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特許7405229溶融材料供給装置、三次元造形装置、三次元造形物の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】溶融材料供給装置、三次元造形装置、三次元造形物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/209 20170101AFI20231219BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20231219BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20231219BHJP
   B29C 64/106 20170101ALI20231219BHJP
   B29C 64/343 20170101ALI20231219BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20231219BHJP
   B33Y 40/00 20200101ALI20231219BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20231219BHJP
   B29C 64/295 20170101ALI20231219BHJP
   B29C 48/47 20190101ALI20231219BHJP
   B29C 48/80 20190101ALI20231219BHJP
   B29C 48/86 20190101ALI20231219BHJP
【FI】
B29C64/209
B33Y30/00
B33Y10/00
B29C64/106
B29C64/343
B29C64/393
B33Y40/00
B33Y50/02
B29C64/295
B29C48/47
B29C48/80
B29C48/86
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022207830
(22)【出願日】2022-12-26
(62)【分割の表示】P 2021185628の分割
【原出願日】2017-10-30
(65)【公開番号】P2023026509
(43)【公開日】2023-02-24
【審査請求日】2022-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯脇 康平
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 功一
(72)【発明者】
【氏名】中村 和英
(72)【発明者】
【氏名】水上 俊介
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-246780(JP,A)
【文献】特表2017-528340(JP,A)
【文献】特開2017-035811(JP,A)
【文献】特開平07-040445(JP,A)
【文献】特表2017-523934(JP,A)
【文献】特開2010-241016(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
B29C 48/00-48/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元造形装置に用いられる造形材料供給装置であって、
ノズル開口を有し、熱可塑性樹脂を含む材料を加熱して生成されたペースト状の造形材料をテーブルに向けて吐出するノズルと、
前記ノズル開口に連通し前記造形材料が流れる第1流路に設けられ、前記第1流路の開口面積を調整することによって前記ノズルからの前記造形材料の吐出量を調節する流量調節機構と、
前記流量調節機構を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記流量調節機構を制御することによって、
前記テーブルに対する前記ノズルの相対的な移動速度が第1速度である場合は、前記開口面積を第1開口面積に調整し、
前記移動速度が前記第1速度よりも遅い第2速度である場合は、前記開口面積を前記第1開口面積よりも小さい第2開口面積に調節する、
造形材料供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の造形材料供給装置であって、
前記ノズルを加熱するノズルヒーターを備える、
造形材料供給装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の造形材料供給装置であって、
前記流量調節機構は、前記第1流路が延びる方向と交わる方向に沿って配置された駆動軸の一部が加工されて形成されたバルブと、前記駆動軸を回転させることによって前記バルブを回転させる駆動部と、を有し、
前記バルブは、前記第1流路と前記駆動軸とが交わる位置に配置されており、
前記制御部は、前記バルブの回転角度を調整することによって前記開口面積を調整する、
造形材料供給装置。
【請求項4】
請求項3に記載の造形材料供給装置であって、
前記第1流路内の前記バルブが備えられる空間の前記造形材料が流通される方向と垂直な面における断面が、前記第1流路内の前記バルブが備えられない部分の前記造形材料が流通される方向と垂直な面における断面よりも大きい、造形材料供給装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の造形材料供給装置であって、
更に、前記第1流路に接続された分岐流路に前記造形材料を吸引する吸引部を備える、造形材料供給装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の造形材料供給装置であって、
更に、前記第1流路に接続され、前記第1流路に気体を送出するパージ部を備える、造形材料供給装置。
【請求項7】
請求項6に記載の造形材料供給装置であって、
前記パージ部が前記第1流路に接続される位置は、前記第1流路のうち前記流量調節機構を備える位置よりも前記ノズル側である、造形材料供給装置。
【請求項8】
請求項7に記載の造形材料供給装置であって、
前記制御部は、前記流量調節機構を閉じて前記第1流路の前記造形材料の流通を停止させた後に、前記パージ部を動作させる、造形材料供給装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の造形材料供給装置を備える、三次元造形装置。
【請求項10】
請求項9に記載の三次元造形装置であって、
更に、前記材料を前記熱可塑性樹脂のガラス転移点以上に加熱して前記造形材料を生成する造形材料生成部を備え、
前記造形材料生成部は、
前記ノズルに連通する連通孔が形成され、ヒーターを有する対面部と、
前記対面部と対面し、溝が形成された溝形成面を有するフラットスクリューと、を有し、
前記フラットスクリューの回転と前記ヒーターによる加熱によって、前記フラットスクリューと前記対面部との間に供給された前記材料を加熱する、三次元造形装置。
【請求項11】
請求項10に記載の三次元造形装置であって、
前記溝の深さは、前記フラットスクリューの外周から中心に向かって浅くなる、三次元造形装置。
【請求項12】
請求項10または請求項11に記載の三次元造形装置であって、
