(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
A63F7/02 310C
A63F7/02 311A
A63F7/02 312Z
(21)【出願番号】P 2023029048
(22)【出願日】2023-02-28
(62)【分割の表示】P 2021031308の分割
【原出願日】2016-12-26
【審査請求日】2023-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000144522
【氏名又は名称】株式会社三洋物産
(74)【代理人】
【識別番号】100188086
【氏名又は名称】石原 五郎
(72)【発明者】
【氏名】藤井 規夫
【審査官】下村 輝秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-321491(JP,A)
【文献】特開平11-267271(JP,A)
【文献】特開昭63-231306(JP,A)
【文献】特許第7248075(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域を形成する板体と、該板体の前面側に固定される第1部品と第2部品と、を有して構成された遊技盤を備えた遊技機において、
前記第1部品および前記第2部品は、それぞれ、
前記板体
の前記遊技領域側に設けられる遊技領域側部と、
前記板体側に設けられる板体側挿入部と、を備え、
前記板体は、少なくとも、
前記板体側挿入部を挿入可能に形成された第1形状孔と、
該第1形状孔と形状の異なる第2形状孔と、を備え、
前記第2形状孔は、
前記第2部品を前記板体に取り付ける場合に、該第2形状孔の孔縁において前記第2部品の前記板体側挿入部と接触し得る形状に構成され、
前記第1形状孔は、
前記第1部品を前記板体に取り付ける場合に、前記第2部品を前記第2形状孔に取り付ける場合の前記第2部品の前記板体側挿入部と前記第2形状孔との接触態様と比べて、前記第1形状孔の孔縁と前記第1部品の前記板体側挿入部とが接触し難い形状に構成され、又は、前記第1部品を前記板体に取り付けた場合に、前記第1形状孔の孔縁と前記第1部品の前記板体側挿入部とが接触しない形状に構成され、
前記第2部品は、
前記第1部品より軽い部品であり、
前記第1部品および前記第2部品は、
前記遊技領域内に配設される部品である
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤を備えたパチンコ機などの遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機としては、例えば、前面に遊技領域が形成された遊技盤を備えているパチンコ遊技機がある。この遊技盤は、板状の部材であり、その前面側には、多数の障害釘、遊技領域を形成するガイドレール、遊技球の検出を行う入賞装置、又は、遊技盤面を彩る装飾部材等、の複数の部品が配設されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記例示したような遊技機においては遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【0005】
本発明は、上記例示した事情等を鑑みてなされたものであり、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域を形成する板体と、該板体の前面側に固定される第1部品と第2部品と、を有して構成された遊技盤を備えた遊技機であって、前記第1部品および前記第2部品は、それぞれ、前記板体の前記遊技領域側に設けられる遊技領域側部と、前記板体側に設けられる板体側挿入部と、を備え、前記板体は、少なくとも、前記板体側挿入部を挿入可能に形成された第1形状孔と、該第1形状孔と形状の異なる第2形状孔と、を備え、前記第2形状孔は、前記第2部品を前記板体に取り付ける場合に、該第2形状孔の孔縁において前記第2部品の前記板体側挿入部と接触し得る形状に構成され、前記第1形状孔は、前記第1部品を前記板体に取り付ける場合に、前記第2部品を前記第2形状孔に取り付ける場合の前記第2部品の前記板体側挿入部と前記第2形状孔との接触態様と比べて、前記第1形状孔の孔縁と前記第1部品の前記板体側挿入部とが接触し難い形状に構成され、又は、前記第1部品を前記板体に取り付けた場合に、前記第1形状孔の孔縁と前記第1部品の前記板体側挿入部とが接触しない形状に構成され、前記第2部品は、前記第1部品より軽い部品であり、前記第1部品および前記第2部品は、前記遊技領域内に配設される部品である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の遊技機によれば、前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域を形成する板体と、該板体の前面側に固定される第1部品と第2部品と、を有して構成された遊技盤を備えた遊技機であって、前記第1部品および前記第2部品は、それぞれ、前記板体の前記遊技領域側に設けられる遊技領域側部と、前記板体側に設けられる板体側挿入部と、を備え、前記板体は、少なくとも、前記板体側挿入部を挿入可能に形成された第1形状孔と、該第1形状孔と形状の異なる第2形状孔と、を備え、前記第2形状孔は、前記第2部品を前記板体に取り付ける場合に、該第2形状孔の孔縁において前記第2部品の前記板体側挿入部と接触し得る形状に構成され、前記第1形状孔は、前記第1部品を前記板体に取り付ける場合に、前記第2部品を前記第2形状孔に取り付ける場合の前記第2部品の前記板体側挿入部と前記第2形状孔との接触態様と比べて、前記第1形状孔の孔縁と前記第1部品の前記板体側挿入部とが接触し難い形状に構成され、又は、前記第1部品を前記板体に取り付けた場合に、前記第1形状孔の孔縁と前記第1部品の前記板体側挿入部とが接触しない形状に構成され、前記第2部品は、前記第1部品より軽い部品であり、前記第1部品および前記第2部品は、前記遊技領域内に配設される部品である。これにより、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
【
図4】遊技盤に配設される主表示ユニットの構成を示す図であり、(a)は、主表示ユニットの正面図であり、(b)は、(a)のIVb線方向から見た主表示ユニットの側面図であり、(c)は、(a)のIVc-IVc線における断面図であり、(d)は、(c)を拡大した拡大断面図である。
【
図5】遊技盤に配設される始動入賞口ユニットの構成を示す図であり、(a)は、始動入賞口ユニットの正面図であり、(b)は、(a)のVb線方向から見た始動入賞口ユニットの上面図であり、(c)は、(a)のVc-Vc線における断面図であり、(d)は、(c)を拡大した拡大断面図である。
【
図6】遊技盤に配設されるスルーゲートの構成を示す図であり、(a)は、スルーゲートの正面図であり、(b)は、(a)のVIb線方向から見たスルーゲートの上面図であり、(c)は、(a)のVIc-VIc線における断面図である。
【
図7】遊技盤に配設されるスルーゲート、主表示ユニット及び始動入賞口ユニットを説明するための図であり、(a)は、遊技盤におけるスルーゲートの拡大正面図であり、(b)は、(a)のVIIb-VIIb線における模式的断面図であり、(c)は、遊技盤における主表示ユニットの一部分の拡大正面図であり、(d)は、(c)のVIId―VIId線における模式的断面図であり、(e)は、始動入賞口ユニットの一部分の拡大正面図であり、(f)は、(e)のVIIf―VIIf線における模式的断面図である。
【
図8】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図9】パチンコ機の製造工程の流れを示す概略図である。
【
図10】遊技盤の製造工程の流れを示す概略図である。
【
図11】遊技盤の製造工程において、各部品用の位置決め孔を形成する位置決め穿設機を模式的に示した図である。
【
図12】ストレートピンの構成を示す図であり、(a)は、ストレートピンの模式的正面図であり、(b)は、ストレートピンの模式的側面図であり、(c)は、ストレートピンの模式的底面図である。
【
図13】テーパピンの構成を示す図であり、(a)は、テーパピンの模式的正面図であり、(b)は、テーパピンの模式的側面図であり、(c)は、テーパピンの模式的底面図である。
【
図14】ハイブリッドピンの構成を示す図であり、(a)は、ハイブリッドピンの模式的正面図であり、(b)は、ハイブリッドピンの模式的側面図であり、(c)は、ハイブリッドピンの模式的底面図である。
【
図15】遊技盤の製造工程において、遊技盤を搬送する第1搬送工程を模式的に示した図である。
【
図16】遊技盤の製造工程において、遊技盤に各部品をビス止め固定するビス打ち機を模式的に示した図である。
【
図17】部品用位置決め孔作成工程が行われる前の遊技盤の正面図である。
【
図18】遊技釘用の釘穴の構成を示す図であり、(a)は、
図17におけるXVIIIaの拡大正面図であり、(b)は、(a)のXVIIIb―XVIIIb線の断面図であり、(c)は、(a)のXVIIIc―XVIIIc線の断面図である。
【
図19】部品用位置決め孔作成工程が行われた後の遊技盤の正面図である。
【
図20】主表示位置決め孔の構成を示す図であり、(a)は、
図19におけるXXaの拡大正面図であり、(b)は、(a)のXXb-XXb線の断面図であり、(c)は、(a)のXXc-XXc線の断面図であり、(d)は、(b)のXXdの拡大図であり、(e)は、(c)のXXeの拡大図である。
【
図21】ストレートピンと、ストレートピンにより穿設形成された主表示位置決め孔の形状との関連を示す表である。
【
図22】始動位置決め孔の構成を示す図であり、(a)は、
図19におけるXXIIaの拡大正面図であり、(b)は、(a)のXXIIb-XXIIb線の断面図であり、(c)は、(a)のXXIIc-XXIIc線の断面図であり、(d)は、(b)のXXIIdの拡大図であり、(e)は、(c)のXXIIeの拡大図である。
【
図23】テーパピンと、テーパピンにより穿設形成された始動位置決め孔の形状との関連を示す表である。
【
図24】遊技盤の製造工程で生じるエラー種別と、そのエラーの主な影響、原因、修正の可否および重要度を示す表である。
【
図25】ビス打ち機によるビス止めの失敗例を示したスルーゲートの正面図である。
【
図26】スルー位置決め孔の構成を示す図であり、(a)は、
図19におけるXXVIaの拡大正面図であり、(b)は、(a)のXXVIb-XXVIb線の断面図であり、(c)は、(a)のXXVIc-XXVIc線の断面図であり、(d)は、(b)のXXVIdの拡大図であり、(e)は、(c)のXXVIeの拡大図である。
【
図27】ハイブリッドピンにより穿設形成されたスルー位置決め孔の形状を示す表である。
【
図28】遊技釘植設工程、並びに、レール及び風車植設工程が行われた後の遊技盤の正面図である。
【
図29】第1搬送工程が行われた後の遊技盤の正面図である。
【
図30】第1ビス止め工程、及び、第2搬送工程が行われた後の遊技盤の正面図である。
【
図31】(a)は、ピン適正を評価する場合における評価項目と各項目ごとにおける内容及び配点とを示す表であり、(b)は、ピン適正の評価点の合計点に基づくピン種別を示す表である。
【
図32】ストレートピンを使用して位置決め孔を穿設形成する部品の一覧表である。
【
図33】テーパピンを使用して位置決め孔を穿設形成する部品の一覧表である。
【
図34】ハイブリッドピンを使用して位置決め孔を穿設形成する部品の一覧表である。
【
図35】第2実施形態における始動入賞口ユニットの構成を示した図であり、(a)は、第2実施形態の始動入賞口ユニットの正面図であり、(b)は、(a)のXXXVb線方向から見た第2実施形態の始動入賞口ユニットの上面図であり、(c)は、(a)のXXXVc-XXXVc線における断面図であり、(d)は、(c)の拡大断面図であり、(e)は、(a)のXXXVe―XXXVe線における断面図であり、(f)は、(e)の拡大断面図である。
【
図36】第2実施形態における始動入賞口ユニットのピン適正を示した表である。
【
図37】第3実施形態におけるセンターフレームの正面図である。
【
図38】第3実施形態における第2センターフレームのピン適正を示した表である。
【
図39】第4実施形態における遊技盤基部に位置決め孔を形成するためのハイブリッドピンの構成を示す図であり、(a)は、該ハイブリッドピンの正面図であり、(b)は、該ハイブリッドピンの側面図であり、(c)は、該ハイブリッドピンの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
以下、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」と称す)10に適用した場合の一実施形態である第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、
図1を参照して、第1実施形態のパチンコ機10の外観構成について説明する。
図1は、パチンコ機10の正面図であり、
図2はパチンコ機10の背面図であり、
図3はパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。
【0010】
パチンコ機10は、
図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(
図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側(前方側)へ開閉可能に支持されている。内枠12を閉じた場合、その内枠12は外枠11に対して施錠される。
【0011】
内枠12は合成樹脂、具体的にはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(Acrylonitrile Butadiene Styrene。以下、「ABS」と略す。)樹脂により構成されている。ABS樹脂は、材料コストが安価で、メッキ等ののりが良く装飾性に優れ、耐衝撃性が大きいので、内枠12の構成材料として好適である。
【0012】
内枠12は、正面視上側2/3~3/4の領域に、多数の遊技釘や各種入賞口3a,4a,5a等が設けられた後述の遊技盤13(
図3参照)が表面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより、弾球遊技が行われる。内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(
図8参照)や、その球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
【0013】
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う扉枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。扉枠14及び下皿ユニット15を支持するために、正面視(
図1参照)左側の上下2箇所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として扉枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と扉枠14(及び下皿ユニット15)の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解錠される。また、パチンコ機10には、内枠12及び扉枠14(及び下皿ユニット15)のいずれかが解錠されて開放された(扉が開放された)ことを検出する扉開放スイッチ(図示せず)が設けられている。
【0014】
扉枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14aが設けられている。扉枠14の裏面側には2枚のガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
【0015】
扉枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(
図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(
図8参照)へと案内される。また、上皿17の上面の正面視左側には、枠ボタン22が設けられている。
【0016】
枠ボタン22は、例えば、後述する特別図柄表示装置81(
図3参照)で表示される演出のステージを変更する場合に、遊技者により押下操作されるボタンである。また、枠ボタン22は、変動表示の一態様である所謂スーパーリーチでの演出内容を遊技者に選択させるための操作ボタンとしても使用される。
【0017】
変動表示とは、特別図柄表示装置81(
図3参照)にて表示される演出であり、後述の通り、遊技盤13の前面領域に発射された球が始動入賞口4a(
図3参照)へ入球(始動入賞)したことを契機として実行され、図柄(後述の特別図柄)が所定時間変動表示された後、停止表示された図柄の組み合わせによって、当該始動入賞に対して行われる抽選の結果(大当たりか否か)を遊技者に提示する演出である。
【0018】
ステージとは、特別図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」の3つのステージが設けられている。上述の変動表示や、変動表示中に実行されるリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。
【0019】
ステージの変更は、変動表示が行われていない期間や、特別図柄が遊技者に視認不能に高速に変動表示される高速変動中に、遊技者によって枠ボタン22が押下操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
【0020】
また、特別図柄表示装置81(
図3参照)にて行われる変動表示においてノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展されるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が特別図柄表示装置81に表示されるように構成されている。
【0021】
選択画面では、スーパーリーチの演出態様として選択可能な複数の演出態様候補が表示され、演出態様候補のうち1つが選択された状態となっている。その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に押下操作されると、選択された演出態様候補が変更される。そして、スーパーリーチへ発展するときに選択されていた演出態様候補に基づいて、スーパーリーチの演出態様が決定され、その演出態様に従ってスーパーリーチが特別図柄表示装置81(
図3参照)にて実行される。
【0022】
なお、本実施形態では、枠ボタン22を押下操作されるボタンとして構成したが、枠ボタン22に代えて、遊技者によりパチンコ機10に対して所定方向(例えば、パチンコ機10に対して、前方、後方、右方および左方)に傾倒操作可能な、操作レバーにより構成してもよい。そして、操作レバーが傾倒操作された方向に基づいて、演出ステージが選択変更されたり、スーパーリーチの演出態様が選択されたりしてもよい。
【0023】
扉枠14には、その周囲(例えば、コーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部14aの周縁には、ライト・エミッティング・ダイオード(Light Emitting Diode。以下、「LED」と略す。)等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、扉枠14の正面視(
図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
【0024】
右側の電飾部32下側には、扉枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(
図3参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
【0025】
窓部14aの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット。図示せず。)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
【0026】
なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
【0027】
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13(
図3参照)の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112a(
図8参照)の駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
【0028】
操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。球発射ユニット112aにおける球の発射間隔は、約0.6秒と定められている。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51a及び打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
【0029】
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
【0030】
次に、
図2を参照して、パチンコ機10の背面構成について説明する。
図2は、パチンコ機10の背面図である。
図2で示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
【0031】
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのマイクロ・プロセッシング・ユニット(Micro-Processing Unit。以下、「MPU」と略す。)、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
【0032】
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
【0033】
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
【0034】
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(
図8参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
【0035】
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(
図8参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、球発射ユニット112a(
図8参照)に設けられた発射ソレノイド(図示せず)の発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
【0036】
次に、
図3を参照して、遊技盤13の詳細について説明する。
図3は、内枠12に装着される遊技盤13の構成を示す正面図である。
図3に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60の正面側(前面側)に図柄や模様が印刷されたセルシート60aが貼付されて構成されている。セルシート60aが貼付されたベース板60の前面側には、内レール61、外レール62及び右側コーナー飾り70を組み付けて遊技領域を形成している。遊技盤13の前面中央部分は、扉枠14の窓部14a(
図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。
【0037】
遊技盤13(ベース板60及びセルシート60a。以下、ベース板60とセルシート60aとを総称して「遊技盤13」と表現する場合がある。)の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と、外レール62と、右側コーナー飾り70とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、また、遊技盤13と扉枠14の裏面側に配設されたガラスユニット(図示せず)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。つまり、遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と右側コーナー飾り70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
【0038】
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(
図8参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分には戻り球防止部材68が取り付けられる。
【0039】
この戻り球防止部材68は、該戻り球防止部材68用の基部68a(以下、「戻り基部68a」という)と、該戻り球防止部材68用の開閉板68b(以下、「戻り開閉板68b」という)とで構成されている。通常時において、戻り開閉板68bが2本のレール61,62に挟まれた球案内領域の出口を縮小(閉鎖)し、該球案内領域から遊技盤13の上部へ球が案内される場合に、球の運動量によって戻り開閉板68bが回動して球案内領域の出口を拡大(開放)するものである。
【0040】
具体的に説明すると、球発射ユニット112aから発射されて球案内領域によって案内された球は、戻り開閉板68bの球案内領域側の面と衝突する。そして、球自身の運動量によって戻り開閉板68bを回動させることで球案内領域の出口を拡大し、該球が遊技盤13の上部の遊技領域へと移動する。球案内領域の出口を拡大した戻り開閉板68bは、その後、該戻り開閉板68bの内部に配設された錘部材(図示せず)によって、球案内領域の出口を縮小(閉鎖)する方向に回動して、再び、球案内領域の出口を縮小(閉鎖)させる。
【0041】
一方、戻り開閉板68bは、球案内領域側の面に対する球の衝突があった場合の除いて、戻り球防止部材68に設けられた規制壁部により該戻り開閉板68bの回動が制限され、球案内領域の出口を縮小(閉鎖)した状態を維持するように構成されている。これにより、一旦遊技盤13の遊技領域上部へ案内された球は、戻り開閉板68bの遊技領域側の面と衝突して再び遊技領域側へ跳ね返る。よって、遊技領域へ流入した球が再度球案内領域へ戻ってしまうといった事態を防止できる。
【0042】
戻り球防止部材68の戻り基部68aは、透明の樹脂(例えば、ポリカーボネート樹脂)により構成されている。ポリカーボネート樹脂は、材料コストが安価で、透明性を有して装飾性に優れ、耐衝撃性が大きい。よって、遊技を行う遊技者の視線に入り、また、球が頻繁に衝突する戻り基部68aの構成材料として好適である。
【0043】
また、戻り基部68aは、透明の樹脂により構成されているため、該戻り基部68aの背面側に位置する遊技盤13の表面が視認可能である。これにより、戻り基部68aの背面側のセルシート60aに印刷された模様が遊技者によって視認可能に構成されている。なお、戻り開閉板68bは、非透明の樹脂成型品(例えば、カーボンを含有した黒色のABS樹脂製)で構成されている。
【0044】
戻り基部68aには、該戻り基部68aから前方に球の直径よりやや大きい程度の厚み(例えば、15mm)を有する立体形状の外形の膨出部が設けられ、該膨出部に戻り開閉板68bが回動自在に取り付けられている。
【0045】
また、戻り球防止部材68は、正面視において、その戻り基部68aの上下2箇所にビス挿入孔(以下、戻り基部68aに設けられたビス挿入孔を「戻りビス挿入孔」という)が設けられている(
図3参照)。この戻りビス挿入孔には、それぞれビスが螺入可能に構成されている。この戻り球防止部材68を遊技盤13に載置した状態で、該戻りビス挿入孔に対してそれぞれビスを螺入させることで、戻り球防止部材68が遊技盤13に固定される。
【0046】
さらに、戻り球防止部材68には、戻り基部68aの背面側(セルシート60aと接する側)に複数(第1実施形態では、2つ)の突起(図示せず。以下、戻り基部68aに設けられた突起を「戻り突起」という。)が設けられている。この戻り突起は、戻りビス挿入孔の近傍(例えば、戻りビス挿入孔から5ミリメートルの距離)にそれぞれ設けられている。また、この戻り突起は、戻り基部68aから背面側に僅かに突出(第1実施形態では、長さ2mm、直径φ2.4mm)して形成されている。
【0047】
戻り球防止部材68を遊技盤13に取り付ける場合に、この戻り突起を遊技盤13に形成された後述する位置決め孔601,602(以下、戻り突起用に設けられた位置決め孔を「戻り位置決め孔601,602」という)にそれぞれ挿入させる。これにより、ビス止め前の戻り球防止部材68が遊技盤13に仮保持される。そして、それぞれの戻り位置決め孔601,602に戻り突起が仮保持された状態で戻りビス挿入孔に対してビスを螺入させることで、遊技盤13に対して戻り球防止部材68がズレることなく固定される。
【0048】
なお、戻り球防止部材68は、上述したように、戻り基部68aに対して戻り開閉板68bが搭載されているのみであり、戻り球防止部材68の全体容積も小さい。よって、戻り球防止部材68の全体重量は軽く(例えば、5グラム)、遊技盤13に搭載される部品の中では軽い部品に分類される。
【0049】
外レール62の先端部には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の右側コーナー飾り70が配設されている。
【0050】
右側コーナー飾り70は、非透明の樹脂成型品(例えば、カーボンを含有した黒色のABS樹脂製)であり、右側コーナー飾り70の正面視では、該右側コーナー飾り70によってセルシート60aの前面側が視認不能に構成されている。また、右側コーナー飾り70の下部表面(遊技盤13の右下側)には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられている。貼着スペースK1に貼られた証紙等は、扉枠14の小窓35(
図1参照)を通じてパチンコ機10前方から視認することができる。
【0051】
また、右側コーナー飾り70は、正面視において、上下に細長い形状であって、中間部分が緩やかな弓状となっている部品である。また、下部の貼着スペースK1を構成する部分が拡幅された形状を有する部品である。さらに、右側コーナー飾り70は、該右側コーナー飾り70の基部(以下、「右側基部70a」という)から前方に球の直径よりやや大きい程度の厚み(例えば、15mm)を有する立体形状の外形を有する部品である。
【0052】
また、この右側コーナー飾り70には、該右側コーナー飾り70の上部2箇所、下部2箇所の合計4箇所にビス挿入孔(以下、右側基部70aに設けられたビス挿入孔を「右側ビス挿入孔」という)が設けられている(
図3参照)。この右側ビス挿入孔には、それぞれビスが螺入可能に構成されている。この右側コーナー飾り70を遊技盤13に載置した状態で、該右側ビス挿入孔に対してそれぞれビスを螺入させることで、右側コーナー飾り70が遊技盤13に固定される。
【0053】
さらに、右側コーナー飾り70には、右側基部70aの背面側(セルシート60aと接する側)に複数(第1実施形態では、4つ)の突起(図示せず。以下、右側基部70aに設けられた突起を「右側突起」という。)が設けられている。この右側突起は、右側コーナー飾り70の各右側ビス挿入孔の近傍(例えば、各右側ビス挿入孔から5ミリメートルの距離)にそれぞれ設けられている。また、この右側突起は、右側基部70aの背面側から僅かに突出(第1実施形態では、長さ2mm、直径φ2.4mm)して形成されている。
【0054】
右側コーナー飾り70を遊技盤13に取り付ける場合に、この右側突起を遊技盤13に形成された後述する位置決め孔603~606(以下、右側突起用に設けられた位置決め孔を「右側位置決め孔603~606」という)にそれぞれ挿入させる。これにより、ビス止め前の右側コーナー飾り70が遊技盤13に仮保持される。そして、それぞれの右側位置決め孔603~606に右側突起が仮保持された状態で右側ビス挿入孔に対してビスを螺入させることで、遊技盤13に対して右側コーナー飾り70がズレることなく固定される。
【0055】
なお、右側コーナー飾り70は、その全体容積は大きいものの、右側基部70aに他の部品が搭載されていないため、該右側コーナー飾り70の全体重量は軽い(例えば、80グラム)。よって、右側コーナー飾り70は、遊技盤13に搭載される部品の中では軽い部品に分類される。また、右側コーナー飾り70は、正面視において細長い形状であるため、部品全体の剛性を高めることを目的として補強部材を配設(例えば、右側コーナー飾り70の裏面側に金属製の補強板を配設)してもよい。補強部材を配設した場合には、その補強部材分、右側コーナー飾り70の全体重量が増加するため、重い部品に分類される。
【0056】
遊技盤13の正面視左側上部(
図3の左側上部)であって、外レール62によって区画される遊技領域の外側には、左上コーナー飾り71が配設されている。この左上コーナー飾り71は、非透明の樹脂成型品(例えば、カーボンを含有した黒色のABS樹脂製)であり、左上コーナー飾り71の正面視では、該左上コーナー飾り71によってセルシート60aの前面側が視認不能に構成されている。
【0057】
また、左上コーナー飾り71は、正面視において、この左上コーナー飾り71の基部71a(以下、「左上基部71a」という)の右上の隅部から左下の隅部にかけて、外レール62の外形に沿うように右上から左下へ延びる緩やかな弓状となっている部品である。また、左上コーナー飾り71は、その弓状の辺の対辺側に1の角部が形成された形状を有する部品である。さらに、左上コーナー飾り71は、左上基部71aから前方に球の直径よりやや大きい程度の厚み(例えば、15mm)を有する立体形状の外形を有する部品である。
【0058】
また、この左上コーナー飾り71には、左上基部71aの左上部、左下部及び右上部にそれぞれビス挿入孔(以下、左上基部71aに設けられたビス挿入孔を「左上ビス挿入孔」という)が設けられている(
図3参照)。この左上ビス挿入孔には、それぞれビスが螺入可能に構成されている。この左上コーナー飾り71を遊技盤13に載置した状態で、該左上ビス挿入孔に対してそれぞれビスを螺入させることで、左上コーナー飾り71が遊技盤13に固定される。
【0059】
さらに、左上コーナー飾り71には、左上基部71aの背面側(セルシート60aと接する側)に複数(第1実施形態では、2つ)の突起(図示せず。以下、左上基部71aに設けられた突起を「左上突起」という。)が設けられている。この左上突起は、左上ビス挿入孔のうち、左下の左上ビス挿入孔と右上の左上ビス挿入孔との近傍(例えば、左上ビス挿入孔から5ミリメートルの距離)に設けられている。また、この左上突起は、左上基部71aから背面側に僅かに突出(第1実施形態では、長さ2mm、直径φ2.4mm)して形成されている。
【0060】
左上コーナー飾り71を遊技盤13に取り付ける場合に、このこの左上突起を遊技盤13に形成された後述する位置決め孔607,608(以下、左上突起用に設けられた位置決め孔を「左上位置決め孔607,608」という)にそれぞれ挿入さる。これにより、ビス止め前の左上コーナー飾り71が遊技盤13に仮保持される。そして、それぞれの左上位置決め孔607,608に左上突起が仮保持された状態で左上ビス挿入孔に対してビスを螺入させることで、遊技盤13に対して左上コーナー飾り71がズレることなく固定される。
【0061】
なお、左上コーナー飾り71は、左上基部71aに他の部品が搭載されておらず、左上コーナー飾り71の全体容積も小さい。よって、該左上コーナー飾り71の全体重量は軽く(例えば、50グラム)、遊技盤13に搭載される部品の中では軽い部品に分類される。
【0062】
遊技盤13の正面視左側下部(
図3の左側下部)であって、外レール62によって区画される遊技領域の外側には、主表示ユニット87が配設されている。ここで、
図4を参照して、主表示ユニット87の構成について説明する。
図4は、主表示ユニット87の構成を示す図であり、
図4(a)は、主表示ユニット87の正面図であり、
図4(b)は、
図4(a)のIVb線方向から見た主表示ユニット87の側面図であり、
図4(c)は、
図4(a)のIVc-IVc線における断面図であり、
図4(d)は、
図4(c)を拡大した拡大断面図である。
【0063】
主表示ユニット87は、非透明の樹脂成型品(例えば、カーボンを含有した黒色のABS樹脂製)であり、主表示ユニット87の正面視では、該主表示ユニット87によってセルシート60aの前面側が視認不能に構成されている。
【0064】
また、該主表示ユニット87には、それぞれ複数の発光手段である発光ダイオード(LED)で構成された第1図柄表示装置87a、第2図柄表示装置87b、第1図柄保留表示装置87c及び第2図柄保留表示装置87d等が配設されている。
【0065】
第1図柄表示装置87aは、複数のLEDで構成されており、後述する主制御装置110(
図8参照)で行われる各制御に応じて第1図柄(特別図柄)の表示を行うものである。この第1図柄表示装置87aは、後述する始動入賞口4aへの入球(始動入賞)に伴って行われる変動中であるか否かを点灯状態により示すことによって第1図柄の変動表示を行ったり、第1図柄の変動終了後の停止図柄として、その始動入賞に対して行われる第1図柄の抽選の結果に応じた図柄を点灯状態により示すものである。
【0066】
第2図柄表示装置87bは、複数のLEDで構成されており、後述する主制御装置110(
図8参照)で行われる各制御に応じて第2図柄(普通図柄)の表示を行うものである。この第2図柄表示装置87bは、後述するスルーゲート7への入球に伴って行われる変動中であるか否かを点灯状態により示すことによって第2図柄の変動表示を行ったり、第2図柄の変動表示後の停止図柄として、スルーゲート7への入球に対して行われる第2図柄の抽選の結果に応じた図柄を点灯状態により示すものである。
【0067】
第1図柄保留表示装置87cは、後述する始動入賞口4aに入球された球のうち、第1図柄の変動が未実行である球(保留球)の数である第1図柄の保留球数を点灯状態により示すものである。第2図柄保留表示装置87dは、後述するスルーゲート7に入球された球のうち、第2図柄の変動が未実行である球(保留球)の数である第2図柄の保留球数を点灯状態により示すものである。
【0068】
なお、主表示ユニット87には、上記した表示装置87a~87d以外にも、複数のLEDによって、大当たり中のラウンド数やエラー表示が行われるように構成されている。また、第1図柄表示装置87aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるように構成され、その発光色の組み合わせにより少ない数のLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
【0069】
主表示ユニット87は、主制御装置110(
図8参照)から延びる配線(図示せず)が該主表示ユニット87の背面側に設けられた主表示コネクタ部87e(
図4(b)参照)に接続されることによって、主制御装置110が直接的に制御可能に構成された表示装置ユニットである。
【0070】
また、主表示ユニット87は、
図4(a)で示すように、正面視において、主表示基部87fの左上の隅部から右下の隅部にかけて外レール62の外形に沿うように左上から右下へ延びる緩やかな弓状に形成されている部品である。また、主表示ユニット87は、その弓状の辺の対辺側に複数の角部(第1実施では、4つの角部)が形成され、該複数の角部がそれぞれ丸く角落ちした形状を有する部品である。さらに、主表示ユニット87は、
図4(b)で示すように、該主表示ユニット87の基部87f(以下、「主表示基部87f」という)から前方に球の直径よりやや大きい程度の厚み(例えば、15mm)を有する立体形状の外形を有する部品である。
【0071】
また、この主表示ユニット87には、主表示基部87fの左上部、左中部及び右下部にそれぞれビス挿入孔87g~87i(以下、主表示基部87fに設けられたビス挿入孔を「主表示ビス挿入孔87g~87i」という)が設けられている(
図4(a)参照)。この主表示ビス挿入孔87g~87iには、それぞれビスが螺入可能に構成されている。この主表示ユニット87を遊技盤13に載置した状態で、該主表示ビス挿入孔87g~87iに対してそれぞれビスを螺入させることで、主表示ユニット87が遊技盤13に固定される。
【0072】
さらに、
図4(b)~
図4(d)で示すように、主表示ユニット87には、主表示基部87fの背面側(セルシート60aと接する側)に複数(第1実施形態では、2つ)の突起87j,87k(以下、主表示基部87fに設けられた突起を「主表示突起87j,87k」という)が設けられている。この主表示突起87j,87kは、主表示ビス挿入孔87g,87iの近傍(例えば、主表示ビス挿入孔87g,87iから5ミリメートルの距離)に設けられている。また、この主表示突起87j,87kは、主表示基部87fから背面側に僅かに突出(第1実施形態では、長さ2mm、直径φ2.4mm)して形成されている。
【0073】
なお、主表示ユニット87の主表示ビス挿入孔87hの近傍(例えば、主表示ビス挿入孔87hから5ミリメートルの距離)には位置決め用の突起は設けられておらず、主表示ユニット87の主表示ビス挿入孔87g~87iの数(3つ)に対して主表示突起87j,87kの数(2つ)が1つ少ないように構成されている。これは、主表示ユニット87に対応する後述する主表示位置決め孔609,610が後述するストレートピン301によって形成されているため、主表示突起87j,87kの2つで突起保持機能が十分担保されているからである。
【0074】
主表示ユニット87を遊技盤13に取り付ける場合に、この主表示突起87j,87kを遊技盤13に形成された後述する位置決め孔609,610(以下、主表示突起87j,87k用に設けられた位置決め孔を「主表示位置決め孔609,610」という)にそれぞれ挿入させる。これにより、ビス止め前の主表示ユニット87が遊技盤13に仮保持される。そして、それぞれの主表示位置決め孔609,610に主表示突起87j,87kが仮保持された状態で主表示ビス挿入孔87g~87iに対してビスを螺入させることで、遊技盤13に対して主表示ユニット87がズレることなく固定される。
【0075】
なお、主表示ユニット87は、上述したように、主表示基部87fに対してLEDで構成された各表示装置87a~87dが搭載されるのみであり、主表示ユニット87の全体容積も小さい。よって、主表示ユニット87の全体重量は軽く(例えば、55グラム)、遊技盤13に搭載される部品の中では軽い部品に分類される。
【0076】
ここで、
図7(a)及び
図7(b)を参照して、主表示ユニット87を遊技盤13に取り付けた状態について説明する。
図7(a)は、遊技盤13における主表示ユニット87の一部分の拡大正面図であり、
図7(b)は、
図7(a)のVIIb―VIIb線における模式的断面図である。
【0077】
図7(a)及び
図7(b)で示すように、主表示ユニット87は、主表示基部87fに設けられた主表示ビス挿入孔87i(87g,87h)にビスを螺入することにより、遊技盤13にビス止め固定されている。遊技盤13の製造工程では、この主表示ユニット87を遊技盤13に対してビス止め固定させる場合に、主表示ビス挿入孔87i(87g,87h)にビスを螺入する前に、主表示突起87k(87j)を主表示位置決め孔610(609)へ挿入させて主表示ユニット87全体が遊技盤13に対してズレないように仮保持させる。そして、その仮保持された状態で主表示ビス挿入孔87i(87g,87h)にビスを螺入させることで、該主表示ユニット87が遊技盤13に対してビス止め固定される。
【0078】
また、
図7(a)で示すように、主表示ユニット87の主表示基部87fは、非透明の樹脂により構成されているため、該主表示基部87fの背面側が視認不能である。よって、遊技者は、主表示ユニット87の裏面側に位置するセルシート60aに印刷された図柄を視認することができない。また、主表示突起87k(87j)が挿入されている主表示位置決め孔610(609)周辺も視認することができない。なお、第1実施形態では、主表示ユニット87の背面側のセルシート60aが無地(図柄及び模様がない白地)で構成されている。これは、主表示ユニット87は、遊技領域外に配置される部品であるので、該主表示ユニット87が配設される位置にわざわざ図柄又は模様を印刷する必要が無いからである。
【0079】
さらに、主表示突起87k(87j)に挿入される主表示位置決め孔610(609)は、後述するストレートピン301により穿設されて形成されているが、主表示位置決め孔610(609)及びストレートピン301の詳細については後述する。
【0080】
図3に戻って説明を続ける。内レール61、外レール62及び右側コーナー飾り70によって形成される遊技領域内には、球案内用の多数の遊技釘や風車、一般入賞口3aを有した一般入賞口ユニット3、始動入賞口4aを有した始動入賞口ユニット4、大入賞口5aを有したアタッカーユニット5、スルーゲート7、盤面サイド飾り8、可変表示装置ユニット80が組み付けられている。なお、これら一般入賞口ユニット3、始動入賞口ユニット4、アタッカーユニット5、スルーゲート7、盤面サイド飾り8、及び、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によって遊技盤13に形成されたルータ孔651~656に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等のビス(雄ネジ)により固定されている。
【0081】
遊技領域内の左側には、球が入賞することにより5個の球が賞球として払い出される複数(第1実施形態では、2個)の一般入賞口3aが設けられた一般入賞口ユニット3が配設されている。また、遊技領域内の右側にも同様の一般入賞口ユニット3が配設されている。なお、右側の一般入賞口ユニット3は、左側の一般入賞口ユニット3と比べて形状が左右対称であるものの、その他の構成が同等であるため、その説明は省略する。
【0082】
この一般入賞口ユニット3は、透明の樹脂(例えば、ポリカーボネート樹脂)により構成されている。ポリカーボネート樹脂は、材料コストが安価で、透明性を有して装飾性に優れ、耐衝撃性が大きい。よって、遊技を行う遊技者の視線に入る一般入賞口ユニット3の構成材料として好適である。また、一般入賞口ユニット3の基部3d(以下、「一般基部3d」という)は、透明の樹脂により構成されているため、該一般基部3dの背面側に位置する遊技盤13の表面が視認可能である。これにより、一般基部3dの背面側のセルシート60aに印刷された模様が遊技者によって視認可能に構成されている。
【0083】
なお、一般入賞口ユニット3をABS樹脂で構成しつつメッキ処理を施してもよい。ただし、ABS樹脂にメッキ処理を施した場合は、透明の樹脂で形成する場合に比べて高価になってしまうので、第1実施形態では、遊技にとって重要度が低く、また、遊技を行う遊技者の視界に入り辛い部品である一般入賞口ユニット3は、コストダウンのため、メッキ処理等を行わずに透明の樹脂により構成されている。
【0084】
また、一般入賞口ユニット3には、一般基部3dから前方に球の直径よりやや大きい程度の厚み(例えば、15mm)を有する立体形状の外形部が設けられ、該外形部に一般入賞口3aが設けられている。また一般入賞口ユニット3には、該一般入賞口3aへ入球(入賞)した球を検出可能な一般入賞口スイッチ3b(
図8参照)が設けられると共に、パチンコ機10前方側へ光を照射する一般装飾LED3c(
図8参照)が設けられている。
【0085】
この一般入賞口ユニット3は、主制御装置110(
図8参照)から延びる配設(図示せず)が該一般入賞口ユニット3の裏面側に設けられたコネクタ部(図示せず)に接続されることによって、一般入賞口スイッチ3bに基づく球の検出が主制御装置110で認識可能に構成されている。
【0086】
一般入賞口3aへ球が入賞すると、一般入賞口ユニット3の裏面側に設けられる一般入賞口スイッチ3b(
図8参照)がオンとなり、その一般入賞口スイッチ3bのオンに起因して、5個の球が賞球として払い出される。なお、一般入賞口スイッチ3bを一般入賞口ユニット3に搭載せず、遊技盤13裏面側に配設されて一般入賞口3aや後述する始動入賞口4a等に入球した球を集めてパチンコ機10の機外へ排出する裏枠セット(図示せず)に設けるように構成してもよい。
【0087】
また、一般入賞口ユニット3は、後述する音声ランプ制御装置113(
図8参照)から延びる配線(図示せず)が該一般入賞口ユニット3の背面側に設けられた一般コネクタ部(図示せず)に接続される。これにより、音声ランプ制御装置113により一般装飾LED3cの点灯制御が可能に構成されている。具体的には、一般装飾LED3cは、パチンコ機10の変動表示の実行時や大当たり状態時、或いはエラー発生時に応じて、それぞれの状態が識別可能な点灯態様で点灯制御される。
【0088】
さらに、一般入賞口ユニット3は、正面視において、その一般基部3dの上部2箇所、下部2箇所の合計4箇所にビス挿入孔(以下、一般基部3dに設けられたビス挿入孔を「一般ビス挿入孔」という)が設けられている(
図3参照)。この一般ビス挿入孔には、それぞれビスが螺入可能に構成されている。この一般入賞口ユニット3を遊技盤13に載置した状態で、該一般ビス挿入孔に対してそれぞれビスを螺入させることで、一般入賞口ユニット3が遊技盤13に固定される。
【0089】
また、一般入賞口ユニット3には、一般基部3dの背面側(セルシート60aと接する側)に複数(第1実施形態では、2つ)の突起(図示せず。以下、一般基部3dに設けられた突起を「一般突起」という。)が設けられている。この一般突起は、一般入賞口ユニット3の一般ビス挿入孔のうち、左右両端部の一般ビス挿入孔の近傍(例えば、一般ビス挿入孔から5ミリメートルの距離)にそれぞれ設けられている。また、一般突起は、一般基部3dの背面側から僅かに突出(第1実施形態では、長さ2mm、直径φ2.4mm)して形成されている。
【0090】
一般入賞口ユニット3を遊技盤13に取り付ける場合に、この一般突起を遊技盤13に形成された後述する位置決め孔611,612(以下、一般突起用に設けられた位置決め孔を「一般位置決め孔611,612」という)にそれぞれ挿入させる。これにより、ビス止め前の一般入賞口ユニット3が遊技盤13に仮保持される。そして、それぞれの一般位置決め孔611,612に一般突起が仮保持された状態で一般ビス挿入孔に対してビスを螺入させることで、遊技盤13に対して一般入賞口ユニット3がズレることなく固定される。
【0091】
なお、一般入賞口ユニット3は、上述したように、一般基部3dに対して一般入賞口スイッチ3bと一般装飾LED3cとが搭載されており、一般入賞口ユニット3の全体容積も大きい。よって、一般入賞口ユニット3の全体重量は重く(例えば、180グラム)、遊技盤13に搭載される部品の中では重い部品に分類される。
【0092】
遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80は、遊技盤13に対してパチンコ機10の後方側から取り付けられる後方側ユニットと、パチンコ機10の前方側から取り付けられるセンターフレーム86とから構成されている。可変表示装置ユニット80の後方側ユニットは、後述する始動入賞口4aへの入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置87aにおける変動表示と同期させながら、特別図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下、単に「表示装置」と略す)で構成された特別図柄表示装置81と、該特別図柄の変動表示の保留数を表示する特別図柄保留ランプ82と、スルーゲート7の球の通過をトリガとして、第2図柄表示装置87bにおける変動表示と同期させながら、普通図柄を変動表示するLEDで構成される普通図柄表示装置83と、該普通図柄の変動表示の保留数を表示する普通図柄保留ランプ84とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80のセンターフレーム86は、特別図柄表示装置81の外周を囲むように配設され、該センターフレーム86には、センター装飾LED86aと、可動役物86bとが備えられている。
【0093】
特別図柄表示装置81は19インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(
図8参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば、上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に横スクロールして特別図柄表示装置81の表示画面上にて特別図柄が可変表示される変動表示(変動演出)が行われるようになっている。第1実施形態の特別図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置87aで行われるのに対して、その第1図柄表示装置87aの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、液晶ディスプレイに代えて、例えば、リール等を用いて特別図柄表示装置81を構成するようにしてもよい。
【0094】
特別図柄保留ランプ82は、特別図柄の最大保留数分の4つ設けられ、特別図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。第1実施形態のパチンコ機10では、始動入賞口4aへの球の通過に基づく特別図柄の変動表示の保留数は最大4回まで保留され、その保留数が上述した第1図柄保留表示装置87cにより表示されると共に特別図柄保留ランプ82においても点灯表示される。
【0095】
なお、特別図柄の最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄保留表示装置87cにより保留球数が示されるので、特別図柄保留ランプ82により点灯表示を行わないものとしても良い。
【0096】
普通図柄表示装置83は、「○」の図柄を表示する表示装置と「×」の図柄を表示する表示装置とで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(
図8参照)によってその表示内容が制御される。普通図柄表示装置83は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第2図柄表示装置87bで行われるのに対して、その第2図柄表示装置87bの表示に応じて「○」の図柄と「×」の図柄との点灯又は非点灯を交互に切り替えて変動表示するものである。
【0097】
具体的には、この普通図柄表示装置83は、後述するスルーゲート7への球の通過に伴って行った第2図柄(普通図柄)の抽選の結果が当たりの場合に、変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、その抽選の結果が外れの場合は、変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
【0098】
パチンコ機10は、普通図柄表示装置83における変動表示が「○」の図柄で停止した場合に、後述する始動入賞口ユニット4に設けられた電動役物4bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
【0099】
普通図柄保留ランプ84は、普通図柄の最大保留数分の4つ設けられ、普通図柄表示装置83の近傍(例えば、例えば、普通図柄表示装置83から10ミリメートルの距離)であって、特別図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。第1実施形態のパチンコ機10では、球のスルーゲート7への球の通過に基づく普通図柄の変動表示の保留数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第2図柄保留表示装置87dにより表示されると共に普通図柄保留ランプ84においても点灯表示される。
【0100】
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、第1実施形態のように、普通図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、特別図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、普通図柄保留ランプ84の点灯を特別図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄(第2図柄)の最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第2図柄保留表示装置87dにより保留球数が示されるので、普通図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
【0101】
センターフレーム86は、ABS樹脂により構成されており、その表面全体にはメッキ処理(第1実施形態では、銀メッキ)が施されている。ABS樹脂は、材料コストが安価で、メッキ等ののりが良く装飾性に優れ、耐衝撃性が大きい。よって、遊技を行う遊技者の視線に入り、また、球が頻繁に衝突するセンターフレーム86の構成材料として好適である。なお、センターフレーム86には、上述したようにメッキ処理が施されているため、センターフレーム86の正面視では、該センターフレーム86によってセルシート60aの前面側が視認不能に構成されている。
【0102】
また、センターフレーム86には、該センターフレーム86の基部86c(以下、「センター基部86c」という)から前方に球の直径よりやや大きい程度の厚み(例えば、15mm)を有する立体形状の膨出部が設けられている。この膨出部の内部にはセンター装飾LED86a(
図8参照)が配置されると共に、膨出部の裏面側には可動役物86b(
図8参照)が配置されている。
【0103】
センター装飾LED86a及び可動役物86bは、特別図柄の変動表示と連動して駆動制御されるものである。具体的には、センター装飾LED86aは、パチンコ機10の前方側へ光を照射するように配設されており、パチンコ機10の変動表示の実行時や大当たり状態時、或いはエラー発生時に応じて、それぞれの状態が識別可能な点灯態様で点灯制御される。
【0104】
可動役物86bは、センターフレーム86の膨出部の裏面側に配設され、通常時では膨出部の裏面側に収納されていることによって遊技者から視認不能に配設されている。一方、可動役物86bは、変動表示や、その他の遊技中において所定条件が成立した場合(例えば、大当たりした場合)に、遊技者が視認不能な位置から遊技者が視認可能な位置へ現出するように配設されている。なお、センター装飾LED86a又は可動役物86bをセンターフレーム86には搭載せず、後方側ユニットに設けるように構成してもよい。
【0105】
このセンターフレーム86は、後述する音声ランプ制御装置113(
図8参照)から延びる配線(図示せず)が該センターフレーム86の裏面側に設けられたセンターコネクタ部(図示せず)に接続される。これにより、音声ランプ制御装置113により、センター装飾LED86aが点灯制御可能に構成されると共に、可動役物86bが駆動制御可能に構成されている。
【0106】
さらに、このセンターフレーム86は、正面視において、センター基部86cの周囲7箇所にビス挿入孔(以下、センター基部86cに設けられたビス挿入孔を「センタービス挿入孔」という)が設けられている(
図3参照)。このセンタービス挿入孔には、それぞれビスが螺入可能に構成されている。このセンターフレーム86を遊技盤13に載置した状態で、該センタービス挿入孔に対してそれぞれビスを螺入させることで、センターフレーム86が遊技盤13に固定される。
【0107】
また、センターフレーム86には、センター基部86cの背面側(ベース板60と接する側)に複数(第1実施形態では、7つ)の突起(図示せず。以下、センター基部86cに設けられた突起を「センター突起」という。)が設けられている。このセンター突起は、センタービス挿入孔の近傍(例えば、センタービス挿入孔から5ミリメートルの距離)にそれぞれ設けられている。また、センター突起は、センター基部86cの背面側から僅かに突出(第1実施形態では、長さ2.05mm、直径φ2.5mm)して形成されている。
【0108】
センターフレーム86を遊技盤13に取り付ける場合に、このセンター突起を遊技盤13に形成された後述する位置決め孔613~619(以下、センター突起用に設けられた位置決め孔を「センター位置決め孔613~619」という)にそれぞれ挿入させる。これにより、ビス止め前のセンターフレーム86が遊技盤13に仮保持される。そして、それぞれのセンター位置決め孔613~619にセンター突起が仮保持された状態でセンタービス挿入孔に対してビスを螺入させることで、遊技盤13に対してセンターフレーム86がズレることなく固定される。
