IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気株式会社の特許一覧

特許7405247着陸施設、飛行体システム、及び着陸制御方法
<>
  • 特許-着陸施設、飛行体システム、及び着陸制御方法 図1
  • 特許-着陸施設、飛行体システム、及び着陸制御方法 図2
  • 特許-着陸施設、飛行体システム、及び着陸制御方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】着陸施設、飛行体システム、及び着陸制御方法
(51)【国際特許分類】
   B64F 1/00 20060101AFI20231219BHJP
   B64U 70/90 20230101ALI20231219BHJP
【FI】
B64F1/00 Z
B64U70/90
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022514955
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(86)【国際出願番号】 JP2020016754
(87)【国際公開番号】W WO2021210136
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】水本 尚志
(72)【発明者】
【氏名】山下 敏明
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106564610(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0050749(US,A1)
【文献】特開2019-006238(JP,A)
【文献】特開2019-211272(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0090512(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64F 1/00
B64C 39/02
B64D 45/00
B64U 70/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律飛行可能な飛行体が着陸する着陸施設であって、
前記飛行体が着陸する着陸台と、
前記着陸台を上下に駆動させる着陸台駆動機構と、
地上側から前記飛行体の高度を検出するセンサと、
前記高度を示す位置情報に基づいて、前記着陸台駆動機構を制御する制御部と、
前記着陸台の高さを示す着陸台情報を前記飛行体に送信する通信部と、を備え、
前記着陸台は、前記飛行体の回転翼で発生する風を下方に通す構造を有しており、
前記着陸台情報に基づいて、前記飛行体が地面から所定の高さで停止するホバリングを行い、
前記飛行体のホバリング中に、前記着陸台駆動機構が前記着陸台を上昇させることで、前記飛行体を着陸させる着陸施設。
【請求項2】
前記着陸台を囲むように設けられたフェンスを備え、
前記センサがフェンスに取り付けられている請求項1に記載の着陸施設。
【請求項3】
着陸中の前記飛行体の画像を撮像するカメラが設けられており、
前記飛行体に設けられた表示部が、前記カメラで撮像された画像を表示する請求項1、又は2に記載の着陸施設。
【請求項4】
自律飛行可能な飛行体と、
前記飛行体が着陸する着陸台と、
前記着陸台を上下に駆動させる着陸台駆動機構と、
地上側から前記飛行体の高度を示す位置情報を検出するセンサと、
前記センサの位置情報に基づいて、前記着陸台駆動機構を制御する制御部と、
前記着陸台の高さを示す着陸台情報を前記飛行体に送信する送信部と、を備え、
前記着陸台は、前記飛行体の回転翼で発生する風を下方に通す構造を有しており、
前記着陸台情報に基づいて、前記飛行体が地面から所定の高さで停止するホバリングを行い、
前記飛行体のホバリング中に、前記着陸台駆動機構が前記着陸台を上昇させることで、前記飛行体を着陸させる飛行体システム。
【請求項5】
前記着陸台を囲むように設けられたフェンスを備え、
前記センサがフェンスに取り付けられている請求項4に記載の飛行体システム。
【請求項6】
着陸中の前記飛行体の画像を撮像するカメラが設けられており、
前記飛行体が、前記カメラで撮像された画像を表示する表示部を備えている請求項4、又は5に記載の飛行体システム。
【請求項7】
自律飛行可能な飛行体を着陸させる着陸制御方法であって、
地上側に設けられたセンサによって前記飛行体の高度を検出するステップと、
着陸台を、前記高度を示す位置情報に基づいて上昇させるステップと、
前記着陸台の高さを示す着陸台情報を前記飛行体に送信する通信部と、を備え、