前記制御部は、前記流量調節機構を制御して前記ノズルからの前記造形材料の吐出を中断する場合、前記フラットスクリューの回転を停止させない、三次元造形装置。
【請求項13】
三次元造形物の製造方法であって、
ノズル開口を有するノズルから、熱可塑性樹脂を含む材料を加熱して生成されたペースト状の造形材料をテーブルに向けて吐出する第1工程と、
前記ノズル開口に連通し前記造形材料が流れる第1流路に設けられ、前記第1流路の開口面積を調整する流量調節機構によって、前記ノズルからの前記造形材料の吐出量を調節する第2工程と、を備え、
前記第2工程は、
前記テーブルに対する前記ノズルの相対的な移動速度に応じて前記開口面積を調節する工程を含む、
三次元造形物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、溶融材料供給装置、三次元造形装置および三次元造形物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶融した樹脂材料を吐出して積層し、硬化させることによって三次元造形物を作製する三次元造形装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-35811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
三次元造形装置での造形処理では、通常、溶融された材料のノズルからの吐出と停止とが繰り返される。しかしながら、ノズルから吐出される溶融材料の流量は制御されていない。従って、三次元造形物の構造が複雑である場合に、形成される部位に応じて流量を適宜変更させて三次元造形物を作製することができない。また、ノズルからの材料の吐出を停止させる際には、ノズルからの材料の流出が即座に停止されず、材料の吐出の停止タイミングに遅れが生じる場合や、材料の吐出量が予定されていた量よりも過剰になってしまう場合があった。また、ノズルからの材料の吐出を再開させる際に、ノズルへの材料の供給遅れによって、材料の吐出タイミングに遅れが生じる場合や、材料の吐出量が不足してしまう場合があった。このように、三次元造形装置においては、ノズルからの材料の吐出量の調整や、材料の吐出を応答よく停止させることについて、依然として改良の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[形態1]
本開示の一形態によれば、三次元造形装置に用いられる溶融材料供給装置が提供される。この溶融材料供給装置は、熱可塑性樹脂が溶融した溶融材料が流れる第1流路と、前記第1流路と連通し、前記溶融材料をテーブルに向けて吐出するノズルと、前記第1流路内に設けられ、前記ノズルからの前記溶融材料の吐出量を調節する流量調節機構と、前記流量調節機構を制御する制御部と、を備える。前記流量調節機構は、前記第1流路が延びる方向と交わる方向に沿って配置された駆動軸と、前記駆動軸の一部に形成されたバタフライバルブと、前記駆動軸を回転させることによって前記バタフライバルブを回転させる駆動部と、を有する。前記バタフライバルブは、前記第1流路と前記駆動軸とが交わる位置に配置されている。前記制御部は、前記テーブルに対する前記ノズルの相対的な移動速度を用いて前記吐出量を決定し、前記バタフライバルブの回転角度を、決定した前記吐出量に対応する回転角度に調節する。
[形態2]
本開示の第二の形態によれば、三次元造形装置に用いられる造形材料供給装置が提供される。この造形材料供給装置は、ノズル開口を有し、熱可塑性樹脂を含む材料を加熱して生成されたペースト状の造形材料をテーブルに向けて吐出するノズルと、前記ノズル開口に連通し前記造形材料が流れる第1流路に設けられ、前記第1流路の開口面積を調整することによって前記ノズルからの前記造形材料の吐出量を調節する流量調節機構と、前記流量調節機構を制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記流量調節機構を制御することによって、前記テーブルに対する前記ノズルの相対的な移動速度が第1速度である場合は、前記開口面積を第1開口面積に調整し、前記移動速度が前記第1速度よりも遅い第2速度である場合は、前記開口面積を前記第1開口面積よりも小さい第2開口面積に調節する。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、三次元造形装置に用いられる溶融材料供給装置が提供される。この溶融材料供給装置は:熱可塑性樹脂を溶融させた溶融材料を流通させる第1流路と;前記第1流路と連通し、前記溶融材料を吐出するノズルと;前記第1流路内に設けられるバタフライバルブを備える流量調節機構と;を備える。
この形態の溶融材料供給装置によれば、溶融材料が流通される流路に設けられたバタフライバルブによって、ノズルからの溶融材料の吐出の開始および停止と、ノズルから吐出される溶融材料の量とが制御できる。従って、ノズルからの溶融材料の吐出の開始タイミング、停止タイミングおよび溶融材料の吐出量を、流量調節機構を備えない態様に比べて、より高い精度で制御することができる。
【0007】
(2)本開示の他の形態によれば、バタフライバルブは:前記第1流路内において回転可能に配される板状部材を備え;前記第1流路内の前記板状部材が備えられる空間の前記溶融材料が流通される方向と垂直な面における断面が、前記第1流路内の前記板状部材が備えられない部分の前記溶融材料が流通される方向と垂直な面における断面よりも大きい、態様とすることもできる。
この形態の溶融材料供給装置によれば、バタフライバルブを備える位置に設けられた拡大流路によって、流量調節機構の周囲の流路を拡大することができる。すなわち、拡大流路を設けない態様よりも板状部材の周囲の流量を大きくできる。従って、板状部材の面方向が溶融材料の流通する方向と平行となった場合に、流量調節機構を備えない態様に比べて、板状部材によって第1流路の流量が大きく制限されることを防止することができる。
【0008】
(3)本開示の他の形態によれば、更に、前記第1流路に接続された分岐流路に前記溶融材料を吸引して、前記第1流路に負圧を発生させる吸引部を備える、態様とすることもできる。
この形態の溶融材料供給装置によれば、吸引部によって溶融材料の流路内に負圧を発生させることにより、ノズルからの溶融材料の吐出を迅速に停止させることができる。
【0009】
(4)上記形態の溶融材料供給装置であって、更に、前記第1流路に接続され、前記第1流路に気体を送出するパージ部を備える、態様とすることもできる。
この形態の溶融材料供給装置によれば、パージ部によって、流路内に残留した溶融材料の上流側に気体が送り込まれることにより、流路内に残留した溶融材料をノズルから迅速に吐出させることができる。従って、ノズルからの溶融材料の吐出を迅速に停止させることができる。
【0010】
(5)上記形態の溶融材料供給装置であって、前記パージ部が前記第1流路に接続される位置は、前記第1流路のうち前記バタフライバルブを備える位置よりも前記ノズル側である、態様とすることもできる。
この形態の溶融材料供給装置によれば、ノズルからの溶融材料の吐出を迅速に停止させることができる。また、パージ部が流路に接続される位置が、流量調節機構を挟んでノズルと逆側(すなわち上流側)である態様よりも、流路内に残留した溶融材料の吐出量を、少なくすることができる。
【0011】