【0109】
上述したように、センター基部86c全体にメッキ処理が施され、メッキ層(図示せず)を有している。このため、そのメッキ層分の厚みが加わってセンター基部86c全体の厚みを構成している。即ち、センター基部86cを構成するABS樹脂の厚みに対してメッキ層の厚みが加わってセンター基部86c全体の厚みが構成される。従って、センター基部86cに設けられたセンター突起(図示せず)にもメッキ処理が施されてメッキ層を有しているため、センター突起の厚み(長さ)は、ABS樹脂により構成される厚み(長さ)に対してメッキ層分の厚みが加わる。
【0110】
具体的には、センター突起の長さが、2mm(ABS樹脂分の長さ)+0.05mm(メッキ層分)=2.05mmで構成される。また、センター突起の直径(厚み)が、2.4mm(ABS樹脂分の直径)+0.05mm×2(メッキ層分)=2.5mmで構成される。よって、センター突起は、メッキ処理が施されていない他の部品の突起(例えば、主表示ユニット87の主表示突起87j,87k)より、長さで0.05mm、直径で0.1mmほど厚く構成される。
【0111】
なお、センターフレーム86は、上述したように、センター装飾LED86aと可動役物86bとが搭載されており、センターフレーム86の全体容積も大きい。よって、センターフレーム86の全体重量は重く(例えば、500グラム)、遊技盤13に搭載される部品の中では重い部品に分類される。
【0112】
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る始動入賞口4aが設けられた始動入賞口ユニット4が配設されている。ここで、
図5を参照して、始動入賞口ユニット4の構成について説明する。
図5(a)は、始動入賞口ユニット4の正面図であり、
図5(b)は、
図5(a)のVb線方向から見た始動入賞口ユニット4の上面図であり、
図5(c)は、
図5(a)のVc-Vc線における断面図であり、
図5(d)は、
図5(c)を拡大した拡大断面図である。
【0113】
始動入賞口ユニット4は、始動入賞口4a及び電動役物4bを有する基部4e(以下、「始動基部4e」という)と、電動役物用ソレノイド4c及び始動口スイッチ4d(
図8参照)を有する背部4f(以下、「始動背部4f」という)とが組み付けられて構成されている。
【0114】
始動基部4eは、ABS樹脂により構成されており、電動役物4bを除く表面全体にはメッキ処理(第1実施形態では、銀メッキ)が施されたメッキ層4e3(
図5(d)参照)を有している。上述したように、ABS樹脂は、材料コストが安価で、メッキ等ののりが良く装飾性に優れ、耐衝撃性が大きい。よって、遊技を行う遊技者の視線に入り、また、球が頻繁に衝突する始動入賞口4aを有する始動基部4eの構成材料として好適である。また、始動基部4eには、上述したようにメッキ処理が施されているため、始動基部4eの正面視では、該始動入賞口ユニット4によってセルシート60aの前面側が視認不能に構成されている。
【0115】
さらに、始動基部4eには、該始動基部4eから前方に球の直径よりやや大きい程度の厚み(例えば、15mm)を有する立体形状の膨出部4e1と、被覆部4e2と、が形成されている(
図5(b)参照)。この膨出部4e1により始動入賞口4aが構成される。また、被覆部4e2の背面側に電動役物4bが配設され、該被覆部4e2により閉状態における電動役物4bが被覆されている。この被覆部4e2と電動役物4bとで覆われた空間により下部始動入賞口(図示せず)が形成される。電動役物4bの閉状態では、該電動役物4bと被覆部4e2とによって下部始動入賞口へ球が入球不能に構成され、電動役物4bの開状態でのみ下部始動入賞口へ球が入球可能に構成される。下部始動入賞口へ入球した球は、始動入賞口4aへ入球した球と同様、始動口スイッチ4d(
図8参照)によって検出されるように構成されている。
【0116】
始動背部4fは、半透明の樹脂(例えば、ポリカーボネート樹脂)により構成されている。この始動背部4fには、始動入賞口4aに入球した球(電動役物4bの開状態に下部始動入賞口へ入球した球を含む)を流下させる球通路(図示せず)と、電動役物4bを開閉駆動可能な電動役物用ソレノイド4cと、上記球通路を通過した球を検出可能な始動口スイッチ4d(
図8参照)とが配設されている。
【0117】
この始動背部4fの背面側には、コネクタ部(図示せず)が設けられ、主制御装置110(
図8参照)から延びる配線(図示せず)が該コネクタ部(図示せず)に接続される。これにより、電動役物用ソレノイド4cが主制御装置110により駆動制御されると共に、始動口スイッチ4dに基づく球の検出が主制御装置110で認識可能に構成されている。
【0118】
具体的には、この始動入賞口4aへ球が入球(始動入賞)すると、始動口スイッチ4d(
図8参照)がオンとなり、その始動口スイッチ4dのオンに起因して、主制御装置110で第1図柄(特別図柄)の大当たりの抽選がなされ、また、第1図柄表示装置87aや特別図柄表示装置81における第1図柄(特別図柄)の変動表示が開始(始動)される。そして、所定の変動時間経過後に、第1図柄(特別図柄)の変動表示が停止され、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置87aで示されると共に、その抽選結果に応じた特別図柄が特別図柄表示装置81に停止表示される。また、始動入賞口4aは、入賞口の1つであり、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される。
【0119】
本パチンコ機10では、始動入賞口4aへの入球に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、「15R確変大当たり」、「2R確変大当たり」、「時短大当たり」が用意されている。上述した主表示ユニット87の他のLED(図示せず)には、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
【0120】
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に「高確率状態」へ移行する確変大当たりのことであり、「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に「高確率状態」へ移行する確変大当たりのことである。また、「時短大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、特別図柄の大当たり確率は平常通りだが、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は「時間短縮状態」となる大当たりのことである。
【0121】
また、「高確率状態」とは、第1図柄(特別図柄)の大当たり終了後に付加価値としてその後の第1図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。第1実施形態における「高確率状態(確変中)」は、後述する第2図柄(普通図柄)の当たり確率がアップして、始動入賞口4aに付随する電動役物4bが開放されやすくなることで、始動入賞口4aへ球が入球し易い遊技の状態を含む。
【0122】
一方で、「通常遊技状態」とは、「高確率状態」又は「時間短縮状態」でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態であって、第2図柄(普通図柄)の当たり確率が低い状態をいう。また、「時間短縮状態(時短中)」とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄(普通図柄)の当たり確率のみがアップして、始動入賞口4aに付随する電動役物4bが開放されやすくなることで、始動入賞口4aへ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。
【0123】
なお、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、始動入賞口4aに付随する電動役物4bが開放する時間や、第2図柄における1回の当たりで電動役物4bが開放する回数を変更するものとしても良い。例えば、「時間短縮状態」や「高確率状態」は、始動入賞口4aに付随する電動役物4bの開放時間が、「通常遊技状態」と比して長くなる状態であってもよい。また、「時間短縮状態」や「高確率状態」は、第2図柄における1回の当たりで電動役物4bの開放する回数が、「通常遊技状態」と比して多くなる状態であってもよい。
【0124】
なお、特別図柄表示装置81(第1図柄表示装置87a)にて変動表示が行われている間に球が始動入賞口4aへ入球した場合、その入球は最大4回まで保留される。そして、保留された球(保留球)に対応する変動表示は、その前に保留されていた保留球に対応する変動表示の終了後に行われるようになっている。上述した通り、保留された保留球の数(保留球数)は第1図柄保留表示装置87cにより示されると共に特別図柄保留ランプ82においても示される。
【0125】
さらに、始動入賞口ユニット4は、正面視において、その始動基部4eの左右両側2箇所にビス挿入孔4g,4h(以下、始動基部4eに設けられたビス挿入孔を「始動ビス挿入孔4g,4h」という)が設けられている(
図5(a)参照)。この始動ビス挿入孔4g,4hには、それぞれビスが螺入可能に構成されている。この始動入賞口ユニット4を遊技盤13へ載置した状態で、該始動ビス挿入孔4g,4hに対してそれぞれビスを螺入させることで、始動入賞口ユニット4が遊技盤13に固定される。
【0126】
また、
図5(b)~
図5(d)で示すように、始動入賞口ユニット4には、始動基部4eの背面側(ベース板60と接する側)に複数(第1実施形態では、2つ)の突起4i,4j(以下、始動基部4eに設けられた突起を「始動突起4i,4j」という)が設けられている。この始動突起4i,4jは、左側の始動突起4iが始動ビス挿入孔4gの正面視下部近傍(例えば、始動ビス挿入孔4gから5ミリメートル下方の距離)に、右側の始動突起4jが始動ビス挿入孔4hの正面視上方近傍(例えば、始動ビス挿入孔4hから5ミリメートル上方の距離)に設けられている。また、始動突起4i,4jは、始動基部4eから背面側に僅かに突出(第1実施形態では、長さ2.05mm、直径φ2.5mm)して形成されている。
【0127】
始動入賞口ユニット4を遊技盤に取り付ける場合に、この始動突起4i,4jを遊技盤13に形成された後述する位置決め孔620,621(以下、始動突起4i,4j用に設けられた位置決め孔を「始動位置決め孔620,621」という)にそれぞれ挿入させる。これにより、ビス止め前の始動入賞口ユニット4が遊技盤13に仮保持される。そして、それぞれの始動位置決め孔620,621に始動突起4i,4jが仮保持された状態で始動ビス挿入孔4g,4hに対してビスを螺入させることで、遊技盤13に対して始動入賞口ユニット4がズレることなく固定される。
【0128】
上述したように、始動基部4e全体にメッキ処理が施され、メッキ層4e3を有している。このため、そのメッキ層4e3分の厚みが加わって始動基部4e全体の厚みを構成している。即ち、始動基部4eを構成するABS樹脂の厚みに対してメッキ層4e3の厚みが加わって始動基部4e全体の厚みが構成される。従って、始動基部4eに設けられた始動突起4i,4jにもメッキ処理が施されてメッキ層4e3を有しているため、始動突起4i,4jの厚み(長さ)は、ABS樹脂により構成される厚み(長さ)に対してメッキ層4e3分の厚みが加わる。
【0129】
具体的には、始動突起4i,4jの長さが、2mm(ABS樹脂分の長さ)+0.05mm(メッキ層4e3分)=2.05mmで構成される。また、始動突起4i,4jの直径(厚み)が、2.4mm(ABS樹脂分の直径)+0.05mm×2(メッキ層4e3分)=2.5mmで構成される。よって、始動突起4i,4jは、メッキ処理が施されていない他の部品の突起(例えば、主表示ユニット87の主表示突起87j,87k)より、長さで0.05mm、直径で0.1mmほど厚く構成される。
【0130】
なお、始動入賞口ユニット4は、上述したように、始動基部4eに対して始動入賞口4a及び電動役物4b、並びに、始動背部4fに対して球通路(図示せず)、電動役物用ソレノイド4c及び始動口スイッチ4dが搭載されている。よって、始動入賞口ユニット4の全体容積は小さいものの、始動入賞口ユニット4の全体重量は重く(例えば、100グラム)、遊技盤13に搭載される部品の中では重い部品に分類される。
【0131】
ここで、
図7(c)及び
図7(d)を参照して、始動入賞口ユニット4を遊技盤13に取り付けた状態について説明する。
図7(c)は、始動入賞口ユニット4の一部分の拡大正面図であり、
図7(d)は、
図7(c)のVIId―VIId線における模式的断面図である。
【0132】
図7(c)及び
図7(d)で示すように、始動入賞口ユニット4は、始動基部4eに設けられた始動ビス挿入孔4h(4g)にビスを螺入することにより、遊技盤13にビス止め固定されている。遊技盤13の製造工程では、この始動入賞口ユニット4を遊技盤13に対してビス止め固定させる場合に、始動ビス挿入孔4h(4g)にビスを螺入する前に、始動突起4j(4i)を始動位置決め孔621(620)へ挿入させて始動入賞口ユニット4全体が遊技盤13に対してズレないように仮保持させる。そして、その仮保持された状態で始動ビス挿入孔4h(4g)にビスを螺入させることで、該始動入賞口ユニット4が遊技盤13に対してビス止め固定される。
【0133】
また、
図7(c)で示すように、始動入賞口ユニット4の始動基部4eは、メッキ処理が施されているため、該始動基部4eの裏面側が視認不能である。よって、遊技者は、始動入賞口ユニット4の裏面側に位置するセルシート60aに印刷された図柄(第1実施形態では、カニ図柄の一部)を視認することができない。また、始動突起4j(4i)が挿入されている始動位置決め孔621(620)周辺も視認することができない。
【0134】
さらに、始動突起4j(4i)が挿入される始動位置決め孔621(620)は、後述するテーパピン311により穿設されて形成されているが、該始動位置決め孔621(620)及びテーパピン311の詳細については後述する。
【0135】
図3に戻って説明を続ける。始動入賞口ユニット4の下方にはアタッカーユニット5が配設されている。このアタッカーユニット5は、大入賞口5a及び開閉板5bを有する基部5e(以下、「アタッカー基部5e」という)と、大入賞口用ソレノイド5c(
図8参照)及び大入賞口スイッチ5d(
図8参照)を有する背部(図示せず。以下、「アタッカー背部」という。)とで構成されている。
【0136】
アタッカー基部5eは、ABS樹脂により構成されており、開閉板5bを除く表面全体にはメッキ処理(第1実施形態では、銀メッキ)が施されている。上述したように、ABS樹脂は、材料コストが安価で、メッキ等ののりが良く装飾性に優れ、耐衝撃性が大きい。よって、遊技を行う遊技者に視線に入り、また、球が頻繁に衝突するアタッカー基部5eの構成材料として好適である。
【0137】
また、アタッカー基部5eには、上述したようにメッキ処理が施されているため、アタッカーユニット5の正面視では、該アタッカーユニットによってセルシート60aの前面側が視認不能に構成されている。
【0138】
さらに、アタッカー基部5eには、該アタッカー基部5eから前方に球の直径よりやや大きい程度の厚み(例えば、15mm)を有する中空形状の膨出部が形成されている。この膨出部の後方側に開閉板5bが位置するように配置されている。即ち、この膨出部と開閉板5bとの間(膨出部の後方側であって開閉板5bの前方側)には、球が通過可能であると共に開閉板5bが開放可能な空間が形成されている。
【0139】
アタッカー背部(図示せず)は、半透明の樹脂(例えば、ポリカーボネート樹脂)により構成されている。このアタッカー背部には、大入賞口5aに入球した球を流下させる球通路(図示せず)と、開閉板5bを開閉駆動可能な大入賞口用ソレノイド5c(
図8参照)と、上記球通路を通過した球を検出可能な大入賞口スイッチ5dとが配設されている。
【0140】
このアタッカー背部の背面側には、コネクタ部(図示せず)が設けられ、主制御装置110(
図8参照)から延びる配線(図示せず)が該コネクタ部(図示せず)に接続される。これにより、大入賞口用ソレノイド5cが主制御装置110によって駆動制御されると共に、大入賞口スイッチ5dに基づく球の検出が主制御装置110で認識可能に構成されている。
【0141】
具体的には、この大入賞口5aへ球が入球すると、大入賞口スイッチ5d(
図8参照)がオンとなり、その大入賞口スイッチ5dのオンに起因して、15個の球が賞球として払い出される。
【0142】
パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるように第1図柄表示装置87aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を特別図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には開閉板5bによって閉鎖されている大入賞口5aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
【0143】
この大入賞口5aは、所定時間が経過、或いは、球が10個入賞すると、大入賞口用ソレノイド5c(
図8参照)を駆動して開閉板5bを起立状態(閉状態)に駆動することで閉鎖され、その閉鎖後、再度、大入賞口用ソレノイド5cを駆動して開閉板5bを前面下側に傾倒させる傾倒状態(開状態)にすることによって所定時間開放される。
【0144】
この大入賞口5aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。大入賞口5aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大入賞口用ソレノイド5cを駆動して開閉板5bを前面下側に傾倒し、球が大入賞口5aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
【0145】
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。大入賞口5aとは別に開閉される特定入賞口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置87aにおいて大当たりに対応した図柄が点灯した場合に、大入賞口5aが所定時間開放され、その大入賞口5aの開放中に、球が大入賞口5a内へ入賞することを契機として大入賞口5aとは別に設けられた特定入賞口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
【0146】
さらに、アタッカーユニット5は、正面視において、そのアタッカー基部5eの上下2箇所、下部2箇所の合計4箇所にビス挿入孔(以下、アタッカー基部5eに設けられたビス挿入孔を「アタッカービス挿入孔」という)が設けられている(
図3参照)。このアタッカービス挿入孔には、それぞれビスが螺入可能に構成されている。このアタッカーユニット5を遊技盤13に載置した状態で、該アタッカービス挿入孔に対してそれぞれビスを螺入させることで、アタッカーユニット5が遊技盤13に固定される。
【0147】
また、アタッカーユニット5には、アタッカー基部5eの背面側(セルシート60aと接する側)に複数(第1実施形態では、4つ)の突起(図示せず。以下、アタッカー基部5eに設けられた突起を「アタッカー突起」という。)が設けられている。このアタッカー突起は、アタッカーユニット5のアタッカービス挿入孔の近傍(例えば、アタッカービス挿入孔から5ミリメートルの距離)にそれぞれ設けられている。また、このアタッカー突起は、アタッカー基部5eの背面側から僅かに突出(第1実施形態では、長さ2.05mm、直径φ2.5mm)して形成されている。
【0148】
アタッカーユニット5を遊技盤13に取り付ける場合に、このアタッカー突起を遊技盤13に形成された後述する位置決め孔622~625(以下、アタッカー突起用に設けられた位置決め孔を「アタッカー位置決め孔」という)にそれぞれ挿入させる。これにより、ビス止め前のアタッカーユニット5が遊技盤13に仮保持される。そして、それぞれのアタッカー位置決め孔622~625にアタッカー突起が仮保持された状態でアタッカービス挿入孔に対してビスを螺入させることで、遊技盤13に対してアタッカーユニット5がズレることなく固定される。
【0149】
上述したように、アタッカー基部5e全体にメッキ処理が施され、メッキ層(図示せず)を有している。このため、そのメッキ層分の厚みが加わってアタッカー基部5e全体の厚みを構成している。即ち、アタッカー基部5eを構成するABS樹脂の厚みに対してメッキ層の厚みが加わってアタッカー基部5e全体の厚みが構成される。従って、アタッカー基部5eに設けられたアタッカー突起(図示せず)にもメッキ処理が施されてメッキ層を有しているため、アタッカー突起の厚み(長さ)はABS樹脂により構成される厚み(長さ)に対してメッキ層分の厚みが加わる。
【0150】
具体的には、アタッカー突起の長さが、2mm(ABS樹脂分の長さ)+0.05mm(メッキ層分)=2.05mmで構成される。また、アタッカー突起の直径(厚み)が、2.4mm(ABS樹脂分の直径)+0.05mm×2(メッキ層分)=2.5mmで構成される。よって、アタッカー突起は、メッキ処理が施されていない他の部品の突起(例えば、主表示ユニット87の主表示突起87j,87k)より、長さで0.05mm、直径で0.1mmほど厚く構成される。
【0151】
なお、アタッカーユニット5は、上述したように、アタッカー基部5eに対して大入賞口5a及び開閉板5b、並びに、アタッカー背部(図示せず)に対して球通路(図示せず)、大入賞口用ソレノイド5c及び大入賞口スイッチ5dが搭載されており、アタッカーユニット5の全体容積も大きい。よって、アタッカーユニット5の全体重量は重く(例えば、165グラム)、遊技盤13に搭載される部品の中では重い部品に分類される。
【0152】
可変表示装置ユニット80の遊技領域左側には、球が入球し得るスルーゲート7が配設されている。また、可変表示装置ユニット80の遊戯領域右側にも同様のスルーゲート7が配設されている。なお、右側のスルーゲート7は、左側のスルーゲート7と構成が同等であるため、その説明は省略する。
【0153】
ここで、
図6を参照して、スルーゲート7の構成について説明する。
図6(a)は、スルーゲート7の正面図であり、
図6(b)は、
図6(a)のVIb線方向から見たスルーゲート7の上面図であり、
図6(c)は、
図6(a)のVIc-VIc線における断面図である。
【0154】
このスルーゲート7は、該スルーゲート7の基部7b(以下、「スルー基部7b」という)に、球が通過することにより普通図柄の変動表示が行われる普通図柄スイッチ7aが装着されて構成されており、普通図柄スイッチ7aを除くスルー基部7b全体が透明の樹脂(例えば、ポリカーボネート樹脂)により構成されている。ポリカーボネート樹脂は、材料コストが安価で、透明性を有して装飾性に優れ、耐衝撃性が大きい。よって、遊技を行う遊技者の視線に入り、また、球が頻繁に衝突するスルーゲート7の構成材料として好適である。
【0155】
また、スルー基部7bは、透明の樹脂により構成されているため、該スルー基部7bの後方側に位置する遊技盤13前面側が、遊技者により視認可能に構成されている。従って、スルー基部7bの後方側のセルシート60aに印刷された模様が遊技者によって視認可能に構成されている。
【0156】
スルー基部7bには、該スルー基部7bから前方に球の直径よりやや大きい程度の厚み(例えば、15mm)を有する立体形状の外形のゲート部7b1が形成されている(
図6(b)参照)。このゲート部7b1に普通図柄スイッチ7aの検出部7a1が嵌め込まれており、このゲート部7b1を球が通過することで漏れなく普通図柄スイッチ7aの検出部7a1を球が通過し、普通図柄スイッチ7aによって球の通過が検出される。
【0157】
この普通図柄スイッチ7aには、主制御装置110(
図8参照)から延びる配線(図示せず)が接続される。これにより、普通図柄スイッチ7aに基づく球の検出が主制御装置110で認識可能に構成されている。
【0158】
具体的には、このスルーゲート7へ球が入球(通過)すると、普通図柄スイッチ7aがオンとなり、その普通図柄スイッチ7aのオンに起因し、主制御装置110で第2図柄(普通図柄)の当たり抽選がなされ、また、第2図柄表示装置87bや普通図柄表示装置83における第2図柄(普通図柄)の変動表示が開始(始動)される。そして、所定の変動時間経過後に、第2図柄(普通図柄)の変動表示が停止され、その抽選結果に応じた表示が第2図柄表示装置87bで示されると共に、その抽選結果に応じた普通図柄が普通図柄表示装置83に停止表示される。なお、スルーゲート7は、第2図柄(普通図柄)の抽選契機を取得するのみであり、球の賞球は行われない。
【0159】
なお、普通図柄表示装置83(第2図柄表示装置87b)にて変動表示が行われている間に球がスルーゲート7へ入球した場合、その入球に基づく普通図柄の変動表示は最大4回まで保留される。そして、保留された球(保留球)に対応する変動表示は、その前に保留されていた保留球に対応する変動表示の終了後に行われるようになっている。上述した通り、保留された保留球の数(保留球数)は第2図柄保留表示装置87dにより示されると共に普通図柄保留ランプ84においても示される。
【0160】
また、スルーゲート7は、正面視において、そのスルー基部7bの左右両側2箇所にビス挿入孔7c,7d(以下、スルー基部7bに設けられたビス総入港を「スルービス挿入孔7c,7d」という)が設けられている(
図6(a)参照)。このスルービス挿入孔7c,7dには、それぞれビスが螺入可能に構成されている。このスルーゲート7を遊技盤13へ載置した状態で、該スルービス挿入孔7c,7dに対してそれぞれビスを螺入させることで、スルーゲート7が遊技盤13に固定される。
【0161】
さらに、
図6(b)及び
図6(c)で示すように、スルーゲート7には、スルー基部7bの背面側(ベース板60と接する側)に複数(第1実施形態では、2つ)の突起7e,7f(以下、スルー基部7bに設けられた突起を「スルー突起7e,7f」という)が設けられている。このスルー突起7e,7fは、スルービス挿入孔7c,7dの近傍(例えば、スルービス挿入孔7c,7dから5ミリメートルの距離)にそれぞれ設けられている。また、スルー突起7e,7fは、スルー基部7bから背面側に僅かに突出(第1実施形態では、長さ2mm、直径φ2.4mm)して形成されている。
【0162】
スルーゲート7を遊技盤13に取り付ける場合に、このスルー突起7e,7fを遊技盤13に形成された後述する位置決め孔626,627(以下、スルー突起7e,7f用に設けられた位置決め孔を「スルー位置決め孔626,627」という)にそれぞれ挿入させる。これにより、ビス止め前のスルーゲート7が遊技盤13に仮保持される。そして、それぞれのスルー位置決め孔626,627にスルー突起7e,7fが仮保持された状態でスルービス挿入孔7c,7dに対してビスを螺入させることで、遊技盤13に対してスルーゲート7がズレることなく固定される。
【0163】
なお、スルーゲート7は、上述したように、スルー基部7bに対して普通図柄スイッチ7aが搭載されているのみであり、スルーゲート7の全体容積も小さい。よって、スルーゲート7の全体重量は軽く(例えば、6グラム)、遊技盤13に搭載される部品の中では軽い部品に分類される。
【0164】
ここで、
図7(e)及び
図7(f)を参照して、スルーゲート7を遊技盤13に取り付けた状態について説明する。
図7(e)は、遊技盤13におけるスルーゲート7の拡大正面図であり、
図7(f)は、
図7(e)のVIIf-VIIf線における模式的断面図である。
【0165】
図7(e)及び
図7(f)で示すように、スルーゲート7は、スルー基部7bに設けられたスルービス挿入孔7d(7c)にビスを螺入することにより、遊技盤13にビス止め固定されている。遊技盤13の製造工程では、このスルーゲート7を遊技盤13に対してビス止め固定させる場合に、スルービス挿入孔7d(7c)にビスを螺入する前に、スルー突起7f(7e)をスルー位置決め孔627(626)へ挿入させてスルーゲート7全体が遊技盤13に対してズレないように仮保持させる。そして、その仮保持された状態でスルービス挿入孔7d(7c)にビスを螺入させることで、該スルーゲート7が遊技盤13に対してビス止め固定される。
【0166】
また、
図7(e)で示すように、スルーゲート7のスルー基部7bは、透明の樹脂により構成されているため、該スルー基部7bの裏面側が視認可能である。よって、遊技者は、スルーゲート7の裏面側に位置するセルシート60aに印刷された図柄(第1実施形態では、タコ図柄の一部)を視認することができる。また、スルー突起7f(7e)が挿入されているスルー位置決め孔627(626)周辺も視認可能に構成されている。
【0167】
さらに、スルー突起7f(7e)が挿入されるスルー位置決め孔627(626)は、後述するハイブリッドピン321により穿設されて形成されているが、該スルー位置決め孔627(626)及びハイブリッドピン321の詳細については後述する。
【0168】
図3に戻って説明を続ける。スルーゲート7の遊技領域左側には、盤面サイド飾り8が配設されている。また、右側のスルーゲート7の右側にも同様の盤面サイド飾り8が配設されている。なお、右側の盤面サイド飾り8は、左側の盤面サイド飾り8と比べて形状が左右対称であるものの、その他の構成が同等であるので、その説明は省略する。
【0169】
この盤面サイド飾り8は、ABS樹脂により構成されており、その表面全体にはメッキ処理(第1実施形態では、銀メッキ)が施されている。ABS樹脂は、材料コストが安価で、メッキ等ののりが良く装飾性に優れ、耐衝撃性が大きい。よって、遊技を行う遊技者の視線に入り、また、球が頻繁に衝突する盤面サイド飾り8の構成材料としては好適である。なお、盤面サイド飾り8には、上述したようにメッキ処理が施されているため、盤面サイド飾り8の正面視では、該盤面サイド飾り8によってセルシート60aの前面側が視認不能に構成されている。
【0170】
また、盤面サイド飾り8には、該盤面サイド飾り8の基部8a(以下、「サイド基部8a」という)から前方に球の直径よりやや大きい程度の厚み(例えば、15mm)を有する立体形状の膨出部が設けられている。
【0171】
さらに、盤面サイド飾り8は、正面視において、そのサイド基部8aの上部1箇所、下部1箇所、右中部1箇所の合計3箇所にビス挿入孔(以下、サイド基部8aに設けられたビス挿入孔を「サイドビス挿入孔」という)が設けられている(
図3参照)。このサイドビス挿入孔には、それぞれビスが螺入可能に構成されている。この盤面サイド飾り8を遊技盤13に載置した状態で、該サイドビス挿入孔に対してそれぞれビスを螺入させることで、盤面サイド飾り8が遊技盤13に固定される。
【0172】
また、盤面サイド飾り8には、サイド基部8aの背面側(セルシート60aと接する側)に複数(第1実施形態では、2つ)の突起(図示せず。以下、サイド基部8aに設けられた突起を「サイド突起」という。)が設けられている。このサイド突起は、盤面サイド飾り8のサイドビス挿入孔のうち、上部のサイドビス挿入孔と下部のサイドビス挿入孔との近傍(例えば、サイドビス挿入孔から5ミリメートルの距離)にそれぞれ設けられている。また、サイド突起は、サイド基部8aの背面側から僅かに突出(第1実施形態では、長さ2.05mm、直径φ2.5mm)して形成されている。
【0173】
盤面サイド飾り8を遊技盤13に取り付ける場合に、このサイド突起を遊技盤13に形成された後述する位置決め孔628,629(以下、サイド突起用に設けられた位置決め孔を「サイド位置決め孔628,629」という)にそれぞれ挿入させる。これにより、ビス止め前の盤面サイド飾り8が遊技盤13に仮保持される。そして、それぞれのサイド位置決め孔628,629にサイド突起が仮保持された状態でサイドビス挿入孔に対してビスを螺入させることで、遊技盤13に対して盤面サイド飾り8がズレることなく固定される。
【0174】
上述したように、サイド基部8a全体にメッキ処理が施され、メッキ層(図示せず)を有している。このため、そのメッキ層分の厚みが加わってサイド基部8a全体の厚みを構成している。即ち、サイド基部8aを構成するABS樹脂の厚みに対してメッキ層の厚みが加わってサイド基部8a全体の厚みが構成される。従って、サイド基部8aに設けられたサイド突起(図示せず)にもメッキ処理が施されてメッキ層を有しているため、サイド突起の厚み(長さ)は、ABS樹脂により構成される厚み(長さ)に対してメッキ層分の厚みが加わる。
【0175】
具体的には、サイド突起の長さが、2mm(ABS樹脂分の長さ)+0.05mm(メッキ層分)=2.05mmで構成される。また、サイド突起の直径(厚み)が、2.4mm(ABS樹脂分の直径)+0.05mm×2(メッキ層分)=2.5mmで構成される。よって、サイド突起は、メッキ処理が施されていない他の部品の突起(例えば、主表示ユニット87の主表示突起87j,87k)より、長さで0.05mm、直径で0.1mmほど厚く構成される。
【0176】
なお、盤面サイド飾り8は、上述したように、サイド基部8aに他の部品が搭載されていない。よって、盤面サイド飾り8の全体容積は大きいものの、該盤面サイド飾り8の全体重量は軽く(例えば、50グラム)、遊技盤13に搭載される部品の中では軽い部品に分類される。
【0177】
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、遊技盤13に搭載される部品に対してそれぞれ位置決め用の突起(戻り突起、右側突起、左上突起、主表示突起87j,87k、一般突起、センター突起、始動突起4i,4j、アタッカー突起、スルー突起7e,7f及びサイド突起。以下、上記突起を総称して「各突起」と表現する場合がある。)が設けられているが、各突起は、メッキ層の有無を除いて、共通の仕様で形成されている。具体的には、各突起のメッキ層を除く樹脂部分については、各突起の長さは、2mmで構成される。また、各突起の直径は、φ2.4mmで構成される。メッキ層が施される部品であっても、各突起の長さは、2.05mmで構成される。また、各突起の直径は、φ2.5mmで構成される。
【0178】
このように、第1実施形態では、遊技盤13に搭載される各部品の各突起をメッキ層の有無で多少の違い(長さで0.05mm、直径で1mm)はあるが、ほぼ共通の仕様にしている。これにより、遊技盤13に位置決め孔を形成する場合に、部品ごとに全く異なる位置決め孔(例えば、A部品用の位置決め孔は長さ3mm、直径4mmであり、B部品用の位置決め孔は長さ5mm、直径3mm等)を形成せずに済み、遊技盤13の製造工程における煩雑さを解消して遊技盤13の生産性を向上することができる。
【0179】
遊技盤13の下方には、アウト口6が設けられている。このアウト口6は、内レール61と一体的に構成されており、内レール61を遊技盤13に取り付けた場合に、該内レール61と共に取り付けられる。このアウト口6には、いずれの入賞口3a,4a,5aにも入球しなかった球が、該アウト口6を通って遊技盤13の裏面へ排出される。
【0180】
次に、
図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。
図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201は、8ビットマイコンで構成され、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したリード・オンリー・メモリー(Read Only Memory。以下、「ROM」と略す。)202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるランダム・アクセス・メモリー(Random Access Memory。以下、「RAM」と略す。)203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
【0181】
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置87aおよび特別図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置87b及び普通図柄表示装置83における表示結果の抽選、入賞に伴う賞球の決定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。ROM202は、これらの処理を制御するために用いられる固定値データが格納されている。例えば、大当たり乱数テーブル、大当たり種別テーブル、大当たり用変動パターンテーブル及び外れ用変動パターンテーブルといった各種テーブルがROM202に格納される。
【0182】
RAM203には、パチンコ機10の主要な処理(大当たり抽選や第1図柄表示装置87aおよび特別図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置87b及び普通図柄表示装置83における表示結果の抽選等)を制御するための各種カウンタが設けられている。
【0183】
大当たり抽選や第1図柄表示装置87a及び特別図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタと、大当たり図柄の停止種別の選択に使用する第1当たり種別カウンタと、外れ時の停止種別の決定に使用する停止パターン選択カウンタと、第1当たり乱数カウンタの初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタと、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタとが用いられる。また、第2図柄表示装置87b及び普通図柄表示装置83の抽選には、第2当たり乱数カウンタが用いられ、第2当たり乱数カウンタの初期値設定には第2初期値乱数カウンタが用いられる。
【0184】
MPU201は、始動入賞口ユニット4に設けられた始動口スイッチ4dによって始動入賞口4aへ入球した球を検出すると、そのときの第1当たり乱数カウンタ、第1当たり種別カウンタ及び停止パターン選択カウンタの各値を取得し、該取得した各値に基づいて第1図柄(特別図柄)の大当たり抽選等を行う。また、MPU201は、スルーゲート7に設けられた普通図柄スイッチ7aによってスルーゲート7を通過した球を検出すると、そのときの第2当たり乱数カウンタの値を取得し、該取得した値に基づいて第2図柄(普通図柄)の当たり抽選を行う。さらに、MPU201は、変動開始時に、変動種別カウンタと、ROM202に格納された変動パターンテーブルとを参照し、変動表示で実行すべき変動パターンを決定する。ここで決定される変動パターンは、図柄変動の変動時間である。
【0185】
即ち、主制御装置110では、変動パターンとして図柄変動の変動時間及び停止種別のみを決定する。一方、具体的な変動態様は、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114によって設定される。つまり、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114が、主制御装置110により決定された変動パターン(変動時間)及び停止種別に基づいて、その変動時間で変動表示が可能な変動態様の中から、特別図柄表示装置81で表示させる特別図柄の変動態様の詳細を決定する。そして、決定した変動態様に従って、表示制御装置114は特別図柄表示装置81に特別図柄を変動表示させ、また、音声ランプ制御装置113は、その変動表示に合わせて音声出力装置226から音声を出力させると共に、枠LED227(電飾部29~33)のランプを点灯・点滅表示させる。
【0186】
このように、主制御装置110では、変動表示に関する処理として、変動表示の変動時間を決定し、その変動時間に応じた変動パターンコマンドを生成して音声ランプ制御装置113へ送信する。また、主制御装置110では、変動表示に関する処理として、変動表示の停止種別を決定し、その停止種別に応じた停止種別コマンドを生成して音声ランプ制御装置113へ送信する。そして、変動態様の詳細については、変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づいて音声ランプ制御装置113や表示制御装置114にて決定する。主制御装置110のMPU201は8ビットマイコンで構成されており、複雑な処理を行うことはできないが、変動パターンを決定する場合に主制御装置110では変動時間のみを決定するように構成することで、主制御装置110にて変動態様の詳細まで決定する場合と比して、主制御装置110の変動パターンの決定処理を簡単に行うことができる。
【0187】
また、主制御装置110にて変動態様の詳細を決定した場合、その決定した変動態様の詳細情報を音声ランプ制御装置113等に通知しなければならず、その通知に必要となるコマンドを例えば3バイト以上で構成しなければならなくなる恐れが生じ、コマンドの送信や受信が複雑となるおそれがある。これに対し、第1実施形態では、主制御装置110で変動時間及び停止種別のみを決定するように構成されているので、音声ランプ制御装置113等に対して、その決定した変動時間及び停止種別に関する情報のみを通知すればよく、その通知に係るコマンドの構成を簡易にすることができる。よって、コマンドの送受信が複雑になることを抑制できる。また、主制御装置110において図柄変動の変動時間及び停止種別のみを決定しても、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114によって、多くの変動態様の中から指定された変動時間及び停止種別に応じた変動態様を決定し、その決定された変動態様で特別図柄表示装置81にて変動表示を行うように構成されているので、多彩な変動表示の演出を遊技者に付与することができ、遊技者の興趣向上を図ることができる。
【0188】
以上の通り、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置87aおよび特別図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置87b及び普通図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
【0189】
RAM203は、上記した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、インプット/アウトプット(Input/Output。以下、「I/O」と略す。)等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
【0190】
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理において実行される。なお、MPU201のノンマスカブル割込(Non-Maskable Interrupt。以下、「NMI」という。)端子には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
【0191】
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111と、音声ランプ制御装置113と、主表示ユニット87に搭載された第1図柄表示装置87a、第2図柄表示装置87b、第1図柄保留表示装置87c及び第2図柄保留表示装置87dと、始動入賞口ユニット4に搭載された電動役物用ソレノイド4c及び始動口スイッチ4dと、アタッカーユニット5に搭載された大入賞口用ソレノイド5c及び大入賞口スイッチ5dと、スルーゲートに搭載された普通図柄スイッチ7aと、一般入賞口ユニット3に搭載された一般入賞口スイッチ3bと、がそれぞれ接続されている。MPU201は、入出力ポート205を介して上記スイッチ3b,4d,5dからの入力信号が入力され、その入力信号に基づいて変動表示や大当たり等に関する制御を行い、その制御結果に基づいて、入出力ポート205を介して各種コマンドや制御信号を送信し、また、上記ソレノイド4c,5cの駆動制御を行う。
【0192】
例えば、主制御装置110は、一般入賞口スイッチ3bの検出結果に基づいて、一般入賞口3aにおける球の入賞の有無を検出する。一般入賞口3aにおける球の入賞を検出すると、主制御装置110は5球の賞球を決定し、5球の賞球を払い出すことを通知する賞球払出コマンドを払出制御装置111に対して送信する。また、主制御装置110は、始動口スイッチ4dに基づいて、始動入賞口4aにおける球の入賞の有無を検出する。始動入賞口4aにおける球の入賞を検出すると、大当たりの抽選を行い、その抽選結果に基づいて第1図柄表示装置87a及び特別図柄表示装置81における変動表示の演出を開始(始動)する。また、5球の賞球を決定し、5球賞球を払い出すことを通知する賞球払出コマンドを払出制御装置111に対して送信する。また、主制御装置110は、大入賞口スイッチ5dの検出結果に基づいて、大入賞口5aにおける球の入賞の有無を検出する。大入賞口5aにおける球の入賞を検出すると、主制御装置110は15球の賞球を決定し、15球の賞球を払い出すこと通知する賞球払出コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
【0193】
また、例えば、主制御装置110は、普通図柄(第2図柄)の当たりの際に電動役物用ソレノイド4cを駆動して電動役物4bを回動させ、球が下部始動入賞口に入賞し易い開状態を一時的に形成可能に構成されている。これにより、主制御装置110は、普通図柄の当たり状態において、電動役物4bの開状態と閉状態とを交互に繰り返すことができるように構成されている。
【0194】
また、例えば、主制御装置110は、特別図柄(第1図柄)の大当たりの際に、大入賞口用ソレノイド5cを駆動して開閉板5bを前面下側に傾倒し、球が大入賞口5aに入賞し易い開状態を一時的に形成可能に構成されている。これにより、主制御装置110は、特別図柄の大当たり状態において、開閉板5bの開状態と閉状態とを交互に繰り返すことができるように構成されている。
【0195】
さらに、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびセンサ群などからなる各種スイッチ、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチから出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
【0196】
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
【0197】
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211に入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
【0198】
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチ217が接続されている。なお、該賞球検出スイッチ217は、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
【0199】
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるように球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイド及び電磁石を備えており、その発射ソレノイド及び電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
【0200】
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、枠LED(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、センターフレーム86に搭載されたセンター装飾LED86aにおける点灯および消灯の出力、センターフレーム86に搭載された可動役物86bの駆動、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドにより示される変動時間に基づいて、その変動時間で実行すべき変動表示の変動態様の設定、主制御装置110から受信した停止種別コマンドにより示される停止種別に基づいて、その停止種別で実行すべき変動表示の変動態様の設定、等といった制御を行うものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
【0201】
ROM222には、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドにより示される各種変動パターン(変動時間)に対して、それぞれ1以上の詳細な変動パターンが対応付けられて記憶されている。また、ROM222には、主制御装置110から受信した停止種別コマンドにより示される停止種別に対して、それぞれ1以上の詳細な停止種別が対応付けられて記憶されている。
【0202】
MPU221では、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信すると、その変動パターンコマンドで示される変動パターン(変動時間)に対して対応付けられた1以上の詳細な変動パターンの中から、1つの詳細な変動パターンを決定する。また、MPU221では、主制御装置110から停止種別コマンドを受信すると、その停止種別コマンドで示される停止種別に対して対応付けられた1以上の詳細な停止種別の中から、1つの詳細な停止種別を決定する。そして、決定した詳細な変動パターン及び停止種別に対して予め定められたパターンに従って、枠LED227及びセンター装飾LED86aの点灯および消灯を制御し、また、音声出力装置226からの音声出力を制御し、さらに、可動役物86bの駆動を制御する。
【0203】
また、MPU221は、詳細な変動パターンを決定すると、その決定した詳細な変動パターンの種別を表示制御装置114に対して通知する特別図柄用の表示変動パターンコマンドを生成して、その生成した特別図柄用の表示変動パターンコマンドを表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114は、この特別図柄用の表示変動パターンコマンドによって示される詳細な変動パターンに対し予め定められたパターンに従って、特別図柄表示装置81に対し変動演出を表示する制御を実行する。
【0204】
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、枠LED227、センターフレーム86に搭載されたセンター装飾LED86a及び可動役物86b、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
【0205】
表示制御装置114は、特別図柄表示装置(LCD)81の画面表示を制御する装置であり、特別図柄の変動表示(変動演出)や大当たり演出といった種々の画面表示を、音声ランプ制御装置113(主制御装置110)から送信されるコマンドに従って制御するものである。
【0206】
表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを有している。入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、特別図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、特別図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
【0207】
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から出力された特別図柄用の表示変動パターンコマンドやその他の各種コマンドに基づいて、特別図柄表示装置81の表示内容を制御する。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。
【0208】
ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。キャラクタROM235は、特別図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や特別図柄)などの演出用のデータ(キャラクタ情報)を圧縮された型式で記憶したメモリである。ビデオRAM234は、特別図柄表示装置81に表示させる画像を生成するためにキャラクタROM235から読み出された複数のキャラクタ情報を解凍した型式で記憶する領域(図示せず)と、その解凍した複数のキャラクタ情報の少なくとも一部を用いて生成した1フレーム分の表示データを、その表示がなされるまで一時的に記憶するフレームバッファ領域(図示せず)とを有するメモリである。
【0209】
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きを介在すると共に、ビデオRAM234のフレームバッファ領域に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して特別図柄表示装置81に表示させるものである。
【0210】
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(
図2参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチや、ソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
【0211】
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
【0212】
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(
図2参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
【0213】
次に、
図9を参照して、パチンコ機10を製造する製造工程の概要について説明する。
図9は、パチンコ機10の製造工程の流れを示す概略図である。パチンコ機10の製造工程については、部位毎に分別された複数のサブアセンブリユニット(例えば、遊技盤13や扉枠14等の各遊技ユニット)をそれぞれ形成する工程(サブアセンブリ工程。例えば、
図10参照。)と、それらサブアセンブリ化された遊技ユニットを組み立てる組み立て工程(アセンブリ工程。例えば、
図9参照。)とに大別される。このように、各遊技ユニットの組み立て等を行うサブアセンブリ工程と、該サブアセンブリ工程を経て組み上げられた遊技ユニットを組み立てるアセンブリ工程とを分けることにより、分業化を促進し、生産効率の向上等が図られている。
【0214】
図9で示すように、パチンコ機10の製造工程(アセンブリ工程)では、まず、払出制御装置111を除く制御基板ユニット91と裏パックユニット94とが組み付けられた内枠12に対して、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114により構成される制御基板ユニット90が搭載された遊技盤13の組付けを行う(S101)。
【0215】
具体的には、遊技盤13の左端部を内枠12の左側部分に挿入し、遊技盤13を内枠12の仮置き部(図示せず)に載せた状態で該左端部を軸に遊技盤13を回動させることで、遊技盤13が所定の装着完了位置へ配置される。その後、内枠12に設けられたロックレバー(図示せず)を用いて遊技盤13を装着完了位置に固定することにより、内枠12と遊技盤13とが一体化される。なお、遊技盤13の背面に設けられたコネクタ(図示せず)は、遊技盤13の装着完了位置への移動に伴って内枠12に設けられた可動式のコネクタ(所謂フローティングコネクタ)と結合されるように構成されており、該結合によって遊技盤13と内枠12とが電気的に接続された状態となる。
【0216】
その後、内枠12に搭載されている制御基板ユニット91に対して払出制御装置111の組付けを行い(S102)、続いて、内枠12に対して扉枠14の組付けを行う(S103)。具体的には、内枠12に設けられたヒンジ19(
図1参照)に扉枠14に設けられた突起軸(図示せず)を係合させることにより、内枠12に対して扉枠14が回動可能な状態で一体化される。そして、内枠12に対して扉枠14を閉じることでシリンダ錠20(
図1参照)が動作して、扉枠14の開放が規制された状態となる。これにより、パチンコ機10の組み立てが完了する。
【0217】
パチンコ機10の組み立てが完了した後は、パチンコ機10の動作等の確認を行う遊技機検査工程を行う(S104)。その後、パチンコ機10に対して包装処理(所謂セキュリティラッピング)を行い、遊技場へ出荷する出荷工程を行う(S105)。
【0218】
上述のように、パチンコ機10を部分毎にサブアセンブリ化することにより、各遊技ユニット毎に固有の製造ラインを設定することが可能となる。また、サブアセンブリ化した各遊技ユニットを最終組み立て工程にてアセンブリ化することにより、アセンブリ工程の共通化を図り、組み立て作業のオートメーション化や作業者の作業負荷の軽減等が促進される。
【0219】
ここで、遊技盤13には、パチンコ機10の仕様にかかる構成(遊技領域や主制御装置110等)のほとんどが集約されている。そして、遊技盤13を入れ替えることにより、パチンコ機10の機種変更(マイナーチェンジ)を行うことが可能となっている。遊技機メーカーでは、遊技盤13単体での出荷を行い、遊技場では遊技盤13以外の構成(内枠12や扉枠14等)を流用して、遊技盤13のみを入れ替えることで、機種変更を行うことが可能となっており、環境面及び経済面の両方に配慮した実用上好ましいビジネスモデルが確立されている。
【0220】
次に、
図10を参照して、パチンコ機10に搭載される遊技盤13を製造する製造工程の概要について説明する。
図10は、遊技盤13の製造工程の流れを示す概略図である。
図10で示すように、遊技盤13の製造工程(サブアセンブリ工程)では、大別して、遊技盤表面製造工程(S200(S201~S217))と、遊技盤裏面製造工程(S218)と、遊技盤検査工程(S219)とで構成されている。
【0221】
遊技盤表面製造工程(S201~S217)では、まず、遊技盤13に搭載される一般入賞口ユニット3、始動入賞口ユニット4、アタッカーユニット5、スルーゲート7、盤面サイド飾り8、戻り球防止部材68、右側コーナー飾り70、左上コーナー飾り71、センターフレーム86及び主表示ユニット87(以下、「各部品」と称する場合がある)用の位置決め孔601~629を、位置決め孔穿設機410(
図11参照)により穿設形成する部品用位置決め孔作成工程を行う(S201)。
【0222】
遊技盤13の搭載される各部品は、各ビス挿入孔4g等に対して後述するビス打ち機420(
図16参照)によってビスが螺入されることにより遊技盤13にビス止め固定されるように構成されている。遊技盤13に搭載される各部品は、遊技盤13に載置されてからビス打ち機420でビス止め固定されるまでの搬送工程(第1搬送工程(S206~S211)及び第2搬送工程(S213~S216)。
図15参照。)において、遊技盤13の搬送及び停止が複数回行われる。その搬送及び停止に伴う衝撃によって、各部品が遊技盤13に当初載置した場所からズレてしまうおそれがある。そこで、部品用位置決め孔作成工程(S201)において、各部品に設けられた位置決め用の突起(例えば、始動突起4j)を仮保持可能な位置決め孔(例えば、始動位置決め孔621)を遊技盤13に形成し、各部品の位置決め用の突起を該位置決め孔に挿入して仮保持することで、上記搬送工程においても各部品の載置位置のズレを防止することができる。
【0223】
ここで、
図11を参照して、遊技盤13に位置決め孔601~629を形成するための位置決め孔穿設機410について説明する。
図11は、遊技盤13の製造工程において、各部品用の位置決め孔601~629を形成するための位置決め孔穿設機410を示した図であり、該位置決め孔穿設機410を側方から見た模式図である。なお、
図11において、遊技盤13は省略している。
【0224】
図11で示すように、位置決め孔穿設機410は、各位置決め孔601~629を穿設形成するためのストレートピン301、テーパピン311及びハイブリッドピン321が取り付けられるプレス板411と、該プレス板411を遊技盤13側に押し付ける上部プレスユニット412と、遊技盤13をプレス板411側に押し付ける下部プレスユニット413と、から構成されている。
【0225】
プレス板411は、ストレートピン301、テーパピン311及びハイブリッドピン321を取り付けるためのベース部411aと、左位置決めピン411bと、右位置決めピン411cとが設けられている。ベース部411aには、複数の圧入孔(図示せず)が形成されており、該圧入孔に対して各ピン301,311,321を圧入固定可能に構成されている。
