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特許7405354不動産相続推定システム、不動産相続推定方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】不動産相続推定システム、不動産相続推定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20231219BHJP
   G06Q 50/18 20120101ALI20231219BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
G06Q50/18 320
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023000615
(22)【出願日】2023-01-05
(62)【分割の表示】P 2021179370の分割
【原出願日】2017-01-06
(65)【公開番号】P2023026626
(43)【公開日】2023-02-24
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】598040488
【氏名又は名称】株式会社JON
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 元
【審査官】星野 昌幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-143389(JP,A)
【文献】特開2010-015322(JP,A)
【文献】特開2004-303131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00~99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
登記情報記憶手段に記憶されている複数の登記情報のうちから、相続による所有権移転が示されている登記情報を特定する相続登記特定手段と、
前記相続登記特定手段により特定される登記情報に基づいて、当該登記情報に示されている不動産の被相続人及び相続人を推定する推定手段と、
前記被相続人として同じ人物が推定される複数の前記登記情報についての、当該登記情報に基づいて推定される相続人の一覧を出力する出力手段と、
を含むことを特徴とする不動産相続推定システム。
【請求項2】
不動産相続推定システムが、当該不動産相続推定システムに記憶されている複数の登記情報のうちから、相続による所有権移転が示されている登記情報を特定するステップと、
前記不動産相続推定システムが、特定される登記情報に基づいて、当該登記情報に示されている不動産の被相続人及び相続人を推定するステップと、
前記不動産相続推定システムが、前記被相続人として同じ人物が推定される複数の前記登記情報についての、当該登記情報に基づいて推定される相続人の一覧を出力するステップと、
を含むことを特徴とする不動産相続推定方法。
【請求項3】
登記情報記憶手段に記憶されている複数の登記情報のうちから、相続による所有権移転が示されている登記情報を特定する手順、
特定される登記情報に基づいて、当該登記情報に示されている不動産の被相続人及び相続人を推定する手順、
前記被相続人として同じ人物が推定される複数の前記登記情報についての、当該登記情報に基づいて推定される相続人の一覧を出力する手順、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は不動産相続推定システム、不動産相続推定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
不動産業者や金融機関などといった事業者のなかには、法務省等から入手可能な不動産登記全部事項等の不動産登記情報のデータが記録されたデータベースによって顧客が所有する不動産を管理しているものがいる。不動産登記情報は、例えば特許文献1に記載されているような不動産登記情報提供サーバにアクセスすることによって取得可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-22066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顧客が死亡した際には、当該顧客が所有する不動産等の財産は相続される。ここで顧客との間で築いた関係の相続人への継承などのために戸籍を参照して当該顧客の相続について把握しようとしても、顧客の戸籍の参照が可能な者は一部の者に限られている。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的の一つは、戸籍を参照することなく不動産の相続を推定できる不動産相続推定システム、不動産相続推定方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る不動産相続推定システムは、登記情報記憶手段に記憶されている複数の登記情報のうちから、相続による所有権移転が示されている登記情報を特定する相続登記特定手段と、前記相続登記特定手段により特定される登記情報に示されている前記相続による所有権移転の直前の所有者を当該登記情報に示されている不動産の被相続人として推定する被相続人推定手段と、前記相続登記特定手段により特定される登記情報に示されている前記相続による所有権移転の後の所有者を当該登記情報に示されている不動産の相続人として推定する相続人推定手段と、前記相続登記特定手段により特定される登記情報に示されている不動産のデータ、前記被相続人推定手段により推定される当該不動産の被相続人のデータ、及び、前記相続人推定手段により推定される当該不動産の相続人のデータ、を含む相続データを生成する相続データ生成手段と、を含む。
