の第1電極16のいずれか1つに弾接することにより、外装アンテナ14と回路基板10とを電気的に接続するように構成されている。
【0031】
一方、第2接続片22は、図7および図8に示すように、固定部23の本体部23aが複数の第2取付部19のいずれか1つのスリット孔19aに挿入されて、一対のフック部23bが複数の第2取付部19のいずれか一対の係止穴19bに係止されることにより、ケース本体13に固定されるように構成されている。
【0032】
また、この第2接続片22は、図7および図8に示すように、固定部23が複数の第2取付部19のいずれか1つに取り付けられた際に、第1板ばね部24aが外装アンテナ14の下面に弾接し、第2板ばね部24bが回路基板10の複数の第2電極17のいずれか1つに弾接することにより、外装アンテナ14と回路基板10とを電気的に接続するように構成されている。
【0033】
これにより、外装アンテナ14と、回路基板10に設けられた複数の第1電極16および複数の第2電極17と、接続部25の第1接続片21および第2接続片22とによって、アンテナ装置が構成されている。このアンテナ装置は、第1接続片21によって選択されて接続された第1電極16と第2接続片22によって選択されて接続された第2電極17との間隔に応じて、外装アンテナ14で受信する周波数が変化するように構成されている。
【0034】
この場合、第1接続片21によって選択されて接続された第1電極16と第2接続片22によって選択されて接続された第2電極17との間隔は、図4に示すように、外装アンテナ14の中心部を中心とする円周上において、外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ直線を基準線にして、第1接続片21によって接続された第1電極16と第2接続片22によって接続された第2電極17との開き角度である。
【0035】
すなわち、このアンテナ装置は、図4に示すように、第1接続片21によって選択されて接続された第1電極16と第2接続片22によって選択されて接続された第2電極17との間隔(開き角度)が広いと、外装アンテナ14で受信する周波数が大きくなる。また、このアンテナ装置は、第1接続片21によって選択されて接続された第1電極16と第2接続片22によって選択されて接続された第2電極17との間隔(開き角度)が狭いと、外装アンテナ14で受信する周波数が小さくなる。
【0036】
このため、このアンテナ装置は、図4に示すように、外装アンテナ14の大きさに応じて、第1接続片21によって選択されて接続される第1電極16と第2接続片22によって選択されて接続される第2電極17との間隔(開き角度)を調整することにより、外装アンテナ14で受信する周波数が予め定められた周波数、例えば1575.42MHzに設定されるように構成されている。
【0037】
すなわち、このアンテナ装置は、図4に示すように、ケース本体13および外装アンテナ14の外形が小さく、かつ外装アンテナ14の内径が小さい場合に、第1接続片21によって選択されて接続される第1電極16と第2接続片22によって選択されて接続される第2電極17との間隔(開き角度)を広くすることにより、外装アンテナ14で受信する周波数が予め定められた特定の周波数、例えば1575.42MHzに設定される。
【0038】
また、このアンテナ装置は、図4に示すように、ケース本体13および外装アンテナ14の外形が大きく、かつ外装アンテナ14の内径が大きい場合に、第1接続片21によって選択されて接続される第1電極16と第2接続片22によって選択されて接続される第2電極17との間隔(開き角度)を狭くすることにより、外装アンテナ14で受信する周波数が予め定められた特定の周波数、例えば1575.42MHzに設定される。
【0039】
次に、このような腕時計の作用について説明する。
この腕時計を組み立てる場合には、まず、ケース本体13の内周面に設けられた複数の第1取付部18のいずれかに第1接続片21を取り付けると共に、ケース本体13の内周面に設けられた複数の第2取付部19のいずれかに第2接続片22を取り付ける。
【0040】
すなわち、ケース本体13および外装アンテナ14の外形の大きさ、つまり外装アンテナ14の内径の大きさに応じて、複数の第1取付部18のいずれか1つを選択し、この選択された第1取付部18に第1接続片21を取り付けると共に、複数の第2取付部19のいずれか1つを選択し、この選択された第2取付部19に第2接続片22を取り付ける。
【0041】