前記着陸台は、前記飛行体の回転翼で発生する風を下方に通す構造を有しており、
前記着陸台情報に基づいて、前記飛行体が地面から所定の高さで停止するホバリングを行い、
前記飛行体のホバリング中に、前記着陸台を上昇させることで、前記飛行体を着陸させる着陸制御方法。
【請求項8】
前記着陸台を囲むように設けられたフェンスを備え、
前記センサがフェンスに取り付けられている請求項7に記載の着陸制御方法。
【請求項9】
着陸中の前記飛行体の画像を撮像するカメラが設けられており、
前記飛行体に設けられた表示部が、前記カメラで撮像された画像を表示する請求項7、又は8に記載の着陸制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、着陸施設、飛行体システム、及び着陸制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ヘリコプターの着陸施設が開示されている。着陸装置は、伸縮装置と、結合装置と、高さ確認用のセンサとを備えている。伸縮装置はヘリコプターが伸縮装置の上に接してホバリングしたとき、その先端に取付けられている結合装置を作動させてヘリコプターの機体と結合する。高さ確認用のセンサは、各伸縮装置先端に装着され互いの高さを確認する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6―144395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無人航空機等の飛行体を適切に着陸させる方法が望まれる。
【0005】
本開示の目的は、このような課題を解決するためになされたものであり、適切に飛行体を着陸制御することができる着陸施設、飛行体システム、及び着陸制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる着陸施設は、自律飛行可能な飛行体が着陸する着陸施設であって、前記飛行体が着陸する着陸台と、前記着陸台を上下に駆動させる着陸台駆動機構と、地上側から前記飛行体の高度を検出するセンサと、前記高度を示す位置情報に基づいて、前記着陸台駆動機構を制御する制御部と、前記着陸台の高さを示す着陸台情報を前記飛行体に送信する通信部と、を備えている。
【0007】
本開示にかかる飛行体システムは、自律飛行可能な飛行体と、前記飛行体が着陸する着陸台と、前記着陸台を上下に駆動させる着陸台駆動機構と、地上側から前記飛行体の高度を示す位置情報を検出するセンサと、前記センサの位置情報に基づいて、前記着陸台駆動機構を制御する制御部と、前記着陸台の高さを示す着陸台情報を前記飛行体に送信する送信部と、を備えている。
【0008】
本開示にかかる着陸制御方法は、自律飛行可能な飛行体を着陸させる着陸制御方法であって、地上側に設けられたセンサによって前記飛行体の高度を検出するステップと、着陸台を、前記高度を示す位置情報に基づいて上昇させるステップと、前記着陸台の高さを示す着陸台情報を前記飛行体に送信する通信部と、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、適切に飛行体を着陸制御することができる着陸施設、飛行体システム、及び着陸制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1にかかる飛行体システム1を示す模式図である。
図2】飛行体システム1の制御ブロック図である。
図3】その他の実施の形態にかかる飛行体システムを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
本実施の形態1にかかる着陸施設、及び飛行体システムについて、図1を用い説明する。図1は、飛行体システム1を模式的に示す図である。なお、図1では、説明の簡略化のため、XYZ3次元直交座標系を示している。Zは高度(高さ)を示し、XY平面は水平面を示す。したがって、Z座標は高度に対応し、XY座標が水平位置に対応する。
【0012】
飛行体システム1は、飛行体100と、着陸施設200を備えている。着陸施設200は、フェンス201、センサ202、通信部213、着陸台230、着陸台駆動機構231を備えている。
【0013】
飛行体100は、回転翼101を有する回転翼機である。回転翼101が回転駆動することで揚力、及び推力が発生する。なお、図1では、飛行体100が4枚の回転翼101を有しているが、回転翼数は特に限定されるものではない。
【0014】
