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特許7405207無線アクセスネットワークノード、無線端末、及びこれらの方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】無線アクセスネットワークノード、無線端末、及びこれらの方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20231219BHJP
   H04W 76/27 20180101ALI20231219BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W76/27
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022145098
(22)【出願日】2022-09-13
(62)【分割の表示】P 2020552550の分割
【原出願日】2019-08-20
(65)【公開番号】P2022173281
(43)【公開日】2022-11-18
【審査請求日】2022-09-13
(31)【優先権主張番号】P 2018202275
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】二木 尚
(72)【発明者】
【氏名】林 貞福
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-532149(JP,A)
【文献】OPPO,Discussion on measurement configuration enhancement in INACTIVE state[online],3GPP TSG RAN WG2 #99,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_99/Docs/R2-1708367.zip>,2017年08月25日,R2-1708367,[検索日 2023.07.06],インターネット:<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_99/Docs/R2-1708367.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線アクセスネットワーク(RAN)に配置されるRANノードであって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、Radio Resource Control(RRC)_CONNECTED状態、RRC_INACTIVE状態、及びRRC_IDLE状態の間での無線端末の状態遷移を制御するよう構成され
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、少なくとも1つのキャリア周波数に対する測定を前記RRC_INACTIVE状態の前記無線端末に行わせるための測定設定を、前記RRC_CONNECTED状態から前記RRC_INACTIVE状態への遷移を指示するRRCメッセージを用いて送信するよう構成され、
前記測定設定は、前記RRC_IDLE状態のための測定設定が再利用される、
RANノード。
【請求項2】
無線端末であって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、Radio Resource Control(RRC)_CONNECTED状態、RRC_INACTIVE状態、及びRRC_IDLE状態の間での前記無線端末の状態遷移を制御するよう構成され
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、少なくとも1つのキャリア周波数に対する測定を前記RRC_INACTIVE状態の前記無線端末に行わせるための測定設定を含む、前記RRC_CONNECTED状態から前記RRC_INACTIVE状態への遷移を指示するRRCメッセージをRANノードから受信するよう構成され、
前記測定設定は、前記RRC_IDLE状態のための測定設定が再利用される、
無線端末。
【請求項3】
無線アクセスネットワーク(RAN)に配置されるRANノードの方法であって、
Radio Resource Control(RRC)_CONNECTED状態、RRC_INACTIVE状態、及びRRC_IDLE状態の間での無線端末の状態遷移を制御し
少なくとも1つのキャリア周波数に対する測定を前記RRC_INACTIVE状態の前記無線端末に行わせるための測定設定を、前記RRC_CONNECTED状態から前記RRC_INACTIVE状態への遷移を指示するRRCメッセージを用いて送
前記測定設定は、前記RRC_IDLE状態のための測定設定が再利用される、
方法。
【請求項4】
無線端末の方法であって、
Radio Resource Control(RRC)_CONNECTED状態、RRC_INACTIVE状態、及びRRC_IDLE状態の間での前記無線端末の状態遷移を制御し
少なくとも1つのキャリア周波数に対する測定を前記RRC_INACTIVE状態の前記無線端末に行わせるための測定設定を含む、前記RRC_CONNECTED状態から前記RRC_INACTIVE状態への遷移を指示するRRCメッセージをRANノードから受信
前記測定設定は、前記RRC_IDLE状態のための測定設定が再利用される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信システムに関し、特に、キャリアアグリゲーションの強化(enhancements)に関する。
【背景技術】
【0002】
3rd Generation Partnership Project(3GPP(登録商標)) Release 15では、Long Term Evolution(LTE)キャリアアグリゲーション(carrier aggregation(CA))の強化(enhancements)が導入される。これらの強化は、セカンダリセル(Secondary Cell(SCell))の早い(早急な)セットアップ及び活性化(activation)を目的としている(非特許文献1-4を参照)。
【0003】
これらの強化のうちの1つは、休止状態(dormant state)と呼ばれる新たなSCell状態の導入である。SCellが休止状態であるとき、無線端末(i.e., User Equipment(UE))はChannel State Information(CSI)を測定して報告するが、Physical Downlink Control Channel(PDCCH)を監視(monitor)しない。すなわち、dormant SCell状態(dormant状態のSCell)は、少なくともUEがPDCCHを監視しない点で、activated SCell状態(activated状態のSCell)と異なる。また、dormant SCell状態は、少なくともUEがCSIを測定して報告する点で、deactivated SCell状態(deactivated状態のSCell)と異なる。
【0004】
これらの強化のうちの他の1つは、IDLE mode measurementsの導入である。具体的には、UEがRadio Resource Control (RRC)_CONNECTEDからRRC_IDLEに移動するときに、eNBは当該UEにRRC_IDLEでの周波数キャリア間(inter-frequency carriers)の測定を割り当てる。具体的には、eNBは、RRC Connection Releaseメッセージを介して、又はシステム情報(i.e., System Information Block Type 5(SIB5))を介して、IDLE mode measurementsの設定をUEに送信する。UEは、RRC_IDLEであるときに、eNBにより設定された周波数キャリアでのIDLE mode measurementsを実行する。IDLE mode measurementsは、eNBにより指定されたセル(cells)内においてのみ実行されてもよい。これらのセルは、有効エリア(validity area)と呼ばれる。eNBは、有効エリア(validity area)を示すセルのリストをUEに送信してもよい。
【0005】
さらに、よく知られているように、3GPPは、2020年以降の導入に向けた5Gの標準化作業を行っている。本明細書では、第5世代移動通信システムは、5G System、又はNext Generation (NextGen) System(NG System)とも呼ばれる。5G Systemのための新たなRadio Access Technology(RAT)は、New Radio、NR、5G RAT、又はNG RATと呼ばれる。5G Systemのための新たな無線アクセスネットワーク(Radio Access Network(RAN))は、NextGen RAN、NG-RAN、又は5G-RANと呼ばれる。NG-RAN 内の新たな基地局(NG-RANノード)は、gNodeB又はgNBと呼ばれる。5G Systemのための新たなコアネットワークは、5G Core Network(5GC)又はNextGen Core(NG Core)と呼ばれる。5G Systemに接続する無線端末(User Equipment(UE))は、5G UE、NextGen UE(NG UE)又は単にUEと呼ばれる。
【0006】
5GCの主な構成要素は、Access and Mobility Management function(AMF)、Session Management function(SMF)、User plane function(UPF)である。AMFは、例えば、UEのコネクション管理及びモビリティ管理、NG-RANのコントロール・プレーン(CP)の終端(例えばNG-RANノードとのCP情報の交換、並びにNASレイヤの終端(例えばUEとのNASメッセージの交換)を行う。SMFは、例えば、セッション管理(Session Management(SM)、NASメッセージのセッション管理部分の終端を行う。UPFは、Intra-RATおよびInter-RATモビリティ(e.g. handover)のアンカーポイントであり、QoSフローの管理(e.g. DL reflective QoS marking)などを行う。
【0007】
本明細書で使用される“LTE”との用語は、特に断らない限り、5G Systemとのインターワーキングを可能とするためのLTE及びLTE-Advancedの改良・発展を含む。5G System とのインターワークのためのLTE及びLTE-Advancedの改良・発展は、LTE-Advanced Pro、LTE+、又はenhanced LTE(eLTE)とも呼ばれる。例えば、NG-RANノードとして機能するeLTEのeNBはng-eNBとも呼ばれる。さらに、本明細書で使用される“Evolved Packet Core (EPC)”、“Mobility Management Entity (MME)”、“Serving Gateway (S-GW)”、及び“Packet Data Network (PDN) Gateway (P-GW)”等のLTEのネットワーク又は論理的エンティティに関する用語は、特に断らない限り、5G Systemとのインターワーキングを可能とするためのこれらの改良・発展を含む。改良されたEPC、MME、S-GW、及びP-GWは、例えば、enhanced EPC(eEPC)、enhanced MME(eMME)、enhanced S-GW(eS-GW)、及びenhanced P-GW(eP-GW)とも呼ばれる。