例えば、外装アンテナ14の外形が小さく、かつ外装アンテナ14の内径が小さい場合には、図6に示すように、外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対して、最も離れた50度の開き角度位置の第1取付部18に第1接続片21を取り付けると共に、基準線に対して最も離れた50度の開き角度位置の第2取付部19に第2接続片22を取り付ける。
【0042】
この場合、第1接続片21を第1取付部18に取り付ける際には、第1接続片21の固定部23の本体部23aを第2板ばね部24bと共に第1取付部18のスリット孔18aに挿入させて、固定部23の一対のフック部23bを第1取付部18の一対の係止穴18bに係止させる。これにより、第2板ばね部24bが第1取付部18の下側に突出した状態で、第1接続片21が第1取付部18に取り付けられてケース本体13に固定される。
【0043】
同様に、第2接続片22を第2取付部19に取り付ける際には、第2接続片22の固定部23の本体部23aを第2板ばね部24bと共に第2取付部19のスリット孔19aに挿入させて、固定部23の一対のフック部23bを第2取付部19の一対の係止穴19bに係止させる。これにより、第2板ばね部24bが第2取付部19の下側に突出した状態で、第2接続片22が第2取付部19に取り付けられてケース本体13に固定される。
【0044】
この状態で、ケース本体13内に時計モジュール7を組み込む。すると、時計モジュール7のハウジング8上に設けられた回路基板10の複数の第1電極16のいずれか1つ、例えば外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対して、最も離れた50度の開き角度位置の第1電極16に第1接続片21の第2板ばね部24bが弾接して電気的に接続される。
【0045】
これと同時に、回路基板10の複数の第2電極17のいずれか1つ、例えば外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対して、最も離れた50度の開き角度位置の第2電極17に第2接続片22の第2板ばね部24bが弾接して電気的に接続される。
【0046】
この後、ケース本体13上に防水リング13aを介して外装アンテナ14を配置する。このときには、予め、外装アンテナ14内に時計ガラス2をガラスパッキン2aと共に嵌め込み、この時計ガラス2の下側に文字板ユニット12を配置する。この状態で、ケース本体13上に外装アンテナ14を配置すると、第1接続片21の第1板ばね部24aが外装アンテナ14に弾接して電気的に接続される。これと同時に、第2接続片22の第1板ばね部24aが外装アンテナ14に弾接して電気的に接続される。
【0047】
そして、外装アンテナ14とケース本体13との外周に外装部材15を装着し、この状態で外装部材15の複数のねじ挿入孔(図示せず)と外装アンテナ14の複数のねじ挿入孔14bに複数のねじ14aをそれぞれ挿入させ、この挿入された複数のねじ14aをケース本体13の複数のねじ孔13bに螺合させて締め付ける。
【0048】
これにより、ケース本体13に外装アンテナ14と外装部材15とが取り付けられて、腕時計ケース1が組み立てられる。そして、時計モジュール7のハウジング8内に電池9を収納して、ケース本体13の下面に裏蓋3を防水パッキン3aと共に取り付けると、腕時計が組み立てられる。
【0049】
このように組み立てられた腕時計では、ケース本体13および外装アンテナ14の外形の大きさ、つまり外装アンテナ14の内径の大きさに応じて、複数の第1取付部18のうち、選択されたいずれか1つ、例えば、図6に示すように、外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対して、最も離れた50度の開き角度位置の第1取付部18に第1接続片21が取り付けられている。
【0050】
同様に、複数の第2取付部19のうち、選択されたいずれか1つ、例えば、図6に示すように、外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対して、最も離れた50度の開き角度位置の第2取付部19に第2接続片22が取り付けられている。
【0051】
このため、回路基板10に設けられた複数の第1電極16のうち、選択されたいずれか1つの第1取付部18に対応する第1電極16、例えば外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対して、最も離れた50度の開き角度位置の第1電極16に第1接続片21の第2板ばね部24bが弾接し、この第1接続片21によって選択された電源用の第1電極16と外装アンテナ14とが電気的に接続される。
