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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】カメラモジュール
(51)【国際特許分類】
   G03B 15/00 20210101AFI20231219BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20231219BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20231219BHJP
   G02B 13/04 20060101ALI20231219BHJP
   G03B 11/04 20210101ALI20231219BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20231219BHJP
   G03B 17/55 20210101ALI20231219BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20231219BHJP
   G03B 37/00 20210101ALI20231219BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20231219BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20231219BHJP
【FI】
G03B15/00 V
B60R11/02 Z
G02B7/02 B
G02B7/02 D
G02B13/04
G03B11/04 C
G03B15/00 W
G03B17/02
G03B17/55
G03B30/00
G03B37/00 A
H04N23/50
H04N23/57
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023012183
(22)【出願日】2023-01-30
(62)【分割の表示】P 2021168404の分割
【原出願日】2017-11-30
(65)【公開番号】P2023058543
(43)【公開日】2023-04-25
【審査請求日】2023-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2017073643
(32)【優先日】2017-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017169804
(32)【優先日】2017-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017212156
(32)【優先日】2017-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017214140
(32)【優先日】2017-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】古武 泰樹
(72)【発明者】
【氏名】西岡 健
(72)【発明者】
【氏名】清水 信寿
(72)【発明者】
【氏名】梶野 陽一
(72)【発明者】
【氏名】山口 一馬
(72)【発明者】
【氏名】近多 健輔
(72)【発明者】
【氏名】風間 剛支
(72)【発明者】
【氏名】益井 窓爾
【審査官】藏田 敦之
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 15/00
B60R 11/02
G02B 7/02
G02B 13/04
G03B 11/04
G03B 17/02
G03B 17/55
G03B 30/00
G03B 37/00
H04N 23/50
H04N 23/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(2)においてウインドシールド(3)の内側に装着されて前記車両の外界(5)を撮像するように構成されるカメラモジュール(1)であって、
前記外界からの光像が入射するレンズユニット(33)と、
前記レンズユニットを通して前記光像が結像されることにより、前記外界を撮像するイメージャ(34)と、
前記イメージャからの出力を画像処理する撮像回路(52)の実装された撮像基板(7051)と、
前記撮像基板を収容する空間(7310)を画成しており、放熱性及び導電性のうち少なくとも一方である特定性質の充填材(7038)が当該空間に充填されているホルダ(7031)と、
前記ホルダを収容しており、前記充填材と接続される金属製のカメラケーシング(3020)とを、備え
前記カメラケーシングに収容される前記レンズユニット及び前記ホルダのうち少なくとも前記レンズユニットは、前記撮像基板と接続される前記特定性質の接着材(8039)により、前記カメラケーシングに対して接着されており、
前記カメラケーシングは、前記レンズユニットを前記カメラケーシング外へ露出させる貫通孔(216)を、有し、
前記接着材は、前記貫通孔と前記レンズユニットとの間を埋めているカメラモジュール。
【請求項2】
前記カメラケーシングは、前記接着材及び前記充填材を介して前記撮像基板と接続される請求項に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
車両(2)においてウインドシールド(3)の内側に装着されて前記車両の外界(5)を撮像するように構成されるカメラモジュール(1)であって、
前記外界からの光像が入射するレンズユニット(33)と、
前記レンズユニットを通して前記光像が結像されることにより、前記外界を撮像するイメージャ(34)と、
前記イメージャからの出力を画像処理する撮像回路(52)の実装された撮像基板(7051)と、
前記撮像基板を収容しているホルダ(7031)と、
前記レンズユニット及び前記ホルダを収容しており、放熱性及び導電性のうち少なくとも一方である特定性質の接着材(8039)として、前記撮像基板と接続される接着材により、前記レンズユニット及び前記ホルダのうち少なくとも前記レンズユニットが接着されている金属製のカメラケーシング(3020)とを、備え
前記カメラケーシングは、前記レンズユニットを前記カメラケーシング外へ露出させる貫通孔(216)を、有し、
前記接着材は、前記貫通孔と前記レンズユニットとの間を埋めているカメラモジュール。
【請求項4】
前記レンズユニットは、広角レンズ(36,2036)を含んでなる請求項1~3のいずれか1項に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記カメラケーシング(6020)は、前記ウインドシールドと対向するように配置される放熱性の対向壁部(6210)を、有する請求項1~4のいずれか1項に記載のカメラモジュール
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カメラモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両においてウインドシールドの内側に装着されて車両の外界を撮像するように構成されるカメラモジュールは、広く知られている。こうしたカメラモジュールとしては、特許文献1に開示のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5316562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の対象となるカメラモジュールの1種として、先述の特許文献1に開示されたものでは、外界からの光がレンズを通して車載カメラに入射することで、外界が撮像される。
【0005】
近年、車両の先進運転支援又は自動運転に向けてカメラモジュールには、外界の広い範囲を画像認識可能に撮像することが要求されるようになってきている。特に、車両が信号機に近接した状態では、車両よりも上側の信号機を画像認識可能に撮像することが要求される。
【0006】
このような要求に応える解決策としては、画角の広い広角レンズを通して外界を撮像する技術の採用が考えられる。しかし、外界を画像認識可能に撮像するために、広角レンズを通しての明るさ及び分解能を確保しようとすると、広角レンズのサイズを大きくする必要性が生じる。その結果、広角レンズを含むカメラモジュールとしての体格は大型化するので、大型化したカメラモジュールがウインドシールドの内側にて外界に対する車両乗員の視界を妨げる懸念があった。
【0007】
さて、例えば広角レンズの使用等により外界の撮像対象範囲が拡大していくと、車載カメラからの出力に対する画像処理量が増大する。その結果、画像処理量の増大に伴って、車載カメラからの出力を画像処理する回路の実装基板にて発熱量も増大するため、放熱性を高めることが考えられる。また、画像処理量の増大に伴って、車載カメラからの出力を画像処理する回路の実装基板にて高速高周波化が進むと、ノイズも増大するため、電磁環境適合性(EMC:Electro-Magnetic Compatibility)を高めることが考えられる。
【0008】
ところで、レンズの画角を広げるほど、レンズへ入射する余剰光は増加していく。そのため、フードを使用することが考えられる。しかし、単にレンズの画角に対する大きさでフードを形成するだけでは、フードを含むカメラモジュールが大型化してしまい、ウインドシールドの内側にて外界に対する車両乗員の視界を妨げる懸念があった。
【0009】
以上より本開示の課題の1つは、外界を画像認識可能に撮像する新規構造のカメラモジュールを、提供することにある。
【0010】
また本開示の課題の1つは、広角レンズを含む小型のカメラモジュールを、提供することにある。
【0011】
また本開示の課題の1つは、放熱性の高いカメラモジュールを、提供することにある。さらに本開示の課題の1つは、EMCの高いカメラモジュールを、提供することにある。
【0012】
また本開示の課題の1つは、フードを含む小型のカメラモジュールを、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示は、新規構造のカメラモジュールを提供する。そこで以下では、課題を解決するための本開示の技術的手段について、説明する。尚、本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0014】
上述の課題を解決するために開示された第1態様は、
車両(2)においてウインドシールド(3)の内側に装着されて車両の外界(5)を撮像するように構成されるカメラモジュール(1)であって、
広角レンズ(36,2036)を含んでなるレンズユニット(33)と、
外界からの光像がレンズユニットを通して結像されることにより、外界を撮像するイメージャ(34)とを、備え、
広角レンズは、外界側に広角光学面(360,2360)を、有し、
広角レンズにおける光軸(Aw)の下側よりも当該光軸の上側にて、広角光学面のサイズが大きい。
【0015】
第1態様のレンズユニットによると、車両外界からの光像をイメージャに結像させる広角レンズが外界側に有する広角光学面のサイズは、広角レンズにおける光軸の下側よりも当該光軸の上側にて大きい。これによれば、車両が映り易い光軸の下側よりも、車両が映り難い光軸の上側にて、広角光学面のサイズが大きくなる。故に、広角光学面のサイズが大きくなる上側では、外界のうち車両よりも上側範囲を画像認識可能に撮像することができる。また一方、車両により外界の撮像対象範囲が制限される下側では、広角光学面のサイズが小さくなっても当該範囲内での撮像は担保され得ることから、カメラモジュールの小型化を図ることができる。
【0016】
上述の課題を解決するために開示された第2態様は、
車両(2)においてウインドシールド(3)の内側に装着されて車両の外界(5)を撮像するように構成されるカメラモジュール(1)であって、
後段レンズ(371,372,373,374,375)よりも外界側の前段に広角レンズ(36,2036)を組み合わせて構成されているレンズユニット(33)と、
外界からの光像がレンズユニットを通して結像されることにより、外界を撮像するイメージャ(34)とを、備え、
広角レンズは、外界側に広角光学面(360,2360)を、有し、
広角レンズの主点(Pp)を通る後段レンズの光軸(Al)の下側よりも当該光軸の上側にて、広角光学面のサイズが大きい。
【0017】
第2態様のレンズユニットによると、車両外界からの光像をイメージャに結像させる広角レンズが外界側に有する広角光学面のサイズは、広角レンズの主点を通る後段レンズの光軸の下側よりも当該光軸の上側にて大きい。これによれば、車両が映り易い光軸の下側よりも、車両が映り難い光軸の上側にて、広角光学面のサイズが大きくなる。故に、広角光学面のサイズが大きくなる上側では、外界のうち車両よりも上側範囲を画像認識可能に撮像することができる。また一方、車両により外界の撮像対象範囲が制限される下側では、広角光学面のサイズが小さくなっても当該範囲内での撮像は担保され得ることから、カメラモジュールの小型化を図ることができる。
【0018】
上述の課題を解決するために開示された第3態様は、
車両(2)においてウインドシールド(3)の内側に装着されて車両の外界(5)を撮像するように構成されるカメラモジュール(1)であって、
広角レンズ(36,2036)を含んでなるレンズユニット(33)と、
外界からの光像がレンズユニットを通して結像されることにより、外界を撮像するイメージャ(34)とを、備え、
広角レンズは、外界側に広角光学面(360,2360)を、有し、
広角レンズの光軸(Aw)よりも上側に、広角光学面の幾何中心(Cwg)がずれている。
【0019】
第3態様のレンズユニットによると、車両外界からの光像をイメージャに結像させる広角レンズが外界側に有する広角光学面の幾何中心は、広角レンズの光軸よりも上側にずれている。これによれば、車両が映り易い光軸よりも下側ではなく、車両が映り難い光軸よりも上側に、広角光学面の幾何中心が位置ずれすることになる。故に、幾何中心のずれ量に応じて広角光学面のサイズが下側よりも大きくなる上側では、外界のうち車両よりも上側範囲を画像認識可能に撮像することができる。また一方、車両により外界の撮像対象範囲が制限される下側では、幾何中心のずれ量に応じて広角光学面のサイズが小さくなっても当該範囲内での撮像は担保され得ることから、カメラモジュールの小型化を図ることができる。
【0020】
上述の課題を解決するために開示された第4態様は、
車両(2)においてウインドシールド(3)の内側に装着されて車両の外界(5)を撮像するように構成されるカメラモジュール(1)であって、
後段レンズ(371,372,373,374,375)よりも外界側の前段に広角レンズ(36,2036)を組み合わせて構成されているレンズユニット(33)と、
外界からの光像がレンズユニットを通して結像されることにより、外界を撮像するイメージャ(34)とを、備え、
広角レンズは、外界側に広角光学面(360,2360)を、有し、
広角レンズの主点(Pp)を通る後段レンズの光軸(Al)よりも上側に、広角光学面の幾何中心(Cwg)がずれている。
【0021】
第4態様のレンズユニットによると、車両外界からの光像をイメージャに結像させる広角レンズが外界側に有する広角光学面の幾何中心は、広角レンズの主点を通る後段レンズの光軸よりも上側にずれている。これによれば、車両が映り易い光軸よりも下側ではなく、車両が映り難い光軸よりも上側に、広角光学面の幾何中心が位置ずれすることになる。故に、幾何中心のずれ量に応じて広角光学面のサイズが下側よりも大きくなる上側では、外界のうち車両よりも上側範囲を画像認識可能に撮像することができる。また一方、車両により外界の撮像対象範囲が制限される下側では、幾何中心のずれ量に応じて広角光学面のサイズが小さくなっても当該範囲内での撮像は担保され得ることから、カメラモジュールの小型化を図ることができる。
【0022】
上述の課題を解決するために開示された第5態様は、
車両(2)においてウインドシールド(3)の内側に装着されて車両の外界(5)を撮像するように構成されるカメラモジュール(1)であって、
外界からの光像が入射するレンズユニット(33)と、
レンズユニットを通して光像が結像されることにより、外界を撮像するイメージャ(34)と、
イメージャからの出力を画像処理する撮像回路(52)の実装された撮像基板(51,7051)、並びに撮像基板と接続されるフレキシブル基板(3053,4053)を、組み合わせて構成されている回路ユニット(3050,4050,7050)と、
回路ユニットを収容しており、フレキシブル基板と接続される金属製のカメラケーシング(3020,5020,6020)とを、備える。
【0023】
第5態様の回路ユニットによると、金属製カメラケーシングに収容且つ接続のフレキシブル基板は、画像処理する撮像回路の実装された撮像基板に対して、接続される。これによれば、撮像基板に発生した熱及びノイズのうち少なくとも一方は、フレキシブル基板を介してカメラケーシングへと逃がされ得る。故に、放熱性及びEMCのうち少なくとも一方を高めることができる。
【0024】
上述の課題を解決するために開示された第6態様は、
車両(2)においてウインドシールド(3)の内側に装着されて車両の外界(5)を撮像するように構成されるカメラモジュール(1)であって、
外界からの光像が入射するレンズユニット(33)と、
レンズユニットを通して光像が結像されることにより、外界を撮像するイメージャ(34)と、
イメージャからの出力を画像処理する撮像回路(52)の実装された撮像基板(7051)と、
撮像基板を収容する空間(7310)を画成しており、放熱性及び導電性のうち少なくとも一方である特定性質の充填材(7038)が当該空間に充填されているホルダ(7031)と、
ホルダを収容しており、充填材と接続される金属製のカメラケーシング(3020)とを、備え
カメラケーシングに収容されるレンズユニット及びホルダのうち少なくともレンズユニットは、撮像基板と接続される特定性質の接着材(8039)により、カメラケーシングに対して接着されており、
カメラケーシングは、レンズユニットをカメラケーシング外へ露出させる貫通孔(216)を、有し、
接着材は、貫通孔とレンズユニットとの間を埋めている。
【0025】
第6態様によると、放熱性及び導電性のうち少なくとも一方である特定性質の充填材として、金属製カメラケーシングに接続の充填材が充填されているホルダの画成空間は、画像処理する撮像回路の実装された撮像基板を、収容する。これによれば、撮像基板に発生した熱及びノイズのうち少なくとも一方は、充填材を介してカメラケーシングへと逃がされ得る。故に、放熱性及びEMCのうち少なくとも一方を高めることができる。
【0026】
上述の課題を解決するために開示された第7態様は、
車両(2)においてウインドシールド(3)の内側に装着されて車両の外界(5)を撮像するように構成されるカメラモジュール(1)であって、
外界からの光像が入射するレンズユニット(33)と、
レンズユニットを通して光像が結像されることにより、外界を撮像するイメージャ(34)と、
イメージャからの出力を画像処理する撮像回路(52)の実装された撮像基板(7051)と、
撮像基板を収容しているホルダ(7031)と、
レンズユニット及びホルダを収容しており、放熱性及び導電性のうち少なくとも一方である特定性質の接着材(8039)として、撮像基板と接続される接着材により、レンズユニット及びホルダのうち少なくともレンズユニットが接着されている金属製のカメラケーシング(3020)とを、備え
カメラケーシングは、レンズユニットをカメラケーシング外へ露出させる貫通孔(216)を、有し、
接着材は、貫通孔とレンズユニットとの間を埋めている。
【0027】
第7態様によると、放熱性及び導電性のうち少なくとも一方である特定性質の接着材は、画像処理する撮像回路の実装された撮像基板との接続状態下、金属製カメラケーシングの収容するレンズユニット及びアセンブリホルダのうち少なくとも一方を、同ケーシングに対して接着させる。これによれば、撮像基板に発生した熱及びノイズのうち少なくとも一方は、接着材を介してカメラケーシングへと逃がされ得る。故に、放熱性及びEMCのうち少なくとも一方を高めることができる。
【0028】
上述の課題を解決するために開示された第8態様は、
車両(2)においてウインドシールド(3)の内側に装着されて車両の外界(5)を撮像するように構成されるカメラモジュール(1)であって、
外界からの光像が入射するレンズユニット(33)と、
レンズユニットを通して光像が結像されることにより、外界を撮像するイメージャ(34)と、
外界のうちイメージャによる撮像対象範囲外からレンズユニットへの余剰光の入射を規制するフード(9040,10040,11040,12040,17040)とを、備え、
撮像対象範囲内にてレンズユニットよりも小さな水平画角範囲を規定するテーパ角(θ1)をもってレンズユニットへ入射する下光線(L1)がウインドシールドと交差すると仮想される点を、仮想交点(I1)と定義すると、
フードは、
撮像対象範囲内からレンズユニットへ光像を導く撮像空間(410)を空けてウインドシールドと対向するように配置されるベース壁部(9041,41)と、
撮像空間の側方にてベース壁部から立設されており、レンズユニットの周囲から仮想交点へ向かって広がるように形成されている側壁部(9043,10043,11043,12043)とを、有する。
【0029】
第8態様のフードによると、外界のうちイメージャによる撮像対象範囲外からは、レンズユニットへの余剰光入射が規制されることになる。これによれば、撮像対象範囲内からの正規の光像に余剰光が重畳して撮像を妨げる事態の抑制を、図ることができる。
【0030】
ここで特に第8態様のフードによると、撮像空間を空けてウインドシールドと対向するように配置のベース壁部から撮像空間の側方にて立設される側壁部は、車両においてレンズユニットの周囲から仮想交点へ向かって広がる状態となる。これによれば、フードが小さく形成されても、仮想交点にてウインドシールドと交差する下光線は、撮像対象範囲内にてレンズユニットよりも小さな水平画角範囲を規定するテーパ角での入射を、側壁部によっては遮られ難くなる。故に、正規光像を撮像可能なテーパ角を確保するフードを含んだカメラモジュールにつき、小型化を図ることができる。