【0008】
NRは、複数の周波数バンドでの異なる無線パラメタセットの使用をサポートする。各無線パラメタセットは、“numerology”と呼ばれる。Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM)システムのためのOFDM numerologyは、例えば、サブキャリア間隔(subcarrier spacing)、システム帯域幅(system bandwidth)、送信時間間隔の長さ(Transmission Time Interval (TTI) length)、サブフレーム長(subframe duration)、サイクリックプリフィックス長さ(Cyclic prefix length)、及びシンボル期間(symbol duration)を含む。5G systemは、異なるサービス要件の様々なタイプのサービス、例えば広帯域通信(enhanced Mobile Broad Band: eMBB)、高信頼・低遅延通信(Ultra Reliable and Low Latency Communication: URLLC)、及び多接続M2M通信(massive Machine Type Communication: mMTC)を含む、をサポートする。Numerologyの選択は、サービス要件に依存する。
【0009】
NRは、LTEのそれに比べてより広いチャネル帯域(channel bandwidths)(e.g., 100s of MHz)をサポートする。1つのチャネル帯域(i.e., BWChannel)は、1つのNRキャリアをサポートするradio frequency帯域(RF bandwidth)である。チャネル帯域は、システム帯域とも呼ばれる。LTEが20 MHzまでのチャネル帯域をサポートするのに対して、5G NRは例えば800 MHzまでのチャネル帯域(channel bandwidths)をサポートする。
【0010】
複数の5Gサービス、例えばeMBBのような広帯域サービス及びInternet of Things(IoT)のような狭帯域サービスを効率的にサポートするためには、これら複数のサービスを1つのチャネル帯域上に多重できることが好ましい。さらに、もし全ての5G UEがチャネル帯域全体に対応した送信帯域(transmission bandwidth)での送信および受信をサポートしなければならないなら、これは狭帯域IoTサービスのためのUEsの低コスト及び低消費電力を妨げるかもしれない。したがって、3GPPは、各NRコンポーネントキャリアのキャリア帯域(i.e., チャネル帯域又はシステム帯域)内に1又はそれ以上のbandwidth parts(BWPs)が設定されることを許容する。bandwidth partは、carrier bandwidth partとも呼ばれる。複数のBWPsは、異なるnumerologies(e.g., subcarrier spacing(SCS))の周波数多重(frequency division multiplexing(FDM))のために使用されてもよい。例えば、複数のBWPsは、異なるSCS及び異なるbandwidthを持ってもよい。
【0011】
例えば、1つのコンポーネントキャリアのチャネル帯域がBWP #1及びBWP #2に分割され、これら2つのBWPsが異なるnumerologies(e.g., 異なるsubcarrier spacing)のFDMのために使用される。他の例では、1つのコンポーネントキャリアのチャネル帯域の中に狭帯域なBWP #1が配置され、BWP #1よりもさらに狭帯域なBWP #2がBWP #1内にさらに配置される。BWP #1又はBWP #2がUEに対して活性化されている場合、当該UEはactive BWPの外側(しかしチャネル帯域内)で受信及び送信を行わないことにより電力消費を低減できる。
【0012】
1つのbandwidth part(BWP)は、周波数において連続的であり(frequency-consecutive)、隣接する(contiguous)physical resource blocks(PRBs)により構成される。1つのBWPの帯域(bandwidth)は、少なくともsynchronization signal (SS)/physical broadcast channel(PBCH) block帯域と同じ大きさである。BWPは、SS/PBCH block(SSB)を包含してもしなくてもよい。
【0013】
BWP configurationは、例えば、numerology、frequency location、及びbandwidth(e.g., PRBsの数)を含む。frequency locationを指定するために、共通のPRB indexingが少なくともRadio Resource Control (RRC) connected状態でのダウンリンク(DL)BWP configurationのために使用される。具体的には、UEによってアクセスされるSS/PBCH blockの最低(the lowest)PRBへのPRB 0からのオフセットが上位レイヤシグナリング(higher layer signaling)によって設定される。参照(reference)ポイント“PRB 0”は、同じ広帯域コンポーネントキャリアを共用する全てのUEsに共通である。
【0014】
各コンポーネントキャリアのための1又は複数のBWP configurationsは、準静的に(semi-statically)UEにシグナルされる。具体的には、各UE-specificサービングセルのために、1又はそれ以上のDL BWPs(e.g., 最大4つのDL BWPs)及び1又はそれ以上のUL BWPs(e.g., 最大4つのUL BWPs)がdedicated RRCメッセージによってUEのために設定されることができる。UEに設定された1又はそれ以上のDL BWPs及び1又はそれ以上のUL BWPsは、それぞれDL BWPセット及びUL BWPセットと呼ばれる。
【0015】
UEに設定された1又はそれ以上のBWPs(i.e., BWPセット)の各々は活性化(activated)及び非活性化(deactivated)されることができる。活性化されたBWPは活性化BWP(active BWP)と呼ばれる。すなわち、UEは、任意の時点で(at a given time)、設定されたDL BWPセットのうちの1又はそれ以上の活性化DL BWP上で信号を受信する。同様に、UEは、任意の時点で(at a given time)、設定されたUL BWPセットのうちの1又はそれ以上の活性化UL BWP上で信号を送信する。なお、現在の仕様では、任意の時点で(at a given time)、1つのDL BWPのみ及び1つのUL BWPのみが活性化される。
【0016】
BWPの活性化/非活性化は、RRCレイヤではなく、下位レイヤ(e.g., Physical(PHY)レイヤ又はMedium Access Control(MAC)レイヤ)によって決定されてもよい。Active BWPの切り替えは、例えば、NR Physical Downlink Control Channel(PDCCH)で送信されるダウンリンク制御情報(Downlink Control Information(DCI))(e.g., scheduling DCI)によって行われる。言い換えると、現在のactive BWPの非活性化(deactivation)と新規のactive BWPの活性化(activation)は、NR PDCCHのDCIによって行われてもよい。ネットワークは、例えばデータレートに応じて又はサービスによって要求されるnumerologyに応じて、BWPを活性化/非活性化することができ、UEのためのactive BWPをダイナミックに切り替えることができる。
【0017】
UEがサービングセルにアクセスするとき(i.e., Idle modeからConnected modeに遷移するとき)に最初に滞在するBWPは、initial BWPと呼ばれる。Initial BWPは、少なくともDL BWPを含み、(もしサービングセルがアップリンクを設定されているなら)UL BWPを含んでもよい。UEに設定されるBWPセットは、initial BWPを必ず含む。
【0018】
Initial BWPは、Common Search Space(i.e., Type0-PDCCH common search space)を必ず設定される。Initial BWP以外のBWPsは、Common Search Spaceを設定されてもよいし設定されなくてもよい。Search Spaceは、UEがPDCCH data(i.e., DCI)を探すためにブラインド・デコーディング(blind decoding)を行うresources(i.e., PDCCH Search Space)のサブセットである。5G systemでは、LTEと同様に、PDCCH Search Spaceは、Common Search Space及びUE-specific Search Spaceを含む。UE-specific search spaceは各UEのために個々に(individually)RRC signalingを介して設定される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0019】
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell, “Stage-2 description of euCA”, 3GPP R2-1809245, 3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #102, Busan, South Korea, 21-25 May 2018
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell, “UE capability definitions for euCA”, 3GPP R2-1809246, 3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #102, Busan, South Korea, 21-25 May 2018
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell, “MAC functionality for euCA”, 3GPP R2-1809269, 3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #102, Busan, South Korea, 21-25 May 2018
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell, “Signalling for euCA (Enhancing LTE CA Utilization)”, 3GPP RP-182006, 3GPP TSG RAN Meeting #81, Gold Coast, Australia, 10-13 September 2018
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