【0052】
同様に、回路基板10に設けられた複数の第2電極17のうち、選択されたいずれか1つの第2取付部19に対応する第2電極17、例えば外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対して、最も離れた50度の開き角度位置の第2電極17に第2接続片22の第2板ばね部24bが弾接し、この第2接続片22によって選択された給電用の第2電極17と外装アンテナ14とが電気的に接続される。
【0053】
これにより、外装アンテナ14で受信する電波の周波数が、外装アンテナ14の外形の大きさ、つまり外装アンテナ14の内径の大きさに応じて、特定される。このため、外装アンテナ14によって予め定められた周波数の電波、例えば1575.42MHzの電波を正確にかつ良好に受信することができる。
【0054】
すなわち、外装アンテナ14の外形が小さく、かつ外装アンテナ14の内径が小さい場合には、ケース本体13に設けられた複数の第1取付部18のうちのいずれか1つの第1取付部18を選択して取り付けられた第1接続片21と、複数の第2取付部19のうちのいずれか1つの第2取付部19を選択して取り付けられた第2接続片22との間隔、つまり外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対する第1接続片21と第2接続片22との開き角度を広くする。
【0055】
つまり、第1接続片21を複数の第1取付部18のうち、外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対して、離れた位置の第1取付部18に取り付け、第2接続片22を複数の第2取付部19のうち、外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対して、離れた位置の第2取付部19に取り付けることにより、第1接続片21と第2接続片22との間隔(開き角度)を広くする。
【0056】
このように、第1接続片21によって選択されて接続された第1電極16と第2接続片22によって選択されて接続された第2電極17との間隔(開き角度)を広くすると、外装アンテナ14で受信する周波数大きくなる。このため、外装アンテナ14の外形が小さく、かつ外装アンテナ14の内径が小さくても、外装アンテナ14で受信する周波数が予め定められた特定の周波数、例えば1575.42MHzに設定される。これにより、外装アンテナ14によって予め定められた周波数の電波を正確に受信することができる。
【0057】
また、外装アンテナ14の外形が大きく、かつ外装アンテナ14の内径が大きい場合には、ケース本体13に設けられた複数の第1取付部18のうちのいずれか1つの第1取付部18を選択して取り付けられた第1接続片21と、複数の第2取付部19のうちのいずれか1つの第2取付部19を選択して取り付けられた第2接続片22との間隔(開き角度)を10度ずつ段階的に狭くする。
【0058】
すなわち、第1接続片21を複数の第1取付部18のうち、例えば外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対して、順次接近する位置の第1取付部18に取り付け、第2接続片22を複数の第2取付部19のうち、例えば外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対して、順次接近する位置の第2取付部19に取り付けることにより、第1接続片21と第2接続片22との間隔(開き角度)を10度ずつ段階的に狭くする。
【0059】
このように、第1接続片21によって選択されて接続された第1電極16と第2接続片22によって選択されて接続された第2電極17との間隔(開き角度)を10度ずつ段階的に狭くすると、外装アンテナ14で受信する周波数が段階的に小さくなる。このため、外装アンテナ14の外形が大きく、かつ外装アンテナ14の内径が大きくても、外装アンテナ14で受信する周波数が段階的に調整されて、予め定められた特定の周波数、例えば1575.42MHzに設定される。これにより、外装アンテナ14によって予め定められた周波数の電波を正確に受信することができる。
【0060】
すなわち、このアンテナ装置では、接続部25である複数の第1取付部18に対する第1接続片21の取付位置と、複数の第2取付部19に対する第2接続片22の取付位置とを選択して、第1接続片21が弾接する第1電極16と第2接続片22が弾接する第2電極17との間隔、つまり外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対する第1電極16と第2電極17との開き角度を10度ずつ段階的に調整することができる。