【0226】
具体的には、パチンコ機10の機種に対応して各ピン301,311,321の各先端部305,315,325(
図12~
図14参照)が下部プレスユニット側(遊技盤13側)に向くように、ベース部411a下方から各ピン301,311,321が圧入されて固定されている。また、ベース部411aに圧入固定された各ピン301,311,321は、遊技盤13に搭載する部品の位置に応じて各ピン301,311,321の取付位置を変更することができるように、ベース部411a上方から各ピン301,311,321の各取付部302,312,322が押し出し可能に構成され、ベース部411aから取り外しができる。
【0227】
左位置決めピン411b及び右位置決めピン411cは、下部プレスユニット413側(遊技盤13側)に向かって突出する棒状の部材であり、遊技盤13に形成される位置決め穴13a,13b(
図17参照)に係合可能に構成されている。この各位置決めピン411b,411cを遊技盤13の位置決め穴13a,13bに係合させながらプレス板411により遊技盤13に位置決め孔601~629を穿設させることで、位置決め孔601~629を形成する位置がズレることを防止することができる。
【0228】
上部プレスユニット412は、プレス板411を遊技盤13側に押し付けるための装置であり、また、下部プレスユニット413は、遊技盤13をプレス板411側に押し付けるための装置である。従って、遊技盤13が位置決め孔穿設機410の下部プレスユニット413の上方に搬送された場合に、位置決め孔穿設機410は、遊技盤13の位置決め穴13a,13b(
図17参照)に対して各位置決めピン411b,411cを係合させながら、上部プレスユニット412及び下部プレスユニット413によってプレス板411及び遊技盤13を押し付けあう(所謂、プレス加工)。これにより、遊技盤13にプレス板411の各ピン301,311,321の形状に基づいた位置決め孔601~629が穿設形成される。
【0229】
なお、この位置決め孔穿設機410によって、位置決め孔601~629以外にも、各部品のビス挿入孔4g等に対応したビス用下穴(図示せず)が遊技盤13に形成される。ビス用下穴は、各部品のビス挿入孔(例えば、始動ビス挿入孔4g)に対応した位置に専用ピン(図示せず)によって穿設される。このビス用下穴は、各部品に対してビス止めをする場合に、ビスが挿入し易いようにビスの先端部が僅かに入り込む程度の深さ(例えば、0.05mm)で形成される。第1ビス止め工程(
図10のS212参照)又は第2ビス止め工程(
図10のS217参照)において、各部品をビス止め固定をする場合において、ビス挿入孔にビスを挿入しつつ上記ビス用下穴にビスを押し当ててから、該ビスを遊技盤13に対して螺入させることで、遊技盤13に対してビスを螺入させ易くすることができる。
【0230】
ここで、
図12から
図14を参照して、位置決め孔穿設機410のプレス板411(
図11参照)に取り付けられ、位置決め孔601~629を穿設するためのストレートピン301、テーパピン311及びハイブリッドピン321について説明する。
図12は、ストレートピン301の構成を示す図であり、
図12(a)は、ストレートピン301の模式的正面図であり、
図12(b)は、ストレートピン301の模式的側面図であり、
図12(c)は、ストレートピン301の模式的底面図である。このストレートピン301は、位置決め孔穿設機410のプレス板411に取り付けられて使用されることで、遊技盤13に各位置決め孔603~610が穿設形成される。
【0231】
ストレートピン301は、縦寸法17mmの炭素工具鋼(SK4)よりなり、
図12(a)~
図12(c)で示すように、ストレート取付部302、ストレート鍔部303、ストレート胴部304及びストレート先端部305から構成され、上記各部302~305が連続的に形成されている。炭素工具鋼(SK4)は、遊技盤13を構成するベース板60及びセルシート60aより硬い材料である。このため、当該材料で構成されたストレートピン301を位置決め孔穿設機410のプレス板411(
図11参照)に取り付けて、遊技盤13に対してプレス加工することで、ベース板60及びセルシート60aが塑性変形して、該ストレートピン301による位置決め孔603~610が穿設形成される。
【0232】
ストレート取付部302は、縦寸法5mm、軸径φ2.8mmの円柱形状に形成されている。ストレート取付部302の正面視下方にはストレート鍔部303が連続的に形成されている。該ストレート鍔部303は、縦寸法3mm、軸径φ5mmの円柱形状に形成されており、ストレート取付部302よりもストレート鍔部303のほうが大径となっている。このストレート取付部302及びストレート鍔部303を、位置決め孔穿設機410のプレス板411(
図11参照)に設けられた取付孔(図示せず)に嵌め込むことで、ストレートピン301がプレス板411に固定される。なお、ストレートピン301をプレス板411に取り付ける場合に、ストレート鍔部303の下面部とプレス板411の下面とが面一となるように取り付けられる。
【0233】
ストレート鍔部303の正面視下方側には、ストレート胴部304が連続的に形成されている。また、該ストレート胴部304の正面視下方には、ストレート先端部305が連続的に形成されている。該ストレート胴部304は、縦寸法6.5mmであり、軸径は、ストレート鍔部303からの距離が0.0mmから5.7mmまで(即ち、ストレート先端部305からの距離が0.0mmから0.8mmまで)が軸径φ2.8mmで均一に形成され、また、ストレート鍔部303からの距離が5.7mmから6.5mmまで(即ち、ストレート先端部305からの距離が0.0mmから0.8mmまで)が、軸径φ2.8mmから軸径φ2.7mmへとテーパ状に軸径が徐々に細くなる(以下、軸径が徐々に細くなることを「漸次細径化する」という)略円柱形状(逆円錐台形状)に形成されている。即ち、ストレート胴部304は、その外形の大部分が刺し込み方向に向かって略平行に形成されている。
【0234】
なお、ストレート鍔部303からの距離が5.7mmから6.5mmまで(即ち、ストレート先端部305からの距離が0.0mmから0.8mmまで)の略円柱形状(逆円錐台形状)は、その軸径が、φ2.8mmからφ2.7mmへとテーパ状に漸次細径化している。これは、ストレートピン301により位置決め孔を穿設形成する場合に、ストレート先端部305からストレート胴部304をスムースにベース板60及びセルシート60aに刺し込むためである。
【0235】
ストレート先端部305は、縦寸法2.5mmであり、軸径は、ストレート胴部304の接続部の軸径φ2.7mmから正面視下方側にテーパ状に漸次細径化する逆円錐形状に形成されており、その先端(正面視最下部)は尖鋭形状に形成されている。
【0236】
第1実施形態のパチンコ機10では、部品用位置決め孔作成工程(
図10のS201参照)において、位置決め孔穿設機410のプレス板411(
図11参照)に上記ストレートピン301を取り付け、プレス板411と遊技盤13とを上部プレスユニット412及び下部プレスユニット413(
図11参照)によってプレス加工することで、遊技盤13にストレートピン301による各位置決め孔603~610が穿設される。
【0237】
ストレートピン301のストレート胴部304は、後述するテーパピン311のテーパ胴部314やハイブリッドピン321のハイブリッド胴部324より容積が小さいため、ストレートピン301は他のピン311,321と比べて最も遊技盤13に対して位置決め孔を穿設し易い。
【0238】
一方、ストレートピン301は、プレス加工時において、遊技盤13にそのストレート胴部304を刺し込んでいる間、該ストレート胴部304にベース板60の弾性力に基づく負荷が加わり続け、ストレートピン301を遊技盤13から引き抜く間もストレート胴部304に上記負荷が加わり抵抗を生じる。該抵抗が大きくなると、ストレートピン301を引き抜く場合に遊技盤13が持ち上がってしまう。ここで、例えば、遊技盤13の一部分(例えば、盤面左側)のみが持ち上がってしまうと、遊技盤13が傾いて持ち上がるため、ピン301,311,321によって穿設形成される位置決め孔の形状等が設計値と異なってしまい、位置決め孔の穿設形成における製造ムラが生じてしまうおそれがある。
【0239】
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、ストレートピン301による位置決め孔を穿設形成する場合に、遊技盤13に対して各ストレートピン301が所定の位置関係となるように配置する。具体的には、例えば、遊技盤13に対して各ストレートピン301の位置関係が、遊技盤13の一方側(例えば、左側片方)に偏ることなく、遊技盤13の上下左右にストレートピン301が均等に位置するように配置する。このようにストレートピン301を遊技盤13に対して所定の位置関係で配置することで、ストレートピン301の引き抜き時に遊技盤13が持ち上がるにしても傾くことなく持ち上がる。これにより、プレス加工時における遊技盤13の傾きを防止し、位置決め孔の製造ムラが生じることを未然に防止することができる。
【0240】
なお、「遊技盤13に対して各ストレートピン301が所定の位置関係となる」とは、ストレートピン301が遊技盤13に対して万遍なく配置されている位置関係であればよく、例えば、遊技盤13の左右(上下)対称にそれぞれストレートピン301を配置する位置関係や、遊技盤13の中心位置から等間隔にストレートピン301を配置する位置関係等が例示される。なお、ストレートピン301により穿設されて形成される各位置決め孔603~610の詳細については後述する。
【0241】
次に、
図13を参照して、テーパピン311について説明する。
図13は、テーパピン311の構成を示す図であり、
図13(a)は、テーパピン311の模式的正面図であり、
図13(b)は、テーパピン311の模式的側面図であり、
図13(c)は、テーパピン311の模式的底面図である。このテーパピン311は、ストレートピン301と同様、位置決め孔穿設機410のプレス板411(
図11参照)に取り付けられて使用されることで、遊技盤13に各位置決め孔611~623が穿設形成される。
【0242】
テーパピン311は、ストレートピン301と同様、縦寸法17mmの炭素工具鋼(SK4)よりなり、
図13(a)~
図13(c)で示すように、テーパ取付部312、テーパ鍔部313、テーパ胴部314及びテーパ先端部315から構成され、上記各部312~315が連続的に形成されている。炭素工具鋼(SK4)は、上述したように、遊技盤13を構成するベース板60及びセルシート60aより硬い材料である。このため、当該材料で構成されたテーパピン311を位置決め孔穿設機410のプレス板411(
図11参照)に取り付けて、遊技盤13に対してプレス加工することで、ベース板60及びセルシート60aが塑性変形して、該テーパピン311による位置決め孔611~623が穿設形成される。
【0243】
テーパ取付部312は、縦寸法5mm、軸径φ2.8mmの円柱形状に形成されている。テーパ取付部312の正面視下方にはテーパ鍔部313が連続的に形成されている。該テーパ鍔部313は、縦寸法3mm、軸径φ5mmの円柱形状に形成されており、テーパ取付部312よりもテーパ鍔部313のほうが大径となっている。このテーパ取付部312及びテーパ鍔部313を、位置決め孔穿設機410のプレス板411(
図11参照)に設けられた取付孔(図示せず)に嵌め込むことで、テーパピン311がプレス板411に固定される。なお、テーパピン311をプレス板411に取り付ける場合に、テーパ鍔部313の下面部とプレス板411の下面とが面一となるように取り付けられる。
【0244】
テーパ鍔部313の正面視下方側には、テーパ胴部314が連続的に形成され、さらに、該テーパ胴部314の正面視下方には、テーパ先端部315が連続的に形成されている。該テーパ胴部314は、縦寸法6.5mmであり、テーパ胴部314の先端側からの距離が0.0mmの部分(即ち、テーパ先端部315とテーパ胴部314との境界部分)では、テーパ胴部314の軸径はφ2.70mmであり、そこからテーパ胴部314の軸径が漸次増加(テーパ先端部315との境界側からの距離が0.2mm増加する毎にテーパ胴部314の軸径が0.02mm~0.03mm増加)し、テーパ胴部314の先端側からの距離が6.5mmの部分(即ち、テーパ胴部314とテーパ鍔部313との境界部分)では、テーパ胴部314の軸径はφ3.50mmで構成されている。
【0245】
よって、テーパ胴部314は、その外形が刺し込み方向に向かって径が徐々に小さくなる逆円錐台形状に構成されており、該テーパ胴部314の外形は、ストレートピン301のストレート胴部304の外形と比較して、先端側から徐々に径が大きくなるように構成されている。
【0246】
なお、テーパ胴部314の軸径の増加分は、「0.02mm~0.03mm」と表記しているが、テーパ胴部314の軸径は、テーパ先端部315側からの距離が「0.1mm」増加する毎に、「0.0125mm」増加するように構成されている。第1実施形態では、説明の便宜上、テーパ先端部315側からの距離が「0.2mm」増加する毎のテーパ胴部314の軸径を表現しているため、該テーパ胴部314の軸径の増加分は「0.02mm~0.03mm」と表現する。
【0247】
テーパ先端部315は、縦寸法2mmであり、軸径は、テーパ胴部314の接続部の軸径φ2.7mmから正面視下方側にテーパ状に漸次細径化する逆円錐形状に形成されており、その先端(正面視最下部)は尖鋭形状に形成されている。
【0248】
第1実施形態のパチンコ機10では、部品用位置決め孔作成工程(
図18のS201参照)において、位置決め孔穿設機410のプレス板411(
図11参照)に上記テーパピン311を取り付け、プレス板411と遊技盤13とを上部プレスユニット412及び下部プレスユニット413(
図11参照)によってプレス加工することで、遊技盤13にテーパピン311による各位置決め孔611~623が穿設される。なお、テーパピン311により穿設されて形成される各位置決め孔611~623の詳細については後述する。
【0249】
次に、
図14を参照して、ハイブリッドピン321について説明する。
図14は、ハイブリッドピン321の構成を示す図であり、
図14(a)は、ハイブリッドピン321の模式的正面図であり、
図14(b)は、ハイブリッドピン321の模式的側面図であり、
図14(c)は、ハイブリッドピン321の模式的底面図である。このハイブリッドピン321は、ストレートピン301及びテーパピン311と同様、位置決め孔穿設機410のプレス板411(
図11参照)に取り付けられて使用されることで、遊技盤13に各位置決め孔601,602,624~629が穿設形成される。
【0250】
ハイブリッドピン321は、ストレートピン301及びテーパピン311と同様、縦寸法17mmの炭素工具鋼(SK4)よりなり、
図14(a)~
図14(c)で示すように、ハイブリッド取付部322、ハイブリッド鍔部323、ハイブリッド胴部324及びハイブリッド先端部325から構成され、上記各部322~325が連続的に形成されている。炭素工具鋼(SK4)は、上述したように、遊技盤13を構成するベース板60及びセルシート60aより硬い材質である。このため、当該材料で構成されたハイブリッドピン321を位置決め孔穿設機410のプレス板411(
図11参照)に取り付けて、遊技盤13に対してプレス加工することで、ベース板60及びセルシート60aが塑性変形して、該ハイブリッドピン321による位置決め孔601,602,624~627が穿設形成される。
【0251】
ハイブリッド取付部322は、縦寸法5mm、軸径φ2.8mmの円柱形状に形成されている。ハイブリッド取付部322の正面視下方にはハイブリッド鍔部323が連続的に形成されている。該ハイブリッド鍔部323は、縦寸法3mm、軸径φ5mmの円柱形状に形成されており、ハイブリッド取付部322よりもハイブリッド鍔部323のほうが大径となっている。このハイブリッド取付部322及びハイブリッド鍔部323を、位置決め孔穿設機410のプレス板411に設けられた取付孔(図示せず)に嵌め込むことで、ハイブリッドピン321がプレス板411に固定される。なお、ハイブリッドピン321をプレス板411(
図11参照)に取り付ける場合に、ハイブリッド鍔部323の下面部とプレス板411の下面とが面一となるように取り付けられる。
【0252】
ハイブリッド鍔部323の正面視下方側には、ハイブリッド胴部324が連続的に形成され、さらに、該ハイブリッド胴部324の正面視下方には、ハイブリッド先端部325が連続的に形成されている。該ハイブリッド胴部324は、縦寸法6.5mmであり、また、それぞれの軸径の長さが異なるハイブリッドストレート部324a及びハイブリッドテーパ部324bで構成されている。
【0253】
ハイブリッドストレート部324aは、ハイブリッド鍔部323からの距離が0.0mmから5.7mmまで(即ち、ハイブリッド先端部325からの距離が0.0mmから0.8mmまで)がすべて軸径(短径。一方のハイブリッドストレート部324aから他方のハイブリッドストレート部324aまでの軸を通る距離(幅)をいう。以下、同じ。)2.8mmで形成され、また、ハイブリッド鍔部323からの距離が5.7mmから6.5mmまで(即ち、ハイブリッド先端部325からの距離が0.0mmから0.8mmまで)が、軸径φ2.8mmから軸径φ2.7mmへとテーパ状に漸次細径化する略円柱形状(逆円錐台形状)に形成されている(
図25参照)。よって、ハイブリッドストレート部324aは、その側面視において、ストレートピン301のストレート胴部304の外形と同様に見えるように構成されている。
【0254】
なお、ハイブリッド鍔部323からの距離が5.7mmから6.5mmまで(即ち、ハイブリッド先端部325からの距離が0.0mmから0.8mmまで)の略円柱形状(逆円錐台形状)は、その軸径が、φ2.8mmからφ2.7mmへとテーパ状に漸次細径化している。これは、ハイブリッドピン321により位置決め孔を穿設形成する場合に、ハイブリッド先端部325からハイブリッド胴部324をスムースにベース板60及びセルシート60aに刺し込むためである。
【0255】
ハイブリッドテーパ部324bは、ハイブリッド胴部324の先端側からの距離が0.0mmの部分(即ち、ハイブリッド先端部325とハイブリッド胴部324との境界部分)では、ハイブリッドテーパ部324bの軸径(長径。一方のハイブリッドテーパ部324bから他方のハイブリッドテーパ部324bまでの軸を通る距離(幅)をいう。以下、同じ。)は2.70mmであり、そこからハイブリッドテーパ部324bの軸径が漸次増加(ハイブリッド先端部325との境界側からの距離が0.2mm増加する毎にハイブリッドテーパ部324bの軸径が0.02mm~0.03mm増加)し、ハイブリッド胴部324の先端側からの距離が6.5mmの部分(即ち、ハイブリッド胴部324とハイブリッド鍔部323との境界部分)では、ハイブリッドテーパ部324bの軸径は3.50mmで構成されている。よって、ハイブリッドテーパ部324bは、その側面視において、テーパピン311のテーパ胴部314の外形と同様に見えるように構成されている。
【0256】
よって、ハイブリッド胴部324は、その外形が刺し込み方向に向かって略平行に形成されたハイブリッドストレート部324aと、その外形が刺し込み方向に向かって径が徐々に小さくなるテーパ状に形成されたハイブリッドテーパ部324bとから構成されており、ハイブリッド胴部324の底面視で角丸長方形(オーバル)形状(
図14(c)参照)をなしている。
【0257】
なお、ハイブリッドストレート部324aにおけるハイブリッド鍔部323からの距離が5.7mmから6.5mmまで(即ち、ハイブリッド先端部325からの距離が0.0mmから0.8mmまで)の形状と、ハイブリッドテーパ部324bにおけるハイブリッド鍔部323からの距離が5.7mmから6.5mmまで(即ち、ハイブリッド先端部325からの距離が0.0mmから0.8mmまで)の形状とは、同一の略円柱形状(円錐台形状)となっている。この略円柱形状(逆円錐台形状)は、その軸径が、φ2.8mmからφ2.7mmへとテーパ状に漸次細径化している。これは、ハイブリッドピン321により位置決め孔を穿設形成する場合に、ハイブリッド先端部325からハイブリッド胴部324をスムースにベース板60及びセルシート60aに刺し込むためである。
【0258】
なお、ハイブリッドテーパ部324bの軸径の増加分は、「0.02mm~0.03mm」と表記しているが、ハイブリッドテーパ部324bの軸径は、ハイブリッド先端部325側からの距離が「0.1mm」増加する毎に、「0.0125mm」増加するように構成されている。第1実施形態では、説明の便宜上、ハイブリッド先端部325側からの距離が「0.2mm」増加する毎のハイブリッドテーパ部324bの軸径を表現しているため、該ハイブリッドテーパ部324bの軸径の増加分は「0.02mm~0.03mm」と表現する。
【0259】
ハイブリッド先端部325は、縦寸法2.5mmであり、軸径は、ハイブリッド胴部324の接続部の軸径φ2.7mmから正面視下方側にテーパ状に漸次細径化する逆円錐形状に形成されており、その先端(正面視最下部)は尖鋭形状に形成されている。
【0260】
第1実施形態では、部品用位置決め孔作成工程(
図10のS201参照)において、位置決め孔穿設機410のプレス板411(
図11参照)に上記ハイブリッドピン321を取り付け、プレス板411と遊技盤13とを上部プレスユニット412及び下部プレスユニット413(
図11参照)によってプレス加工することで、遊技盤13にハイブリッドピン321による各位置決め孔601,602,624~629が穿設される。
【0261】
ハイブリッドピン321のハイブリッド胴部324は、ストレートピン301のストレート胴部304より容積は大きいが、テーパピン311のテーパ胴部314より容積が小さい。このため、ハイブリッドピン321はテーパピン311と比べて遊技盤13に対して位置決め孔が穿設し易い。なお、ハイブリッドピン321により穿設されて形成される各位置決め孔601,602,624~629の詳細については後述する。
【0262】
図10に戻って説明を続ける。部品用位置決め孔作成工程(S201)の後は、内レール61及び外レール62用のレール用位置決め孔作成工程(S202)を行う。該レール用位置決め孔作成工程を行うことで、内レール61及び外レール62が遊技盤13に対して取り付けやすくなる。その後、遊技釘を遊技盤13に植設する遊技釘植設工程(S203)を行う。この遊技釘植設工程については後述する。
【0263】
遊技釘植設工程(S203)の後は、次に、内レール61、外レール62及び風車(図示せず)を遊技盤13に植設するレール及び風車植設工程(S204)を行う。その後、植設した遊技釘を検査する遊技釘検査工程(S205)を行って、次に、第1搬送工程(S206~S211)を行う。
【0264】
ここで、
図15を参照して、第1搬送工程(S206~S211)の概要について説明する。
図15は、遊技盤13の製造工程において、遊技盤13を搬送する第1搬送工程を模式的に示した図である。この第1搬送工程は、製造ライン400の搬送方向左側(外側)であるライン外と、搬送方向右側(内側)であるライン内とに分かれ、ライン外にいる作業員とライン内にいる作業員とでそれぞれ同時並行的に遊技盤13に部品を載置する工程である。
【0265】
製造ライン400では、複数の搬送ローラ401を回動可能に保持するレール部材402と、搬送ローラ401が回動することでレール部材402上を遊技盤13を載せて移動可能な搬送ユニット403とが用いられる。また、搬送ユニット403の上に遊技盤13を載せてレール部材402上を移動する該搬送ユニット403に対して、各部品を載置させることを目的として、搬送ユニット403をレール部材402上の所定位置で停止させるストッパ部404と、該所定位置毎にレール部材402を跨ぐように配置されて、作業者が遊技盤13に載置する各部品を載せておくための複数の部品載置台405と、が設けられている。
【0266】
搬送ユニット403に載せられた遊技盤13は、搬送ローラ401が回動することでレール部材402上を搬送方向に移動し、移動中の搬送ユニット403はストッパ部404に衝突することでその移動が停止される。搬送ユニット403の移動が停止した場合、その停止位置におけるレール部材402の両側にそれぞれ待機していた作業員が、部品載置台405に載っている部品を遊技盤13にそれぞれ載置させる。そして、部品が載置された後、作業員によりストッパ部404が解除され、搬送ユニット403がレール部材402上を移動可能となる。そして、複数回、搬送ユニット403の移動と停止とを繰り返し、搬送ユニット403が停止する毎、その停止位置におけるレール部材402の両側(若しくは片側)にそれぞれ待機していた作業員により、停止位置に応じた部品が遊技盤13に載置される。
【0267】
また、第1搬送工程及び第2搬送工程において、遊技盤13は、該遊技盤13の正面視下部13lが製造ライン400の搬送方向左側(ライン外)になるように搬送ユニット403に載せられて搬送される。即ち、搬送方向左側(ライン外)にいる作業員が遊技盤13を正視することができ、搬送方向右側(ライン内)にいる作業員は、遊技盤13を逆方向(正面視上方側)から見ることとなる。製造ライン400では、第1搬送工程において載置する部品数は、搬送方向左側と搬送方向右側とで同数である。一方、後述する第2搬送工程では、搬送方向左側で載置する部品数は3つ、搬送方向右側で載置する部品数は1つであり、搬送方向左側で載置する部品数が搬送方向右側で載置する部品数より多く設定されている。従って、搬送方向左側で作業する作業者が遊技盤13を正視して部品を載置する作業し易くすることで、遊技盤13の生産性を向上させることができる。
【0268】
また、製造ライン400で搬送される遊技盤13において、遊技盤13の搬送方向と、ハイブリッドストレート部324aにより穿設形成される位置決め孔の孔辺とが直角となるように、ハイブリッドピン321による位置決め孔が穿設されるように構成されている(
図24(a)参照)。即ち、ハイブリッドピン321により穿設形成される位置決め孔のうち、ハイブリッドストレート部324aにより穿設されるストレート部(例えば、スルーストレート部627a)が、遊技盤13の正面視縦方向となるように構成されている。
【0269】
製造ライン400において遊技盤13を搬送する場合、部品を載置する第1搬送工程等の各製造工程では、搬送中の遊技盤13を停止させ、各製造工程における作業を終えた後、再び遊技盤13の搬送を開始しており、遊技盤13を停止する都度、又は、遊技盤13を搬送開始する都度、遊技盤13に載置されている部品に慣性力に基づく衝撃が与えられている。慣性力に基づく衝撃が与えられた部品は、その衝撃の影響で、位置決め用の突起が遊技盤13の位置決め孔から飛び出してしまい、部品の位置が載置された位置とズレてしまうおそれがある。
【0270】
そこで、ハイブリッドピン321により穿設形成される位置決め孔のうち、ハイブリッドストレート部324aにより形成されるストレート部が遊技盤13の正面視縦方向となるように構成することで、部品に対して慣性力に基づく衝撃が与えられた場合でも、部品の突起がストレート部により形成される位置決め孔の孔縁(角部)に引っ掛かり、部品の突起が位置決め孔から飛び出すことを抑制することができる。なお、ハイブリッドピン321により形成される位置決め孔の詳細については、後述する。
【0271】
図10に戻って第1搬送工程(S206~S211)の説明を続ける。第1搬送工程におけるライン外の各作業員は、まず、アタッカーユニット5を遊技盤13に載置するアタッカーユニット載置工程(S206)を行う。そして、次に、主表示ユニット87を遊技盤13に載置する主表示ユニット載置工程(S207)を行う。そして、次に、センターフレーム86を遊技盤13に載置するセンターフレーム載置工程(S208)を行う。その後、第1ビス止め工程(S212)へ移行する。
【0272】
ここで、遊技盤13に載置する各部品の中で、アタッカーユニット載置工程(S206)によりアタッカーユニット5を最初に載置するように構成されている。これは、アタッカーユニット5の周辺には、左右に一般入賞口ユニット3が隣接して配設され、また、上方には始動入賞口ユニット4が隣接して配設されており、仮に、上記部品3,4をアタッカーユニット5より先に載置した場合には、上記部品3,4に挟み込まれた空間にアタッカーユニット5を載置しなければならず、該アタッカーユニット5を載置する際に上記部品3,4と接触してしまうおそれがある。
【0273】
具体的には、例えば、左右の一般入賞口ユニット3を先に載置した後にアタッカーユニット5を載置する場合、左右の一般入賞口ユニット3に挟み込まれた空間にアタッカーユニット5を載置する段階で、いずれかの一般入賞口ユニット3とアタッカーユニット5とが接触して、各部品が破損してしまうおそれがある。従って、アタッカーユニット5の隣接する部品3,4より先に遊技盤13に載置することで、部品3~5が破損してしまうことを未然に防止することができる。
【0274】
第1搬送工程におけるライン内の各作業員は、まず、戻り球防止部材68を遊技盤13に載置する戻り球防止部材載置工程(S209)を行う。そして、次に、右側コーナー飾り70を遊技盤13に載置する右側コーナー飾り載置工程(S210)を行う。そして、次に、左上コーナー飾り71を遊技盤13に載置する左上コーナー飾り載置工程(S211)を行う。その後、第1ビス止め工程(S212)へ移行する。
【0275】
第1ビス止め工程(S212)は、第1搬送工程で載置された部品のうち、主表示ユニット87、戻り球防止部材68、右側コーナー飾り70及び左上コーナー飾り71のそれぞれ1のビス挿入孔に対してビス打ち機420(
図16参照)によりビスを螺入する工程である。
【0276】
ここで、
図16を参照して、遊技盤13の各部品のビス挿入孔に対してビスを螺入するビス打ち機420について説明する。
図16は、遊技盤13の製造工程において、遊技盤13に各部品をビス止め固定するビス打ち機420を示した図であり、該ビス打ち機420を側方から見た模式図である。なお、
図16において、遊技盤13については省略している。
【0277】
図16で示すように、ビス打ち機420には、各部品のビス挿入孔に対してビスを螺入するビス打ちユニット421と、該ビス打ちユニット421によりビスを各部品のビス挿入孔に螺入する場合に遊技盤13を固定する遊技盤固定具422と、で構成されている。
【0278】
この第1ビス止め工程(S211)では、具体的には、まず、遊技盤固定具422により遊技盤13を固定し、その後、ビス打ちユニット421により、主表示ユニット87の左上部の主表示ビス挿入孔87gと、戻り球防止部材68の上側の戻りビス挿入孔(図示せず)と、右側コーナー飾り70の最上部の右側ビス挿入孔(図示せず)と、左上コーナー飾り71の左上の左上ビス挿入孔(図示せず)とに、それぞれ1本ずつ合計4本のビスが螺入される。ビス打ちユニット421によりビスが螺入された上記部品68,70,71,87は、それぞれ1のビスによって遊技盤13に仮固定される。この第1ビス止め工程(S212)においてビスが螺入されないビス挿入孔には、後述する第2ビス止め工程(S217)において、ビスが螺入される。
【0279】
即ち、第1ビス止め工程が行われた後では、上記した部品68,70,71,87の一部のビス挿入孔以外には、ビスは螺入されておらず、また、ビスが螺入された部品68,70,71,87についても一部のビス挿入孔にビスが螺入されたのみであるため、各部品が仮固定又は仮保持された状態のまま、その後の工程が行われる。従って、第1搬送工程において遊技盤13に載置されたアタッカーユニット5及びセンターフレーム86には第1ビス止め工程においてビスが螺入されていないため、アタッカーユニット5及びセンターフレーム86は、第2ビス止め工程(S217)が行われるまで、アタッカー突起等(図示せず)及びアタッカー位置決め孔等(図示せず)によって仮保持されているのみの状態で遊技盤13が搬送される。
【0280】
なお、第1ビス止め工程(S212)において、第1搬送工程において遊技盤13に載置された部品の中で、戻り球防止部材68、右側コーナー飾り70、左上コーナー飾り71及び主表示ユニット87にのみ1のビスを螺入して遊技盤13に仮固定し、アタッカーユニット5及びセンターフレーム86にはビスを螺入して仮固定しない。これは、上述したように、アタッカーユニット5の近傍には、左右の一般入賞口ユニット3や始動入賞口ユニット4が配設されるが、これらの部品3,4は、第2搬送工程(S213~S216)において遊技盤13に載置されることから、これらの部品3,4を遊技盤13に載置させ易くするためである。
【0281】
具体的には、例えば、仮にアタッカーユニット5を第1ビス止め工程において仮固定した場合に、アタッカーユニット5に後述する「部品固定時の位置ズレ」エラーが発生していたとき、遊技盤13に対するアタッカーユニット5の固定位置が設計値とズレていることになる。そのズレにより隣接に配設される一般入賞口ユニット3や始動入賞口ユニット4にアタッカーユニット5の一部が接触して、該部品3,4を遊技盤13に対して取り付けれないおそれがある。従って、第1ビス止め工程では、アタッカーユニット5はビスにより仮固定せず、後の第2搬送工程により各部品3,4が載置され、遊技盤13にすべてに部品が正常に載置された後、第2ビス止め工程(S217)においてすべての部品を遊技盤13にビス止め固定することで、スムースに遊技盤13への部品の載置を行わせることができ、遊技盤13の生産性を向上することができる。
【0282】
また、戻り球防止部材68、右側コーナー飾り70、左上コーナー飾り71及び主表示ユニット87は、異なる機種の間で共通して使用される部品(以下、「共通部品」という)であるので、機種ごとに載置位置や載置順序を変化する必要がない。従って、遊技盤13の製造工程において、機種ごとに製造順序や製造ラインを変更することなく、これら共通部品68,70,71,87を先にビス止めして仮固定することで、機種ごとに製造ラインを変更する場合に比べてコストを削減することができる。
【0283】
図10に戻って説明を続ける。第1ビス止め工程(S212)の後は、次に、第2搬送工程(S213~S216)を行う。第2搬送工程(S213~S216)では、第1搬送工程(S206~S211)と同様、製造ラインの搬送方向左側(外側)であるライン外と、搬送方向右側(内側)であるライン内とに分かれ、ライン外にいる作業員とライン内にいる作業員とでそれぞれ同時並行的に遊技盤13に部品を載置する。
【0284】
第2搬送工程におけるライン外の各作業員は、まず、一般入賞口ユニット3を遊技盤13に載置する一般入賞口ユニット載置工程(S213)を行う。そして、次に、始動入賞口ユニット4を遊技盤13に載置する始動入賞口ユニット載置工程(S214)を行う。そして、次に、スルーゲート7を遊技盤13に載置するスルーゲート載置工程(S215)を行う。その後、第2ビス止め工程(S217)へ移行する。
【0285】
一方、第2搬送工程におけるライン内の各作業員は、盤面サイド飾り8を遊技盤13に載置する盤面サイド飾り載置工程(S216)を行う。その後、第2ビス止め工程(S217)へ移行する。これら第2搬送工程(S213~S216)を行うことで、遊技盤13に対してすべての部品が載置された状態となる。
【0286】
第2ビス止め工程(S217)では、第1搬送工程(S206~S211)及び第2搬送工程(S213~S216)で載置された部品のうち、上述した第1ビス止め工程(S212)でビスが螺入されなかったビス挿入孔に対してビス打ち機420(
図16参照)によりビスを螺入する。この第2ビス止め工程が行われることで、遊技盤13に仮固定又は仮保持されていた各部品がすべてビス止め固定される。即ち、この第2ビス止め工程は、主として、機種ごとに異なる非共通の部品に対してビス止めを行う工程である。第2ビス止め工程(S217)が終了した場合に、遊技盤13の製造工程のうち、遊技盤表面製造工程(S200)が終了する。
【0287】
遊技盤表面製造工程(S200)の後は、遊技盤裏面製造工程(S218)が行われ、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114により構成される制御基板ユニット90等の遊技盤13裏面側への組み付け等が行われる。その後、遊技盤13全体が不備なく製造されているかを確認する遊技盤検査工程(S219)を行い、遊技盤13の製造工程が終了する。
【0288】
遊技盤13の製造工程が終了した後は、パチンコ機10に遊技盤13が搭載される場合は、遊技盤13の組付工程(S101)において該遊技盤13が用いられる。一方、遊技盤13単体を出荷する場合は、遊技盤13単体の出荷工程(図示せず)が行われて、遊技盤13単体での出荷が行われる。
【0289】
次に、
図17から
図23を参照して、部品用位置決め孔作成工程(S201)及び該部品用位置決め孔作成工程により穿設形成された位置決め孔601~629について説明する。
図17は、遊技盤13の製造工程において、部品用位置決め孔作成工程(S201)が行われる前の遊技盤13の正面図である。
【0290】
遊技盤表面製造工程(S200)における部品用位置決め孔作成工程(S201)の前段階では、部品業者から、
図17で示す遊技盤13が納品され、該納品された遊技盤13に対して遊技盤13の製造工程(
図10参照)において様々な加工が施される。
図17で示すように、納品された遊技盤13は、具体的には、ベース板60に対してセルシート60aが貼着され、該ベース板60及びセルシート60aの外周が切削されて複数の凹凸部が形成されている。また、該遊技盤13には、各部品用の複数のルータ孔651~656が切削形成されている。さらに、ベース板60及びセルシート60aには、遊技釘及び風車用の複数の釘穴63が穿設形成されている。
【0291】
ここで、
図18を参照して、遊技盤13に設けられている釘穴63について説明する。
図18は、遊技釘用の釘穴63の構成を示す図であり、
図18(a)は、
図17におけるXVIIIaの拡大正面図であり、
図18(b)は、
図18(a)のXVIIIb―XVIIIb線の断面図であり、
図18(c)は、
図18(a)のXVIIIc―XVIIIc線の断面図である。
【0292】
遊技釘用の釘穴63は、遊技釘又は風車が遊技盤13に対して植設し易いように、予め部品業者により形成されているものである。この釘穴63が複数穿設形成された遊技盤13を用いて、遊技盤13の製造工程における遊技釘植設工程(S203)又はレール及び風車植設工程(S204)において、遊技盤13に遊技釘又は風車が植設される。
【0293】
遊技釘(図示せず)は、例えば、真鍮製からなり、本体胴部24mmおよび螺旋胴部11mmの全長35mmで構成されると共に、胴径1.7mmで構成されている。この螺旋胴部を遊技盤13に形成された釘穴63に対して螺入させることで、遊技盤13に遊技釘が固定される。従って、遊技釘用の釘穴63は、遊技釘の螺旋胴部(胴径)を保持可能な形状(例えば、孔径φ1.0mm、深さ10mm)で形成され、また、遊技盤13裏面側には貫通しないように構成されている。なお、遊技釘用の釘穴63及び各部品用のルータ孔651~656は、その孔表面において、セルシート60aの剥離が生じないように部品業者による切削加工が施されている。
【0294】
図17に戻って説明を続ける。各部品用のルータ孔651~656は、部品業者によって事前に切削加工されて形成されており、遊技盤表面製造工程(S200)においてルータ孔651~656に対応する各部品を遊技盤13前面側から嵌入させるために設けられている。具体的には、遊技盤13の中央部分であってセンターフレーム86に対応する位置には、ルータ孔651が切削形成されている。また該ルータ孔651の左右部分の盤面サイド飾り8に対応する位置には、ルータ孔652がそれぞれ切削形成されている。さらに、ルータ孔651の左右部分のスルーゲート7に対応する位置には、ルータ孔653がそれぞれ切削形成されている。また、ルータ孔651の下部の始動入賞口ユニット4に対応する位置には、ルータ孔655が切削形成されている。さらに、該ルータ孔655の左右部分の一般入賞口ユニット3に対応する位置には、ルータ孔654がそれぞれ切削形成されている。また、ルータ孔655の下部のアタッカーユニット5に対応する位置には、ルータ孔656が切削形成されている。
【0295】
なお、盤面サイド飾り8対応のルータ孔652、スルーゲート7対応のルータ孔653及び一般入賞口ユニット3対応のルータ孔654は、遊技盤13の左右にそれぞれ1つずつ形成されている。これら各ルータ孔652~654は、その形状がそれぞれ左右対称であることのみが異なっており、その他の構成は同等であるので、以降の説明では、一方(左側)のルータ孔652~654についてのみ説明し、他方(右側)のルータ孔652~654について説明は省略する。
【0296】
ルータ孔651~656は、嵌入される各部品(センターフレーム86、盤面サイド飾り8、スルーゲート7、一般入賞口ユニット3、始動入賞口ユニット4及びアタッカーユニット5)の嵌入部(例えば、始動背部4f等)の外形よりやや大きい程度の大きさで切削形成され、各部品の嵌入部が嵌入可能に構成されている。
【0297】
ルータ孔651~656に嵌入される各部品には、遊技盤13裏面側に搭載される主制御装置110等への接続用のコネクタ(図示せず)が設けられているため、遊技盤13にルータ孔651~656を形成しておくことで、遊技盤13の前面側から嵌入された各部品の裏面側に設けられたコネクタが主制御装置110等と接続可能となる。上述した遊技盤表面製造工程(
図10のS200)における第1搬送工程(S206~S211)又は第2搬送工程(S213~S216)において、各部品ごとに設けられたルータ孔651~656に対して、作業員の手作業により遊技盤13前面側から嵌入される。
【0298】
上述したように、各ルータ孔651~656は、嵌入される部品3~5,7,8,86の嵌入部(図示せず)の外形を挿入するため、該嵌入部よりやや大きい大きさで形成されている。これにより、各部品3~5,7,8,86の嵌入部をルータ孔651~656へ嵌入した場合に、各部品3~5,7,8,86の嵌入部と、ルータ孔651~656との間に僅かな隙間(図示せず)が生じる。従って、各部品3~5,7,8,86をルータ孔651~656へ嵌入して遊技盤13に載置してから、第2ビス止め工程(S217)において各部品3~5,7,8,86を遊技盤13に対してビス止め固定するまでは、第1搬送工程(S206~S211)又は第2搬送工程(S213~S216)における遊技盤13の移動及び停止時の衝撃等によって、上記隙間により各部品3~5,7,8,86の載置位置が当初載置した位置からズレてしまう場合がある。この場合において、各部品3~5,7,8,86を遊技盤13に固定してしまうと、当初の載置位置からズレた分、各部品3~5,7,8,86の固定位置がズレてしまうおそれがある。
【0299】
また、ルータ孔651~656を設ける必要がない各部品(戻り球防止部材68、右側コーナー飾り70、左上コーナー飾り71及び主表示ユニット87)についても、該各部品68,70,71,87を所定の取付位置へ載置してから、第1ビス止め工程(S212)又は第2ビス止め工程(S217)において各部品68,70,71,87を遊技盤13に対してビス止め固定するまでは、第1搬送工程(S206~S211)又は第2搬送工程(S213~S216)における遊技盤13の移動又は停止時の衝撃等によって各部品68,70,71,87の載置位置が当初載置した位置からズレてしまう場合がある。この場合において、各部品68,70,71,87を遊技盤13に固定するしてしまうと、当初の載置位置からズレた分、各部品68,70,71,87の固定位置がズレてしまうおそれがある。
【0300】
そこで、部品業者から遊技盤13が納品された後、遊技盤表面製造工程(S200)の冒頭で、部品用位置決め孔作成工程(S201)を行って、各部品をルータ孔651~656に嵌入又は遊技盤13に載置する前に、各部品用の位置決め孔601~629を穿設形成しておく。そして、各部品をルータ孔651~656に嵌入又は遊技盤13に載置する場合に、作業員は、各部品の基部の裏面側に設けられた位置決め用の突起を、位置決め孔に挿入しながら各部品をルータ孔651~656に嵌入又は遊技盤13に載置させつつ、突起を位置決め孔620等に嵌合させる。これにより、遊技盤13の搬送時の衝撃等が発生した場合でも、各部品が当初載置した位置からズレない。即ち、各部品が当初載置した位置からズレることを防止することができる。このように、遊技盤13に各部品の位置決め孔601~629を形成することは、遊技盤13の遊技性能(例えば、ゲージ性能等)を左右する非常に重要な工程となっている。
【0301】
ここで、
図19を参照して、位置決め孔作成工程(S201)後の遊技盤13について説明する。
図19は、遊技盤13の製造工程(
図10参照)において、部品用位置決め孔作成工程(S201)が行われた後の遊技盤13の正面図である。
【0302】
遊技盤表面製造工程(S200)における部品用位置決め孔作成工程(S201)が行われた後は、ルータ孔651~656に対応する各部品(センターフレーム86、盤面サイド飾り8、スルーゲート7、一般入賞口ユニット3、始動入賞口ユニット4及びアタッカーユニット5)の該ルータ孔651~656の周辺には、各部品3~5,7,8,86ごとに予め定められた数の位置決め孔611~629(及びビス用下穴)が穿設形成されている。
【0303】
具体的には、センターフレーム86対応のルータ孔651の周辺には、センター基部86c(
図3参照)の裏面側に設けられた7つのセンター突起(図示せず)にそれぞれ対応する7のセンター位置決め孔613~619が穿設形成されている。また、盤面サイド飾り8対応のルータ孔652の周辺には、サイド基部8a(
図3参照)の裏面側に設けられた2つのサイド突起(図示せず)にそれぞれ対応する2のサイド位置決め孔628,629が穿設形成されている。さらに、スルーゲート7対応のルータ孔653の周辺には、スルー基部7b(
図3参照)の裏面側に設けられた2つのスルー突起7e,7f(
図6参照)にそれぞれ対応する2のスルー位置決め孔626,627(
図19のXXVIa参照)が穿設形成されている。また、一般入賞口ユニット3対応のルータ孔654の周辺には、一般基部3d(
図3参照)の裏面側に設けられた2の一般突起(図示せず)にそれぞれ対応する2の一般位置決め孔611,612が穿設形成されている。さらに、始動入賞口ユニット4対応のルータ孔655の周辺には、始動基部4e(
図3参照)の裏面側に設けられた2の始動突起4i,4jにそれぞれ対応する始動位置決め孔620,621(
図19のXXIIa参照)が穿設形成されている。また、アタッカーユニット5対応のルータ孔656の周辺には、アタッカー基部5e(
図3参照)の裏面側に設けられたアタッカー突起(図示せず)にそれぞれ対応する4のアタッカー位置決め孔622~625が穿設形成されている。
【0304】
また、ルータ孔651~656が設けられない各部品(戻り球防止部材68、右側コーナー飾り70、左上コーナー飾り71及び主表示ユニット87)の所定の載置位置周辺には、各部品68,70,71,87ごとに予め定められた数の位置決め孔601~610(及びビス用下穴)が穿設形成されている。
【0305】
具体的には、戻り球防止部材68の載置位置には、戻り基部68a(
図3参照)の裏面側に設けられた2の戻り突起(図示せず)にそれぞれ対応する戻り位置決め孔601,602が穿設形成されている。また、右側コーナー飾り70の載置位置には、右側基部70aの裏面側に設けられた4の右側突起(図示せず)にそれぞれ対応する4の右側位置決め孔603~606が穿設形成されている。さらに、左上コーナー飾り71の載置位置には、左上基部71a(
図3参照)の裏面側に設けられた左上突起(図示せず)にそれぞれ対応する2の左上位置決め孔607,608が穿設形成されている。また、主表示ユニット87の載置位置には、主表示基部87f(
図3参照)の裏面側に設けられた2の主表示突起87j,87k(
図4参照)にそれぞれ対応する2の主表示位置決め孔609,610(
図19のXXa参照)が穿設形成されている。
【0306】
ここで、
図20を参照して、
図19のXXaにおける主表示位置決め孔610について説明する。
図20は、ストレートピン301により穿設形成された主表示位置決め孔610の構成を示す図であり、
図20(a)は、
図19におけるXXaの拡大正面図であり、
図20(b)は、
図20(a)のXXb-XXb線の断面図であり、
図20(c)は、
図20(a)のXXc-XXc線の断面図であり、
図20(d)は、
図20(b)のXXdの拡大図であり、
図20(e)は、
図20(c)のXXeの拡大図である。
【0307】
この主表示位置決め孔610は、部品用位置決め孔作成工程(S201)において、位置決め孔穿設機410のプレス板411(
図11参照)に取り付けられたストレートピン301によって穿設形成される。なお、第1実施形態において、ストレートピン301によって穿設形成される位置決め孔は、この主表示位置決め孔610のほかに、主表示位置決め孔609、右側位置決め孔603~606、及び、左上位置決め孔607,608が該当するが、これら位置決め孔603~609は、主表示位置決め孔610と構成が同一であるため、説明は省略する。
【0308】
上述したように、ストレートピン301は、そのストレート胴部304が略円柱形状(側面視略直線形状)に形成されている。このため、該ストレート胴部304により穿設形成される主表示位置決め孔610の内部周壁も、該ストレート胴部304の外形形状に沿った略円筒形状(側面視略直線形状)に穿設形成される。
【0309】
ここで、
図21を参照して、ストレートピン301により穿設形成された主表示位置決め孔610の孔形状について説明する。
図21は、ストレートピン301と、該ストレートピン301により穿設形成された主表示位置決め孔610の孔形状との関連を示す表である。なお、主表示位置決め孔610は、ストレートピン301のストレート胴部304及びストレート先端部305により形成されるが、
図21では、ストレート先端部305により形成された部位の内容については省略する。
【0310】
図21の表の左列は、ストレートピン301のストレート胴部304の先端側(ストレート先端部305との境界側)からの距離(mm)を示している。即ち、ストレート胴部304の最下部を起点に、該起点からの距離が示されており、具体的には、左列上段から左列下段へ順に、ストレート胴部304の先端側(0.0mm)からの距離が0.2mm(最下段は0.1mm)ずつ増加した値(0.0mm~6.5mm)が示されている。
【0311】
図21の表の中列は、左列のストレート胴部304の先端側からの距離に対応する位置の該ストレート胴部304の軸径(φ:mm)を示している。具体的には、ストレート胴部304の先端側から0.2mm単位でストレート胴部304の軸径が示されており、ストレート胴部304の先端側からの距離が0.0mmの部分(即ち、ストレート先端部305とストレート胴部304との境界部分)では、ストレート胴部304の軸径はφ2.70mmである。そして、そこからストレート胴部304の先端側からの距離が0.8mmの部分までは、ストレート胴部304の軸径は漸次増加(ストレート先端部305との境界側からの距離が0.2mm増加する毎にストレート胴部304の軸径が0.02mm~0.03mm増加)し、ストレート胴部304の先端側からの距離が0.8mmの部分ではストレート胴部304の軸径はφ2.80mmで構成されている。また、ストレート胴部304の先端側からの距離が0.8mmから6.5mm(即ち、ストレート胴部304とストレート鍔部303との境界部分)のストレート胴部304の軸径は、すべてφ2.80mmで構成されている。
【0312】
図21の表の右列は、左列のストレート胴部304の先端側からの距離(中列のストレート胴部304の軸径)に対応する位置のストレート胴部304によって形成された主表示位置決め孔610の孔径(φ:mm)を示している。
【0313】
具体的には、主表示位置決め孔610の孔径は、ストレート胴部304の先端側からの距離が0.0mmの部分に対応する位置ではφ2.20mmであり、そこから漸次増加(0.02mm~0.03mm)し、ストレート胴部304の先端側からの距離が0.8mmの部分に対応する位置ではφ2.30mmで形成されている。また、ストレート胴部304の先端側からの距離が0.8mmから6.5mm(即ち、ストレート胴部304とストレート鍔部303との境界部分)の孔径は、すべてφ2.30mmで形成されている。
【0314】
なお、主表示位置決め孔610の孔径に関し、遊技盤13の板の硬さ(弾性力)や厚み等の影響により製造誤差が生じる可能性があるが、
図21の表の右列では、該製造誤差を考慮せずストレートピン301によって形成される理論上の値を表記している。
【0315】
図21で示すように、主表示位置決め孔610の孔径は、ストレート胴部304の軸径の大きさに対して、0.5mm程度小さい大きさに穿設形成される。これは、ベース板60が、弾性力を有する木材(ベニヤ板)を複数重ねた合板により形成されているためである。具体的には、部品用位置決め孔作成工程(S201)において、ベース板60及びセルシート60aに向かってストレートピン301を刺し込み、その後、ベース板60及びセルシート60aからストレートピン301を抜いた場合に、ベース板60を構成する木材が主表示位置決め孔610の孔径を小さくする方向に弾性変形する。その結果、主表示位置決め孔610の孔径がストレート胴部304の軸径より小さく穿設形成される。
【0316】
このように、主表示位置決め孔610は、孔表面の孔径φ2.30mmが深さ方向に対して暫く変化せず、孔径全体がほぼφ2.30mmで穿設形成され、孔全体は略円筒形状で穿設形成されている。即ち、主表示位置決め孔610は、主表示突起87k(
図4参照)の直径φ2.4mmよりやや小さく穿設形成されている。
【0317】
上述したように、ベース板60は弾性変形可能な木材で構成されているため、主表示位置決め孔610に該主表示位置決め孔610の孔径より大きい直径の主表示突起87kを嵌入させようとした場合、主表示突起87kの嵌入に応じて主表示位置決め孔610の孔全体が弾性変形しながら拡張される。その結果、主表示突起87kが主表示位置決め孔610に嵌入されるように構成されている。
【0318】
主表示突起87kを主表示位置決め孔610に嵌入した場合には、該主表示突起87kに対して、常時、ベース板60の弾性変形に基づく負荷が加わる。従って、一旦、主表示位置決め孔610に主表示突起87kが嵌入された場合は、該主表示突起87kにベース板60の弾性力による負荷が加わり続ける。このため、主表示突起87kが主表示位置決め孔610から抜け難くなり、主表示ユニット87を遊技盤13に仮保持させ続けることができる。即ち、ストレートピン301により穿設形成された位置決め孔は、一旦、部品の突起が嵌入された後は、部品の突起保持機能が高いといえる。
【0319】
一方、上述したように、主表示位置決め孔610の孔径は、主表示突起87kの直径よりもやや小さく形成されている。このため、主表示ユニット載置工程(S207)において、作業員が主表示ユニット87を遊技盤13に対して載置し、主表示突起87kを主表示位置決め孔610に嵌め込もうとした場合に、主表示突起87kの直径が主表示位置決め孔610の孔径より大きい影響で、主表示突起87kが主表示位置決め孔610に対してしっかり嵌め込まれずに搬送されてしまうことがある。即ち、ストレートピン301による穿設形成された位置決め孔は、部品の突起挿入許容機能が低いといえる。言い換えれば、突起未嵌入エラーが生じやすく、部品の「ビス止め失敗」エラーが起こり易いといえる。
【0320】
特に、突起にメッキ処理が施されてメッキ層を有する部品(例えば、盤面サイド飾り8のサイド突起)は、メッキ層の厚み分、突起全体の径が大きくなっているため、メッキ層を有する突起を位置決め孔に嵌め込もうとした場合に、上述した問題が生じやすくなる。
【0321】
突起未嵌入エラーが発生し、主表示突起87kが主表示位置決め孔610に嵌め込まれていない状態で遊技盤13が搬送された場合、主表示突起87kが主表示位置決め孔610により仮保持されていない。このため、搬送時の衝撃等で主表示ユニット87の載置位置がズレてしまう。その状態で第1ビス止め工程(S212)において主表示ビス挿入孔87g~87iに対してビスを打ち込もうとした場合、ビスが主表示ビス挿入孔87g~87iではなく主表示基部87fや遊技盤13に対して直接打ち込まれてしまい、主表示基部87f又は遊技盤13が破損してしまうおそれがある。主表示基部87fや遊技盤13が破損してしまった場合は、製造ラインの稼働を一時的に停止し、主表示ユニット87や遊技盤13を交換せざるを得ず、突起未嵌入エラーが生じた場合は遊技盤13の生産性を著しく低下させるおそれがある。
【0322】
ベース板60は、ベニヤ板を複数重ねた合板により形成されているため、ベニヤ板の製造ムラで該ベニヤ板ごとの厚みや硬さが異なる。これにより、それらベニヤ板を重ね合わせたベース板60全体の板厚や硬さがそれぞれ異なったり、ベース板60の製造誤差が生じてしまう。しかしながら、ストレート胴部304は、主表示位置決め孔610の深さ方向(ストレート胴部304の刺し込み方向)に向かって略平行に構成されており、該ストレート胴部304により穿設形成される主表示位置決め孔610の孔形状に対しては製造ムラが生じ難い。
【0323】
図20に戻って、説明を続ける。上述したように、ベース板60は弾性変形するため、ストレートピン301によりベース板60及びセルシート60aに対して主表示位置決め孔610を穿設形成する場合に、ストレート胴部304をベース板60及びセルシート60aに刺し込んでいる間、該ストレート胴部304に対して、常時、ベース板60の弾性変形に基づく負荷が加わっている。ベース板60にはセルシート60aが貼着されており、ベース板60及びセルシート60aに刺し込んだストレート胴部304を該ベース板60及びセルシート60aから抜こうとする場合に、ストレート胴部304を引き抜いている間中、ベース板60に貼着されているセルシート60aも該ベース板60の弾性変形に伴ってストレート胴部304と接触し続けてしまう。その接触によって、セルシート60aは、ベース板60から剥離してしまい、主表示位置決め孔610の孔縁全体にセルシート60aが破れて盛り上がったストレート剥離部60bが形成されてしまう(
図20(d)及び
図20(e)参照)。
【0324】
特に、セルシート60aの剥離は、装飾シートのみで構成されたセルシート60aでも生じるが、光沢性が増すようにアルミシート等の金属シートと絵柄が印刷された装飾シートと接着して構成したセルシートでは、金属シートと装飾シートとの接着による抵抗が加わる影響で、さらに大きな剥離部が生じてしまうおそれがある。
【0325】
従って、ストレートピン301によってベース板60及びセルシート60aに主表示位置決め孔610を穿設形成した場合、「セル剥離」エラーが発生し、主表示位置決め孔610の孔縁全体にはストレート剥離部60bが形成され、このストレート剥離部60bによって、パチンコ機10の装飾性の低下や、部品の設置誤差が生じてしまうおそれがある。
【0326】
具体的には、例えば、一般入賞口ユニット3の一般基部3dのように基部が透明で構成されていた場合に、該一般基部3dの裏面が視認できてしまう。このため、一般基部3dを通じてストレート剥離部60bが見えてしまうことによって、遊技盤13の見た目が悪くなり、パチンコ機10の装飾性が低下してしまうおそれがある。
【0327】
また、例えば、主表示ユニット87を遊技盤13に対してビス止め固定する場合において、主表示ユニット87を遊技盤13に載置したとき、ストレート剥離部60bの厚み分、主表示ユニット87の主表示基部87fが遊技盤13表面から浮いてしまう。そして、その状態で主表示ユニット87をビス止め固定すると、主表示ユニット87の固定位置がストレート剥離部60bの厚み分、設計値からズレてしまい、「部品固定時の位置ズレ」エラーにより部品の設置誤差が生じてしまう。該設置誤差が生じてしまうと、その設置誤差分、遊技性能(例えば、ゲージ性能)に影響を与えてしまい、設計値通りの遊技性能が得られなかったり、他の部品の設置位置に重なり、他の部品が設置できないおそれがある。
【0328】
よって、ストレートピン301により形成される主表示位置決め孔610には、メリットとして、以下の2点が挙げられる。1点目は、主表示突起87kが主表示位置決め孔610に一旦嵌入された場合は、ベース板60による弾性力によって主表示突起87kを仮保持し続け、主表示ユニット87の載置位置をズレなくさせることができ、突起保持機能が高いという点である。2点目は、主表示位置決め孔610は、刺し込み方向(深さ方向)に対して垂直なストレート胴部304により穿設形成されているため、ベース板60の板厚や硬さの影響による製造ムラが生じ難い点である。
【0329】
一方、ストレートピン301により形成される主表示位置決め孔610には、デメリットとして、以下の3点が挙げられる。1点目は、主表示突起87kを主表示位置決め孔610に嵌入させ辛いため、突起挿入許容機能が低く、「ビス止め失敗」エラーが生じ易いという点である。2点目は、「セル剥離」エラーによりストレート剥離部60bが形成され、パチンコ機10の装飾性が低下してしまうという点である。3点目は、ストレート剥離部60bの厚み分の設置誤差が生じ、「部品固定時の位置ズレ」エラーが発生してしまうという点である。そこで、これらストレートピン301のデメリットを解消することを目的としてテーパピン311を発明した。