発明者は、上述のキャリアアグリゲーションの強化について検討し、様々な課題を見出した。例えば、休止状態であるSCellのためのCSI報告(CSI reporting for SCell in dormant state)を第5世代移動通信システム(5G)の無線アクセス技術(Radio Access Technology(RAT))に導入する場合には課題がある。5G NRでは、最大4つのDL BWPsが1つのSCellのために設定されることができる。複数のBWPsが設定されたSCellが休止状態であるとき、UEがどのようにdormant stateであるSCellに対するCSI測定を行うかが明確でない。
【0021】
本明細書に開示される実施形態が達成しようとする目的の1つは、複数のBWPsが設定されているdormant SCellに対するチャネル状態情報測定を行うことを無線端末に可能にするための装置、方法、及びプログラムを提供することである。なお、この目的は、本明細書に開示される複数の実施形態が達成しようとする複数の目的の1つに過ぎないことに留意されるべきである。その他の目的又は課題と新規な特徴は、本明細書の記述又は添付図面から明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
第1の態様では、無線端末は、少なくとも1つのメモリ、及び前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、キャリアアグリゲーションのセカンダリセルが活性化されているときに、前記セカンダリセルのための複数のダウンリンクbandwidth parts(DL BWPs)から選択されたactive DL BWPにおいて無線アクセスネットワーク(RAN)ノードと通信するよう構成される。前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、前記セカンダリセルが休止(dormant)状態であるときに、前記複数のDL BWPsから選択された対象DL BWPに対するチャネル状態情報報告を、前記キャリアアグリゲーションのプライマリセル又は他の活性化されたサービングセルにおいて前記RANノードに送信するよう構成される。
【0023】
第2の態様では、無線アクセスネットワークノードは、少なくとも1つのメモリ、及び前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、キャリアアグリゲーションのセカンダリセルが活性化されているときに、前記セカンダリセルのための複数のダウンリンクbandwidth parts(DL BWPs)から選択されたactive DL BWPにおいて無線端末と通信するよう構成される。前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、前記セカンダリセルが休止(dormant)状態であるときに、前記複数のDL BWPsから選択された対象DL BWPに対するチャネル状態情報報告を、前記キャリアアグリゲーションのプライマリセル又は他の活性化されたサービングセルにおいて前記無線端末から受信するよう構成される。
【0024】
第3の態様では、無線端末における方法は、(a)キャリアアグリゲーションのセカンダリセルが活性化されているときに、前記セカンダリセルのための複数のダウンリンクbandwidth parts(DL BWPs)から選択されたactive DL BWPにおいて無線アクセスネットワーク(RAN)ノードと通信すること、及び(b)前記セカンダリセルが休止(dormant)状態であるときに、前記複数のDL BWPsから選択された対象DL BWPに対するチャネル状態情報報告を、前記キャリアアグリゲーションのプライマリセル又は他の活性化されたサービングセルにおいて前記RANノードに送信すること、を含む。
【0025】
第4の態様では、無線アクセスネットワークノードにおける方法は、(a)キャリアアグリゲーションのセカンダリセルが活性化されているときに、前記セカンダリセルのための複数のダウンリンクbandwidth parts(DL BWPs)から選択されたactive DL BWPにおいて無線端末と通信すること、及び(b)前記セカンダリセルが休止(dormant)状態であるときに、前記複数のDL BWPsから選択された対象DL BWPに対するチャネル状態情報報告を、前記キャリアアグリゲーションのプライマリセル又は他の活性化されたサービングセルにおいて前記無線端末から受信すること、を含む。
【0026】
第5の態様では、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、上述の第3又は第4の態様に係る方法をコンピュータに行わせるための命令群(ソフトウェアコード)を含む。
【発明の効果】
【0027】
上述の態様によれば、複数のBWPsが設定されているdormant SCellに対するチャネル状態情報測定を行うことを無線端末に可能にするための装置、方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】幾つかの実施形態に係る無線通信ネットワークの構成例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る無線端末の動作の一例を示すフローチャートである。
図3】第1の実施形態に係る無線アクセスネットワークノード及び無線端末の動作の一例を示すシーケンス図である。
図4】第2の実施形態に係る無線アクセスネットワークノード及び無線端末の動作の一例を示すシーケンス図である。
図5】第2の実施形態に係る無線端末の動作の一例を示すフローチャートである。
図6】幾つかの実施形態に係る無線アクセスネットワークノードの構成例を示すブロック図である。
図7】幾つかの実施形態に係る無線端末の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0030】
以下に説明される複数の実施形態は、独立に実施されることもできるし、適宜組み合わせて実施されることもできる。これら複数の実施形態は、互いに異なる新規な特徴を有している。したがって、これら複数の実施形態は、互いに異なる目的又は課題を解決することに寄与し、互いに異なる効果を奏することに寄与する。
【0031】
以下に示される複数の実施形態は、3GPP 5G systemを主な対象として説明される。しかしながら、これらの実施形態は、他の無線通信システムに適用されてもよい。
【0032】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態を含む幾つかの実施形態に係る無線通信ネットワークの構成例を示している。図1の例では、無線通信ネットワークは、無線アクセスネットワーク(Radio Access Network(RAN)ノード(i.e., gNB)1及び無線端末(i.e., UE)2を含む。gNB1は、RAN(i.e., NG-RAN)に配置される。gNB1は、cloud RAN(C-RAN)配置(deployment)におけるgNB Central Unit(gNB-CU)及び1又は複数のgNB Distributed Unit(gNB-DU)を含んでもよい。gNB1は、プライマリセル(PCell)10及びセカンダリセル(SCell)20をUE2に提供する。UE2は、プライマリセル(PCell)10及びセカンダリセル(SCell)20の間のキャリアアグリゲーション(CA)を用いてgNB1と通信する。
【0033】
UE2は、デュアルコネクティビティのために複数の基地局(i.e., Master gNB(MgNB)及びSecondary gNB(SgNB))に同時に接続されてもよい。この場合、図1のgNB1は、MgNBであってもよいし、SgNBであってもよい。図1のPCell10及びSCell20は、Master Cell Group(MCG)に含まれるPCell及びSCellであってもよいし、Secondary Cell Group(SCG)に含まれるPrimary SCG Cell(PSCell)及びSCellであってもよい。デュアルコネクティビティのためのMCGのPCell及びSCGのPSCellは、Special Cell(SpCell)とも呼ばれる。
【0034】
UE2は、SCell20が活性化されている(activated)ときに、SCell20のための1つの又は複数のDL BWPsから選択されたactive DL BWPにおいてgNB1と通信する。既に説明したように、PCell10及びSCell20等の各サービングセルのために、UE2は、1又はそれ以上のDL BWPs(e.g., 最大4つのDL BWPs)を設定される。UE2に設定された1又はそれ以上のDL BWPsはDL BWPセットと呼ばれる。UEは、任意の時点で(at a given time)、設定されたDL BWPセットのうちの1又はそれ以上の活性化DL BWP上で信号を受信する。同様に、任意の時点で(at a given time)、設定されたUL BWPセットのうちの1又はそれ以上の活性化UL BWP上で信号を送信する。
【0035】
図2は、本実施形態に係るUE2の動作の一例を示している。ステップ201では、UE2は、SCell20を休止状態に変更する。SCell20の休止状態への変更は、休止状態に関する状態遷移の通知(i.e., Hibernation Medium Access Control (MAC) control element (CE))によって、又は活性化に関する状態遷移の通知(i.e., Activation/Deactivation MAC CE)及び休止状態に関する状態遷移の通知(i.e., Hibernation MAC CE)を介してgNB1からUE2に指示されてもよい。つまり、UE2は、サービングセルのいずれかにおいて、休止状態に関する状態遷移の通知(i.e., Hibernation MAC CE)、又は活性化に関する状態遷移の通知(i.e., Activation/Deactivation MAC CE)及び休止状態に関する状態遷移の通知(i.e., Hibernation MAC CE)を受信したことに応答して、SCell20の休止状態へ変更をしてもよい。
【0036】
さらに又はこれに代えて、UE2は、SCell20の休止状態への遷移のための所定のタイマ(i.e., SCell Hibernation Timer)の満了に応答して、SCell20を休止状態としてもよい。当該タイマは、gNB1によってUE2に設定される。同様に、gNB1も対応する所定のタイマをSCell20におけるUE2へのデータ送信又はUE2からのデータ受信に応じて制御し、これによりSCell20の状態の管理をUE2のそれと同期させる。さらに又はこれに代えて、SCell追加(addition)の際にSCell20が当初は休止状態である(initially dormant)ことを示すRRC設定をUE2がgNB1から受信した場合に、SCell20は休止状態とされてもよい。言い換えると、SCell20の初期状態が休止状態であることを示すRRC設定をUE2がgNB1からSCell追加(addition)の際に受信した場合に、SCell20は休止状態とされてもよい。さらに又はこれに代えて、ハンドオーバ、SCell変更(change)、又はSCell修正(modification)の際にSCell20を休止状態(dormant)とすることを示すRRC設定をUE2がgNB1から受信した場合に、SCell20は休止状態とされてもよい。
【0037】