【0061】
これにより、外装アンテナ14の外形の大きさ、つまり外装アンテナ14の内径の大きさに応じて、外装アンテナ14で受信する周波数を予め定められた特定の周波数、例えば1575.42MHzに設定することができる。このため、接続部25である複数の第1取付部18に対する第1接続片21の取付位置と、複数の第2取付部19に対する第2接続片22の取付位置とを選択することにより、外装アンテナ14の大きさに応じて設計変更する必要がなく、外装アンテナ14によって予め定められた周波数の電波を正確にかつ良好に受信することができる。
【0062】
このように、この腕時計によれば、電波を受信する金属製の外装アンテナ14と、この外装アンテナ14の中心部を中心とする円周上に複数の第1電極16と複数の第2電極17とが配置された回路基板10と、複数の第1電極16のいずれかを選択して外装アンテナ14と接続する共に、複数の第2電極17のいずれかを選択して外装アンテナ14とを接続する接続部25と、を備えていることにより、外装アンテナ14の大きさに応じて設計変更する必要がなく、簡単に外装アンテナ14の受信性能を確保することができる。
【0063】
すなわち、この腕時計では、接続部25によって複数の第1電極16のいずれか1つを選択して外装アンテナ14と接続すると共に、複数の第2電極17のいずれか1つを選択して外装アンテナ14と接続することにより、外装アンテナ14に接続される第1電極16と第2電極17の間隔を変更することができるので、外装アンテナ14の大きさに応じて、外装アンテナ14で受信する電波の周波数を調整することができる。
【0064】
このため、この腕時計では、接続部25によって外装アンテナ14に接続される第1電極16と外装アンテナ14に接続される第2電極17とを選択することにより、外装アンテナ14に接続される第1電極16と第2電極17の間隔を変更して、外装アンテナ14で受信する周波数を調整できるので、外装アンテナ14の大きさに応じて設計変更する必要がなく、簡単に外装アンテナ14の受信性能を確保することができる。このため、ケース本体13、外装アンテナ14、外装部材15のデザイン展開が容易で豊富になる。
【0065】
この場合、この腕時計では、接続部25によって選択された第1電極16と第2電極17との間隔に応じて、外装アンテナ14で受信する周波数が変化することにより、外装アンテナ14の大きさが変わっても、接続部25によって選択された第1電極16と第2電極17との間隔を変更することにより、外装アンテナ14で受信する周波数を予め定められた特定の周波数、例えば1575.42MHzに設定することができるので、外装アンテナ14によって特定の周波数の電波を良好に受信することができる。
【0066】
また、この腕時計では、外装アンテナ14の大きさに応じて、接続部25によって選択される第1電極16と第2電極17との間隔を変更することにより、外装アンテナ14で受信する周波数を調整できるので、外装アンテナ14の大きさに合わせて、接続部25が選択する第1電極16と第2電極17との間隔を変更することにより、外装アンテナ14の大きさが大きくても、また小さくても、外装アンテナ14で受信する周波数を調整して、予め定められた特定の周波数、例えば1575.42MHzに設定することができる。
【0067】
この場合、この腕時計では、接続部25が、複数の第1電極16に対応する複数の第1取付部18と、これら複数の第1取付部18のいずれか1つに選択的に取り付けられて第1電極16と外装アンテナ14とを接続する第1接続片21と、複数の第2電極17に対応する複数の第2取付部19と、これら複数の第2取付部19のいずれか1つに選択的に取り付けられて第2電極17と外装アンテナ14とを接続する第2接続片22と、を備えていることにより、第1接続片21によって複数の第1電極16のいずれかを選択でき、第2接続片22によって複数の第2電極17のいずれかを選択することができる。
【0068】
このため、この腕時計では、第1電極16が複数配列されていても、これら複数の第1取付部18のいずれか1つに取り付けられた第1接続片21を複数の第1電極16のいずれか1つに接続させることができる。また、第2電極17が複数配列されていても、これら複数の第2取付部19のいずれか1つに取り付けられた第2接続片22を複数の第2電極17のいずれか1つに接続させることができる。
【0069】