【0031】
上述の課題を解決するために開示された第9態様は、
車両(2)においてウインドシールド(3)の内側に装着されて車両の外界(5)を撮像するように構成されるカメラモジュール(1)であって、
外界からの光像が入射するレンズユニット(33)と、
レンズユニットを通して光像が結像されることにより、外界を撮像するイメージャ(34)と、
外界のうちイメージャによる撮像対象範囲外からレンズユニットへの余剰光の入射を規制するフード(18040,19040)とを、備え、
フードは、
撮像対象範囲内からレンズユニットへ光像を導く撮像空間(410)を空けてウインドシールドと対向するように配置されるベース壁部(9041)と、
撮像空間の側方にてベース壁部から立設されている側壁部(18043)とを、有し、
レンズユニットの光軸(Aw,Al)を含むように水平方向に沿って仮想される平面を、仮想平面(Si)と定義すると、
側壁部は、仮想平面上においてレンズユニットのレンズ画角(θw)の縁を避ける高さに、形成されている。
【0032】
第9態様のフードによると、外界のうちイメージャによる撮像対象範囲外からは、レンズユニットへの余剰光入射が規制されることになる。これによれば、撮像対象範囲内からの正規の光像に余剰光が重畳して撮像を妨げる事態の抑制を、図ることができる。
【0033】
ここで特に第9態様のフードによると、撮像空間を空けてウインドシールドと対向するように配置のベース壁部から撮像空間の側方にて立設される側壁部は、仮想平面上ではレンズユニットのレンズ画角の縁を避ける高さに、形成されている。これによれば、フードが小さく形成されても、レンズユニットの光軸を含むように水平方向に沿って仮想される仮想平面上及びそれよりもウインドシールド側(即ち、上側)では少なくとも、撮像対象範囲内からの光像の入射が遮られ難くなる。故に、レンズ画角内にて正規光像を撮像可能にするフードを含んだカメラモジュールにつき、小型化を図ることができる。
【0034】
上述の課題を解決するために開示された第10態様は、
車両のウインドシールド(3)の内側に取り付けられるカメラモジュール(20001)であって、
ウインドシールドの内側から車両の外側を撮像可能な位置に配置される広角レンズ(20036)と、
車両の車室内からの光がウインドシールドの内側で反射して広角レンズに入射することを防ぐフード(20040)とを、備え、
フードは、ウインドシールドの内側への取り付け状態においてウインドシールドに向かって立設する2つの側壁部(20043)を、有し、
各側壁部の鉛直方向の高さは、広角レンズの光軸(Aw)を含むように水平方向に沿って仮想される仮想平面(Si)上での広角レンズの画角(θ)の縁を遮らない高さである。
【0035】
第10態様の構成であれば、フードを小型化しても、少なくとも広角レンズの光軸を含む仮想平面上においては、撮像可能な範囲がフードによって遮られない。したがって、フードを含むカメラモジュールの小型化を図りつつ、広角レンズに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】第1実施形態によるカメラモジュールが適用される車両を示す前面図である。
図2】第1実施形態によるカメラモジュールを示す断面図である。
図3】第1実施形態によるカメラモジュールを示す斜視図である。
図4】第1実施形態によるカメラモジュールを示す側面図である。
図5】第1実施形態によるカメラケーシングを示す斜視図である。
図6】第1実施形態によるイメージアセンブリ及び回路ユニットを示す側面図である。
図7】第1実施形態によるイメージアセンブリ及び回路ユニットを示す斜視図である。
図8】第1実施形態により生成される外界画像を示す正面模式図である。
図9】第1実施形態によるレンズユニットを示す断面図である。
図10】第1実施形態によるレンズユニットを示す斜視図である。
図11】第1実施形態による広角レンズを示す前面図である。
図12】第1実施形態によるイメージャを示す前面図である。
図13】第2実施形態によるレンズユニットを示す断面図である。
図14】第3実施形態によるカメラモジュールを示す断面図である。
図15】第4実施形態によるカメラモジュールを示す断面図である。
図16】第5実施形態によるカメラモジュールを示す断面図である。
図17】第6実施形態によるカメラモジュールを示す断面図である。
図18】第7実施形態によるカメラモジュールを示す断面図である。
図19】第8実施形態によるカメラモジュールを示す断面図である。
図20】第8実施形態によるカメラモジュールを示す斜視図である。
図21】第9実施形態によるカメラモジュールを示す断面図である。
図22】第9実施形態によるカメラモジュールを示す斜視図である。
図23】第9実施形態によるブラケットアセンブリ及びフードを示す斜視図である。
図24】第9実施形態によるブラケットアセンブリ及びフードを示す上面図である。
図25】第9実施形態による制御機能を説明するための正面模式図である
図26】第9実施形態による車両の制御機能を説明するための上面模式図である。
図27】第9実施形態によるフードの構造を説明するための上面模式図である。
図28】第9実施形態による車両の制御機能を説明するための側面模式図である。
図29】第9実施形態によるフードの構造を説明するための側面模式図である。
図30】第10実施形態によるブラケットアセンブリ及びフードを示す斜視図である。
図31】第10実施形態によるブラケットアセンブリ及びフードを示す上面図である。
図32】第11実施形態によるブラケットアセンブリ及びフードを示す部分断面斜視図である。
図33】第12実施形態によるブラケットアセンブリ及びフードを示す斜視図である。
図34】第12実施形態によるブラケットアセンブリ及びフードを示す上面図である。
図35】第13実施形態によるカメラモジュールを示す断面図である。
図36】第13実施形態によるブラケットアセンブリ及びフードを、カメラカバーと共に示す斜視図である。
図37】第13実施形態によるブラケットアセンブリ及びフードを、カメラカバーと共に示す上面図である。
図38】第14実施形態によるカメラモジュールを示す断面図である。
図39】第14実施形態によるカメラモジュールを示す斜視図である。
図40】第15実施形態によるカメラモジュールを示す斜視図である。
図41】第15実施形態によるフードを示す斜視図である。
図42】第16実施形態によるカメラモジュールを示す断面図である。
図43】第17実施形態によるカメラモジュールを示す断面図である。
図44】第18実施形態によるカメラモジュールを示す断面図である。
図45】第18実施形態によるカメラモジュールを示す斜視図である。
図46】第18実施形態によるブラケットアセンブリ及びフードを示す斜視図である。
図47】第18実施形態によるブラケットアセンブリ及びフードを示す上面図である。
図48】第19実施形態によるカメラモジュールを示す斜視図である。
図49】第20実施形態によるカメラモジュールを示す斜視図である。
図50】第20実施形態によるカメラモジュールを示す側面図である。
図51】第20実施形態によるカメラモジュールを示す上面図である。
図52】第20実施形態に対する比較例のカメラモジュールを示す斜視図である。
図53】第20実施形態によるカメラモジュールの図49とは異なるフード形状を示す斜視図である。
図54図13の変形例を示す断面図である。
図55図13の変形例を示す断面図である。
図56図9の変形例を示す断面図である。
図57図11の変形例を示す前面図である。
図58図21の変形例を示す断面図である。
図59図14の変形例を示す断面図である。
図60図14の変形例を示す断面図である。
図61図15の変形例を示す断面図である。
図62図15の変形例を示す断面図である。
図63図41の変形例を示す斜視図である。
図64図18の変形例を示す断面図である。
図65図19の変形例を示す断面図である。
図66図19の変形例を示す断面図である。
図67図9の変形例を示す断面図である。
図68図24の変形例を示す上面図である。
図69図24の変形例を示す上面図である。
図70図23の変形例を示す上面図である。
図71図24の変形例を示す上面図である。
図72図24の変形例を示す上面図である。
図73図24の変形例を示す上面図である。
図74図40の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本開示による複数の実施形態を、図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。
【0038】
(第1実施形態)
図1,2に示すように、第1実施形態によるカメラモジュール1は、車両2に搭載されて外界5を撮像するように構成される。尚、以下の説明では、水平面上における車両2の鉛直方向が上下方向に設定され、水平面上における車両2の水平方向のうち車長方向及び車幅方向がそれぞれ前後方向及び左右方向に設定される。
【0039】
カメラモジュール1は、車両2におけるフロントウインドシールド3の内側に、装着される。フロントウインドシールド3は、車両2において運転席の前方に位置している。フロントウインドシールド3は、自身の内側となる車室4内を外界5とは仕切っている。フロントウインドシールド3は、例えばガラス等の透光性材料により形成されることで、外界5の風景から入射する光像を車室4内へと透過させる。
【0040】
フロントウインドシールド3においてカメラモジュール1の装着箇所は、車室4内の運転席に着座した乗員の視界を実質妨げない箇所に、設定されている。具体的には図1に示すように、上下における装着箇所は、車両2においてフロントウインドシールド3の外周縁部を枠状に保持するピラー6の開口窓6a内のうち、上縁部から例えば20%程度の範囲Xv内に設定されている。左右における装着箇所は、開口窓6aの中心から両側へ例えば15cm程度の範囲Xh内に設定されている。これらの設定により装着箇所は、フロントウインドシールド3を払拭するワイパーの払拭範囲Xr内であって、前後方向に対してフロントウインドシールド3が例えば22~90°程度傾斜する部分に、位置することとなる。
【0041】
図2~4に示すようにカメラモジュール1は、ブラケットアセンブリ10、カメラケーシング20、イメージアセンブリ30、フード40及び回路ユニット50を備えている。
【0042】
ブラケットアセンブリ10は、ブラケット本体11、クッション13及び装着パッド12を組み合わせて構成されている。ブラケット本体11は、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、全体として略平板状に形成されている。ブラケット本体11は、フロントウインドシールド3の内面3aに沿って配置される。ブラケット本体11は、例えば緩衝機能を有したエラストマー製等のクッション13を、複数保持している。
【0043】
図2,3に示すようにブラケット本体11は、両面間にて自身を貫通する装着スロット110を、複数有している。装着パッド12は、それら各装着スロット110に個別に対応して複数、設けられている。各装着パッド12は、例えば緩衝機能を有した粘着シートを、樹脂製等の基材に貼着してなる。図2に示すように各装着パッド12の基材は、それぞれ対応する装着スロット110に嵌合固定されることで、ブラケット本体11に保持されている。各装着パッド12の粘着シートは、フロントウインドシールド3の内面3aに対して貼着固定により装着される。これによりクッション13は、フロントウインドシールド3との間に介装されることとなる。尚、各装着パッド12は、例えば緩衝機能を有したエラストマー製等の吸着パッドであってもよい。
【0044】
図2,4,5に示すようにカメラケーシング20は、一対のケーシング部材21,22を組み合わせて構成されている。各ケーシング部材21,22は、例えばアルミニウム等の比較的高放熱性を有した硬質材料により、全体として中空状に形成されている。
【0045】
逆カップ状のアッパケーシング部材21は、ブラケットアセンブリ10の下側に配置されることで、同アセンブリ10とは反対側となる下側に開口部を向けている。アッパケーシング部材21は、外周側へ突出する嵌合突部213を、外周縁部の複数箇所に有している。ここでブラケット本体11には、それら各嵌合突部213に個別に対応して、複数の嵌合突部111が設けられている。各嵌合突部111は、それぞれ対応する嵌合突部213に対して、例えばスナップフィット等で嵌合固定されている。これによりカメラケーシング20は、ブラケットアセンブリ10を介してフロントウインドシールド3の内側に位置決めされる。
【0046】
アッパケーシング部材21は、対向壁部210、屈曲壁部211及び凹壁部212を上壁部に有している。対向壁部210は、ブラケットアセンブリ10を挟んでフロントウインドシールド3の内面3aと対向する姿勢に、配置される。対向壁部210は、この配置姿勢下においてフロントウインドシールド3と可及的に近接した状態に維持される。
【0047】
屈曲壁部211は、対向壁部210に対して屈曲されている。屈曲壁部211は、対向壁部210から前側へ離間するほど、フロントウインドシールド3から下側へ離間する姿勢に、配置される。この配置姿勢下、屈曲壁部211が対向壁部210となす略山形の尾根状部分(即ち、稜線部分)214は、アッパケーシング部材21のうち左右の略全域に延伸して、フロントウインドシールド3に可及的に近接している。
【0048】
凹壁部212は、屈曲壁部211に対して屈曲されている。凹壁部212は、屈曲壁部211から前側へ離間するほど、上側のフロントウインドシールド3と近接する姿勢に、配置される。凹壁部212は、この配置姿勢下においてフロントウインドシールド3との間に、フード40を収容する収容凹所215を画成する。
【0049】
皿状のロアケーシング部材22は、アッパケーシング部材21の下側に配置されることで、アッパケーシング部材21側となる上側に開口部を向けている。ロアケーシング部材22は、アッパケーシング部材21に螺子で締結されている。これによりケーシング部材21,22は、イメージアセンブリ30及び回路ユニット50を収容する収容空間25を、共同して画成している。
【0050】
図2,6,7に示すようにイメージアセンブリ30は、アセンブリホルダ31、レンズユニット33及びイメージャ34を組み合わせて構成されている。アセンブリホルダ31は、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、全体として中空ブロック状に形成されている。アセンブリホルダ31は、収容したイメージャ34へと光像を導く後側光路空間310を、画成している。アセンブリホルダ31において左右の両端部311は、上側に位置するアッパケーシング部材21に対して、螺子で締結されている。
【0051】
図2,3,5~7,9に示すようにレンズユニット33は、レンズ鏡筒35及び広角レンズ36を含んでなる。レンズ鏡筒35は、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、全体として略円筒状に形成されている。レンズ鏡筒35は、収容した広角レンズ36から光像を導く前側光路空間357を、画成している。レンズ鏡筒35は、アセンブリホルダ31の前端部に接触固定されることで、前側光路空間357を後側光路空間310に連通させている。
【0052】
図2,5に示すようにレンズ鏡筒35の前端部は、屈曲壁部211を通してカメラケーシング20外に露出している。この露出のために屈曲壁部211には、左右中心を両壁面間にて貫通することでレンズ鏡筒35の挿通される貫通孔状に、レンズ窓216が設けられている。また凹壁部212には、左右中心にて上壁面に開口することでレンズ窓216と繋がる窪み状に、逃がし孔217が設けられている。
【0053】
図2,3,5,9に示すように広角レンズ36は、例えばガラス等の透光性材料により凹メニスカスレンズ状に形成されている。広角レンズ36は、レンズ鏡筒35の前端部に嵌合固定されることで、前側光路空間357を前側から閉塞している。広角レンズ36の主点Ppを通る光軸Awは、前後方向に対しては前側ほど下側若しくは上側へ傾斜して設定、又は前後方向に沿って設定される。
【0054】
レンズユニット33全体として所期のレンズ画角を確保するように、広角レンズ36を通すことで例えば75~150°程度の比較的広い画角が与えられているが、それよりも広い画角が与えられていてもよい。また、レンズユニット33全体として所期の明るさ及び分解能を確保するように広角レンズ36には、例えば2以上のFナンバーが設定されている。これらの画角及びFナンバーを実現するため、広角レンズ36において主点Ppから焦点Pfまでの焦点距離は比較的短くなるように、また広角レンズ36におけるサイズは後に詳述の如く光軸Awよりも上側にて比較的大きくなるように、それぞれ設定されている。
【0055】
図2,12に示すイメージャ34は、例えばCCD又はCMOS等といったカラー式若しくはモノクロ式撮像素子を主体に構成されている。イメージャ34は、そうした撮像素子の前側に例えば赤外カットフィルタ(図示しない)等を組み合わせたものであってもよい。イメージャ34は、全体として矩形平板状に形成されている。イメージャ34は、図2の如くアセンブリホルダ31に収容されることで、後側光路空間310内に配置されている。ここで広角レンズ36の焦点Pfは、前側光路空間357内に設定されることで、イメージャ34よりも前側に位置している。
【0056】
以上説明したイメージアセンブリ30の構成下、外界5からフロントウインドシールド3を透過した光像は、広角レンズ36を含むレンズユニット33を通してイメージャ34に結像される。このとき、広角レンズ36の焦点Pfよりも後側のイメージャ34には、外界5のうち撮像対象範囲内からの光像が倒立像として結像される。イメージャ34は、この結像した倒立像を撮影することで、外界5を撮像してなる信号又はデータを出力可能に構築されている。
【0057】
図2,3に示すようにフード40は、例えば樹脂成形等によりブラケット本体11と一体に形成されることで、ブラケットアセンブリ10の一部を構成している。上側から視たフード40の全体形状は、広角レンズ36の光軸Awに関して左右対称の皿状を、呈している。フード40は、ベース壁部41、後端壁部42及び側壁部43を有している。
【0058】
ベース壁部41は、凹壁部212よりも上側且つ光軸Awよりも下側であって、屈曲壁部211よりも前側に設けられている。ベース壁部41は、凹壁部212とフロントウインドシールド3との間にて、収容凹所215に収まっている。ベース壁部41は、屈曲壁部211から前側へ離間するほど、上側のフロントウインドシールド3と近接する姿勢に、配置される。これにより、ベース壁部41の上側を向く底壁面41aは、撮像空間410を空けてフロントウインドシールド3の内面3aと対向する台形の略平面状に、広がった状態となる。外界5のうちイメージャ34による撮像対象範囲(以下では単に、撮像対象範囲という)内の光像は、フロントウインドシールド3を透過することで、この撮像空間410へと導かれる。
【0059】
ベース壁部41には、複数の規制リブ411が設けられている。各規制リブ411は、フロントウインドシールド3側となる上側の撮像空間410内へ向かって、ベース壁部41の底壁面41aから突出している。各規制リブ411は、直線状に延伸する凸条であり、左右方向に実質沿って配置される。各規制リブ411は、互いに所定間隔ずつを空けて、前後に並んでいる。各規制リブ411は、ベース壁部41へと入射する光を互いの対向壁面にて多重反射することで、当該入射光を相互間にトラップする。このトラップ機能を実現するように各規制リブ411の突出高さは、それぞれ所定値ずつに設定されている。
【0060】
後端壁部42は、光軸Awに対して左右の中心を実質心合わせして、設けられている。後端壁部42は、ベース壁部41のうち後縁部から上側へ立設されている。後端壁部42は、下側の屈曲壁部211と対向して広がっている。後端壁部42は、ベース壁部41から後側へ離間するほど、上側のフロントウインドシールド3と近接する姿勢に、配置される。
【0061】
後端壁部42には、左右中心を両壁面間にて貫通することでレンズ鏡筒35の挿通される貫通孔状に、レンズ窓420が設けられている。レンズ鏡筒35において広角レンズ36の設けられる前端部は、上述のレンズ窓216及びこのレンズ窓420を通してベース壁部41よりも上側の撮像空間410内に露出している。これにより、外界5の撮像対象範囲内から撮像空間410へと導かれた光像は、広角レンズ36を含むレンズユニット33に入射可能となっている。
【0062】
レンズ窓420を通して露出したレンズ鏡筒35の周囲では、同鏡筒35から前側に離間した箇所に比べて、少なくとも1つの規制リブ411が高く突出している。即ち、広角レンズ36の周囲では、少なくとも1つの規制リブ411である特定リブ411aの突出高さが、高くなっている。ここで図2,3には、レンズユニット33のうち広角レンズ36に近接するほど突出高さの高くなる複数の特定リブ411aが、示されている。
【0063】
露出したレンズ鏡筒35の周囲においてベース壁部41には、左右中心にて底壁面41aに開口することでレンズ窓420と繋がる窪み状に、入射孔421が設けられている。この入射孔421は、下側の凹壁部212に設けられた逃がし孔217によって逃がされている。これにより、外界5の撮像対象範囲全域から光像をレンズユニット33へと入射可能にする窪み深さが、入射孔421に与えられている。
【0064】
側壁部43は、光軸Awに対する左右の対称位置にそれぞれ設けられることで、撮像空間410を左右の両側から挟んでいる。各側壁部43は、ベース壁部41のうち左右の側縁部から上側へ立設されている。各側壁部43は、ベース壁部41の底壁面41aに対して実質垂直に形成され、上下方向に実質沿って配置される。各側壁部43では、台形平面状の内壁面43aの左右における相互間隔が前側ほど漸次広がっている。各側壁部43では、ベース壁部41からの高さが前側ほど漸次低くなっている。これにより各側壁部43は、フロントウインドシールド3の内面3aに対して図2の如き隙間430を前後の全域で空ける姿勢に、配置される。