ステップ202では、UE2は、SCell20が休止状態であるときに、SCell20のために設定された1つ又は複数のDL BWPs(i.e., DL BWPセット)から選択された対象DL BWPにおいてCSIを測定する。そして、UE2は、対象DL BWPで測定されたCSIをPCell10又はその他の活性化されたサービングセルにおいてgNB1に送信する。つまり、gNB1は、SCell20が休止状態であるときに、対象DL BWPで測定されたSCell20のためのCSIをUE2から受信する。これにより、例えば、gNB1は、当該SCell(特に対象DL BWP)の無線品質を考慮しつつ、SCell20を再び活性化(activate)するか否かを判断できる。
【0038】
休止状態のSCell20のためのCSI報告は、Channel Quality Indicator(CQI)、Precoding Matrix Index(PMI)、Rank Indicator(RI)、Precoding Type Indicator (PTI)、及びCSI-Reference Signal (RS) Resource Indicator(CRI)のうち1つ又は任意の組み合わせを示してもよい。
【0039】
一例では、休止状態でのCSI測定の対象DL BWPは、SCell20が休止状態とされる直前(つまり活性化されていたとき)に使用されていたactive DL BWPであってもよい。すなわち、UE2は、SCell20が休止状態とされる直前(つまり活性化されていたとき)に使用されていたactive DL BWP上でCSIを測定してもよい。
【0040】
より具体的には、SCell20が活性化(activated)から休止状態(dormant)に変更されるとき、UE2は、直前のactive DL BWPへの滞在を維持し、当該BWPでCSIを測定するよう動作してもよい。さらに、SCell20が休止状態から活性化される際にUE2は、SCell20のactivationを当該BWPで実行してもよいし、当該BWPからfirst active BWPへスイッチしてもよい。
【0041】
他の例では、休止状態でのCSI測定の対象DL BWPは、SCell20のfirst active DL BWPであってもよい。すなわち、SCell20が休止状態であるときに、UE2は、SCell20のfirst active DL BWP上でCSIを測定してもよい。First active DL BWPは、あるサービングセル(e.g., PCell10)において無線接続の確立(RRC Connection Setup)が完了した時点(またはその直後)からUE2が使用するべきDL BWP、あるいはサービングセル(e.g., SCell20)が活性化されるときにUE2が最初に使用するべきDL BWPである。First active DL BWPは、gNB1によってRRC signallingで指定される。
【0042】
より具体的には、サブフレーム#nでSCell20が活性化(activated)から休止状態(dormant)に変更されるとき、UE2は、active DL BWPからfirst active BWPへスイッチし、遅くともxサブフレーム後までに(つまり、サブフレーム#n+xまでに)有効なCSI報告を送信するよう動作してもよい。xサブフレームは、BWPスイッチ遅延及びCQI計算のために許容される遅延である。なお、サブフレーム基準(basis)に代えて、スロット又はシンボル(e.g., OFDMシンボル)基準(basis)での制御が行われてもよい。例えば、サブフレーム#nのスロット#m又はシンボル#lでSCell20が活性化(activated)から休止状態(dormant)に変更されるとき、UE2は、active DL BWPからfirst active BWPへスイッチし、遅くともxスロット後又はxシンボル後までに有効なCSI報告を送信するよう動作してもよい。
【0043】
3GPP Release 15 NRでは、BWPがactivateされている場合、基本的にUE2はactive BWPにおいてPDCCHを監視(monitor)しなければならない。例外的に、当該active BWPがSCellのものであり、当該SCellに対して他のサービングセル(e.g., PCell)からのクロス・キャリア・スケジューリングが設定されている場合は、UE2は当該SCellのactive BWPにおいてPDCCHを監視しなくてもよい。一方で、前述の通り、dormant SCell状態(dormant状態のSCell)では、UEがPDCCHを監視しない。したがってUE2は、SCell20のためにクロス・キャリア・スケジューリングが設定されているか否かに関わらわず、SCell20が休止状態(dormant)である間、対象DL BWPにおけるPDCCHを監視(monitor)しなくてもよい。一例では、SCell20が休止状態である間のCSI測定の対象DL BWPは、dormant BWPと呼ばれてもよい。dormant SCell状態でのCSI測定の対象DL BWP(e.g. dormant BWP)は、RRC signallingに含まれるfirst active DL BWP情報要素で指定されてもよい。言い換えると、UE2は、first active DL BWP情報要素により示されたDL BWP(つまり、first active DL BWP)をdormant SCell状態でのCSI測定の対象DL BWPであると考えて(consider)もよい。これに代えて、SCell20が休止状態である間のCSI測定の対象DL BWPをRRC signallingで指定するために、domant DL BWP情報要素が新たに規定されてもよい。
【0044】
さらに他の例では、休止状態でのCSI測定の対象DL BWPは、SCell20のinitial DL BWPであってもよい。Initial DL BWPは、Common Search Space(i.e., Type0-PDCCH common search space)のための制御リソースセットが設定される。Initial DL BWP は、UEがサービングセルにアクセスするとき(i.e., RRC_IDLEからRRC_CONNECTEDに遷移するとき)に最初に滞在するBWP である。すなわち、SCell20が休止状態であるときに、UE2は、SCell20のinitial DL BWP上でCSIを測定してもよい。
【0045】
より具体的には、サブフレーム#nでSCell20が活性化(activated)から休止状態(dormant)に変更されるとき、UE2は、active DL BWPからinitial BWPへスイッチし、遅くともxサブフレーム後までに(つまり、サブフレーム#n+xまでに)有効なCSI報告を送信するよう動作してもよい。xサブフレームは、BWPスイッチ遅延及びCQI計算のために許容される遅延である。上述のFirst active BWPの例と同様に、サブフレーム基準に代えて、スロット又はシンボル(e.g., OFDMシンボル)基準での制御が行われてもよい。さらに、SCell20が休止状態から活性化される際にUE2は、SCell20のactivationをinitial BWPで実行してもよいし、initial BWPからfirst active BWPへスイッチしてもよい。Initial BWPは、reference BWP、primary BWP、anchor BWP、又はmaster BWPと呼ばれてもよい。gNB1による設定に依存して、initial DL BWPは、first active BWPと同じであってもよいし、異なってもよい。言い換えると、gNB1は、同じDL BWPをUE2のinitial DL BWP及びfirst active BWPにセットしてもよい。
【0046】
次のさらに他の例では、休止状態でのCSI測定の対象DL BWPは、default DL BWPであってもよい。Default DL BWPは、非活性化タイマ(i.e., BWP Inactivity Timer)の満了に応答してUE2が現在のactive DL BWPから切り替えるBWPである。すなわち、SCell20が休止状態であるときに、UE2は、SCell20のdefault DL BWP上でCSIを測定してもよい。Default DL BWPが明示的に設定されていない場合、UE2は非活性化タイマの満了に応答して、default DL BWPの代わりにSCell20のInitial DL BWPへ切り替え、CSIを測定してもよい。
【0047】
より具体的には、サブフレーム#nでSCell20が活性化(activated)から休止状態(dormant)に変更されるとき、UE2は、active DL BWPからdefault DL BWPへスイッチし、遅くともxサブフレーム後までに(つまり、サブフレーム#n+xまでに)有効なCSI報告を送信するよう動作してもよい。xサブフレームは、BWPスイッチ遅延及びCQI計算のために許容される遅延である。上述のFirst active BWPの例と同様に、サブフレーム基準に代えて、スロット又はシンボル(e.g., OFDMシンボル)基準での制御が行われてもよい。さらに、SCell20が休止状態から活性化される際にUE2は、SCell20のactivationをdefault DL BWPで実行してもよいし、default DL BWPからfirst active BWPへスイッチしてもよい。
【0048】
幾つかの実装では、休止状態でのCSI測定の対象DL BWPは予め規定されてもよい(predetermined)。一例では、休止状態でのCSI測定の対象DL BWP がgNB1によって指定されない場合、UE2は、default MAC configurationとしてBWP-Id=0のBWP(e.g., initial BWP)をCSI測定の対象DL BWPとしてもよい。さらに又はこれに代えて、gNB1は、休止状態のSCellでのCSI測定の対象DL BWPをUE2に指定してもよい。より具体的には、gNB1は、対象DL BWPを明示的又は暗示的に示す設定情報(e.g., dormant BWP information)をUE2に送信してもよい。
【0049】
図3は、gNB1及びUE2の動作の一例を示している。ステップ301では、gNB1は、休止状態でのCSI測定の対象DL BWPを示す設定情報(e.g., dormant BWP information)をUE2に送信する。gNB1は、当該設定情報をシステム情報(e.g., SIB Type 1(SIB1))を介してUE2送信してもよい。これに代えて、gNB1は、当該設定情報をRRCシグナリングを介してUE2送信してもよい。
【0050】
当該設定情報は、直前のactive DL BWP(又は現在のactive DL BWP)及びfirst active DL BWPを少なくとも含む複数の候補BWPからgNB1により選択された、休止状態でのCSI測定の対象DL BWPを示してもよい。例えば、当該設定情報は、first active DL BWP、initial DL BWP、default DL BWP、及び直前のactive DL BWP(又は現在のactive DL BWP)のうち少なくとも1つを示してもよい。当該設定情報は前述のdomant DL BWPを示してもよい。
【0051】
これに代えて、当該設定情報は、所定の複数の候補BWPからgNB1により選択された1つを示してもよい。例えば、当該設定情報は、first active DL BWP、initial DL BWP、default DL BWP、及び直前のactive DL BWP(現在のactive DL BWP)のうち1つ以上を候補BWPとし、その中からgNB1により選択された1つを示してもよい。
【0052】
さらに又はこれに代えて、当該設定情報は、対象DL BWPのBWP識別子(e.g., BWP-Id)を示してもよい。
【0053】