【0007】
本発明の一態様では、前記被相続人推定手段は、さらに、前記相続登記特定手段により特定される登記情報に示されている前記相続による所有権移転の原因日付を当該登記情報に示されている不動産の相続日として推定し、前記相続データ生成手段は、前記被相続人推定手段により推定される相続日のデータをさらに含む前記相続データを生成し、前記相続データ生成手段が生成する前記相続データを保持する相続データ保持手段と、前記相続データ保持手段が保持する前記相続データのうちに、前記被相続人推定手段により推定される被相続人及び相続日の組合せと一致する被相続人及び相続人の組合せが示されている前記相続データが存在する場合は、前記相続登記特定手段により特定される登記情報に示されている不動産のデータ、及び、前記相続人推定手段により推定される当該不動産の相続人のデータを、当該相続データに追加する相続データ更新手段と、をさらに含む。
【0008】
あるいは、前記被相続人推定手段は、さらに、前記相続登記特定手段により特定される登記情報に示されている前記相続による所有権移転の原因日付を当該登記情報に示されている不動産の相続日として推定し、前記相続データ生成手段は、前記被相続人推定手段により推定される相続日のデータをさらに含む前記相続データを生成し、登記情報記憶手段に記憶されている複数の登記情報のうちに、前記被相続人推定手段により推定される被相続人が相続による所有権移転の直前の所有者として示されており、前記被相続人推定手段により推定される相続日が相続による所有権移転の原因日付として示されている、相続による所有権移転が示されている他の登記情報が存在する場合は、当該他の登記情報に示されている不動産のデータ、及び、当該他の登記情報に示されている前記相続による所有権移転の後の所有者のデータ、をさらに含む前記相続データを生成する。
【0009】
また、本発明に係る不動産相続推定方法は、相続登記特定手段が、登記情報記憶手段に記憶されている複数の登記情報のうちから、相続による所有権移転が示されている登記情報を特定するステップと、被相続人推定手段が、前記相続登記特定手段により特定される登記情報に示されている前記相続による所有権移転の直前の所有者を当該登記情報に示されている不動産の被相続人として推定するステップと、相続人推定手段が、前記相続登記特定手段により特定される登記情報に示されている前記相続による所有権移転の後の所有者を当該登記情報に示されている不動産の相続人として推定するステップと、相続データ生成手段が、前記相続登記特定手段により特定される登記情報に示されている不動産のデータ、前記被相続人推定手段により推定される当該不動産の被相続人のデータ、及び、前記相続人推定手段により推定される当該不動産の相続人のデータ、を含む相続データを生成するステップと、を含む。
【0010】
また、本発明に係るプログラムは、登記情報記憶手段に記憶されている複数の登記情報のうちから、相続による所有権移転が示されている登記情報を特定する手順、特定される前記登記情報に示されている前記相続による所有権移転の直前の所有者を当該登記情報に示されている不動産の被相続人として推定する手順、特定される前記登記情報に示されている前記相続による所有権移転の後の所有者を当該登記情報に示されている不動産の相続人として推定する手順、特定される前記登記情報に示されている不動産のデータ、推定される当該不動産の被相続人のデータ、及び、推定される当該不動産の相続人のデータ、を含む相続データを生成する手順、をコンピュータに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るコンピュータネットワークの全体構成の一例を示す図である。
図2A】登記情報データの一例を示す図である。
図2B】登記情報データの一例を示す図である。
図2C】登記情報データの一例を示す図である。
図2D】登記情報データの一例を示す図である。
図3A】登記申請情報データの一例を示す図である。
図3B】登記申請情報データの一例を示す図である。
図3C】登記申請情報データの一例を示す図である。
図4A】相続データの一例を示す図である。
図4B】相続データの一例を示す図である。
図4C】相続データの一例を示す図である。
図5A】相続情報の一例を示す図である。
図5B】相続情報の一例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る登記情報データ管理システムで実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。
図7】本発明の一実施形態に係る登記情報データ管理システムにおいて行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
図8】相続データの一例を示す図である。
図9】相続情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係るコンピュータネットワークの全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、インターネットなどのコンピュータネットワーク16には、いずれもコンピュータを中心に構成された登記情報データ管理システム10、登記申請情報データ提供システム12、登記情報提供システム14が接続されている。
【0014】
登記情報データ管理システム10は、例えば不動産業者や金融機関などといったユーザが利用するコンピュータシステムである。本実施形態に係る登記情報データ管理システム10には、例えばユーザの顧客が所有する不動産の登記情報や、当該ユーザが関係する法務局の管轄する地域に属するすべての不動産の登記情報などといった登記情報が登録されている。なお以下の説明では、登記情報データ管理システム10には、ユーザの顧客が所有する不動産の登記情報のデータが登録されていることとする。