飛行体100は、自律飛行可能である。飛行体100は、ドローン、無人飛行機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)、空飛ぶ車(クルマ)などである。飛行体100は垂直離着陸機(Vertical Take-Off and Landing Aircraft, Vtol機)であってもよい。飛行体100はティルトロータ機であってもよい。飛行体100はヘリコプターであってもよい。飛行体100は、荷物などを搭載する無人機であってもよく、搭乗者が搭乗する有人機であってもよい。
【0015】
フェンス201は着陸場所203を規定する。フェンス201は、着陸場所203を囲むように設置されている。つまり、フェンス201の内側が着陸場所203となる。フェンス201を防音フェンスであり、離着陸時の騒音を軽減する防音機能を有している。フェンス201は、透明なポリカーボネイトなどで形成されている。フェンス201の上方は開放している。
【0016】
フェンス201の一部には、回転翼101の回転で発生する風を逃がすための構造等を有していてもよい。例えば、フェンス201の一部がメッシュ構造となっていてもよい。あるいは、フェンス201の一部に開口部など設けられていてもよい。
【0017】
フェンス201は、高さ10m程度となっている。図1では、フェンス201が着陸場所203を囲むように、円形状(円筒状)に形成されているが、フェンス201の形状は特に限定されるものではない。例えば、上面視におけるフェンス201の形状は、X方向に数十m、Y方向に数十m程度の矩形となっていてもよい。
【0018】
センサ202には、フェンス201が取り付けられている。センサ202は、例えば、レーザ、カメラ、LiDAR(Light Detection and Ranging)、レーザセンサ、距離センサ等である。センサ202は、フェンス201内に配置されている。センサ202は、飛行中の飛行体100の高度及び水平位置を検出するために、フェンス201に設けられている。センサ202は、フェンス201内を飛行中の飛行体100の位置を検出する。つまり、着陸中において、センサ202は、飛行体100の位置をトラッキングしている。
【0019】
また、図1では、フェンス201には、1つのセンサ202が配置されているが、複数のセンサ202が配置されていてもよい。複数のセンサは、フェンス201内の異なる位置に設置されていてもよい。さらに、異なるタイプのセンサを組み合わせて、飛行体100の位置を推定してもよい。複数のセンサを用いることで、位置の検出精度を向上することができる。
【0020】
着陸場所203には、着陸台230が設けられている。着陸台230は、着陸台駆動機構231により昇降する昇降台である。着陸台230の上面は、水平な平面となっている。着陸台230は、着陸場所203を構成している。つまり、着陸台230の上面が着陸場所203となる。飛行体100は着陸台230の上に着陸する。
【0021】
着陸台230はフェンス201に囲まれている。着陸台230には、飛行体100の回転翼101で発生する風を下方に通す構造を有している。例えば、着陸台230の少なくとも一部はメッシュ構造を有している。あるいは、着陸台230の一部に開口部が設けられていてもよい。
【0022】
着陸台駆動機構231は、モータなどのアクチュエータを有しており、着陸台230を上下(Z方向)に移動させる。
【0023】
通信部213は、センサ202で検出された飛行体100の高度及び水平位置を含む位置情報を飛行体100に送信する。さらに、通信部213は、着陸台230の高さを示す着陸台情報を飛行体100に送信する。例えば、通信部213は、着陸台駆動機構231の駆動量から着陸台230の高さを求めて、飛行体100に送信する。
【0024】
飛行体100は、着陸場所203内の着陸台230に着陸する。例えば、飛行体100は、着陸場所203の真上まで移動した後、徐々に高度を下げていく。飛行体100は着陸場所203を示す位置座標を記憶している。したがって、飛行体100は、離陸場所から着陸場所203を示すXY座標に向けて自律飛行する。もちろん、離陸場所と着陸場所は同じであってもよい。
【0025】
図2は、飛行体システム1の制御ブロック図を示す。飛行体100は、飛行制御部111、駆動機構112、機体側通信部113、機体側センサ114、表示部115、バッテリ116を備えている。
【0026】
飛行制御部111は、各構成要素を制御する。例えば、駆動機構112は、回転翼101及びそのモータを備えており、飛行するための揚力や推力を発生させる。飛行制御部111は、駆動機構112を制御するための駆動信号を出力する。図1に示す例では、駆動機構112が4つの回転翼101が独立に駆動するように、飛行制御部111が駆動機構112を制御する。飛行制御部111は、着陸場所203の座標をメモリなどに格納している。飛行制御部111は、飛行体100が着陸場所203の上空まで自律飛行するように、駆動機構112を制御する。飛行制御部111は、後述する位置情報及び着陸台情報に基づいて、駆動機構112を制御する。