すなわち、複数の第1電極16は、外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対して、10度の角度間隔で8時側に向けて50度の角度範囲内で6個設けられていることにより、これら6個の第1電極16のうちのいずれかを、複数の第1取付部18のいずれか1つに取り付けられた第1接続片21で選択して接続することができる。
【0070】
また、複数の第2電極17は、回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対して、20度の角度離れた位置から10度の角度間隔で4時側に向けて30度の角度範囲内で4個設けられていることにより、これら4個の第2電極17のうちのいずれかを、複数の第2取付部19のいずれか1つに取り付けられた第2接続片22で選択して接続することができる。
【0071】
これにより、この腕時計では、第1接続片21によって選択されて接続された第1電極16と第2接続片22によって選択されて接続された第2電極17との間隔、つまり外装アンテナ14の中心部を中心とする円周上において、第1接続片21によって選択された第1電極16と第2接続片22によって選択された第2電極17との開き角度に応じて、外装アンテナ14で受信する周波数を設定することができる。
【0072】
このため、この腕時計では、外装アンテナ14の大きさに応じて、第1接続片21によって選択されて接続された第1電極16と第2接続片22によって選択されて接続された第2電極17との間隔、つまり外装アンテナ14の中心部を中心とする円周上における第1電極16と第2電極17との開き角度を調整することができ、これにより外装アンテナ14で受信する周波数を予め定められた周波数に設定することができる。
【0073】
すなわち、この腕時計では、外装アンテナ14の外形が小さく、かつ外装アンテナ14の内径が小さい場合、ケース本体13に設けられた複数の第1取付部18のうちのいずれかを選択して取り付けられた第1接続片21と、複数の第2取付部19のうちのいずれかを選択して取り付けられた第2接続片22との間隔(開き角度)を広くすることができる。
【0074】
このため、第1接続片21を複数の第1取付部18のうち、外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対して、離れた位置の第1取付部18に取り付け、第2接続片22を複数の第2取付部19のうち、外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対して、離れた位置の第2取付部19に取り付けることにより、第1接続片21と第2接続片22との間隔、つまり外装アンテナ14の中心部を中心とする円周上における第1電極16と第2電極17との開き角度を広くすることができる。
【0075】
このように、第1接続片21によって選択されて接続された第1電極16と第2接続片22によって選択されて接続された第2電極17との間隔(開き角度)を広くすると、外装アンテナ14で受信する周波数を大きくすることができる。このため、外装アンテナ14の外形が小さく、かつ外装アンテナ14の内径が小さくても、外装アンテナ14で受信する周波数を予め定められた特定の周波数、例えば1575.42MHzに設定することができ、これにより外装アンテナ14によって予め定められた周波数の電波を正確にかつ良好に受信することができる。
【0076】
また、この腕時計では、外装アンテナ14の外形が大きく、かつ外装アンテナ14の内径が大きい場合、ケース本体13に設けられた複数の第1取付部18のうちのいずれかを選択して取り付けられた第1接続片21と、複数の第2取付部19のうちのいずれかを選択して取り付けられた第2接続片22との間隔(開き角度)を狭くすることができる。
【0077】
このため、第1接続片21を複数の第1取付部18のうち、外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対して、接近する位置の第1取付部18に取り付け、第2接続片22を複数の第2取付部19のうち、外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心と6時側とを結ぶ基準線に対して、接近する位置の第2取付部19に取り付けることにより、第1接続片21と第2接続片22との間隔、つまり外装アンテナ14の中心部を中心とする円周上における第1電極16と第2電極17との開き角度を狭くすることができる。
【0078】