(6)上記形態の溶融材料供給装置であって、更に、前記流量調節機構および前記パージ部を制御する制御部を備え、前記制御部は:前記流量調節機構を閉じて前記第1流路の材料の流通を停止させた後に、前記パージ部を動作させる、態様とすることができる。
この形態の溶融材料供給装置によれば、流量調節機構によって流路を閉じた後にパージ部を動作する制御を実行することができる。従って、ノズルからの溶融材料の吐出の停止を、より高い精度で制御することができる。また、パージ部によって流路内に気体を送り込む際に、流路内の溶融材料が流量調節機構よりも上流側の流路へ逆流することを抑制することができる。
【0012】
(7)本開示の他の形態によれば、上記形態の溶融材料供給装置を備える、三次元造形装置が提供される。
【0013】
(8)本開示の他の形態によれば、更に、前記熱可塑性樹脂を溶融させる溶融部を備えた三次元造形装置が提供される。前記溶融部は:前記第1流路に連通する連通孔が形成され、ヒーターを有する対面部と;前記対面部と対面し、回転されて前記連通孔に材料を送るとともに材料を溶融させて、前記連通孔に前記材料を供給する溝部を備える、フラットスクリューと;を有し、前記フラットスクリューの回転と前記ヒーターによる加熱によって、前記フラットスクリューと前記対面部との間に供給された前記熱可塑性樹脂を溶融させる。
このような形態であれば、フラットスクリューによって樹脂材料を溶融させるため、装置全体の大きさを小さくすることができる。
【0014】
上述した本開示の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、上述した本開示の一形態に含まれる技術的特徴の一部または全部を上述した本開示の他の形態に含まれる技術的特徴の一部または全部と組み合わせて、本開示の独立した一形態とすることも可能である。
【0015】
本開示は、溶融材料供給装置および三次元造形装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、溶融材料の吐出方法、溶融材料を用いた三次元造形物の造形方法などの形態で実現することができる。その他に、三次元造形装置の制御方法や、流量調節機構を制御するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態における三次元造形装置100の構成を示す概略図である。
図2】フラットスクリュー40の下面48側の構成を示す概略斜視図である。
図3】対面部50の上面52側を示す概略平面図である。
図4】三次元造形物OBとノズル61の先端の吐出口62との位置関係を示す説明図である。
図5】流量調節機構70を備えた溶融材料供給装置60の外観の構成を示す概略斜視図である。
図6図5のVI-VI位置における溶融材料供給装置60の断面図である。
図7図1における領域Efにおける、バタフライバルブ72が第1位置にある状態の流量調節機構70を示した拡大断面図である。
図8図1における領域Efにおける、バタフライバルブ72が第2位置にある状態の流量調節機構70を示した拡大断面図である。
図9図1における領域Efにおける、バタフライバルブ72が第3位置にある状態の流量調節機構70を示した拡大断面図である。
図10】制御部300が実行する造形処理のフローの一例を示す説明図である。
図11】第2実施形態における三次元造形装置100bの溶融材料供給装置60bが備える流量調節機構70bの構成を示す概略図である。
図12】バタフライバルブ72bが第2位置にある状態の流量調節機構70を示した拡大断面図である。
図13】吸引部75を備える第3実施形態の溶融材料供給装置60cを示す概略断面図である。
図14】第3実施形態の溶融材料供給装置60cが備える吸引部75の動作が模式的に示された説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態における三次元造形装置100の構成を示す概略図である。図1には、互いに直交するX,Y,Z方向を示す矢印が示されている。X方向およびY方向は、水平面に平行な方向であり、Z方向は、重力方向とは反対の方向である。X,Y,Z方向を示す矢印は、他の図においても、図1と対応するように、必要に応じて図示してある。
【0018】
三次元造形装置100は、吐出ユニット110と、造形ステージ部200と、制御部300と、を備える。三次元造形装置100は、制御部300の制御下において、吐出ユニット110のノズル61から、造形ステージ部200の造形台220上に溶融材料を吐出することによって、三次元造形物を造形する。溶融材料とは、熱可塑性を有する樹脂(熱可塑性樹脂)を溶融させた材料である。
【0019】
吐出ユニット110は、材料供給部20と、溶融部30と、溶融材料供給装置60と、を備える。材料供給部20は、ホッパーによって構成されており、下方の排出口が、連通路22を介して、溶融部30に接続されている。材料供給部20は、溶融部30に熱可塑性の材料を供給する。
【0020】
材料供給部20に投入される材料としては、例えば、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリアミド樹脂(PA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、ポリ乳酸樹脂(PLA)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)等を使用可能である。これらの材料は、ペレットや粉末等の固体材料の状態で材料供給部20に投入される。また、材料供給部20に投入される熱可塑性を有する材料には、顔料や、金属、セラミック等が混入されていてもよい。
【0021】
溶融部30は、材料供給部20から供給された材料を溶融させて溶融材料供給装置60へと流入させる。溶融部30は、スクリューケース31と、駆動モーター32と、フラットスクリュー40と、対面部50と、を有する。
【0022】
フラットスクリュー40は、軸線方向(中心軸に沿った方向)の高さが直径よりも小さい略円柱状のスクリューであり、その回転軸RXと交差する面である下面48に、溝部42が形成されている。上述した材料供給部20の連通路22は、フラットスクリュー40の側面から、溝部42に接続されている。フラットスクリュー40の具体的な形状については後述する。
【0023】
フラットスクリュー40は、その軸線方向がZ方向と平行になるように配置され、円周方向に沿って回転する。図1には、フラットスクリュー40の回転軸RXを一点鎖線で図示してある。第1実施形態において、フラットスクリュー40の中心軸とその回転軸RXとは一致する。
【0024】
フラットスクリュー40は、スクリューケース31内に収納されている。フラットスクリュー40の上面47は、駆動モーター32と連結されている。駆動モーター32が発生させる回転駆動力によって、スクリューケース31内においてフラットスクリュー40が回転される。駆動モーター32は、制御部300の制御下において駆動する。
【0025】
フラットスクリュー40の下面48は、対面部50の上面52と対面している。下面48に備えられた溝部42と、対面部50の上面52との間に空間が形成される。吐出ユニット110において、材料供給部20から供給された熱可塑性を有する材料が、この空間を流通する。
【0026】