【0330】
ここで、
図22を参照して、
図19のXXIIaにおける始動位置決め孔621について説明する。
図22は、テーパピン311により穿設形成された始動位置決め孔621の構成を示す図であり、
図22(a)は、
図19におけるXXIIaの拡大正面図であり、
図22(b)は、
図22(a)のXXIIb-XXIIb線の断面図であり、
図22(c)は、
図22(a)のXXIIc-XXIIc線の断面図であり、
図22(d)は、
図22(b)のXXIIdの拡大図であり、
図22(e)は、
図22(c)のXXIIeの拡大図である。
【0331】
この始動位置決め孔621は、部品用位置決め孔作成工程(S201)において、位置決め孔穿設機410のプレス板411(
図11参照)に取り付けられたテーパピン311によって穿設形成される。なお、第1実施形態において、テーパピン311によって形成される位置決め孔は、この始動位置決め孔621のほかに、始動位置決め孔620、一般位置決め孔611,612、センター位置決め孔613~619、アタッカー位置決め孔622~625が該当するが、これら位置決め孔611~620,622~625は、始動位置決め孔621と構成が同一であるため、説明は省略する。
【0332】
上述したように、テーパピン311は、そのテーパ胴部314が逆円錐台形状かつ該テーパ胴部314正面視下方側へテーパ状に漸次細径化するように形成されている。このため、該テーパ胴部314により穿設形成される始動位置決め孔621の内部周壁も、該テーパ胴部314の外形に沿ったテーパ状に漸次細径化する逆円錐台筒形状に穿設形成される。
【0333】
ここで、
図23を参照して、テーパピン311により穿設形成された始動位置決め孔621の孔形状について説明する。
図23は、テーパピン311と、該テーパピン311により穿設形成された始動位置決め孔621の孔形状との関連を示す表である。なお、始動位置決め孔621は、テーパピン311のテーパ胴部314及びテーパ先端部315により形成されるが、
図23では、テーパ先端部315により形成された部位の内容については省略する。
【0334】
図23の表の左列は、テーパピン311のテーパ胴部314の先端側(テーパ先端部315との境界側)からの距離(mm)を示している。即ち、テーパ胴部314の最下部を起点に、該起点からの距離が示されている。具体的には、左列上段から左列下段へ順に、テーパ胴部314の先端側(0.0mm)からの距離が0.2mm(最下段は0.1mm)ずつ増加した値(0.0mm~6.5mm)が示されている。
【0335】
図23の表の中列は、左列のテーパ胴部314の先端側からの距離に対応する位置の該テーパ胴部314の軸径(φ:mm)を示している。具体的には、テーパ胴部314の先端側から0.2mm単位でテーパ胴部314の軸径が示されており、テーパ胴部314の先端側からの距離が0.0mmの部分(即ち、テーパ先端部315とテーパ胴部314との境界部分)では、テーパ胴部314の軸径はφ2.70mmである。そして、そこからテーパ胴部314の軸径が漸次増加(テーパ先端部315との境界側からの距離が0.2mm増加する毎にテーパ胴部314の軸径が0.02mm~0.03mm増加)し、テーパ胴部314の先端側からの距離が6.5mmの部分(即ち、テーパ胴部314とテーパ鍔部313との境界部分)では、テーパ胴部314の軸径はφ3.50mmで構成されている。
【0336】
図23の表の右列は、左列のテーパ胴部314の先端側からの距離(中列のテーパ胴部314の軸径)に対応する位置のテーパ胴部314によって形成された始動位置決め孔621の孔径(φ:mm)を示している。
【0337】
具体的には、始動位置決め孔621の孔径は、テーパ胴部314の先端側からの距離が0.0mmの部分に対応する位置では、φ2.20mmであり、そこから漸次増加(0.02mm~0.03mm)し、テーパ胴部314の先端側からの距離が6.5mmの部分に対応する位置ではφ3.00mmで形成されている。
【0338】
なお、始動位置決め孔621の孔径に関し、遊技盤13の板の硬さ(弾性力)や厚み等の影響により製造誤差が生じる可能性があるが、
図23の表の右列では、該製造誤差を考慮せずテーパピン311によって形成される理論上の値を表記している。
【0339】
図23で示すように、始動位置決め孔621の孔径は、テーパ胴部314の軸径の大きさに対して、0.5mm程度小さい大きさに形成される。これは、ベース板60が、弾性力を有する木材(ベニヤ板)を複数重ねた合板により形成されているためである。つまり、部品用位置決め孔作成工程(S201)において、ベース板60及びセルシート60aに向かってテーパピン311を刺し込み、その後、ベース板60及びセルシート60aからテーパピン311を抜いた場合に、ベース板60を構成する木材が始動位置決め孔621の孔径を小さくする方向に弾性変形する。その結果、始動位置決め孔621の孔径がテーパ胴部314の軸径より小さく形成される。
【0340】
このように、始動位置決め孔621は、孔表面の孔径が最大φ3.00mmから深さ方向に対して漸次小さくなるように逆円錐台筒形状に穿設形成され、孔最下部では孔径φ2.20mmで穿設形成されている。よって、始動位置決め孔621の孔径は、始動突起4j(
図5参照)の直径φ2.5mmより、孔表面では大きく、孔最下部では小さく形成される。従って、該始動位置決め孔621の孔内部(テーパ胴部314の先端側より、その先端側からの距離が0.0mmから2.4mmまでのテーパ胴部314の軸径φ2.70mm~φ3.00mmによって形成された位置)で始動突起4jと接触するように穿設形成されている。その結果、テーパピン311により穿設形成された位置決め孔は、部品の突起挿入許容機能が高く、作業者により部品が載置された段階での突起未嵌入エラーが生じ難いといえる。
【0341】
即ち、始動位置決め孔621に始動突起4jを嵌入させようとした場合、始動位置決め孔621の孔表面部分では該始動位置決め孔621の孔径が始動突起4jの直径より大きいため、始動突起4jが始動位置決め孔621にスムースに挿入される。そして、テーパ状に形成された始動位置決め孔621の孔内部において、始動位置決め孔621の孔径と始動突起4jの直径とが一致する部分(第1実施形態では、テーパ胴部314の先端側からの距離が2.4mmに対応する位置によって形成された部分)で、テーパ状に形成された始動位置決め孔621の孔内部と始動突起4jとが接触する。そして、始動位置決め孔621の孔内部と始動突起4jとが接触した部分から、該始動突起4jを始動位置決め孔621の深さ方向にさらに嵌入させた場合、ベース板60は弾性変形可能な木材で構成されているため、始動突起4jの嵌入に応じて始動位置決め孔621の孔が弾性変形して拡張される。その結果、始動突起4jが始動位置決め孔621に嵌入されるように構成されている。
【0342】
始動位置決め孔621の孔内部と始動突起4jとが接触した部分から、該始動突起4jを始動位置決め孔621の深さ方向にさらに嵌入させた場合、該始動突起4jに対して、常時、ベース板60の弾性変形に基づく負荷が加わる。従って、始動位置決め孔621の孔内部と始動突起4jとが接触した部分から、該始動突起4jを始動位置決め孔621の深さ方向にさらに嵌入させた場合には、始動突起4jにベース板60の弾性力による負荷が加わり続ける。このため、始動突起4jが始動位置決め孔621から抜け難くなり、始動入賞口ユニット4を遊技盤13に仮保持させ続けることができる。
【0343】
従って、テーパピン311で形成した位置決め孔は、作業者による部品の載置段階で、位置決め孔に対して部品側の突起を挿入し易くすることで、位置決め孔に対して部品用の突起が未嵌入となることを防止できる。また、テーパピン311で形成した位置決め孔は、孔内部において部品側の突起を仮保持する機能も有しているので、ストレートピン301で形成した位置決め孔のデメリットを解消することが可能となる。
【0344】
図22に戻って、説明を続ける。上述したように、ベース板60は弾性変形するため、テーパピン311によりベース板60及びセルシート60aに対して始動位置決め孔621を穿設形成する場合に、テーパ胴部314をベース板60及びセルシート60aに刺し込んでいる間、該テーパ胴部314に対して、常時、ベース板60の弾性変形に基づく負荷が加わっている。その状態から、テーパ胴部314をベース板60及びセルシート60aから抜こうとする場合に、テーパ胴部314は刺し込み方向に対して漸次細径化して構成されているため、ベース板60が弾性変形してもテーパ胴部314との接触を抑制できる。また、ベース板60に貼着されているセルシート60aも、該ベース板60が弾性変形したとしてもテーパ胴部314との接触を抑制できる。従って、テーパ胴部314をベース板60及びセルシート60aからの引き抜きによって、ベース板60に貼着されるセルシート60aがベース板60からほぼ剥離せず、僅かにテーパ剥離部60cを形成するに留まる(
図22(d)及び
図22(e)参照)。
【0345】
その結果、テーパピン311により位置決め孔を形成した場合に形成されるテーパ剥離部60cは、ストレートピン301により位置決め孔を形成した場合に形成されるストレート剥離部60b(
図20参照)より小さいため、「セル剥離」エラーを生じ難くすることができる。従って、パチンコ機10の装飾性が低下することを防止でき、また、「セル剥離」エラーに基づく部品の設置誤差を生じ難くし、「部品固定時の位置ズレ」エラーを未然に防止することができる。
【0346】
具体的には、例えば、メッキ処理が施されず透明な部品(例えば、一般入賞口ユニット3)では、その基部(例えば、一般基部3d)が透明で構成されているので、該基部の裏面が視認できて基部を通じてテーパ剥離部60cが見えてしまう。しかしながら、テーパ剥離部60cは小さいため、遊技盤13の見た目を悪くするほどではなく、パチンコ機10の装飾性を低下させない。
【0347】
また、例えば、始動入賞口ユニット4を遊技盤13に対してビス止め固定する場合において、始動入賞口ユニット4を遊技盤13に載置したとき、テーパ剥離部60cの厚みは僅かであるため、始動入賞口ユニット4の始動基部4eは遊技盤13表面にほぼ接した状態で載置される。そして、その状態で始動入賞口ユニット4をビス止め固定することで、始動入賞口ユニット4の固定位置がほぼ設計値通りに設置でき、部品の設置誤差を生じ難くすることができる。
【0348】
ただし、上述したように、ベース板60は、ベニヤ板を複数重ねた合板により形成されている。また、ベニヤ板の製造ムラにより、該ベニヤ板ごとの厚みは異なっている。よって、ベニヤ板を重ね合わせたベース板60全体の板厚も遊技盤13毎に異なるので、遊技盤13自体の板厚の製造誤差が生じてしまう。また、ベニヤ板の製造ムラにより、該ベニヤ板ごとの硬さは異なっている。よって、ベニヤ板を重ね合わせたベース板60全体の硬さも遊技盤13毎に異なるので、遊技盤13自体の硬さの製造誤差が生じてしまう。
【0349】
ここで、部品用位置決め孔作成工程(
図10のS201参照)において、位置決め孔穿設機410(
図11参照)によって部品用の位置決め孔を穿設しようとした場合に、位置決め孔穿設機410は常に一定の力及び一定の位置で位置決め孔を穿設形成するところ、ベース板60の板厚又は硬さが異なるので、実際には、以下に説明するような位置決め孔の大きさや深さに製造ムラが生じてしまう。ストレートピン301のストレート胴部304のように刺し込み方向に略平行なピンの場合は、穿設形成される位置決め孔に大きな差は生じないが、テーパピン311のテーパ胴部314のように刺し込み方向に向かって該テーパ胴部314の軸径が暫時変化している場合は、ベース板60の板厚又は硬さに応じて形成される位置決め孔に差が生じてしまう。
【0350】
具体的には、例えば、遊技盤13(ベース板60)の板厚が厚い場合は、テーパ胴部314が通常より遊技盤13に深く刺しこまれることで、穿設形成される位置決め孔の孔径が大きくなってしまう。また、遊技盤13(ベース板60)の硬さが柔らかい場合は、テーパ胴部314が遊技盤13に深く刺し込まれ易いため、穿設形成される位置決め孔の孔径が大きくなってしまう。
【0351】
位置決め孔が大きく穿設形成されてしまった場合の弊害として、例えば、部品側の突起の先端部(第1実施形態では、部品の基部から2.0mm(メッキ層を有する突起の場合は2.05mm))において、部品側の突起の直径(第1実施形態では、φ2.40mm(メッキ層を有する突起の場合はφ2.50mm))より位置決め孔の孔径の方が大きくなってしまった場合、即ち、位置決め孔の深さ2.00mm近辺の孔径がφ2.40mm(メッキ層を有する突起の場合はφ2.50mm)以上であった場合には、位置決め孔の孔内部で部品側の突起に対してベース板60の弾性力に基づく負荷を与えることができない。位置決め孔によって部品側の突起を仮保持できていない場合は、遊技盤13の搬送工程における衝撃等によって、部品側の突起が位置決め孔から飛び出し易くなってしまい、搬送段階における突起未嵌入エラーが生じてしまうおそれがある。
【0352】
特に、アタッカーユニット5及びセンターフレーム86は、第1搬送工程(S206~S211)で遊技盤13に載置されたにもかかわらず第1ビス止め工程(S212)でビス止めされず、第2ビス止め工程(S217)までビス止め固定されない。また、一般入賞口ユニット3及び盤面サイド飾り8は、第2搬送工程(S213~S216)の初期段階で遊技盤13に載置されてから、第2ビス止め工程でビスによって固定されるまでの搬送距離が長くなるため、遊技盤13の搬送工程における衝撃を受ける回数も多く、部品側の突起が位置決め孔から飛び出す可能性が高くなってしまう。
【0353】
また、位置決め孔が大きく穿設形成されてしまった場合の弊害として、部品側の突起が位置決め孔の一点でしっかり仮保持されず、位置決め孔の孔内での部品側の突起の位置がズレてしまい、その状態で部品をビス止め固定すると、部品の固定位置が設計値からズレてしまい、部品の設置誤差が生じ、「部品固定時の位置ズレ」エラーが生じ易いといえる。
【0354】
テーパピン311により穿設形成した位置決め孔に製造ムラが生じ、通常より位置決め孔の孔径が大きくなったときは、上述したように、突起保持機能が低下してしまう。その一因は、位置決め孔の深さ方向の断面形状が常にほぼ真円に形成されることで、孔表面(孔の浅い部分)では突起保持機能が無く、孔の深さ方向でのみ突起保持機能を担保しているからである。具体的には、テーパ状の逆円錐台形状で構成されたテーパ胴部314により位置決め孔が穿設形成されるため、該位置決め孔の深さ方向の断面形状がほぼ真円に形成され、ほぼ真円の断面部分では、部品側の突起と接するか接しないかいずれか一方しか起こり得ないからである。即ち、テーパピン311により穿設形成された位置決め孔において、部品側の突起の直径と同一になる部分ではじめて該位置決め孔で部品側の突起と接触し、その接触した部分より位置決め孔の浅い部分では、部品側の突起と接触しないため、位置決め孔の径が通常より大きく形成された場合に、部品側の突起と接触しない部分が大きくなり、突起保持機能が低下する。
【0355】
一方、例えば、遊技盤13(ベース板60)の板厚が薄い場合は、テーパ胴部314が該遊技盤13に対して通常より浅く刺し込まれることで、穿設形成される位置決め孔の孔径が小さくなってしまう。また、遊技盤13(ベース板60)の硬さが硬い場合は、テーパ胴部314が該遊技盤13に刺し込まれ難いため、穿設形成される位置決め孔の孔径が小さくなってしまう。
【0356】
位置決め孔が小さく穿設形成されてしまった場合の弊害として、部品の載置工程(第1搬送工程(S206~S211)又は第2搬送工程(S213~S216))において、作業員が部品を遊技盤13に対して載置し、部品側の突起を位置決め孔に嵌め込もうとした場合に、部品の基部が遊技盤13と接する前に部品側の突起が位置決め孔の最下部(奥側)まで到達してしまい、部品が遊技盤13に対して浮いた状態で搬送されてしまう場合がある。部品が遊技盤13に対して浮いた状態で搬送され、その状態でビス止めされてしまった場合は、部品と遊技盤13との隙間分、設計値からズレてしまい、部品の設置誤差が生じ、「部品固定時の位置ズレ」エラーが発生してしまう。該設置誤差が生じてしまうと、その設置誤差分、遊技性能(例えば、ゲージ性能)に影響を与えてしまい、設計値通りの遊技性能が得られなかったり、また、他の部品の設置位置と重複してしまい、他の部品が設置できないおそれがある。
【0357】
特に、突起にメッキ処理が施されてメッキ層を有する部品(例えば、始動突起4i等)は、メッキ層の厚み分、突起全体の径が大きくなっているため、メッキ層を有する突起を位置決め孔に嵌め込もうとした場合に、上述した問題が生じやすくなる。
【0358】
以上より、テーパピン311により穿設形成される始動位置決め孔621には、メリットとして、以下の4点が挙げられる。1点目は、始動突起4jを始動位置決め孔621に挿入させ易く、突起挿入許容機能が高いという点である。2点目は、始動突起4jを始動位置決め孔621に挿入させた後、始動位置決め孔621の孔内部によって始動突起4jを仮保持して、始動入賞口ユニット4の載置位置がズレないという点である。3点目は、始動位置決め孔621の穿設過程で生じるテーパ剥離部60cを小さくして、パチンコ機10の装飾性を低下させない点である。4点目は、セルシート60aのテーパ剥離部60cが小さいことから、始動入賞口ユニット4を遊技盤13にビス止め固定する場合に、セルシート60aの剥離の影響を少なくし、始動入賞口ユニット4の固定位置を設計値通りに設置することができるという点である。
【0359】
一方、テーパピン311により穿設形成される始動位置決め孔621には、デメリットとして、以下の1点が挙げられる。具体的には、ベース板60の個体差によって、始動位置決め孔621の孔形状が変化し、孔形状の大きさに製造ムラが生じてしまうという点である。特に、孔形状が大きく穿設形成されてしまった場合は、突起保持機能が低下してしまう。また、孔形状が小さく穿設形成されてしまった場合は、部品が遊技盤13から浮いてしまい、部品の固定位置が設計値からズレて、部品の設置誤差が生じてしまう。
【0360】
ここで、
図24及び
図25を参照して、遊技盤13の製造工程において、部品用の位置決め孔を要因としたエラーについて説明する。
図24は、遊技盤13の製造工程で生じるエラー種別と、そのエラーの主な影響、原因、修正の可否および重要度を示す表である。また、
図25は、ビス打ち機420(
図16参照)によるビス止めの失敗例を示したスルーゲート7の正面図である。
【0361】
図24で示すように、遊技盤13の製造工程において、部品の突起が嵌入される位置決め孔を要因としたエラー種別としては、「ビス止め失敗」エラーと、「セル剥離」エラーと、「部品固定時の位置ズレ」エラーとに分類される。
【0362】
「ビス止め失敗」エラーは、ビス打ち機420(
図16参照)がビス止め対象部品のビス挿入孔ではなく該部品の基部等にビスを打ち込んでしまうエラーである。該「ビス止め失敗」エラーによる主な影響として、ビス止めを失敗した部品が破損してしまったり、また、遊技盤13自体が破損してしまう。この「ビス止め失敗」エラーにより、該部品又は遊技盤13の破損が発生すると、遊技盤13の製造ライン自体を一時停止し、部品又は遊技盤13の交換作業を行わなければいけない。部品を交換する場合は、部品自体の単価分の損失が生じてしまう。また、製造ラインが一時停止すれば、その停止時間分、遊技盤13の生産性が低下してしまう。よって、この「ビス止め失敗」エラーは、遊技盤13の生産性に多大な影響を与えるものである。
【0363】
「ビス止め失敗」エラーが発生する要因としては、上述したように、位置決め孔に突起が嵌入されておらず、搬送工程(第1搬送工程(S206~S211)又は第2搬送工程(S213~S216))で載置した部品が、ビス止め工程(第1ビス止め工程(S212)又は第2ビス止め工程(S217))が行われる段階で載置した位置とズレているからである。
【0364】
ここで、
図25を参照して、スルーゲート7に対してビス止めを失敗した例について説明する。スルーゲート7のスルービス挿入孔7cにビスを螺入する工程(第1実施形態では、第2ビス止め工程(S217))において、スルーゲート7のスルー突起7e,7fのいずれか又は両方がスルー位置決め孔626,627に対してしっかり嵌め込まれていない場合に、遊技盤13の搬送工程における衝撃によって該スルーゲート7の載置位置がズレてしまう。
【0365】
ビス打ち機420(
図16参照)は、スルーゲート7の載置位置がズレているか否かを確認することなく、設計された位置に対してビスを打ち込むように設定されている。よって、載置位置がズレた状態でビス打ち機420によってスルービス挿入孔7c,7dに対してビスを螺入させようとした場合、スルービス挿入孔7cとは異なるスルー基部7bの所定位置(第1実施形態では、スルービス挿入孔7cの正面視下側)に対してビスを打ち込もうとしてしまう。スルー基部7bにビスを螺入させようとした場合には、該スルー基部7bがその衝撃に耐えきれずに割れてヒビ割れ7zが形成されてしまう。このように、ヒビ割れ7zが形成されてしまったスルーゲート7は、交換作業を行わなけれいけないので、その交換作業の間中、遊技盤13の製造ラインを停止しなければならない。
【0366】
図24に戻って説明を続ける。従って、この「ビス止め失敗」エラーは、部品又は遊技盤13が破損してしまい、破損した部品又は遊技盤13は修正ができない。また、製造ラインを停止した場合には、遊技盤13の生産性が低下してしまう。従って、この「ビス止め失敗」エラーは、位置決め孔を要因としたエラーの中では重要度が最も大きいエラー(大)に分類される。
【0367】
次に、「セル剥離」エラーは、位置決め孔を穿設する場合にベース板60からセルシート60aの剥離が発生してしまうエラーである。該「セル剥離」エラーによる主な影響として、遊技盤13と接する部品の基部が透明であった場合に、その透明な部品の基部からセル剥離部分が遊技者から視認でき、その見た目の悪さからパチンコ機10の装飾性を低下させてしまう。
【0368】
「セル剥離」エラーが発生する要因としては、上述したように、部品用位置決め孔作成工程(S201)において、ストレートピン301を遊技盤13に刺し込んだ後、該ストレートピン301を引き抜くときに、遊技盤13からセルシート60aが剥離してしまうからである。
【0369】
この「セル剥離」エラーは、ストレートピン301により穿設形成した位置決め孔(例えば、主表示位置決め孔610)の孔縁全体にストレート剥離部60b(
図20参照)が形成されてしまい、一旦ストレート剥離部60bが形成されてしまった場合は修正ができない。しかし、部品や遊技盤13が破損することはなく、セルシート60aが剥離しただけでは大きな損失は発生しない。従って、「セル剥離」エラーは、位置決め孔を要因としたエラーの中では比較的重要度が大きいエラー(中)に分類される。
【0370】
次に、「部品固定時の位置ズレ」エラーは、設計値からズレた位置で部品が固定されてしまうエラーである。該「部品固定時の位置ズレ」エラーによる主な影響として、部品の固定位置が設計値と異なり、固定位置が異なった分、遊技領域を流下する球の流下方向に影響を与えてしまうことで、ゲージ性能(遊技性能)が設計値と異なってしまう。
【0371】
「部品固定時の位置ズレ」エラーが発生する要因としては、上述したように、部品用位置決め孔作成工程(S201)において、セルシート60aが剥離することにより、その剥離分のセルシート60aの厚さにより発生する。また、「部品固定時の位置ズレ」エラーは、テーパピン311によって遊技盤13に位置決め孔を穿設形成する場合に、遊技盤13の個体差(板厚又は硬さ)によって位置決め孔の製造ムラにより発生する場合がある。
【0372】
この「部品固定時の位置ズレ」エラーは、第1ビス止め工程(S212)又は第2ビス止め工程(S217)により一旦ビス止めした後、該「部品固定時の位置ズレ」エラーを検査工程等で発見できた場合には、螺入済みのビスを外し、部品を正常位置に直してから、再度、ビス止めすることで解消(修正)することが可能である。従って、この「部品固定時の位置ズレ」エラーは、位置決め孔を要因としてエラーの中では重要度が低いエラー(小)に分類される。なお、この「部品固定時の位置ズレ」エラーを要因に、部品の破損等が発生してしまった場合(例えば、先に固定された部品の固定位置がズレることで後に固定される他の部品の固定位置と重なってしまい、部品が破損する場合等)は、修正できないエラーに派生する可能性はある。
【0373】
従って、ストレートピン301により位置決め孔を穿設形成した場合に、「ビス止め失敗」エラー又は「セル剥離」エラーが発生し易く、テーパピン311により位置決め孔を穿設形成した場合には、「ビス止め失敗」エラー又は「部品固定時の位置ズレ」エラーが発生し易い。そこで、これらのエラーの発生を防止すべくハイブリッドピン321を発明した。
【0374】
ここで、
図26を参照して、
図19のXXVIaにおけるスルー位置決め孔627について説明する。
図26は、ハイブリッドピン321により穿設形成されたスルー位置決め孔627の構成を示す図であり、
図26(a)は、
図19におけるXXVIaの拡大正面図であり、
図26(b)は、
図26(a)のXXVIb-XXVIb線の断面図であり、
図26(c)は、
図26(a)のXXVIc-XXVIc線の断面図であり、
図26(d)は、
図26(c)のXXVIdの拡大図であり、
図26(e)は、
図26(c)のXXVIeの拡大図である。
【0375】
このスルー位置決め孔627は、部品用位置決め孔作成工程(S201)において、位置決め孔穿設機410のプレス板411(
図11参照)に取り付けられたハイブリッドピン321によって穿設形成される。なお、第1実施形態において、ハイブリッドピン321によって穿設形成される位置決め孔は、このスルー位置決め孔627のほかに、スルー位置決め孔626、戻り位置決め孔601,602、サイド位置決め孔628,629が該当するが、これら位置決め孔601,602,626,628,629は、スルー位置決め孔627と構成が同一であるため、説明は省略する。
【0376】
上述したように、ハイブリッドピン321は、そのハイブリッド胴部324のうち、その外形が刺し込み方向に向かって略平行に形成されたハイブリッドストレート部324a(
図14参照)と、その外形が刺し込み方向に向かって軸径が徐々に小さくなるテーパ状に形成されたハイブリッドテーパ部324b(
図14参照)とから形成されている。このため、該ハイブリッド胴部324により穿設形成されるスルー位置決め孔627の内部周壁も、該ハイブリッド胴部324の外形に沿った略箱形状と略逆円錐台筒形状とを組み合わせた孔形状(正面視角丸長方形(オーバル)形状)に穿設形成される。
【0377】
具体的には、スルー位置決め孔627のうち、ハイブリッド胴部324のハイブリッドストレート部324aに対応するスルーストレート部627aは深さ方向に向かって略平行に穿設形成される。一方、ハイブリッド胴部324のハイブリッドテーパ部324bに対応するスルーテーパ部627bは、深さ方向に向かってテーパ状に漸次細径化するように穿設形成される。
【0378】
また、ハイブリッドストレート部324aにより穿設形成されるスルーストレート部627aは、遊技盤13の正面視縦方向となるようにスルー位置決め孔627が穿設形成されている。これは、上述したように、遊技盤13の製造工程において、スルー突起7fがスルーストレート部627aの孔縁(角部)に引っ掛かり、スルー突起7fがスルー位置決め孔627から飛び出すことを抑制するためである。
【0379】
ここで、
図27を参照して、ハイブリッドピン321により穿設形成されたスルー位置決め孔627の孔形状について説明する。
図27は、ハイブリッドピン321と、該ハイブリッドピン321により穿設形成されたスルー位置決め孔627の孔形状との関係を示した表である。なお、スルー位置決め孔627は、ハイブリッドピン321のハイブリッド胴部324及びハイブリッド先端部325により形成されるが、
図27では、ハイブリッド先端部325により形成された部位の内容については省略する。
【0380】
図27の表の一番左側の列(以下、「最左列」という)は、ハイブリッドピン321のハイブリッド胴部324の先端側(ハイブリッド先端部325との境界側)からの距離(mm)を示している。即ち、ハイブリッド胴部324の最下部を起点に、該起点からの距離が示されており、具体的には、最左列上段から最左列下段へ順に、ハイブリッド胴部324の先端側(0.0mm)からの距離が0.2mm(最下段は0.1mm)ずつ増加した値(0.0mm~6.5mm)が示されている。
【0381】
図27の表の左から2番目の列(以下、「左二列」という)は、最左列のハイブリッド胴部324の先端側からの距離に対応する位置のハイブリッド胴部324のうち、ハイブリッドストレート部324aの軸径(短径:mm)を示している。具体的には、ハイブリッド胴部324の先端側からの距離が0.0mmの部分(即ち、ハイブリッド先端部325とハイブリッド胴部324との境界部分)では、ハイブリッドストレート部324aの軸径(短径)は2.70mmである。そして、そこからハイブリッド胴部324の先端側からの距離が0.8mmの部分までは、ハイブリッドストレート部324aの軸径は漸次増加(ハイブリッド先端部325との境界側からの距離が0.2mm増加する毎にハイブリッドストレート部324aの軸径が0.02mm~0.03mm増加)し、ハイブリッド胴部324の先端側からの距離が0.8mmの部分ではハイブリッドストレート部324aの軸径(短径)は2.80mmで構成されている。また、ハイブリッド胴部324の先端側からの距離が0.8mmから6.5mm(即ち、ハイブリッド胴部324とハイブリッド鍔部323との境界部分)のハイブリッドストレート部の軸径(短径)は、すべて2.80mmで構成されている。
【0382】
図27の表の左から3番目の列(以下、「中列」という)は、最左列のハイブリッド胴部324の先端側からの距離に対応する位置のハイブリッド胴部324のうち、ハイブリッドテーパ部324bの軸径(長径:mm)を示している。具体的には、ハイブリッド胴部324の先端側からの距離が0.0mmの部分(即ち、ハイブリッド先端部325とハイブリッド胴部324との境界部分)では、軸径(長径)が2.70mmである。そして、そこからハイブリッドテーパ部324bの軸径が漸次増加(ハイブリッド先端部325との境界側からの距離が0.2mm増加する毎にハイブリッドテーパ部324bの軸径が0.02mm~0.03mm増加)し、ハイブリッド胴部324の先端側からの距離が6.5mmの部分(即ち、ハイブリッド胴部324とハイブリッド鍔部323との境界部分)では、ハイブリッドテーパ部324bの軸径(長径)は3.50mmで構成されている。
【0383】
図27の左から4番目の列(以下、「右二列」という)は、最左列のハイブリッド胴部324の先端側からの距離(左二列のハイブリッドストレート部324aの軸径(短径))に対応する位置のハイブリッドストレート部324aによって形成されたスルー位置決め孔627の孔径のうち、スルーストレート部627aの短径(mm)を示している。
【0384】
具体的には、スルー位置決め孔627の孔径のうち、ハイブリッドストレート部324aにより形成されるスルーストレート部627aの短径は、ハイブリッド胴部324の先端側からの距離が0.0mmの部分に対応する位置では、2.20mmであり、そこから漸次増加(0.02mm~0.03mm)し、ハイブリッド胴部324の先端側からの距離が0.8mmの部分に対応する位置では2.30mmで形成されている。また、ハイブリッド胴部324の先端側からの距離が0.8mmから6.5mm(即ち、ハイブリッド胴部324とハイブリッド鍔部323との境界部分)のスルーストレート部627aの短径は、すべて2.30mmで形成されている。
【0385】
なお、スルー位置決め孔627の孔径に関し、遊技盤13の板の硬さ(弾性力)や厚み等の影響により製造誤差が生じる可能性があるが、
図27の表の右二列では、該製造誤差を考慮せずハイブリッドピン321のハイブリッドストレート部324aによって形成される理論上の値を表記している。
【0386】
図27の左から5番目の列(即ち、最も右の列。以下、「最右列」という)は、最左列のハイブリッド胴部324の先端側からの距離(中列のハイブリッドテーパ部324bの軸径)に対応する位置のハイブリッドテーパ部324bによって形成されたスルー位置決め孔627の孔径のうち、スルーテーパ部627bの長径(mm)を示している。
【0387】
具体的には、スルー位置決め孔627の孔径のうち、ハイブリッドテーパ部324bにより形成されるスルーテーパ部627bの長径は、ハイブリッド胴部324の先端側からの距離が0.0mmの部分に対応する位置では、2.20mmであり、そこから漸次増加(0.02mm~0.03mm)し、ハイブリッド胴部324の先端側からの距離が6.5mmの部分に対応する位置では3.00mmで形成されている。
【0388】
なお、スルー位置決め孔627の孔径に関し、遊技盤13の板の硬さ(弾性力)や厚み等の影響により製造誤差が生じる可能性があるが、
図27の表の最右列では、該製造誤差を考慮せずハイブリッドピン321のハイブリッドテーパ部324bによって形成される理論上の値を表記している。
【0389】
図27で示すように、スルー位置決め孔627の孔径(短径及び長径)は、ハイブリッド胴部324の軸径の大きさに対して、0.5mm程度小さい大きさに形成される。これは、上述したように、ベース板60が、弾性力を有する木材(ベニヤ板)を複数重ねた合板により形成されているためである。具体的には、部品用位置決め孔作成工程(S201)において、ベース板60及びセルシート60aに対してハイブリッドピン321を刺し込み、その後、ベース板60及びセルシート60aからハイブリッドピン321を抜いた場合に、ベース板60を構成する木材がスルー位置決め孔627の孔径を小さくする方向に弾性変形する。その結果、スルー位置決め孔627の孔径(短径及び長径)がハイブリッド胴部324の軸径より小さく形成される。
【0390】
このように、スルー位置決め孔627の孔径のうち、スルーストレート部627aによる短径は、孔表面の短径2.30mmから深さ方向に対して暫く変化せず、ほぼ2.30mm(最下部では2.20mm)で形成される。また、スルーテーパ部627bによる長径は、孔表面の長径が最大3.00mmから深さ方向に対して漸次小さくなるように形成され、孔最下部では長径2.20mmで形成されている。即ち、スルー位置決め孔627のうち、スルーストレート部627aによる短径は、スルー突起7fの直径φ2.4mmよりやや小さく形成されている一方、スルーテーパ部627bによる長径は、スルー突起7fの直径φ2.4mmより、孔表面では大きく、孔最下部では小さく形成されている。
【0391】
スルー位置決め孔627にスルー突起7fを嵌入させようとした場合、スルーストレート部627aによる短径はスルー突起7fの直径より小さいが、上述したように、ベース板60は弾性変形可能な木材で構成されているため、スルー突起7fの嵌入に応じてスルーストレート部627aが弾性変形して拡張されることで、スルー突起7fがスルー位置決め孔627に嵌入されるように構成されている。スルー突起7fをスルー位置決め孔627に嵌入した場合には、該スルー突起7fに対して、常時、スルーストレート部627aからベース板60の弾性変形に基づく負荷が加わる。従って、一旦、スルー位置決め孔627にスルー突起7fが嵌入された場合は、該スルー突起7fのスルーストレート部627aと接触する部分においてベース板60の弾性力による負荷が加わり続ける。このため、スルー突起7fがスルー位置決め孔627から抜け難くなり、スルーゲート7を遊技盤13に仮保持させ続けることができる。
【0392】
特に、スルーストレート部627aは、スルー位置決め孔627において2箇所に形成され、各スルーストレート部627aが対峙するように形成されている。このように構成することで、スルー位置決め孔627に挿入されたスルー突起7fを、スルーストレート部627aによって挟み込むように保持することができるので、スルー突起7fの保持力が倍増し、スルー突起7fがスルー位置決め孔627から飛び出してしまうことを防止することができる。よって、スルー位置決め孔627に挿入されたスルー突起7fを保持し続け、スルーゲート7が遊技盤13から外れてしまうことを防止して、遊技盤13に対して部品を取り付ける場合の利便性の向上を図ることができる。
【0393】
また、スルーテーパ部627bによる長径の孔表面部分では該スルーテーパ部627bによる長径がスルー突起7fの直径(φ2.4mm)より大きい。このため、孔全体がスルー突起7fの直径より小さい位置決め孔(例えば、ストレートピン301により穿設形成された位置決め孔)と比べてスルー突起7fがスルー位置決め孔627にスムースに挿入される。そして、テーパ状に形成されたスルー位置決め孔627のスルーテーパ部627bにおいて、スルーテーパ部627bの長径とスルー突起7fの直径とが一致する部分(第1実施形態では、ハイブリッド胴部324の先端側からの距離が1.6mmに対応する位置。ハイブリッドテーパ部の軸径2.90mm。)で、テーパ状に形成されたスルー位置決め孔627のスルーテーパ部627bとスルー突起7fの先端部とが接触する。そして、スルーテーパ部627bとスルー突起7fとが接触した部分から、該スルー突起7fをスルー位置決め孔627の深さ方向にさらに嵌入させた場合、スルー突起7fの嵌入に応じてスルーテーパ部627bが弾性変形して拡張される。その結果、スルー突起7fがスルーテーパ部627bに嵌入されるように構成されている。
【0394】
スルーテーパ部627bとスルー突起7fとが接触した部分から、該スルー突起7fをスルー位置決め孔627の深さ方向にさらに嵌入させた場合、該スルー突起7fに対して、常時、スルーテーパ部627bからベース板60の弾性変形に基づく負荷が加わる。従って、スルーテーパ部627bとスルー突起7fとが接触した部分から、該スルー突起7fをスルー位置決め孔627の深さ方向にさらに嵌入させた場合には、スルー突起7fにベース板60の弾性力による負荷が加わり続ける。このため、上述したスルーストレート部627aによる負荷と併せてスルーテーパ部627bの負荷が追加的に加わり、スルー突起7fがスルー位置決め孔627から抜け難くなり、スルーゲート7を遊技盤13に仮保持させ続けることができる。
【0395】
特に、スルーテーパ部627bは、スルー位置決め孔627において2箇所に形成され、各スルーテーパ部627bが対向(対峙)するように形成されている。このように構成することで、スルー位置決め孔627の孔表面では、対向(対峙)するスルーテーパ部627bにより形成されるスルー位置決め孔の孔径がスルー突起7fの直径より大きいため、スルー位置決め孔627にスルー突起7fを挿入し易くすることができる。
【0396】
さらに、スルー位置決め孔627において、スルーストレート部627aとスルーテーパ部627bとはそれぞれ2つずつ交互に形成されている。よって、対向(対峙)するように形成されたスルーテーパ部627bによりスルー突起7fをスルー位置決め孔627に挿入し易くすると共に、対向(対峙)するように形成されたスルーストレート部627aによりスルー突起7fを挟み込むように保持することができる。よって、スルー位置決め孔627にスルー突起7fを挿入し易くすると共に、スルー位置決め孔627に挿入されたスルー突起7fを保持し続け、スルーゲート7が遊技盤13から外れてしまうことを防止して、遊技盤13の性能向上を図ることができる。
【0397】
このように、ハイブリッドピン321により穿設形成されたスルー位置決め孔627は、スルーストレート部627aにより、スルー位置決め孔627へ嵌入されたスルー突起7fを仮保持し続けることができる。また、スルーテーパ部627bにより、スルー突起7fをスルー位置決め孔627へ挿入させ易くすることができる。
【0398】
従来、ストレートピン301により形成された位置決め孔(例えば、主表示位置決め孔610)は、部品側の突起(例えば、主表示突起87k)の直径よりもやや小さく形成されているため、遊技盤表面製造工程(
図10のS200参照)における第1搬送工程(S206~S211)又は第2搬送工程(S213~S216)において、作業員が部品を遊技盤13に対して載置し、部品側の突起を位置決め孔に嵌め込もうとした場合に、突起の直径が位置決め孔の孔径より大きい影響で、突起が位置決め孔に対してしっかり嵌め込まれずに搬送されるおそれがある。特に、突起にメッキ処理が施されてメッキ層を有する部品(例えば、盤面サイド飾り8のサイド突起)は、メッキ層の厚み分、突起全体の径が大きくなっているため、メッキ層を有する突起を位置決め孔に嵌め込もうとした場合に、上述した問題が生じやすくなる。
【0399】
また、テーパピン311により形成された位置決め孔(例えば、始動位置決め孔621)は、ベース板60の個体差(板厚や硬さ)の影響で、位置決め孔の孔径が変化(大又は小)し、孔形状の大きさに製造ムラが生じてしまう場合がある。特に、孔形状の大きさが大きく形成された場合は、部品側の突起を位置決め孔に挿入させ易くなる(突起挿入許容機能が向上する)が、ベース板60の弾性力によって部品側の突起を仮保持する力(突起保持機能)が減少して、遊技盤13の搬送工程等で部品側の突起が位置決め孔から飛び出してしまうおそれがある。また、孔形状の大きさが小さく形成された場合は、部品側の突起を位置決め孔に嵌め込もうとした場合に、部品の基部が遊技盤13と接する前に部品の突起が位置決め孔の最下部(奥側)まで到達してしまう場合がある。部品が遊技盤13に対して浮いた状態で搬送され、その状態でビス止めされてしまった場合は、部品と遊技盤13との隙間分、設計値からズレてしまい、部品の載置誤差が生じてしまうおそれがある。
【0400】
これに対し、ハイブリッドピン321により穿設形成された位置決め孔(例えば、スルー位置決め孔627)によれば、ハイブリッドテーパ部324bによって穿設形成されるテーパ部(例えば、スルーテーパ部627b)により、部品側の突起を位置決め孔の孔内に挿入させ易く(突起挿入許容機能を維持)しつつ、ハイブリッドストレート部324aによって穿設形成されるストレート部(例えば、スルーストレート部627a)により、位置決め孔の孔内に嵌入された部品側の突起を仮保持させる(突起保持機能を維持する)ことができる。つまり、ハイブリッドストレート部324aにより形成されるストレート部は、上述したように、製造ムラが生じ難いため、常に一定程度の突起保持機能を有することができる。また、ハイブリッドテーパ部324bにより形成されるテーパ部は、上述したように、製造ムラが生じ得るもの、部品側の突起の直径より大きな径が形成され得るため、常に一定の突起挿入許容機能を有することができる。
【0401】
従って、ハイブリッドピン321により形成された位置決め孔は、ストレートピン301による位置決め孔のデメリットと、テーパピン311による位置決め孔のデメリットとをそれぞれ解消しつつ、ストレートピン301による位置決め孔のメリットと、テーパピン311による位置決め孔のメリットとを兼ね備えることで、部品側の突起の「突起保持機能」と「突起挿入許容機能」とを兼ね備えた形状となっている。
【0402】
図26に戻って説明を続ける。上述したように、ベース板60は弾性変形するため、ハイブリッドピン321によりベース板60及びセルシート60aに対してスルー位置決め孔627を穿設形成する場合に、ハイブリッド胴部324をベース板60及びセルシート60aに刺し込んでいる間、該ハイブリッド胴部324に対して、常時、ベース板60の弾性変形に基づく負荷が加わっている。ベース板60にはセルシート60aが貼着されており、ベース板60及びセルシート60aに刺し込んだハイブリッド胴部324を引き抜いている間中、ベース板60に貼着されたセルシート60aも該ベース板60の弾性変形に伴ってハイブリッド胴部324のハイブリッドストレート部324aと接触し続けてしまう。その接触によって、セルシート60aは、ベース板60から剥離してしまい、スルー位置決め孔627の孔縁のうち、ハイブリッドストレート部324aと対応する部分のセルシート60aが剥離し、盛り上がったハイブリッドストレート剥離部60dを形成してしまう(
図26(d)及び
図26(e)参照)。
【0403】
なお、このハイブリッドストレート剥離部60dは、ハイブリッド胴部324のうち、ハイブリッドストレート部324aと接触する部分でのみ形成されるものであるので、ストレートピン301のストレート胴部304全体と接触しながら形成されるストレート剥離部60bと比べて、小さく形成される。
【0404】
一方、ハイブリッド胴部324をベース板60及びセルシート60aから抜こうとする場合に、ハイブリッド胴部324のハイブリッドテーパ部324bは、刺し込み方向に対して漸次細径化して構成されているため、ベース板60は、弾性変形してもハイブリッドテーパ部324bとの接触を抑制できる。また、ベース板60に貼着されているセルシート60aも、該ベース板60が弾性変形したとしてもハイブリッドテーパ部324bとの接触を抑制できる。従って、ハイブリッド胴部324をベース板60及びセルシート60aからの引き抜きによって、ベース板60に貼着されるセルシート60aがベース板60からほぼ剥離せず、僅かにハイブリッドテーパ剥離部60eを形成するに留まる(
図26(d)及び
図26(e)参照)。
【0405】
このハイブリッドテーパ剥離部60eは、上述したように、ハイブリッドテーパ部324bとセルシート60aとの接触が抑制されることによって剥離部の形成が抑制されているが、上記ハイブリッドストレート剥離部60dと連なって形成されているため、該ハイブリッドストレート剥離部60dの影響を受ける。従って、ハイブリッドテーパ剥離部60eは、ハイブリッドストレート剥離部60dの影響も受けて形成されるため、テーパピン311により形成されるテーパ剥離部60c(
図22(d)及び
図22(e)参照)より大きいが、ハイブリッドストレート剥離部60dより小さく形成される。
【0406】
従って、各ピン301,311,321によりそれぞれ形成される剥離部60b~60eは、テーパ剥離部60c<ハイブリッドテーパ剥離部60e<ハイブリッドストレート剥離部60d<ストレート剥離部60b、の順にセルシート60aの剥離が大きくなる。
【0407】
よって、ハイブリッドピン321によってベース板60及びセルシート60aにスルー位置決め孔627を穿設形成した場合、スルー位置決め孔627の孔縁には、ハイブリッドストレート部324aに対応する位置にハイブリッドストレート剥離部60dが形成されると共に、ハイブリッドテーパ部324bに対応する位置にハイブリッドテーパ剥離部60eが形成されるが、これらの剥離部60d,60eは、ストレートピン301により形成されるストレート剥離部60bより小さいため、ストレート剥離部60bよりはパチンコ機10の装飾性は低下しない。
【0408】
また、同様に、スルーゲート7を遊技盤13に対してビス止め固定する場合において、スルーゲート7を遊技盤13に載置したとき、ハイブリッドストレート剥離部60d及びハイブリッドテーパ剥離部60eはストレート剥離部60bより小さい。このため、スルーゲート7のスルー基部7bを遊技盤13表面にほぼ接した状態で載置することができる。よって、その状態でスルーゲート7を遊技盤13にビス止め固定することで、スルーゲート7の固定位置の設置誤差を少なくし、歩留りを上げるができる。
【0409】
よって、ハイブリッドピン321により形成されるスルー位置決め孔627は、ストレートピン301及びテーパピン311それぞれのメリットを維持しつつ、各ピン301,311それぞれのデメリットを解消することができる。
【0410】
具体的には、ストレートピン301により穿設形成される位置決め孔(例えば、主表示位置決め孔610)は、孔の形状(ストレート先端部305により形成される部分を除く)が、孔表面から深さ方向に向かって径が均一な略円筒形状で形成される。このため、孔全体として突起保持機能が高い反面、孔全体として突起挿入許容機能が低く構成される。
【0411】
また、テーパピン311により穿設形成される位置決め孔(例えば、始動位置決め孔620)は、孔の形状(テーパ先端部315により形成される部分を除く)が、孔表面から深さ方向に向かって径が漸次細径化する逆円錐台形状で形成される。このため、孔全体として突起挿入許容機能が高い反面、孔内部における一定の深さまでは突起保持機能が機能しない構成である。
【0412】
一方、ハイブリッドピン321により穿設形成される位置決め孔(例えば、スルー位置決め孔627)は、孔の形状(ハイブリッド先端部325により形成される部分を除く)が、孔表面から深さ方向に対してテーパ部(例えば、スルーテーパ部627b)の径のみが漸次細径化する逆円錐台形状で形成される。このため、孔のストレート部(例えば、スルーストレート部627a)の部分では突起保持機能が高く、また、孔のテーパ部の部分では突起挿入許容機能が高く構成される。
【0413】
次に、
図28から
図30を参照して、遊技盤13の製造工程における各工程が行われた後の遊技盤13の概要について説明する。
図28は、遊技盤13の製造工程における遊技盤表面製造工程(S200)において、遊技釘植設工程(S203)、並びに、レール及び風車植設工程(S204)が行われた後の遊技盤13の正面図である。
図29は、遊技盤13の製造工程における遊技盤表面製造工程(S200)において、第1搬送工程(S206~S211)が行われた後の遊技盤13の正面図である。
図30は、遊技盤13の製造工程における遊技盤表面製造工程(S200)において、第1ビス止め工程(S212)、及び、第2搬送工程(S213~S216)が行われた後の遊技盤13の正面図である。
【0414】
図28で示すように、遊技釘植設工程(S203)とレール及び風車植設工程(S204)とが行われた後の遊技盤13には、遊技盤13に予め穿設形成されていた釘穴63(
図18参照)に対して遊技釘及び風車が植設されると共に、レール用位置決め孔作成工程(
図10のS202)で形成されたレール用の下穴(図示せず)に対して内レール61(アウト口6)及び外レール62が植設される。
【0415】
そして、
図29で示すように、第1搬送工程(S206~S211)が行われた後の遊技盤13には、製造ライン400(
図15参照)の搬送方向左側(ライン外)において、アタッカーユニット載置工程(S206)によりルータ孔656に対してアタッカーユニット5が嵌入された状態となる。また、主表示ユニット載置工程(S207)により遊技盤13の左下部分に主表示ユニット87が載置された状態となる。さらに、センターフレーム載置工程(S208)によりルータ孔651に対してセンターフレーム86が嵌入された状態となる。
【0416】
また、製造ライン400(
図15参照)の搬送方向右側(ライン内)において、戻り球防止部材載置工程(S209)により内レール61の先端側に戻り球防止部材68が載置された状態となる。また、右側コーナー飾り載置工程(S210)により遊技盤13の右側部分に右側コーナー飾り70が載置された状態となる。さらに、左上コーナー飾り載置工程(S211)により遊技盤13の左上部分に左上コーナー飾り71が載置された状態となる。
【0417】
この第1搬送工程(S206~S211)が行われた後は、遊技盤13に対して上記した部品5,68,70,71,86,87の各突起が、それぞれ対応する位置決め孔に嵌入されているのみであり、いずれの部品もビス止め固定されていない。
【0418】
そして、
図30で示すように、まず、第1ビス止め工程(S212)が行われる。第1ビス止め工程(S212)では、ビス打ち機420(
図16参照)により、主表示ユニット87の左上部の主表示ビス挿入孔87g(
図4参照)と、戻り球防止部材68の上側の戻りビス挿入孔と、右側コーナー飾り70の最上部の右側ビス挿入孔と、左上コーナー飾り71の左上の左上ビス挿入孔とに、それぞれ1本ずつ合計4本のビスが螺入される。ビス打ち機420によりビスが打ち込まれた上記部品(主表示ユニット87、戻り球防止部材68、右側コーナー飾り70及び左上コーナー飾り71)は、それぞれ1のビスによって遊技盤13に仮固定される。その後、第2搬送工程(S213~S216)が行われる。
【0419】
そして、第1ビス止め工程(S212)の後は、第2搬送工程(S213~S216)が行われる。第2搬送工程が行われた後の遊技盤13には、製造ライン400(
図15参照)の搬送方向左側(ライン外)において、一般入賞口ユニット載置工程(S213)によりルータ孔654に対して一般入賞口ユニット3が嵌入された状態となる。また、始動入賞口ユニット載置工程(S214)によりルータ孔655に対して始動入賞口ユニット4が嵌入された状態となる。さらに、スルーゲート載置工程(S215)によりルータ孔653に対してそれぞれスルーゲート7が嵌入された状態となる。
【0420】
また、製造ライン400(
図15参照)の搬送方向右側(ライン内)において、盤面サイド飾り載置工程(S216)によりルータ孔652に対してそれぞれ盤面サイド飾り8が嵌入された状態となる。なお、第2搬送工程(S213~S216)が行われた後、第2ビス止め工程(S217)が行われ、遊技盤13に載置されて仮保持又は仮固定されたすべての部品が該遊技盤13にビス止め固定される。
【0421】
次に、
図31から
図34を参照して、遊技盤13に搭載される各部品と位置決め孔との適正について説明する。
図31は、遊技盤13に搭載される各部品のピン適正を判断するための各表であり、
図31(a)は、ピン適正を評価する場合における評価項目と各項目ごとの内容及び配点とを示す表であり、
図31(b)は、ピン適正の評価点の合計点に基づくピン種別を示す表である。
【0422】
第1実施形態のパチンコ機10では、各部品の属性を要素ごとに細分化し、その細分化された要素をピン適正の評価項目として内容を判別する。そして、該評価項目の内容と位置決め孔を要因とした各エラーとの関係性から重要度に応じて点数を配分し、その判別結果に応じた点数を積算した合計点により、いずれのピン301,311,321により位置決め孔を穿設するべきかを決定する。
【0423】
第1実施形態のパチンコ機10では、各項目ごとに、テーパピン311の適正があるか否かを重要度に基づいて配点しており、評価点の合計点が高いほどテーパピン311の適正が高いと判断する。一方、合計点が低い場合にはテーパピン311には不適正であり、合計点が顕著に低い場合は、ストレートピン301の適正が高いと判断する。また、テーパピン311の適正が高くもなく、また、ストレートピン301の適正が高くもない場合は、ハイブリッドピン321の適正が高いと判断する。
【0424】
ここで、遊技盤13の製造工程において、位置決め孔における「突起保持機能」と「突起挿入許容機能」との兼ね合いによって「ビス止め失敗」エラーの生じ易さが決まるが、「突起保持機能」は、「突起挿入許容機能」によって突起が位置決め孔に嵌入されてから機能するものであるため、「突起保持機能」より「突起挿入許容機能」が重要視される。従って、第1実施形態のパチンコ機10においても、まずは「突起挿入許容機能」が高いテーパピン311による位置決め孔に適しているか否かを評価する。
【0425】
また、「セル剥離」エラーの影響を受けやすい部品、即ち、部品の「基部が透明」である部品は、ストレートピン301による位置決め孔よりはテーパピン311による位置決め孔に適しているため、テーパピン311による位置決め孔に適している場合に加点して、その合計点に応じて適正を判断する。
【0426】
図31(a)で示すように、第1実施形態では、遊技盤13に搭載される各部品の評価項目(要素)として、重要度が高い評価項目に、部品全体の重さを示す「重さ」と、部品の位置決め用の突起の数を示す「突起数」と、部品(突起)にメッキ処理が施されているか否かを示す「メッキ有無」と、部品の裏面側を視認できるか否かを示す「基部の透明度」と、が列挙される。
【0427】
上述したように、遊技盤13の製造工程において、「ビス止め失敗」エラーや「セル剥離」エラーは、発生した後に修正ができないため、重要度が高いエラーとして分類される。該重要度が高いエラーの1つである「ビス止め失敗」エラーは、位置決め孔に対して部品の突起が未嵌入又は飛び出した場合に発生するものである。よって、「ビス止め失敗」エラーと関連性が高い評価項目を有する部品は、「突起挿入許容機能」が高いテーパピン311による位置決め孔によって該部品の突起を位置決め孔に嵌入させ、該「ビス止め失敗エラー」の発生を未然に防止しなければならない。
【0428】
また、重要度が高いエラーの1つである「セル剥離」エラーは、位置決め孔の孔表面が遊技者により視認可能な場合に影響を受けるものである。よって、「セル剥離」エラーと関連性が高い評価項目を有する部品は、セルシート60aの剥離部を形成し難いテーパピン311によって位置決め孔を穿設形成し、該「セル剥離」エラーの発生を未然に防止しなければならない。
【0429】
従って、部品の評価項目において、これら重要度が高いエラーの発生要因となり得る評価項目は、テーパピン311による位置決め孔の適正が高いと評価し、重要度が高いエラーの発生要因となる場合は「2点」、重要度が高いエラーの発生要因とならない場合は「0点」で評価し、テーパピン311による位置決め孔の適正が高いが否かを判定する。また、重要度が高いエラーの予防要因となり得る評価項目は、テーパピン311による位置決め孔の適正が高いと評価し、重要度が高いエラーの予防要因となる場合は「2点」、重要度が高いエラーの予防要因とならない場合は「0点」で評価し、テーパピン311による位置決め孔の適正が高いか否かを判定する。
【0430】
まず、部品全体の「重さ」に関し、部品全体の「重さ」が「重い」場合は、部品自身の荷重により該部品が遊技盤13側に押し付ける力が強い。よって、遊技盤13の製造工程で衝撃等が発生した場合でも部品の突起が位置決め孔から飛び出し難い。
【0431】
一方、部品全体の「重さ」が「軽い」場合は、部品自身の荷重によって該部品を遊技盤13側に押し付ける力が弱い。よって、遊技盤13の製造工程で衝撃等が発生した場合に、部品の突起が位置決め孔から飛び出し易い。
【0432】
従って、部品の「重さ」が「重い」か「軽い」かによって、重要度が高い「ビス止め失敗」エラーの発生確率が異なる。このため、「重さ」の評価項目は、重要度が高いエラーとの関連性が高いので、重要度が高い評価項目に分類される。
【0433】
第1実施形態では、部品全体の「重さ」の評価項目において、部品全体の「重さ」が100グラム以上であれば「重い」と評価し、部品全体の「重さ」が100グラム未満であれば「軽い」と評価する。その結果、「重い」部品は、重要度が高いエラーの予防要因となり得るため、評価点として「2点」を配点する一方、「軽い」部品は、重要度が高いエラーの予防要因となり得ないため、評価点として「0点」を配点する(
図31(a)参照)。
【0434】
次に、部品の「突起数」の数に関し、部品の「突起数」が「多い」場合は、各突起がそれぞれの位置決め孔に嵌入され、各突起が各位置決め孔によりそれぞれ仮保持されるので、部品全体に対する仮保持力が強い。よって、遊技盤13の製造工程で衝撃等が発生した場合でも、部品の突起が位置決め孔から飛び出し難い。
【0435】
一方、部品の「突起数」が「少ない」場合は、突起を仮保持する位置決め孔の数も少ないので、部品全体に対する仮保持力が弱い。よって、遊技盤13の製造工程で衝撃等が発生した場合に、部品の突起が位置決め孔から飛び出し易い。
【0436】
従って、部品の「突起数」が「多い」か「少ない」かによって、重要度が高い「ビス止め失敗」エラーの発生確率が異なる。このため、「突起数」の評価項目は、重要度が高いエラーとの関連性が高いので、重要度が高い評価項目に分類される。
【0437】
第1実施形態では、部品の「突起数」の評価項目では、部品の突起数が「4」以上であれば「突起数」が「多い」と評価し、部品の突起数が「3」未満であれば「突起数」が「少ない」と評価する。その結果、「突起数」が「多い」部品には評価点として「2点」を配点する一方、「突起数」が「少ない」部品には評価点として「0点」を配点する(
図31(a)参照)。
【0438】
次に、部品の「メッキ有無」に関し、部品の「メッキ有無」が「有り」の場合は、部品の突起にメッキ処理が施され、そのメッキ層の厚み分、突起の厚みが増しており、位置決め孔に対して該突起を嵌入させ難くなっている。よって、遊技盤13の製造工程において、突起が位置決め孔に対して未嵌入となり易い。
【0439】
一方、部品の「メッキ有無」が「無し」の場合は、部品の突起にメッキ処理が施されておらず、突起の厚みも増していないため、位置決め孔に対して該突起を嵌入させ易い。よって、遊技盤13の製造工程において、突起が位置決め孔に対して未嵌入となり難い。
【0440】
従って、部品の「メッキ処理」が「有り」か「無し」かによって、重要度が高い「ビス止め失敗」エラーの発生確率が異なる。このため、「メッキ処理」の評価項目は、重要度が高いエラーとの関連性が高いので、重要度が高い評価項目に分類される。
【0441】
第1実施形態では、部品の突起にメッキ処理が施されていれば、「メッキ有無」が「有り」と評価し、部品の突起にメッキ処理が施されていなければ、「メッキ有無」が「無し」と評価する。その結果、メッキ処理が「有り」の部品には評価点として「2点」を配点する一方、メッキ処理が「無し」の部品には評価点として「0点」を配点する(