このように、第1接続片21によって選択されて接続された第1電極16と第2接続片22によって選択されて接続された第2電極17との間隔(開き角度)を狭くすると、外装アンテナ14で受信する周波数を小さくすることができる。このため、外装アンテナ14の外形が大きく、かつ外装アンテナ14の内径が大きくても、外装アンテナ14で受信する周波数を予め定められた特定の周波数、例えば1575.42MHzに設定することができ、これにより外装アンテナ14によって予め定められた周波数の電波を正確にかつ良好に受信することができる。
【0079】
このため、このアンテナ装置では、複数の第1取付部18に対する第1接続片21の取付位置と、複数の第2取付部19に対する第2接続片22の取付位置とを選択して、第1接続片21が弾接する第1電極16と第2接続片22が弾接する第2電極17との間隔、つまり外装アンテナ14の中心部を中心とする円周上における第1電極16と第2電極17との開き角度を調整することができる。
【0080】
これにより、このアンテナ装置では、外装アンテナ14の外形の大きさ、つまり外装アンテナ14の内径の大きさに応じて、外装アンテナ14で受信する周波数を予め定められた特定の周波数、例えば1575.42MHzに設定することができる。このため、機種変更による外装アンテナ14の大きさに応じて設計変更する必要がなく、外装アンテナ14によって予め定められた周波数の電波を正確にかつ良好に受信することができるので、デザイン展開が容易に豊富になる。
【0081】
この場合、この腕時計では、外装アンテナ14が取り付けられる合成樹脂製のケース本体13を備え、このケース本体13に複数の第1取付部18と複数の第2取付部19とが設けられていることにより、別部品を必要とせずに、複数の第1取付部18と複数の第2取付部19とをケース本体13内に設けることができ、これにより部品点数を削減することができると共に、組立作業を向上させることができる。
【0082】
また、この腕時計では、第1、第2接続片21、22それぞれが、複数の第1、第2取付部18、19のいずれかに固定される固定部23と、外装アンテナ14に弾接する第1板ばね部24aと、複数の第1、第2電極16、17それぞれのいずれかに弾接する第2板ばね部24bと、を備えていることにより、第1、第2接続片21、22によって複数の第1、第2電極16、17それぞれのいずれかと外装アンテナ14とを確実にかつ良好に接続することができる。
【0083】
この場合、第1、第2接続片21、22それぞれは、固定部23が第1、第2取付部18、19それぞれの各スリット孔18a、19aに挿入する本体部23aと、第1、第2取付部18、19それぞれの各スリット孔18a、19aの両側に設けられた一対の係止穴18b、19bに係止される一対のフック部23bと、を備えていることにより、固定部23によって第1、第2接続片21、22それぞれを第1、第2取付部18、19のいずれかに確実にかつ良好に固定することができる。
【0084】
すなわち、第1接続片21は、固定部23の本体部23aが第2板ばね部24bと共に第1取付部18のスリット孔18aに挿入されて、固定部23の一対のフック部23bが第1取付部18の一対の係止穴18bに係止されることにより、第2板ばね部24bを第1取付部18の下側に突出させた状態で、第1接続片21を第1取付部18に確実に取り付けることができる。
【0085】
これにより、第1接続片21は、第1板ばね部24aを外装アンテナ14に確実に弾接させることができると共に、第2板ばね部24bを複数の第1電極16のいずれか1つに確実に弾接させることができるので、外装アンテナ14と複数の第1電極16のいずれか1つとを確実にかつ良好に接続することができる。
【0086】
また、第2接続片22は、固定部23の本体部23aが第2板ばね部24bと共に第2取付部19のスリット孔19aに挿入されて、固定部23の一対のフック部23bが第2取付部19の一対の係止穴19bに係止されることにより、第2板ばね部24bを第2取付部19の下側に突出させた状態で、第2接続片22を第2取付部19に確実に取り付けることができる。
【0087】
これにより、第2接続片22は、第1板ばね部24aを外装アンテナ14に確実に弾接させることができると共に、第2板ばね部24bを複数の第2電極17のいずれか1つに確実に弾接させることができるので、外装アンテナ14と複数の第2電極17のいずれか1つとを確実にかつ良好に接続することができる。
【0088】
さらに、この腕時計では、回路基板10に複数の第1、第2電極16、17に対向する位置、つまり複数の第1電極16と複数の第2電極17とから最も離れた位置である12時側に磁気センサ20が設けられていることにより、磁気センサ20への影響を抑えることができ、磁気センサ20の精度および性能を保って、磁気センサ20は安定した測定ができる。また、複数の第1電極16と複数の第2電極17とが磁気センサ20による影響を受けないようにすることができ、これにより外装アンテナ14で電波を正確にかつ良好に受信することができる。