【0027】
機体側通信部113は、地上側、つまり、着陸施設200と無線通信を行う。機体側通信部113は、例えば、5G、4G、Wi-Fi(登録商標)、BlueTooth(登録商標)等の通信規格に沿った処理を行う。機体側通信部113は、無線信号を地上側に送信する。機体側通信部113は、地上側から無線信号を受信する。これにより、飛行体100と着陸施設200との間でデータや情報の送受信が可能となる。
【0028】
機体側センサ114は、飛行体100の飛行状態に関する情報を検出する。機体側センサ114は、例えば、機体の姿勢を検出するジャイロセンサなどを有している。さらに、機体の位置を検出する位置センサを有していてもよい。位置センサとしては、例えば、GPS等の衛星測位センサなどを用いることができる。飛行制御部111は、機体側センサ114の検出に基づいて、駆動機構112を制御する。これにより、飛行体100が着陸位置204の上空まで自律飛行することができる。また、機体側センサ114は、飛行体100の周辺を撮像するカメラを含んでいてもよい。機体側センサ114は、一つに限られるものでなく、複数のセンサを含んでいてもよい。
【0029】
表示部115は、搭乗者やユーザに対して、飛行中のカメラ画像を表示する。なお、カメラは、機体側に搭載されていてもよく、地上側に設けられていてもよい。カメラは、機体側センサ114に含まれていてもよく、地上側のセンサ202に含まれていてもよい。機体側のカメラが飛行体100の周辺の画像を撮像する。例えば、着陸時において飛行体100は上空から、着陸施設200の画像を撮像する。
【0030】
あるいは、地上側のカメラが着陸中の飛行体100の画像を撮像する。つまり、地上側のカメラが飛行体100の降下の状況を撮像する。そして、降下の状況を搭乗者や操縦者に対して、表示部115は表示する。表示部115は、AR(Augmented Reality)により降下の状況を出力させることも可能である。なお、無人機の場合、表示部115は省略可能である。バッテリ116は各機器に電力を供給する。
【0031】
着陸施設200は、飛行体100が着陸する場所である。また、着陸施設200は飛行体100が離陸する場所でもよい。例えば、飛行体100は着陸施設200に着陸した後、着陸施設200から離陸する。着陸施設200は、センサ202、制御部211、通信部213を備えている。センサ202は、上記の通り、飛行中の飛行体100の位置を検出する。センサ202は、着陸場所203内及び着陸場所203の上空がセンシング範囲となっている。したがって、センサ202は、着陸中の飛行体100の水平位置及び高度を検出する。
【0032】
制御部211は、センサ202の検出結果に基づいて、着陸台駆動機構231を制御する。例えば、制御部211からの制御信号に基づいて、着陸台駆動機構231が着陸台230を昇降させる。着陸時には、着陸台駆動機構231が飛行体100の高度まで上昇することで、飛行体100が着陸台230上に着陸する。
【0033】
通信部213は、飛行体100の高度を示す位置情報を飛行体100に送信する。さらに、通信部213は、着陸台230の高さを示す着陸台情報を飛行体100に送信する。制御部211と通信部213は一体的に形成された回路であってもよい。通信部213は、フェンス201内に設置されていてもよい。
【0034】
本実施の形態にかかる着陸制御方法では、地上側に設けられたセンサ202によって飛行体100の高度を検出する。飛行体100の回転翼で発生する風を下方に通す構造を有する着陸台230を、着陸台駆動機構231が高度を示す位置情報に基づいて上昇させる。通信部213が着陸台230の高さを示す着陸台情報を飛行体100に送信する。
【0035】
着陸制御の具体的な一例について説明する。センサ202は、飛行体100の高度を検出する。通信部213は、センサ202で検出された高度を示す位置情報を飛行体100に送信する。飛行制御部111は、高度を示す位置情報に基づいて、駆動機構112を制御する。飛行制御部111は、飛行体100が所定の高度まで下降したら、ホバリングする。これにより、飛行体100が所定の高度で停止する。ホバリング高度は、地面から3~4m程度とすることができる。ホバリング中に、着陸台駆動機構231が、着陸台230を上昇させていく。つまり、ホバリング中の飛行体100の高度まで、着陸台230が上昇する。これにより、飛行体100が着陸台230の上に着陸する。
【0036】