対面部50は、軸線方向(中心軸に沿った方向)の高さが直径よりも小さい略円柱状の部材である。対面部50の一方の円状の面がフラットスクリュー40の下面48と対向し、他方の円状の面は、溶融材料供給装置60と接続されている。対面部50には、材料を加熱するためのヒーター58が埋め込まれている。溝部42内に供給された材料は、ヒーター58による加熱により溶融されて溶融材料へと転化されつつ、フラットスクリュー40の回転によって溝部42に沿って流動し、後述するフラットスクリュー40の中央部46へと導かれる。中央部46に流入した溶融材料は、対面部50の中心に設けられた連通孔56を介して、溶融材料供給装置60に供給される。
【0027】
溶融材料供給装置60は、対面部50から供給された溶融材料を内部の流路において流通させて、ノズル61から吐出する。溶融材料供給装置60は、ノズル61と、第1流路65と、流量調節機構70と、パージ部80と、を有する。ノズル61は、先端の吐出口62から溶融材料を吐出する。吐出口62は、ノズル61に形成された孔径Dnの開口であり、第1流路65を通じて連通孔56と接続されている。第1流路65は、フラットスクリュー40とノズル61との間の溶融材料の流路である。第1実施形態において、第1流路65内の溶融材料の流通方向に垂直な断面の形状は、直径Wdの円形である。溶融部30において溶融された溶融材料は、連通孔56から第1流路65へと流れ、ノズル61の吐出口62から造形ステージ部200の造形台220に向かって吐出される。
【0028】
なお、溶融材料は、そのガラス転移点以上に加熱されて完全に溶融した状態でノズル61から射出される。例えば、ABS樹脂は、ガラス転移点が約120℃であり、ノズル61からの射出時には約200℃となる。このように高温の状態で溶融材料を射出するために、ノズル61の周囲にはヒーターが設けられてもよい。
【0029】
流量調節機構70は、第1流路65に設けられており、第1流路65を流通する溶融材料の流量を制御する。流量調節機構70は、バタフライバルブ72と、バルブ駆動部74と、駆動軸76(図1において図示しない)と、を備える。バルブ駆動部74は、制御部300の制御下において駆動する。流量調節機構70による第1流路65の流量を調節する機構については、後述する。
【0030】
パージ部80は、第1流路65に接続され、第1流路65の中に気体を送出する機構を備える。パージ部80は、送出路82と、パージ駆動部84と、送出口86と、を有する。なお、送出路82および送出口86は、図1において図示されていない。第1実施形態において、パージ部80は、第1流路65のうち流量調節機構70が設けられている位置よりもノズル61側(すなわち下流側)に備えられている。パージ部80によって第1流路65に送出された気体は、第1流路65の中の溶融材料を吐出口62へ圧送する。パージ部80による第1流路65に気体を送出する機構については、後述する。
【0031】
造形ステージ部200は、溶融材料供給装置60のノズル61と対向する位置に備えられる。造形ステージ部200は、テーブル210と、テーブル210上に載置された造形台220と、造形台220を変位させる移動機構230と、を備える。移動機構230は、図1において「M」で示される3つのモーターを備える。移動機構230は、この3つのモーターの駆動力によって、造形台220をX,Y,Z方向の3軸方向に移動させる3軸ポジショナーによって構成される。造形ステージ部200は、制御部300の制御下において、ノズル61と造形台220との相対的な位置関係を変更する。
【0032】
制御部300は、例えば、CPUなどのプロセッサーと、メインメモリーと、不揮発性メモリーとを含むコンピューターによって実現可能である。制御部300内の不揮発性メモリーには、三次元造形装置100を制御するためのコンピュータープログラムが格納されている。制御部300は、吐出ユニット110を駆動して、造形データに応じた造形台220上の座標の位置に溶融材料を吐出することによって、三次元造形物を造形する造形処理を実行する。
【0033】
図2は、フラットスクリュー40の下面48側の構成を示す概略斜視図である。図2には、溶融部30において回転するときのフラットスクリュー40の回転軸RXの位置が一点鎖線で図示されている。上述したように、対面部50(図1)に対向するフラットスクリュー40の下面48には、溝部42が設けられている。以下、下面48を、「溝形成面48」とも呼ぶ。
【0034】
フラットスクリュー40の溝形成面48の中央部46は、溝部42の一端が接続されている凹部として構成されている。中央部46は、対面部50の連通孔56(図1)に対向する。第1実施形態では、中央部46は、回転軸RXと交差する。
【0035】
フラットスクリュー40の溝部42は、中央部46から、フラットスクリュー40の外周に向かって弧を描くように渦状に延びている。溝部42は、螺旋状に延びるように構成されているとしてもよい。なお、図2には、3つの溝部42の側壁部を構成し、各溝部42に沿って延びている3つの凸条部43を有するフラットスクリュー40の例が図示されている。フラットスクリュー40に設けられる溝部42や凸条部43の数は、3つには限定されない。フラットスクリュー40には、1つの溝部42のみが設けられていてもよいし、2以上の複数の溝部42が設けられていてもよい。また、溝部42の数に合わせて任意の数の凸条部43が設けられてもよい。
【0036】
溝部42は、フラットスクリュー40の側面に形成された材料流入口44まで連続している。この材料流入口44は、材料供給部20の連通路22を介して供給された材料を受け入れる部分である。なお、図2には、材料流入口44が3箇所に形成されているフラットスクリュー40の例が図示されている。フラットスクリュー40に設けられる材料流入口44の数は、3箇所に限定されない。フラットスクリュー40には、材料流入口44が1箇所にのみ設けられていてもよいし、2箇所以上の複数の箇所に設けられていてもよい。
【0037】
フラットスクリュー40が回転すると、材料流入口44から供給された材料が、溝部42内において対面部50のヒーター58による加熱によって加熱されながら溶融し、溶融材料に転化される。溶融材料は、溝部42を通じて中央部46へと流動する。
【0038】
図3は、対面部50の上面52側を示す概略平面図である。対面部50の上面52は、上述したように、フラットスクリュー40の溝形成面48に対向する。以下、この上面52を、「スクリュー対向面52」とも呼ぶ。スクリュー対向面52の中心には、溶融材料を第1流路65に供給するための連通孔56が、形成されている。
【0039】
スクリュー対向面52には、連通孔56に接続され、連通孔56から外周に向かって渦状に延びている複数の案内溝54が形成されている。複数の案内溝54は、溶融材料を連通孔56に導く機能を有する。上述したように、対面部50には、材料を加熱するためのヒーター58が埋め込まれている(図1参照)。溶融部30における材料の溶融は、ヒーター58による加熱と、フラットスクリュー40の回転と、によって実現される。以上のように、第1実施形態の三次元造形装置100によれば、フラットスクリュー40を用いることによって、装置の小型化や造形精度の向上が実現されている。
【0040】
図4は、三次元造形物OBとノズル61の先端の吐出口62との位置関係を示す説明図である。図4には、造形台220上において、三次元造形物OBが造形されていく様子が模式的に示されている。
【0041】