図31(a)参照)。
【0442】
次に、部品の「基部の透明度」に関し、部品の「基部の透明度」が「透明」又は「半透明」の場合は、部品の基部の裏面側が遊技者により視認可能であり、位置決め孔の孔表面におけるセルシート60aが剥離していた場合にその剥離が見えてしまう。よって、セルシート60aの剥離が発生していた場合にパチンコ機10の装飾性が低下してしまう。
【0443】
一方、部品の「基部の透明度」が「非透明」の場合は、部品の基部の裏面側が遊技者により視認不能であり、位置決め孔の孔表面におけるセルシート60aが剥離していたとしてもその剥離が見えない。よって、セルシート60aの剥離が発生していてもパチンコ機10の装飾性は低下しない。
【0444】
従って、部品の「基部の透明度」が「透明」又は「半透明」か、「非透明」かによって、重要度が高い「セル剥離」エラーの影響度が異なる。このため、「基部の透明度」の評価項目は、重要度が高いエラーとの関連性が高いので、重要度が高い評価項目に分類される。
【0445】
第1実施形態では、部品の基部が「透明」であって基部裏面のセルシート60aがはっきり視認できれば、「基部の透明度」が「透明」と評価し、部品の基部が「半透明」であって基部裏面のセルシート60aが視認可能であれば、「基部の透明度」が「半透明」と評価し、部品の基部が「非透明(黒色樹脂又はメッキ処理が施された樹脂)」であって基部裏面のセルシート60aが視認できなければ、「基部の透明度」が「非透明」と評価する。その結果、「基部の透明度」が「透明」である部品には評価点として「2点」を配点し、「基部の透明度」が「半透明」である部品には評価点として「1点」を配点する一方、「基部の透明度」が「非透明」である部品には評価点として「0点」を配点する(
図31(a)参照)。
【0446】
次に、遊技盤13に搭載される各部品の評価項目(要素)として、重要度が低い評価項目について説明する。第1実施形態では、重要度が低い評価項目に、部品が設置される場所が遊技領域の外側か内側かを示す「遊技領域内外」と、大当たり等の遊技結果に影響を与える部品か否かを示す「遊技影響度」と、球が通過する量および接触する量(以下、球の通過する量および接触する量を、「球通過量」と略す)を示す「球通過量」と、部品の単価を示す「部品単価」と、1の機種と他の機種とで共通的に使用するか否かを示す「共通部品」と、遊技盤13の製造工程においてその部品を遊技盤13に載置してからビス止め固定(仮固定を含む)されるまでの距離(工程数)を示す「搬送距離」と、が列挙される。
【0447】
上述したように、遊技盤13の製造工程において、「部品固定時の位置ズレ」エラーは、該「部品固定時の位置ズレ」エラーが発生した場合でも、ビス止めし直すことで修正が可能であるため、重要度が低いエラーとして分類される。該重要度が低いエラーは、重要度が高いエラーほどではないが、「突起挿入許容機能」が高いテーパピン311による位置決め孔によって、該重要度が低いエラーの発生を未然に防止しなければならない。従って、重要度が低いエラーとの関係性が強い評価項目は、テーパピン311による位置決め孔の適正があると評価し、重要度が低いエラーとの関連性が強い場合は「1点」、重要度が低いエラーとの関連性が強くない場合は「0点」で評価し、テーパピン311による位置決め孔の適正があるか否かを判定する。
【0448】
また、遊技盤13の製造工程において、部品の突起を位置決め孔に挿入した後に、搬送工程における衝撃等によって、該突起が位置決め孔から飛び出して、「ビス止め失敗」エラーが起こる場合がある。このような場合に、「ビス止め失敗」エラーが発生してしまった場合であっても、その影響が少ない部品の評価項目がある。このような要素を持つ部品は、「突起保持機能」が低いテーパピン311による位置決め孔によって該部品の突起を位置決め孔に嵌入させ、仮に、突起が位置決め孔から飛び出した場合でも、遊技盤13の製造においては大きな影響を与えない。従って、部品の評価項目において、「ビス止め失敗」エラーが発生したとしても影響が少ない評価項目は、テーパピン311による位置決め孔の適正があると評価し、「ビス止め失敗」エラーが発生しても影響が少ない場合は「1点」、「ビス止め失敗」エラーが発生した場合に影響が大きい場合は「0点」で評価し、テーパピン311による位置決め孔の適正があるか否かを判定する。
【0449】
まず、部品が設置される場所が遊技領域の外側か内側かを示す「遊技領域内外」に関し、遊技領域の「内」に設置される部品は、球と接触して遊技結果に影響を及ぼす。このため、「部品固定時の位置ズレ」エラーが発生していた場合には、球の流下具合が設計値と異なってしまい、開発者が意図しない遊技結果を発生させてしまう可能性がある。
【0450】
一方、遊技領域の「外」に設置される部品は、球と接触することはない。このため、「部品固定時の位置ズレ」エラーが発生したとしても、球の流下方向に影響を与えることはない。
【0451】
従って、部品の設置位置が遊技領域の「内」か「外」かによって、重要度が低い「部品固定時の位置ズレ」エラーによる影響度が異なる。このため、部品の設置位置が「遊技領域内外」の評価項目は、重要度が低いエラーとの関連性が高いので、重要度が低い評価項目に分類される。
【0452】
第1実施形態では、部品の配置位置である「遊技領域内外」の評価項目において、部品の配置位置が遊技領域の内側であれば「遊技領域内外」の「内」と評価し、部品の配置位置が遊技領域の外側であれば「遊技領域内外」の「外」と評価する。その結果、遊技領域の「内」の部品には評価点として「1点」を配点する一方、遊技領域の「外」の部品には評価点として「0点」を配点する(
図31(a)参照)。
【0453】
次に、部品の「遊技影響度」に関し、遊技に対する影響度が「大」である部品の場合は、遊技結果に顕著な影響を及ぼす。このため、「部品固定時の位置ズレ」エラーが発生していた場合には、球の流下具合が設計値と異なることで遊技結果にも直接的な影響が発生し、開発者が意図しない遊技結果を発生させてしまう可能性がある。
【0454】
一方、遊技に対する影響度が「小」又は「無」である部品の場合は、遊技結果に顕著な影響を与えない。このため、「部品固定時の位置ズレ」エラーが発生し、球の流下具合が設計値と異なったとしても遊技結果に直接的な影響を与えることはない。
【0455】
従って、部品の「遊技影響度」が「大」か「小」若しくは「無」かによって、重要度が低い「部品固定時の位置ズレ」エラーによる影響が異なる。このため、部品の「遊技影響度」の評価項目は、重要度が低いエラーとの関連性が高いので、重要度が低い評価項目に分類される。
【0456】
第1実施形態では、部品の「遊技影響度」の評価項目において、特別図柄の大当たりや普通図柄の当たりに影響を与える部品であれば「遊技影響度」が「大」と評価し、特別図柄の大当たりや普通図柄の当たりへの影響が少ない部品であれば「遊技影響度」を「小」と評価し、遊技領域の外側に配設されて遊技結果に影響を及ぼさない部品であれば「遊技影響度」を「無」と評価する。その結果、「遊技影響度」が「大」である部品には評価点として「1点」を配点する一方、「遊技影響度」が「小」である部品には評価点として「0点」を配点する(
図31(a)参照)。また、「遊技影響度」が「無」である部品には、「小」と同等の評価点として「0点」を配点する(
図31(a)参照)。
【0457】
次に、部品の「球通過量」に関し、球が頻繁に通過又は接触する「球通過量」が「多い」部品の場合は、球と接触することで遊技結果に影響を及ぼす。このため、「部品固定時の位置ズレ」エラーが発生していた場合には、球の流下具合が設計値と異なってしまい、開発者が意図しない遊技結果を発生させてしまう可能性がある。
【0458】
一方、球があまり通過又は接触しない「球通過量」が「少ない」又は「無」い部品の場合は、球と接触しない又はほぼ接触しないため、遊技結果に顕著な影響を与えない。このため、「部品固定時の位置ズレ」エラーが発生し、球の流下具合が設計値と異なったとしても遊技結果に直接的な影響を与えることはない。
【0459】
従って、「球通過量」が「多い」か「少ない」若しくは「無」かによって、重要度が低い「部品固定時の位置ズレ」エラーによる影響が異なる。このため、部品の「球通過量」の評価項目は、重要度が低いエラーとの関連性が高いので、重要度が低い評価項目に分類される。
【0460】
第1実施形態では、部品の「球通過量」の評価項目において、球が頻繁に通過又は接触する部品であれば「球通過量」が「多い」と評価し、球が頻繁に通過又は接触しない部品であれば「球通過量」が「少ない」と評価し、遊技領域の外側に配設されて球が通過又は接触しない部品であれば「球通過量」が「無」と評価する。その結果、「球通過量」が「多い」部品には評価点として「1点」を配点する一方、「球通過量」が「少ない」部品には評価点として「0点」を配点する。また、「球通過量」が「無」である部品には、「少ない」と同等の評価点として「0点」を配点する(
図31(a)参照)。
【0461】
次に、部品の「部品単価」に関し、その部品自体の製造に係る「部品単価」は、「ビス止め失敗」エラーの発生要因ではなく、該「ビス止め失敗」エラーに対して直接的な影響を与えない。しかし、「ビス止め失敗」エラーが発生し、部品が破損して交換する場合に、「部品単価」の高低によって部品交換分の損失の額が異なる。従って、「部品単価」の高低は、「ビス止め失敗」エラーと直接的な関連性はないが、間接的に影響がある評価項目といえる。
【0462】
部品の「部品単価」に関し、「部品単価」が「安価」な部品の場合は、「ビス止め失敗」エラーの発生に基づいて部品自体を交換しなければいけない場合でも、部品自体の単価が安いことなら、損失が小さい。よって、「ビス止め失敗」エラーが発生したとしても影響は少ない。
【0463】
一方、「部品単価」が「高価」な部品は、「ビス止め失敗」エラーの発生に基づいて部品自体を交換しなければいけない場合、部品自体の単価が高いことから、損失が大きくなってしまう。よって、「ビス止め失敗」エラーが発生した場合に影響が大きい。
【0464】
従って、「部品単価」が「安価」か「高価」かによって、「ビス止め失敗」エラーによる間接的な影響が異なる。このため、部品の「部品単価」の評価項目は、「ビス止め失敗」エラーによって間接的な影響を受けるので、重要度が低い評価項目に分類される。
【0465】
第1実施形態では、「部品単価」の評価項目において、その部品自体の製造に係る単価が安い部品であれば「部品単価」が「安価」と評価し、その部品自体の製造に係る単価が高い部品であれば「部品単価」が「高価」と評価する。その結果、「部品単価」が「安価」な部品には評価点として「1点」を配点する一方、「部品単価」が「高価」な部品には評価点として「0点」を配点する(
図31(a)参照)。
【0466】
次に、1の機種と他の機種とで共通的に使用される「共通部品」に関し、1の機種固有の部品であって「共通部品」ではない「非共通」な部品の場合は、遊技盤13の製造工程において、製造ラインの作業者が載置することに慣れておらず、熟練度が低い部品である。このため、部品の載置時に作業ミスが発生し易い部品といえる。よって、「非共通」な部品は、「突起挿入許容機能」が高いテーパピン311による位置決め孔に適正があるといえる。
【0467】
一方、1の機種と他の機種とで共通的に使用される「共通」な部品の場合は、作業差が該部品の扱いに慣れ、作業者の熟練度が高い部品である。よって、「共通」な部品は、いずれの位置決め孔であっても突起が位置決め孔に嵌入され易いといえる。
【0468】
しかしながら、この「共通部品」が「共通」か「非共通」かによって、部品の突起が位置決め孔に未嵌入となって「ビス止め失敗」エラーの発生要因となり得るが、作業者の熟練度という客観的に判断が難しい要素で評価が分かれるものであるため、この評価項目の評価の違いにより顕著な差を設けてしまうと弊害が大きく出る可能性がある。よって、「共通部品」の評価項目は、重要度が高いエラーとの関連性は高いが、重要度が低い評価項目に分類される。
【0469】
第1実施形態では、「共通部品」の評価項目において、1の機種固有の部品であれば「非共通」と評価し、1の機種と他の機種とで共通的に使用される部品であれば「共通」と評価する。その結果、「非共通」の部品には評価点として「1点」を配点する一方、「共通」部品には評価点として「0点」を配点する(
図31(a)参照)。
【0470】
次に、部品の「搬送距離」に関し、遊技盤13の製造工程において、部品が遊技盤13に載置されてからビス止め固定されるまでの「搬送距離」が「短い」部品の場合は、遊技盤13の搬送に伴う衝撃を受ける回数が少ないため、部品の突起が位置決め孔から飛び出す可能性が低く、部品の載置位置のずれが生じる可能性が低い。よって、「搬送距離」が「短い」部品は、「突起保持機能」が低いテーパピン311による位置決め孔であっても「ビス止め失敗」エラーの原因となり難いので、テーパピンによる位置決め孔に適正があるといえる。
【0471】
一方、部品が遊技盤13に載置されてからビス止め固定されるまでの搬送距離が「長い」部品の場合は、遊技盤13の搬送に伴う衝撃を受ける回数が多いため、部品の突起が位置決め孔から飛び出す可能性がある。よって、「搬送距離」が「長い」部品は、「突起保持機能」が低いテーパピン311による位置決め孔である場合に、「ビス止め失敗」エラーの原因となり得るので、テーパピン311による位置決め孔に適正はないといえる。
【0472】
しかしながら、この「搬送距離」が「短い」か「長い」かによって、部品の突起が位置決め孔に未嵌入となって「ビス止め失敗」エラーの発生要因となり得るが、搬送時において位置決め孔から突起が飛び出してしまう直接的な原因は、搬送時の衝撃の大きさであり、回数ではない。ただし、搬送時の衝撃を比較するのは困難であるため、本実施形態では、搬送時の衝撃を「搬送距離」の長さに置き換えて評価している。従って、この「搬送距離」の評価項目の評価の違いにより顕著な差を設けてしまうと弊害が大きく出る可能性がある。よって、「搬送距離」の評価項目は、重要度が高いエラーとの関連性は高いが、重要度が低い評価項目に分類される。
【0473】
第1実施形態では、「搬送距離」の評価項目において、部品が遊技盤13に載置されてからビス打ち機420(
図16参照)によりビス止め固定されるまでに遊技盤13の搬送が停止される回数が3回未満であれば「搬送距離」が「短い」と評価し、遊技盤13の搬送が停止される回数が3回以上であれば「搬送距離」が長いと評価する。その結果、「搬送距離」が「短い」部品には評価点として「1点」を配点する一方、「長い」部品には評価点として「0点」を配点する(
図31(a)参照)。
【0474】
図31(a)に列挙された「評価項目」に基づいて、遊技盤13に搭載される部品ごとに評価を行って
図31(b)に基づきピン種別を判定し、その合計点に基づいて最適なピン301,311,321が選択される。具体的には、評価点の合計点が「0点~4点」である場合は、ストレートピン301による位置決め孔を穿設形成し、評価点の合計点が「5点~8点」である場合は、ハイブリッドピン321による位置決め孔を穿設形成し、評価点の合計点が「9点以上」である場合は、テーパピン311による位置決め孔を穿設形成する。
【0475】
このように、部品ごとの要素(特性)を評価し、その評価結果に基づいて、ストレートピン301、テーパピン311又はハイブリッドピン321の中から最適なピン301,311,321を選択して該部品の突起用の位置決め孔を穿設することで、遊技盤13の製造工程でのエラーの発生を未然に防止し、遊技盤13に対して部品を取り付ける場合の利便性を向上することができる。
【0476】
ここで、
図32を参照して、ストレートピン301による位置決め孔が適正である部品について説明する。
図32は、ストレートピン301を使用して位置決め孔を穿設形成する部品の一覧表である。第1実施形態のパチンコ機10では、ストレートピン301による位置決め孔が適正な部品として、左上コーナー飾り71と、右側コーナー飾り70と、主表示ユニット87と、が選択されている。
【0477】
左上コーナー飾り71は、「重さ」の評価項目では「軽い」ので「0点」であり、「突起数」の評価項目では「少ない(2)」ので「0点」であり、「メッキ有無」の評価項目では「無し」なので「0点」であり、「基部の透明度」の評価項目では「非透明」なので「0点」であり、「遊技領域内外」の評価項目では「外」なので「0点」であり、「遊技影響度」の評価項目では「無」なので「0点」であり、「球通過量」の評価項目では「無」なので「0点」であり、「部品単価」の評価項目では「安価」なので「1点」であり、「共通部品」の評価項目では「共通」なので「0点」であり、「搬送距離」の評価項目では「短い」ので「1点」である。従って、左上コーナー飾り71の評価点の合計点は、「2点」であるので、該左上コーナー飾り71は、ストレートピン301による位置決め孔に適正があるといえる。
【0478】
右側コーナー飾り70は、「重さ」の評価項目では「軽い」ので「0点」であり、「突起数」の評価項目では「多い(4)」ので「2点」であり、「メッキ有無」の評価項目では「無し」なので「0点」であり、「基部の透明度」の評価項目では「非透明」なので「0点」であり、「遊技領域内外」の評価項目では「外」なので「0点」であり、「遊技影響度」の評価項目では「無」なので「0点」であり、「球通過量」の評価項目では「無」なので「0点」であり、「部品単価」の評価項目では「安価」なので「1点」であり、「共通部品」の評価項目では「共通」なので「0点」であり、「搬送距離」の評価項目では「短い」ので「1点」である。従って、右側コーナー飾り70の評価点の合計点は、「4点」であるので、該右側コーナー飾り70は、ストレートピン301による位置決め孔に適正があるといえる。
【0479】
主表示ユニット87は、「重さ」の評価項目では「軽い」ので「0点」であり、「突起数」の評価項目では「少ない(2)」ので「0点」であり、「メッキ有無」の評価項目では「無し」なので「0点」であり、「基部の透明度」の評価項目では「非透明」なので「0点」であり、「遊技領域内外」の評価項目では「外」なので「0点」であり、「遊技影響度」の評価項目では「無」なので「0点」であり、「球通過量」の評価項目では「無」なので「0点」であり、「部品単価」の評価項目では「安価」なので「1点」であり、「共通部品」の評価項目では「共通」なので「0点」であり、「搬送距離」の評価項目では「短い」ので「1点」である。従って、主表示ユニット87の評価点の合計点は、「2点」であるので、該主表示ユニット87は、ストレートピン301による位置決め孔に適正があるといえる。
【0480】
次に、
図33を参照して、テーパピン311による位置決め孔が適正である部品について説明する。
図33は、テーパピン311を使用して位置決め孔を穿設形成する部品の一覧表である。第1実施形態のパチンコ機10では、テーパピン311による位置決め孔が適正な部品として、センターフレーム86と、一般入賞口ユニット3と、始動入賞口ユニット4と、アタッカーユニット5と、が選択されている。
【0481】
センターフレーム86は、「重さ」の評価項目では「重い」ので「2点」であり、「突起数」の評価項目では「多い(7)」ので「2点」であり、「メッキ有無」の評価項目では「有り」なので「2点」であり、「基部の透明度」の評価項目では「非透明」なので「0点」であり、「遊技領域内外」の評価項目では「内」なので「1点」であり、「遊技影響度」の評価項目では「大」なので「1点」であり、「球通過量」の評価項目では「多い」ので「1点」であり、「部品単価」の評価項目では「高価」なので「0点」であり、「共通部品」の評価項目では「非共通」なので「1点」であり、「搬送距離」の評価項目では「長い」ので「0点」である。従って、センターフレーム86の評価点の合計点は、「10点」であるので、該センターフレーム86は、テーパピン311による位置決め孔に適正があるといえる。
【0482】
一般入賞口ユニット3は、「重さ」の評価項目では「重い」ので「2点」であり、「突起数」の評価項目では「多い(4)」ので「2点」であり、「メッキ有無」の評価項目では「無し」なので「0点」であり、「基部の透明度」の評価項目では「透明」なので「2点」であり、「遊技領域内外」の評価項目では「内」なので「1点」であり、「遊技影響度」の評価項目では「小」なので「0点」であり、「球通過量」の評価項目では「少ない」ので「0点」であり、「部品単価」の評価項目では「安価」なので「1点」であり、「共通部品」の評価項目では「非共通」なので「1点」であり、「搬送距離」の評価項目では「長い」ので「0点」である。従って、一般入賞口ユニット3の評価点の合計点は、「9点」であるので、該一般入賞口ユニット3は、テーパピン311による位置決め孔に適正があるといえる。
【0483】
始動入賞口ユニット4は、「重さ」の評価項目では「重い」ので「2点」であり、「突起数」の評価項目では「少ない(2)」ので「0点」であり、「メッキ有無」の評価項目では「有り」なので「2点」であり、「基部の透明度」の評価項目では「非透明」なので「0点」であり、「遊技領域内外」の評価項目では「内」なので「1点」であり、「遊技影響度」の評価項目では「大」なので「1点」であり、「球通過量」の評価項目では「多い」ので「1点」であり、「部品単価」の評価項目では「高価」なので「0点」であり、「共通部品」の評価項目では「非共通」なので「1点」であり、「搬送距離」の評価項目では「短い」ので「1点」である。従って、始動入賞口ユニット4の評価点の合計点は、「9点」であるので、該始動入賞口ユニット4は、テーパピン311による位置決め孔に適正があるといえる。
【0484】
アタッカーユニット5は、「重さ」の評価項目では「重い」ので「2点」であり、「突起数」の評価項目では「多い(4)」ので「2点」であり、「メッキ有無」の評価項目では「有り」なので「2点」であり、「基部の透明度」の評価項目では「非透明」なので「0点」であり、「遊技領域内外」の評価項目では「内」なので「1点」であり、「遊技影響度」の評価項目では「大」なので「1点」であり、「球通過量」の評価項目では「多い」ので「1点」であり、「部品単価」の評価項目では「高価」なので「0点」であり、「共通部品」の評価項目では「非共通」なので「1点」であり、「搬送距離」の評価項目では「長い」ので「0点」である。従って、アタッカーユニット5の評価点の合計点は、「10点」であるので、該アタッカーユニット5は、テーパピン311による位置決め孔に適正があるといえる。
【0485】
また、アタッカーユニット5は、遊技盤13に載置する各部品の中で、アタッカーユニット載置工程(S206)によりアタッカーユニット5を最初に載置するように構成されている。これは、アタッカーユニット5の周辺には、左右に一般入賞口ユニット3が隣接して配設され、また、上方には始動入賞口ユニット4が隣接して配設されており、仮に、上記部品3,4をアタッカーユニット5より先に載置した場合には、上記部品3,4に挟み込まれた空間にアタッカーユニット5を載置しなければならず、該アタッカーユニット5を載置する際に上記部品3,4と接触するおそれがある。具体的には、例えば、左右の一般入賞口ユニット3を先に載置した後にアタッカーユニット5を載置する場合、左右の一般入賞口ユニット3に挟み込まれた空間にアタッカーユニット5を載置する段階で、いずれかの一般入賞口ユニット3とアタッカーユニット5とが接触して、各部品が破損してしまうおそれがある。
【0486】
ここで、アタッカーユニット5に隣接して一般入賞口ユニット3を配設するため、アタッカーユニット5がアタッカー位置決め孔622~625に確実に挿入されていないと、その後に遊技盤13に載置する一般入賞口ユニット3が遊技盤13に適切に載置されないおそれがある。従って、アタッカーユニット5を、隣接する部品3,4より先に遊技盤13に載置すると共に、アタッカー位置決め孔622~625をテーパピン311で穿設形成して、アタッカー突起(図示せず)を確実にアタッカー位置決め孔622~625に挿入させておくことで、部品3~5が破損してしまうことを未然に防止すると共に、一般入賞口ユニット3、始動入賞口ユニット4及びアタッカーユニット5を確実に遊技盤13へ載置することができる。
【0487】
次に、
図34を参照して、ハイブリッドピン321による位置決め孔が適正である部品について説明する。
図34は、ハイブリッドピン321を使用して位置決め孔を穿設形成する部品の一覧表である。第1実施形態のパチンコ機10では、ハイブリッドピン321による位置決め孔が適正な部品として、盤面サイド飾り8と、スルーゲート7と、戻り球防止部材68と、が選択されている。
【0488】
盤面サイド飾り8は、「重さ」の評価項目では「軽い」ので「0点」であり、「突起数」の評価項目では「少ない(2)」ので「0点」であり、「メッキ有無」の評価項目では「有り」なので「2点」であり、「基部の透明度」の評価項目では「非透明」なので「0点」であり、「遊技領域内外」の評価項目では「内」なので「1点」であり、「遊技影響度」の評価項目では「小」なので「0点」であり、「球通過量」の評価項目では「少ない」ので「0点」であり、「部品単価」の評価項目では「安価」なので「1点」であり、「共通部品」の評価項目では「非共通」なので「1点」であり、「搬送距離」の評価項目では「長い」ので「0点」である。従って、盤面サイド飾り8の評価点の合計点は、「5点」であるので、該盤面サイド飾り8は、ハイブリッドピン321による位置決め孔に適正があるといえる。
【0489】
スルーゲート7は、「重さ」の評価項目では「軽い」ので「0点」であり、「突起数」の評価項目では「少ない(2)」ので「0点」であり、「メッキ有無」の評価項目では「無し」なので「0点」であり、「基部の透明度」の評価項目では「透明」なので「2点」であり、「遊技領域内外」の評価項目では「内」なので「1点」であり、「遊技影響度」の評価項目では「大」なので「1点」であり、「球通過量」の評価項目では「多い」ので「1点」であり、「部品単価」の評価項目では「安価」なので「1点」であり、「共通部品」の評価項目では「非共通」なので「1点」であり、「搬送距離」の評価項目では「短い」ので「1点」である。従って、スルーゲート7の評価点の合計点は、「8点」であるので、該スルーゲート7は、ハイブリッドピン321による位置決め孔に適正があるといえる。
【0490】
戻り球防止部材68は、「重さ」の評価項目では「軽い」ので「0点」であり、「突起数」の評価項目では「少ない(2)」ので「0点」であり、「メッキ有無」の評価項目では「無し」なので「0点」であり、「基部の透明度」の評価項目では「透明」なので「2点」であり、「遊技領域内外」の評価項目では「内」なので「1点」であり、「遊技影響度」の評価項目では「小」なので「0点」であり、「球通過量」の評価項目では「多い」ので「1点」であり、「部品単価」の評価項目では「安価」なので「1点」であり、「共通部品」の評価項目では「共通」なので「0点」であり、「搬送距離」の評価項目では「短い」ので「1点」である。従って、戻り球防止部材68の評価点の合計点は、「6点」であるので、該戻り球防止部材68は、ハイブリッドピン321による位置決め孔に適正があるといえる。
【0491】
以上説明した通り、第1実施形態のパチンコ機10によれば、ハイブリッドピン321により形成された位置決め孔(例えば、スルー位置決め孔627)によって、ハイブリッドテーパ部324bによって穿設形成されるテーパ部(例えば、スルーテーパ部627b)により、部品側の突起を位置決め孔の孔内に挿入させ易く(突起挿入許容機能を維持)しつつ、ハイブリッドストレート部324aによって穿設形成されるストレート部(例えば、スルーストレート部627a)により、位置決め孔の孔内に嵌入された部品側の突起を仮保持させる(突起保持機能を維持する)ことができる。
【0492】
従来、ストレートピン301により形成された位置決め孔(例えば、主表示位置決め孔610)は、部品側の突起(例えば、主表示突起87k)の直径よりもやや小さく形成されているため、遊技盤表面製造工程(
図10のS200参照)における第1搬送工程(S206~S211)又は第2搬送工程(S213~S216)において、作業員が部品を遊技盤13に対して載置し、部品側の突起を位置決め孔に嵌め込もうとした場合に、突起の直径が位置決め孔の孔径より大きい影響で、突起が位置決め孔に対してしっかり嵌め込まれずに搬送されるおそれがある。特に、突起にメッキ処理が施されてメッキ層を有する部品(例えば、盤面サイド飾り8のサイド突起)は、メッキ層の厚み分、突起全体の径が大きくなっているため、メッキ層を有する突起を位置決め孔に嵌め込もうとした場合に、上述した問題が生じやすくなる。
【0493】
また、テーパピン311により形成された位置決め孔(例えば、始動位置決め孔621)は、ベース板60の個体差(板厚や硬さ)の影響で、位置決め孔の孔径が変化(大又は小)し、孔形状の大きさに製造ムラが生じてしまう場合がある。特に、孔形状の大きさが大きく形成された場合は、部品側の突起を位置決め孔に挿入させ易くなる(突起挿入許容機能が向上する)が、ベース板60の弾性力によって部品側の突起を仮保持する力(突起保持機能)が減少して、遊技盤13の搬送工程等で部品側の突起が位置決め孔から飛び出してしまうおそれがある。
【0494】
これに対し、ハイブリッドストレート部324aにより形成されるストレート部は、上述したように、製造ムラが生じ難いため、常に一定程度の突起保持機能を有することができる。また、ハイブリッドテーパ部324bにより形成されるテーパ部は、上述したように、製造ムラが生じ得るもの、部品側の突起の直径より大きな径が形成され得るため、常に一定の突起挿入許容機能を有することができる。従って、ハイブリッドピン321により形成された位置決め孔は、ストレートピン301による位置決め孔のデメリットと、テーパピン311による位置決め孔のデメリットとをそれぞれ解消し、部品側の突起の「突起保持機能」と「突起挿入許容機能」とを兼ね備えた形状となっている。
【0495】
また、第1実施形態のパチンコ機10では、ハイブリッドピン321によってベース板60及びセルシート60aにスルー位置決め孔627を穿設形成した場合、スルー位置決め孔627の孔縁には、ハイブリッドストレート部324aに対応する位置にハイブリッドストレート剥離部60dが形成されると共に、ハイブリッドテーパ部324bに対応する位置にハイブリッドテーパ剥離部60eが形成されるが、これらの剥離部60d,60eは、ストレートピン301により形成されるストレート剥離部60bより小さい。よって、ストレート剥離部60bよりはパチンコ機10の装飾性を低下させない。
【0496】
さらに、ハイブリッドストレート剥離部60d及びハイブリッドテーパ剥離部60eは、ストレート剥離部60bより小さいので、部品を遊技盤13に対してビス止め固定する場合において、部品を遊技盤13に載置したとき、該部品の基部は遊技盤13表面にほぼ接した状態で載置される。そして、その状態で部品をビス止め固定することで、部品の固定位置がほぼ設計値通りに設置でき、部品の設置誤差を生じ難くすることができる。
【0497】
また、第1実施形態のパチンコ機10では、部品ごとの要素(特性)を評価し、その評価結果に基づいて、ストレートピン301、テーパピン311又はハイブリッドピン321の中から最適なピン301,311,321を選択して、該部品の突起用の位置決め孔を穿設することで、遊技盤13の製造工程でのエラーの発生を未然に防止し、遊技盤13に対して部品を取り付ける場合の利便性を向上することができる。
【0498】
特に、部品ごとの要素を、重大(修正不可)なエラーを発生する要因となり易い要素と経度(修正可能)なエラーを発生する要因となり易い要素とを識別し、それらの要素ごとに評価に軽重を付けて判断することで、より適正が高い位置決め孔を判断し易くすることができる。
【0499】
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、製造ライン400で搬送される遊技盤13において、遊技盤13の搬送方向と、ハイブリッドストレート部324aにより穿設形成される位置決め孔の孔辺とが直角となるように、ハイブリッドピン321による位置決め孔が穿設されるように構成されている(
図24(a)参照)。即ち、ハイブリッドピン321により穿設形成される位置決め孔のうち、ハイブリッドストレート部324aにより穿設されるストレート部(例えば、スルーストレート部627a)が、遊技盤13の搬送方向と直角(例えば、遊技盤13が正面視左側を先頭に搬送される場合に、スルーストレート部627aが遊技盤13の正面視縦方向と平行)となるように構成されている。
【0500】
製造ライン400において遊技盤13を搬送する場合、部品を載置する第1搬送工程等の各製造工程では、搬送中の遊技盤13を停止させ、各製造工程における作業を終えた後、再び遊技盤13の搬送を開始しており、遊技盤13を停止する都度、又は、遊技盤13を搬送開始する都度、遊技盤13に載置されている部品に慣性力が与えられる。慣性力が与えられた部品は、その衝撃の影響で、位置決め用の突起が遊技盤13の位置決め孔から飛び出してしまい、部品の位置が載置された位置とズレてしまうおそれがある。
【0501】
そこで、ハイブリッドピン321により穿設形成される位置決め孔のうち、ハイブリッドストレート部324aにより形成されるストレート部が遊技盤13の搬送方向と直角(例えば、遊技盤13が正面視左側を先頭に搬送される場合に、スルーストレート部627aが遊技盤13の正面視縦方向と平行)となるように構成することで、部品に対して慣性力が与えられた場合でも、部品の突起がストレート部により形成される位置決め孔の孔縁(角部)に引っ掛かり、部品の突起が位置決め孔から飛び出すことを抑制することができる。
【0502】
また、第1実施形態のパチンコ機10では、第1搬送工程及び第2搬送工程において、該遊技盤13の正面視下部13lが製造ライン400の搬送方向左側(ライン外)になるように搬送ユニット403に載せられて搬送される。即ち、搬送方向左側(ライン外)にいる作業員が遊技盤13を正視することができ、搬送方向右側(ライン内)にいる作業員は、遊技盤13を逆方向(正面視上方側)から見ることとなる。製造ライン400では、第1搬送工程において載置する部品数は、搬送方向左側と搬送方向右側とで同数であるが、後述する第2搬送工程では、搬送方向左側で載置する部品数は3つ、搬送方向右側で載置する部品数は1つであり、遊技盤13を正面視できる側で載置する部品数が搬送方向右側で載置する部品数より多く設定されている。従って、搬送方向左側、即ち、遊技盤13を正面視できる側で作業する作業者が、遊技盤13を正視して部品を載置する作業し易くすることで、遊技盤13に対して部品を取り付ける場合の利便性を向上させることができる。
【0503】
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、第1ビス止め工程(S212)において、アタッカーユニット5にはビスを螺入して仮固定しない。これは、上述したように、アタッカーユニット5の近傍には、左右の一般入賞口ユニット3や始動入賞口ユニット4が配設されるが、これらの部品3,4は、第2搬送工程(S213~S216)において遊技盤13に載置されることから、これらの部品3,4を遊技盤13に載置させ易くするためである。具体的には、例えば、仮にアタッカーユニット5を第1ビス止め工程において仮固定した場合に、アタッカーユニット5に後述する「部品固定時の位置ズレ」エラーが発生していたとき、遊技盤13に対するアタッカーユニット5の固定位置が設計値とズレてしまい、そのズレにより隣接に配設される一般入賞口ユニット3や始動入賞口ユニット4にアタッカーユニット5の一部が接触してしまい、該部品3,4を遊技盤13に対して取り付けれないおそれがある。従って、第1ビス止め工程では、アタッカーユニット5はビスにより仮固定せず、後の第2搬送工程により各部品3,4が載置され、遊技盤13にすべてに部品が正常に載置された後、第2ビス止め工程(S217)においてすべての部品を遊技盤13にビス止め固定することで、スムースに遊技盤13への部品の載置を行わせることができ、遊技盤13に対して部品を取り付ける場合の利便性を向上することができる。
【0504】
また、第1実施形態のパチンコ機10では、戻り球防止部材68、右側コーナー飾り70、左上コーナー飾り71及び主表示ユニット87は、共通部品であるので、機種ごとに載置位置や載置順序を変化する必要がない。従って、遊技盤13の製造工程において、機種ごとに製造順序や製造ラインを変更することなく、これら共通の部品68,70,71,87を先にビス止めして仮固定することで、共通部品の載置位置がズレてまうことを防止することができるので、遊技盤13に対して部品を取り付ける場合の利便性を向上することができる。
【0505】
<第2実施形態>
次いで、
図35及び
図36を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、1の部品(例えば、始動入賞口ユニット4)の複数の突起(例えば、始動突起4i,4j)は、同一の形状で構成されており、例えば、部品全体にメッキ処理が施されていた場合は、その複数の突起に対しても同一のメッキ処理が施され、該複数の突起は同一の構成となっている。従って、それらの突起に対応する位置決め孔(例えば、始動位置決め孔620,621)も同一のピン(例えば、テーパピン311)により穿設形成されている。
【0506】
これに対し、第2実施形態のパチンコ機10では、始動入賞口ユニット4を、該始動入賞口ユニット4の一方側(正面視右側)にメッキ処理を施す一方、該始動入賞口ユニット4の他方側(正面視左側)にメッキ処理を施さないように構成することで、メッキ層4e3の有無により始動突起4i1,4jの厚みも異なるように構成されている。また、始動基部4eにおいて、メッキ処理を施している部分と施していない部分とで、該始動基部4eの裏面側が視認可能か否かが異なるように構成されている。従って、それらの突起4i1,4jに対応する位置決め孔620a,621も、各突起4i1,4jの特性に応じて適正があるピン311,321によって穿設形成するように構成されている。このように構成することで、1の部品において異なる特性の突起があった場合であっても、その突起の特性に応じて適正があるピンにより位置決め孔を穿設形成し、遊技盤13の製造工程において、各突起がそれぞれ位置決め孔から飛び出し難くし、遊技盤13に対して部品を取り付ける場合の利便性を向上することができる。
【0507】
以下、第2実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
【0508】
図35は、第2実施形態におけるパチンコ機10の始動入賞口ユニット4の構成について説明する。
図35(a)は、第2実施形態の始動入賞口ユニット4の正面図であり、
図35(b)は、
図35(a)のVb線方向から見た第2実施形態の始動入賞口ユニット4の上面図であり、
図35(c)は、
図35(a)のXXXVc-XXXVc線における断面図であり、
図35(d)は、
図35(c)の拡大断面図であり、
図35(e)は、
図35(a)のXXXVe―XXXVe線における断面図であり、
図35(f)は、
図35(e)の拡大断面図である。
【0509】
第2実施形態における始動入賞口ユニット4において、第1実施形態と相違する点は、始動入賞口ユニット4の正面視右側においてメッキ処理が施され、始動入賞口ユニット4の正面視左側においてはメッキ処理が施されていない点である。その他の構成については、第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
【0510】
第2実施形態の始動入賞口ユニット4は、始動基部4e全体は、半透明のABS樹脂により構成されており、該始動基部4eの正面視左側には、メッキ処理(第2実施形態では、銀メッキ)が施されたメッキ層4e3(
図35(d)参照)を有している。従って、始動基部4eの正面視右側の部分ではその裏面側(セルシート60a)が視認不能に構成されている。
【0511】
一方、始動基部4eの正面視左側には、メッキ処理が施されておらずメッキ層を有していない(
図35(e)参照)。従って、始動基部4eの正面視左側の部分ではその裏面側(セルシート60a)が視認可能に構成されている。
【0512】
また、
図35(b)で示すように、始動入賞口ユニット4には、始動基部4eの背面側(ベース板60と接する側)に複数(第2実施形態では、2つ)の始動突起4i1,4jが設けられている。この始動突起4i1,4jは、左側の始動突起4i1が始動ビス挿入孔4gの正面視下部近傍(例えば、始動ビス挿入孔4gから5ミリメートル下方の距離)に、右側の始動突起4jが始動ビス挿入孔4hの正面視上方近傍(例えば、始動ビス挿入孔4hから5ミリメートル上方の距離)に設けられている。
【0513】
また、左側の始動突起4i1は、始動基部4eから背面側に、長さ2.00mm、直径φ2.4mmで形成されている。一方、右側の始動突起4jは、左側の始動突起4i1よりメッキ層4e3の厚み分、突出量が異なっており、始動基部4eから背面側に、長さ2.05mm、直径φ2.5mmで形成されている。
【0514】
この始動突起4i1,4jは、始動入賞口ユニット4を遊技盤13にビス止めする場合において、該始動突起4i1,4jを遊技盤13に形成された始動位置決め孔620a(図示せず)及び始動位置決め孔621にそれぞれ挿入させて、ビス止め前の始動入賞口ユニット4を遊技盤13に仮保持させるためのものである。この始動突起4i1,4jが始動位置決め孔620a,621にそれぞれ挿入されることによって、ビス止め前の始動入賞口ユニット4が遊技盤13からズレないように仮保持される。
【0515】
上述したように、始動基部4eの右側にはメッキ処理が施され、メッキ層4e3を有しているため、そのメッキ層4e3分の厚みが加わって始動基部4eの右側の厚みを構成している。即ち、始動基部4eを構成するABS樹脂の厚みに対してメッキ層4e3の厚みが加わって始動基部4eの右側の厚みが構成される。従って、右側の始動基部4eに設けられた始動突起4jにもメッキ処理が施されてメッキ層4e3を有している。このため、始動突起4jの長さは、ABS樹脂により構成される長さに対してメッキ層4e3分の厚みを加えて、2mm(ABS樹脂分の長さ)+0.05mm(メッキ層4e3分)=2.05mmで構成される。また、始動突起4jの直径は、2.4mm(ABS樹脂分の直径)+0.05mm×2(メッキ層4e3分)=2.5mmで構成される。
【0516】
一方、始動基部4eの左側にはメッキ処理が施されておらず、メッキ層4e3を有していないため、メッキ層4e3分の厚みがなく始動基部4eの左側の厚みを構成している。即ち、始動基部4eを構成するABS樹脂の厚みのまま該始動基部4eの左側の厚みが構成される。従って、始動突起4i1の長さは、ABS樹脂により構成される厚み(長さ)のみであり、2mm(ABS樹脂分の長さ)で構成される。また、始動突起4i1の直径は、2.4mm(ABS樹脂分の直径)で構成される。よって、始動突起4jは、メッキ処理が施されていない始動突起4i1より、長さで0.05mm、直径で0.1mmほど厚く構成される。
【0517】
ここで、
図36を参照して、始動突起4jと始動突起4i1とにそれぞれ適正な位置決め孔620a,621がどのような形状であって、該位置決め孔620a,621を穿設形成するためにいずれのピン301,311,321が適正か否かを、始動入賞口ユニット4の左側と右側とで個別に評価する。
図36は、第2実施形態における始動入賞口ユニットのピン適正を示した表である。
【0518】
図36で示すように、始動入賞口ユニット4の右側は、第1実施形態の始動入賞口ユニット4と同等の構成であるので、「重さ」の評価項目では「重い」ので「2点」であり、「突起数」の評価項目では「少ない(1)」ので「0点」であり、「メッキ有無」の評価項目では「有り」なので「2点」であり、「基部の透明度」の評価項目では「非透明」なので「0点」であり、「遊技領域内外」の評価項目では「内」なので「1点」であり、「遊技影響度」の評価項目では「大」なので「1点」であり、「球通過量」の評価項目では「多い」ので「1点」であり、「部品単価」の評価項目では「高価」なので「0点」であり、「共通部品」の評価項目では「非共通」なので「1点」であり、「搬送距離」の評価項目では「短い」ので「1点」である。従って、始動入賞口ユニット4の右側の評価点の合計点は、「9点」であるので、該始動入賞口ユニット4の右側は、テーパピン311による位置決め孔に適正があるといえる。
【0519】
一方、始動入賞口ユニット4の左側は、「重さ」の評価項目では「重い」ので「2点」であり、「突起数」の評価項目では「少ない(1)」ので「0点」であり、「メッキ有無」の評価項目では「無し」なので「0点」であり、「基部の透明度」の評価項目では「半透明」なので「1点」であり、「遊技領域内外」の評価項目では「内」なので「1点」であり、「遊技影響度」の評価項目では「大」なので「1点」であり、「球通過量」の評価項目では「多い」ので「1点」であり、「部品単価」の評価項目では「高価」なので「0点」であり、「共通部品」の評価項目では「非共通」なので「1点」であり、「搬送距離」の評価項目では「短い」ので「1点」である。従って、始動入賞口ユニット4の左側の評価点の合計点は、「8点」であるので、該始動入賞口ユニット4の左側は、ハイブリッドピン321による位置決め孔に適正があるといえる。
【0520】
よって、第2実施形態の始動入賞口ユニット4において、正面視右側のメッキ処理が施されている始動突起4jに対応する始動位置決め孔621を穿設形成する場合に、テーパピン311によって該始動位置決め孔621を穿設形成する。一方、正面視左側のメッキ処理が施されていない始動突起4i1に対応する始動位置決め孔620aを穿設形成する場合に、ハイブリッドピン321によって該始動位置決め孔620aを穿設形成する。
【0521】
即ち、メッキ層を有する突起に対しては、そのメッキ層分の厚みが増した分、「突起挿入許容機能」が高いテーパピン311による位置決め孔によって、メッキ層を有する突起を挿入及び仮保持するように構成する。一方、メッキ層を有さない突起に対しては、「突起保持機能」と「突起挿入許容機能」とを兼ね備えたハイブリッドピン321による位置決め孔によって、メッキ層を有さない突起を挿入及び仮保持するように構成する。
【0522】
このように構成することで、1の始動入賞口ユニット4において異なる特性(メッキ処理の有無)の始動突起4i1と始動突起4jとがあった場合であっても、その始動突起4i1及び始動突起4jの特性(メッキ処理の有無)に応じて適正があるピン311,321により始動位置決め孔620a,621を穿設形成し、遊技盤13の製造工程において、各始動突起4i1,4jがそれぞれ始動位置決め孔620a,621から飛び出し難くし、遊技盤13に対して部品を取り付ける場合の利便性を向上することができる。
【0523】
以上説明した通り、第2実施形態のパチンコ機10によれば、1の部品において異なる特性の突起があった場合であっても、その突起の特性に応じて適正があるピンにより位置決め孔を穿設形成し、遊技盤13の製造工程において、各突起がそれぞれ位置決め孔から飛び出し難くし、遊技盤13に対して部品を取り付ける場合の利便性を向上することができる。
【0524】
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10では、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成によって、第1実施形態におけるパチンコ機10で奏する効果と同一の効果を奏する。
【0525】
<第3実施形態>
次いで、
図37及び
図38を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、1の部品(例えば、センターフレーム86)の複数の突起(例えば、センター突起(図示せず))は、同一の形状で構成されていた。例えば、部品全体にメッキ処理が施されていた場合は、その複数の突起に対しても同一のメッキ処理が施され、該複数の突起は同一の構成となっている。従って、部位ごとに部品の特性(例えば、球通過量)が異なっていても、部品全体での評価のみを行い、その評価に基づいて、上記突起に対応する位置決め孔(例えば、センター位置決め孔613~619)も同一のピン(例えば、テーパピン311)により穿設形成されている。
【0526】
これに対し、第3実施形態のパチンコ機10では、第1実施形態のセンターフレーム86とは異なる形状の第2センターフレーム88の部位ごとに特性を判断する。具体的には、該第2センターフレーム88の一方側(正面視左側)を「球通過量」が「多い」部位と判断する一方、該第2センターフレーム88の他方側(正面視右側)を「球通過量」が「少ない」と判断する。そして、その判断結果によって適正があるピンを選択し、そのピンによってそれらの部位に対応する突起(図示せず)に対応する位置決め孔(図示せず)を穿設形成するように構成されている。このように構成することで、1の部品において異なる特性の部位があった場合であっても、その部位の特性に応じて、該部位に設けられた突起に対して適正があるピンにより位置決め孔を穿設形成し、遊技盤13の製造工程において、各突起がそれぞれ位置決め孔から飛び出し難くし、遊技盤13に対して部品を取り付ける場合の生産性を向上することができる。
【0527】
なお、第3実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態及び第2実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態及び第2実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
【0528】
図37は、第3実施形態の第2センターフレーム88の正面図である。第3実施形態の第2センターフレーム88は、第1実施形態のセンターフレーム86と同様、特別図柄表示装置81の外周と取り囲むようにして配設されている。また、第2センターフレーム88は、ABS樹脂により構成されており、その表面全体にはメッキ処理(第3実施形態では、銀メッキ)が施されている。なお、第2センターフレーム88には、上述したようにメッキ処理が施されているため、該第2センターフレーム88の正面視ではその裏面側(セルシート60a)が視認不能に構成されている。
【0529】
また、第2センターフレーム88には、第2センター基部88aから前方に球の直径よりやや大きい程度の厚み(例えば、15mm)を有する立体形状の第2外形部88bが設けられている。第3実施形態のパチンコ機10では、第2センターフレーム88が遊技領域のほぼ中央部に配設され、該第2センターフレーム88の頂部(正面視上部。センタービス挿入孔88c近傍(例えば、センタービス挿入孔88cから10ミリメートルの距離)。)が設けられている。
【0530】
この頂部より球が流下する遊技領域が区画されており、例えば、第2センターフレーム88の左側に接触した球は、第2センターフレーム88の左側の遊技領域を流下する一方、頂部より第2センターフレーム88の右側に接触した球は、第2センターフレーム88の右側の遊技領域を流下するように構成されている。なお、第3実施形態の場合、第2センターフレーム88の頂部は、該第2センターフレーム88の中央から少し右側にズレた位置に設けられている。
【0531】
即ち、球発射ユニット112aによって遊技領域に打ち出された球は、第2センターフレーム88の頂部より左側に衝突した場合は、該第2センターフレーム88の左側の遊技領域を流下することとなる(所謂、左打ち)。また、第2センターフレーム88の頂部を超えて第2センターフレーム88の右側まで到達した場合は、該第2センターフレーム88の右側の遊技領域を流下することとなる(所謂、右打ち)。
【0532】
第3実施形態のパチンコ機10では、遊技者は、通常の遊技状態では、第2センターフレーム88の頂部の左側を球が流下するように球発射ユニット112aにより球を発射し、通常の遊技状態と異なる大当たり等の遊技状態(例えば、大当たり状態、確率変動状態又は時間短縮状態)では、第2センターフレーム88の頂部の右側を球が流下するように球発射ユニット112aにより球を発射する。
【0533】
これは、パチンコ機10の通常の遊技状態では、第2センターフレーム88の左側を流下した球が第1始動入賞口(図示せず)に入り易く、第2センターフレーム88の右側を流下した球が第1始動入賞口及び第2始動入賞口(図示せず)に入り難いように構成されているためである。また、パチンコ機10の大当たり状態では、第2センターフレーム88の右側を流下した球が大入賞口5a又は第2始動入賞口に入り易く、第2センターフレーム88の左側を流下した球が大入賞口5a又は第2始動入賞口に入り難いように構成されているためである。
【0534】
従って、第3実施形態のパチンコ機10では、一般的に、大当たり等の特別な遊技状態より通常の遊技状態の時間が多いので、第2センターフレーム88の左側を通過する球の量が多く、第2センターフレーム88の右側を通過する球の量が少ないといえる。
【0535】
この第2センターフレーム88は、正面視において、第2センター基部88aの周囲8箇所にセンタービス挿入孔88c~88jが設けられている(
図37参照)。このセンタービス挿入孔88c~88jには、それぞれビスが螺入可能に構成されており、第2センターフレーム88を遊技盤13に載置した状態で、該センタービス挿入孔88c~88jに対してそれぞれビスを螺入させることで、第2センターフレーム88が遊技盤13に固定される。
【0536】
また、第2センターフレーム88には、第2センター基部88aの背面側(ベース板60と接する側)に複数(第3実施形態では、8つ)のセンター突起(図示せず)が設けられている。このセンター突起は、センタービス挿入孔88c~88jの近傍(例えば、センタービス挿入孔88c~88jから5ミリメートルの距離)にそれぞれ設けられ、第2センター基部88aの背面側から僅かに突出(第3実施形態では、長さ2.05mm、直径φ2.5mm)して形成されている。
【0537】
このセンター突起は、第2センターフレーム88を遊技盤13にビス止めする場合において、該センター突起を遊技盤13に形成された後述するセンター位置決め孔(図示せず)にそれぞれ挿入させて、ビス止め前の第2センターフレーム88を遊技盤13に仮保持させるためのものである。このセンター突起がセンター位置決め孔にそれぞれ挿入されることによって、ビス止め前の第2センターフレーム88が遊技盤13からズレないように仮保持される。
【0538】
上述したように、第2センター基部88a全体にメッキ処理が施され、メッキ層(図示せず)を有しているため、そのメッキ層分の厚みが加わって第2センター基部88a全体の厚みを構成している。即ち、第2センター基部88aを構成するABS樹脂の厚みに対してメッキ層の厚みが加わって第2センター基部88a全体の厚みが構成される。従って、第2センター基部88aに設けられたセンター突起(図示せず)にもメッキ処理が施されてメッキ層を有している。このため、センター突起の長さは、ABS樹脂により構成される厚み(長さ)に対してメッキ層分の厚みを加えて、2mm(ABS樹脂分の長さ)+0.05mm(メッキ層分)=2.05mmで構成される。また、センター突起の直径は、2.4mm(ABS樹脂分の直径)+0.05mm×2(メッキ層分)=2.5mmで構成される。
【0539】
ここで、
図38を参照して、第2センターフレーム88において、「球通過量」が「多い」左側の部位と、「球通過量」が「少ない」右側の部位と、にそれぞれ適正な位置決め孔がどのような形状であって、該位置決め孔を穿設形成するためにいずれのピン301,311,321が適正か否かを、第2センターフレーム88の左側と右側とで個別に評価する。
図38は、第3実施形態における第2センターフレーム88のピン適正を示した表である。なお、第2センターフレーム88において、左側の部位として、「球通過量」が「多い」センタービス挿入孔88c~88gの5つのビス挿入孔が設けられた部位を対象とし、右側の部位として、「球通過量」が「少ない」センタービス挿入孔88h~88jの3つのビス挿入孔が設けられた部位を対象とする。
【0540】
図38で示すように、第2センターフレーム88の左側の部位は、「重さ」の評価項目では「重い」ので「2点」であり、「突起数」の評価項目では「多い(5)」ので「2点」であり、「メッキ有無」の評価項目では「有り」なので「2点」であり、「基部の透明度」の評価項目では「非透明」なので「0点」であり、「遊技領域内外」の評価項目では「内」なので「1点」であり、「遊技影響度」の評価項目では「大」なので「1点」であり、「球通過量」の評価項目では「多い」ので「1点」であり、「部品単価」の評価項目では「高価」なので「0点」であり、「共通部品」の評価項目では「非共通」なので「1点」であり、「搬送距離」の評価項目では「長い」ので「0点」である。従って、第2センターフレーム88の左側の部位の評価点の合計点は、「10点」であるので、該第2センターフレーム88の左側の部位は、テーパピン311による位置決め孔に適正があるといえる。
【0541】
一方、第2センターフレーム88の右側の部位は、「重さ」の評価項目では「重い」ので「2点」であり、「突起数」の評価項目では「少ない(3)」ので「0点」であり、「メッキ有無」の評価項目では「有り」なので「2点」であり、「基部の透明度」の評価項目では「非透明」なので「0点」であり、「遊技領域内外」の評価項目では「内」なので「1点」であり、「遊技影響度」の評価項目では「大」なので「1点」であり、「球通過量」の評価項目では「少ない」ので「0点」であり、「部品単価」の評価項目では「高価」なので「0点」であり、「共通部品」の評価項目では「非共通」なので「1点」であり、「搬送距離」の評価項目では「長い」ので「0点」である。従って、第2センターフレーム88の右側の部位の評価点の合計点は、「7点」であるので、該第2センターフレーム88の右側の部位は、ハイブリッドピン321による位置決め孔に適正があるといえる。
【0542】
よって、第3実施形態の第2センターフレーム88において、「球通過量」が「多い」部位である左側の5つのセンター突起に対応するセンター位置決め孔(図示せず)を穿設形成する場合に、テーパピン311によって該センター位置決め孔を穿設形成し、「球通過量」が「少ない」部位である右側の3つのセンター突起に対応するセンター位置決め孔を穿設形成する場合に、ハイブリッドピン321によって該センター位置決め孔を穿設形成する。
【0543】
即ち、「球通過量」が「多い」部位の突起に対しては、「球通過量」の多さを考慮して、「突起挿入許容機能」が高いテーパピン311による位置決め孔によって、「球通過量」が「多い」部位の突起を挿入及び仮保持するように構成する。一方、「球通過量」が「少ない」部位の突起に対しては、「球通過量」の少なさを考慮して、「突起保持機能」と「突起挿入許容機能」とを兼ね備えたハイブリッドピン321による位置決め孔によって、「球通過量」が「少ない」部位の突起を挿入及び仮保持するように構成する。
【0544】
このように構成することで、1の第2センターフレーム88において異なる特性(「球通過量」)の部位があった場合であっても、その特性に応じて適正があるピン311,321によりセンター位置決め孔を穿設形成し、遊技盤13の製造工程において、各センター突起がそれぞれセンター位置決め孔から飛び出し難くし、遊技盤13に対して部品を取り付ける場合の生産性を向上することができる。
【0545】
以上説明した通り、第3実施形態のパチンコ機10によれば、1の部品において異なる特性の部位があった場合であっても、その部位の特性に応じて、該部位に設けられた突起に対して適正があるピンにより位置決め孔を穿設形成し、遊技盤13の製造工程において、各突起がそれぞれ位置決め孔から飛び出し難くし、遊技盤13に対して部品を取り付ける場合の生産性を向上することができる。
【0546】
その他、第3実施形態におけるパチンコ機10では、第1実施形態又は第2実施形態のいずれかにおけるパチンコ機10と同一の構成によって、対応する実施形態におけるパチンコ機10で奏する効果と同一の効果を奏する。
【0547】
<第4実施形態>
次いで、
図39を参照して、第4実施形態について説明する。なお、第4実施形態について、第1実施形態と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
【0548】
第1実施形態では、位置決め孔601~629を穿設形成する場合に、ストレートピン301、テーパピン311,ハイブリッドピン321を用いて遊技盤13に部品ごとに選定された位置決め孔601~629を穿設形成している。ハイブリッドピン321により位置決め孔を穿設形成した場合には、ストレートピン301により位置決め孔を穿設形成した場合に比べて、小さいハイブリッドテーパ剥離部60e及びハイブリッドストレート剥離部60dが形成される。このハイブリッドテーパ剥離部60e及びハイブリッドストレート剥離部60dは、ストレートピン301によるストレート剥離部60bよりは剥離部分の大きさが小さいものの、テーパピン311によるテーパ剥離部60cよりは剥離部分の大きさが大きく形成される。このハイブリッドテーパ剥離部60e及びハイブリッドストレート剥離部60dにより、ストレート剥離部60bほどではないものの、パチンコ機10の装飾性を低下させてしまったり、剥離部分の厚みにより部品の設置誤差を生じさせるおそれがある。
【0549】
これに対し、第4実施形態では、改造ハイブリッドピン331の改造ハイブリッドストレート部334aに、改造ハイブリッド第2テーパ部334cを形成し、該改造ハイブリッドピン331により位置決め孔を穿設することで、セルシート60aの剥離を抑制し、パチンコ機10の装飾性が低下してしまうことを未然に防止し、剥離部分の厚みによる部品の設置誤差を生じ難くすることができる。