【0015】
図1に示すように、登記情報データ管理システム10には、制御部10a、記憶部10b、通信部10c、出力部10d、入力部10eが含まれる。
【0016】
制御部10aは、例えばCPU等のプログラム制御デバイスであって、記憶部10bに記憶されたプログラムに従って各種の情報処理を実行する。
【0017】
記憶部10bは、例えばROMやRAM等の記憶素子やハードディスクドライブなどである。記憶部10bには、制御部10aによって実行されるプログラムなどが記憶される。
【0018】
通信部10cは、例えばコンピュータネットワーク16を介して登記申請情報データ提供システム12や登記情報提供システム14との間でデータを授受するための通信インタフェースである。登記情報データ管理システム10は、通信部10cを経由して登記申請情報データ提供システム12や登記情報提供システム14との間で情報の送受信を行う。
【0019】
出力部10dは、例えば制御部10aから入力される指示に従って情報を表示出力するディスプレイ等の表示部や音声出力するスピーカ等の音声出力部やプリンタ等の印刷出力部等である。
【0020】
入力部10eは、例えばユーザが行った操作の内容を制御部10aに出力するゲームコントローラ、タッチパッド、マウス、キーボード、マイク等である。
【0021】
登記申請情報データ提供システム12は、例えば法務局で管理されている不動産登記受付帳の記載内容に相当する登記申請情報がデータとして登録されたコンピュータシステムである。登記申請情報データ提供システム12は、例えば登記情報データ管理システム10等のコンピュータシステムからの要求に応じて、要求された登記申請情報のデータを当該コンピュータシステムに提供する。
【0022】
登記情報提供システム14は、例えば一般財団法人民事法務協会などによる登記情報提供サービスを提供するコンピュータシステムである。登記情報提供システム14は、例えば登記情報データ管理システム10等のコンピュータシステムからの要求に応じて、要求された不動産登記全部事項等の登記情報を当該コンピュータシステムに提供する。
【0023】
本実施形態に係る登記情報提供システム14は、不動産登記全部事項の情報を、例えばPDF形式のファイルで登記情報データ管理システム10に提供する。そして本実施形態では登記情報データ管理システム10が、当該ファイルに対してテキスト化処理を実行する。そして本実施形態では、テキスト化処理により生成されたテキストの内容に応じた登記情報のデータが登記情報データ管理システム10に登録される。
【0024】
図2A図2Dのそれぞれには、登記情報データ管理システム10に登録される登記情報のデータの一例である登記情報データ20が示されている。ここで例えば、図2Aに示す登記情報データ20a、図2Bに示す登記情報データ20b、及び、図2Cに示す登記情報データ20cは、それぞれ互いに異なる不動産についての、平成28年7月31日における登記情報データ20であることとする。
【0025】
本実施形態では法務局が不動産の登記申請を受け付けると、当該登記申請の内容に応じて、当該不動産の不動産登記全部事項などといった登記情報が更新される。そして登記情報の更新に応じて後述するように登記情報データ20が更新される。このようにして更新された登記情報データ20の一例として、図2Dには、図2Cに示す登記情報データ20cと同じ不動産についての、平成28年9月30日における登記情報データ20が示されている。
【0026】
なお平成28年7月31日から平成28年9月30日までにおいては、図2Aに示す登記情報データ20aも図2Bに示す登記情報データ20bも更新されていないこととする。
【0027】
本実施形態に係る登記情報データ20には、表題部データ、及び、権利部(甲区)データ、が含まれる。
【0028】
表題部データは、対応する不動産登記全部事項の表題部の記載内容に相当するデータである。表題部データには、表示種別データ、調製年月日データ、不動産番号データ、地図番号データ、筆界特定データ、所在データ、が含まれる。
【0029】
表示種別データは、不動産登記全部事項の表題部との記載の右側に括弧書きで記載されている、不動産の種別を示すデータである。調製年月日データ、不動産番号データ、地図番号データ、筆界特定データ、所在データは、それぞれ、不動産登記全部事項の表題部の調製、不動産番号、地図番号、筆界特定、所在の記載内容を示すデータである。
【0030】
また表題部データには、地番データ、地目データ、地積データ、原因及びその日付[登記の日付]データの組合せが1又は複数含まれる。
【0031】
地番データ、地目データ、地積データ、原因及びその日付[登記の日付]データは、それぞれ、不動産登記全部事項の表題部の地番、地目、地積、原因及びその日付[登記の日付]の記載内容を示すデータである。
【0032】
権利部(甲区)データは、対応する不動産登記全部事項の権利部(甲区)の記載内容に相当するデータである。権利部(甲区)データには、順位番号、登記の目的データ、受付年月日データ、受付番号、及び、権利者その他の事項データの組合せが1又は複数含まれる。以下、順位番号、登記の目的データ、受付年月日データ、受付番号、及び、権利者その他の事項データを含むデータを単位データと呼ぶこととする。
【0033】
順位番号、登記の目的データは、それぞれ、不動産登記全部事項の権利部(甲区)の順位番号、登記の目的の記載内容を示すデータである。受付年月日データ、受付番号は、それぞれ、不動産登記全部事項の権利部(甲区)の受付年月日・受付番号に含まれる受付年月日、受付番号の記載内容を示すデータである。権利者その他の事項データは、不動産登記全部事項の権利部(甲区)の権利者その他の事項の記載内容を示すデータである。
【0034】