gNB1は、対象DL BWPを明示的に示す設定情報を送信しないことによって、対象DL BWPが予め定められたDL BWPであることを暗示的に示してもよい。予め定められたDL BWPは、上述のfirst active DL BWP、initial DL BWP、default DL BWP、及び直前のactive DL BWP(現在のactive DL BWP)のうちのいずれでもよい。
【0054】
ステップ302では、UE2は、SCell20が休止状態である間、gNB1により指定された対象BWPにおいてチャネル品質を測定し、SCell20のためのCSI報告をPCell10又は他の活性化されたサービングセルを介してgNB1に送信する。なお、UE2は、SCell20が休止状態である間、gNB1により指定された対象BWPにおいてPDCCHを監視しなくてもよい。
【0055】
以上の説明から理解されるように、本実施形態では、UE2は、SCell20が休止状態であるときに、SCell20のために設定された複数のDL BWPs(i.e., DL BWPセット)から選択された対象DL BWPに対するCSI報告を、PCell10又はその他の活性化されたサービングセルにおいてgNB1に送信するよう構成される。すなわち、本実施形態は、複数のBWPsが設定されているdormant SCellに対するCSI測定を行うことをUE2に可能にする。これにより、例えば、gNB1は、当該SCell(特に対象DL BWP)の無線品質を考慮しつつ、SCell20を再び活性化(activate)するか否かを判断できる。
【0056】
本実施形態のUE2のMACエンティティは、TTI毎に(for each TTI)及び設定されたSCell毎に(for each configured SCell)以下のように動作してもよい。
【0057】
もしMACエンティティがSCell configurationによってdormant SCellを設定されているか、又は当該SCellをDormant Stateに遷移する(transitioning)ためのMAC control element(s)をこのTTIにおいて受信したなら、MACエンティティは、当該SCellをDormant Stateに遷移し、当該SCellに関連付けられたsCellDeactivationTimerを停止し、当該SCellに関連付けられたdormantSCellDeactivationTimerをスタート又は再スタートする。
【0058】
もしactivated SCellに関連付けられたsCellHibernationTimerがこのTTIにおいて満了したなら、MACエンティティは、当該SCellをハイバネート(hibernate)し、当該SCellに関連付けられたsCellDeactivationTimerを停止し、当該SCellに関連付けられたsCellHibernationTimerを停止する。
【0059】
もしdormant SCellに関連付けられたdormantSCellDeactivationTimerがこのTTIにおいて満了したなら、MACエンティティは、当該SCellを非活性化し(deactivate)し、当該SCellに関連付けられたdormantSCellDeactivationTimerを停止する。
【0060】
もしSCellがDormant Stateにあるなら(the SCell is in Dormant State)、MACエンティティは、Sounding Reference Symbols(SRS)を当該TTIにおいて送信せず;当該SCellのためのCQI、PMI、RI、PTI、若しくはCRI又はこれらの任意の組み合わせをRRCにより示された周期性(periodicity)に従ってレポートし;Uplink Shared Channel(s) (UL-SCH)を当該SCellにおいて送信せず;Random Access Channel(s) (RACH)を当該SCellにおいて送信せず;PDCCHを当該SCellにおいて(on the SCell)モニターせず;PDCCHを当該SCellのために(for the SCell)モニターせず;且つPhysical Uplink Control Channel(PUCCH)を当該SCellにおいて送信しない。
【0061】
さらに、本実施形態のUE2は以下のようなBWPオペレーションを行ってもよい。一例では、サービングセルにおけるDormant StateへのSCell state遷移(transition)の開始(initiation)に応じて、MACエンティティは、このサービングセルに対して、active DL BWPをDormant state(又はdormant DL BWP)に遷移(transition)する。
【0062】
他の例では、サービングセルにおけるDormant StateへのSCell state遷移(transition)の開始(initiation)に応じて、MACエンティティは、このサービングセルに対して、もし(現在の)active DL BWPがfirstActiveDownlinkBWP-Idにより示されたDL BWPでないなら、active DL BWPをfirstActiveDownlinkBWP-Idにより示されたDL BWPに切り替え(switch)、さらにactive DL BWPをDormant state(又はdormant DL BWP)に遷移(transition)する。
【0063】
別の他の例では、サービングセルにおけるDormant StateへのSCell state遷移(transition)の開始(initiation)に応じて、MACエンティティは、このサービングセルに対して、もし(現在の)active DL BWPがinitial Downlink BWPでないなら、active DL BWPをinitial Downlink BWPに切り替え(switch)、さらにactive DL BWPをDormant state(又はdormant DL BWP)に遷移(transition)する。
【0064】
さらに別の他の例では、サービングセルにおけるDormant StateへのSCell state遷移(transition)の開始(initiation)に応じて、MACエンティティは、このサービングセルに対して、もしdefaultDownlinkBWP-Idが設定されており、且つもし(現在の)active DL BWPがdefaultDownlinkBWP-Idにより示されたDL BWPでないなら、active DL BWPをdefaultDownlinkBWP-Idにより示されたDL BWPに遷移(transition)し、さらにactive DL BWPをDormant state(又はdormant DL BWP)に遷移(transition)する。一方、もしdefaultDownlinkBWP-Idが設定されておらず、且つもし(現在の)active DL BWPがinitial Downlink BWPでないなら、MACエンティティは、active DL BWPをinitial Downlink BWPに切り替え(switch)、さらにactive DL BWPをDormant state(又はdormant DL BWP)に遷移(transition)する。
【0065】
なお、上述のBWPオペレーションのいくつかの例では、UE2のMACエンティティは、一旦active DL BWPを切り替え(switch)、その後に当該active DL BWPをDormant state(またはdormant DL BWP)に遷移(transition)する。これに代えて、SCellのDormant StateへのSCell state遷移(transition)の開始(initiation)に応じて、MACエンティティは、Dormant stateの間に使用されるDL BWP(e.g., first active BWP, initial BWP, or default BWP)へ(現在の)active DL BWPから切り替え(switch)つつ、active DL BWPをDormant state(又はdormant DL BWP)に遷移(transition)してもよい。
【0066】
<第2の実施形態>
本実施形態に係る無線通信ネットワークの構成例は、図1に示された例と同様であってもよい。本実施形態のgNB1は、RRC_CONNECTED状態、RRC_INACTIVE状態、及びRRC_IDLE状態の間でのUE2の状態遷移を制御する。当該制御のために、gNB1は、状態遷移をUE2に指示するRRCメッセージ(e.g., RRC setup、RRC release、及びRRC release with suspend)をUE2に送信してもよい。さらに又はこれに代えて、gNB1は、RRC設定(e.g., 状態遷移をトリガするinactivity timerの設定)をUE2に供給してもよい。
【0067】
本実施形態のUE2は、gNB1からの指示又は設定に従って、RRC_CONNECTED状態、RRC_INACTIVE状態、及びRRC_IDLE状態の間でのUE2の状態遷移を制御する。さらに、本実施形態のUE2は、UE2の状態(例えば、アップリンク送信するべきデータの到着)に応答して、RRC_CONNECTED状態、RRC_INACTIVE状態、及びRRC_IDLE状態の間でのUE2の状態遷移を制御する。
【0068】
ここで、RRC_CONNECTED状態、RRC_INACTIVE状態、及びRRC_IDLE状態の定義を説明する。5G SystemのRRC_CONNECTED状態及びRRC_IDLE状態は、LTEのRRC_CONNECTED状態及びRRC_IDLE状態とそれぞれ同様の特徴を持つ。UEがRRC_CONNECTED状態であるとき、UE及び5G RAN(e.g., NG-RAN)はAccess Stratum(AS)コンテキストを維持し、UEの位置はセルレベルでNG-RANによって知られている。RRC_CONNECTED状態であるUEのモビリティは、NG-RANによって制御されるハンドオーバにより取り扱われる。
【0069】
一方、UEがRRC_IDLE状態であるとき、UE及びNG-RANは、ASコンテキストを解放している。UEがRRC_IDLE状態であるとき、UEの位置はNG-RANによって知られておらず、UEの位置は5G CN(e.g., 5GC)によってロケーション登録エリア・レベルで知られている。ロケーション登録エリアは、LTEと同様に1つ以上のトラッキングエリアに相当する。RRC_IDLE状態であるUEのモビリティは、UEによって制御されるセル再選択により取り扱われる。
【0070】
RRC_INACTIVE状態は、RRC_CONNETED状態とRRC_IDLE状態の間の中間的な状態であると言うことができる。RRC_INACTIVE状態の幾つかの特徴はRRC_CONNETED状態のそれらと類似するが、RRC_INACTIVE状態の他の幾つかの特徴はRRC_IDLE状態のそれらと類似する。
【0071】
UEがRRC_INACTIVE状態であるとき、UE及びNG-RANがASコンテキストの少なくとも一部を維持する。RRC_INACTIVE状態であるUEのためにUE及びNG-RANにより保持されるASコンテキストは、例えば、無線ベアラ設定、及びASセキュリティ・コンテキストを含む。さらに、NG-RANは、RRC_INACTIVE状態のUEのための5GCとのコントロールプレーン及びユーザプレーン・コネクション(i.e., NG-c及びNG-uインタフェース)を確立したまま維持する。RRC_INACTIVE状態であるUEは、UE及び5GCにおいてNG-CM-CONNECTED状態であると考えられる。すなわち、5GCは、UEがRRC_CONNECTED状態であるか又はRRC_INACTIVE状態であるかを区別しなくてよい。RRC_INACTIVE状態のこれらの特徴は、RRC_CONNETED状態の特徴と類似する。