【0065】
以上説明した構成のフード40は、外界5のうち撮像対象範囲外からレンズユニット33への余剰光の入射、例えばフロントウインドシールド3の内面3aによる反射光の入射等を、規制可能となっている。それと共にフード40は、各規制リブ411による光トラップ機能により、ベース壁部41からレンズユニット33への光反射も、規制可能となっている。
【0066】
図2,6,7に示すように回路ユニット50は、イメージアセンブリ30の構成要素31,33,34と共に、収容空間25内での収容位置を決められている。回路ユニット50は、基板51,53,54及び回路52,55を組み合わせて構成されている。
【0067】
図2,6に示すように撮像基板51は、例えばガラスエポキシ基板等のリジッド基板であり、略矩形平板状に形成されている。撮像基板51は、アセンブリホルダ31に対して螺子で締結されている。これにより撮像基板51は、後側光路空間310を後側から閉塞している。
【0068】
撮像基板51には、後側光路空間310内に露出する前側実装面510と、それとは反対側にて収容空間25内に露出する後側実装面511とが、形成されている。前側実装面510には、イメージャ34が実装されている。両実装面510,511には、撮像回路52を構成する複数の回路素子が、実装されている。これらの実装により撮像回路52では、イメージャ34との間にて信号又はデータの送受信が可能となっている。
【0069】
図2,6,7に示すようにフレキシブル基板(FPC)53は、例えば可撓性を有した樹脂製等のベースフィルムに導電性配線を保持させてなり、全体として略矩形帯状に形成されている。FPC53の一端部は、撮像基板51の下端部に対して接続されている。
【0070】
図2,7に示すように制御基板54は、例えばガラスエポキシ基板等のリジッド基板であり、略矩形平板状に形成されている。制御基板54は、収容空間25内にて両面を上側と下側とに向けている。これにより制御基板54には、上側を向く上側実装面540と、下側を向く下側実装面541とが、それぞれ形成されている。制御基板54は、自身の外周縁部と上側実装面540の複数箇所とをアッパケーシング部材21に当接させていると共に、下側実装面541の複数箇所をロアケーシング部材22に当接させている。これにより制御基板54は、両ケーシング部材21,22の間にて位置決めされている。
【0071】
制御基板54には、左右中心を両実装面540,541間にて貫通することで撮像基板51及びアセンブリホルダ31の挿通される略矩形孔状に、接続孔542が設けられている。これにより撮像基板51及びアセンブリホルダ31は、制御基板54の上側と下側とに跨って配置されている。それと共に撮像基板51でのイメージャ34の実装箇所は、制御基板54の少なくとも上側に位置している。ここで撮像基板51におけるイメージャ34の実装箇所は、制御基板54の上側に位置していればよい。例えば実装箇所の下端は、図2の如く接続孔542内に収まっていてもよいし、図示はしないが接続孔542の上側又は下側に位置していてもよい。
【0072】
図2,7に示すように両実装面540,541には、制御回路55を構成する複数の回路素子が、実装されている。上側実装面540には、カメラケーシング20外に露出する外部コネクタ544が、実装されている。この外部コネクタ544は、カメラケーシング20外の例えばECU等といった外部回路に対して、接続される。
【0073】
図2に示すように下側実装面541には、収容空間25内に露出する内部コネクタ543が、実装されている。この内部コネクタ543は、制御基板54よりも下側に配置されたFPC53の他端部に対して、接続されている。これにより、制御基板54がFPC53を介して撮像基板51と接続されて、制御回路55及び撮像回路52の間にて信号又はデータの送受信が可能となっている。
【0074】
制御回路55は、プロセッサを主体としたマイクロコンピュータ550を、下側実装面541に実装される回路素子として、含んでいる。撮像回路52との共同により制御回路55は、イメージャ34からの出力を画像処理することで、図8に例示するように外界画像551を生成する。このとき外界画像551は、同画像551に映る撮像対象範囲内の構造物及び障害物を画像認識可能に、生成される。ここで、車両2がそのルーフパネルよりも上側の構造物となる信号機5aに近接したとき、外界画像551には信号機5aが画像認識可能に映るように、撮像対象範囲が設定されている。それと共に、車両2のフロントバンパが交差点5bに近接したとき、外界画像551には左右から交差点5bに進入してくる前方障害物5c(例えば歩行者、自転車及び他車両等)が画像認識可能に映るように、撮像対象範囲が設定されている。
【0075】
撮像回路52との共同によりさらに制御回路55は、イメージャ34による撮像時の露光状態を含めたイメージャ34の撮像作動を、制御する。このとき、図8に例示の如く画像処理機能によって生成された外界画像551の下部にて車両2の一部(例えばボンネット等)が映る車両撮影画素551aの範囲を避けて、有効画素551bの範囲が設定される。これにより、設定された範囲における有効画素551bの画素値に基づくことで、次回撮影時の露光状態が制御されることになる。尚、露光制御に用いられる画素値は、例えば有効画素551bの範囲のうち特定1画素の階調値であってもよいし、有効画素551bの範囲のうち複数画素の階調値であってもよい。
【0076】
制御回路55は、以上説明した画像処理機能及び撮像制御機能の他、例えば外界画像551に映る撮像対象範囲内の構造物及び障害物を画像認識する画像認識機能等を、備えていてもよいし、備えていなくてもよい。また、画像処理機能及び撮像制御機能のうち少なくとも一方を、制御回路55のみが備えていてもよいし、撮像回路52のみが備えていてもよい。
【0077】
(レンズユニットの詳細構造)
次に、レンズユニット33の詳細構造を説明する。
【0078】
図9に示すようにレンズユニット33は、レンズ鏡筒35内において広角レンズ36の後側となる後段に、レンズセット37を組み合わせて構成されている。換言すれば、レンズユニット33のレンズ鏡筒35内では、レンズセット37よりも前側となる外界5側の前段に、広角レンズ36が組み合わされている。
【0079】
レンズセット37は、広角レンズ36から光学作用を受けた光像に対して、例えば色収差等の光学収差を補正するといった光学作用をさらに与えるために、複数の後段レンズ371,372,373,374,375を前後に並べて構成されている。各後段レンズ371,372,373,374,375は、それぞれ非球面状又は球面状の光学面を前後両側に有している。各後段レンズ371,372,373,374,375に実質共通の光軸としてレンズセット37の光軸Alは、広角レンズ36の光軸Awとも実質共通(即ち、実質一致)している。これにより、広角レンズ36の光軸Awと共にレンズセット37の光軸Alは、同レンズ36の主点Ppを通っている。
【0080】
前側からの並び順が1番目の第1後段レンズ371は、例えばガラス等の透光性材料により両凸レンズ状に形成され、広角レンズ36から後側に所定間隔を空けている。前側からの並び順が2番目の第2後段レンズ372は、例えばガラス等の透光性材料により両凹レンズ状に形成されて、第1後段レンズ371から後側に所定間隔を空けている。前側からの並び順が3番目の第3後段レンズ373は、例えばガラス等の透光性材料により両凸レンズ状に形成され、第2後段レンズ372の後側光学面に重ねて固定されている。前側からの並び順が4番目の第4後段レンズ374は、例えばガラス等の透光性材料により凸メニスカスレンズ状に形成され、第3後段レンズ373から後側に所定間隔を空けている。前側からの並び順が5番目の第5後段レンズ375は、例えばガラス等の透光性材料により両凸レンズ状に形成され、第4後段レンズ374から後側に所定間隔を空けている。
【0081】
図9~11に示すように広角レンズ36は、これら後段レンズ371,372,373,374,375とは反対の前側となる外界5側に、球面状又は非球面状の広角光学面360(図2も参照)を有している。即ち、広角レンズ36の前側光学面が広角光学面360を構成している。図9,11に示すように広角光学面360は、広角レンズ36及びレンズセット37の各光軸Aw,Alよりも下側となる箇所にて、カット状に形成されている。これにより、前側から視た広角光学面360の外形輪郭は、下部を除いた1周未満の範囲に延伸する有効径の円弧部分360aでの両端間にて弦部分360bの延伸する部分円形状を、呈している。ここで、光軸Aw,Alよりも下側でのカット状を実現する直線状弦部分360bは、実質一定曲率である真円状円弧部分360aの両端間を、左右方向に実質沿って接続した状態に配置される。尚、カット状には、実際に切削加工等でカットされている形状に限らず、成形等で予め与えられている形状も、含まれる。
【0082】
このような広角光学面360において、弦部分360bの左右中心に定義される最下部Pwlと、円弧部分360aの左右中心に定義される最上部Pwuとは、前側から視た投影視にて、幾何中心Cwgに関しての上下対称となる。即ち、前側から視た投影視にて広角光学面360の幾何中心Cwgは、同光学面360の最下部Pwl及び最上部Pwu間を2等分する中点に、定義される。
【0083】
こうした定義下にて広角光学面360の幾何中心Cwgは、広角レンズ36及びレンズセット37の各光軸Aw,Alよりも上側にずれている。これにより広角光学面360のサイズは、光軸Aw,Alの下側よりも光軸Aw,Alの上側にて、大きくなっている。即ち、広角光学面360において光軸Aw,Alから最下部Pwlまでの距離(即ち、径)に定義される下側サイズRwlよりも、同光学面360において光軸Aw,Alから最上部Pwuまでの距離(即ち、径)に定義される上側サイズRwuは、大きく設定されているのである。
【0084】
図9,10に示すようにレンズ鏡筒35は、鏡筒本体350、スペーサ351,352,353,354及びキャップ355,356を含んでなる。鏡筒本体350は、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により形成されている。鏡筒本体350は、前側光路空間357を画成する一対の収容部350a,350bを、有している。図9に示すように広角収容部350aの内形輪郭は、広角光学面360の外形輪郭に沿った部分円筒孔状を、呈している。広角収容部350aには、広角レンズ36の外周面362が前側から嵌入されている。
【0085】
後段収容部350bの内形輪郭は、後段レンズ371,372,374,375の外形輪郭に沿った円筒孔状を、呈している。後段収容部350bには、第1後段レンズ371が前側から嵌入されている。それと共に後段収容部350bには、第2及び第3後段レンズ372,373の一体固定物と、第4及び第5後段レンズ374,375の各々とが、後側から嵌入されている。
【0086】
第1スペーサ351は、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、部分円形状の外形輪郭且つ円筒孔状の内形輪郭を有した環板状に、形成されている。第1スペーサ351は、広角収容部350aに前側から嵌入されている。第1スペーサ351は、広角レンズ36を後側から係止していると共に、第1後段レンズ371を前側から係止している。第2スペーサ352は、例えば樹脂成形等により後段収容部350bと一体に、円環板状に形成されている。第2スペーサ352は、後側から係止した第1後段レンズ371を第1スペーサ351との間に挟持していると共に、第2後段レンズ372を前側から係止している。
【0087】
第3及び第4スペーサ353,354は、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、円筒状に形成されている。第3及び第4スペーサ353,354は、後段収容部350bに後側から嵌入されている。第3スペーサ353は、後側から係止した第2後段レンズ372を第2スペーサ352との間に挟持していると共に、第4後段レンズ374を前側から係止している。第4スペーサ354は、後側から係止した第4後段レンズ374を第3スペーサ353との間に挟持していると共に、第5後段レンズ375を前側から係止している。
【0088】
図9,10に示すようにフロントキャップ355は、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、部分円形状の外形輪郭と内形輪郭とを有した環板状に、形成されている。フロントキャップ355は、広角収容部350aに前側から外嵌されており、特に当該外嵌箇所では広角収容部350aに接着されているとよい。フロントキャップ355は、前側から係止した広角レンズ36を第1スペーサ351との間に挟持している。
【0089】
ここで、フロントキャップ355が広角レンズ36の広角光学面360を係止するために有する係止爪部355aは、広角収容部350aへの同キャップ355の外嵌前から予め、例えば樹脂成形等によって部分円環状に形成されている。この係止爪部355aによる広角レンズ36の係止箇所は第1実施形態では、広角光学面360の外形輪郭に沿う周方向において弦部分360bの最下部Pwlから円弧部分360aの最上部Pwuへ向かうほど、後側にずれている。
【0090】
図9に示すようにリアキャップ356は、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、円環板状に形成されている。リアキャップ356は、後段収容部350bに後側から嵌入されており、特に当該嵌合箇所にて後段収容部350bに螺着又は接着されているとよい。リアキャップ356は、後側から係止した第5後段レンズ375を第4スペーサ354との間に挟持している。
【0091】
以上の如き構成のレンズユニット33では、各収容部350a,350bと、それら収容部350a,350bに収容される各構成要素との間のクリアランスを通じて、鏡筒本体350内の前側光路空間357と外部との間での呼吸(例えば空気抜き等)が可能となっている。
【0092】
(イメージャの詳細構造)
次に、イメージャ34の詳細構造を説明する。
【0093】
図2に示すイメージャ34は、広角レンズ36及びレンズセット37を通して結像される光像の倒立像を撮影可能な領域として、図12に示す有効撮影領域340を、有している。即ち有効撮影領域340は、イメージャ34の前側から視た外形輪郭内の平面形状のうち、広角レンズ36及びレンズセット37を通した外界5からの光に感知可能な領域を、意味する。有効撮影領域340は、イメージャ34のうち広角レンズ36及びレンズセット37の各光軸Aw,Alに対して実質垂直となる前面340e側に、それら光軸Aw,Alを囲んで形成されている。これにより、前側から視た有効撮影領域340の外形輪郭は、上下2辺340a,340b且つ左右2辺340c,340dを有した矩形状を、呈している。ここで上下2辺340a,340bは、左右方向に実質沿って配置される。一方で左右2辺340c,340dは、上下方向に対しては上側ほど前側へ若しくは後側へ傾斜して配置、又は上下方向に沿って配置される。
【0094】
このような有効撮影領域340において、下辺340bの左右中心に定義される最下部Pilと、上辺340aの左右中心に定義される最上部Piuとは、前側から視た投影視にて幾何中心Cigに関しての上下対称となる。即ち、前側から視た投影視にて有効撮影領域340の幾何中心Cigは、同領域340の最下部Pil及び最上部Piu間を2等分する中点に、定義される。
【0095】
こうした定義下にて有効撮影領域340の幾何中心Cigは、広角レンズ36及びレンズセット37の各光軸Aw,Alよりも下側にずらされている。これにより有効撮影領域340のサイズは、光軸Aw,Alの上側よりも光軸Aw,Alの下側にて、大きくなっている。即ち、有効撮影領域340において光軸Aw,Alから最上部Piuまでの距離に定義される上側サイズRiuよりも、同領域340において光軸Aw,Alから最下部Pilまでの距離に定義される下側サイズRilは、大きく設定されているのである。
【0096】
(作用効果)
以上説明した第1実施形態の作用効果を、以下に説明する。
【0097】
第1実施形態のレンズユニット33によると、車両2の外界5からの光像をイメージャ34に結像させる広角レンズ36が外界5側に有する広角光学面360のサイズは、広角レンズ36における光軸Awの下側よりも当該光軸Awの上側にて大きい。同様に広角光学面360のサイズは、広角レンズ36の主点Ppを通る後段のレンズセット37の光軸Al(即ち、後段レンズ371,372,373,374,375の光軸)の下側よりも当該光軸Alの上側にて大きい。これらによれば、車両2が映り易い光軸Aw,Alの下側よりも、車両2が映り難い光軸Aw,Alの上側にて、広角光学面360のサイズが大きくなる。故に、広角光学面360のサイズが大きくなる上側では、外界5のうち車両2よりも上側範囲を画像認識可能に撮像することができる。また一方、車両2により外界5の撮像対象範囲が制限される下側では、広角光学面360のサイズが小さくなっても当該範囲内での撮像は担保され得ることから、カメラモジュール1の小型化を図ることができる。
【0098】
また、第1実施形態のレンズユニット33によると、車両2の外界5からの光像をイメージャ34に結像させる広角レンズ36が外界5側に有する広角光学面360の幾何中心Cwgは、広角レンズ36の光軸Awよりも上側にずれている。同様に広角光学面360の幾何中心Cwgは、広角レンズ36の主点Ppを通る後段のレンズセット37の光軸Al(即ち、後段レンズ371,372,373,374,375の光軸)よりも上側にずれている。これらによれば、車両2が映り易い光軸Aw,Alよりも下側ではなく、車両2が映り難い光軸Aw,Alよりも上側に、広角光学面360の幾何中心Cwgが位置ずれすることになる。故に、幾何中心Cwgのずれ量に応じて広角光学面360のサイズが下側よりも大きくなる上側では、外界5のうち車両2よりも上側範囲を画像認識可能に撮像することができる。また一方、車両2により外界5の撮像対象範囲が制限される下側では、幾何中心Cwgのずれ量に応じて広角光学面360のサイズが小さくなっても当該範囲内での撮像は担保され得ることから、カメラモジュール1の小型化を図ることができる。
【0099】
また、第1実施形態のイメージャ34によると、車両2の外界5から結像される光像の倒立像を撮影可能な有効撮影領域340のサイズは、広角レンズ36における光軸Awの上側よりも当該光軸Awの下側にて大きい。同様に有効撮影領域340のサイズは、広角レンズ36の主点Ppを通る後段のレンズセット37の光軸Al(即ち、後段レンズ371,372,373,374,375の光軸)の上側よりも当該光軸Alの下側にて大きい。これらによれば、有効撮影領域340のサイズが大きくなる下側では、外界5のうち車両2よりも上側範囲から倒立像が結像する面積を確保して、撮像される当該上側範囲を可及的に広く設定することができる。
【0100】
また、第1実施形態のイメージャ34によると、車両2の外界5から結像される光像の倒立像を撮影可能な有効撮影領域340の幾何中心Cigは、広角レンズ36の光軸Awよりも下側にずれている。同様に有効撮影領域340の幾何中心Cigは、広角レンズ36の主点Ppを通る後段のレンズセット37の光軸Al(即ち、後段レンズ371,372,373,374,375の光軸)よりも下側にずれている。これらによれば、幾何中心Cigのずれ量に応じて有効撮影領域340のサイズが上側よりも大きくなる下側では、外界5のうち車両2よりも上側範囲から倒立像が結像する面積を確保して、撮像される当該上側範囲を可及的に広く設定することができる。
【0101】
また、第1実施形態の広角レンズ36によると、主点Ppよりも下側にてカット状に形成の広角光学面360では、主点Ppよりも上側にサイズが大きくなる。これによれば、外界5のうち車両2よりも上側範囲を画像認識可能に撮像するための広角レンズ36を、比較的簡素な形状にて小さく製造することができる。
【0102】
また第1実施形態によると、レンズユニット33及びイメージャ34がカメラケーシング20に収容される。こうした収容構成下、レンズユニット33における広角光学面360のサイズが上側よりも下側にて小さくされることによれば、イメージャ34に必要な収容スペースを確保しつつ、カメラケーシング20の大型化を抑えることができる。
【0103】
また第1実施形態によると、イメージャ34を制御する制御回路55が制御基板54に実装されてなる回路ユニット50は、レンズユニット33及びイメージャ34と共にカメラケーシング20に収容される。こうした収容構成下、レンズユニット33における広角光学面360のサイズが上側よりも下側にて小さくされることによれば、イメージャ34に必要な収容スペースだけでなく、回路ユニット50に必要な収容スペースも確保しつつ、カメラケーシング20の大型化を抑えることができる。
【0104】
また、第1実施形態の制御回路55によると、イメージャ34からの出力を画像処理して生成された外界画像551のうち、車両撮影画素551aを避けて設定される有効画素551bの画素値に基づくことで、イメージャ34による撮像時の露光が制御される。これによれば、車両2が映らないことで外界5の明るさに追従し易い有効画素551bの画素値を、露光制御に反映させることができる。換言すれば、車両2の映りにより外界5の明るさには追従し難い車両撮影画素551aの画素値が露光制御に反映されるのを回避して、外界5のうち車両2よりも上側範囲を画像認識に適切な露光状態で撮像することができる。
【0105】
また、第1実施形態の回路ユニット50によると、イメージャ34の実装される撮像基板51と、制御回路55の実装される制御基板54とを、FPC53で製造公差を吸収しつつ接続して、カメラケーシング20の正規位置に容易に収容させることができる。しかも、制御基板54の少なくとも上側にてイメージャ34の実装される撮像基板51を、制御基板54の上側と下側とに跨って配置することによれば、回路ユニット50に必要な収容スペースを上下に縮小することができる。