なお登記情報データ20には、以上の他に、対応する不動産登記全部事項の権利部(乙区)、共同担保目録の記載内容にそれぞれ相当する権利部(乙区)データ、共同担保目録データが含まれるが、これらの説明は省略する。
【0035】
図3A図3Cのそれぞれには、登記申請情報データ提供システム12が提供する登記申請情報のデータの一例である登記申請情報データ22が示されている。図3Aには、登記申請情報データ22aが、図3Bには、登記申請情報データ22bが、図3Cには、登記申請情報データ22cが示されている。
【0036】
登記申請情報データ22は、1の不動産登記申請に対応付けられる。図3Aに示す登記申請情報データ22aは、平成28年7月20日に受け付けた登記情報データ20aに対応付けられる不動産についての不動産登記申請に対応付けられる。図3Bに示す登記申請情報データ22bは、平成28年7月20日に受け付けた登記情報データ20bに対応付けられる不動産についての不動産登記申請に対応付けられる。図3Cに示す登記申請情報データ22cは、平成28年9月15日に受け付けた登記情報データ20cに対応付けられる不動産についての不動産登記申請に対応付けられる。
【0037】
本実施形態に係る登記申請情報データ22には、受付年月日データ、受付番号、物件特定データ、登記目的データ、不動産種別データが含まれる。
【0038】
受付年月日データは、例えば当該登記申請情報データ22に対応付けられる登記申請の受付年月日を示すデータである。受付番号は、例えば当該登記申請情報データ22に対応付けられる登記申請の受付順序に従って設定される番号である。物件特定データは、例えば当該登記申請情報データ22に対応付けられる登記申請の対象となる不動産を特定するためのデータである。物件特定データには、都道府県名データ、市区町村名データ、大字名町名データ、字名丁目データ、地番家屋番号データ、が含まれる。都道府県名データ、市区町村名データ、大字名町名データ、字名丁目データ、地番家屋番号データは、それぞれ、登記申請の対象となる不動産の都道府県名、市区町村名、大字名又は町名、字名又は丁目、地番又は家屋番号を示すデータである。登記目的データは、当該登記申請情報データ22に対応付けられる登記申請の目的を示すデータである。
【0039】
法務局が不動産の登記申請を受け付けて不動産登記全部事項が更新されてもそのことはユーザには通知されない。ここで登記申請情報データ22を用いれば、更新された不動産登記全部事項を的確に推定できるものと期待できる。例えば登記申請情報データ22の物件特定データの値に相当する所在データの値及び地番データの値を含む登記情報データ20を、更新された不動産登記全部事項に対応付けられる登記情報データ20として推定することが考えられる。
【0040】
また例えば図3A図3Cに示すように、登記申請の目的が所有権移転相続・法人合併である登記申請が発生した場合には、当該不動産の所有者である顧客が死亡した可能性が高い。この場合に、戸籍を参照することなく当該顧客(被相続人)の不動産を相続する相続人が推定できれば、死亡した顧客との間で築いた関係の相続人への継承などが容易となりユーザにとって有益である。
【0041】
そこで本実施形態では、以下のようにして、登記情報データ管理システム10に登録されている登記情報データ20に基づいて、戸籍を参照することなく不動産の相続を推定できるようにした。具体的には例えば図4A図4Cに例示する、被相続人が所有する不動産の相続人等の相続関係を示す相続データ24が生成されるようにした。また図5A及び図5Bに示すような、相続データ24に基づいて生成される、被相続人が所有する不動産の相続人が一覧として示された相続情報26がディスプレイに表示されたりプリンタから印刷出力されたりするようにした。
【0042】
以下、不動産の相続の推定を中心に、本実施形態に係る登記情報データ管理システム10の機能及び登記情報データ管理システム10で行われる処理についてさらに説明する。
【0043】
図6は、本実施形態に係る登記情報データ管理システム10で実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態に係る登記情報データ管理システム10で、図6に示す機能のすべてが実装される必要はなく、また、図6に示す機能以外の機能が実装されていても構わない。
【0044】
図6に示すように、本実施形態に係る登記情報データ管理システム10は、機能的には例えば、登記情報記憶部30、登記申請情報記憶部32、相続データ保持部34、登記申請情報要求部36、登記申請情報取得部38、登記情報特定部40、現況確認部42、登記情報更新部44、相続登記特定部46、被相続人推定部48、相続人推定部50、相続データ確認部52、相続データ生成部54、相続データ更新部56、相続情報出力部58、を含んでいる。登記情報記憶部30、登記申請情報記憶部32、相続データ保持部34は、記憶部10bを主として実装される。登記申請情報要求部36、登記申請情報取得部38、現況確認部42は、通信部10cを主として実装される。登記情報特定部40、登記情報更新部44、相続登記特定部46、被相続人推定部48、相続人推定部50、相続データ確認部52、相続データ生成部54、相続データ更新部56は、制御部10aを主として実装される。相続情報出力部58は、制御部10a及び出力部10dを主として実装される。登記情報データ管理システム10は、本実施形態において、死亡した被相続人が所有する不動産の相続を推定する不動産相続推定システムとしての役割を担うこととなる。
【0045】
以上の機能は、コンピュータである登記情報データ管理システム10にインストールされた、以上の機能に対応する指令を含むプログラムを制御部10aで実行することにより実装されてもよい。このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどを介して登記情報データ管理システム10に供給されてもよい。