三次元造形装置100では、ノズル61の先端の吐出口62と、造形中の三次元造形物OBの上面OBtとの間に、ギャップGが保持されている。ここで、「三次元造形物OBの上面OBt」とは、ノズル61の直下の位置の近傍においてノズル61から吐出された溶融材料が堆積される予定部位を意味する。
【0042】
ギャップGの大きさは、ノズル61の吐出口62における孔径Dn(図1参照)以上とすることが望ましく、孔径Dnの1.1倍以上とすることがより好ましい。こうすれば、ノズル61の吐出口62から吐出される溶融材料が、製造中の三次元造形物OBの上面OBtに押しつけられない自由な状態で三次元造形物OBの上面OBtに堆積される。この結果、ノズル61から吐出された溶融材料の横断面形状が潰れてしまうことを抑制でき、三次元造形物OBの面粗さを低減することが可能である。また、ノズル61の周囲にヒーターが設けられた構成においては、ギャップGを形成することにより、当該ヒーターによる材料の過熱を防止でき、三次元造形物OBに堆積された材料の過熱による変色や劣化が抑制される。
【0043】
一方、ギャップGの大きさは、孔径Dnの1.5倍以下とすることが好ましく、1.3倍以下とすることが特に好ましい。これによって、溶融材料が配置される予定部位に対する精度の低下や、製造中の三次元造形物OBの上面OBtに対する溶融材料の密着性の低下が抑制される。
【0044】
図5は、流量調節機構70を備えた溶融材料供給装置60の外観の構成を示す概略斜視図である。図5には、駆動軸76が回転するときの駆動軸76の中心軸AXの位置が破線によって図示されている。溶融材料供給装置60のY方向における外表面の一部から、駆動軸76が貫通されている。
【0045】
図6は、図5のVI-VI位置における溶融材料供給装置60の断面図である。第1実施形態では、溶融材料供給装置60は、ノズル61と、第1流路65と、流量調節機構70と、パージ部80と、を有する。
【0046】
流量調節機構70は、バタフライバルブ72と、バルブ駆動部74と、駆動軸76と、を備える。流量調節機構70は、第1流路65に設けられており、第1流路65を流通する溶融材料の流量を制御する。バタフライバルブ72は、駆動軸76の一部が板状に加工された板状部材である。バタフライバルブ72は、第1流路65内において回転可能に配される。図6には、第1流路65内を流通する溶融材料の流通方向Fdが示されている。
【0047】
駆動軸76は、第1流路65における溶融材料の流通方向Fdと垂直となるように備えられた軸状部材である。第1実施形態において、駆動軸76は、第1流路65と垂直に交わっている。駆動軸76は、バタフライバルブ72の位置が、この駆動軸76と第1流路65とが交わる位置になるように、備えられている。
【0048】
バルブ駆動部74は、中心軸AXを中心に駆動軸76を回転させる機構を有する駆動部である。バルブ駆動部74が発生させる駆動軸76の回転駆動力によって、バタフライバルブ72が回転される。具体的には、バタフライバルブ72は、駆動軸76が回転されることによって、第1流路65内における溶融材料の流通方向Fdとバタフライバルブ72の面方向とが略垂直となる第1位置と、第1流路65内における溶融材料の流通方向Fdとバタフライバルブ72の面方向とが略平行となる第2位置と、第1流路65内における溶融材料の流通方向Fdとバタフライバルブ72の面方向とが0度より大きく90度より小さい角度のうちいずれかの角度となる第3位置と、のいずれかの位置になるように回転される。図6では、バタフライバルブ72の位置が第1位置である状態が示されている。
【0049】
このバタフライバルブ72の回転により、第1流路65の流路中に形成される開口の面積が調節される。この開口の面積が調節されることによって、第1流路65を流通する溶融材料の流量が調節される。また、この開口の面積がゼロの状態(バタフライバルブ72が第1流路65の流路を塞いだ状態)とすることによって、第1流路65を流通する溶融材料の流量がゼロの状態とすることもできる。すなわち、流量調節機構70は、第1流路65を流通する溶融材料の流通の開始および停止と、溶融材料の流量の調節とを制御することができる。本明細書において、溶融材料の流量がゼロの状態(すなわち、溶融材料の流路が塞がれた状態)には、「溶融材料の吐出の停止」との表現が用いられる。特に言及がない限り、「流量の変更」の表現には、溶融材料の流量がゼロの状態への変更は含まれない。
【0050】
パージ部80は、第1流路65に接続され、第1流路65の中に気体を送出する機構を備える。パージ部80は、送出路82と、パージ駆動部84と、送出口86と、を有する。パージ駆動部84には、例えば、プランジャーポンプ、ピストンポンプ、ダイアフラムポンプのような往復運動で気体を送出するポンプや、ギヤポンプ、シリンジポンプ等、気体を送出できる種々のポンプを適用することができる。パージ駆動部84は、制御部300の制御下において駆動する。
【0051】
送出口86は、第1流路65に設けられた開口である。送出路82は、直線状に延びて第1流路65に交差する貫通孔によって構成されている。送出路82は、パージ駆動部84と送出口86とに接続された、気体の流路である。パージ駆動部84から送出された気体は、送出路82を通って、送出口86から第1流路65内に送り込まれる。第1流路65内に供給された気体は、パージ駆動部84からさらに気体が連続的に供給されることによって、第1流路65内に残留した溶融材料をノズル61側へ圧送する。圧送された溶融材料は、ノズル61の吐出口62から吐出される。
【0052】
これにより、流路内に残留した溶融材料をノズル61から迅速に吐出させることができる。従って、ノズル61からの溶融材料の吐出を迅速に停止させることができる。なお、第1流路65に接続される送出口86の開口の形状は、第1流路65内を流通する溶融材料の流通方向Fdに垂直な断面の形状に対して小さい。これにより、第1流路65内を流通する溶融材料が、送出口86から流入して送出路82の内部を逆流することを防止している。
【0053】
図7は、図1における領域Efにおける、バタフライバルブ72が第1位置にある状態の流量調節機構70を示した拡大断面図である。具体的には、第1流路65における溶融材料の流通方向Fdの中心軸を含む面であって、駆動軸76の中心軸AXに垂直な面における断面図である。図7には、各部材の他に、駆動軸76の中心軸AXと、バタフライバルブ72の厚みThと、第1流路65内を流通する溶融材料の流通方向Fdと、流通方向Fdと略垂直な向きにおける第1流路65の断面の直径Wdとが模式的に示されている。図7において、バタフライバルブ72は、バルブ駆動部74により駆動軸76が中心軸AXに対して回転されることによって、面方向が流通方向Fdと略垂直になる位置(第1位置)に配されている。
【0054】
バタフライバルブ72は、厚みThが第1流路65の直径Wdの3分の1の厚みである略正方形の板状の部材である。バタフライバルブ72の面方向における一辺の長さは、第1流路65の断面の直径Wdと略同一である。すなわち、バタフライバルブ72の面方向が溶融材料の流通方向Fdと略垂直になる位置(第1位置)に配されることによって、第1流路65における溶融材料の流路は、バタフライバルブ72の有する面によって塞がれる。
【0055】