【0106】
また、第1実施形態のカメラケーシング20によると、フロントウインドシールド3と対向するように配置の対向壁部210に対して屈曲した屈曲壁部211は、対向壁部210から離間するほどフロントウインドシールド3から離間する姿勢に、配置される。これによれば、カメラケーシング20外への露出のためにレンズユニット33の通される屈曲壁部211と対向壁部210とがなす尾根状部分214をフロントウインドシールド3に近接させた状態にて、カメラケーシング20をフロントウインドシールド3の内側に装着することができる。故に、フロントウインドシールド3に近接して装着されることになる小型のカメラケーシング20によれば、外界5に対する乗員の視界が確保され得るだけでなく、外界5からレンズユニット33までの光路が屈曲壁部211及びフロントウインドシールド3の間に確保され得る。
【0107】
また、第1実施形態のフード40によると、外界5のうちイメージャ34による撮像対象範囲外からは、レンズユニット33への余剰光入射が規制されることになる。これによれば、広角レンズ36により画角の広がったレンズユニット33には入射し易くなる余剰光が、撮像対象範囲内からの正規の光像に重畳して撮像の妨げとなる事態を、抑制することができる。
【0108】
また、第1実施形態のフード40によると、フロントウインドシールド3と対向するように配置のベース壁部41にて複数の規制リブ411がフロントウインドシールド3側へと突出していることで、レンズユニット33への光反射が規制されることになる。これによれば、フロントウインドシールド3との対向配置下では光入射の増大し易いベース壁部41での反射光が、撮像対象範囲内からの正規の光像に重畳して撮像の妨げとなる事態を、抑制することができる。
【0109】
また、第1実施形態のフード40によると、レンズユニット33の周囲にて突出高さの高い規制リブ411としての特定リブ411aは、ベース壁部41での反射光が広角レンズ36へと向かう光路を遮断し易くなる。これによれば、画角の広がったレンズユニット33には入射し易くなるベース壁部41での反射光が、撮像対象範囲内からの正規の光像に重畳して撮像の妨げとなる事態を、抑制することができる。
【0110】
(第2実施形態)
図13に示すように第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。
【0111】
第2実施形態の広角レンズ2036は、広角光学面2360よりも外周側にて後側に凹む係止凹部2361を、有している。尚、第2実施形態の広角光学面2360は、第1実施形態の広角光学面360に対して例えば実質相似形等に縮小した部分円形状の外形輪郭を、前側から視て有する以外の構成につき、第1実施形態と実質同一の構成である。
【0112】
具体的に係止凹部2361は、広角レンズ2036における部分円形状の外周部全域に連続して、凹溝状に形成されている。係止凹部2361は、広角レンズ2036において広角収容部350aに嵌入される外周面2362と、同レンズ2036の広角光学面2360とに開口している。
【0113】
係止凹部2361のうち外周側を向く凹内側面2361bは、広角光学面2360の外形輪郭に沿って部分円筒状に形成されている。この凹内側面2361bの全面には、例えば黒色の塗膜が形成されることで、光を吸収してその反射を規制する反射規制部2363が、設けられている。係止凹部2361のうち前側を向く平面状の凹内底面2361aは、レンズ鏡筒2035のうち広角収容部350aに外嵌されたフロントキャップ2355の係止爪部2355aにより、係止されている。この係止爪部2355aによる凹内底面2361aの係止箇所は、広角光学面2360の外形輪郭に沿う周方向の全域にて、広角レンズ36及びレンズセット37の各光軸Aw,Alとは実質垂直な共通平面Sc上に、位置している。即ち第2実施形態の係止箇所は、前後には実質ずれていない。尚、凹内底面2361aの径方向サイズについては、例えば最下部でのサイズが最上部でのサイズ以下となるように設定されることで、第1実施形態と同様な広角光学面2360でのサイズ設定による作用効果が妨げられ難くなる。
【0114】
以上説明した第2実施形態の広角レンズ2036によると、広角光学面2360よりも外周側にて凹む係止凹部2361は、レンズ鏡筒2035により係止される。ここで広角光学面2360の外形輪郭に沿う周方向において、係止爪部2355aによる係止凹部2361の係止箇所が共通平面Sc上に位置することによれば、レンズ鏡筒2035における広角レンズ2036の収容姿勢が安定し得る。故に、広角レンズ2036の姿勢変動により外界画像551の撮像不良が生じる事態を、抑制することができる。
【0115】
尚、第2実施形態の広角レンズ2036及びレンズ鏡筒2035について説明した以外の構成は、第1実施形態の広角レンズ36及びレンズ鏡筒35と実質同一構成である。故に第2実施形態によっても、第1実施形態と同様な作用効果を発揮することができる。
【0116】
(第3実施形態)
図14に示すように第3実施形態は、第1実施形態の変形例である。
【0117】
第3実施形態における回路ユニット3050の構成要素としては、中継部材3056が基板51,54とFPC3053と回路52,55とに組み合わされている。中継部材3056は、ケーシング部材3021,3022を例えばアルミニウム等で形成してなる金属製カメラケーシング3020の収容空間3025に、FPC3053等と共に収容されている。中継部材3056は、カメラケーシング3020のうちロアケーシング部材3022の底壁部3220に、接触固定又は嵌合固定されている。中継部材3056は、例えば金属フィラーを樹脂ベースに混合させる等した機能性材料により、扁平片状に形成されている。これにより中継部材3056には、特定性質としての放熱性及び導電性(以下、単に放熱性及び導電性という)の少なくとも一方が与えられている。尚、中継部材3056は、例えばクッション状又はフォーム状等に形成されることで、緩衝性を与えられていてもよい。
【0118】
ここで、放熱性の与えられている中継部材3056と共に撮像基板51に対しては、FPC3053における放熱性のベースフィルム又は放熱性のダミー配線が接触固定により接続されることで、放熱経路が構築される。また、導電性の与えられている中継部材3056と共に撮像基板51に対しては、FPC3053における導電性のアース配線が導通固定により接続されることで、導電経路が構築される。これら接続構造のいずれの場合にも、イメージャ34からの出力を画像処理する撮像回路52が実装された撮像基板51は、FPC3053及び中継部材3056を介してカメラケーシング3020に接続された状態となる。尚、第3実施形態のFPC3053について説明した以外の構成は、第1実施形態のFPC53と実質同一構成である。故に撮像基板51は、FPC3053を介して制御基板54にも導通固定によって接続されることになる。
【0119】
以上説明した第3実施形態の回路ユニット3050によると、金属製カメラケーシング3020に収容且つ接続のFPC3053は、画像処理する撮像回路52の実装された撮像基板51に対して、接続される。これによれば、撮像基板51に発生した熱及びノイズのうち少なくとも一方(第3実施形態では、先述した接続構造に対応する少なくとも一方)は、FPC3053を介してカメラケーシング3020へと逃がされ得る。故に、放熱性及びEMCのうち少なくとも一方を高めることができる。ここで特に第3実施形態では、撮像基板51を制御基板54に接続するFPC3053が熱及びノイズのうち少なくとも一方の逃がしに活用されるので、放熱性及びEMCのうち少なくとも一方を簡素な構成で高めることが可能となる。
【0120】
また第3実施形態によると、第1実施形態と同様にレンズユニット33には広角レンズ36が含まれることで、外界5の撮像対象範囲が拡大するので、撮像基板51での画像処理量が増大するのに伴い、発熱量及びノイズも増大し易くなる。しかし、熱及びノイズのうち少なくとも一方は、上述の原理によりカメラケーシング3020へと逃がされ得る。故に、放熱性及びEMCのうち少なくとも一方を高めることができるのである。尚、以上の他に第3実施形態では、第1実施形態と同様な作用効果を発揮することもできる。
【0121】
(第4実施形態)
図15に示すように第4実施形態は、第1及び第3実施形態の変形例である。
【0122】
第4実施形態における回路ユニット4050の構成要素として、基板51,54及び回路52,55と共に、第3実施形態のFPC3053から代替される第1実施形態のFPC53には、当該FPC53とは別のFPC4053が組み合わされている。FPC4053は、カメラケーシング3020の収容空間3025に、FPC53等と共に収容されている。FPC53と同様にFPC4053は、例えば可撓性を有した樹脂製等のベースフィルムに導電性配線を保持させてなり、全体として略矩形帯状に形成されている。
【0123】
ここで撮像基板51と共に、金属製カメラケーシング3020のうちアッパケーシング部材3021の対向壁部210に対しては、FPC4053における放熱性のベースフィルム又は放熱性のダミー配線が接触固定により接続されることで、放熱経路が構築される。また、撮像基板51と共に対向壁部210に対しては、FPC4053における導電性のアース配線が導通固定により接続されることで、導電経路が構築される。これら接続構造のいずれの場合にも、イメージャ34からの出力を画像処理する撮像回路52が実装された撮像基板51は、FPC4053を介してカメラケーシング3020に接続された状態となる。
【0124】
以上説明した第4実施形態の回路ユニット4050によると、金属製カメラケーシング3020に収容且つ接続のFPC4053は、画像処理する撮像回路52の実装された撮像基板51に対して、接続される。これによれば、撮像基板51に発生した熱及びノイズのうち少なくとも一方(第4実施形態では、先述した接続構造に対応する少なくとも一方)は、FPC4053を介してカメラケーシング3020へと逃がされ得る。故に、放熱性及びEMCのうち少なくとも一方を高めることができる。
【0125】
また第4実施形態によると、第1実施形態と同様にレンズユニット33には広角レンズ36が含まれることで、外界5の撮像対象範囲が拡大するので、撮像基板51での画像処理量が増大するのに伴い、発熱量及びノイズも増大し易くなる。しかし、熱及びノイズのうち少なくとも一方は、上述の原理によりカメラケーシング3020へと逃がされ得る。故に、放熱性及びEMCのうち少なくとも一方を高めることができるのである。尚、以上の他に第4実施形態では、第1実施形態と同様な作用効果を発揮することもできる。
【0126】
(第5実施形態)
図16に示すように第5実施形態は、第4実施形態の変形例である。
【0127】
第5実施形態における金属製カメラケーシング5020の構成要素としては、接続部材5023がケーシング部材3021,3022に組み合わされて、収容空間3025に収容されている。接続部材5023は、例えばアルミニウム等の金属により、硬質フレーム状に形成されている。これにより接続部材5023には、放熱性及び導電性の少なくとも一方が与えられている。接続部材5023は、金属製カメラケーシング3020のうちアッパケーシング部材3021の対向壁部210に対して、螺子固定又は嵌合固定により接続されている。尚、接続部材5023は、対向壁部210に対して一体形成により接続されていてもよい。また接続部材5023は、図16の例では2つ設けられているが、1つ又は3つ以上設けられていてもよい。
【0128】
ここで、接続部材5023と共に撮像基板51に対しては、FPC4053における放熱性のベースフィルム又は放熱性のダミー配線が接触固定により接続されることで、放熱経路が構築される。また、接続部材5023と共に撮像基板51に対しては、FPC4053における導電性のアース配線が導通固定により接続されることで、導電経路が構築される。これら接続構造のいずれの場合にも、イメージャ34からの出力を画像処理する撮像回路52が実装された撮像基板51は、FPC4053及び接続部材5023を介してカメラケーシング5020に接続された状態となる。尚、接続部材5023の数に対応してFPC4053は、図16の例では2つ設けられているが、1つ又は3つ以上設けられていてもよい。
【0129】
接続部材5023はさらに、イメージアセンブリ30のうちレンズ鏡筒35又はアセンブリホルダ31に当接することで、当該当接対象を係止している。これにより、レンズユニット33及びイメージャ34がカメラケーシング5020に対して位置決めされている。尚、図16に示すように接続部材5023がレンズ鏡筒35を係止する構造の場合、アセンブリホルダ31の両端部311ではなく、同鏡筒35が接続部材5023に螺子締結される。また、図示はしないが接続部材5023がアセンブリホルダ31を係止する場合、同ホルダ31の両端部311が接続部材5023に螺子締結される。
【0130】
以上説明した第5実施形態によると、製品仕様に応じた接続部材5023への変更により、レンズユニット33及びイメージャ34の位置決め状態を高精度に調整しつつ、第4実施形態の同様な作用効果を発揮することができる。
【0131】
(第6実施形態)
図17に示すように第6実施形態は、第4実施形態の変形例である。
【0132】
第6実施形態における金属製カメラケーシング6020では、アッパケーシング部材6021の凹壁部6212によりフード6040が形成されている。即ちフード6040は、カメラケーシング6020の一部を構成している。これにより凹壁部6212では、逃がし孔217がフード6040の入射孔421を兼ねている。
【0133】
第6実施形態におけるブラケットアセンブリ6010では、ブラケット本体11が設けられず、カメラケーシング6020のうちアッパケーシング部材6021によりクッション13及び装着パッド12が保持されている。これにより、アッパケーシング部材6021においてFPC4053が接続されている対向壁部6210は、フロントウインドシールド3の内面3aと直接的に対向するように配置されることで、当該ウインドシールド3と可及的に近接した状態に維持される。
【0134】
ここで、対向壁部6210と共に撮像基板51に対しては、FPC4053における放熱性のベースフィルム又は放熱性のダミー配線が接触固定により接続されることで、放熱経路が構築されている。これにより、放熱性の対向壁部6210が実現されている。尚、対向壁部6210と共に撮像基板51に対しては、FPC4053における導電性のアース配線が導通固定により接続されていてもよく、この場合には導電経路が構築されることになる。
【0135】
以上説明した第6実施形態によると、金属製カメラケーシング6020のうち放熱性の対向壁部6210が対向するように配置されるフロントウインドシールド3では、結露による曇りが対向壁部6210からの放熱により緩和又は解消され得る。故に第6実施形態では、特に対向壁部6210からの放熱を利用して車両2における結露対策に貢献しつつ、第4実施形態の同様な作用効果を発揮することができる。
【0136】
(第7実施形態)
図18に示すように第7実施形態は、第4実施形態の変形例である。
【0137】
第7実施形態におけるイメージアセンブリ7030の構成要素としては、充填材7038がアセンブリホルダ7031とレンズユニット33とイメージャ34とに組み合わされている。充填材7038は、金属製カメラケーシング3020の収容空間3025に収容されたイメージアセンブリ7030において、2部材7031a,7031bからなるアセンブリホルダ7031の画成する後側光路空間7310に、充填されている。充填材7038は、例えば金属フィラーを樹脂ベースに混合させる等した機能性材料からなる。これにより充填材7038には、放熱性及び導電性の少なくとも一方が与えられている。尚、充填材7038は、例えばゲル状等に形成されることで、緩衝性を与えられていてもよい。
【0138】
第7実施形態の回路ユニット7050においてイメージャ34から出力を画像処理する撮像回路52の実装された撮像基板7051は、後側光路空間7310に収容されている。撮像基板7051は、レンズ鏡筒35に対して接触固定されている。これにより撮像基板7051の前側実装面7510は、レンズ鏡筒35の画成する前側光路空間357を後側から閉塞している。この前側実装面7510において前側光路空間357内に露出した一部には、撮像回路52を構成する回路素子がイメージャ34と共に実装されている。これにより、レンズ鏡筒35に収容されて前側光路空間357内に配置されたイメージャ34は、充填材7038の充填された後側光路空間7310内への露出を回避された状態下にて、外界5を撮像可能となっている。
【0139】
ここで、放熱性の与えられている充填材7038に対しては、撮像基板7051において後側光路空間7310内に露出した面が接触固定により接続されることで、放熱経路が構築される。また、導電性の与えられている充填材7038に対しては、撮像基板7051において後側光路空間7310内に露出したアース電極が導通固定により接続されることで、導電経路が構築される。これら接続構造のいずれの場合にも、イメージャ34からの出力を画像処理する撮像回路52が実装された撮像基板7051は、充填材7038に接続された状態となる。
【0140】
アセンブリホルダ7031には、後側光路空間7310から連続して充填材7038の充填される貫通孔状に、通窓7133が設けられている。回路ユニット7050においてFPC53は、通窓7133を埋める充填材7038を貫通して後側光路空間7310内に挿入され、前側光路空間357内にて撮像基板7051と接続されている。アセンブリホルダ7031にはさらに、後側光路空間7310から連続して充填材7038の充填される貫通孔状に、接続窓7134が設けられている。回路ユニット7050においてFPC4053は、接続窓7134を埋める充填材7038と接続されている。
【0141】
ここで、接続窓7134内にて放熱性の与えられている充填材7038と共に、金属製カメラケーシング3020のうちアッパケーシング部材3021の対向壁部210に対しては、FPC4053における放熱性のベースフィルム又は放熱性のダミー配線が接触固定により接続されることで、放熱経路が構築される。また、接続窓7134内にて導電性の与えられている充填材7038と共に対向壁部210に対しては、FPC4053における導電性のアース配線が導通固定により接続されることで、導電経路が構築される。これら接続構造のいずれの場合にもカメラケーシング3020は、FPC4053を介して充填材7038に接続される共に、それらFPC4053及び充填材7038を介して撮像基板7051にも接続された状態となる。
【0142】
以上説明した第7実施形態によると、放熱性及び導電性のうち少なくとも一方である特定性質を有した充填材7038として、金属製カメラケーシング3020に接続の充填材7038が充填されているアセンブリホルダ7031の画成空間7310は、画像処理する撮像回路52の実装された撮像基板7051を、収容する。これによれば、撮像基板7051に発生した熱及びノイズのうち少なくとも一方は、充填材7038を介してカメラケーシング3020へと逃がされ得る。故に、放熱性及びEMCのうち少なくとも一方を高めることができる。
【0143】
また第7実施形態による撮像基板7051には、FPC4053及び特定性質の充填材7038を介して金属製カメラケーシング3020が接続される。これにより撮像基板7051及びカメラケーシング3020間では、FPC4053が撓むことで製造公差の吸収され得た状態下、熱及びノイズのうち少なくとも一方の逃がし経路が構築され得る。故に、小型化されたカメラケーシング3020内の小スペースにおいても、放熱性及びEMCのうち少なくとも一方を高めるための逃がし経路を確保することができる。尚、以上の他に第7実施形態では、第4実施形態の同様な作用効果を発揮することができる。
【0144】
(第8実施形態)
図19,20に示すように第8実施形態は、第4実施形態の変形例である。
【0145】
第8実施形態におけるイメージアセンブリ8030の構成要素としては、充填材7038と共に接着材8039が、アセンブリホルダ7031とレンズユニット33とイメージャ34とに組み合わされている。接着材8039は、互いに固定されたレンズユニット33及びアセンブリホルダ7031の各々と、カメラケーシング3020との間を、接着している。ここで特に接着材8039は、図19に示すように第8実施形態では、レンズユニット33のレンズ鏡筒35とアッパケーシング部材3021の屈曲壁部211の間から、アセンブリホルダ7031と同壁部211との間に跨って、連続して設けられている。また特に接着材8039は、図19,20に示すように第8実施形態では、屈曲壁部211においてレンズユニット33をカメラケーシング3020外に露出させる貫通孔状のレンズ窓216と、同ユニット33のレンズ鏡筒35との間を、完全に埋めている。
【0146】
接着材8039は、例えば金属フィラーを樹脂ベースに混合させる等した液状の機能性材料を、硬化させてなる。これにより接着材8039の硬化前には、レンズユニット33及びアセンブリホルダ7031の接着姿勢を調整することで、レンズユニット33及びイメージャ34をカメラケーシング3020に対して位置決めすることが可能となっている。さらに、硬化後には放熱性及び導電性の少なくとも一方が与えられる接着材8039は、金属製カメラケーシング3020に対してレンズユニット33及びアセンブリホルダ7031の双方を接着した状態となる。この状態下にて接着材8039は、アセンブリホルダ7031の接続窓7134内から露出した充填材7038の外面まで広がっている。これにより、イメージャ34からの出力を画像処理する撮像回路52が実装された撮像基板7051は、充填材7038を介して接着材8039と接続されている。尚、このような第8実施形態において、アセンブリホルダ31の両端部311をアッパケーシング部材21に対して螺子で締結することは、不要となる。
【0147】