【0046】
登記情報記憶部30は、本実施形態では例えば、登記情報データ20などといった登記情報を記憶する。
【0047】
登記申請情報記憶部32は、本実施形態では例えば、登記申請情報データ22などといった登記申請情報を記憶する。
【0048】
相続データ保持部34は、本実施形態では例えば、相続データ24などといった被相続人が所有する不動産の相続人等の相続関係を示すデータを保持する。
【0049】
相続データ24には、例えば、被相続人を示す被相続人データ、及び、相続日を示す相続日データが含まれる。また相続データ24には、例えば、相続人データ、住所データ、不動産所在データ、地番データ、用途データ、地目・種類データ、及び、面積データを含む相続不動産データが1又は複数含まれる。相続不動産データは、被相続人データが示す被相続人により相続される不動産に対応付けられる。相続人データは、例えば当該不動産の相続人を示すデータである。住所データは、例えば当該相続人の住所を示すデータである。不動産所在データは、例えば当該不動産の所在を示すデータである。地番データは、例えば当該不動産の地番を示すデータである。用途データは、例えば当該不動産の用途を示すデータである。地目・種類データは、例えば当該不動産の地目や種類を示すデータである。面積データは、例えば当該不動産の面積を示すデータである。
【0050】
登記申請情報要求部36は、本実施形態では例えば、登記申請情報を要求する。登記申請情報要求部36は例えば、登記申請情報の送信要求を登記申請情報データ提供システム12に送信する。
【0051】
すると登記申請情報データ提供システム12は、登記申請情報の送信要求の受信に応じて、送信対象となる1又は複数の登記申請情報データ22を特定する。そして登記申請情報データ提供システム12は特定された登記申請情報データ22を登記情報データ管理システム10に送信する。
【0052】
登記申請情報取得部38は、本実施形態では例えば、登記申請情報を取得する。登記申請情報取得部38は例えば、登記申請情報データ提供システム12が送信する登記申請情報データ22を受信して、登記申請情報記憶部32に記憶させる。
【0053】
ここで例えば、登記申請情報要求部36が、新たに登録された登記申請情報の送信要求を繰り返し送信してもよい。そして登記申請情報データ提供システム12は、当該送信要求の受信に応じて、前回の送信後に新たに登録された登記申請情報を登記情報データ管理システム10に送信してもよい。登記申請情報取得部38が当該登記申請情報を受信して、登記申請情報記憶部32に記憶させてもよい。また登記申請情報の取得は1日間隔などといった所定の時間間隔で行われてもよい。
【0054】
登記情報特定部40は、本実施形態では例えば、登記情報記憶部30に記憶されている複数の登記情報のうちから、登記申請情報取得部38が取得する登記申請情報に示されている不動産の登記情報を特定する。ここで登記申請情報取得部38によって登記申請情報記憶部32に記憶された登記申請情報に示されている不動産の登記情報が特定されてもよい。
【0055】
登記情報特定部40は、例えば、登記申請情報取得部38が取得する登記申請情報データ22に含まれる市区町村名データ、大字名町名データ、字名丁目データのそれぞれの値を結合した結合所在文字列を特定する。また登記情報特定部40は、地番家屋番号データの値に含まれるハイフンを「番」に置換する。そして登記情報特定部40は、特定された結合所在文字列の値を所在データの値として含み、置換された地番家屋番号データの値を地番データの値として含む登記情報データ20を特定する。なお登記申請情報取得部38が取得する登記申請情報に示されている不動産の登記情報の特定方法はこの方法に限定されない。他の方法によって登記申請情報取得部38が取得する登記申請情報に示されている不動産の登記情報が特定されてもよい。
【0056】
現況確認部42は、本実施形態では例えば、登記情報特定部40が特定する登記情報に対応付けられる不動産の現況の不動産登記全部事項を確認する。ここで現況確認部42は、登記情報特定部40が特定する登記情報に含まれる不動産番号データの値を登記情報提供システム14に送信する。すると登記情報提供システム14は、当該不動産番号データの値により識別される不動産登記全部事項の情報のファイルを登記情報データ管理システム10に送信する。
【0057】
登記情報更新部44は、本実施形態では例えば、現況確認部42により確認される現況に基づいて、登記情報記憶部30に記憶されている登記情報を更新する。ここで登記情報更新部44は、現況確認部42により確認される現況に基づいて、登記情報記憶部30に記憶されている、登記情報特定部40が特定する登記情報を更新してもよい。登記情報更新部44は例えば、現況確認部42が受信した不動産登記全部事項の情報のファイルに対してテキスト化処理を実行する。そして登記情報更新部44は例えば、テキスト化処理により生成されたテキストの内容を登記情報データ20の値に反映させることにより、登記情報データ20を更新する。
【0058】
例えば登記申請情報取得部38が平成28年7月21日に図3Aに示す登記申請情報データ22a及び図3Bに示す登記申請情報データ22bを取得したとする。この場合、登記情報更新部44は、登記情報データ20a及び登記情報データ20bを更新することとなる。
【0059】
また例えば、登記申請情報取得部38が平成28年9月16日に図3Cに例示する登記申請情報データ22cを取得したとする。この場合、登記情報更新部44が、登記情報データ20cを、図2Cに示す状態から図2Dに示す状態に更新することとなる。
【0060】