【0072】
しかしながら、RRC_INACTIVE状態であるUEのモビリティは、RRC_IDLE状態であるUEのそれと類似する。すなわち、RRC_INACTIVE状態であるUEのモビリティは、UEによって制御されるセル再選択により取り扱われる。
【0073】
RRC_INACTIVE状態であるUEの位置は、RAN通知エリア(RAN Notification Area(RNA))のレベルでNG-RANによって知られている。RAN通知エリアは、RAN-based Notification Area、RAN paging area、又はRAN location update areaとも呼ばれる。RAN通知エリア(RNA)は、1又はそれ以上のセルを含み、NG-RANにより決定される。NG-RANはRNAをUEに通知する。さらに又はこれに代えて、RAN通知エリア(RNA)は、1又はそれ以上のRANエリアを含んでもよい。RANエリアの識別子(i.e., RAN area code)は、PLMN毎に設定され、システム情報(e.g., SIB1)で報知される。RRC_INACTIVE状態のUEは、RAN通知エリア内でセル再選択によりセル間を移動してもNG-RANにセル再選択を行ったことを通知(報告)する必要がない。RRC_INACTIVE状態のUEは、RAN通知エリア外のセルを再選択した場合に、NG-RAN(e.g., gNB)にRAN通知エリアの更新(RNA update)手順を実行する。
【0074】
上述したように、キャリアアグリゲーションの強化のためにIDLE mode measurementsが導入される。このRRC_IDLEであるUEによる周波数キャリア間の測定と同様に、RRC_INACTIVEであるUEが周波数キャリア間の測定を行えることが好ましいかもしれない。このことは、UEがRRC_INACTIVEからRRC_CONNECTEDに遷移する際の速やかなSCellのセットアップに寄与する。
【0075】
これを達成するために、図4に示されるように、本実施形態のgNB1は、少なくとも1つのキャリア周波数に対する測定をRRC_INACTIVEであるUE2に行わせるための測定設定をUE2に送信する(ステップ401)。より具体的には、gNB1は、当該測定設定を、RRC_CONNECTEDからRRC_INACTIVEへの遷移を指示するRRCメッセージ(e.g., RRC release with suspend、又はRRC suspend)を用いて送信してもよい。これに代えて、gNB1は、RRC_INACTIVE状態及びRRC_IDLE状態における無線品質の測定に関する設定情報を含むシステム情報(e.g., SIB Type 2(SIB2))を用いて当該測定設定を送信してもよい。
【0076】
幾つかの実装では、RRC_INACTIVEでの測定のための測定設定の一部又は全ては、RRC_IDLEでの測定のための測定設定と共通化されてもよい。言い換えると、RRC_IDLEでの測定のための測定設定の一部又は全てがRRC_INACTIVEでの測定のための測定設定のために再利用されてもよい。例えば、RRC_IDLEでの測定のための上述の有効エリア(validity area)の代わりに、RRC_INACTIVEでの測定ではRAN通知エリアが使用されてもよい。
【0077】
具体的には、RRC_IDLEでの測定(IDLE mode measurement)で使用される測定設定と、RRC_INACTIVEでの測定(Inactive state measurement)で使用される測定設定が共通化されてもよい(e.g., MeasIdleInactiveConfig IE)。UEは、NG-RAN(e.g., gNB)からの状態遷移を指示するRRCメッセージがRRC_IDLEへの遷移を示していればIDLE mode measurementを実行し、当該RRCメッセージがRRC_INACTIVEへの遷移を示していればInactive state measurementを実行してもよい。このとき、当該測定設定(e.g., MeasIdleInactiveConfig IE)のサブ情報(e.g., IE又はfield)の一部が、IDLE mode measurementとInactive state measurementで異なってもよい。例えば、validity areaは、IDLE mode measurementではセルであり、Inactive state measurementではRAN通知エリア(RNA)であってもよい。
【0078】
これに代えて、RRC_IDLEでの測定(IDLE mode measurement)で使用される測定設定(e.g., MeasIdleConfig IE)とは別に、RRC_INACTIVEでの測定(Inactive state measurement)で使用される測定設定(e.g., MeasInactiveConfig IE)が規定されてもよい。このとき、両者の測定設定に含まれるサブ情報(e.g., IE又はfield)の一部は共通でもよいし、異なってもよい。
【0079】
図5は、本実施形態のUE2の動作の一例を示している。ステップ501では、UE2は、UE2がRRC_INACTIVEであるときに測定されるべきキャリア周波数を示す測定設定をgNB1から受信する。ステップ502では、UE2は、RRC_INACTIVEであるときに、測定設定に従って測定を実行する。
【0080】
続いて以下では、上述の複数の実施形態に係るgNB1及びUE2の構成例について説明する。図6は、上述の実施形態に係るgNB1の構成例を示すブロック図である。図6を参照すると、gNB1は、Radio Frequencyトランシーバ601、ネットワークインターフェース603、プロセッサ604、及びメモリ605を含む。RFトランシーバ601は、UE2を含むNG UEsと通信するためにアナログRF信号処理を行う。RFトランシーバ601は、複数のトランシーバを含んでもよい。RFトランシーバ601は、アンテナアレイ602及びプロセッサ604と結合される。RFトランシーバ601は、変調シンボルデータをプロセッサ604から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナアレイ602に供給する。また、RFトランシーバ601は、アンテナアレイ602によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをプロセッサ604に供給する。RFトランシーバ601は、ビームフォーミングのためのアナログビームフォーマ回路を含んでもよい。アナログビームフォーマ回路は、例えば複数の移相器及び複数の電力増幅器を含む。
【0081】
ネットワークインターフェース603は、ネットワークノード(e.g., 5G Coreの制御ノード及び転送ノード)と通信するために使用される。ネットワークインターフェース603は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0082】
プロセッサ604は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理(データプレーン処理)とコントロールプレーン処理を行う。プロセッサ604は、複数のプロセッサを含んでもよい。例えば、プロセッサ604は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., Digital Signal Processor(DSP))とコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., Central Processing Unit(CPU)又はMicro Processing Unit(MPU))を含んでもよい。プロセッサ604は、ビームフォーミングのためのデジタルビームフォーマ・モジュールを含んでもよい。デジタルビームフォーマ・モジュールは、Multiple Input Multiple Output(MIMO)エンコーダ及びプリコーダを含んでもよい。
【0083】
メモリ605は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。揮発性メモリは、例えば、Static Random Access Memory(SRAM)若しくはDynamic RAM(DRAM)又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、マスクRead Only Memory(MROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの任意の組合せである。メモリ605は、プロセッサ604から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ604は、ネットワークインターフェース603又は図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ605にアクセスしてもよい。
【0084】
メモリ605は、上述の複数の実施形態で説明されたgNB1による処理を行うための命令群およびデータを含む1又はそれ以上のソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)606を格納してもよい。いくつかの実装において、プロセッサ604は、当該ソフトウェアモジュール606をメモリ605から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたgNB1の処理を行うよう構成されてもよい。
【0085】
なお、gNB1がgNB-CUである場合、gNB1は、RFトランシーバ601(及びアンテナアレイ602)を含まなくてもよい。
【0086】
図7は、UE2の構成例を示すブロック図である。Radio Frequency(RF)トランシーバ701は、gNB1と通信するためにアナログRF信号処理を行う。RFトランシーバ701は、複数のトランシーバを含んでもよい。RFトランシーバ701により行われるアナログRF信号処理は、周波数アップコンバージョン、周波数ダウンコンバージョン、及び増幅を含む。RFトランシーバ701は、アンテナアレイ702及びベースバンドプロセッサ703と結合される。RFトランシーバ701は、変調シンボルデータ(又はOFDMシンボルデータ)をベースバンドプロセッサ703から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナアレイ702に供給する。また、RFトランシーバ701は、アンテナアレイ702によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをベースバンドプロセッサ703に供給する。RFトランシーバ701は、ビームフォーミングのためのアナログビームフォーマ回路を含んでもよい。アナログビームフォーマ回路は、例えば複数の移相器及び複数の電力増幅器を含む。
【0087】