ここで、放熱性の与えられている接着材8039及び充填材7038と共に、カメラケーシング3020のうちアッパケーシング部材3021の対向壁部210に対しては、FPC4053における放熱性のベースフィルム又は放熱性のダミー配線が接触固定により接続されることで、放熱経路が構築される。また、導電性の与えられている接着材8039及び充填材7038と共に対向壁部210に対しては、FPC4053における導電性のアース配線が導通固定により接続されることで、導電経路が構築される。これら接続構造のいずれの場合にもカメラケーシング3020は、接着材8039及びFPC4053を介して充填材7038に接続される共に、それら要素8039,4053,7038を介して撮像基板7051にも接続された状態となる。
【0148】
以上説明した第8実施形態によると、放熱性及び導電性のうち少なくとも一方である特定性質を有した接着材8039は、画像処理する撮像回路52の実装された撮像基板7051との接続状態下、金属製カメラケーシング3020の収容するレンズユニット33及びアセンブリホルダ7031のうち少なくとも一方を、同ケーシング3020に対して接着させる。これによれば、撮像基板7051に発生した熱及びノイズのうち少なくとも一方は、接着材8039を介してカメラケーシング3020へと逃がされ得る。故に、放熱性及びEMCのうち少なくとも一方を高めることができる。
【0149】
また第8実施形態によると、金属製カメラケーシング3020においてレンズユニット33をカメラケーシング3020外へ露出させる貫通孔としてのレンズ窓216は、撮像基板7051と接続される特定性質の接着材8039により、レンズユニット33との間を埋められる。これによれば、接着材8039とカメラケーシング3020との接着面積が増大することで、熱及びノイズのうち少なくとも一方の逃がし効率が高められ得る。それと共に、レンズ窓216とレンズユニット33との間が埋められることで、当該間からカメラケーシング3020内への侵入異物による故障の発生が抑制され得る。以上のことから、放熱性及びEMCのうち少なくとも一方を高める効果の信頼性を、耐久性と共に向上させることができる。
【0150】
また第8実施形態によると、イメージャ34の実装される撮像基板7051には、特定性質の接着材8039及び充填材7038を介して、金属製カメラケーシング3020が接続される。これによれば、接着材8039によるレンズユニット33及びアセンブリホルダ7031の接着姿勢が調整され得た状態下、熱及びノイズのうち少なくとも一方の逃がし経路が撮像基板7051及びカメラケーシング3020間に構築され得る。故に、製品仕様に応じた接着姿勢調整によりレンズユニット33及びイメージャ34の位置決め状態を簡単に調整しつつ、第7実施形態の同様な作用効果を発揮することができる。
【0151】
(第9実施形態)
図21~29に示すように第9実施形態は、第1実施形態の変形例である。
【0152】
図21~24に示す第9実施形態において遮光性(即ち、不透光性)のフード9040は、第1実施形態のベース壁部41及び側壁部43からそれぞれ代替されるベース壁部9041及び側壁部9043を、後端壁部42と共に有している。
【0153】
車両2においてベース壁部9041の底壁面9041aは、撮像空間410を空けてフロントウインドシールド3の内面3aと対向する六角形の略平面状に広がるように、配置される。ここで第1実施形態に準じてベース壁部9041には、図21,22の如く底壁面9041aから撮像空間410内へと突出する規制リブ411が複数設けられ、それらのうち少なくとも1つは、レンズユニット33の周囲にて突出高さの高い特定リブ411aに調整されている。尚、図23,24では、特定リブ411aを含む複数規制リブ411等といった一部構成要素につき、図示が省略されている。また、第9実施形態以降の実施形態において図23,24に対応する図面についても、これと同様に図示が省略されている。
【0154】
図21~24に示すように側壁部9043は、撮像空間410の両側側方にてベース壁部9041の側縁部全域から実質垂直に立設されることで、それぞれ屈曲平板状を呈している。各側壁部9043は、傾斜部9043b及びストレート部9043cを有している。
【0155】
各側壁部9043の傾斜部9043bは、レンズユニット33の光軸Aw,Alを左右に挟んで対称に、それぞれ設けられている。各側壁部9043の傾斜部9043bは、レンズユニット33のうちレンズ窓420内に露出したレンズ鏡筒35の側方周囲から、光軸Aw,Alに対しては斜め前側(即ち、斜め外界5側)に傾斜して広がっている。これにより各側壁部9043の傾斜部9043bでは、台形平面状の内壁面9430b同士が前側(即ち、外界5側)ほど漸次広がる相互間隔を空けている。各側壁部9043の傾斜部9043bでは、ベース壁部9041からの高さが前側ほど漸次低くなっている。これにより各側壁部9043の傾斜部9043bは、フロントウインドシールド3の内面3aに対して隙間9430を空ける姿勢に、配置される。
【0156】
各側壁部9043のストレート部9043cは、レンズユニット33の光軸Aw,Alを左右に挟んで対称に、それぞれ設けられている。各側壁部9043のストレート部9043cは、同じ側壁部9043における傾斜部9043bの前端部(即ち、外界5側の端部)から、光軸Aw,Alに対しては実質平行に沿って広がっている。これにより各側壁部9043のストレート部9043cでは、台形平面状の内壁面9430c同士が前後の全域で実質一定な相互間隔を空けている。各側壁部9043のストレート部9043cでは、ベース壁部9041からの高さが同じ側壁部9043における傾斜部9043bの前端部と等しく、且つ前側ほど漸次低くなっている。これにより各側壁部9043のストレート部9043cも、フロントウインドシールド3の内面3aに対して隙間9430を空ける姿勢に、配置される。
【0157】
第9実施形態では、制御回路55又は外部コネクタ544と接続される例えばECU等の外部回路により、図25,26に示す外界5の状況に応じた車両2の制御機能が構築される。ここで制御機能の1つには、車両2の特定制御Csとして、前方障害物5c(例えば歩行者、自転車及び他車両等)に対する車両2の衝突予防制御がある。この特定制御Csの具体例は、衝突予測時間(TTC:Time To Collision)が数秒以下に迫る緊急制御条件が成立した場合に車両2の車速を自動で制御することで、車両2を強制的に減速させる衝突被害軽減制動(AEB:Autonomous Emergency Braking)等である。また制御機能の1つには、特定制御Csと異なる車両2の別制御Caとして、走行レーンにおける車両2の運転制御がある。この別制御Caの具体例は、走行レーンの幅方向において車両2の位置を自動で制御することで、路面上の白線又は黄線といった区画線5dからの車両2の逸脱を規制するレーンキーピングアシスト(LKA:Lane Keeping Assist)等である。
【0158】
図24~27に示すように、外界5のうちフロントウインドシールド3に装着されたカメラモジュール1の撮像対象範囲内には、車両2の特定制御Csに必要な水平画角範囲が収まる。この水平画角範囲は、水平面上の車両2における鉛直方向視(即ち、水平面視)にて、光軸Aw,Alを二等分線とする第1テーパ角θ1により規定される。ここで第1テーパ角θ1は、レンズユニット33の光軸Aw,Alまわりに規定されるレンズ画角θwの水平画角範囲よりも、小さい。例えば第1テーパ角θ1については、車両2から13m以上先の前方障害物5cをTTCが2.4秒以上前に撮像可能な角度として、100°以上等の角度に設定される。尚、レンズ画角θwは、第9実施形態では広角レンズ36を通して、例えば120°以上等の大きな広角度に設定される。
【0159】
図28,29に示すように、外界5のうちフロントウインドシールド3に装着されたカメラモジュール1の撮像対象範囲内には、車両2の特定制御Csに必要な垂直画角範囲が収まる。この垂直画角範囲は、水平面上の車両2における水平方向視(即ち、側方視)にて、第1俯角ψd1と第1仰角ψe1との和により規定される。ここで第1俯角ψd1及び第1仰角ψe1の和は、レンズ画角θwの垂直画角範囲よりも、小さい。例えば第1俯角ψd1については、車両2から13m以上先の前方障害物5cをTTCが2.4秒以上前に撮像可能な角度として、6°以下の角度等に設定される。
【0160】
図25に示すように、外界5のうち特定制御Csに必要な水平画角範囲と垂直画角範囲とからは、同制御Csに特化して利用される個別撮像範囲Usが決まる。そこで、この個別撮像範囲Usにおける最下部の左右両端Useからそれぞれ、図24,25,27,29の如く第1テーパ角θ1及び第1俯角ψd1をもってレンズユニット33の広角レンズ36へと入射する光線は、第1下光線L1として想定される。この想定下、車両2において特定制御Csと関連する各第1下光線L1がフロントウインドシールド3の内面3aに対して交差すると仮想される点は、図24,27,29の如き第1仮想交点I1として定義される。図24に示すように、この第1仮想交点I1が各側壁部9043の傾斜部9043bにおける前端部の上方に対応付けられることで、各側壁部9043に関して次の構成が実現されている。
【0161】
各側壁部9043は、車両2において第1仮想交点I1よりもレンズユニット33側(即ち、後側)では、各第1下光線L1と実質重なる第1テーパ角θ1の左右両側テーパ線から鉛直方向視の外側に僅かなクリアランスを空けて、傾斜部9043bの内壁面9430bを形成している。これにより、車両2においてレンズユニット33の周囲から第1仮想交点I1へと向かう各側壁部9043の傾斜部9043bでは、鉛直方向視における第1テーパ角θ1よりも外側にて、内壁面9430bが同角θ1のテーパ線に沿って広がる状態となる。また一方で各側壁部9043は、車両2において第1仮想交点I1よりも外界5側(即ち、前側)では、鉛直方向視における第1テーパ角θ1の左右両側テーパ線よりも内側にて光軸Aw,Alに実質平行に沿って広がるように、ストレート部9043cの内壁面9430cを形成している。以上の如き構成から各側壁部9043の鉛直方向視では、傾斜部9043b及びストレート部9043cがレンズ画角θwよりも内側に入り込んだ状態となる。
【0162】
以上に対して図24~27に示すように、外界5のうち撮像範囲内には、車両2の別制御Caに必要な水平画角範囲が収まる。この水平画角範囲は、水平面上の車両2における鉛直方向視にて、光軸Aw,Alを二等分線とする第2テーパ角θ2により規定される。ここで第2テーパ角θ2は、レンズ画角θwの水平画角範囲より小さな第1テーパ角θ1よりも、さらに小さい。例えば第2テーパ角θ2については、車両2から8.5m以上先にて路面上の区画線5dを撮像可能な角度として、50°以上且つ100°未満等の角度に設定される。
【0163】
図28,29に示すように、外界5のうち撮像対象範囲内には、車両2の別制御Caに必要な垂直画角範囲が収まる。この垂直画角範囲は、水平面上の車両2における水平方向視にて、第2俯角ψd2と第2仰角ψe2との和により規定される。ここで第2俯角ψd2及び第2仰角ψe2の和は、レンズ画角θwの垂直画角範囲よりも、小さい。例えば第2俯角ψd2については、車両2から8.5m以上先にて路面上の区画線5dを撮像可能な角度として、6°超過且つ12°以下の角度等に設定される。即ち第2俯角ψd2は、第1俯角ψd1よりも大きい。
【0164】
図25に示すように、外界5のうち別制御Caに必要な水平画角範囲と垂直画角範囲とからは、同制御Caに特化して利用される個別撮像範囲Uaが決まる。そこで、この個別撮像範囲Uaにおける最下部の左右両端Uaeからそれぞれ、図24,25,27,29の如く第2テーパ角θ2及び第2俯角ψd2をもってレンズユニット33の広角レンズ36へと入射する光線は、第2下光線L2として想定される。この想定下、車両2において別制御Caと関連する各第2下光線L2がフロントウインドシールド3の内面3aに対して交差すると仮想される点は、図24,27,29の如き第2仮想交点I2として定義される。図24に示すように、この第2仮想交点I2がベース壁部9041における前端部の上方に対応付けられることで、ベース壁部9041及び各側壁部9043に関して次の構成が実現されている。
【0165】
ベース壁部9041は、車両2において第2仮想交点I2よりもレンズユニット33側(即ち、後側)では、鉛直方向視にて各第2下光線L2と実質重なる第2テーパ角θ2の左右両側テーパ線を挟んだ内側全域と外側所定域とに、底壁面9041aを形成している。これにより、車両2においてレンズユニット33の周囲から、第2仮想交点I2及びその内外両側へと向かうベース壁部9041では、鉛直方向視における第2仮想交点I2よりも外側箇所のうち第1テーパ角θ1のテーパ線よりも内側箇所にまで、底壁面9041aが広がる状態となる。それと共に各側壁部9043のストレート部9043cでは、鉛直方向視における第2仮想交点I2よりも外側箇所のうち第1テーパ角θ1のテーパ線よりも内側箇所にまで、内壁面9430cが広がる状態となる。以上の如き構成から、鉛直方向視では第2仮想交点I2の外側側方へ向かって広がるように、ベース壁部9041と各側壁部9043のストレート部9043cとが形成されているといえる。
【0166】
こうした第9実施形態では、図22~24の如くフード9040の一体形成されたブラケット本体11から構成されるブラケットアセンブリ10は、図21の如き装着パッド12への装着スロット110の嵌合と離脱とにより、フロントウインドシールド3に対して着脱可能となっている。さらに、フロントウインドシールド3に対してフード9040と共に装着されたブラケットアセンブリ10には、第1実施形態と同様にレンズユニット33及びイメージャ34を収容するカメラケーシング20が、図21の如く車両2においてぶら下げられた状態となる。
【0167】
(作用効果)
以上説明した第9実施形態の作用効果を、以下に説明する。
第1実施形態と同様に第9実施形態のフード9040によると、外界5のうちイメージャ34による撮像対象範囲外からは、レンズユニット33への余剰光入射が規制されることになる。これによれば、撮像対象範囲内からの正規の光像に余剰光が重畳して撮像を妨げる事態の抑制を、図ることができる。
【0168】
ここで特に第9実施形態のフード9040によると、撮像空間410を空けてフロントウインドシールド3と対向するように配置のベース壁部9041から撮像空間410の側方にて立設される側壁部9043は、車両2においてレンズユニット33の周囲から仮想交点I1へ向かって広がる状態となる。これによれば、フード9040が小さく形成されても、仮想交点I1にてフロントウインドシールド3と交差する下光線L1は、撮像対象範囲内にてレンズユニット33よりも小さな水平画角範囲を規定するテーパ角θ1での入射を、側壁部9043によっては遮られ難くなる。故に、正規光像を撮像可能なテーパ角θ1を確保するフード9040を含んだカメラモジュール1につき、小型化を図ることができる。
【0169】
また、第1実施形態と同様に第9実施形態のレンズユニット33では、広角レンズ36を含むことで広いレンズ画角θwが確保されているので、入射する余剰光が増加し、またフード9040が大きくなるといった懸念がある。しかし、上述したように第9実施形態では、レンズユニット33への余剰光入射が規制されるだけでなく、フード9040が小さく形成されても、テーパ角θ1での光入射は遮られ難い。しかも、第1実施形態と同様に特殊な広角レンズ36を採用した第9実施形態では、広角光学面360のサイズが小さくなっても正規光像の撮像は担保され得る。これらのことから、正規光像を撮像可能なテーパ角θ1を確保するフード9040を広角レンズ36と共に含んだカメラモジュール1につき、小型化を図ることができる。
【0170】
また、第1実施形態と同様に第9実施形態のフード9040によると、撮像空間410を空けてフロントウインドシールド3と対向するように配置のベース壁部9041では、複数の規制リブ411が撮像空間410内へと突出していることで、レンズユニット33への光反射が規制されることになる。これによれば、フロントウインドシールド3との対向配置下では光入射の増大し易いベース壁部9041での反射光がテーパ角θ1内の正規光像に重畳して撮像を妨げる事態の抑制を、図ることができる。
【0171】
また、第1実施形態と同様に第9実施形態のフード9040によると、複数の規制リブ411のうち、レンズユニット33の周囲にて突出高さの高くなる特定リブ411aは、ベース壁部9041での反射光がレンズユニット33へと向かう光路を遮断し易くなる。これによれば、ベース壁部9041での反射光がテーパ角θ1内の正規光像に重畳して撮像を妨げる事態の抑制効果を高めることができる。
【0172】
また、第9実施形態のフード9040によると、車両2において側壁部9043は、仮想交点I1よりもレンズユニット33側では、テーパ角θ1よりも外側にて同角θ1に沿って広がる状態となる。これによれば、テーパ角θ1を確保する上でのサイズを制限して、フード9040が形成され得る。故に、正規光像を撮像可能なテーパ角θ1を確保するフード9040を含んだカメラモジュール1につき、小型化を促進することができる。
【0173】
また、第9実施形態のフード9040によると、車両2において側壁部9043は、レンズユニット33から仮想交点I1への広がりによって確保されるテーパ角θ1には影響し難い側、即ち仮想交点I1よりも外界5側では、側壁部9043がテーパ角θ1よりも内側にて広がる状態となる。この場合、テーパ角θ1よりも内側での側壁部9043の広がりによってフード9040が小さく形成され得るだけでなく、フロントウインドシールド3で反射されるとテーパ角θ1内へ入射してしまう光が当該反射前に遮られ得る。故に、正規光像を撮像可能なテーパ角θ1を確保するフード9040を含んだカメラモジュール1につき、小型化を促進しつつも、フロントウインドシールド3での反射光が当該正規光像に重畳して撮像を妨げる事態の抑制を図ることができる。
【0174】
ここで車両2における側壁部9043は、第9実施形態のフード9040の如く仮想交点I1よりも外界5側では、テーパ角θ1よりも内側をレンズユニット33の光軸Aw,Alに沿って広がる状態となっていてもよい。この場合、光軸Aw,Alに沿ったテーパ角θ1よりも内側での側壁部9043の広がりによってフード9040が小さく且つ比較的簡素な構造に構築され得るだけでなく、フロントウインドシールド3で反射されるとテーパ角θ1内へ入射してしまう光が当該反射前に遮られ得る。故に、正規光像を撮像可能なテーパ角θ1を確保するフード9040を含んだカメラモジュール1につき、小型化及び簡素化を促進しつつも、フロントウインドシールド3での反射光が当該正規光像に重畳して撮像を妨げる事態の抑制を図ることができる。
【0175】
さて、第9実施形態のフード9040によると、先述の如く仮想交点I1にてフロントウインドシールド3と交差する下光線L1は、撮像対象範囲内にて車両2の特定制御Csに必要なテーパ角θ1での入射を、側壁部9043によっては遮られ難くなる。故に、特定制御Csに必要なテーパ角θ1内での正規光像を撮像可能とするフード9040を含んだカメラモジュール1につき、小型化を図ることができる。
【0176】
ここで第9実施形態のフード9040によると、車両2において側壁部9043は、レンズユニット33の周囲から上記仮想交点I1としての第1仮想交点I1へと向かって、広がる状態となる。これによれば、フード9040が小さく形成されても、第1仮想交点I1にてフロントウインドシールド3と交差する第1下光線L1は、テーパ角θ1と共に第1俯角ψd1をもっての入射を、側壁部9043によっては遮られ難くなる。しかも、車両2においてベース壁部9041は、レンズユニット33の周囲から第2仮想交点I2へ向かって広がる状態となる。これによれば、第2仮想交点I2にてフロントウインドシールド3と交差する第2下光線L2は、第1テーパ角θ1よりも小さな第2テーパ角θ2と共に、第1俯角ψd1よりも大きな第2俯角ψd2をもっての入射を、ベース壁部9041及び側壁部9043によっては遮られ難くなる。こうしたことから、車両2の特定制御Csに必要な第1テーパ角θ1内での正規光像の撮像だけでなく、車両2の別制御Caに必要な第2テーパ角θ2内での正規光像の撮像まで可能なフード9040を含んだカメラモジュール1につき、小型化を図ることができる。
【0177】
また、第9実施形態のフード9040によると、車両2において側壁部9043及びベース壁部9041は、レンズユニット33から第1仮想交点I1への広がりによって確保される第1テーパ角θ1には影響し難い側、即ち第1仮想交点I1よりも外界5側では、第2仮想交点I2の側方へ向かって広がる状態となる。この場合、フロントウインドシールド3で反射されると第1テーパ角θ1内又は第2テーパ角θ2内へ入射してしまう光は、側壁部9043とベース壁部9041との共同により当該反射前に遮られ得る。故に、特定制御Csに必要な第1テーパ角θ1内での正規光像の撮像と、別制御Caに必要な第2テーパ角θ2内での正規光像の撮像とを、両立させることができる。
【0178】
また第9実施形態によると、特定制御Csとして前方障害物5cに対する車両2の衝突予防制御では、比較的大きな第1テーパ角θ1を確保して、所期の衝突予防機能を発揮することが可能となる。また一方、特定制御Csとは別制御Caとして走行レーンにおける車両2の運転制御では、比較的小さくてもよい第2テーパ角θ2をもって入射する第2下光線L2の比較的大きな第2俯角ψd2を確保して、所期の運転制御機能を発揮することが可能となる。
【0179】
また第9実施形態によると、車両2においてレンズユニット33及びイメージャ34を収容するカメラケーシング20は、フロントウインドシールド3に対して着脱可能なブラケットアセンブリ10に、ぶら下げられた状態となる。ここで第9実施形態のブラケットアセンブリ10には、フード9040が一体形成されている。これらによれば、ブラケットアセンブリ10及びフード9040と共にカメラケーシング20をフロントウインドシールド3から離脱させて、レンズユニット33及びイメージャ34のメンテンス処理を行うことが可能となる。このとき特に、ブラケットアセンブリ10の嵌合突部111からカメラケーシング20の嵌合突部213を離脱させ、必要によってはケーシング部材21,22同士を分離してカメラケーシング20内を露出させることで、メンテナンス処理が容易となる。