図8は、図1における領域Efにおける、バタフライバルブ72が第2位置にある状態の流量調節機構70を示した拡大断面図である。具体的には、図8は、第1流路65における溶融材料の流通方向Fdの中心軸を含む面であって、駆動軸76の中心軸AXに垂直な面における断面図である。図8には、各部材の他に、駆動軸76の中心軸AXと、バタフライバルブ72の厚みThと、第1流路65内の溶融材料の流通方向Fdと、流通方向Fdと略垂直な向きにおける第1流路65の断面の直径Wdと、バタフライバルブ72の一方の面と第1流路65の内壁とで挟まれた流路のX方向における幅W1と、バタフライバルブ72の他方の面と第1流路65の内壁とで挟まれた流路のX方向における幅W2とが、模式的に示されている。図8において、バタフライバルブ72は、バルブ駆動部74により駆動軸76が中心軸AXに対して回転されることによって、面方向が流通方向Fdと略平行になる位置(第2位置)に配されている。
【0056】
バタフライバルブ72が第2位置に配された状態において、流通方向Fdと略垂直な面に、バタフライバルブ72を流通方向Fdに沿って投影した場合、バタフライバルブ72の面積が最も小さくなる。逆に、第1流路65内において、溶融材料の流路は最も大きい。すなわち、バタフライバルブ72が第2位置にある状態は、流量調節機構70によって、第1流路65内の流量が最大にされた状態である。
【0057】
図9は、図1における領域Efにおける、バタフライバルブ72が第3位置にある状態の流量調節機構70を示した拡大断面図である。具体的には、第1流路65における溶融材料の流通方向Fdの中心軸を含む面であって、駆動軸76の中心軸AXに垂直な面における断面図である。図9には、各部材の他に、駆動軸76の中心軸AXと、バタフライバルブ72の厚みThと、第1流路65内の溶融材料の流通方向Fdと、流通方向Fdと略垂直な向きにおける第1流路65の断面の直径Wdと、バタフライバルブ72の一方の面と第1流路65の内壁とで挟まれた流路のX方向における幅のうち最小となる幅W3と、バタフライバルブ72の他方の面と第1流路65の内壁とで挟まれた流路のX方向における幅のうち最小となる幅W4とが、模式的に示されている。図9において、バタフライバルブ72は、バルブ駆動部74により駆動軸76が中心軸AXに対して回転されることによって、第1流路65内における溶融材料の流通する流通方向Fdとバタフライバルブ72の面方向とで形成される角度が、0度より大きく90度より小さい角度のうちいずれかの角度となる位置(第3位置)に配されている。
【0058】
幅W3および幅W4は、バタフライバルブ72が回転されることによって変動される。第2位置における幅W1および幅W2(図8参照)と、第3位置における幅W3およびW4との関係は、0<W3<W1、0<W4<W2である。バタフライバルブ72が第3位置に配された状態において、流通方向Fdと略垂直な面に、バタフライバルブ72を流通方向Fdに沿って投影した場合、バタフライバルブ72の面積は、第2位置に配される場合の面積よりも大きく、第1位置に配される場合の面積よりも小さい。また、このバタフライバルブ72の面積は、上述した幅W3および幅W4の変動とともに変動する。すなわち、第1流路65内を流通する溶融材料の流通方向Fdとバタフライバルブ72の面方向とで形成される角度が0度より大きく90度より小さい角度となるように調整されることによって、第1流路65内のバタフライバルブ72を備える位置における流路の面積が、第1位置に配される際の面積よりも大きく第2位置に配される際の面積よりも小さい範囲内で調節されることができる。すなわち、流量調節機構70により第1流路65内の流量が調節されることによって、ノズル61から吐出される溶融材料の量が制御されることができる。
【0059】
以上のように、第1実施形態の溶融材料供給装置60によれば、溶融材料が流通される第1流路65に設けられたバタフライバルブ72によって、ノズル61からの溶融材料の吐出の開始および停止と、ノズル61から吐出される溶融材料の量とが制御できる。従って、ノズル61からの溶融材料の吐出の開始タイミング、停止タイミングおよび溶融材料の吐出量を、流量調節機構70を備えない態様に比べて、より高い精度で制御することができる。
【0060】
図10は、制御部300が実行する造形処理のフローの一例を示す説明図である。ステップS10は、ノズル61から溶融材料を吐出させる吐出工程である。ステップS10では、制御部300は、溶融部30の駆動モーター32を駆動して、フラットスクリュー40を回転させ、ノズル61から造形台220に向かって溶融材料を連続的に吐出させる吐出処理を実行する。このとき、制御部300は、吐出処理の開始する際の溶融材料の流量の設定値を読み込んで、流量調節機構70を駆動し、バタフライバルブ72を第2位置もしくは第3位置のうち予め定められた位置に移動する処理を実行する。
【0061】
吐出処理を実行している間、制御部300は、造形ステージ部200の移動機構230を制御して、造形データに応じて造形台220をX,Y,Z方向の3軸方向に変位させる。これによって、造形台220上の目標位置に、溶融材料が堆積されていく。
【0062】
制御部300は、ステップS10の吐出処理の途中で、溶融材料の流量を変更する必要があるか否かを判定する(ステップS20)。制御部300は、例えば、造形データに基づいて、当該判定をおこなってもよい。
【0063】
溶融材料の流量を変更する必要がある場合(S20:YES)、制御部300は、流量調節機構70を制御して、バタフライバルブ72を第2位置もしくは第3位置のうち予め定められた位置に移動する処理を実行する(ステップS21)。これにより、第1流路65内の溶融材料の流量が変更される。
【0064】
制御部300は、例えば、造形物の複雑な部分や細部を造形するために、造形台220を移動する速度を低減させたうえで三次元造形物を造形する場合において、ノズル61からの溶融材料の吐出量を低減させる判定を行う。制御部300は、造形物の単純な構造の部分を造形させるために設定されていたバタフライバルブ72の第2位置から、バタフライバルブ72を第3位置のうち予め定められた位置に移動させて溶融材料の流量を変更する。あるいは、制御部300は、ユーザーや上位の制御部からの流量変更の割込み指令を受け付けたときに、ノズル61からの溶融材料の流量を変更させる必要があると判定してもよい。
【0065】
一方、溶融材料の流量を変更する必要がない場合(S20:NO)、制御部300は、ステップS10の吐出処理の途中で、溶融材料の吐出を一時的に中断するタイミングが到来したか否かを判定する(ステップS30)。制御部300は、造形データに基づいて、当該判定をおこなってもよい。制御部300は、例えば、それまで溶融材料を吐出していた位置から、所定の距離だけ離れた位置に、溶融材料を分離して堆積させる場合などに、ノズル61からの溶融材料の吐出を一時的に中断させるタイミングが到来したと判定する。あるいは、制御部300は、ユーザーや上位の制御部からの一時停止の割込み指令を受け付けたときに、ノズル61からの溶融材料の吐出を一時的に中断させるタイミングが到来したと判定してもよい。
【0066】
溶融材料の吐出を中断させるタイミングではない場合には、制御部300は、ステップS10の溶融材料の吐出処理を継続する(S30:NO)。一方、溶融材料の吐出を中断させるタイミングが到来した場合には(S30:YES)、制御部300は、ステップS31~S40の処理を実行する。
【0067】