相続登記特定部46は、本実施形態では例えば、登記情報記憶部30に記憶されている複数の登記情報のうちから、相続による所有権移転が示されている登記情報を特定する。ここで相続登記特定部46は、例えば、登記情報更新部44が更新した登記情報データ20のうちから、相続による所有権移転が示されている登記情報データ20を特定してもよい。例えば「相続」との文字列が権利者その他の事項データに含まれている登記情報データ20が、相続による所有権移転が示されている登記情報データ20として特定されてもよい。
【0061】
被相続人推定部48は、本実施形態では例えば、相続登記特定部46により特定される登記情報に示されている、相続による所有権移転の直前の所有者を当該登記情報に示されている不動産の被相続人として推定する。ここで被相続人推定部48は、さらに、相続登記特定部46により特定される登記情報に示されている、相続による所有権移転の原因日付を当該登記情報に示されている不動産の相続日として推定してもよい。
【0062】
図2Aの例では、順位番号として1を含む単位データに対応付けられる所有権移転により○○太郎が所有者となったことが示されている。また順位番号として2を含む単位データに対応付けられる相続による所有権移転により○○次郎が所有者となったことが示されている。この場合は、相続による所有権移転の直前の所有者は○○太郎であるので、被相続人推定部48は、○○太郎を被相続人として推定する。なお、被相続人の推定方法はこの方法に限定されない。
【0063】
また図2Aの例では、順位番号として2を含む単位データに、平成20年4月25日が相続の原因日付として示されている。この場合は、被相続人推定部48は、平成20年4月25日を相続日として推定する。なお、相続日の推定方法はこの方法に限定されない。
【0064】
相続人推定部50は、本実施形態では例えば、相続登記特定部46により特定される登記情報に示されている、相続による所有権移転の後の所有者を当該登記情報に示されている不動産の相続人として推定する。また相続人推定部50は、さらに、相続登記特定部46により特定される登記情報に示されている、相続による所有権移転の後の所有者の住所を、相続人の住所として推定してもよい。
【0065】
図2Aの例では、順位番号として1を含む単位データに対応付けられる所有権移転により○○太郎が所有者となったことが示されている。また順位番号として2を含む単位データに対応付けられる相続による所有権移転により○○次郎が所有者となったことが示されている。この場合は、相続による所有権移転の後の所有者は○○次郎であるので、相続人推定部50は、○○次郎を相続人として推定する。なお、相続人の推定方法はこの方法に限定されない。
【0066】
また図2Aの例では、順位番号として2を含む単位データに、B1市B2町三丁目22番22号が、相続による所有権移転の後の所有者である○○次郎の住所として示されている。この場合は、相続人推定部50は、B1市B2町三丁目22番22号を、相続人の住所として推定する。なお、相続人の住所の推定方法はこの方法に限定されない。
【0067】
相続データ確認部52は、本実施形態では例えば、相続データ保持部34が保持する相続データ24のうちに、被相続人データの値が推定される被相続人の氏名と一致し、相続日データの値が推定される相続日と一致するものが存在するか否かを確認する。
【0068】
相続データ生成部54は、本実施形態では例えば、相続登記特定部46により特定される登記情報に示されている不動産のデータ、推定される当該不動産の被相続人のデータ、及び、推定される当該不動産の相続人のデータ、を含む相続データ24を生成する。そして相続データ生成部54は、本実施形態では例えば、生成された相続データ24を相続データ保持部34に保持させる。ここで例えば、推定された被相続人を示す被相続人データと推定された相続日を示す相続日データとを含む相続データ24が保持されていないことが相続データ確認部52により確認された場合に、上述のようにして相続データ24が生成されるようにしてもよい。
【0069】
図4Aには、登記情報データ20aに基づいて生成される相続データ24の一例が示されている。
【0070】
相続データ生成部54は例えば、被相続人推定部48により推定された被相続人の氏名を被相続人データの値として設定する。また相続データ生成部54は例えば、被相続人推定部48により推定された相続日を相続日データの値として設定する。
【0071】
また相続データ生成部54は例えば、相続登記特定部46により特定される登記情報データ20、相続人推定部50により推定される相続人、及び、当該相続人の住所の組合せに対応付けられる値を、相続不動産データの値として設定する。
【0072】
相続不動産データの相続人データの値として例えば、相続人推定部50により推定される相続人の氏名が設定される。また相続不動産データの住所データの値として例えば、相続人推定部50により推定される相続人の住所が設定される。また相続不動産データの不動産所在データの値として例えば、特定される登記情報データ20の表題部データに含まれる所在データの値が設定される。また相続不動産データの地番データの値として例えば、特定される登記情報データ20の表題部データに含まれる現在の地番データの値が設定される。また相続不動産データの用途データの値として例えば、特定される登記情報データ20の表題部データに含まれる表示種別データの値に対応付けられる値が設定される。ここでは例えば表示種別データの値が「土地の表示」であれば表示種別データの値として「土地」が設定され、表示種別データの値が「建物の表示」であれば表示種別データの値として「建物」が設定される。また相続不動産データの地目・種類データの値として、特定される登記情報データ20の表題部データに含まれる現在の地目データの値が設定される。また相続不動産データの面積データの値として例えば、特定される登記情報データ20の表題部データに含まれる現在の地積データの値が設定される。
【0073】