【0180】
また、そうした処理後に第9実施形態では、カメラケーシング20がぶら下げた状態のブラケットアセンブリ10をフード9040と共に、フロントウインドシールド3へと装着する。これによれば、メンテナンスされたレンズユニット33及びイメージャ34での正規光像の撮像が再度可能となる。尚、以上の他に第9実施形態では、第1実施形態と同様な作用効果を発揮することもできる。
【0181】
(第10実施形態)
図30,31に示すように第10実施形態は、第9実施形態の変形例である。
【0182】
第10実施形態における遮光性のフード10040は、第9実施形態の側壁部9043から代替される側壁部10043を、第9実施形態のベース壁部9041から代替される第1実施形態のベース壁部41と、後端壁部42と共に有している。側壁部10043は、底壁面41aが台形の略平面状に広がり且つ規制リブ411が設けられてなるベース壁部41の側縁部全域から、撮像空間410の両側側方にて実質垂直に立設されることで、それぞれストレート平板状を呈している。各側壁部10043は、第9実施形態で説明の傾斜部9043bを第1傾斜部9043bとして有し、さらに第9実施形態のストレート部9043cから代替される別の傾斜部を第2傾斜部10043cとして有している。尚、図30では、第1傾斜部9043bと第2傾斜部10043cとの境界が2点鎖線で仮想的に示されている。
【0183】
図30,31に示すように各側壁部10043の第2傾斜部10043cは、レンズユニット33の光軸Aw,Alを左右に挟んで対称に、それぞれ設けられている。各側壁部10043の第2傾斜部10043cは、同じ側壁部10043における第1傾斜部9043bの前端部から、光軸Aw,Alに対しては斜め前側に傾斜して広がっている。ここで側壁部10043毎では、光軸Aw,Alに対する傾斜部9043b,10043cの傾斜角度が互いに実質等しく設定されることで、それら傾斜部9043b,10043cの内壁面9430b,10430cが実質一平面状に連続している。これにより各側壁部10043の第2傾斜部10043cでは、台形平面状の内壁面10430c同士が前側ほど漸次広がる相互間隔を空けている。各側壁部10043の第2傾斜部10043cでは、ベース壁部41からの高さが同じ側壁部10043における第1傾斜部9043bの前端部と等しく、且つ前側ほど漸次低くなっている。これにより各側壁部10043の第2傾斜部10043cも、フロントウインドシールド3の内面3aに対して隙間9430(本実施形態では図示しない)を空ける姿勢に、配置される。
【0184】
図31に示すように各側壁部10043は、車両2において第1仮想交点I1よりも外界5側では、同交点I1よりもレンズユニット33側に準じて、第1テーパ角θ1の左右両側テーパ線から鉛直方向視の外側に僅かなクリアランスを空けて、第2傾斜部10043cの内壁面10430cを形成している。これにより、各側壁部9043の第2傾斜部10043cでは、車両2の鉛直方向視における第1テーパ角θ1よりも外側にて、内壁面10430cが同角θ1のテーパ線に沿って広がる状態となる。以上の如き構成から各側壁部10043の鉛直方向視では、第1傾斜部9043b及び第2傾斜部10043cがレンズ画角θwよりも内側に入り込んだ状態となる。
【0185】
ベース壁部41は、車両2において第2仮想交点I2よりもレンズユニット33側では、鉛直方向視にて第2テーパ角θ2よりも内側の全域を含んだ第1テーパ角θ1よりも内側全域と、同角θ1よりも外側所定域とに跨って、底壁面41aを形成している。これにより、車両2においてレンズユニット33の周囲から、第2仮想交点I2及びその内外両側へと向かうベース壁部41では、鉛直方向視における第2仮想交点I2よりも外側箇所のうち第1テーパ角θ1のテーパ線よりも僅かに外側箇所にまで、底壁面41aが広がる状態となる。それと共に各側壁部10043の第2傾斜部10043cでは、鉛直方向視における第2仮想交点I2よりも外側箇所のうち第1テーパ角θ1のテーパ線よりも僅かに外側箇所にまで、内壁面10430cが広がる状態となる。以上の如き構成から、鉛直方向視では第2仮想交点I2の外側側方へ向かって広がるように、ベース壁部41と各側壁部10043の第2傾斜部10043cとが形成されているといえる。
【0186】
以上説明した第10実施形態のフード10040によると、車両2において側壁部10043は、レンズユニット33から仮想交点I1への広がりによって確保されるテーパ角θ1には影響し難い側、即ち仮想交点I1よりも外界5側では、テーパ角θ1よりも外側にて同角θ1に沿って広がる状態となる。この場合、フロントウインドシールド3で反射されるとテーパ角θ1内へ入射してしまう光は、側壁部10043とその立設元ベース壁部41との共同により、仮想交点I1よりも外界5側の広範囲にて当該反射前に遮られ得る。故に、正規光像を撮像可能なテーパ角θ1を確保するフード10040を含んだカメラモジュール1につき、小型化を大きくは阻害しない限りで、フロントウインドシールド3での反射光が当該正規光像に重畳して撮像を妨げる事態の抑制効果を高めることができる。
【0187】
ここで、第10実施形態のフード10040によると、テーパ角θ1に沿って側壁部10043の広がる状態は、仮想交点I1よりもレンズユニット33側及び外界5側の双方にて実現される。これによれば、側壁部10043を簡素な形状に形成して、フード10040の生産性を高めることが可能となる。尚、以上の他に第10実施形態では、第9実施形態と同様な作用効果を発揮することもできる。
【0188】
(第11実施形態)
図32に示すように第11実施形態は、第9実施形態の変形例である。
【0189】
第11実施形態における部分遮光性のフード11040は、第9実施形態の側壁部9043から代替される側壁部11043を、ベース壁部9041及び後端壁部42と共に有している。側壁部11043は、底壁面9041aが六角形の略平面状に広がり且つ規制リブ411が設けられてなるベース壁部9041の側縁部全域から、撮像空間410の両側側方にて実質垂直に立設されることで、それぞれ屈曲平板状を呈している。各側壁部11043は、第9実施形態のストレート部9043cから代替されるストレート部11043cを、傾斜部9043bと共に有している。
【0190】
各側壁部11043のストレート部11043cは、車両2における第1仮想交点I1よりも外界5側にて、鉛直方向視での第2仮想交点I2の外側側方にまで広がる部分として、レンズユニット33の光軸Aw,Alを左右に挟んで対称にそれぞれ設けられている。各側壁部11043のストレート部11043cでは、台形平面状の内壁面11430cを形成する全体が透光性の偏光フィルタから構成されている点を除いて、第9実施形態のストレート部9043cと実質同一の構成が採用されている。ここで、例えば樹脂等により形成される偏光フィルタには、S偏光をカットしてP偏光を透過させる偏光機能が与えられている。そこで、フロントウインドシールド3での反射率が水平方向では特に高くなるS偏光が偏光フィルタでカットされるように、各側壁部11043のストレート部11043cが当該偏光フィルタから構成されている。
【0191】
以上説明した第11実施形態のフード11040によると、車両2において仮想交点I1よりも外界5側の側壁部11043では、偏光フィルタから構成された部分が広がる状態となる。この場合、仮想交点I1よりも外界5側の偏光フィルタによれば、フロントウインドシールド3で反射されるとテーパ角θ1内へと強く入射してしまうS偏光は、側壁部11043の偏光フィルタによって当該反射前にカットされ得る。故に、正規光像を撮像可能なテーパ角θ1を確保するフード11040を含んだカメラモジュール1につき、小型化を図りつつも、フロントウインドシールド3での反射光が当該正規光像に重畳して撮像を妨げる事態の抑制効果を高めることができる。尚、以上の他に第11実施形態では、第9実施形態と同様な作用効果を発揮することもできる。
【0192】
(第12実施形態)
図33,34に示すように第12実施形態は、第9実施形態の変形例である。
【0193】
第12実施形態における遮光性のフード12040は、第9実施形態の側壁部9043から代替される側壁部12043を、ベース壁部9041及び後端壁部42と共に有している。側壁部12043は、底壁面9041aが六角形の略平面状に広がり且つ規制リブ411が設けられてなるベース壁部9041の側縁部の一部から、撮像空間410の両側側方にて実質垂直に立設されることで、それぞれストレート平板状を呈している。各側壁部12043は、傾斜部9043bを有しているが、ストレート部9043cを有していない。これにより各側壁部12043は、車両2において第1仮想交点I1よりも外界5側ではカット状に形成されることで、撮像空間410と繋がる窓部12043dを画成している。尚、カット状には、実際に切削加工等でカットされている形状に限らず、成形等で予め与えられている形状も、含まれる。
【0194】
以上説明した第12実施形態のフード12040によると、車両2において側壁部12043は、レンズユニット33から仮想交点I1への広がりによって確保されるテーパ角θ1には影響し難い側、即ち仮想交点I1よりも外界5側では、カット状部分の位置する状態となる。この場合に仮想交点I1よりも外界5側では、例えば車両2の振動等に起因してフロントウインドシールド3に対する側壁部12043の相対位置が変動したとしても、当該側壁部12043によるテーパ角θ1の遮りはカット状部分の存在によって生じ難くなる。故にフード12040のうち、テーパ角θ1を確保する上では不要な部分によって正規光像の撮像が妨げられる懸念を、解消することができる。尚、以上の他に第12実施形態では、第9実施形態と同様な作用効果を発揮することもできる。
【0195】
(第13実施形態)
図35~37に示すように第13実施形態は、第12実施形態の変形例である。
【0196】
第13実施形態のカメラモジュール1は、カメラカバー13060をさらに備えている。カメラカバー13060は、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、全体として深鉢状に形成されている。カメラカバー13060は、ブラケットアセンブリ10に対して嵌合固定により装着されている。これによりカメラカバー13060は、フロントウインドシールド3に対して着脱可能に装着されたブラケットアセンブリ10にぶら下がった状態下、カメラモジュール1の他の構成要素10,20,30,12040,50を下側及び側方から覆うように配置される。
【0197】
カメラカバー13060は、レンズユニット33及びフード12040を左右両側にて側方から覆うように、一対のカバー側部13061を有している。各カバー側部13061は、車両2の鉛直方向視において第1テーパ角θ1よりも内側にまで入り込む箇所ではカット状に形成されることで、窓部12043dを介して撮像空間410と繋がる別の窓部13061aを画成している。尚、カット状には、実際に切削加工等でカットされている形状に限らず、成形等で予め与えられている形状も、含まれる。
【0198】
以上説明した第13実施形態によると、レンズユニット33及びフード12040を下側及び側方から覆うカメラカバー13060は、テーパ角θ1よりも内側にてカット状部分の位置する状態となる。この場合に仮想交点I1よりも外界5側では、例えば車両2の振動等に起因してフロントウインドシールド3に対する側壁部12043及びカメラカバー13060の相対位置が変動したとしても、それら要素12043,13060によるテーパ角θ1の遮りはカット状部分の存在によって生じ難くなる。それと共に、フロントウインドシールド3で反射されるとテーパ角θ1内へ入射してしまう光は、当該反射前にカメラカバー13060によって遮られ得る。こうしたことから、テーパ角θ1内での正規光像を撮像可能にするフード12040及びカメラカバー13060を含んだカメラモジュール1につき、小型化を大きくは阻害しない限りで、フロントウインドシールド3での反射光が当該正規光像に重畳して撮像を妨げる事態の抑制効果を高めることができる。尚、以上の他に第13実施形態では、第12実施形態と同様な作用効果を発揮することもできる。
【0199】
(第14実施形態)
図38,39に示すように第14実施形態は、第9実施形態の変形例である。
【0200】
第14実施形態におけるブラケットアセンブリ14010では、クッション13及び装着パッド12が設けられず、第1実施形態で詳細説明された第9実施形態のブラケット本体11から代替されるブラケット本体14011が設けられている。ブラケット本体14011では、平面状の上面14011aがフロントウインドシールド3の内面3aに接着固定されている。これにより車両2においてブラケットアセンブリ14010は、フロントウインドシールド3に着脱不能に装着された状態となる。
【0201】
図39に示すようにブラケット本体14011には、カメラケーシング20のうちアッパケーシング部材21の各嵌合突部213に個別に対応して、複数の嵌合溝部14112が略L字状に設けられている。各嵌合溝部14112の略L字状の終端部には、それぞれ対応する嵌合突部213がスライド嵌合によって係合固定されている。これにより車両2においてカメラケーシング20は、ブラケットアセンブリ14010に対しては着脱可能に、図38の如くぶら下がった状態となる。
【0202】
尚、ブラケット本体14011について以上説明した以外の構成は、第9実施形態のブラケット本体11と実質同一構成である。即ち、フード9040と一体形成されてなるブラケット本体14011から、ブラケットアセンブリ14010が構成されている。
【0203】
以上説明した第14実施形態によると、車両2においてレンズユニット33及びイメージャ34を収容するカメラケーシング20は、フロントウインドシールド3に対して装着されるブラケットアセンブリ14010に、着脱可能にぶら下げられた状態となる。ここで第14実施形態のブラケットアセンブリ14010には、フード9040が一体形成されている。これらによれば、フロントウインドシールド3に対してフード9040と共に装着されたままのブラケットアセンブリ14010からカメラケーシング20を離脱させて、レンズユニット33及びイメージャ34のメンテンス処理を行うことが可能となる。このとき特に、ブラケットアセンブリ14010の嵌合溝部14112からカメラケーシング20の嵌合突部213を離脱させ、必要によってはケーシング部材21,22同士を分離してカメラケーシング20内を露出させることで、メンテナンス処理が容易となる。
【0204】
また、そうした処理後に第14実施形態では、フード9040と共にフロントウインドシールド3に装着されたままのブラケットアセンブリ14010に対して、カメラケーシング20を装着してぶら下げる。これによれば、メンテナンスされたレンズユニット33及びイメージャ34での正規光像の撮像が再度可能となる。尚、以上の他に第14実施形態では、第9実施形態と同様な作用効果を発揮することもできる。
【0205】
(第15実施形態)
図40,41に示すように第15実施形態は、第14実施形態の変形例である。
【0206】
第15実施形態におけるブラケットアセンブリ15010では、第14実施形態のブラケット本体14011から代替されるブラケット本体15011が設けられている。ブラケット本体15011には、フード9040が一体に形成されていない。即ちブラケット本体15011に対しては、フード9040が別体に分離されている。この別体のフード9040は、例えばスナップフィット等でブラケット本体15011に嵌合固定される固定部15044を、有している。これによりフード9040は、ブラケットアセンブリ15010に対して着脱可能に形成された状態となっている。
【0207】
尚、ブラケット本体15011について以上説明した以外の構成は、第14実施形態のブラケット本体14011と実質同一構成である。即ち、フード9040とは別体に形成されてフロントウインドシールド3には着脱不能に装着されるブラケット本体15011として、車両2においてはカメラケーシング20が着脱可能にぶら下がった状態となるブラケット本体15011から、ブラケットアセンブリ15010が構成されている。
【0208】
以上説明した第15実施形態によっても、車両2においてカメラケーシング20は、フロントウインドシールド3に対して装着されるブラケットアセンブリ15010に、着脱可能にぶら下げられた状態となる。但し、第15実施形態のブラケットアセンブリ15010に対しては、フード9040が着脱可能に形成されている。これらによれば、フロントウインドシールド3に装着されたままのブラケットアセンブリ15010から、カメラケーシング20及びフード9040を離脱させて、レンズユニット33及びイメージャ34のメンテンス処理を行うことが可能となる。このときにも、ブラケットアセンブリ14010の嵌合溝部14112からカメラケーシング20の嵌合突部213を離脱させ、必要によってはケーシング部材21,22を分離してカメラケーシング20内を露出させることで、メンテナンス処理が容易となる。
【0209】
また、そうした処理後に第15実施形態では、フロントウインドシールド3に装着されたままのブラケットアセンブリ14010に対して、フード9040を装着してから、カメラケーシング20を装着してぶら下げる。これによれば、メンテナンスされたレンズユニット33及びイメージャ34での正規光像の撮像が再度可能となる。尚、以上の他に第15実施形態では、第9実施形態と同様な作用効果を発揮することもできる。
【0210】
(第16実施形態)
図42に示すように第16実施形態は、第15実施形態の変形例である。
【0211】
第16実施形態のカメラモジュール1は、カメラカバー16060をさらに備えている。カメラカバー16060は、例えば樹脂等の比較的成形容易な硬質材料により、全体として深鉢状に形成されている。カメラカバー16060は、ブラケットアセンブリ15010に対して嵌合固定により装着されている。これによりカメラカバー16060は、フロントウインドシールド3に対して着脱不能に装着されたブラケットアセンブリ15010にぶら下がった状態下、カメラモジュール1の他の構成要素10,20,30,9040,50を下側及び側方から覆うように配置される。尚、カメラカバー16060において、レンズユニット33及びフード9040を左右両側側方から覆う一対のカバー側部16061には、第13実施形態の如き窓部13061aは設けられていない。
【0212】
以上説明した第16実施形態のカメラカバー16060によると、レンズユニット33及びフード9040を下側及び側方から覆うことで、フロントウインドシールド3で反射されるとテーパ角θ1内へ入射してしまう光を、当該反射前にフード9040と共同して遮ることができる。故に、正規光像を撮像可能なテーパ角θ1を確保するフード9040及びカメラカバー16060を含んだカメラモジュール1につき、小型化を大きくは阻害しない限りで、フロントウインドシールド3での反射光が当該正規光像に重畳して撮像を妨げる事態の抑制効果を高めることができる。尚、以上の他に第16実施形態では、第15実施形態と同様な作用効果を発揮することもできる。
【0213】
(第17実施形態)
図43に示すように第17実施形態は、第16実施形態の変形例である。
【0214】
第17実施形態においてカメラカバー16060により下側及び両側側方から覆われるフード17040では、規制リブ411が設けられていない点を除いて、フード9040と実質同一の構成が採用されている。
【0215】
第17実施形態におけるイメージアセンブリ17030の構成要素としては、第1実施形態で詳細説明された第16実施形態のアセンブリホルダ31から代替されるアセンブリホルダ17031が、レンズユニット33及びイメージャ34と組み合わされている。アセンブリホルダ17031では、レンズ鏡筒35の大半部分が同ホルダ17031内部に収容されている点を除いて、アセンブリホルダ31と実質同一の構成が採用されている。
【0216】
第17実施形態における回路ユニット17050の構成要素としては、制御基板17054が撮像基板51とFPC53と回路52,55とに組み合わされている。制御基板17054では、接続孔542が設けられていない点及び内部コネクタ543が上側実装面540に実装されている点を除いて、制御基板54と実質同一の構成が採用されている。これにより、制御基板17054の外周側を蛇行湾曲状態にて回り込んだFPC53を介して、撮像基板51が内部コネクタ543と接続されている。尚、撮像基板51は、制御基板17054の上側実装面540に実装された内部コネクタ543に対し、FPC53を介さずに接続されていてもよい。また、撮像基板51及びアセンブリホルダ17031のうち少なくとも後者は制御基板17054の上側に偏って配置されているが、それらの両者が制御基板17054の上側と下側とに跨って配置されていてもよい。
【0217】
以上説明した第17実施形態によっても、第16実施形態と同様な作用効果を発揮することができる。
【0218】
(第18実施形態)
図44~47に示すように第18実施形態は、第9実施形態の変形例である。尚、以降の説明では、水平面上の車両2における水平方向及び鉛直方向を、それぞれ単に水平方向及び鉛直方向という。
【0219】
第18実施形態における遮光性のフード18040は、第9実施形態の側壁部9043から代替される側壁部18043を、ベース壁部9041及び後端壁部42と共に有している。側壁部18043は、特定リブ411aを含む複数規制リブ411の設けられたベース壁部9041の側縁部全域から、撮像空間410の両側側方にて実質垂直に立設されることで、それぞれ屈曲平板状を呈している。各側壁部18043は、第9実施形態の傾斜部9043b及びストレート部9043cからそれぞれ代替される傾斜部18043b及びストレート部18043cを、有している。
【0220】