ステップS31~S40は、ノズル61からの溶融材料の流出を制御する吐出停止工程である。この吐出停止工程では、制御部300は、流量調節機構70を制御して、バタフライバルブ72を第1位置に移動する。これにより、第1流路65のうちバタフライバルブ72を備える位置を閉塞させて、流量調節機構70よりノズル61側(すなわち下流側)への溶融材料の流通を停止させる(ステップS31)。
【0068】
制御部300は、ステップS31において、流量調節機構70によって第1流路65を閉塞させた後に、流量調節機構70の下流側に備えられたパージ部80を駆動して、第1流路65内に気体を供給させる(ステップS32)。この吐出停止工程によれば、バタフライバルブ72が第1流路65を閉塞したときに、パージ部80から供給された気体によって、流量調節機構70よりも下流側に残存する溶融材料を圧送し、ノズル61の吐出口62から吐出させることができる。
【0069】
以上のように、制御部300は、流量調節機構70によって第1流路65を閉じた後にパージ部80を動作する制御を実行することができる。従って、ノズル61からの溶融材料の吐出の停止を、より高い精度で制御することができる。また、パージ部80によって第1流路65内に気体を送り込む際に、第1流路65内の溶融材料が流量調節機構70よりも上流側の流路へ逆流することを抑制することができる。
【0070】
なお、パージ部80のうち、第1流路65に接続された送出口86よりも上流側であって流量調節機構70よりも下流側に残存する溶融材料は、パージ部80による気体の送出によってノズル61から吐出させられない場合がある。したがって、第1流路65と接続される送出口86は、第1流路65のうち流量調節機構70の下流側であって、流量調節機構70にできる限り近い位置に備えられる態様であることが好ましい。
【0071】
また、制御部300は、ノズル61からの溶融材料の流出を止めている間に、例えば、ノズル61が次に溶融材料の吐出を再開すべき造形台220上の座標に位置するように、造形台220に対するノズル61の位置を変更してもよい。
【0072】
制御部300は、ノズル61からの溶融材料の吐出を再開するタイミングが到来したときに、ノズル61からの溶融材料の流出を開始させる(ステップS40:YES)。具体的には、吐出処理を再開する際における溶融材料の流量の設定値を読み込んで、流量調節機構70を駆動し、バタフライバルブ72を第2位置もしくは第3位置のうち予め定められた位置に移動する処理を実行する。一方、制御部300は、ノズル61からの溶融材料の吐出を再開しない場合(すなわち、造形処理が完了した場合)には、制御部300は、処理を終了する(ステップS40:NO)。
【0073】
なお、ステップS31において、バタフライバルブ72によって第1流路65を閉じて、ノズル61からの溶融材料の吐出を一時的に中断する場合には、制御部300は、フラットスクリュー40の回転を停止させることなく、継続させておくことが望ましい。これによって、ステップS40において、ノズル61からの溶融材料の吐出を、より迅速に再開させることができる。
【0074】
B.第2実施形態:
図11は、第2実施形態における三次元造形装置100bの溶融材料供給装置60bが備える流量調節機構70bの構成を示す概略図である。具体的には、第1流路65bにおける溶融材料の流通方向Fdの中心軸を含む面であって、駆動軸76bの中心軸AXに垂直な面における断面図である。第2実施形態の三次元造形装置100bの構成は、第1実施形態の流量調節機構70の代わりに、第2実施形態の流量調節機構70bが設けられている点以外は、第1実施形態の三次元造形装置100の構成とほぼ同じである。
【0075】
第2実施形態の流量調節機構70bは、バタフライバルブ72bと、バルブ駆動部74b(図示しない)と、駆動軸76bと、を含む。バタフライバルブ72bの面方向における一辺の長さは、第1流路65bの断面の直径Wdよりも大きい。第1流路65b内のバタフライバルブ72bが備えられる空間には、バタフライバルブ72bの面方向における一辺の長さと略同一の幅Wd2を最大の幅とする流路が備えられている。この幅Wd2は、第1流路65bの断面の直径Wdよりも大きい。すなわち、第1流路65b内の板状の部材であるバタフライバルブ72bが備えられる空間の溶融材料の流通方向Fdと垂直な面における断面は、第1流路65b内のバタフライバルブ72が備えられない部分の溶融材料の流通方向Fdと垂直な面における断面よりも大きい。
【0076】
図11において、バタフライバルブ72bの面方向が、第1流路65b内を流通する溶融材料の流通方向Fdと略垂直になる位置(第1位置)に配されている。これにより、第1流路65bにおける溶融材料の流路は、バタフライバルブ72bの有する面によって塞がれる。
【0077】
図12は、バタフライバルブ72bが第2位置にある状態の流量調節機構70を示した拡大断面図である。具体的には、第1流路65bにおける溶融材料の流通方向Fdの中心軸を含む面であって、駆動軸76の中心軸AXに垂直な面における断面図である。図12において、バタフライバルブ72bは、面方向が第1流路65b内を流通する溶融材料の流通方向Fdと略平行になる位置(第2位置)に配されている。すなわち、流量調節機構70bによって、第1流路65b内の流量が最大にされた状態である。
【0078】
図12には、各部材の他に、駆動軸76の中心軸AXと、バタフライバルブ72の厚みThと、第1流路65b内の溶融材料の流通方向Fdと、流通方向Fdと略垂直な向きにおける第1流路65bの断面の直径Wdと、バタフライバルブ72bの一方の面と第1流路65bの内壁との間におけるX方向における幅W1bと、バタフライバルブ72の他方の面と第1流路65bの内壁との間におけるX方向における幅W2bとが、模式的に示されている。それぞれの幅は、W5>W1b、W6>W2bとなるように形成されている。すなわち、第1流路65bのうち、バタフライバルブ72bが備えられる空間では、バタフライバルブ72を備える態様に比べ、バタフライバルブ72bの一方の面側の流路と、他方の面側の流路とが、拡大された幅を有する流路が備えられている。
【0079】
これにより、流量調節機構70bの周囲の流路を拡大することができる。すなわち、拡大された流路を設けない態様よりもバタフライバルブ72bの周囲の流量を大きくできる。従って、バタフライバルブ72bの面方向が溶融材料の流通方向Fdと平行となった場合(第2位置)に、流量調節機構70bを備えない態様に比べて、バタフライバルブ72bによって第1流路65bの流量が大きく制限されることを防止することができる。
【0080】
C.第3実施形態:
図13および図14を参照して、第3実施形態の三次元造形装置100cが溶融材料供給装置60cとして備える吸引部75の構成を説明する。第3実施形態の三次元造形装置100cの構成は、第1実施形態の溶融材料供給装置60の代わりに、第3実施形態の溶融材料供給装置60cが設けられている点以外は、第1実施形態の三次元造形装置100の構成とほぼ同じである。
【0081】