ベースバンドプロセッサ703は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理(データプレーン処理)とコントロールプレーン処理を行う。デジタルベースバンド信号処理は、(a) データ圧縮/復元、(b) データのセグメンテーション/コンカテネーション、(c) 伝送フォーマット(伝送フレーム)の生成/分解、(d) 伝送路符号化/復号化、(e) 変調(シンボルマッピング)/復調、及び(f) Inverse Fast Fourier Transform(IFFT)によるOFDMシンボルデータ(ベースバンドOFDM信号)の生成などを含む。一方、コントロールプレーン処理は、レイヤ1(e.g., 送信電力制御)、レイヤ2(e.g., 無線リソース管理、及びhybrid automatic repeat request(HARQ)処理)、及びレイヤ3(e.g., アタッチ、モビリティ、及び通話管理に関するシグナリング)の通信管理を含む。
【0088】
例えば、ベースバンドプロセッサ703によるデジタルベースバンド信号処理は、Service Data Adaptation Protocol(SDAP)レイヤ、Packet Data Convergence Protocol(PDCP)レイヤ、Radio Link Control(RLC)レイヤ、MACレイヤ、およびPHYレイヤの信号処理を含んでもよい。また、ベースバンドプロセッサ703によるコントロールプレーン処理は、Non-Access Stratum(NAS)プロトコル、RRCプロトコル、及びMAC CEの処理を含んでもよい。
【0089】
ベースバンドプロセッサ703は、ビームフォーミングのためのMIMOエンコーディング及びプリコーディングを行ってもよい。
【0090】
ベースバンドプロセッサ703は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., DSP)とコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., CPU又はMPU)を含んでもよい。この場合、コントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサは、後述するアプリケーションプロセッサ704と共通化されてもよい。
【0091】
アプリケーションプロセッサ704は、CPU、MPU、マイクロプロセッサ、又はプロセッサコアとも呼ばれる。アプリケーションプロセッサ704は、複数のプロセッサ(複数のプロセッサコア)を含んでもよい。アプリケーションプロセッサ704は、メモリ706又は図示されていないメモリから読み出されたシステムソフトウェアプログラム(Operating System(OS))及び様々なアプリケーションプログラム(例えば、通話アプリケーション、WEBブラウザ、メーラ、カメラ操作アプリケーション、音楽再生アプリケーション)を実行することによって、UE2の各種機能を実現する。
【0092】
幾つかの実装において、図7に破線(705)で示されているように、ベースバンドプロセッサ703及びアプリケーションプロセッサ704は、1つのチップ上に集積されてもよい。言い換えると、ベースバンドプロセッサ703及びアプリケーションプロセッサ704は、1つのSystem on Chip(SoC)デバイス705として実装されてもよい。SoCデバイスは、システムLarge Scale Integration(LSI)またはチップセットと呼ばれることもある。
【0093】
メモリ706は、揮発性メモリ若しくは不揮発性メモリ又はこれらの組合せである。メモリ706は、物理的に独立した複数のメモリデバイスを含んでもよい。揮発性メモリは、例えば、SRAM若しくはDRAM又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、MROM、EEPROM、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの任意の組合せである。例えば、メモリ706は、ベースバンドプロセッサ703、アプリケーションプロセッサ704、及びSoC705からアクセス可能な外部メモリデバイスを含んでもよい。メモリ706は、ベースバンドプロセッサ703内、アプリケーションプロセッサ704内、又はSoC705内に集積された内蔵メモリデバイスを含んでもよい。さらに、メモリ706は、Universal Integrated Circuit Card(UICC)内のメモリを含んでもよい。
【0094】
メモリ706は、上述の複数の実施形態で説明されたUE2による処理を行うための命令群およびデータを含む1又はそれ以上のソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)707を格納してもよい。幾つかの実装において、ベースバンドプロセッサ703又はアプリケーションプロセッサ704は、当該ソフトウェアモジュール707をメモリ706から読み出して実行することで、上述の実施形態で図面を用いて説明されたUE2の処理を行うよう構成されてもよい。
【0095】
なお、上述の実施形態で説明されたUE2によって行われるコントロールプレーン処理及び動作は、RFトランシーバ701及びアンテナアレイ702を除く他の要素、すなわちベースバンドプロセッサ703及びアプリケーションプロセッサ704の少なくとも一方とソフトウェアモジュール707を格納したメモリ706とによって実現されることができる。
【0096】
図6及び図7を用いて説明したように、上述の実施形態に係るgNB1及びUE2が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0097】
<その他の実施形態>
上述の実施形態は、各々独立に実施されてもよいし、実施形態全体又はその一部が適宜組み合わせて実施されてもよい。例えば、第2の実施形態は、第1の実施形態で説明された休止状態のSCellのためのCSI測定に関する動作の詳細を必須としていない。言い換えると、第2の実施形態は、第1の実施形態と独立に実施されることができ、第1の実施形態とは異なる目的又は課題を解決することに寄与し、第1の実施形態とは異なる効果を奏することに寄与する。
【0098】
上述の第1の実施形態は、様々な参照信号(reference signal(RS))に対するCSI測定に適用されることができる。例えば、CSI測定は、CSI-RSまたはSSBに対して行われてもよいし、これら以外の新たに規定されるRSに対して行われてもよい。また、dormant状態のSCellにおけるCSI測定に使用されるRSの種類(RS-type)は、NG-RANノード(e.g., gNB1)からUE2にRRC signaling(e.g., csi-RS-ResourceSetList、又はcsi-SSB-ResourceSetList)にて指定されてもよい。
【0099】
上述の第1の実施形態は、Dual Connectivity(DC)のMaster Cell Group(MCG)内のセカンダリセル及びSecondary Cell Group(SCG)内のセカンダリセルのためのCSI測定に適用されることができる。ここで、Dual Connectivityは、LTE eNBとNR gNBの間のEUTRA-NR DC (EN-DC)でもよい。または、Dual Connectivityは、5GCと接続する2つの2つのgNBsの間のDual Connectivity(NR-DC)であってもよいし、異なるRATのNG-RANノード間のMulti-RAT Dual Connectivity(MR-DC)であってもよい。上述の第3の実施形態も、Dual Connectivityのための周波数キャリア間(inter-frequency carriers)の測定に適用されてもよい。NR-DCと上記MR-DCを合わせてMulti-Radio Dual Connectivity(MR-DC)と定義されてもよい。
【0100】
上述の第2の実施形態では、UE2は、RRC_CONNECTEDであるときにDCを実行し、その後にNG-RANノード(e.g., gNB1)からの指示でSCGの設定の少なくとも一部を保持したままRRC_INACTIVEに移ってもよい。この場合、UE2は、RRC_INACTIVEの間、DCのSecondary gNB(e.g., gNB1又は他のgNB)から指定された周波数(e.g., セカンダリRATまたはSCGとして使用していた周波数)に対する測定を実行してもよい。これにより、UE2が再びRRC_CONNECTEDになる場合に、すばやく適切なSCGの設定が可能になる。
【0101】
本明細書におけるユーザー端末(User Equipment(UE))は、無線インターフェースを介して、ネットワークに接続されたエンティティである。本明細書のUEは、専用の通信装置に限定されるものではなく、本明細書中に記載されたUEの通信機能を有する次のような任意の機器であってもよい。
【0102】
「(3GPPで使われる単語としての)ユーザー端末(User Equipment(UE))」、「移動局(mobile station)」、「移動端末(mobile terminal)」、「モバイルデバイス(mobile device)」、及び「無線端末(wireless device)」との用語は、一般的に互いに同義であることが意図されている。UEは、ターミナル、携帯電話、スマートフォン、タブレット、セルラIoT端末、IoTデバイス、などのスタンドアローン移動局であってもよい。「UE」及び「無線端末」との用語は、長期間にわたって静止している装置も包含する。
【0103】
UEは、例えば、生産設備・製造設備および/またはエネルギー関連機械(一例として、ボイラー、機関、タービン、ソーラーパネル、風力発電機、水力発電機、火力発電機、原子力発電機、蓄電池、原子力システム、原子力関連機器、重電機器、真空ポンプなどを含むポンプ、圧縮機、ファン、送風機、油圧機器、空気圧機器、金属加工機械、マニピュレータ、ロボット、ロボット応用システム、搬送装置、昇降装置、貨物取扱装置、繊維機械、縫製機械、印刷機、印刷関連機械、紙工機械、化学機械、鉱山機械、鉱山関連機械、建設機械、建設関連機械、農業用機械および/または器具、林業用機械および/または器具、漁業用機械および/または器具、安全および/または環境保全器具、トラクター、動力伝動装置、および/または上記で述べた任意の機器又は機械のアプリケーションシステムなど)であってもよい。
【0104】
UEは、例えば、輸送用装置(一例として、車両、自動車、二輪自動車、自転車、列車、バス、リヤカー、人力車、船舶(ship and other watercraft)、飛行機、ロケット、人工衛星、ドローン、気球など)であってもよい。
【0105】
UEは、例えば、情報通信用装置(一例として、電子計算機及び関連装置、通信装置及び関連装置、電子部品など)であってもよい。
【0106】
UEは、例えば、商業およびサービス用機器、自動販売機、自動サービス機、事務用機械及び装置、民生用電気・電子機械器具(一例として音声機器、スピーカー、ラジオ、映像機器、テレビなど)であってもよい。
【0107】
UEは、例えば、電子応用システムまたは電子応用装置(一例として、X線装置、粒子加速装置、放射性物質応用装置、音波応用装置、電磁応用装置、電力応用装置など)であってもよい。
【0108】
UEは、例えば、電球、照明、計量機、分析機器、試験機及び計測機械(一例として、煙報知器、対人警報センサ、動きセンサ、無線タグなど)、時計(watchまたはclock)、理化学機械、光学機械、医療用機器および/または医療用システム、武器、利器工匠具、または手道具であってもよい。
【0109】
UEは、例えば、無線通信機能を備えたパーソナルデジタルアシスタントまたは装置(一例として、無線カードや無線モジュールなどを取り付けられる、もしくは挿入するよう構成された電子装置(例えば、パーソナルコンピュータや電子計測器など))であってもよい。