相続データ更新部56は、本実施形態では例えば、相続登記特定部46により特定される登記情報に示されている不動産のデータ、及び、推定される当該不動産の相続人のデータを、相続データ保持部34に保持されている相続データ24に追加する。ここで相続データ更新部56は例えば、相続登記特定部46により特定される登記情報データ20と相続人推定部50により推定される相続人との組合せに対応付けられる値が設定された相続不動産データを、保持されている相続データ24に追加してもよい。また例えば、推定された被相続人を示す被相続人データと推定された相続日を示す相続日データとを含む相続データ24が保持されていることが相続データ確認部52により確認された場合に、上述のようにして当該相続データ24を更新してもよい。
【0074】
例えば図4Aに示す相続データ24が生成された後に、被相続人推定部48が、登記情報データ20bに基づいて、被相続人として○○太郎を、相続日として平成20年4月25日を推定したとする。この場合は、相続データ確認部52は、被相続人データの値が○○太郎であり、相続日データの値が平成20年4月25日である、図4Aに示す相続データ24が相続データ保持部34に保持されていることを確認する。その結果、相続データ更新部56は、図4Aに示す相続データ24を図4Bに示す状態に更新することとなる。
【0075】
同様に、例えば平成28年9月16日に、被相続人推定部48が、登記情報データ20cに基づいて、被相続人として○○太郎を、相続日として平成20年4月25日を推定したとする。この場合は、相続データ確認部52は、被相続人データの値が○○太郎であり、相続日データの値が平成20年4月25日である、図4Bに示す相続データ24が相続データ保持部34に保持されていることを確認する。その結果、相続データ更新部56は、図4Bに示す相続データ24を図4Cに示す状態に更新することとなる。
【0076】
相続情報出力部58は、図5A及び図5Bに例示する相続情報26を出力する。ここで相続情報26は、例えばディスプレイに表示出力されてもよくプリンタから印刷出力されてもよい。また相続情報出力部58は、相続データ保持部34が保持している相続データ24に基づいて相続情報26を生成して出力してもよい。ここで図5Aに示す相続情報26が、図4Bに示す相続データ24に基づいて生成されてもよい。また図5Bに示す相続情報26が、図4Cに示す相続データ24に基づいて生成されてもよい。
【0077】
また相続情報出力部58は、例えばユーザからの要求に応じて相続情報26を出力してもよい。ここで例えば、ユーザが被相続人を指定できるようにしてもよい。この場合に例えば、ユーザにより指定される被相続人の氏名を相続人データの値として含む相続データ24に基づいて生成される相続情報26が出力されるようにしてもよい。また例えば、相続情報出力部58は、相続データ24の生成又は更新が行われる度に、生成又は更新された相続データ24に基づいて相続情報26を生成して、当該相続情報26を出力してもよい。
【0078】
例えば図5A及び図5Bに示すように、相続データ24の被相続人データの値を表題の一部に含む相続情報26が生成されてもよい。また相続データ24の相続日データの値を含む相続情報26が生成されてもよい。また相続情報26には、相続データ24に含まれる相続不動産データに含まれる相続人データの値、住所データの値、不動産所在データの値、地番データの値、用途データの値、地目・種類データの値、及び、面積データの値が含まれるようにしてもよい。また相続情報26には出力された日付や日時が示されるようにしてもよい。
【0079】
例えば平成28年7月31日に相続情報26の出力が行われた場合には、図5Aに例示する相続情報26が出力され、平成28年9月30日に相続情報26の出力が行われた場合には、図5Bに例示する相続情報26が出力される。このように本実施形態では、被相続人が所有する不動産の相続の登記申請がされる度に、出力される相続情報26に含まれる、相続人の情報などといった相続に関する情報のサイズが増えていくこととなる。
【0080】
以下、本実施形態に係る登記情報データ管理システム10において行われる処理の流れの一例を、図7に例示するフロー図を参照しながら説明する。
【0081】
まず登記申請情報要求部36が、前回の要求以降に行われた登記申請についての登記申請情報データ22の送信要求を登記申請情報データ提供システム12に送信する(S101)。そして登記申請情報取得部38が、S101に示す処理で送信された送信要求の受信に応じて登記申請情報データ提供システム12が送信する1又は複数の登記申請情報データ22を受信して、登記申請情報記憶部32に記憶させる(S102)。
【0082】
そして登記情報特定部40が、S102に示す処理で記憶された1又は複数の登記申請情報データ22のそれぞれに対応付けられる登記情報データ20を特定する(S103)。
【0083】
そして現況確認部42が、S103に示す処理で特定された1又は複数の登記情報データ20のそれぞれに対応する不動産登記全部事項の情報の送信要求を登記情報提供システム14に送信する(S104)。そして現況確認部42が、不動産登記全部事項の送信要求の受信に応じて登記情報提供システム14が送信する不動産登記全部事項の情報を受信する(S105)。
【0084】
そして登記情報更新部44は、S105に示す処理で受信した1又は複数の不動産登記全部事項のそれぞれに対応付けられる、登記情報記憶部30に記憶されている登記情報データ20を更新する(S106)。
【0085】
そして相続登記特定部46が、S106に示す処理で更新された登記情報データ20のうちから、相続による所有権移転が示されている登記情報データ20を特定する(S107)。
【0086】
そして被相続人推定部48が、S107に示す処理で特定された登記情報データ20のうちから、下記のS109~S113に示す処理が実行されていない登記情報データ20を1つ選択する(S108)。