【0550】
以下、第4実施形態について、第1実施形態乃至第3実施形態と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
【0551】
図39は、第4実施形態における遊技盤基部に位置決め孔を形成するための改造ハイブリッドピン331の構成を示す図であり、
図39(a)は、該改造ハイブリッドピン331の正面図であり、
図39(b)は、該改造ハイブリッドピン331の側面図であり、
図39(c)は、該改造ハイブリッドピン331の底面図である。第4実施形態における改造ハイブリッドピン331の構成において、第1実施形態乃至第3実施形態のハイブリッドピン321と相違する点は、改造ハイブリッドストレート部334aの改造ハイブリッド鍔部333側に改造ハイブリッド第2テーパ部334cが設けられている点である。
【0552】
この改造ハイブリッドピン331は、ストレートピン301、テーパピン311及びハイブリッドピン321と同様、位置決め孔穿設機410のプレス板411(
図11参照)に取り付けられて使用されることで、遊技盤13に各位置決め孔(図示せず)が穿設形成される。
【0553】
改造ハイブリッドピン331は、ストレートピン301、テーパピン311及びハイブリッドピン321と同様、縦寸法17mmの炭素工具鋼(SK4)よりなり、
図39(a)~
図39(c)で示すように、改造ハイブリッド取付部332、改造ハイブリッド鍔部333、改造ハイブリッド胴部334及び改造ハイブリッド先端部335から構成され、上記各部332~335が連続的に形成された構成となっている。炭素工具鋼(SK4)は、上述したように、遊技盤13を構成するベース板60及びセルシート60aより硬い材料である。このため、当該材料で構成された改造ハイブリッドピン331を位置決め孔穿設機410のプレス板411(
図11参照)に取り付けて、遊技盤13に対してプレス加工することで、ベース板60及びセルシート60aが塑性変形して、該改造ハイブリッドピン331による位置決め孔が穿設形成される。
【0554】
改造ハイブリッド取付部332は、縦寸法5mm、軸径φ2.8mmの円柱形状に形成されている。改造ハイブリッド取付部332の正面視下方には改造ハイブリッド鍔部333が連続的に形成されている。該改造ハイブリッド鍔部333は、縦寸法3mm、軸径φ5mmの円柱形状に形成されており、改造ハイブリッド取付部332よりも改造ハイブリッド鍔部333のほうが大径となっている。この改造ハイブリッド取付部332及び改造ハイブリッド鍔部333を、位置決め孔穿設機410のプレス板411(
図11参照)に設けられた取付孔(図示せず)に嵌め込むことで、改造ハイブリッドピン331がプレス板411に固定される。なお、改造ハイブリッドピン331をプレス板411に取り付ける場合に、改造ハイブリッド鍔部333の下面部とプレス板411の下面とが面一となるように取り付けられる。
【0555】
改造ハイブリッド鍔部333の正面視下方側には、改造ハイブリッド胴部334が連続的に形成され、さらに、該改造ハイブリッド胴部334の正面視下方には、改造ハイブリッド先端部335が連続的に形成されている。該改造ハイブリッド胴部334は、縦寸法6.5mmであり、また、それぞれの軸径の長さが異なる改造ハイブリッドストレート部334a、改造ハイブリッド第1テーパ部334b及び改造ハイブリッド第2テーパ部334cで構成されている。
【0556】
改造ハイブリッドストレート部334aは、改造ハイブリッド先端部335からの距離が0.0mm(即ち、改造ハイブリッド先端部335と改造ハイブリッド胴部334との境界部分)が、軸径φ2.7mmで形成され、そこから改造ハイブリッド鍔部333方向0.8mmの部位で軸径φ2.8mmになるようにテーパ状に漸次大径化する略円柱形状(逆円錐台形状)に形成されている。また、改造ハイブリッドストレート部334aにおいて、改造ハイブリッド先端部335からの距離が0.8mmから3.8mmまでの軸径(短径。一方の改造ハイブリッドストレート部334aから他方の改造ハイブリッドストレート部334aまでの軸を通る距離(幅)をいう。以下、同じ。)がすべて2.8mmで形成されている。よって、改造ハイブリッドストレート部334aは、その側面視において、ストレートピン301のストレート胴部304又はハイブリッドピン321のハイブリッド胴部324の外形と同様に見えるように構成されている。この改造ハイブリッドストレート部334aの正面視上部(改造ハイブリッド鍔部333側)の改造ハイブリッド胴部334には、改造ハイブリッド第2テーパ部334cが形成されている。
【0557】
改造ハイブリッド第2テーパ部334cは、改造ハイブリッド胴部334のうち、改造ハイブリッド先端部335からの距離が3.8mmから6.5mm(即ち、改造ハイブリッド胴部334と改造ハイブリッド鍔部333の境界部)に形成される。この改造ハイブリッド第2テーパ部334cの軸径は、改造ハイブリッド先端部335からの距離が3.8mmの部位で軸径が2.80mmで形成される。そこから改造ハイブリッド第2テーパ部334cの軸径が漸次増加(改造ハイブリッド先端部335からの距離が3.8mmの部位から距離が0.2mm増加する毎に改造ハイブリッド第2テーパ部334cの軸径が0.05mm増加)し、改造ハイブリッド先端部335からの距離が6.5mmの部位で軸径が3.50mmになるようにテーパ状に漸次大径化する略逆円錐台形状に形成されている。
【0558】
改造ハイブリッド第1テーパ部334bは、改造ハイブリッド胴部334の先端側からの距離が0.0mmの部分(即ち、改造ハイブリッド先端部335と改造ハイブリッド胴部334との境界部分)では、改造ハイブリッド第1テーパ部334bの軸径(長径。一方の改造ハイブリッド第1テーパ部334bから他方の改造ハイブリッド第1テーパ部334bまでの軸を通る距離(幅)をいう。以下、同じ。)は2.70mmである。そこから改造ハイブリッド第1テーパ部334bの軸径が漸次増加(改造ハイブリッド先端部335との境界側からの距離が0.2mm増加する毎に改造ハイブリッド第1テーパ部334bの軸径が0.02mm~0.03mm増加)し、改造ハイブリッド胴部334の先端側からの距離が6.5mmの部分(即ち、改造ハイブリッド胴部334と改造ハイブリッド鍔部333との境界部分)では、改造ハイブリッド第1テーパ部334bの軸径は3.50mmで構成されている。よって、改造ハイブリッド第1テーパ部334bは、その側面視において、テーパピン311のテーパ胴部314の外形と同様に見えるように構成されている。
【0559】
よって、改造ハイブリッド胴部334は、その外形が刺し込み方向に向かって略平行に形成された改造ハイブリッドストレート部334aと、その外形が刺し込み方向に向かって径が徐々に小さくなるテーパ状に形成された改造ハイブリッド第1テーパ部334bと、改造ハイブリッドストレート部334aの正面視上部側にその外形が刺し込み方向に向かって径が徐々に小さくなるテーパ状に形成された改造ハイブリッド第2テーパ部334cとから構成されている(
図39(c)参照)。
【0560】
なお、改造ハイブリッドストレート部334aにおける改造ハイブリッド鍔部333からの距離が5.7mmから6.5mmまで(即ち、改造ハイブリッド先端部335からの距離が0.0mmから0.8mmまで)の形状と、改造ハイブリッド第1テーパ部334bにおける改造ハイブリッド鍔部333からの距離が5.7mmから6.5mmまで(即ち、改造ハイブリッド先端部335からの距離が0.0mmから0.8mmまで)の形状とは、同一の略円柱形状(円錐台形状)となっている。これは、改造ハイブリッドピン331により位置決め孔を穿設形成する場合に、改造ハイブリッド先端部335から改造ハイブリッド胴部334をスムースにベース板60及びセルシート60aに刺し込むためである。
【0561】
改造ハイブリッド先端部335は、縦寸法2.5mmであり、軸径は、改造ハイブリッド胴部334の接続部の軸径φ2.7mmから正面視下方側にテーパ状に漸次細径化する逆円錐形状に形成されており、その先端(正面視最下部)は尖鋭形状に形成されている。
【0562】
第4実施形態では、部品用位置決め孔作成工程(
図10のS201参照)において、位置決め孔穿設機410のプレス板411(
図11参照)に上記改造ハイブリッドピン331を取り付け、プレス板411と遊技盤13とを上部プレスユニット412及び下部プレスユニット413(
図11参照)によってプレス加工することで、遊技盤13に改造ハイブリッドピン331による各位置決め孔が穿設される。
【0563】
なお、改造ハイブリッドピン331の改造ハイブリッド胴部334は、ストレートピン301のストレート胴部304及びハイブリッドピン321より容積は大きいが、テーパピン311のテーパ胴部314より容積が小さい。このため、改造ハイブリッドピン331はテーパピン311と比べて遊技盤13に対して位置決め孔が穿設し易い。
【0564】
ここで、改造ハイブリッドピン331により穿設形成される位置決め孔の形状について説明する。上述したように、改造ハイブリッドピン331は、その改造ハイブリッド胴部334のうち、その外形が刺し込み方向に向かって略平行に形成された改造ハイブリッドストレート部334a(
図39参照)と、その外形が刺し込み方向に向かって径が徐々に小さくなるテーパ状に形成された改造ハイブリッド第1テーパ部334b(
図39参照)と、その外形が刺し込み方向に向かって径が徐々に小さくなるテーパ状に形成された改造ハイブリッド第2テーパ部334cとから形成されている。このため、該改造ハイブリッド胴部334により穿設形成される位置決め孔(図示せず)の内部周壁も、該改造ハイブリッド胴部334の外形に沿った略箱形状と略逆円錐台筒形状とを組み合わせた孔形状に穿設形成される。
【0565】
具体的には、改造ハイブリッド胴部334により穿設形成される位置決め孔のうち、改造ハイブリッドストレート部334aに対応する改造ストレート部(図示せず)は深さ方向に対して略平行に穿設形成され、改造ハイブリッド第1テーパ部334bに対応する改造第1テーパ部(図示せず)は、深さ方向に対してテーパ状に漸次細径化するように穿設形成され、改造ハイブリッド第2テーパ部334cに対応する改造第2テーパ部(図示せず)は、改造ストレート部の孔上部側に形成され、深さ方向に対してテーパ状に漸次細径化するように穿設形成される。
【0566】
上述したように、ベース板60は弾性変形するため、改造ハイブリッドピン331によりベース板60及びセルシート60aに対して位置決め孔を穿設形成する場合に、改造ハイブリッド胴部334をベース板60及びセルシート60aに刺し込んでいる間、該改造ハイブリッド胴部334に対して、常時、ベース板60の弾性変形に基づく負荷が加わっている。しかし、改造ハイブリッド第2テーパ部334cは、刺し込み方向に向かって漸次細径化して構成されているため、ベース板60が弾性変形しても改造ハイブリッド第2テーパ部334cとの接触を抑制できる。また、ベース板60に貼着されているセルシート60aも、該ベース板60が弾性変形したとしても改造ハイブリッド第2テーパ部334c又は改造ハイブリッドストレート部334aとの接触を抑制できる。従って、改造ハイブリッド胴部334をベース板60及びセルシート60aからの引き抜きによって、ベース板60に貼着されるセルシート60aがベース板60からほぼ剥離せず、僅かに剥離部(図示せず)を形成するに留まる。
【0567】
また、改造ハイブリッド胴部334をベース板60及びセルシート60aから抜こうとする場合に、改造ハイブリッド胴部334の改造ハイブリッド第1テーパ部334bは、刺し込み方向に向かって漸次細径化して構成されている。このため、ベース板60が弾性変形しても改造ハイブリッド第1テーパ部334bとの接触を抑制できる。また、ベース板60に貼着されているセルシート60aも、該ベース板60が弾性変形したとしても改造ハイブリッド第1テーパ部334bとの接触を抑制できる。従って、改造ハイブリッド胴部334をベース板60及びセルシート60aからの引き抜きによって、ベース板60に貼着されるセルシート60aがベース板60からほぼ剥離せず、僅かに剥離部(図示せず)を形成するに留まる。
【0568】
その結果、改造ハイブリッドピン331により遊技盤13に位置決め孔を穿設形成することで、セルシート60aの剥離に関し、ハイブリッドピン321のハイブリッドストレート部324aにより形成されていたハイブリッドストレート剥離部60dより小さい剥離で済む。よって、ハイブリッドピン321により穿設形成された位置決め孔と同等の突起保持機能と突起挿入許容機能を維持しつつ、孔表面の剥離部を小さくすることができる。従って、パチンコ機10の装飾性が低下することを防止することができ、また、「セル剥離」エラーに基づく部品の設置誤差を生じ難くし、「部品固定時の位置ズレ」エラーを未然に防止することができる。
【0569】
以上説明した通り、第4実施形態によれば、改造ハイブリッドピン331により遊技盤13に位置決め孔を穿設形成することにより、セルシート60aの剥離を抑制し、パチンコ機10の装飾性が低下してしまうことを未然に防止し、剥離部分の厚みによる部品の設置誤差を生じ難くすることができる。
【0570】
その他、第4実施形態におけるパチンコ機10では、第1~3実施形態のいずれかにおけるパチンコ機10と同一の構成によって、対応する実施形態におけるパチンコ機10で奏する効果と同一の効果を奏する。
【0571】
なお、上記第1~第4実施形態を相互に組み合わせてもよい。例えば、第1実施形態に記載した構成と第4実施形態に記載した構成とを有する構成としてもよく、第3実施形態に記載した構成と第4実施形態に記載した構成とを有する構成としてもよい。
【0572】
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。また、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
【0573】
<変形例1>
上記各実施形態において、遊技盤13に取り付ける各部品の複数の要素(特性)を評価し、その合計点に基づいて、各部品に設けられた位置決め孔用の突起に対応する最適なピン301,311,321(331)を選択した。これに対し、部品ごとの1の要素(特性)のみを評価し、その評価結果に基づいて、各部品に設けられた位置決め孔用の突起に対応する最適なピン301,311,321(331)を選択してもよい。1の評価項目の判定結果のみに基づいてピン適性を判定することで、より直接的にエラー原因に対処した位置決め孔を穿設形成し、解消したいエラーをより確実に解消させることが可能となる。
【0574】
例えば、部品全体の「重さ」が重いか否かを判別して、その判別結果のみに基づいて位置決め孔穿設用のピン301,311,321を選択するように構成してもよい。この場合に、「重さ」の評価項目において、部品全体が「重い」か「軽い」かの2値の内容で判断するのではなく、例えば、3値の判定によりピン適性を判定するように構成してもよい。具体的には、例えば、200グラム以上を「重い」と判定し、100グラム以上200グラム未満を「普通」と判定し、100グラム未満を「軽い」と判定する。そして、「重い」と判定された部品は、部品自体の加重によって位置決め孔から突起が飛び出し難いとみなしてテーパピン311により位置決め孔を穿設形成し、「普通」と判定された部品は、部品自体の加重によって位置決め孔から突起が飛び出す可能性は高くないとみなしてハイブリッドピン321により位置決め孔を穿設形成し、「軽い」と判定された部品は、部品が軽いことから位置決め孔から突起が飛び出す可能性が高いとみなしてストレートピン301により位置決め孔を穿設形成する。
【0575】
また、例えば、部品の「突起数」が「多い」か「少ない」かを判別して、その判別結果のみに基づいて位置決め孔用のピン301,311,321を選択するように構成してもよい。この場合に、「突起数」の評価項目において、部品の「突起数」が「多い」か「少ない」かの2値の内容で判断するのではなく、例えば、3値の判定によりピン適性を判定するように構成してもよい。具体的には、例えば、突起の数が6つ以上を「多い」と判定し、4つ以上6つ未満を「普通」と判定し、3つ未満を「少ない」と判定する。そして、「多い」と判定された部品は、突起の多さにより各位置決め孔でそれぞれ突起が仮保持されることで該位置決め孔から突起が飛び出し難いとみなしてテーパピン311により位置決め孔を穿設形成する。また、「普通」と判定された部品は、突起の数が一定数あることにより各位置決め孔でそれぞれ突起が仮保持されることで該位置決め孔から突起が飛び出す可能性が低いとみなしてハイブリッドピン321により位置決め孔を穿設形成する。さらに、「少ない」と判定された部品は、突起の数が少ないことにより各位置決め孔で突起を仮保持できない可能性があり、該位置決め孔から突起が飛び出す可能性が高いとみなしてストレートピン301により位置決め孔を穿設形成する。
【0576】
さらに、例えば、部品に対してメッキ処理が施されているいるか否かの「メッキ有無」を判別して、その判別結果のみに基づいて位置決め孔用のピン301,311,321を選択するように構成してもよい。具体的には、メッキ処理が施されていれば「有」と判定し、メッキ処理が施されていなければ「無」と判定する。そして、「有」と判定された部品は、メッキ層分、突起の厚みが増しているので、該突起を位置決め孔に嵌入させ易くするためにテーパピン311又はハイブリッドピン321により位置決め孔を穿設形成する。また、「無」と判定された部品は、メッキにより突起の厚みは増していないので、ストレートピン301により位置決め孔を穿設形成する。
【0577】
また、例えば、部品の「基部の透明度」が「透明」か「非透明」かを判別して、その判別結果のみに基づいて位置決め孔用のピン301,311,321を選択するように構成してもよい。この場合に、「基部の透明度」の評価項目において、「基部の透明度」が「透明」か「非透明」かの2値の内容で判断するのではなく、例えば、3値の判定によりピン適性を判定するように構成してもよい。具体的には、例えば、部品の基部が透明であれば「透明」と判定し、部品の基部が半透明であれば「半透明」と判定し、部品の基部が非透明であれば「非透明」と判定する。そして、「透明」と判定された部品は、基部の裏面側がはっきり見えてしまうことから位置決め孔の剥離部がしっかり見えてしまうためテーパピン311により位置決め孔を穿設形成する。また、「半透明」と判定された部品は、基部の裏面側がある程度見えてしまうことから位置決め孔の剥離部が見えてしまうためハイブリッドピン321により位置決め孔を穿設形成する。さらに、「非透明」と判定された部品は、基部の裏面側が見えないことから位置決め孔の剥離部が見えないのでストレートピン301により位置決め孔を穿設形成する。
【0578】
さらに、例えば、部品の配設位置が「遊技領域」の「内」か「外」かを判別して、その判別結果のみに基づいて位置決め孔用のピン301,311,321を選択するように構成してもよい。この場合に、「遊技領域」の評価項目において、「遊技領域」の「内」と判定された部品は、遊技領域内に打ち込まれた遊技球と接触するため、しっかり固定されていない場合に遊技球の流下方向に与える影響が大きく、遊技結果が大きく変動してしまう。従って、「遊技領域」の「内」に配設される部品は、まずは位置決め孔に挿入させることを優先して、部品の突起が位置決め孔に挿入され易い位置決め孔を形成するテーパピン311又はハイブリッドピン321を用いて位置決め孔を形成する。一方、「遊技領域」の「外」と判定された部品は、たとえ固定されていなくても、遊技球と接触しないことから、遊技結果に与える影響は無い。従って、「遊技領域」の「外」に配設される部品は、部品の突起を保持し易い位置決め孔を形成するストレートピン301を用いて位置決め孔を形成する。
【0579】
また、例えば、部品への「球通過量」が「多い」か「少ない(無い)」かを判別して、その判別結果のみに基づいて位置決め孔用のピン301,311,321を選択するように構成してもよい。この場合に、「球通過量」の評価項目において、「球通過量」が「多い」と判定された部品は、打ち込まれた遊技球と多く接触し、しっかり固定されていない場合に遊技球の流下方向に与える影響が大きく、遊技結果が大きく変動してしまう。従って、「球通過量」が「多い」部品は、まずは位置決め孔に挿入させることを優先して、部品の突起が位置決め孔に挿入され易い位置決め孔を形成するテーパピン311又はハイブリッドピン321を用いて位置決め孔を形成する。一方、「球通過量」が「少ない(無い)」と判定された部品は、打ち込まれた遊技球との接触が少なく(無く)、たとえ固定されていなくても、遊技球の流下方向に与える影響が少ないことから、遊技結果に与える影響は僅かである(無い)。従って、「球通過量」が「少ない」部品は、部品の突起を保持し易い位置決め孔を形成するストレートピン301を用いて位置決め孔を形成する。
【0580】
また、例えば、部品における遊技結果への影響度が大きいか小さいか、即ち、「遊技影響度」が「大」か「小」かを判別して、その判別結果のみに基づいて位置決め孔用のピン301,311,321を選択するように構成してもよい。具体的には、特別図柄の大当たり等の発生要因である部品であれば「遊技影響度」を「大」と判定し、遊技者に遊技価値を付与しない部品であれば「小」と判定する。そして、「大」と判定された部品は、位置決め孔に突起がしっかり挿入されていない場合に、設計値と異なる遊技結果が導出されるおそれがあり、遊技結果が大きく変動してしまう。従って、「遊技影響度」が「大」である部品は、まずは位置決め孔に挿入させることを優先して、部品の突起が位置決め孔に挿入され易い位置決め孔を穿設形成するテーパピン311又はハイブリッドピン321を用いて遊技盤13に位置決め孔を穿設形成する。一方、「小」と判定された部品は、たとえ突起が位置決め孔に挿入されていなくても遊技結果に与える影響は僅かである(無い)。従って、「遊技影響度」が「小」である部品は、位置決め孔の突起が挿入された場合には突起を保持し易い位置決め孔を穿設形成するストレートピン301を用いて位置決め孔を穿設形成する。
【0581】
さらに、例えば、遊技盤13の製造工程において、遊技盤13に遊技部品を載置してからビスにより固定するまでの「搬送距離」の長さが「長い」か「短い」かを判別して、その判別結果のみに基づいて位置決め孔用のピン301,311,321を選択するように構成してもよい。具体的には、遊技盤13に遊技部品を載置してからビスにより固定するまでの「搬送距離」が「長い」部品は、搬送時に発生する衝撃等による影響を受けやすく、当初の載置位置からズレてしまう可能性がある。従って、「搬送距離」が「長い」部品は、位置決め孔によって突起をしっかり保持するように、ストレートピン301又はハイブリッドピン321を用いて位置決め孔を穿設形成する。一方、「搬送距離」が「短い」部品は、搬送時に発生する衝撃等による影響を受け難く、当初の載置位置からズレる可能性が低い。従って、「搬送距離」が「短い」部品は、位置決め孔によって突起を保持することより、位置決め孔に突起を挿入することを優先して、テーパピン311を用いて位置決め孔を穿設形成する。
【0582】
また、例えば、部品の「部品単価」が「高価」か「安価」かを判別して、その判別結果のみに基づいて位置決め孔用のピン301,311,321を選択するように構成してもよい。具体的には、「部品単価」が「高価」な部品は、その部品が破損して交換しなければいけない場合に、部品自体の単価が高いことから、損失が大きくなってしまう。従って、「部品単価」が「高価」な部品は、位置決め孔に突起を保持させて、「ビス止め失敗」エラー等が発生しないようにするため、ストレートピン301又はハイブリッドピン321を用いて位置決め孔を穿設形成する。一方、「部品単価」が「安価」な部品は、その部品が破損して交換しなければいけない場合に、部品自体の単価が安いことから、損失は大きくない。従って、「部品単価」が「安価」な部品は、位置決め孔に突起を確実に挿入させるため、テーパピン311を用いて位置決め孔を穿設形成する。
【0583】
さらに、例えば、1の機種と他の機種とで共通的に使用される「共通」部品か「非共通」部品かを判別して、その判別結果のみに基づいて位置決め孔用のピン301,311,321を選択するように構成してもよい。具体的には、部品が「共通」であれば、製造ラインにおける作業者が該部品の扱いに慣れているため、作業者の熟練度が高く、載置ミスが発生し難い。従って、複数の機種間で「共通」的に使用される部品は、ストレートピン301を用いて位置決め孔を穿設形成する。一方、部品が「非共通」であれば、製造ラインにおける作業者がその扱いに慣れておらず、作業ミスが発生し易い。従って、複数の機種間で「非共通」な部品は、位置決め孔に突起を挿入させ易くすることを優先して、テーパピン311又はハイブリッドピン321を用いて位置決め孔を穿設形成する。
【0584】
なお、上記した部品の特性以外の他の特性に基づいて位置決め孔用のピン301,311,321を選択するように構成してもよい。
【0585】
<変形例2>
上記各実施形態では、遊技盤13に取り付ける各部品について、位置決め孔の穿設形成に用いるピンを決定するための評価点を求める場合に、重大なエラーの要因となり得る部品の要素(特性)の配点を高くし、軽度なエラーの要因となり得る部品の要素と差を設けたうえで評価点を合計してピン適性を決定していた。これに対し、部品の要素ごとに差を設けず、要素ごとに同一の点数を配点し、その評価点の合計点に基づいてピン適性を判定するように構成してもよい。
【0586】
<変形例3>
上記第2実施形態又は第3実施形態では、1の部品に形成される複数の突起に対してテーパピン311及びハイブリッドピン321の異なるピンを用いて各々の突起用の位置決め孔を穿設形成する場合を例示した。これに対し、1の部品に対してストレートピン301、テーパピン311及びハイブリッドピン321の3種類のピンを用いて突起用の位置決め孔を穿設形成してもよい。
【0587】
<変形例4>
上記第2実施形態又は第3実施形態では、1の部品に対して近しい関係であるテーパピン311及びハイブリッドピン321により突起用の位置決め孔を穿設形成していた。これに対し、1の部品に対して対極の関係にあるストレートピン301とテーパピン311とにより突起用の位置決め孔を穿設形成してもよい。また、1の部品に対してストレートピン301とハイブリッドピン321とにより突起用の位置決め孔を穿設形成してもよい。
【0588】
<変形例5>
上記各実施形態では、各部品ごとの複数の評価項目(「重さ」、「突起数」、「メッキ有無」、「基部の透明度」、「遊技領域内外」、「遊技影響度」、「球通過量」、「部品単価」、「共通部品」及び「搬送距離」)を評価し、最適なピン301,311,321(331)を選択して、各部品の突起用の位置決め孔を穿設形成していた。これに対し、上記評価項目以外の要素を判定して、各部品の突起用の位置決め孔を穿設形成してもよい。例えば、ルータ孔651~656に配設される部品か否かに応じて各部品の突起用の位置決め孔を穿設形成してもよい。
【0589】
また、1の部品の位置決め孔の位置関係に応じて位置決め孔を穿設形成してもよい。具体的には、例えば、3つの突起を有する部品に対して3つの位置決め孔を穿設形成する場合に、3つの突起の位置が左・中・右で分かれているとき、左右の突起に対応する位置決め孔はテーパピン311により穿設形成し、中の突起に対応する位置決め孔はハイブリッドピン321又はストレートピン301により穿設形成するように構成してもよい。また、中の突起が2以上ある場合は、1の中の突起に対応する位置決め孔はストレートピン301又はハイブリッドピン321により穿設形成し、他の中の突起に対する位置決め孔はテーパピン311又はハイブリッドピン321により穿設形成するように構成してもよい。さらに、左右の突起に対応する位置決め孔をストレートピン301又はハイブリッドピン321により穿設形成するように構成してもよい。
【0590】
また、上記評価項目以外の要素に配点し、その合計点に基づいて、各部品の突起用の位置決め孔を穿設形成してもよい。例えば、ルータ孔651~656に配設される部品か否かについて配点するように構成してもよい。具体的には、ルータ孔651~656に配設される部品は、ルータ孔651~656によって部品の嵌入部(図示せず)がある程度、仮保持されることから、ルータ孔651~656に配設される部品は、遊技盤13の製造工程において載置位置がズレ難い。よって、ルータ孔651~656に配設される部品は、「突起保持機能」が弱いテーパピン311による位置決め孔であっても、突起が位置決め孔から飛び出し難いので、該ルータ孔651~656に配設される部品の突起はテーパピン311による位置決め孔の適正が高いといえる。従って、ルータ孔651~656に配設される部品であるか否かを評価し、ルータ孔651に配設される部品であれば、評価点として「2点」を配点する一方、ルータ孔651~656に配設されない部品であれば、評価点として「0点」を配点する。
【0591】
また、1の部品の位置決め孔の位置関係に応じて配点し、それらの合計点に基づいて、位置決め孔を穿設形成するピンを選択するように構成してもよい。例えば、3つの突起を有する部品に対して3つの位置決め孔を穿設形成する場合に、3つの突起の位置が左・中・右で分かれているとき、中の突起さえ「突起保持機能」が高いストレートピン301による位置決め孔によってしっかり仮保持されていれば、左右の突起は「突起保持機能」が低いテーパピン311による位置決め孔であって、突起が位置決め孔から飛び出し難いので、該左右の突起はテーパピン311による位置決め孔の適正が高いといえる。従って、部品における突起の位置を評価し、部品の左右に位置する突起であれば、評価点として「2点」を配点する一方、部品の中に位置する突起であれば、評価点として「0点」を配点する。
【0592】
<変形例6>
上記各実施形態において、主表示ユニット87の主表示ビス挿入孔87hの近傍(例えば、主表示ビス挿入孔87hから5ミリメートルの距離)には位置決め用の突起は設けられておらず、主表示ユニット87の主表示ビス挿入孔87g~87iの数(3つ)に対して主表示突起87j,87kの数(2つ)が1つ少ないように構成されている。これは、主表示ユニット87に対応する主表示位置決め孔609,610がストレートピン301によって形成されているため、主表示突起87j,87kの2つで突起保持機能が十分担保されているからである。これに対し、主表示ビス挿入孔87hの近傍(例えば、主表示ビス挿入孔87hから5ミリメートルの距離)にも位置決め用の突起を設けるように構成してもよい。このように構成することで、主表示ビス挿入孔87g~iの数と突起の数とを同等にし、ビスが挿入される箇所毎にそれぞれ仮保持させることで、より確実に主表示ユニット87全体を遊技盤13に対して仮保持させることが可能となる。
【0593】
<変形例7>
上記各実施形態において、各ピン301,311,321により位置決め孔を穿設形成する場合に、ストレートピン301又はテーパピン311により穿設形成された位置決め孔の正面視は真円、ハイブリッドピン321により穿設形成された位置決め孔の正面視は角丸長方形(オーバル)形状に形成されていた。これに対し、穿設形成される位置決め孔の正面視が、例えば、楕円形、正方形、長方形、三角形、五角形等の図形となるように穿設形成するようにしてもよい。この場合に、穿設形成される位置決め孔の孔表面において、突起保持機能と突起挿入許容機能とが共に機能する形状が好適であるため、両機能を実現するためには、楕円形や長方形等、左右対称(上下対称)であって、かつ、各辺(各径)の長さが異なる図形が好適である。
【0594】
<変形例8>
上記各実施形態において、部品ごとの突起の形状を共通化(長さ2.00mm及び直径φ2.4mm(メッキ層無し)、又は、長さ2.05mm及び直径φ2.5mm(メッキ層有り))して構成していた。これに対し、部品ごとに突起の形状が異なるように構成してもよい。具体的には、例えば、センターフレーム86のセンター突起の形状を、長さ3.00mm、直径φ3.00mmで構成する一方、始動入賞口ユニット4の始動突起の形状を、長さ1.00mm、直径φ1.00mmで構成し、部品の大きさごとに突起の大きさを変化するように構成してもよい。ただし、部品ごとに突起の形状が異なる場合は、該突起の形状に対応する位置決め孔を穿設形成しなければいけないため、位置決め孔穿設用のピンの種類を多く用意しなければならない。
【0595】
<変形例9>
上記各実施形態において、部品ごとの突起の形状を、所定の円柱形状(長さ2.00mm及び直径φ2.4mm(メッキ層無し)、又は、長さ2.05mm及び直径φ2.5mm(メッキ層有り))に構成していた。これに対し、部品ごとの突起の形状を、角柱形状や角錐形状、円錐形状等、他の形状で構成してもよい。ただし、部品ごとの突起の形状が異なる場合は、該突起の形状に対応する位置決め孔を穿設形成しなければいけないため、位置決め孔穿設用のピンの種類を多く用意しなければならない。
【0596】
<変形例10>
上記第1実施形態において、ハイブリッドピン321によって穿設形成された位置決め孔は、ストレート部とテーパ部とがそれぞれ2つずつ形成されていた(例えば、スルー位置決め孔627のスルーストレート部627a及びスルーテーパ部627b)。これに対し、位置決め孔においてストレート部を1つのみ形成するように構成してもよい。また、位置決め孔においてテーパ部を1つのみ形成するように構成してもよい。ストレート部又はテーパ部を1つにすることで、位置決め孔穿設用のピンの構造を簡易にすることができ、ピンの形成が容易になる。さらに、位置決め孔においてテーパ部を3つ以上形成するように構成してもよい。また、位置決め孔においてストレート部を3つ以上形成するように構成してもよい。
【0597】
<変形例11>
上記第1実施形態において、ハイブリッドピン321によって穿設形成された位置決め孔は、ストレート部とテーパ部とがそれぞれ2つずつ交互に配置されるように形成されていた(例えば、スルー位置決め孔627のスルーストレート部627a及びスルーテーパ部627b)。これに対し、位置決め孔においてストレート部が2つ連続するように形成するように構成してもよい。具体的には、例えば、2のストレート部を連続して穿設形成し、該ストレート部によって孔の正面視V字形状を形成するように穿設形成する。そして、V字形状の両端部からテーパ部を穿設形成して、位置決め孔の正面視が扇型となるように構成してもよい。
【0598】
<変形例12>
上記第1実施形態において、遊技盤13の製造工程において、遊技盤13の正面視左側を先頭に遊技盤13を搬送すると共に、ハイブリッドピン321により穿設形成される位置決め孔のうち、ハイブリッドストレート部324aにより形成されるストレート部が遊技盤13の搬送方向と直角となるように、スルーストレート部627aが遊技盤13の正面視縦方向と平行となるように構成されていた。これに対し、ハイブリッドストレート部324aにより形成されるストレート部は、遊技盤13の搬送方向に対して直角に位置していればいいので、例えば、遊技盤13の正面視上側を先頭に遊技盤13を搬送する場合には、スルーストレート部627aが遊技盤の正面視横方向と平行となるように構成してもよい。
【0599】
<変形例13>
上記第4実施形態において、ハイブリッドピン321の改良型として改造ハイブリッドピン331を用いて遊技盤13に位置決め孔を穿設形成する場合について例示した。これに対し、ストレートピン301の改良型として、改造ストレートピンの改造ストレート胴部に、改造ストレートテーパ部を形成し、該改造ストレートピンにより位置決め孔を穿設形成することで、セルシート60aの剥離を抑制するように構成してもよい。具体的には、改造ストレートテーパ部は、改造ストレート胴部のうち、改造ストレート先端部からの距離が3.8mmから6.5mm(即ち、改造ストレート胴部と改造ストレート鍔部の境界部)に形成される。この改造ストレートテーパ部の軸径は、改造ストレート先端部からの距離が3.8mmの部位で軸径が2.80mmで形成され、そこから改造ストレートテーパ部の軸径が漸次増加(改造ストレート先端部からの距離が3.8mmの部位から距離が0.2mm増加する毎に改造ストレートテーパ部の軸径が0.05mm増加)し、改造ストレート先端部からの距離が6.5mmの部位で軸径が3.50mmになるようにテーパ状に漸次大径化する略逆円錐台形状に形成されている。
【0600】
<変形例14>
上記各実施形態では、部品に対してメッキ処理が施されている場合に、そのメッキ層が一様に部品の基部に塗布され、該メッキ層の厚みが均一であることを前提として位置決め孔穿設用のピンを選択していた。これに対し、部品に対するメッキ層の厚みが製造ムラにより均一に塗布されない場合があることを前提として位置決め孔穿設用のピンを選択するように構成してもよい。具体的には、部品ごとの特性(例えば、部品全体の大きさ)によってメッキ層の厚みに製造ムラが出易いような場合は、ハイブリッドピン321やテーパピン311によって製造ムラに対応可能な位置決め孔を穿設形成する。このように構成することで、メッキ層の製造ムラが生じた場合でも、突起を位置決め孔に挿入させ易くすることが可能となる。
【0601】
<変形例15>
上記各実施形態では、各突起のメッキ層を除く樹脂部分については、各突起の長さが2mmで構成されると共に、各突起の直径がφ2.4mmで構成し、ほぼ共通の仕様であることを前提として位置決め孔穿設用のピンを選択していた。これに対し、突起の樹脂部分において製造ムラにより突起の形状に誤差が生じる場合があることを前提として位置決め孔穿設用のピンを選択するように構成してもよい。具体的には、部品ごとの特性(例えば、部品を構成する樹脂成分の違い)によって突起の形状に製造ムラが出易いような場合は、ハイブリッドピン321やテーパピン311によって製造ムラに対応可能な位置決め孔を穿設形成する。このように構成することで、突起の形状の製造ムラが生じた場合でも、突起を位置決め孔に挿入させ易くすることが可能となる。
【0602】
<変形例16>
上記各実施形態では、木製のベース板60とセルシート60aとで遊技盤13を形成し、該遊技盤13に対して各位置決め孔を穿設するように構成されていた。これに対し、透明な合成樹脂材料により遊技盤(以下、「透明樹脂板」という)を形成し、該透明樹脂板に対して、ストレートピン301、テーパピン311又はハイブリッドピン321によって各位置決め孔を穿設形成するように構成してもよい。この透明樹脂板は、その裏面側が視認可能に透明な合成樹脂材料(例えば、繊維強化プラスティック(Fiber-Reinforced Plastics(FRP)))で構成されている。透明樹脂板は、ベース板60は、弾性変形可能な部材であるが、ベース板60より強度および硬度が高いので、ベース板60より弾性変形し難いが、各部品の突起を刺し込む場合には、透明樹脂板であって弾性変形して各部品の突起を挿入可能に構成される。
【0603】
<変形例17>
上記各実施形態では、遊技盤13の製造工程において、遊技盤13に載置されてからビス止め固定されるまでの搬送距離に応じて部品の特性を評価し、その特性に基づいて穿設形成する位置決め孔を選択していた。これに対し、遊技盤13の製造工程において、遊技盤13の搬送方向に対する部品の突起の位置に応じて該部品の特性を評価し、その特性に基づいて穿設形成する位置決め孔を選択するように構成してもよい。具体的には、例えば、遊技盤13の製造工程において、1の部品に関し、搬送方向先端側の突起と、搬送方向後方側の突起とでは、遊技盤13の搬送が停止された際に加わる衝撃が異なる。詳細には、遊技盤13の搬送が停止した場合に、搬送方向先端側の突起を軸として、搬送方向後方側の突起が遊技盤13の上方に回動してしまう場合がある。そこで、搬送方向先端側の突起用の位置決め孔をテーパピン311により穿設形成し、搬送方向後方側の突起用の位置決め孔をストレートピン301又はハイブリッドピン321により穿設形成するように構成する。このように構成することで、遊技盤13の搬送が停止した場合であっても、搬送方向後方側の突起は、位置決め孔にしっかり保持されているため、突起が位置決め孔から飛び出し難く、遊技盤13に対して部品をズレ難くすることが可能となる。
【0604】
上記各実施形態において、球が入球した場合に大当たりの抽選が開始される始動入賞口4aが遊技盤13に1つ配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、それぞれ独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される複数(例えば、2つ)の始動入賞口が遊技盤13に配設されていてもよい。具体的には、例えば、遊技盤13の遊技領域の中央に、パチンコ機10の通常の遊技状態において入球させる左側始動入賞口を設け、遊技盤13の遊技領域の右側に、パチンコ機10の有利状態(例えば、確率変動状態、時間短縮状態又は大当たり状態)において入球させる右側始動入賞口を設ける。この場合、右側始動入賞口は、パチンコ機10の通常の遊技状態ではほとんど球が通過又は接触しない構成であるため、「球通過量」の評価項目においては「少ない」と評価されるため、その評価に基づいて右側始動入賞口の突起に対する位置決め孔穿設用のピンが選択される。一方、左側始動入賞口は、パチンコ機10の通常の遊技状態で頻繁に球が通過又は接触する構成であるため、「球通過量」の評価項目においては「多い」と評価されるため、その評価に基づいて左側始動入賞口の突起に対する位置決め孔穿設用のピンが選択される。
【0605】
上記各実施形態においては、始動入賞口4aへの入賞およびスルーゲート7の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、始動入賞口4aへの入賞に基づく変動表示の保留球数を、特別図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置87aとは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
【0606】
また、本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【0607】
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる、各種発明の概念を示す。
【0608】
<A群>
前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域を形成する板体(例えば、ベース板60及びセルシート60a)と、該板体の前面側に固定される部品(例えば、スルーゲート7)と、により構成された遊技盤(例えば、遊技盤13)を備えた遊技機において、
前記部品は、
前記板体と接する基部(例えば、スルー基部7b)と、
該基部の前記板体と接する側に設けられた突起部(例えば、スルー突起7e,7f)と、を備え、
前記板体は、
前記部品の前記突起部を挿入可能に形成された孔(例えば、スルー位置決め孔626,627)、を備え、
前記孔は、
該孔に対して前記突起部の挿入を受け容れる挿入受容部(例えば、スルーテーパ部627b)と、
前記孔に挿入される前記突起部を保持する保持部(例えば、スルーストレート部627a)と、
を備えていることを特徴とする遊技機A0。
【0609】
遊技機A0によれば、板体の前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域が形成され、部品が板体の前面側に固定され、板体及び部品により遊技盤が構成され、部品には、基部の板体と接する側に突起部が設けられ、板体には、部品の突起部を挿入可能な孔が形成され、孔において、挿入受容部によって、孔に対して突起部の挿入が受け容れられ、保持部によって、孔に挿入される突起部が保持される。これにより、孔の挿入受容部によって部品の突起部を該孔に挿入させつつ、孔の保持部によって部品の突起部を保持することができる。よって、孔に突起部を確実に挿入させつつ保持し続けることができ、部品が板体から外れてしまうことを防止して、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。なお、「遊技盤に対する部品の取付性能」とは、遊技盤に対して部品の取り付け易さや、取り付け作業のし易さ、一度遊技盤に取り付けた部品の外れ難さ等を意味する。
【0610】
遊技機A0において、
前記孔は、前記板体に対して所定の深さを有し、
該孔の表面側(孔縁)において、前記挿入受容部及び前記保持部をそれぞれ形成することを特徴とする遊技機A1。
【0611】
遊技機A1によれば、遊技機A0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、孔が板体に対して所定の深さを有し、その孔の表面側(孔縁)において挿入受容部及び保持部がそれぞれ形成される。これにより、孔の表面側(孔縁)に形成された挿入受容部により突起部を孔の内部に挿入させつつ、同じく孔の表面側(孔縁)に形成された保持部によって孔に挿入される突起部を直ちに保持することができる。
【0612】
従来、部品の突起部を挿入可能な孔として、孔の表面側(孔縁)において突起部を保持可能な(第1)孔がある。この(第1)孔は、孔の表面側(孔縁)において、弾性変形可能な保持部のみを有しており、(第1)孔に挿入された部品の突起部が、該(第1)孔の保持部により保持可能に構成されている。しかし、突起部を(第1)孔に挿入しようとした場合に、孔の表面側(孔縁)には保持部のみが形成されていることにより、突起部が(第1)孔にしっかり挿入されず、部品が板体に対して確実に固定されていない状況が発生していた。
【0613】
また、部品の突起部を挿入可能な孔として、孔の表面側(孔縁)において突起部の挿入を受け容れ易い(第2)孔がある。この(第2)孔は、(第2)孔の表面側(孔縁)において、部品の突起部が挿入され易いように挿入受容部のみを有し、また、(第2)孔の内部において、挿入保持部を有している。この(第2)孔では、(第2)孔の表面側(孔縁)の挿入受容部により、(第2)孔の表面側(孔縁)では部品の突起部が挿入され易く構成され、(第2)孔の内部に設けられた挿入保持部により、(第2)孔に挿入された突起部を保持可能に構成されている。しかし、板体は、製造時における製造ムラによって個体差(板厚又は硬さの違い)があり、その個体差の影響によって(第2)孔の挿入受容部又は挿入保持部の機能が低下してしまう場合がある。
【0614】
具体的には、例えば、板体の個体差の影響で(第2)孔が大きく形成された場合には、(第2)孔の表面側(孔縁)における挿入受容部が大きく形成され、(第2)孔の内部における挿入保持部も大きく形成されてしまい、(第2)孔の内部に挿入された部品の突起部がしっかり保持されず、部品が板体に対して確実に固定されていない状況が発生していた。また、例えば、板体の個体差の影響で(第2)孔が小さく形成された場合には、(第2)孔の表面側(孔縁)における挿入受容部が小さく形成されてしまい、突起部が(第2)孔にしっかり挿入されず、部品が板体に対して確実に固定されていない状況が発生していた。
【0615】
そこで、部品の突起部を挿入可能な孔として、その孔の表面側(孔縁)において挿入受容部及び保持部がそれぞれ形成される。これにより、孔の表面側(孔縁)に形成された挿入受容部により突起部を孔の内部に挿入させつつ、孔の表面側(孔縁)に形成された保持部によって孔に挿入される突起部を直ちに保持することができる。よって、孔に突起部を確実に挿入させつつ保持し続けることができる、という効果がある。
【0616】
遊技機A1において、
前記板体は、弾性変形可能に構成されており、
前記保持部は、前記孔の表面側(孔縁)から前記所定の深さに亘って、前記突起部に対して、常時、前記板体の弾性力を付与する常時負荷手段(例えば、スルーストレート部627aの内径)を備えていることを特徴とする遊技機A2。
【0617】
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、板体が弾性変形可能に構成され、保持部に備えられた常時負荷手段により、孔の表面側(孔縁)から所定の深さに亘って、突起部に対して、常時、板体の弾性力が付与される。これにより、常時負荷手段によって板体の弾性力を、常時、突起部に付与させて該突起部を保持しておくことができる。よって、孔に挿入される突起部を保持し続けることができる、という効果がある。
【0618】
遊技機A2において、
前記常時負荷手段は、前記保持部の大きさを、前記突起部の外形より小さく形成することを特徴とする遊技機A3。
【0619】
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、常時負荷手段において、保持部の大きさが、突起部の外形より小さく形成される。これにより、板体が弾性変形することで保持部に突起部を挿入可能に構成すると共に、保持部に挿入された突起部に対して、常時、板体の弾性力を付与し続けることができる。よって、保持部の常時負荷手段によって、孔に挿入される突起部を保持し続け、部品が板体から外れてしまうことを防止して、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【0620】
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、
前記挿入受容部は、前記孔の前記所定の深さ未満の所定部分(例えば、スルーテーパ部627bの長径とスルー突起7fの直径とが一致する部分)から前記所定の深さに亘って、前記突起部を保持する挿入保持部(例えば、スルーテーパ部627bにおけるスルー突起7fと外径が接触する部分)を備えていることを特徴とする遊技機A4。
【0621】
遊技機A4によれば、遊技機A1~A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、孔の表面においては、挿入受容部により突起部が該孔に挿入され、孔の所定の深さ未満の所定部分から所定の深さに亘って設けられた挿入保持部により、孔に挿入された突起部が保持される。これにより、孔の表面側(孔縁)に設けられた挿入受容部により孔に突起部を挿入し易くすると共に、孔の所定部分から所定の深さに亘って設けられた挿入保持部により、孔に挿入される突起部を保持することができる。よって、保持部により突起部を保持すると共に、挿入保持部により追加的に突起部を保持することができ、孔に挿入される突起部の保持力を高め、部品が板体から外れてしまうことを防止して、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【0622】
遊技機A4において、
前記挿入受容部は、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記挿入受容部の大きさを、前記突起部の外形より大きく形成し、
前記孔の所定の深さにおいて、前記挿入受容部の大きさを、前記突起部の外形より小さく形成し、
前記挿入保持部は、前記孔の前記所定部分から前記所定の深さに亘って、前記挿入受容部の大きさを、前記突起部の外形より小さく形成することを特徴とする遊技機A5。
【0623】
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、孔の表面側(孔縁)において、挿入受容部の大きさが突起部の外形より大きく形成され、孔の所定の深さにおいて、挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さく形成され、挿入保持部により、孔の所定部分から所定の深さに亘って、挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さく形成される。
【0624】
従来、部品の突起部を挿入可能な孔として、孔の表面側(孔縁)において突起部を保持可能な(第1)孔がある。この(第1)孔は、孔の表面側(孔縁)において、弾性変形可能な保持部のみを有しており、該保持部の大きさが突起部の外形より小さく構成されることにより、(第1)孔に挿入された部品の突起部が、該(第1)孔の保持部により保持可能に構成されている。しかし、突起部を(第1)孔に挿入しようとした場合に、保持部の大きさが突起部の外形より小さいことにより、突起部が(第1)孔にしっかり挿入されず、部品が板体に対して確実に固定されていない状況が発生していた。
【0625】
また、部品の突起部を挿入可能な孔として、孔の表面側(孔縁)において突起部の挿入を受け容れ易い(第2)孔がある。この(第2)孔は、(第2)孔の表面側(孔縁)において、部品の突起部が挿入され易いように挿入受容部のみを有し、また、(第2)孔の内部において、挿入保持部を有している。この(第2)孔では、(第2)孔の表面側(孔縁)の挿入受容部の大きさが突起部の外形より大きく構成され、また、(第2)孔の内部の挿入保持部が突起部の外形より小さく構成されることにより、(第2)孔の表面では部品の突起部が挿入され易く構成され、(第2)孔の内部に設けられた挿入保持部により(第2)孔に挿入された突起部を保持可能に構成されている。しかし、板体は、製造時における製造ムラによって個体差(板厚又は硬さの違い)があり、その個体差の影響によって(第2)孔の挿入受容部又は挿入保持部の機能が低下してしまう場合がある。
【0626】
具体的には、例えば、板体の個体差の影響で(第2)孔が大きく形成された場合には、(第2)孔の表面側(孔縁)における挿入受容部が大きく形成され、(第2)孔の内部における挿入保持部も大きく形成されてしまい、(第2)孔の内部に挿入された部品の突起部がしっかり保持されず、部品が板体に対して確実に固定されていない状況が発生していた。また、例えば、板体の個体差の影響で(第2)孔が小さく形成された場合には、(第2)孔の表面側(孔縁)における挿入受容部が小さく形成されてしまい、突起部が(第2)孔にしっかり挿入されず、部品が板体に対して確実に固定されていない状況が発生していた。
【0627】
そこで、部品の突起部を挿入可能な孔として、孔の表面側(孔縁)において、挿入受容部において、挿入受容部の大きさが突起部の外形より大きく形成され、孔の所定の深さにおいて、挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さく形成され、挿入受容部に設けられた挿入保持部により、孔の所定部分から所定の深さに亘って、挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さく形成される。また、保持部の常時負荷手段により、孔の表面側(孔縁)から所定の深さに亘って、突起部に対して、常時、板体の弾性力が付与される。このように構成することで、孔の表面では挿入受容部の大きさが突起部の外形より大きいことから、孔に突起部を挿入し易くし、また、所定部分から所定の深さに亘って、挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さいことから、孔に挿入された突起部を保持することができる。また、保持部の常時負荷手段によって板体の弾性力を、常時、突起部に付与させて該突起部を保持しておくことができる。よって、孔に突起部を挿入し易くすると共に、孔に挿入された突起部を保持し続けることができる、という効果がある。
【0628】
遊技機A5において、
前記挿入受容部の大きさは、前記孔の表面側(孔縁)から深さ方向に向かって徐々に細くなるように構成されていることを特徴とする遊技機A6。
【0629】
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、挿入受容部の大きさが、孔の表面側(孔縁)から深さ方向に向かって徐々に細くなるように構成される。これにより、孔の表面側(孔縁)から所定部分までは突起部の挿入を受け容れ、所定部分から所定の深さに亘って突起部を保持し、さらに、所定部分から所定深さにかけて徐々に突起部に負荷される板体の弾性力を強くすることができる。よって、孔に突起部を挿入し易くすると共に、孔に挿入された突起部を保持し続けることができる、という効果がある。
【0630】
遊技機A0からA6のいずれかにおいて、
前記保持部は、少なくとも2以上設けられ、
前記孔において、少なくとも2の前記保持部が対向するように形成されることを特徴とする遊技機A7。
【0631】
遊技機A7によれば、遊技機A0~A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、保持部が少なくとも2以上設けられ、孔において、少なくとも2の保持部が対向(対峙)するように形成される。これにより、部品の突起部を孔の保持部によって挟み込むように保持することができるので、突起部を保持する力が増し、突起部が孔から飛び出してしまうことを防止することができる、という効果がある。
【0632】
遊技機A0からA7のいずれかにおいて、
前記挿入受容部は、少なくとも2以上設けられ、
前記孔において、少なくとも2の前記挿入受容部が対向するように形成されることを特徴とする遊技機A8。
【0633】
遊技機A8において、遊技機A0~A7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、挿入受容部が少なくとも2以上設けられ、孔において、少なくとも2の挿入受容部が対向(対峙)するように形成される。これにより、孔の1の挿入受容部と他の挿入受容部とで形成された空間へ部品の突起部を挿入することができるので、孔へ突起部を挿入し易くすることができる、という効果がある。
【0634】
遊技機A8において、
前記孔において、
1の前記保持部と他の前記保持部とを対向して形成すると共に、
1の前記挿入受容部と他の前記挿入受容部とを対向して形成することを特徴とする遊技機A9。
【0635】
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、孔において、1の保持部と他の保持部とが対向(対峙)して形成されると共に、1の挿入受容部と他の挿入受容部とが対向(対峙)して形成される。これにより、対向(対峙)するように形成された挿入受容部により突起部を孔に挿入し易くすると共に、対向(対峙)するように形成された保持部により突起部を挟み込むように保持することができる。よって、孔に突起部を挿入し易くすると共に、孔に挿入された突起部を保持し続けることができる、という効果がある。
【0636】
<B群>
前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域を形成する板体(例えば、ベース板60及びセルシート60a)と、該板体の前面側に固定される複数の部品(例えば、始動入賞口ユニット4、スルーゲート7及び主表示ユニット87)と、により構成された遊技盤(例えば、遊技盤13)を備えた遊技機において、
前記複数の部品は、
前記板体と接する基部(例えば、始動基部4e、スルー基部7b及び主表示基部87f)と、
該基部の前記板体と接する側に設けられた突起部(例えば、始動突起4i,4j、スルー突起7e,7f又は主表示突起87j,87k)と、を備え、
前記板体は、前記部品の前記突起部を挿入可能に形成された形状の異なる複数種類の孔(例えば、主表示位置決め孔609,610、始動位置決め孔620,621又はスルー位置決め孔626,627)を備え、
複数種類の前記孔は、前記部品に対して一の種類が選択されて配設されることを特徴とする遊技機B0。
【0637】
遊技機B0によれば、板体の前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域が形成され、複数の部品が板体の前面側に固定され、板体及び複数の部品により遊技盤が構成され、複数の部品には、基部の板体と接する側に突起部が設けられ、板体には、部品の突起部を挿入可能な形状の異なる複数種類の孔が形成され、部品に対して一の種類の孔が選択されて配設される。これにより、各部品ごとに異なる形状の孔を設け、各部品ごとに対応した孔を用いて板体に部品を配設することができる。よって、各部品の突起部を板体にそれぞれ形成された孔に挿入させつつ保持し続けることができ、各部品が板体から外れてしまうことを防止して、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【0638】
遊技機B0において、
前記部品は、
第1特性に基づいて構成される第1部品と、
前記第1特性とは異なる第2特性に基づいて構成される第2部品と、を備え、
複数種類の前記孔は、前記第1特性又は前記第2特性に基づいてそれぞれ異なる形状に形成されることを特徴とする遊技機B1。
【0639】
遊技機B1によれば、遊技機B0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、部品の中で、第1部品が第1特性に基づいて構成され、第2部品が第1特性とは異なる第2特性に基づいて構成される。また、複数種類の孔は、部品の第1特性又は第2特性に基づいてそれぞれ異なる形状に形成される。これにより、部品の特性ごとに対応した孔を用いて板体に部品を配設することができる。よって、特性が異なる部品の突起部を、該特性に対応してそれぞれ形成された孔に挿入させつつ保持し続けることができる、という効果がある。
【0640】
遊技機B1において、
前記孔は、前記板体に対して所定の深さを有し、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部を保持する第1保持部のみを有する第1孔(例えば、主表示位置決め孔609,610)と、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部の挿入を受け容れる第2挿入受容部のみを有する第2孔(例えば、始動位置決め孔620,621)と、を備え、