【0089】
なお、上述した実施形態では、外装アンテナ14の中心部に対応する回路基板10の中心とする円周上に、第1電極16を6個配列させ、第2電極17を4個配列させた場合について述べたが、この発明はこれに限らず、第1電極16を4~8個配列させ、第2電極17を2~6個配列させても良く、また第1電極16を1個設け、第2電極17を複数個配列させても良く、また第1電極16を複数個配列させ、第2電極17を1個設けても良い。
【0090】
また、上述した実施形態では、腕時計に適用した場合について述べたが、この発明は、必ずしも腕時計である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の時計に適用することができる。また、この発明は、必ずしも時計である必要はなく、携帯電話などの無線通信機能を備えた電子機器に広く適用することができる。
【0091】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0092】
(付記)
請求項1に記載の発明は、電波を受信する金属製の外装アンテナと、前記外装アンテナの中心部を中心とする円周上に沿って第1電極と第2電極とが配置され、かつ前記第1電極と前記第2電極との少なくとも一方が複数配置された基板と、前記第1電極を決定して前記外装アンテナと接続する共に、前記第2電極を決定して前記外装アンテナと接続する接続部と、を備えていることを特徴とするアンテナ装置である。
【0093】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアンテナ装置において、前記接続部によって決定された前記第1電極と前記第2電極との間隔に応じて、前記外装アンテナで受信する周波数を変化させることを特徴とするアンテナ装置である。
【0094】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のアンテナ装置において、前記外装アンテナの大きさに応じて、前記接続部によって決定される前記第1電極と前記第2電極との間隔を変更することにより、前記外装アンテナで受信する周波数を調整することを特徴とするアンテナ装置である。
【0095】
請求項4に記載の発明は、請求項1~請求項3のいずれかに記載のアンテナ装置において、前記接続部は、複数の前記第1電極に対応する複数の第1取付部と、前記複数の第1取付部のいずれか1つに選択的に取り付けられて前記第1電極と前記外装アンテナとを接続する第1接続片と、複数の前記第2電極に対応する複数の第2取付部と、前記複数の第2取付部のいずれか1つに選択的に取り付けられて前記第2電極と前記外装アンテナとを接続する第2接続片と、を備えていることを特徴とするアンテナ装置である。
【0096】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のアンテナ装置において、前記外装アンテナが取り付けられる合成樹脂製のケース本体を備え、前記ケース本体には、前記複数の第1取付部と前記複数の第2取付部とが設けられていることを特徴とするアンテナ装置である。
【0097】
請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載のアンテナ装置において、前記第1、第2接続片それぞれは、前記複数の第1、第2取付部それぞれのいずれかに固定される固定部と、前記外装アンテナに弾接する第1ばね部と、前記複数の第1、第2電極それぞれのいずれかに弾接する第2ばね部と、を備えていることを特徴とするアンテナ装置である。
【0098】
請求項7に記載の発明は、請求項1~請求項6のいずれかに記載のアンテナ装置において、前記基板には、前記第1、第2電極に対向する位置に磁気センサが設けられていることを特徴とするアンテナ装置である。
【0099】
請求項8に記載の発明は、請求項1~請求項7のいずれかに記載されたアンテナ装置を備えていることを特徴とする時計である。
【符号の説明】
【0100】
1 腕時計ケース
7 時計モジュール
10 回路基板
13 ケース本体
14 外装アンテナ
15 外装部材
16、17 第1、第2電極
18、19 第1、第2取付部
20 磁気センサ
21、22 第1、第2接続片
23 固定部
24a、24b 第1、第2板ばね部
25 接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8