通信部213は、着陸台230の高さを示す着陸台情報を飛行体100に送信している。つまり、通信部213により着陸台情報により、着陸台230の接近情報を飛行体100が受信する。飛行体100は、着陸台情報に基づいてホバリングする。着陸台230の高さが飛行体100の高度に到達したら、飛行制御部111が駆動機構112を停止させる。これにより、回転翼101の回転が停止する。飛行体100が有人機の場合、搭乗者が着陸台230の上に降りる。さらに、着陸台駆動機構231が着陸台230を地面の高さまで下降させる。
【0037】
このように、地面から高い位置で、飛行体100が着陸台230に着陸している。これにより、循環流の影響を低減することができる。よって、適切に飛行体100を着陸場所203に着陸させることができる。飛行体100が所定の高さでホバリングする制御を行うだけでよいため、飛行体100の燃料消費を抑制することができる。さらに、離陸時において、地面からの騒音を低減することができる。通信部213は、着陸台230の高さを示す着陸台情報を飛行体100に送信している。例えば、飛行体100は、着陸台230からの高さに応じて、ホバリング制御を行うことができる。飛行体100をより適切に着陸させることができる。
【0038】
このようにすることで、自律飛行可能な飛行体100を適切に着陸することができる。具体的には、フェンス201に設けられたセンサ202が着陸中の飛行体100の位置情報を検出している。よって、衛星測位システムを用いて位置情報を検出する場合よりも高精度に位置を検出することができる。例えば、衛星測位システムでは位置の測定誤差が大きい。さらに、着陸場所203を囲むようにフェンス201がある場合、衛星信号を受信できないおそれがある。また、ビーコンでは水平位置及び高度を高い精度で検出することが困難である。さらに、センシング範囲も限定される。
【0039】
本実施の形態では、フェンス201内にセンサ202が設けられているため、着陸施設内に着陸中の飛行体の水平位置及び高度を精度よく検出することができる。さらに、着陸場所203を囲むようにフェンス201が設けられているため、離陸時の騒音を低減することができる。また、安全性を高めることができる。効率よく着陸できるため、燃料消費を抑制することができる。
【0040】
また、離陸時には、着陸台駆動機構231が着陸台230を所定の高さまで上昇させる。着陸台230が所定の高さまで上昇したら、飛行体100が離陸する。これにより、飛行体100を所定の高さから離陸させることができる。さらに、離陸時において、地面からの騒音を低減することができる。さらに、着陸時と同様に、離陸時においても騒音を低減することができる。なお、飛行体100を離着陸させる高さとしては、地表から3~4m程度とすることができる。
【0041】
なお、上記の説明では、着陸台駆動機構231は着陸台230を上下方向だけでなく、水平方向に移動させてもよい。例えば、飛行体100の水平位置を示す位置情報に基づいて、制御部211が、着陸台駆動機構231を制御する。これにより、着陸台230の所定の位置に飛行体100を着陸させることができる。
【0042】
その他の実施の形態.
その他の実施の形態にかかる着陸施設200について、図3を用い説明する。図3は、着陸施設200を示すブロック図である。着陸施設200は、自律飛行可能な飛行体が着陸する着陸施設である。着陸施設200は、着陸台230と、着陸台駆動機構231と、と、センサ202と、制御部211と、通信部213とを備えている。着陸台230は、前記飛行体が着陸する。着陸台駆動機構231は、着陸台230を上下に駆動させる。センサ202は、地上側から飛行体の高度を検出する。制御部211は、高度を示す位置情報に基づいて、着陸台駆動機構231を制御する。通信部213は、着陸台230の高さを示す着陸台情報を飛行体に送信する。これにより、飛行体100を適切に着陸させることができる。
【0043】
なお、飛行制御部111、及び制御部211の少なくとも一部の制御は、プロセッサがコンピュータプログラムを実行することにより、実現されていてもよい。上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0044】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0045】
100 飛行体
101 回転翼
111 飛行制御部
112 駆動機構
113 機体側通信部
114 機体側センサ
115 表示部
116 バッテリ
200 着陸施設
201 フェンス
202 センサ
203 着陸場所
211 制御部
213 通信部
230 着陸台
231 着陸台駆動機構
図1
図2
図3