前記第1部品の前記突起部を前記第1孔に挿入し、
前記第2部品の前記突起部を前記第2孔に挿入することを特徴とする遊技機B2。
【0641】
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、孔が板体に対して所定の深さを有し、孔の表面側(孔縁)に第1保持部のみが形成された第1孔では、該第1保持部で突起部が保持される。孔の表面側(孔縁)に第2挿入受容部のみが形成された第2孔では、該第2挿入受容部で突起部の挿入が受け容れられる。また、第1孔に第1部品の突起部が挿入され、第2孔に第2部品の突起部が挿入される。これにより、孔ごとに孔の表面側(孔縁)の形状(機能)を異ならせ、部品に対応した孔を用いて板体に部品を配設することができる、という効果がある。
【0642】
遊技機B1において、
前記孔は、前記板体に対して所定の深さを有し、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部を保持する第1保持部のみを有する第1孔(例えば、主表示位置決め孔609,610)と、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部を保持する第3保持部と、前記突起部の挿入を受け容れる第3挿入受容部と、を有する第3孔(例えば、スルー位置決め孔626,627)と、を備え、
前記第1部品の前記突起部を前記第1孔に挿入し、
前記第2部品の前記突起部を前記第3孔に挿入することを特徴とする遊技機B3。
【0643】
遊技機B3によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、孔が板体に対して所定の深さを有し、孔の表面側(孔縁)に第1保持部のみが形成された第1孔では、該第1補助保持部で突起部が保持される。孔の表面側(孔縁)に第3挿入受容部及び第3保持部が形成された第3孔では、該第3挿入受容部で突起部の挿入が受け容れられると共に、第3保持部で突起部が保持される。さらに、第1孔に第1部品の突起部が挿入され、第3孔に第2部品の突起部が挿入される。これにより、孔ごとに孔の表面側(孔縁)の形状(機能)を異ならせ、部品に対応した孔を用いて板体に部品を配設することができる、という効果がある。
【0644】
遊技機B1において、
前記孔は、前記板体に対して所定の深さを有し、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部の挿入を受け容れる第2挿入受容部のみを有する第2孔(例えば、始動位置決め孔620,621)と、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部を保持する第3保持部と、前記突起部の挿入を受け容れる第3挿入受容部と、を有する第3孔(例えば、スルー位置決め孔626,627)と、を備え、
前記第1部品の前記突起部を前記第2孔に挿入し、
前記第2部品の前記突起部を前記第3孔に挿入することを特徴とする遊技機B4。
【0645】
遊技機B4によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、孔が板体に対して所定の深さを有し、孔の表面側(孔縁)に第2挿入受容部のみが形成された第2孔では、該第2挿入受容部で突起部の挿入が受け容れられる。孔の表面側(孔縁)に第3挿入受容部及び第3保持部が形成された第3孔では、該第3挿入受容部で突起部の挿入が受け容れられると共に、第3保持部で突起部が保持される。また、第2孔に第1部品の突起部が挿入され、第3孔に第2部品の突起部が挿入される。これにより、孔ごとに孔の表面側(孔縁)の形状(機能)を異ならせ、部品に対応した孔を用いて板体に部品を配設することができる、という効果がある。
【0646】
遊技機B1において、
前記孔は、前記板体に対して所定の深さを有し、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部を保持する第1保持部のみを有する第1孔(例えば、主表示位置決め孔609,610)と、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部の挿入を受け容れる第2挿入受容部のみを有する第2孔(例えば、始動位置決め孔620,621)と、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部を保持する第3保持部と、前記突起部の挿入を受け容れる第3挿入受容部と、を有する第3孔(例えば、スルー位置決め孔626,627)と、を備え、
前記部品は、前記第1特性及び前記第2特性と異なる第3特性に基づいて構成される第3部品を備え、
前記第1部品の前記突起部を、前記第1孔に挿入し、
前記第2部品の前記突起部を、前記第2孔に挿入し、
前記第3部品の前記突起部を、前記第3孔に挿入することを特徴とする遊技機B5。
【0647】
遊技機B5によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、孔が板体に対して所定の深さを有し、孔の表面側(孔縁)に第1保持部のみが形成された第1孔では、該第1保持部で突起部が保持される。孔の表面側(孔縁)に第2挿入受容部のみが形成された第2孔では、該第2挿入受容部で突起部の挿入が受け容れられる。孔の表面側(孔縁)に第3挿入受容部及び第3保持部が形成された第3孔では、該第3挿入受容部で突起部の挿入が受け容れられると共に、第3保持部で突起部が保持される。また、部品は、第1特性及び第2特性と異なる第3特性に基づいて構成される第3部品を備えており、さらに、第1孔に第1部品の突起部が挿入され、第2孔に第2部品の突起部が挿入され、第3孔に第3部品の突起部が挿入される。これにより、孔ごとに孔の表面側(孔縁)の形状(機能)を異ならせ、それぞれ特性が異なる部品の突起部に対応した孔を用いて板体に各部品を配設することができる、という効果がある。
【0648】
遊技機B2からB5のいずれかにおいて、
前記板体は、弾性変形可能に構成されており、
前記第1保持部は、前記第1孔の表面側(孔縁)から前記所定の深さに亘って、前記突起部に対して、常時、前記板体の弾性力を付与する第1常時負荷手段(例えば、主表示位置決め孔609,610の内径)を備えていることを特徴とする遊技機B6。
【0649】
遊技機B6によれば、遊技機B2~B5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、板体が弾性変形可能に構成され、第1保持部に備えられた第1常時負荷手段により、第1孔の表面側(孔縁)から所定の深さに亘って、突起部に対して、常時、板体の弾性力が付与される。これにより、第1常時負荷手段によって板体の弾性力を、常時、第1孔に挿入された突起部に付与させて該突起部を保持しておくことができる、という効果がある。
【0650】
遊技機B3からB6のいずれかにおいて、
前記板体は、弾性変形可能に構成されており、
前記第3保持部は、前記第3孔の表面側(孔縁)から前記所定の深さに亘って、前記突起部に対して、常時、前記板体の弾性力を付与する第3常時負荷手段(例えば、スルーストレート部627aの内径)を備えていることを特徴とする遊技機B7。
【0651】
遊技機B7によれば、遊技機B3~B6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、板体が弾性変形可能に構成され、第3保持部に備えられた第3常時負荷手段により、第3孔の表面側(孔縁)から所定の深さに亘って、突起部に対して、常時、板体の弾性力が付与される。これにより、第3常時負荷手段によって板体の弾性力を、常時、第3孔に挿入された突起部に付与させて該突起部を保持しておくことができる、という効果がある。
【0652】
遊技機B6又はB7において、
前記第1常時負荷手段又は前記第3常時負荷手段は、前記第1保持部又は前記第3保持部の大きさを、前記突起部の外形より小さく形成することを特徴とする遊技機B8。
【0653】
遊技機B8によれば、遊技機B6又はB7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1常時負荷手段又は第3常時負荷手段において、第1保持部又は第3保持部の大きさが、突起部の外形より小さく形成される。これにより、板体が弾性変形することで第1保持部又は第3保持部に突起部を挿入可能に構成すると共に、第1保持部又は第3保持部に挿入された突起部に対して、常時、板体の弾性力を付与し続けることができる。よって、第1保持部又は第3保持部の常時負荷手段によって、第1孔又は第3孔に挿入された突起部を保持し続けることができる、という効果がある。
【0654】
遊技機B2からB8のいずれかにおいて、
前記第2挿入受容部は、前記第2孔の前記所定の深さ未満の所定部分から該所定の深さに亘って、前記突起部を保持する第2挿入保持部(例えば、始動位置決め孔620,621における始動突起4i,4jの外形と接触する部分)を備えていることを特徴とする遊技機B9。
【0655】
遊技機B9によれば、遊技機B2~B8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2孔の孔の表面側(孔縁)においては、第2挿入受容部により突起部が該第2孔に挿入され、第2孔の所定の深さ未満の所定部分から所定の深さに亘って設けられた第2挿入保持部により、第2孔に挿入された突起部が保持される。これにより、第2挿入受容部により第2孔に突起部を挿入し易くすると共に、第2孔の所定の深さ未満の所定部分から所定の深さに亘って設けられた第2挿入保持部により、第2孔に挿入された突起部を保持することができる。よって、第2孔に突起部を挿入し易くすると共に、第2孔に挿入された突起部を保持し続けることができる、という効果がある。
【0656】
遊技機B3からB9のいずれかにおいて、
前記第3挿入受容部は、前記第3孔の前記所定の深さ未満の所定部分から該所定の深さに亘って、前記突起部を保持する第3挿入保持部(例えば、スルーテーパ部627bにおけるスルー突起7fの外形と接触する部分)を備えていることを特徴とする遊技機B10。
【0657】
遊技機B9によれば、遊技機B2~B8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3孔の孔の表面側(孔縁)においては、第3挿入受容部により突起部が該第3孔に挿入され、第3孔の所定の深さ未満の所定部分から所定の深さに亘って設けられた第3挿入保持部により、第3孔に挿入された突起部が保持される。これにより、第3挿入受容部により第3孔に突起部を挿入し易くすると共に、第3孔の所定の深さ未満の所定部分から所定の深さに亘って設けられた第3挿入保持部により、第3孔に挿入された突起部を保持することができる。よって、第3孔に突起部を挿入し易くすると共に、第3孔に挿入された突起部を保持し続けることができる、という効果がある。
【0658】
遊技機B9又はB10において、
前記第2挿入受容部又は前記第3挿入受容部は、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記第2挿入受容部又は前記第3挿入受容部の大きさを、前記突起部の外形より大きく形成し、
前記孔の所定の深さにおいて、前記第2挿入受容部又は前記第3挿入受容部の大きさを、前記突起部の外形より小さく形成し、
前記第2挿入保持部又は前記第3挿入保持部は、前記所定部分から前記所定の深さに亘って、前記第2挿入受容部又は前記第3挿入受容部の大きさを、前記突起部の外形より小さく形成することを特徴とする遊技機B11。
【0659】
遊技機B11によれば、遊技機B9又はB10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2挿入受容部又は第3挿入受容部において、孔の表面側(孔縁)では、第2挿入受容部又は第3挿入受容部の大きさが突起部の外形より大きく形成され、孔の所定の深さでは、第2挿入受容部又は第3挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さく形成され、第2挿入保持部又は第3挿入保持部により、所定部分から所定の深さに亘って、第2挿入受容部又は第3挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さく形成される。これにより、孔の表面側(孔縁)では第2挿入受容部又は第3挿入受容部の大きさが突起部の外形より大きいことから、第2孔又は第3孔に突起部を挿入し易くする。また、所定部分から所定の深さに亘って、第2挿入受容部又は第3挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さいことから、第2孔又は第3孔に挿入された突起部を保持することができる。よって、第2孔又は第3孔に突起部を挿入し易くすると共に、第2孔又は第3孔に挿入された突起部を保持し続けることができる、という効果がある。
【0660】
遊技機B11において、
前記第2挿入受容部又は前記第3挿入受容部の大きさは、前記孔の表面側(孔縁)から深さ方向に向かって徐々に細くなるように構成されていることを特徴とする遊技機B12。
【0661】
遊技機B12によれば、遊技機B11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2挿入受容部又は第3挿入受容部の大きさが、孔の表面側(孔縁)から深さ方向に向かって徐々に細くなるように構成される。これにより、孔の表面側(孔縁)から所定部分に亘って突起部の挿入を受け容れ、所定部分から所定の深さに亘って突起部を保持し、さらに、所定部分から所定深さにかけて徐々に突起部に負荷される板体の弾性力を強くすることができる。よって、第2孔又は第3孔に突起部を挿入し易くすると共に、第2孔又は第3孔に挿入された突起部を保持し続け、各部品が板体から外れてしまうことを防止して、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【0662】
遊技機B0からB12のいずれかにおいて、
前記部品は、該部品の特性に基づいて前記孔の形状が異なることを特徴とする遊技機B13。
【0663】
遊技機B13によれば、遊技機B0~B12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、部品の特性に基づいて孔の形状が異なるように構成される。これにより、部品の特性に対応した形状の孔を選択し、選択された孔を用いて部品を板体に配設することができる、という効果がある。
【0664】
部品の突起部を挿入可能な孔として、孔の表面側(孔縁)において突起部を保持可能な第1孔がある。この第1孔は、孔の表面側(孔縁)に弾性変形可能な第1保持部のみを有しており、該第1保持部の大きさが突起部の外形より小さく構成される。これにより、第1孔に挿入された部品の突起部が、該第1孔の第1保持部により保持可能に構成されるという点で優れた効果がある。しかし、突起部を第1孔に挿入しようとした場合に、第1補助保持部の大きさが突起部の外形より小さいことにより、突起部が第1孔にしっかり挿入されない場合があるという欠点がある。
【0665】
また、部品の突起部を挿入可能な孔として、孔の表面側(孔縁)において突起部の挿入を受け容れる第2挿入受容部のみを有する第2孔がある。この第2孔は、孔の表面側(孔縁)に部品の突起部が挿入され易いように第2挿入受容部を有し、また、孔の内部に第2挿入保持部を有している。この第2孔では、孔の表面側(孔縁)の第2挿入受容部の大きさが突起部の外形より大きく構成され、また、孔の内部の第2挿入保持部の大きさが突起部の外形より小さく構成されることにより、第2孔の孔の表面側(孔縁)では部品の突起部が挿入され易く構成され、第2孔の孔の内部に設けられた第2挿入保持部により第2孔に挿入された突起部を保持可能に構成されているという点で優れた効果がある。
【0666】
しかし、板体は、製造時における製造ムラによって個体差(板厚又は硬さの違い)があり、その個体差の影響によって第2孔の第2挿入受容部又は第2挿入保持部の機能が低下してしまう場合がある。具体的には、例えば、板体の個体差の影響で第2孔が大きく形成された場合には、孔の表面側(孔縁)における第2挿入受容部が大きく形成され、孔の内部における第2挿入保持部も大きく形成されてしまい、第2孔の孔の内部に挿入された部品の突起部がしっかり保持されないという欠点がある。
【0667】
また、例えば、板体の個体差の影響で第2孔が小さく形成された場合には、孔の表面側(孔縁)における第2挿入受容部が小さく形成されてしまい、突起部が第2孔にしっかり挿入されないという欠点がある。
【0668】
ここで、部品の突起部を挿入可能な孔として、孔の表面側(孔縁)において第3挿入受容部と第3保持部とを有する第3孔がある。この第3孔では、孔の表面側(孔縁)の第3挿入受容部において、第3挿入受容部の大きさが突起部の外形より大きく形成される。また、第3孔では、孔の所定の深さにおいて、第3挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さく形成される。さらに、第3孔では、第3挿入保持部により、第3孔の所定部分から所定の深さに亘って、第3挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さく形成される。また、孔の表面側(孔縁)第3保持部の第3常時負荷手段により、孔の表面側(孔縁)から所定の深さに亘って、突起部に対して、常時、板体の弾性力が付与される。
【0669】
このように構成することで、孔の表面側(孔縁)では、第3挿入受容部の大きさが突起部の外形より大きいことから、第3孔に突起部を挿入し易くし、また、所定部分から所定の深さに亘って、第3挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さいことから、第3孔に挿入された突起部を保持することができる。また、第3保持部の第3常時負荷手段によって板体の弾性力を、常時、突起部に付与させて該突起部を保持できるという点で優れた効果がある。ただし、第3孔は、第3挿入受容部によって部品の突起部を第3孔に挿入し易くする機能と、第3保持部によって第3孔に挿入された突起部を保持する機能とを兼ね備えているが、突起部を挿入し易くする機能としては、第2孔の第2挿入受容部の方が第3孔の第3挿入受容部より高く、また、突起部を保持する機能としては、第1孔の第1保持部の方が第3孔の第3保持部より高いように構成されている。
【0670】
従って、部品の特性に基づいて、上記第1孔、第2孔又は第3孔のいずれかを選択し、選択された第1孔、第2孔又は第3孔を用いて板体に部品を配設することで、部品によって特性がそれぞれ異なる突起部を板体の第1孔、第2孔又は第3孔に挿入させつつ保持し続けることができる、という効果がある。
【0671】
遊技機B13において、
前記部品の特性は、該部品の重さであり、
前記部品は、前記重さに基づいて設けられた前記第1孔、前記第2孔又は前記第3孔のいずれかにより前記板体に配設されることを特徴とする遊技機B14。
【0672】
遊技機B14によれば、遊技機B13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、部品の重さに基づいて設けられた第1孔、第2孔又は第3孔のいずれかにより、該部品が板体に配設される。
【0673】
例えば、軽い部品は、部品自身の荷重が軽いことから、一旦、孔に突起部が挿入された場合でも、突起部が孔から外れ易い。従って、軽い部品は、突起部を挿入し易い第2孔ではなく、突起部が保持され易い第1孔を用いて板体に配設させる。また、重い部品は、部品自身の荷重の重さにより、一旦、孔に突起部が挿入された場合に、突起部が孔から外れ難い。従って、重い部品は、突起部が保持され易い第1孔ではなく、突起部が挿入され易い第2孔を用いて板体に配設させる。さらに、重くもなく軽くもない部品は、顕著な特性がないため、突起部を挿入し易く、突起部を保持し易い第3孔を用いて板体に配設させる。
【0674】
このように、部品の重さに対応した孔を用いて突起部を保持することで、部品の重さに基づいて突起部の孔への挿入を優先するか固定を優先するかを選択し、孔に突起部を挿入させつつ保持し続けることができる。よって、特性が異なる各部品が板体から外れてしまうことを防止して、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【0675】
遊技機B13又はB14において、
前記部品の特性は、該部品の前記突起部の数であり、
前記部品は、前記突起部の数に基づいて設けられた前記第1孔、前記第2孔又は前記第3孔のいずれかにより前記板体に配設されることを特徴とする遊技機B15。
【0676】
遊技機B15によれば、遊技機B13又はB14の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、部品の突起部の数に基づいて設けられた第1孔、第2孔又は第3孔のいずれかにより、該部品が板体に配設される。
【0677】
例えば、突起部の数が少ない部品は、突起部の数が少ないことから、各孔による各突起部それぞれの保持力を合計した合算保持力が弱く、一旦、孔に突起部が挿入された場合でも、突起部が孔から外れ易い。従って、突起部の数が少ない部品は、突起部を挿入し易い第2孔ではなく、突起部が保持され易い第1孔を用いて板体に配設させる。また、突起部の数が多い部品は、突起部の数が多いことから、各孔による各突起部それぞれの保持力を合計した合算保持力が強く、一旦、孔に突起部が挿入された場合に、突起部が孔から外れ難い。従って、突起部の数が多い部品は、突起部が保持され易い第1孔ではなく、突起部が挿入され易い第2孔を用いて板体に配設させる。さらに、突起部が少なくもなく多くもない部品は、顕著な特性がないため、突起部を挿入し易く、突起部を保持し易い第3孔を用いて板体に配設させる。
【0678】
このように、部品の突起部の数に対応した孔を用いて突起部を保持することで、部品の突起部の数に基づいて突起部の孔への挿入を優先するか固定を優先するかを選択し、孔に突起部を挿入させつつ保持し続けることができる。よって、特性が異なる各部品が板体から外れてしまうことを防止して、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【0679】
遊技機B13からB15のいずれかにおいて、
前記部品の特性は、該部品に対するメッキ処理の有無であり、
前記部品は、前記メッキ処理の有無に基づいて設けられた前記第1孔、前記第2孔又は前記第3孔のいずれかにより前記板体に配設されることを特徴とする遊技機B16。
【0680】
遊技機B16によれば、遊技機B13~B15の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、部品に対するメッキ処理の有無に基づいて設けられた第1孔、第2孔又は第3孔のいずれかにより、該部品が板体に配設される。
【0681】
例えば、部品に対してメッキ処理が施されている場合は、メッキ処理によるメッキ層分、該備品の突起部の厚みが増している。このため、突起部を挿入し易い第2孔又は第3孔を用いて板体に配設させる。また、部品に対してメッキ処理が施されていない場合は、メッキ処理によるメッキ層がない。このため、突起部を挿入し易い第2孔ではなく、突起部が保持され易い第1孔又は第3孔を用いて板体に配設させる。
【0682】
このように、部品に対するメッキ処理の有無に対応した孔を用いて該部品の突起部を保持する。これにより、部品に対するメッキ処理の有無に基づいて突起部の孔への挿入を優先するか固定を優先するかを選択し、孔に突起部を挿入させつつ保持し続けることができる。よって、特性が異なる各部品が板体から外れてしまうことを防止して、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【0683】
遊技機B13からB16のいずれかにおいて、
前記部品の特性は、該部品による遊技結果への影響度の大小であり、
前記部品は、前記遊技結果への影響度の大小に基づいて設けられた前記第1孔、前記第2孔又は前記第3孔のいずれかにより前記板体に配設されることを特徴とする遊技機B17。
【0684】
遊技機B17によれば、遊技機B13~16の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、部品による遊技結果への影響度の大小に基づいて設けられた第1孔、第2孔又は第3孔のいずれかにより、該部品が板体に配設される。
【0685】
例えば、遊技結果への影響度が大きい部品(例えば、始動入賞口ユニット4)は、突起部が孔にしっかり挿入されていない場合に遊技結果が大きく変動してしまう。従って、遊技結果への影響度が大きい部品は、まずは孔に挿入させることを優先して、突起部が孔に挿入され易い第2孔又は第3孔を用いて板体に配設させる。また、遊技結果への影響度が小さい(無い)部品(例えば、主表示ユニット87)は、たとえ孔に突起が挿入されていなくても遊技結果に与える影響は少ない。従って、遊技結果への影響度が小さい部品は、突起部が孔に挿入された場合に突起部を保持し易い第1孔を用いて板体に配設させる。
【0686】
このように、部品による遊技結果への影響度の大小に対応した孔を用いて、該部品の突起部を保持する。これにより、部品による遊技結果への影響度の大小に基づいて突起部の孔への挿入を優先するか固定を優先するかを選択し、孔に突起部を挿入させつつ保持し続けることができる。よって、特性が異なる各部品が板体から外れてしまうことを防止して、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【0687】
遊技機B13から
図17のいずれかにおいて、
前記部品の特性は、該部品における前記遊技媒体の通過量(接触量)であり、
前記部品は、前記通過量(接触量)に基づいて設けられた前記第1孔、前記第2孔又は前記第3孔のいずれかにより前記板体に配設されることを特徴とする遊技機B18。
【0688】
遊技機B18によれば、遊技機B13~B17の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、部品における遊技媒体の通過量(接触量)に基づいて設けられた第1孔、第2孔又は第3孔のいずれかにより板体に配設される。
【0689】
例えば、遊技媒体の通過量(接触量)が多い部品(例えば、始動入賞口ユニット4)は、しっかり固定されていない場合に遊技媒体に与える影響が大きく、遊技結果が大きく変動してしまう。従って、遊技媒体の通過量(接触量)が多い部品は、まずは孔に挿入させることを優先して、突起部が孔に挿入され易い第2孔を用いて板体に配設させる。また、遊技媒体の通過量(接触量)が少ない(無い)部品(例えば、主表示ユニット87)は、たとえ突起部が孔に挿入されていなくても、遊技媒体の通過量(接触量)が少ない(無い)ことから、遊技結果に与える影響は少ない。従って、遊技媒体の通過量(接触量)が少ない(無い)部品は、突起部が孔に挿入された場合に突起部が保持され易い第1孔を用いて板体に配設させる。
【0690】
このように、部品における遊技媒体の通過量(接触量)に対応した孔を用いて、該部品の突起部を保持することで、部品における遊技媒体の通過量(接触量)に基づいて突起部の孔への挿入を優先するか固定を優先するかを選択し、孔に突起部を挿入させつつ保持し続けることができる。よって、特性が異なる各部品が板体から外れてしまうことを防止して、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【0691】
遊技機B13からB18のいずれかにおいて、
前記板体は、該板体の前面側に前記遊技領域を区画形成するための区画部材(例えば、内レール61、外レール62及び右側コーナー飾り70)を備え、
前記部品の特性は、該部品の配設位置が前記区画部材によって区画形成される前記遊技領域内か否かであり、
前記部品は、該部品の配設位置が前記遊技領域内か否かに基づいて設けられた前記第1孔、前記第2孔又は前記第3孔のいずれかにより前記板体に配設されることを特徴とする遊技機B19。
【0692】
遊技機B19によれば、遊技機B13~B18の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、部品の配設位置が区画部材によって区画形成される遊技領域内か否かに基づいて設けられた第1孔、第2孔又は第3孔のいずれかにより、該部品が板体に配設される。
【0693】
例えば、遊技領域内に配設される部品(例えば、始動入賞口ユニット4又はスルーゲート7)は、遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体と接触するため、しっかり固定されていない場合に遊技媒体の流下方向に与える影響が大きく、遊技結果が大きく変動してしまう可能性がある。従って、遊技領域内に配設される部品は、まずは孔に挿入させることを優先して、突起部が孔に挿入され易い第2孔又は第3孔を用いて板体に配設させる。また、遊技領域外に配設される部品(例えば、主表示ユニット87)は、たとえ固定されていなくても、遊技媒体と接触しないことから、遊技結果に与える影響は無い。従って、遊技領域外に配設される部品は、突起部が保持され易い第1孔を用いて板体に配設させる。
【0694】
このように、部品の配設位置が遊技領域内か否かに対応した孔を用いて、該部品の突起部を保持することで、部品における遊技媒体との接触有無に基づいて突起部の孔への挿入を優先するか固定を優先するかを選択し、孔に突起部を挿入させつつ保持し続けることができる。よって、特性が異なる各部品が板体から外れてしまうことを防止して、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【0695】
遊技機B13からB19のいずれかにおいて、
前記遊技盤は、
前記孔に前記突起部を挿入して、前記板体に前記部品が載置される部品載置工程と、
前記板体を搬送する搬送工程と、
前記板体に載置される前記部品を固定具(例えば、ビス)により固定する部品固定工程と、を経て形成され、
前記部品の特性は、前記部品載置工程において前記部品が前記板体に載置されてから、前記部品固定工程において前記部品が前記固定具により固定されるまでの搬送距離の長さであり、
前記部品は、前記搬送距離の長さに基づいて設けられた前記第1孔、前記第2孔又は前記第3孔のいずれかにより前記板体に配設されることを特徴とする遊技機B20。
【0696】
遊技機B20によれば、遊技機B13~B19の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、部品載置工程により、孔に突起部が挿入されて、板体に部品が載置され、搬送工程により、板体が搬送され、部品固定工程により、板体に載置される部品が固定具により固定され、上記各工程を経て形成された遊技盤を備えており、部品載置工程において部品が板体に載置されてから、部品固定工程において部品が固定具により固定されるまでの搬送距離の長さに基づいて設けられた第1孔、第2孔又は第3孔のいずれかにより、該部品が板体に配設される。
【0697】
例えば、搬送距離が長い部品(例えば、盤面サイド飾り8)は、板体に載置されてから固定されるまでの搬送距離が長いため、搬送停止時や搬送開始時等の搬送時に発生する衝撃等による影響を受けやすく、当初の載置位置からズレてしまう可能性がある。従って、搬送距離が長い部品は、孔によって突起部をしっかり保持するように、第1孔又は第3孔を用いて板体に配設させる。また、搬送距離が短い部品(例えば、始動入賞口ユニット4)は、板体に載置されてから固定されるまでの搬送距離が短いため、搬送時に発生する衝撃等の影響を受け難く、当初の載置位置からズレる可能性は低い。従って、搬送距離が短い部品は、孔によって突起部を保持することよりも、孔に突起部をしっかり挿入することを優先して、第2孔を用いて板体に配設させる。
【0698】
このように、部品が板体に載置されてから固定されるまでの搬送距離の長さに対応した孔を用いて、該部品の突起部を保持することで、部品の載置位置のズレが発生する可能性に基づいて突起部の孔への挿入を優先するか固定を優先するかを選択し、孔に突起部を挿入させつつ保持し続けることができる、という効果がある。
【0699】
遊技機B13からB20のいずれかにおいて、
前記部品の特性は、該部品の部品単価であり、
前記部品は、前記部品単価に基づいて設けられた前記第1孔、前記第2孔又は前記第3孔のいずれかにより前記板体に配設されることを特徴とする遊技機B21。
【0700】
遊技機B21によれば、遊技機B13~B20の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、部品の部品単価に基づいて設けられた第1孔、第2孔又は第3孔のいずれかにより、該部品が板体に配設される。
【0701】
例えば、部品単価が高い部品は、破損して交換しなければいけない場合に、損失が大きくなる。従って、部品単価が高い部品は、孔に突起部をしっかり保持させるため、第1孔を用いて板体に配設させる。また、部品単価が安い部品は、破損して交換しなければいけない場合に、損失は大きくない。従って、部品単価が安い部品は、孔に突起部を確実に挿入させるために、第2孔又は第3孔を用いて板体に配設させる。
【0702】
このように、部品の部品単価に基づいて突起部の孔への挿入を優先するか固定を優先するかを選択し、孔に突起部を挿入させつつ保持し続けることができる、という効果がある。
【0703】
遊技機B13からB21のいずれかにおいて、
前記部品の特性は、異なる機種の遊技機で共通的に使用される共通部品か否かであり、
前記部品は、前記共通部品か否かに基づいて設けられた前記第1孔、前記第2孔又は前記第3孔のいずれかにより前記板体に配設されることを特徴とする遊技機B22。
【0704】
遊技機B22によれば、遊技機B13~B21の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、部品が異なる機種の遊技機で共通的に使用される共通部品か否かに基づいて設けられた第1孔、第2孔又は第3孔のいずれかにより、該部品が板体に配設される。
【0705】
例えば、異なる機種の遊技機で共通的に使用されない非共通な部品であれば、作業者が当該部品の扱いに慣れていないため、作業ミスが発生し易い可能性がある。従って、非共通な部品は、孔に突起部を確実に挿入させるため、第2孔又は第3孔を用いて板体に配設させる。また、異なる機種の遊技機で共通的に使用される共通の部品であれば、作業者が当該部品の扱いに慣れているため、作業ミスが発生し難い。従って、孔に突起部をしっかり保持させるため、第1孔を用いて板体に配設させる。
【0706】
このように、部品が共通的に使用される部品か否かに基づいて突起部の孔への挿入を優先するか固定を優先するかを選択し、孔に突起部を挿入させつつ保持し続けることができる。よって、特性が異なる各部品が板体から外れてしまうことを防止して、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【0707】
遊技機B13からB22のいずれかにおいて、
前記部品は、該部品の複数の特性に基づいて前記孔の形状が異なることを特徴とする遊技機B23。
【0708】
遊技機B23によれば、遊技機B13~B22の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、部品の複数の特性に基づいて孔の形状が異なるように構成される。これにより、部品の複数の特性を考慮して最適な孔を選択し、選択された孔を用いて板体に部品を配設することができる。よって、部品の突起部を、該部品の複数の特性に対応した最適な孔に挿入させつつ保持し続けることができる、という効果がある。
【0709】
遊技機B3からB23のいずれかにおいて、
前記第3保持部は、少なくとも2以上設けられ、
前記第3孔において、少なくとも2の前記第3保持部が対向するように形成されることを特徴とする遊技機B24。
【0710】
遊技機B24によれば、遊技機B3~B23の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3保持部が少なくとも2以上設けられ、第3孔において、少なくとも2の第3保持部が対向(対峙)するように形成される。これにより、部品の突起部を第3孔の第3保持部によって挟み込むように保持することができるので、突起部を保持する力が増し、突起部が第3孔から飛び出してしまうことを防止することができる。よって、第3孔に挿入された突起部を保持し続けることができる、という効果がある。
【0711】
遊技機B3からB24のいずれかにおいて、
前記第3挿入受容部は、少なくとも2以上設けられ、
前記第3孔において、少なくとも2の前記第3挿入受容部が対向するように形成されることを特徴とする遊技機B25。
【0712】
遊技機B25において、遊技機B3~B24の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3挿入受容部が少なくとも2以上設けられ、第3孔において、少なくとも2の第3挿入受容部が対向(対峙)するように形成される。これにより、第3孔の1の第3挿入受容部と他の第3挿入受容部とで形成された空間へ部品の突起部を挿入することができるので、第3孔へ突起部を挿入し易くすることができる、という効果がある。
【0713】
遊技機B25において、
前記第3孔において、
1の前記第3保持部と他の前記第3保持部とを対向して形成すると共に、
1の前記第3挿入受容部と他の前記第3挿入受容部とを対向して形成することを特徴とする遊技機B26。
【0714】
遊技機B26によれば、遊技機B25の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3孔において、1の第3保持部と他の第3保持部とが対向(対峙)して形成されると共に、1の第3挿入受容部と他の第3挿入受容部とが対向(対峙)して形成される。これにより、対向(対峙)するように形成された第3挿入受容部により突起部を第3孔に挿入し易くすると共に、対向(対峙)するように形成された第3保持部により突起部を挟み込むように保持することができる。よって、第3孔に突起部を挿入し易くすると共に、第3孔に挿入された突起部を保持し続けることができる、という効果がある。
【0715】
<C群>
前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域を形成する板体(例えば、ベース板60及びセルシート60a)と、該板体の前面側に固定される部品(例えば、第2実施形態の始動入賞口ユニット4)と、により構成された遊技盤(例えば、遊技盤13)を備えた遊技機において、
前記部品は、
前記板体と接する基部(例えば、始動基部4e)と、
該基部の前記板体と接する側に設けられた複数の突起部(例えば、始動突起4i1,4j)と、を備え、
前記板体は、前記部品の各突起部をそれぞれ挿入可能に形成された形状の異なる複数種類の孔(例えば、始動位置決め孔620,621)を備え、
前記孔は、前記突起部ごとに異なる種類が選択されて配設されることを特徴とする遊技機C0。
【0716】
遊技機C0によれば、板体の前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域が形成され、部品が板体の前面側に固定され、板体及び部品により遊技盤が構成され、部品には、基部の板体と接する側に複数の突起部が設けられ、板体には、部品の各突起部をそれぞれ挿入可能な形状の異なる複数種類の孔が形成され、突起部ごとに異なる種類の孔が選択されて配設される。これにより、1の部品の各突起部ごと種類の異なる孔を用いて、板体に部品を配設することができる。よって、1の部品の各突起部に対応した種類の孔に該突起を挿入させつつ保持し続けることができる、という効果がある。
【0717】
遊技機C0において、
前記突起部は、
第1特性に基づいて構成される第1突起部と、
前記第1特性と異なる第2特性に基づいて構成される第2突起部と、を備え、
複数種類の前記孔は、前記第1特性又は前記第2特性に基づいてそれぞれ異なる形状に形成されることを特徴とする遊技機C1。
【0718】
遊技機C1によれば、遊技機C0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、突起部に備えられた第1突起部が第1特性に基づいて構成され、突起部に備えられた第2突起部が第1特性とは異なる第2特性に基づいて構成される。また、複数種類の孔は、突起部第1特性又は第2特性に基づいてそれぞれ異なる形状に形成される。これにより、部品の突起部ごとの特性に対応した孔を用いて板体に部品を配設することができる。よって、部品の部位によって特性がそれぞれ異なる突起部を板体の孔に挿入させつつ保持し続けることができる、という効果がある。
【0719】
遊技機C1において、
前記孔は、前記板体に対して所定の深さを有し、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部を保持する第1保持部のみを有する第1孔(例えば、主表示位置決め孔609,610)と、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部の挿入を受け容れる第2挿入受容部のみを有する第2孔(例えば、始動位置決め孔620,621)と、を備え、
前記第1突起部を前記第1孔に挿入し、
前記第2突起部を前記第2孔に挿入することを特徴とする遊技機C2。
【0720】
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、孔が板体に対して所定の深さを有し、孔の表面側(孔縁)に第1保持部のみが形成された第1孔では、該第1保持部で突起部が保持される。孔の表面側(孔縁)に第2挿入受容部のみが形成された第2孔では、該第2挿入受容部で突起部の挿入が受け容れられる。また、第1孔に第1突起部が挿入され、第2孔に第2突起部が挿入される。これにより、孔ごとに孔の表面側(孔縁)の形状(機能)を異ならせ、それぞれ特性が異なる突起部に対応した孔を用いて板体に部品を配設することができる、という効果がある。
【0721】
遊技機C1において、
前記孔は、前記板体に対して所定の深さを有し、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部を保持する第1保持部のみを有する第1孔(例えば、主表示位置決め孔609,610)と、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部を保持する第3保持部と、前記突起部の挿入を受け容れる第3挿入受容部と、を有する第3孔(例えば、スルー位置決め孔626,627)と、を備え、
前記第1突起部を前記第1孔に挿入し、
前記第2突起部を前記第3孔に挿入することを特徴とする遊技機C3。
【0722】
遊技機C3によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、孔が板体に対して所定の深さを有し、孔の表面側(孔縁)に第1保持部のみが形成された第1孔では、該第1保持部で突起部が保持される。孔の表面側(孔縁)に第3挿入受容部及び第3保持部が形成された第3孔では、該第3挿入受容部で突起部の挿入が受け容れられると共に、第3保持部で突起部が保持される。また、第1孔に第1突起部が挿入され、第3孔に第2突起部が挿入される。これにより、孔ごとに孔の表面側(孔縁)の形状(機能)を異ならせ、それぞれ特性が異なる突起部に対応した孔を用いて板体に部品を配設することができる、という効果がある。
【0723】
遊技機C1において、
前記孔は、前記板体に対して所定の深さを有し、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部の挿入を受け容れる第2挿入受容部のみを有する第2孔(例えば、始動位置決め孔620,621)と、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部を保持する第3保持部と、前記突起部の挿入を受け容れる第3挿入受容部と、を有する第3孔(例えば、スルー位置決め孔626,627)と、を備え、
前記第1突起部を前記第2孔に挿入し、
前記第2突起部を前記第3孔に挿入することを特徴とする遊技機C4。
【0724】
遊技機C4によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、孔が板体に対して所定の深さを有し、孔の表面側(孔縁)に第2挿入受容部のみが形成された第2孔では、該第2挿入受容部で突起部の挿入が受け容れられる。孔の表面側(孔縁)に第3挿入受容部及び第3保持部が形成された第3孔では、該第3挿入受容部で突起部の挿入が受け容れられると共に、第3保持部で突起部が保持される。また、第2孔に第1突起部が挿入され、第3孔に第2突起部が挿入される。これにより、孔ごとに孔の表面側(孔縁)の形状(機能)を異ならせ、それぞれ特性が異なる突起部に対応した孔を用いて板体に部品を配設することができる、という効果がある。
【0725】
遊技機C1において、
前記孔は、前記板体に対して所定の深さを有し、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部を保持する第1保持部のみを有する第1孔(例えば、主表示位置決め孔609,610)と、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部の挿入を受け容れる第2挿入受容部のみを有する第2孔(例えば、始動位置決め孔620,621)と、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部を保持する第3保持部と、前記突起部の挿入を受け容れる第3挿入受容部と、を有する第3孔(例えば、スルー位置決め孔626,627)と、を備え、
前記突起部は、前記第1特性及び前記第2特性と異なる第3特性に基づいて構成される第3突起部を備え、
前記第1突起部を、前記第1孔に挿入し、
前記第2突起部を、前記第2孔に挿入し、
前記第3突起部を、前記第3孔に挿入することを特徴とする遊技機C5。
【0726】
遊技機C5によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、孔が板体に対して所定の深さを有し、孔の表面側(孔縁)に第1保持部のみが形成された第1孔では、該第1保持部で突起部が保持される。孔の表面側(孔縁)に第2挿入受容部のみが形成された第2孔では、該第2挿入受容部で突起部の挿入が受け容れられる。孔の表面側(孔縁)に第3挿入受容部及び第3保持部が形成された第3孔では、該第3挿入受容部で突起部の挿入が受け容れられると共に、第3保持部で突起部が保持される。また、突起部として、第1特性及び第2特性と異なる第3特性で構成される第3突起部を備えている。さらに、第1孔に第1突起部が挿入され、第2孔に第2突起部が挿入され、第3孔に第3突起部が挿入される。これにより、孔ごとに孔の表面側(孔縁)の形状(機能)を異ならせ、それぞれ特性が異なる突起部に対応した孔を用いて板体に部品を配設することができる、という効果がある。
【0727】
遊技機C2からC5のいずれかにおいて、
前記板体は、弾性変形可能に構成されており、
前記第1保持部は、前記第1孔の表面側(孔縁)から前記所定の深さに亘って、前記突起部に対して、常時、前記板体の弾性力を付与する第1常時負荷手段(例えば、主表示位置決め孔609,610の内径)を備えていることを特徴とする遊技機C6。
【0728】
遊技機C6によれば、遊技機C2~C5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、板体が弾性変形可能に構成され、第1保持部に備えられた第1常時負荷手段により、第1孔の表面側(孔縁)から所定の深さに亘って、突起部に対して、常時、板体の弾性力が付与される。これにより、第1常時負荷手段によって板体の弾性力を、常時、突起部に付与させて該突起部を保持しておくことができる、という効果がある。
【0729】
遊技機C3からC6のいずれかにおいて、
前記板体は、弾性変形可能に構成されており、
前記第3保持部は、前記第3孔の表面側(孔縁)から前記所定の深さに亘って、前記突起部に対して、常時、前記板体の弾性力を付与する第3常時負荷手段(例えば、スルーストレート部627aの内径)を備えていることを特徴とする遊技機C7。
【0730】
遊技機C7によれば、遊技機C3~C6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、板体が弾性変形可能に構成され、第3保持部に備えられた第3常時負荷手段により、第3孔の表面側(孔縁)から所定の深さに亘って、突起部に対して、常時、板体の弾性力が付与される。これにより、第3常時負荷手段によって板体の弾性力を、常時、突起部に付与させて該突起部を保持しておくことができる、という効果がある。
【0731】
遊技機C6又はC7において、
前記第1常時負荷手段又は前記第3常時負荷手段は、前記第1保持部又は前記第3保持部の大きさを、前記突起部の外形より小さく形成することを特徴とする遊技機C8。
【0732】
遊技機C8によれば、遊技機C6又はC7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1常時負荷手段又は第3常時負荷手段において、第1保持部又は第3保持部の大きさが、突起部の外形より小さく形成される。これにより、板体が弾性変形することで第1保持部又は第3保持部に突起部を挿入可能に構成すると共に、第1保持部又は第3保持部に挿入された突起部に対して、常時、板体の弾性力を付与し続けることができる。よって、第1保持部又は第3保持部の常時負荷手段によって、孔に挿入された突起部を保持し続けることができる、という効果がある。
【0733】
遊技機C2からC8のいずれかにおいて、
前記第2挿入受容部は、前記第2孔の前記所定の深さ未満の所定部分から該所定の深さに亘って、前記突起部を保持する第2挿入保持部(例えば、始動位置決め孔620,621における始動突起4i,4jの外形と接触する部分)を備えていることを特徴とする遊技機C9。
【0734】
遊技機C9によれば、遊技機C2~C8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2孔の表面側(孔縁)においては、第2挿入受容部により突起部が該第2孔に挿入され、第2孔の所定の深さ未満の所定部分から所定の深さに亘って設けられた第2挿入保持部により、第2孔に挿入された突起部が保持される。これにより、第2挿入受容部により第2孔に突起部を挿入し易くすると共に、第2孔の所定の深さ未満の所定部分から所定の深さに亘って設けられた第2挿入保持部により、第2孔に挿入された突起部を保持することができる。よって、第2孔に突起部を挿入し易くすると共に、第2孔に挿入された突起部を保持し続けることができる、という効果がある。
【0735】
遊技機C3からC9のいずれかにおいて、
前記第3挿入受容部は、前記第3孔の前記所定の深さ未満の所定部分から該所定の深さに亘って、前記突起部を保持する第3挿入保持部(例えば、スルーテーパ部627bにおけるスルー突起7fの外形と接触する部分)を備えていることを特徴とする遊技機C10。
【0736】
遊技機C10によれば、遊技機C3~C9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3孔の表面側(孔縁)においては、第3挿入受容部により突起部が該第3孔に挿入され、第3孔の所定の深さ未満の所定部分から所定の深さに亘って設けられた第3挿入保持部により、第3孔に挿入された突起部が保持される。これにより、第3挿入受容部により第3孔に突起部を挿入し易くすると共に、第3孔の所定の深さ未満の所定部分から所定の深さに亘って設けられた第3挿入保持部により、第3孔に挿入された突起部を保持することができる。よって、第3孔に突起部を挿入し易くすると共に、第3孔に挿入された突起部を保持し続けることができる、という効果がある。
【0737】
遊技機C9又はC10において、
前記第2挿入受容部又は前記第3挿入受容部は、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記第2挿入受容部又は前記第3挿入受容部の大きさを、前記突起部の外形より大きく形成すると共に、
前記孔の所定の深さにおいて、前記第2挿入受容部又は前記第3挿入受容部の大きさを、前記突起部の外形より小さく形成し、
前記第2挿入保持部又は前記第3挿入保持部は、前記所定部分から前記所定の深さに亘って、前記第2挿入受容部又は前記第3挿入受容部の大きさを、前記突起部の外形より小さく形成することを特徴とする遊技機C11。
【0738】
遊技機C11によれば、遊技機C9又はC10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2挿入受容部又は第3挿入受容部において、孔の表面側(孔縁)では、第2挿入受容部又は第3挿入受容部の大きさが突起部の外形より大きく形成され、孔の所定の深さでは、第2挿入受容部又は第3挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さく形成され、第2挿入保持部又は第3挿入保持部により、所定部分から所定の深さに亘って、第2挿入受容部又は第3挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さく形成される。これにより、孔の表面側(孔縁)では第2挿入受容部又は第3挿入受容部の大きさが突起部の外形より大きいことから、第2孔又は第3孔に突起部を挿入し易くする。また、所定部分から所定の深さに亘って、第2挿入受容部又は第3挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さいことから、第2孔又は第3孔に挿入された突起部を保持することができる。よって、第2孔又は第3孔に突起部を挿入し易くすると共に、第2孔又は第3孔に挿入された突起部を保持し続けることができる、という効果がある。
【0739】
遊技機C11において、
前記第2挿入受容部又は前記第3挿入受容部の大きさは、前記孔の表面側(孔縁)から深さ方向に向かって徐々に細くなるように構成されていることを特徴とする遊技機C12。
【0740】
遊技機C12によれば、遊技機C11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2挿入受容部又は第3挿入受容部の大きさが、孔の表面側(孔縁)から深さ方向に向かって徐々に細くなるように構成される。これにより、孔の表面側(孔縁)から所定部分までは突起部の挿入を受け容れ、所定部分から所定の深さまでは突起部を保持し、さらに、所定部分から所定深さまで徐々に突起部に負荷される板体の弾性力を強くすることができる。よって、第2孔又は第3孔に突起部を挿入し易くすると共に、第2孔又は第3孔に挿入された突起部を保持し続けることができる。その結果、部品が板体から外れてしまうことを防止して、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【0741】
遊技機C0からC12のいずれかにおいて、
前記突起部は、該突起部の特性に基づいて前記孔の形状が異なることを特徴とする遊技機C13。
【0742】
遊技機C13によれば、遊技機C0~C12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、部品の突起部ごとの特性に基づいて孔の形状が異なるように構成される。これにより、突起部の特性に対応した孔を選択し、選択された孔を用いて、該突起部を有する部品を板体に配設することができる、という効果がある。
【0743】
部品の突起部を挿入可能な孔として、孔の表面側(孔縁)において突起部を保持可能な第1孔がある。この第1孔は、孔の表面側(孔縁)に弾性変形可能な第1保持部のみを有しており、該第1保持部の大きさが突起部の外形より小さく構成される。これにより、第1孔に挿入された部品の突起部が、該第1孔の第1補助保持部により保持可能に構成されているという点で優れた効果がある。しかし、突起部を第1孔に挿入しようとした場合に、第1保持部の大きさが突起部の外形より小さいことにより、突起部が第1孔にしっかり挿入されない場合があるという欠点がある。
【0744】
また、部品の突起部を挿入可能な孔として、孔の表面側(孔縁)において突起部の挿入を受け容れる第2挿入受容部のみを有する第2孔がある。この第2孔は、孔の表面側(孔縁)に部品の突起部が挿入され易いように第2挿入受容部を有し、また、孔の内部に第2挿入保持部を有している。この第2孔では、孔の表面側(孔縁)の第2挿入受容部の大きさが突起部の外形より大きく構成され、また、孔の内部の第2挿入保持部の大きさが突起部の外形より小さく構成されることにより、第2孔の孔の表面側(孔縁)では部品の突起部が挿入され易く構成され、第2孔の孔の内部に設けられた第2挿入保持部により第2孔に挿入された突起部を保持可能に構成されているという点で優れた効果がある。
【0745】
しかし、板体は、製造時における製造ムラによって個体差(板厚又は硬さの違い)があり、その個体差の影響によって第2孔の第2挿入受容部又は第2挿入保持部の機能が低下してしまう場合がある。具体的には、例えば、板体の個体差の影響で第2孔が大きく形成された場合には、孔の表面側(孔縁)における第2挿入受容部が大きく形成され、孔の内部における第2挿入保持部も大きく形成されてしまい、第2孔の孔の内部に挿入された部品の突起部がしっかり保持されないという欠点がある。
【0746】
また、例えば、板体の個体差の影響で第2孔が小さく形成された場合には、孔の表面側(孔縁)における第2挿入受容部が小さく形成されてしまい、突起部が第2孔にしっかり挿入されないという欠点がある。
【0747】
ここで、部品の突起部を挿入可能な孔として、孔の表面側(孔縁)において第3挿入受容部と第3保持部とを有する第3孔がある。この第3孔では、孔の表面側(孔縁)の第3挿入受容部において、第3挿入受容部の大きさが突起部の外形より大きく形成される。また、第3孔では、孔の所定の深さにおいて、第3挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さく形成される。さらに、第3孔では、第3挿入保持部により、第3孔の所定部分から所定の深さに亘って、第3挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さく形成される。また、孔の表面側(孔縁)の第3保持部の第3常時負荷手段により、孔の表面側(孔縁)から所定の深さに亘って、突起部に対して、常時、板体の弾性力が付与される。
【0748】
このように構成することで、孔の表面側(孔縁)では第3挿入部の大きさが突起部の外形より大きいことから、第3孔に突起部を挿入し易くし、また、所定部分から所定の深さまで、第3挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さいことから、第3孔に挿入された突起部を保持することができる。また、第3保持部の第3常時負荷手段によって板体の弾性力を、常時、突起部に付与させて該突起部を保持できるという点で優れた効果がある。ただし、第3孔は、第3挿入受容部によって部品の突起部を第3孔に挿入し易くする機能と、第3保持部によって第3孔に挿入された突起部を保持する機能とを兼ね備えているが、突起部を挿入し易くする機能としては、第2孔の第2挿入受容部の方が第3孔の第3挿入受容部より高く、また、突起部を保持する機能としては、第1孔の第1保持部の方が第3孔の第3保持部より高いように構成されている。
【0749】
従って、部品の突起部ごとの特性に基づいて、上記第1孔、第2孔又は第3孔のいずれかを選択し、選択された第1孔、第2孔又は第3孔を用いて各突起部を介して板体に部品を配設することで、特性がそれぞれ異なる突起部を板体の第1孔、第2孔又は第3孔に挿入させつつ保持し続けることができる。その結果、部品が板体から外れてしまうことを防止して、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【0750】
遊技機C13において、
前記突起部の特性は、該突起部に対するメッキ処理の有無であり、
前記突起部は、該突起部に対するメッキ処理の有無に基づいて設けられた前記第1孔、前記第2孔又は前記第3孔のいずれかにより前記板体に配設されることを特徴とする遊技機C14。
【0751】
遊技機C14によれば、遊技機C13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、突起部に対するメッキ処理の有無に基づいて設けられた該突起部が、第1孔、第2孔又は第3孔のいずれかに挿入され、部品が板体に配設される。
【0752】
例えば、1の部品にメッキ処理が施されている部分と施されていない部分とが存在する場合において、突起部に対してメッキ処理が施されているときは、メッキ処理によるメッキ層分、該突起部の厚みが増している。このため、突起部を挿入し易い第2孔又は第3孔に対して該突起部を挿入し、部品を板体に配設させる。また、突起部に対してメッキ処理が施されていないときは、メッキ処理によるメッキ層がない。このため、突起部を挿入し易い第2孔ではなく、突起部が保持され易い第1孔又は第3孔に対して該突起部を挿入し、部品を板体に配設させる。
【0753】