図13は、吸引部75を備える第3実施形態の溶融材料供給装置60cを示す概略断面図である。吸引部75は、第1流路65内の圧力を変更する機能を備える。吸引部75は、分岐流路79と、ロッド77と、ロッド駆動部78と、を有する。分岐流路79は、第1流路65の溶融材料の一部が流入する流路である。分岐流路79は、直線状に延びて第1流路65に交差する貫通孔によって構成されている。ロッド77は、分岐流路79内に配置されるX方向に延びる軸状部材である。ロッド駆動部78は、制御部300の制御下において、ロッド77を分岐流路79内において瞬発的に往復移動させる駆動力を発生する。ロッド駆動部78は、例えば、ソレノイド機構やピエゾ素子、モーターなどのアクチュエーターによって構成される。
【0082】
溶融材料供給装置60cの吸引部75は、ノズル61から溶融材料が吐出されている間は、ロッド77を、その先端部77eが第1流路65と分岐流路79との接続部に位置する初期位置に位置させる。図13では、ロッド77の位置が初期位置である状態が示されている。
【0083】
図14は、第3実施形態の溶融材料供給装置60cが備える吸引部75の動作が模式的に示された説明図である。ロッド77は、ノズル61からの溶融材料の吐出を一時的に中断させる際、ロッド77の先端部77eが分岐流路79内の奥まった位置に位置するように、ロッド駆動部78によって、上述の初期位置から分岐流路79内に瞬発的に引き込まれる。これによって、吸引部75は、第1流路65の溶融材料の一部を分岐流路79へと吸引し、第1流路65内に負圧を発生させ、ノズル61からの溶融材料の流出を一時的に停止させることができる。
【0084】
ノズル61からの溶融材料の吐出を再開するときには、制御部300は、ロッド駆動部78によってロッド77を初期位置へと戻す。これにより、分岐流路79の溶融材料は第1流路65へと流出され、第1流路65の圧力が高められる。従って、ノズル61からの溶融材料の流出が迅速に再開されることができる。
【0085】
以上のように、第3実施形態の三次元造形装置100cによれば、吸引部75が第1流路65内に負圧を発生させることより、ノズル61からの溶融材料の吐出を迅速に停止させることができる。また、ノズル61からの溶融材料の流出を再開させるときには、吸引部75が第1流路65内の圧力を高めるため、溶融材料の吐出の開始タイミングの精度や、溶融材料の吐出の開始時の吐出量の精度が高められる。
【0086】
D.他の形態:
D1.他の形態1:
(1)上記実施形態においては、バタフライバルブ72は、駆動軸76の一部が板状に加工された略正方形の板状部材である。しかし、バタフライバルブは、例えば円形の板状部材のように、他の形状に加工された部材とすることもできる。すなわち、第1位置に配された際に第1流路65の流路を塞ぎ、第2位置もしくは第3位置に配された際に第1流路65内における溶融材料の流量が調整できるものであればよい。
【0087】
(2)上記実施形態においては、バタフライバルブ72は、厚みThが第1流路65の直径Wdの3分の1の厚みである略正方形の板状の部材である。しかし、バタフライバルブの厚みは、これに限定されない。バタフライバルブの厚みは、3分の1未満である態様のほか、3分の1より大きい態様とすることもできる。そのような態様においては、バタフライバルブは、溶融材料の流通による圧力に耐えうる強度で設計され、第1位置に配された際に第1流路65の流路を塞ぎ、第2位置もしくは第3位置に配された際に第1流路65内における溶融材料の流量が調整できる態様とすることができる。
【0088】
(3)上記実施形態においては、駆動軸76は、第1流路65における溶融材料の流通方向Fdと垂直となるように備えられている。しかし、駆動軸は、第1流路における溶融材料の流通方向と垂直でない方向を軸方向としていてもよい。そのような態様においては、例えば、バタフライバルブが開口を有する球体状のバルブである等、駆動軸が中心軸AXを中心に回転されて、溶融材料の流通方向に垂直な面に対して流通方向と平行に投影されるバルブの開口形状が変化することによって、第1位置に配された際に第1流路の流路を塞ぎ、第2位置もしくは第3位置に配された際に第1流路内における溶融材料の流量が調整できる態様とすることができる。
【0089】
D2.他の形態2:
上記実施形態においては、吸引部75は、ロッド77を分岐流路79内で移動させることによって第1流路65内に負圧を発生されている。これに対して、吸引部75は、他の構成によって、第1流路65に負圧を発生させてもよい。吸引部75は、例えば、ポンプによる吸引力によって、分岐流路79内に溶融材料を吸引して、第1流路65内に負圧を発生させてもよい。なお、この構成の場合には、分岐流路79に吸引された溶融材料は、フラットスクリュー40へと循環されて再利用されてもよいし、そのまま装置外部に排出されてもよい。
【0090】
D3.他の形態3:
(1)上記実施形態においては、パージ部80は、第1流路65のうち流量調節機構70が設けられている位置よりもノズル61側(すなわち下流側)に備えられている。しかし、パージ部は、第1流路のうち流量調節機構が設けられている位置よりも上流側に備える態様とすることもできる。そのような態様においては、制御部は、パージ部の駆動によって、第1流路内に残留する溶融材料を吐出した後に、流量調節機構を駆動させて第1流路を塞ぐ制御を行う態様とすることができる。
【0091】
(2)上記実施形態においては、パージ部80が有する送出口86は、第1流路65に設けられた開口である。しかし、送出口は、開口を塞ぐ蓋部を備える態様であってもよい。蓋部は、例えば、第1流路と接する面の中心部から放射状に伸びた切り欠きを備えるゴムで形成される態様とすることができる。
【0092】
(3)上記実施形態において、溶融材料供給装置60は、流量調節機構70およびパージ部80の双方を備える。しかし、パージ部を備えず、流量調節機構のみを備える態様であってもよい。また、溶融材料供給装置は、流量調節機構と、パージ部と、吸引部とを備える態様であってもよいし、流量調節機構と、吸引部とを備え、パージ部を備えない態様であってもよい。
【0093】
D4.その他:
本開示は、上述の実施形態や実施例、変更例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0094】
20…材料供給部、22…連通路、30…溶融部、31…スクリューケース、32…駆動モーター、40…フラットスクリュー、42…溝部、43…凸条部、44…材料流入口、46…中央部、47…フラットスクリューの上面、48…下面(溝形成面)、50…対面部、52…上面(スクリュー対向面)、54…案内溝、56…連通孔、58…ヒーター、60…溶融材料供給装置、60b…溶融材料供給装置、60c…溶融材料供給装置、61…ノズル、62…吐出口、65…第1流路、70…流量調節機構、70b…流量調節機構、72…バタフライバルブ、72b…バタフライバルブ、74…バルブ駆動部、74b…バルブ駆動部、75…吸引部、76…駆動軸、76b…駆動軸、77…ロッド、77e…先端部、78…ロッド駆動部、79…分岐流路、80…パージ部、82…送出路、84…パージ駆動部、86…送出口、100…三次元造形装置、100b…三次元造形装置、100c…三次元造形装置、110…吐出ユニット、200…造形ステージ部、210…テーブル、220…造形台、230…移動機構、300…制御部、AX…中心軸、Dn…孔径、Ef…領域、Fd…流通方向、G…ギャップ、OB…三次元造形物、OBt…上面、RX…回転軸、W1、W1b、W2、W2b、W3、W4、Wd2…幅、Wd…直径
図1
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