【0087】
そして被相続人推定部48が、S108に示す処理で選択された登記情報データ20に基づいて、当該登記情報データ20が示す不動産の被相続人の氏名及び相続日を推定する(S109)。
【0088】
そして相続人推定部50が、S108に示す処理で選択された登記情報データ20に基づいて、当該登記情報データ20が示す不動産の相続人の氏名及び当該相続人の住所を推定する(S110)。
【0089】
そして相続データ確認部52が、S109に示す処理で推定された被相続人の氏名及び相続日の組合せに対応する相続データ24が相続データ保持部34に保持されているか否かを確認する(S111)。ここでは例えば、S109に示す処理で推定された被相続人の氏名及び相続日をそれぞれ被相続人データの値及び相続日データの値として含む相続データ24が相続データ保持部34に保持されているか否かが確認される。
【0090】
ここで保持されていないことが確認されたとする(S111:N)。この場合は、相続データ生成部54が、新規の相続データ24を生成して、相続データ保持部34に保持させる(S112)。この場合上述の通り、当該相続データ24の被相続人データの値として、S108に示す処理で推定された被相続人の氏名が設定される。また、当該相続データ24の相続日データの値として、S108に示す処理で推定された相続日が設定される。また当該相続データ24の相続不動産データに含まれる相続人データの値及び住所データの値として、S109に示す処理で推定された相続人の氏名及び当該相続人の住所がそれぞれ設定される。また当該相続データ24の相続不動産データに含まれる不動産所在データの値、地番データの値、用途データの値、地目・種類データの値、及び、面積データの値として、S108に示す処理で選択された登記情報データ20の対応する値がそれぞれ設定される。
【0091】
一方、S111に示す処理で保持されていることが確認されたとする(S111:Y)。この場合は、相続データ更新部56が、確認された相続データ24を更新する(S113)。この場合は上述の通り、当該相続データ24に、S109に示す処理で推定された相続人の氏名及び当該相続人の住所とS107に示す処理で選択された登記情報データ20との組合せに対応する相続不動産データが追加されることとなる。
【0092】
そしてS112又はS113に示す処理が終了すると、被相続人推定部48が、S108に示す処理において、S107に示す処理で特定された登記情報データ20がすべて選択されたか否かを確認する(S114)。ここで登記情報データ20がすべて選択されていないことが確認された場合は(S114:N)、S108に示す処理に戻る。登記情報データ20がすべて選択されたことが確認された場合は(S114:Y)、本処理例に示す処理が終了される。
【0093】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0094】
例えば相続データ生成部54が、相続登記特定部46により特定される登記情報データ20と、推定される被相続人と相続人の組合せが一致する他の登記情報データ20を、登記情報記憶部30に対して検索してもよい。例えば、推定される被相続人が相続による所有権移転の直前の所有者として示されており、推定される相続日が相続による所有権移転の原因日付として示されている、相続による所有権移転が示されている他の登記情報データ20が検索されてもよい。そしてこのような他の登記情報データ20が検索された場合は、相続登記特定部46により特定される登記情報データ20に対応する相続不動産データだけではなく当該他の登記情報データ20に対応する相続不動産データも含む相続データ24が生成されてもよい。
【0095】
また例えば、1の相続人に相続される複数の不動産が存在する場合に、図8に示すように、当該複数の不動産のそれぞれに対応付けられる相続不動産データが相続データ24に含まれるようにしてもよい。図8の例では、○○次郎に相続される複数の不動産が存在する場合における相続データ24の一例が示されている。またこの場合に、図9に示すように、当該相続データ24に基づいて生成される相続情報26において、相続人が同じである複数の不動産の情報が、当該相続人の情報に対応付けられる位置にまとめて配置されるようにしてもよい。
【0096】
また例えば登記情報データ管理システム10、登記申請情報データ提供システム12、登記情報提供システム14の役割分担は上述のものに限定されない。例えば、上述の実施形態では登記申請情報データ提供システム12に登録される登記申請情報データが登記情報データ管理システム10に記憶されてもよい。そして登記申請情報取得部38は、登記情報データ管理システム10に記憶されている登記申請情報データ22を取得してもよい。
【0097】
また上述の具体的な文字列や数値、並びに、図面中の具体的な文字列は例示であり、これらの文字列や数値には限定されない。
【符号の説明】
【0098】
10 登記情報データ管理システム、10a 制御部、10b 記憶部、10c 通信部、10d 出力部、10e 入力部、12 登記申請情報データ提供システム、14 登記情報提供システム、16 コンピュータネットワーク、20,20a,20b,20c 登記情報データ、22,22a,22b,22c 登記申請情報データ、24 相続データ、26 相続情報、30 登記情報記憶部、32 登記申請情報記憶部、34 相続データ保持部、36 登記申請情報要求部、38 登記申請情報取得部、40 登記情報特定部、42 現況確認部、44 登記情報更新部、46 相続登記特定部、48 被相続人推定部、50 相続人推定部、52 相続データ確認部、54 相続データ生成部、56 相続データ更新部、58 相続情報出力部。

図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9