このように、メッキ処理が施されている部分と施されていない部分とが存在する部品において、該部品の突起部においてメッキ処理の有無に対応した孔を用いて該突起部を保持する。これにより、部品の各部位に対するメッキ処理の有無に基づいて突起部の孔への挿入を優先するか固定を優先するかを選択し、各孔に各突起部を挿入させつつ保持し続けることができる。よって、特性が異なる突起部が孔から外れてしまうことを防止して、部品を板体に確実に固定し、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【0754】
遊技機C13又はC14において、
前記突起部の特性は、該突起部が配設された部位における遊技結果への影響度の大小であり、
前記突起部は、該突起部が配設されている部位における遊技結果への影響度の大小に基づいて設けられた前記第1孔、前記第2孔又は前記第3孔のいずれかにより前記板体に配設されることを特徴とする遊技機C15。
【0755】
遊技機C15によれば、遊技機C13又はC14の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、突起部が配設された部位における遊技結果への影響度の大小に基づいて設けられた第1孔、第2孔又は第3孔のいずれかにより、該部品が板体に配設される。
【0756】
例えば、遊技結果への影響度が大きい部位の突起部は、しっかり固定されていない場合に遊技結果が大きく変動してしまう。従って、遊技結果への影響度が大きい部位における突起部は、まずは突起部を孔に挿入させることを優先して、突起部が孔に挿入され易い第2孔又は第3孔を用いて板体に配設させる。また、遊技結果への影響度が小さい(無い)突起部は、たとえ突起部が孔に挿入されていなくても遊技結果に与える影響は少ない。従って、遊技結果への影響度が小さい(無い)突起部は、孔に突起部を挿入した場合に突起部が保持され易い第1孔を用いて板体に配設させる。
【0757】
このように、突起部が配設された部位ごとの遊技結果への影響度の大小に対応した孔を用いて、部品の突起部を保持する。これにより、突起部が配設された部位による遊技結果への影響度の大小に基づいて突起部の孔への挿入を優先するか固定を優先するかを選択し、孔に突起部を挿入させつつ保持し続けることができる。よって、特性が異なる各突起部が孔から外れてしまうことを防止して、部品を板体に確実に固定し、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【0758】
遊技機C13からC15のいずれかにおいて、
前記突起部の特性は、該突起部が配設された部位における遊技媒体の通過量(接触量)であり、
前記突起部は、該突起部が配設された部位における遊技媒体の通過量(接触量)に基づいて設けられた前記第1孔、前記第2孔又は前記第3孔のいずれかにより前記板体に配設されることを特徴とする遊技機C16。
【0759】
遊技機C16によれば、遊技機C13~C15の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、突起部が配設された部位における遊技媒体の通過量(接触量)に基づいて設けられた第1孔、第2孔又は第3孔のいずれかに挿入され、部品が板体に配設される。
【0760】
例えば、遊技媒体の通過量(接触量)が多い部位の突起部は、しっかり固定されていない場合に遊技媒体に与える影響が大きく、遊技結果が大きく変動してしまう。従って、遊技媒体の通過量(接触量)が多い部位の突起部は、まずは孔に突起部を挿入させることを優先して、突起部が孔に挿入され易い第2孔を用いて板体に配設させる。また、遊技媒体の通過量(接触量)が少ない(無い)部位の突起部は、たとえ突起部が孔に挿入されていなくても、遊技媒体の通過量(接触量)が少ない(無い)ことから、遊技結果に与える影響は少ない。従って、遊技媒体の通過量(接触量)が少ない(無い)部位の突起部は、突起部を孔に挿入した場合に突起部が保持され易い第1孔を用いて板体に配設させる。
【0761】
このように、突起部が配設された部位における遊技媒体の通過量(接触量)に対応した孔を用いて該突起部を保持する。これにより、突起部が配設された部位における遊技媒体の通過量(接触量)に基づいて突起部の孔への挿入を優先するか固定を優先するかを選択し、孔に突起部を挿入させつつ保持し続けることができる。よって、特性が異なる各突起部が孔から外れてしまうことを防止して、部品を板体に確実に固定し、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【0762】
遊技機C13からC16のいずれかにおいて、
前記突起部は、該突起部が配設された部位の複数の特性に基づいて前記孔の形状が異なることを特徴とする遊技機C17。
【0763】
遊技機C17によれば、遊技機C13~C16の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、突起部が配設された部位の複数の特性に基づいて孔の形状が異なるように構成される。これにより、突起部の複数の特性を考慮して最適な孔を選択し、選択された孔に突起部を挿入し、板体に部品を配設することができる。よって、部品の突起部を、該突起部が配設された部位の複数の特性に対応した最適な孔に挿入させつつ保持し続けることができる、という効果がある。
【0764】
遊技機C3からC17のいずれかにおいて、
前記第3保持部は、少なくとも2以上設けられ、
前記第3孔において、少なくとも2の前記第3保持部が対向するように形成されることを特徴とする遊技機C18。
【0765】
遊技機C18によれば、遊技機C3~C17の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3保持部が少なくとも2以上設けられ、第3孔において、少なくとも2の第3保持部が対向(対峙)するように形成される。これにより、部品の突起部を第3孔の第3保持部によって挟み込むように保持することができるので、突起部を保持する力が増し、突起部が第3孔から飛び出してしまうことを防止することができる。よって、第3孔に挿入された突起部を保持し続けることができる、という効果がある。
【0766】
遊技機C3からC18のいずれかにおいて、
前記第3挿入受容部は、少なくとも2以上設けられ、
前記第3孔において、少なくとも2の前記第3挿入受容部が対向するように形成されることを特徴とする遊技機C19。
【0767】
遊技機C19において、遊技機C3~C18の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3挿入受容部が少なくとも2以上設けられ、第3孔において、少なくとも2の第3挿入受容部が対向(対峙)するように形成される。これにより、第3孔の1の第3挿入受容部と他の第3挿入受容部とで形成された空間へ部品の突起部を挿入することができるので、第3孔へ突起部を挿入し易くすることができる、という効果がある。
【0768】
遊技機C19において、
前記第3孔において、
1の前記第3保持部と他の前記第3保持部とを対向して形成すると共に、
1の前記第3挿入受容部と他の前記第3挿入受容部とを対向して形成することを特徴とする遊技機C20。
【0769】
遊技機C20によれば、遊技機C19の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3孔において、1の第3保持部と他の第3保持部とが対向(対峙)して形成されると共に、1の第3挿入受容部と他の第3挿入受容部とが対向(対峙)して形成される。これにより、対向(対峙)するように形成された第3挿入受容部により突起部を第3孔に挿入し易くすると共に、対向(対峙)するように形成された第3保持部により突起部を挟み込むように保持することができる。よって、第3孔に突起部を挿入し易くすると共に、第3孔に挿入された突起部を保持し続けることができる、という効果がある。
【0770】
<D群>
前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域を形成する板体(例えば、ベース板60及びセルシート60a)と、該板体の前面側に配設される部品(例えば、スルーゲート7)と、を備えた遊技盤(例えば、遊技盤13)であって、
前記板体に孔(例えば、スルー位置決め孔627)を形成する孔形成工程(例えば、部品用位置決め孔作成工程(S201))と、
前記孔に前記突起部を挿入して、前記板体に前記部品が載置される部品載置工程(例えば、アタッカーユニット載置工程(S206))と、
前記板体の正面視上下方向が該板体の搬送方向に対して所定方向となるように該板体を搬送する搬送工程(例えば、第1搬送工程)と、
前記板体の搬送を停止する搬送停止手段(例えば、第1搬送工程におけるアタッカーユニット載置工程(S206)から主表示ユニット載置工程(S207)への遊技盤13の搬送時)と、
搬送が停止された前記板体に載置される前記部品を固定具(例えば、ビス)により固定する部品固定工程(例えば、第1ビス止め工程(S212))と、を経て形成された前記遊技盤を備え、
前記孔は、
該孔に対して前記突起部の挿入を受け容れる挿入受容部(例えば、スルーテーパ部627b)と、
前記孔に挿入される前記突起部を保持する保持部(例えば、スルーストレート部627a)と、を備え、
前記保持部は、前記孔において、前記板体の前記搬送方向と交わる方向の所定位置に形成されることを特徴とする遊技機D0。
【0771】
遊技機D0によれば、板体の前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域が形成され、部品が板体の前面側に配設され、板体及び部品により形成された遊技盤であって、主保持形成工程により、部品の突起部が挿入される孔が板体に形成され、部品載置工程により、孔に突起部を挿入して、部品が板体に載置され、搬送工程により、板体の正面視上下方向が板体の搬送方向に対して所定方向となるように該板体が搬送され、搬送停止手段により、板体の搬送が停止され、部品固定工程により、搬送が停止された板体に載置される部品が固定具により固定され、上記各工程を経て形成された遊技盤を備えており、孔に備えられた挿入受容部により、該孔に対して突起部の挿入が受け容れられ、孔に備えられた保持部により、孔に挿入される突起部が保持される。そして、保持部が、孔において、板体の搬送方向と交わる方向の所定位置に形成される。
【0772】
従来、搬送工程により搬送されている板体には、搬送方向への慣性力が与えられている。そして、搬送停止工程により、板体の搬送を停止した場合に、板体に載置されている部品に上記慣性力に基づく衝撃が加わる。また、搬送工程において、停止されている板体の搬送を開始した場合に、板体上に停止状態で載置されている部品に対して慣性に基づく衝撃が加わる。部品固定工程前の板体に載置された部品は、固定具により板体に固定されていないため、上記搬送工程及び搬送停止工程で生じる衝撃によって部品の載置位置がズレてしまうおそれがある。そこで、部品に突起部を形成すると共に、板体に孔を形成し、突起部を孔に挿入して、部品を板体に対して保持するように構成されている。このような状況において、板体の搬送が停止等した場合に生じる衝撃によっては、突起部が孔から飛び出してしまう場合があり、板体に対して部品の載置位置がズレてしまうおそれがある。
【0773】
そこで、孔に設けられる保持部を、板体の搬送方向と交わる方向の所定位置に形成することで、板体の搬送停止に伴う搬送方向への衝撃が部品に与えられた場合でも、部品の突起部と孔の保持部とが接触するように構成する。このように構成することで、板体の搬送の停止や搬送の開始に伴って部品に搬送方向への慣性力に基づく衝撃が与えられた場合でも、突起部と保持部とが接触して干渉し合うことで、突起部が孔から飛び出してしまうことを防止することができる。よって、板体の搬送時に部品の載置位置がズレてしまうことを未然に防止(抑制)することができる、という効果がある。
【0774】
遊技機D0において、
前記搬送工程において、前記板体の正面視上下方向が搬送方向と直交するように該板体を搬送し、
前記保持部は、少なくとも2以上設けられ、
前記孔において、前記上下方向と交わる方向(前記板体の搬送方向と平行方向)に、前記保持部が対向するように形成されることを特徴とする遊技機D1。
【0775】
遊技機D1によれば、遊技機D0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、搬送工程において、板体の正面視上下方向が搬送方向と直交するように板体が搬送され、保持部が少なくとも2以上設けられ、孔において、板体の上下方向と交わる方向(板体の搬送方向と平行方向)に保持部が対向(対峙)するように形成される。これにより、例えば、板体の搬送が停止した場合に、板体の搬送の停止に伴って部品の突起部が搬送方向前側に僅かに傾いたとしても、孔の搬送方向前側の1の保持部が突起部と干渉すると共に、孔の搬送方向後側の他方の保持部が突起部と干渉し、突起部と2の保持部とが干渉し合う。よって、板体の搬送時に伴う衝撃が生じた場合でも、2の保持部間で突起部を挟み込むように保持することで、突起部が孔から飛び出してしまうことを防止することができる、という効果がある。従って、板体の搬送時に部品の載置位置がズレてしまうことを未然に防止(抑制)することができる、という効果がある。
【0776】
遊技機D1において、
前記部品載置工程において、前記板体の前記搬送方向と直交する方向から前記部品が載置されることを特徴とする遊技機D2。
【0777】
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、部品載置工程において、板体の搬送方向と直交する方向から部品が載置される。従って、板体の搬送方向と直交する方向から作業員が部品を板体に載置する場合に、作業員は板体を正面視上側方向又は下側方向から見た状態で作業を行うことができる。特に、板体の正面視下側方向から板体を見ながら作業を行う場合には、板体を正視した状態で作業を行うことができる。よって、部品を載置する作業を行い易くすることができ作業効率を上昇させ、遊技盤の製造効率を向上させることができる、という効果がある。
【0778】
遊技機D0からD2のいずれかにおいて、
前記孔は、前記板体に対して所定の深さを有し、
該孔の表面側(孔縁)において、前記挿入受容部及び前記保持部をそれぞれ形成することを特徴とする遊技機D3。
【0779】
遊技機D3によれば、遊技機D0~D2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、孔が板体に対して所定の深さを有し、その孔の表面側(孔縁)において挿入受容部及び保持部がそれぞれ形成される。これにより、突起部を、孔の表面側(孔縁)において、挿入受容部により突起部を孔内部に挿入させつつ、保持部によって孔に挿入される突起部を直ちに保持することができる。よって、孔に突起部を確実に挿入させつつ保持し続けることができる、という効果がある。
【0780】
遊技機D3において、
前記板体は、弾性変形可能に構成されており、
前記保持部は、前記孔の表面側(孔縁)から前記所定の深さに亘って、前記突起部に対して、常時、前記板体の弾性力を付与する常時負荷手段(例えば、スルーストレート部627aの内径)を備えていることを特徴とする遊技機D4。
【0781】
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、板体が弾性変形可能に構成され、保持部に備えられた常時負荷手段により、孔の表面側(孔縁)から所定の深さに亘って、突起部に対して、常時、板体の弾性力が付与される。これにより、常時負荷手段によって板体の弾性力を、常時、突起部に付与させて該突起部を保持しておくことができる。よって、孔に挿入される突起部を保持し続け、部品が板体から外れてしまうことを防止することができる、という効果がある。
【0782】
遊技機D4において、
前記常時負荷手段は、前記保持部の大きさを、前記突起部の外形より小さく形成することを特徴とする遊技機D5。
【0783】
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、常時負荷手段において、保持部の大きさが、突起部の外形より小さく形成される。これにより、板体が弾性変形することで保持部に突起部を挿入可能に構成すると共に、保持部に挿入された突起部に対して、常時、板体の弾性力を付与し続けることができる。よって、保持部の常時負荷手段によって、孔に挿入される突起部を保持し続け、部品が板体から外れてしまうことを防止することができる、という効果がある。
【0784】
遊技機D3からD5のいずれかにおいて、
前記挿入受容部は、前記孔の前記所定の深さ未満の所定部分から前記所定の深さに亘って、前記突起部を保持する挿入保持部(例えば、スルーテーパ部627bにおけるスルー突起7fと外径が一致する部分)を備えていることを特徴とする遊技機D6。
【0785】
遊技機D6によれば、遊技機D3~D5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、孔の孔の表面側(孔縁)においては、挿入受容部により突起部が該孔に挿入され、孔の所定の深さ未満の所定部分から所定の深さに亘って設けられた挿入保持部により、孔に挿入された突起部が保持される。これにより、挿入受容部により孔に突起部を挿入し易くすると共に、孔の所定部分から所定の深さに亘って設けられた挿入保持部により、孔に挿入される突起部を保持することができる。よって、保持部により突起部を保持すると共に、挿入保持部により追加的に突起部を保持することができ、孔に挿入される突起部の保持力を高め、部品が板体から外れてしまうことを防止して、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【0786】
遊技機D6において、
前記挿入受容部は、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記挿入受容部の大きさを、前記突起部の外形より大きく形成し、
前記孔の所定の深さにおいて、前記挿入受容部の大きさを、前記突起部の外形よ小さく形成し、
前記挿入保持部は、前記孔の前記所定部分から前記所定の深さまで、前記挿入受容部の大きさを、前記突起部の外形より小さく形成することを特徴とする遊技機D7。
【0787】
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、孔の表面側(孔縁)において、挿入受容部の大きさが突起部の外形より大きく形成され、孔の所定の深さにおいて、挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さく形成され、挿入保持部により、孔の所定部分から所定の深さまで、挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さく形成される。
【0788】
従来、部品の突起部を挿入可能な孔として、孔の表面側(孔縁)において突起部を保持可能な(第1)孔がある。この(第1)孔は、孔の表面側(孔縁)において、弾性変形可能な保持部のみを有しており、該保持部の大きさが突起部の外形より小さく構成されることにより、(第1)孔に挿入された部品の突起部が、該(第1)孔の保持部により保持可能に構成されている。しかし、突起部を(第1)孔に挿入しようとした場合に、保持部の大きさが突起部の外形より小さいことにより、突起部が(第1)孔にしっかり挿入されず、部品が板体に対して確実に固定されていない状況が発生していた。
【0789】
また、部品の突起部を挿入可能な孔として、孔の表面側(孔縁)において突起部の挿入を受け容れ易い(第2)孔がある。この(第2)孔は、(第2)孔の表面側(孔縁)において、部品の突起部が挿入され易いように挿入受容部のみを有し、また、(第2)孔の内部において、挿入保持部を有している。この(第2)孔では、(第2)孔の表面側(孔縁)の挿入受容部の大きさが突起部の外形より大きく構成され、また、(第2)孔の内部の挿入保持部が突起部の外形より小さく構成されることにより、(第2)孔の表面では部品の突起部が挿入され易く構成され、(第2)孔の内部に設けられた挿入保持部により(第2)孔に挿入された突起部を保持可能に構成されている。しかし、板体は、製造時における製造ムラによって個体差(板厚又は硬さの違い)があり、その個体差の影響によって(第2)孔の挿入受容部又は挿入保持部の機能が低下してしまう場合がある。
【0790】
具体的には、例えば、板体の個体差の影響で(第2)孔が大きく形成された場合には、(第2)孔の表面側(孔縁)における挿入受容部が大きく形成され、(第2)孔の内部における挿入保持部も大きく形成されてしまい、(第2)孔の内部に挿入された部品の突起部がしっかり保持されず、部品が板体に対して確実に固定されていない状況が発生していた。また、例えば、板体の個体差の影響で(第2)孔が小さく形成された場合には、(第2)孔の表面側(孔縁)における挿入受容部が小さく形成されてしまい、突起部が(第2)孔にしっかり挿入されず、部品が板体に対して確実に固定されていない状況が発生していた。
【0791】
そこで、部品の突起部を挿入可能な孔として、孔の表面側(孔縁)において、挿入受容部において、挿入受容部の大きさが突起部の外形より大きく形成され、孔の所定の深さにおいて、挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さく形成され、挿入受容部に設けられた挿入保持部により、孔の所定部分から所定の深さに亘って、挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さく形成される。また、保持部の常時負荷手段により、孔の表面側(孔縁)から所定の深さに亘って、突起部に対して、常時、板体の弾性力が付与される。このように構成することで、孔の表面では挿入受容部の大きさが突起部の外形より大きいことから、孔に突起部を挿入し易くし、また、所定部分から所定の深さに亘って、挿入受容部の大きさが突起部の外形より小さいことから、孔に挿入された突起部を保持することができる。また、保持部の常時負荷手段によって板体の弾性力を、常時、突起部に付与させて該突起部を保持しておくことができる。よって、孔に突起部を挿入し易くすると共に、孔に挿入された突起部を保持し続けることができる、という効果がある。
【0792】
遊技機D7において、
前記挿入受容部の大きさは、前記孔の表面側(孔縁)から深さ方向に向かって徐々に細くなるように構成されていることを特徴とする遊技機D8。
【0793】
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、
挿入受容部の大きさが、孔の表面側(孔縁)から深さ方向に向かって徐々に細くなるように構成される。これにより、孔の表面側(孔縁)から所定部分までは突起部の挿入を受け容れ、所定部分から所定の深さに亘って突起部を保持し、さらに、所定部分から所定深さにかけて徐々に突起部に負荷される板体の弾性力を強くすることができる。よって、孔に突起部を挿入し易くすると共に、孔に挿入された突起部を保持し続けることができる、という効果がある。
【0794】
遊技機D0からD8のいずれかにおいて、
前記保持部は、少なくとも2以上設けられ、
前記孔において、少なくとも2の前記保持部が対向するように形成されることを特徴とする遊技機D9。
【0795】
遊技機D9によれば、遊技機D0~D8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、保持部が少なくとも2以上設けられ、孔において、少なくとも2の保持部が対向(対峙)するように形成される。これにより、部品の突起部を孔の保持部によって挟み込むように保持することができるので、突起部を保持する力が増し、突起部が孔から飛び出してしまうことを防止することができる、という効果がある。
【0796】
遊技機D0からD9のいずれかにおいて、
前記挿入受容部は、少なくとも2以上設けられ、
前記孔において、少なくとも2の前記挿入受容部が対向するように形成されることを特徴とする遊技機D10。
【0797】
遊技機D10において、遊技機D0~D9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、挿入受容部が少なくとも2以上設けられ、孔において、少なくとも2の挿入受容部が対向(対峙)するように形成される。これにより、孔の1の挿入受容部と他の挿入受容部とで形成された空間へ部品の突起部を挿入することができるので、孔へ突起部を挿入し易くすることができる、という効果がある。
【0798】
遊技機D10において、
前記孔において、
1の前記保持部と他の前記保持部とを対向して形成すると共に、
1の前記挿入受容部と他の前記挿入受容部とを対向して形成することを特徴とする遊技機D11。
【0799】
遊技機D11によれば、遊技機D10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、孔において、1の保持部と他の保持部とが対向(対峙)して形成されると共に、1の挿入受容部と他の挿入受容部とが対向(対峙)して形成される。これにより、対向(対峙)するように形成された挿入受容部により突起部を孔に挿入し易くすると共に、対向(対峙)するように形成された保持部により突起部を挟み込むように保持することができる。よって、孔に突起部を挿入し易くすると共に、孔に挿入された突起部を保持し続けることができる、という効果がある。
【0800】
<E群>
前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域を形成する板体(例えば、ベース板60及びセルシート60a)と、該板体の前面側に固定される複数の部品(例えば、始動入賞口ユニット4、スルーゲート7及び主表示ユニット87)と、により構成された遊技盤(例えば、遊技盤13)を備えた遊技機において、
前記部品は、
前記板体と接する基部(例えば、始動基部4e、スルー基部7b及び主表示基部87f)と、
該基部の前記板体と接する側に設けられた突起部(例えば、始動突起4i,4j、スルー突起7e,7f及び主表示突起87j,87k)と、を備え、
前記板体は、
弾性変形可能な板部材(例えば、ベース板60)と、
該板部材の表面に貼着される装飾シート(例えば、セルシート60a)と、
前記部品の前記突起部を挿入可能に形成された形状の異なる複数種類の孔(例えば、主表示位置決め孔609,610、始動位置決め孔620,621又はスルー位置決め孔626,627)と、を備え、
前記孔は、前記板体に対して所定の深さを有し、
前記孔の表面側(孔縁)から前記所定の深さに亘って、前記突起部に対して、常時、前記板部材の弾性力を付与する第1常時負荷手段を有する第1孔(例えば、主表示位置決め孔609,610)と、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部の外形より大きく、前記所定の深さにおいて、前記突起部の外形より小さい第2挿入受容部を有する第2孔(例えば、始動位置決め孔620,621又はスルー位置決め孔626,627)と、を備え、
前記部品は、前記基部の透明性に基づいて、前記第1孔又は前記第2孔のいずれかにより前記板体に配設されることを特徴とする遊技機E0。
【0801】
遊技機E0によれば、板体の前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域が形成され、複数の部品が板体の前面側に固定され、板体及び複数の部品により遊技盤が構成され、複数の部品には、板体に接する基部が設けられ、基部の板体と接する側に突起部が設けられている。また、板体には、弾性変形可能な板部材が設けられ、板部材の表面には装飾シートが貼着され、部品の突起部を挿入可能な形状の異なる複数種類の孔が形成される。さらに、孔が板体に対して所定の深さを有し、第1常時負荷手段を有する第1孔では、孔の表面側(孔縁)から所定の深さに亘って突起部に板部材の弾性力が付与される。また、第2挿入受容部を有する第2孔では、該挿入受容部により、孔表面側(孔縁)では突起部の外形より大きく、孔の所定の深さでは突起部の外形より小さく形成される。そして、部品の基部の透明性に基づいて、該部品が、第1孔又は第2孔のいずれかにより板体に配設される。
【0802】
板体を構成する板部材は、弾性変形可能に構成されているため、孔形成用の板体用穿設工具を板部体に刺し込んで孔を形成する場合に、板部材に刺し込まれた板体用穿設工具を引き抜くとき、板体用穿設工具に対して板部材の弾性変形に基づく負荷が加わっている。また、板部材の表面には装飾シートが貼着されており、板部材および装飾シートで構成される板体に刺し込まれた板体用穿設工具を引き抜こうとする場合に、板体用穿設工具を引き抜いている間中、板部材に貼着されている装飾シートも該板部材の弾性変形に伴って板体用穿設工具と接触し続けてしまう。その接触によって、装飾シートは、板部材から剥離してしまい、孔の孔縁において装飾シートが破れて剥離してしまう。
【0803】
ここで、第1孔は、孔の表面側(孔縁)から孔の所定の深さまで第1常時負荷手段を有するように形成されている。このため、第1孔用の第1板体用穿設工具を板部体から引き抜く場合には、板部材の第1常時負荷手段の影響で装飾シートが第1板体用穿設工具と接触し続ける。従って、第1孔の孔表面(孔縁)では、比較的大きく装飾シートが剥離してしまう。
【0804】
一方、第2孔は、孔の大きさが、孔表面(孔縁)では大きく、孔の所定の深さでは小さく形成されている。このため、その第2孔用の第2板体用穿設工具を板部体から引き抜く場合には、第2板体用穿設工具と板部材および装飾シートとの接触を抑制できる。従って、第2孔の孔表面(孔縁)では、装飾シートがあまり剥離しない。
【0805】
このように、孔の種類ごとに装飾シートの剥離の大きさが異なるように構成されるが、部品の基部が透明であった場合、基部の裏面側が視認できてしまう。このため、孔の孔表面(孔縁)に形成された剥離が遊技者から見え、遊技機の装飾性が低下してしまう。このような場合に、部品の基部の透明性に基づいて、該部品を、第1孔又は第2孔のいずれかにより板体に配設させる。
【0806】
従って、例えば、基部が透明な部品は、その裏面側が明確に見えてしまうため、該裏面側が見えても装飾性を低下させない第2孔を用いて部品を板体に配設させる。また、基部が不透明な部品は、その裏面側が見えないので、第1孔を用いて部品を板体に配設させる。このように、部品の基部の透明性に応じて突起部を保持する孔を異ならせることで、部品の透明性に基づいて装飾シートの剥離が見えてしまう場合の装飾性の低下を防止することができる、という効果がある。
【0807】
遊技機E0において、
前記第2孔は、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記第2挿入受容部のみを有する純粋第2孔(例えば、始動位置決め孔620,621)と、
前記孔の表面側(孔縁)において前記突起部の外形より大きく、前記所定の深さにおいて前記突起部の外形より小さい第3挿入受容部と、前記孔の表面側(孔縁)から前記所定の深さに亘って、前記突起部に対して、常時、前記板部材の弾性力を付与する第3常時負荷手段と、を有する複合第2孔(例えば、スルー位置決め孔626,627)と、を備え、
前記第1孔は、該第1孔の孔縁において、前記装飾シートが前記板部材から剥離した第1剥離部(例えば、ストレート剥離部60b)を有し、
前記純粋第2孔は、該純粋第2孔の孔縁において、前記第1剥離部より小さく形成された純粋第2剥離部(例えば、テーパ剥離部60c)を有し、
前記複合第2孔は、該複合第2孔の孔縁において、前記第1剥離部より小さく、前記純粋第2剥離部より大きく形成された複合第2剥離部(例えば、ハイブリッドテーパ剥離部60d及びハイブリッドストレート剥離部60e)を有し、
前記部品は、前記基部の透明性に基づいて設けられた前記第1孔、前記純粋第2孔又は前記複合第2孔のいずれかにより前記板体に配設されることを特徴とする遊技機E1。
【0808】
遊技機E1によれば、遊技機E0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、孔の表面側(孔縁)に第2挿入受容部のみが形成された純粋第2孔では、該第2挿入受容部で突起部の挿入が受け容れられる。また、第3挿入受容部及び第3常時負荷手段を有する複合第2孔では、該第3挿入受容部により突起の挿入が受け容れられ、第3常時負荷手段により複合第2孔に挿入された突起部に板部材の弾性力が付与される。さらに、第1孔の孔表面(孔縁)において、装飾シートが板部材から剥離した第1剥離部が形成され、純粋第2孔の孔表面(孔縁)において、第1剥離部より小さく形成された純粋第2剥離部が形成され、複合第2孔の孔表面(孔縁)において、第1剥離部より小さく、純粋第2剥離部より大きく形成された複合第2剥離部が形成される。そして、部品の基部の透明性に基づいて、該部品が、第1孔、純粋第2孔又は複合第2孔のいずれかにより板体に配設される。
【0809】
複合第2孔は、孔表面(孔縁)から孔の所定の深さまで第3常時負荷手段を有するように形成されている。このため、複合第2孔用の第3板体用穿設工具を板部体から引き抜く場合には、板部材の第3常時負荷手段の影響で装飾シートが第3板体用穿設工具と接触し続ける。また、複合第2孔は、第3挿入受容部において、孔の大きさが、孔表面(孔縁)では大きく、孔の所定の深さでは小さく形成されており、第3板体用穿設工具を板部体から引き抜く場合には、第3板体用穿設工具と板部材および装飾シートとの接触を抑制できる。従って、複合第2孔の孔表面(孔縁)に形成される複合第2剥離部は、第3常時負荷手段の影響によって形成されるが、複合第2孔は第3常時負荷手段と第3挿入受容部とにより構成されているため、複合第2孔の孔表面(孔縁)に形成される複合第2剥離部は、第3常時負荷手段の近傍に限定されて形成される。従って、複合第2孔の孔表面(孔縁)に形成される複合第2剥離部は、第1剥離部よりは小さく、純粋第2剥離部より大きく形成される。
【0810】
このように、孔の種類ごとに各剥離部の大きさが異なるように構成されるが、部品の基部が透明であった場合、基部の裏面側が視認できてしまうため、孔の孔表面(孔縁)に形成された剥離部が遊技者から見え、遊技機の装飾性が低下してしまう。このような場合に、部品の基部の透明性に基づいて、該部品を、第1孔、純粋第2孔又は複合第2孔のいずれかにより板体に配設させる。
【0811】
第1孔の孔の表面に形成された第1剥離部は、比較的大きく形成されるため、その見た目の悪さから遊技機の装飾性を低下させてしまう。一方、純粋第2孔の孔の表面に形成された純粋第2剥離部は、第1剥離部より小さく形成されるため、遊技機の装飾性は低下させない。また、複合第2孔の孔の表面に形成された複合第2剥離部は、第1剥離部よりは小さく、純粋第2剥離部より大きく形成されるため、純粋第2孔よりは装飾性は低下するが第1孔ほど装飾性は低下しない。
【0812】
従って、例えば、基部が透明な部品は、その裏面側が明確に見えてしまうため、該裏面側が見えても装飾性を低下させない純粋第2孔を用いて部品を板体に配設させる。また、基部が不透明な部品は、その裏面側が見えないので、第1剥離部は形成されるが、第1常時負荷手段により突起部を保持し易い第1孔を用いて部品を板体に配設させる。さらに、基部が半透明な部品は、その裏面側がある程度見えてしまうため、該裏面側が見えても装飾性をそれほど低下させず、第3常時負荷手段により突起部を保持し易い複合第2孔を用いて部品を板体に配設させる。
【0813】
このように、部品の基部の透明性に対応した孔を用いて突起部を保持することで、部品の透明性に基づいて剥離部が見えてしまう場合の装飾性の低下防止を優先するか突起部の固定を優先するかを選択し、遊技機の装飾性を低下させずに孔に突起部を挿入させつつ保持し続けることができる。よって、遊技機の装飾性の低下を防止しつつ、特性が異なる各部品が板体から外れてしまうことを防止して、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【0814】
<F群>
前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域を形成する板体(例えば、ベース板60及びセルシート60a)と、該板体の前面側に配設される部品(例えば、スルーゲート7)と、で構成される遊技盤(例えば、遊技盤13)を備えた遊技機の製造方法であって、
前記板体に孔(例えば、スルー位置決め孔627)を形成する孔形成工程(例えば、部品用位置決め孔作成工程(S201))と、
前記孔に前記突起部を挿入して、前記板体に前記部品が載置される部品載置工程(例えば、アタッカーユニット載置工程(S206))と、
前記板体を搬送する搬送工程(例えば、第1搬送工程)と、
前記板体の搬送を停止する搬送停止工程(例えば、第1搬送工程におけるアタッカーユニット載置工程(S206)から主表示ユニット載置工程(S207)への遊技盤13の搬送時)と、
搬送が停止された前記板体に載置される前記部品を固定具(例えば、ビス)により固定する部品固定工程(例えば、第1ビス止め工程(S212))と、を経て遊技盤が形成され、
前記孔形成工程において、前記孔の表面側(孔縁)において、
前記孔に対して前記突起部の挿入を受け容れる挿入受容部(例えば、スルーテーパ部627b)と、
前記孔に挿入される前記突起部を保持する保持部(例えば、スルーストレート部627a)と、を形成することを特徴とする遊技機の製造方法F0。
【0815】
遊技機の製造方法F0によれば、板体の前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域が形成され、部品が板体の前面側に配設され、板体及び部品により形成された遊技盤を備え、孔形成手段により、部品の突起部が挿入される孔が板体に形成され、部品載置工程により、孔に突起部を挿入して、部品が板体に載置され、搬送工程により、板体が搬送され、搬送停止工程により、板体の搬送が停止され、部品固定工程により、搬送が停止された板体に載置される部品が固定具により固定され、上記工程を経て遊技盤が形成される。また、孔形成工程において、孔の表面側(孔縁)において、孔に対して突起部の挿入を受け容れる挿入受容部と、孔に挿入される突起部を保持する保持部とが形成される。これにより、孔の表面側(孔縁)に形成された挿入受容部によって部品の突起部を該孔に挿入させつつ、同じく孔の表面側(孔縁)において形成された保持部によって部品の突起部を保持することができる。よって、板体の搬送工程及び搬送停止工程において部品が板体から外れてしまうことを防止することができる、という効果がある。
【0816】
遊技機の製造方法F0において、
前記孔形成工程において、前記板体の搬送方向の前方側又は後方側に前記保持部が位置するように前記孔を形成することを特徴とする遊技機の製造方法F1。
【0817】
遊技機の製造方法F1によれば、遊技機の製造方法F0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、孔形成工程において、板体の搬送方向の前方側又は後方側に保持部が位置するように孔が形成される。
【0818】
従来、搬送工程により搬送されている板体には、搬送に基づいて搬送方向への慣性力が与えられている。そして、搬送停止工程により、板体の搬送を停止した場合に、板体に載置されている部品に上記慣性力に基づく衝撃が加わる。また、搬送工程において、停止されている板体の搬送を開始した場合に、板体上に停止状態で載置されている部品に対して慣性に基づく衝撃が加わる。部品固定工程前の板体に載置された部品は、固定具により板体に固定されていないため、上記搬送工程及び搬送停止工程で生じる衝撃によって部品の載置位置がズレてしまうおそれがある。そこで、部品に突起部を形成すると共に、板体に孔を形成し、突起部を孔に挿入して、部品を板体に対して保持し、板体の搬送時に遊技部品の載置位置がズレないように構成されている。このような状況において、板体の搬送が停止等した場合に生じる衝撃によっては、突起部が孔から飛び出してしまう場合があり、板体に対して遊技部品の載置位置がズレてしまうおそれがある。
【0819】
そこで、孔形成工程において、孔の保持部を、板体の搬送方向の前方側又は後方側に形成することで、板体の搬送停止等に伴う搬送方向への衝撃が部品に与えられた場合でも、部品の突起部と孔の保持部とが干渉し合うように構成する。このように構成することで、板体の搬送の停止等に伴って部品に搬送方向への慣性力に基づく衝撃が与えられた場合でも、突起部と保持部とが干渉し合うことで、突起部が孔から飛び出してしまうことを防止することができる。よって、遊技盤の製造工程において、板体の搬送の停止等によって部品の載置位置がズレてしまうことを未然に防止(抑制)することができる、という効果がある。
【0820】
遊技機の製造方法F1において、
前記搬送工程において、前記板体の正面視上下方向が該板体の搬送方向と直交するように該板体を搬送し、
前記孔形成工程において、前記保持部は、前記孔における前記板体の正面視上下方向と交わる方向の所定位置に形成することを特徴とする遊技機の製造方法F2。
【0821】
遊技機の製造方法F2によれば、遊技機の製造方法F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、搬送工程において、板体の正面視上下方向が搬送方向と直交するように搬送され、孔形成工程において、孔における板体の正面視上下方向と交わる方向の所定位置に保持部が形成される。これにより、例えば、板体の搬送停止に伴う搬送方向への衝撃が部品に与えられた場合でも、部品の突起部と孔の保持部とが干渉し合うように構成される。即ち、搬送停止工程において、板体の搬送の停止に伴って部品に搬送方向への慣性力に基づく衝撃が与えられた場合でも、突起部と保持部とが干渉し合うことで、突起部が孔から飛び出してしまうことを防止することができる。よって、遊技盤の製造工程において、板体の搬送の停止等によって部品の載置位置がズレてしまうことを未然に防止(抑制)することができる、という効果がある。
【0822】
遊技機F2において、
前記孔形成工程において、
前記保持部は、少なくとも2以上設けられ、
前記孔における前記板体の正面視上下方向と交わる方向に、前記保持部が対向するように形成されることを特徴とする遊技機の製造方法F3。
【0823】
遊技機の製造方法F3によれば、遊技機の製造方法F2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、孔形成工程において、保持部が少なくとも2以上設けられ、孔における板体の上下方向と交わる方向に保持部が対向(対峙)するように形成される。これにより、例えば、板体の搬送が停止した場合に、板体の搬送の停止に伴って部品の突起部が搬送方向前側に僅かに傾いたとしても、孔の搬送方向前側の1の保持部が突起部と干渉すると共に、孔の搬送方向後側の他方の保持部が突起部と干渉し、突起部と2の保持部とが干渉し合う。よって、板体の搬送時に伴う衝撃が生じた場合でも、2の保持部間で突起部を挟み込むように保持することで、突起部が孔から飛び出してしまうことを防止することができる、という効果がある。従って、板体の搬送時に部品の載置位置がズレてしまうことを未然に防止(抑制)することができる、という効果がある。
【0824】
遊技機の製造方法F3において、
前記部品載置工程において、前記板体の前記搬送方向と直交する方向から前記部品が載置されることを特徴とする遊技機の製造方法F4。
【0825】
遊技機の製造方法F4によれば、遊技機の製造方法F3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、部品載置工程において、板体の搬送方向と直交する方向から部品が載置される。従って、板体の搬送方向と直交する方向から作業員が部品を板体に載置する場合に、作業員は板体を正面視上側方向又は下側方向から見た状態で作業を行うことができる。特に、板体の正面視下側方向から板体を見ながら作業を行う場合には、板体を正視した状態で作業を行うことができるので、部品を載置する作業を行い易くすることができ作業効率を上昇させ、遊技盤の製造効率を向上させることができる、という効果がある。
【0826】
<G群>
大径部(例えば、ハイブリッド鍔部323)と、
該大径部より小さい径で構成され、該大径部と同軸に設けられた小径部(例えば、ハイブリッド胴部324)と、
先端が尖鋭形状に形成され、前記小径部及び前記大径部と同軸に設けられた先端部(例えば、ハイブリッド先端部325)と、を備えた板体用穿孔工具(例えば、ハイブリッドピン321)において、
前記小径部は、
刺し込み方向に向かって平行に形成された小径ストレート部(例えば、ハイブリッドストレート部324a)と、
前記大径部から前記先端部側に連続的に径寸法が小さくなるように形成された小径テーパ部(例えば、ハイブリッドテーパ部324b)と、を備えていることを特徴とする板体用穿孔工具G0。
【0827】
板体用穿孔工具G0によれば、大径部と、該大径部より小さい径で構成され、該大径部と同軸に設けられた小径部と、先端が尖鋭形状に形成され、小径部及び大径部と同軸に設けられた先端部と、を備え、小径部に、小径ストレート部が刺し込み方向に向かって平行に形成され、小径テーパ部が大径部から先端部側に連続的に径寸法が小さくなるように形成される。これにより、小径部によって板体に形成される孔の形状が、刺し込み方向に向かって平行なストレート部と、深さ方向に向かって連続的に内径寸法が小さくなるテーパ部とが設けられる。即ち、板体用穿孔工具G0によって形成される孔のテーパ部によって部品の突起部を孔に挿入させつつ、孔のストレート部によって部品の突起部を保持することができる。よって、板体用穿孔工具G0によって形成される孔により、該孔に部品の突起部を確実に挿入させつつ保持し続けることができる。その結果、部品が板体から外れてしまうことを防止して、遊技盤に対する部品の取付性能の向上を図ることができる、という効果がある。
【0828】
また、板体用穿孔工具G0を板体に刺し込んで孔を形成する場合に、板体に刺し込まれた板体用穿孔工具G0を引き抜いている間、板体が弾性変形した場合であっても小径テーパ部との接触を抑制できる。また、板部材に貼着されている装飾シートも小径テーパ部との接触が抑制できる。よって、小径部と装飾シートが接触することによって形成される装飾シートの剥離部を、小径テーパ部により抑制することができ、板体に孔を形成する場合における装飾シートの剥離部を小さくすることができる、という効果がある。
【0829】
板体用穿孔工具G0において、
前記板体用穿孔工具は、板体に孔を形成するためのものであり、
前記小径ストレート部は、前記板体に形成される前記孔の表面側(孔縁)に対応する位置に、前記大径部側に連続的に径寸法が大きくなるように形成されたストレートテーパ部(例えば、改造ハイブリッド第2テーパ部334c)を有していることを特徴とする板体用穿孔工具G1。
【0830】
板体用穿孔工具G1によれば、板体用穿孔工具G0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、板体用穿孔工具により板体に孔が形成され、板体に形成される孔の表面側(孔縁)に対応する位置に設けられたストレートテーパ部により、小径ストレート部の径寸法が大径部側に連続的に大きくなるように形成される。これにより、板体用穿孔工具G1を板体から引き抜く場合に、小径ストレート部において装飾シートと接触する部位を少なくすることで、小径ストレート部と装飾シートとが接触することによって形成される装飾シートの剥離部を小さくすることができる、という効果がある。
【0831】
<H群>
前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域を形成する板体(例えば、ベース板60及びセルシート60a)と、該板体の前面側に固定される部品(例えば、主表示ユニット87)と、により構成された遊技盤(例えば、遊技盤13)を備えた遊技機において、
前記部品は、
前記板体と接する基部(例えば、主表示基部87f)と、
該基部の前記板体と接する側に設けられた突起部(例えば、主表示突起87j,87k)と、を備え、
前記板体は、前記部品の前記突起部を挿入可能に形成された複数の孔(例えば、主表示位置決め孔609,610)を備え、
前記板体は、弾性変形可能に構成されており、
前記孔は、前記突起部に対して、常時、前記板体の弾性力を付与する常時負荷手段(例えば、主表示位置決め孔609,610の内径)を備え、
前記孔は、1の前記孔と他の前記孔とが所定の位置関係となるように前記板体に形成されることを特徴とする遊技機H1。
【0832】
遊技機H1によれば、板体の前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域が形成され、遊技部品が板体の前面側に固定され、板体及び複数の部品により遊技盤が構成され、部品には、基部の板体と接する側に突起部が設けられ、板体には、部品の突起部を挿入可能な複数の孔が形成される。そして、板体が弾性変形可能に構成され、孔に備えられた常時負荷手段により、孔に挿入された突起部に対して、常時、板体の弾性力が付与される。また、1の孔と他の孔とが所定の位置関係となるように板体に形成される。
【0833】
孔は、該孔に挿入された突起部に対して、常時、板体の弾性力を付与するように構成されている。このため、孔を板体に形成する場合においても、該孔を形成するための穿孔工具に対して、該穿孔工具が板体に刺し込まれている間、穿孔工具に対して板体の弾性力を付与してしまう。この場合に、穿孔工具を板体から引き抜くとき、板体の重さより穿孔工具に加わる負荷が強いと、板体が持ち上がってしまう。
【0834】
板体に孔を形成する場合において、例えば、板体の片側のみが持ち上がって傾いてしまうと、その傾いて持ち上がった分、穿孔工具による孔の形成位置が設計値と異なり、孔の形成において製造ムラが生じてしまうおそれがある。そこで、孔を形成する場合に、1の孔と他の孔とが所定の位置関係(例えば、板体に万遍なく孔を配置する関係)となるように、板体に対して穿孔工具を配置して孔を形成することで、穿孔工具の引き抜き時に板体が持ち上がるにしても傾くことなく持ち上げることで、板体の傾きを防止し、孔の製造ムラが生じることを未然に防止することができる、という効果がある。
【0835】
なお、「所定の位置関係」とは、板体が傾いて持ち上がらないような孔の配置であれば如何様な配置でもよく、例えば、複数の孔が板体に万遍なく配置されている位置関係であったり、板体の左右(上下)対称にそれぞれ孔を配置する位置関係や、板体の中心位置から等間隔に孔を配置する位置関係等が例示される。
【0836】
<I群>
前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域を形成する板体(例えば、ベース板60及びセルシート60a)と、該板体の前面側にそれぞれ隣接して固定される複数の部品(例えば、一般入賞口ユニット3及びアタッカーユニット5)と、により構成された遊技盤(例えば、遊技盤13)を備えた遊技機において、
前記複数の部品は、
前記板体と接する基部(例えば、一般基部3d及びアタッカー基部5e)と、
該基部の前記板体と接する側に設けられた突起部(例えば、一般突起及びアタッカー突起)と、を備え、
前記板体は、前記部品の前記突起部を挿入可能に形成された孔(例えば、一般位置決め孔611,612及びアタッカー位置決め孔622~625)を備え、
前記孔に前記突起部を挿入して、前記板体に前記部品が載置される部品載置工程(例えば、アタッカーユニット載置工程(S206)及び一般入賞口ユニット載置工程(S213))と、
前記板体を搬送する搬送工程(例えば、第1搬送工程及び第2搬送工程)と、
前記板体の搬送を停止する搬送停止工程(例えば、第1搬送工程におけるアタッカーユニット載置工程(S206)から主表示ユニット載置工程(S207)への遊技盤13の搬送時)と、
搬送が停止された前記板体に載置される前記部品を固定具(例えば、ビス)により固定する部品固定工程(例えば、第1ビス止め工程(S212))と、を経て遊技盤が形成され、
前記部品は、先に前記板体に載置される先部品(例えば、アタッカーユニット5)と、該先部品より後に前記板体に載置される後部品(例えば、一般入賞口ユニット3)と、を備え、
前記孔は、前記板体に対して所定の深さを有し、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部を保持する第1保持部を有する第1孔(例えば、主表示位置決め孔609,610)と、
前記孔の表面側(孔縁)において、前記突起部の挿入を受け容れる第2挿入受容部を有する第2孔(例えば、アタッカー位置決め孔622~625)と、を備え、
前記先部品の前記突起部を前記第2孔に挿入することを特徴とする遊技機I1。
【0837】
遊技機I1によれば、板体の前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域が形成され、隣接して配設される複数の部品が板体の前面側に固定され、板体及び部品により遊技盤が構成され、複数の部品には、基部の板体と接する側に突起部が設けられ、板体には、部品の突起部を挿入可能な孔が形成される。また、部品載置工程により、孔に突起部を挿入して、部品が板体に載置され、搬送工程により、板体が搬送され、搬送停止工程により、板体の搬送が停止され、部品固定工程により、搬送が停止された板体に載置される部品が固定具により固定され、上記工程を経て遊技盤が形成される。さらに、部品載置工程において、先部品が板体に先に載置され、後部品が先部品より後に板体に載置される。また、孔が板体に対して所定の深さを有し、第1孔では、孔の表面側(孔縁)に形成された第1保持部で突起部が保持され、第2孔では、孔の表面側(孔縁)に形成された第2挿入受容部で突起部の挿入が受け容れられる。そして、部品載置工程において、先部品の突起部が第2孔に挿入される。
【0838】
先部品は、板体に載置する部品の中で、後部品より先に載置するように構成されている。先部品が孔に確実に挿入されていないと、その後に板体に載置する後部品が板体に適切に載置されないおそれがある。従って、隣接に配置される後部品より先に板体に載置される先部品を、突起部が挿入され易い第2挿入受容部を有する第2孔を用いて板体に載置する。これにより、先部品を確実に第2孔に挿入させておくことができ、先部品および後部品を確実に板体へ載置することができる、という効果がある。
【0839】
<J群>
前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域を形成する板体(例えば、ベース板60及びセルシート60a)と、該板体の前面側に配設される部品(例えば、スルーゲート7)と、を備えた遊技盤(例えば、遊技盤13)であって、
前記部品は、
前記板体と接する基部(例えば、スルー基部7b)と、
該基部の前記板体と接する側に設けられた突起部(例えば、スルー突起7e,7f)と、を備え、
前記板体は、
前記部品の前記突起部を挿入可能に形成された孔(例えば、スルー位置決め孔626,627)、を備え、
前記孔は、
該孔に対して前記突起部の挿入を受け容れる挿入受容部(例えば、スルーテーパ部627b)と、
前記孔に挿入される前記突起部を保持する保持部(例えば、スルーストレート部627a)と、を備え、
前記保持部は、前記遊技盤の製造時に、前記孔に前記突起部が挿入された状態で前記板体が搬送される方向と交わる方向の所定位置に形成されることを特徴とする遊技機J1。
【0840】
遊技機J1によれば、板体の前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域が形成され、部品が板体の前面側に配設され、板体及び部品により形成された遊技盤であって、部品には、基部の板体と接する側に突起部が設けられ、板体には、部品の突起部を挿入可能な孔が形成され、孔において、挿入受容部によって、孔に対して突起部の挿入が受け容れられ、保持部によって、孔に挿入される突起部が保持される。そして、遊技盤の製造時において、孔に突起部が挿入された状態で板体が搬送される方向と交わる方向の所定位置に、保持部が形成される。
【0841】
従来、板体の製造時には、板体の搬送方向への慣性力が与えられている。そして、板体の搬送を停止した場合に、板体に載置されている部品に上記慣性力に基づく衝撃が加わる。また、停止されている板体の搬送を開始した場合に、板体上に停止状態で載置されている部品に対して慣性に基づく衝撃が加わる。板体の製造時に板体に載置された部品が固定される前に上記衝撃が加わると、部品の載置位置がズレてしまうおそれがある。そこで、部品に突起部を形成すると共に、板体に孔を形成し、突起部を孔に挿入して、部品を板体に対して保持するように構成されている。このような状況において、板体の搬送が停止等した場合に生じる衝撃によっては、突起部が孔から飛び出してしまう場合があり、板体に対して部品の載置位置がズレてしまうおそれがある。
【0842】
そこで、孔に設けられる保持部を、板体の搬送方向と交わる方向の所定位置に形成することで、板体の搬送停止に伴う搬送方向への衝撃が部品に与えられた場合でも、部品の突起部と孔の保持部とが接触するように構成する。このように構成することで、板体の搬送の停止や搬送の開始に伴って部品に搬送方向への慣性力に基づく衝撃が与えられた場合でも、突起部と保持部とが接触して干渉し合うことで、突起部が孔から飛び出してしまうことを防止することができる。よって、板体の搬送時に部品の載置位置がズレてしまうことを未然に防止(抑制)することができる、という効果がある。
【0843】
なお、上記遊技機A0~A9のいずれかの構成に対して、上記遊技機B0~B26,C0~C20,D0~D11,E0~E4,F0~F4,G0~G1,H1,I1,J1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機B0~B26のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A9,C0~C20,D0~D11,E0~E4,F0~F4,G0~G1,H1,I1,J1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機C0~C20のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A9,B0~B26,D0~D11,E0~E4,F0~F4,G0~G1,H1,I1,J1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機D0~D11のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A9,B0~B26,C0~C20,E0~E4,F0~F4,G0~G1,H1,I1,J1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機E0~E4のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A9,B0~B26,C0~C20,D0~D11,F0~F4,G0~G1,H1,I1,J1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機F0~F4のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A9,B0~B26,C0~C20,D0~D11,E0~E4,G0~G1,H1,I1,J1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機G0~G1のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A9,B0~B26,C0~C20,D0~D11,E0~E4,F0~F4,H1,I1,J1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機H1の構成に対して、上記遊技機A0~A9,B0~B26,C0~C20,D0~D11,E0~E4,F0~F4,G0~G1,I1,J1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機I1の構成に対して、上記遊技機A0~A9,B0~B26,C0~C20,D0~D11,E0~E4,F0~F4,G0~G1,H1,J1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機J1の構成に対して、上記遊技機A0~A9,B0~B26,C0~C20,D0~D11,E0~E4,F0~F4,G0~G1,H1,I1,のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
【0844】
遊技機A0~A9,B0~B26,C0~C20,D0~D11,E0~E4,F0~F4,G0~G1,H1,I1,J1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機K1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に基づいて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【符号の説明】
【0845】
7 スルーゲート(部品の一部)
7f スルー突起(突起部の一部)
10 パチンコ機(遊技機)
13 遊技盤
60 ベース板(板体の一部)
60a セルシート(板体の一部)
321 ハイブリッドピン
627 スルー位置決め孔(孔の一部)
627a スルーストレート部(保持部の一部)
627b スルーテーパ部(挿入受容部の一部)