各側壁部18043の傾斜部18043b及びストレート部18043cは、以下に詳述するようにレンズユニット33の広角レンズ36を通したレンズ画角θwとして特に、仮想平面Si上でのレンズ画角θwを基準に形成されている点を除き、第9実施形態の傾斜部9043b及びストレート部9043cと実質同一の構成を備えている。ここで仮想平面Siは、レンズユニット33の光軸Aw,Alを含むように、水平方向のうち少なくとも左右方向(即ち、横方向)に沿って仮想される。故に、光軸Aw,Alが水平方向のうち前後方向に沿う場合に仮想平面Siは、当該光軸Aw,Alを含み且つ前後方向と左右方向との双方に沿って広がる平面、即ち水平面となる。また一方、光軸Aw,Alが前後方向に対して前側ほど下側又は上側へ傾斜している場合に仮想平面Siは、当該光軸Aw,Alを含み且つ前後方向に対する傾斜方向と左右方向とに沿って広がる平面、即ち水平面に対する傾斜面となる。
【0221】
各側壁部18043の傾斜部18043bは、光軸Aw,Alを左右に挟んで対称に、それぞれ設けられている。各側壁部18043の傾斜部18043bは、フロントウインドシールド3の内面3aに対して隙間18430を空ける姿勢に、配置される。各側壁部18043の傾斜部18043bは、鉛直方向から視た仮想平面Si上でのレンズ画角θwよりも外側に、形成されている。また特に、各側壁部18043の傾斜部18043bにおいて台形平面状の内壁面18430bは、鉛直方向から視た仮想平面Si上でのレンズ画角θwの左右両側縁を表した画角線には実質平行に沿って広がるように、又は当該画角線とは傾斜して広がるように、形成されている。これらにより各側壁部18043の傾斜部18043bでは、鉛直方向視(即ち、水平面視)にて仮想平面Si上でのレンズ画角θwよりも外側範囲における内壁面18430bが、レンズユニット33のうちレンズ窓420内に露出したレンズ鏡筒35側へ向かうほど、光軸Aw,Al側へと傾斜している。
【0222】
各側壁部18043のストレート部18043cは、光軸Aw,Alを左右に挟んで対称に、それぞれ設けられている。各側壁部18043のストレート部18043cは、同じ側壁部18043における傾斜部18043bの前端部から、鉛直方向から視た仮想平面Si上でのレンズ画角θwよりも内側へと入り込むように、光軸Aw,Alには実質平行に沿って形成されている。また特に、各側壁部18043のストレート部18043cにおいて台形平面状の内壁面18430cは、鉛直方向から視た仮想平面Si上でのレンズ画角θwの左右両側縁を表した画角線とは交差するように、形成されている。但し、水平方向のうち左右方向(即ち、側方)から視た各側壁部18043のストレート部18043cは、仮想平面Si上にてレンズ画角θwの左右両側縁を表した画角線を、当該画角線よりも下側にて避ける高さに、形成されている。即ち、各側壁部18043におけるストレート部18043cの高さは、仮想平面Si上でのレンズ画角θwの縁を遮らない高さに、設定されている。これにより各側壁部18043のストレート部18043cも、フロントウインドシールド3の内面3aに対しては隙間18430を空ける姿勢に、配置される。また、このような各側壁部18043のストレート部18043cでは、鉛直方向視にて仮想平面Si上でのレンズ画角θwよりも内側範囲における内壁面18430cが、光軸Aw,Alには実質平行に沿って対称形状に広がっている。
【0223】
(作用効果)
以上説明した第18実施形態の作用効果を、以下に説明する。
第9実施形態と同様に第18実施形態のフード18040によると、外界5のうちイメージャ34による撮像対象範囲外からは、レンズユニット33への余剰光入射が規制されることになる。これによれば、撮像対象範囲内からの正規の光像に余剰光が重畳して撮像を妨げる事態の抑制を、図ることができる。
【0224】
ここで特に第18実施形態のフード18040によると、撮像空間410を空けてフロントウインドシールド3と対向するように配置のベース壁部9041から撮像空間410の側方にて立設される側壁部18043は、仮想平面Si上ではレンズユニット33のレンズ画角θwの縁を避ける高さに、形成されている。これによれば、フード18040が小さく形成されても、レンズユニット33の光軸Aw,Alを含むように水平方向に沿って仮想される仮想平面Si上及びそれよりもフロントウインドシールド3側(即ち、上側)では少なくとも、撮像対象範囲内からの光像の入射が遮られ難くなる。故に、レンズ画角θw内にて正規光像を撮像可能にするフード18040を含んだカメラモジュール1につき、小型化を図ることができる。
【0225】
また、第9実施形態と同様に第18実施形態のレンズユニット33では、広角レンズ36を含むことで広いレンズ画角θwが確保されているので、入射する余剰光が増加し、またフード18040が大きくなるといった懸念がある。しかし、上述したように第18実施形態では、レンズユニット33への余剰光入射が規制されるだけでなく、フード18040が小さく形成されても、仮想平面Si上及びそれよりもフロントウインドシールド3側での光入射は少なくとも、遮られ難くなる。しかも、第1実施形態で説明の如き特殊な広角レンズ36を第9実施形態と同様に採用した第18実施形態では、広角光学面360のサイズが小さくなっても、仮想平面Si上及びそれよりもフロントウインドシールド3側では少なくとも、正規光像の撮像が担保され得る。これらのことから、レンズ画角θw内での正規光像を撮像可能にするフード18040を広角レンズ36と共に含んだカメラモジュール1につき、小型化を図ることができる。
【0226】
また、第9実施形態と同様に第18実施形態のフード18040によると、撮像空間410を空けてフロントウインドシールド3と対向するように配置のベース壁部9041では、複数の規制リブ411が撮像空間410内へと突出していることで、レンズユニット33への光反射が規制されることになる。これによれば、フロントウインドシールド3との対向配置下では光入射の増大し易いベース壁部9041での反射光がレンズ画角θw内の正規光像に重畳して撮像を妨げる事態の抑制を、図ることができる。
【0227】
また、第9実施形態と同様に第18実施形態のフード18040によると、複数の規制リブ411のうち、レンズユニット33の周囲にて突出高さの高くなる特定リブ411aは、ベース壁部9041での反射光がレンズユニット33へと向かう光路を遮断し易くなる。これによれば、ベース壁部9041での反射光がレンズ画角θw内の正規光像に重畳して撮像を妨げる事態の抑制効果を高めることができる。
【0228】
また、第18実施形態のフード18040によると、側壁部18043とフロントウインドシールド3との間には、隙間18430が空けられた状態となる。これによれば、フロントウインドシールド3で反射されるとレンズ画角θw内へと入射してしまう光を側壁部18043により遮りつつも、側壁部18043の立設元ベース壁部9041とフロントウインドシールド3との間の撮像空間410を可及的に拡大し得る。故に、可及的に広いレンズ画角θw内での正規光像を撮像可能にするフード18040を含んだカメラモジュール1において、フロントウインドシールド3での反射光が当該正規画像に重畳して撮像を妨げる事態を抑制することができる。
【0229】
また第18実施形態によると、仮想平面Si上でのレンズ画角θwよりも内側では、側壁部18043が光軸Aw,Alに沿って形成されているので、フード18040の水平方向のうち左右方向(即ち、横方向)に沿った横幅が小さく制限され得る。故に、レンズ画角θw内にて正規光像を撮像可能にするフード18040を含んだカメラモジュール1につき、小型化を促進することができる。
【0230】
また第18実施形態によると、仮想平面Si上でのレンズ画角θwよりも内側では、側壁部18043が光軸Aw,Alを挟んで対称形状に形成されているので、フード18040が小さく且つ比較的簡素な構造に構築され得る。故に、レンズ画角θw内にて正規光像を撮像可能にするフード18040を含んだカメラモジュール1につき、小型化及び簡素化を促進することができる。
【0231】
また、第18実施形態のフード18040によると、仮想平面Si上でのレンズ画角θwよりも外側に側壁部18043が有する傾斜部18043bは、レンズユニット33側へと向かうほど光軸Aw,Al側へ傾斜した形状となる。これによれば、レンズ画角θwを確保する上での可及的に小さなサイズに、フード18040が形成され得る。故に、レンズ画角θw内にて正規光像を撮像可能にするフード18040を含んだカメラモジュール1につき、小型化を促進することができる。
【0232】
(第19実施形態)
図48に示すように第19実施形態は、第18実施形態の変形例である。
【0233】
第19実施形態のフード19040では、規制リブ411が設けられていない点を除いて、フード18040と実質同一の構成が採用されている。故に第19実施形態によっても、特定リブ411aを含んだ規制リブ411による作用効果を除き、第18実施形態と同様な作用効果を発揮することもできる。
【0234】
(第20実施形態)
図49~51に示す第20実施形態のカメラモジュール(カメラユニット)20001は、車両2のフロントウインドシールド3の内側、具体的には内面3aに、ブラケット(図示しない)を介して取り付けられる。尚、以下の第20実施形態の説明において、カメラモジュール20001及びその構成部品についての方向の表現、例えば前後方向、左右方向及び鉛直方向等の表現は、カメラモジュール20001がフロントウインドシールド3に取り付けられた状態を基準とする。カメラモジュール20001及びその構成部品の前後方向及び左右方向は、車両の前後方向及び左右方向と同義である。
【0235】
カメラモジュール20001は、カメラモジュール本体(カメラユニット本体)20001aと、フード20040とを、備えている。カメラモジュール本体20001aは、箱状の部品であるカメラケーシング(筐体)20020の内部に、広角レンズ20036を含むカメラの構成部品を、収納させてなる。
【0236】
広角レンズ20036は、カメラケーシング20020の上部であって、前側から視てカメラケーシング20020から露出する位置に設けられている。即ち広角レンズ20036は、フロントウインドシールド3の内側から車両2の外側を撮像可能な位置に配置される。図50,51に示すように広角レンズ20036は、光軸Awを含むように水平方向のうち左右方向及び前後方向に沿って仮想される仮想平面Si上での画角θとして、当該光軸Awが前後方向にて沿う場合の水平面上における画角θが75~150°程度、例えば90°等のレンズである。ここで、図51にて2点鎖線ハッチングを一部に付して示すように、光軸Awを含む仮想平面Siとしての水平面上において画角θの範囲内に含まれる領域を、水平画角領域20036aという。また、光軸Awを含む水平面上において水平画角領域20036a以外の領域(即ち、光軸Awを含む水平面上において画角θの範囲外となる領域)から、水平画角領域20036aを区画する2本の直線(即ち、図51の破線)を、当該水平面上での画角θの縁という。
【0237】
フード20040は、図50に示す車両2の車室4内からの光がフロントウインドシールド3の内側で反射して広角レンズ20036に入射することを防ぐための部品である。このため、フード20040は、広角レンズ20036を下側から覆うように、カメラケーシング20020の上面の前部に固定される。ここでフード20040は、カメラケーシング20020に組み付けられる別体として構成されているが、カメラケーシング20020と一体形成されていてもよい。
【0238】
図49~51に示すようにフード20040は、水平面上の車両2において広角レンズ20036の光軸Awを含む鉛直面を基準とした、左右対称形状のトレイ状の部品である。換言すればフード20040は、鉛直方向から視て、光軸Awに対して対称形状である。具体的にはフード20040は、ベース壁部(底壁)20041と、2つの側壁部(側壁)20043と、後端壁部(後壁)20042とを、備えている。
【0239】
ベース壁部20041は、広角レンズ20036の光軸Awの下側に位置する六角形状の平板部である。具体的にはベース壁部20041は、互いに平行な2つの側辺と、2つの側辺の前端同士を結ぶ前端辺と、2つの側辺のそれぞれの後端から互いに近づくように斜め後側へ延びる2つの傾斜辺と、2つの傾斜辺の後端同士を結ぶ後端辺とを、有している。2つの側辺のそれぞれと前端辺とのなす角度は実質垂直であることが好ましいが、必ずしも実質垂直でなくともよい。また、前端辺と後端辺とは実質平行である。
【0240】
ベース壁部20041は、前端辺が最も低くなるように傾斜している。ここでベース壁部20041の傾斜は、フロントウインドシールド3のうちベース壁部20041よりも前側に位置する部分の傾斜よりも、小さい。これによりベース壁部20041は、前端辺においてフロントウインドシールド3に最も近接する状態となる。尚、ベース壁部20041には、反射を抑える等のために、複数の突条(即ち、規制リブ)又は複数の溝が設けられていてもよい。
【0241】
2つの側壁部20043は、ベース壁部20041の左右両側、具体的には左右のそれぞれの側辺及び傾斜辺から、フロントウインドシールド3に向かって、換言すれば上側に向かって立設された板部である。2つの側壁部20043は、ベース壁部20041から実質垂直に立設されている。但し、各側壁部20043の鉛直方向の高さについては、それら各側壁部20043の上端がフロントウインドシールド3の内面3aに近接する高さであって、広角レンズ20036の光軸Awを含む仮想平面Siとしての水平面上において画角θの縁を遮らない高さに設計されている限りで、必ずしもベース壁部20041から実質垂直に立設されている必要はない。図50に示すように各側壁部20043は、その上端とフロントウインドシールド3との間に隙間20430、具体的には2~3mm程度の微少な隙間20430を空けて配置される。
【0242】
図49~51に示すように各側壁部20043は、ベース壁部20041の側辺に沿った平板状のストレート部(直線壁)20043cと、ベース壁部20041の傾斜辺に沿った平板状の傾斜部(傾斜壁)20043bとを、それぞれ光軸Awに対する対称形状にて一対ずつ有している。各ストレート部20043cは、鉛直方向から視て、光軸Awと実質平行な直線状である。一方で傾斜部20043bは、鉛直方向から視て、広角レンズ20036側ほど光軸Asに近づく方向へ傾斜した直線状である。また、図50に示すストレート部20043cと傾斜部20043bとについて、水平方向のうち左右方向(即ち、車幅方向)から観察した場合の投影形状は、車両2の後側から前側に向かって徐々に高さの低下する三角形となるように、構成されている。これにより、ストレート部20043cの上端縁及びフロントウインドシールド3の間の隙間20430と、傾斜部20043bの上端縁及びフロントウインドシールド3の間の隙間20430とを、略一定にすることができる。さらに各ストレート部20043cは、鉛直方向から視て、水平画角領域20036a内に一部が含まれる。一方で各傾斜部20043bは、鉛直方向から視て、水平画角領域20036a内には含まれない。
【0243】
後端壁部20042は、ベース壁部20041の後辺から、フロントウインドシールド3に向かって、換言すれば上方に向かって立設された平板部である。後端壁部20042は、2つの側壁部20043の後端同士を連結する。また、後端壁部20042は、広角レンズ20036を覆う位置に、貫通孔20420を有している。即ち広角レンズ20036は、後端壁部20042の貫通孔20420から露出するように、配置される。
【0244】
(作用効果)
以上説明した第20実施形態では、以下の作用効果が得られる。
第20実施形態によると、次の理由から、フード20040の小型化を図りつつ、広角レンズ20036に対応することができる。即ち、例えば図52に示す比較例のように、鉛直方向から視た画角の範囲内に側壁部7が含まれないようにフードを構成しようとすると、広角レンズを適用した場合にフードの横幅が大きくなる懸念はある。これに対して第20実施形態では、図51に示すように、鉛直方向から視て水平画角領域20036a内には、各側壁部20043の一部が含まれる。そこで、少なくとも広角レンズ20036の光軸Awを含む仮想平面Siとしての水平面上では、撮像可能な範囲が各側壁部20043によって遮られないように、フード20040が構成されている。これによれば、広角レンズ20036による水平方向の広い画角θを生かしつつ、フード20040の小型化を図ることができる。
【0245】
また第20実施形態では、各側壁部20043は、フロントウインドシールド3との間に微少な隙間20430を空けて配置される。これにより、車室4内からの光がフロントウインドシールド3の内側で反射することにより起こり得る現象、即ち車室4内の物体が撮像画像に映る現象は生じ難い範囲で、撮像可能な範囲の拡大が図られている。ここで第20実施形態では、各側壁部20043とフロントウインドシールド3との間の隙間20430は2~3mm程度と微少である。このため、車室4内の物体が撮像画像に映ったとしても、撮像画像上のサイズは非常に小さく、例えば5ピクセル程度である。したがって、白線や歩行者等と誤認識してしまう可能性のある物体が車室4内に存在する場合にも、撮像画像にはその物体のごく一部しか映らないため、誤認識が生じ難い。よって、第20実施形態によれば、車室4内の物体が撮像画像に映ることによる誤認識が生じ難い範囲で、撮像可能な範囲を拡大することができる。
【0246】
また第20本実施形態では、鉛直方向から視て各ストレート部20043cは、光軸Awと実質平行な直線状であり、水平画角領域20036a内に一部が含まれるように構成されている。また、鉛直方向から視て各ストレート部20043cは、光軸Awに対して対称形状である。これらによれば、フード20040の横幅を制限しつつ、広角レンズ20036と各ストレート部20043cとの距離を確保することができる。
【0247】
また第20実施形態では、鉛直方向から視て各側壁部20043は、水平画角領域20036a以外の領域に傾斜部20043bを有する形状である。これは、フード20040が六角形のトレイ状部品であることに拠る。これにより、水平画角領域20036a以外の領域、即ち広角レンズ20036の下側を覆うことを必要としない領域において、ベース壁部20041の面積を減らすことができる。したがって、第20実施形態によれば、傾斜部20043bのない構成と比較して、フード20040自体を小型化することができる。
【0248】
尚、以上説明のフード20040は、広角レンズ20036の光軸Awを含むように水平方向のうち少なくとも左右方向に沿って仮想される仮想平面Si上での画角θの縁として、水平方向のうち前後方向に当該光軸Awが沿う場合の水平面上での画角θの縁を遮らない高さにて、2つの側壁部20043を有している。但し、各側壁部20043の構成は、これに限定されるものではない。例えば、光軸Awが前後方向に対して前側ほど下側又は上側へ傾斜している場合には、当該傾斜光軸Awを含むように左右方向に沿って仮想される仮想平面Si上での画角θの縁を遮らない高さにて、フード20040が2つの側壁部20043を有していれば、上述と同様の作用効果が発揮され得る。
【0249】
また以上説明のフード2040は、各側壁部20043毎にストレート部20043cと傾斜部20043bとを有している。但し、各側壁部20043の構成は、これに限定されるものではない。例えば図53に示すように、各側壁部20043がストレート部(直線壁)20043cのみを有する長方形のトレイ状フード20040であっても、それら各側壁部20043の上端がフロントウインドシールド3の内面3aに近接する高さであって、広角レンズ20036の光軸Awを含む仮想平面Si上での画角θの縁を遮らない高さであれば、上述と同様の作用効果が発揮され得る。
【0250】
(他の実施形態)
以上、複数の実施形態について説明したが、本開示は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。尚、以下の説明において、図54,55は第2実施形態に関する変形例を代表的に示し、図56,57,67は第1実施形態に関する変形例を代表的に示している。また、図58,68~73は第9実施形態に関する変形例を代表的に示し、図59,60は第3実施形態に関する変形例を代表的に示し、図61,62は第4実施形態に関する変形例を代表的に示し、図63,74は第15実施形態に関する変形例を代表的に示している。
【0251】
具体的に、第1~第19実施形態に関する変形例1では、図54に示すように広角レンズ36,2036を係止する形状の係止爪部355a,2355aは、広角レンズ36,2036の嵌入後に広角収容部350aの前側端部が加締められることで、形成されていてもよい。この場合、フロントキャップ355,2355は不要となる。
【0252】
第1~第19実施形態に関する変形例2では、図55に示すように広角レンズ36,2036は、第1後段レンズ371の前側光学面に重ねて固定されることで、フロントキャップ355,2355と第2スペーサ352との間に挟持されていてもよい。この場合、第1スペーサ351は不要となる。
【0253】
第1及び第3~第19実施形態に関する変形例3では、図56に示すように広角レンズ36は、第1後段レンズ371を前側から係止する係止爪部355aを有したフロントキャップ355に対して、前側から接着されていてもよい。この場合、第1スペーサ351及び広角収容部350aは不要となる。またこの場合、第2実施形態に準じた反射規制部1363が広角レンズ36,2036の外周面362,2362に設けられているとよい。
【0254】
第1~第19実施形態に関する変形例4では、図57に示すように直線状弦部分360bに代替して、円弧部分360aよりも小さな曲率で下側へと凸状に湾曲する湾曲部1360bによって、広角光学面360,2360のカット状が実現されてもよい。第1~第19実施形態に関する変形例5では、最下部Pwlでの下側サイズRwlよりも大きな上側サイズRwuが最上部Pwuで確保される限りにて、広角光学面360,2360における円弧部分360aの曲率が周方向で変化していてもよい。第1~第19実施形態に関する変形例6では、広角レンズ36,2036が広角光学面360,2360に準じたカット状を、左右の側部に有していてもよい。
【0255】