【0110】
UEは、例えば、有線や無線通信技術を使用した「あらゆるモノのインターネット(IoT:Internet of Things)」において、以下のアプリケーション、サービス、ソリューションを提供する装置またはその一部であってもよい。IoTデバイス(もしくはモノ)は、デバイスが互いに、および他の通信デバイスとの間で、データ収集およびデータ交換することを可能にする適切な電子機器、ソフトウェア、センサー、ネットワーク接続、などを備える。IoTデバイスは、内部メモリの格納されたソフトウェア指令に従う自動化された機器であってもよい。IoTデバイスは、人間による監督または対応を必要とすることなく動作してもよい。IoTデバイスは、長期間にわたって備え付けられている装置および/または、長期間に渡って非活性状態(inactive)状態のままであってもよい。IoTデバイスは、据え置き型な装置の一部として実装され得る。IoTデバイスは、非据え置き型の装置(例えば車両など)に埋め込まれ得る、または監視される/追跡される動物や人に取り付けられ得る。IoT技術は、人間の入力による制御またはメモリに格納されるソフトウェア命令に関係なくデータを送受信する通信ネットワークに接続されることができる任意の通信デバイス上に実装されることができる。IoTデバイスは、機械型通信(Machine Type Communication、MTC)デバイス、またはマシンツーマシン(Machine to Machine、M2M)通信デバイス、Narrow Band-IoT (NB-IoT) UEと呼ばれることもある。
【0111】
UEは、1つまたは複数のIoTまたはMTCアプリケーションをサポートしてもよい。
【0112】
MTCアプリケーションのいくつかの例は、3GPP TS22.368 V13.2.0(2017-01-13) Annex B(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)に示されたリストに列挙されている。このリストは、網羅的ではなく、一例としてのMTCアプリケーションを示すものである。このリストでは、MTCアプリケーションのサービス範囲 (Service Area)は、セキュリティ (Security)、追跡及びトレース (Tracking & Tracing)、支払い (Payment)、健康 (Health)、リモートメンテナンス/制御 (Remote Maintenance/Control)、計量 (Metering)、及び民生機器 (Consumer Devices)を含む。
【0113】
セキュリティに関するMTCアプリケーションの例は、監視システム (Surveillance systems)、固定電話のバックアップ (Backup for landline)、物理アクセスの制御(例えば建物へのアクセス) (Control of physical access (e.g. to buildings))、及び車/運転手のセキュリティ (Car/driver security)を含む。
【0114】
追跡及びトレースに関するMTCアプリケーションの例は、フリート管理 (Fleet Management)、注文管理 (Order Management)、テレマティクス保険:走行に応じた課金 (Pay as you drive (PAYD))、資産追跡 (Asset Tracking)、ナビゲーション (Navigation)、交通情報 (Traffic information)、道路料金徴収 (Road tolling)、及び道路通行最適化/誘導 (Road traffic optimisation/steering)を含む。
【0115】
支払いに関するMTCアプリケーションの例は、販売時点情報管理 (Point of sales (POS))、自動販売機 (Vending machines)、及び遊戯機 (Gaming machines)を含む。
【0116】
健康に関するMTCアプリケーションの例は、生命徴候の監視 (Monitoring vital signs)、高齢者又は障害者支援 (Supporting the aged or handicapped)、ウェブアクセス遠隔医療 (Web Access Telemedicine points)、及びリモート診断 (Remote diagnostics)を含む。
【0117】
リモートメンテナンス/制御に関するMTCアプリケーションの例は、センサー (Sensors)、明かり (Lighting)、ポンプ (Pumps)、バルブ (Valves)、エレベータ制御 (Elevator control)、自動販売機制御 (Vending machine control)、及び車両診断 (Vehicle diagnostics)を含む。
【0118】
計量に関するMTCアプリケーションの例は、パワー (Power)、ガス (Gas)
水 (Water)、暖房 (Heating)、グリッド制御 (Grid control)、及び産業用メータリング (Industrial metering)を含む。
【0119】
民生機器に関するMTCアプリケーションの例は、デジタルフォトフレーム、デジタルカメラ、及び電子ブック (ebook)を含む。
【0120】
アプリケーション、サービス、及びソリューションは、一例として、MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)サービス/システム、防災無線サービス/システム、構内無線電話(PBX(Private Branch eXchange:構内交換機))サービス/システム、PHS/デジタルコードレス電話サービス/システム、Point of sales(POS)システム、広告発信サービス/システム、マルチキャスト(Multimedia Broadcast and Multicast Service(MBMS))サービス/システム、V2X(Vehicle to Everything:車車間通信および路車間・歩車間通信)サービス/システム、列車内移動無線サービス/システム、位置情報関連サービス/システム、災害/緊急時無線通信サービス/システム、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)サービス/システム、コミュニティーサービス/システム、映像配信サービス/システム、Femtoセル応用サービス/システム、VoLTE(Voice over LTE)サービス/システム、無線タグ・サービス/システム、課金サービス/システム、ラジオオンデマンドサービス/システム、ローミングサービス/システム、ユーザー行動監視サービス/システム、通信キャリア/通信NW選択サービス/システム、機能制限サービス/システム、PoC(Proof of Concept)サービス/システム、端末向け個人情報管理サービス/システム、端末向け表示・映像サービス/システム、端末向け非通信サービス/システム、アドホックNW/DTN(Delay Tolerant Networking)サービス/システムなどであってもよい。
【0121】
上述したUEのカテゴリは、本明細書に記載された技術思想及び実施形態の応用例に過ぎない。本明細書のUEは、これらの例に限定されるものではなく、当業者は種々の変更をこれに行うことができる。
【0122】
さらに、上述した実施形態は本件発明者により得られた技術思想の適用に関する例に過ぎない。すなわち、当該技術思想は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。
【0123】
例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0124】
(付記1)
無線アクセスネットワーク(RAN)に配置されるRANノードであって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、Radio Resource Control(RRC)_CONNECTED状態、RRC_INACTIVE状態、及びRRC_IDLE状態の間での無線端末の状態遷移を制御するよう構成され、
前記RRC_CONNECTED状態は、前記無線端末及び前記RANがアクセス層(Access stratum(AS))コンテキストを維持する状態であり、且つ前記無線端末の位置がセルのレベルで前記RANによって知られている状態であり、
前記RRC_INACTIVE状態は、前記無線端末及び前記RANが前記ASコンテキストの少なくとも一部を維持する状態であり、且つ前記無線端末の位置が前記RANにより設定されたRAN通知エリアのレベルで前記RANによって知られている状態であり、
前記RRC_IDLE状態は、前記無線端末及び前記RANが前記ASコンテキストを解放している状態であり、且つ前記無線端末の位置が前記RANによって知られていない状態であり、
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、少なくとも1つのキャリア周波数に対する測定を前記RRC_INACTIVE状態の前記無線端末に行わせるための測定設定を、前記RRC_CONNECTED状態から前記RRC_INACTIVE状態への遷移を指示するRRCメッセージを用いて、又はシステム情報を用いて送信するよう構成される、
RANノード。
【0125】
(付記2)
無線端末であって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、Radio Resource Control(RRC)_CONNECTED状態、RRC_INACTIVE状態、及びRRC_IDLE状態の間での前記無線端末の状態遷移を制御するよう構成され、
前記RRC_CONNECTED状態は、前記無線端末及び無線アクセスネットワーク(RAN)がアクセス層(Access stratum(AS))コンテキストを維持する状態であり、且つ前記無線端末の位置がセルのレベルで前記RANによって知られている状態であり、
前記RRC_INACTIVE状態は、前記無線端末及び前記RANが前記ASコンテキストの少なくとも一部を維持する状態であり、且つ前記無線端末の位置が前記RANにより設定されたRAN通知エリアのレベルで前記RANによって知られている状態であり、
前記RRC_IDLE状態は、前記無線端末及び前記RANが前記ASコンテキストを解放している状態であり、且つ前記無線端末の位置が前記RANによって知られていない状態であり、
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、少なくとも1つのキャリア周波数に対する測定を前記RRC_INACTIVE状態の前記無線端末に行わせるための測定設定を、前記RRC_CONNECTED状態から前記RRC_INACTIVE状態への遷移を指示するRRCメッセージを用いて、又はシステム情報を用いて、RANノードから受信するよう構成される、
無線端末。
【0126】
この出願は、2018年10月26日に出願された日本出願特願2018-202275を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0127】
1 gNB
2 UE
10 プライマリセル(PCell)
20 セカンダリセル(SCell)
101 エアインタフェース
604 プロセッサ
605 メモリ
703 ベースバンドプロセッサ
704 アプリケーションプロセッサ
706 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7