第1~第19実施形態に関する変形例7では、図58に示すように、広角レンズ36,2036がカット状を有していなくてもよい。この場合、広角レンズ36,2036及びレンズセット37の各光軸Aw,Alは、広角光学面360の幾何中心Cwgとは実質ずれないことで、同中心Cwgを通っていてもよい。尚、この場合でも、広角レンズ36,2036及びレンズセット37の各光軸Aw,Alよりも下側に、イメージャ34における有効撮影領域340の幾何中心Cigがずれていることによる作用効果は、発揮可能となる。
【0256】
第1~第19実施形態に関する変形例8では、光軸Alが広角レンズ36,2036の光軸Awと実質共通なレンズとして、5つ以外の複数又は1つの後段レンズから、レンズセット37が構成されていてもよい。第1~第19実施形態に関する変形例9では、レンズセット37における少なくとも1つの後段レンズが広角光学面360,2360に準じたカット状を、上部に有していてもよい。第1~第19実施形態に関する変形例10では、後段レンズが設けられていなくてもよい。
【0257】
第1~第19実施形態に関する変形例11では、広角レンズ36,2036及びレンズセット37の各光軸Aw,Alは、イメージャ34における有効撮影領域340の幾何中心Cigとは実質ずれないことで、同中心Cigを通っていてもよい。第1~第19実施形態に関する変形例12では、外界画像551のうち車両撮影画素551aを含んだ所定画素の画素値に基づくことで、次回撮影時の露光状態が制御されてもよい。
【0258】
第1~第19実施形態に関する変形例13では、イメージャ34を制御する制御回路55の少なくとも一部の機能は、カメラケーシング20,3020,5020,6020外の例えばECU等といった外部回路により、実現されていてもよい。この場合の具体例として図59に示すものでは、制御回路55の全体が例えばECU等の外部回路としてカメラケーシング3020外に配置され、FPC3053が外部コネクタ544に接続されている。これにより、制御回路55分の放熱性対策が不要となると共に、制御回路55分の小型化が可能となる。尚、図59の具体例では、外部の制御回路55と接続される外部コネクタ544に加え、FPC3053と接続される内部コネクタ543が実装される分の基板54は、残されている。
【0259】
第1~第16、第18及び第19実施形態に関する変形例14では、制御基板54に接続孔542が設けられていなくてもよい。この場合に撮像基板51,7051は、制御基板54の上側実装面540に実装された内部コネクタ543に対し、FPC53,3053を介して又は介さずに接続されていてもよい。あるいは撮像基板51,7051は、制御基板54の下側実装面541に実装された内部コネクタ543に対し、制御基板54の外周側を回り込むFPC53,3053を介して接続されていてもよい。
【0260】
第1、第2及び第9~第19実施形態に関する変形例15では、対向壁部210及び凹壁部212のうち少なくとも一方がカメラケーシング20に設けられていなくてもよい。第1~第5、第7~第13、第18及び第19実施形態に関する変形例16では、ブラケット本体11が設けられず、カメラケーシング20,3020,5020により直接的に保持される装着パッド12がフロントウインドシールド3に固定されてもよい。
【0261】
第1~第5、第7~第13、第18及び第19実施形態に関する変形例17では、フード40,9040,10040,11040,12040,18040,19040がブラケット本体11とは別体に形成されていてもよい。第16及び第17実施形態に関する変形例18では、フード9040がブラケット本体15011と一体に形成されていてもよい。
【0262】
第1~第16及び第18実施形態に関する変形例19では、フード40,6040,9040,10040,11040,12040,18040において各規制リブ411の高さが実質等しく設定されていてもよい。第1~第16実施形態に関する変形例20では、規制リブ411がフード40,6040,9040,10040,11040,12040に設けられていなくてもよい。第17実施形態に関する変形例21では、特定リブ411aを含む規制リブ411がフード17040に設けられていてもよい。
【0263】
第1~第19実施形態に関する変形例22では、図60に示すようにカメラケーシング20,3020,5020,6020にてアッパケーシング部材21,3021,6021に設けられた開口1024により、外部コネクタ544の周囲が外部に開放されていてもよい。この場合、車室4内の空気流れにより外部コネクタ544が冷却され得るので、放熱性を高めることができる。
【0264】
第3~第19実施形態に関する変形例23では、第2実施形態に準じた広角レンズ2036が設けられていてもよい。第4~第16、第18及び第19実施形態に関する変形例24では、第3実施形態に準じてFPC53から代替されるFPC3053に接続の中継部材3056が、追加されていてもよい。第1~第19実施形態に関する変形例25では、図61に示すようにカメラケーシング20,3020,5020,6020のロアケーシング部材22,3022に対して、制御基板54,17054及び制御回路55のうち少なくとも一方を接続する構造に、第3実施形態に準じた中継部材3056が設けられていてもよい。
【0265】
第4及び第6~第8実施形態に関する変形例26においてFPC4053の配置箇所には、図62に示すように第3実施形態に準じた中継部材3056が硬質板状に形成されて、FPC4053から代替されていてもよい。第9~第19実施形態に関する変形例27では、第4実施形態に準じてFPC4053が追加されていてもよい。
【0266】
第6~第8実施形態に関する変形例28では、第5実施形態に準じた接続部材5023にFPC4053が接続されていてもよい。第9~第19実施形態に関する変形例29では、第5実施形態に準じてFPC4053と共に接続部材5023が追加されていてもよい。
【0267】
第1~第3、第5、第7~第13及び第15~第19実施形態に関する変形例30では、図63に示すように第6実施形態に準じてフード40,9040,10040,11040,12040,17040,18040,19040がカメラケーシング20,3020,5020により形成されていてもよい。第6実施形態に関する変形例31では、カメラケーシング6020の一部によりフード6040が構成された状態下、フード6040のないブラケット本体11が設けられていてもよい。
【0268】
第7実施形態に関する変形例32では、図64に示すようにFPC4053が設けられず、上述した変形例24との組み合わせによってFPC3053に接続の中継部材3056が追加されていてもよい。この場合、接着固定及び導通固定のうち少なくとも一方によりFPC3053は、撮像基板51に接続されているだけでなく、充填材7038にも接続されているとよい。
【0269】
第8実施形態に関する変形例33では、図65に示すようにFPC4053が設けられていなくてもよい。この場合、上述した変形例24との組み合わせによってFPC3053に接続の中継部材3056が追加されていてもよいし、接続されていなくてもよい。さらに、中継部材3056の追加される変形例33では、撮像基板51に接続のFPC3053は、接着固定及び導通固定のうち少なくとも一方により、充填材7038にも接続されていてもよいし、充填材7038には接続されていなくもよい。
【0270】
第8実施形態に関する変形例34において、貫通孔状のレンズ窓216とレンズユニット33のレンズ鏡筒35との間のうち一部又は全ては、接着材8039により埋められていなくてもよい。この場合の具体例として図66に示すものでは、レンズ窓216とレンズ鏡筒35との間の全てが接着材8039により埋められず、開放されている。
【0271】
第8実施形態に関する変形例35において接着材8039は、レンズユニット33及びアセンブリホルダ7031の一方とカメラケーシング3020との間には設けられているが、それらの他方と同ケーシング3020との間には設けられていなくてもよい。この場合の具体例として図66に示すものでは、レンズユニット33とカメラケーシング3020の間には、接着材8039が設けられていない。
【0272】
第9~第19実施形態に関する変形例36では、第7実施形態に準じてFPC4053と共に充填材7038が追加されていてもよい。第9~第19実施形態に関する変形例37では、第8実施形態に準じてFPC4053と共に充填材7038及び接着材8039が追加されていてもよい。
【0273】
第1~第19実施形態に関する変形例38では、図67に示すように、上述した変形例7との組み合わせによってレンズ鏡筒35,2035には、カット状を有していない広角レンズ1036の下部が埋設されていてもよい。これにより、第1又は第2実施形態に準じた広角光学面360,2360が疑似的に構成されることになる。
【0274】
第1~第19実施形態に関する変形例39では、側壁部43,9043,10043,11043,12043,18043が光軸Aw,Alを左右に挟んで非対称となるように、非対称構造が採用されていてもよい。この場合の具体例として図68に示すものでは、片側の傾斜部9043bにおける中間部の上方に第1仮想交点I1が対応付けられることで、例えば図1に示す範囲Xh内での開口窓6aの中心と装着箇所とのずれ量等に応じて非対称構造が構築される。
【0275】
第1~第19実施形態に関する変形例40では、少なくとも片側の側壁部43,9043,10043,11043,12043,18043がベース壁部41,9041から鋭角又は鈍角を挟んで立設されていれもよい。第1~第8実施形態に関する変形例41では、少なくとも片側の側壁部43における内壁面43aが湾曲面状又は屈曲面状に形成されていてもよい。
【0276】
第9~第17実施形態に関する変形例42では、図69,70に示すように、車両2においてレンズユニット33の周囲から第2仮想交点I2へ向かうテーパ線に沿って第2テーパ角θ2を区画するように、段差部1041bがベース壁部9041,41に設けられていてもよい。この場合のベース壁部9041,41の底壁面9041a,41aにおいて、段差部1041bの外側所定域に広がる外側底面部1041cは、同部1041bの内側全域に広がる内側底面部1041dよりも、上側にずれて設けられる。
【0277】
第9~第19実施形態に関する変形例43では、図71に示すように、少なくとも片側の傾斜部9043b,18043bにおける内壁面9430b,18430bが湾曲面状又は屈曲面状に形成されていてもよい。この場合のうち、第9~第17実施形態に関する変形例43の傾斜部9043bは、鉛直方向視における第1テーパ角θ1よりも内側には入り込まないようにして、レンズユニット33の周囲から第1仮想交点I1へと向かって広がる状態を実現する。ここで図71は、両側の傾斜部9043bにて内壁面9430bが湾曲面状に形成される具体例を、示している。また、第18及び第19実施形態に関する変形例43では、仮想平面Si上でのレンズ画角θwの縁を避ける高さが湾曲面状又は屈曲面状内壁面18430bの傾斜部18043bにて実現されることになる。
【0278】
第9、第11及び第14~第19実施形態に関する変形例44では、図72に示すように、少なくとも片側のストレート部9043c,11043c,18043cに代替して、平面状、湾曲面状又は屈曲面状の内壁面9430c,11430c,18430cを有して傾斜部9043b,18043bとは逆方向に傾斜する逆傾斜部1043cが設けられていてもよい。この場合のうち、第9~第17実施形態に関する変形例44の逆傾斜部1043cは、鉛直方向視における第2テーパ角θ2よりも内側には入り込まないようにして、第2仮想交点I2まで広がる状態を実現する。ここで図72は、両側の逆傾斜部1043cにて内壁面9430cが平面状に形成される具体例を、示している。また、第18及び第19実施形態に関する変形例44では、仮想平面Si上でのレンズ画角θwの縁を避ける高さが逆傾斜部1043cにて実現されることになる。
【0279】
第9~第11及び第14~第19実施形態に関する変形例45では、図73に示すように、少なくとも片側のストレート部9043c,11043c,18043c又は傾斜部10043cに代替して、湾曲面状又は屈曲面状の内壁面9430c,10430c,11430c,18430cを有した曲部1143cが設けられていてもよい。この場合のうち、第9~第17実施形態に関する変形例45の曲部1143cは、鉛直方向視における第2テーパ角θ2よりも内側には入り込まないようにして、第2仮想交点I2の外側側方まで広がる状態を実現する。ここで図73は、両側の曲部1143cにて内壁面9430cが湾曲面状に形成される具体例を、示している。また、第18及び第19実施形態に関する変形例45では、仮想平面Si上でのレンズ画角θwの縁を避ける高さが曲部1143cにて実現されることになる。
【0280】
第14~第17実施形態に関する変形例46では、フロントウインドシールド3の内面3aに合わせてブラケット本体14011,15011の上面14011aが湾曲するように、湾曲構造が採用されていてもよい。この場合の具体例として図74に示すものでは、上述した変形例39との組み合わせにより各側壁部9043の高さが左右で異なるように、例えば図1に示す範囲Xh内での開口窓6aの中心と装着箇所とのずれ量等に応じて非対称構造が構築される。
【0281】
第11及び第14~第19実施形態に関する変形例47では、少なくとも片側のストレート部11043c,9043c,18043cに代替して、第10実施形態に準じた傾斜部10043cが設けられていてもよい。この場合のうち、第11実施形態に関する変形例47では、偏光フィルタから構成の傾斜部10043cが設けられることになる。また、第14~第19実施形態に関する変形例47では、第11実施形態に準じて、偏光フィルタから構成の傾斜部10043cが設けられていてもよい。また、第18及び第19実施形態に関する変形例47では、光軸Aw,Alに対する傾斜が傾斜部18043bよりも小さな傾斜部10043cにて、仮想平面Si上でのレンズ画角θwの縁を避ける高さが実現されることになる。
【0282】
第14~第19実施形態に関する変形例48では、少なくとも片側のストレート部9043c,18043cに代替して、第11実施形態に準じた偏光フィルタから構成のストレート部11043cが設けられていてもよい。第14、第15、第18及び第19実施形態に関する変形例49では、第12実施形態に準じて側壁部9043,18043がカット状に形成されていてもよい。
【0283】
第16及び第17実施形態に関する変形例50では、第13実施形態に準じて側壁部9043及びカメラカバー16060がカット状に形成されていてもよい。第18及び第19実施形態に関する変形例51では、第13実施形態に準じて、上述した変形例49との組み合わせによるカット状の側壁部18043と共に、カット状のカメラカバー13060が設けられていてもよい。
【0284】
第18及び第19実施形態に関する変形例52では、ブラケットアセンブリ10に代替して、第14実施形態に準じたブラケットアセンブリ14010がフード18040,19040と一体に設けられていてもよい。第18及び第19実施形態に関する変形例53では、ブラケットアセンブリ10に代替して、第15実施形態に準じたブラケットアセンブリ15010がフード18040,19040とは別体に設けられていてもよい。第1~第8実施形態に関する変形例54では、フード40,6040が設けられていなくてもよい。第1~第19実施形態に関する変形例55では、フード40,6040,9040,10040,11040,12040,17040,18040,19040において左右方向に沿って延伸するように、複数の溝が設けられていてもよい。この場合のうち、第1~16実施形態に関する変形例55では、上述した変形例20との組み合わせによって、規制リブ411に代えて溝が設けられることになる。
【0285】
第1~第12、第14、第18及び第19実施形態に関する変形例56では、第16実施形態に準じたカメラカバー16060が設けられていてもよい。第17実施形態に関する変形例57では、カメラカバー16060が設けられていなくてもよい。第1~第16、第18及び第19実施形態に関する変形例58では、第17実施形態のアセンブリホルダ17031に準じた構造に、アセンブリホルダ31,7031が変形されていてもよい。第1~第16、第18及び第19実施形態に関する変形例59では、第17実施形態の制御基板17054に準じた構造に、制御基板54が変形されていてもよい。
【0286】
第9~第17実施形態に関する変形例60では、特定制御Csが車両2の衝突予防制御以外であってもよい。第9~第17実施形態に関する変形例61では、特定制御Csと異なっている限りで、別制御Caが走行レーンにおける車両2の運転制御以外であってもよい。第9~第17実施形態に関する変形例62では、別制御Caが実行されなくてもよい。この場合、第2テーパ角θ2が規定されないことで、第2仮想交点I2は仮想されなくてもよく、例えばベース壁部9041,41が所定の第2俯角ψd2に沿う等の構造で形成されてもよい。
【0287】
第1~第19実施形態に関する変形例63では、樹脂等と例示されたアセンブリホルダ31,7031,17031の材料として、次の点を考慮した成形材料が選定されているとよい。具体的には、樹脂で成形されたアセンブリホルダ31,7031,17031が例えば太陽光等の外部からの熱により熱膨張して変形すると、撮像時のピントをずらしてしまうおそれがある。そこで、アセンブリホルダ31,7031,17031に対して熱が加わった際に収縮する作用を与える原料を樹脂に混ぜて、アセンブリホルダ31,7031,17031が成形されるとよい。また、そうした作用を与える原料としては、例えば広い温度範囲(~800℃)で負の熱膨張特性を有し、また高温(800℃)で処理しても分解し難い耐熱性を有し、さらに重金属を使用していない負熱膨張収縮フィラー等が選定されるとよい。以上により、外部からの熱によるアセンブリホルダ31,7031,17031の熱膨張を抑制することができる。
【0288】
第1~第19実施形態に関する変形例64では、広角レンズ36,2036からイメージャ34までの光路に余剰な光が入り込むと、適正な画像認識が困難となるおそれがあるため、当該余剰光が入り込まないように、広角レンズ36,2036の周囲部品について光の透過率が考慮されているとよい。具体的には、第8実施形態の如き接着材8039の他、例えばレンズ鏡筒35,2035とアセンブリホルダ31,7031,17031との固定等に使用される接着材は、UV光により硬化する材料を使用すると、硬化後の色が白くなるものが多いため、光を反射し易くなり、画像認識の際に悪影響を与えるおそれがある。そこで、そうした接着材としては、例えば光透過率が2%以下となる材料、好ましくは透過率が0.9%以下で黒色の材料等が選定されることで、当該接着材を使用した部分からの光透過の影響を低減することができる。
【0289】
第1~第19実施形態に関する変形例65では、上述の変形例64でも説明した接着材について、硬化時の収縮により撮像時のピントをずらしてしまうおそれもあるため、硬化収縮率の2%以下となる材料が選定されているとよい。ここで、硬化収縮率の小さい接着材としては、例えばオキセタン基を含む樹脂又はビスフェノール系エポキシ樹脂等が考えられる。また、そうした接着材の硬化方法としては、例えばレーザ照射、赤外線照射、可視光照射、高周波誘導加熱、電子線照射又はホットメルト等を使用した方法が考えられる。
【0290】
尚、上述の変形例63~65では、熱膨張、余剰光の入り込み若しくは硬化収縮を考慮した材料又は方法が挙げられているが、これらに限らず別の材料又は方法が採用されてもよい。
【0291】
以上の他、第1~第19実施形態に関する変形例66では、車両2におけるリアウインドシールドの内側にカメラモジュール1が装着されてもよく、この場合に第1~第19実施形態とは前後関係が逆となる。
【符号の説明】
【0292】
1,20001 カメラモジュール、2 車両、3 フロントウインドシールド、5 外界、10,6010,14010,15010 ブラケットアセンブリ、20,3020,5020,6020 カメラケーシング、31,7031,17031 アセンブリホルダ、33 レンズユニット、34 イメージャ、35,2035 レンズ鏡筒、36,2036,20036 広角レンズ、37 レンズセット、40,6040,9040,10040,11040,12040,17040,18040,19040,20040 フード、41,9041 ベース壁部、43,9043,10043,11043,12043,18043,20043 側壁部、50,3050,4050,7050,17050 回路ユニット、51,7051 撮像基板、52 撮像回路、53,3053,4053 フレキシブル基板(FPC)、54,17054 制御基板、55 制御回路、210,6210 対向壁部、211 屈曲壁部、216 レンズ窓、310,7310 後側光路空間、340 有効撮影領域、355a,2355a 係止爪部、360,2360 広角光学面、371,372,373,374,375 後段レンズ、411 規制リブ、430,9430,18430,20430 隙間、551 外界画像、551a 車両撮影画素、551b 有効画素、2361 係止凹部、7038 充填材、8039 接着材、9043b,18043b,20043b 傾斜部・第1傾斜部、9043c,11043c,18043c,20043c ストレート部、10043c 第2傾斜部、13060,16060 カメラカバー、Al,Aw 光軸、Cs 特定制御、Ca 別制御、Cig,Cwg 幾何中心、I1 仮想交点・第1仮想交点、I2 第2仮想交点、L1 下光線・第1下光線、L2 第2下光線、Pp 主点、Rwl,Ril 下側サイズ、Rwu,Riu 上側サイズ、Sc 共通平面、Si 仮想平面、θ 広角レンズの画角、θw レンズ画角、θ1 テーパ角・第1テーパ角、θ2 第2テーパ角、ψd1 第1俯角、ψd2 第2俯角
図1
図2
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